JP2000188096A - リチウム二次電池用正極ペースト組成物 - Google Patents

リチウム二次電池用正極ペースト組成物

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JP2000188096A
JP2000188096A JP10366179A JP36617998A JP2000188096A JP 2000188096 A JP2000188096 A JP 2000188096A JP 10366179 A JP10366179 A JP 10366179A JP 36617998 A JP36617998 A JP 36617998A JP 2000188096 A JP2000188096 A JP 2000188096A
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lithium
acid
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Osamu Hiruta
修 蛭田
Naruaki Okuda
匠昭 奥田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リチウム二次電池の初期放電容量が高いのみ
ならず、高温での充放電サイクル特性にも優れる正極ペ
ースト組成物を提供すること。 【解決手段】 本発明の正極ペースト組成物は、リチウ
ムを吸蔵放出可能な正極活物質と、導電性物質と、両物
質を結合するバインダ樹脂とを溶剤に分散し、全重量に
対し0.3〜5wt%の有機酸を配合している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム二次電池
用正極ペースト組成物に関し、さらに詳しくは、リチウ
ムを吸蔵放出可能な活物質を主成分とし、リチウム二次
電池の正極材料として好適な正極ペースト組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のリチウム二次電池は、高
エネルギー密度であることから、パソコン、携帯電話等
の小型化に伴い、情報関連機器、通信機器の分野では実
用化され、広く普及するに至っている。一方、資源問
題、環境問題から、自動車の分野においても電気自動
車、ハイブリッド電気自動車の開発が進められており、
これらの車両に搭載される電源にもリチウム二次電池を
採用することが検討されている。
【0003】ところでこのリチウム二次電池は、概ね、
リチウムを吸蔵放出可能な活物質を含む正極層および負
極層が集電体表面に形成されている正極および負極と、
正極と負極との間に挟装されるセパレータと、非水電解
液とから構成されている。そして電気自動車用のリチウ
ム二次電池の場合、使用される自動車内部の温度は、直
射日光下では容易に30℃を越え、特に外気温度が30
℃以上では50℃を越えることがあり、50℃以上での
高温でのサイクル特性に優れることが要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
でのリチウム二次電池は、室内で使用されることが多
く、常温である20℃でのサイクル特性に優れることが
要求されていた。そのため、50℃以上での高温では、
電池性能が著しく低下し、サイクル特性に問題があっ
た。つまり、現状の電極ペースト組成物、特に正極ペー
スト組成物を用いたリチウム二次電池では、高温でのサ
イクル特性が不十分であった。
【0005】そしてこの従来のリチウム二次電池が高温
でのサイクル特性に劣る原因としては、正極活物質にリ
チウムと遷移金属の複合酸化物が用いられているため、
高温での使用状態において、遷移金属が電解液中に溶け
出し、そのためにインターカレーション・デインターカ
レーションを繰り返すリチウムイオンが正極活物質中に
戻れなくなって電極性能を低下させるということが考え
られる。
【0006】そこで、本発明者は、正極活物質中に含ま
れる遷移金属の電解液への溶出を抑制し、遷移金属が正
極活物質中に残存するようにすれば、インターカレーシ
ョン・デインターカレーションを繰り返すリチウムイオ
ンが正極活物質に戻ることができてサイクル特性の改善
を図ることができるのではないかと考えた。
【0007】そして鋭意努力検討した結果、正極ペース
ト組成中に有機酸を配合することによって遷移金属が電
解液中に溶出することが抑制されることを見い出し、本
発明を想到するに至ったものである
【0008】本発明の解決しようとする課題は、エネル
ギー密度が高いのみならず、高温でのサイクル特性に優
れるリチウム二次電池の正極ペースト組成物を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明に係るリチウム二次電池用正極ペースト組成物
は、リチウムを吸蔵放出可能な正極活物質と、導電性物
質と、両物質を結合するバインダを溶剤に分散し、全重
量に対し、0.3〜5.0重量%の有機酸を配合してい
ることを要旨とするものである。
【0010】正極活物質としては、リチウムと遷移金属
との複合酸化物を用いることができる。具体例として
は、リチウムと遷移金属との複合酸化物ではLiCoO
、LiNiO、LiMn等が挙げられる。い
ずれを活物質として使用する場合であっても、微粒子粉
末状のものを使用するのがよく、粒子径で1〜30μm
の範囲のものを使用するのが好ましい。
【0011】導電性物質は、正極活物質に適量混合して
正極層に導電性を付与できるものであれば特に制限はな
い。例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、
黒鉛等の炭素物質粉状体のうち1種または2種以上のも
のを混合して用いることができる。また使用する電極電
位で安定な金属粉末を用いることもできる。
【0012】バインダは有機系のバインダー樹脂が一般
的に用いられる。このバインダー樹脂は、正極活物質お
よび導電性物質の粒子を繋ぎ止める役割を果たすもの
で、非水電解液等に対して安定である必要があり、耐候
性、耐薬品性、耐熱性、難燃性等が良好なことが要求さ
れる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ
化ビニリデン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂等を用いること
ができる。また、スチレンブタジエンゴムラテックス、
カルボキシ変性スチレンブタジエンゴムラテックス等の
合成ゴム系ラテックス型接着剤を用いることも可能であ
る。
【0013】溶剤は、正極活物質、導電性物質、バイン
ダー樹脂を均一に分散させる役割を果たすとともに、こ
れらを混合して得られる正極ペースト組成物の粘度を調
整する役割をも果たす。上記バインダー樹脂を溶解可能
でかつ容易に乾燥できるものであれば、適宜選択するこ
とができる。具体的には、n−メチル−2−ピロリド
ン、ジメチルフォルムアミド等が挙げられる。
【0014】そしてこれに配合される有機酸は、遷移金
属を繋ぎ止める役割を果たすもので、溶剤に可溶であれ
ば特に制限はない。例えば、酢酸、酪酸、ステアリン酸
等の有機カルボン酸、ドデシルスルフォン酸等の有機ス
ルフォン酸等が挙げられる。そして有機酸の配合割合
は、充分な高温でのサイクル特性を得るために、0.3
wt%以上とするのが望ましい。また有機酸が5.0wt%
を越えると、電池容量の低下を招く等電池性能に問題が
生じる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施例の
ついて説明する。 <正極ペースト組成物の構成および作製方法>前述のよ
うに本発明の正極ペースト組成物は、リチウムを吸蔵放
出可能な活物質と、導電性物質と、バインダー樹脂と、
有機酸と溶剤とから構成される。そしてこれを製造する
に際しては、正極活物質に、導電性物質、バインダー樹
脂、有機酸を混合し、溶剤を添加して分散させ、いわゆ
るペースト状の正極合材を作製する。
【0016】この際、正極活物質の配合割合は、作製さ
れる正極ペースト組成物の全体を100wt%とした場
合、充分な電池容量を得るために、30wt%以上とする
のが望ましい。また、導電性物質の配合割合は、充分な
導電性を得るために、2wt%以上とするのが望ましく、
バインダー樹脂の配合割合は、充分な結着性を得るため
に、2wt%以上とするのが望ましい。また、有機酸の配
合割合は、前述したように、充分な高温でのサイクル特
性を得るために、0.3wt%以上とするのが望ましい。
【0017】但し、導電性物質が20wt%を越えたり、
バインダー樹脂が10wt%を越えたり、有機酸が5wt%
を越えたりすると、電池容量の低下等の電池性能に問題
が生じる。また、溶剤の配合割合は、前記組成物を均一
に分散させたり、塗工での均一性や表面平滑性等に問題
が生じないようにするために、30wt%以上とすること
が望ましく、60wt%を越えると、粘度が低くなり、塗
工時にタレ等の問題が発生する。
【0018】正極ペースト組成物は、良好な電池性能を
確保するため、上記各成分物質が充分にかつ均一に、混
練、分散されている必要がある。したがって、混練分散
工程は、回転する羽根を有する攪拌器、ボールミル、媒
体攪拌ミル等を用いて行うのが望ましい。
【0019】<正極の作製方法>リチウム二次電池の正
極は、上記のように調整、作製された正極ペースト組成
物を集電体表面に塗工し、正極層を形成させることによ
って行われる。塗工される基材となる集電体には、アル
ミニウム等の金属箔が用いられる。塗工に用いられる装
置としては、帯状の集電体に連続して電極ペースト組成
物を塗布乾燥できるコーター方式の塗工機を用いるのが
便利である。
【0020】塗工機の塗布部には、塗布する組成物が比
較的高粘度であることから、コンマコート、スクィーズ
コート、ダイコート、リップコート等の塗布方式を採用
するのが好ましい。正極ペースト組成物の塗布厚さは、
50〜500μmの間で任意のものとすることができ
る。
【0021】塗工機の乾燥部は、コーター方式の場合連
続炉であって、乾燥には、熱風、赤外線等種々のものが
採用できる。乾燥温度は、80℃以上であることが好ま
しい。80℃未満の場合は、乾燥が不充分となり、正極
層内に溶剤が残留する可能性があり、電池性能を低下さ
せるおそれがあるからである。ただし、あまり乾燥温度
を上げすぎると表面のみ乾燥が進行し、均一な乾燥がで
きないことが予想されるため、注意を要する。なお、電
極層の密度を高めるため、乾燥後にプレスを行うこと
も、電池のエネルギー密度を高めるのに効果的である。
【0022】<リチウム二次電池の構造>上記のように
作製した電極を用いたリチウム二次電池について説明す
る。リチウム二次電池は一般に、正極と、負極と、正極
と負極との間に挟装されるセパレータと、非水電解液と
から構成される。以下に、上述した正極を除いた構成要
素について順に説明する。
【0023】負極は、金属リチウム、リチウム化合物、
リチウム合金等を使用できるが、充放電の繰り返しに伴
うデンドライトの析出という問題があるため、これらに
代え、リチウムを吸蔵放出可能な粉末状の炭素材料を負
極活物質とするのが良い。炭素材料を負極活物質とする
場合、負極は、この炭素材料にバインダー樹脂を混合
し、必要に応じて適当な溶剤を加えて、負極ペースト組
成物としたものを、正極同様、銅箔製等の負極集電体表
面に塗布、乾燥し、負極層を形成させて作製する。
【0024】負極活物質として用いることのできる炭素
材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス、カーボ
ンブラック、気相成長炭素、炭素繊維、有機高分子系化
合物を炭素化した材料、またはこれらを熱処理、混合し
た材料等が挙げることができる。負極の製作にあたって
は、負極活物質を結着させるバインダー樹脂、溶剤、負
極ペースト組成物の混練分散、塗布乾燥方法等について
は、正極と同様のものを、または同様の方法を用いるこ
とができる。
【0025】正極と負極との間に挟装されるセパレータ
は、正極と負極とを分離し、電解液を保持してリチウム
イオンを通過させる機能を有するものである。このセパ
レータには、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔質
フィルム、不織布または織布等を用いることができる。
セパレータの厚さが10〜200μm程度とすることが
好ましい。
【0026】非水電解液には、上記正極活物質および負
極活物質に対して安定であり、かつリチウムイオンがこ
の正極活物質および負極活物質と電気化学反応をするた
めの移動を行い得る非水物質であれば、いずれも使用す
ることができる。通常は、電解質であるリチウム塩を有
機溶媒に溶解させて用いる。電解質に使用できる塩は、
具体的には、LiPF、LiA、LiSb
、LiBF、LiClO、LiI、LiBr、
LiCl、LiAlCl、LiHF、LiSCN、L
iSOCF等が挙げられる。これらのうちで特に、
LiPF、LiBF、LiClOが好適である。
【0027】この電解質を溶解する溶媒は任意に選択で
きるが、比較的高誘電率の有機溶媒が好適なものとして
用いられる。例えば、エチレンカーボネート、プロピレ
ンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカー
ボネート、エチルメチルカーボネート等の非環状カーボ
ネート類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒド
ロフラン等のグライム類、γ−ブチルラクトン等のラク
トン類、スルフォラン等の硫黄化合物、アセトニトリル
等のニトリル類等の1種または2種以上の溶媒が挙げら
れる。これらのうちで特に、エチレンカーボネート、プ
ロピレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチ
ルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の非環状
カーボネート類から選ばれた1種または2種以上の混合
溶媒が好適なものとして用いられる。
【0028】また、上記非水電解液に代えて固体電解質
として、上記非水電解液を例えばポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンオキサイ
ドのイソシアネート架橋体、フェニレンオキシド、フェ
ニレンスルフィド系ポリマー等の重合体に含浸させた有
機固体電解質、LiN、LiBCl、LiSiO
、LiBO等のリチウムガラスの無機固体電解質
を使用することもできる。
【0029】以上のように構成されるリチウム二次電池
の形状としては円筒型、箱型、ペーパー型、カード型
等、種々のものとすることができる。いずれの形状を採
る場合であっても、正極および負極にセパレータを挟装
させ電極体とし、正極集電体および負極集電体から外部
に通ずる正極端子および負極端子までの集電用リード等
を用いて接続し、この電極体を非水電解液とともに電池
ケースに密閉して、リチウム二次電池を完成させる。
【0030】上記の実施形態に基づいて、実施例とし
て、実際に正極ペースト組成物を作製した。また、これ
とは別に、本発明で規定した範囲外にある正極ペースト
組成物を、比較例として作製した。この実施例および比
較例の正極ペースト組成物を用いて正極を作製し、実際
に円筒セル型のリチウム電池を作製した。そして、高温
でのサイクル特性および電池容量を比較して、本発明の
正極ペースト組成物が有効なものであることを確かめ
た。以下に、実施例および比較例の正極ペースト組成
物、電池の製作、及び実験データの比較結果について順
に説明する。
【0031】<実施例1>上記した本発明の実施形態に
基づくこの実施例1の正極ペースト組成物は、リチウム
系正極活物質としてニッケル酸リチウムを、導電性物質
としてアセチレンブラックを、バインダー樹脂としてポ
リフッ化ビニリデン樹脂(以下、PVDFと略す)を、
有機酸として酢酸を、溶剤としてn−メチル−2−ピロ
リドン(以下、「NMP」と略す)をそれぞれ用いた。
正極ペースト組成物におけるそれぞれの配合割合は、ニ
ッケル酸リチウム55.1wt%、アセチレンブラックが
3.2wt%、PVDF3.2wt%、酢酸0.5wt%、N
MP38.0wt%とした。
【0032】正極ペースト組成物の混練分散は、分散機
(ウルトラビスコミル:アイメックス製)を用いた。本
分散機は、容量が2.0リットルで、攪拌ディスクが5枚あ
り、直径2mmのジルコニアビーズが1.4リットル投入さ
れている。攪拌ディスクを回転速度1000rpmで回
転させ、200ml/分で正極ペースト組成物を連続処
理して混練分散し、正極ペーストとした。
【0033】<実施例2>上記した本発明は実施形態に
基づくこの実施例2の正極ペースト組成物は、有機酸と
してステアリン酸を用いた以外は、実施例1と各成分材
料、作製条件は同じであって、各成分の配合割合は、ニ
ッケル酸リチウム52.9wt%、アセチレンブラック
3.1wt%、PVDF3.1wt%、ステアリン酸3.1
wt%、NMP37.8wt%とした。
【0034】<比較例1>有機酸を配合しない以外は実
施例1と各成分材料、作製条件は同じであって、各成分
の配合割合は、ニッケル酸リチウム55.5wt%、アセ
チレンブラック3.3wt%、PVDF3.3wt%、NM
P37.9wt%とした。
【0035】<比較例2>有機酸の配合割合以外は実施
例2と各成分材料、作製条件が同一であって、各成分材
料の配合割合は、ニッケル酸リチウム50.3wt%、ア
セチレンブラック2.9wt%、PVDF2.9wt%、ス
テアリン酸5.8wt%、NMPが38.1wt%とした。
【0036】こうして作製された正極ペーストを厚さ2
0μmのアルミ箔上にコンマコーターを用いて片面塗布
後、80℃で5分間乾燥し、乾燥後同様に裏面について
も塗布乾燥し、両面に正極材料が塗布された正極シート
を得た。次に、線圧が1000kgf/cmでロールプ
レスを行い、膜厚を100μmとした後、所定の形状に
切り取り、正極を作製した。
【0037】負極ペースト組成物には、負極活物質とし
てメソカーボンマイクロビーズを、バインダー樹脂とし
てPVDFを、溶剤としてNMPを用いた。負極ペース
ト組成物におけるそれぞれの配合割合は、メソカーボン
マイクロビーズ45.0wt%、PVDF5.0wt%、N
MP50.0wt%とした。正極ペースト組成物と同様に
して混練分散して負極ペーストを作製した。作製された
負極ペーストを厚さ20μmの銅箔上にコンマコーター
を用いて片面塗布後、80℃で5分間乾燥し、乾燥後同
様に裏面についても塗布乾燥し、両面に正極材料が塗布
された負極シートを得た。次に、線圧が1000kgf
/cmでロールプレスを行い、膜厚を100μmとした
後、所定の形状に切り取り、負極を作製した。
【0038】次に、得られた正極と負極の間に厚さ20
μmのポリエチレン製セパレーターを挟装して、渦巻状
に巻き上げて円筒セルとし、非水系電解液が充填される
電池缶に装着した。電解液は、エチレンカーボネートと
ジエチルカーボネートの等容量混合液に、支持塩として
LiPFを濃度1mol/lで溶解したものを用い
た。
【0039】<比較結果>実施例1および2、比較例1
および2の正極ペースト組成物を用いて作製したそれぞ
れの円筒セルについて、高温でのサイクル特性、初期放
電容量を評価し、比較した。評価条件は、充電電流50
0mA・放電電流500mAの定電流充放電を、電圧
3.0〜4.1V、60℃下で行い、高温でのサイクル
特性は、初期の放電容量に対する100サイクル後の放
電容量の容量維持率で評価した。それぞれの円筒セルの
初期放電容量および容量維持率の結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】上記表1に示すように、比較例1の正極ペ
ースト組成物を用いて作製した電池は、100サイクル
後の放電容量維持率が82%と低かった。これは、比較
例1の正極ペースト組成物には有機酸が配合されていな
かったために、電池の容量低下が発生したことによる。
また、比較例2の正極ペースト組成物を用いて作製した
電池は初期の放電容量が1130mAhと低かった。こ
れは、比較例2の正極ペースト組成物には有機酸が5wt
%を越える5.8wt%配合されていたために、電池の容
量自体が低下したものと考えられる。
【0042】これに対して、本発明の実施形態に基づい
た実施例1および2の正極ペースト組成物を用いて作製
した電池は、有機酸の配合により高温でのサイクル特性
が向上し、また、初期放電容量の低下も認められなかっ
た。この結果から、本発明の正極ペースト組成物は高温
でのサイクル特性に優れた正極ペースト組成物であるこ
とが実証された。
【0043】そしてこのような結果が得られたことは、
物質反応メカニズムとして次のように考察される。すな
わち、正極ペースト組成物に有機酸を適量配合すること
により、その組成物中の正極活物質であるリチウムと遷
移金属(Ni、Mn、Co等)との複合酸化物の表面が
有機酸により覆われ、そのため従来、高温(約60℃)
の使用環境温度ではその遷移金属が電解液中に溶出して
電池の充放電反応によりインターカレート、デインター
カレートするリチウムイオンが徐々に正極活物質中に戻
れなくなって充放電容量が低下していったものが、本発
明によれば高温の使用環境温度でもその遷移金属がリチ
ウムイオンのデインターカレーションの時に有機酸の例
えば、COOイオンと結合して電解液中に溶出するこ
とが回避され、いつまでも高い充放電容量を維持するこ
とができたものと考えられるものである。
【0044】本発明は上記した実施例に何ら限定される
ものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の
改変が可能である。例えば、上記実施例では、正極活物
質にニッケル酸リチウムを用いたが、これに把われず、
LiCoO、LiMn 等の各種リチウム二次電
池に適用される。また有機酸も上記実施例の酢酸、ステ
アリン酸に限られず、各種有機酸が適用されることは、
本発明の有機酸の効用から明らかなことである。更に導
電性物質、有機バインダ等も実施例のものに限られるも
のではないことは勿論である。
【0045】
【発明の効果】本発明は、リチウム二次電池の正極を形
成させるための正極ペースト組成物で、正極ペースト組
成物全体を100wt%として、有機酸を0.3〜5wt%
配合させることで、この正極ペースト組成物を用いて作
製した電池を、初期に電池容量を低下させることなく、
高温でのサイクル特性に優れたものとすることが可能と
なった。このことから、本発明は、電気自動車用二次電
池のように屋外および高温環境下での使用を必要とする
用途に、リチウム二次電池を用いる可能性を拓くものと
なっている。
フロントページの続き Fターム(参考) 5H003 AA02 AA04 BB01 BB11 BB12 BB14 BD04 5H014 AA02 EE01 HH01

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムを吸蔵放出可能な正極活物質
    と、導電性物質と、両物質を結合するバインダを溶剤に
    分散し、全重量に対し、0.3〜5.0重量%の有機酸
    を配合していることを特徴とするリチウム二次電池用正
    極ペースト組成物。
JP10366179A 1998-12-24 1998-12-24 リチウム二次電池用正極ペースト組成物 Pending JP2000188096A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101201136B1 (ko) * 2005-03-08 2012-11-13 삼성에스디아이 주식회사 리튬 이차 전지용 양극 슬러리 조성물 및 이를 이용한 리튬이차 전지

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KR101201136B1 (ko) * 2005-03-08 2012-11-13 삼성에스디아이 주식회사 리튬 이차 전지용 양극 슬러리 조성물 및 이를 이용한 리튬이차 전지

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