JP2000187688A - 価値転送システム - Google Patents

価値転送システム

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JP2000187688A
JP2000187688A JP36365698A JP36365698A JP2000187688A JP 2000187688 A JP2000187688 A JP 2000187688A JP 36365698 A JP36365698 A JP 36365698A JP 36365698 A JP36365698 A JP 36365698A JP 2000187688 A JP2000187688 A JP 2000187688A
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JP36365698A
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Yoshitaka Nishiyama
由高 西山
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Electric Industry Co Ltd
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  • Financial Or Insurance-Related Operations Such As Payment And Settlement (AREA)
  • Control Of Vending Devices And Auxiliary Devices For Vending Devices (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 中断した価値(電子通貨)転送の再開処理を
中断直後のみならず、その後の所望時にも可能とし、中
断履歴をもつICカードでも、その後の新たな価値転送
を何ら支障なく可能とする。 【解決手段】 開始された価値転送を特定する識別子、
その価値転送についての相手方ICカード識別子、転送
額及び転送終了時の処理進行段階を示す状態コード等の
データを記録した取引記録を来歴データ(取引記録配列
11a2,12a2)として各ICカード11,12内
に所定数更新,保存し、この来歴データに基づいて中断
した電子通貨転送の再開処理をする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICカード等の偽
造不能(Tamper−Resistant,Attack−Resistant)装置
相互間において電子通貨やサービス特典を表すポイント
(サービスポイント)等の価値の転送を行う価値転送シ
ステムに係り、特に、何らかの障害により中断した価値
転送処理を、中断直後のみならずその後においても再開
可能とした価値転送システムに関するものである。以
下、偽造不能装置としてICカードを用いた場合につい
て説明する。
【0002】
【従来の技術】電子通貨や、商品,サービス等の対価の
額に応じて対価支払者に付与される金銭的価値のあるサ
ービスポイント等の価値の転送をICカード相互間にお
いて行う価値転送システムの進展は、近年、めざまし
い。このような価値転送システムの概要を述べれば、次
の通りである。すなわちこれは、各ICカード内の不揮
発性メモリ上に、現在保有している電子通貨等の価値の
額(残高)と、価値を転送するためのプログラム(価値
転送プログラム)を格納しておき、商品,サービス等の
対価の支払側と受取側の2枚のICカード間で、外部か
ら指示された額の価値を、支払側のICカード内の残高
から減算すると共に受取側のICカード内の残高に加算
することによって価値を転送するシステムである(特表
平6−503913号公報等、参照)。
【0003】ところで、このような価値転送システムに
おいては、図10に示すように、支払側と受取側のIC
カード101,102相互間のデータの送受信はそれら
相互間の端末103;105,106及びネットワーク
104を介して行われる。このため、端末103;10
5,106の故障や停電あるいはネットワーク104の
障害等に起因して、価値転送が正常終了せず、処理途中
で終了(中断)することがある。
【0004】そこで従来、支払側,受取側双方のICカ
ード101,102に、転送処理の各段階で取引記録を
更新,保存するようにし、端末103;105,106
が双方のICカード101,102の取引記録を参照し
てそれらICカード101,102間において転送処理
がどの段階まで進んだかを調べ、その中断箇所から転送
を再開(中断した取引を復旧)するようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来システ
ムでは、ICカード101,102内の中断状態(正常
終了していない状態)の取引記録は直前の価値転送につ
いての1つしか保持せず、あるICカードにつき、直前
に行った価値転送が中断した状態で、他のICカードと
の間で新たな価値転送を行おうとすると、中断状態の取
引記録は再開不能な失敗記録に変化するようになってい
る。
【0006】このため、中断した価値転送の相手方IC
カードとの転送再開は、価値転送の中断直後でしかでき
ず、従って、再開を待つ間は他のICカードとの間での
新たな価値転送に使用できず、著しく不便であった。
【0007】また、通常、ICカード101,102内
に保存可能な失敗記録の個数には例えば10個というよ
うに上限値があり、その上限値に到達するとICカード
101,102がロック状態になって新たな価値転送が
行えなくなる。このようなICカード101,102の
ロック状態は、誰もが自由に解除できるものではなく、
そのICカード101,102の発行母体である銀行等
に持ち込んで解除してもらう必要があり、多大な手間を
要した。
【0008】本発明は、上記従来システムの問題を解決
すべくなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述課題を解
決するため次の構成を採用する。 〈構成1〉各偽造不能装置内に、価値の残高及び価値を
転送するための価値転送手段を格納しておき、偽造不能
装置外部からの価値転送要求により、支払側と受取側の
双方の偽造不能装置の各価値転送手段を起動し、上記偽
造不能装置外部から指示された価値の額を、支払側の偽
造不能装置内の価値の残高から減算すると共に受取側の
偽造不能装置内の価値の残高に加算することで、上記双
方の偽造不能装置間での価値転送を行う価値転送システ
ムにおいて、上記価値転送手段は、上記価値転送要求に
基づき開始された価値転送についての、当該価値転送特
定用の取引識別子、相手方偽造不能装置特定用の相手方
偽造不能装置識別子、価値の転送額及び当該価値転送終
了時の処理進行段階を示す状態コードを含む取引記録
を、自身が格納された偽造不能装置内に、少なくとも上
記状態コードが中断状態を表しているものを優先的に残
して所定数サイクリックに更新,保存する取引記録保存
処理部と、価値転送の開始後、上記取引記録保存処理部
により格納された上記所定数の取引記録の中から状態コ
ードが中断状態を表している取引記録の存否を検索する
データ読出処理部と、このデータ読出処理部により状態
コードが中断状態を表している取引記録が存在するとの
検索結果が得られたときにその取引記録の内容を読み出
す取引記録読出処理部と、この取引記録読出処理部によ
り状態コードが中断状態を表している取引記録が読み出
された場合で、かつその読み出された取引記録に記録さ
れている相手方偽造不能装置識別子が現在開始された価
値転送の相手方の偽造不能装置の識別子と一致すると共
に開始された価値転送の双方の偽造不能装置の上記中断
状態を表している取引記録に記録されている取引識別子
が同じである場合に、その取引識別子が同じである双方
の取引記録の内容に基づき、かつその双方の取引記録に
よって判断される中断箇所から価値転送を再開させる取
引再開処理部とを具備することを特徴とする価値転送シ
ステム。
【0010】〈構成2〉請求項1に記載の価値転送シス
テムにおいて、偽造不能装置は不揮発性メモリを備えた
ICカードで、その不揮発性メモリに、価値転送手段を
構成する価値転送プログラム及び取引記録を格納してい
ることを特徴とする価値転送システム。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につき
図面を用いて説明する。 《具体例1》 〈具体例1の構成〉図1は、本発明による価値転送シス
テムの具体例1を示す構成図である。ここでは、電子通
貨(価値)の支払側と受取側の2枚のICカード11,
12が同一の支払用端末13を介して接続されたシステ
ム構成を示している。この場合、支払用端末13は、店
舗等に設置される装置で、顧客が電子通貨の支払に用い
る支払側ICカード11と、店舗が電子通貨の受取に用
いる受取側ICカード12とが、そのICカードリーダ
/ライタ(図示せず)に挿入され、それら2枚のICカ
ード11,12間の電子通貨転送及び中断状態(正常終
了していない状態)にある電子通貨転送の再開を後述す
るように仲介制御する。
【0012】各ICカード11,12は、出力するデー
タに電子署名を付加する電子署名生成処理部及び相手側
ICカードからのデータに付加されている電子署名を検
証する電子署名検証処理部を備えた電子通貨転送プログ
ラム11a1,12a1と、取引記録配列11a2,1
2a2と、取引記録配列11a2,12a2以外の必要
データ11a3,12a3とを、内部の不揮発性メモリ
11a,12a上に格納している。
【0013】ここで、取引記録配列11a2,12a2
は、図2に示すように、取引記録21,22を複数個
(N個)配列してなるもので、この取引記録配列11a
2,12a2内の各取引記録210〜21N−1,22
0〜22N−1は取引記録番号と呼ぶ配列のインデック
ス(0以上N未満の値)で特定できる。
【0014】各取引記録210〜21N−1,220〜
22N−1は、図3に示すように、電子通貨転送の処理
進行段階を示す状態コード311,321と、支払側,
受取側ICカード11,12間の各電子通貨転送を特定
するための取引識別子312,322と、電子通貨の支
払側ICカード11を特定するための支払側ICカード
識別子313,323と、同じく受取側ICカード12
を特定するための受取側ICカード識別子314,32
4と、電子通貨の転送額315,325とを含んでい
る。
【0015】図4は、上記状態コード311,321の
値とその意味内容の一例を示す。この図から分かるよう
に、0以外、すなわち1〜3の値を示す状態コード31
1,321をもつ取引記録21,22が中断した電子通
貨転送の内容を表しているもので、後述再開処理に用い
られる。
【0016】取引記録配列11a2,12a2以外の必
要データ11a3,12a3は、図5に示すように、各
ICカード11,12を特定するためのICカード識別
子511,521と、電子通貨転送が開始される毎に1
ずつ増やされて決して同じ値になることのない取引連番
512,522と、現在保有している電子通貨の額(残
高)513,523と、これから行う電子通貨転送につ
いての取引記録の保存位置を示す取引記録番号514,
524と、電子通貨転送において2枚のICカード1
1,12間で送受信されるメッセージに電子署名を施す
ために用いる共通鍵515,525とを含む。
【0017】ここで、支払側,受取側ICカード11,
12の取引連番512,522は、図6に示すように結
合されて上記取引識別子312,322を構成する。取
引連番512,522は、上述したように電子通貨転送
が開始される毎に1ずつ増やされるので、この取引識別
子312,322も電子通貨転送が開始される毎に更
新,生成され、決して同じ値になることがない。
【0018】図7は、上記電子通貨転送プログラム11
a1,12a1のもつ主たる処理部を示す。この電子通
貨転送プログラム11a1,12a1は、電子通貨転送
及び中断した電子通貨転送の再開に直接用いられる処理
部として、図示するように、データ読出処理部1P1,
2P1、支払要求処理部1P2,2P2、残高減算処理
部1P3,2P3、残高加算処理部1P4,2P4、確
認処理部1P5,2P5、取引記録保存処理部1P6,
2P6、取引記録読出処理部1P7,2P7、取引再開
処理部1P8,2P8及び取引記録番号設定処理部1P
9,2P9をもつ。各処理部1P(1〜9),2P(1
〜9)は、支払用端末13によって呼び出され、支払用
端末13からのメッセージとICカード11,12内の
データを用いて後述するように処理動作し、結果を支払
用端末13に返すプログラム部分である。なお、この電
子通貨転送プログラム11a1,12a1には、上述し
たように電子署名生成処理部及び電子署名検証処理部
(共に図示せず)も備えている。
【0019】〈具体例1の動作〉以下、上述本発明シス
テムにおける電子通貨転送の処理動作について説明す
る。 (1−1)正常時の電子通貨転送の処理動作 (1−1−1)初期処理 新たに電子通貨転送を開始する場合、支払用端末13
は、まず、支払側と受取側のICカード11,12内の
不揮発性メモリ11a,12a上に格納された電子通貨
転送プログラム11a1,12a1のデータ読出処理部
1P1,2P1を起動する。起動された各データ読出処
理部1P1,2P1は、自ICカード11,12内の不
揮発性メモリ11a,12a上に格納された必要データ
11a3,12a3中のICカード識別子511,52
1、取引連番512,522、残高513,523及び
取引記録配列11a2,12a2中の「中断状態」を表
している(状態コード311,321の値が1〜3を示
している)取引記録21,22の取引記録番号の配列を
各々支払用端末13に返す。ここでは、上記「中断状
態」を表している取引記録21,22が存在しない場合
を述べるが、存在する場合には、上述したようにそのよ
うな取引記録21,22の取引記録番号の配列も支払用
端末13に返され、中断した電子通貨転送の再開処理に
用いられる。
【0020】(1−1−2)受取側ICカード12内の支
払要求処理部2P2の実行動作 次に、支払用端末13は、支払側ICカード11内の電
子通貨の額(残高)がこれから受取側ICカード12に
向けて転送すべき額(支払用端末13で入力された転送
額)以上であることを確認した後、支払側ICカード1
1の必要データ11a3中のICカード識別子511、
取引連番512及び端末13で入力された転送額を入力
データとして受取側ICカード12に与えつつ、その受
取側ICカード12内の電子通貨転送プログラム12a
1の支払要求処理部2P2を起動する。
【0021】これにより受取側ICカード12は、自身
の取引連番522を1増やした後、入力データとして与
えられた支払側ICカード11のICカード識別子(支
払側ICカード識別子)511、取引連番512及び転
送額を、自身のICカード識別子521及び取引連番5
22と合わせて図3に示した形式の取引記録22を新た
に作成し、次いで、自身の取引記録保存処理部2P6を
呼び出す。呼び出された取引記録保存処理部2P6は、
自身の不揮発性メモリ12a上の取引記録配列12a2
内から不使用の配列領域を検索し、作成したばかりの上
記取引記録22をその不使用配列領域に保存し、その配
列領域のインデックス、すなわち取引記録番号を支払用
端末13に返す。
【0022】不使用の配列領域を検索する際には、ま
ず、取引記録配列12a2の中から状態コード321の
値が0(初期状態)であるもの探し、それが見つかれ
ば、その領域に取引記録22を保存する。見つからない
ときは、状態コード321の値が3(残高加算処理部の
実行直後を意味する値)である取引記録22の中で最も
古いものを探し、それが見つかれば、その領域に取引記
録22を保存する。各取引記録22(220〜22N−
1)には、その取引記録22を保存した時点での自身
(受取側ICカード12)の取引連番522が含まれて
おり、この取引連番522は電子通貨転送を開始する度
に増えるため、自身の取引連番522が最も小さいもの
が、最も古い取引記録22である。
【0023】取引記録保存処理部2P6は、不使用の配
列領域の検索が成功すれば、取引記録22の保存先を示
す取引記録番号524を返す。成功しないときはエラー
を返す。エラーを返した場合、そのICカード12は、
新たな電子通貨転送ができなくなった(ロック状態であ
る)ことを意味する。
【0024】支払要求処理部2P2は、取引記録保存処
理部2P6がエラーを返した場合は、支払用端末13に
エラーを返して、受取側ICカード12へは電子通貨転
送ができないことを通知する。取引記録保存処理部2P
6がエラーではなく取引記録番号524を返す場合に
は、その取引記録番号524を、これから始める電子通
貨転送に対応した取引記録22を特定するものとして、
自身(受取側ICカード12)の取引記録番号保存領域
に格納する。
【0025】最後に、その取引記録22の内容に対する
電子署名を共通鍵525を用いて生成し、取引記録22
の内容とその電子署名で構成される要求メッセージと、
上記保存領域に格納済みの取引記録番号524と同じ取
引記録番号524を支払用端末13に返す。
【0026】(1−1−3)支払側ICカード11内の残
高減算処理部1P3の実行動作 上記要求メッセージを受け取った支払用端末13は、支
払側ICカード11の残高減算処理部1P3を呼び出し
てその要求メッセージを渡す。
【0027】これにより残高減算処理部1P3は、自身
(支払側ICカード11)の残高の減算処理を行う。す
なわち残高減算処理部1P3は、支払用端末13から受
取側ICカード12が生成した上記要求メッセージを受
け取り、その電子署名を検証する。電子署名が正しい場
合には、要求メッセージに含まれる取引記録22の状態
コード321の値が1であり、しかも、支払側ICカー
ド識別子323と取引識別子322(取引連番522)
が、各々自身(支払側ICカード11内)のそれと同じ
であることを検査する。この検査結果のいずれかが正し
くない場合は、支払用端末13にエラーを返す。検査結
果が全て正しかった場合には、要求メッセージに含まれ
る取引記録22の状態コード321の値を2に変更した
後、自身の取引記録保存処理部1P6を呼び出す。
【0028】呼び出された取引記録保存処理部1P6
は、上記状態コード321の値を2に変更した取引記録
22を自身の新たな取引記録21として取引記録配列1
1a2中の不使用配列領域を探してそこに保存し、その
配列領域のインデックス、すなわち取引記録番号を返
す。取引記録保存領域(取引記録配列11a2の不使用
配列領域)が見つからないときは、支払用端末13にエ
ラーを返す。取引記録保存領域(取引記録配列11a2
の不使用配列領域)が見つかり、そこに上記の新たな取
引記録21を保存する際には、上記要求メッセージに含
まれる取引記録22の転送額325を自身(支払側IC
カード11)の必要データ11a3中の電子通貨残高5
13から差し引き、同必要データ11a3中の取引連番
512を1増やす。
【0029】最後に、状態コード311の値を2に変更
した新たな取引記録21の内容に対する電子署名を必要
データ11a3中の共通鍵515を用いて生成し、新た
な取引記録21の内容とその電子署名で構成される値メ
ッセージと、取引記録保存処理部1P6から返された新
たな取引記録21の保存配列領域の取引記録番号を支払
用端末13に返す。
【0030】(1−1−4)受取側ICカード12内の残
高加算処理部2P4の実行動作 上記値メッセージを受け取った支払用端末13は、受取
側ICカード12の残高加算処理部2P4を呼び出して
その値メッセージを渡す。
【0031】これにより残高加算処理部2P4は、自身
(受取側ICカード12)の残高の加算処理を行う。す
なわち残高加算処理部2P4は、支払用端末13から支
払側ICカード11が生成した上記値メッセージを受け
取り、その電子署名を検証する。電子署名が正しい場合
には、値メッセージに含まれる取引記録21の状態コー
ド311の値が2であり、自身の必要データ12a3の
取引記録番号524が指し示す取引記録22の状態コー
ド321の値が1であり、値メッセージに含まれる取引
記録21と自身の上記取引記録22の内容が状態コード
311,321の値以外は同じであることを検査する。
この検査結果のいずれかが正しくない場合は、支払用端
末13にエラーを返す。検査結果が全て正しかった場合
には、上記取引記録22の状態コード321の値を3に
変更し、値メッセージに含まれる取引記録21の転送額
315を自身(受取側ICカード12)の必要データ1
2a3中の電子通貨残高523に足し込み、同必要デー
タ12a3中の取引連番522を1増やす。
【0032】最後に、状態コード321の値を3に変更
した新たな取引記録22の内容に対する電子署名を必要
データ12a3中の共通鍵525を用いて生成し、新た
な取引記録22の内容とその電子署名で構成される確認
メッセージを支払用端末13に返す。
【0033】(1−1−5)支払側ICカード11内の確
認処理部1P5の実行動作 上記確認メッセージを受け取った支払用端末13は、支
払側ICカード11の確認処理部1P5を呼び出してそ
の確認メッセージを渡す。
【0034】これにより確認処理部1P5は、電子通貨
転送が正常に終了した旨の確認処理を行う。すなわち確
認処理部1P5は、支払用端末13から受取側ICカー
ド12が生成した上記確認メッセージを受け取り、その
電子署名を検証する。電子署名が正しい場合には、確認
メッセージに含まれる取引記録22の状態コード321
の値が3であり、自身の必要データ11a3の取引記録
番号514が指し示す取引記録21の状態コード311
の値が2であり、確認メッセージに含まれる取引記録2
2と上記自身の取引記録21の内容が状態コード32
1,311の値以外は同じであることを検査する。この
検査結果のいずれかが正しくない場合は、支払用端末1
3にエラーを返す。検査結果が全て正しかった場合に
は、上記取引記録21の状態コード311の値を0に変
更する。
【0035】以上が電子通貨転送正常終了の場合の処理
の流れである。このように電子通貨転送が正常終了する
場合が通常であるが、支払側ICカード11が残高減算
処理部1P3を実行した直後、あるいは受取側ICカー
ド12が支払要求処理部2P2や残高加算処理部2P4
を実行した直後に、例えば支払用端末13の停電や故障
により電子通貨転送が中断すると、次のような手順で処
理を再開できる。
【0036】(1−2)中断した電子通貨転送の再開処理
動作 (1−2−1)初期処理 中断した電子通貨転送を再開する場合、支払用端末13
は、まず、そのICカードリーダ/ライタ(図示せず)
に挿入された双方のICカード11,12内の取引記録
配列11a2,12a2(取引記録21,22)を調べ
て、双方のICカード11,12の間で中断した電子通
貨転送があるか否かを調べる。すなわち支払用端末13
は、上述正常時の場合と同様に、支払側と受取側のIC
カード11,12のデータ読出処理部1P1,2P1を
起動し、ICカード11,12内の必要データ11a
3,12a3中のICカード識別子511,521及び
取引記録配列11a2,12a2中の「中断状態」を表
している(状態コード311,321の値が1〜3を示
している)取引記録21,22の取引記録番号の配列を
入手する。
【0037】次に、支払用端末13は、入手された上記
配列中の取引記録番号を順に指定しながら、ICカード
11,12の取引記録読出処理部1P7,2P7を順に
呼び出して「中断状態」を表している取引記録21,2
2を取得し、その取引記録21,22(支払側ICカー
ド識別子313,323及び受取側ICカード識別子3
14,324)内に相手側のICカード識別子511,
521が含まれているものを探し出す。そのような取引
記録21,22が見つかると、その取引記録21,22
内の状態コード311,321の値を調べ、正常時の電
子通貨転送のどの段階まで処理が進んでいたかを判断す
る。
【0038】これを具体的に説明すると、いま、2枚の
ICカード11,12を各々ICC−A,ICC−Bと
し、ICC−A中にICC−BのICカード識別子を含
む取引記録があり、その状態コードの値が1であったと
する。この場合、支払用端末13は、相手側のICC−
B中にもICC−AのICカード識別子を含む取引記録
があるか否かを、ICC−Aにおける方法と同様の方法
で調べる。
【0039】そのような取引記録がICC−B中にない
ならば、ICC−Aが受取側ICカード12、ICC−
Bが支払側ICカード11であり、ICC−Aが支払要
求処理部1P2を実行し、ICC−Bが残高減算処理部
2P3を実行する直前に電子通貨転送が中断したことを
意味する。
【0040】また、ICC−B中にICC−AのICカ
ード識別子を含む取引記録があり、その状態コードの値
が2であったとすると、この場合は、ICC−Aが支払
要求処理部1P2を実行し、ICC−Bが残高減算処理
部2P3を実行し、ICC−Aが残高加算処理部2P4
を実行する直前で、電子通貨転送が中断したことを意味
する。状態コードの値が3であったとすると、ICC−
Aが残高加算処理部2P4を実行し、ICC−Bが確認
処理部1P5を実行する直前で、電子通貨転送が中断し
たことを意味する。
【0041】(1−2−2)支払要求処理部1P2の実行
直後に中断した電子通貨転送の再開処理動作 まず、ICC−Aが支払要求処理部1P2を実行した直
後に中断した電子通貨転送を再開する手順について述べ
る。この際、支払用端末13は、ICC−Aの「中断状
態」を表している取引記録22(状態コード321の値
1)を取得しており、ICC−Bにはそれに対応する
「中断状態」を表している取引記録21(状態コード3
11の値1〜3)がないことをチェック済みであるもの
とする。
【0042】電子通貨転送の再開に当たり、支払用端末
13は、ICC−A(受取側ICカード12)の取引再
開処理部2P8を呼び出して取引記録番号を渡す。呼び
出された取引再開処理部2P8は、渡された取引記録番
号を、自身(受取側ICカード12)の取引記録番号保
存領域に格納した後、その取引記録番号が示す取引記録
22の状態コード321の値を参照し、それが0でない
場合のみ、その取引記録22の内容に対する電子署名を
共通鍵525を用いて生成し、取引記録22の内容とそ
の電子署名を支払用端末13に返す。
【0043】この例では状態コード321の値が1であ
るため、支払用端末13に返されるのは、上記取引記録
22の内容とその電子署名で構成された要求メッセージ
である。この際、取引連番は更新されない。状態コード
321の値が2又は3ならば、値メッセージ又は確認メ
ッセージが返されることになるが、これについては後述
する。
【0044】支払用端末13は、ICC−Aから返され
た要求メッセージを受け取ると、ICC−Bの残高減算
処理部1P3を呼び出す。以後、上述正常時の場合(上
記(1−1−3)〜(1−1−5)の項に記す処理)と同様
の処理を経て、電子通貨転送正常終了に至る。
【0045】(1−2−3)残高減算処理部1P3の実行
直後に中断した電子通貨転送の再開処理動作 次に、ICC−Bが残高減算処理部1P3を実行した直
後に中断した電子通貨転送を再開する手順について述べ
る。この際、支払用端末13は、ICC−Aの「中断状
態」を表している取引記録22(状態コード321の値
1)及びICC−Bの「中断状態」を表している取引記
録21(状態コード311の値2)を各々取得済みであ
るとする。
【0046】電子通貨転送の再開に当たり、支払用端末
13は、ICC−B(支払側ICカード11)の取引再
開処理部1P8を呼び出して取引記録番号を渡す。呼び
出された取引再開処理部1P8は、渡された取引記録番
号を、自身(支払側ICカード11)の取引記録番号保
存領域に格納した後、その取引記録番号が示す取引記録
21の状態コード311の値を参照し、それが0でない
場合のみ、その取引記録21の内容に対する電子署名を
共通鍵515を用いて生成し、取引記録21の内容とそ
の電子署名を支払用端末13に返す。
【0047】この例では、状態コード311の値が2で
あるため、支払用端末13に返されるのは、上記取引記
録21の内容とその電子署名で構成された値メッセージ
である。この際、残高の減算と取引連番の更新は行われ
ない。
【0048】支払用端末13は、ICC−Bから返され
た値メッセージを受け取ると、ICC−A(受取側IC
カード12)の取引記録番号設定処理部2P9を呼び出
して、再開すべき取引記録22の取引記録番号を渡す。
取引記録番号設定処理部2P9は、渡された取引記録番
号を、自身(受取側ICカード12)の取引記録番号保
存領域に格納する。その後、支払用端末13はICC−
A(受取側ICカード12)の残高加算処理部2P4を
呼び出す。以後、上述正常時の場合(上記(1−1−4)
〜(1−1−5)の項に記す処理)と同様の処理を経て、
電子通貨転送正常終了に至る。
【0049】(1−2−4)残高加算処理部2P4の実行
直後に中断した電子通貨転送の再開処理動作 最後に、ICC−Aが残高加算処理部2P4を実行した
直後に中断した電子通貨転送を再開する手順について述
べる。この際、支払用端末13は、ICC−Aの「中断
状態」を表している取引記録22(状態コード321の
値3)及びICC−Bの「中断状態」を表している取引
記録21(状態コード311の値2)を各々取得済みで
あるとする。
【0050】電子通貨転送の再開に当たり、支払用端末
13は、ICC−A(受取側ICカード12)の取引再
開処理部2P8を呼び出して取引記録番号を渡す。呼び
出された取引再開処理部2P8は、渡された取引記録番
号を、自身(受取側ICカード12)の取引記録番号保
存領域に格納した後、その取引記録番号が示す取引記録
22の状態コード321の値を参照し、それが0でない
場合のみ、その取引記録22の内容とその電子署名を共
通鍵525を用いて生成し、取引記録22の内容とその
電子署名を支払用端末13に返す。
【0051】この例では、状態コード321の値が3で
あるため、支払用端末13に返されるのは、取引記録2
2の内容とその電子署名で構成された確認メッセージで
ある。この際、残高の加算は行われない。
【0052】支払用端末13は、ICC−Aから返され
た確認メッセージを受け取ると、ICC−B(支払側I
Cカード11)の取引記録番号設定処理部1P9を呼び
出して、再開すべき取引記録21の取引記録番号を渡
す。取引記録番号設定処理部1P9は、渡された取引記
録番号を、自身(支払側ICカード12)の取引記録番
号保存領域に格納する。その後、支払用端末13はIC
C−B(支払側ICカード11)の確認処理部1P5を
呼び出す。以後、上述正常時の場合(上記(1−1−5)
の項に記す処理)と同様の処理を経て、電子通貨転送正
常終了に至る。
【0053】〈具体例1の効果〉上述具体例1によれ
ば、開始された電子通貨(価値)転送を特定するデータ
及びその転送に関する所定のデータ(相手方ICカード
識別子、転送額、転送終了時の処理進行段階を示す状態
コード等のデータ)を記録した取引記録21,22を来
歴データ(取引記録配列11a2,12a2)として各
ICカード11,12内に所定数更新,保存し、この来
歴データに基づいて中断した電子通貨転送の再開処理を
するようにしたので、中断直後でなくとも転送再開が可
能である。
【0054】したがって、状態コードが中断状態を表し
ている取引記録をもつICカードにあっても、その後に
新たな電子通貨転送をすることが何ら支障なく可能であ
り、使い勝手が著しく向上する。また、ICカード1
1,12がロック状態になることも従来システムの場合
に比べて長期にわたって回避でき、その解除の手間も大
幅に回避できる。
【0055】また、特に具体例1では、前記所定数の取
引記録21,22(取引記録配列11a2,12a2)
を、電子通貨転送プログラム11a1,12a1と共に
ICカード11,12内の不揮発性メモリ11a,12
a上に格納したので、データ消失の虞がない。したがっ
て、双方のICカード11,12がありさえすれば、後
日いつでも中断した電子通貨転送の再開が可能である。
【0056】《具体例2》 〈具体例2の構成〉図8は、本発明による価値転送シス
テムの具体例2を示す構成図である。ここでは、顧客側
端末83がネットワーク84を介して電子通貨(価値)
サーバ81と接続されたシステム構成を示している。上
記電子通貨サーバ81は、多数の顧客(顧客側ICカー
ド82)との間で同時に電子通貨の送受信を行う必要の
ある場所、例えば銀行や電子商店街本部等に設置される
サーバで、顧客側端末83とで顧客側ICカード82及
びICカード金庫85内のICカード(金庫内ICカー
ド)85a間の電子通貨転送を後述するように仲介制御
する。
【0057】各顧客側ICカード82及び金庫内ICカ
ード85aは、上述具体例1の支払側,受取側ICカー
ド11,12と同様に、電子通貨転送プログラム11a
1,12a1と取引記録配列11a2,12a2と取引
記録配列以外の必要データ11a3,12a3とを内部
の不揮発性メモリ11a,12a上に格納している。
【0058】上記取引記録配列11a2,12a2が、
図2に示すように、取引記録21,22を複数個(N
個)配列していること、各取引記録210〜21N−
1,220〜22N−1が、取引記録番号と呼ぶ配列の
インデックス(0以上N未満の値)で特定でき、またそ
れらが、図3に示すように、状態コード311,321
と取引識別子312,322と支払側ICカード識別子
313,323と受取側ICカード識別子314,32
4と電子通貨の転送額315,325とを含んでいるこ
とも上述具体例1と同様である。
【0059】また、上記状態コード311,321の値
とその意味内容(図4参照)も上述具体例1と同様であ
る。更に、取引記録配列以外の必要データ11a3,1
2a3が、図5に示すように、ICカード識別子51
1,521と取引連番512,522と残高513,5
23と取引記録番号514,524と共通鍵515,5
25とを含むこと、支払側,受取側ICカード、ここで
は顧客側ICカード82,金庫内ICカード85aの取
引連番512,522が、図6に示すように結合されて
上記取引識別子312,322を構成することも上述具
体例1と同様である。電子通貨転送プログラム11a
1,12a1の詳細も上述具体例1(図7)と同様であ
る。
【0060】顧客側端末83は、顧客側ICカード82
が挿入され、それとの間でデータの読み書きを行うIC
カードリーダ/ライタ(図示せず)の付属した家庭用パ
ーソナルコンピュータやICカード電話からなる。この
顧客側端末83と上記電子通貨サーバ81とは、インタ
ーネットや公衆電話回線等のネットワーク84を介して
接続されている。
【0061】ここで、上記電子通貨サーバ81には、多
数の顧客側ICカード82…との間で、電子通貨の引
出、預入又は支払のための電子通貨転送を同時に行うた
めに、多数のICカード(金庫内ICカード)85a…
を格納したICカード金庫85が接続されている。ま
た、電子通貨サーバ81は、同時に接続してくる多数の
顧客(顧客側ICカード82…)の各々に対して、上記
多数の金庫内ICカード85a…のうち、現在不使用
の、すなわち他の顧客用ICカード82との間の電子通
貨転送に現在用いられていないICカード85aを1枚
選択し、接続してきた1枚の顧客側ICカード82との
間での電子通貨転送を可能とする。
【0062】更に、電子通貨サーバ81は、中断状態に
ある電子通貨転送の再開を仲介制御する。この場合、電
子通貨サーバ81はその中断状態にある電子通貨転送に
関与した金庫内ICカード85aを、多数の金庫内IC
カード85a…の中から探し出す必要があるが、一般
に、ICカードのデータ送受信速度は高速ではなく、1
枚のICカード内から特定のデータ、ここでは「中断状
態」を表している取引記録22(詳しくは、取引記録配
列12a2中の、状態コード321の値が1〜3を示し
ている取引記録22)を見つけるにはある程度の時間を
要する。例えば、金庫内ICカード85aと電子通貨サ
ーバ81との間のデータ転送速度が96000ビット/
秒、「中断状態」を表している取引記録22が最大10
件、1つの取引記録22を読み出すために送受信するデ
ータが64バイトとすると、データの送受信だけでも
0.7秒程度要する。
【0063】多数の顧客(顧客側ICカード82)を同
時にサービスする必要のある銀行等のICカード金庫8
5には、数十〜数百枚の金庫内ICカード85aが格納
されているため、全ての金庫内ICカード85aについ
ての取引記録22を1枚ずつ読み出すには数十〜数百秒
の時間を要する。また、複数枚の金庫内ICカード85
aの取引記録22を同時に読み出すようにしても、金庫
内ICカード85a中には、その時点で使用中のものも
あり、その電子通貨転送の終了を待って取引記録22を
読み出す必要がある。このような待ち時間は、高速処理
が要求される電子通貨サーバ81では問題となる。
【0064】そこで、この具体例2における電子通貨サ
ーバ81では、内蔵するメモリ81a上に、各金庫内I
Cカード85aに対応した多数の取引記録キャッシュ部
91を設定している。各取引記録キャッシュ部91に
は、図9に示すように、金庫側ICカード識別子91
a、顧客側ICカード識別子91b及び中断取引記録配
列91cが書込み可能である。
【0065】ここで、金庫側ICカード識別子91a
は、それが書き込まれた取引記録キャッシュ部91が全
金庫内ICカード85a…のうちのどのICカードに対
応したものかを特定するものである。
【0066】また、顧客側ICカード識別子91bは、
その書込みの有無により、金庫側ICカード識別子91
aで特定される金庫内ICカード85aが、当該顧客側
ICカード識別子91bで特定される顧客側ICカード
82との間で電子通貨転送中(ICカード使用中)であ
るか否かを示す。顧客側ICカード識別子91bが書き
込まれていない(顧客側ICカード識別子91b欄が空
白)ならば、対応する金庫側ICカード識別子91aで
特定される金庫内ICカード85aが不使用状態である
ことを意味する。
【0067】中断取引記録配列91cは、金庫側ICカ
ード識別子91aで特定される金庫内ICカード85a
から、その金庫内ICカード85a内のデータ読出処理
部2P1及び取引記録読出処理部2P7を用いて読み出
した「中断状態」を表している、すなわち状態コード3
21の値が1〜3を示している取引記録22の配列を保
存するものである。この配列のインデックス(0以上N
未満の値)は、金庫内ICカード85a内の取引記録番
号524に対応したものとされている。
【0068】〈具体例2の動作〉 (2−1)正常時の電子通貨転送の処理動作 まず、電子通貨サーバ81は、その起動時に全ての金庫
内ICカード85aに1枚ずつ又は複数枚ずつ接続し、
各データ読出処理部2P1及び取引記録読出処理部2P
7を用いて、各金庫内ICカード85aのICカード識
別子521及び「中断状態」を表している取引記録22
を読み出し、メモリ81a上に設定された各取引記録キ
ャッシュ部91の金庫側ICカード識別子91a及び中
断取引記録配列91cの各欄に格納しておく。
【0069】電子通貨転送を開始する場合、顧客側端末
83は、ICカードリーダ/ライタ(図示せず)に挿入
された顧客側ICカード82内のデータ読出処理部1P
1を起動して同ICカード82内の不揮発性メモリ11
a上に格納された必要データ11a3中の少なくともI
Cカード識別子511を読み出し、ネットワーク84を
介して接続した電子通貨サーバ81に渡す。
【0070】電子通貨サーバ81は、顧客側端末83か
らの接続要求があると、各金庫内ICカード対応の取引
記録キャッシュ部91…に排他的にアクセスして行き、
顧客側端末83から渡されたICカード識別子(顧客側
ICカード識別子)511と同じ支払側ICカード識別
子323を含む中断取引記録配列91c(取引記録2
2)の有無を調べる。そのような取引記録22がない場
合は、不使用状態(顧客側ICカード識別子91b欄が
空白)の金庫内ICカード85aを1枚選択し、その取
引記録キャッシュ部91の顧客側ICカード識別子91
b欄に、顧客側端末83から渡されたICカード識別子
511を書き込み、顧客側端末83には選択された上記
金庫内ICカード85aの識別子(金庫内ICカード識
別子)を受取側ICカード識別子324として返す。不
使用状態の金庫内ICカード85aが見つからない場合
には、他の電子通貨転送が終了する等、金庫内ICカー
ド85a…のうちのいずれか1枚が不使用状態になるま
で待って同様の処理を行う。
【0071】以後の電子通貨転送の処理動作は、顧客側
端末83及び電子通貨サーバ81間がネットワーク84
で接続されていること、及び支払用端末13(図1参
照)の電子通貨転送に係わる機能が顧客側端末83と電
子通貨サーバ81とで分担されていることを除いて、上
述具体例1の場合と同様である。すなわち、上記(1−
1−2)〜(1−1−5)の項に記す処理と同様の処理を
経て、電子通貨転送正常終了に至る。ただし、電子通貨
サーバ81は、電子通貨転送が正常終了した場合あるい
は中断した場合には取引記録キャッシュ部91に排他的
にアクセスしてそれまで使用していた金庫内ICカード
85aに対応する取引記録キャッシュ部91の顧客側I
Cカード識別子91bの内容をクリア(空欄化)し、当
該金庫側ICカード85aが不使用状態にあるとの設定
を行う。
【0072】また、電子通貨サーバ81は、各金庫内I
Cカード(受取側ICカード)85aが生成した要求メ
ッセージあるいは確認メッセージを受け取った時点で、
取引記録キャッシュ部91の中断取引記録配列91c内
の対応する配列(取引記録番号で指定される取引記録2
2)中にその旨を記録して、取引記録キャッシュ部91
の記録内容が、上記メッセージを生成した各金庫内IC
カード85aの記録内容と同期するように更新して行
く。
【0073】なお、上記支払用端末13の電子通貨転送
に係わる機能の分担につき、顧客側ICカード(支払側
ICカード)82との関係では顧客側端末83が負担
し、金庫内ICカード(受取側ICカード)85aとの
関係では電子通貨サーバ81が負担する。
【0074】(2−2)中断した電子通貨転送の再開処理
動作 電子通貨サーバ81は、顧客側端末83からの接続要求
があると、各金庫内ICカード対応の取引記録キャッシ
ュ部91…に排他的にアクセスして行き、顧客側端末8
3から渡された顧客側ICカード識別子511と同じI
Cカード識別子323を含む中断取引記録配列91c
(取引記録22)の有無を調べる。そのような取引記録
22が見つかった場合は、その取引記録22(中断取引
記録配列91c)を含む取引記録キャッシュ部91の金
庫側ICカード識別子91a及びその取引記録22の内
容を当該取引記録キャッシュ部91から読み出し、ネッ
トワーク84を介して顧客側端末83に返す。
【0075】顧客側端末83は、電子通貨サーバ81か
ら返された金庫側ICカード識別子91aと取引記録2
2の内容を参照して、顧客側ICカード82内の対応す
る、「中断状態」を表している(状態コード321の値
が1〜3を示している)取引記録21を検索し、その中
断状態にある電子通貨転送の再開の準備ができたことを
意味するメッセージをネットワーク84を介して電子通
貨サーバ81に送る。
【0076】電子通貨サーバ81は、顧客側端末83か
らの上記メッセージを受けると、対応する取引記録キャ
ッシュ部91(上記顧客側端末83に返された金庫側I
Cカード識別子91a及び取引記録22の内容を読み出
した取引記録キャッシュ部91)に排他的にアクセス
し、その顧客側ICカード識別子91bの欄に顧客側端
末83から渡された顧客側ICカード識別子511を書
き込む。これにより、当該取引記録キャッシュ部91に
対応する金庫内ICカード85aが使用状態にあるとの
設定がなされる。当該取引記録キャッシュ部91に対応
する金庫内ICカード85aが、他の顧客側ICカード
82との間の電子通貨転送のために使用中である場合に
は、その電子通貨転送が終了するまで待って同様の処理
を行う。
【0077】以上のようにして、中断した電子通貨転送
の再開処理対象の金庫内ICカード85aが選択される
が、以後の転送処理は、上述正常時の場合(上記(2−
1)の項に記す処理)と同様であり、同処理を経て、電
子通貨転送正常終了に至る。
【0078】なお、具体例2においては、顧客側ICカ
ード82が支払側ICカードとなり、金庫内ICカード
85aが受取側ICカードとなった場合について説明し
たが、これのみに限定されることはない。例えばICカ
ード電話等を利用して、顧客が銀行から電子通貨を引き
出す場合は、顧客側ICカード82が受取側ICカード
となり、金庫内ICカード85aが支払側ICカードと
なるが、このような場合にあっても、具体例2の本発明
システムが適用できることは勿論である。
【0079】〈具体例2の効果〉上述具体例2によれ
ば、具体例1と同様の効果に加えて、次のような効果が
ある。すなわち具体例2では、ICカード金庫85を備
えた銀行や電子商店等において、各金庫内ICカード8
5aに対応した多数の取引記録キャッシュ部91…をも
つ電子通貨サーバ81を設置した。そして、上記各取引
記録キャッシュ部91を、金庫側ICカード識別子91
a、顧客側ICカード識別子91b及び中断取引記録配
列91cを書込み可能に構成し、多数の金庫内ICカー
ド85aの中から再開すべき中断状態の取引記録22を
もったものを高速に検索可能としたので、中断した電子
通貨転送を迅速に再開することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明システムの具体例1を示す構成図であ
る。
【図2】図1中の取引記録配列の内容の一例を示す図で
ある。
【図3】図2中の各取引記録の内容の一例を示す図であ
る。
【図4】図3中の状態コードの種類とその意味内容の一
例を示す図である。
【図5】図1中の取引記録配列以外の必要データの内容
の一例を示す図である。
【図6】図3中の取引識別子の内容の一例を示す図であ
る。
【図7】図1中の電子通貨転送プログラムの構成例を示
す図である。
【図8】本発明システムの具体例2を示す構成図であ
る。
【図9】図8中の取引記録キャッシュ部の内容の一例を
示す図である。
【図10】従来システムの構成図である。
【符号の説明】
11,101 支払側ICカード 11a,12a 不揮発性メモリ 11a1,12a1 電子通貨転送プログラム 11a2,12a2 取引記録配列 11a3,12a3 取引記録配列以外の必要データ 12,102 受取側ICカード 13,103 支払用端末 21(210〜21N−1),22(220〜22N−
1)取引記録 311,321 状態コード 312,322 取引識別子 313,323 支払側ICカード識別子 314,324 受取側ICカード識別子 315,325 転送額 511,521 ICカード識別子 512,522 取引連番 513,523 電子通貨の額(残高) 514,524 取引記録番号 515,525 電子署名用共通鍵 1P1,2P1 データ読出処理部 1P2,2P2 支払要求処理部 1P3,2P3 残高減算処理部 1P4,2P4 残高加算処理部 1P5,2P5 確認処理部 1P6,2P6 取引記録保存処理部 1P7,2P7 取引記録読出処理部 1P8,2P8 取引再開処理部 1P9,2P9 取引記録番号設定処理部 81 電子通貨サーバ 81a メモリ 82 顧客側ICカード 83 顧客側端末 84,104 ネットワーク 85 ICカード金庫 85a 金庫内ICカード 91 取引記録キャッシュ部 91a 金庫側ICカード識別子 91b 顧客側ICカード識別子 91c 中断取引記録配列 105 支払側端末 106 受取側端末
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G07F 7/10 G06F 15/30 350A 9A001 360 G07D 9/00 476 Fターム(参考) 3E040 AA03 CA12 CB01 FK09 3E044 CA06 DE01 5B049 AA05 BB46 CC39 DD04 EE05 EE23 EE25 FF08 GG02 GG04 GG07 GG10 5B055 BB10 BB12 CB08 CB09 EE02 EE17 EE27 EE29 FA01 FB03 HB06 KK05 KK09 KK13 KK15 KK18 NB00 NC05 NC08 5B058 KA08 KA40 YA02 9A001 BB04 DD15 JJ12 JJ27 JJ64 KK63 LL01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各偽造不能装置内に、価値の残高及び価
    値を転送するための価値転送手段を格納しておき、偽造
    不能装置外部からの価値転送要求により、支払側と受取
    側の双方の偽造不能装置の各価値転送手段を起動し、前
    記偽造不能装置外部から指示された価値の額を、支払側
    の偽造不能装置内の価値の残高から減算すると共に受取
    側の偽造不能装置内の価値の残高に加算することで、前
    記双方の偽造不能装置間での価値転送を行う価値転送シ
    ステムにおいて、 前記価値転送手段は、 前記価値転送要求に基づき開始された価値転送について
    の、当該価値転送特定用の取引識別子、相手方偽造不能
    装置特定用の相手方偽造不能装置識別子、価値の転送額
    及び当該価値転送終了時の処理進行段階を示す状態コー
    ドを含む取引記録を、自身が格納された偽造不能装置内
    に、少なくとも前記状態コードが中断状態を表している
    ものを優先的に残して所定数サイクリックに更新,保存
    する取引記録保存処理部と、 価値転送の開始後、前記取引記録保存処理部により格納
    された前記所定数の取引記録の中から状態コードが中断
    状態を表している取引記録の存否を検索するデータ読出
    処理部と、 このデータ読出処理部により状態コードが中断状態を表
    している取引記録が存在するとの検索結果が得られたと
    きにその取引記録の内容を読み出す取引記録読出処理部
    と、 この取引記録読出処理部により状態コードが中断状態を
    表している取引記録が読み出された場合で、かつその読
    み出された取引記録に記録されている相手方偽造不能装
    置識別子が現在開始された価値転送の相手方の偽造不能
    装置の識別子と一致すると共に開始された価値転送の双
    方の偽造不能装置の前記中断状態を表している取引記録
    に記録されている取引識別子が同じである場合に、その
    取引識別子が同じである双方の取引記録の内容に基づ
    き、かつその双方の取引記録によって判断される中断箇
    所から価値転送を再開させる取引再開処理部とを具備す
    ることを特徴とする価値転送システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の価値転送システムにお
    いて、偽造不能装置は不揮発性メモリを備えたICカー
    ドで、その不揮発性メモリに、価値転送手段を構成する
    価値転送プログラム及び取引記録を格納していることを
    特徴とする価値転送システム。
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