JP2000238237A - 剛性板表面上に凹凸パターンを形成する輪転方式の凹凸パターン形成装置、凹凸パターン形成方法 - Google Patents

剛性板表面上に凹凸パターンを形成する輪転方式の凹凸パターン形成装置、凹凸パターン形成方法

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JP2000238237A
JP2000238237A JP11048618A JP4861899A JP2000238237A JP 2000238237 A JP2000238237 A JP 2000238237A JP 11048618 A JP11048618 A JP 11048618A JP 4861899 A JP4861899 A JP 4861899A JP 2000238237 A JP2000238237 A JP 2000238237A
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Yasumasa Akimoto
靖匡 秋本
Eizaburo Watanabe
英三郎 渡邊
Ikumasa Nishimura
生真 西村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】凹版輪転方式で剛性板へ形状再現性の優れた厚
みのある凸パターンを直接形成する方法において、量産
性のある装置・方法を提供すること。 【解決手段】輪転ロールと電離放射線硬化性樹脂組成物
が接触を開始する部分に液体を供給する機構や、輪転ロ
ールと剛性板が接触を開始する部分に液体を供給する機
構を凹版輪転方式に採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平面状の剛性板の表
面に凹凸パターンを形成する装置・方法のうち、所望の
凹凸パターンを凹版輪転ロールの表面に凸凹型として有
する凸凹版凹版輪転ロール型を使用し、電離放射線硬化
性樹脂組成物を凹型部に詰め硬化する輪転方式の装置と
方法に関する。用途としては、各種建築材・各種電子部
品の製造がある。例えば、化粧合板、プリント回路板、
プラズマディスプレイ基板、液晶ディスプレイ等に使用
されるカラーフィルターがある。以下、凸凹版の表現が
煩雑に出てくること、また凸凹版は本発明の場合、凹版
の一種であるとみなすことができるので、凹版と表現す
る。
【0002】
【従来の技術】凹版を使用して、剛性板に凸パターンを
形成する際に第一に問題となることは、通常は凹版も剛
性体なので、双方の密着が不十分な部分が発生し、その
部分の版から被印刷物へインキの転写が不十分になり、
転写不良欠陥が発生してしまうことである。その対策と
して、公知技術の例に特開平4−34551号公報があ
る。該出願では、ガラス基材等へのパターン形成を対象
としているが、凹版の凹部以外の版面にインキ反発ゴム
弾性層を形成している。印刷時にゴム層が印圧により変
形し、ガラス基板等の厚さムラや表面に多少の凹凸があ
る剛性板に対して密着しながらインキが版から基板に転
移する。そのため欠陥が少ないパターンが得られるとし
ている。しかし、転写時インキは、インキの粘度にもよ
るが、版のほぼ半分以下の深さで***してしまうため、
得られる凸パターンの厚さは薄くなってしまう。また得
られる凸パターンの形状もインキ***の影響を受けたも
のである。
【0003】凹版内のインキの***を発生させない方法
は、すでに特開昭57−87318に開示されている。
その方法は使用するインキ(ペ−スト)を紫外線硬化、
電子線硬化組成とし、凹版内のインキを硬化して転写す
るというものである。凹版の離型性を高めるために、凹
版(内)にシリコーン等を設けることも開示されてい
る。
【0004】次に、特開平4−35989号公報におい
て特開平4−34551号公報の改良法といえるものが
開示されている。すなわち、凹部の内面をシリコーンゴ
ムやテフロン等の剥離性のものとすることで、転写性を
向上したものであり、ガラス基板のような剛性ある被印
刷物の表面に粘着層を設置しておけば、インキを硬化し
てから転写することができ、得られる凸パターンの形状
も優れたものである。しかし、凹部の内面がインキを反
発したり、離型性を有する面であるので、インキは凹部
に入ったあとインキングロ−ルが版から離れる際に、イ
ンキングロ−ルのほうに付着して、凹部から抜け出てし
まうという問題点があった。
【0005】この特開平4−35989号公報は特開昭
56−137989号公報に示された印刷版と印刷方法
の改良である。後者においては、版の表面にインキ反発
層がなく、硬質の、例えばクロムメッキ材やステンレス
板等の材料で形成されていた。その場合には、ドクター
を用いてインキングすれば、凹部の内面がインキとなじ
まない性質のものであっても、表面の硬質層の凹部内面
がインキとなじむこともあり、インキングすることがで
きた。裏打ち材が伸縮性があるので、加圧によってイン
キを押し出す作用を果たし、剛性板へのインキの転写も
一応問題なかった。また、形状をよくするため版内でイ
ンキを硬化することはでき、上述のようにインキ硬化物
を被印刷物のほうへ押し出すことは可能であったが、被
印刷物の表面に粘着材を賦与して転写することは出来な
かった。版面と被印刷物が粘着材で張りついてしまうか
らである。
【0006】これを避けるため、シリコーン樹脂やフッ
素樹脂を使用して版の表面をインキや粘着材に対して離
型性にすると、ドクタ−でインキを掻き取る際にそれら
の樹脂が柔らかいので、傷つき痛み、耐性がかなり低い
という問題があった。
【0007】そのインキング法を改良したものが、特開
平4−10936号公報、特開平5−241175号公
報に記載された方法である。すなわち離型性を有するフ
ィルムでインキを凹部内に押し込む方法である。この方
法によれば凹部のインキを硬化する場合も、しない場合
も、凹部のインキが掻き取られたり、凹版輪転ロールに
取られたりすることがなくなった。しかし、インキング
と硬化の方法を示しただけであり、装置は示されていな
い。さらに、凹版へインキングする際には、もう一つの
問題がある。それは、気泡の巻込みであり、凹版の版深
が深くなり、パターンが微細になり、インキの粘度が高
くなり、充填速度が速くなる程、発生し易くなる。この
問題に対して上に示した出願には何も記載されていな
い。
【0008】以上は主としてガラス基板にパターンを形
成する場合が対象であったが、以下にドアー等の建築内
装部材用等に用いられている凹凸模様を有する合板、い
わゆる化粧合板の一種の製法と問題点を説明する。ここ
で、化粧合板とは合板の表面に種々の加工、主として樹
脂加工を施して、耐久性・耐水性等の性能の向上や、外
観の良さを向上したものである。単純なものとしては、
未加工の合板の上に印刷したフィルムを貼りつけたもの
がある。ブナの木の木肌模様を印刷したものを貼りつけ
れば、ブナの板のように見える。この場合、さらに外観
を良くするには、実際の木肌の様に凹凸のある木目模様
とすることが望ましい。木目模様だけでなく、一般的に
も凹凸のある模様を形成することが、本物感を高くする
ために非常に有効である。
【0009】凹凸模様を有する合板の製造工程は、たと
えば特開昭56−017217、特開平03−2076
13等に開示されているが、木目凹凸化粧合板の製法を
図1、図2によって説明する。
【0010】図1は母型の製法を示している。a)ま
ず、選定した天然木の板に、所定量の硬化剤を添加した
室温硬化型のシリコーンゴムを載せる。b)別にプラス
チックフィルムを枠に張りつけ、上記のシリコーンゴム
用のプライマーを塗布し、上記のシリコーンゴムを押し
広げるように置く。補助的にロール等で押し広げること
も行う。シリコーンゴムが硬化するまでその状態で放置
する。c)板の周囲にはみ出したシリコーンゴムの硬化
物を切断し、枠を持ち上げると、プラスチックフィルム
とシリコーンゴムが一体化したものが板から剥離する。
これが母型であり、木目の凹凸(導管、篩管が主なる凹
凸)が凸凹となっている。
【0011】図2はこの母型を使用する木目凹凸化粧合
板の製法を示している。a)未加工の合板に、木目模様
を印刷したフィルムを貼り付ける。この印刷木目は図1
で使用した天然木の板の木目である。その上に紫外線硬
化型ポリエステル樹脂を置く。b)その紫外線硬化型ポ
リエステル樹脂を押し広げるように母型を置く。補助的
にロール等を使用して押し広げることも行われる。その
後、紫外線を照射してポリエステル樹脂を硬化する。
c)枠を上に持ち上げると、シリコーンゴムとポリエス
テル樹脂の界面が剥離して、ポリエステル樹脂の表面に
天然木の板の上にあった凹凸が再現されている。
【0012】木目以外の場合も同様にして凹凸を有する
化粧合板を形成する。この方法の問題点の一つは平面同
志の重ね合わせであるため、樹脂と母型の間に気泡が入
りやすい点である。一旦入った気泡の除去のための「泡
抜き作業」には、樹脂の粘度が高く、サイズも大きいの
で、かなりの時間が必要であること、気泡の混入を避け
るためには、ペーストの量をかなり多めに設定する必要
があり、余分な量は無駄になっていること。それでも気
泡の混入が避けられず、「泡抜き工程」が必要であるこ
とである。この方法の他の問題点は、枚葉型であるので
広い場所が必要であり、生産性も低いことであった。
【0013】次に、プリント回路板製造に関して述べ
る。輪転方式の直刷りでプリント回路板の銅貼り積層板
にエッチングレジストのパターンを形成する方法が2種
類知られている。一つは、大日本スクリーン社が開発し
たEGプレート法とよばれる方法であり、版として水な
しオフセット印刷用の版を使用する。他は東洋インキ製
造社が開発したDOP法と呼ばれる方法であり、版とし
て凸版印刷用の樹脂凸版を使用する。
【0014】前者について、方法と問題点を以下に述べ
る。版として、水なしオフセット印刷法に使用する東レ
製のTAP版(登録商標)を使用し、通常法に従って露
光・現像して所望のパターンを得る。なお、TAP版
は、アルミ基板に親インキ性の膜とその上にシリコーン
ゴム層を形成し、露光・現像すると光が当たった部分の
シリコーンゴム膜が除去されるようにしたものである。
シリコーンゴムの厚さが10μm であり、浅い凹版であ
ると考えることができる。シリコーンゴム部分が撥イン
キ性表面である。この版を輪転ロールに巻き付け、輪転
型凹版とする。レジストインキはインキングロールを使
用して版面に供給する。版の親インキ性部分にインキが
充填される。被印刷物である銅貼り積層板を平面状の印
刷テーブルにセットし、印刷テーブルが移動するにつれ
て、銅貼り積層板が凹版と接触し、レジストインキが版
から被印刷物に転写する。この方法の一番の問題点は気
泡の混入であった。2回重ね刷りしても、気泡の混入を
防止することができず、必要なエッチング耐性が得られ
ず、実用化に至らなかった。
【0015】次に、平面状のプラズマディスプレイパネ
ル(以下PDPと記す)の隔壁を輪転方式で連続的に作
成する方法について述べる。公知なものは、特開平8−
321258、特開平10−101373である。
【0016】前者の方法等を図3a,b,cに示すが、
クレームによると次の2工程を要件としている。PD
Pの隔壁部の賦型用形状からなる版凹部を形成した凹版
を使用し、該凹版の少なくとも版凹部にガラスフリット
を含有する電離放射線硬化樹脂を充填させると共に、フ
ィルム基材を接触させ、該フィルム基材が凹版に接触し
ている間に電離放射線を照射して、該フィルム基材との
間に介在している上記電離放射線硬化型樹脂を硬化させ
た後、該フィルム基材と該電離放射線硬化樹脂層を凹部
から剥離する工程。 PDP基板の表面に上記該フィルム基材上に障壁部の
形状を有する硬化された電離放射線硬化型樹脂層面を密
着したのち、焼成する工程。
【0017】すなわち、所望の隔壁形状を得るために、
でまず、それをフィルム基材上に形成し、次にでガ
ラス基板の上に転写している。
【0018】上記の製造方法の問題点は (1)まずフィルム上に形成し、それを転写するので位
置精度(寸法精度)を確保することがかなり難しい。な
ぜなら、隔壁はその間に入る電極と位置を合わせる必要
があり、位置精度±5〜10μm /m程度が要求され
る。
【0019】図3aにおいて、隔壁の長手方向はフィル
ムの長手方向と直交している。従って、もし、図3aの
方向に隔壁が形成される場合は、フィルムの伸縮が直接
に影響し、例えば実施例において使用されているポリエ
ステルフィルムでは、転写時に長手方向に精密なテンシ
ョンコントロールを行ってポリエステルフィルムの伸び
を調整して隔壁のピッチを調節する必要がある。
【0020】またもし、図3aの方向と直交する方向、
すなわち、隔壁の長手方向とフィルムの長手方向が一致
する方向、に隔壁を形成するとしても、巾方向の精密な
テンションコントロールが必要である。この場合は、フ
ィルムの長手方向のテンションも隔壁の断線等の欠陥発
生を防止するために必要である。巻き取りもかなり難し
い。図3aの如く、フィルム上に転写した後は平面状に
するのが一番好ましい。
【0021】(2)(また、隔壁の形状は背面基板から
見た場合、台形であることが望ましいが、が同出願の図
2、4(ここではそれぞれ図b、cとして示した)に記
載されているものであるとすると、凹版の形状は表面に
近いほうが狭くなるので、硬化した隔壁材を凹版から剥
離することがひじょうに困難である。離型し易い形状の
場合は逆台形になる。
【0022】(3)この方法についても問題となるの
が、気泡の混入である。しかし、この点について、上記
の公報には何も記載されていない。
【0023】次に、特開平10−101373について
は、非常に包括的、概念的な出願であって、本発明の装
置の方法もこの出願の方法の一部に含まれるものであ
る。図4に特開平10−101373で開示している図
を示す。
【0024】しかし、特開平10−101373の出願
は、ほとんどのクレームについて先願等に,同等のもの
や類似するものが、以下に示すように見いだされる。
【0025】請求項1については、特開平8−2735
37、特開平8−321258にも記載されているし、
さらにはいわゆるセラミック焼成物を形成する方法とし
てごく普通の方法であり、その方面の教科書にも記載さ
れている。
【0026】請求項2については、類似の方法が特公平
3−4398に記載されている。この特許の方法では、
実施例に焼成型銀ペーストのパターン形成が記載されて
いるが銀ペーストの組成から銀を除いたものは隔壁用の
ペーストに近いものであることは、当業者にとって常識
であるし、文献的にも明らかである。
【0027】請求項3については、特開平8−2735
37、特開平8−321258に記載されている。
【0028】請求項4については、特開平8−3212
58にも記載されている。他に材料は異なるが特開平3
−13322(キャノン)、に記載されている。
【0029】請求項5については、焼成用ペーストにつ
いては先願を見いだしてない。
【0030】請求項6については、いわゆる低膨張ガラ
ス、たとえばコーニング社の#7059、に適した熱膨
張係数のものである。組成について明細書中に記載がな
いので組成を特定するものでなく、単に低膨張ガラスに
適したものを指定している。
【0031】請求項7については、通常のアルカリガラ
スやPDPの基板用として開発されたガラス、たとえば
旭硝子社のPD−200に適した熱膨張係数のものであ
る。組成について明細書中に記載がないので組成を特定
するものでなく、単にそれらのガラスに適したものを特
定している項である。
【0032】請求項8、9、10については、通常の隔
壁用ペーストの範囲内のものであり、その範囲を特定し
たものである。
【0033】請求項11、12、13、14について
は、例えば特開平8−273537、特開平8−321
258に記載されている。
【0034】請求項15については、先願が見当たらな
い。
【0035】請求項16については、焼成における一般
的範囲である。
【0036】請求項17、18、19については、特開
平8−321258に記載されている。また、フリット
含有材料である点を除けば、例えば特開平3−2804
16に記載されている。
【0037】請求項20については、特開平8−273
537、特開平8−321258に記載されている。
【0038】請求項21、22、23については、材料
の特定を除けば特開昭56−137989、特開平4−
10936に記載されている方法である。なお、基板の
上に塗布された硬化性樹脂組成物に、所望の凹凸パター
ンを有するシリコーン樹脂の型を重ね合わせ、その状態
で硬化させ、硬化後シリコーン樹脂の型を剥離して、基
板上に硬化性樹脂組成物の凹凸パターンを形成する方法
は、例えば特開昭58−84718に記載されている。
【0039】請求項24については、先願を見いだして
ない。
【0040】請求項25、26については、放射線硬化
性成分については紫外線硬化樹脂、電離放射線樹脂に関
しては上記の大日本印刷社の出願がある。熱可塑性有機
物については先願を見いだしていない。
【0041】また、本出願では、輪転式だけでなく、平
面状の場合も含まれてるとしているが、それに関する出
願は上記の大日本印刷社の出願がある。
【0042】結論的に言えば、このコーニング社の出願
は、熱可塑性材料を使用する場合を除き、先願において
知られている方法を集めて述べたものにすぎない。ま
た、特定の組み合わせにおいて著しい効果が得られるこ
とを主張したものでもない。
【0043】しかし、従来の方法を実際に具現化した装
置については知られていない。その基本的理由は、アイ
デア的にはあり得ても、実用的には困難だったり、精度
を確保する具体的手段がなかなかなかったり、耐久性が
不足したり、等の問題点があるからである。例えば、ロ
ールに供給したインキで不要部分にあるインキをかき落
とす方法について、特開平10−101373では図4
に示されているようにドクターと言われる(ような)部
材で掻き落としている。しかし、その方法を採用する
と、ロールの表面の硬度がかなり高く、しかも滑り性が
よいものでないと、経時的に磨耗して凹版の表面が痛
む。そのため、グラビラ印刷ではクロムメッキ表面とし
た金属ロールを使用する。プラスチックロールはアイデ
アはあり、種々の利点も考えられるが、硬度が不足し磨
耗するので使用されていない。特開平10−10137
3ではロールの表面硬度や耐磨耗性についてなにも記載
されていない。ただし、実施例にシリコーンゴム型を室
温硬化型シリコーン材(RTV141)で形成し、実施
例1で使用している。RTVのゴム硬度は高々100で
あるので、実際には耐久性の点で非常に問題があると考
えられる。一方、版が硬い場合は、ガラス基板などの剛
性体には印刷することができない。
【0044】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、凹版輪転方式で剛性板へ形状再現性の優れ
た厚みのある凸パターンを直接形成する方法において、
量産性のある装置・方法を提供することである。対象と
なる製品の要求仕様に対応して、気泡の混入を避けなけ
ればならない場合には、それに対応することができ、高
精度のアライメントが必要な場合にも対応することがで
き、ベニア板のような大サイズにも対応できる方法・装
置を提供することである。
【0045】
【課題を解決するための手段】上述した従来の課題を解
決するため、本発明は以下の手段を講じた。すなわち、
剛性板の表面に電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化凸パ
ターンを形成するための輪転方式の装置において、第一
に少なくとも次の〜の機構、構造を有することを特
徴とする装置とした。(図5参照)
【0046】目的とする凸パターンを離型性の表面よ
りなる凹パターンとして有する凹版輪転ロールを具備す
る 該凹版輪転ロ−ルと離型性を有する電離放射線透過フ
ィルムの間に電離放射線硬化性樹脂組成物を所定の厚さ
を維持しながら連続的に挟み込む機構を具備する 挟み込んだ状態で電離放射線を照射する機構を具備す
る 硬化した後、電離放射線透過フィルムを該凹版輪転ロ
ール表面から剥離する機構を具備する 剛性板を該凹版輪転ロール上に供給し、電離放射線照
射によって硬化した電離放射線硬化性樹脂組成物と、所
定のアライメント精度を保持しながら重ね合わせて加圧
状態にする機構を具備する 加圧状態にした後、剛性板を該凹版輪転ロ−ル表面か
ら剥離する機構、とを具備する。
【0047】すなわち、インキを凹版の凹部に充填する
方法として、凹版輪転ロールと電離放射線透過フィルム
の間に電離放射線硬化性樹脂を挟み込み、その状態で電
離放射線を照射する方法を採用した。
【0048】次に上記の装置において、凹版輪転ロ−ル
の離型性の表面材をシリコーン樹脂とした。
【0049】剛性板に粘着剤・接着剤を塗布してある状
態のものを凹版輪転ロールの表面に接触するように供給
する機構を設けた。電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化
が完全でなく、まだ粘着性がある程度の場合は剛性板に
何も塗布してなくても、両者を接触、加圧すれば、硬化
物は凹版から剥離して剛性板に転写する。しかし、硬化
が進んで粘着性がなくなってくると、他の粘着材の助け
を借りることが必要になる。その粘着剤・接着剤を予め
剛性板に塗布しておく。
【0050】さらに、剛性板の全面に接着剤・離型剤を
塗布することが不都合である場合には、請求項1の装置
において、硬化した樹脂組成物の表面に転写用粘着性樹
脂を塗布する機構を設けた。この場合、電離放射線硬化
性樹脂組成物の硬化物がある部分だけに転写用粘着剤・
接着剤がのり、他の部分は撥インキ性表面なので、そこ
には粘着剤・接着剤はのらない。
【0051】請求項1の装置に供給する離型性を有する
電離放射線透過フィルムの巾が凹版輪転ロールの巾より
広くした。こうすることによって、挟み込んだ電離放射
線硬化性樹脂組成物が周囲に広がって行った時、凹版輪
転ロールの側面から垂れ落ちるのではなく、該フィルム
の縁にのる。電離放射線硬化性樹脂組成物が装置の周囲
をよごすことがなく、再使用も可能である。
【0052】請求項1の装置に供給する離型性を有する
電離放射線透過フィルムの表面に予め電離放射線硬化性
樹脂組成物を塗布してから、凹版輪転ロールと重ね合わ
せるようにした。版に電離放射線硬化性樹脂組成物を供
給塗布したり、凹版輪転ロールとフィルムの接点に電離
放射線硬化性樹脂組成物を供給するより、供給量の制御
が容易であり、また気泡の混入を防止することが容易に
なる。なお、気泡は元の電離放射線硬化性樹脂組成物中
にある場合と貼り合わせ時に界面に空気が取り残されて
しまう場合がある。前者に対しては、電離放射線硬化性
樹脂組成物を真空脱泡するのが普通である。後者に対し
ては、後出の接合面への液体層形成法が有効である。
【0053】転写用の粘着剤・接着剤を予め離型性を有
する電離放射線透過フィルムの表面に形成することを特
徴とする凸パターン形成方法を提供する。
【0054】請求項1の装置において、凹版輪転ロール
と電離放射線硬化性樹脂組成物が接触を開始する部分に
液体を供給する機構を有することを特徴とする装置を提
供する。ラミネート時の気泡の巻き込みが無くなる。
【0055】同様に、請求項1の装置において、凹版輪
転ロールと剛性板が接触を開始する部分に液体を供給す
る機構を有することを特徴とする装置を提供する。
【0056】剛性板の移動機構が、剛性板を固定する機
構を有するガイドレールに従って移動するX−Y−θテ
ーブルであることを特徴とする請求項1の装置を提供す
る。
【0057】高精度のアライメントに関して、請求項1
0の機構を有する装置において、凹版と剛性板の双方に
対して、対応する位置にアライメントマークを形成し、
予め凹版のアライメントマークを剛性板に転写し、剛性
板へ転写した凹版のアライメントマークと剛性板のアラ
イメントマークの位置ズレを計量し、それに応じて剛性
板を固定しているX−Y−θテーブルの位置を調節しア
ライメントすることを特徴とする方法を提供する。
【0058】請求項1の発明は、剛性板の表面に電離放
射線硬化型樹脂組成物の硬化凹凸パターンを形成するた
めの輪転方式の装置において、少なくとも次の〜の
機構、構造を有することを特徴とする凹凸パターン形成
装置である。
【0059】目的とする凹凸パターンを、離型性の表
面よりなる凸凹パターンとして有する、凹版輪転ロール 該凹版輪転ロ−ルと離型性を有する電離放射線透過フ
ィルムの間に電離放射線硬化性樹脂組成物を所定の厚さ
を維持しながら連続的に挟み込む機構 挟み込んだ状態で電離放射線を照射する機構 電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化した後、電離放射
線透過フィルムを該凹版輪転ロール表面から剥離する機
構 剛性板を該凹版輪転ロール上に供給し、電離放射線照
射によって硬化した電離放射線硬化性樹脂組成物と、所
定のアライメント精度を保持しながら重ね合わせて加圧
状態にする機構 加圧状態にした後、剛性板を該凹版輪転ロ−ル表面か
ら剥離する機構
【0060】請求項2の発明は、請求項1に記載の、
「離型性の表面よりなる凸凹パターンとして有する、凹
版輪転ロール」の表面材が、シリコーン樹脂であること
を特徴とする、請求項1に記載の凹凸パターン形成装置
である。
【0061】請求項3の発明は、請求項1に記載の、該
凹版輪転ロール上に供給する剛性板に、予め粘着剤・接
着剤を塗布する機構を具備することを特徴とする請求項
1または2のいずれかに記載の凹凸パターン形成装置で
ある。
【0062】請求項4の発明は、請求項1記載の、硬化
させた電離放射線硬化性樹脂組成物、の表面に転写用樹
脂を塗布する機構を有することを特徴とする請求項1乃
至3のいずれかに記載の凹凸パターン形成装置である。
【0063】請求項5の発明は、請求項1に記載の、離
型性を有する電離放射線透過フィルム、の巾が凹版輪転
ロールの巾より広いことを特徴とする請求項1乃至4の
いずれかに記載の凹凸パターン形成装置である。
【0064】請求項6の発明は、請求項1に記載の、
「該凹版輪転ロ−ルと離型性を有する電離放射線透過
フィルムの間に電離放射線硬化性樹脂組成物を所定の厚
さを維持しながら連続的に挟み込む機構」が、離型性を
有する電離放射線透過フィルムの表面に予め電離放射線
硬化性樹脂組成物を塗布し、凹版輪転ロールと重ね合わ
せる機構であることを特徴とする請求項1乃至5のいず
れかに記載の凹凸パターン形成装置である。
【0065】請求項7の発明は、請求項1に記載の、離
型性を有する電離放射線透過フィルム、の表面に予め粘
着剤・接着剤を塗布する機構を有する、ことを特徴とす
る請求項1乃至6のいずれかに記載の凹凸パターン形成
装置である。
【0066】請求項8の発明は、請求項1に記載の凹凸
パターン形成装置において、凹版輪転ロールと電離放射
線硬化性樹脂組成物が接触を開始する部分に液体を供給
する機構を有することを特徴とする請求項1乃至7のい
ずれかに記載の凹凸パターン形成装置である。
【0067】請求項9の発明は、請求項1に記載の凹凸
パターン形成装置において、凹版輪転ロールと剛性板が
接触を開始する部分に液体を供給する機構を有すること
を特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の凹凸パ
ターン形成装置である。
【0068】請求項10の発明は、請求項1に記載の凹
凸パターン形成装置において、剛性板の移動機構が、剛
性板を固定する機構を有し、ガイドレールに従って移動
するX−Y−θテーブルであることを特徴とする請求項
1乃至9のいずれかに記載の凹凸パターン形成装置であ
る。
【0069】請求項11の発明は、剛性板の表面に電離
放射線硬化型樹脂組成物の硬化凹凸パターンを形成する
ための輪転方式の凹凸パターン形成方法において、少な
くとも次の〜の機構を有することを特徴とする凹凸
パターン形成方法である。 「目的とする凹凸パターンを、離型性の表面よりなる
凸凹パターンとして有する、凹版輪転ロール」と離型性
を有する電離放射線透過フィルムの間に電離放射線硬化
性樹脂組成物を所定の厚さを維持しながら連続的に挟み
込む機構 挟み込んだ状態で電離放射線を照射する機構 電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化した後、電離放射
線透過フィルムを該凹版輪転ロール表面から剥離する機
構 剛性板を該凹版輪転ロール上に供給し、電離放射線照
射によって硬化した電離放射線硬化性樹脂組成物と、所
定のアライメント精度を保持しながら重ね合わせて加圧
状態にする機構 加圧状態にした後、剛性板を該凹版輪転ロ−ル表面か
ら剥離する機構
【0070】請求項12の発明は、請求項11に記載
の、「離型性の表面よりなる凸凹パターンとして有す
る、凹版輪転ロール」の表面材が、シリコーン樹脂であ
ることを特徴とする、請求項11に記載の凹凸パターン
形成方法である。
【0071】請求項13の発明は、請求項11に記載
の、該凹版輪転ロール上に供給する剛性板に、予め粘着
剤・接着剤を塗布することを特徴とする請求項11また
は12のいずれかに記載の凹凸パターン形成方法であ
る。
【0072】請求項14の発明は、請求項11に記載
の、硬化させた電離放射線硬化性樹脂組成物、の表面に
転写用樹脂を塗布することを特徴とする請求項11乃至
13のいずれかに記載の凹凸パターン形成方法である。
【0073】請求項15の発明は、請求項11に記載
の、離型性を有する電離放射線透過フィルム、の巾が凹
版輪転ロールの巾より広いことを特徴とする請求項11
乃至14のいずれかに記載の凹凸パターン形成方法であ
る。
【0074】請求項16の発明は、請求項11に記載
の、「目的とする凹凸パターンを、離型性の表面よりな
る凸凹パターンとして有する、凹版輪転ロール」と離型
性を有する電離放射線透過フィルムの間に電離放射線硬
化性樹脂組成物を所定の厚さを維持しながら連続的に挟
み込む機構が、離型性を有する電離放射線透過フィルム
の表面に予め電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布し、凹
版輪転ロールと重ね合わせる機構であることを特徴とす
る請求項11乃至15のいずれかに記載の凹凸パターン
形成方法である。
【0075】請求項17の発明は、請求項11に記載
の、離型性を有する電離放射線透過フィルム、の表面に
予め粘着剤・接着剤を塗布することを特徴とする請求項
11乃至16のいずれかに記載の凹凸パターン形成方法
である。
【0076】請求項18の発明は、請求項11に記載の
凹凸パターン形成方法において、凹版輪転ロールと電離
放射線硬化性樹脂組成物が接触を開始する部分に液体を
供給することを特徴とする請求項11乃至17のいずれ
かに記載の凹凸パターン形成方法である。
【0077】請求項19の発明は、請求項11に記載の
凹凸パターン形成方法において、凹版輪転ロールと剛性
板が接触を開始する部分に液体を供給することを特徴と
する請求項11乃至18のいずれかに記載の凹凸パター
ン形成方法である。
【0078】請求項20の発明は、請求項11に記載の
凹凸パターン形成方法において、剛性板の移動機構が、
剛性板を固定する機構を有し、ガイドレールに従って移
動するX−Y−θテーブルであることを特徴とする請求
項11乃至19のいずれかに記載の凹凸パターン形成方
法である。
【0079】請求項21の発明は、請求項20に記載の
剛性板の移動機構を有する凹凸パターン形成方法におい
て、凹版と剛性板の双方に対して、対応する位置にアラ
イメントマークを形成し、予め凹版のアライメントマー
クを剛性板に転写し、剛性板へ転写した凹版のアライメ
ントマークと剛性板のアライメントマークの位置ズレを
計量し、それに応じて剛性板を固定しているX−Y−θ
テーブルの位置を調節しアライメントすることを特徴と
する請求項11乃至20のいずれかに記載の凹凸パター
ンの形成方法である。
【0080】
【発明の実施の形態】請求項1にかかわる実施の形態と
しては、電離放射線とは紫外線、エックス線、電子線、
などの空気や分子を励起して電離状態にする能力を有す
る放射線をいう。電離放射線硬化性樹脂組成物とは、電
離放射線によって硬化反応する樹脂を含む組成物を指
す。
【0081】離型性の表面とは、電離放射線硬化性樹脂
組成物の硬化物を極く容易に離型させることができる表
面のことである。例えば、シリコーン樹脂、フッ素樹
脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂である。こ
れらの樹脂は凹版の表面に形成されていればよく、実際
には基材板としてアルミ、ステンレス、インバー合金等
の金属の板や、ポリエステル樹脂等のプラスチックのフ
ィルムを使用し、その上に上記離型性材の凹パターンを
形成する。凹版の形成方法としては、リフトオフ法、母
型を使用する鋳込み法がある。ここでリフトオフ法と
は、所望のパターンに逆のパターンを被印刷物の上に形
成し、離型材を全面に塗布・硬化し、最後に逆パターン
を剥離することによって、目的とする凹版を形成する方
法である。
【0082】剛性板に追従するための弾力性のある層の
厚さは、剛性板の厚さムラ(ロット間、基板間、基板
内)によって異なるが、少なくとも厚さムラの範囲では
弾力性がある状態であることが必要である。普通は、凹
版パターンの変形が差し支えない範囲として、(厚さム
ラの範囲巾)+(版深の2〜5倍の厚さ)が、適当であ
る。数値的には、化粧合板の場合には0.5〜2mm程
度、PDP基板の場合には0.5〜3mmである。
【0083】凹版の表面を離型性にする方法としては、
凹版輪転ロール基材の上に直接にシリコーン樹脂の凹凸
パターンを形成する方法と、可撓性のある基板の上にシ
リコーン樹脂の凹凸パターンを形成し、それを凹版輪転
ロール基材の上に巻き付ける方法がある。巻き付ける方
法としては、接着剤や粘着剤で貼りつける方法、磁気
力、電気力、真空等で吸着する方法、輪転式印刷機で使
用されている方法であるが、治具で咬える方法がある。
【0084】電離放射線透過フィルムの種類は、ポリエ
ステル、ポリアミド等がある。厚さは30μm 〜100
μm が使い易い。そのフィルムの表面に形成する離型性
のある膜の材質はシリコーン樹脂が良い。ポリエステル
フィルムの表面にシリコーン樹脂をコートした離型フィ
ルムが市販されていて、多くの場合使用可能である。
【0085】電離放射線硬化性樹脂組成物の組成は用途
によって、それぞれ別であり、実施例に示す。ただし、
粘度、流動性は、凹版に充填することができるものであ
る必要がある。
【0086】電離放射線硬化性樹脂組成物を所定の厚さ
を維持しながら連続的に挟み込む機構としては、図5に
示したようにフィルムと凹版輪転ロールが合わさり始め
る部分と離れ始める部分の後ろにバックアップロールを
設置するのが一般的である。また、フィルムの張力を調
整するために、テンション調整ロール等が必要である。
【0087】挟み込んだ状態で電離放射線を照射する機
構の実施に係わる形態としては、まず紫外線照射装置と
しては、凹版輪転ロールの巾方向の照度が均一であるこ
とが望ましく、例えば紫外線硬化インキを使用するため
のオフセット印刷機に設置されている紫外線照射装置や
フュージョン社の無極紫外線照射装置が好適である。配
置としては図5に示したものが普通である。
【0088】硬化した後の電離放射線透過フィルムを該
凹版輪転ロール表面から剥離する機構としてはバックア
ップロールによるものが普通である。
【0089】剛性板を該凹版輪転ロール上に供給し、電
離放射線照射によって硬化した電離放射線硬化性樹脂組
成物と、所定のアライメント精度を保持しながら重ね合
わせて加圧状態にする機構については、アライメント精
度によって機構が大幅に変わる。化粧合板のようにアラ
イメントがほとんど不要の場合には、単純にタイミング
送り出し機構でよい。凹版輪転ロールと合板基板の接触
部分にバックアップロールを設置し、合板基板は凹版輪
転ロールとつれ回りする機構でよい。走行が不安定にな
るなら、ガイドレールを設置する。一方、精密なアライ
メントが必要な場合に対する機構は、請求項11におい
て提供する。
【0090】加圧状態にした後、剛性板を該凹版輪転ロ
−ル表面から剥離する機構としては、ガイドレールが一
般的である。
【0091】請求項2の「凹版輪転ロ−ルの離型性の表
面材がシリコーン樹脂であることを特徴とする凹版輪転
ロール」に係わる実施の形態としては、シリコーン樹脂
の種類として、型取りに使用する室温硬化型のゴムが、
凹版の形成も母型に注入し、硬化することによって作成
できるので、非常に好ましい。従来の技術の説明のなか
で、化粧合板の製造に使用していた室温硬化型のシリコ
ーンゴム材、例えば、東芝シリコーン社のTSE354
0、が好ましいが、その他の室温硬化型ゴム、さらには
ミラブル型のシリコーンゴム等が使用可能である。注意
すべき点は、使用する電離放射線硬化性樹脂組成物によ
って膨潤しないことである。
【0092】請求項3の「剛性板に予め粘着剤・接着剤
を塗布する」ことに係わる実施の形態については、まず
粘着材が全面に形成されていると転写した凸パターン以
外の部分に粘着性が残る。これを別の目的に使用して、
粘着性がなくなる状態になればよいが、通常はゴミが付
着するなどして都合悪い。この問題を解決するために、
紫外線等で硬化する粘着剤を使用することが好ましい。
化学組成としては、紫外線硬化型の粘着剤がある。接着
剤の場合には、貼合せる前に加熱、溶剤噴霧等の処理を
行って電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を凹版から
引き出すのに充分な接着力を得ることができるようにす
る必要がある。
【0093】請求項4の「硬化した樹脂組成物の表面に
転写用樹脂を塗布する機構」に関する実施の形態につい
ては、例えば図5にしめしたロール塗布構造がある。転
写用樹脂組成物はシリコーンゴム上には付着ぜず、電離
放射線硬化性樹脂組成物が硬化した部分にだけ付着す
る。転写用樹脂としては、前述の転写用のものが使用で
きる。
【0094】請求項5の「電離放射線透過フィルムの巾
が凹版輪転ロールの巾より広いことを特徴とする凸パタ
ーン形成方法」に関する実施の形態については、凹版輪
転ロ−ル巾より最低5cm程度から最高15cm程度ま
で広いものが使用し易い。この上の面に押し出された電
離放射線硬化性樹脂組成物に電離放射線が照射されない
構造としておけば、それを回収して再使用することが可
能である。
【0095】請求項6の「装置に供給する離型性を有す
る電離放射線透過フィルムの表面に予め電離放射線硬化
性樹脂組成物を塗布する方法」は気泡の混入防止と適正
量のペースト供給が目的である。
【0096】実施形態については、塗布方法としてロー
ル塗布、ダイ塗布、ナイフ塗布が好ましい。いずれも真
空脱泡した電離放射線硬化性樹脂組成物を直接塗布する
形式が更に好ましい。高粘度のペーストを塗布する際
の、フィルムとペーストの界面の気泡混入を防止する方
法としては、塗布前にフィルム表面に薄く低粘度の液体
層を形成する方法が好ましい。低粘度の液体としては、
たとえば水がある(図5)。
【0097】塗布量は、電離放射線透過フィルムの両脇
にはみ出すペースト量がなるべく少なくなる様に調整す
る。
【0098】請求項7の「離型性を有する電離放射線透
過フィルムの表面に予め粘着剤・接着剤を塗布する」こ
とは、剛性板に粘着剤・接着剤を塗布することの替わり
となるものである。その粘着剤・接着剤の上にさらに電
離放射線硬化性樹脂組成物を塗布することもある。その
場合、粘着剤・接着剤層が液状であれば、その間の気泡
の混入が防止される。塗布方法としては、ロール塗布、
ダイ塗布、ナイフ塗布が好ましい。塗布後に溶剤を乾燥
したり、紫外線を照射して重合し、粘着力・接着力を向
上することもある。
【0099】請求項8の「凹版輪転ロールと電離放射線
硬化性樹脂組成物が接触を開始する部分に液体を供給す
る機構を有する」は、この部位で気泡が混入することを
防止するための機構である。液体の種類としては、凹版
表面を膨潤・溶解しないものが必要である。電離放射線
硬化性樹脂組成物に対しては、少しなら膨潤・溶解する
ものであっても構わないし、そのほうがよい場合もあ
る。実際には、水、メチルアルコールやエチルアルコー
ルやイソプロピルアルコールを添加した水、アルコール
類がある。
【0100】請求項9の「凹版輪転ロールと剛性板が接
触を開始する部分に液体を供給する機構」は目的等は、
請求項8と同じである。しかし、剛性板の種類によって
は剛性板に供給して膜状とし、凹版と合わせる方式も可
能である。
【0101】請求項10の「剛性板の移動機構が、剛性
板を固定する機構を有し、ガイドレールに従って移動す
るX−Y−θテーブルである」については、剛性板を上
に持ち上げる必要があり、真空吸着の機構を有するX−
Y−θテーブルが好適である。ガイドレールの種類とし
てはリニアーガイドが好ましい。また、移動にはボール
ネジ、エアースライダー等の駆動力を使用する。また若
干精度が低下するがタイミングベルトを使用することが
できる。
【0102】請求項21は精密なアライメントが必要な
場合のアライメント方法を提供するものである。凹版と
剛性板の双方に対して、対応する位置に形成するアライ
メントマークのうち凹版に形成するものは剛性板に転写
可能な方式のものである。具体的には、所望の凹パター
ン部と同一工程で作成できるものが望ましい。また、ア
ライメントマークの凹部に充填する材料は電離放射線硬
化性樹脂組成物であって、硬化してから転写したほう
が、形状がしっかりしているので好ましい。ただし、平
面形状がしっかりしていることが重要なので、アライメ
ントマーク部分だけを、例えば水なしオフセット印刷用
の版を使用することもありうる。電離放射線硬化性樹脂
組成物も微細なパターンの形成に適したもので、しかも
色が計量に適した色であるものを使用することが可能で
ある。
【0103】アライメント方法は、予め凹版のアライメ
ントマークを剛性板に転写し、剛性板へ転写した凹版の
アライメントマークと剛性板のアライメントマークの位
置ズレを計量し、それに応じて剛性板を固定しているX
−Y−θテーブルの位置を調節しアライメントする方法
である。
【0104】なお、化粧合板のようにアライメント精度
があまり必要でない場合は、基板をゴムロール列に挟み
こんで、順次移動する方法もある。さらに、バックアッ
プロールにタイミング良く送り込んで、あとは凹版の回
転速度に合わせて移動する、いわゆるつれ回り状態にす
る方法がある。
【0105】<作用>本発明が対象とする剛性を有する
基板としては、いわゆるベニア板で、表面加工を行って
ないもの、プラスチック板で同じく表面加工を行ってな
いもの(行ってあっても構わない)、ガラス板、プリン
ト回路用基板があり、予備処理として予備コートやパタ
ーンが形成してあるものでも構わない。気泡の混入は液
体で封止することによって完全に防止できる。この場
合、輪転方式であることが構造的に非常に有利である。
電離放射線を照射して硬化したのち、凹版上に硬化樹脂
を残すことは、剥離性フィルムを使用することによって
達成される。転写には接着剤を使用するが、凹版の表面
がシリコーンゴムなので、接着剤がシリコーンゴムに付
着することなく、剛性板のほうへ硬化樹脂と共に転写す
る。
【0106】
【実施例】<実施例1>プラズマディスプレイ(以下P
DPと記載)の背面基板の隔壁を製造する場合を述べ
る。装置としては、以下の機構を具備したものとした。 (1)請求項1対応:凹版輪転ロールの直径300m
m、巾1000mm。凹版板巻き付けセット方式 (2)請求項6対応:離型性フィルムの上に隔壁用ペー
ストを塗布する装置として、スロットコータのヘッド使
用。 (3)電離放射線照射装置→UV照射装置。メーカはフ
ュージョン社、5kW型。所定部以外を照射しないため
の遮光壁付き。 (4)請求項10対応:X−Y−θテーブルは真空吸着
装置付き。アライメントマーク位置検出機構および、そ
のデータによるセット位置自動補正機構付き。位置のオ
フセット機能付き。アライメント精度±3μm 。 (5)ガラス基板移動転写機構:ガラス基板位置設定用
のX−Y−θテーブル(移動用ベルトとそのベルト上に
固定されたテーブルよりなり、テーブルはガラス基板を
固定したり固定を解除することができる機能を有するも
のよりなる。)で位置設定したガラス基板を受け取り、
固着し、転写部を通過し、受け取り部まで移動し、受け
取り部で固着を解除するベルト機構。所要部分はリニア
ーガイドにのって移動。駆動力は凹版凹版輪転ロールと
ベルトが同速になるようにセットされた歯車ーチェーン
機構。転写場所には、所要圧力を印加できるバックアッ
プロール設置。電極と隔壁の間隔の精度仕様が±5μm
であり、転写スタート位置の精度仕様は±100μm 程
度であるので、ベルトは幅方向の蛇行が厳禁。そのた
め、所要部分はベルトはリニアーガイドにのって移動。
【0107】使用した材料 (1)離型性フィルム:ポリエステルフィルム厚さ30
μm 、シリコーン樹脂系の離型材コート。 (2)請求項8、9対応:気泡混入防止用機構への供給
液体→水 (3)剛性板:PDP用ガラス基板 旭ガラス製PD−
200 サイズ850×650mm(4:3型40イン
チ対応)厚さ3mm。電極部、同アライメント形成済。
転写所望領域へ粘着剤塗布済(アクリル系 厚さ50μ
m)保護フィルム積層済 (4)凹版板:平面状凹版巻き付け方式対応→基板42
合金 厚さ300μm 凹版部シリコーンゴム 室温硬化
型取り用(東芝シリコーンTSE3540) 注型品。
厚さ2mm。アライメントマーク部 TAP版。下敷き
にゴム板使用(厚さ0.5mm)隔壁の巾70μm 、高
さ180μm 、ピッチ430μm 。なお、隔壁の方向
は、凹版輪転の回転方向に平行な方向にセットする。そ
の方が、凹部へペーストの充填が容易であり、気泡の混
入も少なく、転写がスムースであり、位置精度確保がず
っと容易である。 (5)隔壁用紫外線硬化型ペースト:組成を表1に示
す。
【0108】
【表1】
【0109】真空脱泡した隔壁用紫外線硬化型ペースト
をスロットコータのヘッドに圧送し離型性フィルムの上
に押し出し塗布した。厚さは80μm であり、この厚さ
は挟みこまれる量に見合った厚さである。挟み込みロー
ルと凹版輪転ロールの間隔は間隔調整機構を使用して5
0μm とした。また離型性フィルムのテンション調整ロ
ールを使用して、テンションを0.5kg/cmとし
た。このテンション値は挟みこまれるペーストの厚さを
50μm とする値であり、実験によって決定した。挟み
込み速度、すなわち凹版の回転周速は5cm/秒であ
る。紫外線照射量は、1000mJである。剛性板との
貼り合わせのバックアップロールの圧力は2kg/cm
である。なお、剛性材上の保護フィルムは貼り合わせ直
前に剥がし、ごみの付着を最低限に抑えた。請求項9に
係わる液体は水とし、供給方法は噴霧とした。
【0110】アライメントの方法 予備基板をセットし、CCD観察系の視野の中に、電
極と同時に形成されたアライメントマーク(電極アライ
メントマークと記載)が入るようにして、それを仮の原
点とする。 この状態で転写を開始する。すなわち、X−Y−θテ
ーブルに真空吸着したまま、移動用ベルトにも固着し
(このとき移動用ベルトは静止)、次にX−Y−θテー
ブルの真空吸着を解除し、さらに圧縮空気で(ピンで)
1〜2mm浮き上がらせる。そこでベルトの移動を開始
して、ガラス基板を転写部を通過し、基板受け取り部へ
移動する。隔壁アライメントマークが予備基板に転写す
る。 その予備基板をスタートの位置に戻し、電極アライメ
ントマーク(仮りの原点)と隔壁アライメントマーク
(真の原点)の位置ずれを計量し、仮の原点を真の原点
に毎回移動するようにオフセット量を設定する。 本番基板をセットする。メカは、まず電極アライメン
トマークを検出し、それを仮の原点に移動する。次に、
それをオフセット量だけ移動する。このようにして、真
の原点(隔壁アライメントマーク)と電極アライメント
マークが重なる。 この状態で、予備基板の際と同様に、本番基板を搬送
ベルトに固着し、転写工程を通すと、所定の位置に隔壁
が転写する。 以後、順次本番用の基板を通す。
【0111】後処理 転写後の基板で粘着剤を塗布してない部分にも、硬化
したペーストがロールより剥がれて載っている場合があ
る。これをゴミ取り用粘着ロールを使用して剥ぎ取っ
た。 その後焼成した。
【0112】 結果 形状: 凹版の形状に一致。ただし誘電体部分の厚さ10±5μm 欠陥: 気泡混入、充填不足、転写不良による隔壁部、その他部分の欠陥なし 。 電極とのアライメント精度 転写に平行な方向 ±20μm 転写に垂直な方向 ±5μm 以内 隔壁の蛇行→Rで±5μm
【0113】なお、プラズマアドレス液晶ディスプレイ
(PALC)の背面板の隔壁の形成も、本発明の装置と
ここで述べた方法を使用して製造することができる。ま
た、PDPとPALCのペースト配線、電極形成にも使
用することができる。
【0114】<実施例2>プリント回路板製造で、銅貼
り積層板へのエッチングレジストパターンの形成に使用
する場合を述べる。装置としては、以下の機構を具備し
たものとした。 (1)請求項1対応:凹版輪転ロールの直径300m
m、巾800mm。凹版板巻き付けセット方式 (2)請求項6対応:離型性フィルムの上に隔壁用ペー
ストを塗布する装置として、ナイフコータのヘッド使用 電離放射線照射装置→UV照射装置。メーカはフュージ
ョン社、5kW型。所定部以外を照射しないための遮光
壁付き。 (5)請求項10対応:X−Y−θテーブルは真空吸着
装置付き。アライメントマーク位置検出機構および、そ
のデータによるセット位置自動補正機構付き。位置のオ
フセット機能付き。アライメント精度±10μm 。 (6)銅貼り積層板移動転写機構:X−Y−θテーブル
で位置設定した銅貼り積層板を受け取り、固着し、転写
部を通過し、受け取り部まで移動し、受け取り部で固着
を解除するベルト機構。固着の方法は減圧吸着。所要部
分はリニアーガイドにのって移動。駆動力は凹版輪転ロ
ールとベルトが同速になるようにセットされた歯車ーチ
ェーン機構。転写場所には、所要圧力を印加できるバッ
クアップロール設置。エッチングレジストパターンの位
置精度仕様がピン穴の中心に対して±50μm であり、
ベルトは幅方向の蛇行が厳禁。そのため、貼り合わせの
所要部分ではベルトはリニアーガイドにのって移動。
【0115】使用した材料 (1)離型性フィルム:ポリエステルフィルム厚さ30
μm 、シリコーン樹脂系の離型材コート。メーカ:東セ
ロ(株)、番手SP−PET (2)請求項8、9対応:気泡混入防止用機構への供給
液体→水 (3)剛性板:プリント基板用銅貼り積層板 サイズ6
00×600 厚さ0.5mm。アライメント用ピン穴
形成済。 (4)凹版板:平面状凹版巻き付け方式対応→基板部お
よび凹版部ポリエチレン一体品。母型へ加圧プレス型取
りして作成。厚さ2mm。アライメントマーク部 TA
P版。下敷きにゴム板使用(厚さ0.5mm)レジスト
パターンの仕様:デザインルール70μm 。厚さ10μ
m (5)レジストパターンの材料:東京応化社製PMER
N−HC600
【0116】離型性フィルムのテンション調整ロールを
使用して、テンションを1.0kg/cmとした。挟み
込み速度、すなわち凹版の回転周速は100mm/秒で
ある。紫外線照射量は、100mJである。剛性板との
貼り合わせのバックアップロールの圧力は5kg/cm
である。この条件では硬化は完全でなく、レジストイン
キ硬化物の表面には粘着性があり、銅の表面に貼着す
る。
【0117】手順 真空脱泡した紫外線硬化型エッチングレジストをナイフ
コータのヘッドに圧送し離型性フィルムの上に押し出し
塗布した。厚さは15μm であり、ポリエチレン製の凹
版と離型性フィルムの間に挟み込む前に赤外線を照射し
て、大半の溶剤を蒸発させた。厚さは10μm に減少し
た。請求項8の気泡混入防止に水を使用した。凹版の深
さが10μm と浅いが、気泡の混入は絶対に避けること
が必要なので、この水は必要である。挟み込みロールと
凹版輪転ロールの間隔は間隔調整機構を使用して−20
μmとした。つまり、挟み込みロールと凹版輪転ロール
の接触部を加圧状態として、レジストインキが凹部以外
へはみ出すことを極力防止した。しかし、ごく薄い膜が
離型フィルムと凹版の上面に形成されることがあるが、
離型フィルムの離型性を若干低いものにして置くことに
よって、このレジストの薄い硬化膜は基板側でなく、剥
離フィルムの方へ取られる。万一取られずに残り銅貼り
積層板に載った場合でも、厚さがごく薄いため、エッチ
ングレジストの効果はまったくなく、問題とならない。
万一、その膜が問題となる場合はエッチングに先立っ
て、いわゆるプラズマアッシンング処理や脱脂処理を行
って、その薄い膜を除去する。
【0118】アライメントの方法 ピン穴にピンを通した状態でストック、そこから一枚
だけ減圧吸着可能なテーブルで持ち上げる テーブルを移動して搬送ベルトに乗せる。 搬送ベルトにはツメがあり、その位置でテーブルを押
して転写部より先まで搬送 テーブル(一台)自体はリニアーガイドに乗って左右
に移動。戻り時には爪が掛からないようにする。電磁爪
を使用した。
【0119】後処理 転写後の基板にUV照射して硬化および、銅貼り積層
板との密着性向上。 必要あればレジスト薄膜の剥膜処理。 通常条件での鉄液によるエッチング 剥膜、水洗、乾燥。 結果 オープンショ−トテスト→規格内に入っていた。 目視検査→合格
【0120】<実施例3>木目凹凸化粧合板を製造する
場合を述べる。装置としては、以下の機構を具備したも
のとした。 (1)請求項1対応:凹版輪転ロールの直径600m
m、巾1000mm。母型をシリンダーロールの喰わえ
部で喰えてセットする方式。 (2)請求項6対応:離型性フィルムの上に隔壁用ペー
ストを塗布する装置として、 ナイフコータのヘッドを
使用した。 電離放射線照射装置→メタルハライドランプ80W/c
m。6灯。所定部以外を照射しないための遮光壁付き。 (5)請求項10対応:位置合わせは、引っかけ爪によ
る送り出し、移動。 (6)合板移動転写機構:積み重ねてある合板を上側か
ら減圧吸着定盤で吸着して移動する方式。減圧吸着定盤
が引っかけ爪によって移動する。転写部を通過し、受け
取り部で減圧吸着を解除するチェーン機構。駆動力は凹
版輪転ロールとベルトが同速になるようにセットされた
歯車ーチェーン機構。転写場所には、所要圧力を印加で
きるバックアップロール設置。
【0121】使用した材料 (1)離型性フィルム:ポリエステルフィルム厚さ30
μm 、シリコーン樹脂系の離型材コート。 (2)請求項8、9対応:気泡混入防止用機構→使用せ
ず (3)剛性板:幅3尺、長さ6尺の未加工合板に木目模
様の絵柄を印刷した薄紙を尿素−酢酸ビニル混合系に硬
化剤として塩化アンモニウムを添加した接着剤で貼着し
たもの。 (4)凹版板:母型は枠なしのもの。製法は従来法。基
材フィルムは厚さ30μm の2軸延伸ポリエステルフィ
ルム。室温硬化型離型シリコーンゴムは東芝シリコーン
製TSE3540で厚さ約0.5mm。 (5)紫外線硬化ポリエステル樹脂:大谷塗料社製ポリ
ベスト23(登録商標)100部にベンゾインエチルエ
ーテル系紫外線硬化開始剤関東化学製PS8Aを1.5
部添加したもの (6)接着剤:(5)に記載した紫外線硬化ポリエステ
ル樹脂。転写が完了した後に 、樹脂表面から紫外線を
照射して硬化。 なわち凹版の回転周速は10m/分。
【0122】手順 真空脱泡した紫外線硬化ポリエステル樹脂をナイフコー
タのヘッドに圧送し離型性フィルムの上に押し出し塗布
した。厚さは300μm であり、シリコーンゴム製表面
の母型と離型性フィルムの間に挟み込む厚さが300μ
m になるように挟み込みロールと凹版輪転ロールの間隔
を間隔調整機構を使用して調整した。また離型性フィル
ムのテンション調整ロールを使用して、テンションを
0.1kg/cmとした。このテンション値はほとんど
フリーの状態であるが、ロール間の圧力が高く、挟み込
み条件はそれによって決定してしまうので、悪作用をお
よぼさないことが要点である。紫外線照射量は後に再度
紫外線を照射するので、送り速度を転写に支障がない範
囲でできるだけ上げる方法で調整し10m/分とした。
接着剤の塗布は請求項4のロールを使用して行い、塗布
厚さは200μm とした。気泡混入防止のための水封装
置は使用しなかったが、ロール方式による貼り合わせの
ため、欠陥となるようなサイズの気泡は混入しなかっ
た。
【0123】アライメントの方法 四隅に枠があるストック場所に保管。そこから一枚だ
け減圧吸着が可能な腕でテーブルに移動。 テーブル上で3ピンで位置セット。テーブルが移動し
て上から減圧吸着が可能な定盤の下の位置で停止。 減圧吸着が可能な定盤に吸着し、搬送。搬送チェーン
ツメがあり、その位置でテーブルを押して転写部より先
まで搬送 テーブル(一台)自体はリニアーガイドに乗って左右
に移動。戻り時には爪が掛からないようにする。電磁爪
を使用した。
【0124】後処理 転写後の基板に紫外線を照射して、紫外線硬化型ポリ
エステル樹脂の硬化と接着剤の硬化を完全に行った。
【0125】結果 気泡混入→規格内に入っていた→合格
【0126】
【発明の効果】従来より知られている技術を種々巧みに
組み合わせて、輪転方式で剛性板へ欠陥のない凸パター
ンを直接作成することができるようにした。気泡の混入
のない凸パターンを形成する具体的装置、方法を提供し
た。通常は気泡混入を避けるためには、インキ(ペース
ト)の粘度を下げる。すると、厚さを増すことが難しく
なる。凸形状も所望のものを形成できなくなる。本発明
の方法でこの点が解消された。
【図面の簡単な説明】
【図1】木目凹凸化粧合板の母型の製法
【図2】木目凹凸化粧合板の製法
【図3】特開平8−321258号公報に開示されてい
るPDP隔壁の形成方法と隔壁の形状
【図4】特開平10−101373号に開示されている
PDP隔壁の形成方法
【図5】装置の構造図(〜は請求項1の〜に対
応する。)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H113 AA01 AA05 BA03 BA27 BB07 BB09 BB10 BB22 BB32 CA05 CA17 DA57 DA64 FA10 FA43

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】剛性板の表面に電離放射線硬化型樹脂組成
    物の硬化凹凸パターンを形成するための輪転方式の装置
    において、少なくとも次の〜の機構、構造を有する
    ことを特徴とする凹凸パターン形成装置。 目的とする凹凸パターンを、離型性の表面よりなる凸
    凹パターンとして有する、凹版輪転ロール 該凹版輪転ロ−ルと離型性を有する電離放射線透過フ
    ィルムの間に電離放射線硬化性樹脂組成物を所定の厚さ
    を維持しながら連続的に挟み込む機構 挟み込んだ状態で電離放射線を照射する機構 電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化した後、電離放射
    線透過フィルムを該凹版輪転ロール表面から剥離する機
    構 剛性板を該凹版輪転ロール上に供給し、電離放射線照
    射によって硬化した電離放射線硬化性樹脂組成物と、所
    定のアライメント精度を保持しながら重ね合わせて加圧
    状態にする機構 加圧状態にした後、剛性板を該凹版輪転ロ−ル表面か
    ら剥離する機構
  2. 【請求項2】請求項1に記載の、「離型性の表面よりな
    る凸凹パターンとして有する、凹版輪転ロール」の表面
    材が、シリコーン樹脂であることを特徴とする、請求項
    1に記載の凹凸パターン形成装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の、該凹版輪転ロール上に
    供給する剛性板に、予め粘着剤・接着剤を塗布する機構
    を具備することを特徴とする請求項1または2のいずれ
    かに記載の凹凸パターン形成装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の、硬化させた電離放射線硬
    化性樹脂組成物、の表面に転写用樹脂を塗布する機構を
    有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記
    載の凹凸パターン形成装置。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の、離型性を有する電離放
    射線透過フィルム、の巾が凹版輪転ロールの巾より広い
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の凹
    凸パターン形成装置。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の、「該凹版輪転ロ−ル
    と離型性を有する電離放射線透過フィルムの間に電離放
    射線硬化性樹脂組成物を所定の厚さを維持しながら連続
    的に挟み込む機構」が、離型性を有する電離放射線透過
    フィルムの表面に予め電離放射線硬化性樹脂組成物を塗
    布し、凹版輪転ロールと重ね合わせる機構であることを
    特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の凹凸パタ
    ーン形成装置。
  7. 【請求項7】請求項1に記載の、離型性を有する電離放
    射線透過フィルム、の表面に予め粘着剤・接着剤を塗布
    する機構を有する、ことを特徴とする請求項1乃至6の
    いずれかに記載の凹凸パターン形成装置。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の凹凸パターン形成装置に
    おいて、凹版輪転ロールと電離放射線硬化性樹脂組成物
    が接触を開始する部分に液体を供給する機構を有するこ
    とを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の凹凸
    パターン形成装置。
  9. 【請求項9】請求項1に記載の凹凸パターン形成装置に
    おいて、凹版輪転ロールと剛性板が接触を開始する部分
    に液体を供給する機構を有することを特徴とする請求項
    1乃至8のいずれかに記載の凹凸パターン形成装置。
  10. 【請求項10】請求項1に記載の凹凸パターン形成装置
    において、剛性板の移動機構が、剛性板を固定する機構
    を有し、ガイドレールに従って移動するX−Y−θテー
    ブルであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか
    に記載の凹凸パターン形成装置。
  11. 【請求項11】剛性板の表面に電離放射線硬化型樹脂組
    成物の硬化凹凸パターンを形成するための輪転方式の凹
    凸パターン形成方法において、少なくとも次の〜の
    機構を有することを特徴とする凹凸パターン形成方法。 「目的とする凹凸パターンを、離型性の表面よりなる
    凸凹パターンとして有する、凹版輪転ロール」と離型性
    を有する電離放射線透過フィルムの間に電離放射線硬化
    性樹脂組成物を所定の厚さを維持しながら連続的に挟み
    込む機構 挟み込んだ状態で電離放射線を照射する機構 電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化した後、電離放射
    線透過フィルムを該凹版輪転ロール表面から剥離する機
    構 剛性板を該凹版輪転ロール上に供給し、電離放射線照
    射によって硬化した電離放射線硬化性樹脂組成物と、所
    定のアライメント精度を保持しながら重ね合わせて加圧
    状態にする機構 加圧状態にした後、剛性板を該凹版輪転ロ−ル表面か
    ら剥離する機構
  12. 【請求項12】請求項11に記載の、「離型性の表面よ
    りなる凸凹パターンとして有する、凹版輪転ロール」の
    表面材が、シリコーン樹脂であることを特徴とする、請
    求項11に記載の凹凸パターン形成方法。
  13. 【請求項13】請求項11に記載の、該凹版輪転ロール
    上に供給する剛性板に、予め粘着剤・接着剤を塗布する
    ことを特徴とする請求項11または12のいずれかに記
    載の凹凸パターン形成方法。
  14. 【請求項14】請求項11に記載の、硬化させた電離放
    射線硬化性樹脂組成物、の表面に転写用樹脂を塗布する
    ことを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載
    の凹凸パターン形成方法。
  15. 【請求項15】請求項11に記載の、離型性を有する電
    離放射線透過フィルム、の巾が凹版輪転ロールの巾より
    広いことを特徴とする請求項11乃至14のいずれかに
    記載の凹凸パターン形成方法。
  16. 【請求項16】請求項11に記載の、「目的とする凹凸
    パターンを、離型性の表面よりなる凸凹パターンとして
    有する、凹版輪転ロール」と離型性を有する電離放射線
    透過フィルムの間に電離放射線硬化性樹脂組成物を所定
    の厚さを維持しながら連続的に挟み込む機構が、離型性
    を有する電離放射線透過フィルムの表面に予め電離放射
    線硬化性樹脂組成物を塗布し、凹版輪転ロールと重ね合
    わせる機構であることを特徴とする請求項11乃至15
    のいずれかに記載の凹凸パターン形成方法。
  17. 【請求項17】請求項11に記載の、離型性を有する電
    離放射線透過フィルム、の表面に予め粘着剤・接着剤を
    塗布することを特徴とする請求項11乃至16のいずれ
    かに記載の凹凸パターン形成方法。
  18. 【請求項18】請求項11に記載の凹凸パターン形成方
    法において、凹版輪転ロールと電離放射線硬化性樹脂組
    成物が接触を開始する部分に液体を供給することを特徴
    とする請求項11乃至17のいずれかに記載の凹凸パタ
    ーン形成方法。
  19. 【請求項19】請求項11に記載の凹凸パターン形成方
    法において、凹版輪転ロールと剛性板が接触を開始する
    部分に液体を供給することを特徴とする請求項11乃至
    18のいずれかに記載の凹凸パターン形成方法。
  20. 【請求項20】請求項11に記載の凹凸パターン形成方
    法において、剛性板の移動機構が、剛性板を固定する機
    構を有し、ガイドレールに従って移動するX−Y−θテ
    ーブルであることを特徴とする請求項11乃至19のい
    ずれかに記載の凹凸パターン形成方法。
  21. 【請求項21】請求項20に記載の剛性板の移動機構を
    有する凹凸パターン形成方法において、凹版と剛性板の
    双方に対して、対応する位置にアライメントマークを形
    成し、予め凹版のアライメントマークを剛性板に転写
    し、剛性板へ転写した凹版のアライメントマークと剛性
    板のアライメントマークの位置ズレを計量し、それに応
    じて剛性板を固定しているX−Y−θテーブルの位置を
    調節しアライメントすることを特徴とする請求項11乃
    至20のいずれかに記載の凹凸パターンの形成方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100787237B1 (ko) * 2006-06-22 2007-12-21 한국기계연구원 탄성중합체 스탬프를 이용한 롤-프린트 방식의 미세접촉인쇄장치
KR101244251B1 (ko) 2011-06-21 2013-03-18 (주)아이펜 롤투롤 인쇄장치
US8900414B2 (en) 2007-11-07 2014-12-02 Datalase, Ltd. Fiber products
US9045619B2 (en) 2007-08-22 2015-06-02 Datalase Ltd. Laser-sensitive coating composition
US9982157B2 (en) 2008-10-27 2018-05-29 Datalase Ltd. Aqueous laser-sensitive composition for marking substrates

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US9982157B2 (en) 2008-10-27 2018-05-29 Datalase Ltd. Aqueous laser-sensitive composition for marking substrates
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