JP2000178018A - 多結晶シリコンの製造方法および高純度シリカの製造方法 - Google Patents

多結晶シリコンの製造方法および高純度シリカの製造方法

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JP2000178018A JP10357773A JP35777398A JP2000178018A JP 2000178018 A JP2000178018 A JP 2000178018A JP 10357773 A JP10357773 A JP 10357773A JP 35777398 A JP35777398 A JP 35777398A JP 2000178018 A JP2000178018 A JP 2000178018A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造設備のコストおよび運転コストの低減に有
効な多結晶シリコンの製造方法および高純度シリカの製
造方法を提供する。 【解決手段】第1反応器(10−1)で、金属シリコン
とアルコールの気相反応を行って、トリアルコキシシラ
ンを生成し、第2反応器(10−2)で、該トリアルコ
キシシランの不均化反応を行って、モノシランと、テト
ラアルコキシシランとを生成し、第3反応器(10−
3)で、該テトラアルコキシシランを種シリカの流動層
反応器に供給して、該種シリカ上に高純度のシリカを析
出、成長させ、第4反応器(10−4)で、該モノシラ
ンを種シリコンの流動層反応器に供給して、該種シリコ
ン上に高純度の多結晶シリコンを析出、成長させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多結晶シリコンの
製造方法および高純度シリカの製造方法に関し、特に、
製造設備のコストおよび運転コストの低減に有効な多結
晶シリコンの製造方法および高純度シリカの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】金属シリコン(MG−Si)から多結晶
シリコンを製造する方法として、シーメンス(Siem
ens)法と称される技術が知られている。このシーメ
ンス法は、以下のステップで多結晶シリコンを製造す
る。 (1)まず、金属シリコンに塩化水素を反応させて、S
iHClを生成する。 (2)次に、該SiHClを原料ガスとして、多結晶
シリコンを析出させ、多結晶シリコン棒を製造する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記シーメン
ス法では、塩化水素を用いるため、設備の各所に耐食性
を有する高価な材料が必要であり、また、塩化水素の回
収設備が必要になる。このため、製造装置および製品の
コストが高くなるという問題があった。また、年々、塩
化水素、塩素化合物等の有害物の規制が厳しくなりつつ
あるため、塩化水素の処理に多大なコストが必要にな
る。
【0004】また、金属シリコン中には、一般に、F
e、Al、Ti、Mn等多くの金属不純物が含まれてい
る。シーメンス法では、これら不純物からも塩化物が生
成されるため、後続のトリクロロシランの精製が容易で
ないという問題があった。特に、BとPの塩化物が分離
しにくく、高純度シリコンの製造において、解決すべき
大きな課題であった。
【0005】尚、参考までに市販の金属シリコン中に含
まれた不純物の種類と濃度の概略値を以下に示す。 Fe=3,500〜5,000ppm Al=1,600〜2,000ppm Ti=200〜700ppm Ca=2,000〜4,000ppm Mn=70〜100ppm Ni=30〜90ppm B=20〜80ppm P=20〜50ppm そこで、本発明は、製造設備のコストおよび運転コスト
の低減に有効な多結晶シリコンの製造方法および高純度
シリカの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、金属シリコンから多結晶シ
リコンを製造する方法において、前記金属シリコンとア
ルコールとを気相反応させて、トリアルコキシシランを
生成するトリアルコキシシラン生成工程(S10)と、
前記トリアルコキシシランの不均化反応によって、モノ
シランを生成するモノシラン生成工程(S12)と、種
シリコン粒子の流動層において、前記モノシランを熱分
解反応させて、該種シリコン粒子表面上に前記多結晶シ
リコンを析出させる多結晶シリコン析出工程(S14)
とを具備することを特徴とする。
【0007】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明において、前記トリアルコキシシラン生成工程
(S10)は、前記トリアルコキシシランの収率が高く
なる反応条件と触媒とを流動層反応器において使用する
ことを特徴とする。
【0008】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の発明において、前記モノシラン生成工程(S12)
は、モノシラン以外のアルコキシシラン類の生成を抑制
できる反応条件と触媒とを使用することを特徴とする。
【0009】また、請求項4記載の発明は、金属シリコ
ンから高純度シリカを製造する方法において、前記金属
シリコンとアルコールとを気相反応させて、トリアルコ
キシシランを生成するトリアルコキシシラン生成工程
(S10)と、前記トリアルコキシシランの不均化反応
によって、テトラアルコキシシランを生成するテトラア
ルコキシシラン生成工程(S16)と、前記テトラアル
コキシシランと水とを種シリカ粒子の流動層において加
水分解反応させて、生成するシリカを該種シリカ粒子上
に前記高純度シリカを析出させるシリカ析出工程(S1
8)とを具備することを特徴とする。
【0010】また、請求項5記載の発明は、請求項4記
載の発明において、前記トリアルコキシシラン生成工程
(S10)は、前記トリアルコキシシランの収率が高く
なる反応条件と触媒とを流動層反応器において使用する
ことを特徴とする。
【0011】また、請求項6記載の発明は、請求項5記
載の発明において、前記シリカ析出工程(S18)は、
前記テトラアルコキシシランを加水分解させる加水分解
工程を含み、前記トリアルコキシシラン生成工程(S1
0)は、前記加水分解反応で副次的に生成されたアルコ
ールを再利用することを特徴とする。
【0012】また、請求項7記載の発明は、請求項6記
載の発明において、前記加水分解工程は、前記テトラア
ルコキシシランの2倍モル以下の水を該テトラアルコキ
シシランに加えることにより、反応器出口の流体中に未
反応の水がほとんど含まれないことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】(発明の概要)本発明の特徴は、
金属シリコン(MG−Si)とアルコールを原料とし
て、気相反応、不均化反応、析出という一連のプロセス
を実行することにある。このプロセスでは、塩化水素等
のハロゲン化物を要しないため、高純度の多結晶シリコ
ンおよびシリコン化合物が安価かつ安全に製造できる
(図1、2参照)。
【0014】(第1の形態)本発明の第1の形態は、多
結晶シリコンの製造に関する発明であり、本発明者ら
は、以下に示すプロセスでこの第1の形態を構成した。
まず、本発明者らは、従来のシーメンス法で問題となっ
ていた塩化水素を必要としない反応系を構成すべく、ア
ルコールを用いる構成を検討した。アルコールと金属シ
リコンを反応させる技術としては、日本国内で既に登録
された特許番号第2653700号がある。この特許番
号第2653700号は、多結晶シリコンまたはシリコ
ン化合物を製造する技術ではないが、工業的に安価なア
ルコキシシランを製造する技術の1つとして、有用と思
われる。そこで、本発明者らは、このアルコールを用い
たアルコキシシランの製造技術を本発明に係る多結晶シ
リコン製造の第1ステップのベースとして採用した。次
に、本発明者らは、上記アルコキシシランを多結晶シリ
コンに変換する反応ステップを検討し、不均化反応の適
用を見出した。不均化反応に関する先行技術文献として
は、小野らの論文「KF/Alおよびハイドロタ
ルサイト熱処理によるトリエトキシシランの不均化反
応」(”Disproportionation of
triethoxysilane over KF/
Al and heat−treated hy
drotalcite”, Applied Cata
lysis, 167, pp.7−10 1998)
がある。この論文には、固定層反応器中で、トリエトキ
シシランの不均化反応を行って、モノシランとテトラエ
トキシシランを生成する方法が記載されている。モノシ
ランは、多結晶シリコンの原料として使用できるため、
本発明者らは、この不均化反応を本発明に係る多結晶シ
リコン製造に向けての第2ステップとして採用した。さ
らに、本発明者らは、モノシランを原料とした多結晶シ
リコンの生産効率を向上させるべく、種シリコン粒子の
流動層にモノシランを反応させる構成を見出した。この
ような構成によれば、新たな種シリコン粒子が次々に供
給されるため、ベルジャー炉のようなバッチ方式の反応
器でモノシランから多結晶シリコンを析出させる構成に
比べて、生産性が高く、エネルギーコストも低いため、
多結晶シリコンの効率的な生成に適している。本発明の
第1の形態は、上記観点から構成された発明であり、高
純度の多結晶シリコンを安価かつ安全に製造する技術を
提供する。
【0015】図1は、本発明の第1の形態に係る多結晶
シリコンの製造方法の構成を示す工程図である。以下、
同図に基づいて、本発明の第1の形態の構成を説明す
る。
【0016】トリアルコキシシラン生成工程S10は、
金属シリコンとアルコールとを気相反応させて、トリア
ルコキシシランを生成し、該生成したトリアルコキシシ
ランをモノシラン生成工程S12に引き渡す。金属シリ
コンとアルコールの気相反応については、前述した特許
番号第2653700号の技術が一部参考となる。該気
相反応は、本発明のように、流動層反応器を用いて行う
ことが好ましい。流動層反応器は、固定層反応器とは違
って、連続操作が可能であり、発熱量の大きな反応系で
の均一な温度制御に適しているからである。この気相反
応は、200℃〜400℃、1気圧の比較的低温・低圧
下条件で行うことができる。
【0017】トリアルコキシシランの生成には、触媒を
用いることが好ましい。この触媒としては、金属シリコ
ンにCu、Fe、Al等のうちの少なくとも1成分を1
0wt%以下混合し、非酸化性雰囲気、200〜300
℃で予備加熱処理したものを用いる。
【0018】本工程で生成されるトリアルコキシシラン
は、上記アルコールとして、メタノールを使用した場合
には、トリメトキシシランとなり、エタノールを使用し
た場合には、トリエトキシシランとなる。それぞれの場
合の反応式は、 上記のようになる。尚、図面中では、メタノールとエタ
ノールの2形態を想定し、アルコールを「R−OH」、
アルコキシル基を「R−O」と示す。
【0019】トリアルコキシシランを生成する上記気相
反応は、塩化水素等のハロゲン化合物を使用しないた
め、反応器の腐食や安全性等に優れている。また、反応
温度も塩化水素を用いたシーメンス法に比べて低くでき
るため、設備コストや所要エネルギーの低減が期待でき
る。
【0020】また、アルコールを用いた気相反応によれ
ば、シーメンス法に比べて、金属シリコン中の不純物が
反応して製品ガスであるトリアルコキシシランガス中に
同伴されて含まれる量が少なくなる。これは、金属シリ
コン中に含まれたFe、Ca、Mn、Ni、Co、Pb
等の不純物がアルコールと反応しない、または、しにく
いため、シーメンス法に比べて、生成される不純物化合
物が少なく、かつ、本工程で生成された不純物化合物
は、固体または液体として金属シリコン中に残存しやい
ため、気体として発生する量が少ないからである。尚、
本工程でトリアルコキシシランに含まれた不純物は、沸
点差が大きいため、蒸留・精製によって、比較的容易に
分離できる。
【0021】モノシラン生成工程S12は、トリアルコ
キシシランの不均化反応によって、モノシランを生成
し、該生成したモノシランを多結晶シリコン析出工程S
14に引き渡す。トリアルコキシシランの不均化反応に
ついては、前述した小野らの論文に記載された技術が利
用できる。この不均化反応も前記気相反応と同様に、発
熱反応系であるため、反応温度の制御の面から流動層反
応器を用いて行うことが好ましい。本工程は、100℃
〜200℃、1気圧の比較的低温・低圧条件で行うこと
ができる。従って、前記気相反応と同様に、所要エネル
ギーが少ない点で優れている。メタノールおよびエタノ
ールを使用した場合の該不均化反応の反応式は、それぞ
れ、 上記のようになる。
【0022】多結晶シリコン析出工程S14は、モノシ
ランガスを種シリコン粒子の流動層に供給し、熱分解反
応させて、該種シリコン粒子上に多結晶シリコンを析
出、成長させ、最終生成物である多結晶シリコン粒子を
得る。多結晶シリコンの析出は、例えば、水素雰囲気
下、常圧、約700℃でのモノシランの熱分解によって
行う。モノシランの熱分解の反応式は、 上記のようになる。
【0023】上記のようにして製造された多結晶シリコ
ンは、半導体や太陽電池向けの高純度シリコンが要求さ
れる分野に適する。
【0024】以上説明した本発明の第1の形態によれ
ば、塩化水素を要さず、かつ、流動層を利用した温和な
条件の反応が適宜組み込まれているため、エネルギー効
率および生産性が高い。このため、高純度の多結晶シリ
コンが安価、かつ、安全に製造できる。
【0025】(第2の形態)本発明の第2の形態は、高
純度シリカの製造に関する発明であり、本発明者らは、
以下に示すプロセスでこの第2の形態を構成した。ま
ず、前述した第1の形態と同様に、従来のシーメンス法
で問題となっていた塩化水素を必要としない反応系を構
成すべく、アルコールを用いたアルコキシシランの製造
技術を本発明に係るシリカ製造の第1ステップとして採
用した。次に、シリカの原料として、テトラアルコキシ
シランが使用できることに着目し、このテトラアルコキ
シシランを生成するステップとして、前述した不均化反
応の適用を見出した。
【0026】さらに、本発明者らは、テトラアルコキシ
シランを原料としたシリカの生産効率を向上させるべ
く、種シリカ粒子の流動層にテトラアルコキシシランを
反応させる構成を想到した。このような構成によれば、
新たな種シリカ粒子が次々に供給されるため、通常の固
定層にテトラアルコキシシランを反応させる構成に比べ
て、シリカの効率的な製造に適している。本発明の第2
の形態は、上記観点から構成された発明であり、高純度
のシリカを安価、かつ、安全に製造する技術を提供す
る。
【0027】図2は、本発明の第2の形態に係るシリカ
の製造方法の構成を示す工程図である。以下、同図に基
づいて、本発明の第2の形態の構成を説明する。
【0028】トリアルコキシシラン生成工程S10は、
前述した第1の形態と同じである。
【0029】テトラアルコキシシラン生成工程S16
は、トリアルコキシシランの不均化反応によって、テト
ラアルコキシシランを生成し、該生成したテトラアルコ
キシシランをシリカ析出工程S18に引き渡す。この工
程は、前述した第1の形態のモノシラン生成工程S12
と同一工程で行うことができる。
【0030】シリカ析出工程S18は、テトラアルコキ
シシランを種シリカ粒子の流動層において、水と反応さ
せて、該種シリカ粒子上にシリカを析出、成長させ、最
終生成物である高純度シリカ粒子を得る。シリカの析出
は、テトラアルコキシシランの加水分解によって行う。
メタノールおよびエタノールを使用した場合の該加水分
解の反応式は、それぞれ、 上記のようになる。
【0031】ここで、上記加水分解反応で副次的に生成
されたアルコールは、トリアルコキシシラン生成工程S
10で再利用できる。また、該加水分解の際には、反応
中に完全に消費させる量の水、例えば、テトラアルコキ
シシランの2倍モル以下の水を供給し、反応に十分な接
触時間を確保することが好ましい。これは、加水分解に
よって生成されたガス中に、水分が含まれることを防止
するためである。さらに、微量水分の除去が必要である
場合には、モレキュラーシーブ等の脱水設備を用いて除
去することも可能である。
【0032】上記のようにして製造されたシリカは、光
ファイバー材料や人工石英等の高純度のシリカやシリコ
ン化合物が要求される分野に適する。
【0033】以上説明した本発明の第2の形態によれ
ば、第1の形態と同様に、塩化水素を要さず、流動層を
利用した反応が適宜組み込まれているため、高純度のシ
リカが安価、かつ、安全に製造できる。
【0034】
【実施例】(要約)第1反応器10−1で、金属シリコ
ンとアルコールの気相反応を行って、トリアルコキシシ
ランを生成し、第2反応器10−2で、該トリアルコキ
シシランの不均化反応を行って、モノシランと、テトラ
アルコキシシランとを生成し、第3反応器10−3で、
該テトラアルコキシシランを種シリカの流動層反応器に
供給して、該種シリカ上に高純度のシリカを析出、成長
させ、第4反応器10−4で、該モノシランを種シリコ
ンの流動層反応器に供給して、該種シリコン上に高純度
の多結晶シリコンを析出、成長させる(図3参照)。
【0035】(好適な実施例)図3は、本発明の好適な
実施例に係る多結晶シリコンおよび高純度シリカの製造
プロセスを示す工程図である。以下、同図に基づいて、
該製造プロセスを詳細に説明する。尚、以下の説明で
は、メタノールを用いた場合の例について説明するが、
エタノールを用いた場合にも同様の手順で実施できる。
【0036】まず、第1反応器10−1に、金属シリコ
ン(MG−Si)とメタノールを供給し、以下に示す反
応条件下でトリメトキシシランを合成する。 反応温度:200℃ 反応圧力:1気圧 ここで、第1反応器10−1には、内径11mm、SU
S製カラムの流動層で、金属シリコンの粒子層高が約3
00mmのものを使用する。メタノールについては、8
0℃のメタノール液中に、窒素ガスを噴出させて生成し
たメタノール飽和蒸気を供給する。このときの供給流量
は、上記反応条件で、反応器ガス空塔速度7cm/s相
当になる。金属シリコンについては、平均粒子径約50
0ミクロンのものに、塩化銅2、鉄5、アルミニウム2
をおのおの約10%混合し、240℃の窒素ガス雰囲気
下で約2時間加熱したものを使用する。
【0037】上記条件下での合成結果を検証すべく、第
1反応器10−1の出口から噴出された気相をガスクロ
マトグラフィーによって分析したところ、メタノール転
化率=約75%、トリメトキシシランの選択率=約97
%、ジメトキシシランの生成量=1%が得られた。尚、
該ガスクロマトグラフィーは、ガスクロパック54をS
US内径5mm×長さ2,000mmのカラムに充填
し、Heガスキャリアを用いて、10℃/minで25
0℃まで昇温させ、TCD検出器を用いて分析を行っ
た。
【0038】第1反応器10−1からは、トリメトキシ
シランの他に、水素と、未反応のメタノールが得られ
る。そこで、該メタノールを第1分離器12−1で分離
・回収して、第1反応器10−1に戻し、該水素を第2
分離器12−2で分離・回収して、第4反応器10−4
に供給し、残ったトリメトキシシランを第2反応器10
−2に供給する。
【0039】次に、第2反応器10−2で、触媒の存在
下、トリメトキシシランの不均化反応を行って、モノシ
ランとテトラメトキシシランを生成する。この不均化反
応は、以下に示す条件で行う。 反応温度:150℃ 反応圧力:1気圧 ここで、第2反応器10−2には、内径11mm、SU
S製カラムの流動層で、触媒粒子高が約400mmのも
のを使用する。トリメトキシシランについては、80℃
のトリメトキシシラン液中に、窒素ガスを噴出させて生
成したトリメトキシシラン飽和蒸気を供給する。このと
きの供給流量は、上記反応条件で、反応器ガス空塔速度
6cm/s相当になる。触媒については、平均粒子径が
約300ミクロンのハイドロタルサイトを500℃の窒
素ガス気流中で約1時間加熱したものを使用する。
【0040】上記条件下での反応結果を検証すべく、第
2反応器10−2の出口から噴出された気相をガスクロ
マトグラフィーによって分析したところ、トリメトキシ
シラン転化率=約80%、モノシランの選択率=約24
%、テトラメトキシシランの選択率=約73%、ジメト
キシシランの生成量=約1%が得られた。尚、ガスクロ
マトグラフィーは、第1反応器10−1のときと同じ条
件を使用した。
【0041】第2反応器10−2からは、モノシラン
と、テトラメトキシシランと、水素と、未反応のトリメ
トキシシランが得られる。そこで、該モノシランと水素
を第3分離器12−3で分離・回収して、第4反応器1
0−4に供給し、未反応のトリメトキシシランを第4分
離器12−4で分離・回収して、第2反応器10−2に
戻し、残ったテトラメトキシシランを第3反応器10−
3に供給する。
【0042】次に、第3反応器10−3に水と、種シリ
カを供給し、テトラメトキシシランの加水分解を行っ
て、該種シリカ上にシリカを析出、成長させる。この加
水分解は、以下に示す条件で行う。 反応温度:150℃ 反応圧力:1気圧 ここで、第3反応器10−3には、内径11mm、SU
S製カラム、平均粒子径が200ミクロンのシリカ粒子
を約300mm充填したものを使用する。テトラメトキ
シシランについては、70℃のテトラメトキシシラン液
中に、窒素ガスを噴出させて生成したテトラメトキシシ
ラン飽和蒸気を供給する。水については、70℃の水中
に、窒素ガスを噴出させて生成した水蒸気を供給する。
このときの供給流量は、上記反応条件で、反応器ガス空
塔速度5cm/s相当になる。流動床については、シリ
カ粒子を反応物ガスによって流動させたものを使用す
る。
【0043】上記条件下での反応結果を検証すべく、第
3反応器10−3の出口から噴出された気相をガスクロ
マトグラフィーによって分析したところ、テトラメトキ
シシラン転化率=約40%、メタノールの選択率=約7
5%が得られた。尚、ガスクロマトグラフィーは、第1
反応器10−1のときと同じ条件を使用した。
【0044】第3反応器10−3からは、シリカ粒子上
に析出したシリカと、メタノールと、未反応のテトラメ
トキシシランが得られる。そこで、該メタノールおよび
テトラメトキシシランを第5分離器12−5でそれぞれ
分離・回収して、メタノールを第1反応器10−1に戻
し、テトラメトキシシランを第3反応器10−3に戻
す。
【0045】一方、第4反応器10−4には、第3分離
器12−3で分離されたモノシランと水素を種シリコン
の流動層に供給し、モノシランの熱分解を行って、該種
シリコン上に多結晶シリコンを析出、成長させる。この
熱分解は、以下に示す条件で行う。 反応温度:700℃ 反応圧力:1気圧 ここで、第4反応器10−4には、内径11mm、SU
S製カラム、平均粒子径が300ミクロンの多結晶シリ
コン粒子を約200mm充填したものを使用する。この
ときの全ガス流量は、上記反応条件で、反応器ガス空塔
速度5cm/s相当になる。流動床については、種シリ
コン粒子を供給ガスによって流動させたものを使用す
る。
【0046】第4反応器10−4から多結晶シリコンの
副生成物として得られる水素と、未反応のモノシラン
は、再び、第4反応器10−4に戻して再利用する。
【0047】上記条件下での反応結果を検証すべく、第
4反応器10−4と同一の実験環境を有する反応器を用
意し、該反応器に、ボンベ入りの高純度モノシランガス
と水素を4対6の割合で供給して、30時間の反応によ
り多結晶シリコンを生成した。該反応器から得られたシ
リコン粒子の表面をSEM、XRD、FT−IRによっ
て分析したところ、種シリコン粒子が平均粒子径約60
0ミクロンの粒子に成長したことを確認した。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
製造設備のコストおよび運転コストの低減に有効な多結
晶シリコンの製造方法および高純度シリカの製造方法を
提供することができる。
【0049】また、本発明の第1の形態によれば、塩化
水素を要さず、かつ、流動層を利用した温和な条件の反
応が適宜組み込まれているため、エネルギー効率および
生産性が高い。このため、高純度の多結晶シリコンが安
価、かつ、安全に製造できる。
【0050】また、本発明の第2の形態によれば、第1
の形態と同様に、塩化水素を要さず、流動層を利用した
反応が適宜組み込まれているため、高純度のシリカが安
価、かつ、安全に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の形態に係る多結晶シリコンの製
造方法の構成を示す工程図である。
【図2】本発明の第2の形態に係るシリカの製造方法の
構成を示す工程図である。
【図3】本発明の好適な実施例に係る多結晶シリコンお
よび高純度シリカの製造プロセスを示す工程図である。
【符号の説明】
10−1…第1反応器、10−2…第2反応器、10−
3…第3反応器、10−4…第4反応器、12−1…第
1分離器、12−2…第2分離器、12−3…第3分離
器、12−4…第4分離器、12−5…第5分離器、S
10…トリアルコキシシラン生成工程、S12…モノシ
ラン生成工程、S14…多結晶シリコン析出工程、S1
6…テトラアルコキシシラン生成工程、S18…シリカ
析出工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古田 昭男 愛知県半田市州の崎町2−110 日揮衣浦 研究所内 Fターム(参考) 4G072 AA01 AA27 AA28 BB12 GG01 GG03 HH01 HH04 HH30 JJ38 RR02 RR05 RR15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属シリコンから多結晶シリコンを製造
    する方法において、 前記金属シリコンとアルコールとを気相反応させて、ト
    リアルコキシシランを生成するトリアルコキシシラン生
    成工程(S10)と、 前記トリアルコキシシランの不均化反応によって、モノ
    シランを生成するモノシラン生成工程(S12)と、 種シリコン粒子の流動層において、前記モノシランを熱
    分解反応させて、該種シリコン粒子表面上に前記多結晶
    シリコンを析出させる多結晶シリコン析出工程(S1
    4)とを具備することを特徴とする多結晶シリコンの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記トリアルコキシシラン生成工程(S
    10)は、 前記トリアルコキシシランの収率が高くなる反応条件と
    触媒とを流動層反応器において使用することを特徴とす
    る請求項1記載の多結晶シリコンの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記モノシラン生成工程(S12)は、 モノシラン以外のアルコキシシラン類の生成を抑制でき
    る反応条件と触媒とを使用することを特徴とする請求項
    1記載の多結晶シリコンの製造方法。
  4. 【請求項4】 金属シリコンから高純度シリカを製造す
    る方法において、 前記金属シリコンとアルコールとを気相反応させて、ト
    リアルコキシシランを生成するトリアルコキシシラン生
    成工程(S10)と、 前記トリアルコキシシランの不均化反応によって、テト
    ラアルコキシシランを生成するテトラアルコキシシラン
    生成工程(S16)と、 前記テトラアルコキシシランと水とを種シリカ粒子の流
    動層において加水分解反応させて、生成するシリカを該
    種シリカ粒子上に前記高純度シリカを析出させるシリカ
    析出工程(S18)とを具備することを特徴とする高純
    度シリカの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記トリアルコキシシラン生成工程(S
    10)は、 前記トリアルコキシシランの収率が高くなる反応条件と
    触媒とを流動層反応器において使用することを特徴とす
    る請求項4記載の多結晶シリコンの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記シリカ析出工程(S18)は、 前記テトラアルコキシシランを加水分解させる加水分解
    工程を含み、 前記トリアルコキシシラン生成工程(S10)は、 前記加水分解反応で副次的に生成されたアルコールを再
    利用することを特徴とする請求項5記載の高純度シリカ
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記加水分解工程は、 前記テトラアルコキシシランの2倍モル以下の水を該テ
    トラアルコキシシランに加えることにより、反応器出口
    の流体中に未反応の水がほとんど含まれないことを特徴
    とする請求項6記載の高純度シリカの製造方法。
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