JP2000206234A - Fm―cwレ―ダ装置 - Google Patents

Fm―cwレ―ダ装置

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JP2000206234A
JP2000206234A JP11006004A JP600499A JP2000206234A JP 2000206234 A JP2000206234 A JP 2000206234A JP 11006004 A JP11006004 A JP 11006004A JP 600499 A JP600499 A JP 600499A JP 2000206234 A JP2000206234 A JP 2000206234A
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signal
mixed output
frequency
output signal
radar
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JP11006004A
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English (en)
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Takeshi Okada
毅 岡田
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 上側混合出力と下側混合出力を同時に送信
し、計測時間短縮および位置、相対速度を精度良く求め
ることができるFM−CWレーダ装置を提供する。 【解決手段】 周波数が一定の割合で漸次変化する信号
を発生する信号発生手段1と、一定周波数の信号を発生
する信号発生手段2と、2つの信号を混合する混合手段
3と、混合出力分離手段4と、上側混合出力信号送信手
段5と、下側混合出力信号送信手段6と、送信信号が検
出対象により反射して返ってきた反射信号と送信信号と
を混合した信号を受信信号として取り出す受信手段7
と、下側混合出力信号送信手段による送信信号が検出対
象により反射して返ってきた反射信号と前記送信信号と
を混合した信号を受信信号として取り出す受信手段8
と、双方の受信手段で得られた受信信号を周波数解析す
ることで、検出対象の有無、レーダからの距離、レーダ
との相対速度等の検出対象の情報を求める受信信号処理
手段9とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車に搭
載して前方監視や車間距離保持の目的で、あるいは道路
側に設置して車両検出の目的で、車両や人物、障害物を
検出するレーダとして利用されるFM−CWレーダ装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の技術に関しては、例えば、電子情
報学会編「改訂 レーダ技術」p.274〜276にその原理が
示されており、また、特開平9-152477号公報などその応
用例が多数出願されている。以下、図面を参照しなが
ら、従来のFM−CWレーダ装置について説明する。
【0003】図8は、FM−CWレーダ装置の従来例の
ブロック図を示すものである。図8においてFM−CW
レーダ装置は、送信手段51と、受信手段52と、受信信号
処理手段53とから構成されている。
【0004】送信手段51は、周波数が漸次増減する送信
信号を発生する。その様子を図9(a)に示すが、あらか
じめ定められた周波数範囲において時間に対しある一定
の割合(ΔTでΔF変化させるので、傾きにしてΔF/
ΔTあるいは−ΔF/ΔT)で周波数を直線的に増加さ
せる(上り変調)。次に、同じ割合で周波数を減少させ
る(下り変調)。この周波数変移(増加、減少)を周期
的に繰り返し出力する。
【0005】上記送信信号が、距離Rにある検出対象
(例えば、4輪車、オートバイ、人)で反射されると、
レーダ装置側に戻ってくるまでに送信信号に対して、距
離Rに比例した遅延と、レーダ装置と検出対象との相対
速度Vに比例したドップラーシフトを生じる。
【0006】そこで、受信部は、反射信号を送信信号と
混合して、上記距離Rに比例した遅延と相対速度に比例
したドップラーシフトによる受信信号(ビート信号)を
出力する。
【0007】この受信信号(ビート信号)は、周波数を
増加させる上り変調時と周波数を減少させる下り変調時
とで異なり、上り変調時は、 fbup=(2R/C)×(ΔF/ΔT)−2V/C×fc … (1) ただし、C:光速、fc:搬送波周波数のfbupで表
されるビート信号を含み、下り変調時は、 fbdn=(2R/C)×(ΔF/ΔT)+2V/C×fc … (2) のfbdnで表されるビート信号を含む。
【0008】図9(b)に、上り変調時の受信信号の時間
的推移と下り変調時の受信信号の時間的推移を示す。
【0009】そこで、受信信号処理手段53は、上り変調
時、下り変調時それぞれでビート信号をΔT間でサンプ
ルし、周波数解析することで、上記fbupとfbdn
を求める。
【0010】その様子を図9(c)に示す。上記式(1)
及び式(2)から明らかなように、2値が求まると、f
bupとfbdnの平均から距離Rを、差分から相対速
度Vを求める。
【0011】ただし、fc:搬送波周波数は、ΔFに対
して十分大きく、ΔFに起因するドップラーシフトの差
は無視できるとする。例えば、fcは76.5GHz, ΔFは3
00MHzとすればよい。
【0012】以上の構成により、検出対象までの距離、
相対速度を簡単に求めることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成の従来のFM−CWレーダ装置では、上り変
調の送信信号、下り変調の送信信号を時間的に分けて交
互に出力し、その両方を計測して信号処理(周波数解
析)をしていたため、上り変調と下り変調の変調状態の
差異、すなわち、上り変調時の|ΔF/ΔT|と下り変
調時の|ΔF/ΔT|による誤差が信号処理後の出力で
ある目標までの距離、速度に重畳し、大きな誤差が生じ
る場合があった。
【0014】また、上り変調時の|ΔF/ΔT|と下り
変調時の|ΔF/ΔT|との差異が装置自身では検出す
るのが困難であるという問題点があった。
【0015】さらに、他レーダの電波による干渉により
受信が困難となり、検出対象を認識することができなく
なる恐れもあった。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記した問題点を解決す
るために、第一の信号発生手段による周波数が一定の割
合で漸次変化する信号と、第二の信号発生手段による一
定周波数の信号とを混合し、上側混合出力と下側混合出
力を同時に送信するようにする。両者は互いにイメージ
の関係にあり、一方が漸次周波数が増加すれば、一方は
全く同じ割合で減少するので、全く変調の傾き|ΔF/
ΔT|が同一のまま計測することが可能となる。また、
同一対象に対して増加と減少の関係を逆転して計測する
ことによって、上り変調時の|ΔF/ΔT|と下り変調
時の|ΔF/ΔT|との差異がわかる。
【0017】また、特に遠方の検出対象に対しては、同
じ方向を向いていて周波数が異なる2つのレーダがある
のと等価なので、切り替えることで干渉等に対応でき
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、周波数が一定の割合で漸次変化する信号を発生する
第一の信号発生手段と、一定周波数の信号を発生する第
二の信号発生手段と、上記2つの信号を混合する混合手
段(ミキサ)と、混合手段の出力である上側混合出力信
号と下側混合出力信号を分離する混合出力分離手段と、
上側混合出力信号を送信する上側混合出力信号送信手段
と、下側混合出力信号を送信する下側混合出力信号送信
手段と、上側混合出力信号送信手段による送信信号(上
側混合出力信号)が検出対象により反射して返ってきた
反射信号と前記送信信号とを混合した信号を受信信号と
して取り出す第一の受信手段と、下側混合出力信号送信
手段による送信信号(下側混合出力信号)が検出対象に
より反射して返ってきた反射信号と前記送信信号とを混
合した信号を受信信号として取り出す第二の受信手段
と、双方の受信手段で得られた受信信号を周波数解析す
ることで、検出対象の有無、レーダからの距離、レーダ
との相対速度等の検出対象の情報を求める受信信号処理
手段とからなることを特徴とするFM−CWレーダ装置
としてものであって、計測時間を短縮することができ、
また、位置、相対速度を精度良く求めることができると
いう作用を有する。
【0019】また、請求項2に記載の発明は、前記第一
の信号発生手段は、ある周波数f1からある周波数f2(f2
>f1)まで周波数を一定の割合で漸次増加させる信号
と、周波数f2からある周波数f1まで周波数を左記増加信
号と同じ割合で漸次減少させる信号とを交互に出力する
ものであることを特徴とする請求項1に記載のFM−C
Wレーダ装置としたものであって、各々の受信手段で、
それぞれ他の受信手段の出力を用いずに他のレーダ装置
前方の検出対象の位置、相対速度を求めることができる
という作用を有する。
【0020】また、請求項3に記載の発明は、前記受信
信号処理手段は、前記第一の信号発生手段において周波
数を一定の割合で漸次増加させているときに、双方の受
信手段の出力を用いて求めた検出対象までの距離の値
と、前記第一の信号発生手段において周波数を一定の割
合で漸次減少させているときに、双方の受信手段の出力
を用いて求めた検出対象までの距離の値とを比較するこ
とにより、前記第一の信号発生手段の周波数増加時と減
少時の傾きの絶対値を正確に等しくなるように補正値を
求めることを特徴とする請求項1に記載のFM−CWレ
ーダ装置としたものであって、各々の受信手段で、レー
ダ装置前方の検出対象の位置、相対速度を精度良く求め
ることができるという作用を有する。
【0021】また、請求項4に記載の発明は、前記上側
混合出力信号送信手段と前記下側混合出力信号送信手段
で用いる送信アンテナの指向性及び、前記第一の受信手
段と前記第二の受信手段で用いる受信アンテナの指向性
を同一あるいはほぼ同一にすることを特徴とする請求項
1に記載のFM−CWレーダ装置としたものであって、
周波数の異なる2つのアンテナの指向性を同一にし、検
出範囲(特に検出角度)を同等にするという作用を有す
る。
【0022】また、請求項5に記載の発明は、前記受信
信号処理手段は、双方の受信手段で得られた受信信号を
各々周波数解析することで同一検出対象からの信号成分
を抽出し、その位相値の比較及び加減乗除を行うこと
で、送信手段及び受信手段の位置の差による信号伝播時
間差ならびに距離差を求め、その距離差からFM−CW
レーダ装置を基準とした検出対象の存在する方向を推定
することを特徴とする請求項1に記載のFM−CWレー
ダ装置としたものであって、検出対象の存在する方向を
精度良く求めることができるという作用を有する。
【0023】また、請求項6に記載の発明は、前記受信
信号処理手段は、一方の受信手段からの受信信号が他の
レーダの電波干渉等の外乱の影響を受けて検出対象の情
報を検出しにくいときは、他方の受信手段からの受信信
号の情報のみで、検出対象の有無、レーダからの距離、
レーダとの相対速度等の情報をおおよそ推定することを
特徴とする請求項1に記載のFM−CWレーダ装置とし
たものであって、干渉の影響から免れる、あるいは影響
を受けにくくするという作用を有する。
【0024】また、請求項7に記載の発明は、前記混合
出力分離手段は、前記上側混合出力信号送信手段で出力
する送信信号と前記下側混合出力信号送信手段で出力す
る送信信号の周波数の違いによる伝播減衰による影響を
同一にするように、前記混合手段の出力を不等分配する
ことを特徴とする請求項1に記載のFM−CWレーダ装
置としたものであって、周波数に応じて異なる伝播路
(空気中)の影響を受けても、2つのアンテナの送信パ
ワーを調整し、ほぼ同等の最大検出距離を確保すること
ができるという作用を有する。
【0025】また、請求項8に記載の発明は、前記混合
出力分離手段は、前記上側混合出力信号送信手段への入
力用の信号と前記下側混合出力信号送信手段への入力用
の信号とに分配後、それぞれの信号に対し、バンドパス
フィルタにより帯域制限を行い、不要な信号を出力しな
いようにすることを特徴とする請求項1に記載のFM−
CWレーダ装置としたものであって、余分な不要輻射を
押さえることができるという作用を有する。
【0026】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図7を用いて説明する。
【0027】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施形態のFM−CWレーダ装置の構成を示すブロ
ック図である。図1においてFM−CWレーダ装置は、
第一の信号発生手段1と、第二の信号発生手段2と、混
合手段3と、混合出力分離手段4と、上側混合出力信号
送信手段5と、下側混合出力信号送信手段6と、第一の
受信手段7と、第二の受信手段8と、受信信号処理手段
9とから構成されている。
【0028】第一の信号発生手段1は、周波数が一定の
割合で漸次増加する信号を出力し、第二の信号発生手段
2は一定周波数の信号を発生する。混合手段3は第一の
信号と第二の信号を混合する。混合手段3には、例え
ば、変換ロスの少ないアップコンバートミキサを用いれ
ばよい。
【0029】発生する信号の様子を図2に示す。図2
は、混合前後の信号説明図である。図2(a)、(b)、
(c)すべて横軸は周波数、縦軸はその周波数成分のレベ
ル(含有度合い)を示す。
【0030】図2(a)は第一の信号発生手段1の出力で
あり、f1という周波数から上にΔFの間で周波数が一定
の割合で漸次増加することを示している(時間tの関数と
して、f1+ΔF/Δt・t)。図2(b)は第二の信号発生手段
2の出力であり、一定周波数f2の信号のため、理想的に
は一本のスペクトルとなる。さて、混合手段3による混
合後は、f2+ (f1+ΔF/Δt・t)、 f2-(f1+ΔF/Δt・t)の
2つの出力が混合出力(図2(c))として現れる。
【0031】例えば、f1=8GHz,f2=68.5GHz,ΔF=100MHz,
Δt=1msec,計測時間1msecとすれば、1つの出力は76.5G
Hzを起点として、ΔF/Δt の傾きで100MHz漸次増加し、
最終76.6GHzとなる上側混合出力信号であり、もう一つ
の出力は60.5GHzを起点として、ΔF/Δt の傾きで100MH
z漸次減少し、最終60.4GHzとなる下側混合出力信号であ
る。
【0032】混合出力分離手段4は、上記2つの混合出
力である上側混合出力信号と下側混合出力信号を分離す
る。例えば、T型分岐で混合出力を分岐し、一方は60.5
GHzを中心として帯域1GHzは確保して通過するようにバ
ンドパスフィルタを通し、もう一方は76.5GHzを中心と
して帯域1GHzは確保して通過するようにバンドパスフィ
ルタを通せば良い。
【0033】上側混合出力信号送信手段5は、混合出力
分離手段4で分離された上側混合出力信号を送信信号と
して外部に向けて送信し、下側混合出力信号送信手段6
は下側混合出力信号を送信信号として外部に向けて送信
する。例えば、双方とも必要な出力が確保できるように
パワーアンプで増幅した後、アンテナから外に放射すれ
ばよい。
【0034】上側混合出力信号送信手段5、下側混合出
力信号送信手段6から送信される様子を図3(a)に示
す。上側混合出力信号送信手段5はfc1を起点周波数と
して、ΔF/Δt の傾きでΔF分だけ、つまり、fc1+ΔFま
で漸次増加する信号を送信する(時間tの関数として、fc
1+ΔF/Δt・t)。この動作を「上り変調」と呼ぶとする
と、上側混合出力信号送信手段5はさらにこの動作を周
期的に繰り返す。
【0035】一方、下側混合出力信号送信手段6はfc2
を起点周波数として、ΔF/Δt の傾きでΔF分だけ、つ
まり、fc2-ΔFまで 漸次減少する信号を送信する(時間t
の関数として、fc2-ΔF/Δt・t)。この動作を「下り変
調」と呼ぶとすると、さらにこの動作を周期的に繰り返
す。
【0036】注目すべきは、この上側混合出力信号と下
側混合出力信号は互いにイメージの関係であるので、そ
の変調の傾きは符号が逆で、その絶対値|ΔF/Δt|は
まったく等しいということである。
【0037】さて、これら2種の送信信号は、距離Rに
ある検出対象(例えば、4輪車、オートバイ、人)で反
射されると、その反射信号には、レーダ装置側に戻って
くるまでに送信信号に対して、距離Rに比例した遅延
と、レーダ装置と検出対象との相対速度Vに比例したド
ップラーシフトを生じる。
【0038】送信信号は2種類存在するので、反射信号
も2種類存在するが、仮に、上側混合出力信号送信手段
5で送信された送信信号による反射信号を反射信号1、
下側混合出力信号送信手段6で送信された送信信号によ
る反射信号を反射信号2とする。
【0039】第一の受信手段7はが受信アンテナ(上側
混合出力信号送信手段の送信アンテナと共有でもよい)
で得られた反射信号1と上側混合出力信号とを混合し、
また、第二の受信手段8は受信アンテナ(下側混合出力
信号送信手段の送信アンテナと共有でもよい)で得られ
た反射信号2と下側混合出力信号とを混合して、上記距
離Rに比例した遅延と相対速度に比例したドップラーシ
フトによる受信信号(ビート信号)を出力する。
【0040】第一の受信手段7で得られた受信信号(ビ
ート信号)の周波数は、 fbup=(2R/C)×(ΔF/ΔT)−2V/C×fc … (1) ただし、C:光速、fc:搬送波周波数で表すことがで
き、第二の受信手段8で得られた受信信号(ビート信
号)の周波数は、 fbdn=(2R/C)×(ΔF/ΔT)+2V/C×fc … (2) で表すことができる。
【0041】受信信号処理手段9は、各々の受信信号を
ΔT間でサンプルし周波数解析することで、fbupと
fbdnを求める。
【0042】その様子を図3の(b)、(c)に示す。図3
(b)は第一の受信手段7で得られた受信信号を周波数解
析した結果であり、ピークが立つ場所としてfbupが
検出されている。
【0043】同様に図3(c)は第二の受信手段8で得ら
れた受信信号を周波数解析した結果であり、ピークが立
つ場所としてfbdnが検出されている。
【0044】2値が求まると式(1)と式(2)から明
らかなように、fbupとfbdnの平均から距離R
を、差分から相対速度Vを求めることができる。ただ
し、検出対象は、図4に示すようにレーダ装置の前面に
存在し、上側混合出力信号送信手段と下側混合出力信号
送信手段からほぼ等距離にあるとする。
【0045】また、fc:搬送波周波数は、ΔFに対し
て十分大きく、ΔFに起因するドップラーシフトの差は
無視できるとする。例えば、fcは76.5GHz, ΔFは300
MHzとすればよい。ちなみに、ΔTは数msec、Rは最大
で200m程度、Vは最大300Km/h程度である。
【0046】前述したように式(1)、式(2)でΔF
/ΔTがまったく等しい値となるので、以上の構成によ
り位置、相対速度を精度良く求めることができる。
【0047】また、従来例では時間的にシーケンシャル
に連続して送信する上り変調、下り変調双方の受信信号
を得なければ信号検出できないのに対し、本発明は、そ
の半分の時間で同等の計測をすることができる。
【0048】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
形態のFM−CWレーダ装置では、第一の信号発生手段
1が、ある周波数f1からある周波数f2 ( f2>f1 )まで
周波数を一定の割合で漸次増加させる信号(上り変調)
と、周波数f2からある周波数f1まで周波数を前記増加信
号と同じ割合で漸次減少させる信号(下り変調)とを交
互に出力する。
【0049】第二の信号発生手段2、混合手段3、混合
出力分離手段4、上側混合出力信号送信手段5、下側混
合出力信号送信手段6、第一の受信手段7、第二の受信
手段8の動作は第1の実施形態とほぼ同様であるのでこ
こでは省略するが、出力される送信信号は異なる。
【0050】図5の(a)は上側混合出力信号送信手段
5、下側混合出力信号送信手段6から送信される様子を
示したものである。上側混合出力信号送信手段5はfc1
を起点周波数として、Δfa/Δta の傾きでΔFa分だけ、
つまり、fc1+ΔFaまで漸次増加する信号を送信した後
(時間tの関数として、fc1+ΔFa/Δta・tとなる。この動
作を「上り変調」と呼ぶ)、fc1+ΔFaを起点周波数とし
て、ΔFb/Δtb の傾きでΔF分だけ漸次減少する信号を
送信する(時間tの関数として、fc1+ΔFa -ΔFb/Δt・t
となる。この動作を「下り変調」と呼ぶ)。上側混合出
力信号送信手段5はこの一連の動作を一計測周期とし
て、周期的に繰り返す。
【0051】一方、下側混合出力信号送信手段6も同様
にfc2を起点周波数として、ΔFa/Δta の傾きでΔF分だ
け、つまり、fc2-ΔFaまで漸次減少する信号を送信した
後(fc2-ΔFa/Δt・t)、fc1―ΔFaを起点周波数として、
ΔFb/Δtb の傾きでΔFb分だけ漸次増加する信号を送信
する (fc2-ΔFa +ΔFb/Δtb・t )。下側混合出力信号送
信手段6はこの一連の動作を一計測周期として、周期的
に繰り返す。ここでは、回路的な誤差等がほとんど無視
でき、 ΔFa≒ΔFb Δta≒Δtb … (3) であるとする。
【0052】また、第一の受信手段7、第二の受信手段
8で得られる受信信号も、第一の信号発生手段1で発生
する信号が異なることに対応して、第1の実施形態と異
なる。
【0053】ここで、第一の受信手段7で得られる受信
信号(ビート信号)fbのサフィックスを1とし、ま
た、第二の受信手段8で得られる受信信号(ビート信
号)fbのサフィックスを2とし、さらに上り変調時に
はup、下り変調時にはdnを付け加えるとする。まず、第
一の受信手段7で得られる受信信号について、上り変調
時には、 fb1up=(2R/C)×(ΔFa/ΔTa)−2V/C×fc …(4) ただし、C:光速、fc:搬送波周波数 で表すことができ、下り変調時には、 fb1dn=(2R/C)×(ΔFb/ΔTb)+2V/C×fc …(5) で表すことができる。
【0054】また、第二の受信手段8で得られた受信信
号について、下り変調時には、 fb2dn=(2R/C)×(ΔFa/ΔTa)+2V/C×fc …(6) ただし、C:光速、fc:搬送波周波数 で表すことができ、上り変調時には、 fb2up=(2R/C)×(ΔFb/ΔTb)―2V/C×fc …(7) で表すことができる。
【0055】受信信号処理手段9は、各々の受信信号を
ΔT間でサンプルし周波数解析することで、上記fb1
up、fb1dn、fb2dn、fb2upを求める。
【0056】その様子を図5(b)、(c)に示す。図5
(b)は第一の受信手段7で得られた受信信号を周波数解
析した結果であり、上り変調時にはピークが立つ場所と
してfb1upが検出され、下り変調時にはピークが立
つ場所としてfb1dnが検出されている。
【0057】同様に図5(c)は第二の受信手段8で得ら
れた受信信号を周波数解析した結果であり、下り変調時
にはピークが立つ場所としてfb2dnが検出され、上
り変調時にはピークが立つ場所としてfb2upが検出
されている。
【0058】これら4値が求まると、式(3)の前提の
下に、式(4)と式(5)より、fb1upとfb1d
nの平均として距離Rを、差分として相対速度Vを求め
ることができる。同様に式(6)と式(7)より、fb
2upとfb2dnの平均として距離Rを、差分として
相対速度Vを求めることができる。
【0059】よって、以上の構成により、各々の受信手
段でそれぞれ他の受信手段の出力を用いずに他のレーダ
装置前方の検出対象の位置、相対速度が求めることがで
きるので、仮に、上側混合出力信号送信手段と下側混合
出力信号送信手段のどちらか一方の送信手段が動作不能
になったとしても、あるいは、第一の受信手段7と第二
の受信手段8のどちらか一方の送信手段が動作不能にな
ったとしても、検出対象までの距離R、相対速度Vを求
めることができる。
【0060】第1の実施形態と同様に式(4)と式
(6)、式(5)と式(7)とを用いて求めてもよく、
その場合は第1の実施形態と同様の効果を出すことも可
能である。ただし、検出対象は、図4に示すようにレー
ダ装置の前面に存在し、上側混合出力信号送信手段と下
側混合出力信号送信手段からほぼ等距離にあるとする。
【0061】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施
形態のFM−CWレーダ装置の構成は本発明の第2の実
施形態のFM−CWレーダ装置とまったく同じであり、
またその動作は、受信信号処理手段9を除いて同様であ
るので、同様の部分についての説明は省略する。
【0062】まず、検出対象が、図4に示すようにレー
ダ装置の前面に存在し、上側混合出力信号送信手段5と
下側混合出力信号送信手段6からほぼ等距離にあるとす
る。あるいは、あらかじめ、人為的にそのように仕組ん
でおいてもよい。
【0063】このとき、受信信号処理手段9は、式
(4)と式(6)、あるいは、式(5)と式(7)に基
づき、本発明の第2の実施形態と同様に検出対象の位
置、相対速度を求める。検出対象が、上側混合出力信号
送信手段5と下側混合出力信号送信手段6からほぼ等距
離にある場合には、式(4)と式(6)のペアでΔFa
/ΔTaが等しく、式(5)と式(7)のペアでΔFb/
ΔTbが等しいゆえ、比較的精度良く(特に速度につい
ては)求めることができる。
【0064】ここで、式(3)が成り立たないとする
と、ΔFa/ΔTaとΔFb/ΔTbも異なる値になってし
まい、式(4)と式(5)、式(6)と式(7)のペア
では、特に速度を正しく求めることができない。
【0065】ここで、ΔFa/ΔTaとΔFb/ΔTbとの
比は、式(4)と式(6)のペアで求めた距離Raと式
(5)と式(7)のペアで求めた距離Rbとの比に等し
い。よって、あらかじめ、この比H(ΔFb/ΔTb=H
・ΔFa/ΔTa)を求めておく。
【0066】さて、検出対象が図4ではなく図6のよう
な位置に存在する場合、上側混合出力信号送信手段5と
下側混合出力信号送信手段6から等距離にあるとはいえ
ない。そこで、上側混合出力信号送信手段5ならば上側
混合出力信号送信手段5だけで、下側混合出力信号送信
手段6ならば下側混合出力信号送信手段6だけで計測し
た方が良い。つまり、式(4)と式(5)、式(6)と
式(7)のペアで求めた方が良いのである。
【0067】そこで、上記Hを用い、式(4)と式
(5)あるいは式(6)と式(7)で問題となるΔFa
/ΔTaとΔFb/ΔTbの差異をなくして、距離及び速
度を求めればよい。これは、第一の信号発生手段の周波
数増加時と減少時の傾きの絶対値を正確に等しくなるよ
うに補正することに他ならない。
【0068】ΔFa/ΔTaとΔFb/ΔTbで極端に大き
い差異は想定してはいない。そのため、本発明では、Δ
Fa/ΔTaとΔFb/ΔTbでどちらが正値に近いか把握
することは困難であるが、距離は大きくはずれないとす
る。ただし、差異が速度に対する影響は大であるので、
上記方法が有効になるのである。ΔF/ΔTとしては、
ΔFa/ΔTaとΔFb/ΔTbとの平均値に合わすことも
できることを明記しておく。
【0069】以上の構成により、各々の受信手段で、レ
ーダ装置前方の検出対象の位置、相対速度を精度良く求
めることができる。
【0070】(第4の実施の形態)本発明の第4の実施
の形態のFM−CWレーダ装置は、本発明の第1の実施
形態のFM−CWレーダ装置と構成と動作はほぼ同等で
あり、共通である部分の説明は省略する。
【0071】上側混合出力信号送信手段と下側混合出力
信号送信手段で用いる送信アンテナ及び受信手段で用い
る受信アンテナ(各々送信アンテナと受信アンテナを共
有化しても構わない)の指向性は、指向性アンテナ利得
G(放射強度の最大値/放射強度の平均値)で推定する
ことができるが、この指向性アンテナ利得Gと送信波の
波長λ及びアンテナ有効面積Aとの間には次の関係があ
る。 G=k・(4πA)/λ2(kは比例定数) … (8) さて、第1の実施形態の説明にも記したように、上側混
合出力信号と下側混合出力信号とは、f2+ (f1+ΔF/Δt
・t) と f2-(f1+ΔF/Δt・t) というように、周波数に
差異がある。
【0072】例えば、第1の実施形態の例であるなら
ば、f2+f1=76.5GHz、f2-f1=60.5GHzと16GHzも離れてい
る。よって、上側混合出力信号送信手段5と下側混合出
力信号送信手段6で同じアンテナ有効面積のアンテナを
用いると、式(8)よりλが異なるためにその指向性に
大きな差異を生じてしまう。これでは、各々のレーダを
同等の性能のレーダとして扱うことはできない。
【0073】そこで、式(8)でλの影響が打ち消せる
ように、アンテナ有効面積を上側混合出力信号送信手段
5と下側混合出力信号送信手段6で変える。
【0074】上側混合出力信号送信手段5の送信信号波
長をλp、アンテナ有効面積をAp、下側混合出力信号送
信手段6の送信信号波長をλq、アンテナ有効面積をAq
として、 Ap/Aq=λp2/λq2 … (9) となるように、アンテナ有効面積を双方で変えるのであ
る。例えば、第1の実施形態の例であるならば、Ap/
Aq=1.626倍となる。円形アンテナならば、その半径
比は1.275倍となる。その様子を図7に示す。
【0075】以上の構成により、周波数の異なる2つの
アンテナの指向性を同一にし、検出範囲(特に検出角
度)を同等にすることができる。
【0076】(第5の実施の形態)本発明の第5の実施
形態のFM−CWレーダ装置は、本発明の第2及び第3
の実施形態のFM−CWレーダ装置と構成と動作はほぼ
同等であり、共通である部分の説明は省略する。
【0077】通常、図4のように同じレーンにいる検出
対象と図6のように隣接車線に存在する車を区別する必
要がある。FM−CWレーダ装置により、検出対象の存
在する方向θがわかれば、レーダ装置を基準として相対
的な2次元位置を推定することができるので、非常に有
力な情報となる。ここでいう方向の定義としては、例え
ば、図6に示すように、上側混合出力信号送信手段5と
下側混合出力信号送信手段6双方のアンテナ中心から等
距離にある点を結んだ線分に対してなす角度とすればよ
い。
【0078】今、図6の状態の検出対象を捉えることを
想定する。上側混合出力信号送信手段5と検出対象との
距離R1と下側混合出力信号送信手段6と検出対象との
距離R2とは等しくはない状態であり、その差をΔR
(=R2−R1)とする。検出対象の存在する方向θ
は、その角度が小さいならば、ほぼΔRに比例し、ΔR
を求めることによって求めることができる。
【0079】第2の実施形態で説明したように、上側混
合出力信号送信手段5で送信した信号(上り変調時と下
り変調時の双方)に注目し、第一の受信手段7で得られ
た受信信号を周波数解析し、その後、式(4)及び式
(5)を用いることにより、受信信号処理手段9はR1
を算出する。
【0080】また、同様に、下側混合出力信号送信手段
6で送信した信号(上り変調時と下り変調時の双方)に
注目し、第二の受信手段8で得られた受信信号を周波数
解析し、その後、式(6)及び式(7)を用いることに
より、受信信号処理手段9はR2を算出する。
【0081】よって、理想的には以上よりΔRがR2と
R1の差分として求まり、θも求まることになる。
【0082】しかしながら、例えば、R1、R2が10m
〜100m程度であるとき、隣接車線の検出対象によるΔ
Rの大きさはせいぜい数cmである。そこで、測定誤差も
当然含むR1とR2との距離差として直接検出すること
は難しい場合が多い。そこで、受信信号の位相差として
検出する。
【0083】第一の信号発生手段1においての上り変調
時には、第一の受信手段7の出力を用いて式(4)よ
り、 fbR1=(2・R1/C)×(ΔFa/ΔTa)−2V/C×fc …(10) また、第二の受信手段8の出力を用いて式(6)より、 fbR2=(2・R2/C)×(ΔFa/ΔTa)+2V/C×fc …(11) が成り立つ。仮に、検出対象が動いていないとしたとき
は、速度の項が無視できるので、式(11)−式(10)よ
り、R1とR2の差分ΔRによるビート周波数の差分d
fuは dfu=2ΔR/C・ΔF/ΔT (ΔR=R2−R1) … (12) また、第一の受信手段で得られた受信信号(ビート信
号)と第二の受信手段で得られた受信信号(ビート信
号)との位相差ΔΦは、式(12)と計測時間ΔTより、 ΔΦ=2・π・dfu・ΔT =2・π・(2ΔR/C)・(ΔF/ΔT)・ΔT = 4πΔRΔF/C … (13) の関係があるので、受信信号処理手段9においてΔRを
求めることができる。
【0084】ただし、一般には、速度は0ではないの
で、式(12)は、 dfu=2ΔR/C・ΔF/ΔT+4V/C×fc … (14) となるので、式(13)よりΔRを求めることはできな
い。
【0085】ところで、第一の信号発生手段1において
の下り変調時には、第一の受信手段7の出力を用いて式
(5)より、 fbR1=(2・R1/C)×(ΔFb/ΔTb)+2V/C×fc …(15) また、第二の受信手段8の出力を用いて式(6)より、 fbR2=(2・R2/C)×(ΔFb/ΔTb)−2V/C×fc …(16) 式(16)−式(15)より、R1とR2の差分ΔRによる
ビート周波数の差分dfdは dfd=2ΔR/C・ΔF/ΔT−4V/C×fc … (17) よって、式(14)、式(17)より、計測時間ΔTでの、
上り変調、下り変調(第一の信号発生手段1においての
上り、下り)での各々の位相差は ΔΦu=2・π・dfu・ΔT … (18) ΔΦd=2・π・dfd・ΔT … (19) 両者の位相和ΔΔΦを取ることにより、 ΔΔΦ=ΔΦu+ΔΦd=8・π・(ΔR/C)・ΔF … (20) と、速度Vの影響を無くすことができる。
【0086】具体的には、第一の受信手段7から得られ
た受信信号を周波数解析し、ピークをとるビート信号の
位相を計算することで、第一の信号発生手段1において
の上り変調時の位相Φ1u、時間的には第一の信号発生手
段1においての下り変調時の位相Φ1dを求める。
【0087】また、第二の受信手段8から得られた受信
信号を周波数解析することで、第一の信号発生手段1に
おいての上り変調時(下側混合出力信号は下り変調)の
位相Φ2d、第一の信号発生手段1においての下り変調時
(下側混合出力信号は上り変調)の位相Φ2uを求める。
以上の4つのデータより、まず、計測時間ΔTでの、上
り変調、下り変調各々の位相差 ΔΦu=Φ2d―Φ1u … (21) ΔΦd=Φ2u―Φ1d … (22) を求め、その位相和として ΔΔΦ=ΔΦu+ΔΦd … (23) を求める。ΔΔΦが求まれば、式(20)よりΔRが求ま
り、ΔRより検出対象の存在する方向θも、簡単な幾何
的な計算で求めることができる。以上の構成により、検
出対象の存在する方向を精度良く求めることができる。
【0088】(第6の実施の形態)本発明の第6の実施
形態のFM−CWレーダ装置は、本発明の第1及び第2
の実施形態のFM−CWレーダ装置と構成と動作はほぼ
同等であり、共通である部分の説明は省略する。
【0089】検出対象が図4のようにレーダ装置の真正
面に存在する場合(検出対象が遠方にある場合は隣接車
線にいても距離的には真正面に存在すると計測して構わ
ないことが多い)、受信信号処理手段9は、第一の受信
手段7あるいは第二の受信手段8どちらか一方の受信信
号を解析すれば、検出対象までの距離、相対速度を推定
することは可能である。
【0090】さて、対向車等もレーダを搭載していて、
送信する周波数帯も同様であった場合、その対向車のレ
ーダの信号が混信して、正常な動作ができなくなる場合
が起りうる。そこで、受信信号処理手段9は、第一の受
信手段7あるいは第二の受信手段8双方の受信信号のノ
イズレベルをモニタしながら、明らかに混信していると
考えられるときには(一方に考えられないパワーのピー
クが出ていたり、全体的にノイズレベルが増加していな
いかチェックする)、第一の受信手段7あるいは第二の
受信手段8どちらか一方の受信信号のみを用いて検出対
象までの距離、相対速度を推定する。
【0091】以上の構成により、干渉の影響から免れ
る、あるいは影響を受けにくくすることができる。
【0092】(第7の実施の形態)本発明の第7の実施
形態のFM−CWレーダ装置は、本発明の第1及び第2
の実施形態のFM−CWレーダ装置と構成と動作はほぼ
同等であり、共通である部分の説明は省略する。
【0093】例えば、送信信号の周波数帯として第1の
実施形態の例と同様であるとすれば、上側混合出力信号
は76.5GHz近辺の信号を出力し、下側混合出力信号は60.
5GHz近辺の信号を出力する。一般に、周波数が異なれ
ば、大気、水分の吸収度合いも異なり、伝播状況も異な
る。 例えば、60.5GHz の方が76.5GHzに比べて3倍減
衰するならば、当初から60.5GHzの方の出力を3倍大き
くしておけば、ほぼ最大伝播可能距離は同じにすること
ができる。
【0094】そこで、混合出力分離手段4は、上側混合
出力信号送信手段5で出力する送信信号と下側混合出力
信号送信手段6で出力する送信信号の周波数の違いによ
る伝播減衰による影響を特に最大距離付近で同一にする
ように、混合手段3の出力を不等分配する。
【0095】以上の構成により、周波数に応じて異なる
伝播路(空気中)の影響を受けても、2つのアンテナの
送信パワーを調整し、ほぼ同等の最大検出距離を確保す
ることができる。
【0096】(第8の実施の形態)本発明の第8の実施
形態のFM−CWレーダ装置は、本発明の第1及び第2
の実施形態のFM−CWレーダ装置と構成と動作はほぼ
同等であり、共通である部分の説明は省略する。
【0097】混合出力分離手段4後の出力は、混合前の
信号出力等不要な信号が多数存在する可能性があるの
で、上側混合出力信号送信手段5及び下側混合出力信号
送信手段6で送信する際には、所望の上側混合出力信号
あるいは下側混合出力信号が存在する帯域以外の信号を
落としておく必要がある。
【0098】例えば、第1の実施形態で説明した例で
は、それぞれ上側混合出力信号が76.5GHz,下側混合出力
信号が60.5GHz近辺なので、その周波数±1GHz〜5GHzと
いう帯域以外は落とすようなバンドパスフィルタを挿入
すればよい。
【0099】以上の構成により、余分な不要輻射を押さ
えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の自動車FM−CWレ
ーダ装置の構成を示すブロック図、
【図2】本発明における信号混合の様子を説明するため
の図、
【図3】本発明の第1の実施形態の送受信信号を説明す
るための図、
【図4】レーダ装置と検出対象の位置関係の第1の例を
示す図、
【図5】本発明の第2の実施形態の送受信信号を説明す
るための図、
【図6】レーダ装置と検出対象の位置関係の第2の例を
示す図、
【図7】本発明の第4の実施形態のアンテナの構成を説
明するための図、
【図8】FM−CWレーダ装置の従来例の構成を示すブ
ロック図、
【図9】FM−CWレーダ装置の従来例における送受信
信号を説明するための図である。
【符号の説明】
1 第一の信号発生手段 2 第二の信号発生手段 3 混合手段 4 混合出力分離手段 5 上側混合出力信号送信手段 6 下側混合出力信号送信手段 7 第一の受信手段 8 第二の受信手段 9 受信信号処理手段 51 送信手段 52 受信手段 53 受信信号処理手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数が一定の割合で漸次変化する信号
    を発生する第一の信号発生手段と、 一定周波数の信号を発生する第二の信号発生手段と、 上記2つの信号を混合する混合手段(ミキサ)と、 混合手段の出力である上側混合出力信号と下側混合出力
    信号を分離する混合出力分離手段と、 上側混合出力信号を送信する上側混合出力信号送信手段
    と、 下側混合出力信号を送信する下側混合出力信号送信手段
    と、 上側混合出力信号送信手段による送信信号(上側混合出
    力信号)が検出対象により反射して返ってきた反射信号
    と前記送信信号とを混合した信号を受信信号として取り
    出す第一の受信手段と、 下側混合出力信号送信手段による送信信号(下側混合出
    力信号)が検出対象により反射して返ってきた反射信号
    と前記送信信号とを混合した信号を受信信号として取り
    出す第二の受信手段と、 双方の受信手段で得られた受信信号を周波数解析するこ
    とで、検出対象の有無、レーダからの距離、レーダとの
    相対速度等の検出対象の情報を求める受信信号処理手段
    とからなることを特徴とするFM−CWレーダ装置。
  2. 【請求項2】 前記第一の信号発生手段は、 ある周波数f1からある周波数f2(f2>f1)まで周波数を一
    定の割合で漸次増加させる信号と、周波数f2からある周
    波数f1まで周波数を前記増加信号と同じ割合で漸次減少
    させる信号とを交互に出力するものであることを特徴と
    する請求項1に記載のFM−CWレーダ装置。
  3. 【請求項3】 前記受信信号処理手段は、 前記第一の信号発生手段において周波数を一定の割合で
    漸次増加させているときに、双方の受信手段の出力を用
    いて求めた検出対象までの距離の値と、 前記第一の信号発生手段において周波数を一定の割合で
    漸次減少させているときに、双方の受信手段の出力を用
    いて求めた検出対象までの距離の値とを比較することに
    より、 前記第一の信号発生手段の周波数増加時と減少時の傾き
    の絶対値を正確に等しくなるように補正値を求めること
    を特徴とする請求項1に記載のFM−CWレーダ装置。
  4. 【請求項4】 前記上側混合出力信号送信手段と前記下
    側混合出力信号送信手段で用いる送信アンテナの指向性
    及び、前記第一の受信手段と前記第二の受信手段で用い
    る受信アンテナの指向性を同一あるいはほぼ同一にする
    ことを特徴とする請求項1に記載のFM−CWレーダ装
    置。
  5. 【請求項5】 前記受信信号処理手段は、 双方の受信手段で得られた受信信号を各々周波数解析す
    ることで同一検出対象からの信号成分を抽出し、その位
    相値の比較及び加減乗除を行うことで、送信手段及び受
    信手段の位置の差による信号伝播時間差ならびに距離差
    を求め、その距離差からFM−CWレーダ装置を基準と
    した検出対象の存在する方向を推定することを特徴とす
    る請求項1に記載のFM−CWレーダ装置。
  6. 【請求項6】 前記受信信号処理手段は、 一方の受信手段からの受信信号が他のレーダの電波干渉
    等の外乱の影響を受けて検出対象の情報を検出しにくい
    ときは、他方の受信手段からの受信信号の情報のみで、
    検出対象の有無、レーダからの距離、レーダとの相対速
    度等の情報をおおよそ推定することを特徴とする請求項
    1に記載のFM−CWレーダ装置。
  7. 【請求項7】 前記混合出力分離手段は、 前記上側混合出力信号送信手段で出力する送信信号と前
    記下側混合出力信号送信手段で出力する送信信号の周波
    数の違いによる伝播減衰による影響を同一にするよう
    に、前記混合手段の出力を不等分配することを特徴とす
    る請求項1に記載のFM−CWレーダ装置。
  8. 【請求項8】 前記混合出力分離手段は、 前記上側混合出力信号送信手段への入力用の信号と前記
    下側混合出力信号送信手段への入力用の信号とに分配
    後、それぞれの信号に対し、バンドパスフィルタにより
    帯域制限を行い、不要な信号を出力しないようにするこ
    とを特徴とする請求項1に記載のFM−CWレーダ装
    置。
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