JP2000179881A - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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JP2000179881A
JP2000179881A JP10358758A JP35875898A JP2000179881A JP 2000179881 A JP2000179881 A JP 2000179881A JP 10358758 A JP10358758 A JP 10358758A JP 35875898 A JP35875898 A JP 35875898A JP 2000179881 A JP2000179881 A JP 2000179881A
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Japan
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blowers
air
air conditioner
blower
flow
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JP10358758A
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English (en)
Inventor
Naoki Shikazono
直毅 鹿園
Makoto Nagai
誠 長井
Shinichi Kosugi
真一 小杉
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 隣り合う送風機のそれぞれから吐き出される
空気の流れが互いに干渉することを抑制する。 【解決手段】 回転軸22a、22bが各々同一方向に
並列して設けられる隣り合う2つの遠心送風機20a、
20bと、遠心送風機20a、20bのそれぞれから吐
き出される空気の流れ43が互いに干渉することを抑制
する整流板5とを備え、整流板5は、隣り合う遠心送風
機20a、20bの間に設けられ、送風機と最も接近す
る部位7a、7bが隣り合う送風機の回転軸中心23
a、23bを結ぶ線24上よりもそれぞれの送風機の回
転方向28上流に配置される。さらに、整流板5は、吸
込口30と反対側のユニット背面36から吸込口側に延
設され、整流板5の延設方向先端の下に空間39を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の送風機を備
える空気調和機に係り、特に複数の送風機の回転軸が各
々同一方向に並列して設けられる空気調和機に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図16は、従来技術に係る空気調和機の
一例を示す横断面図である。従来の複数の送風機、たと
えば複数の遠心送風機を設置した空調機室内機では、隣
り合う遠心送風機20の間に、回転軸中心23aと回転
軸中心23bを結ぶ線に対して垂直な整流板(「仕切
板」とも云う)47が設けられていた。ところがこのよ
うな形状の整流板47を設けると、それぞれの遠心送風
機20から吐き出された空気の流れ(「風の流れ」とも
云う)43が直接衝突することは防げるが、破線で囲ま
れた領域48において、風の流れ43が整流板47に垂
直に衝突し大きな乱れを発生させてしまう。また、整流
板47と熱交換器32との距離が大きいと、風の漏れが
生じるので乱れの大きい領域が整流板の裏側へと回り込
み、さらに広がってしまう。従来は、静音化や省エネル
ギー化に対する要請がそれ程大きくなく、またそれぞれ
の送風機から吐き出される風量が比較的小さかったの
で、このような単純な整流板47で十分であった。
【0003】図17は、図16と同様の別の例を示す横
断面図である。遠心送風機20の回転方向下流側に遠心
送風機20から吐き出された風の旋回を弱めるために、
遠心送風機20回転方向下流側の熱交換器32近傍に旋
回止め49を設置する場合がある(たとえば、文献:日
本音響学会誌49巻11号pp.815−822、特許
第2661446号)。このような旋回止め49は熱交
換器32表面から発生する風切り音の低減には有効であ
るが、遠心送風機20から吐き出される風を大きく減速
させるには不十分である。複数の送風機から吐き出され
る風の干渉を抑制する程度に旋回流を弱めるためには、
非常に大きな旋回止め49を設置する必要があり、この
場合は流れが大きく乱され、騒音が逆に増大する恐れが
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に空気調和機の低
コスト化と静音化には、一つの大径な送風機を低回転数
でゆっくりと回すことが有効であるため、これまでの空
調機室内機ではファン径を大きく、ファン数を少なくす
る傾向で発展してきた。しかしながら、近年では省エネ
ルギー化やコンパクト化に対する要求が非常に強まって
きており、小さい径の送風機でかつそれぞれを大風量で
運転する必要に迫られている。このため、機種によって
はコンパクトな直方体形状筐体内に複数の送風機を収め
たユニット構造を選択せざるを得なくなってきた。
【0005】ところが、遠心送風機からの風はらせん状
に旋回しながら流出し、湧き出しを伴う自由渦に近い流
れ場を形成する。この場合、複数の送風機を同一回転方
向に回転させると、送風機と送風機の間で流れが反対方
向から流入するため、流れが衝突・干渉し、流れが大き
く乱されるとともに通風抵抗と騒音の増大が発生する。
ただしそれぞれの送風機から吐き出される風が十分減速
してから衝突するのであれば、このような干渉による弊
害は小さい。たとえば、複数の送風機であっても大径で
それぞれを小風量で運転する場合には、送風機吐き出し
速度が小さいので単に流れを堰き止めるように障害壁を
設けて、衝突時の風速を小さくするような工夫をしてお
けば十分である。
【0006】しかしながら、近年の空調機に対するコン
パクト化や省エネルギー化の要請は非常に強く、小径の
送風機を大風量で、しかも近接して設置せざるを得ない
場合が生じてきた。特に天井カセット型2方向吹出室内
機は、製品の幅寸法が長さ寸法に対して相対的に小さい
ため、上述の要請が大きくクローズアップされる。この
ような場合、不用意に障害壁を設けると逆に障害壁によ
る乱れが増大し、騒音がさらに大きくなる恐れがある。
特に、流れを壁に衝突させることは流れを急激に曲げる
ことになるので、局所的な増速が発生し損失が非常に大
きくなってしまう。このような問題を回避するために
は、適切な形状の整流板を適切な位置に挿入して、それ
ぞれの送風機が単独で回転した場合の流れに近いスムー
スな流れ場、すなわち急激な曲がり、減速、衝突のない
流れ場を確保しておく必要がある。
【0007】また、複数の送風機を有する空調機の場
合、運転状態によっては必ずしもそれぞれの送風機を同
じ回転数で回すとは限らない。一方の送風機を低回転数
で、もう片方の送風機を高回転数で回すような運転状態
においては、低回転数で回っている送風機近くの熱交換
器には風が十分に供給されず、熱交換器風速分布に大き
な偏りが生じるため冷暖房能力が十分に達成されない恐
れがある。さらには、たとえ同一回転数で送風機が運転
されていても、ユニットの通風抵抗に不均一がある場合
にはそれぞれの送風機周辺の圧力バランスが崩れ、上述
の異なる回転数で運転した場合と同様に熱交換器風速分
布に大きな偏りが生じる恐れがある。
【0008】本発明の課題は、隣り合う送風機のそれぞ
れから吐き出される空気の流れが互いに干渉することを
抑制することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の空気調和機は、複数の送風機を備え、これら複
数の送風機の回転軸は、各々同一方向に並列して設けら
れる。これら複数の送風機によって、吸込口から空気を
吸い込ませ熱交換器に通過させて吹出口から吹き出させ
る。さらに、空気調和機は隣り合う送風機の間に干渉抑
制手段を備え、干渉抑制手段の送風機と最も接近する部
位は、隣り合う送風機の回転軸中心を結ぶ線上よりもそ
れぞれの送風機の回転方向上流に配置される。複数の送
風機は筐体内に設けられ、さらに筐体には上記吸込口お
よび吹出口が設けられる。
【0010】干渉抑制手段は、隣り合う送風機のそれぞ
れから吐き出される空気の流れが互いに干渉することを
抑制するものであれば良く、形状は、たとえば板状の整
流板、仕切板、壁、中空を含む壁あるいは表面形状が曲
線状の板状物で、内部が中空であっても良い。
【0011】また、干渉抑制手段は、隣り合う送風機の
回転軸を含む平面に対して送風機の回転方向に傾斜させ
ても良く、このときの傾斜角は60〜80度にすると良
い。
【0012】このような構造をとることにより、隣り合
う送風機のそれぞれから吐き出される空気の流れが互い
に干渉することを抑制し、送風機から吐き出される風が
垂直に干渉抑制手段に流入する領域が小さくなり、干渉
抑制手段に沿う流れを作り易くする。その結果、送風機
から吐き出される風の偏向や局所的増速を極力抑えつ
つ、それぞれの送風機から吐き出される風が直接干渉す
ることを抑制でき、乱れによる通風抵抗と騒音の増大を
防ぐことができる。さらに熱交換器に対しては、風が垂
直に近い角度で流入する領域を広くとることができるの
で、風の持っている運動エネルギー(動圧)の損失が小
さくなり、全体の通風抵抗を小さく抑えることができ
る。
【0013】送風機が、たとえば遠心送風機である場合
に、遠心送風機から吐き出される風は、らせん状に旋回
しながら流出し湧き出しを伴う自由渦に近い流れ場を形
成する。したがって、複数の送風機を同一回転方向に回
転させると、送風機と送風機の間で流れが反対方向から
流入するため、流れが衝突・干渉し、流れが大きく乱さ
れるとともに通風抵抗と騒音の増大が発生する。この場
合、それぞれの遠心送風機の間に上記干渉抑制手段を設
けることにより、それぞれの送風機から吐き出される風
の干渉を極力抑制することができる。
【0014】さらに、干渉抑制手段は、吸込口と反対側
の背面から吸込口側に延設され、干渉抑制手段の延設方
向先端の下に空間を設ける。この際、干渉抑制手段の長
さまたは距離を背面から送風機のシュラウドまでの距離
の0.5から1.5倍の範囲にすると良い。このこと
は、それぞれの送風機が異なる回転数で回る場合に、干
渉抑制手段と熱交換器で囲まれそれぞれの送風機が格納
される空間を完全な密閉空間としてしまうと、熱交換器
を通過する流れに不均一が生じて冷暖房性能が低下する
恐れがある。送風機同士の干渉が最も激しいのは送風機
吹出し速度の大きいユニット筐体背面側近くである。し
たがって、この領域の干渉抑制手段面積を大きくし、流
速の遅い送風機の吸込口側は逆に小さくしておくと、主
に送風機の吸込口側でそれぞれの送風機の格納されてい
る空間同士を風が自由に往来でき、熱交換器を通過する
風量の不均一が緩和される。
【0015】干渉抑制手段をユニット筐体背面側よりも
吸込口側で小さくし、整流板と熱交換器によって囲まれ
る空間を半密閉空間とすることにより、風速の大きい背
面側で風の干渉を防ぎつつ、それぞれの送風機の格納さ
れる空間同士の風の往来を自由にさせる。したがって、
それぞれの送風機の格納される空間間の圧力バランスを
とることができ、熱交換器風速分布を均一化できる。
【0016】また、干渉抑制手段の少なくとも表面は、
吸音材で形成すると良い。隣り合う送風機間に設ける干
渉抑制手段の表面または全体を吸音材で形成することに
より、音響エネルギーが吸音材によって減衰するので、
一層騒音を小さい抑えることができ、一層騒音の小さい
空調機を提供することができる。
【0017】また、本発明の課題を解決するために、上
記干渉抑制手段を設けるが、この干渉抑制手段を設けな
い場合でも、隣り合う送風機を互いに送風機の回転軸方
向の異なる位置に設けても良い。隣り合う送風機を異な
る回転軸方向位置に設置することにより、それぞれの送
風機から吐き出される風が衝突せずに重なりあって流れ
ることができるので、流れが干渉せず、乱れによる通風
抵抗と騒音の増大を防ぐことができる。
【0018】以上のような手段により、限られた空調調
和機の筐体寸法内に大径の送風機を近接させて配置する
ことができるので、静音化とコンパクト化の両立が可能
となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る空気調和機の
実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図
1、2、6〜15において、同じ名称の部分には同一の
符号を付けて示す。
【0020】図1は、本発明に係る空気調和機の第1実
施形態を示し、(A)は横断面図、(B)は縦断面図で
ある。第1実施形態の空気調和機は、2つの開口部であ
る吹出口34を有する2方向吹出室内機を示す。吸込口
30から吸い込まれる空気を熱交換器32に通過させ、
吹出口34から吹き出させる2つの遠心送風機20a、
20bと、これら隣り合う遠心送風機20a、20bの
それぞれから吐き出される空気の流れ43が互いに干渉
することを抑制する干渉抑制手段として整流板(仕切
板)5とを備える。2つの遠心送風機20a、20b
は、筐体35の同一の空間内に設けられ、回転軸22
a、22bは各々同一方向、図1では上下方向に並列し
て設けられる。整流板5はこれら隣り合う遠心送風機2
0a、20bの間に設けられる。
【0021】整流板5の、たとえば右側の遠心送風機2
0aと最も接近する部位7aは、2つの遠心送風機の回
転軸中心23a、23bを結ぶ線24よりもそれぞれの
送風機の回転方向28の上流に配置される。また、送風
機20bに関しても同様であり、この送風機20bと最
も接近する整流板上の部位7bは線24よりも送風機の
回転方向28の上流側に配置される。このような整流板
5の配置は、隣り合う送風機の回転軸22a、22bを
含む平面に対して送風機の回転方向28に傾斜させるこ
とでもある。
【0022】遠心型送風機20a、20bから吐き出さ
れる風は、U字形に形成される熱交換器32を通り2つ
の吹出口34に至るように形成される。図1(B)に示
すように、整流板5は筐体35の背面(天井面)36に
接触するように配置されるが、その高さHdはほぼ遠心
送風機のシュラウド高さHsとほぼ同位置である。した
がって、整流板5の延設側先端の下には空間39が形成
され、整流板5と熱交換器32で形成され、それぞれの
送風機が格納されている空間40は完全には密閉されて
おらず半密閉空間となっている。このため左右の送風機
格納空間40に圧力の不釣り合いが生じてもそれぞれの
間で風の往来が可能となり、熱交換器32を通過する風
速分布が改善される。なお、符号Hhはハブ高さ、41
は機械室である。
【0023】続いて、整流板5を上述のように配置する
ことが有効である理由を、以下に詳しく説明する。
【0024】図18は、従来技術に係る空気調和機を示
し、(A)は横断面図、(B)は縦断面図である。この
空気調和機は、整流板を設けずに送風機、たとえば遠心
送風機を同一の空間内に複数台、この場合2台設置した
場合の風の流れ43の模式図を示す。同一閉空間内に遠
心送風機20を2台設置した場合、遠心送風機20が同
一方向に回転すると破線で囲った領域48で風が衝突
し、大きな乱れが発生する。
【0025】図18(B)に示すように、遠心型送風機
20は、風を吸込口30から90°偏向させて流出する
構造のため、流れは十分には曲がりきれず、ユニット背
面36側に偏った流れとなる。このため、特に流速の大
きいユニット背面36近くでの乱れが大きい。流れの乱
れはやがて粘性により散逸されるため、乱れが大きいと
いうことは無駄なエネルギーを消費していることを意味
し、通風抵抗の増大をもたらす。そればかりでなく、遠
心送風機20の後流での乱れは上流の送風機の翼面上の
揚力変動にも影響を及ぼし、遠心送風機20から発生す
る騒音を増大させてしまう。
【0026】上述の課題を解決するためには、騒音を増
大させるメカニズムを断ち切る必要がある。具体的に
は、それぞれの送風機から吐き出される流れを大きく乱
すことなく、直接干渉しないように、それぞれの送風機
を独立した空間内に格納することが重要である。このこ
とを実験結果を用いて以下に詳しく説明する。
【0027】図2は、空気調和機筐体の同一の空間内に
2つの遠心送風機を配置し、遠心送風機間に整流板を設
ける場合の風の流れを示し、(A)は横断面図、(B)
は縦断面図、図3は、シュラウド高さに対する仕切板高
さと騒音との関係曲線図、図4は、仕切板角度と騒音と
の関係曲線図、図5は、熱交換器間距離xに対する整流
板と熱交換器との間隔Δxと騒音との関係曲線図、をそ
れぞれ示す。それぞれの送風機20を配置する空間をど
のような形状にすればよいかを実験的に検討した結果を
示し、符号θは仕切板角度、Hdは仕切板高さ、Hsは
シュラウド高さ、Δxは仕切板と熱交換器との間隔、x
は熱交換器間距離、をそれぞれ表わし、これらは図2
(A)、(B)に示される。
【0028】図3に示すように、それぞれの送風機が格
納される空間40(図2)が、密閉されていた方がよい
のか、あるいは完全には仕切られずに半密閉空間がよい
のか検討した結果を示す。横軸は図2に示す送風機シュ
ラウド高さHsで無次元化したユニット背面36からの
仕切板高さHdである。図3から明らかなように、最適
な仕切板高さHdが存在する。その高さHdは、0.5
Hs≦Hd≦1.5Hsの範囲にあればよい。すなわ
ち、ユニット背面36からほぼ送風機のシュラウド高さ
Hs程度に仕切られた半密閉空間内に送風機を格納する
場合が最も騒音が低くなる。
【0029】整流板5を天井面から少しでも高くしてゆ
くと急激に騒音が減少することから、乱れが天井面に近
い限定された高さ内で非常に強いことがわかる。また、
逆に整流板5を高くしてそれぞれの送風機20を格納す
る空間を密閉空間としてしまうと、それぞれの空間のバ
ランスが崩れるため騒音が増大する。このような理由か
ら、それぞれの送風機20を格納する空間としては天井
面側が仕切られた半密閉空間であることが望ましい。
【0030】図4は、仕切板角度と騒音との関係曲線図
である。図2に示される整流板角度θは、送風機の回転
軸を含む平面26からの送風機回転方向28の角度であ
る。整流板角度θが90°を超える場合、整流板角度θ
が90°の場合よりも騒音が高い。これは整流板角度θ
が90°を超えると、流れの様子が図18に示す整流板
が無い場合とあまり変化しないためと考えられる。逆に
整流板角度θを70°程度とすると騒音は極小値を示
す。これは図2の遠心送風機20から吐き出される風の
流れ43が、何も障害がなければ湧き出しを伴う自由渦
流れと近いものになっているために、整流板角度θを7
0°程度とすることで本来の流れに最も近くスムースな
ものとなっているためと考えられる。すなわち、この場
合は整流板5に流れが衝突する領域が小さく急激な曲が
りによる局所的な増速が抑えられる。
【0031】さらに、整流板5の表裏で大きな速度差が
発生するものの、流れが直接に接触するのを防ぐことが
できる。また、熱交換器32に対しては風が垂直に近い
角度で流入する領域が広がるので、風の持っている運動
エネルギー(動圧)の損失が小さく、全体の通風抵抗を
小さく抑えることができる。熱交換器32に平行な速度
成分の運動エネルギーは圧力エネルギーに変換されるこ
となく熱として散逸してしまうからである。
【0032】これらのことから、送風機20から吐き出
される風を障害壁によって堰き止めることで流れの干渉
を防ぐよりも、流れの偏向を極力抑えつつそれぞれの流
れが直接接触しないようにする方が低騒音化には有効で
あることがわかる。整流板角度θを60°とすると70
°の場合よりも騒音が増大するのは、送風機20と整流
板5の距離が近づき流れが逆に阻害されるためと考えら
れる。
【0033】以上のことをまとめると、整流板5の設置
角度θには最適値があり、隣り合う遠心送風機の回転軸
22a、22bを含む平面とのなす角度を遠心送風機の
回転方向28に60°〜80°とすることが望ましい。
整流板5に折り曲げなどが施されていると、その曲げに
より流れの剥離や増速などが生じ易い。したがって、整
流板は直線または滑らかな曲線で構成されることが望ま
しい。
【0034】図5は、熱交換器間距離xに対する整流板
と熱交換器との間隔Δxと騒音との関係曲線図である。
整流板5と熱交換器32はできるだけ近づけた方が騒音
は小さい。すなわち、送風機20が格納される空間はユ
ニット背面36側は完全に仕切り、ユニット背面36か
ら離れた領域を開放させ、整流板の延設方向先端に空間
39を設ける半密閉空間とするのが望ましいことがわか
る。これは、整流板5と熱交換器32の間に隙間がある
と、そこで流速の大きい流れ同士が干渉し、その干渉に
よる乱れが騒音を増大させるためと考えられる。実際に
は整流板5と熱交換器32を接触させることは、製造上
の加工精度により困難である。したがって、整流板5と
熱交換器32の間の間隔は組立て時にぶつかることのな
いよう加工精度の範囲内で接近させて設置する。
【0035】次に、第2実施形態(図6)〜第11実施
形態(図15)の空気調和機について説明する。第2実
施形態(図6)〜第11実施形態(図15)において、
特に説明をしない部分の構造と作用は、第1実施形態の
空気調和機(図1)と同じであるので、その説明を省略
している。
【0036】図6は、空気調和機の第2実施形態を示す
縦断面図である。第2実施形態の空気調和機は、整流板
5がユニット背面36側は完全に仕切られる一方で、吸
込口に近い側には風が通過することのできる開口部12
が設けられる。図3の実験結果から明らかなように整流
板5によって筐体(またはユニット)の吸込口30側ま
で仕切られてしまうと逆に騒音が増加してしまう。図6
のように整流板5のユニット吸込口側に開口部12を設
けることで、整流板5のユニット背面36からの高さを
調節することと同様な働きをする。
【0037】図7は、空気調和機の第3実施形態を示す
横断面図である。第3実施形態の空気調和機は、整流板
が略直線状の曲線で形成される曲線整流板14を有す
る。ただし、第1実施形態と同様に曲線整流板14の送
風機20と最も接近する部位7a、7bは、2台の送風
機20の回転軸中心23a、23bを結ぶ線24よりも
それぞれの送風機の回転方向28の上流側とする。この
ような曲線状の整流板を用いる場合に曲げの曲率半径を
小さくし過ぎると、流れの剥離や急激な曲げなどによる
乱れが発生するため騒音が増大する恐れがある。曲線状
の整流板を用いる場合は可能な限り滑らかな形状とする
ことが望ましい。図8は、空気調和機の第4実施形態を
示す横断面図である。第4実施形態の空気調和機は、そ
れぞれの送風機20と最も接近する整流板の部位7a、
7bが、隣接する送風機20の回転軸中心23a、23
bを結ぶ線24よりもそれぞれの送風機の回転方向28
の上流側にあるように分断される分断整流板16を配置
する2方向吹出室内機である。中央部で分断される分断
整流板16は略平行に配置される。たとえ整流板が分断
されても、それらと送風機20との最短距離をなす部位
7a、7bが、2台の送風機の回転軸中心23a、23
bを結ぶ線24よりもそれぞれの送風機の回転方向28
の上流側にあれば、分断されない場合と同様の働きを得
る。ただし、整流板を分断する場合には、分断される位
置でそれぞれの送風機20から吐き出される風が干渉し
ないように、二つの分断整流板16の距離Δyを適切に
選択するなど、それぞれの分断整流板16の相対位置に
注意を払う必要がある。
【0038】図9は、空気調和機の第5実施形態を示す
横断面図である。第5実施形態の空気調和機は、4つの
吹出口34を有する4方向吹出室内機である。4方向吹
出室内機の場合も、熱交換器32で囲まれる空間内に送
風機を複数台設置しそれぞれの送風機を同一回転方向に
回すと、2方向吹出機と同様な問題が生じる。この場合
も整流板5を隣り合う遠心送風機20間に配置すること
で、それぞれの遠心送風機20から吐き出される風の干
渉による騒音増大を抑制することができる。
【0039】図10は、空気調和機の第6実施形態を示
す横断面図である。第6実施形態の空気調和機は、2つ
の吹出口34を有する2方向吹出室内機であるが、熱交
換器32で囲まれる空間内に送風機20を3台設置する
場合のものである。送風機20を3台設置する場合の作
用も、2台設置する場合と全く同様である。整流板5の
送風機20と最も接近する部位を、送風機回転軸中心間
を結ぶ線24よりも送風機回転方向28の上流側となる
位置に設置することが有効である。整流板5と熱交換器
32により囲まれる空間は、完全な密閉空間とはせず
に、ユニット吸込口側がより開口された整流板とした方
が良いことも同様である。
【0040】図11は、空気調和機の第7実施形態を示
し、(A)は横断面図、(B)は縦断面図である。第7
実施形態の空気調和機は、送風機の回転軸22a、22
bの方向(回転軸方向25)の位置をずらして配置する場
合である。それぞれの送風機20の吹出口が重ならない
ように回転軸方向25位置を調整すると、それぞれの送
風機20から吹き出された風は衝突することなく、互い
の流れの上下を潜り込むように流れるので、二つの送風
機20を取り囲むように全体として送風機の回転方向の
楕円形の流れの領域45を形成する。したがって、この
場合はそれぞれの送風機20から吐き出される風の干渉
は小さいので、整流板を設ける必要はなく、熱交換器と
ユニット背面36で囲まれる筐体空間内に複数の送風機
20を設置することが可能となる。
【0041】図12は、空気調和機の第8実施形態を示
す縦断面図である。第8実施形態の空気調和機は、送風
機の回転軸22a、22bの回転軸方向25の位置があ
まり異ならず、それぞれの送風機20の吹出口が重なり
合う場合は、やはり流れの干渉が生じるので、整流板5
を設けて、整流板5と図示していない熱交換器とで囲ま
れる空間を半密閉空間とすることが望ましい。そして、
その半密閉空間を形成する整流板5の高さHdは、送風
機のシュラウド高さHsの0.5倍から1.5倍の範囲
内にあることが望ましい。もちろん、図6に示す第2実
施形態のように整流板に開口部12を設けても同様の働
きを得る。
【0042】図13は、空気調和機の第9実施形態を示
す横断面図である。これまでは薄板による整流板の働き
について主に述べてきたが、第9実施形態の空気調和機
は、この整流板5の表面に吸音材10を貼り付けること
で、流れの整流作用だけでなく吸音作用も発揮され、一
層の低騒音化が図られる。
【0043】図14は、空気調和機の第10実施形態を
示す横断面図である。第10実施形態の空気調和機は、
整流板全体を吸音材10で形成する。この構造でも第9
実施形態の空気調和機と同様の作用を得る。
【0044】図15は、空気調和機の第11実施形態を
示し、(A)は縦断面図、(B)は側断面図である。第
11実施形態の空気調和機は、複数の遠心送風機20を
配置する空調機室外機を示す。この第11実施形態は、
熱交換器32が遠心送風機20の上流側に配置され、熱
交換器32を通過する空気の流れが遠心送風機20を通
過し吐き出される。この場合もそれぞれの遠心送風機2
0から吐き出される風は、遠心送風機と遠心送風機の間
で衝突するので騒音が増大する。この騒音増大を防ぐた
めに整流板5を設けることが有効である。この場合も、
整流板5の送風機20と最も接近する部位を、送風機の
回転軸中心を結ぶ線24よりもそれぞれの送風機回転方
向28の上流側に設置すると大きな静音化が図れる。ま
た、空気の流れが衝突する場合の乱れは背面板37に近
い位置で大きいので、整流板5の面積は背面板37側で
大きくすることが望ましい。
【0045】以上説明した第1〜第11実施形態の空気
調和機は、限られた空気調和機筐体の中で複数の遠心送
風機を、互いの空気の流れの干渉をさせることなく設置
させることができ、静音化とコンパクト化を両立させる
ことができる。
【0046】
【発明の効果】本発明の空気調和機よれば、複数の送風
機の隣り合う送風機のそれぞれから吐き出される空気の
流れが互いに干渉することを抑制するので、静音化とコ
ンパクト化の両立ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気調和機の第1実施形態を示
し、(A)は横断面図、(B)は縦断面図である。
【図2】空気調和機筐体の同一の空間内に2つの遠心送
風機を配置し、遠心送風機間に整流板を設ける場合の風
の流れを示し、(A)は横断面図、(B)は縦断面図で
ある。
【図3】シュラウド高さに対する仕切板高さと騒音との
関係曲線図である。
【図4】仕切板角度と騒音との関係曲線図である。
【図5】熱交換器間距離xに対する整流板と熱交換器と
の間隔Δxと騒音との関係曲線図である。
【図6】空気調和機の第2実施形態を示す縦断面図であ
る。
【図7】空気調和機の第3実施形態を示す横断面図であ
る。
【図8】空気調和機の第4実施形態を示す横断面図であ
る。
【図9】空気調和機の第5実施形態を示す横断面図であ
る。
【図10】空気調和機の第6実施形態を示す横断面図で
ある。
【図11】空気調和機の第7実施形態を示し、(A)は
横断面図、(B)は縦断面図である。
【図12】空気調和機の第8実施形態を示す縦断面図で
ある。
【図13】空気調和機の第9実施形態を示す横断面図で
ある。
【図14】空気調和機の第10実施形態を示す横断面図
である。
【図15】空気調和機の第11実施形態を示し、(A)
は縦断面図、(B)は側断面図である。
【図16】従来技術に係る空気調和機の一例を示す横断
面図である。
【図17】図16と同様の別の例を示す横断面図であ
る。
【図18】従来技術に係る空気調和機を示し、(A)は
横断面図、(B)は縦断面図である。
【符号の説明】
5 整流板(干渉抑制手段) 7a、7b 部位 10 吸音材 14 曲線整流板(干渉抑制手段) 16 分断整流板(干渉抑制手段) 20、20a、20b 遠心送風機(送風機) 22a、22b 回転軸 23a、23b 回転軸中心 24 回転軸中心を結ぶ線 25 回転軸方向 26 回転軸を含む平面 28 回転方向 30 吸込口 32 熱交換器 34 吹出口 36 ユニット背面(背面) 39 空間 43 空気の流れまたは風の流れ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小杉 真一 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内 Fターム(参考) 3L049 BB04 BB10 BB11 BC03 BD05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸込口から吸い込まれる空気を熱交換器
    に通過させ、吹出口から吹き出させる複数の送風機と、
    該複数の送風機の隣り合う送風機のそれぞれから吐き出
    される空気の流れが互いに干渉することを抑制する干渉
    抑制手段とを備え、前記複数の送風機の回転軸は各々同
    一方向に並列して設けられ、前記干渉抑制手段は、前記
    隣り合う送風機の間に設けられ、前記送風機と最も接近
    する部位が前記隣り合う送風機の回転軸中心を結ぶ線上
    よりもそれぞれの送風機の回転方向上流に配置されてな
    る空気調和機。
  2. 【請求項2】 吸込口から吸い込まれる空気を熱交換器
    に通過させ、吹出口から吹き出させる複数の送風機と、
    該複数の送風機の隣り合う送風機のそれぞれから吐き出
    される空気の流れが互いに干渉することを抑制する干渉
    抑制手段とを備え、前記複数の送風機の回転軸は各々同
    一方向に並列して設けられ、前記干渉抑制手段は、前記
    隣り合う送風機の回転軸を含む平面に対して前記送風機
    の回転方向に傾斜させてなる空気調和機。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記干渉抑
    制手段は、前記吸込口と反対側の背面から前記吸込口側
    に延設され、前記干渉抑制手段の延設方向先端の下に空
    間を設けてなる空気調和機。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記干渉抑制手段の少なくとも表面は、吸音材で形成さ
    れてなる空気調和機。
  5. 【請求項5】 吸込口から吸い込まれる空気を熱交換器
    に通過させ、吹出口から吹き出させる複数の送風機を備
    え、該複数の送風機の回転軸は各々同一方向に並列して
    設けられ、前記隣り合う送風機は、前記回転軸方向の異
    なる位置に設けられてなる空気調和機。
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