JP2000188410A - 光起電力素子の製造方法 - Google Patents

光起電力素子の製造方法

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JP2000188410A
JP2000188410A JP10365912A JP36591298A JP2000188410A JP 2000188410 A JP2000188410 A JP 2000188410A JP 10365912 A JP10365912 A JP 10365912A JP 36591298 A JP36591298 A JP 36591298A JP 2000188410 A JP2000188410 A JP 2000188410A
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photovoltaic element
photovoltaic device
layer
photovoltaic
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Yukie Ueno
雪絵 上野
Tsutomu Murakami
勉 村上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大面積にわたる光起電力素子のピンホール等
の欠陥部の存在に起因する漏れ電流を減少させ、低照度
における起電圧特性に優れた光起電力素子の製造方法を
提供する。 【解決手段】 基板上に少なくとも第一の電極層、半導
体層、第二の電極層が形成された光起電力素子を電解液
中に浸漬し、電界の作用で該光起電力素子の欠陥による
短絡電流通路を除去する工程を有する光起電力素子の製
造方法において、前記光起電力素子の欠陥部における前
記第二の電極層を電解液中で還元する還元工程と、前記
還元工程で生じた前記第二の電極層に含まれる還元物質
を電解質溶液で洗浄することにより取り除く除去工程と
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光起電力素子の製造
方法に関するものであり、より詳しくは、欠陥による短
絡電流通路を除去し、特性の優れた光起電力素子を製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、太陽電池などの光起電力素子の大
面積化に伴い、大面積にわたってアモルファスシリコン
等の半導体層を成膜した多層構成の光起電力素子の開発
が進められている。また、大面積の光起電力素子を製造
するためにロールツーロール等の連続工程法等が着目さ
れている。
【0003】しかしながら、大面積にわたって欠陥のな
い多層構成の光起電力素子を作製することは困難であ
る。例えば、アモルファスシリコン等の薄膜を多数積層
した光起電力素子においては、半導体層の成膜時にダス
トの影響などによりピンホールや欠陥が生じ、シャント
やショートの原因となり易く、これらのシャントやショ
ートは光起電力素子の特性を著しく低下させることが知
られている。シャントやショートが生じると、該特性の
中でも起電圧特性の低下が著しいことが分かっている。
【0004】ピンホールや欠陥ができる原因と影響につ
いてさらに詳しく述べる。例えばステンレス基板上に堆
積したアモルファスシリコン太陽電池の場合、基板表面
は完全に平滑な面とは言えず、傷やへこみ、あるいはス
パイク状の突起が存在する。また、基板上に光を散乱す
ることを目的でステンレス基板上に凹凸のある電極層
(バックリフレクター)を設けたりする。そのため、
p,n層のように数100Åの厚みの薄膜の半導体層が
このような表面を完全にカバーできないことが欠陥やピ
ーンホールが生じる一つの大きな原因となっている。ま
た、前述したように成膜時の微小なダストなどが原因と
なってピンホールが生じることがある。
【0005】このように、太陽電池の第一の電極(下部
電極)と第二の電極(上部電極)との間の半導体層がピ
ンホールにより失われてしまい、第一の電極と第二の電
極とが直接接触したり、基板のスパイク状欠陥が第二の
電極と接触したり、半導体層が完全に失われていないま
でも低抵抗なシャントまたはショートとなっている場合
には、光によって発生した電流が第二の電極を平行に流
れてシャント部またはショート部の低抵抗部分に流れ込
むこととなり、発生した電流を損失することが起こる。
このような電流損失があると太陽電池の開放電圧すなわ
ち電圧特性が著しく低下し、その現象は低照度の下では
より顕著になり、あらゆる天候条件でも発電が要求され
る太陽電池にとっては深刻な問題となる。
【0006】以上のようにショートが生じている場合に
は、ショート部の低抵抗部分に流れ込むことによる発生
した電流の損失を小さくするような対策を講じることが
求められる。このような対策としては、欠陥部やピンホ
ールを直接に除去するか、もしくは、ショート部周辺の
部材を除去するか絶縁化することにより電流損失を小さ
くする、もしくはなくすことが知られている。
【0007】具体的には、米国特許4,166,918
号明細書には、大面積太陽電池の電気的短絡部の欠陥部
を除去する方法として、降伏電圧以下の十分高い逆バイ
アス電圧を用いて太陽電池の欠陥部を焼き取る方法が記
載されている。しかし、かかる方法では太陽電池に高い
逆バイアス電圧を印加するため、欠陥部を焼き切る際に
欠陥部以外の正常部にダメージを与える可能性があり、
その制御が困難であるという問題がある。
【0008】また、特公昭62−59901号公報には
半導体装置のピンホールをレーザーにより埋設する方法
が開示されている。しかし、かかる方法においてはピン
ホールにレーザーの焦点を合わせるために特別なアプリ
ケーションを必要とする。更に、レーザーにより他の正
常部にダメージを与える可能性がある。
【0009】更には、特公昭62−4869号公報には
光起電力素子の非晶質膜を貫通して生じるピンホールに
絶縁物を充填する方法が開示されている。しかし、かか
る方法は感光性絶縁物を塗布した後に、透光性基板を介
して光照射をすることにより選択的にピンホールに絶縁
物を充填する方法であり、不透明の導電性基板を用いる
場合には適用できず、応用範囲も限られていた。
【0010】また、米国特許4,729,970号明細
書には透明導電性膜を含む電気デバイスのショート欠陥
部に変換試薬を接触し、欠陥付近の導電膜を高抵抗化す
ることにより電極と電気的に絶縁する方法が開示されて
いる。具体的な方法としてはルイス酸(より具体的には
両性元素の塩)を中に包含する試薬、詳しくはAlCl
3,ZnCl2等の塩化物を含む試薬を用いて処理を行う
ことが記載されているが、このようなハロゲン化物を用
いて処理を行う場合、多層膜構成の光起電力素子中にA
lなどの両性金属が用いられていると該両性金属を著し
く侵食してしまうため、処理中に剥離などの副作用の問
題が生じていた。また、第二の電極層の還元工程に伴う
金属粒の析出等に起因する外観不良、電気特性の低下等
の問題が生じていた。
【0011】更には、米国特許5,084,400号明
細書には金属基板に堆積した光起電力素子のショート欠
陥部を、H2SO4など酸溶液中で電圧を印加して欠陥付
近の導電膜の高抵抗化することにより、電極と電気的に
絶縁する方法が開示されている。たしかに、かかる方法
においてはH2SO4などの硫酸基を含む酸を用いること
により前記剥れの問題は改善されたが、長期的に使用し
ていると液の酸性分が濃縮され安定な反応ができるよう
制御することが困難であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は以上の
ような課題を克服して、大面積にわたる光起電力素子の
ピンホール等の欠陥部の存在に起因する漏れ電流を減少
させ、低照度における起電圧特性に優れた光起電力素子
の製造方法を提供することである。更には、量産性が高
く、信頼性の高い光起電力素子の製造方法を提供するこ
とである。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、基板
上に少なくとも第一の電極層、半導体層、第二の電極層
が形成された光起電力素子を電解液中に浸漬し、電界の
作用で該光起電力素子の欠陥による短絡電流通路を除去
する工程を有する光起電力素子の製造方法において、前
記光起電力素子の欠陥部における前記第二の電極層を電
解液中で還元する還元工程と、前記還元工程で生じた前
記第二の電極層に含まれる還元物質を電解質溶液で洗浄
することにより取り除く除去工程とを有することを特徴
とする光起電力素子の製造方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上述した目的を達
成するために、光起電力素子の中に存在するピンホール
等の欠陥部からの漏れ電流を減少させ、更に金属粒の析
出などの副作用を生じずに長期的に安定な処理が行なえ
る光起電力素子の製造方法について鋭意検討した結果、
以下に述べる知見を得た。
【0015】すなわち、光起電力素子を電解液中に浸漬
し、電界の作用で該光起電力素子の欠陥による短絡電流
通路を除去する際に、前記第二の電極層を還元溶解し、
さらに前記還元工程で生じた前記第二の電極層に含まれ
る還元物質を取り除くことにより、欠陥周辺部などの反
応途中の電極層を溶解してピンホール等の欠陥部付近の
第二の電極層の電気抵抗を局所的に増加させ、漏れ電流
の発生を防ぎ、さらに金属の析出等に起因する外観不良
を最小限に抑えるものである。その結果、光起電力素子
の特性、特に光起電力素子の低照度における起電圧特性
が向上し、かつ外観不良を最小限に防ぐことができるこ
とを見いだした。
【0016】還元工程で発生する還元物質と、その還元
物質を電解質溶液による洗浄により取り除くことについ
て更に詳述すると、前述したように、半導体層に欠陥が
ある場合欠陥部の前記第二の電極層を電解処理し還元溶
解することによって周辺部と絶縁化し、他の部分で発生
した電流が欠陥部に流れ込むのを防ぐ。
【0017】しかし、欠陥部の前記第二の電極層を還元
溶解をする際に、欠陥の程度の差や局所的な抵抗の差か
ら欠陥がない部分でも第二の電極層に還元が起きる電流
が流れる部分が発生し還元溶解が生じるため、欠陥部周
辺等で前記第二の電極層に含まれる金属等の析出が発生
し、電極層の変色に伴う外観不良や金属粒の導通による
電気特性の低下等の問題が生じる。これを解決するため
には、欠陥部の前記第二の電極層を電解処理する際に光
起電力素子表面に析出した前記第二の電極層に含まれる
還元物質を、光起電力素子表面から電解液中に安定に取
り込み光起電力素子の表面から除去することが有効であ
る。
【0018】具体的には、析出した還元物質の光起電力
素子からの除去は、電解質溶液を光起電力素子表面に供
給して、還元物質と電解質溶液の溶質に含まれるイオン
とで複塩や錯塩を形成し、電解質溶液中に安定に取り込
むことにより達成される。この際、電解質溶液を高温加
熱することにより、電解質溶液の溶質の解離度があが
り、還元物質を取り込むためのイオンの数が増え、さら
に還元物質との反応も促進される。このことにより、欠
陥部の前記第二の電極を電解処理する際に発生する前記
第二の電極層に含まれる金属は除去され、外観不良を最
小限に抑え、かつ、低照度における起電圧特性の回復を
得ることが可能となる。
【0019】本発明はこれらの知見に基づいて完成され
たものであり、本発明の光起電力素子の製造方法は、基
板上に少なくとも第一の電極層、半導体層、第二の電極
層が形成された光起電力素子を電解液中に浸漬し、電界
の作用で該光起電力素子の欠陥による短絡電流通路を除
去する工程を有する光起電力素子の製造方法において、
前記光起電力素子の欠陥部における前記第二の電極層を
電解液中で還元する還元工程と、前記還元工程で生じた
前記第二の電極層に含まれる還元物質を電解質溶液で洗
浄することにより取り除く除去工程とを有することを特
徴とする。
【0020】基板上に少なくとも第一の電極層、半導体
層、第二の電極層が形成された光起電力素子を電解液中
に浸漬し、電界の作用で該光起電力素子の欠陥による短
絡電流通路を除去する工程を有する光起電力素子の製造
方法において、前記光起電力素子の欠陥部における前記
第二の電極層を電解液中で還元する還元工程と、前記還
元工程で生じた前記第二の電極層に含まれる還元物質を
電解質溶液で洗浄することにより取り除く除去工程とを
有するようにした。その結果、第二の電極層の還元過程
で生じる前記第二の電極層部分に含まれる還元物質の析
出等に起因する外観不良を無くすことができ、かつ、低
照度における起電圧特性の回復を得ることが可能とな
る。
【0021】また、前記還元工程で生じる還元物質が第
二の電極に含まれる金属からなることにより、酸性溶液
等で簡単に溶液中に取り込むことができる。
【0022】さらに、前記還元工程で使用する電解液
を、前記除去工程で電解質溶液として使用することによ
り、電解質溶液の調合が一度で済み、作業を効率的に行
うことができる。
【0023】また、前記除去工程が、前記光起電力素子
表面への連続的な前記電解質溶液の噴射によりなされる
ことにより、常に新しい電解質溶液が光起電力素子表面
に供給され、欠陥部の反応が平衡状態になって反応が停
止することなく、第二の電極層に含まれる還元物質を完
全に除去することができる。
【0024】さらに、前記除去工程が、前記光起電力素
子の前記電解質溶液への浸漬によりなされることによ
り、前記光起電力素子表面全体に電解質溶液がいきわた
り、確実に第二の電極層に含まれる還元物質を除去する
ことができる。
【0025】また、前記除去工程で使用する電解質溶液
を、20℃〜60℃に加熱することにより、還元物質を
溶液中に取り込む反応が促進され短時間で処理を行うこ
とができ、かつ、装置に負担をあたえずに反応を行うこ
とができる。
【0026】さらに、積層する第二の電極層の種類によ
り、電解質を選択できるため、製造条件に合った電解液
を得ることができる。
【0027】また、前記還元工程で使用する電解液の水
素イオン濃度を1.0×10-3.0〜1.0×10-1.0
ol/lに調整することにより、第二の電極層に含まれ
る金属を電解液中に取り込みやずく、かつ、第一の電極
層の剥がれが起きずに起電圧特性の良好な光起電力素子
の製造を安定して行うことができる。
【0028】さらに、光起電力素子にバイアスを印加す
ることにより電界を発生させるため、電界条件を多様に
選択出来る。
【0029】また、前記バイアスを光起電力素子に対し
順方向に印加することにより、光起電力素子の正常部に
悪影響を与えることなく処理することができる。
【0030】さらに、光起電力素子に光を照射すること
により該光起電力素子本体の起電圧により電界を発生さ
せることにより、光起電力素子に無理な電界がかから
ず、しかも欠陥部へ確実に電界の作用がおよび、特性が
回復できる。
【0031】また、基板を導電性基板とすることによ
り、電解処理の際に電極の取り出し等が容易にでき、処
理が簡便に行なえる。
【0032】さらに、第一の電極層を少なくとも1種類
の金属層を含む複数の層とすることにより、光入射の際
に反射の効果を増加させ、特性の良好な光起電力素子を
製造することができる。
【0033】また、半導体層をアモルファス半導体とす
ることにより、ロールツーロールによる大面積による光
起電力素子が製造できる。
【0034】さらに、第二の電極層が金属酸化物からな
ることにより、還元反応を第二の電極層に半導体層より
優先的に起こさせることができ、欠陥部の電気的短絡が
排除できる。
【0035】以下、図面を用いて本発明の実施態様例を
説明する。
【0036】まず、本発明により製造される光起電力素
子について説明する。
【0037】図1は本発明により製造される光起電力素
子の一例を示す模式図であり、図1(a)は断面図、図
1(b)は平面図である。
【0038】図1はアモルファスシリコン半導体層を有
する光起電力素子100を示し、光起電力素子100は
入射する光の吸収に反応して電流の流れを発生する複数
のpin接合103、113及び123から構成される
半導体層110を有する。101は太陽電池本体を支持
する基板、102は第一の電極層、104は透明導電膜
からなる第二の電極層、105は集電電極として用いら
れるグリッド電極、106は光起電力素子中に存在する
ピンホール等の欠陥部、107は還元除去された高抵抗
部、108はプラス電極(プラスタブ)、109はマイ
ナス電極(マイナスタブ)を示す。
【0039】図1に基板と反対側から光入射するアモル
ファスシリコン系光起電力素子を示す。本発明はこのよ
うな光起電力素子の製造に関して使用可能であるが、本
発明はこのような特定の構造もしくは形状の光起電力素
子の製造方法に限定されるものではない。
【0040】(基板101)基板101としては、アモ
ルファスシリコン等からなる多層薄膜を積層した構成に
よる光起電力素子の場合の半導体層110を機械的に支
持する基板であり、また同時に電極として用いられる場
合もある。
【0041】基板101は、例えばステンレス基板や、
錫金属箔等の金属部材、ガラスや合成高分子樹脂の上の
少なくとも一部分に導電性膜を堆積したもの等の導電性
の基板が好ましい。
【0042】(第一の電極層102)第一の電極層10
2は、半導体層110が発生した電力を取り出すための
一方の電極であり、半導体層110に対してはオーミッ
クコンタクトとなる仕事関数を持つことが要求される。
第一の電極層は光の乱反射を起こさせるためにテクスチ
ャー化して起電流特性を向上させることが好ましい。
【0043】第一の電極層102の材料としては、好ま
しくはAl、Ag、Pt、ZnO、In23、ITO、
AlSi等の金属体または合金及び透明導電性酸化物
(TCO)が用いられる。第一の電極層の作製法として
はメッキ、蒸着、スパッタ等の方法が好適である。
【0044】ここで、第一の電極層102は、導電性が
高く、反射率の高い金属または金属合金よりなる金属層
を含むことが、光起電力素子の特性を向上させるために
は重要である。また、第一の電極層は、少なくとも一種
類の金属層を含む複数の層から形成されることが好まし
い。例えば、基板101上に金属層、透明導電性酸化物
層を順次積層した構成とした第一の電極層とすると、金
属層と半導体層110との界面でアロイ化し、シリーズ
抵抗を増加させるという問題がなく好ましい。
【0045】(半導体層110)半導体層110として
は、アモルファスシリコン系光起電力素子を例に挙げる
と、i型層を構成する半導体材料として、a−Si,a
−SiGe,a−SiC等のいわゆるIVB族及びIV
B族合金系アモルファス半導体が挙げられる。p型層ま
たはn型層を構成する半導体材料は、前述したi型層を
構成する半導体材料に価電子制御剤をドーピングするこ
とによって得られる。p型半導体を得るための価電子制
御剤としては第IIIB族の元素を含む化合物が用いら
れる。第IIIB族の元素としては、B,Al,Ga,
Inが挙げられる。n型半導体を得るための価電子制御
剤としては第VB族の元素を含む化合物が用いられる。
第VB族の元素としてはP,N,As,Sbが挙げられ
る。
【0046】アモルファスシリコン半導体層の成膜法と
しては、蒸着法、スパッタ法、RFプラズマ法、マイク
ロ波プラズマCVD法、ECR法、熱CVD法、LPC
VD法等の公知の方法を所望に応じて用いる。また、大
面積のものを得るためにロールツーロール法で基板を連
続的に搬送して成膜する方法が用いられる。
【0047】本発明は、分光感度や電圧の向上を目的と
して半導体接合(pin接合やpn接合)を1つだけ有
するものや2層以上積層するいわゆるタンデムセルや図
1に示したようなトリプルセルに用いることもできる。
【0048】(第二の電極層104)第二の電極層10
4は、半導体層110で発生した起電力を取り出すため
の電極であり、第一の電極層102と対をなすものであ
る。
【0049】第二の電極層104はアモルファスシリコ
ン系光起電力素子のようにシート抵抗が高い半導体を用
いた光起電力素子の場合に必要である。また、第二の電
極層104は、光入射側に位置するため透明であること
が必要で透明電極とも呼ばれる。第二の電極層104
は、太陽や蛍光灯等からの光を半導体層110内に効率
良く吸収するために光の透過率が85%以上であること
が望ましく、さらに、電気的には光で発生した電流を半
導体層110に対し横方向に流れるようにするために、
シート抵抗は100Ω/□以下であることが望ましい。
【0050】このような特性を備えた材料としてSnO
2,In23,ZnO,CdO,CdSnO4,ITO
(インジウム錫酸化物)等の金属酸化物が挙げられる。
【0051】(グリッド電極105)グリッド電極10
5は、半導体層110で発生させ、第二の電極層104
により取り出した電流を、更に集電するものである。
【0052】グリッド電極105は櫛状に形成され、第
二の電極層104のシート抵抗の大きさから好適な幅や
ピッチ等が設計決定される。グリッド電極105は比抵
抗が低く、光起電力素子の直列抵抗にならないことが要
求される。具体的なグリッド電極105の形成方法とし
ては、Ag,Ni,Al,Ti,Cr,W,Cu等の金
属を粉末にしてポリマーのバインダー、溶剤と混合しペ
ーストとし、スクリーン印刷法により形成する方法、蒸
着法により直接形成する方法、半田法、メッキ法、ま
た、前記金属をワイヤ状にして敷設する方法などが挙げ
られる。
【0053】(欠陥部106)前述したアモルファスシ
リコン系光起電力素子において、堆積される半導体層1
10は、その厚みの合計がおよそ4000Åの薄膜層で
ある。このため、上下からの突起や異物等が存在する場
合、その突起や異物を十分に堆積により覆うことは困難
となる。
【0054】例えば、基板101にステンレススチール
を用いて、その上に半導体層110を連続的に堆積する
場合、基板101表面を平滑に処理をしたとしても、突
出やくぼみ、歪みを全くなくすことは困難である。ま
た、連続成膜の搬送中に基板101裏面側から機械的な
打痕や傷が少なからず生じてしまう。このため、1μm
以上の凹凸は半導体層110への機械的ダメージが生
じ、欠陥部106の発生につながる。例えば、基板10
1表面からの突起の高さが大きいと半導体層110がそ
の突起を覆うことができず、その後に第二の電極層10
3がその突起上に直接積層されてしまい、基板101や
第一の電極層102と第二の電極層103とが直接接触
してしまいシャントやショートが生じる。また、半導体
層110の成膜時にダスト等が堆積した場合、半導体層
110の未成膜部が形成されたり、剥れが生じたりし
て、ピンホールの原因となるばかりか、第二の電極層1
03が直接に第一の電極層102や基板101上に形成
されてしまいシャントやショートが生じる。
【0055】これらの欠陥の存在は低照度における電圧
特性に影響する。すなわち、光起電力素子の光起電流は
照明が強くなると共に直線的に増加するが、その結果得
られる起電圧は指数的に増加する。すなわち、起電圧は
照度が強い場合、極端には明るさがAM−1の照明下で
は、欠陥の程度にかかわらず殆ど差がでないが、照度が
下がるにつれて欠陥のあるものとないものの差が現れ
る。この傾向は照度1000Lux以下からより顕著に
なる。このため、室内や太陽光が集まりにくい環境では
欠陥による影響を排除することが重要である。
【0056】(高抵抗部107)本発明を用いることに
より、光起電力素子100の半導体層110中の欠陥部
106の上にある第二の電極層104の一部に高抵抗部
107が形成されることによって欠陥部106への電流
経路が防がれる。この際、第二の電極層104の高抵抗
化は欠陥部106の近傍でのみ行なわれるため、第二の
電極層104の抵抗率自体は増加せず、そのため、光起
電力素子全体の直列抵抗は増加しない。
【0057】次に、本発明に係る製造方法について説明
する。
【0058】(還元工程)図2は本発明の還元工程を実
施するための装置の一例を示す模式的な断面図であり、
外部電源を用いた装置を表す。図2において、200は
光起電力素子、201は基板、202は第一の電極層、
203は最上層(図2では左側)にp層が堆積された半
導体層、204は第二の電極層、205は欠陥部、20
6は電解処理槽、207は電解液、208は対向電極、
209は電源を表している。
【0059】前述のように、本発明によれば、欠陥部2
05の上にある第二の電極層204の一部に高抵抗部が
形成されることによって欠陥部205への電流経路が防
がれるが、高抵抗部の形成は例えば第二の電極層204
の一部を還元することにより達成される。
【0060】以下、図2を用いて説明する。電解処理槽
206中の電解液207に光起電力素子200を浸漬
し、電源209のマイナス極側に接続し、対向電極20
8をプラス極側に接続する。すなわち光起電力素子20
0には順方向にバイアス電圧が印加される仕組みとな
る。この際、電極間にバイアス電圧が印加されると、電
解液207を媒体として、電流が低抵抗率である欠陥部
205を通して優先的に流れる。このとき陰極側となる
光起電力素子200側に発生期水素(活性水素)が生
じ、欠陥部205周辺、つまりは第二の電極層204の
欠陥部205の上部に相当する部分との間に化学反応が
生じる。すなわち、金属酸化物等からなる第二の電極層
204が還元されることになる。この還元反応と同時に
反応生成物の電解液への溶解が始まり、溶解した部分は
第二の電極層204が欠落した形になり、実質的には第
二の電極層204を介して横方向から欠陥部205に流
れ込む漏れ電流の経路が遮断されることになる。
【0061】また、上記の電界は電解液中で光起電力素
子に光を照射することによっても発生させることができ
る。この際、光によって光起電力素子が発生する起電圧
自体が印加バイアス電圧となる。なお照射する光の強度
によりバイアス条件をコントロールすることができる。
【0062】ここで使用する電解液207は、第二の電
極層204を電気的に溶解するものであれば特に限定さ
れないが、酸性溶液であることが好ましく、還元工程で
生じた第二の電極層204に含まれる還元物質を取り込
むためのイオンを含有することが好ましい。具体的に
は、硫酸塩、酢酸塩、しゅう酸塩、セレン酸塩よりなる
群から少なくとも1種を選択してなるものが挙げられ
る。これらの酸性溶液は、還元されて電解液中に溶け出
した還元物質を錯塩や複塩として安定に取り込む。
【0063】また、第一の電極層202の剥離を防止
し、安定して還元物質を取り込むためには、電解液20
7の水素イオン濃度が1.0×10-3〜1.0×10-1
mol/lであることが好ましい。
【0064】(除去工程)本発明によると、光起電力素
子の電解処理で生じる還元物質は、電解質溶液で洗浄処
理することによって安定して電解質溶液中に取り込まれ
る。
【0065】図2は本発明の除去工程を実施するための
装置の一例を示す模式的な断面図であり、光起電力素子
の第二の電極層表面に直接電解液を噴射する装置を表
す。図3において、300は光起電力素子、301は基
板、302は第一の電極層、303は最上層にp層が堆
積された半導体層、304は第二の電極層、305は欠
陥部の第二の電極層が除去された高抵抗部、306は還
元工程において発生した還元物質、307は洗浄処理
漕、308は電解質溶液を噴射するためのノズル、30
9は電解質溶液、310は電解質溶液循環装置、311
は電解質溶液回収皿、312は熱源(ヒーター)を表し
ている。
【0066】本発明において、光起電力素子表面に発生
した第二の電極層に含まれる還元物質の除去は、電解質
溶液を光起電力素子表面に供給して、還元物質と電解質
溶液の溶質に含まれるイオンとで複塩や錯塩を形成する
ことにより、電解質溶液中に安定に取り込むことで達成
される。
【0067】図3を用いて説明する。洗浄処理漕307
中に光起電力素子300を配置し、ノズル308から電
解質溶液309を光起電力素子表面に噴射する。光起電
力素子300の表面を常に活性な電解質溶液で満たすた
めに、電解質溶液の射出圧は1.0〜3.0kg/cm
2、射出量は1〜30リットル/minが好ましい。こ
の際、電解質溶液309が投げ込みヒーターなどの熱源
312を用いて20℃〜60℃に加熱されていると、電
解質溶液309の溶質の解離度があがり、還元物質30
6を取り込むためのイオンの数が増え、さらに還元物質
306との反応も促進され、短時間で処理を行うことが
できる。これらの反応の終点は光起電力素子300表面
の金属の析出による変色が無くなり周辺部と色の差がな
くなる点であり、色の変化で管理することができる。こ
のように、欠陥部の第二の電極層を電解処理する際に発
生する第二の電極層に含まれる還元物質306は、電解
質溶液309で光起電力素子の表面を洗浄処理すること
により除去することができ、その後水による洗浄及び乾
燥を行うことで外観不良を最小限に抑え、かつ低照度に
おける起電圧特性の回復を得ることが可能となる。
【0068】除去工程における、電解質溶液での洗浄方
法は特に限定されず、光起電力素子を電解質溶液へ浸漬
することにより行ってもよい。
【0069】また、電解質溶液としては、上述の還元工
程で使用する電解液と同様のものを使用でき、還元工程
で使用した電解液をそのまま電解質溶液として使用する
こともできる。
【0070】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳しく説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものでない。
【0071】(実施例1)本発明の光起電力素子の一実
施例として図1に示すようなpin接合型トリプル構成
の太陽電池100を作製した。
【0072】まず、ロール状のステンレス430BA基
板101上に、第一の電極層102として、スパッタリ
ング法にてAl層を1000Å、続いてZnO層を1μ
m積層した。その後、不図示のプラズマCVD成膜装置
に入れn型層、i型層、p型層の順で堆積を行いボトム
層(pin接合)103を形成した。この時i型層はa
−SiGe層とした。次にn型層、i型層、p型層の順
で堆積を行いミドル層(pin接合)113を形成し
た。i型層はボトム層と同様にa−SiGe層とした。
次にn型層、i型層、p型層の順で堆積を行いトップ層
(pin接合)123を形成した。i型層はa−Si層
とした。なお、n型層、p型層は全てa−Si層とし
た。また、ボトム層のi型層とミドル層のi型層はマイ
クロ波プラズマCVD法で形成し、その他の層はRFプ
ラズマCVD法で形成した。次に反射防止効果を兼ねた
機能を有する透明な第二の電極層104としてITOを
700Å堆積した。こうして、光起電力素子を形成し
た。
【0073】次に、31cm×31cm角にこの光起電
力素子をカットし、公知の化学エッチング法で30cm
×30cm角にサブセルパターニングした後、図2に示
す電解処理装置にセットした。光起電力素子200の裏
面側すなわち、ステンレス基板側を電源209のマイナ
ス極側と接続し、31cm角のSUS316製の対向電
極208をプラス極側に接続した。電解液207として
は硫酸アルミニウムの8水和物を電解質とした20%溶
液を用いた。その際電解液の電導度は32.0mS/c
m、水素イオン濃度は1.0×10-2.02mol/lと
した。液温は室温と同じ25.0℃とした。
【0074】電解条件は、極間距離を4.0cmとし、
印加電圧を5.0V、印加時間を0.3秒間、印加間隔
を0.1秒間として5回のパルス電圧を印加した。電解
が終了後、表面に第二の電極層に含まれる還元物質が発
生した光起電力素子300を図3に示す処理装置にセッ
トし、電解処理に用いた電解液を電解質溶液309とし
て用い、ノズル308より連続して10分噴射し表面の
変色部分を取り除いた後、水による洗浄、乾燥を行なっ
た。その後、銅ワイヤーをカーボンペーストで被覆した
電極を熱圧着装置で接着し、グリッド電極105を形成
した。銅箔を用いたプラス電極108とグリッド電極1
05を接続し、マイナス電極109を裏面のSUS基板
101に半田付けして接続して太陽電池を得た。
【0075】これらの試料の初期特性を下のように測定
した。
【0076】まず、暗状態での電圧電流特性を測定し、
原点付近の傾きからシャント抵抗を求めたところ、平均
で200kΩ・cm2でシャントは生じていなかった。
次に、蛍光灯装置を用い照度を変化させながら起電圧を
測定したところ、図4に示すような結果が得られ、照度
200Luxの下でも1.2V以上の起電圧が得られ
た。更に、AM1.5グローバルの太陽光スペクトルで
100mW/cm2の光量の疑似太陽光源(SPIRE
社製)を用いて太陽電池特性を測定し、変換効率を求め
たところ9.0%±0.2%で良好であった。更に、太
陽電池のアクティブエリアを詳細に顕微鏡で観察したと
ころ、第二の電極層から発生したと思われる金属粒は観
察されなかった。このとき、歩留まりは98%であっ
た。
【0077】更にこれらの試料を公知方法でラミネート
してモジュール化し、信頼性試験を、日本工業規格C8
917の結晶系太陽電池モジュールの環境試験法及び耐
久試験法に定められた温湿度サイクル試験A−2に基づ
いて行なった。
【0078】試料を、温湿度が制御出来る恒温恒湿器に
投入し、−40℃から+85℃(相対湿度85%)に変
化させるサイクル試験を20回繰り返し行なった。次に
試験終了後の試料を初期と同様にシミュレーターで測定
したところ、初期変換効率に対して平均で2.0%の劣
化しか生じておらず、有意な劣化は生じていなかった。
【0079】本実施例の結果から、本発明により製造さ
れた光起電力素子は歩留まりよく、特性も外観も良好
で、信頼性も優れていることが分かる。
【0080】(実施例2)除去工程を、電解質溶液への
浸漬により行ったこと以外は実施例1と同様にして図1
(b)に示すような太陽電池100を作製した。
【0081】すなわち、還元工程が終了後、表面に第二
の電極層に含まれる金属粒が発生した光起電力素子を電
解質溶液が入れられたの溶液浸漬型の処理装置にセット
し、10分間放置して表面の変色部分を取り除いた後、
で水による洗浄、乾燥を行なった。
【0082】これらの試料の初期特性を実施例1と同様
に測定したところ、照度200Luxにおける起電圧は
平均で1.20V、変換効率9.2土0.3%で良好だ
った。また、観察により還元物質と思われる析出物は観
察されなかった。
【0083】(比較例1)除去工程を行わないこと以外
は実施例1と同様にして太陽電池100を作製した。還
元工程後に洗浄、乾燥を行った直後の光起電力素子は、
第二の電極層がところどころ変色しており、粉をふいた
ようにざらついていた。
【0084】実施例1と同様にして、シャント抵抗を測
定したところ、平均で50kΩcm2でシャントぎみの
ものが幾つかあった。低照度における起電圧を測定した
ところ、図4に示したように実施例1と比較して100
0Lux以下における起電圧値が低い値となった。ま
た、変換効率は8.0%±1.6%とばらつきが大きか
った。また、顕微鏡による観察によると欠陥部周辺の第
二の電極層表面における変色部分で還元物質と見られる
金属析出物が観察された。シャント抵抗が低く、効率が
良好でないものはグリッド電極の下に金属粒が位置して
いた。しかも、欠陥がない部分でも第二の電極層が還元
する際に発生したと考えられる金属粒が観察された。
【0085】更にこれらの試料を公知方法でラミネート
してモジュール化し、実施例1と同様の信頼性試験を行
なったところ、効率で10%の低下が、また、シャント
抵抗で15%の低下が見られた。顕微鏡観察によると、
これは、電解処理時にできた金属粒が水分と、熱収縮に
より欠陥部に入り込んで導通を引き起こしたためであっ
た。
【0086】(実施例3)電解液207に酢酸アルミニ
ウムを電解質として用いたこと以外は実施例1と同様に
して図1(b)に示すような太陽電池100を作製し
た。その時の電解液207の電導度は41mS/cm、
水素イオン濃度は1.0×10-2.9mol/lとした。
【0087】電解条件は、極間距離を4.0cmとし、
印加電圧を4.5V、印加時間を0.3秒間、印加間隔
を0.1秒間とし、5回のパルス電圧で印加した。
【0088】これらの試料の初期特性を実施例1と同様
に測定したところ、照度200Luxにおける起電圧は
平均で1.21V、変換効率9.2±0.1%で良好だ
った。また、観察により還元物質と思われる析出物は観
察されなかった。
【0089】図5に、電解液の水素イオン濃度と太陽電
池の低照度(200Lux)における起電圧特性の関係
を示す。図5に示すように、第二の電極層に含まれる還
元物質の析出を防止し、しかも第一の電極層の剥がれを
防止できるため、電解液の水素イオン濃度は、1.0×
10-3.0〜1.0×10-1.0mol/lとするのが好ま
しい。
【0090】(実施例4)除去工程における電解液を5
0℃に高温加熱したこと以外は実施例1と同様にして図
1(b)に示すような太陽電池100を作製した。
【0091】これらの試料の初期特性を実施例1と同様
に測定したところ、照度200Luxにおける起電圧は
平均で1.21V、変換効率9.0±0.2%で良好だ
った。また、観察により還元物質である金属粒と思われ
る析出物等は観察されなかった。
【0092】図6に、電解質溶液の液温と太陽電池の洗
浄に必要な時間の関係を示す。図6に示すように、処理
時間が短く、しかも装置への負担も少ないため、液温2
0℃〜60℃に設定することが好ましい。
【0093】(実施例6)本実施例では電界を光照射に
より発生させたこと以外は実施例1と同様にして太陽電
池100を作製した。
【0094】すなわち、電解液が入った処理槽中に実施
例1と同様にして作製したパターニング済の光起電力素
子を光照射面(第二の電極層側)を上にしてセットし
た。メタルハライドランプからなる光照射部210から
光強度がほぼ100mW/cm2の光量の光を60秒間
照射した。その後、実施例1と同様にして、図1(b)
に示すような太陽電池を得た。
【0095】これらの試料の初期特性を実施例1と同様
に測定したところ、照度200Luxにおける起電圧は
平均で1.22V、変換効率9.0±0.2%で良好だ
った。また、観察により還元物質と思われる金属粒の析
出物等は観察されなかった。
【0096】
【発明の効果】本発明の光起電力素子の製造方法によれ
ば、金属粒の残留による外観不良や特性不良の問題がな
く、初期特性、長期信頼性に優れた光起電力素子を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造される光起電力素子の一例を
示す模式図である。
【図2】本発明の還元工程を実施するための装置の一例
を示す模式的な断面図である。
【図3】本発明の除去工程を実施するための装置の一例
を示す模式的な断面図である。
【図4】実施例1及び比較例1により製造された太陽電
池の低照度における起電圧特性を示すグラフである。
【図5】実施例4における電解液の水素イオン濃度と太
陽電池の低照度における起電圧特性の関係を示すグラフ
である。
【図6】実施例5における電解質溶液の液温と太陽電池
の洗浄に必要な時間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
100、200、300 光起電力素子(アモルファス
太陽電池) 101、201、301 基板 102、202、302 第一の電極層 103、113、123 pin接合 104、204、304 第二の電極層 105 グリッド電極 106、205 欠陥部 107、305 高抵抗部 108 プラス電極(プラスタブ) 109 マイナス電極(マイナスタブ) 110、203、303 半導体層 206 電解処理槽 207 電解液 208 対向電極 209 電源 306 還元物質 307 洗浄処理漕 308 ノズル 309 電解質溶液 310 電解質溶液循環装置 311 電解質溶液回収皿 312 熱源

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に少なくとも第一の電極層、半導
    体層、第二の電極層が形成された光起電力素子を電解液
    中に浸漬し、電界の作用で該光起電力素子の欠陥による
    短絡電流通路を除去する工程を有する光起電力素子の製
    造方法において、前記光起電力素子の欠陥部における前
    記第二の電極層を電解液中で還元する還元工程と、前記
    還元工程で生じた前記第二の電極層に含まれる還元物質
    を電解質溶液で洗浄することにより取り除く除去工程と
    を有することを特徴とする光起電力素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記還元物質が前記第二の電極層に含ま
    れる金属からなることを特徴とする請求項1に記載の光
    起電力素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記還元工程で使用する電解液を、前記
    除去工程で電解質溶液として使用することを特徴とする
    請求項1または2に記載の光起電力素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記除去工程が、前記光起電力素子表面
    への連続的な前記電解質溶液の噴射によりなされること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光起電力
    素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記除去工程が、前記光起電力素子の前
    記電解質溶液への浸漬によりなされることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の光起電力素子の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記除去工程で使用する電解質溶液を、
    20℃〜60℃に加熱することを特徴とすることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載の光起電力素子の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記還元工程で使用する電解液が、硫酸
    塩、酢酸塩、しゅう酸塩、セレン酸塩よりなる群から選
    ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1
    〜6のいずれかに記載の光起電力素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記還元工程で使用する電解液の水素イ
    オン濃度が1.0×10-3.0〜1.0×10-1.0mol
    /lであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに
    記載の光起電力素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記電界が、光起電力素子にバイアスを
    印加することにより発生する電界であることを特徴とす
    る請求項1〜8のいずれかに記載の光起電力素子の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 前記バイアスを、光起電力素子に対し
    順方向に印加することを特徴とする請求項9に記載の光
    起電力素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記電界が、光起電力素子に光を照射
    することによる該光起電力素子本体の起電圧により発生
    する電界であることを特徴とする請求項1〜10のいず
    れかに記載の光起電力素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記基板が、導電性の基板であること
    を特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の光起電
    力素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第一の電極層が、少なくとも一種
    類の金属層を含む複数の層から形成されることを特徴と
    する請求項1〜12のいずれかに記載の光起電力素子の
    製造方法。
  14. 【請求項14】 前記半導体層が、アモルファス半導体
    からなることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに
    記載の光起電力素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記第二の電極層が、金属酸化物から
    形成されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか
    に記載の光起電力素子の製造方法。
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