JP2000178105A - 工業用抗菌剤組成物および工業用抗菌方法 - Google Patents

工業用抗菌剤組成物および工業用抗菌方法

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JP2000178105A
JP2000178105A JP10361625A JP36162598A JP2000178105A JP 2000178105 A JP2000178105 A JP 2000178105A JP 10361625 A JP10361625 A JP 10361625A JP 36162598 A JP36162598 A JP 36162598A JP 2000178105 A JP2000178105 A JP 2000178105A
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Wakako Sato
若子 佐藤
Hiroyuki Suzuki
裕之 鈴木
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Kurita Water Industries Ltd
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Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水中の分散菌に対しても、壁面のスライムに
対しても効果を発揮する工業用抗菌剤組成物および工業
用抗菌方法を提供する。 【解決手段】 (A)1,2−ジブロモ−2,4−ジシ
アノブタンと、(B)2,2−ジブロモ−3−ニトリロ
プロピオンアミドと、(C)イソチアゾロン系化合物及
びその金属錯化合物からなる群から選択される少なくと
も一種とを含有させて工業用抗菌剤組成物とし、好まし
くは、(A)成分と(B)成分との割合が重量比として
100:1〜1:100であり、かつ(A)成分および
(B)成分の合計量と前記(C)成分との割合が重量比
として1:10〜10:1とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は工業用抗菌剤組成物およ
び工業用抗菌方法に関し、さらに詳しくは、紙・パルプ
工業における抄紙工程水、各種工業用の冷却水や洗浄
水、重油スラッジ、金属加工油剤、繊維油剤、ペイン
ト、紙用塗工液、ラテックス、糊剤の防腐用、殺菌用と
して有用である工業用抗菌剤組成物および工業用抗菌方
法に関する。なお、ここで工業用抗菌剤組成物とは、各
種工業用水系用のスライムコントロール剤および各種工
業製品の防腐剤、殺菌・静菌剤を含む。
【0002】
【従来の技術】従来から紙・パルプ工業における抄紙工
程や各種工業における冷却水系統には、細菌や真菌によ
るスライムが発生し、生産品の品質低下や生産効率の低
下などの障害を惹起することが知られている。また、多
くの工業製品、例えば重油スラッジ、金属加工油剤、繊
維油剤、ペイント類、各種ラテックス、糊剤等では細菌
や真菌による腐敗や汚染が発生し、製品を汚損し、商品
価値を低下させる。これらの微生物による障害を防止す
るために、多くの抗菌剤が使用されてきた。
【0003】古くは有機水銀化合物や塩素化フェノール
系化合物などが使用されていたが、これらの薬剤は人体
や魚介類に対する毒性が強く、環境汚染を引き起こすた
め使用が規制されるようになり、最近では比較的低毒性
の有機窒素硫黄系化合物、有機ハロゲン系化合物、有機
硫黄系化合物が工業用抗菌剤として汎用されている[防
菌防黴剤事典(昭和61、日本防菌防黴学会発行)]。しか
し、これらの抗菌剤はある種の細菌や真菌に対しては殺
菌力が小さく、実系に適用した場合、極めて高濃度の添
加が必要となり、経済性が悪いなどの問題があった。
【0004】このような問題を解決するため、いわゆる
相乗効果を期待して、複数の抗菌剤を組み合わせて使用
することが提案されている。例えば、特公平6-60083号
公報には、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオン
アミド(以下、DBNPAと略す)と、1,2−ジブロ
モ−2,4−ジシアノブタン(以下、DBDCBと略す)
との組み合わせが提案されている。また、DBDCBと
イソチアゾロン系化合物との組み合わせも提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た組み合わせの抗菌剤組成物も、広範囲な抗菌スペクト
ルを得るには十分ではない。
【0006】一方、スライムコントロール剤は、工業用
抗菌剤に属し、非常に広い用途に用いられているが、従
来のスライムコントロール剤の評価方法にも改善すべき
課題があった。すなわち、従来からスライムコントロー
ル剤の選定は、薬剤の水中分散菌に対する殺菌効果や、
増殖抑制効果を評価することにより行われてきた。しか
し、薬剤の分散菌に対する効果と、スライムに対する効
果が、必ずしも相関しないということが最近明らかにな
ってきた(J. C. Nickel, I. Ruseska, J. B. Wright,
J. W. Costerton, Antimicrobial Agents and Chemothe
r., 27 (4) 619-624('85) Tobramycin Resistance of P
seudomonas aeruginosa Cells Growing as a Biofilm o
n Urinary Catheter Material)。したがって、スライ
ムに対する抗菌剤の効果は、分散菌に対してのみなら
ず、水中の壁面に成長するスライムに対しても評価する
必要がある。
【0007】このような事情のもとに、分散菌に対して
も、スライムに対しても、低濃度の添加で有効な工業用
抗菌剤が求められている。
【0008】本発明は、紙・パルプ工業における抄紙工
程水、各種工業用の冷却水や洗浄水、重油スラッジ、金
属加工油剤、繊維油剤、ペイント、紙用塗工液、ラテッ
クス、糊剤の防腐用、殺菌用として有用であり、水中の
分散菌に対しても、壁面のスライムに対しても効果を発
揮する工業用抗菌剤組成物および工業用抗菌方法を提供
することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく、壁面に付着したスライムに対する効果を
評価できる評価装置(以下、スライム付着モニターとい
う)を用いて鋭意研究を重ねた結果、公知の抗菌剤であ
るDBDCBとDBNPAとに、イソチアゾロン系化合
物を組み合わせることにより、水中の分散菌と壁面のス
ライムの双方に対して、相乗的に防止効果が発揮される
ことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに
至った。
【0010】すなわち、本発明は、(A)1,2−ジブ
ロモ−2,4−ジシアノブタンと、(B)2,2−ジブ
ロモ−3−ニトリロプロピオンアミドと、(C)イソチ
アゾロン系化合物及びその金属錯化合物からなる群から
選択される少なくとも一種とを含有することを特徴とす
る工業用抗菌剤組成物にある。
【0011】ここで、前記(C)成分は、下記一般式
(I)のイソチアゾロン系化合物及び下記一般式(II)
のイソチアゾロン金属錯化合物から選択される少なくと
も一種である。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】一般式(I),(II)において、R1は、水素元
素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアラ
ルキル基、R2及びR3は、それぞれ水素原子又はハロゲ
ン原子で、R2及びR3の両者が縮合してベンゼン環を形
成することがある。但し、R 2とR3の両方がハロゲン原
子のものは除く。Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、重金属及びアミンよりなる群から選ばれた陽イオン
原子又は基であり、Zは、錯化合物を形成するのに十分
な溶解度を有する陽イオンMとの化合物を形成する陰イ
オン原子又は基であり、aは、1又は2の整数であり、
nは、陰イオンZが陽イオンMの原子価を満たす整数で
ある。
【0015】具体的には、5−クロル−2−メチル−3
−イソチアゾロン、2−メチル−3−イソチアゾロン、
2−エチル−3−イソチアゾロン、1,2−ベンゾイソ
チアゾロン、5−クロル−2−メチル−3−イソチアゾ
ロンマグネシウムナイトレート、2−メチル−3−イソ
チアゾロンマグネシウムナイトレート、2−エチル−3
−イソチアゾロンカルシウムクロライドなどを挙げるこ
とができる。
【0016】好ましい態様としては、前記(A)成分と
前記(B)成分との割合が重量比として100:1〜
1:100であり、かつ前記(A)成分および前記
(B)成分の合計量と前記(C)成分との割合が重量比
として1:10〜10:1であることを特徴とする工業
用抗菌剤組成物にある。
【0017】また、本発明は、(A)1,2−ジブロモ
−2,4−ジシアノブタンと、(B)2,2−ジブロモ
−3−ニトリロプロピオンアミドと、(C)イソチアゾ
ロン系化合物及びその金属錯化合物からなる群から選択
される少なくとも一種とを、合計濃度で1〜1,000
ミリグラム/リットルとなるように添加することを特徴
とする工業用抗菌方法乃至微生物付着防止方法にある。
【0018】ここで、(C)成分は上述した通りであ
り、各成分の好適な併合割合も上述したとおりである。
【0019】本発明の工業用抗菌剤組成物の形態には特
に制限はなく、例えば、(A)成分、(B)成分、及び
(C)成分の三者を含む一剤型としてもよいし、又は、
それぞれが(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の
何れかを含む二剤または三剤型としてもよく、添加した
状態で、(A)、(B)および(C)の三者が存在する
ものであればよい。これらの中で(A)成分、(B)成
分、および(C)成分を含む液状の一剤型抗菌剤は、取
り扱いが容易であり、好適に使用することができる。
【0020】一剤型抗菌剤は、(A)成分、(B)成
分、および(C)成分を有機溶媒、又は水及び有機溶媒
の混合物に溶解して製剤化することができ、あるいは、
(A)成分、(B)成分、および(C)成分を含む水性
懸濁液として製剤化することもできる。
【0021】(A)成分、(B)成分、および(C)成
分を有機溶媒、又は水及び有機溶媒の混合物に溶解して
製剤化するとき、使用する有機溶媒は、殺菌対象系が製
紙工程のプロセス水や工場冷却水などの各種水系である
場合には、有効成分の分散性及び溶解性を考慮して、親
水性有機溶媒であることが好ましい。
【0022】親水性有機溶媒としては、例えば、メチル
セロソルブ、エチルセルソルブ、フェニルセロソルブ、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテ
ル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリ
コール類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール、ヘキサノール、2−エチルヘキサノールなど
のアルコール類、メチルアセテート、エチルアセテー
ト、3−メトキシジブチルアセテート、2−エトキシメ
チルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、プロ
ピレンカーボネート等のエステル類、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類などを挙げる
ことができる。
【0023】また、(A)成分、(B)成分、および
(C)成分を含む水性懸濁液として製剤化する場合は、
ボールミルやアトライター等を用いて(A)成分、
(B)成分、および(C)成分を湿式粉砕し、水懸濁剤
とすることができる。水懸濁液を製造する場合は、キサ
ンタンガム、ラムザンガム、グアーガム等の増粘剤や、
分散剤としてノニオン界面活性剤、アニオン界面活性
剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等を用いるこ
とができる。
【0024】また、殺菌対象系が重油スラッジ、切削
油、油性塗料など油系である場合には、重油、灯油、ス
ピンドル油等の炭化水素溶媒を用いて、液状の一液型抗
菌剤とすることが好ましい。炭化水素系溶媒を用いて一
液型抗菌剤とする場合も、前述の各種界面活性剤等を用
いることができる。
【0025】本発明の工業用抗菌剤組成物の添加量は、
(A)成分、(B)成分、および(C)成分の合計の濃
度が1〜1,000ミリグラム/リットルであることが
好ましく、5〜100ミリグラム/リットルであること
がより好ましい。
【0026】本発明の(A)成分と(B)成分と(C)
成分とを含有する工業用抗菌剤組成物は、種々の工業用
対象系において、顕著に微生物の増殖と付着を防止する
働きを示し、特に抄紙工程用スライムコントロール剤、
紙用塗工液や糊剤等の抗菌剤として極めて有用である。
【0027】また、本発明の工業用抗菌方法では、各成
分を同時に混合した状態であるいは別々に加えてもよい
し、全く別々に添加してもよいが、結果的に、殺菌対象
系に上述した状態で添加されていればよい。
【0028】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定
されるものではない。
【0029】[製剤例1〜8および比較製剤例1〜1
0]この発明の実施例に係る製剤例1〜8および比較の
ための比較製剤例1〜10の配合を表1および表2に示
す。表中の部は全て重量部を示す。また、各比較製剤例
1〜10は、本発明に用いる有効成分の1種又は2種の
化合物からなる製剤例である。
【0030】なお、本試験例において、5−クロル−2
−メチル−3−イソチアゾロンと2−メチル−3−イソ
チアゾロンとの混合物として、市川合成化学社製のゾー
ネンF(有効成分11.7%)を、5−クロル−3−イ
ソチアゾロンマグネシウムナイトレートと2−メチル−
3−イソチアゾロンマグネシウムナイトレートとの混合
物として、ローム アンド ハース社のケーソンWT(有
効成分13.7%)を、1,2−ベンズイソチアゾロン
(BIT)には、ゼネカ社の製品(有効成分70%粉
末)を、それぞれ使用した。また、溶媒としては、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル(DEGME)を
用いた。
【0031】
【表1】 (表中の数字は有効成分の重量%を示す)
【0032】
【表2】 (表中の数字は有効成分の重量%を示す)
【0033】[試験例1] (A)DBDCBと(B)DBNPAと(C)イソチア
ゾロン系化合物及びその金属錯化合物とを併用する抗菌
剤組成物とその併用割合による相乗効果を確認するた
め、下記の試験を行った。
【0034】[試験方法および試験条件]人工白水を用
いて下記のスライム付着防止試験により、スライム付着
防止効果を評価した。なお、人工白水(pH7.0、3
0℃)は、デンプンを栄養源としてBOD 100ミリ
グラム/リットル(mg/l)となるように調製し、こ
の人工白水を培地とした複数の細菌種からなる集殖培養
液を1.3×107個/mlとなるように連続添加し
た。抗菌剤組成物(製剤例および比較製剤例)は有効成
分の合計量が、系内で30mg/lを毎回15分間維持
するように、1日に3回、すなわち8時間毎に間欠注入
した。なお、この人工白水に、抗菌剤組成物を添加する
ことなく試験した場合、スライム付着開始時間は40時
間であり、これをブランクとした。
【0035】(スライム付着防止試験方法)SUS30
4製の内径100mm、容積488mlの外部シリンダ
と、SUS304製の直径36mmの内部シリンダとを
組み合わせたスライム付着モニター(特開平9−750
65号公報参照)を用いた。白水または人工白水を滞留
時間20分となるように連続的に外部シリンダに導き、
内部シリンダを255rpmで回転させ、ブルックフィ
ールド式トルクメータ[東機産業(株)、RE500H
型]で内部シリンダの回転トルクを測定した。
【0036】時間の経過とともに内部シリンダにスライ
ムが付着、生長すると、内部シリンダ表面の摩擦抵抗が
増大し、回転トルクの値が上昇する。この原理を利用し
て、時間を横軸、回転トルクを縦軸にとって、1分ごと
に回転トルクの値をパーソナルコンピュータに図示し、
回転トルクの値が上昇しはじめる時間をスライム付着開
始時間とした。抗菌剤組成物を添加した白水を用いた場
合のスライム付着開始時間から、抗菌剤を添加しない白
水を用いた場合(ブランク)のスライム付着開始時間を
差し引いた値を遅延時間とし、抗菌剤組成物のスライム
付着防止効果の指標とした。
【0037】[試験結果]試験結果を表3および表4に
示す。表中の数値は、ブランクに対する遅延時間を示
す。
【0038】
【表3】
【0039】表3に示す結果より、実施例に係る製剤例
の各抗菌剤組成物は、三種の成分の相乗・相加作用によ
り、人工白水対象系において、比較製剤例の工業用抗菌
剤と比較して顕著なスライム付着防止効果が発現されて
いることが確認された。すなわち、(A)成分と(B)
成分との併用、(B)成分と(C)成分との併用、
(A)成分と(C)成分との併用と比較して、(A)成
分と(B)成分に(C)成分を配合することにより、人
工白水系において顕著なスライム付着防止効果が発現さ
れていることが確認された。
【0040】[試験例2](A)成分と(B)成分と
(C)成分とを併用する抗菌剤組成物とその併用割合に
よる相乗効果の確認試験を、ある製紙工場の板紙抄造機
より採取した白水(pH5.6、用水原単位:約4m3
/Ton,BOD:150mg/l、主要細菌種:バチルス
属、シュードモナス属、フラボバクテリウム属、アルカ
リゲネス属菌主体)を用いて試験した。
【0041】[試験方法及び試験条件]試験例1の人工
白水を板紙抄造機より採取した白水に変えただけで、他
は試験例1と同じ試験方法によった。抗菌剤組成物は各
有効成分の総量が系内で30mg/lを毎回15分間維
持するように添加した。供給白水の条件も試験例1と同
じ30℃、滞留時間20分間とした。抗菌剤組成物を添
加することなく試験した場合、スライム付着開始時間は
32時間であった。
【0042】[試験結果]試験結果を表4に示す。表中
の数値は、ブランクに対する遅延時間を示す。
【0043】
【表4】
【0044】表4に示す結果より、実施例に係る製剤例
の抗菌剤組成物はその相乗・相加作用により、製紙工場
の板紙抄造機より採取した白水において、比較製剤例の
工業用抗菌剤に比較して顕著なスライム付着防止効果が
発現されていることが確認された。すなわち、(A)成
分、(B)成分、(C)成分の各単品あるいは(A)成
分と(B)成分との併用と比較して、(A)成分と
(B)成分へ(C)成分を配合することにより、板紙抄
造機から採取した白水系においても、ブランクに対する
スライム付着遅延時間が急激に延びており、顕著なスラ
イム付着防止効果が発現されていることが認められた。
【0045】[試験例3](A)成分と(B)成分と
(C)成分とを併用する抗菌剤組成物とその併用割合に
よる相乗効果の確認試験を、ある製紙工場の上質紙抄造
機より採取した製紙用デンプン塗工液に対する細菌増殖
防止試験によって行った。
【0046】[試験方法および試験条件]採取した製紙
用デンプン塗工液はpH9.6、生菌数8.5×105
個/ml(寒天平板希釈法)であり、主要な構成細菌種
はシュードモナス属、アルカリゲネス属、フラボバクテ
リウム属であった。この一部を予め保温器に入れて充分
に腐敗させ、これを種菌としてデンプン塗工液に加えた
後(生菌数は6.0×108個/ml)、試験管に分注
し、実施製剤例および比較製剤例の各組成物を総量とし
て100mg/lとなるように添加した。これを30℃
の恒温器に5日間保存した後、各々の生残菌数を寒天平
板希釈法で測定した。
【0047】[試験結果]試験結果を表5に示す。な
お、表5に示す数値は生残菌数を示す。
【0048】
【表5】 初発菌数 5.0×108 最終菌数(薬剤無添加9.0×109
【0049】表5に示すように、本発明の実施例に係る
製剤例の抗菌剤組成物はその相乗・相加作用により、製
紙工場の上質抄造機より採取した製紙用デンプン塗工液
において、比較製剤例の工業用抗菌剤に比較して顕著な
細菌増殖防止効果を有することが分かった。すなわち、
(A)成分と(B)成分に(C)成分を併用すると、
(A)成分、(B)成分、(C)成分、および(A)成
分と(B)成分との併用組成物よりも製紙工場の上質紙
抄造機から採取した製紙用テ゛ンフ゜ン塗工液に対して、優れ
た菌増殖防止効果を有することが確認された。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン(DBDC
B)と、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンア
ミド(DBNPA)とに、イソチアゾロン系化合物ある
いはその金属錯化合物をさらに組み合わせることによ
り、水中の分散菌と壁面のスライムの双方に対して、相
乗的に防止効果が発揮される工業用抗菌剤組成物および
工業用抗菌方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 532 C02F 1/50 532D 532J 540 540B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1,2−ジブロモ−2,4−ジシ
    アノブタンと、(B)2,2−ジブロモ−3−ニトリロ
    プロピオンアミドと、(C)イソチアゾロン系化合物及
    びその金属錯化合物からなる群から選択される少なくと
    も一種とを含有することを特徴とする工業用抗菌剤組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記(C)成分が、下記一般式(I)の
    イソチアゾロン系化合物及び下記一般式(II)のイソチ
    アゾロン金属錯化合物から選択される少なくとも一種で
    あることを特徴とする請求項1記載の工業用抗菌剤組成
    物。 【化1】 【化2】 一般式(I),(II)において、R1は、水素元素、アルキル
    基、アルケニル基、アルキニル基又はアラルキル基、R
    2及びR3は、それぞれ水素原子又はハロゲン原子で、R
    2及びR3の両者が縮合してベンゼン環を形成することが
    ある。但し、R 2とR3の両方がハロゲン原子のものは除
    く。Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属及
    びアミンよりなる群から選ばれた陽イオン原子又は基で
    あり、Zは、錯化合物を形成するのに十分な溶解度を有
    する陽イオンMとの化合物を形成する陰イオン原子又は
    基であり、aは、1又は2の整数であり、nは、陰イオ
    ンZが陽イオンMの原子価を満たす整数である。
  3. 【請求項3】 前記(A)成分と前記(B)成分との割
    合が重量比として100:1〜1:100であり、かつ
    前記(A)成分および前記(B)成分の合計量と前記
    (C)成分との割合が重量比として1:10〜10:1
    であることを特徴とする請求項1記載の工業用抗菌剤組
    成物。
  4. 【請求項4】 (A)1,2−ジブロモ−2,4−ジシ
    アノブタンと、(B)2,2−ジブロモ−3−ニトリロ
    プロピオンアミドと、(C)イソチアゾロン系化合物及
    びその金属錯化合物からなる群から選択される少なくと
    も一種とを、合計濃度で1〜1,000ミリグラム/リ
    ットルとなるように添加することを特徴とする工業用抗
    菌方法。
  5. 【請求項5】 前記(A)成分と前記(B)成分との割
    合が重量比として100:1〜1:100であり、かつ
    前記(A)成分および前記(B)成分の合計量と前記
    (C)成分との割合が重量比として1:10〜10:1
    であることを特徴とする請求項4記載の工業用抗菌方
    法。
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