JP2000186237A - 成膜用組成物およびこれから得られた塗装体 - Google Patents

成膜用組成物およびこれから得られた塗装体

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JP2000186237A
JP2000186237A JP10317376A JP31737698A JP2000186237A JP 2000186237 A JP2000186237 A JP 2000186237A JP 10317376 A JP10317376 A JP 10317376A JP 31737698 A JP31737698 A JP 31737698A JP 2000186237 A JP2000186237 A JP 2000186237A
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zinc oxide
film
based particles
particles
forming composition
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English (en)
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Mitsuo Takeda
光生 武田
Yumiko Ueda
弓子 上田
Takafumi Kubo
貴文 久保
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 紫外線遮蔽性、熱線遮蔽性、帯電・静電防止
性、耐擦傷性等の物理特性に優れた膜を形成できる成膜
用組成物。 【解決手段】 酸化亜鉛系粒子とバインダー成分および
/または溶媒とを含有してなり、前記酸化亜鉛系粒子
は、2つの格子面(100)および(002)に対し
て、シェラー法(コーシー関数近似)を用いて、垂直方
向の結晶子の大きさDs(hkl)を求めたとき、Ds
(100)に対するDs(002)の比Rが1.2以下
である2種の酸化亜鉛系粒子AおよびBを必須成分と
し、前記酸化亜鉛系粒子Aが、金属成分としてZnのほ
かに、3価および/または4価をとる金属元素(Md)
をZnに対し0.1〜20原子%含有するが、X線回折
学的には酸化亜鉛結晶性を示す酸化亜鉛系粒子であり、
前記酸化亜鉛系粒子Bが、金属成分としてZnのほか
に、3価および/または4価をとる金属元素(Md)を
Znに対し0.01原子%以下含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線遮蔽性、熱
線遮蔽性および帯電・静電防止性等の優れた膜を形成で
きる成膜用組成物およびこの成膜用組成物から得られた
塗装体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、酸化亜鉛系粒子が紫外線遮蔽性を
有し、アルミニウム等の金属がドープされた酸化亜鉛系
粒子が導電性や熱線遮蔽性を有することが知られてお
り、紫外線遮蔽性の成膜用組成物や、導電性・熱線遮蔽
性の成膜用組成物への応用が提案されている。これらの
成膜用組成物から得られる被膜は、紫外線遮蔽膜、導電
膜、熱線遮蔽膜として利用されているが、いずれも、被
膜形成性能を有するバインダー成分と粒子表面との界面
密着力が弱いため、基材に対する密着性や耐摩耗性等の
物理特性が低いという問題があった。
【0003】一方、(金属がドープされた)酸化亜鉛系
粒子と溶媒とを含む液を、基材に塗布、加熱することに
よって、基材表面に薄膜を形成することができる。この
薄膜についても、上記と同様に、耐擦傷性等の物理特性
が低いという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、紫外線遮蔽性、熱線遮蔽性、帯電
・静電防止性等を有するとともに、密着性、耐摩耗性、
耐擦傷性等の物理特性に優れた膜を形成できる成膜用組
成物およびこの成膜用組成物から得られた塗装体を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、3価および/または
4価の金属でドープされた酸化亜鉛系粒子と、実質的に
ドープされていない別の酸化亜鉛系粒子とを併用した成
膜用組成物から得られる膜は、それぞれの酸化亜鉛系粒
子を単独で用いた成膜用組成物から得られる膜よりも、
密着性、耐摩耗性、耐擦傷性等の物理特性に優れること
を見出した。また、本発明者は、導電性の酸化亜鉛系粒
子と、非導電性の酸化亜鉛系粒子とを併用した成膜用組
成物から得られる膜も、それぞれの酸化亜鉛系粒子を単
独で用いた成膜用組成物から得られる膜より優れること
をも見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明にかかる第1の成膜用組
成物は、酸化亜鉛系粒子とバインダー成分および/また
は溶媒とを含有してなる成膜用組成物において、前記酸
化亜鉛系粒子は、2つの格子面(100)および(00
2)に対してシェラー法(コーシー関数近似)を用いて
垂直方向の結晶子の大きさDs(hkl)を求めたと
き、Ds(100)に対するDs(002)の比Rが
1.2以下である2種の酸化亜鉛系粒子AおよびBを必
須成分とし、前記酸化亜鉛系粒子Aが、金属成分として
Znのほかに、3価および/または4価をとる金属元素
(Md)をZnに対し0.1〜20原子%含有するが、
X線回折学的には酸化亜鉛結晶性を示す酸化亜鉛系粒子
であり、前記酸化亜鉛系粒子Bが、金属成分としてZn
のほかに、3価および/または4価をとる金属元素(M
d)をZnに対し0.01原子%以下含有することがあ
るが、X線回折学的には酸化亜鉛結晶性を示す酸化亜鉛
系粒子であることを特徴とする。
【0007】本発明にかかる第2の成膜用組成物は、酸
化亜鉛系粒子とバインダー成分および/または溶媒とを
含有してなる成膜用組成物において、前記酸化亜鉛系粒
子は、2種の酸化亜鉛系粒子AおよびBを必須成分と
し、前記酸化亜鉛系粒子Aが、金属成分としてZnのほ
かに、3価および/または4価をとる金属元素(Md)
をZnに対し0.1〜20原子%含有するが、X線回折
学的には酸化亜鉛結晶性を示す導電性の酸化亜鉛系粒子
であり、前記酸化亜鉛系粒子Bが、X線回折学的には酸
化亜鉛結晶性を示す非導電性の酸化亜鉛系粒子であるこ
とを特徴とする。
【0008】本発明にかかる塗装体は、上記成膜用組成
物から得られる膜を基材の表面に形成してなる塗装体で
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】〔第1の成膜用組成物で用いられ
る酸化亜鉛系粒子〕本発明の第1の成膜用組成物で用い
られる酸化亜鉛系粒子は、以下に示す酸化亜鉛系粒子A
および酸化亜鉛系粒子Bを必須成分とする。これらの酸
化亜鉛系粒子は、いずれも、酸化亜鉛系粒子本来の紫外
線を吸収することによる紫外線遮蔽性および可視光透過
性が高い粒子である。酸化亜鉛系粒子Aは、熱線遮蔽
性、導電性、無色透明性等を示し、分散性が高い粒子で
もある。
【0010】酸化亜鉛系粒子Aは、3価および/または
4価をとる金属元素(Md)とZnとを金属成分とす
る。酸化亜鉛系粒子A中のMdの含有量は、Znの総原
子数に対するMdの原子数の比で表して0.1〜20%
であり、さらに好ましくは0.1〜8%、最も好ましく
は0.4〜4%である。前記範囲を上回ると組成、結晶
サイズ等の均一性に富む微粒子となりにくく、前記範囲
を下回ると熱線遮蔽性が不十分となる。
【0011】一方、酸化亜鉛系粒子Bは、Znを金属成
分として含み、金属成分として3価および/または4価
をとる金属元素(Md)をさらに含むことがある。酸化
亜鉛系粒子B中のMdの含有量は、Znの総原子数に対
するMdの原子数の比で表して0.01%以下であり、
さらに好ましくは0.001%以下、最も好ましくは0
%、すなわち、金属元素(Md)を含まないことであ
る。前記範囲を上回ると酸化亜鉛系粒子Aと併用したこ
とによる物理物性の向上効果が得られない。
【0012】金属元素(Md)としては、B、Al、G
a、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、Pb等のIII
B族元素およびIVB族元素の他、Sc、Y、Ti、Z
r、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、T
c、Re、Fe、Rv、Os、Rh、Ir、La、C
e、Sb等が挙げられる。酸化亜鉛系粒子Aでは、これ
らのうちでも、Al、GaおよびInから選ばれた少な
くとも1種が好ましく、導電性および熱線遮蔽性が高ま
る。Mdは2種類以上からなると好ましく、そのうちの
少なくとも1種がAl、GaおよびInから選ばれると
さらに好ましく、2種がAl、GaおよびInから選ば
れると最も好ましい。
【0013】本発明の第1の成膜用組成物で用いられる
酸化亜鉛系粒子は、X線回折学的に酸化亜鉛結晶性を示
すことが必要であり、結晶性酸化亜鉛に特有の回折ピー
クである、格子面(100)、(002)、(101)
に回折ピークを示す。さらに以下の結晶子パラメータを
満たすと、可視光透過性が良好で、着色が抑制され、無
色透明性が高くなる。
【0014】酸化亜鉛系粒子は、シェラー法(Sche
rrer法)でコーシー関数近似(Cauchy関数近
似)を用いて、各回折面(hkl)に対して垂直方向の
結晶子の大きさDs(hkl)を求めたとき、比R=D
s(002)/Ds(100)≦1.2を満足し、好ま
しくはDs(002)/Ds(100)<1.1を満足
し、さらに好ましくは0.2<Ds(002)/Ds
(100)<1.0、最も好ましくは0.4<Ds(0
02)/Ds(100)<0.8を満足する。酸化亜鉛
系粒子Aおよび酸化亜鉛系粒子Bは、いずれも、比Rが
この範囲にあり、この範囲にある場合に、酸化亜鉛系粒
子Aおよび酸化亜鉛系粒子Bを併用したことによって物
理特性の向上効果が得られ、2次凝集等による透明性等
の低下は起こらなくなる。
【0015】Ds(002)については、特に限定はな
いが、好ましくは1nm<Ds(002)<30nm、
さらに好ましくは5nm<Ds(002)<20nm、
最も好ましくは5nm<Ds(002)<15nmであ
る。酸化亜鉛系粒子は、Wilson法を用いて求めた
結晶子の大きさをDwとするとき、好ましくは1nm<
Dw<100nm、より好ましくは5nm<Dw<30
nm、さらに好ましくは5nm<Dw<30nm、特に
好ましくは5nm<Dw<15nmの範囲ある。Dwが
この範囲にある場合は、透明性が高まる。特に、酸化亜
鉛計粒子Aでは、着色が低くなり、無色になるため好ま
しい。
【0016】酸化亜鉛系粒子は、Wilson法を用い
て求めた結晶子の格子歪みをAwとするとき、Aw<1
%を満足すると好ましく、Aw<0.5%を満足すると
さらに好ましい。Awがこの範囲にある場合は、酸化亜
鉛系粒子Aおよび酸化亜鉛系粒子Bを併用したことによ
って物理特性の向上効果が得られ、紫外線遮蔽性が高ま
る。
【0017】酸化亜鉛系粒子は、Fを除くハロゲン元素
(すなわち、塩素Cl、臭素Br、ヨウ素I)のイオン
および/または原子と、硫酸根SO4 2-および硝酸根N
3 -(以下、不純物Hと言うことがある)との合計含有
量が、亜鉛に対する原子数(ただし、硫酸根の場合はS
の原子数、硝酸根の場合はNの原子数として計算する)
比で0.5%以下であることが好ましい。より好ましく
は0.1%以下、さらに好ましくは0.01%以下、特
に好ましくは0.001%以下である。これには、不純
物Hを全く含まない場合も含む。不純物Hを含有しない
か、含有する場合でもこの範囲を越えない場合にのみ、
併用による物理特性の向上効果が得られる。
【0018】酸化亜鉛系粒子では、その紫外線透過端T
UVは、粉末拡散反射率測定によって得られる350n
mにおける反射率をR(350)(%)として、反射率
が〔R(350)+2〕(%)となる波長と定義され
る。粉末拡散反射率測定については、以下で詳述する。
本発明の酸化亜鉛系粒子では、好ましくはTIUV≧36
5nmであり、さらに好ましくはTIUV≧370nm、
最も好ましくはTIUV≧374nmである。TIUVが3
70nm未満であると、紫外線遮蔽性が低下する。
【0019】酸化亜鉛系粒子では、800kg/cm2
の加圧状態で測定した粉末抵抗ρBが、酸化亜鉛系粒子
Aについては、好ましくは10-2Ω・cm<ρB<1×
10 7Ω・cmであり、さらに好ましくは1Ω・cm<
ρB<1×105Ω・cmである。一方、酸化亜鉛系粒
子Bについては、好ましくは107Ω・cm≦ρB<1
×1014Ω・cmである。
【0020】酸化亜鉛系粒子は、カルボン酸(残)基を
含有していると好ましい。本発明でいうカルボン酸
(残)基とは、−COO−基を意味し、具体的には、カ
ルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート基(−
COO-)、加水分解によってカルボキシル基および/
またはカルボキシレート基を生成するエステル基等のこ
とである。
【0021】カルボン酸(残)基は、吸着および/また
は化学結合等して酸化亜鉛系粒子の表面に存在すること
によって、1次粒子の単一分散性が高まり、2次凝集が
抑制され、酸化亜鉛系粒子Aおよび酸化亜鉛系粒子Bの
分散性が向上し、併用による物理特性の向上効果が得ら
れるようになる。また、成膜組成物としたときに無色透
明性が高くなるとともに、紫外線遮蔽性および熱線遮蔽
性に優れるようになる。
【0022】カルボン酸(残)基としては、飽和脂肪酸
(残)基が好ましく、炭素数1〜4の脂肪酸(残)基が
さらに好ましく、アセトキシ基(CH3COO−)が最
も好ましい。カルボン酸(残)基の含有量は、酸化亜鉛
系粒子Aでは、好ましくはZnに対するモル比で0.0
1〜7%、さらに好ましくは0.1〜4%であり、酸化
亜鉛系粒子Bでは、好ましくはZnに対するモル比で
0.01〜14%、さらに好ましくは0.1〜7%、特
に好ましくは1〜5%である。カルボン酸(残)基が多
すぎると、赤外線遮蔽性が低下する。カルボン酸(残)
基量が前記範囲にあるときに単分散性と赤外線遮蔽性能
の両方に優れたものとなる。
【0023】酸化亜鉛系粒子は、その1次粒子が2次凝
集せずに分散していることが好ましい。酸化亜鉛系粒子
の分散粒径Ddは、透明感が高く、酸化亜鉛系粒子を含
む組成物の色相に実質的に影響を与えない点や、赤外線
の遮蔽効率の点から0.5μm以下であることが好まし
い。より好ましくは0.1μm以下、さらに好ましくは
0.05μm以下である。特に0.03μm以下が好ま
しい。無色透明性と赤外線遮蔽性の点から単分散性が高
いことが好ましい。単分散性は、上述の結晶子径(結晶
子の大きさ)DwとDdとの比r(Dd/Dw)で定義
され、比rが5以下であることが好ましく、3以下であ
ることがより好ましく、特に1.5以下が好ましい。
【0024】分散粒径Ddは、動的光散乱法、遠心沈降
法などにより測定することができる重量基準の平均粒子
径である。0.1μm未満の場合には前者の値を、0.
1μm以上の場合には後者の測定装置で測定される。酸
化亜鉛系粒子は、1価または2価の金属元素MaをMd
に対するMaの原子比で、0.00001≦Ma/Md
≦1の範囲で含むことが好ましい。0.0001≦Ma
/Md≦0.4の範囲であることがより好ましい。また
亜鉛に対する原子比で、0.0001〜2%の範囲であ
ることが好ましい。Maの存在効果は、ZnO結晶中に
Mdを均質に(よりモノメリックな状態で)含有させ、
しかも結晶表面を安定化し、2次凝集や粗大な結晶成長
を抑制する点にある。したがって、単分散性の高い微細
な結晶となり、Md量を多くして無色透明性に優れなが
ら赤外線遮蔽性を向上させることも可能となる。Ma量
が少なすぎると効果が発現せず、Ma量が多すぎると、
該粒子を含有する被膜の耐候性が低下する場合がある。
1価または2価の金属元素Maとは、アルカリ金属元素
および/またはアルカリ土類金属元素であり、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベ
リリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム等が挙げられる。これらのうちでも、アル
カリ土類金属元素が好ましい。
【0025】酸化亜鉛系粒子の形状、粒子径等のモルフ
ォルジーは特に限定されない。形状の具体例としては、
球状、楕円球状、立方体状、直方体状、ピラミッド状、
針状、柱状、棒状、筒状、りん片状、(六角)板状等の
薄片状などが例示されるが、結晶子形態が上述の範囲に
あること、すなわち、薄片性を帯びていることが好まし
い。
【0026】酸化亜鉛系粒子Aでは、粉末拡散反射率測
定によって得られる波長1000nmでの反射率をR
(1000)とし、波長380〜780nmでの最大反
射率をR(λmax)としたとき、R(1000)/R
(λmax)<0.8であることが好ましい。ここで、R
(1000)/R(λmax)をR(NIR)として、さ
らに好ましくはR(NIR)<0.6、最も好ましくは
R(NIR)<0.3である。R(NIR)が0.8以
上であると、熱線遮蔽性が低下するおそれがある。酸化
亜鉛系粒子は、表面処理剤で表面処理されているもので
あってもよい。表面処理剤は、有機化合物、無機化合物
のいずれであってもよく、電子伝導性化合物、非電子伝
導性化合物を挙げることができる。表面処理剤の表面処
理量については、特に限定はないが、酸化亜鉛に対し、
金属の酸化物換算で0.1〜20重量%であると好まし
く、金属酸化物換算の平均厚みが2nm未満であるとさ
らに好ましい。金属酸化物換算の平均厚みの測定方法と
しては、実施例に記載した方法を挙げることができる。
【0027】電子伝導性化合物としては、たとえば、R
e、In、Sn、Zn、Ni、Fe、Ti、Sb等の金
属元素の(水)酸化物や、ドーパントをさらに有する
(水)酸化物(たとえば、酸化スズにSb、酸化インジ
ウムにSn、酸化亜鉛にAl等)等の電子伝導性を有す
る(水)酸化物等の電子伝導性金属(水)酸化物;電子
伝導性有機ポリマー等を挙げることができる。
【0028】非電子伝導性化合物としては、たとえば、
無機物が好ましく、たとえば、Al、Si、Zr、M
g、Ca、La、Y、Be、Sr、Ba等の金属元素の
(水)酸化物等の非電子伝導性を有する金属元素の
(水)酸化物を挙げることができる。酸化亜鉛系粒子A
は、自由電子密度が高いため、Re、In、Sn、Sb
等の金属元素の(水)酸化物等の電子伝導性化合物で処
理されたものであると好ましい。他方、酸化亜鉛系粒子
Bは、非電子伝導性化合物で処理されたものであると好
ましい。
【0029】表面処理剤としては、たとえば、金属アル
コキシド、カルボン酸塩およびこれらの加水分解縮合
物;有機ケイ素化合物、有機スズ化合物等の有機金属化
合物;金属の塩化物、硝酸塩、硫酸塩等を挙げることが
できる。表面処理は、粒子を表面処理剤で処理した後、
加熱等することによって行われる。表面処理剤として
は、耐候性付与の目的からは、金属カルボン酸塩および
金属アルコキシドより選ばれた少なくとも1種が好まし
い。金属カルボン酸塩および金属アルコキシド中の金属
元素としては、Si、Zr、Al、La、Y、Mg、C
a、Sr、Ba、Be、In、Sn等の対応する(水)
酸化物が可視領域に吸収がなく、入手し易い金属元素が
好ましい。
【0030】酸化亜鉛系粒子Aおよび酸化亜鉛系粒子B
を製造する方法については、特に限定されないが、好ま
しいものとして、以下に詳しく説明する製造方法を挙げ
ることができる。酸化亜鉛系粒子Aの製造方法として
は、たとえば、亜鉛化合物および/またはその加水分解
縮合物と、3価および/または4価をとる金属元素(M
d)の化合物および/またはその加水分解縮合物と、ア
ルコールとを混合して得られる溶液から酸化亜鉛系粒子
を析出させる、酸化亜鉛系粒子の製造方法において、前
記溶液は、亜鉛化合物として下記一般式(I)で示され
る化合物が用いられ、MdがZnに対し0.1〜20原
子%となり、水分量がZnに対しモル比で4以下になる
ように調製されていることを特徴とする製造方法を挙げ
ることができる。
【0031】 Zn(O)k(OCOR)x(OH)y(OR’)z (I) (但し、Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた少なく
とも1種;R’は、アルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基およびアラルキル基から選ばれた少なくとも1
種;k、x、yおよびzは、k=(2−x−y−z)/
2、x+y+z≦2、0<x≦2、0≦y<2、0≦z
<2を満たす。) 酸化亜鉛系粒子Bの製造方法としては、たとえば、亜鉛
化合物および/またはその加水分解縮合物とアルコール
とを含有してなる溶液を加熱して、酸化亜鉛系粒子を析
出させる、酸化亜鉛系粒子の製造方法において、前記化
合物が上記一般式(I)で示され、前記溶液に含まれる
水分量をZnに対しモル比で4以下になるようにして、
前記溶液を100℃以上に加熱することを特徴とする製
造方法を挙げることができる。 〔第2の成膜用組成物で用いられる酸化亜鉛系粒子〕本
発明の第2の成膜用組成物で用いられる酸化亜鉛系粒子
は、以下の酸化亜鉛系粒子Aおよび酸化亜鉛系粒子Bを
必須成分とする。これらの酸化亜鉛系粒子は、いずれ
も、酸化亜鉛系粒子本来の紫外線を吸収することによる
紫外線遮蔽性および可視光透過性が高い粒子である。酸
化亜鉛系粒子Aは、熱線遮蔽性、導電性、無色透明性等
を示し、分散性が高い粒子でもある。
【0032】酸化亜鉛系粒子Aは、導電性を有し、3価
および/または4価をとる金属元素(Md)とZnとを
金属成分とする。酸化亜鉛系粒子A中のMdの含有量
は、Znの総原子数に対するMdの原子数の比で表して
0.1〜20%であり、さらに好ましくは0.1〜8
%、最も好ましくは0.4〜4%である。前記範囲を上
回ると組成、結晶サイズ等の均一性に富む微粒子となり
にくく、前記範囲を下回ると熱線遮蔽性が不十分とな
る。
【0033】一方、酸化亜鉛系粒子Bは、非導電性を有
し、Znを金属成分として含み、金属成分として3価お
よび/または4価をとる金属元素(Md)をさらに含む
ことがある。酸化亜鉛系粒子B中のMdの含有量につい
ては、特に限定はなく、Znの総原子数に対するMdの
原子数の比で表して、好ましくは0.1〜20%であ
る。
【0034】金属元素(Md)としては、上述の(第1
の成膜用組成物で用いられる酸化亜鉛系粒子の項で記載
した)金属元素を挙げることができ、これらのうちで
も、Al、GaおよびInから選ばれた少なくとも1種
が好ましく、導電性および熱線遮蔽性が高まる。Mdは
2種類以上からなると好ましく、そのうちの少なくとも
1種がAl、GaおよびInから選ばれるとさらに好ま
しく、2種がAl、GaおよびInから選ばれると最も
好ましい。
【0035】酸化亜鉛系粒子では、800kg/cm2
の加圧状態で測定した粉末抵抗ρBが、酸化亜鉛系粒子
Aについては、好ましくはρB<1×105Ω・cm、
さらに好ましくはρB<1×104Ω・cm、最も好ま
しくは1×102Ω・cm≦ρB<5×103Ω・cmで
ある。上記範囲にあると、酸化亜鉛系粒子Aは導電性を
有するようになる。一方、酸化亜鉛系粒子Bについて
は、好ましくは5×10 5Ω・cm≦ρB、さらに好ま
しくは5×106Ω・cm≦ρB、最も好ましくは1×
108Ω・cm≦ρBである。上記範囲にあると、酸化
亜鉛系粒子Bは非導電性を有するようになる。
【0036】本発明の第2の成膜用組成物で用いられる
酸化亜鉛系粒子は、X線回折学的に酸化亜鉛結晶性を示
すことが必要であり、結晶性酸化亜鉛に特有の回折ピー
クである、格子面(100)、(002)、(101)
に回折ピークを示す。さらに以下の結晶子パラメータを
満たすと、可視光透過性が良好で、着色が抑制され、無
色透明性が高くなる。
【0037】酸化亜鉛系粒子は、シェラー法(Sche
rrer法)でコーシー関数近似(Cauchy関数近
似)を用いて、各回折面(hkl)に対して垂直方向の
結晶子の大きさDs(hkl)を求めたとき、通常、比
R=Ds(002)/Ds(100)<1.5を満足
し、好ましくはDs(002)/Ds(100)<1.
2を満足し、より好ましくはDs(002)/Ds(1
00)≦1.1、さらに好ましくは0.2<Ds(00
2)/Ds(100)<1.0、最も好ましくは0.4
<Ds(002)/Ds(100)<0.8を満足す
る。酸化亜鉛系粒子Aおよび酸化亜鉛系粒子Bは、いず
れも、比Rがこの範囲にあり、この範囲にある場合に、
酸化亜鉛系粒子Aおよび酸化亜鉛系粒子Bを併用したこ
とによって物理特性の向上効果が得られ、2次凝集等に
よる透明性等の低下は起こらなくなる。
【0038】Ds(002)については、特に限定はな
いが、上述の範囲が好ましく、その理由も上述のとおり
である。酸化亜鉛系粒子は、Wilson法を用いて求
めた結晶子の大きさをDwとするとき、好ましくは1n
m<Dw<100nm、より好ましくは5nm<Dw<
30nm、さらに好ましくは5nm<Dw<20nm、
特に好ましくは5nm<Dw<15nmの範囲ある。D
wがこの範囲にある場合は、透明性が高まり、着色が低
くなり、無色になるため好ましい。
【0039】酸化亜鉛系粒子のAw、その不純物Hの合
計含有量および紫外線透過端TIUVとしては、上述の範
囲が好ましく、その理由も上述のとおりである。酸化亜
鉛系粒子は、上述と同様に、カルボン酸(残)基を含有
していると好ましく、その理由およびカルボン酸(残)
基として好ましいものも上述のとおりである。
【0040】カルボン酸(残)基の含有量は、酸化亜鉛
系粒子Aおよび酸化亜鉛系粒子Bのいずれでも、好まし
くはZnに対するモル比で0.01〜7%、さらに好ま
しくは0.1〜4%であり、カルボン酸(残)基が多す
ぎると、赤外線遮蔽性が低下する。カルボン酸(残)基
量が前記範囲にあるときに単分散性と赤外線遮蔽性能の
両方に優れたものとなる。
【0041】酸化亜鉛系粒子は、その1次粒子が2次凝
集せずに分散していることが好ましい。酸化亜鉛系粒子
の分散粒径Ddについては、特に限定はないが、上述の
範囲が好ましく、その理由も上述のとおりである。酸化
亜鉛系粒子の単分散性が高いと、無色透明性と赤外線遮
蔽性の点から好ましい。単分散性は、上記の結晶子径
(結晶子の大きさ)DwとDdとの比r(Dd/Dw)
で定義され、比rが5以下であることが好ましく、3以
下であることがより好ましく、特に1.5以下が好まし
い。
【0042】分散粒径Ddの測定方法は、上述のとおり
である。酸化亜鉛系粒子は、1価または2価の金属元素
MaをMdに対するMaの原子比で、0.0001〜2
%の範囲であることが好ましい。Maの存在効果、上記
範囲外にある場合の欠点および金属元素Maの具体例等
は、上述のとおりである。
【0043】酸化亜鉛系粒子の形状、粒子径等のモルフ
ォルジーは特に限定されない。形状については、特に限
定はないが、上述の形状を挙げることができ、好ましい
形状も上述のとおりである。酸化亜鉛系粒子Aおよび/
または酸化亜鉛系粒子BのR(1000)/R
(λ max)の範囲としては、上述の範囲が好ましい。
【0044】酸化亜鉛系粒子は、表面処理剤で表面処理
されているものであってもよい。表面処理剤は、有機化
合物、無機化合物のいずれであってもよく、電子伝導性
化合物、非電子伝導性化合物を挙げることができ、
(非)電子伝導性化合物としては、金属元素(Ms)を
含有するものがさらに好ましい。表面処理剤の表面処理
量については、特に限定はないが、酸化亜鉛系粒子に含
まれる亜鉛に対し、金属元素(Ms)が0.1〜20原
子%であると好ましく、さらに好ましくは0.5〜12
原子%、最も好ましくは1〜8原子%である。
【0045】電子伝導性化合物としては、たとえば、R
e、In、Sn、Zn、Ni、Fe、Ti、Sb等の金
属元素(Ms)の(水)酸化物や、ドーパントをさらに
有する(水)酸化物(たとえば、酸化スズにSb、酸化
インジウムにSn、酸化亜鉛にAl等)等の電子伝導性
を有する(水)酸化物等の電子伝導性金属(水)酸化
物;電子伝導性有機ポリマー等を挙げることができる。
【0046】非電子伝導性化合物としては、たとえば、
無機物が好ましく、たとえば、Al、Si、Zr、M
g、Ca、La、Y、Be、Sr、Ba等の金属元素
(Ms)の(水)酸化物等の非電子伝導性を有する金属
元素(Ms)の(水)酸化物を挙げることができる。こ
こでいう、(水)酸化物には、水酸化物モノマー、水酸
化物オリゴマー、水酸化物ポリマーや、加水分解や結合
形成等によって、水酸化物モノマー、水酸化物オリゴマ
ー、水酸化物ポリマー等を形成し得るアルコキシ基や金
属カルボン酸(残)基を残した状態で金属−O−Znの
結合等によって酸化亜鉛表面に付着しているものも含ま
れる。
【0047】酸化亜鉛系粒子Aは、Re、In、Sn、
Sb等の金属元素(Ms)の(水)酸化物等の電子伝導
性化合物で処理されたものであると好ましく、粉末抵抗
ρBが低下する。特に、金属元素(Md)を亜鉛に対し
0.4原子%未満しか含有しない場合に有効である。他
方、酸化亜鉛系粒子Bは、非電子伝導性化合物で処理さ
れたものであると好ましく、粉末抵抗ρBが高くなる。
特に、金属元素(Md)を亜鉛に対し0.4原子%以上
含有する場合は、非電子伝導性化合物で処理されたもの
が、粉末抵抗ρBが5×105Ω・cm以上となる点で
好ましい。特に、Al、Si、Zr等の金属元素(M
s)の化合物で処理されると、耐侯性が向上する。
【0048】表面処理剤としては、たとえば、金属アル
コキシド、カルボン酸塩およびこれらの加水分解縮合
物;有機ケイ素化合物、有機スズ化合物等の有機金属化
合物;金属の塩化物、硝酸塩、硫酸塩等を挙げることが
できる。表面処理は、粒子を表面処理剤で処理した後、
加熱等することによって行われる。表面処理剤として
は、耐候性付与の目的からは、金属カルボン酸塩および
金属アルコキシドより選ばれた少なくとも1種が好まし
い。金属カルボン酸塩および金属アルコキシド中の金属
元素としては、表面処理された酸化亜鉛系粒子Aおよび
酸化亜鉛系粒子Bで用いられる表面処理剤(電子伝導性
化合物、非電子伝導性化合物)に含まれる金属元素(M
s)が好ましい。
【0049】酸化亜鉛系粒子Aおよび酸化亜鉛系粒子B
を製造する方法については、特に限定されないが、好ま
しいものとして、以下に詳しく説明する製造方法を挙げ
ることができる。酸化亜鉛系粒子Aの製造方法として
は、たとえば、亜鉛化合物および/またはその加水分解
縮合物と、3価および/または4価をとる金属元素(M
d)の化合物および/またはその加水分解縮合物と、ア
ルコールとを混合して得られる溶液から酸化亜鉛系粒子
を析出させる、酸化亜鉛系粒子の製造方法において、前
記溶液は、亜鉛化合物として下記一般式(I)で示され
る化合物が用いられ、MdがZnに対し0.1〜20原
子%となり、水分量がZnに対しモル比で4以下になる
ように調製されていることを特徴とする製造方法を挙げ
ることができる。
【0050】 Zn(O)k(OCOR)x(OH)y(OR’)z (I) (但し、Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた少なく
とも1種;R’は、アルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基およびアラルキル基から選ばれた少なくとも1
種;k、x、yおよびzは、k=(2−x−y−z)/
2、x+y+z≦2、0<x≦2、0≦y<2、0≦z
<2を満たす。) 上記製造方法で析出した粒子について、必要に応じて、
表面処理剤で表面処理を行って、酸化亜鉛系粒子Aを製
造してもよい。
【0051】酸化亜鉛系粒子Bは、上記製造方法で析出
した粒子について、好ましくは、表面処理剤で表面処理
することによって得られる。 〔成膜用組成物〕本発明にかかる第1の成膜用組成物は
上述の第1の成膜用組成物で用いられる酸化亜鉛系粒子
を含む。また、第2の成膜用組成物は上述の第2の成膜
用組成物で用いられる酸化亜鉛系粒子を含む。このた
め、成膜用組成物は、紫外線遮蔽性や熱線遮蔽性に優れ
るとともに、分散性、透明性、無色性および可撓性の高
い膜を得ることができる。また、酸化亜鉛系粒子が表面
処理されていると、耐侯性がさらに高い膜を得ることが
できる。また、酸化亜鉛系粒子は、酸化亜鉛系粒子Aお
よび酸化亜鉛系粒子Bを必須成分としているため、これ
から得られる膜はそれぞれの粒子を単独で含む膜より
も、密着性、耐摩耗性、耐擦傷性等の物理特性に優れ
る。
【0052】成膜用組成物に含まれる酸化亜鉛系粒子
で、酸化亜鉛系粒子Aおよび酸化亜鉛系粒子Bの合計量
に対する酸化亜鉛系粒子Aの配合割合は、5〜95重量
%であり、好ましくは10〜90重量%である。第1の
成膜用組成物では、上記酸化亜鉛系粒子Aの配合割合
は、紫外線遮蔽用途に用いる場合は、さらに好ましくは
10〜50重量%、最も好ましくは20〜40重量%;
熱線遮蔽用途に用いる場合は、さらに好ましくは50〜
95重量%、最も好ましくは70〜90重量%;帯電・
静電防止用途に用いる場合は、さらに好ましくは50〜
90重量%、最も好ましくは75〜90重量%である。
【0053】第2の成膜用組成物では、上記酸化亜鉛系
粒子Aの配合割合は、紫外線および熱線遮蔽用途に用い
る場合は、さらに好ましくは20〜60重量%、最も好
ましくは30〜45重量%;帯電・静電防止用途に用い
る場合は、さらに好ましくは50〜90重量%、最も好
ましくは75〜90重量%である。本発明の第1および
第2の成膜用組成物は、いずれも、バインダー成分およ
び/または溶媒を含んでいる。第1の成膜用組成物とし
ては、たとえば、上述の第1の成膜用組成物で用いられ
る酸化亜鉛系粒子およびバインダー成分を必須成分と
し、溶媒をさらに含むことがある第1の成膜用組成物
A;上述の第1の成膜用組成物で用いられる酸化亜鉛系
粒子および溶媒を必須成分とし、バインダー成分をさら
に含むことがある第1の成膜用組成物B等を挙げること
ができる。第2の成膜用組成物としては、たとえば、上
述の第2の成膜用組成物で用いられる酸化亜鉛系粒子お
よびバインダー成分を必須成分とし、溶媒をさらに含む
ことがある第2の成膜用組成物A;上述の第2の成膜用
組成物で用いられる酸化亜鉛系粒子および溶媒を必須成
分とし、バインダー成分をさらに含むことがある第2の
成膜用組成物B等を挙げることができる。第1および第
2の成膜用組成物Aは、基材に塗布することによって、
その表面に酸化亜鉛系粒子Aおよび酸化亜鉛系粒子Bが
分散した被膜を形成することができる。一方、第1およ
び第2の成膜用組成物Bは、基材に塗布、加熱すること
によって、その表面に酸化亜鉛を主成分とする薄膜を形
成することができる。
【0054】成膜用組成物A中の酸化亜鉛系粒子の割合
は、酸化亜鉛系粒子およびバインダー成分の固形分合計
量に対して、好ましくは0.1〜99重量%であり、さ
らに好ましくは10〜90重量%である。酸化亜鉛系粒
子の割合が0.1重量%未満であると、紫外線遮蔽性や
熱線遮蔽性が低下するおそれがある。他方、酸化亜鉛系
粒子の割合が90重量%を超えると、透明性および可撓
性が低下するおそれがある。成膜用組成物Aから得られ
る被膜を導電膜、帯電防止膜、光触媒膜等として用いる
場合は、成膜用組成物A中の酸化亜鉛系粒子の割合は、
酸化亜鉛系粒子およびバインダー成分の固形分合計量に
対して、さらに好ましくは50〜90重量%であり、最
も好ましくは70〜85重量%である。
【0055】紫外線遮蔽膜や熱線遮蔽膜等の耐久性が要
求される用途に成膜用組成物Aを用いる場合は、酸化亜
鉛系粒子の濃度が低く、バインダー成分の濃度が高い方
がよく、酸化亜鉛系粒子の割合は、酸化亜鉛系粒子およ
びバインダー成分の固形分合計量に対して、さらに好ま
しくは20〜60重量%であり、最も好ましくは30〜
45重量%である。耐久性よりもむしろ酸化亜鉛系粒子
による効果を発揮させたいときこの限りではない。
【0056】成膜用組成物Bでは、酸化亜鉛系粒子同士
が接触することによる高い導電性や、電磁遮蔽性、さら
に多結晶膜化、単結晶膜化することによる熱線遮蔽性等
の機能膜にするためには、粒子濃度が高い方が好まし
い。成膜用組成物B中の酸化亜鉛系粒子の割合は、成膜
用組成物Bに含まれる不揮発成分全量に対して、好まし
くは80〜100重量%であり、さらに好ましくは90
〜100重量%である。酸化亜鉛系粒子の割合が80重
量%未満であると、紫外線遮蔽性や熱線遮蔽性に優れる
薄膜とするために、膜の厚みを厚くする必要があり、製
造時の生産性が低下するおそれがある。
【0057】成膜用組成物に含まれるバインダー成分と
しては、熱可塑性または熱硬化性(熱硬化性、紫外線硬
化性、電子線硬化性、湿気硬化性、これらの併用等も含
む)の各種合成樹脂や天然樹脂等の有機系バインダー
や、無機系バインダー等を挙げることができる。合成樹
脂としては、たとえば、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ビ
ニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリウレタン樹脂、熱硬化性不飽和ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、シリ
コーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素樹脂、キ
シレン樹脂、石油樹脂、ケトン樹脂、ロジン変性マレイ
ン酸樹脂、液状ポリブタジエン、クマロン樹脂等を挙げ
ることができ、これらが1種または2種以上使用され
る。天然樹脂としては、たとえば、セラック、ロジン
(松脂)、エステルガム、硬化ロジン、脱色セラック、
白セラック等を挙げることができ、これらが1種または
2種以上使用される。
【0058】合成樹脂として、エチレン−プロピレン共
重合ゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン
ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム等の天
然または合成のゴム等を用いてもよい。合成樹脂と併用
する成分として、硝酸セルロース、セルロースアセテー
トブチレート、酢酸セルロース、エチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース等を挙げることができる。
【0059】バインダー成分の形態については、特に限
定はなく、溶剤可溶型、水溶性型、エマルション型、分
散型(水/有機溶剤等の任意の溶剤)等を挙げることが
できる。水溶性型のバインダー成分としては、たとえ
ば、水溶性アルキド樹脂、水溶性アクリル変性アルキド
樹脂、水溶性オイルフリーアルキド樹脂(水溶性ポリエ
ステル樹脂)、水溶性アクリル樹脂、水溶性エポキシエ
ステル樹脂、水溶性メラミン樹脂等を挙げることができ
る。
【0060】エマルション型のバインダー成分として
は、たとえば、(メタ)アクリル酸アルキル共重合ディ
スパージョン;酢酸ビニル樹脂エマルション、酢酸ビニ
ル共重合樹脂エマルション、エチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂エマルション、アクリル酸エステル(共)重合樹
脂エマルション、スチレン−アクリル酸エステル(共)
重合樹脂エマルション、エポキシ樹脂エマルション、ウ
レタン樹脂エマルション、アクリル−シリコーンエマル
ション、フッ素樹脂エマルション等を挙げることができ
る。
【0061】無機系バインダーとしては、シリカゲル、
アルカリケイ酸、シリコンアルコキシド等の金属アルコ
キシド、これらの(加水分解)縮合物、リン酸塩等を挙
げることができる。成膜用組成物Aを後述の紫外線吸収
性フィルムの製造等に用いる場合、成膜温度等の成膜条
件や、得られるフィルムの可撓性や耐候性の観点から
は、成膜用組成物に用いられるバインダー成分として
は、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂等が
好ましい。
【0062】成膜用組成物Bで用いられるバインダー成
分としては、加熱すると熱分解等によって金属酸化物に
変換される無機系バインダーや、熱分解等によって得ら
れる薄膜にバインダー成分が残存しない有機系バインダ
ー等が好ましい。成膜用組成物に含まれる溶媒として
は、たとえば、アルコール類、脂肪族および芳香族カル
ボン酸エステル類、ケトン類、エーテル類、エーテルエ
ステル類、脂肪族および芳香族炭化水素類、ハロゲン化
炭化水素類等の有機系溶剤;水;鉱物油;植物油、ワッ
クス油、シリコーン油等を挙げることができ、これらが
1種または2種以上使用される。成膜用組成物Aでは、
その使用目的やバインダー成分の種類によって、溶媒が
適宜選択される。
【0063】成膜用組成物Aは、酸化亜鉛系粒子とバイ
ンダー成分とを必須成分として含み、これら以外に要求
性能に従って、架橋剤等の硬化剤;硬化助剤等の硬化触
媒;可塑剤;消泡剤・レベリング剤;チクソトロピック
剤;艶消し剤;界面活性剤;難燃剤;顔料湿潤剤・分散
剤;滑剤;紫外線吸収剤;光安定剤;酸化防止剤;その
他(熱)安定剤;防腐剤;防かび剤;防藻剤;防食・防
錆剤;染料;顔料等の添加剤を含有するものでもよい。
【0064】成膜用組成物Aを酸化亜鉛系粒子含有フィ
ルムの製造等に用いる場合、成膜用組成物が光安定剤を
含むものであると、耐候性が向上する。成膜用組成物A
が硬化剤としてポリイソシアネートを含むものである
と、汎用性が高い。フィルムを製造する場合の成膜用組
成物Aの硬化方法については、経済的に加熱硬化法が好
ましい。
【0065】成膜用組成物Aの製造方法としては、たと
えば、有機溶剤に酸化亜鉛系粒子を添加しスラリー化し
た後、この酸化亜鉛系粒子を含むスラリーに、バインダ
ー成分を混合して成膜用組成物Aを製造する方法等を挙
げることができる。成膜用組成物Bの製造方法として
は、たとえば、有機溶剤に酸化亜鉛系粒子を添加しスラ
リー化して製造する方法等を挙げることができる。
【0066】成膜用組成物は、たとえば、ガラス、陶器
等の無機物や、樹脂等の有機物等の後述の基材の表面に
塗布することができる。 〔塗装品〕本発明にかかる塗装品は、上述の成膜用組成
物から得られる膜を基材の表面に形成してなるものであ
る。本発明にかかる塗装品としては、たとえば、成膜用
組成物Aから得られる被膜を基材の表面に形成してなる
塗装品A;成膜用組成物Bを基材表面に塗布、加熱する
ことにより、薄膜を前記基材の表面に形成してなる塗装
品B等を挙げることができる。塗装品A 塗装品Aは、その表面に成膜用組成物Aから得られる被
膜を備えているために、優れた透明性、紫外線遮蔽性、
熱線遮蔽性等を有する。この被膜は、紫外線遮蔽膜、熱
線遮蔽膜、帯電防止膜、光触媒膜、赤外線放射膜、熱電
変換膜等に有用である。
【0067】基材としては、たとえば、ガラス、陶器、
金属(たとえば鋼)等の無機物や、樹脂等の有機物等の
基材を挙げることができ、特に、有機物の基材表面に成
膜用組成物Aを塗布して得られる被膜は、耐候性が高
く、可撓性に優れる。上記無機物や有機物の形状につい
ては、特に限定はなく、フィルム状、シート状、板状、
繊維状等の形状を挙げることができる。これらのうちで
も、フィルムや、繊維等に有用である。
【0068】基材として用いられる樹脂の材質として
は、特に限定はなく、たとえば、LDPE、HDPE、
アモルファスポリエチレン、OPP(延伸ポリプロピレ
ン)、CPP(結晶化ポリプロピレン)等のポリプロピ
レン、ポリイソブチレンなどのポリオレフィン系;EV
A(エチレン・酢酸ビニル共重合体)系;ポリスチレン
系;軟質又は硬質ポリ塩化ビニル;EVOH(エチレン
・ビニルアルコール共重合体)系;PVA系(ビニロン
系);PVDC系(ポリ塩化ビニリデン);ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブ
チレンナフタレート等のポリエステル系;ポリカーボネ
ート系;ポリウレタン系;ポリアミド系;ポリイミド
系;ポリアクリロニトリル系;ポリサルフォン系;ポリ
エーテルサルフォン系;ポリフェニレンサルファイド
系;ポリアリレート系;ポリエーテルイミド系;アラミ
ド系;(メタ)アクリル系;ポリエーテルエーテルケト
ン系;テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、テ
トラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重
合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロ
エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、
テトラフルオロエチレン・ペルフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロ
エチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ペルフルオロア
ルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオ
ロエチレンなどのフッ素系樹脂等を挙げることができ
る。
【0069】光学レンズ等の極めて高度な可視光透過
性、透明性が要求される用途で用いる場合には、PMM
A、MMA−スチレンランダム共重合体、ポリカーボネ
ート、透明ポリプロピレン、MMAとα−メチルスチレ
ンまたはシクロヘキシルメタクリレート等の共重合体、
ABS樹脂のMMA変性タイプ、ポリスチレン、ポリア
リレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、
透明エポキシ樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1、フ
ッ素化ポリイミド、非晶質フッ素樹脂、透明フェノキシ
樹脂、非晶質ナイロン樹脂、フルオレン系等の各種樹脂
を基材として使用することができる。
【0070】また、廃棄処理問題から、生分解性に対す
る要求に応えるものとして、生分解性樹脂を基材として
用いることは今後ますます重要になる。このような場
合、たとえば、ポリ−3−ハイドロキシ酪酸エステル、
キチン・キトサン系、ポリアミノ酸系、セルロース系、
ポリカプロラクトン系、アルギン酸系、ポリビニルアル
コール系、脂肪族ポリエステル系、糖類系、ポリウレタ
ン系、ポリエーテル系などの生分解性プラスチック等を
基材として用いることが好ましい。
【0071】基材としては、上記基材に予め紫外線吸収
膜を配したものや、成膜用組成物Aから得られる被膜と
基材との密着性などを高める目的で、プライマー層等を
予め配したものものでもよい。基材として用いられるこ
れらの樹脂のうちでも、プラスチックフィルム、シート
のうち、耐候性が高い点でフッ素系樹脂、ポリエステル
系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂が好ましい。
【0072】塗装品Aは、たとえば、上記基材表面に成
膜用組成物Aを塗布、乾燥し、必要に応じて、硬化させ
ることによって製造することができる。成膜用組成物A
を基材表面に塗布する方法については、特に限定はな
く、ディッピング法、ロールコーター法、フローコート
法、スクリーン印刷法、バーコーター法、スピンコータ
ー法、刷毛塗り法、スプレー法等を挙げることができ
る。
【0073】成膜用組成物Aを塗布した後、耐水性、耐
溶剤性、耐酸、耐アルカリ等の耐薬品性、耐擦傷性等の
物性を向上させるために、熱硬化(室温硬化を含む)、
湿気硬化、紫外線硬化、電子線硬化等の方法で硬化させ
ることが好ましい。成膜用組成物Aから得られる被膜の
乾燥膜厚については、特に限定はなく、好ましくは0.
1〜60μmである。この被膜を紫外線遮蔽の目的で使
用する場合は、被膜の乾燥膜厚は、さらに好ましくは
0.5〜30μm、最も好ましくは1〜10μmであ
り、この被膜を熱線遮蔽の目的で使用する場合は、被膜
の乾燥膜厚は、さらに好ましくは5〜35μm、最も好
ましくは10〜25μmであり、この被膜を帯電(静
電)防止の目的で使用する場合は、被膜の乾燥膜厚は、
さらに好ましくは0.2〜5μm、最も好ましくは0.
5〜2μmである。
【0074】塗装品Aに十分な熱線遮蔽性を付与するた
めには、被膜中に酸化亜鉛系粒子が5〜15g/m2
なるように成膜用組成物Aを基材に塗布するのが好まし
い。成膜用組成物Aから得られる被膜の表面抵抗ρにつ
いては、特に限定はないが、帯電・静電防止性や、耐汚
染性を付与したい場合、好ましくは1011Ω以下、さら
に好ましくは109Ω以下である。
【0075】成膜用組成物Aから得られる被膜のヘイズ
については、特に限定はないが、好ましくは3%以下、
より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下、
最も好ましくは0.5%以下である。ヘイズは、濁度計
で測定して得られた値である。成膜用組成物Aをガラス
板等の透明板に塗布して得られた中間膜が形成された塗
工透明板を用いて、合わせガラスを得ることができる。
この合わせガラスは、接着剤シートを塗工透明板と別に
用意した透明板とで挟むように重ねて製造することがで
きる。なお、塗工透明板の中間膜と接着剤シートとを重
ねるようにする。
【0076】接着剤シートとしては、ポリビニルブチラ
ール系樹脂、ポリウレタン樹脂、エチレン−酢酸ビニル
共重合体系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体系樹脂等の軟質樹脂または硬質樹脂を材質と
するシートを挙げることができ、軟質樹脂が好ましい。
接着剤シートの厚みは、好ましくは0.1〜2mm、さ
らに好ましくは0.5〜1mmである。
【0077】基材としてフィルムを用いる場合、得られ
る塗装品Aは、酸化亜鉛系粒子含有フィルムとなる。基
材フィルムの膜厚については、特に限定はなく、好まし
くは5〜500μm、さらに好ましくは10〜200μ
mである。基材フィルム表面に成膜用組成物Aを塗布す
る方法、乾燥膜厚等については、特に限定はなく、上述
のものが好ましい。
【0078】酸化亜鉛系粒子含有フィルムは、成膜用組
成物Aから得られる被膜が基材フィルム上に形成された
ものであれば特に限定はなく、用途、要求特性等に応じ
てさらに加工されたものでもよい。酸化亜鉛系粒子含有
フィルムは、基材フィルムと接しない被膜の表面、およ
び/または、被膜と接しない基材フィルムの表面に、粘
着層や保護層(耐擦傷性付与のためのハードコート膜
等)を形成したものでもよく、他のフィルムとラミネー
トしたラミネートフィルムであってもよい。塗装品B 塗装品Bは、成膜用組成物Bを上述の基材表面に塗布、
加熱することにより、薄膜を前記基材の表面に形成して
なるものである。基材としては、耐熱温度が300℃以
上であるものが好ましく、たとえば、ガラス、陶器、金
属(たとえば鋼)等の無機物等が好ましい。薄膜は、酸
化亜鉛および金属元素(Md)の酸化物を必須成分とす
るため、塗装品Bは、優れた紫外線遮蔽性や熱線遮蔽性
を有し、薄膜の耐候性、無色透明性は高い。この薄膜
は、紫外線遮蔽膜、熱線遮蔽膜、電磁遮蔽膜、透明電極
の導電膜、帯電防止膜、光触媒膜、赤外線放射膜、熱電
変換膜等として有用である。
【0079】上記加熱する際の加熱温度については、特
に限定はないが、好ましくは300〜1600℃、さら
に好ましくは400〜1000℃ある。加熱温度が30
0℃未満であると、薄膜の機械的強度が低下するおそれ
がある。他方、加熱温度が1600℃を超えると、実用
的ではなくなる。加熱は、熱分解や燃焼を促進させるた
めに、空気中等の酸化性ガス雰囲気下で行う方が好まし
い場合もあるが、最終的には窒素等の不活性ガス雰囲気
下、水素等の還元性ガス雰囲気下または真空下で行うの
が、好ましい。
【0080】薄膜の膜厚については、特に限定はなく、
好ましくは0.1〜10μm、さらに好ましくは0.5
〜4μm、最も好ましくは1〜2μmである。塗装品A
およびBの紫外線遮蔽性については、特に限定はなく、
分光透過率が2%となる波長λaが、好ましくは365
nm以上、さらに好ましくは368nm以上、最も好ま
しくは370nm以上である。
【0081】塗装品AおよびBの熱線遮蔽性について
は、特に限定はなく、波長800〜1800nmの光の
透過率に対し、JIS R3106−1985の4.4
に記載の計算方法(各波長光における係数Dλ・Vλは
付表2の値を使用)を適用して、実施例に示した式に従
って、求めた熱線透過率(TIR)が、好ましくは80
%未満、より好ましくは60%未満、さらに好ましくは
50%未満、最も好ましくは40%未満である。
【0082】塗装品AおよびBの可視光線透過率につい
ては、特に限定はないが、好適には70%以上、さらに
好適には75%以上、最も好適には80%以上である。
可視光線透過率は、波長範囲380〜780nmで測定
し、JIS R 3106記載の装置、測定方法および
計算方法で得られた値である。塗装品AおよびBのヘイ
ズについては、特に限定はないが、好適には10%以
下、より好適には5%以下、さらに好適には3%以下、
最も好適には1%以下である。ヘイズは、濁度計で測定
して得られた値である。
【0083】塗装品AおよびBの耐侯性は、JIS B
7753−93に記載のサイシャインカーボンアーク
灯式耐光性および耐候性試験機を用いて、促進耐候性試
験を行って、初期100時間後のヘイズ値および色相を
基準にして、さらに500時間試験後のヘイズ値および
色相を比較した場合、ヘイズの変化が2%未満であると
好ましく、着色(変色)がないとさらに好ましい。
【0084】
【実施例】以下に、本発明の実施例を比較例と併せて示
すが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
なお、「%」は「重量%」を、「部」は「重量部」を意
味する。本実施例における評価等は次の手法により行っ
た。 1.酸化亜鉛系粒子の評価 <粉末試料の作製法>得られた分散体中の微粒子を遠心
分離操作によって分離した後、メタノールによる洗浄、
さらにアセトンによる洗浄を充分行った後、30℃で1
日真空乾燥し、さらに80℃にて1日真空乾燥し、揮発
成分を完全に除去して微粒子の粉末を得、これを粉末試
料とした。 <アセトキシ基含有量>粉末試料1gを0.01Nの水
酸化ナトリウム水溶液に混合し、3日間攪拌した後、遠
心分離操作によって得た上澄みをイオンクロマト分析す
ることによって測定した。 <結晶性>粉末X線回折により評価した。 <結晶子径Ds(hkl)、Dw>粉末試料の粉末X線
回折測定を行い求めた。
【0085】Ds(hkl):Scherrer法(C
auchy関数近似による)によって、得られる各回折
面(hkl)に対して垂直な方向の結晶子径 Dw:Wilson法を用いて求めた結晶子の大きさ及
び格子歪 <不純物Hの量>F以外のハロゲン元素含有量は、粉末
試料の蛍光X線分析により、硝酸根、硫酸根含有量はア
セトキシ基含有量の分析と同様にしてイオンクロマト分
析により求めた。 <紫外線遮蔽性>粉末化した試料に関して、拡散反射率
測定を行い、波長範囲300〜400nmにおいて反射
率が実質的に0%となる350nmにおける反射率をR
(350)(%)として、反射率が〔R(350)+
2〕(%)となる波長を紫外線透過端TIUVとした。拡
散反射率測定は、積分球付属装置((株)島津製作所製
のISR−3100)を試料室に取り付けた自記分光光
度計((株)島津製作所製のUV−3100)を用いて
行った。紫外線遮蔽性は、第1の成膜用組成物の参考
例、実施例および比較例では、以下の評価基準にしたが
って評価した。 A:TIUV≧374nm B:370nm≦TIUV<374nm C:TIUV<370nm 紫外線遮蔽性は、第2の成膜用組成物の参考例、実施例
および比較例では、以下の評価基準にしたがって評価し
た。 A:TIUV≧370nm B:TIUV<370nm <熱線遮蔽性>粉末拡散反射率測定によって得られる波
長1000nmでの反射率をR(1000)とし、波長
380〜780nmでの最大反射率をR(λmax)とし
たとき、R(NIR)=R(1000)/R(λmax
を計算した。 <単分散度>粒子の生成反応により得られた分散液につ
いて、以下の測定装置および測定方法による動的光散乱
法で数平均粒径Ddnを求め、Dwに対する比率(r=
Ddn/Dw)により、以下の評価基準にしたがって評
価した。
【0086】測定装置:大塚電子(株)製のダイミック
光散光度計DLS−700 測定方法:分散液を金属酸化物(酸化亜鉛)換算濃度2
5重量%に減圧加熱濃縮し、遠心分離操作によってケー
キを得て、酸化物として0.5gを含むケーキ(酸化亜
鉛濃度50〜70重量%)を秤取し、ポリエステルポリ
アミンが0.15重量%溶解したトルエン溶液10gに
混合し、1時間マグネテックスターラーで攪拌した後、
測定を行った。測定に際して、希釈溶媒としてトルエン
を用いた。
【0087】第1の成膜用組成物の参考例、実施例およ
び比較例では、以下の評価基準にしたがって評価した。 A:r<1.5 B:1.5≦r<3 C:3≦r<5 D:5≦r 第2の成膜用組成物の参考例、実施例および比較例で
は、以下の評価基準にしたがって評価した。 A:r<3 B:3≦r<5 C:5≦r <粉末抵抗>800kg/cm2の加圧状態で測定し
た。 <金属元素MdおよびMaの含有量および表面処理剤含
有量>蛍光X線分析、原子吸光分析、プラズマ発光分
析、重量分析および元素分析で求めた。 <表面処理層の厚み>表面処理粒子が、各粉末試料の酸
化亜鉛系粒子の結晶子径Dw(nm)を直径とする真球
体の表面に、表面処理剤から由来する金属Msを含有す
る表面処理層が酸化物層として、形成されているとし
て、下記式より、表面処理層の理論平均厚みdsを求
め、ds(nm)が、2nm以上か、未満かを判定し
た。
【0088】[(Dw/2+ds)3]×ρOX=k1 [(Dw/2)3]×ρZnO=k2 として、k1/k2= XOX/(XOX−XS)を満足す
るds(nm)を求めた。(但し、ρOX:粒子の酸化物
の真比重で、粒子を600℃、1時間で加熱したときの
灰分の真比重をピクノメータにより求めた値;ρZnO
表面処理される前の(金属でドープされた)酸化亜鉛系
粒子の真比重を意味し、近似的に、ZnOの真比重5.
6;XS:粉末試料のプラズマ発光分析、原子吸光分析
により、表面処理剤から由来する金属Ms含有量を求
め、これを金属Ms酸化物量に換算し、これの粉末試料
に対する重量%;XOX:(金属でドープされた)酸化亜
鉛系粒子を含めた、金属酸化物(粉末試料を空気中60
0℃、1時間加熱したときの灰分量)含有量(重量
%)) 2.実施例で得られた塗工品の評価 <分光特性>紫外線遮蔽性、可視光透過性は、上記した
分光光度計(積分球付き)で波長300〜800nmの
範囲の光に対する分光透過率を測定して、評価した。紫外線遮蔽性 分光透過率が2%となる波長λaを求め、以下の評価基
準にしたがって評価した。 ◎:λa≧370nm ○:365nm≦λa<370nm ×:λa<365nm可視光透過性 JIS R 3106−1985記載の方法にしたがっ
て、各波長の光に対する透過率と重価係数を用いて可視
光透過率Tvを計算した。なお、第1の成膜用組成物の
参考例、実施例および比較例では、下記の評価基準にし
たがって評価した。 ○:Tv≧80% △:70%≦Tv<80% ×:Tv<70%熱線遮蔽性 波長800〜1800nmの光の透過率に対し、JIS
R3106−1985の4.4に記載の計算方法(各
波長光における係数Dλ・Vλは付表2の値を使用)を
適用して、下記式に従って、熱線透過率(TIR)求
め、下記の評価基準にしたがって評価した。
【0089】
【数1】
【0090】τ(λ):800〜1800nmにおける
各透過率 A:TIR<60% B:60%≦TIR<80% C:TIR≧80% <透明性>第1の成膜用組成物の参考例、実施例および
比較例では、濁度計(日本電色工業(株)製NDH−1
001 DP)によりヘイズ(実測値)を測定した。
【0091】第2の成膜用組成物の参考例、実施例およ
び比較例では、膜形成によるヘイズの増加が2%未満を
○、2%以上〜5%未満を△、5%以上を×と評価し
た。 <基材密着性>セロテープを用いて碁盤目剥離試験を行
い、剥離の程度により下記の評価基準にしたがって評価
した。 ◎:剥離が認められない。 ○:剥離しなかった割合が、90/100以上。 ×:剥離しなかった割合が、90/100未満。 <耐摩耗性>第1の成膜用組成物の参考例、実施例およ
び比較例では、サンドペーパー(3cm×3cmの正方
形)を平滑な底面に張り付けた、重さ100gの荷重を
用意しておき、平坦な台上に膜形成面を上にして固定し
た。サンドぺーパー面を膜形成面に接触させるようにし
ておいて、荷重を5cm/秒の速度で移動させた。この
際、荷重以外の荷重が膜形成面に加わらないように気を
つけた。上記試験後の膜の摩耗具合を観察し、下記の評
価基準にしたがって評価した。 ○:摩耗の程度が少ないか、または、ない。 ×:摩耗の程度が大きい。
【0092】第2の成膜用組成物の参考例、実施例およ
び比較例では、上記で荷重を50gに変更し、下記の評
価基準にしたがって評価した。 ○:摩耗の程度がわずかか、または、ない。 △:磨耗が若干認められる。 ×:摩耗の程度が大きい。 <耐候性>JIS B 7753−93に記載のサイシ
ャインカーボンアーク灯式耐光性および耐候性試験機を
用いて、促進耐候性試験を行った。初期100時間後を
基準にして、さらに500時間試験後の透明性の変化、
変色の程度、クラックの有無等を比較して、下記の評価
基準にしたがって評価した。 ○:ヘイズの変化が2%未満。 ○のうち、○−A:クラックおよび変色が認められな
い。
【0093】○−B:クラックが認められないが、変色
が認められる。 ○−C:クラックが認められる。 ×:ヘイズの変化が2%以上。 <耐スクラッチ性>酸化物膜が形成されたガラスの酸化
物膜表面に、金属製ナイフの先端部を押し付け、金属製
ナイフを移動させたときの、傷(スクラッチ)の生成の
程度を観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。 ○―A:傷が認められない。 ○−B:傷がわずかに認められる。 × :傷が顕著に認められる。 <耐酸性>0.5Nの塩酸水溶液に48時間浸漬後の、
酸化亜鉛系粒子の溶解または脱落により生成するピンホ
ールの存在の程度で相対評価した。 <表面抵抗>塗膜表面に、金の櫛形電極を蒸着(厚み3
0nm±5nm)し、温度25℃、相対湿度50%、遮
光条件下で1時間放置した後、ケスレー社製エレクトロ
メーター617型を用いて、同条件下における表面抵抗
値を測定(印加電圧0.1V)した。 <耐汚染性>試験片を屋外で10日間曝し、表面(塗膜
形成側)の汚れ具合を相対評価した。 <耐熱酸化性>試料を、空気雰囲気下、400℃に加熱
された電気炉の試料室に、30分間、入れたとき、膜の
表面抵抗値の増加率△ρを算出し、評価した。
【0094】表面抵抗値の増加率:△ρ=ρ1/ρs (但し、ρ1:試験後の表面抵抗値、ρs:試験前の表
面抵抗値である。) 〔第1の成膜用組成物およびこれから得られた塗装体に
かかる参考例、実施例および比較例〕 −参考例1−1− 攪拌機、添加口、温度計、留出ガス出口、窒素ガス導入
口を備えた、外部より加熱し得る耐圧100リットルス
テンレス(SUS316)製反応器、および、添加口に
ボールバルブを介して直結する添加槽、留出ガス出口に
直結する冷却器および留出液トラップを備えた反応装置
に、ベンジルアルコール2163部を仕込み、150℃
に昇温し、水1.8gを混合した。この反応器に添加槽
より酢酸亜鉛無水物粉末(関東化学社製、工業用)18
3部およびアルミニウムsec−ブトキシド1.23部
を含有するベンジルアルコールスラリー(Zn添加液)
500部を30秒かけて混合し、昇温して、200℃到
達後、1時間この温度を保って、粒子分散液1017部
が得られた。Zn添加液を混合した時に溶液に含まれる
含水量は、Znに対しモル比で0.1であった。また、
昇温過程のボトム温度が170℃に達した時点で、カプ
ロン酸を30重量%含有するベンジルアルコール溶液1
9部を1分間かけて、添加槽からボトムに添加した。
【0095】得られた分散液は、表1に示す物性の酸化
亜鉛系粒子(A1)を含有するものであった。この分散
液について、遠心分離、メチルエチルケトン(MEK)
への再分散を繰り返して、粒子濃度50重量%の酸化亜
鉛系粒子(A1)を含有するMEK分散体(A1)を調
製した。 −参考例1−2〜1−8− 参考例1−1で、反応原料、温度条件等の反応条件を変
更して、表1に示す物性の酸化亜鉛系粒子(A2)〜
(A8)を含有する各反応分散液を得た後、参考例1−
1と同様にして、酸化亜鉛系粒子(A2)〜(A8)を
それぞれ50重量%含有するMEK分散体(A2)〜
(A8)を調製した。
【0096】−参考例2−1− 攪拌機、添加口、温度計、留出ガス出口、窒素ガス導入
口を備えた、外部より加熱し得る耐圧100リットルス
テンレス(SUS316)製反応器、および、添加口に
ボールバルブを介して直結する添加槽、留出ガス出口に
直結する冷却器および留出液トラップを備えた反応装置
に、ベンジルアルコール1000部を仕込み、150℃
に昇温した。この反応器に添加槽より酢酸亜鉛2水和物
粉末(関東化学社製、工業用)147部を30秒かけて
添加し、昇温して、200℃到達後、1時間この温度を
保って、粒子が析出した分散液896部が得られた。酢
酸亜鉛2水和物添加時から、200℃への昇温過程での
ボトムの最低温度は、添加直後の145℃であった。ま
た、昇温過程のボトム温度が170℃に達した時点で、
ラウリン酸を20重量%含有するベンジルアルコール溶
液34部を1分間かけて、添加槽からボトムに添加し
た。
【0097】得られた分散液は、表1に示す物性の酸化
亜鉛系粒子(B1)を含有するものであった。この分散
液について、遠心分離、メチルエチルケトン(MEK)
への再分散を繰り返して、粒子濃度50重量%の酸化亜
鉛系粒子(B1)を含有するMEK分散体(B1)を調
製した。 −参考例2−1〜2−3− 参考例2−1で、反応原料、温度条件等の反応条件を変
更して、表1に示す物性の酸化亜鉛系粒子(B2)〜
(B3)を含有する各反応分散液を得た後、参考例2−
1と同様にして、酸化亜鉛系粒子(B2)〜(B3)を
それぞれ50重量%含有するMEK分散体(B2)〜
(B3)を調製した。
【0098】
【表1】
【0099】(表1の注)酸化亜鉛系粒子(A1)〜
(A8)および酸化亜鉛系粒子(B1)〜(B3)、
(BC1)では、不純物Hの量はいずれの粒子もZnに
対し0.001モル%未満であり、Awは0.5%未満
であった。酸化亜鉛系粒子(AC1)では、不純物Hの
量はZnに対し1.02モル%(塩素)であった。
【0100】−実施例1−1− 表2に示した配合で、酸化亜鉛系粒子(A1)を含むM
EK分散体(A1)と、酸化亜鉛系粒子(B1)を含む
MEK分散体(B1)とを、順次、表3に示すバインダ
ー成分(B1)に混合し、サンドミルにて分散処理した
後、硬化剤を添加して、成膜用組成物(1)を調製し
た。
【0101】この成膜用組成物(1)を厚み50μmの
高透明PETフィルムにバーゴーターで塗布し、90℃
で2分間、熱風乾燥することによって、酸化亜鉛系粒子
(A1)および酸化亜鉛系粒子(B1)を分散含有する
被膜(膜厚11μm)が形成された塗工品(C−1)を
得た。その評価結果を表2に示した。塗工品(C−1)
の可視光透過率は、75%以上であり、その紫外線遮蔽
性を評価した結果、◎であった。
【0102】−実施例1−2〜1−8− 実施例1−1において、成膜用組成物の組成(酸化亜鉛
系粒子の種類、混合比、バインダー成分、配合比など)
を表2、3に示すように変更する以外は、実施例1−1
と同様にして、成膜用組成物(2)〜(8)を調製し
た。次いで、乾燥条件を表2に示すように変更する以外
は、実施例1−1と同様にして、これらの成膜用組成物
(2)〜(8)から、それぞれ塗工品(C−2)〜(C
−8)を得た。その評価結果を表2に示した。塗工品
(C−2)〜(C−8)の可視光透過率は、いずれも7
5%以上であり、その紫外線遮蔽性を評価した結果、◎
であった。
【0103】塗工品(C−4)および(C−7)につい
て、熱線遮蔽性を評価した結果、いずれも、ランクAで
あり、熱線遮蔽性に優れるものであることが確認され
た。塗工品(C−2)および(C−7)について、塗工
品の表面抵抗を評価した結果、塗工品(C−2)では1
9Ω/□オーダー、塗工品(C−7)では106Ω/□
オーダーであり、帯電防止性に優れる膜であることが確
認された。
【0104】塗工品(C−2)および(C−7)の耐汚
染性を評価した結果、酸化亜鉛系粒子を含有しない成膜
用組成物から得られた塗工品や、後述の比較例1−3で
作製した塗工品(Cc−3)と比較して、低汚染性であ
ることが確認された。 −比較例1−1− 表1に示す酸化亜鉛系粒子(AC1)および酸化亜鉛系
粒子(BC1)、それぞれ50部と、表3に示すバイン
ダー(B1)とを配合し、実施例1−1と同様にして、
成膜用組成物(C1)を表2に示す配合になるよう調製
した。
【0105】実施例1−1と同様にして、成膜用組成物
(C1)から、塗工品(Cc−1)を得た。その評価結
果を表2に示した。 −比較例1−2および1−3− 比較例1−1において、酸化亜鉛系粒子の種類を表2に
示すものに変更する以外は、比較例1−1と同様にし
て、成膜用組成物(C2)〜(C3)を調製した。次い
で、比較例1−1と同様にして、成膜用組成物(C2)
〜(C3)から、それぞれ塗工品(Cc−2)〜(Cc
−3)を得た。その評価結果を表2に示した。
【0106】
【表2】
【0107】(表2の注) PET:厚み50μmの高透明PETフィルム(ヘイ
ズ:0.3%) フッ素フィルム:厚み70μm(ヘイズ:2%) PC板:厚み3mm(ヘイズ:3%) アクリル板:厚み1mm(ヘイズ:1%)
【0108】
【表3】
【0109】(表3の注) ポリイソシアナート:イソシアヌレート変性ヘキサメイ
レンジイソシアネート(バインダー樹脂の水酸基量と当
量になるように添加した。) 触媒A:ジブチルスズジラウレート(バインダー樹脂に
対して、1重量%となるように添加した。) −比較例1−4− 表1に示す酸化亜鉛系粒子(AC1)/酸化亜鉛系粒子
(BC1)が重量比でを90/10からなる混合粉末9
4部と、バインダー成分としてのテトラエトキシシラン
をシリカ換算で6部と、n−ブタノールを主成分とする
溶媒とを混合し、サンドミルで分散処理して、成膜用組
成物(Cc−4)を得た。
【0110】この成膜用組成物(Cc−4)に石英ガラ
スの片面のみをディッピングし、空気中で25℃から1
0℃/minの昇温速度で加熱し、200℃を0.5時
間保持して乾燥(仮焼)した。このデイッピングおよび
乾燥の操作を数回繰り返した後、窒素中で25℃から1
0℃/minの昇温速度で加熱し、600℃を0.5時
間保持して加熱処理を行い、膜厚1μmの酸化物膜の形
成された塗工品(Cc−4)を得た。その評価結果を表
4に示した。
【0111】−比較例1−5および実施例1−9〜1−
11− 比較例1−4において、酸化亜鉛系粒子、バインダー成
分および溶媒等を表4に示すものに変更する以外は、比
較例1−4と同様にして、成膜用組成物(Cc−5)お
よび成膜用組成物(C−9)〜(C−11)を調製し
た。但し、実施例1−11では仮焼温度を350℃で行
った。これらの成膜用組成物について、比較例1−5と
同様にして、塗工品(Cc−5)および塗工品(C−
9)〜(C−11)を得た。その評価結果を表4に示し
た。
【0112】実施例1−9〜1−11で得られた塗工品
(C−9)〜(C−11)の紫外線遮蔽性は◎であり、
可視光透過率は、いずれも75%以上であった。また、
塗工品(C−10)の熱線遮蔽性を評価したところ、ラ
ンクAであり、熱線遮蔽性に優れるものであることが確
認された。塗工品(C−10)について、塗工品の表面
抵抗を評価したところ、105Ω/□オーダーであり、
導電性に優れる膜であることが確認された。
【0113】比較例1−4で得られた塗工品(Cc−
4)と、実施例1−9で得られた塗工品(C−9)と、
実施例1−10で得られた塗工品(C−10)の耐熱酸
化性を、比較したところ、塗工品(C−10)>塗工品
(C−9)>塗工品(Cc−4)であった。
【0114】
【表4】
【0115】(表4の注) バインダー成分(b1):テトラエトキシシラン バインダー成分(b2):テトラメトキシシラン−メチ
ルトリメトキシシラン共加水分解縮合物(数平均分子
量:2000) バインダー成分(b3):ポリエステルポリアミンポリ
マー 〔第2の成膜用組成物およびこれから得られた塗装体に
かかる参考例、実施例および比較例〕 −参考例3−1− 攪拌機、添加口、温度計、留出ガス出口、窒素ガス導入
口を備えた、外部より加熱し得る耐圧100リットルス
テンレス(SUS316)製反応器、および、添加口に
ボールバルブを介して直結する添加槽、留出ガス出口に
直結する冷却器および留出液トラップを備えた反応装置
に、ベンジルアルコール2163部を仕込み、150℃
に昇温し、水1.8gを混合した。この反応器に添加槽
より酢酸亜鉛無水物粉末(関東化学社製、工業用)18
3部およびアルミニウムsec−ブトキシド1.23部
を含有するベンジルアルコールスラリー(Zn添加液)
500部を30秒かけて混合し、昇温して、200℃到
達後、1時間この温度を保って、粒子分散液1017部
が得られた。Zn添加液を混合した時に溶液に含まれる
含水量は、Znに対しモル比で0.1であった。また、
昇温過程のボトム温度が170℃に達した時点で、カプ
ロン酸を30重量%含有するベンジルアルコール溶液1
9部を1分間かけて、添加槽からボトムに添加した。
【0116】得られた分散液は、表5に示す物性の酸化
亜鉛系粒子(a1)を含有するものであった。この分散
液について、遠心分離、メチルエチルケトン(MEK)
への再分散を繰り返して、粒子濃度50重量%の酸化亜
鉛系粒子(a1)を含有するMEK分散体(a1)を調
製した。 −参考例4−1− 攪拌機、添加口、温度計、留出ガス出口、窒素ガス導入
口を備えた、外部より加熱し得る耐圧100リットルス
テンレス(SUS316)製反応器、および、添加口に
ボールバルブを介して直結する添加槽、留出ガス出口に
直結する冷却器および留出液トラップを備えた反応装置
に、ベンジルアルコール2163部を仕込み、150℃
に昇温し、水1.8gを混合した。この反応器に添加槽
より酢酸亜鉛無水物粉末(関東化学社製、工業用)18
3部およびアルミニウムsec−ブトキシド1.48部
を含有するベンジルアルコールスラリー(Zn添加液)
500部を30秒かけて混合し、昇温することにより、
164℃で酸化亜鉛系粒子が析出した。さらに昇温し
て、ボトム温度が170℃に達した時点で、ラウリン酸
を30重量%含有する2−ブトキシエタノール14部を
1分間かけて添加槽から反応器に添加した。添加終了
後、170℃で1時間保持した後、アルミニウムsec
−ブトキシド30部を含有した2−ブトキシエタノール
100部を、15分間かけて反応器に添加し、混合し
た。添加終了後、250℃で2時間加熱して、AlがZ
nに対し、0.6%ドープされた酸化亜鉛結晶がAlの
水酸化物層で表面処理されてなる粒子の分散液1800
重量部を得た。
【0117】得られた分散液は、表5に示す物性の酸化
亜鉛系粒子(b1)を含有するものであった。この分散
液について、遠心分離、メチルエチルケトン(MEK)
への再分散を繰り返して、粒子濃度50重量%の酸化亜
鉛系粒子(b1)を含有するMEK分散体(b1)を調
製した。酸化亜鉛系粒子(b1)は、表5に示す表面処
理剤で表面処理されており、その処理量を表面処理剤に
含まれる金属量で示した。酸化亜鉛系粒子(b1)で
は、表面処理剤に含まれる金属の水酸化物モノマー、オ
リゴマー、酸化物等の絶縁性が高いために、粉末抵抗が
高い。
【0118】−参考例3−2〜3−6− 参考例3−1で、反応原料、温度条件、表面処理剤等の
条件を変更して、表5に示す物性の酸化亜鉛系粒子(a
2)〜(a5)を含有する各反応分散液を得た後、参考
例3−1と同様にして、酸化亜鉛系粒子(a2)〜(a
5)をそれぞれ50重量%含有するMEK分散体(a
2)〜(a5)を調製した。
【0119】酸化亜鉛系粒子(a3)〜(a4)は、い
ずれも、表5に示す表面処理剤で表面処理されており、
その処理量を表面処理剤に含まれる金属量で示した。酸
化亜鉛系粒子(a3)では、表面処理剤量が少ないため
に粉末抵抗は低く、酸化亜鉛系粒子(a4)では、表面
処理剤層がスズを5原子%含む酸化インジウムであるた
めに粉末抵抗は低い。
【0120】酸化亜鉛系粒子(a6)は、別法により調
製した。 −参考例4−2〜4−5− 参考例4−1で、反応原料、温度条件等の反応条件を変
更して、表5に示す物性の酸化亜鉛系粒子(b2)〜
(b5)を含有する各反応分散液を得た後、参考例1−
1と同様にして、酸化亜鉛系粒子(b2)〜(b5)を
それぞれ50重量%含有するMEK分散体(b2)〜
(b5)を調製した。
【0121】酸化亜鉛系粒子(b2)〜(b5)は、表
5に示す表面処理剤で表面処理されており、その処理量
を表面処理剤に含まれる金属量で示した。酸化亜鉛系粒
子(b2)〜(b5)では、いずれも、表面処理剤に含
まれる金属の水酸化物モノマー、オリゴマー、酸化物等
の絶縁性が高いために、粉末抵抗が高い。
【0122】
【表5】
【0123】(表5の注)酸化亜鉛系粒子(a1)〜
(a6)および酸化亜鉛系粒子(b1)〜(b5)で
は、不純物Hの量はいずれの粒子もZnに対し0.00
1モル%未満であり、Awは0.5%未満であった。酸
化亜鉛系粒子(a6)では、不純物Hの量はZnに対し
0.6モル%(塩素)であった。
【0124】−実施例2−1− 表6に示した配合で、酸化亜鉛系粒子(a1)を含むM
EK分散体(a1)と、酸化亜鉛系粒子(b1)を含む
MEK分散体(b1)とを、順次、表3に示すバインダ
ー成分(B1)に混合し、サンドミルにて分散処理した
後、硬化剤を添加して、成膜用組成物(2−1)を調製
した。
【0125】成膜用組成物(2−1)を厚み50μmの
高透明PETフィルムにバーコーターで塗布し、90℃
で2分間、熱風乾燥することによって、酸化亜鉛系粒子
(a1)および酸化亜鉛系粒子(b1)を分散含有する
被膜(膜厚2.4μm)が形成された塗工品(CC−
1)を得た。その評価結果を表6に示した。塗工品(C
C−1)の可視光透過率は、75%以上であり、その紫
外線遮蔽性を評価した結果、◎であった。
【0126】−実施例2−2〜2−9− 実施例2−1において、成膜用組成物の組成(酸化亜鉛
系粒子の種類、混合比、バインダー成分、配合比など)
を表6に示すように変更する以外は、実施例2−1と同
様にして、成膜用組成物(2−2)〜(2−9)を調製
した。次いで、乾燥条件を表6に示すように変更する以
外は、実施例2−1と同様にして、成膜用組成物(2−
2)〜(2−9)から、それぞれ塗工品(CC−2)〜
(CC−9)を得た。その評価結果を表6に示した。塗
工品(CC−2)〜(CC−8)の可視光透過率は、い
ずれも75%以上であり、その紫外線遮蔽性を評価した
結果、◎であった。塗工品(CC−9)の可視光透過率
は、75%以上であり、その紫外線遮蔽性を評価した結
果、○であった。
【0127】塗工品(CC−2)〜(CC−3)および
(CC−5)〜(CC−8)について、熱線遮蔽性を評
価した結果、いずれも、ランクAであり、熱線遮蔽性に
優れるものであることが確認された。塗工品(CC−
1)について、塗工品の表面抵抗を評価した結果、10
9Ω/□オーダーであり、帯電防止性に優れる膜である
ことが確認された。
【0128】塗工品(CC−1)の耐汚染性を評価した
結果、酸化亜鉛系粒子を含有しない成膜用組成物から得
られた塗工品や、後述の比較例2−1で作製した塗工品
(CCc−2)と比較して、低汚染性であることが確認
された。 −比較例2−1− 表5に示す酸化亜鉛系粒子(a1)100部と、表3に
示すバインダー(B1)とを配合し、実施例2−1と同
様にして、成膜用組成物(CC1)を表6に示す配合に
なるよう調製した。
【0129】実施例2−1と同様にして、成膜用組成物
(CC1)から、塗工品(CCc−1)を得た。その評
価結果を表6に示した。 −比較例2−2− 比較例2−1において、酸化亜鉛系粒子の種類を表6に
示すものに変更する以外は、比較例2−1と同様にし
て、成膜用組成物(CC2)を調製した。次いで、比較
例2−1と同様にして、成膜用組成物(CC2)から、
塗工品(CCc−2)を得た。その評価結果を表6に示
した。
【0130】
【表6】
【0131】(表6の注) PET:厚み50μmの高透明PETフィルム(ヘイ
ズ:0.3%) フッ素フィルム:厚み70μm(ヘイズ:2%) PC板:厚み3mm(ヘイズ:3%) アクリル板:厚み1mm(ヘイズ:1%) −比較例2−3− 表7に示すように、酸化亜鉛系粒子(a1)94部と、
バインダー成分としてのテトラエトキシシランをシリカ
換算で6部と、n−ブタノールを主成分とする溶媒とを
混合し、サンドミルで分散処理して、成膜用組成物(C
Cc−3)を得た。
【0132】石英ガラスの片面のみに成膜用組成物(C
Cc−3)をデイッピングし、空気中で25℃から10
℃/minの昇温速度で加熱し、200℃を0.5時間
保持して乾燥(仮焼)した。このデイッピングおよび乾
燥の操作を数回繰り返した後、窒素中で25℃から10
℃/minの昇温速度で加熱し、600℃を0.5時間
保持して加熱処理を行い、膜厚1μmの酸化物膜の形成
された塗工品(CCc−3)を得た。その評価結果を表
7に示した。
【0133】−実施例2−10〜2−12− 比較例2−3において、酸化亜鉛系粒子、バインダー成
分および溶媒等を表7に示すものに変更する以外は、比
較例2−3と同様にして、成膜用組成物(CC−10)
〜(CC−12)を調製した。但し、実施例2−12で
は仮焼温度を350℃で行った。これらの成膜用組成物
について、比較例2−3と同様にして、塗工品(CC−
10)〜(CC−12)を得た。その評価結果を表7に
示した。
【0134】実施例2−10〜2−12で得られた塗工
品(CC−10)〜(CC−12)の紫外線遮蔽性は◎
であり、可視光透過率は、いずれも75%以上であっ
た。また、塗工品(CC−11)の熱線遮蔽性を評価し
たところ、ランクAであり、熱線遮蔽性に優れるもので
あることが確認された。塗工品(CC−11)につい
て、塗工品の表面抵抗を評価したところ、105Ω/□
オーダーであり、導電性に優れる膜であることが確認さ
れた。
【0135】比較例2−3で得られた塗工品(CCc−
3)と、実施例2−10〜2−12で得られた塗工品
(CC−10)〜(CC−12)の耐熱酸化性を、比較
したところ、塗工品(CC−10)〜塗工品(CC−1
2)>塗工品(CCc−3)であった。
【0136】
【表7】
【0137】(表7の注) バインダー成分(b1):テトラエトキシシラン バインダー成分(b2):テトラメトキシシラン−メチ
ルトリメトキシシラン共加水分解縮合物(数平均分子
量:2000) バインダー成分(b3):ポリエステルポリアミンポリ
マー
【0138】
【発明の効果】本発明にかかる成膜用組成物は、紫外線
遮蔽性、熱線遮蔽性、帯電・静電防止性等を有するとと
もに、密着性、耐摩耗性、耐擦傷性等の物理特性に優れ
た膜を形成できる。本発明にかかる塗装品は、紫外線遮
蔽性、熱線遮蔽性、帯電・静電防止性等を有し、密着
性、耐摩耗性、耐擦傷性等の物理特性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 貴文 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4G047 AA04 AB02 AC03 AD02 4J038 EA011 HA216 KA06 KA20 NA19 NA20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化亜鉛系粒子とバインダー成分および/
    または溶媒とを含有してなる成膜用組成物において、前
    記酸化亜鉛系粒子は、2つの格子面(100)および
    (002)に対してシェラー法(コーシー関数近似)を
    用いて垂直方向の結晶子の大きさDs(hkl)を求め
    たとき、Ds(100)に対するDs(002)の比R
    が1.2以下である2種の酸化亜鉛系粒子AおよびBを
    必須成分とし、前記酸化亜鉛系粒子Aが、金属成分とし
    てZnのほかに、3価および/または4価をとる金属元
    素(Md)をZnに対し0.1〜20原子%含有する
    が、X線回折学的には酸化亜鉛結晶性を示す酸化亜鉛系
    粒子であり、前記酸化亜鉛系粒子Bが、金属成分として
    Znのほかに、3価および/または4価をとる金属元素
    (Md)をZnに対し0.01原子%以下含有すること
    があるが、X線回折学的には酸化亜鉛結晶性を示す酸化
    亜鉛系粒子であることを特徴とする、成膜用組成物。
  2. 【請求項2】酸化亜鉛系粒子とバインダー成分および/
    または溶媒とを含有してなる成膜用組成物において、前
    記酸化亜鉛系粒子は、2種の酸化亜鉛系粒子AおよびB
    を必須成分とし、前記酸化亜鉛系粒子Aが、金属成分と
    してZnのほかに、3価および/または4価をとる金属
    元素(Md)をZnに対し0.1〜20原子%含有する
    が、X線回折学的には酸化亜鉛結晶性を示す導電性の酸
    化亜鉛系粒子であり、前記酸化亜鉛系粒子Bが、X線回
    折学的には酸化亜鉛結晶性を示す非導電性の酸化亜鉛系
    粒子であることを特徴とする、成膜用組成物。
  3. 【請求項3】前記酸化亜鉛系粒子Bが、金属元素(M
    s)を含有する非電子導電性化合物で表面処理されてな
    る粒子であり、前記非電子導電性化合物の表面処理量
    は、亜鉛に対しMsが0.1〜20原子%である、請求
    項2に記載の成膜用組成物。
  4. 【請求項4】酸化亜鉛系粒子Aおよび酸化亜鉛系粒子B
    の合計量に対する酸化亜鉛系粒子Aの割合が5〜95重
    量%である、請求項1から3までのいずれかに記載の成
    膜用組成物。
  5. 【請求項5】請求項1から4までのいずれかに記載の成
    膜用組成物から得られる膜を基材の表面に形成してなる
    塗装体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005022953A (ja) * 2003-04-01 2005-01-27 Hitachi Maxell Ltd 複合化酸化インジウム粒子およびその製造方法、ならびに導電性塗料、導電性塗膜および導電性シート
WO2008044469A1 (fr) 2006-10-06 2008-04-17 Sakai Chemical Industry Co., Ltd. Particule ultrafine d'oxyde de zinc et son procédé de production
JP2012109088A (ja) * 2010-11-16 2012-06-07 Sekisui Chem Co Ltd 金属酸化物半導体粒子分散組成物

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