JP2000198312A - タイヤ用補強材および空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用補強材および空気入りタイヤ

Info

Publication number
JP2000198312A
JP2000198312A JP11001334A JP133499A JP2000198312A JP 2000198312 A JP2000198312 A JP 2000198312A JP 11001334 A JP11001334 A JP 11001334A JP 133499 A JP133499 A JP 133499A JP 2000198312 A JP2000198312 A JP 2000198312A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
reinforcing material
flat wire
surface area
uneven
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11001334A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Takahira
耕二 高比良
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP11001334A priority Critical patent/JP2000198312A/ja
Publication of JP2000198312A publication Critical patent/JP2000198312A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B1/00Constructional features of ropes or cables
    • D07B1/06Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
    • D07B1/0606Reinforcing cords for rubber or plastic articles
    • D07B1/0646Reinforcing cords for rubber or plastic articles comprising longitudinally preformed wires
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B1/00Constructional features of ropes or cables
    • D07B1/06Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
    • D07B1/0606Reinforcing cords for rubber or plastic articles
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2201/00Ropes or cables
    • D07B2201/20Rope or cable components
    • D07B2201/2001Wires or filaments
    • D07B2201/2002Wires or filaments characterised by their cross-sectional shape

Landscapes

  • Ropes Or Cables (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイヤの補強層に使用する補強材として、波
付け加工を施した平形線材の表面を、凹凸を有する特定
の条件を満足する凹凸面に形成することにより、ゴムと
の接着力を十分に確保でき、タイヤの補強層に使用した
場合における耐剥離性や耐疲労性および高速耐久性を向
上できるタイヤ用補強材およびこの該補強材を使用した
空気入りタイヤを提供する 【解決手段】 波付け加工が施された断面扁平形状の平
形線材の少なくとも表裏両面を、凹凸差3ミクロン以上
の凹凸状面4に形成し、凹凸を付ける前の表面積に対す
る表面積比を1.3〜3.0とする。凹凸状面として、
平形線材の長手方向に対して0°〜45°の多数の条溝
2を形成するか、あるいは細かい凹と凸の一方もしくは
双方を散在状に形成して凹凸状にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤの補強層に
使用するタイヤ用補強材および空気入りタイヤに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】ラジアル
タイヤ等の空気入りタイヤにおいて、ベルト等の補強層
には、一般に複数本の素線を撚合したスチールコードが
用いられている。通常、多数本のコードを並列しゴムで
被覆してシート化されて使用される。
【0003】スチールコードは、製造上における熱処理
や伸線加工および撚合等のためにコスト高になり、また
有機繊維コードに比べて柔軟性に乏しく、さらに素線間
での摩耗や芯部への水分侵入による錆発生等の問題があ
った。
【0004】このため、衝撃吸収性や耐疲労性等を考慮
して波付け加工を施した断面が扁平形状をなすスチール
製の平形線材を使用することが提案されている(例え
ば、実開昭60−110497号公報、実開平4−84
396号公報)。
【0005】ところで、通常の撚コードであれば、コー
ド表面には撚構造独特の凹凸があって、単位幅当りの表
面積が単なる平形線材に比べて大きく、ゴムとの接着力
を十分に確保できるが、このようなスチールコードを、
単純に前記の平形線材に置換したのでは、単位幅当りの
表面積が減少し、ゴムとの接着力が不足して、高速耐久
性が不良となる。
【0006】本発明は、上記に鑑みてなしたもので、タ
イヤの補強層に使用する補強材として、波付け加工を施
した平形線材の表面を、特定の条件を満足する凹凸状面
に形成することにより、ゴムとの接着力を十分に確保で
き、タイヤの補強層に使用した場合における耐剥離性や
耐疲労性および高速耐久性を向上できる補強材を提供す
るものであり、さらにこの補強材を使用した空気入りタ
イヤを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するものであり、請求項1の発明のタイヤ用補強材
は、波付け加工が施された断面扁平形状の平形線材より
なり、該平形線材の少なくとも表裏面の一方が、凹凸差
3ミクロン以上の凹凸状面に形成され、凹凸を付ける前
の表面積に対する表面積比が、1.3〜3.0の範囲に
あることを特徴とする。
【0008】前記のタイヤ用補強材において、前記凹凸
差を3ミクロン以上としたのは、凹凸差が3ミクロンよ
り小さいものでは、接着力向上の効果が殆ど得られなく
なるからである。また前記凹凸差があまり大きくなる
と、平形線材の強度上の問題が生じることになるので、
前記凹凸差は最大でも平形線材の厚みの1/5以下に設
定するのが好ましい。
【0009】また前記の表面積比、すなわち凹凸を付し
た平形線材全体の表面積(S)と、凹凸を付ける前の表
面積(Sa)との比(S/Sa)を、1.3〜3.0に
設定したのは、前記表面積比が1.3より小さくなる
と、凹凸状面にしたことによる効果が小さく、また前記
表面積比が3.0を越えると、凹凸状面の凹部が深くか
つ多くなって、線材自体の剛性や引張強度が低下し、耐
剥離性および高速耐久性がかえって低下する結果となる
からである。
【0010】前記の発明の補強材において、凹凸状面と
しては、請求項2のように前記の凹凸差及び表面積比の
範囲内で、平形線材の長手方向に対し0°〜45°の条
溝を所要間隔に形成して凹凸状にすることができる。
【0011】また、凹凸状面としては、請求項3のよう
に、細かい凹と凸のいずれか一方もしくは双方を散在状
に形成して凹凸状にすることもできる。この場合、請求
項4のように、サンドブラスト加工により全面にわたっ
て細かい凹凸を形成してなるものが好適である。
【0012】また、前記のタイヤ用補強材は、下記の式
で求められる補強材全体としての波付け加工による捲縮
率が2.0%以下であるものが好適である。
【0013】捲縮率(%)=100(B−A)/A ここで、A;ストレート時の単位長さ当りの重量(g/
m) B:捲縮加工後の単位長さ当り重量(g/m) すなわち、前記の捲縮率は図3に示すように、波付け加
工の振幅(α)とピッチ(P)によって異なるが、補強
材全体としての捲縮率が2.0%を越えると、伸びが大
きくなりすぎて操縦安定性が低下する。また前記捲縮率
の下限は0.05%であり、これより小さくなると、波
付け加工を施したことによる効果がほとんど得られない
ことになる。
【0014】請求項6の発明は、前記各発明のいずれか
のタイヤ用補強材を、少なくとも1層の補強層に用いて
なる空気入りタイヤを特徴とする。
【0015】
【作用】上記した本発明のタイヤ用補強材によれば、波
付け加工が施された平形線材の少なくとも表裏面の一方
が、凹凸差3ミクロン以上の凹凸状面に形成されてお
り、単なる伸線加工による比較的滑らかな線材よりなる
場合に比して表面積が大きくなっているので、これをゴ
ムに埋設してタイヤの補強層に使用した場合、ゴムとの
接着面積が大きくなり、これが表面の凹凸による投錨効
果とも相まって、きわめて優れた接着力を確保でき、耐
疲労性や高速耐久性が向上する。もちろん、平形線材よ
りなる補強材全体としては波付け加工が施されているた
めに、適度な柔軟性を確保でき、耐衝撃吸収性も良好に
確保される。
【0016】特に請求項2の発明のように、前記の凹凸
状面が、線材長手方向に対し0°〜45°の条溝によっ
て凹凸状をなすものであると、高速耐久性および耐剥離
性が良好であって、しかも耐疲労性も良好に確保され
る。
【0017】また請求項3のように、前記凹凸状面が細
かい凹と凸のいずれかもしくは双方が散在状に形成され
て凹凸状をなしている場合においても、同様に接着力が
向上する。特に請求項4の場合には、平形線材の全表面
が凹凸のある粗い面に形成されるこれとになり、接着力
がさらに向上する。
【0018】また請求項5のように、捲縮率を2.0%
以下に設定したことにより、過度の伸びと柔軟性を抑制
でき、操縦安定性も良好に確保される。
【0019】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基いて説明する。
【0020】図1は、厚み方向に振幅を有する波付け加
工を施した断面扁平形状の高炭素鋼等のスチール製の平
形線材(1)よりなるタイヤ用補強材を拡大して示し、
図2は同上補強材の横断面、図3は同上補強材の一部の
側面図を示している。
【0021】前記の平形線材(1)の少なくとも表裏面
の一方、すなわち長径側の少なくとも一面(図示する実
施例は両面)は、溝付けロールによる圧延加工により線
材長手方向に延びる条溝(2)が所要間隔に多数形成さ
れて、該条溝(2)と残余の凸条部(3)とによる凹凸
状面(4)に形成されている。表裏面の一方のみを凹凸
状面に形成しておくことも可能であるが、実施上は図の
ように表裏両面を凹凸状面(4)に形成しておくのが、
ゴムとの接着一体性がよく好ましい。
【0022】前記の条溝(2)の深さ、つまり条溝
(2)と凸条部(3)との凹凸差(D)は、線材の厚み
(t)の1/5を越えない範囲で3ミクロン以上に設定
し、細かい凹凸状の粗い面に形成する。
【0023】また、前記のように凹凸を付けた平形線材
(1)の表面積(S)は、凹凸を付ける前の表面積、つ
まり溝付けロールによる溝付け加工前の表面積(Sa)
に対する表面積比(S/Sa)が、1.3〜3.0の範
囲になるように設定されている。したがって、各条溝
(2)の深さ、幅および溝間隔については、前記の表面
積比を満足するように設定される。
【0024】前記の条溝(2)は、図のように線材長手
方向に対し0°に形成しておくものに限らず、前記線材
長手方向に対して交叉する方向であってもよい。しかし
条溝(2)の線材長手方向に対する角度が45°を越え
ると、耐疲労性および悪路走行性能が極端に低下するこ
とになるので、前記角度は0°〜45°の範囲とするの
がよい。
【0025】前記の条溝(2)は、通常、平形線材
(1)に波付け加工前に溝付けロールにより圧延加工し
て、表裏面の少なくとも一方に条溝(2)を付けて凹凸
状面(4)に形成するが、もちろん波付け加工を施した
後で溝付け加工することも、また溝付け加工と波付け加
工を一工程的で行なうこともできる。
【0026】図4は、波付け加工を施した平形線材
(1)の表面を、ローレット加工やサンドブラスト加工
等の手段により細かい凹と凸のいずれか一方もしくは双
方を散在状に形成して梨地状の細い凹凸状面(4a)に
形成した補強材の実施例を示している。前記のサンドブ
ラスト加工やローレット加工は、平形線材(1)の波付
け加工の前後いずれであってもよい。
【0027】この実施例の場合においても、前記の細か
い凹と凸による凹凸差は、平形線材(1)厚み(t)の
1/5を越えない範囲で3ミクロン以上に設定し、平形
線材(1)の強度を低下させずに表面積を拡大させ、そ
の表面積(S)を、サンドブラスト加工等により凹凸を
付す前の表面積(Sa)に対する表面積比(S/Sa)
が1.3〜3.0の範囲にあるように設定する。
【0028】また、表裏面の少なくとも一方(好ましく
は両面)のみを前記の凹凸状に形成しておくことができ
るが、サンドブラスト加工等により、図のように平形線
材(1)の全表面に渡って梨地状の凹凸による粗い面に
形成しておくのが、該平形線材(1)をゴムに埋設した
場合のゴムとの接着性がよく、より好ましい。
【0029】なお、上記のいずれの実施例の場合にも、
平形線材(1)の扁平形状については、通常、厚みが
0.1〜0.8mmのもので、幅(W)と厚み(t)の
比(W/t)が2〜4の扁平形状をなすものが好適に用
いられる。
【0030】また、前記平形線材(1)の波付け加工に
おける捲縮率は、図3に示す波ピッチ(P)と、厚みの
センターラインでの振幅(α)とに関係し、図6に示す
ように波ピッチ(P)が大きくなるほど、また振幅が大
きくなるほど、捲縮率が大きくなるが、使用上の切断時
の伸び率および強度の保持の点から、次の式で求められ
る補強材全体としての捲縮率を、2.0%以下に設定
し、過度に柔軟性や伸びが生じないように設定しておく
のがよい。
【0031】捲縮率(%)=100(B−A)/A ここで、A;ストレート時の単位長さ当りの重量(g/
m) B:捲縮加工後の単位長さ当り重量(g/m) また前記の波付け加工として、振幅(α)またはピッチ
(P)のいずれか一方もしくは双方を規則的に変化させ
るか、不規則に変化させることにより、複数の異なった
捲縮率の部分、例えば大波部分と小波部分とを交互に連
続させて実施することもできる。
【0032】図5は、平形線材(1)の表面を凹凸状面
(4)に形成した補強材を多数並列させてゴム材(5)
で被覆したシート体(10)の断面を拡大して示してい
る。上記のいずれの補強材を使用しても、表面を凹凸状
面(4)(4a)に形成したことによる表面積の拡大に
より、平形線材(1)とゴムとの接着性がよく、耐疲労
性、耐剥離性が向上する。
【0033】前記のシート体(10)は、タイヤのベルト
層、またサイドウォールの補強層やビード部の補強層と
して、ゴム材中に埋設して使用する。例えば図11のよ
うに、タイヤにおけるベルト層に用いて、ラジアルタイ
ヤ等の空気入りタイヤ(T)を構成する。図11におい
て、(21)はベルト層、(22)はベルト端補強層、(1
1)はカーカス、(12)はトレッド、(13)はビード
部、(14)はサイドウォールを示す。
【0034】こうして構成された空気入りタイヤは、前
記の補強材の使用による耐疲労性や耐剥離性の向上によ
り、操縦安定性を確保してしかも耐久性等の性能向上に
寄与できる。
【0035】
【実施例】実施例1,2 幅0.4mm、厚み0.177mmの平形線材を素材と
し、溝付けロールの圧延により、表裏両面に長手方向に
対する角度が0°、深さ19ミクロンの条溝を形成する
とともに、波ピッチ(P)と振幅(α)をそれぞれ下記
表1のように設定した波付け加工を施して、図1のよう
な補強材を作り、その補強材の表面積(S)と凹凸を付
ける前の表面積(Sa)との表面積比(S/Sa)を
1.5にした補強材(実施例1)と、前記表面積比を
2.5にした補強材(実施例2)とを得た。
【0036】そしてこれら実施例1,2の補強材を、そ
れぞれ打込み本数を50本/25mmにして厚み1mm
のゴム中に埋設し、図5のようなシート体を製作した。
このシート体について、下記方法により動的剥離寿命を
調べた。その結果を表1に示す。
【0037】また、前記実施例1,2の補強材を使用し
たシート体を、それぞれタイヤサイズ195/55R1
6のラジアルタイヤの2層のベルト層として交叉角23
°で使用し、高速耐久性を調べた。その結果を下記の表
1に示す。
【0038】実施例3,4 幅0.4mm、厚み0.177mmの平形線材を素材と
し、波ピッチ(P)と振幅(α)をそれぞれ下記表1の
ように設定した波付け加工を施し、この平形線材の表面
にサンドブラスト加工により、凹凸差3.5ミクロンの
細い凹凸を付けて、図4のような補強材を作り、その表
面積(S)と凹凸を付ける前の表面積(Sa)との表面
積比(S/Sa)を1.5にした補強材(実施例3)
と、前記表面積比を2.5にした補強材(実施例4)を
得た。
【0039】そしてこれら実施例3,4の補強材を、そ
れぞれ打込み本数を50本/25mmにして厚み1mm
のゴム中に埋設してシート体を製作し、このシート体に
ついて、前記と同様に、動的剥離寿命を調べた。また、
前記のシート体をそれぞれ前記実施例1、2と同様のタ
イヤの2層のベルト層に交叉角23°で使用し、高速耐
久性能を調べた。これらの結果を表1に示す。
【0040】比較例1 表1に記載の構成よりなる従来の撚構造のスチールコー
ドをゴム材に埋設したシート体について、上記同様に動
的剥離寿命を調べるとともに、このシート体をタイヤの
2層のベルト層に使用した場合の高速耐久性を調べた。
その結果を表1に示す。
【0041】比較例2,3 実施例と同様の扁平形状をなす平形線材を素材とし、単
に実施例と同じ波ピッチ、振幅の波付け加工を施しただ
けで、表面に伸線加工による凹凸差2.5ミクロンの凹
凸状を呈する補強材(比較例2)と、同素材の表面を研
磨して凹凸をなくした補強材(比較例3)とについて、
それぞれ上記の実施例と同様に、ゴム材に埋設したシー
ト体を作った。そしてこれらのシート体について、動的
剥離寿命を調べるとともに、これらのシート体を上記と
同様のタイヤの2層のベルト層に使用した場合の高速耐
久性を調べた。その結果を表1に併せて示す。
【0042】比較例4,5 実施例1と基本的に同じ構造で、表面積比が1.2の補
強材(比較例4)と、表面積比が3.3の補強材(比較
例5)について、それぞれ上記の実施例1と同様にゴム
材に埋設したシート体を作り、このシート体の動的剥離
寿命を調べ、さらに前記シート体を上記と同様のタイヤ
のベルト層に使用した場合の高速耐久性を調べた。その
結果を表1に併せて示す。
【0043】なお、上記の動的剥離寿命については、シ
ート体2枚を両者の補強材が平行をなすように貼り合せ
た状態で加硫して一体化させておいて、前記2層のシー
ト体を引き剥すように、一方のシート体に10kgの荷
重を負荷させるとともに、他方のシート体に連結した偏
心カムの回転により動的剥離を生じさせ、10cmが剥
離するまでの時間を調べた。
【0044】高速耐久性については、FMVSS109
に規定のテスト方法に準じて行ない、故障したときまで
の時間を調べた。
【0045】上記の動的剥離寿命および高速耐久性の評
価は、いずれも従来の撚構造のスチールコードによる比
較例1の場合を100として指数で表しており、数値の
大きいものほど優れていることを示している。
【0046】
【表1】
【0047】上記の表1から明らかなように、波付け加
工を施した平形線材を素材としたものであっても、その
表面の凹凸差が3ミクロン未満のもの(比較例2)は、
動的剥離寿命および高速耐久性が、いずれも従来のスチ
ールコードによる比較例1の場合に比してかなり低くな
り、また平形線材を研磨した凹凸をなくした比較例3の
補強材についても、動的剥離寿命および高速耐久性は比
較例2に比して良くなるものの、比較例1の場合に比し
て劣っていた。
【0048】また波付け加工を施した平形線材の表面
に、凹凸を形成したものであっても、その凹凸を付ける
前の表面積に対する表面積比(S/Sa)が、1.3未
満のもの(比較例4)および3.0を越えるもの(比較
例5)についても、撚構造のスチールコードによる比較
例1のものより劣る結果となった。
【0049】これに対し、本発明の実施例1〜4は、い
ずれも従来の撚構造のスチールコードよりなるものに比
して、動的剥離寿命および高速耐久性が向上していた。
【0050】次に、上記実施例1、2の補強材と基本的
に同じ構造のもので、条溝の線材長て方向に対する角度
のみを変化させた補強材について、それぞれゴム材に埋
設した実施例1と同様のシート体のサンプルを作り、そ
の疲労寿命を調べたところ、それぞれ図7および図8の
とおりの結果が得られた。また、前記同様のシート体を
ベルト層(2層ベルト、交叉角度:23°)を使用した
タイヤ(サイズ:195/55R16)について、悪路
走行テストを実施したところ、下記の表2のとおりの結
果が得られた。
【0051】なお、前記の疲労寿命テストは、前記サン
プルを、JIS L1017の「化学繊維タイヤコード
試験方法」参考1の2の疲労強さの項に定義される(1)
ファイアストン法(A法)に準拠する方法により、40
kgfの力を繰返し負荷し、サンプル破断までのサイク
ル数を計数した。
【0052】
【表2】
【0053】このテストの結果、前記条溝の角度が45
°を越えると、疲労寿命及び悪路走行性が急激に低下す
ることが判った。したがって、平形線材(1)の表面に
条溝を形成して凹凸状面にする場合には、その角度が0
〜45°の範囲に設定するのがよい。
【0054】また、上記の実施例1と基本的に同じ構造
で、線材表面の凹凸差、すなわち溝付けロールによる条
溝の深さを変化させたものについて、動的剥離寿命と疲
労寿命をテストを行なったところ、図9および図10の
結果が得られた。
【0055】このテスト結果から、耐剥離性は前記凹凸
差が大きくなっても問題ないが、疲労寿命は前記凹凸差
が線材厚の1/5を越えると急激に低下する。したがっ
て前記凹凸差は3ミクロン以上で、線材厚の1/5以下
に設定するのがよいことが判る。
【0056】
【発明の効果】上記したように本発明のタイヤ用補強材
によれば、波付け加工を施した平形線材の表面を、特定
の条件を満足する凹凸面に形成したことにより、波付け
加工による特性を失うことなく、ゴムとの接着力を十分
に確保でき、タイヤの補強層に使用した場合における動
的剥離性能や耐疲労性および高速耐久性を改善できる。
したがって、前記の補強材を使用した空気入りタイヤ
は、波付け加工した平形線材よりなる補強材を用いたこ
とによる効果を充分に発揮でき、操縦安定性がよくて、
しかもタイヤの耐久性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤ用補強材の1実施例を示す一部
の拡大斜視図である。
【図2】同上の補強材の拡大断面図である。
【図3】同上のタイヤ用補強材の一部の側面図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す一部の拡大斜視図で
ある。
【図5】同上のタイヤ用補強材をゴム材に埋設した補強
奏としてのシート体を示す一部の拡大断面図である。
【図6】波ビッチと振幅および捲縮率の関係を示すグラ
フである。
【図7】実施例1の条溝の角度を変化させた場合の疲労
寿命テストの結果を示すグラフである。
【図8】実施例2の条溝の角度を変化させた場合の疲労
寿命テストの結果を示すグラフである。
【図9】実施例1の凹凸差を変化させた場合の動的剥離
寿命テストの結果を示すグラフである。
【図10】実施例1の凹凸差を変化させた場合の疲労寿
命テストの結果を示すグラフである。
【図11】本発明の補強材を使用したタイヤの略示断面
図である。
【符号の説明】
(1) 補強材 (2) 条溝 (3) 凸条部 (4)(4a) 凹凸状面 (5) ゴム材 (21) ベルト層 (22) ベルト端補強層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波付け加工が施された断面扁平形状の平形
    線材よりなり、該平形線材の少なくとも表裏面の一方
    が、凹凸差3ミクロン以上の凹凸状面に形成され、凹凸
    を付ける前の表面積に対する表面積比が1.3〜3.0
    の範囲にあることを特徴とするタイヤ用補強材。
  2. 【請求項2】凹凸状面が、平形線材の長手方向に対して
    0°〜45°の条溝が所要間隔に形成されて凹凸状をな
    していることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用補
    強材。
  3. 【請求項3】凹凸状面が、細かい凹と凸のいずれか一方
    もしくは双方が散在状に形成されて凹凸状をなしている
    ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用補強材。
  4. 【請求項4】サンドブラスト加工により全面にわたって
    細かい凹凸が形成されてなる請求項3に記載のタイヤ用
    補強材。
  5. 【請求項5】下記の式で求められる補強材全体としての
    波付け加工による捲縮率が2.0%以下である請求項1
    〜4のいずれか1項に記載のタイヤ用補強材。 捲縮率(%)=100(B−A)/A ここで、A:ストレート時の単位長さ当りの重量(g/
    m) B:捲縮加工後の単位長さ当り重量(g/m)
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイ
    ヤ用補強材を、少なくとも1層の補強層に用いてなるこ
    とを特徴とする空気入りタイヤ。
JP11001334A 1999-01-06 1999-01-06 タイヤ用補強材および空気入りタイヤ Pending JP2000198312A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11001334A JP2000198312A (ja) 1999-01-06 1999-01-06 タイヤ用補強材および空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11001334A JP2000198312A (ja) 1999-01-06 1999-01-06 タイヤ用補強材および空気入りタイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000198312A true JP2000198312A (ja) 2000-07-18

Family

ID=11498612

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11001334A Pending JP2000198312A (ja) 1999-01-06 1999-01-06 タイヤ用補強材および空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000198312A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012046026A (ja) * 2010-08-25 2012-03-08 Bridgestone Corp タイヤ
JP2012046025A (ja) * 2010-08-25 2012-03-08 Bridgestone Corp タイヤ
JP2016052890A (ja) * 2015-11-25 2016-04-14 株式会社ブリヂストン タイヤ
US9387725B2 (en) 2010-08-25 2016-07-12 Bridgestone Corporation Tire, and manufacturing method for same
US20160311262A1 (en) * 2015-04-22 2016-10-27 Milliken & Company Tape element containing crack propagation channels
US10173471B2 (en) * 2011-06-14 2019-01-08 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Pneumatic tire with cylindrical metal annular structure and method of manufacturing same
CN109760475A (zh) * 2017-11-09 2019-05-17 东洋橡胶工业株式会社 充气轮胎

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012046026A (ja) * 2010-08-25 2012-03-08 Bridgestone Corp タイヤ
JP2012046025A (ja) * 2010-08-25 2012-03-08 Bridgestone Corp タイヤ
US9387725B2 (en) 2010-08-25 2016-07-12 Bridgestone Corporation Tire, and manufacturing method for same
US10173471B2 (en) * 2011-06-14 2019-01-08 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Pneumatic tire with cylindrical metal annular structure and method of manufacturing same
US20160311262A1 (en) * 2015-04-22 2016-10-27 Milliken & Company Tape element containing crack propagation channels
JP2016052890A (ja) * 2015-11-25 2016-04-14 株式会社ブリヂストン タイヤ
CN109760475A (zh) * 2017-11-09 2019-05-17 东洋橡胶工业株式会社 充气轮胎

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3072929B2 (ja) 空気入りタイヤ
JPWO2005121440A1 (ja) ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りタイヤ
JP2006507414A (ja) 扁平つる巻きタイヤコード
JP2000198312A (ja) タイヤ用補強材および空気入りタイヤ
JP4424822B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP3403545B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP4683150B2 (ja) 空気入りタイヤ
JPH0374206A (ja) ラジアルタイヤ
JP3038049B2 (ja) 空気入りタイヤ
JPH0514641B2 (ja)
JPH01162885A (ja) スチ−ルコ−ドで補強されたタイヤ
JP2004351944A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP3887789B2 (ja) タイヤ補強用スチールコード
JP3669806B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP2000177311A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP3111379B2 (ja) ゴム補強用スチールコードおよびラジアルタイヤ
JP2003080904A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP2006328557A (ja) ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りタイヤ
JPH061108A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP6683570B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2006328558A (ja) ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りタイヤ
JPH09158066A (ja) ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤ
JPH08295102A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JPH1181167A (ja) スチールコード及びその製造方法並びに空気入りラジアルタイヤ
KR20020055202A (ko) 높은 파단 신율을 갖는 고무 보강재용 스틸 코드

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090414

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090804