JP3078935B2 - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

太陽電池の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、信頼性の高い太陽電池
の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、太陽電
池のエッチング工程に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光を電気エネルギーに変換する光電
変換素子である太陽電池は、電卓、腕時計など民生機器
用の電源として広く応用されており、また、石油、石炭
などのいわゆる化石燃料の代替用電力として実用化可能
な技術として注目されている。太陽電池は半導体のpn
接合部に発生する拡散電位を利用した技術であり、シリ
コンなどの半導体が太陽光を吸収し、電子と正孔の光キ
ャリヤーが生成し、該光キャリヤーをpn接合部の拡散
電位により生じた内部電界でドリフトさせ、外部に取り
出すものである。太陽電池の製造方法は、ほぼ、半導体
素子製造に用いられる真空プロセスにより行われる。具
体的には、CZ法などの結晶成長法によりp型、あるい
はn型に価電子制御したシリコンの単結晶を作製し、該
単結晶をスライスして約300μmの厚みのシリコンウ
エハーを作る。さらに前記ウエハーの導電型と反対の導
電型となるように価電子盛業材を拡散などの適当な手段
により、異種の導電型の層を形成することでpn接合を
作るものである。
【0003】ところで、上述のように太陽電池の製造方
法は半導体製造の真空プロセスを用いるため、生産コス
トは高く既存の発電方法に比べて割高になってしまうと
いう問題がある。このような事情から太陽電池の電力用
としての実用化を進めるに当たって、低コスト化が重要
な技術的課題であり、様々な検討がなされており、コス
トの安い材料、変換効率の高い材料などの材料の探求が
行われてきたが、このような太陽電池の材料としては、
アモルファスシリコン、アモルファスシリコンゲルマニ
ウム、アモルファスSiCなどのテトラヘドラル系のア
モルファス半導体や、Cd,Cu2SなどのII−VI
族やGaAs,GaAlAsなどのIII −V族の化
合物半導体などがあげられる。とりわけ、アモルファス
半導体を用いた薄膜太陽電池は、単結晶太陽電池に比較
して大面積の膜が作製できることや、膜厚が薄くて済む
こと、任意の基板材料に堆積できることなどの長所があ
り有望視されている。
【0004】アモルファスシリコン太陽電池の構造は一
般的には、基板上に下部電極を設けその上に薄膜のp
層、i層、n層からなる半導体接合を積層し、さらに、
上部電極を設ける構造となっている。さらに、集電のた
めグリッド電極やバスバーが設けられる。また、アモル
ファスシリコンは結晶シリコンや多結晶シリコンに比較
して膜質が劣るため変換効率が低いことが問題である
が、この問題を解決するために半導体接合を2以上の直
列に積層するいわゆるタンデムセルも検討されている。
【0005】ところで、前述した太陽電池を例えば一般
家庭の電力供給用として用いる場合には約3kWの出力
が必要となり、変換効率10%の太陽電池を用いた場合
では30m2の面積となり、大面積の太陽電池が必要と
されている。しかしながら、太陽電池の製造工程上、大
面積にわたって欠陥のない太陽電池を作製することは困
難であり、例えば多結晶では粒界部分に低抵抗な部分が
生じてしまったり、アモルファスシリコンのような薄膜
太陽電池においては、半導体層の成膜時にダストの影響
などによりピンホールや欠陥が生じ、シャントやショー
トの原因となり、これらのシャントやショートは変換効
率を著しく低下させることが知られている。
【0006】例えば、米国特許第4,454,970号
公報、米国特許第4,451,970号公報、米国特許
第4,197,141号公報などに開示される方法であ
る。しかしながら、これらの方法によっても欠陥を完全
に除去することはできないし、また、欠陥除去処理の後
で発生する欠陥については効果がないことは論を待たな
い。このような欠陥が存在すると、太陽電池の性能が十
分に発揮されない。そこで、上記の欠陥除去処理工程に
加えて、太陽電池表面の透明導電性酸化物膜層を一部除
去して太陽電池表面を一定面積を持つ区画に分割し、あ
る区画に欠陥が存在しても他の区画に害が及ばないよう
にする方法が考案されている。
【0007】例えば、レーザースクライビング法や高圧
水のビームによる機械的除去法などである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方法では装置が極めて高価なものとなる。また、酸化物
膜が十分に除去されなかったり、必要以上に除去された
りするなど処理の安定性に欠ける。さらに、これらの処
理により新たに欠陥が作られて、太陽電池の性能低下を
招く場合もある。
【0009】本発明の目的は太陽電池に於ける上述した
問題を解決して、安価で量産性が良く、信頼性の高い太
陽電池の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明は、導電性基体上に、半導体層と透明導
電性酸化物膜層とがその順序で形成された太陽電池の該
透明導電性酸化物膜層の所定部分のみを電気分解により
溶解除去する工程を含む太陽電池の製造方法であって、
前記透明導電性酸化物膜層を一方の電極とし、筆状もし
くはブラシ状の対向極より電解液を該透明導電性酸化物
膜層の所定部分の表面に供給すると同時に電気分解を行
い、該酸化物膜層の所定部分のみを溶解除去することを
特徴とする。
【0011】
【作用】本発明は、太陽電池に存在する、或いは発生す
る欠陥による太陽電池の性能低下を最小に抑える方法に
ついて、本発明者らの実験により得た知見をさらに詳細
に検討を加えて完成したものであり、その骨格は、太陽
電池表面の透明導電性酸化物膜層の所定部分のみを電気
分解により溶解除去して該酸化物膜層を一定面積の小区
画に分割し、ある区画に存在する欠陥に向かって他の区
画から電流が流入しないようにすることにより、欠陥に
よる性能低下が太陽電池全体に波及することを防止し、
その結果、該太陽電池の製造時の収率の向上、実使用時
の寿命の延長、信頼性の向上などの効果がもたらされ
る。
【0012】
【実施態様例】以下に、本発明の太陽電池の製造方法の
構成例について図を用いて説明する。
【0013】まず、太陽電池の好適な構成例を図1
(A)、(B)及び図2に模式的に示す。図1(A)は
基板と反対側から光入射するアモルファスシリコン太陽
電池の断面図、図1(B)は図1(A)の太陽電池を光
入射側から見た図である。図2はガラス基板上に堆積し
たアモルファスシリコン等の薄膜の太陽電池でガラス基
板側から光入射される。図に於いて、101は基板、1
02は下部電極、103はn型半導体層、104はi
層、105はp層、106は上部電極、107はグリッ
ド電極、108はバスバー、109は電界除去された部
分を表す。
【0014】基板101はアモルファスシリコンのよう
な薄膜の太陽電池の場合の半導体層103、104、1
05を機械的に支持する部材であり、また場合によって
は電極として用いられる。前記基板101は、半導体層
103、104、105を成膜するときの加熱温度に耐
えられる耐熱性が要求されるが導電性のものでも電気絶
縁性のものでも良く、導電性の材料としては、具体的に
はFe,Ni,Cr,Al,Mo,Au,Nb,Ta,
V,Ti,Pt,Pb,Ti等の金属またはこれらの合
金、例えば黄銅、ステンレス鋼等の薄膜及びその複合体
やカーボンシート、亜鉛メッキ鋼板等があげられ、電気
絶縁性材料としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポ
リカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレ
ン、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ等の耐熱性合成
樹脂のフィルムまたはシートまたはこれらとガラスファ
イバー、カーボンファイバー、ホウ素ファイバー、金属
繊維等との複合体、及びこれらの金属の薄板、樹脂シー
ト等の表面に異種材質の金属薄膜及び/またはSi
2,Si34,Al23,AlN等の絶縁性薄膜をス
パッタ法、蒸着法、鍍金法等により表面コーティング処
理を行ったもの、及びガラス、セラミックスなどが挙げ
られる。
【0015】下部電極102は、半導体層103、10
4、105で発生した電力を取り出すための一方の電極
であり、半導体層103に対してはオーミックコンタク
トとなるような仕事関数を持つことが要求される。材料
としては、Al,Ag,Pt,Au,Ni,Ti,M
o,W,Fe,V,Cr,Cr,Cu,ステンレス、黄
銅ニクロム、SnO2,In23,ZnO,ITO等の
いわゆる金属単体または合金、および透明導電性酸化物
(TCO)等が用いられる。前記下部電極102の表面
は平滑であることが好ましいが、光の乱反射を起こさせ
る場合にはテクスチャー化しても良い。また、基板10
1が導電性であるときは前記下部電極102は特に設け
る必要はない。
【0016】太陽電池の半導体層としては、pin接合
非結晶質シリコン、CuInSe2/CdSなどの化合
物半導体が挙げられる。アモルファス シリコン太陽電
池に於いてi層104を構成する半導体材料としては、
a−Si:H,a−Si:F,a−Si:H:F,a−
SiGe:H,a−SiGe:F,a−SiGe:H:
F,a−SiC:H,a−SiC:F,a−SiC:
H:F等のいわゆるIV族及びIV族合金系アモルファ
ス半導体が挙げられる。
【0017】本発明の太陽電池の製造方法に於いては、
分光感度や電圧の向上を目的として半導体接合を2以上
積層するいわゆるタンデムセルにも用いることができ
る。
【0018】上部電極106は、半導体層103、10
4、105で発生した起電力を取り出すための電極であ
り、前記下部電極と対をなすものである。このような上
部電極はアモルファスシリコンのようにシート抵抗が高
い半導体の場合必要であり、結晶系の太陽電池では、シ
ート抵抗が低いため特に必要としない。また、上部電極
は光入射側に位置するため、透明であることが必要で、
透明電極とも呼ばれる。
【0019】前記上部電極106は、太陽や白色蛍光灯
等からの光を半導体層内に効率よく吸収させるために光
の透過率が85%以上であることが望ましく、さらに、
電気的には、光で発生した電流を半導体層に対し横方向
に流れるようにするためシート抵抗値は、100Ω/□
以下であることが望ましい。このような特性を備えた材
料としてSnO2,In23,ZnO,CdO,CdS
nO4,ITO(In23+SnO2)などの金属酸化物
が挙げられる。
【0020】電気分解は前記上部電極106を溶解除去
するために用いられる。電解液としては非水溶液、水溶
液のいずれもが使用できるが、取扱の容易さ、安全性、
安価であることから、水溶液を使用することが好まし
い。
【0021】電解質としては、電解液になったときに前
記上部電極106を容易に化学溶解しないものが好まし
い。また、前記半導体層を化学的にも電気化学的にも容
易には溶解しないものが好ましい。さらに、前記上部電
極106を陰極として電気分解する場合でも電解液の正
の金属イオンが電解析出しないように当該正イオンの酸
化還元電位である標準電極電位が負であり、かつ、該標
準電極電位の絶対値が水素過電圧よりも大である電解液
が好ましい。このような性質をもった電解質として硫酸
アンモニウムのような酸アンモニウム塩、アルカリ金属
及びアルカリ土類金属の水溶性塩類、塩化アルミなどで
ある。また、酢酸、シュウ酸、プロピオン酸などの有機
酸及びその水溶性塩類が挙げられる。
【0022】以上のような多種類の電解質の中から、太
陽電池の極性、透明導電性酸化物の電気化学的性質、溶
解速度、線幅などの条件を総合的に検討して最適なもの
を選択する。
【0023】次に、グリッド電極107は半導体層10
3、104、105で発生した起電力を取り出すための
電極であり集電電極と呼ばれる。前記グリッド電極10
7は半導体層105あるいは上部電極106のシート抵
抗の大きさから好適な配置が決定されるが、ほぼ串状に
形成され、光の入射をできるだけ妨げないように設計さ
れる。グリッド電極は比抵抗が低く太陽電池の直列抵抗
とならないことが要求され、所望の比抵抗としては10
-2Ωcm〜10-5Ωcmであり、グリッド電極の材料と
しては、Ti,Cr,Mo,W,Al,Ag,Ni,C
u,Sn等の金属材料及びAg,Pt,Cu等の金属や
Cまたはこれらの合金の粉末にポリマーノバインダー、
バインダーの溶剤を適度な比率で混合し、ペースト状と
したいわゆる導電性ペーストが挙げられる。
【0024】本発明において用いられるバスバー108
は、グリッド電極107を流れる電流をさらに一端に集
めるための電極である。電極材料としてはAg,Pt,
Cu等の金属やCまたはこれらの合金からなるものを用
いることができ、形態としては、ワイヤー状、箔状のも
のを張り付けたり、前記グリッド電極107と同様の導
電性ペーストを用いても良い。箔状のものとしては例え
ば銅箔や、或いは銅箔にスズメッキしたもので、場合に
よっては接着剤付きのものが用いられる。
【0025】以上のように作製された太陽電池は、屋外
使用の際、耐候性を良くし機械的強度を保つために公知
の方法でエンカプシュレーションをしてモジュール化さ
れる。エンカプシュレーション用材料の具体例として
は、接着層については、太陽電池との接着性、耐候性、
緩衝効果の点からEVA(エチレンビニルアセテート)
が好適に用いられる。また、さらに耐湿性や耐傷性を向
上させるために、表面保護層としてはフッ素系の樹脂が
積層される。フッ素系の樹脂としては、例えば4フッ化
エチレンの重合体TFE(デュポン製 テフロンな
ど)、4フッ化エチレンとエチレンの共重合体ETFE
(デュポン製 テフゼルなど)、ポリフッ化ビニル(デ
ュポン製 テドラーなど)、ポリクロロフルオロエチレ
ンCTFE(ダイキン工業製 ネオフロン)等が挙げら
れる。またこれらの樹脂に紫外線吸収剤を加えることで
耐候性を向上させても良い。これらの樹脂を太陽電池基
板と積層する方法としては例えば真空ラミネーターのよ
うな市販の装置を用いて、真空中で加熱圧着する方法が
挙げられる。
【0026】本発明の太陽電池の製造方法に於いては、
半導体層(n層、i層、p層)及び下部電極、上部電
極、グリッド電極、バスバー等の形成方法は大略公知の
方法により作製される。
【0027】半導体層の成膜法としては、蒸着法、スパ
ッタ法、高周波プラズマ法、マイクロ波プラズマCVD
法、ECR法、熱CVD法、LPCVD法等公知の方法
を所望に応じて用いる。半導体層は、例えば非晶質シリ
コンの場合、シランガスなどのプラズマCVDにより、
多結晶シリコンの場合、溶解シリコンのシート化によ
り、CuInSe2/CdSの場合、電子ビーム蒸着、
スパッタリング、電解液の電気分解による析出などの方
法で形成される。工業的に採用されている方法として
は、原料ガスをプラズマで分解し、基体状に堆積させる
プラズマCVD法が好んで用いられる。また、反応装置
としては、バッチ式の装置や連続成膜装置などが所望に
応じて使用できる。価電子制御された半導体を作製する
場合は、リン、ボロンなどを構成原子として含むP
3,B26ガスなどを同時に分解することにより行わ
れる。
【0028】本発明の太陽電池の製造方法に於いて好適
に用いられるp層またはn層を構成する半導体材料とし
ては、前述したi層を構成する半導体材料に価電子制御
剤をドーピングすることによって得られる。周期律表第
IV族堆積膜を得る場合、p型半導体を得るための価電
子制御剤としては、周期律表第III族の元素を含む化
合物が用いられる。第III族の元素としては、B,A
l,Ga,Inがあげられる。
【0029】n型半導体を得るための価電子制御剤とし
ては、周期律表第V族の元素を含む化合物が用いられ
る。第V族の元素としては、P,N,As,Sbが挙げ
られる。
【0030】下部電極はメッキ、蒸着、スパッタ等の方
法を用いる。上部電極の作製方法としては、抵抗加熱蒸
着法、電子ビーム加熱蒸着法、スパッタリング法、スプ
レー法等を用いることができ所望に応じて適宜選択され
る。
【0031】(電気分解) 透明導電性酸化物膜層を電気分解により溶解する工程
は、太陽電池表面の該酸化物膜層を電解液を介して対向
電極と相対させ、前記太陽電池と前記対向電極との間に
電圧を印加して該酸化物膜層を溶解することにより行わ
れる。前記太陽電池から端子を取り出す場合には導電性
基板あるいは下部電極から取り出せば良い。該酸化物膜
層の所定部分のみを電解溶出させる方法の一例を図2と
図3を用いて説明する。
【0032】図2(A)、(C)は基体と反対側から光
入射するアモルファスシリコン太陽電池の断面図であ
り、図2(B)、(D)は、図2(A)、(C)それぞ
れの太陽電池を光入射側から見た図である。201は基
体、202は下部電極、203はn層204はi層、2
05はp層、206は該酸化物膜層からなる上部電極、
207はマスクで市販のポリエチレンまたはポリプロピ
レンのマスキングフィルムである。208は上部電極の
電解溶出部である。
【0033】図2(A)、(B)のように電解溶出させ
る部分を除いて上部電極をマスクした太陽電池を図3の
電解層301に浸漬する。302は電解液、303は対
向極、304は基体、305は半導体層、306は上部
電極、307はマスク、308はリード線、309は電
源である。電気分解を効率的に行うために、電解液の電
気抵抗を十分に低くする必要がある。0.05〜1.0
S/cm程度に設定することが好ましい。
【0034】対向電極の材質としては、電解液中で腐食
されないことが要求され、耐食性のある白金、炭素、ニ
ッケル、ステンレスなどが好適に用いられる。
【0035】また、対向電極の面積は、前記太陽電池の
面積に近い大きさにすることが均一な溶解を行うために
必要であり、いわゆる極比としては、前記太陽電池面積
と前記対向電極面積との比は1/2から2/1の範囲で
あることが好ましい。また、前記太陽電池と前記対向電
極との極間距離は溶解の均一性を保つために重要な因子
であるが、電解液の電導度や印加する電圧などの諸条件
により好適な範囲があり一般的には10mmから100
mmが望ましい。電気分解による溶解を能率よく行わせ
るために、基板などの導電性部分を電解液中にさらすこ
とは好ましくなくこのため、前記太陽電池の光入射側の
裏面となる導電性基板表面を、プラスチックフィルムや
ゴム磁石などの絶縁性被覆材で覆うことが望ましい。
【0036】電解は、定電圧法でも定電流法でも行うこ
とが出来るが、例えば、定電圧法では、前記太陽電池に
印加する電圧は、ネルンストの式で定義される電極電位
から計算される水素発生電位以上の電圧、具体的には、
水の理諭分解電圧に過電圧を加えた値である2V以上の
電圧が必要である。さらに、電解液の電導度や太陽電池
に印加する電圧の極性が逆バイアスである場合と順バイ
アスである場合とでは好ましい印加電圧の範囲は異なる
ためそれぞれの太陽電池の構成、面積など種々の点から
好適な電圧範囲が決定されるが、およそ2Vから50V
の範囲である。
【0037】また、印加した電圧の一部は太陽電池にも
印加されることになるため、前記太陽電池に対して逆バ
イアスとなるような極性の場合には、前記太陽電池がブ
レークダウンしない範囲の電圧でなければならない。
【0038】定電流法による電気分解に於いては、良好
な溶解反応を起こさせるために電解液に露出している部
分の電流密度は、好ましくは0.1から10A/dm2
の範囲である。上記の定電圧法、定電流法の何れの方法
に於いても電着の終点の決定の仕方としては、時間によ
る方法が好ましい。所定部分の上部電極が十分に溶出し
た後でも引き続き電流は流れるので、場合によっては半
導体層やマスクの下の上部電極までが一部溶解すること
がある。このような過剰の反応を避けるために、あらか
じめ適切な電解時間を定めておく必要がある。電解処理
後、前記太陽電池を電解槽301より取り出し、純水で
洗浄、乾燥しマスクを剥離する。
【0039】以上の説明に於いては太陽電池はシート状
であり、電解プロセスは枚葉処理であったが、必要に応
じてロールツーロールで行うことも可能である。ロール
ツーロール処理に適する装置を図8に示す。この図に於
ける好ましい実施態様例としては、太陽電池はステンレ
ス基板状に堆積されたnip型アモルファスシリコーン
であり、光入射側にITOの上部電極が形成されてい
る。前記太陽電池807は送り出しロール801から送
り出され導電性ローラー808を経て電着槽803に浸
漬され806を対向極として電気分解される。洗浄槽8
04、乾燥炉805を通過した後、巻き取りロール80
2に巻き取られる。電着槽に浸漬する前に不図示のプラ
スチックフィルムロールから太陽電池表面マスク用のフ
ィルムが送り出されて前記太陽電池表面と張り合わせら
れる。電解が完了した後は再び剥離され洗浄乾燥後巻き
取られる。太陽電池の基板と接する導電性ローラー80
8と電解槽内に設置された対向電極806の間に電圧が
印加される。
【0040】以上の方法は太陽電池全体を電解液に浸漬
して電解処理するものであるが、一方、対向極から必要
な電解液を上部電極の所定の部分にだけ供給すると同時
に電解を行い、前記図2、3に示した方法と同様な効果
をもたらす方法がある。この方法を図4に図示する。
【0041】図4(A)は該対向極が筆状のものの断面
図、図4(B)は図4(A)の対向極を用いて透明導電
性酸化物膜からなる上部電極を電解した模式図である。
401はリード線、402は電気絶縁性のプラスチック
ホルダー、403は綿状のアクリル繊維などからなる電
解液保持体、404は電極、405は穂である。また、
406は太陽電池、407は筆状電極、408は電源、
409は電解により除去された該上部電極の部分であ
る。
【0042】電気分解のための電圧は電極404と太陽
電池406の間に穂405を介して印加される。該穂の
材質としては、市販の毛筆、絵筆などの穂が使われる。
電極404の材質としては電解質に不活性な、白金、チ
タン、黒鉛などが用いられる。電解液保持体403及び
穂405に、該穂より電解液が滴下しない程度に十分に
電解液を含ませた後に、該上部電極表面上に穂先を接触
させて必要な電解除去線幅が得られる程度に穂先を押し
当てる。電圧を印加すると共に筆状電極407を水平方
向に移動することにより、該電極407の穂先から電解
液を該上部電極表面の所定の部分に塗布し、かつ同時に
該上部電極である透明導電性酸化物膜層の電解溶出が行
われる。電解は定電圧法、定電流法のいずれでも行える
が、該穂405の内部に形成される多数の毛細管中の電
解液を介して電流が流れるために抵抗が高くなり、極間
電圧が10V以上になる。また該極間電圧も電解処理の
進行につれて変動しやすいので、電解反応を安定して行
わせるには定電流法が好ましい。印加電流は、電解溶出
線幅が1mm前後の場合で0.1〜2mAの範囲が好ま
しい。印加電流を増すと処理速度は早くなるが、極間電
圧が高くなり対向電極の穂405が発熱したり、太陽電
池406の電解処理面でのガス発生が激しく起こるの
で、適当な電流範囲に調整する必要がある。電解処理後
に純水で洗浄し乾燥する。
【0043】前記筆状電極407と同様の原理を用いて
ブラシ状の電極を用いることができる。この方法を図4
(C)、(D)に図示する。図4(C)で409はブラ
シ保持治具、410はブラシ電極の柄でプラスチックな
どの電気絶縁性材料でできている。411はホルダー、
412は電極でいずれも白金、ニッケル、ステンレスな
どが用いられる。413はブラシの毛で前記筆状電極の
穂と同様の材料、414はリード線である。図4(D)
は前記ブラシ状電極を用いて透明導電性酸化物膜からな
る上部電極を電解した模式図である。406は前記太陽
電池、408は電源、409はブラシ保持治具、415
はブラシ電極、416は電解により除去された該上部電
極の部分である。電気分解のための電圧は前記筆状電極
407と同じく電極412と太陽電池406の間にブラ
シの毛413を介して印加される。前記筆状電極よりも
広い面積で前記表面電極に接触できるので印加電流値を
増加でき、処理速度も早くなる。電解処理後は純水で洗
浄し乾燥する。
【0044】上記と同様の原理を用いて対向極の先端が
細管状である電極を用いることができる。この方法を図
5に示す。図5(A)は該細管状電極の断面図である。
501は電極で白金、ニッケル、ステンレスなどを用い
る。502は電解液ホルダーで、503は電解液、50
4はガラスやセラミックスのような電気絶縁性の細管で
ある。図5(B)は図4(A)の細管状電極を用いて透
明導電性酸化物膜からなる上部電極を電解した模式図で
ある。501は電極、506は前記太陽電池、507は
電源、508はリード線、510は前記電極と前記リー
ド線の接続部である509は電解により除去された前記
上部電極の部分である。
【0045】電気分解のための電圧は電極501と太陽
電池506との間に細管内の電解液を介して印加され
る。電解により形成される509の線幅は細管504の
外径によってきめることができる。この電極505は前
記電極407や415が直線状の電解溶出線を形成する
のに適しているのに対し、線幅の安定した曲線を形成す
ることもできる。電解処理後は純水で洗浄し乾燥する。
【0046】前記と同様の原理を用いて対向極がスポン
ジ状である電極を用いることができる。この方法を図6
に示す。図6(A)は該スポンジ状電極の概念図であ
る。601は電極で、白金、ニッケル、黒鉛、ステンレ
スなどを用いる。602はスポンジで、ウレタン、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ブチルゴムなどの連泡タイ
プのもので該スポンジの気泡の中に電解液を保持する。
603は前記上部電極と接する部分で、この部分の形状
と寸法で電解により形成される線幅が決まる。図6
(B)は図6(A)の該スポンジ状電極を用いて透明導
電性酸化物膜からなる上部電極を電解した模式図であ
る。604は前記太陽電池、605は該スポンジ状電
極、606はリード線、607は電源、608は電解に
より除去された前記上部電極の部分である。電気分解の
ための電圧は電極601と前記太陽電池604との間に
スポンジ内の気泡中の電解液を介して印可される。図6
の方法は電解液を安定して保持できる。また電解処理に
より形成される線幅が2mm以上である場合に適する。
【0047】前記と同様の原理を用いて対向極がフェル
ト状である電極を用いることができる。この方法を図7
に示す。図7(A)は該フェルト状電極の断面図で、7
01は電極リード線、702は電解液ホルダーでプラス
チックのような電気絶縁性のものである。703は電解
液保持体でアクリル繊維などからなる綿状のものであ
る。704はフェルトである。図7(B)は図7(A)
の該フェルト状電極を用いて透明導電性酸化物膜からな
る上部電極を電解した模式図である。701は電極リー
ド線、706は該フェルト状電極、707は前記太陽電
池、708はリード線、709は電源である。電気分解
のための電圧は電極701と前記太陽電池との間にフェ
ルト内の毛細管に保持された電解液を介して印加され
る。図7の方法は比較的印加電圧が高くなるので、図示
したような大型の電極を作り、短時間で広い範囲を処理
するのに適している。
【0048】
【実施例】以下、実施例及び参考例により、本発明の太
陽電池の製造方法を更に詳しく説明するが、本発明は、
実施例により限定されるものではない。
【0049】(参考例1) 図1(A)に示す層構成の太陽電池を以下のようにして
作成した。まず、十分に脱脂、洗浄を行ったSUS43
0BA製基体(30cm×30cm,厚み0.2mm)
101を不図示のDCスパッタ装置に入れCrを200
nm堆積し、下部電極102を形成した。基体101を
取り出し、不図示のRFプラズマCVD成膜装置に入れ
n層103、i層104、p層105の順で堆積を行っ
た。その後、不図示の抵抗加熱の蒸着装置に入れて、I
nとSnの合金を抵抗加熱により蒸着し、反射防止効果
を兼ねた機能を有する透明な上部電極106を70nm
堆積し、太陽電池を作成した。次に、太陽電池の表面2
06をプラスチック製のマスキングフィルムで覆い、所
定の部分だけが電解されるようにして図3の電解槽に浸
漬した。対向電極303として、極比が1:1となるよ
うに30cm×30cmの大きさのSUS304ステン
レス板を用いた。電解液はAlCl3の2mol水溶液
を用いた。基体304をマイナス極として3.1Aの電
流で定電流電解を10秒間行った。その後、太陽電池を
電解槽から引き上げ、純水で十分に洗浄を行い、付着し
た電解液を洗い流し、50℃のオーブンに投入し、30
分放置して水分を乾燥させた。次に前記太陽電池をオー
ブンから取り出し、不図示のスクリーン印刷機に設置
し、幅100μm、長さ6cmのグリッド電極107を
間隔1cmで印刷した。このとき導電性ペーストは、A
gフィラー70部、ポリエステルバインダー30部(体
積比)、溶剤として酢酸エチルを20部含む組成のもの
を用いた。印刷後、基板101をオーブンに入れて15
0℃で30分間保持し、導電性ペーストをキュアした。
【0050】さらに、幅5mmの接着剤付き銅箔のバス
バー108を図1(B)に示すように接着し30cm角
のシングルセルを作製した。同様の方法で試料を10枚
作製した。
【0051】次に、これら試料のエンカプシュレーショ
ンを以下のように行った。基板101の上下にEVAを
積層し、さらにその上下にフッ素樹脂フィルムETFE
(エチレンテトラフルオロエチレン)(デュポン製 製
品名テフゼル)を積層した後、真空ラミネーターに投入
して150℃で60分間保持し、真空ラミネーションを
行った。得られた試料をNo.1−1からNo.1−1
0とした。
【0052】得られた試料の初期特性を以下のようにし
て測定した。
【0053】まず、試料の暗状態での電圧電流特性を測
定し、原点付近の傾きからシャント抵抗を求めたところ
500kΩcm2〜300kΩcm2と良好な特性であ
り、ばらつきが少なかった。次に、AM1.5グローバ
ルの太陽光スペクトルで100mW/cm2の光量の疑
似太陽光源(以下シミュレータと呼ぶ)を用いて太陽電
池特性を測定し、変換効率を求めたところ6.5%±
0.5%と良好な特性でありばらつきも少なかった。
【0054】これらの試料の信頼性試験を、日本工業規
格C8917の結晶系太陽電池モジュールの環境試験方
法及び耐久試験方法に定められた温湿度サイクル試験A
−2に基づいて行った。まず、試料を温湿度が制御でき
る恒温恒湿器に投入し、−40℃から+85℃(相対湿
度85%)に変化させるサイクル試験を10回繰り返し
行った。
【0055】次に、試験終了後の試料を初期と同様にシ
ミュレータを用い太陽電池特性を測定したところ、初期
変換効率に対して平均で98%であり有意な劣化は生じ
なかった。また、シャント抵抗を測定したところ約10
%の滅少で有意な劣化はなかった。本参考例の太陽電池
は歩留りが良く良好な特性で有り、信頼性も良いことが
わかる。
【0056】(参考例2) 次に、比較のため参考例1と同様の構成で、高圧水のビ
ームによる前記透明導電性酸化物膜層の除去処理を行っ
た以外は、上記参考例1と同様な方法、手順により太陽
電池を作製した。高圧水の吐出圧力は3000kg/c
2、該酸化物膜層に対し45°の角度でビームを当て
たところ、1mm±0.2mmの線幅で該酸化物膜層の
除去が行われた。その後、前記高圧水ビーム処理を行っ
たサンプルの一部を切り取り、該酸化物膜層の表面を走
査型電子顕微鏡で観察したところ、図1の106が剥離
した部分、105から102まで剥離した部分、101
も一部削られている部分などが混在し、かなり不均一な
剥離状態であった。
【0057】得られた試料の初期特性を参考例1と同様
の手順で測定したところ、変換効率は3.62%、シャ
ント抵抗は4.5kΩcm2であり、参考例1に比較し
てシャント抵抗が低く、このため変換効率が低かった。
この試料のシャント部分を以下のようにして確認した。
まず、試料に1.5ボルトの逆バイアスを印加し、シャ
ント部分には電流が流れ発熱するが正常な部分は逆バイ
アスなので電流が流れず発熱しない。この状態で試料表
面を赤外線のカメラで観察したところ発熱部分が観察さ
れ高圧水ビーム処理を行った部分でシャントしているこ
とがわかった。
【0058】(実施例1) 次に図4(A)の筆状電極を用いて上部電極106の剥
離を行う以外は、上記参考例1と同様な方法、手順によ
り図1の構成の太陽電池を作製した。その作成順序を以
下に示す。
【0059】図1(A)の106まで堆積した太陽電池
を作成した後に図4(B)の方法に従って電解処理し
た。電解液は硫酸アンモニウムの15重量%水溶液、定
電流電解で電極407はマイナス側、印加電流は2m
A、電極407の水平方向の移動速度は180cm/分
である。電解処理後に純水で十分に洗浄、乾燥後グリッ
ド電極107、バスバー108を取り付けエンカプシュ
レーションした。得られた10個の試料をNo.2−1
からNo.2−10とした。
【0060】前記電極407で処理された該上部電極1
06の処理部109を前記参考例2と同様に、走査型電
子顕微鏡で観察したところ、該電極407のみが均一に
除去されていることがわかった。
【0061】得られた試料の初期特性は、変換効率6.
8%±0.5%、シャント抵抗は450〜300kΩc
2であった。
【0062】次にこの試料の信頼性試験を参考例1と同
様に評価した。
【0063】温湿度サイクル試験終了後の試料の太陽電
池特性を測定したところ初期値に対し97%であり劣化
は生じなかった。また、シャント抵抗を測定したところ
約10%の滅少でほとんど変化していなかった。
【0064】本実施例の結果から本発明の太陽電池製造
方法で作製した本発明の太陽電池は歩留りが良く、良好
な特性であり耐久性も良いことがわかる。
【0065】(参考例3) 次に図6(A)のスポンジ状電極を用いて上部電極10
6の剥離を行う以外は、前記参考例1と同様な方法、手
順により図1の構成の太陽電池を作成した。その作成順
序を以下に示す。
【0066】図1(A)の106まで堆積した太陽電池
を作成した後に図6(B)の方法に従って電解処理し
た。電解液は硫酸ナトリウムの1mol水溶液、定電流
電解で電極605はプラス側、印加電流は9mA、電極
605の水平方向の移動速度は120cm/分である。
電解処理後に十分に洗浄、乾燥後グリッド電極107、
バスバー108を取り付けエンカプシュレーションし
た。
【0067】得られた10個の試料をNo.3−1から
No.3−10とした。実施例1と同様に、走査型電子
顕微鏡による観察では、該電極407のみが均一に除去
されていることがわかった。得られた試料の初期特性
は、変換効率6.5%±0.5%、シャント抵抗は50
0〜300kΩcm2であった。
【0068】次にこの試料の信頼性試験を参考例1と同
様に評価したところ、温湿度サイクル試験では劣化は認
められず、歩留り、耐久性共に良好であることがわかっ
た。
【0069】(参考例4) 次に図7(A)の構成のフェルト状電極を用いて上部電
極106の剥離を行う以外は、上記参考例と同様な方
法、手順により図1の構成の太陽電池を作成した。その
作成順序を以下に示す。
【0070】図1(A)の106まで堆積した太陽電池
を作成した後に図7(B)の方法に従って電解処理し
た。電解液は酢酸カリウムの1.5mol水溶液、定電
流電解で電極706はプラス側、印加電流は60mA、
電極706は水平移動せずに上方より太陽電池707の
表面に軽く押し当てられるだけである。電解時間は3秒
で、電解処理後は純水で洗浄、乾燥する。グリッド電極
107、バスバー108を取り付けエンカプシュレーシ
ョンした。得られた試料10個をNo.4−1からN
o.4−10とした。実施例1と同様に走査型電子顕微
鏡による観察では、前記電極407のみが均一に除去さ
れていることがわかった。
【0071】得られた試料の初期特性は変換効率6.5
%±0.5%、シャント抵抗は400〜250kΩcm
2であった。次いで、この試料の信頼性試験を参考例1
と同様に評価したところ、温湿度サイクルによる劣化は
認められなかったので、本参考例の太陽電池は歩留りが
良く、良好な特性であり耐久性も良いことがわかった。
【0072】(参考例5) 次に図4(C)のブラシ状電極を用いて上部電極106
の剥離を行う以外は、上記参考例1と同様な方法、手順
により図1の構成の太陽電池を作製した。その作成順序
を以下に示す。
【0073】図1(A)の106まで堆積した太陽電池
を作成した後に図4(C)の方法に従って電解処理し
た。電解液は塩化マグネシウムの1mol水溶液、定電
流電解で電極415はプラス側、印加電流は3.2m
A、電極425の水平方向の移動速度は100cm/分
である。電解処理後に純水で十分に洗浄、乾燥後グリッ
ド電極107、バスバー108を取り付けエンカプシュ
レーションした。得られた10個の試料をNo.5−1
からNo.5−10とした。
【0074】前記電極415で処理された該上部電極1
06の処理部109を前記参考例2と同様に、走査型電
子顕微鏡で観察したところ、該電極407のみが均一に
除去されていることがわかった。
【0075】得られた試料の初期特性は、変換効率6.
3%±0.5%、シャント抵抗は500〜300kΩc
2であった。
【0076】次にこの試料の信頼性試験を参考例1と同
様に評価した。
【0077】温湿度サイクル試験終了後の試料の太陽電
池特性を測定したところ初期値に対し98%であり劣化
は生じなかった。また、シャント抵抗を測定したところ
約10%の減少でほとんど変化していなかった。
【0078】本参考例の太陽電池製造方法で作製した太
陽電池は歩留りが良く、良好な特性であり耐久性も良い
ことがわかる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、安価で単純な装置を用
いて、透明導電性酸化物膜の所定部分のみが電気分解に
より安定して除去されることにより、シャント抵抗が高
く、高光電変換効率、高信頼性の太陽電池を提供するこ
とが可能となる。また、歩留りも高く、安価な太陽電池
の製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】太陽電池の構成を模式的に示す図である。
【図2】マスクを用いた電解法の模式図である。
【図3】電解処理装置の概略構成図である。
【図4】本発明による筆状及びブラシ状電極の模式図で
ある。
【図5】先端が細管状である電極の模式図である。
【図6】スポンジ状の電極の模式図である。
【図7】フェルト状の電極の模式図である。
【図8】ロールツーロール法での電解処理に適する装置
の概略図である。
【符号の説明】
101,201,304 基体、102,202 下部
電極、103,203 n層、104,204 i層、
105,205 p層、106,206,306 上部
電極、107 グリッド電極、108 バスバー、10
9,208,416,509,608 電解処理により
除去された部分、207,307 マスク、301 電
解槽、302,503 電解液、303,404,41
2,501,601,705,806 対向電極、30
5 半導体層、308,401,414,508,60
6,708 リード線、309,408,507,60
7,709 電源、402,502,702 電解液ホ
ルダー、403,703 電解液保持体、405 穂、
406,506,604,707,807 太陽電池、
407 筆状電極、409 ブラシ保持治具、410
ブラシ取り付け治具、411 ブラシホルダー、413
ブラシの毛、415 ブラシ状電極、504 細管、
510 リード線との接続部、602 スポンジ、60
3 上部電極との接触部、605 スポンジ電極、70
1 電極引き出し線、704 フェルト、706 フェ
ルト電極、801 送り出しロール、802 巻き取り
ロール、804 洗浄槽、805 乾燥炉、808 導
電性ローラー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−214584(JP,A) 特開 昭63−40338(JP,A) 特開 昭64−51670(JP,A) 特開 昭57−119404(JP,A) 特開 昭48−55397(JP,A) 特開 昭52−99092(JP,A) 特開 平4−332429(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/04 H01L 31/042 H01L 21/306 H01L 21/3063 H01L 21/308

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に、半導体層と透明導電性
    酸化物膜層とがその順序で形成された太陽電池の該透明
    導電性酸化物膜層の所定部分のみを電気分解により溶解
    除去する工程を含む太陽電池の製造方法であって、 前記透明導電性酸化物膜層を一方の電極とし、筆状もし
    くはブラシ状の対向極より電解液を該透明導電性酸化物
    膜層の所定部分の表面に供給すると同時に電気分解を行
    い、該 酸化物膜層の所定部分のみを溶解除去することを
    特徴とする太陽電池の製造方法
  2. 【請求項2】 前記電気分解において、電解液が水溶液
    であることを特徴とする請求項に記載の太陽電池の製
    造方法
  3. 【請求項3】 前記電気分解において、電解質がアンモ
    ニウム塩、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩、
    塩化アルミ、有機酸の塩の中から選ばれる1種または1
    種以上の水溶性物質からなることを特徴とする請求項
    または2に記載の太陽電池の製造方法
  4. 【請求項4】 前記電気分解において、透明導電性酸化
    物膜層が陰極となり該酸化物膜層が電解還元されること
    を特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の太
    陽電池の製造方法
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