JP2000198273A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2000198273A
JP2000198273A JP11315017A JP31501799A JP2000198273A JP 2000198273 A JP2000198273 A JP 2000198273A JP 11315017 A JP11315017 A JP 11315017A JP 31501799 A JP31501799 A JP 31501799A JP 2000198273 A JP2000198273 A JP 2000198273A
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dye
optical recording
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JP11315017A
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Masahiro Shinkai
正博 新海
Emiko Kanbe
江美子 神戸
Atsushi Kadota
敦志 門田
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Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 突然変異原性試験、経口毒性試験などで安全
性が高く、かつ耐光性、信頼性に優れた色素を利用し
て、630〜690nm、特に635nm〜680nmから選
択される波長において、優れた記録ないし再生特性を有
する光記録媒体を提供する。 【解決手段】 記録光および/または再生光の波長域に
おける複素屈折率の虚部kが0.20以下で、かつ特定
構造のアゾ金属錯イオンとテトラアルキルアンモニウム
イオンまたはシアニン色素イオンとで構成されたアゾ金
属錯塩を含有する記録層を有する光記録媒体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、突然変異原性試験
に陰性でなおかつ経口毒性試験でも低い毒性を示し、耐
光性、信頼性に優れた色素を利用した、630nm〜6
90nmの赤色レーザー光における記録再生可能な光記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】CD(コンパクトディスク)規格に対応
した記録可能な光記録媒体としてCD−R(追記型コン
パクトディスク)が開発されている。CD−Rの記録再
生には、780nmの波長のレーザー光が用いられてい
る。このCD−Rに使用する色素として、シアニン色素
は溶解性、波長特性等から広く使用されてきた。しか
し、シアニン色素には耐光性が弱いという欠点がある。
これの解決方法として、クエンチャーの添加、Ni、C
uジチオレン金属錯体との塩形成等が試みられてきた。
これらの方法では、耐光性が十分向上しなかったり、溶
解性が悪いため、生産性が悪い等の問題点があった。さ
らには、使用する色素によっては、例えば一部のアゾ色
素では、突然変異原性試験で陽性を示したり、急性毒性
を評価するラットの経口毒性試験にて数百ミリグラムで
毒性を発症するなどの問題点があった。そのため、ディ
スク製造上、特別の注意が必要になることが予想され
て、コストアップの理由から使用しにくかった。
【0003】これに対し、近年さらなる高密度光記録媒
体が望まれており、現行のCD−Rの記録再生波長か
ら、記録再生波長を630nm〜660nmに短波長化した
DVD−R(追記型デジタルビデオディスク)が開発さ
れてきている。このDVD−R用の色素においてもCD
−Rと同様の問題を抱えている。
【0004】一方、特開平10−228671号にも、
DVDメディア等への使用を目的とした突然変異原性が
陰性であるアゾ金属錯体の開示があるが、本発明の色素
と基本骨格が全く異なる。また、経口毒性試験について
は記述がない。
【0005】なお、従来、染料の分野では、経口毒性を
低く抑えるために色素骨格の中にスルホ基(−SO
3H)やスルホナト基(−SO3 -)を導入し、水溶性を
高めることによって、色素の体外への排出を容易にする
ことが行われており、これにより、体内に蓄積される色
素の量を減らし低毒化を図っている。しかしながら、水
溶性を上げると、ディスクの信頼性が悪くなることが予
想され、安易に導入できない。一方、突然変異原性試験
で陰性にするためには、大きな置換基(ブチル基、t−
ブチル基等)を導入することが有効とされているが、通
常、このような置換基の導入は水溶性を低くすると同時
に、色素の反射率nの値も低下させる方向にある。した
がって、突然変異原性および経口毒性等の急性毒性の点
の両立を図ることは、色素設計上、困難であるが、作業
上、毒性の低下は必須であり、この点の改善が求められ
ていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、突然
変異原性試験、経口毒性試験などで安全性が高く、かつ
耐光性、信頼性に優れた色素を利用して、630〜69
0nm、特に635nm〜680nmから選択される波長にお
いて、優れた記録ないし再生特性を有する光記録媒体を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
の本発明によって達成される。 (1) 記録光および/または再生光の波長域における
複素屈折率の虚部kが0.20以下で、かつ下記式
(I)で表されるアゾ金属錯塩を含有する記録層を有す
る光記録媒体。
【0008】
【化2】
【0009】[式(I)において、R1、R2、R3およ
びR4はそれぞれ炭素数1以上のアルキル基を表す。
1、R2、R3およびR4の炭素数の合計をA、R1およ
びR2の炭素数の合計をA1、ならびにR3およびR4の炭
素数の合計をA2としたとき、次の関係を満たす。 6≦A≦18(ただし、A1およびA2のうちの少なくと
も一方は2とはならない。) Mはコバルトまたはニッケルを表す。X1およびX2はそ
れぞれニトロ基またはハロゲン基を表す。k1およびk2
はそれぞれ0〜4の整数である。Z+はテトラアルキル
アンモニウムイオンまたはシアニン色素イオンを表
す。] (2) 式(I)中のZ+がインドレニン系トリメチン
シアニン色素イオンである上記(1)の光記録媒体。 (3) 式(I)で表されるアゾ金属錯塩が、突然変異
原性を示さず、かつ急性毒性の低い物質である上記
(1)または(2)の光記録媒体。
【0010】なお、本発明者らは、先に、WO98/2
9257号等で、本発明の式(I)で表される化合物を
包含する塩形成色素を用いた光記録媒体を提案してい
る。しかし、ここでは、突然変異原性、急性毒性のよう
な安全性については何ら記載されていない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の光記録媒体は、色素として、アゾ金属錯
イオンとテトラアルキルアンモニウムイオンまたはシア
ニン色素イオンとの塩形成色素である式(I)で表され
るアゾ金属錯塩を含有する記録層を有する。
【0012】このような色素は、記録光および/または
再生光の波長域における複素屈折率の虚部kが0.20
以下、好ましくは0〜0.20である。kをこのように
規制することによって反射率が十分となり、良好な記録
ないし再生を行うことができる。これに対し、kが0.
20を超えると反射率が十分でなくなる。この場合の複
素屈折率の実部nは1.8以上、好ましくは1.8〜
2.7であることが好ましい。nが小さくなると信号の
変調度が小さくなってしまう。
【0013】なお、上記の塩形成色素のnおよびkは、
所定の透明基板上に色素膜を光記録媒体の記録層程度の
厚さ、例えば40〜100nm程度の厚さに記録層と同
条件で設層して、測定用サンプルを作製し、次いで、こ
の測定用サンプルの記録光および/または再生光の波長
域における反射率および透過率を測定し、これらの測定
値から、例えば、共立全書「光学」石黒浩三P168〜
178に準じ、算出したものである。反射率は測定用サ
ンプルの基板を通しての反射率あるいは色素膜側からの
反射率であり、鏡面反射(5°程度)にて測定したもの
である。この場合の測定波長は通常635nm、650
nmのいずれかの波長域から選択される。
【0014】式(I)で表されるアゾ金属錯塩は、突然
変異原性および急性毒性を示さない物質であり、安全性
に優れる。従来、染料などにおいて、スルホ基やスルホ
ナト基を導入して水溶性を高め、色素の体外排出を促進
することにより経口毒性等の急性毒性を低下させること
が行われている。ただし、水溶性を上げると、ディスク
の信頼性を損うことが懸念され、安易に導入できないの
が実状である。ただし、水溶性を上げると、ディスクの
信頼性を損なうことが懸念され、安易に導入できないの
が実状である。一方、突然変異原性をマイナス(陰性)
にするには大きな置換基を導入することが有効とされて
いるが、このような置換基の導入は一般に水溶性の低下
とともに、色素の反射率nの値の低下を招く方向にあ
る。そのため、これらの2つの条件を満たす色素設計は
難しい。
【0015】本発明では、大きなイオンであるテトラア
ルキルアンモニウムイオンまたはシアニン色素イオンと
アゾ金属錯イオンとを塩形成させることにより、水に対
する溶解性を非常に小さなものとした。そのため、生物
の体内に取り込まれずそのまま排出される。この作用に
より、経口毒性の低毒化を達成できた。突然変異原性の
陰性化では、錯イオンに導入されている置換基の大きさ
を最適化することにより、比較的小さな置換基でも陰性
にすることが可能になった。
【0016】これに対し、式(I)に類似の化合物であ
っても、錯イオンに導入される所定の置換基の大きさ
(炭素数)が本発明の関係を満足せず、Aが6未満ある
いはA 1、A2のいずれか一方が2となると、特に突然変
異原性がプラス(陽性)となり、Aが18超となると、
光記録媒体としての良好な特性が得られない。また、テ
トラアルキルアンモニウムイオンまたはシアニン色素イ
オンにかえてNa+等の金属イオンなどとすると、水溶
性が高くなり、光記録媒体用の色素として信頼性のない
色素となってしまう。一方、アゾ金属錯イオンにかえて
通常のI-等の陰イオンなどとした一般的なシアニン色
素では光記録媒体としての耐光性、信頼性がなくなり、
使用できない。
【0017】突然変異原性試験の方法では、”環境変異
原性実験法”田島等著(講談社)に記載されている。経
口毒性試験は、通常のマウスやラットを使った実験方法
でよく、物質の急性毒性の強さの指標であるLD50(5
0%致死量)を用いて毒性の強さを示すのが一般的であ
る。
【0018】突然変異原性試験は、エームズテストとも
呼ばれ、以下の手順に従う。菌株は、サルモネラ菌のう
ち、ヒスチジンを合成することのできないヒスチジン要
求性(his-)の株であり、被験物質がその菌株に作
用した結果、ヒスチジンを再び合成できるようになった
ヒスチジン非要求性(his+)の復帰体のコロニー数
を数えて、その物質が突然変異原性を持つかが判定され
る。突然変異原性がない場合をマイナス(陰性)、ある
場合をプラス(陽性)とする。また、エームズテストで
は、一般に被験物質をそのまま菌体に作用させる直接試
験と、微生物における薬物代謝系をほ乳類のそれに近づ
けるために、ラット等の肝臓から得られる薬物代謝活性
化酵素(いわゆるS−9Mix)を組み入れて試験を行
う代謝活性化試験とを併用して実施される。
【0019】一方、経口毒性試験は、一定条件下におい
て被験物質を経口から1回投与したのちの一定期間(通
常7〜14日間)内にラットのような動物の半数を死亡
させる量を推計学的に算出したものであり、算出方法に
Litchfield-Wilcoxon法、Upand Down法、van der Waerd
en法などがある。
【0020】式(I)で表されるアゾ金属錯塩の色素に
ついて詳しく説明する。
【0021】式(I)において、R1〜R4はそれぞれ炭
素数1以上のアルキル基を表し、これらは直鎖状であっ
ても分岐を有していてもよく、さらには置換基を有して
いてもよい。ただし、R1〜R4の炭素数の合計をA、R
1およびR2の炭素数の合計をA1、R3およびR4の炭素
数の合計をA2としたとき、次の関係を満たす。 6≦A≦18(ただし、A1およびA2のうちの少なくと
も一方は2とはならない。)
【0022】このような関係から、R1〜R4で表される
アルキル基の炭素数は1〜8、特には1〜4が好まし
い。なかでも無置換のアルキル基が好ましく、例えばメ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、s−ブチル、t−ブチルなどが挙げられる。ま
た、こうしたR1〜R4が、各々ベンゼン環に結合して、
Nおよびベンゼン環とともにジュロリジン環を形成する
構造のような環状構造なども挙げられる。
【0023】Mはコバルトまたはニッケルである。
【0024】X1およびX2はそれぞれニトロ基またはハ
ロゲン基(例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、
好ましくはクロロ)を表し、好ましくはニトロ基であ
る。k 1およびk2はそれぞれ0〜4の整数であるが、特
に1であることが好ましい。特に、k1およびk2がそれ
ぞれ1であって、X1およびX2の結合位置がジアゾ基の
メタ位またはパラ位であることが好ましい。X1とX2
は同一でも異なっていてもよく、その結合位置も同一で
も異なっていてもよい。
【0025】このようなアゾ金属錯イオンの具体例を、
式(Ia)の表示に従って示すが、これらに限定される
ものではない。
【0026】
【化3】
【0027】
【化4】
【0028】Z+はテトラアルキルアンモニウムイオン
またはシアニン色素イオンを表し、好ましくはシアニン
色素イオンである。テトラアルキルアンモニウムとして
は、総炭素数4以上、さらには8以上が好ましい。その
炭素数の上限には特に制限はないが、16程度である。
【0029】シアニン色素イオンは、下記式(II)で表
されるものが好ましい。
【0030】
【化5】
【0031】式(II)中の色素イオンについて、Q1
2で完成される両側の複素環は互いに同じであっても
異なっていてもよく、それぞれ縮合環を有してもよい。
このような複素環としては、チアゾール環、オキサゾー
ル環、キノリン環、イミダゾール環、インドレニン環、
4,5−ベンゾインドレニン環等がある。インドレニン
環と4,5−ベンゾインドレニン環との非対称の組合せ
が特に好ましい。
【0032】また、これらの環は、置換基を有していて
もよく、このような置換基としては、ハロゲン基、アル
キル基、アルコキシ基、ニトロ基等がある。
【0033】R11、R12で表されるN側鎖は、通常アル
キル基または置換基を有するアルキル基であり、その炭
素数は1〜5であることが好ましく、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等がある。置換基としてはハ
ロゲン基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基等の
エーテル基、エステル基等が挙げられる。Lはトリメチ
ン鎖を表し、メチル基等の置換基を有していてもよい。
【0034】特に、インドレニン系トリメチンシアニン
色素イオンが好ましい。
【0035】このようなシアニン色素イオンの具体例を
以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0036】
【化6】
【0037】
【化7】
【0038】
【化8】
【0039】
【化9】
【0040】
【化10】
【0041】
【化11】
【0042】
【化12】
【0043】本発明のアゾ金属錯塩の具体例は前記のア
ゾ金属錯イオンとシアニン色素カチオンとの任意の組合
せであってよく、例えば実施例使用のものがある。
【0044】本発明に用いるアゾ金属錯塩の原料となる
アゾ化合物(配位子)は、例えば、古川, Anal. Chim.
Acta, 140, 289(1982)等の記載を参照して合成すること
ができる。
【0045】化合物の同定は、マススペクトル、 1H−
核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトル、元素分析
等によって行うことができる。
【0046】また、アゾ金属錯体の化合物は、上記のア
ゾ化合物と金属化合物とを水系溶媒(例えば水−アルコ
ール系)中で反応させることによって得ることができ
る。金属化合物としては塩化物(例えば塩化コバルト、
塩化ニッケル等)や錯化合物(アセチルアセトン錯体
等)などが一般に用いられる。錯形成反応は90℃程度
の温度で10時間程度行えばよく、通常結晶が得られ
る。なお、対イオンをシアニン色素イオン等の所定の対
イオンにするためには金属錯体を合成後、適宜塩交換を
行う。
【0047】同定は、元素分析、可視紫外吸収スペクト
ル、蛍光X線分析等によって行うことができる。
【0048】本発明の色素化合物の融点(mp)は10
0〜300℃であり、λmax(50nm厚の色素薄膜で
測定)は短波長用で590〜625nmの範囲にあり、6
35nmまたは650nmでの複素屈折率の実部nが2.1
0〜2.7、虚部kが0.20以下である。
【0049】本発明の色素化合物は、1種のみを用いて
も2種以上を併用してもよい。
【0050】これらの化合物は、耐光性に優れ、有機溶
媒に対する溶解性が十分であり、光記録媒体の基板材料
として汎用されているポリカーボネート樹脂(PC)を
侵すことがない塗布溶媒に対する溶解度が大きくなる。
【0051】このような記録層は、色素含有塗布液を用
いて設層することが好ましい。特に、回転する基板上に
塗布液を展開塗布するスピンコート法によることが好ま
しい。このほか、グラビア塗布、スプレコート、ディッ
ピングなどによってもよい。このとき用いられる塗布溶
媒については後述する。
【0052】上記のようなスピンコートの後、必要に応
じて塗膜を乾燥させる。このようにして形成される記録
層の厚さは、目的とする反射率などに応じて適宜設定さ
れるものであるが、通常、500〜3000Å(50〜
300nm)である。
【0053】なお、塗布液における色素含有量は、好ま
しくは0.05〜10wt% とするのがよい。本発明アゾ
系金属錯体の色素は溶解性が良好であるので、このよう
な含有量の塗布液を容易に調製することができる。具体
的にいえば、本発明のアゾ系金属錯体の色素は主に極性
溶媒に良好な溶解性を示し、アルコールやセロソルブ系
ないしアルコキシアルコール系、ジアセトンアルコール
などのケトアルコール、シクロヘキサノンなどのケト
ン、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなど
のフッ素化アルコールなどに0.5〜10wt% 溶解す
る。特にポリカーボネート製ディスクに塗布する際に好
適な塗布溶媒である、エチルセロソルブや2,2,3,
3−テトラフルオロプロパノールに4wt% 以上溶解し、
短時間に良質なスピンコート膜を成膜することが可能で
ある。したがって、このような塗布溶媒を用いればよ
い。
【0054】塗布液には適宜バインダー、分散剤、安定
剤などを含有させてもよい。
【0055】また、本発明の光記録媒体の記録層には色
素化合物のほか、他の種類の光吸収色素を含有させても
よい。このような色素としては、やはり毒性の低いもの
を選択することが好ましく、このような制約下で、シア
ニン系色素、上記とは別種の金属錯体色素、ローダミン
系色素、トリフェニルメタン系色素、スチリル系色素、
ポリフィリン系色素、上記とは別種のアゾ色素などが挙
げられる。
【0056】したがって、このような場合には、塗布液
中にこのような色素を含有させて記録層を塗設すればよ
い。
【0057】図1に追記型デジタルビデオディスク(D
VD−R)の構成例を図1に示す。図1は部分断面図で
ある。
【0058】基板12、22は、ディスク状のものであ
り、基板12、22の裏面側からの記録および再生を可
能とするために、記録光および再生光(波長630〜6
90nm程度、なかでも波長635〜680nm程度のレー
ザー光)に対し、実質的に透明(好ましくは透過率88
%以上)な樹脂あるいはガラスを用いて形成するのがよ
い。また、大きさは、直径64〜200mm程度、厚さ
0.6mm程度のものとする。
【0059】記録層13、23形成面には、図1に示す
ように、トラッキング用のグルーブ123、223が形
成される。グルーブ123、223は、スパイラル状の
連続型グルーブであることが好ましく、深さは0.1〜
0.25μm 、幅は0.20〜0.40μm 、グルーブ
ピッチは0.7〜0.8μm であることが好ましい。グ
ルーブをこのような溝成とすることにより、グルーブの
反射レベルを下げることなく、良好なトラッキング信号
を得ることができる。
【0060】基板12、22は、材質的には、樹脂を用
いることが好ましく、ポリカーボネート樹脂、アクリル
樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂、TPX樹脂、
ポリスチレン系樹脂等の各種熱可塑性樹脂が好適であ
る。そして、このような樹脂を用いて射出成形等の公知
の方法に従って製造することができる。グルーブ12
3、223は、基板12、22の成形時に形成すること
が好ましい。なお、基板12、22製造後に2P法等に
よりグルーブを有する樹脂層を形成してもよい。また、
場合によってはガラス基板を用いてもよい。
【0061】図1に示されるように、記録層13、23
は、前記の色素含有塗布液を用い、前記のように、好ま
しくはスピンコート法により形成されたものである。ス
ピンコートは通常の条件に従い、内周から外周にかけ
て、回転数を500〜5000rpmの間で調整するなど
して行えばよい。
【0062】このようにして形成される記録層13、2
3の厚さは、乾燥膜厚で、500〜3000Å(50〜
300nm)とすることが好ましい。
【0063】図1に示されるように、記録層13、23
上には、直接密着して反射層14、24が設層される。
反射層14、24としては、Au、Cu、Al、Ag、
AgCu等の高反射率金属ないし合金を用いるのがよ
い。特に、好ましくはAu,Agが良い。反射層14、
24の厚さは500Å(50nm)以上であることが好ま
しく、蒸着、スパッタ等により設層すればよい。また、
厚さの上限に特に制限はないが、コスト、生産作業時間
等を考慮すると、1200Å(120nm)程度以下であ
ることが好ましい。
【0064】図1に示されるように、反射層14、24
上には、保護膜15、25が設層される。保護膜15、
25は、例えば紫外線硬化樹脂等の各種樹脂材質から、
通常は、0.5〜100μm 程度の厚さに設層すればよ
い。保護膜15、25は、層状であってもシート状であ
ってもよい。保護膜15、25は、スピンンコート、グ
ラビア塗布、スプレーコート、ディッピング等の通常の
方法により形成すればよい。50は接着剤層であり、上
記のような構造を持つ2枚のディスクを貼り合わせてあ
る。接着剤は熱硬化性樹脂などを用いればよく、接着剤
層50の厚さは、10〜200μm 程度である。また、
このような貼り合わせ構造をとる場合には、片方のディ
スクが記録層を持たない場合もある。
【0065】このような構成の光記録ディスク10に記
録ないし追記を行うには、例えば635nmの記録光を、
基板12を通してパルス状に照射し、照射部の光反射率
を変化させる。なお、記録光を照射すると、記録層13
が光を吸収して発熱し、同時に基板12も加熱される。
この結果。基板12と記録層13との界面近傍におい
て、色素等の記録層材質の融解や分解が生じ、記録層1
3と基板12との界面に圧力が加わり、グルーブの底面
や側壁を変形させることがある。
【0066】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。 実施例1 表1に示すようなアゾ金属錯塩について毒性試験を行
い、635nmにおける複素屈折率の実部nおよび虚部k
を求めた。突然変異原性試験については前記のエームズ
テストに従って行い、陰性である場合を○、陽性である
場合を×とした。一方、経口毒性試験についてはオス、
メス各5匹のラットに最大2000mg/kgの色素を投与
することにより、その影響を見た。この試験で影響がな
い時を>2000mg/kgと表している。それより少量で
影響が出た場合には、通常の方法でLD50を算出してそ
の結果を載せた。
【0067】また、nおよびkは、色素膜の厚さは70
nmとし、前記のようにして求めたものである。結果を表
1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】この結果から、本発明の色素化合物は突然
変異原性試験、経口毒性試験でも毒性がないことがわか
る。また、n値も十分に高く、k値も0.20以下であ
る。
【0070】実施例2 色素化合物1を記録層用の色素として光記録ディスクを
作製した。まず、プリグルーブ(深さ0.18μm 、幅
0.27μm 、グルーブピッチ0.74μm )を有する
直径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート樹脂基
板上に、スピンコート法により色素を含有する記録層を
1100Å(110nm)の厚さに形成した。この場合の
塗布液として、0.8wt% の2,2,3,3−テトラフ
ルオロプロパノール溶液を用いた。次に、この記録層に
Ag反射層を850Å(85nm)の厚さにスパッタ法に
より形成し、さらに紫外線硬化型のアクリル樹脂の透明
な保護膜(膜厚5μm )を形成した。同様にして形成し
たディスク2枚の保護膜を内側にして接着剤で貼り付け
てディスクを作製した(図1参照)。
【0071】これをサンプルNo.101とする。
【0072】また、サンプルNo.101において、記録
層用の色素として、化合物1のかわりに化合物2,3,
4,5,6,7,8,9,10をそれぞれ用いるほかは
同様にしてサンプルを作製した。これらのサンプルをサ
ンプルNo.102〜110とする。
【0073】このようにして作製したサンプルNo.10
1〜110に対し、レーザー光635nmを使用して緑速
3.5m/sで信号を記録し、次にこのディスクを線速
3.5m/sの650nmレーザー光で再生し、特性を評価
した。なお、レンズ孔径NA=0.60の条件とした。
特性は反射率、変調度(Mod.)、ジッター(Jitter)に
ついて評価した。これらのサンプルは、反射率が45〜
60%、変調度60〜70%、ジッターも6.5〜8%
であり、良好な値を示した。
【0074】さらに、上記のサンプルNo.101〜11
0について耐光性を調べた。耐光性は8万ルックスのキ
セノンランプ(島津社製キセノンフェードメーター)を
40時間照射した後の、ディスクのジッターを測定する
ことによって調べた。いずれのサンプルについてもジッ
ターは変化しなかった。
【0075】また、80℃80%RHの条件下で100
時間の信頼性試験を行ったが、ジッター、反射率、変調
度に劣化はなかった。
【0076】これに対し、比較用の色素化合物R−4
[錯イオンC−20とシアニン色素イオンB−11との
塩形成色素:C−20;式(Ia)において、X1=X2
=5−NO2、R1=R2=R3=R4=C511、M=C
o]は、毒性の点では問題はなかったが、これを用いて
上記と同様にして光記録ディスク(サンプルNo.20
1)を作製し、同様に評価したところ、色素のnが低
く、十分な変調度が得られなかった。また、比較用の色
素化合物R−5[錯イオンC−1のNa+塩]は、LD5
0<1000mg/kgで、本発明のものに比べて毒性の点が
やや劣っている色素を用いて上記と同様にして光記録デ
ィスク(サンプルNo.202)を作製し、同様に評価し
たところ、水溶性が高く、80℃80%RH信頼性試験
では、ジッター、反射率、変調度が大きく劣化し、再生
が不可能になった。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、変異原性試験、経口毒
性試験で毒性がないアゾ金属錯塩を光吸収色素として用
い、耐光性、信頼性、記録感度と反射率と変調度のバラ
ンスに優れ、記録感度が高くジッターが小さいなどの特
性の光記録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録ディスクの一例を示す部分断面
図である。
【符号の説明】
10 光記録ディスク 12、22 基板 123、223 グルーブ 13、23 記録層 14、24 反射層 15、25 保護膜 50 接着層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録光および/または再生光の波長域に
    おける複素屈折率の虚部kが0.20以下で、かつ下記
    式(I)で表されるアゾ金属錯塩を含有する記録層を有
    する光記録媒体。 【化1】 [式(I)において、R1、R2、R3およびR4はそれぞ
    れ炭素数1以上のアルキル基を表す。R1、R2、R3
    よびR4の炭素数の合計をA、R1およびR2の炭素数の
    合計をA1、ならびにR3およびR4の炭素数の合計をA2
    としたとき、次の関係を満たす。 6≦A≦18(ただし、A1およびA2のうちの少なくと
    も一方は2とはならない。) Mはコバルトまたはニッケルを表す。X1およびX2はそ
    れぞれニトロ基またはハロゲン基を表す。k1およびk2
    はそれぞれ0〜4の整数である。Z+はテトラアルキル
    アンモニウムイオンまたはシアニン色素イオンを表
    す。]
  2. 【請求項2】 式(I)中のZ+がインドレニン系トリ
    メチンシアニン色素イオンである請求項1の光記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 式(I)で表されるアゾ金属錯塩が、突
    然変異原性を示さず、かつ急性毒性の低い物質である請
    求項1または2の光記録媒体。
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