JP2000155198A - 放射線像変換スクリ―ン - Google Patents

放射線像変換スクリ―ン

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JP2000155198A
JP2000155198A JP37490698A JP37490698A JP2000155198A JP 2000155198 A JP2000155198 A JP 2000155198A JP 37490698 A JP37490698 A JP 37490698A JP 37490698 A JP37490698 A JP 37490698A JP 2000155198 A JP2000155198 A JP 2000155198A
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phosphor layer
screen
particle diameter
layer
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Yujiro Suzuki
優二郎 鈴木
Masaaki Nakamura
正明 中村
Michio Tanaka
倫夫 田中
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Kasei Optonix Ltd
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Kasei Optonix Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度で鮮鋭度が高く、かつ耐久性の優れた
スクリーンを提供しようとするものである。 【解決手段】 支持体上に平均粒子径の比が1.4〜
3.0の範囲にある2種類の蛍光体の混合蛍光体を結合
剤樹脂中に分散させてなる第1の蛍光体層と、粒子径分
布の標準偏差(σ)が2.5以下であり、その平均粒子
径が上記混合蛍光体の平均粒子径より大である単一の粒
子径分布を持った蛍光体を結合剤樹脂中に分散させてな
る第2の蛍光体層とをこの順序に設けた放射線像変換ス
クリーンである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射線像変換スクリ
ーン(以下、単に「スクリーン」という)に関する。よ
り詳細には特に高感度で鮮鋭度並びに耐久性の優れたス
クリーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、被検者の被曝低減の要求が強ま
り、X線による人体の透過検査を行なうX線診断におい
て、従来から使用されてきた、増感紙とフィルムの組合
せを使用する増感紙−フイルム系によるX線写真撮影法
や、新しい放射線撮影法である蛍光板と撮像素子とを用
いたデジタルラジオグラフィに対して放射線撮影系の高
感度化による被曝低減が求められてきた。
【0003】こうした放射線撮影系の高感度化の手法と
して、これに使用される増感紙や蛍光板等のスクリーン
の高感度化が種々試みられてきたが、スクリーンの感度
と鮮鋭度との相反性のために、スクリーンの高感度化に
伴ってスクリーンの鮮鋭度が低下することが問題となっ
ていた。鮮鋭度を高めるために例えば蛍光体層中の結合
剤樹脂の含有量を低下させたり蛍光体層表面の保護膜を
薄膜化する等の手段を施すことが試みられて来たが、こ
れらはスクリーンの耐久性を低下させるという弊害が生
じるところから、より高感度で鮮鋭度が高く、しかも耐
久性の優れたスクリーンの開発が望まれていた。
【0004】ところで、従来、スクリーンの感度並びに
鮮鋭度の低下を抑制する手段の一つとして、その蛍光体
層を構成する蛍光体の粒子径分布を制御する方法が提案
されており、例えば、スクリーンの蛍光体層の表面側
(発光を取り出す側)から支持体側に向かって蛍光体粒
子径が次第に小さくなるように蛍光体層中の蛍光体粒子
配列をすると、特に鮮鋭度向上に有効であることが知ら
れている(特開昭55−33560号公報等参照)が、
その特性は必ずしも満足するものではなく、更に高感度
で高鮮鋭度、かつ耐久性の優れたスクリーンの開発が望
まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、より
高感度で鮮鋭度が高く、かつ耐久性の優れたスクリーン
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため、特に、スクリーンの蛍光体層を構成す
る蛍光体の粒子径分布や粒子配列のさせ方等とスクリー
ンの特性との相関について鋭意検討した。
【0007】その結果、蛍光体層を複数層とし、特定の
粒子径分布をもった蛍光体をそれぞれの蛍光体層に配列
した場合、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明
に至った。
【0008】即ち、本発明は以下の通りである。 (1)異なる粒子径分布をもった2種類の蛍光体の混合
蛍光体を結合剤樹脂中に分散させてなる第1の蛍光体層
と、単一の粒子径分布をもった蛍光体を結合剤樹脂中に
分散させてなる第2の蛍光体層とがこの順序で支持体上
に設けられた放射線像変換スクリーンであって、上記第
1の蛍光体層における上記混合蛍光体を構成する各蛍光
体の平均粒子径の比が1.4〜3.0の範囲にあり、上
記第2の蛍光体層における上記蛍光体の粒子径分布の標
準偏差(σ)が2.5以下であって、かつ、上記第2の
蛍光体層における上記蛍光体の平均粒子径が上記第1の
蛍光体層における上記混合蛍光体の平均粒子径より大で
あることを特徴とする放射線像変換スクリーン。
【0009】(2)上記第2の蛍光体層における上記蛍
光体の平均粒子径が4.5μm以上であり、上記第1の
蛍光体層における上記混合蛍光体の平均粒子径が1.5
μm〜3.0μmであることを特徴とする上記(1)に
記載の放射線像変換スクリーン。
【0010】(3)上記第1の蛍光体層における上記混
合蛍光体を構成する各蛍光体の混合重量比が10:90
〜90:10の範囲であることを特徴とする上記(1)
又は(2)に記載の放射線像変換スクリーン。
【0011】(4)上記第1の蛍光体層及び上記第2の
蛍光体層における上記結合剤樹脂の含有量がそれぞれ上
記蛍光体に対して2〜6重量%であることを特徴とする
上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の放射線像変
換スクリーン。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明のスクリーンを製造するには、特定の粒子径
分布を持った蛍光体を一定の順序で配列させた複数の蛍
光体層からなるスクリーンとする以外は、従来のスクリ
ーンと同様にして製造される。
【0013】即ち、支持体上に第1の蛍光体層を形成す
るための蛍光体を硝化綿をはじめとする結合剤と共に適
当量混合し、更にこれに有機溶剤を加えて適当な粘度の
蛍光体塗布液を調製し、この塗布液をナイフコーターや
ロールコーター等によって支持体上に塗布し、乾燥して
第1の蛍光体層を形成した後、表面側(発光を取り出す
側)に位置する第2の蛍光体層を形成するための蛍光体
を用いて蛍光体塗布液を調製する以外は上記と同様にし
て、先に形成された第1の蛍光体層の上に第2の蛍光体
層を形成する。第2の蛍光体層の形成に際しては、第1
の蛍光体層形成用の蛍光体塗布液を支持体上に塗布した
後、この塗布液が未だ未乾燥の状態にある時、この上に
第2の蛍光体層形成用の蛍光体塗布液を塗布し、それか
らこれらを乾燥させて、第1の蛍光体層及び第2の蛍光
体層からなる2層構成の蛍光体層を形成するようにして
も良い。
【0014】なお、各蛍光体層形成のための蛍光体塗布
液を調製後、これを塗布する前にこれらの各蛍光体塗布
液にボールミル等の分散処理を施して塗布液中での蛍光
体の分散性を向上するための処理を施しておくと塗布後
の塗膜の均一性が良くなるので好ましい。
【0015】支持体側に設けられる第1の蛍光体層の蛍
光体としては、単一の粒子径分布をもった蛍光体ではな
く、それぞれの平均粒子径が異なる2種類の蛍光体の混
合蛍光体とすると、単一の粒子径分布を持つ蛍光体を使
用した場合と比較して、得られる蛍光体層の蛍光体充填
率が高まり、同一の結合剤樹脂量とした場合においては
塗膜強度が強くなって、蛍光膜の耐久性をより高めるこ
とが出来、また、同一塗膜強度とした場合は、結合剤量
を少なくすることが可能となり、蛍光体層の反射率を高
めることが出来るため、より鮮鋭度を高めることが出来
る。
【0016】すなわち、第1の蛍光体層である支持体側
の蛍光体層において、支持体側に向かって進む発光が、
発光点からの距離のなるべく短い位置で反射されて表面
側に戻れるように(即ち、蛍光体層中の各蛍光体からの
発光が表面に出るまでの光路を出来るだけ短くするため
に)蛍光体層そのものの反射率が高い方が望ましく、蛍
光体層の反射率を高めるためには、その蛍光体層を構成
する蛍光体の粒子径を小さくし、また、蛍光体層中の結
合剤樹脂量を少なくすることが有効である。しかし、強
度的には蛍光体層の蛍光体粒子径を小さくすれば、比表
面積が大きくなるため、蛍光体量に対して同一の結合剤
樹脂量での蛍光体層強度を比較すると、小粒子蛍光体を
使用した方が劣る傾向となり、また、蛍光体層中の結合
剤量を少なくすると、当然ながら蛍光体層の強度が低下
する。 従って、蛍光体層の反射率を高めようとする
と、耐久性の低下が問題となる。
【0017】そこで耐久性向上と反射率アップを両立さ
せるためには、混合蛍光体の双方の平均粒子径の比があ
る一定の範囲内にある2種類の蛍光体からなる混合蛍光
体を用いることによって、蛍光体層中での蛍光体充填率
が高まり、単一の粒子径分布をもつ蛍光体を使用した場
合と比較して同一の結合剤量では塗膜強度が強くなり、
耐久性を高めることができる。一方、同一塗膜強度とし
た場合は結合剤量を少なくすることが可能となり、蛍光
体層の反射率を高めることができるため、より鮮鋭度を
高めることができる。
【0018】混合する2種類の蛍光体の平均粒子径の比
が低すぎると充填率の向上が少なく、高すぎると2種類
の蛍光体の中、小粒子蛍光体の発光効率が低下し、感度
的に不利となるので、第1の蛍光体層に用いられる混合
蛍光体は、混合蛍光体を構成する両蛍光体の平均粒子径
の比が1.4〜3.0の範囲にあって、かつ、その混合
蛍光体の平均粒子径がおよそ1.5〜3.0μmの範囲
にあるような混合蛍光体を用いると、特に画質と耐久性
に優れたスクリーンを得ることが出来る。また、第1の
蛍光体層の混合蛍光体を構成する両蛍光体の混合重量比
は10:90〜90:10の範囲とした時、単一粒子径
分布の蛍光体を用いた場合より感度や鮮鋭度の点で好ま
しい。
【0019】一方、表面側に位置する、第2の蛍光体層
に用いる蛍光体は鮮鋭度をより向上させ得る点で、第1
の蛍光体層に用いる蛍光体よりもその平均粒子径が大で
あって、さらにその平均粒子径が4.5μm以上のもの
を用いるのが好ましい。スクリーンの表面側(発光を取
り出す側)に設けられる第2の蛍光体層をこのような構
成にすると、表面側に粒子径の大きい蛍光体が配列され
ているため、四方に散乱されずに表面に到達し易いため
に、特に鮮鋭度の高いスクリーンが得られる。
【0020】前記の第1の蛍光体層及び第2の蛍光体層
に用いられる蛍光体としては、特に組成上の制限はな
く、例えば、CaWO、YTaO、YTaO:T
m、YTaO:Nb、BaSO:Pb、HfO
Ti、HfP:Cu、CdWO、Gd
S:Tb、GdTaO:Tb、Gd・Ta
・B:Tb、(Gd,Y)S:Tb、
GdS:Tb、(Gd,Y)S:Tb,T
m等、X線の照射を受けたとき高輝度の発光を呈する蛍
光体の中の少なくとも1種が使用できる。なお、第1の
蛍光体層に用いる蛍光体と第2の蛍光体層に用いる蛍光
体とは共に同一組成の蛍光体を用いても、また、それぞ
れに異なる組成の蛍光体を用いても同様の効果を示すた
め、これも特に制限はなく、フイルムの分光感度と蛍光
体層からの発光スペクトルとのマッチングを考慮する
等、その使用目的に応じて自由に選択することが出来
る。
【0021】また、本発明のスクリーンの製造のための
蛍光体塗布液に使用される結合剤樹脂としては、硝化
綿、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリビニルブ
チラール、線状ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビ
ニリデン−塩化ビニルコポリマー、塩化ビニル−酢酸ビ
ニルコポリマー、ポリアルキル−(メタ)アクリレー
ト、ポリカーボネート、ポリウレタン、セルロースアセ
テートブチレート、ポリビニルアルコール、ゼラチン、
デキストリン等のポリサッカライド、アラビアゴムな
ど、従来よりスクリーンの結合剤として知られているも
のであれば、特に制限はなく、用いられる上記各結合剤
樹脂の量は、第1の蛍光体層、第2の蛍光体層共に、得
られるスクリーンの鮮鋭度並びに耐久性を低下させない
点で、蛍光体層中の蛍光体に対して2〜6重量%とする
のが特に好ましい。
【0022】また、蛍光体塗布液の調製に使われる有機
溶剤としては、たとえばエタノール、メチルエチルエー
テル、酢酸ブチル、酢酸エチル、エチルエーテル、キシ
レンなどが用いられる。なお、蛍光体塗布液には必要に
応じてフタル酸、ステアリン酸などの分散剤や燐酸トリ
フェニル、フタル酸ジエチルなどの可塑剤が添加され
る。
【0023】また、前述のようにして形成した蛍光体層
の上には、さらに必要に応じて保護膜が形成される。保
護膜形成には、酢酸セルロース、ニトロセルロース、セ
ルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビ
ニルコポリマー、ポリカーボネート、ポリビニルブチラ
ール、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルホルマー
ル、ポリウレタンなどの樹脂を溶剤に溶解させて適当な
粘度の保護膜塗布液を調製し、これを先に形成した表面
側(発光を取り出す側)の蛍光体層上に塗布し、乾燥す
るか、あるいは予め成形された保護膜、たとえばポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどの透
明フィルムを蛍光体層上にラミネートすることにより保
護膜を形成する。
【0024】更に、本発明のスクリーンに使用される支
持体としては、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロー
ス、酢酸酪酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート
等のポリエステル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリ
レート、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル−酢酸ビ
ニルコポリマー、ポリカーボネートなどの樹脂をフィル
ム状に成形したもの、バライタ紙、レジンコート紙、通
常の紙、アルミニウム合金箔などが用いられる。なお、
本発明の増感紙の支持体として上述のようなプラスチッ
クフィルムまたは紙としては、これらにカーボンブラッ
クなどの光吸収物質または二酸化チタン、炭酸カルシウ
ムなどの光反射性物質を練り込んだものや、気泡を含有
したものも使用することが出来る。
【0025】また、スクリーンの中には蛍光体層と支持
体との間に光反射層、光吸収層あるいは金属箔層を有す
る構造のものがあり、その場合には予め支持体上に光反
射層、光吸収層あるいは金属箔層を設けておき、この上
に前記蛍光体塗布液を塗布、乾燥することにより蛍光体
層を形成する。
【0026】本発明のスクリーンは上述した製造方法以
外の方法によっても製造可能であり、例えば、予め平滑
な基板上に保護膜を形成しておき、その上に第2の蛍光
体層及び第1の蛍光体層をこの順に積層した後、これを
保護膜とともに該基板から剥離し、改めて第1の蛍光体
層上(保護膜とは反対側の面)に支持体を接着する方法
によっても製造することが出来る。
【0027】本発明のスクリーンはX線写真フイルムに
密着させて放射線写真撮影のために使用される増感紙の
外、間接撮影用の蛍光板、CCD等の撮像素子と共に使
用されるデジタルラジオグラフィー用の蛍光板など、X
線像を可視像に変換するための像変換媒体として有用で
ある。
【0028】
【実施例】以下本発明を実施例により説明する。 (実施例1)16重量部のポリビニルブチラール樹脂と
ウレタン樹脂との混合樹脂と4重量部の可塑剤を、80
重量部の有機溶剤中に溶解、撹拌し、結合剤樹脂液を作
成した。この結合剤15重量部に平均粒子径3μm、粒
度分布の標準偏差値(σ)が0.6のGdS:T
b蛍光体60重量部と、平均粒子径2μm、粒度分布の
標準偏差値(σ)が0.3のGdS:Tb蛍光体
25重量部との混合蛍光体を混合撹拌して「蛍光体塗布
液I」を調製し、更にこの「蛍光体塗布液I」にボール
ミル処理を施した。
【0029】次いで、厚さ250μmの酸化チタンを練
り込んだ白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(東
レ株式会社製ルミラーE−20)の支持体上に、前記の
「蛍光体塗布液I」をブレードコータを使用して、乾燥
後の蛍光体塗布重量が20mg/cmとなるように塗
布して未乾燥状態の第1の蛍光体層である、「蛍光体層
1」を形成した。
【0030】次に、上記結合剤樹脂液13重量部に平均
粒子径5μm、粒度分布の標準偏差値(σ)が1.1の
GdS:Tb蛍光体87重量部を加えて、混合撹
拌し、更にこの蛍光体スラリーにボールミルを施して
「蛍光体塗布液II」を作成し、先に形成した未乾燥状
態の「蛍光体層1」の上に上記「蛍光体塗布液II」を
ブレードコータを使用して、乾燥後の蛍光体塗布重量が
25mg/cmとなるように塗布し、第2の蛍光体層
である、「蛍光体層2」を形成した後、十分に乾燥し
て、第1、第2の2層の蛍光体層構成からなる蛍光体層
を形成した。次に、接着剤を介して先に形成した第2の
蛍光体層の表面に厚さ6μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム保護膜を積層し、これを100℃の温度で
熱ロールを使用して接着した後、加熱しながら梨地ロー
ルにより梨地加工を行い、表面に中心線平均粗さ(R
a)が1.0μmの凹凸模様をつけて実施例1の「スク
リーンA」を製造した。
【0031】(実施例2)混合蛍光体として平均粒子径
3μm、粒度分布の標準偏差値(σ)が0.6のGd
S:Tb蛍光体60重量部と、平均粒子径2μm、
粒度分布の標準偏差値(σ)が0.3のGdS:
Tb蛍光体25重量部との混合蛍光体を用いる代わり
に、平均粒子径3μm、粒度分布の標準偏差値(σ)が
0.6のGdS:Tb蛍光体と平均粒子径1.5
μm、粒度分布の標準偏差値(σ)が0.25のGd
S:Tb蛍光体とを重量比で1:1の割合で混合し
た混合蛍光体85重量部を用いる以外は実施例1の「蛍
光体塗布液I」と同様にして「蛍光体塗布液III」を
調製し、「蛍光体塗布液I」を塗布すべきところに、こ
れに代えて同量の上記「蛍光体塗布液III」を塗布す
る以外は実施例1の「スクリーンA」と同様にして実施
例2の「スクリーンB」を製造した。
【0032】(実施例3)平均粒子径5μm、粒度分布
の標準偏差値(σ)が1.1のGdS:Tb蛍光
体の代わりに、平均粒子径7μm、粒度分布の標準偏差
値(σ)が1.7のGdS:Tb蛍光体を用いる
以外は実施例1の「蛍光体塗布液II」と同様にして
「蛍光体塗布液IV」を調製し、「蛍光体塗布液II」
を塗布すべきところに、これに代えて同量の上記「蛍光
体塗布液IV」を塗布する以外は実施例1の「スクリー
ンA」と同様にして実施例3の「スクリーンC」を製造
した。
【0033】(比較例1)実施例1の「蛍光体塗布液
I」は用いず、支持体上に実施例1の「蛍光体塗布液I
I」のみを、乾燥後の蛍光体塗布重量が45mg/cm
となるように塗布して乾燥させ、単層の蛍光体層をを
形成した以外は実施例1の「スクリーンA」と同様にし
て比較例1の「スクリーンR1」を製造した。
【0034】(比較例2)蛍光体として実施例1で用い
た「蛍光体塗布液I」の平均粒子径3μm、粒度分布の
標準偏差値(σ)が0.6のGdS:Tb蛍光体
60重量部と、平均粒子径2μm、粒度分布の標準偏差
値(σ)が0.3のGdS:Tb蛍光体25重量
部との混合蛍光体を用いる代わりに、平均粒子径1.5
μm、粒度分布の標準偏差値(σ)が0.25のGd
S:Tb蛍光体85重量部を用いて、実施例1で用
いた「蛍光体塗布液I」と同様にして「蛍光体塗布液
V」を調製し、「蛍光体塗布液I」を塗布すべきところ
に、これに代えて同量の上記「蛍光体塗布液V」を塗布
する以外は実施例1の「スクリーンA」と同様にして比
較例2の「スクリーンR2」を製造した。
【0035】(比較例3)平均粒子径1.5μm、粒度
分布の標準偏差値(σ)が0.25のGdS:T
b蛍光体に代えて、平均粒子径2μm、粒度分布の標準
偏差値(σ)が0.3のGdS:Tb蛍光体を用
いた以外は比較例2で用いた「蛍光体塗布液V」と同様
にして「蛍光体塗布液VI」を調製し、「蛍光体塗布液
V」を塗布すべきところに、これに代えて同量の上記
「蛍光体塗布液VI」を塗布する以外は比較例2の「ス
クリーンR2」と同様にして比較例3の「スクリーンR
3」を製造した。
【0036】(比較例4)平均粒子径1.5μm、粒度
分布の標準偏差値(σ)が0.25のGdS:T
b蛍光体に代えて、平均粒子径3μm、粒度分布の標準
偏差値(σ)が0.6のGdS:Tb蛍光体を用
いた以外は比較例2で用いた「蛍光体塗布液V」と同様
にして「蛍光体塗布液VII」を調製し、「蛍光体塗布
液V」を塗布すべきところに、これに代えて同量の上記
「蛍光体塗布液VII」を塗布する以外は比較例2の
「スクリーンR2」と同様にして比較例4の「スクリー
ンR4」を製造した。
【0037】(比較例5)平均粒子径5μm、粒度分布
の標準偏差値(σ)が1.1のGdS:Tb蛍光
体に代えて、平均粒子径4μm、粒度分布の標準偏差値
(σ)が1.0のGdS:Tb蛍光体を用いる以
外は実施例1の「蛍光体塗布液II」と同様にして「蛍
光体塗布液VIII」を調製し、「蛍光体塗布液II」
を塗布すべきところに、これに代えて同量の上記「蛍光
体塗布液VIII」を塗布する以外は実施例1の「スク
リーンA」と同様にして比較例5の「スクリーンR5」
を製造した。
【0038】(比較例6)平均粒子径5μm、粒度分布
の標準偏差値(σ)が1.1のGdS:Tb蛍光
体に代えて、平均粒子径7μm、粒度分布の標準偏差値
(σ)が2.0のGdS:Tb蛍光体を用いる以
外は実施例1の「蛍光体塗布液II」と同様にして「蛍
光体塗布液IX」を調製し、「蛍光体塗布液II」を塗
布すべきところに、これに代えて同量の上記「蛍光体塗
布液IX」を塗布する以外は比較例4の「スクリーン
A」と同様にして比較例6の「スクリーンR6」を製造
した。
【0039】上述のようにして得られた実施例1〜実施
例3のスクリーンA〜C及び比較例1〜6のスクリーン
R1〜R6について、同一のスクリーンを2枚1組にし
てオルソタイプのX線写真フィルム(富士写真フィルム
社製UR−2)を用いて、その感度、鮮鋭度並びに耐久
性をそれぞれ評価したところ、表1のような結果が得ら
れ、本発明の増感紙A〜Cは比較例1のスクリーンR1
とほぼ同等の耐久性を有し、感度並びに鮮鋭度が向上し
た。
【0040】また、本発明の増感紙A〜Cは比較例2及
び比較例3のスクリーンR2、R3より感度並びに耐久
性において優れていた。更に、比較例4ないしひかくれ
い6のスクリーンR4〜R6と同等の耐久性を示し、か
つ、感度もしくは鮮鋭度が優れていた。
【0041】なお、スクリーンの写真性能は、厚さ10
cmの水ファントムを通して、管電圧80kVのX線で
撮影した場合の写真感度、鮮鋭度を示したもので、それ
ぞれの評価値は次の値で示されている。 写真感度:比較例1のスクリーンR1の感度を100と
した場合の相対値で表示。 鮮鋭度 :空間周波数2本/mmにおけるMTF値を求
め、該空間周波数における比較例1のスクリーンR1の
MTF値を100とした場合の相対値で表示。 耐久性 :各スクリーンを幅2cmの短冊状に裁断し、
その一旦を持って他端を堅い平板の上に3回強く叩きつ
けた時の蛍光体層の支持体からの剥離具合から、全く剥
離の無かったもの(○)、部分的に剥離がみとめられた
もの(△)及び完全に剥離したもの(×)の3段階に評
価した。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明は上記構成としたので、高感度で
鮮鋭度が高く、しかも耐久性の優れたスクリーンを提供
することが出来る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる粒子径分布をもった2種類の蛍光
    体の混合蛍光体を結合剤樹脂中に分散させてなる第1の
    蛍光体層と、単一の粒子径分布をもった蛍光体を結合剤
    樹脂中に分散させてなる第2の蛍光体層とがこの順序で
    支持体上に設けられた放射線像変換スクリーンであっ
    て、上記第1の蛍光体層における上記混合蛍光体を構成
    する各蛍光体の平均粒子径の比が1.4〜3.0の範囲
    にあり、上記第2の蛍光体層における上記蛍光体の粒子
    径分布の標準偏差(σ)が2.5以下であって、かつ、
    上記第2の蛍光体層における上記蛍光体の平均粒子径が
    上記第1の蛍光体層における上記混合蛍光体の平均粒子
    径より大であることを特徴とする放射線像変換スクリー
    ン。
  2. 【請求項2】 上記第2の蛍光体層における上記蛍光体
    の平均粒子径が4.5μm以上であり、上記第1の蛍光
    体層における上記混合蛍光体の平均粒子径が1.5μm
    〜3.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の
    放射線像変換スクリーン。
  3. 【請求項3】 上記第1の蛍光体層における上記混合蛍
    光体を構成する各蛍光体の混合重量比が10:90〜9
    0:10の範囲であることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の放射線像変換スクリーン。
  4. 【請求項4】 上記第1の蛍光体層及び上記第2の蛍光
    体層における上記結合剤樹脂の含有量がそれぞれ上記蛍
    光体に対して2〜6重量%であることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか一項に記載の放射線像変換スクリー
    ン。
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