JP2003305756A - ディスク基板の製造方法、金型装置及び射出成形装置 - Google Patents

ディスク基板の製造方法、金型装置及び射出成形装置

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JP2003305756A
JP2003305756A JP2002112342A JP2002112342A JP2003305756A JP 2003305756 A JP2003305756 A JP 2003305756A JP 2002112342 A JP2002112342 A JP 2002112342A JP 2002112342 A JP2002112342 A JP 2002112342A JP 2003305756 A JP2003305756 A JP 2003305756A
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JP
Japan
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air
mold
disk substrate
outer peripheral
peripheral side
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JP2002112342A
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English (en)
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Noriyuki Arakawa
宣之 荒川
Ken Minemura
憲 峯村
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスク基板に形成される凹凸パターンの変
形を抑制して、スタンパからディスク基板への凹凸パタ
ーンの転写性を向上させる。 【解決手段】 固定側金型部20と、この固定側金型部
20に対向配置される可動側金型部21と、固定側金型
部20に配設されるスタンパ26と、固定側金型部20
及び可動側金型部21とともにキャビティ23を構成す
る外周リング22とを備え、この外周リング22側から
キャビティ23内に離型エアを吹き出すことによってキ
ャビティ23からディスク基板2が取り外される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型内に成形材料
を射出してディスク基板を得るディスク基板の製造方
法、射出成形によりディスク基板を製造する際に用いら
れる金型装置及び射出成形装置に関し、更に詳しくはデ
ィスク基板に転写される凹凸パターンの変形を抑制し
て、スタンパからディスク基板への凹凸パターンの転写
性を向上させたディスク基板の製造方法、金型装置及び
射出成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、オーディオ用やビデオ用、そ
の他各種の情報を記録するための媒体として、光記録媒
体や磁気記録媒体が知られている。これら記録媒体に
は、ピットやグルーブの形成により情報信号が書き込ま
れたプラスチック基板の記録層の結晶構造をレーザ光に
よって変化させ、この結晶構造変化による反射率変化を
利用する相変化型光ディスクや、記録層の磁気光学効果
を利用した光磁気ディスク、磁気的に信号を書き込む磁
気ディスク等がある。
【0003】上述した記録媒体のうち、データ情報を記
録するとともに、トラッキングサーボ信号等の記録がな
される位相ピットやプリグルーブ、ランド、グルーブ、
グルーブ側壁を蛇行させることによって設けられるウォ
ブル等の様々な凹凸パターンの記録層を有するディスク
基板を製造する方法としては、ディスク基板に形成した
い凹凸が反転した凹凸パターンを有するスタンパを用い
て射出成形することによって、ディスク基板上に上述し
た位相ピット等のパターンを転写する方法が一般的であ
る。
【0004】この射出成形においては、ディスク基板の
中心と対応する位置から溶融樹脂を金型装置に構成され
たキャビティ内に射出した段階では、樹脂充墳時の応力
と熱とによってキャビティ内に配設されたスタンパが径
方向に伸びる。また、キャビティ内への溶融樹脂の充填
後に樹脂を冷却して固化する段階では、ある程度の時間
経過による応力緩和と冷却の進行とにより、樹脂の体積
収縮(熱収縮)が起こり、これに伴いスタンパも収縮す
る。そして、冷却完了後に金型を開け、ディスクを金型
装置から取り外す段階にあっては、ディスク基板、スタ
ンパ及び金型装置のキャビティがそれぞれ常温の雰囲気
にさらされることによって熱収縮を起こす。このよう
に、射出成形にあっては、ディスク基板の製造のそれぞ
れの段階で、ディスク基板、スタンパ及び金型装置の線
膨張係数や収縮率の違い、樹脂射出時の圧力、温度の違
いによって下記の表1の如く寸法が異なっている。な
お、表1においては、ディスク基板はポリカーボネート
樹脂によって形成されており、その成形収縮率は7/1
000mmである。また、キャビティは、金型温度に一
定に調温されているので、スタンパからの熱の影響は無
視するものとした。
【0005】
【表1】
【0006】上述したような射出成形による従来のディ
スク基板の製造にあっては、冷却完了後に金型を開けて
ディスクを取り外す段階において、金型装置の内周側か
らディスク基板に対して圧縮エアの吹き出しを行い、デ
ィスク基板が内周側から離型されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、内周側
からディスク基板の離型を行う場合、ディスク基板とス
タンパとの収縮率の相違によるズレが生じ、また収縮時
及び離型時にディスク基板内部に応力が生じる。特に、
内周側から離型する際に生じる内部応力は大きく、これ
ら各部材間のズレや内部応力の影響によって、図15に
示すように、ディスク基板Dに形成されたランドやグル
ーブ等の凹凸パターンが、離型時にスタンパSの凹凸パ
ターンに当たって変形や破壊等されてしまう。
【0008】上述したディスク基板離型時における凹凸
パターンの変形や破壊により、ディスク基板上に平滑な
記録面を確保することができないと、その上に記録され
る信号のS/Nが低下する。さらに、ウォブルの形成
は、ランドやグルーブにアドレス情報を記録する必要が
なくなり、その分記録密度を向上させることができるた
め、記録媒体を高密度化するためには有用な技術である
が、上述したように離型時にグルーブ等が変形、破壊さ
れると、ウォブルに記録されたアドレス情報が読み出せ
なくなる。
【0009】ディスク基板離型時における凹凸パターン
の変形等による問題は、狭トラックピッチ化等による高
密度ディスクにおいて顕著に現れる。例えばトラックピ
ッチを狭くし、トラック方向の線密度を大きくして高密
度化を行った記録媒体にあっては、グルーブの深さが同
じディスク基板であっても、一方のトラックピッチを他
方の半分に狭めるとグルーブの相対的な深さが2倍とな
り、離型時のピットやグルーブの端面やその側壁の変形
は更に起こりやすくなる。これに加えて、狭トラックピ
ッチの高密度記録媒体においては、グルーブの両側にウ
ォブルを形成した場合、グルーブエッジのウォブル形状
が隣接するグルーブのウォブル形状と同期していない
(位相が異なる)と、片側のウォブルから読み出される
アドレス情報を含む信号が、隣接するトラックからの干
渉を受けてクロストークを起こしやすいが、これに上述
したような離型時のウォブルの変形が加わるとアドレス
情報の読み取りがさらに困難になる。
【0010】高密度ディスクにおいては、離型時の金型
温度が低いと微小信号の転写不良を起こし、逆に樹脂の
熱変形温度を越えて保持すると良好な転写性を保持する
ことができる。しかしながら、高い金型温度にて離型を
行う場合、離型時のディスク基板の温度も高くなり、樹
脂とスタンパとの粘着力も大きくなるため、より大きな
圧力で、又はより長い時間エア吹き出しを行う必要があ
るが、上述したような内部応力の影響により、スタンパ
との境界でグルーブの変形や、図16に示すピットやグ
ルーブの引きずり等の離型不良を伴い、記録再生時のS
/Nが悪くなるばかりかトラッキングサーボ信号等の記
録がなされる位相ピットやプリグループ、グルーブ側壁
に蛇行したウォブル等の微細な凹凸パターンが破壊さ
れ、信号読み出しが出来なくなるという問題が生じる。
さらには、エジェクタによるメカニカルエジェクトによ
って機械的変形も加わるため、上述したような高い金型
温度での離型は、グルーブやランド等の凹凸パターンの
みの変形にとどまらず、周方向や径方向の反りや歪み発
生の原因にもなり、ディスク基板全体の変形も引き起こ
してしまう。
【0011】一方、金型構造に関して言えば、金型装置
の内周側から圧縮エアを出す場合には、金型装置を構成
する各部品間のクリアランスを圧縮エアの吹き出し口と
して利用する場合が通常である。しかしながら、金型装
置は複数部品が組み立てられてなるものであり、射出成
形時の動きの中でこれら複数部品の組立精度を保ちつつ
周方向で均一なクリアランスを維持することは難しく、
その結果図17(a)に示すように、キャビティ内への
圧縮エアの吹き出しが不均一になる。このような不均一
な圧縮エアを内周側から吹き出して離型を行った場合、
同図(b)に示すように、圧縮エアがディスク基板Dの
外周端の一部に達しても全体の離型が終了していないた
め圧縮エアの吹き出しは継続されるが、圧縮エアが外周
端に達した部分から逃げてしまい、未だスタンパと密着
している部分(図中斜線にて示す領域)の離型が行われ
にくくなる。さらには、高い金型温度で離型を行った場
合、離型が終了したディスク基板部分では、吹き出す圧
縮エアによって振動するビートが発生して図18(a)
に示すような離型ムラや、同図(b)に示すような多重
転写等の離型不良が起こりやすくなってしまう。
【0012】そこで、本発明は、ディスク基板に形成さ
れる凹凸パターンの変形を抑制して、スタンパからディ
スク基板への凹凸パターンの転写性を向上させるディス
ク基板の製造方法、ディスク基板の射出成形の際に使用
する金型装置及び射出成形装置を提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
本発明に係るディスク基板の製造方法は、スタンパが装
着された金型内に溶融樹脂を射出し、これを冷却固化し
てディスク基板を成形するものであって、ディスク基板
の外周側からエア吹き出しを行い、ディスク基板を外周
側からスタンパより離型することを特徴とする。
【0014】また、本発明に係る金型装置は、スタンパ
が装着された金型内に溶融樹脂が射出され、これが冷却
固化されてディスク基板を成形する際に、ディスク基板
の外周側からエア吹き出しが行われ、ディスク基板が外
周側からスタンパより離型されることを特徴とする。
【0015】さらに、本発明に係る射出成形装置は、射
出された溶融樹脂を冷却固化してディスク基板を成形す
るものであり、スタンパが装着され、溶融樹脂が射出さ
れて冷却固化されるとともに、スタンパからの離型の際
にディスク基板の外周側からエア吹き出しが行われる金
型と、この金型に対してエアを供給する供給エア回路と
を備えることを特徴とする。
【0016】上述した本発明に係るディスク基板の製造
方法、金型装置及び射出成形装置は、ディスク基板の射
出成形において、冷却固化後のディスク基板を離型する
際に、ディスク基板の外周側から離型すると離型時の内
部応力を小さく抑えることができることに着目し、ディ
スク基板の外周側からエア吹き出しを行って外周側から
ディスク基板の離型を行うことにより、ディスク基板上
の凹凸パターンの変形、破壊等の原因となっている離型
時に生じる内部応力を低減させている。したがって、本
発明によれば、離型時におけるディスク基板上の凹凸パ
ターンの変形が抑制され、射出成形におけるディスク基
板の転写性が向上する。そして、本発明によれば、ラン
ドやグルーブ等の平滑な記録面を保持して、情報の記録
・再生がより確実なものとされ、ディスク基板の凹凸パ
ターンの変形、破壊に起因する、エラーレートの発生や
S/Nの低下が防止される。
【0017】また、本発明によれば、狭トラックピッチ
やウォブルを有するような高密度の記録媒体において
も、離型時の変形等を抑制して微細な凹凸パターンの良
好な転写性が確保されるため、記録媒体の高密度化の実
現が容易とされる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るディスク基板
の製造方法及び金型装置の具体的な実施の形態について
図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】まず、本発明に係るディスク基板の製造方
法及び金型装置の説明に先立ち、これらによって製造さ
れるディスク基板を有する光ディスクについて簡単に説
明する。光ディスク1は、図1及び図2に示すように、
センター孔が形成された樹脂製のディスク基板2の一方
面、具体的には凹凸パターンが形成された面上に記録膜
3及び保護膜4が順次成膜されてなる。この光ディスク
1は、NA0.8以上の光学系(図2における対物レン
ズOL)を用い、厚さ3μm〜110μm程度の保護膜
4を介して記録・再生が行われる高密度ディスク(以
下、DVRと称する。)である。光ディスク1のディス
ク基板2には、図2及び図3に示すように、上述した凹
凸としてグルーブG及びランドLが形成されている。な
お、ディスク基板の製造では、スタンパ作製やディスク
成形で凹凸パターンが何度も反転するため、本明細書に
おける上述したグルーブGとランドLを以下のように定
義する。すなわち、原盤となるスタンパを作成するマス
タリング工程において得たスタンパ面の凹溝をグルーブ
と、凸部をランドと称し、したがって転写後の上述した
光ディスク1においては信号転写部である凸部がグルー
ブGとされている。
【0020】また、上述した光ディスク1のディスク基
板2には、グルーブGの外周側側壁にウォブルWが形成
されている。このウォブルWは、トラックのアドレス情
報やディスクの回転速度を制御する為のクロック等の信
号(以下、ウォブル信号と称する。)が記録され、ウォ
ブルマトリックス回路等によって記録された信号が読み
出される。このようなウォブルWを有する光ディスク1
は、上述したウォブル信号をグルーブGの側壁に記録す
ることで、その分他の情報をグルーブGやランドLに記
録することが可能となり、ディスク全体での記録容量が
向上する。
【0021】上述したような光ディスク1のディスク基
板2は、スタンパを用いた射出成形によって形成され
る。この射出成形においては、例えば、まずディスク基
板2の凹凸パターンの反転パターンとなる凹凸形状が形
成されたスタンパが、金型内に取り付けられ、そして加
熱溶融された成形材料、例えば樹脂材料が金型内に構成
された閉空間であるキャビティ内に射出される。このキ
ャビティ内に射出された樹脂材料は、キャビティ内にお
いて加圧された状態で次第に冷却される。これにより、
加熱溶融された樹脂材料がキャビティ内で固化し、スタ
ンパを反映した、すなわちスタンパの凹凸形状が転写さ
れた樹脂製のディスク基板2が成形される。このよう
に、射出成形でディスク基板を製造することにより、多
数のディスク基板を極めて容易且つ安価に製造すること
ができ、このディスク基板を用いた光ディスクの低価格
化を実現することができる。
【0022】冷却固化されたディスク基板2は、金型か
ら取り外す離型が行われ、その後上述した記録膜3や保
護膜4の成膜工程に移行する。この金型からの離型は、
ディスク基板2の少なくとも外周側から離型を促進する
ための圧縮エア(以下、単に離型エアと称して説明す
る。)を吹き出し、ディスク基板2の外周側から行われ
る。ディスク基板2の離型に際しては、ディスク基板2
の内部に応力が生じるが、この離型時の応力が、ディス
ク基板2に残留する冷却固化時の熱収縮による応力とと
もに、ディスク基板2の変形の原因となっている。この
離型時にディスク基板2に生じる応力は、図4に示すよ
うに、それぞれの半径で剥離境界に達した時点でピーク
となり、その後離型終了時にゼロとなる。そして、離型
エア吹き出し位置から離れるほどにピークが大きくなっ
ている。しかしながら、外周側からディスク基板2の離
型を行う場合は、図5に示す内周側から離型エアを吹き
出し、ディスク基板2の内周側から離型を行う場合に比
して、基板内に生じる応力が半分以下に低下している。
なお、図4及び図5は、ともに12cmサイズのディス
ク基板2を離型する場合に生じる応力分布を示す図であ
る。
【0023】また、図6及び図7は、実際に外周側又は
内周側からのエア吹き出しによって離型を行ったディス
ク基板2のグルーブG状態を示す図であるが、図6に示
す外周側からの離型エアによってディスク基板の外周側
から離型が行われたグルーブGは全て同じ幅で形成され
ているのに対し、図7に示す内周側からの離型エアによ
ってディスク基板の内周側から離型が行われたグルーブ
Gでは引きずりが発生して不均一な幅のグルーブが形成
されている。このように、外周側から離型エアを吹き出
してディスク基板2の外周側から離型を行うことによ
り、離型時にディスク基板2内部に生じる応力を低減す
ることができ、ディスク基板2の変形を抑制して良好な
転写性を確保することができる。また、離型時にディス
ク基板の変形を抑制することで、光ディスク1における
エラーレートの低減やS/Nの向上を図ることができ
る。
【0024】なお、上述したような外周側からの離型エ
アとともに、内周側からも離型エアを吹き出し、ディス
ク基板2の内周側及び外周側から離型を行うようにして
も良い。このように、外周側及び内周側からの離型エア
を併用することにより、図4及び図5に示すように、デ
ィスク基板の内周側は低い応力しか生じない内周側から
離型でき、またディスク基板の外周側は低い応力しか生
じない外周側から離型できるようになり、ディスク基板
全体に生じる内部応力をさらに低減することができ、デ
ィスク基板2の変形を抑制して良好な転写性を確保する
ことができる。
【0025】ところで、上述したような外周側からの離
型エアで離型することによる転写性の確保は、特に樹脂
の熱変形温度を超える高温時の離型の際のディスク基板
2の変形対策として重要である。狭トラックピッチやピ
ット長の長い高密度ディスクの凹凸パターンを転写する
場合には、図8及び図9に示すように、ランドとグルー
ブの比(以下、L/G比と称して説明する。)が小さい
ワイドグルーブになるほど金型温度が低いと転写不良が
起こるが、金型温度を高くすると転写性を良好に保つこ
とができる。図8は、ポリカーボネート樹脂を使用し
て、トラックピッチ0.7μmで深さ120nmのスタ
ンパからの転写性を、金型温度を変化させながら温度毎
に走査トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscop
y:STM)で測定した結果であり、この図8から明ら
かなように、ポリカーボネート樹脂では金型温度が熱変
形温度(ASTM D648法により測定)である130℃±4
を越える温度ではどの領域でもL/Gに関係なく転写性
が確保され、金型温度が低くなるとL/Gが小さなワイ
ドグルーブになるほど転写性が低下している。また、図
9は、アモルファスポリオレフィン樹脂の一つであるゼ
オネックス樹脂(商品名)を使用して、トラックピッチ
0.8μmで深さ110nmのスタンパからの転写性
を、金型温度を変化させながら温度毎にSTMで測定し
たものであり、この図9から明らかなように、ゼオネッ
クス樹脂では金型温度が熱変形温度(ASTMD648法により
測定)である123℃を越える温度ではどの領域でもL
/Gに関係なく転写性が確保され、金型温度が低くなる
とL/Gが小さなワイドグルーブになるほど転写性が低
下している。
【0026】このように、スタンパの微細凹凸パターン
をディスク基板2に転写する射出成形においては、金型
温度が高い方が有利であるが、金型温度を高くすると離
型時の温度も高くなり、ディスク基板2とスタンパとの
密着力が増大して、このスタンパとの境界においてグル
ーブの変形や、ピット、グルーブの引きずり、またグル
ーブ側壁にウォブルを形成している場合にはこのウォブ
ルの変形等の離型不良が起こりやすくなる。しかしなが
ら、外周側から離型エアを吹き出してディスク基板2を
離型させる場合には、上述したように離型の際にディス
ク基板2内に生じる内部応力を低減できるため、微細な
凹凸パターンの変形や破壊、及びディスク基板2自体の
反りや歪みといった変形を抑制することができる。した
がって、高い金型温度の下でディスク基板2の離型を行
った場合でも、グルーブやランドの変形の発生を抑える
ことができ、良好な転写性を確保することができる。そ
して、微細凹凸パターンをディスク基板2の転写性を良
好に保つことによって、エラーレートの低減やS/Nの
向上を実現でき、またウォブルが形成されている場合に
はウォブルに記録されている信号が読み取り不能になる
等の事態を防止することができ、高密度な光ディスク等
の記録媒体を容易にかつ効率よく製造することができ
る。また、高い金型温度で離型する場合には、エジェク
タによるメカニカルエジェクトにより、ディスク基板2
の周方向や径方向の反りや歪みが発生しやすくなるが、
上述したように離型時に生じる内部応力を低減できるこ
とによって、ディスク基板2自体の反りや歪みといった
変形も抑制することができる。
【0027】なお、上述したような高密度ディスクにお
いては、金型温度を樹脂の熱変形温度以上、ガラス転移
点(Tg)以下、好ましくはガラス転移点よりも7℃〜
10℃低い温度以下とすることによって、L/G比が
0.47以下の狭トラックピッチの微細な凹凸パターン
であっても、グルーブの変形等を抑制し、良好な転写性
を確保することができる。
【0028】上述したディスク基板の製造方法を実現す
る射出成形ユニット11について以下に説明する。
【0029】射出成形ユニット11は、図10(a)及
び(b)に示すように、成形材料を射出する射出装置1
2と、成形材料が充填される金型装置13と、この金型
装置13を型開き及び型締めする型締シリンダ14とか
らなる。
【0030】射出装置12は、成形材料、具体的には樹
脂材料が充填される加熱シリンダ15と、この加熱シリ
ンダ15に充填された樹脂材料を混練溶融して金型装置
13に射出するスクリュー16と、このスクリュー16
を駆動する駆動機構17と、加熱シリンダ15の一端に
設けられ、金型装置13への射出口となるノズル18
と、加熱シリンダ15に樹脂材料を投入するためのホッ
パー19とを備えている。射出装置12においては、ホ
ッパー19から加熱シリンダ15内に供給された樹脂材
料が、加熱シリンダ15内にて加熱されかつ溶融される
とともに、駆動機構17を構成する油圧モータ17a及
び油圧シリンダ17bにて回転駆動されるスクリュー1
6によって混練され、ノズル18から溶融樹脂として金
型装置13内に充填される。
【0031】金型装置13は、図11に示すように、固
定側金型部20と、この固定側金型部20に対して接離
動作される可動側金型部21とを備えてなり、これら固
定側金型部20と可動側金型部21、及び固定側金型部
20に取り付けられた外周リング22とによって構成さ
れる閉空間が上述した射出装置12から成形材料が充填
されるキャビティ23とされる。金型装置13において
は、外周リング22によってキャビティ23の外周部分
を閉鎖することで、成形されるディスク基板2の外周が
規定される。
【0032】固定側金型部20は、固定側取付板24
と、この固定側取付板24に設けられる固定側ミラー2
5と、この固定側ミラー25の一方面、具体的にはキャ
ビティ23側の面に取り付けられるスタンパ26とを備
えてなる。そして、この固体側取付板24の中央部に
は、キャビティ23内に成形材料を供給するスプルー2
7aを有するスプルーブッシュ27が配設されている。
【0033】スタンパ26は、ディスク基板2形成の際
の原盤となるものであり、一方面、具体的にはキャビテ
ィ23側に配される面に、ディスク基板2に転写するた
めの凹凸パターンが形成されている。このスタンパ26
は、最外周近傍が上述した外周リング22の一部によっ
て保持されることにより固定側ミラー25上に取り付け
られている。また、スタンパ26は、図示を省略する内
径ガイドにより、その最内周側の位置が規制されてい
る。
【0034】可動側金型部21は、可動側取付板28
と、この可動側取付板28に設けられる可動側ミラー2
9とを備えてなり、その中央部にはセンターピン30及
びゲートカットパンチ31が配設されている。
【0035】このような金型装置13においては、固定
側ミラー25と可動側ミラー29とにそれぞれ設けられ
る温調回路32、33によって、ディスク基板2成形時
の金型温度が調節される。
【0036】上述した金型装置13では、射出装置12
からの溶融樹脂がキャビティ23内に射出され、これを
冷却固化することによってディスク基板2が成形され
る。そして、ディスク基板2の外周に配設された外周リ
ング22側から離型エアを吹き出し、ディスク基板2を
外周側から剥離することによって装置本体からの離型が
行われる。以下、ディスク基板2を金型装置13から離
型させるための離型エアを吹き出す外周リング22の構
造について説明する。
【0037】外周リング22は、図12(a)に示すよ
うに、スタンパを固定保持する第1のリング部材22a
と、キャビティ23を構成してディスク基板2の外径を
規定する第2のリング部材22bとからなる2分割構造
とされている。この2分割構造の外周リング22は、キ
ャビティ23の外周部を閉鎖する第2のリング部材22
bが、キャビティ23の外周部を開放し、かつ再度閉鎖
する方向に摺動可能とされている。この外周リング22
においては、第2のリング部材22bがキャビティ23
を閉鎖している場合には金型装置13にて樹脂の充填、
冷却固化が行われ、また第2のリング部材22bがキャ
ビティ23の外周部を開放している場合には後述するよ
うにディスク基板2の離型が行われる。外周リング22
には、第1のリング部材22aに離型エアの流路となる
エア回路34が形成されている。リング部材22aのエ
ア回路34には、例えばキャビティ23内に射出された
溶融樹脂の冷却が完了したことを示す冷却完了信号で電
磁弁(図示は省略する。)を介して供給のON、OFF
が切り替えられることにより、外部、具体的には射出装
置12に設けられた供給エア回路からの離型エアが供給
される。なお、金型装置13においては、上述したよう
に冷却完了信号によって離型エアの供給が切り替えられ
るのではなく、例えば冷却開始又は冷却終了をスタート
としてタイマーセット等により、一定時間経過後に離型
エアを所定時間吹き出すような構成としても良い。
【0038】上述した2分割構造の外周リング22で
は、溶融樹脂が充填・冷却中の場合、離型エアの供給が
OFFとされ、同図(a)に示すように、第1のリング
部材22aと第2のリング部材22bとが接触したまま
保持され、第2のリング部材22bがディスク基板2の
外周を規定するために外周部を閉鎖してキャビティ23
を構成している。そして、溶融樹脂の冷却固化後には、
離型エアの供給がONとされ、離型エアがエア回路34
に供給されると、同図(b)に示すように、第2のリン
グ部材22bが離型エアの圧力によって同図中矢印A方
向に摺動してキャビティ23の外周部の一部を開放す
る。この第2のリング部材22b摺動後の第1のリング
部材22aと第2のリング部材22bとが離間してでき
た空間が、キャビティ23とエア回路34とを連通させ
る新たな回路となる。2分割構造を有する金型装置13
においては、上述した新たな回路を介して離型エアがキ
ャビティ23内に導かれることによって、ディスク基板
2の外周側からエア吹き出しを行い、ディスク基板の外
周側からの離型が行われる。
【0039】このような2分割構造の外周リング22に
あっては、上述した第2のリング部材22bの摺動範囲
が、ディスク基板2の厚さ、すなわちディスク基板2を
成形するためのキャビティ23の厚さを超えないことが
好ましい。ディスク基板2の厚さ以上に摺動可能とする
と、離型エアが、金型とディスク基板2との間に入り込
んで両者を剥離するように作用するよりも、ディスク基
板2の外周面に当たって結果としてディスク基板2を押
さえつけるように作用してしまい、多重転写や、ピット
又はグルーブの引きずり等の変形が生じることになる。
金型装置13においては、第2のリング部材22bの摺
動範囲をディスク基板2の厚さを超えないよう規制する
ために、第2のリング部材22bの摺動範囲にガイド部
材35が設けられている。
【0040】次に、外周リング22の他の構成例につい
て説明する。外周リング22は、図13(a)に示すよ
うに、スタンパ26を固定保持する機能と、キャビティ
23を構成してディスク基板2の外径を規定する機能と
を一の部材で実現する、いわゆる一体型構造を有するも
のである。このような外周リング22にあっては、金型
からディスク基板2を離型する離型エアをキャビティ2
3まで導くエア回路34が、後述するように外周リング
22とスタンパ26とのクリアランスを利用することに
よって形成されている。
【0041】このような一体型構造の外周リング22
は、同図(b)に示すように、スタンパ26を固定保持
する機能を有する部分、具体的にはスタンパ26と対向
する部分が異なるクリアランスh1、h2を有するよう
に形成されている。そして、外周リング22は、キャビ
ティ23側のクリアランスh1をエア回路34の一部と
し、このクリアランスh1をスタンパ26の最外周側の
クリアランスh2より大きく形成することで、離型エア
が大きなクリアランスh1を通って、上述したようにキ
ャビティ23内に均一に導かれるよう構成されている。
【0042】また、外周リング22は、エア回路34の
一部であり、かつクリアランスh1とクリアランスh2
との間に、クリアランスを超えるリング状のエア溜まり
溝36が設けられている。金型装置13では、このよう
にエア回路34の一部にエア溜まり溝36を設けて、一
旦離型エアをエア溜まり溝36に溜めることにより、キ
ャビティ23内により均一に離型エアを吹き出させるこ
とができる。
【0043】このような外周リング22にあっては、キ
ャビティ23側のクリアランスh1を4μmよりも大き
くかつ15μmよりも小さく形成するとともに、スタン
パ26の最外周側のクリアランスh2を4μmよりも小
さく形成することが好ましい。金型装置13は、離型エ
アの吹き出し口となるクリアランスh1を15μm以上
とすると、溶融樹脂がキャビティ23からはみ出してバ
リが発生し易くなるとともに、4μm以下とするとエア
の吹き出し口が小さくなりすぎるため外周側からのエア
吹き出しが困難となる。また、金型装置13は、クリア
ランスh2を4μm以上とすると、溶融樹脂の充填時や
冷却時における熱膨張・収縮に伴うスタンパ26の変形
や、エア溜まり溝36に充填された離型エアによるスタ
ンパ26の浮き上がりを防止できなくなる。したがっ
て、金型装置13においては、外周リング22における
クリアランスh1を上述した範囲とすることで、バリの
発生を極力防止し、またクリアランスh2を上述した範
囲とすることで、溶融樹脂の充填時や冷却時におけるス
タンパ26の熱膨張・収縮に伴う変形や浮き上がりを防
止しながら、外周側から均一な量及び圧力の離型エアを
吹き出させることができる。
【0044】なお、以上説明したように、本発明は、外
周側からのみ離型エアを吹き出し離型を行うものとして
説明したが、これに限定されるものではない。本発明
は、外周側からの離型エアに加えて、内周側からも離型
エアを吹き出すことによって離型行うものであっても良
い。このように、離型の際に外周側の離型エアと内周側
の離型エアとを併用することによって、図4及び図5に
示すように、内周側及び外周側のそれぞれにおいて低い
応力しか生じさせずに離型を行うことができ、更に離型
時にディスク基板2に生じる変形を抑制することができ
る。
【0045】内周側から離型エアの吹き出しを行う場合
には、図14に示すように、固定側金型部20における
スプルーブッシュ27と内径ガイド37との間のクリア
ランスや、可動側金型部21におけるゲートカットパン
チ31とエジェクタ38との間のクリアランスから離型
エアが吹き出される。なお、このような金型装置13の
内周側においては、固定側金型部20と可動側金型部2
1との平行度のずれや、各部品の組立精度によって周方
向にクリアランスのバラツキが生じてしまい、離型エア
の強弱が不均一となることもあるが、外周側からの離型
エアと併用することによって、ディスク基板2の変形が
抑えられ、良好な転写性を確保することができる。
【0046】このように内外周からの離型エアを併用す
る場合には、金型装置13に対する離型エア供給のタイ
ミングをタイマー等により制御し、内外周の離型エアの
供給を冷却開始又は冷却終了をスタートとして同時に開
始するようにしても良く、また時間差をつけて供給を開
始するようにしても良い。内周側及び外周側で時間差を
つけて離型エアを吹き出すためには、金型装置13に対
して離型エアを供給するための供給エア回路を射出成形
ユニット11に少なくとも2つ、すなわち外周側に離型
エアを供給するためのエア回路と内周側に離型エアを供
給するための供給エア回路をそれぞれ1つずつ設けると
ともに、遅延タイマーによって外周側及び内周側からの
離型エアの吹き出し開始時間を変化させる。このように
内周側と外周側とで時間差をつけてエア吹き出しを行う
ことで、それぞれについて最適なタイミングでエア吹き
出しが行われ、離型時に生じる内部応力をより低減する
ことができる。
【0047】上述したように、外周側の離型エアと内周
側の離型エアとを併用した場合、以下に示すような条件
に離型エアを設定することによって、更に応力の低減を
図り、変形を抑制することができる。すなわち、離型エ
アの圧力を内外周で一定とする場合には、外周側の離型
エア吹き出し時間に比して内周側の離型エア吹き出し時
間を短くする、また離型エアの吹き出し時間を内外周で
一体とする場合には、外周側の離型エア吹き出し圧力に
比して、内周側の離型エア吹き出し圧力を小さくする。
更に好ましくは、外周エア時間又は圧力を、内周エア時
間又は圧力の3倍以上とすることによって、離型時の応
力が最小となり、これに伴いディスク基板2の変形も最
小に抑えることができる。
【0048】また、本実施の形態にあっては、DVRの
ディスク基板2を製造する場合について説明したが、デ
ィスク基板を光が透過して記録再生するデジタルビデオ
デスク(Digital Versatile Disk:DVD)やコンパク
トディスク(Compact disc:CD)やミニディスク(Mi
ni disk:MD)に使用するディスク基板の製造に対し
ても適用し得ることは勿論である。
【0049】
【実施例】本発明の効果を確認すべく、実際に以下に示
す構成の金型装置を用いて、射出成形により樹脂製のデ
ィスク基板を製造した。なお、本発明は、下記のディス
ク基板の製造条件に限定されないことは勿論である。
【0050】[2分割構造]まず、図12に示す2分割
構造の外周リングを備えた金型装置を使用し、ポリカー
ボネート樹脂の一種であるST−3000(帝人化成社
製)を成形材料として、直径120mmで厚さ1.2m
mのディスク基板の製造を行った。この射出成形におけ
るスタンパには、トラックピッチ0.7μm、深さ12
0nmで、2.54〜0.42の範囲で10種類のL/
GのDCグルーブが1枚に刻まれたものを使用した。そ
して、以下に示す成形条件の下にディスク基板を製造し
た。
【0051】 成形条件 金型温度 :117℃〜136℃ 冷却時間 :12秒 離型エア圧力 :6.2kg/cm 外周エア開始時間 :冷却完了の0.4秒前 エア吹き時間 :2.5秒間 平均射出速度 :150mm/秒 最大型締め圧 :15t 樹脂溶融温度 :ノズル温度365℃、溶融ゾーン372℃ 金型開条件 :0〜0.6mmまでの初期型開速度4.0mm/秒 0.6mm〜型開エンドまで500mm/秒
【0052】上述したような条件の射出成形により製造
されたディスク基板は、図8に示したものと同様の結果
を得ることができ、L/Gに関係なく、良好な転写性の
ディスク基板を製造することができた。
【0053】[一体型構造]次に、図13に示す一体型
構造の外周リングを備えた金型装置を使用し、アモルフ
ァスポリオレフィン樹脂の一種であるゼオネックスE2
8R(日本ゼオン社製)を成形材料として、直径120
mmで厚さ1.2mmのディスク基板の製造を行った。
この射出成形におけるスタンパには、トラックピッチ
0.8μm、深さ110nmで、2.54〜0.42の
範囲で10種類のL/GのDCグルーブが1枚に刻まれ
たものを使用した。そして、以下に示す成形条件の下に
ディスク基板を製造した。
【0054】 成形条件 金型温度 :105℃〜130℃ 冷却時間 :12秒 離型エア圧力 :6.2kg/cm 外周エア開始時間 :冷却完了の0.4秒前 外周エア吹き時間 :2.0秒間 内周エア開始時間 : 冷却完了と同時 内周エア吹き時間 :0.6秒間 平均射出速度 :150mm/秒 最大型締め圧 :15t 樹脂溶融温度 :ノズル温度330℃、溶融ゾーン360℃ 金型開条件 :0〜0.6mmまでの初期型開速度4.0mm/秒 0.6mm〜型開エンドまで500mm/秒
【0055】上述したような条件の射出成形により製造
されたディスク基板は、図9に示したものと同様の結果
を得ることができ、L/Gに関係なく、良好な転写性の
ディスク基板を製造することができた。
【0056】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のデ
ィスク基板の製造方法、金型装置及び射出成形装置によ
れば、ディスク基板の外周側からエア吹き出しを行って
外周側からディスク基板の離型を行うことにより、ディ
スク基板上の凹凸パターンの変形、破壊等の原因となっ
ている離型時に生じる内部応力を低減することができ
る。そして、離型時におけるディスク基板上の凹凸パタ
ーンの変形を抑制し、射出成形におけるディスク基板の
転写性を向上させることができる。したがって、本発明
によれば、ランドやグルーブ等の平滑な記録面を保持し
て、情報の記録・再生がより確実なものとし、ディスク
基板の凹凸パターンの変形、破壊に起因する、エラーレ
ートの発生やS/Nの低下を防止することができる。
【0057】また、本発明ディスク基板の製造方法、金
型装置及び射出成形装置によれば、狭トラックピッチや
ウォブルを有するような高密度の記録媒体において、高
い金型温度にて離型を行う場合であっても、微細な凹凸
パターンの離型時の変形等を抑制して良好な転写性が確
保されるため、記録媒体の高密度化を容易に実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ディスクの斜視図である。
【図2】図1中のA−A線における光ディスクの要部縦
断面図である。
【図3】ディスク基板上に形成された凹凸パターンを説
明するための図である。
【図4】ディスク基板外周側からの離型エアによる離型
時に、ディスク基板内に生じた応力の分布を説明するた
めの特性図である。
【図5】ディスク基板内周側からの離型エアによる離型
時に、ディスク基板内に生じた応力の分布を説明するた
めの特性図である。
【図6】ディスク基板外周側からの離型エアによって離
型されたディスク基板のグルーブの状態を示す図であ
る。
【図7】ディスク基板内周側からの離型エアによって離
型されたディスク基板のグルーブの状態を示す図であ
る。
【図8】樹脂材料にポリカーボネート樹脂を使用した場
合における、金型温度とスタンパからディスク基板への
転写性との関係を示す特性図である。
【図9】樹脂材料にゼオネックス樹脂を使用した場合に
おける、金型温度とスタンパからディスク基板への転写
性との関係を示す特性図である。
【図10】射出ユニットを模式的に示す図であり、
(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図11】本発明に係る金型装置の縦断面図である。
【図12】同金型装置の外周リング構造を説明するため
の要部縦断面図である。
【図13】同金型装置の他の構成の外周リング構造を説
明するための要部縦断面図である。
【図14】同金型装置の内周側の離型エア吹き出し口を
説明するための要部縦断面図である。
【図15】内周側からの圧縮エアにより離型したディス
ク基板のグルーブの変形を説明するための図である。
【図16】離型時にディスク基板に生じたピットの引き
ずりの状態を示す図である。
【図17】内周側からの圧縮エアによる不均一な離型の
状態を説明するための図である。
【図18】(a)は離型時にディスク基板に生じたウォ
ブルの離型ムラの状態を、(b)は離型時にディスク基
板に生じたピットの多重転写の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 光ディスク,2 ディスク基板,11 射出成形ユ
ニット,12 射出装置,13 金型装置,14 型締
めシリンダ,15 加熱シリンダ,16 スクリュー,
17 駆動機構,17a 油圧モータ,17b 油圧シ
リンダ,18ノズル,19 ホッパー,20 固定側金
型部,21可動側金型部,22 外周リング,23 キ
ャビティ,24 固定側取付板,25固定側ミラー,2
6 スタンパ,27 スプルーブッシュ,28 可動側
取付板,29 可動側ミラー,30 センターピン,3
1 ゲートカットパンチ,32、33 温調回路,34
エア回路,35 ガイド部材,36 エア溜まり溝
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29L 17:00 B29L 17:00 Fターム(参考) 4F202 AA28 AH38 AH79 AR06 CA11 CB01 CM08 4F206 AA28 AH38 AH79 AR06 JA07 JN41 JN43 JQ81 5D121 AA02 DD05 DD18 DD20

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スタンパが装着された金型内に溶融樹脂
    を射出し、これを冷却固化してディスク基板を成形する
    ディスク基板の製造方法において、 上記ディスク基板の外周側からエア吹き出しを行い、上
    記ディスク基板を外周側から上記スタンパより離型する
    ことを特徴とするディスク基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記ディスク基板の外周側からのエア吹
    き出しとともに、上記ディスク基板の内周側からエア吹
    き出しを行い、上記ディスク基板を上記スタンパより離
    型することを特徴とする請求項1に記載のディスク基板
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記金型の温度を上記溶融樹脂の熱変形
    温度以上、ガラス転移点以下とすることを特徴とする請
    求項1に記載のディスク基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 スタンパが装着された金型内に溶融樹脂
    が射出され、これが冷却固化されてディスク基板が成形
    される金型装置において、 上記ディスク基板の外周側からエア吹き出しが行われ、
    上記ディスク基板が外周側から上記スタンパより離型さ
    れることを特徴とする金型装置。
  5. 【請求項5】 上記ディスク基板の外周側から吹き出さ
    れるエアの回路が形成された外周リングを有することを
    特徴とする請求項4に記載の金型装置。
  6. 【請求項6】 上記外周リングは、上記エアの回路が形
    成された第1のリング部材と、 上記ディスク基板の外周端に沿って摺動する第2のリン
    グ部材とからなり、 上記第1のリング部材と上記第2のリング部材との間
    に、上記エアの回路と上記ディスク基板の外周端とを連
    通させる回路が形成されることを特徴とする請求項5に
    記載の金型装置。
  7. 【請求項7】 上記第2のリング部材は、上記ディスク
    基板の厚さの範囲内で摺動することを特徴とする請求項
    6に記載の金型装置。
  8. 【請求項8】 上記外周リングは、上記ディスク基板の
    外周端と隣接する位置に設けられる上記スタンパとの間
    の第1のクリアランスと、上記スタンパの最外周部と対
    向する位置に設けられる上記スタンパとの間の第2のク
    リアランスとを有し、 上記第1のクリアランスは、上記第2のクリアランスに
    比して広く形成されていることを特徴とする請求項5に
    記載の金型装置。
  9. 【請求項9】 上記第1のクリアランスは、4μmより
    広くかつ15μmより狭く形成されるとともに、 上記第2のクリアランスは、4μmより狭く形成される
    ことを特徴とする請求項8に記載の金型装置。
  10. 【請求項10】 上記第1のクリアランスと第2のクリ
    アランスとの間には、上記第1のクリアランスに比して
    広い溝部が形成されることを特徴とする請求項8に記載
    の金型装置。
  11. 【請求項11】 上記溶融樹脂の冷却開始又は冷却終了
    と連動して上記ディスク基板に対するエア吹き出しが行
    われることを特徴する請求項4に記載の金型装置。
  12. 【請求項12】 上記ディスク基板の外周側からのエア
    吹き出しを行うとともに、上記ディスク基板の内周側か
    らエア吹き出しを行うことを特徴とする請求項4に記載
    の金型装置。
  13. 【請求項13】 上記ディスク基板の外周側から吹き出
    すエアと上記ディスク基板の内周側から吹き出すエアと
    は、エア吹き出しが同じ時間内に行われる際に、上記内
    周側のエアに比して上記外周側のエアの吹き出しが大き
    な圧力で行われることを特徴とする請求項12に記載の
    金型装置。
  14. 【請求項14】 上記ディスク基板の外周側から吹き出
    すエアと上記ディスク基板の内周側から吹き出すエアと
    は、エア吹き出しが同じ圧力で行われる際に、上記内周
    側のエアに比して上記外周側のエアの吹き出しが長く行
    われることを特徴とする請求項12に記載の金型装置。
  15. 【請求項15】 上記金型の温度を上記溶融樹脂の熱変
    形温度以上、ガラス転移点以下とすることを特徴とする
    請求項4に記載の金型装置。
  16. 【請求項16】 射出された溶融樹脂を冷却固化してデ
    ィスク基板を成形する射出成形装置において、 スタンパが装着され、上記溶融樹脂が射出されて冷却固
    化されるとともに、上記スタンパからの離型の際に上記
    ディスク基板の外周側からエア吹き出しが行われる金型
    と、 上記金型に対してエアを供給する供給エア回路とを備え
    ることを特徴とする射出成形装置。
  17. 【請求項17】 上記金型では、上記ディスク基板の外
    周側からのエア吹き出しとともに、上記ディスク基板の
    内周側からエア吹き出しが行われることを特徴とする請
    求項16に記載の射出成形装置。
  18. 【請求項18】 上記供給エア回路は、少なくとも2つ
    設けられ、外周側と内周側とのエア吹き出し開始時間を
    遅延タイマーで変化させることを特徴とする請求項17
    に記載の射出成形装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006035601A (ja) * 2004-07-26 2006-02-09 Ge Plastics Japan Ltd 光学用成形型物の成形方法
JP2008273070A (ja) * 2007-04-28 2008-11-13 Meiki Co Ltd 導光板の成形金型および導光板の成形方法

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