JP2000218657A - 情報記録ディスク基板成形用金型及びそれより得られた基板 - Google Patents

情報記録ディスク基板成形用金型及びそれより得られた基板

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JP2000218657A
JP2000218657A JP2686499A JP2686499A JP2000218657A JP 2000218657 A JP2000218657 A JP 2000218657A JP 2686499 A JP2686499 A JP 2686499A JP 2686499 A JP2686499 A JP 2686499A JP 2000218657 A JP2000218657 A JP 2000218657A
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JP2686499A
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Hiroyuki Hirata
弘之 平田
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Maxell Holdings Ltd
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Hitachi Maxell Ltd
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Publication date
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/26Moulds
    • B29C45/263Moulds with mould wall parts provided with fine grooves or impressions, e.g. for record discs
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29LINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
    • B29L2017/00Carriers for sound or information
    • B29L2017/001Carriers of records containing fine grooves or impressions, e.g. disc records for needle playback, cylinder records
    • B29L2017/003Records or discs
    • B29L2017/005CD''s, DVD''s

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型部品同士のかじりを防止してバリのない
基板を製造することが可能な金型及びそれから得られる
基板を提供する。 【解決手段】 金型100は固定金型10と可動金型2
0とを有する。可動側スタンパ外周押さえ本体部25d
の外周壁25eと外周リング30の第2対向面30bと
の間に玉軸受け用鋼球36を設け、外周リング30の第
1対向面30aと可動側スタンパ外周押さえリング部2
5bの外周壁25cとのクリアランスを周方向のいずれ
の位置においても1μm〜30μmの範囲内に維持す
る。これにより、第1対向面30aと外周壁25cとは
非接触で相対移動できるのでかじりが発生することはな
い。得られる基板にはバリはなく極めて平坦であるの
で、浮上型ヘッドを用いて記録・再生される情報記録媒
体用の基板として好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、両面記録可能な情報記
録ディスク用のプラスチック基板を製造するための射出
成形用金型及びその金型を用いて製造される基板に関
し、更に詳細には、金型部品同士のかじりによる金属摩
耗紛の発生を防止してバリのない基板を製造することが
可能な金型及びそれから得られる基板に関する。
【0002】
【従来の技術】マルチメディア時代の到来により、汎用
コンピュータ等に用いられる情報記録装置では、文字情
報のみならず音声や画像情報などの厖大な量のデータを
取り扱う必要がある。このため、かかる情報記録装置で
使用される情報記録媒体、例えば、光ディスク、光磁気
ディスク、ハードディスクなどは、その記憶容量を一層
増大することが要求される。この要求に応えるために、
かかる情報記録媒体に高密度に情報を記録することが検
討されている。
【0003】情報記録媒体に高密度に情報を記録するに
は、情報記録媒体の溝間隔(トラックピッチ)を狭くし
たりピットを微小化すればよい。これを実現するには情
報記録媒体の基板に狭トラックピッチ化された溝や微小
なピットを形成する必要がある。光ディスクや光磁気デ
ィスクの基板には、通常、光透過性を有する透明樹脂基
板が使用されており、透明樹脂基板は、通常、射出成形
法により製造される。射出成形法は、基板上に容易に溝
やピットを形成できるため生産性や材料コスト的に有効
な方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、記憶容量を更に
増大させるために、固体イマージョンレンズを搭載した
浮上型ヘッドを用いて記録・再生を行う方法が提案され
ている。この方法によれば従来よりも小さな光スポット
径で記録・再生することが可能となるので、従来の光磁
気記録媒体に比べて単位面積当たりの記録密度を約1桁
高めることができる。また、従来の媒体は、基板側から
レーザー光を入射させて記録・再生する必要があったた
め、基板の一方の面にしか記録膜を形成することができ
なかったが、上述の固体イマージョンレンズを搭載した
浮上型ヘッドにより記録・再生される媒体では、基板上
に形成された記録膜側からレーザー光を照射させて記録
再生するので、基板の両面に記録層を設けることによっ
て両面記録することが可能となり、更なる大容量化を実
現することができる。
【0005】このような両面記録が可能な媒体に用いら
れる基板を製造するには、固定金型及び可動金型にそれ
ぞれスタンパを装着した金型を用いればよい。例えば、
特開平7−93941号公報には、固定側金型に装着さ
れる固定側スタンパの外周部を保持する環状の固定側ス
タンパホルダと、可動側金型に装着される可動側スタン
パの外周部を保持する環状の可動側スタンパホルダとを
備えた金型が示されている。可動側外周スタンパホルダ
は、そのフランジ部の内周面(ディスク外周成形面)が
固定側スタンパ外周ホルダの摺接面と摺接可能に構成さ
れている。それゆえ、金型のキャビティ内へ溶融樹脂を
充填した後、可動側金型を固定側金型に更に移動して溶
融樹脂を圧縮するときに、可動側スタンパ外周ホルダの
フランジ部の内周面は摺接面上を摺動するためにキャビ
ティ内の溶融樹脂は両ホルダの間から漏れないようにな
っている。しかしながら、これらの公報に記載されてい
る金型は、実用化には以下に示すような様々な障害があ
った。
【0006】例えば、上記特開平7−93941号公報
に記載の金型では、固定側スタンパ外周ホルダと可動側
スタンパ外周ホルダとを摺接させているために、長期間
射出成形を行っていると、摺接部にかじりが生じて金属
摩耗紛が発生する恐れがある。金属摩耗紛が発生する
と、それが成形基板に付着したり、成形基板内に混入し
たり、固定側リングと可動側リングの摺動不良が発生し
て成形基板にバリが生じる。特に、上述した浮上型ヘッ
ドを用いて記録再生を行う方法では、浮上型ヘッドと基
板との間隔を極めて狭くする必要があるため、基板は極
めて平坦でクリーンであることが要求される。このた
め、金属摩耗紛の基板への付着や基板内への混入、成形
基板のバリの発生は極めて深刻な問題であった。
【0007】本発明は、上記従来技術の問題を解決する
ためになされたものであり、その目的は、金型部品のか
じりによる金属摩耗粉の発生を防止し、バリのない基板
を製造することが可能な金型を提供することにある。
【0008】本発明の更に別の目的は、極めて平坦で金
属摩耗紛の混入やバリのない基板であって、特に、両面
記録が可能な記録媒体に用いられる基板を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、両面に
記録が可能な情報記録ディスク用基板の一方の面を成形
するための第1スタンパが装着される固定金型と、該基
板の他方の面を成形するための第2スタンパが装着され
る可動金型とを有する金型において、第1または第2ス
タンパの外周部を固定金型または可動金型のスタンパ装
着面に押さえ付ける環状のスタンパ外周押さえと、前記
スタンパ外周押えの半径方向外側に設けられ且つ前記基
板の外周面を画成する外周リングとを備え、前記スタン
パ外周押さえの外周面と、前記外周リングの内周面がほ
ぼ平行に対向しており且つそれらが周方向のいずれの位
置においても1μm〜30μmの範囲内の間隙を維持し
ていることを特徴とする情報記録ディスク基板成形用金
型が提供される。
【0010】本発明の金型は、図2に示したように、ス
タンパ外周押さえ25のリング部25bの外周壁25c
と、この側壁25cに部分的に対向しキャビティ2を画
定する外周リング30の内周壁30a(第1対向面)と
の間隙(以下、クリアランスと呼ぶ)が、周方向のいず
れの位置においても常に1μm〜30μmの範囲内にな
るように維持されている。クリアランスが常にこの範囲
内に維持されるのであれば、射出成形時に、外周リング
30に対してスタンパ外周押さえ25が金型の開閉方向
に移動しても、外周リング30の第1対向面30aとス
タンパ外周押さえ25のリング部25bの外周壁25c
との間から溶融樹脂が漏れ出ることはない。更に、外周
リング30の第1対向面30aとスタンパ外周押さえ2
5のリング部25bの外周壁25cとは非接触であるの
で、繰り返し射出成形を行ってもかじりが生じることは
なく、金属摩耗紛が発生することもない。上記クリアラ
ンスが1μm未満であると、成形時に、固定側支持部材
12(スタンパ装着面)に対して可動側支持部材22を
近づけて圧縮した際に、スタンパ外周押さえ25の外周
壁25cと外周リング30の第1対向面30aとが接触
してかじりを生じてしまい、かじりにより発生する金属
摩耗粉が成形基板内に混入する恐れがある。更には金属
摩耗紛が、スタンパ外周押さえ25の外周壁25cと外
周リング30の第1対向面30aとの間に介在して、ス
タンパ外周押さえと外周リングとを良好に相対移動させ
ることが困難になり、成形される基板の品質の低下を招
く恐れもある。一方、このクリアランスを30μmより
も広げすぎると、この部分にバリが発生しやすくなり、
成形基板の変形やバリの脱落による品質低下を招く恐れ
があるため好ましくない。
【0011】本発明において、スタンパを取り付ける固
定金型及び可動金型の各々のスタンパ装着面は、成形時
に、スタンパの溝又はピットの信号の転写を阻害しない
ように一定の面粗度以下に平滑に仕上げられていること
が好ましい。また、スタンパと装着面を構成する部材と
の熱膨張の違いによるこすれに対して耐摩耗性を付与す
る目的からセラミックコーティングがなされていること
が好ましい。
【0012】更に、本発明の金型は、キャビティ内に溶
融樹脂を射出充填した後に、可動金型を固定金型側に近
づけることによってキャビティ間隔を狭めて、成形時の
キャビティの内周部側と外周部側の内圧を共に一定にす
る射出圧縮成形法に好適に用いられる。
【0013】また、本発明において、スタンパ外周押さ
え25のフランジ(突縁部)25aの径方向の長さL1
(図13参照)は、加工精度や成形時の樹脂圧による変
形を防ぐため、1.5mm以上であることが好ましく、
情報の記録に使用される記録エリアを十分確保するため
に5mm以下であることが好ましい。
【0014】また、射出成形時には、図2に示すよう
に、固定側スタンパ13の外周部分と、それに対向する
外周リング30の第3対向面30dとの間は常に一定の
クリアランスを維持していることが好ましい。また、固
定側支持部材12に対して可動側支持部材22を近づけ
てキャビティ2を圧縮した際に、固定側スタンパ13の
外周部分と外周リング30の第3対向面30dのクリア
ランスを保ちつつ、それらの間隙から溶融した樹脂がキ
ャビティ2外に漏れることを防ぐため、外周リング30
を固定側スタンパ13側に、ばねまたは圧搾エアーなど
の付勢手段にて付勢させることが望ましい。
【0015】固定金型と可動金型の両方にスタンパを装
着する場合は、スタンパ外周押さえを外す必要がある
が、スタンパ外周押さえと外周リングは前述したように
1μm〜30μmのクリアランスを有しており、このク
リアランスを保ってスタンパを着脱するには、スタンパ
外周押さえ及び外周リングのいずれか一方を加熱炉で加
熱したり、液化窒素を用いて冷却して双方に温度差を設
け、クリアランスを広げて着脱することが望ましい。こ
れらの操作は金型の組み付け段階で行うことが一般的で
あるが、金型を成形機に取り付け、金型の固定側と可動
側のパーティング面を開いてこれらの作業を行うのは極
めて困難である。無理に着脱を行えばスタンパ外周押さ
え及び外周リングの双方またはいずれか一方を傷つける
恐れがある。したがって、図13に示したように、スタ
ンパ外周押さえ25と外周リング30とを着脱ボルト3
8で固定して、それらを分離することなく一体で着脱さ
せることが好ましい。これにより、これらの部品を傷つ
けることなく、上記のクリアランスを維持したままスタ
ンパを着脱させることが可能となる。
【0016】本発明においては、スタンパを取り付ける
支持部材に真空吸引孔を形成して、この真空吸引孔から
真空ポンプなどを用いてスタンパを真空吸引することに
よって支持部材に固定することが好ましい。これにより
スタンパの支持部材への着脱を極めて容易に行うことが
可能となる。真空吸引孔を形成する位置は、固定側また
は可動側の支持部材において、成形される基板の外周よ
りも外側の領域であることが好ましい。
【0017】更に、本発明においては、スタンパ外周押
さえと外周リングとのクリアランスを一定に保ちつつ、
成形中に発塵することなく双方を互いに移動させること
を可能にするため、図13に示したように、スタンパ外
周押さえ25の本体部25dの外周壁25eと、この外
周壁と対面する外周リング30の第2対向面30bとの
間に、玉軸受け用鋼球36(またはころ軸受け用ころで
もよい)を所定のしめ代をもって挿入することが望まし
い。
【0018】また、本発明の金型においては、スタンパ
外周押さえと外周リングの中心軸がが常に同軸上に位置
するように、それらの少なくとも一方を支持するための
調心手段を備えることが好ましい。調心手段としては、
例えば、複数の玉軸受け用鋼球を、スタンパ外周押さえ
と外周リングとの間で且つスタンパ外周押さえの外周を
周回するように配置することが好ましい。
【0019】本発明の金型内に射出充填するプラスチッ
ク材料としては、例えば、ポリエーテルイミド樹脂、ポ
リエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド
樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、
ポリメチルペンテン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエー
テルニトリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、熱可塑性ノルボルネン系樹脂、ア
モルファスポリオレフイン樹脂、ポリメチルペンテン樹
脂等の耐熱性、流動性、転写性に優れた樹脂材料が好ま
しく、これらの樹脂材料のいずれかを含んだポリマーア
ロイ樹脂であってもよい。特に、光磁気ディスクや磁気
ディスク等ではプラスチック材料中に含まれる不純物が
記録再生特性に影響を与えるため、ポリメチルメタクリ
レート樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂が好まし
い。しかしながら、これらの材料に限定されるものでは
なく、既知の光ディスク用の基板材料を使用することが
可能である。
【0020】また、図1に示す本発明の金型を用いて作
製される基板の片面には、スタンパ外周押さえ25の突
縁部(フランジ部)25aにより記録エリアの最外周部
に、図8に示すような凹領域42が形成される。かかる
凹領域42は、情報を記録することができない不要な領
域であるので、この基板を用いて製造される情報記録デ
ィスクにおいては、その外径に対する記録容量を増加さ
せるために、この凹領域を切除することが望ましい。ま
た、成形される基板の最外周領域には、通常、図14に
示したように、成形時の圧力伝達不足と金型角部の冷却
速度差に起因する盛り上がり42a、42bが形成され
る。浮上ヘッドを用いて記録・再生を行うディスクで
は、この盛り上がり42a、42bのためにヘッドの浮
上特性が変化したり、場合によってはヘッドクラッシュ
を招くおそれがある。このため、盛り上がり42a、4
2bを上述の凹領域と同時に切除することが好ましい。
これにより、合理的に基板を生産することが可能となる
とともに、極めて記録領域の大きいディスク基板を得る
ことができる。
【0021】本発明において、図2に示したような金型
100を用いて基板を製造するには、固定金型10と可
動金型20とを型閉じした後、固定金型10に設けられ
ているスプール16からキャビティ2内に成形機シリン
ダ(図示しない)で加熱溶融された樹脂を一定量射出す
る。その後、可動側支持部材22を固定側支持部材側1
2へ移動させて、可動側スタンパ23と固定側スタンパ
13との間隔を狭め、キャビティ2内に充填された溶融
樹脂を圧縮してキャビティ内の樹脂圧力を一定にする。
このとき、スタンパ外周押さえ25は可動側支持部材2
2に固着されているので、可動側支持部材22の移動に
伴って、スタンパ外周押さえ25は外周リング30に対
して一定のクリアランスを保って移動する。したがっ
て、外周リング30に対してスタンパ外周押さえ25が
相対移動しても、外周リング30とスタンパ外周押さえ
25との間から溶融樹脂が漏れ出ることはなく、かじり
による金属磨耗粉の発生もない。
【0022】キャビティ2内に充填された樹脂は一定時
間圧縮された後、キャビティ2内で冷却されて固化す
る。そして金型を型開きして、エジェクター26によっ
て固化した樹脂基板を突き出す。こうして、バリのない
高品質の情報記録ディスク基板が成形される。
【0023】光ディスクや、基板側から光を入射させる
通常の光磁気ディスク、或いはソリッドイマージョンレ
ンズを用いたニア・フィールドタイプの光磁気ディスク
などのような光記録媒体、若しくはガードバンドとして
の溝やトラックサーボピットを有するタイプの磁気ディ
スクに用いられる基板を製造するには、スタンパとし
て、その表面に所望のフォーマットに応じた信号面を形
成したスタンパを用いればよい。これにより、スタンパ
に形成した所望の信号を基板の表面に転写することがで
きる。また、溝やトラックサーボピットのない磁気ディ
スク用の基板を得るには、スタンパとして、例えば信号
面を平均面粗さRaが3nm以下で最大面粗さRmax
が30nm以下となるように鏡面加工したスタンパを用
いればよい。
【0024】また、本発明においては、スタンパを固定
金型と可動金型にそれぞれ装着することが好ましい。こ
れにより、基板の両面に所望のフォーマットに応じた信
号面を形成することができるので、かかる基板を用いて
情報記録ディスクを製造すれば、従来の片面記録の媒体
に比べて倍の記録容量を有する記録媒体が得られる。
【0025】また、本発明の金型から製造される情報記
録ディスク基板は、ポリカーボネート樹脂、ポリメチル
メタクリレート樹脂、アモルファスポリオレフィン樹
脂、熱可塑性ノルボルネン系樹脂、ポリスチレン樹脂、
ポリエーテルイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエ
ーテルニトリル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹
脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹
脂、ポリメチルペンチン樹脂のうちのいずれか一種の樹
脂、またはこれらのうちのいずれかの樹脂を含んだポリ
マーアロイ樹脂を用いて構成されることが好ましい。こ
れにより、バリの発生や金属粉の混入がなく、生産性に
優れ、平坦性、転写性の良い高品質の情報記録ディスク
基板を得ることができる。またスタンパ外周押さえによ
り画成される凹面を切除することが好ましく、これによ
り両面とも最外周まで凹凸のない極めて平滑な基板を得
ることができる。かかる基板は、浮上型の記録・再生ヘ
ッドを用いたニア・フィールドタイプの光磁気ディスク
や磁気ディスクの基板に最適である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従う金型の実施例
について図面を用いて説明する。
【0027】
【実施例1】[金型の構造]まず、本発明に従う成形金
型の第1の実施例について、図1、図2及び図8を用い
て説明する。本実施例の金型100は、図8に示すよう
な、両面に情報記録面40a、40bを有する光磁気デ
ィスク用基板40を射出成形法により成形するための金
型である。成形金型100は、図1及び図2に示すよう
に、固定金型10と、この固定金型10に対して金型の
開閉方向に相対的に移動可能な可動金型20とを有して
いる。
【0028】固定金型10は、固定側ダイセット11
と、この固定側ダイセット11内に設けられた固定側支
持部材12と、固定側スタンパ13の内周部分を固定側
支持部材12に係止するための固定側スタンパ内周押さ
え14と、キャビティ2に射出成形機のノズル(図示し
ない)からの溶融樹脂を導くためのスプール16とを備
える。固定側スタンパ13は、図8の基板40の一方の
面40aを形成するための環状スタンパであり、固定側
支持部材12の支持面(スタンパ装着面)に装着され
る。固定側支持部材12には、真空吸引孔33が形成さ
れており、真空吸引孔33から真空ポンプ(図示しな
い)を用いて固定側スタンパ13の外周部分を真空吸着
することにより、固定側スタンパ13を固定側支持部材
12に密着させることができる。
【0029】一方、可動金型20は、可動側ダイセット
21と、可動側支持部材22と、可動側スタンパ外周押
さえ25と、外周リング30と、可動側ダイセット21
上に設けられた外周リング押さえ31と、可動側スタン
パ内周押さえ24と、エジェクタ26と、ゲートカッタ
ー27とを有する。可動側支持部材22は、可動側ダイ
セット21内に設けられており、固定側支持部材12に
近づく方向に移動可能である。可動側スタンパ23は、
図8の基板40の情報記録面の他方の面40bを形成す
るための環状スタンパであり、その内周部分と外周部分
が、可動側スタンパ外周押さえ25と可動側スタンパ内
周押さえ24とによって可動側支持部材22に係止され
ている。外周リング30は、成形される基板の外周面
(図8の基板40の外周側の側壁41)を形成し、外周
リング押さえ31によって可動側支持部材22に係止さ
れている。可動側支持部材22の中心部分には貫通穴が
形成されており、この貫通穴に円筒形状を有するエジェ
クタ26が、可動金型支持部材22に対して固定側支持
部材12側に相対的に移動可能に設けられている。エジ
ェクタ26を固定金型10側に突き出すことにより、成
形された基板を可動側スタンパ23から剥離させること
ができる。エジェクタ26の内部の中空部分には、ゲー
トカッター27が設けられており、ゲートカッター27
は、成形される基板の中心孔を打ち抜くことができる。
【0030】キャビティ2は、固定金型10と可動金型
20を型締めしたときに、固定側スタンパ13と、可動
側スタンパ23と、可動側スタンパ外周押さえ25と、
外周リング30と、固定側スタンパ内周押さえ14と、
可動側スタンパ内周押さえ24と、エジェクタ26とに
よって画成される空間であり、射出成形時には、射出成
形機のノズル(図示しない)から溶融樹脂が充填され
る。
【0031】固定側スタンパ13と可動側スタンパ23
とは、それらの表面が互いに平行になるように配置され
ており、固定側スタンパ13と可動側スタンパ23のそ
れぞれの対向面(表面)には、光磁気ディスク基板40
の信号面を形成するためのフォーマット情報が複数の凹
部や凸部として形成されている。本実施例においては可
動側スタンパ23は、その外径が固定側スタンパ13の
外径よりも小さくなるように形成されている。
【0032】スタンパ内周押さえ14及び24は、とも
に円筒形状を成し、それらの一方の端部には、円筒の中
心軸から遠ざかる方向に突出した突縁部(フランジ部)
14a及び24aがそれぞれ形成されている。このフラ
ンジ部14a、24aは、固定側スタンパ13及び可動
側スタンパ23の内周側と接触し、スタンパ13及び2
3を支持部材12及び22にそれぞれ密着させることが
できる。スタンパ13、23は、スタンパ内周押さえ1
4、24にそれぞれ取り付けられた後、各支持部材1
2、22の中心部に形成されている環状の溝部にスタン
パ内周押さえ14、24をそれぞれ嵌め込むことによっ
て係止される。
【0033】可動側スタンパ外周押さえ25は、その本
体部25dが可動側支持部材22の外周側の凹部22b
内に埋設された環状部材であり、本体部25dからキャ
ビティ2側に延在し且つ可動側スタンパ23の外径と同
じ内径を有するリング部25bと、このリング部25b
の端部からキャビティ2の中心に近づく方向に突出した
環状のフランジ部25aとを有している。フランジ部2
5aは成形される基板の外周部を画成し、図8に示した
ように、基板40の一方の側の面の最外周に凹部42を
形成する。本実施例では、フランジ部25aの径方向の
長さ(図13中、L1)は3mm、厚み(図13中、L
2)は0.5mmとした。
【0034】可動側スタンパ外周押さえ25のスタンパ
半径方向の更に外側には外周リング30が装着されてい
る。外周リング30は、段状の内壁を有する環状部材で
あり、その内壁は2つの内壁面からなる。一方の内壁面
は、キャビティの一部(基板の外周面)を画成するとと
もに可動側スタンパ外周押さえ25のリング部25bの
外周壁25cに部分的に対向する第1対向面30aであ
り、他方の内壁面は、スタンパ外周押さえ25の本体部
25dの外周壁25eに対向する第2対向面30bであ
る。また、可動側外周スタンパ押さえ25のリング部2
5bの外周壁25cと外周リング30の第1対向面30
aとの間には、10μmのクリアランスW(図13参
照)が設けられている。なお、外周リング30の第1対
向面30aは、図8に示す光磁気ディスク基板の外径4
1を画成する。
【0035】図13の拡大図に示したように、外周リン
グ30の第2対向面30bと可動側スタンパ外周押さえ
本体部25dの外周壁25eとの間には、玉軸受け用の
鋼球36が、ボールリテーナー37により保持されつつ
1μm〜5μmのしめしろで圧入されている。玉軸受け
用の鋼球36は、成形中の高温下及び高樹脂圧下におい
ても外周リング30の第1対向面30aが可動側スタン
パ外周押さえのリング部25bの外周壁25cと接触し
ないように上記クリアランスを維持させることができ
る。
【0036】また、図2に示したように、外周リング3
0は、ばね35によって可動側ダイセット21から固定
側支持部材12に近づく方向に付勢されており、外周リ
ング押さえ31により可動金型20から脱落することが
防止されている。また、外周リング30は、金型100
を型閉じした場合に、固定側スタンパ13と一定のクリ
アランスを保って付勢されるようにその寸法が設定され
ている。これにより、溶融樹脂をキャビティ2内に充填
したときの樹脂圧により可動金型20が固定金型10側
に移動したとしても、外周リング30は固定側スタンパ
13側に付勢ばね35により付勢されているため、キャ
ビティ2内に充填された溶融樹脂が固定側スタンパ13
と外周リング30との間から漏れることはない。なお、
外周リング30を固定側スタンパ13に付勢する手段と
して本実施例では付勢ばね35を用いたが、圧搾エアー
による空気圧を用いても良い。
【0037】つぎに、本実施例1の金型100における
スタンパの装着方法について図2及び図13を参照しな
がら説明する。まず、可動金型20に可動側スタンパを
装着する方法について説明する。可動側スタンパ23の
装着では、可動金型20に装着される可動側スタンパ2
3を用意し、その内周部に可動側スタンパ内周押さえ2
4を挿入して可動側スタンパ23と可動側スタンパ内周
押さえ24とを組み合わせる。次いで、可動側スタンパ
13と組み合わせた可動側スタンパ内周押さえ24を可
動側支持部材22の穴部22aに挿入して、可動側スタ
ンパ23を可動側支持部材22に密着させ、可動側スタ
ンパ内周押さえ24を可動側支持部材22に係止する。
つぎに、図13に示したようにボルト38により組み合
わせた可動側スタンパ外周押さえ25と外周リング30
とからなるセット32を可動側支持部材22に装着す
る。セット32を装着した後、ボルト(図示しない)を
用いて可動側スタンパ外周押さえ25を可動側支持部材
22に固定して、外周リング30を外周リング押さえ3
1にて可動側ダイセット21に固定する。これにより、
可動側スタンパ23の内周部と外周部とはそれぞれスタ
ンパ内周押さえ24及び外周押さえ25によって可動側
支持部材22に固定され、成形された基板を可動側スタ
ンパから剥離する際に、可動側スタンパ23が可動側支
持部材22から離脱することはない。ここで、図13に
示したように、可動側スタンパ外周押さえ25と外周リ
ング30については、それらの間に予め玉軸受け用鋼球
36を介在させて、しめしろWが1μm〜5μmの範囲
内になるように圧入しておく。このとき、玉軸受け用鋼
球36は外周リング30から脱落しないようにボールリ
テーナ37で保持する。また、可動側スタンパ外周押さ
え25と外周リング30とが互いに分離しないように、
金型100からの脱着の際には、着脱ボルト38を用い
てそれらを固着する。
【0038】つぎに、固定金型に固定側スタンパを装着
する方法について説明する。固定側スタンパの装着で
は、固定金型に装着すべき固定側スタンパ13を用意
し、その内径部に固定側スタンパ内周押さえ14を挿入
して固定側スタンパ13にスタンパ内周押さえ14を組
み込む。次いで、固定側スタンパ13を組み込んだ固定
側スタンパ内周押さえ14を固定側支持部材12の穴部
12aに挿入することにより、固定側スタンパ13を固
定側支持部材12に密着させて、固定側スタンパ内周押
さえ14を固定側ダイセット11に係止する。そして、
固定側支持部材12の外周部に設けた真空吸引孔33か
ら真空ポンプ(図示しない)により固定側スタンパ13
を真空吸引することにより、固定側スタンパ13を固定
側支持部材12に密着させる。これにより、成形基板を
スタンパから剥離する際、固定側スタンパ13が固定側
支持部材12から離脱することはない。
【0039】
【実施例2】図3に、本発明に従う金型の第2の実施例
を示す。本実施例の金型300は、スタンパ外周押さえ
15、外周リング30、外周リング押さえ31を固定側
に設け、可動側支持部材22の外周部に真空吸引孔33
を設けた以外は、実施例1の金型と同様の構造を有す
る。また、この実施例で用いた固定側スタンパ23’及
び可動側スタンパ13’は、それぞれ実施例1で用いた
固定側スタンパ13及び可動側スタンパ23に相当す
る。本実施例においては、可動側支持部材22の外周部
に設けられた真空吸引孔33を介して可動側スタンパ1
3’を真空吸引することにより可動側スタンパ13’を
可動側支持部材22に密着させている。
【0040】
【実施例3】図4に、本発明に従う金型の第3の実施例
を示す。本実施例の金型400は、固定側スタンパ内周
押さえ14及び可動側スタンパ内周押さえ24の代わり
に、固定側及び可動側支持部材の内周部分にそれぞれ内
周真空吸引溝34を設けた以外は、実施例1の金型と同
様の構造を有する。この内周真空吸引溝34を介して真
空ポンプなどを用いて、固定側スタンパ13及び可動側
スタンパ23の内周部分を真空吸引することにより、固
定側及び可動側スタンパ13、23をそれぞれ支持部材
12、22に固定することができる。この場合、固定側
及び可動側のスタンパ内周押さえがないので金型構造を
簡略化することができる。
【0041】
【実施例4】図5に、本発明に従う金型の第4の実施例
を示す。本実施例の金型500は、真空吸引孔のない固
定側支持部材を用い、固定側スタンパ外周押さえ17を
設けた以外は、実施例1の金型と同様である。本実施例
の金型500では、固定側スタンパ13の外周部分を真
空吸引により固定する代わりに、固定側スタンパ外周押
さえ17を用いて固定する。かかる構造の金型500を
用いても、成形される基板を離型するときにスタンパが
脱落することはない。
【0042】
【比較例1】図6に示す金型600は、固定側スタンパ
外周押さえ115を用いて固定側スタンパ13を支持部
材12に固定し、可動側スタンパ外周押さえ125を用
いて可動側スタンパ23を支持部材22に固定してい
る。また、固定側スタンパ外周押さえ115の内周面1
15cと可動側スタンパ外周押さえ125のリング部1
25bの外周面125cとは嵌合面130cで摺接して
いる。
【0043】かかる構造を有する金型600では、成形
を繰り返した場合に固定側スタンパ外周押さえ115の
内周面115cと可動側スタンパ外周押さえ125のリ
ング部125bの外周面125cとが金型開閉後の射出
ショット毎に摺接する。このため、嵌合面130cにか
じりが生じたり、摩耗により発生した金属摩耗粉が成形
基板に混入するので、長時間の連続成形はできない。ま
た、冷却後の成形品にバリが発生することによって、こ
のバリが基板内に混入したり、成形された基板を離型す
る際に支障をきたして機械特性を悪化させる恐れがあ
る。特に、浮上型ヘッドを用いて記録再生されるよう
な、高い平坦性が要求される情報記録ディスクの基板に
は不適であることがわかった。
【0044】
【比較例2】図7に示す金型700は、外周リング13
0の第2対向面130bと可動側スタンパ外周押さえ1
25の本体部125dの外周壁125eとの間に玉軸受
け用鋼球を設けていない。また、可動側スタンパ外周押
さえ125のリング部125bの外周壁125cと外周
リング130の第1対向面130aとの間のクリアラン
スは10μmとした。かかる構造の金型700は、玉軸
受け用鋼球がないために溶融樹脂の射出ショットを繰り
返すと、外周リング130が半径方向にずれて可動側ス
タンパ外周押さえ125の中心軸に対して芯ずれが生じ
る。このため、ずれた方向における外周リング130の
第1対向面130aと可動側スタンパ外周押さえ125
のリング部125bの外周壁125cとのクリアランス
がなくなり、それらが摺動する。このため、かかる摺動
部分でかじりが生じたり、摩耗により発生した金属摩耗
粉が成形基板に混入するので、長時間の連続成形はでき
ない。また、冷却した成形品にバリが発生することによ
って、このバリが基板内に混入したり、基板を離型する
際に支障をきたして機械特性を悪化させる恐れがある。
特に、浮上型ヘッドを用いて記録再生されるような、高
い平坦性が要求される情報記録ディスクの基板には不適
であることがわかった。
【0045】[外周リングの組み込み例]実施例1の金
型において、可動側スタンパ23を取り付ける際、取り
付け順序として、可動側スタンパ外周押さえ25、ボー
ルリテーナ37に玉軸受け用鋼球36を組み込んだ組み
込み品39(図13参照)、外周リング30の順番で取
り付けを試みたが、外周リング30の装着が極めて困難
であったため、外周リング30を加熱炉で加熱して組み
込んだ。この場合、外周リング30の第1対向面に打痕
が発生した。それゆえ、図13に示したように、予め可
動側スタンパ外周押さえ25と外周リング30とを組み
付けて一体化した形で可動金型に組み込むのが有利であ
る。
【0046】[成形基板及び情報記録ディスクの製造]
【実施例5】本実施例では、実施例1の射出成形金型を
用いて、図8に示す光磁気ディスク用基板40を射出成
形し、得られた基板40を用いて図11に示す構造を有
する光磁気ディスクを製造した。基板の成形において
は、実施例1の成形金型100の固定側及び可動側スタ
ンパとして共に所望の凹凸フォーマットパターンを形成
したスタンパを用い、外周リング30の内径を121m
mとした。金型内に充填する樹脂としてはポリカーボネ
ート樹脂(帝人化成製パンライトAD5503)を用
い、金型温度を130℃、シリンダ温度を350℃とし
た。かかる条件で射出成形を行うことにより、直径12
0mm、孔径15mm、厚さ1.6mmの光磁気ディス
ク用樹脂基板40を得た。
【0047】次いで、スパッタリング装置(図示しな
い)を用いて、図11に示した構造を有する光磁気ディ
スク45を製造した。スパッタリング操作では、上記の
ようにして得られた基板40の両面に、膜厚50nmの
Al合金層50、膜厚20nmの第1SiN層51、膜
厚25nmのTbFeCo合金層52、膜厚120nm
の第2SiN層53、膜厚10nmのカーボン保護層5
4を順次成膜した。次いで、保護層54上に商品名Fomb
lin Z−DOLよりなる潤滑層55を膜厚が2nmになるよ
うにスピンコーターにより塗布した。こうして得られた
光磁気ディスク45は、両面記録が可能であり、その外
径は120mmで、半径56mmの位置までの領域が記
録エリアである。
【0048】
【実施例6】本実施例では、図10に示す磁気ディスク
用基板60を製造し、得られた基板60を用いて磁気デ
ィスクを製造した。基板の成形では、実施例1と同じ構
造の金型を用い、固定側スタンパ13及び可動側スタン
パ23として、平均面粗さRaが0.5nm、最大面粗
さRmaxが6nmの鏡面になるように表面が鏡面加工
されたスタンパを用いた。また、金型の外周リング30
は、内径を95.6mmとした。樹脂材料にはアモルフ
ァス・ポリオレフィン樹脂(日本ゼオン製ゼオネックス
480R)を用い、金型温度を120℃、シリンダ温度
を330℃とした。かかる条件で射出成形を行うことに
より、図10に示したような、直径95mm、孔径25
mm、厚み1.6mmの磁気ディスク用樹脂基板60を
製造した。
【0049】次いで、実施例5と同じスパッタリング装
置を用いて、図12に示す構造を有する磁気ディスク6
5を製造した。スパッタリング操作では、上記のように
して得られた基板60の両面にそれぞれ、SiN層70
を膜厚50nmで、CrTi下地層71を膜厚30nm
で、Co合金層72を膜厚20nmで、カーボン保護層
73を膜厚10nmで順次成膜した。更に、保護層73
上に商品名Fomblin Z−DOLよりなる潤滑層74を膜厚が
2nmになるようにスピンコーターにより塗布した。こ
うして得られた磁気ディスク65は、両面記録が可能で
あり、その外径は95mmで、一方の面では半径44.
5mmの位置までの領域が記録エリアであり、他方の面
では半径43.5mmの位置までの領域が記録エリアで
ある。
【0050】
【実施例7】本実施例では、実施例5と同様にして製造
した光磁気ディスク用基板の外周部分を最外周位置から
径方向に5mmの長さだけ切削して、図9に示したよう
な外径φ110mmの光磁気ディスク用基板45aを製
造した。そして、実施例5と同じスパッタリング装置を
用いて光磁気ディスクを製造した。スパッタリング操作
では、上記のようにして得られた基板45aの両面に、
Al合金層50、第1SiN層51、TbFeCo合金
層52、第2SiN層53、カーボン保護層54及び潤
滑層55を順次積層した。得られた光磁気ディスクは、
両面記録が可能であり、その外径は110mmで、半径
54mmの位置までの領域が記録エリアである。
【0051】
【実施例8】本実施例では、実施例5と同様にして図1
1に示す積層構造を有する光磁気ディスクを製造し、製
造された光磁気ディスクの外周部分を最外周位置から径
方向に5mmの長さだけ切削することによって光磁気デ
ィスクを作製した。得られた光磁気ディスクは、両面記
録が可能であり、実施例7の光磁気ディスクと同様にそ
の外径は110mmで、半径54mmの位置までの領域
が記録エリアである。
【0052】[ディスクの評価]実施例5〜8で製造し
たそれぞれの情報記録ディスクについて記録面の面振れ
測定と浮上ヘッドの浮上特性(グライドハイト)の評価
を行った。面振れ測定では、実施例5〜8の情報記録デ
ィスクをエアースピンドルモータに取り付けて、毎分3
600回転で回転させ、ディスク信号面の変位をレーザ
ー変位計により求めた。また、グライドハイトについて
は50%スライダーを用い、エアースピンドルモータに
取り付けられた情報磁気ディスクの回転時の線速を変え
ることによって浮上ヘッドの浮上量を変え、浮上ヘッド
がディスク信号面の凹凸に衝突したときの衝撃音を、浮
上ヘッドのアーム部に取り付けたAE素子(Acoustic E
mission素子)の電圧値の変化を測定することによって
確認した。その結果、実施例5〜7のいずれの情報記録
ディスクにおいても面振れ1周変動値は両面の最外周の
記録エリアまで20μm以下であった。また、グライド
ハイト50nmにおいて基板と浮上ヘッドとの衝突は確
認されず、浮上ヘッド方式の両面記録ディスクとして極
めて好適であることがわかった。特に実施例7及び実施
例8の光磁気ディスクは、ディスクの外周部の近傍まで
記録・再生が可能であるので高密度記録媒体として最適
である。なお、上述の50%スライダーとは、浮上ヘッ
ドが開発された当初のIBM製ヘッドで用いられていた
スライダー(ヘッドの裏面)の面積に対して50%の面
積を有するスライダーである。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、基板成形時に、スタン
パ外周押さえと外周リングとを非接触で相対的に移動さ
せることができるので、スタンパ外周押さえと外周リン
グとのかじりによる金属摩耗粉の発生がなくなり、基板
を良好に製造することができる。また、金型からスタン
パ外周押さえと外周リングとを一体化して取り外すこと
が可能であるのでスタンパの着脱を極めて容易に行うこ
とができる。
【0054】また、本発明の金型により得られる基板は
極めて平坦であるので、両面記録が可能な、浮上型ヘッ
ドにより記録・再生を行う高密度の記憶媒体用の基板と
して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う成形金型の断面を模式的に示した
図である。
【図2】図1の成形金型の断面図の詳細を示す図であ
る。
【図3】本発明の実施例2の成形金型の断面図の詳細で
ある。
【図4】本発明の実施例3の成形金型の断面図の詳細で
ある。
【図5】本発明の実施例4の成形金型の断面図の詳細で
ある。
【図6】固定側外周スタンパの外周部を固定側スタンパ
外周押さえで固定し、可動側外周スタンパの外周部を可
動側スタンパ外周押さえで固定した成形金型の断面図の
詳細である。
【図7】可動側スタンパ外周押さえと外周リングの間に
玉軸受け用鋼球を介在させていない成形金型の断面図の
詳細である。
【図8】図1に示す金型を用いて製造される光磁気ディ
スク用基板の断面図である。
【図9】実施例5で製造した光磁気ディスク用基板の外
周部の凹領域を切除することによって得られた光磁気デ
ィスク用基板の断面図である。
【図10】本発明の実施例6で作製した磁気ディスク用
基板の断面図である。
【図11】本発明の実施例5において製造した、両面記
録が可能な光磁気ディスクの膜構成を示す断面図であ
る。
【図12】本発明の実施例6において製造した、両面記
録が可能な磁気ディスクの膜構成を示す断面図である。
【図13】図1の金型の外周リング近傍を拡大した部分
拡大断面図である。
【図14】基板の外周部分の断面を拡大した概略図であ
り、盛り上がりが形成されている様子を模式的に示した
図である。
【符号の説明】 2 キャビティ 10 固定金型 11 固定側ダイセット 13 固定側スタンパ 14 固定側スタンパ内周押さえ 14a 固定側スタンパ内周押さえフランジ部 15、115 固定側スタンパ外周押さえ 15a 固定側スタンパ外周押さえフランジ部 16 スプール 17 固定側スタンパ外周押さえ 20 可動金型 21 可動側ダイセット 22a 可動側支持部材穴部 23 可動側スタンパ 24 可動側スタンパ内周押さえ 25、125 可動側スタンパ外周押さえ 25b 可動側スタンパ外周押さえリング部 25c 可動側スタンパ外周押さえリング部の外周面 25d 可動側スタンパ外周押さえ本体部 30 外周リング 30a 第1対向面 30b 第2対向面 31 外周リング押さえ 32 可動側スタンパ外周押さえと外周リングのセット 35 付勢ばね 36 玉軸受け用鋼球 37 ボールリテーナー 38 着脱ボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 69:00 71:00 B29L 11:00

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両面に記録が可能な情報記録ディスク用
    基板の一方の面を成形するための第1スタンパが装着さ
    れる固定金型と、該基板の他方の面を成形するための第
    2スタンパが装着される可動金型とを有する金型におい
    て、 第1または第2スタンパの外周部を固定金型または可動
    金型のスタンパ装着面に押さえ付ける環状のスタンパ外
    周押さえと、 前記スタンパ外周押えの半径方向外側に設けられ且つ前
    記基板の外周面を画成する外周リングとを備え、 前記スタンパ外周押さえの外周面と、前記外周リングの
    内周面がほぼ平行に対向しており且つそれらが周方向の
    いずれの位置においても1μm〜30μmの範囲内の間
    隙を維持していることを特徴とする情報記録ディスク基
    板成形用金型。
  2. 【請求項2】 固定金型と可動金型とが型締めされ、固
    定金型と可動金型との間に画成されたキャビティ内に溶
    融樹脂が射出された後、キャビティ間隔を狭めるように
    さらに可動金型が固定金型側に移動することによって射
    出圧縮成形が行われることを特徴とする請求項1に記載
    の情報記録ディスク基板成形用金型。
  3. 【請求項3】 前記可動金型を移動させる間において
    も、前記スタンパ外周押さえの外周面と前記外周リング
    の内周面がほぼ平行に対向しており且つそれらが1μm
    〜30μmの範囲内の間隙を維持していることを特徴と
    するることを特徴とする請求項2に記載の情報記録ディ
    スク基板成形用金型。
  4. 【請求項4】 前記スタンパ外周押さえが、第1または
    第2スタンパの外周と接するリング部と、リング部から
    スタンパの半径方向内側に向かって延在してスタンパの
    外周部を覆うフランジ部を備え、該フランジ部のスタン
    パ径方向の長さが1.5mm〜5mmの範囲内にあるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情
    報記録ディスク基板成形用金型。
  5. 【請求項5】 前記スタンパ外周押さえと前記外周リン
    グとの間に、玉軸受け用鋼球またはころ軸受け用ころを
    備え、該玉軸受け用鋼球またはころ軸受け用ころによっ
    てスタンパ外周押さえの外周面と前記外周リングの内周
    面がほぼ平行に対向し且つそれらが1μm〜30μmの
    範囲内の間隙を維持することを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか一項に記載の情報記録ディスク基板成形用金
    型。
  6. 【請求項6】 前記スタンパ外周押さえが、第1または
    第2スタンパの外周と接するリング部と、リング部から
    スタンパの半径方向内側に向かって延在してスタンパの
    外周部を覆うフランジ部と、リング部からスタンパの半
    径方向外側に向かって延在する本体部とを備え、 前記外周リングが、該外周リングの内周面よりもスタン
    パの半径方向外側に該内周面と平行であり且つ前記本体
    部の外周面と対向する対向面を有し、 前記玉軸受け用鋼球が前記本体部と該対向面との間に装
    填されていることを特徴とする請求項5に記載の情報記
    録ディスク基板成形用金型。
  7. 【請求項7】 さらに付勢手段を備え、前記外周リング
    は付勢手段により固定金型及び可動金型の一方に付勢さ
    れることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記
    載の情報記録ディスク基板成形用金型。
  8. 【請求項8】 前記スタンパ外周押さえが、可動金型に
    装着されており且つ第2スタンパの外周部を可動金型の
    スタンパ装着面に押さえ付けることを特徴とする請求項
    1〜7のいずれか一項に記載の情報記録ディスク基板成
    形用金型。
  9. 【請求項9】 前記スタンパ外周押さえが、固定金型に
    装着されており且つ第1スタンパの外周部を固定金型の
    スタンパ装着面に押さえつけることを特徴とする請求項
    1〜7のいずれか一項に記載の情報記録ディスク基板成
    形用金型。
  10. 【請求項10】 前記スタンパ外周押さえと前記外周リ
    ングとを、スタンパ外周押さえの外周面と前記外周リン
    グの内周面がほぼ平行に対向し且つそれらが1μm〜3
    0μmの範囲内の間隙を維持しつつ、一体化するための
    一体化手段を備え、該一体化手段によりスタンパ外周押
    さえと前記外周リングと一体化して金型から着脱可能で
    あることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記
    載の情報記録ディスク基板成形用金型。
  11. 【請求項11】 前記スタンパ外周押さえと前記外周リ
    ングとが互いに同軸上に位置するように、それらの少な
    くとも一方を支持するための調心手段を備えることを特
    徴とする請求項1に記載の情報記録ディスク基板成形用
    金型。
  12. 【請求項12】 前記調心手段が、前記スタンパ外周押
    さえと前記外周リングとの間に設けられ、それらの周方
    向に配置された複数の玉軸受け用鋼球であることを特徴
    とする請求項11に記載の情報記録ディスク基板成形用
    金型。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の金型を用いて成形さ
    れた両面記録可能な情報記録ディスク用基板であって、
    ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹
    脂、アモルファスポリオレフィン樹脂、熱可塑性ノルボ
    ルネン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエーテルイミド
    樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルケトン
    樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアリレート樹脂、
    ポリエールスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド
    樹脂からなる群から選択された一種の樹脂、またはいず
    れか一種を含んだポリマーアロイ樹脂を含むことを特徴
    とする情報記録ディスク用基板。
  14. 【請求項14】 浮上型の記録再生ヘッドを用いて記録
    再生される情報記録媒体に使用されることを特徴とする
    請求項13に記載の情報記録ディスク用基板。
  15. 【請求項15】 前記外周リングにより形成される情報
    記録ディスクの外周部の凹形状が切除されていることを
    特徴とする請求項13または14に記載の情報記録ディ
    スク用基板。
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