JP2000140207A

JP2000140207A - 遊技機

Info

Publication number: JP2000140207A
Application number: JP10327636A
Authority: JP
Inventors: Koichi Sakamoto; 剛一坂本
Original assignee: Aruze Corp
Current assignee: Universal Entertainment Corp
Priority date: 1998-11-18
Filing date: 1998-11-18
Publication date: 2000-05-23
Also published as: US20010041611A1; US6471588B2; US6315663B1; ZA997058B; EP1003138A3; AU766358B2; EP1003138A2; AU5950799A

Abstract

(57)【要約】【課題】絵柄の停止直前に絵柄の移動方向を選択的に
変化させる演出により、絵柄の停止確定まで入賞の期待
感を持たせ、移動表示の面白さを増した遊技機を提供す
る。【解決手段】複数の絵柄を移動表示する表示手段と、
所定の入力信号に基づいて絵柄の移動表示を開始させ、
所定の停止信号に基づいてその移動表示を停止させる制
御手段と、を備えた遊技機において、絵柄の移動表示中
には絵柄を一方向に移動させ、絵柄の移動表示を停止さ
せるときには一方向の移動表示を停止させ、これとは移
動方向が異なる他方向の移動表示を選択的に実行させる
移動方向制御手段を有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複数の絵柄を所定
数ずつ移動しながら表示し、遊技者の停止操作に応じて
その表示（以下、可変表示という）を停止させる遊技
機、特に可変表示動作をマイクロコンピュータ等で制御
するスロットマシンとして好適な遊技機に関する。

【０００２】

【従来の技術】スロットマシンに代表されるように、整
列した複数種の絵柄（以下、シンボルマークという）を
移動させて遊技者の操作に応じて停止させ、遊技者が停
止させるシンボルマークを狙えるようにした遊技機が古
くから愛好されている。また、実際に停止したシンボル
マークが特定の入賞絵柄の組合せに該当する場合にメダ
ル、コイン又はトークン等と呼ばれる代用貨幣（以下、
これらを総称して遊技メダルという）を払い出すように
した遊技機においては、シンボルマークを移動させる制
御や各種の可視、可聴出力をマイクロコンピュータによ
って制御し、遊技効果を高めたもの（所謂パチスロ等）
が多用されている。

【０００３】この種の遊技機においては、同軸配置され
た複数のリール（回胴ともいう）の外周面にそれぞれ複
数種のシンボルマークを等間隔に配し、遊技者の開始操
作によりリールを回転させるとともに、遊技者の停止操
作に応じて各リールの回転を停止させる。そして、表示
窓内の入賞ライン上に停止したシンボルマークが特定の
入賞絵柄の組合せになっていれば、その絵柄の組合せに
対応する遊技メダル等の払い出し（ペイアウト）がなさ
れる。

【０００４】具体的には、例えば、遊技者がこの可変表
示動作を各列ごとに停止させる停止ボタン操作を行う
と、制御手段は、遊技者の停止ボタン操作により発生す
る停止指令信号に応じて、各列ごとに停止指令信号の発
生から所定時間内に可変表示動作を停止させる。この
際、制御手段は、遊技者の停止操作に応じて、例えば法
令で定められた停止時間（日本では、現行は190msec）
内に前記入賞ライン上に到達可能なシンボルマークのう
ちどれ（何コマ目）を停止させるかを決定し、そのシン
ボルマークが入賞ライン上に停止するようリールの回転
停止を制御する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述したような遊技機
にあっては、シンボルマークの可変表示の方向（絵柄の
移動方向）が一定に制御されているため、次のような遊
技上の難点があった。

【０００６】すなわち、遊技者は希望するシンボルマー
クを入賞ライン上に停止させるべく、各リールのシンボ
ルマークの移動状態を目視し、停止時の減速の度合い等
を考慮して、停止操作後に入賞ライン上に滑り込むシン
ボルマーク数（以下、滑りコマ数という）を直感的に予
測しながら停止操作を行う。この停止操作により、所望
するシンボルマークが入賞ライン上に停止するかどうか
は、遊技者が滑りコマ数の中に所望するシンボルマーク
が入った段階で停止操作できるか否かにかかっており、
このような遊技者の停止操作（停止ボタンの所謂目押
し）の技量によって入賞の頻度が左右される。しかし、
シンボルマークの移動速度が停止のために減速されると
き、リールの回転方向が一定であるために、ある程度減
速された段階で入賞の可能性がないと判断できる場合が
発生し、そのような場合には入賞の期待感によるリール
回転の面白さが損なわれるため、リールの停止確定まで
遊技を十分に楽しむことができない。

【０００７】そこで本発明は、絵柄の停止直前に絵柄の
移動方向を選択的に変化させるという演出を行うことに
より、絵柄の停止確定まで入賞の期待感を持たせ、移動
表示の面白さを増した遊技機を提供するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、複数の絵柄を移動表示する表示手段と、
所定の入力信号に基づいて前記絵柄の移動表示を開始さ
せ、所定の停止信号に基づいて前記絵柄の移動表示を停
止させる制御手段と、を備えた遊技機において、前記絵
柄の移動表示中には前記絵柄を一方向に移動させ、前記
絵柄の移動表示を停止させるときには前記一方向の移動
表示を停止させ、前記一方向の移動表示とは絵柄の移動
方向が異なる他方向の移動表示を選択的に実行する移動
方向制御手段を有するものである。

【０００９】この発明では、絵柄の移動表示が停止する
とき、一方向の移動表示が停止した後に、これとは絵柄
の移動方向が異なる他方向の移動表示が選択的に実行さ
れるから、このような演出により遊技者は絵柄の停止確
定まで入賞を期待することができ、移動表示の面白さが
増す。

【００１０】前記移動方向制御手段は、例えば前記一方
向の移動表示とは前記絵柄の移動方向が逆となるように
前記他方向の移動表示を実行させるが、表示手段によっ
ては前記一方向と交差する方向への移動表示も可能であ
る。

【００１１】また、前記移動方向制御手段は、前記他方
向の移動表示を実行するか否かを、前記所定の停止信号
の入力内容に基づいて決定するのが好ましく、更に、前
記他方向の移動表示により前記他方向に移動させる絵柄
の数を、前記所定の停止信号に基づいて異ならすように
してもよい。

【００１２】さらに、本発明は、外周面に複数の絵柄を
配した複数のリールを有し、前記複数の絵柄を該リール
の回転によって移動表示する表示手段と、所定の入力信
号に基づいて前記絵柄の移動表示を開始させ、所定の停
止信号に基づいて前記絵柄の移動表示を停止させる制御
手段と、を備えた遊技機において、前記絵柄の移動表示
中には、前記リールをすべて一方向に回転させて前記絵
柄を一方向に移動させ、前記絵柄の移動表示を停止させ
るときには前記複数のリールのうち先に停止する所定数
のリールについては前記一方向の移動表示を停止させ、
該停止した所定数のリールによって表示される絵柄が所
定の入賞が可能な組合せである場合であって残りのリー
ルが回転しているとき、該リールに対応する前記所定の
停止信号に応じて停止動作を決定し、該リールの一方向
の移動表示を停止させる第１の停止動作と、該リールの
一方向の移動表示を停止させ前記一方向の移動表示とは
絵柄の移動方向が異なる他方向の移動表示を実行する第
２の停止動作とのうちいずれかを実行させる移動方向制
御手段を有するものである。

【００１３】この発明では、停止した所定数のリールに
よって表示される絵柄が所定の入賞が可能な組合せであ
る場合に、残りの回転中のリールに対応する停止信号に
応じて第１又は第２の停止動作のうちいずれを実行する
かが決定される。したがって、遊技者は最後に停止する
リールの停止確定まで入賞の期待を高めることができ、
リール回転の面白さが増す。

【００１４】また、前記遊技者によって操作され前記所
定の停止信号を発生する停止操作手段を備え、前記移動
方向制御手段が、該停止操作手段からの停止信号に基づ
いて停止動作を決定するようにすると、遊技者の停止操
作の技量が入賞の有無に関係することになり、興趣の高
い遊技機となる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面に基づいて説明する。

【００１６】図１〜図１０は本発明の第１実施形態に係
る遊技機を示す図であり、本発明をスロットマシンに適
用した例を示している。図１に示すように、このスロッ
トマシン１０（遊技機）は、正面の表示パネル１１に、
リール部パネル１２、操作部１３、遊技状態表示器１
４、配当表示パネル１５、胴部パネル１６、遊技メダル
払出し口１７、受け皿１８及びスピーカ１９ａ、１９ｂ
等を備えている。

【００１７】リール部パネル１２は後述する絵柄の移動
表示領域を形成するものであり、リール部パネル１２に
は、図１中に一点鎖線で示すように、横向きの中央の入
賞ラインＬ１と、その入賞ラインＬ１の上下に位置する
上下２本の入賞ラインＬ２Ａ、Ｌ２Ｂと、これら入賞ラ
インＬ１、Ｌ２Ａ、Ｌ２Ｂに対し互いに逆向きに交差す
る斜め２本の入賞ラインＬ３Ａ、Ｌ３Ｂとが表わされて
いる。また、各入賞ラインＬ１、Ｌ２Ａ、Ｌ２Ｂ、Ｌ３
Ａ、Ｌ３Ｂの一端側には遊技メダル投入数が１であるこ
とを示す表示ランプ２１ａと、遊技メダル投入数が２で
あることを示す一対の表示ランプ２１ｂと、遊技メダル
投入数が３であることを示す上下一対の表示ランプ２１
ｃとが設置されている。一方、各入賞ラインＬ１、Ｌ２
Ａ、Ｌ２Ｂ、Ｌ３Ａ、Ｌ３Ｂの他端側には、遊技メダル
投入ランプ２２ａ、遊技開始表示ランプ２２ｂ、入賞表
示ランプ２２ｃ、遊技停止表示ランプ２２ｄ及び再遊技
表示ランプ２２ｅがそれぞれ設けられている。さらに、
表示パネル１１の表示領域１２の下方側には、メダル貯
留枚数表示、チャンス表示、役物回数表示、メダル払出
し枚数表示等を行う、例えばＬＣＤ（液晶表示素子）か
らなる表示器２３が設けられている。

【００１８】また、図２及び図３に示すように、リール
部パネル１２には正面から見て左右に並んだ３つの表示
窓３１ａ、３１ｂ、３１ｃが設けられており、リール部
パネル１２の後方には表示窓３１ａ〜３１ｃを通して正
面側から図２（ａ）に示すような複数種の絵柄（以下、
シンボルマークという）ｍが見えるように、３つのリー
ル３２Ａ、３２Ｂ、３２Ｃが設けられている。これらリ
ール３２Ａ〜３２Ｃは、表示窓３１ａ〜３１ｃに近接す
る円筒状の外周面に所定数（例えば２１駒）のシンボル
マークｍを等間隔に配したもので、３つのステップモー
タ３５Ａ、３５Ｂ、３５Ｃ（可変速モータ）によってそ
れぞれ独立して回転駆動され、かつ、内方に設置された
３組の表示用ランプ３３Ａ、３３Ｂ、３３Ｃによってそ
れぞれの正面部分に光を照射されることで、表示窓３１
ａ〜３１ｃ内に所定数（例えば３駒）のシンボルマーク
ｍを表示することができる。ステップモータ３５Ａ〜３
５Ｃは、例えば主軸をリール３２Ａ〜３２Ｃに同軸に連
結したもので、リール３２Ａ〜３２Ｃをそれぞれ所定の
最小回転角度（ステップ角）を単位として回転させるこ
とができる。前記リール部パネル１２、リール３２Ａ〜
３２Ｃ及び表示用ランプ３３Ａ〜３３Ｃは本発明にいう
表示手段となっており、制御回路５０と共に可変表示装
置を構成する。

【００１９】操作部１３には、表示器２３の下方に位置
する３つのリール停止用の停止ボタン４１ａ、４１ｂ、
４１ｃと、その左方に位置するリール回転開始用の開始
レバー４２と、表示器２３の左方で貯留メダルの投入を
指定する１枚投入用、２枚投入用及び３枚投入用の貯留
メダル投入ボタン４３ａ、４３ｂ、４３ｃと、手動投入
用のメダル投入口４５と、多数枚自動投入用のメダル投
入口４６と、貯留メダル清算ボタン４７と、がそれぞれ
設けられている。

【００２０】ここで、停止ボタン４１ａ〜４１ｃは、遊
技者によって特定種のシンボルマークｍをメダル投入枚
数に対応する有効本数の入賞ライン上（定位置）に停止
させるべく操作され、制御手段である制御回路５０によ
り所定の停止指令信号を発生するさせる停止操作手段と
なっている。また、開始レバー４２はリール３２Ａ〜３
２Ｃの回転を同時に開始させるための開始操作手段であ
る。

【００２１】遊技処理動作を制御する制御回路５０は、
図４に示すように、ＣＰＵ（Central Processing Uni
t）５１、ＲＯＭ（Read Only Memory）５２及びＲＡＭ
（Random Access Memory）５３を含むマイクロコンピュ
ータ５４（以下、マイコンという）を主要部としたもの
で、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生
回路５６と、基準クロックパルスを分周して割り込みパ
ルスを出力する分周器５７と、乱数サンプリングのため
の乱数発生器５８及び乱数サンプリング回路５９とがマ
イコン５４に接続されている。

【００２２】また、マイコン５４には、外部からの指令
操作やホストコンピュータからの制御信号等を取り込む
ためのセンサ群の一部として、開始レバー４２の揺動操
作を検出して所定の入力信号を発生するスタートスイッ
チ６１と、メダルの投入を検知するメダルセンサ６２
と、貯留メダル投入ボタン４３ａ〜４３ｃの操作により
貯留メダル投入数を指定するＣ／Ｐ（CREDIT/PAYOUT切
換）スイッチ６３と、が接続されている。

【００２３】さらに、マイコン５４には、スロットマシ
ン１０の各部のアクチュエータ動作を制御したり、その
動作状態を検知したりするため、ステップモータ３５Ａ
〜３５Ｃへの駆動パルスを生成するの駆動回路７１と、
遊技メダルを収納するホッパー８１（詳細は図示してい
ない）から遊技メダルを払い出すための駆動信号を生成
するホッパー駆動回路７２と、表示部２３をメダル貯留
枚数表示、チャンス表示、役物回数表示、メダル払出し
枚数表示等の各種の表示状態にて駆動する表示駆動回路
７３と、スピーカ１９ａ、１９ｂ等の音声出力部を駆動
するスピーカ駆動回路７４と、表示パネル１１に内設さ
れた各表示用のバックランプ８３（表示用ランプ３３
Ａ、３３Ｂ、３３Ｃ等を含む）を表示駆動するランプ駆
動回路７５とが接続されており、更に、各停止ボタン４
１ａ、４１ｂ、４１ｃの操作に応じてそれに対応するリ
ール３２Ａ、３２Ｂ又は３２Ｃの回転を停止させるため
の停止信号を発生するリール停止信号回路７６と、各リ
ール３２Ａ、３２Ｂ、３２Ｃの所定の基準位置からの回
転角度をリール位置として検出数するリール位置検出回
路７７と、払い出される遊技メダルを検出するメダル検
出部８２からの信号により払出しメダル枚数を計数して
払い出し完了時に所定の払出し完了信号を出力する払出
し完了信号回路７８と、が接続されている。

【００２４】マイコン５４は、ＲＯＭ５２に格納された
所定の制御プログラムに従い、同ＲＯＭ５２に格納され
ている所定の入賞確率テーブル、シンボルマークテーブ
ル、及び、入賞絵柄（入賞に該当するシンボルマークｍ
の組合せ）テーブル等の記憶データと、上記スイッチ類
からの遊技者の操作情報や上記センサ類からの動作状態
検知情報とに基づいて、ステップモータ３５Ａ〜３５Ｃ
をはじめとするアクチュエータ類や表示器２３等の動作
を制御するようになっている。

【００２５】また、このマイコン５４は、開始レバー４
２の操作を受けたスタートスイッチ６１からの所定の入
力信号に基づいて、リール３２Ａ、３２Ｂ、３２Ｃの回
転によるシンボルマークｍの移動表示を全リールについ
て同時に開始させる一方、この開始から所定時間内の各
停止ボタン４１ａ、４１ｂ、４１ｃの操作に応じて、リ
ール停止信号回路７６で発生される所定の停止信号に基
づき、各リール３２Ａ、３２Ｂ、３２Ｃの回転によるシ
ンボルマークｍの移動表示をリール停止操作毎に、ある
いは開始から所定の放置時間が経過したときに、停止さ
せるようになっている。

【００２６】具体的には、マイコン５４は、基準クロッ
クパルスを分周した分周器５７からの信号（割り込みパ
ルス）を入力し、その割り込みパルスが所定の待ち時間
に対応する数（以下、「割り込み待ち数」という）だけ
入力される度に、１つの制御パルスをモータ駆動回路７
１に送り、停止指令がされていないリール回転中のステ
ップモータ３５Ａ〜３５Ｃへのリール駆動パルスを制御
する。そして、ステップモータ３５Ａ〜３５Ｃが例えば
Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ４相の巻線グループを有する１−２相励
磁駆動方式のものである場合、リール駆動パルスにより
励磁される相（通電される巻線グループ；以下「励磁
相」という）が、所定割込み時間（例えば１．８８ms）
毎に、Ａ及びＤ相、次いでＡ相、次いでＡ及びＢ相、次
いでＢ相、次いでＢ及びＣ相、次いでＣ相、次いでＣ及
びＤ相、次いでＤ相という順に切り替えられ、その切り
替えごとに１ステップ角ずつ回転するステップモータ３
５Ａ〜３５Ｃが、前記励磁相の切替えの繰り返しによっ
て連続回転可能になっている。

【００２７】また、ステップモータ３５Ａ〜３５Ｃの起
動時や停止時には、前記リール駆動パルスの出力時間が
変更され、例えば起動時には、最初の出力時間が２２．
５６ms、次の数回の切替えの間は各リール駆動パルスの
出力時間が１３．１６ms、その後数回の切替えの間は各
リール駆動パルスの出力時間が９．４０ms、それ以後の
定速回転時には各リール駆動パルスの出力時間が３．７
６msという具合に加速制御がなされ、一方、停止時に
は、加速時とは逆に徐々に前記出力時間を長くしていく
減速制御がなされる。

【００２８】また、マイコン５４は、シンボルマークｍ
の移動表示中には、リール３２Ａ、３２Ｂ、３２Ｃをす
べて一方向に回転させてシンボルマークｍを一方向に移
動させる。一方、シンボルマークｍの移動表示を停止さ
せるときには、マイコン５４は、遊技者によっていずれ
かの停止ボタン４１ａ，４１ｂ又は４１ｃが操作された
とき、この停止操作に応じたリール停止信号回路７６か
らの停止信号に基づいて、各リールにつき後述するよう
な停止動作の決定処理を実行し、対応するリール３２
ａ，３２ｂ又は３２ｃの一方向の移動表示を停止させる
第１の停止動作、あるいは、同リールの一方向の移動表
示を停止させた後に前記一方向の移動表示とはシンボル
マークｍの移動方向が異なる他方向の移動表示を実行す
る第２の停止動作を実行させる。すなわち、マイコン５
４は、移動方向制御手段としての機能を有している。

【００２９】マイコン５４は、あるいは、複数のリール
３２Ａ、３２Ｂ、３２Ｃのうち先に停止する所定数のリ
ールについては前記一方向の移動表示のみを行わせる
が、停止した所定数のリール３２Ａ及び３２Ｂによって
表示されるシンボルマークｍが所定の入賞が可能な組合
せである場合（例えば先に停止操作された２つのルール
３２Ａ及び３２Ｂの絵柄が揃った場合）で、残りのリー
ルが回転しているとき、そのリールに対応する所定の停
止信号に応じて停止動作を決定するようにしてもよい。
すなわち、遊技者によって残りのリールを停止させるた
めの停止ボタンが操作されたときにのみ、この停止操作
に応じたリール停止信号回路７６からの停止信号に基づ
いて、後述するような停止動作の決定処理を実行して、
残りのリールの一方向の移動表示を停止させる第１の停
止動作と、当該リールの一方向の移動表示を停止させた
後に前記一方向の移動表示とはシンボルマークｍの移動
方向が異なる他方向の移動表示を実行する第２の停止動
作とを選択的に実行させるようにしてもよい。

【００３０】さらに、マイコン５４は、各停止ボタンが
操作されたときの停止信号に基づいて後述する抽選及び
入賞判定の処理を行い、前記他方向の移動表示により前
記他方向に移動させるシンボルマークｍの数、すなわち
シンボルマークｍの戻し数を、適宜異ならせるようにし
てもよい。

【００３１】このように、マイコン５４は、シンボルマ
ークｍの移動表示中には、シンボルマークｍを一方向に
定速移動させ、シンボルマークｍの移動表示を停止させ
るときには、前記所定の停止信号の入力内容に基づいて
移動表示の停止方法を決定して、前記一方向の移動表示
を減速して停止させる第１の停止動作を、あるいは更
に、前記一方向の移動表示とはシンボルマークｍの移動
方向が異なる他方向の移動表示を（本実施形態において
はリール３２Ａ、３２Ｂ、３２Ｃを用いているのでシン
ボルマークｍの移動方向が前記一方向の逆となる他方向
の移動表示を）行う第２の停止動作を、選択的に実行す
る。

【００３２】なお、リール３２Ａ〜３２Ｃの回転位置と
各シンボルマークとを対応付けるべく、ＲＯＭ５２に格
納された前記シンボルマークテーブルにおいては、前記
リセットパルスが発生する回転位置を基準として各リー
ル３２Ａ〜３２Ｃの一定の回転角度ピッチ毎にコード番
号が付けられており、それぞれのコード番号毎に各シン
ボルマークを示す絵柄コードが対応付けられている。ま
た、ＲＯＭ５２に格納された入賞絵柄の組合せテーブル
においては、入賞となる絵柄の組合せや、各入賞におけ
るメダル配当枚数、入賞判定コード等が対応付けられて
おり、リール３２Ａ〜３２Ｃの停止制御時及び全リール
停止後の入賞確認を行うときに、これらが参照される。

【００３３】また、遊技状態表示器１４は、マイコン５
４から表示制御信号を受けたランプ駆動回路７５によっ
て駆動され、入賞時や役物連続作動時、制御エラー発生
時、打止め時、遊技メダル回収時等にそれぞれの状態を
表わす点滅パターンで点滅する。また、配当表示パネル
１５は、入賞に係る所定の絵柄の組み合せ（有効な入賞
ライン上に停止したシンボルマークｍの組み合せ）に対
して獲得することができるメダル枚数や、入賞確率や配
当率の高い特定動作状態（所謂ビッグボーナス、レギュ
ラーボーナス等の動作）となる絵柄の組み合せを表示す
る。中央の胴部パネル１６には、図示しないスロットマ
シン１０の名称や型式等の表示がされている。その下方
の遊技メダル払出し口１７は、ホッパー８１から払い出
された遊技柄ダルを受け皿１８に払い出すための通路で
ある。

【００３４】なお、図４に示す制御回路構成では、乱数
サンプリングのための手段として、マイコン５４とは別
の乱数発生器５８及び乱数サンプリング回路５９を設け
ているが、ＣＰＵ５１の動作プログラム上で乱数サンプ
リングを実行するようにして、乱数発生器５８及び乱数
サンプリング回路５９を省略することもできる。

【００３５】次に、作用について説明する。

【００３６】上述したスロットマシン１０においては、
マイコン５４が、ＲＯＭ５２内の制御プログラムに従っ
て上述した各種スイッチやセンサ類からの信号情報、遊
技者による操作の情報、スロットマシン各部の動作情報
等を取り込みながら、以下に述べるような制御を実行す
る。

【００３７】まず、その概要を説明すると、マイコン５
４は、毎回のゲーム開始時に乱数発生器５８で発生した
乱数のうち１個の乱数を乱数サンプリング回路５９によ
り所定のタイミングで、例えばスタートスイッチ６１が
作動された時等にサンプリングし、この乱数がＲＯＭ５
２内の入賞確率テーブルで入賞グループに属するか否か
を判定して、入賞と判定された場合には、遊技者が各停
止ボタン４１ａ〜４１ｃを操作したとき、リール停止信
号回路７６から送られる停止指令操作信号が、入賞絵柄
を引き込める範囲内で発生した場合に、所定数だけリー
ルを滑らせて、入賞の絵柄の組み合せになるよう各リー
ル３２Ａ〜３２Ｃの停止制御を行う。そして、最終的に
各有効入賞ライン上に停止した絵柄の組み合せから入賞
内容を確認し、入賞内容に対応したメダル払出し数等を
表示器２３に表示させ、メダル払い出しのための指令信
号をホッパー駆動回路７２に出力して、ホッパー８１か
ら入賞に対応する獲得数のメダルの払出しを行わせる。
このとき、メダル検出部８２は、ホッパー８１から払い
出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が表示駆動
回路７３からの指定枚数に達した時点で、払出し完了信
号回路７８がＣＰＵ５１に払い出し完了信号を送る。こ
れによって、ＣＰＵ５１は、ホッパー駆動回路７２を介
してホッパー８１の駆動を停止し、メダルの払い出し処
理を終了する。

【００３８】また、このような状態において、シンボル
マークｍの移動表示がされているときには、リール３２
Ａ〜３２Ｃがすべて一方向に回転するように駆動され、
シンボルマークｍはすべて同一方向に移動するが、シン
ボルマークｍの移動表示が停止されるときには、前記一
方向への移動表示が所定速度まで減速され、ある場合に
は、所定時間（例えば１秒程度又は数秒）だけこの移動
表示状態が停止した後に、これとはシンボルマークｍの
移動方向が逆転する他方向の移動表示が実行される。

【００３９】以下、具体的な処理について説明すると、
まず、電源投入時にマイコン５４はメモリチェックや出
力ポートの初期化などを行った後、遊技開始可能にする
ための初期化処理を行う。

【００４０】次いで、マイコン５４は図５〜図８に示す
ような処理を実行する。

【００４１】まず、ステップＳ101で貯留メダル投入ボ
タン４３ａ〜４３ｃの操作による貯留メダルの自動投入
要求、つまり、前回のゲームで再遊技が入賞し、今回の
ゲームのメダルベットが自動的に行われるのか否かを判
定し、その要求がされていれば、次ステップＳ102で投
入要求された枚数分のメダルの自動投入、すなわち、前
回ゲームのメダル投入枚数分だけの投入処理を行い、ス
テップＳ104に進む。

【００４２】一方、ステップＳ101で貯留メダル投入ボ
タン４３ａ〜４３ｃの操作による貯留メダルの自動投入
要求がされていなければ、ステップＳ103に進んで遊技
メダルの手動によるメダル投入を待ち、メダル投入後に
次ステップＳ104に進む。

【００４３】なお、遊技者がメダル投入口４５に遊技メ
ダルを１枚投入すると、中央の入賞ラインＬ１だけが有
効化され、２枚投入すると、これに上下の入賞ラインＬ
２Ａ、Ｌ２Ｂが加えられ、３枚投入すると、全ての入賞
ラインL１〜L３が有効化される。なお、このときの入賞
ラインL１〜L３の有効化は、有効化入賞ライン表示ラン
プ２１ａ〜２１ｃがそれぞれ点灯することにより、遊技
者が目視で識別できるように表示される。

【００４４】ステップＳ104では、開始レバー４２が操
作されたか否かがスタートスイッチ６１からの入力信号
により判断され、未操作であれば、そのレバー操作を待
つ。

【００４５】そして、開始レバー４２が操作されると、
次ステップＳ105で抽選用の乱数値を抽出する。この乱
数値は、所定の数値間隔で比較的メダル払出し数が少な
い小役入賞を特定したり、高入賞確率、高配当のボーナ
スゲームが可能なレギュラーボーナス（ＲＢ）、所定回
数連続の高入賞確率、高配当のボーナスゲームが可能な
ビッグボーナス（ＢＢ）、メダル投入なしで再ゲーム可
能なリプレイ（再遊技）等を設定するためのもので、Ｒ
ＯＭ５２内のテーブルに格納されたデータに基づいて抽
出され、ＲＡＭ５３に書き込まれる。

【００４６】次いで、ステップＳ106では、前遊技開始
から所定時間（例えば４．１秒）が経過しているか否か
を判別し、経過していなければ、次ステップＳ107でそ
の所定時間の経過を待つ待ち時間消化処理を行う。所定
時間が経過していれば、ステップＳ108に進んで所定の
確率抽選処理を行う。この確率抽選処理において、マイ
コン５４は、乱数発生器５６で発生した一定の数値範囲
に属する乱数のうち１個をサンプリング回路５９により
サンプリングし、そのサンプリング値がＲＯＭ５２に予
め記憶している入賞確立テーブルの入賞領域（入賞役）
の値かそれ以外の値かを判定して、入賞領域に属してい
れば、ＲＡＭ53内の当選要求エリアに当選要求のフラグ
をセットすることで当選要求信号を発生し、非入賞領域
に属していれば前記当選要求エリアの当選要求フラグを
リセットする。なお、図９は、ＲＡＭ５３内の当選要求
エリアの構成を説明する図であり、同図中ではこの当選
要求エリアがハズレ、弾丸、ベル、リプレイ、レギュラ
ーボーナス（Ｒ・Ｂ）、ビッグボーナス（Ｂ・Ｂ）に分
割され、ベルに当選要求フラグがセットされている。

【００４７】一方、開始レバー４２が操作されると、そ
の操作を検出するスタートスイッチ６１からの信号（所
定の入力信号）に応じて、ＣＰＵ５１からモータ駆動回
路７１に制御信号が送られ、ステップモータ３５Ａ〜３
５Ｃによるリール３２Ａ〜３２Ｃの回転駆動が行われ
る。

【００４８】具体的には、マイコン５４は、ステップＳ
109にてリール３２Ａ〜３２Ｃを回転させるための初期
化処理を行い、次ステップＳ110で上述した起動、加速
のための処理を行う。これにより、３つのリール３２Ａ
〜３２Ｃが同時に回転し始めた後、所定の加速勾配で加
速され、リール３２Ａ〜３２Ｃの回転速度が一定値に達
すると、定速回転の制御がなされる。

【００４９】なお、この間、マイコン５４は、リール３
２Ａ〜３２Ｃの回転を開始させた後、ステップモータ３
５Ａ〜３５Ｃの各々に供給されるリール駆動パルスのパ
ルス数を計数し、その計数値をＲＡＭ５３に書き込む。
このとき、リール位置検出回路７７からは各リール３２
Ａ〜３２Ｃの一回転毎にリセットパルスが出力され、こ
れがＣＰＵ５１に入力されることで、ＲＡＭ５３に書き
込まれているリール駆動パルスの計数値が“０”にクリ
アされる。したがって、ＲＡＭ５３は各リール３２Ａ〜
３２Ｃについて一回転の範囲内における回転位置に対応
した計数値が格納されることになる。

【００５０】次いで、ステップＳ111で、リール３２Ａ
〜３２Ｃが定速回転になったか否かが判別される。この
とき、リール３２Ａ〜３２Ｃの回転速度が一定値、例え
ば第１の設定速度である毎分回転数ｒ１に達していれ
ば、停止ボタン４１ａ〜４１ｃを押す操作が有効とな
る。

【００５１】次いで、ステップＳ112で遊技者が停止ボ
タン４１ａ〜４１ｃのいずれかを押下したか、若しくは
更にステップＳ113でリール回転開始から所定時間（例
えば４０秒）が経過して自動停止タイマーが"０”とな
ったか否かが判別される。その判別結果がＹＥＳであれ
ば、次ステップＳ114で、停止制御を実行する。

【００５２】この停止制御処理においては、図８に示す
ように、まず、ステップＳ151で前記当選要求エリア内
の成立フラグの種類や、各停止ボタン操作時に読み取ら
れる所定のレジスタの値、現在のリール回転位置（図柄
位置）等に基づいて、滑りコマ数が決定される。この滑
りコマ数は、停止操作から法令で定められた停止時間
（現行は190msec）内に前記入賞ライン上に到達させる
シンボルマークｍの数で、リール回転が一方向のみであ
る場合、この滑りコマ数は、例えば最大４コマである。
また、前記レジスタは、ゼロから所定値までの範囲内で
レジスタ値を繰り返し高速変化させるリフレッシュレジ
スタ（以下、Ｒレジスタという）である。

【００５３】次のステップＳ152では、当選要求フラグ
が確認され、入賞ライン上に成立フラグのシンボルマー
クｍ（例えばベル）が停止可能か否かが判断される。そ
の判断の結果がＹＥＳであれば、ステップＳ153で成立
フラグを入賞ライン上に停止させるための決定済みの滑
りコマ数に１コマ加算され、次ステップＳ154にて、前
記停止時間内で、総滑りコマ数に応じて最終停止位置
（この例では当選位置）から１コマずらした疑似停止位
置へとリールの減速・停止制御がされる。したがって、
入賞ライン上に入賞の組み合せに係る絵柄がある時点
で、停止ボタンが押されたような場合であっても、停止
させるべき絵柄を、リールのオーバー回転により一旦入
賞ラインより先に通過させるといった演出が可能にな
る。

【００５４】次いで、ステップＳ155で滑りコマ数に１
コマ加算されているか否かが判別され、加算されていれ
ば（ＹＥＳ）、次ステップＳ156でその疑似停止位置か
ら入賞ラインへと最終的に停止させるべきシンボルマー
クｍを戻す制御を行う。したがって、一時停止された段
階では、入賞に係る組み合せから一旦は外れるものの、
シンボルマークｍの停止がこの戻し制御によって入賞の
組み合せに該当する位置にて確定することになる。

【００５５】ステップＳ155での判別結果がＮＯであれ
ば、そのまま今回の停止制御の処理を終了して全体の遊
技処理に戻る。

【００５６】次いで、ステップＳ120（図６参照）で、
遊技者が押下したボタンに対応するリール３２Ａ、３２
Ｂ又は３２Ｃについての停止要求をセットし、次ステッ
プＳ121で全てのリール３２Ａ〜３２Ｃが停止している
か否かをチェックして、未停止のリールがあれば、ステ
ップＳ112に戻ってそれ以降の処理を再度実行する。

【００５７】ここで、上記リールの停止及び戻し制御に
ついて考察する。

【００５８】図１０は、全リールのうち先に停止した２
つと、最後に停止させる回転中の１つのリールとを示し
ており、同図（ａ）において、○は、それぞれ先に停止
している左及び中リールの停止図柄（絵柄）、例えばベ
ルである。この図では、左リール、中リールの停止状態
で上段の入賞ラインＬ２Ａにベルが揃って停止（所謂テ
ンパイ）している状態で、残りの右リールのみが回転し
ている。同図（ｂ）に示すように、入賞の組み合せに係
るベルが引き込み可能な位置（入賞ラインＬ２Ａから最
大滑りコマ数内の位置）にある状態で、停止ボタン４１
ｃが押された場合、ベルが３つ揃う所定の当選要求があ
るときには、同図（ｃ）に示すように、この最後に停止
する右リール上のベル（○）を上段入賞ラインＬ２Ａ上
に滑り込ませる。この場合、図１１（ｂ）に示す状態か
ら同図（ｃ）に示す停止確定状態への滑りコマ数は３で
ある。逆に、当選要求がないときには、ベルを上段入賞
ラインＬ２Ａ上から外すように停止制御がされる。

【００５９】図１１は、上述のようなリールの回転・停
止動作を説明するタイミングチャートである。開始レバ
ー４２の操作がされ、スタートスイッチ６１がオンする
と、同図（ｃ）に示すスタート操作信号の立ち上がりエ
ッジを検出して、同図（ａ）に示すようにリール３２ｃ
の正回転（一方向の回転）が開始される。また、停止ボ
タン４１ｃが押され、それに対応するリール停止信号回
路７６からの停止操作信号の立ち上がりエッジが検出さ
れると、その時点から所定時間（例えば１９０msec）内
に滑りコマ数が決定され、前記戻し制御を行わない場合
には滑りコマ数分の絵柄が入賞ライン上に引き込まれ
る。この場合、これでリール３２ｃの停止位置は確定す
る。

【００６０】一方、前記戻し制御を行う場合には、前記
停止時間内に決定済み滑りコマ数に１コマを加えた疑似
停止位置までのコマ数分だけリール３２ｃが余計に正回
転した後、所定時間（例えば１秒から数秒）だけ停止
し、次いで、リール３２ｃがゆっくりと逆回転して絵柄
１コマ分だけ戻る。

【００６１】このようなリールの停止制御及び戻し制御
が終了すると、図６に示すように、ステップＳ121で全
てのリール３２Ａ〜３２Ｃが停止したか否かが判別さ
れ、次ステップＳ122で入賞検索がされる。すなわち、
上述した停止処理によりリール３２Ａ〜３２Ｃのうち押
下されたボタンに対応するリール回転が停止され、全て
のリール３２Ａ〜３２Ｃが停止したとき、有効化されて
いる入賞ライン上で停止したシンボルマークｍの組合せ
がどの入賞絵柄の組合せに該当するかが検索される。こ
れにより、入賞していれば、その入賞内容に応じた数の
遊技メダルを獲得したことになり、その枚数分の遊技メ
ダルが貯留メダル枚数に加算されるか、若しくは受け皿
１８に払い出されることになる。

【００６２】具体的には、ステップＳ123で入賞枚数が
“０”か否か判別され、入賞枚数が“０”でなければ、
次ステップＳ124で払出し方式が貯留か直接か等の設定
状態（例えば、図示しないスロットマシン内部のモード
設定ボタンにより設定される）に応じて、遊技メダルの
払出し方式を決定する。

【００６３】次いで、ステップＳ125でレギュラーボー
ナス（ＲＢ）の動作状態か、ステップＳ126でビッグボ
ーナス（ＢＢ）の動作状態かが判別され、各動作状態に
おける遊技処理がなされる。なお、ここでレギュラーボ
ーナス動作状態及びビッグボーナス動作状態とは、所謂
役物連続作動時及び役物連続作動増加時であり、本実施
形態においては通常のスロットマシンと同様で良いので
詳述しないが、共に、例えば１５枚のメダルが払い出さ
れた後に高入賞確率、高配当となるボーナスゲームが可
能な動作状態であり、ビッグボーナス動作状態では、例
えば３０回のボーナスゲームが可能である。レギュラー
ボーナス動作状態は、ビッグボーナス動作状態よりゲー
ム回数が少ないが、初期の入賞確率及び配当での通常ゲ
ームよりは十分に高入賞確率、高配当となる。なお、ビ
ッグボーナス作動状態で所定回数（例えば３回）だけレ
ギュラーボーナス作動状態になり得る。

【００６４】両ステップＳ125、Ｓ126で共に判別結果が
ＮＯであった場合、すなわち、特定のボーナスゲーム動
作状態でない場合は、次ステップＳ129でビッグボーナ
ス（ＢＢ）入賞になったか、更にステップＳ130ではレ
ギュラーボーナス（ＲＢ）になったかが、チェックされ
る。

【００６５】そして、ビッグボーナス（ＢＢ）入賞にな
っていれば、ステップＳ130でビッグボーナス（ＢＢ）
の動作状態にすべくＲＡＭ５３にビッグボーナスの作動
フラグ（例えば“１”）が書き込まれるとともに、その
ボーナスゲームに対応するデータエリアにボーナスゲー
ム中に使用する各種データがセットされる。

【００６６】また、レギュラーボーナス入賞になってい
れば、ステップＳ132でレギュラーボーナスの動作状態
にすべくＲＡＭ５３に対し、レギュラーボーナスの作動
フラグ（例えば“１”）が書き込まれるとともに、その
ボーナスゲームに対応するデータエリアにボーナスゲー
ム中に使用する各種データがセットされる。

【００６７】ステップＳ129、Ｓ131の判別の結果、いず
れの入賞でもなかった場合には、次ステップS132で再遊
技入賞か否かがチェックされ、停止絵柄が再遊技入賞に
該当していれば、次ステップＳ134で再遊技のためのメ
ダル自動投入の要求がＲＡＭ５３にセットされた後、次
ステップS135で１回の遊技が終了したことを示すフラグ
がセットされる。

【００６８】以下、メダルの投入が繰返し実行される間
は、上述のような処理が繰り返される。

【００６９】上述のように、本実施形態においては、シ
ンボルマークｍの移動表示が停止されるとき、一方向の
移動表示が停止した後に、これとは移動方向が異なる他
方向の移動表示が選択的に実行されるから、遊技者はシ
ンボルマークｍの停止確定まで入賞を期待することがで
き、リール回転の面白味が増すことになる。また、その
他方向の移動表示を実行するか否かは、当選要求の組み
合せが滑りコマ制御にて実現可能な回転位置で停止ボタ
ンの停止操作信号が入力されるか否かにもよるので、遊
技者の技量が入賞の有無に関係することになり、興趣を
高めることができる。

【００７０】なお、上述の停止及び戻し制御において戻
すコマ数は１コマである必要はなく、本発明の遊技機
は、以下に説明するように、戻しコマ数を当選の種類に
応じて変化させるような停止制御処理を行うものでもよ
い。

【００７１】図１２は本発明の第２実施形態に係る遊技
機の停止制御処理を説明するフローチャートである。な
お、この実施形態は、マイコンのメモリ内容が上述のＲ
ＯＭ５２とは異なるのみで、他の構成や、停止制御以外
の基本的な制御については上述の実施形態とほぼ同一で
あるので、上述した構成と同一符号を用いて、本実施形
態の特徴をなす停止制御の内容について説明する。

【００７２】この停止制御では、図１２に示すように、
まず、ステップＳ251で前記当選要求エリア内の成立フ
ラグの種類や、各停止ボタン操作時に読み取られるリフ
レッシュレジスタ（Ｒレジスタ）の値、現在のリール回
転位置（図柄位置）等に基づいて、滑りコマ数が決定さ
れる。この滑りコマ数は、停止操作時点から法令で定め
られた停止時間（現行は190msec）内に入賞ライン上に
引き込むシンボルマークｍの数で、リール回転が一方向
のみである場合には、この滑りコマ数は、例えば最大４
コマである。停止制御のための乱数をＲレジスタから取
得する。Ｒレジスタは、０から所定数へと繰返し変化
（ループ）する高速カウンタで構成されている。

【００７３】次のステップＳ252では、当選要求フラグ
（例えばベル・弾丸のような小当りフラグ、あるいはレ
ギュラーボーナス・ビッグボーナスのようなボーナスフ
ラグ）が確認され、その成立した当選要求フラグのシン
ボルマークｍが入賞ライン上に停止可能か否かが判断さ
れる。

【００７４】その判断の結果がＹＥＳであれば、次ステ
ップＳ253で成立フラグがボーナスフラグか否かが判別
され、ボーナスフラグであれば、ステップＳ254で成立
フラグを入賞ライン上に停止させるための決定済みの滑
りコマ数に２コマ加算され、ボーナスフラグでなけれ
ば、ステップＳ255で成立フラグを入賞ライン上に停止
させるための決定済みの滑りコマ数に１コマ加算され
て、次ステップＳ256にて、前記停止時間内で、総滑り
コマ数に応じて最終停止位置（この例では当選位置）か
ら１コマ又は２コマずらした疑似停止位置へとリールの
減速・停止制御がされる。

【００７５】一方、ステップＳ252での判断の結果がＮ
Ｏであれば、ステップＳ252からそのままステップＳ256
に進み、ステップＳ251で決定された滑りコマ数に基づ
いて、リール回転が一方向のみの状態で前記停止時間内
にリールの減速・停止制御がされる。

【００７６】次のステップＳ257では、滑りコマ数に１
コマ又は２コマが加算されているか否かが判別され、加
算されていれば（ＹＥＳ）、次ステップＳ258でその疑
似停止位置から入賞ラインへと最終的に停止させるべき
シンボルマークｍを戻す制御を行う。したがって、減速
され、一時停止された段階では、入賞に係る組み合せか
ら一旦はオーバー回転して外れるものの、シンボルマー
クｍの停止がこの戻し制御によって入賞の組み合せに該
当する位置にて確定することになる。

【００７７】ステップＳ257での判別結果がＮＯであれ
ば、そのまま今回の停止制御の処理を終了して全体の遊
技処理（ステップＳ120）に戻る。

【００７８】上述のように、本実施形態においても、シ
ンボルマークｍの移動表示が停止されるとき、一方向の
移動表示が停止した後に、これとは移動方向が異なる他
方向の移動表示が選択的に実行されるから、遊技者はシ
ンボルマークｍの停止確定まで入賞を期待することがで
き、上述の実施形態と同様に、リール回転の面白味を増
すことができる。しかも、ボーナス当選時には他方向の
移動表示の戻りコマ数が２コマに増えるので、遊技者は
１コマ戻った時点においても更に高い期待感を持ち続け
ることができ、遊技の興趣を高めることができる。

【００７９】図１３は本発明の第３実施形態に係る遊技
機の停止制御処理を説明するフローチャートであり、図
１４はその停止制御時に参照される所定のレジスタ値と
追加滑りコマ数との関係を示す停止条件テーブルであ
る。なお、この実施形態においても、マイコンのメモリ
内容が上述のＲＯＭ５２とは異なるが、他の構成や、停
止制御以外の基本的な制御については上述の実施形態と
ほぼ同一である。

【００８０】この停止制御処理では、図１３に示すよう
に、まず、ステップＳ351で停止制御のための乱数をリ
フレッシュレジスタ（Ｒレジスタ）から取得する。この
Ｒレジスタは、０から１２７へと繰返し変化（ループ）
する高速カウンタで、１２８種類の乱数値をとることが
できる。次のステップＳ352では、前記当選要求エリア
内の成立フラグの種類や、停止ボタン操作時に取得した
Ｒレジスタの値、現在のリール回転位置（図柄位置）等
に基づいて、滑りコマ数が決定される。次いで、ステッ
プＳ353で、当選要求フラグ（例えばベル・弾丸のよう
な小当りフラグ、あるいはレギュラーボーナス・ビッグ
ボーナスのようなボーナスフラグ）が確認され、その成
立した当選要求フラグのシンボルマークｍが入賞ライン
上に停止可能か否かが判断される。

【００８１】その判断の結果がＹＥＳであれば、次ステ
ップＳ354において、停止ボタン操作時にＲレジスタで
取得した乱数値（０〜１２７のいずれか）と、当選要求
フラグとから、所定条件で追加滑りコマ数を選択・決定
する。ここで、所定条件とは、例えば図１４に示す停止
条件テーブルのように設定されたもので、各当選要求、
例えばベル当選要求の場合、停止操作時に取得したＲレ
ジスタの値が０から５０であれば追加滑りコマ数はゼ
ロ、すなわちコマズレなしとなり、停止操作時に取得し
たＲレジスタの値が５１〜１２０であれば追加滑りコマ
数は１コマとなり、停止操作時に取得したＲレジスタの
値が５１〜１２０であれば追加滑りコマ数は２コマとな
る。また、例えば、ビッグボーナス当選要求の場合、停
止操作時に取得したＲレジスタの値が０から１０であれ
ばコマズレなしとなり、停止操作時に取得したＲレジス
タの値が１１〜４０であれば追加滑りコマ数は１コマと
なり、停止操作時に取得したＲレジスタの値が４１〜１
２７であれば追加滑りコマ数は２コマとなる。

【００８２】次いで、ステップＳ355で成立フラグを入
賞ライン上に停止させるための決定済みの滑りコマ数に
前ステップＳ354で選択した追加滑りコマ数が加算さ
れ、次ステップＳ356にて、前記停止時間内で、総滑り
コマ数に応じて最終停止位置（この例では当選位置）か
ら１コマ又は２コマずらした疑似停止位置へとリールの
減速・停止制御がされる。

【００８３】一方、ステップＳ353での判断の結果がＮ
Ｏであれば、ステップＳ353からそのままステップＳ356
に進み、ステップＳ352で決定された滑りコマ数に基づ
いて、リール回転が一方向のみの状態で前記停止時間内
にリールの減速・停止制御がされる。

【００８４】次のステップＳ357では、滑りコマ数に選
択された追加滑りコマ数が加算されているか否かが判別
され、加算されていれば（ＹＥＳ）、次ステップＳ358
でその疑似停止位置から入賞ラインへと最終的に停止さ
せるべきシンボルマークｍを戻す制御を行う。したがっ
て、減速され一時停止された段階では、入賞に係る組み
合せから一旦はオーバー回転して外れるものの、シンボ
ルマークｍの停止がこの戻し制御によって入賞の組み合
せに該当する位置にて確定することになる。

【００８５】ステップＳ357での判別結果がＮＯであれ
ば、そのまま今回の停止制御の処理を終了して全体の遊
技処理（ステップＳ120）に戻る。

【００８６】上述のように、本実施形態においても、シ
ンボルマークｍの移動表示が停止されるとき、一方向の
移動表示が停止した後に、これとは移動方向が異なる他
方向の移動表示が選択的に実行されるから、上述の実施
形態と同様な作用効果を得ることができる。しかも、こ
の実施形態では、当選要求の種類に応じて追加滑りコマ
の有無やその追加滑りコマ数を変化させることができ、
リール回転の面白味を更に増すことができる。

【００８７】なお、上述の各実施形態の説明において
は、可変表示部を機械式リールとしたため、リール回転
方向の逆転によって絵柄の移動方向が逆向きになるよう
な他方向の移動表示としたが、本発明の他方向の表示は
これに限るものではない。すなわち、液晶ディスプレイ
やＣＲＴ（Cathode Ray Tube）ディスプレイ、プラズマ
ディスプレイ等の電気的表示装置によって移動表示する
場合、他方向の移動表示は、必ずしも一方向の移動表示
に対し反対の向きでなく、一方向の移動表示と所定の交
差角をなす移動方向に行ってもよい。この場合、例えば
表示画面に描かれた絵柄を割込み信号毎に所定ドット数
ずつ移動させるように構成する。

【００８８】また、上記戻し制御を先に停止する１つリ
ールの停止図柄が確定した後、残りの二つ（複数）のリ
ールの停止操作がされたときにそれぞれ行うようにする
ことも考えられる。

【００８９】さらに、上述の実施形態はスロットマシン
であったが、本発明はスロットマシンに限定されるもの
ではなく、パチンコ機等の弾球遊技機やテレビゲーム
等、類似のゲーム機能を付加した他の遊技機にも適用す
ることができる。また、絵柄の移動表示の停止及び戻し
の制御を行うために必要なデータやプログラム（判断手
段や制御手段の機能を有する）を格納したＲＯＭ等の記
憶素子その他の媒体、あるいは制御基板等を、遊技機本
体に対して容易に着脱・交換可能に構成するのが好まし
いことはいうまでもない。

【００９０】

【発明の効果】本発明によれば、絵柄の移動表示を停止
するとき、一方向の移動表示を停止させた後に、これと
は絵柄移動方向が異なる他方向の移動表示を選択的に実
行するという演出が可能であるので、遊技者は絵柄の停
止確定まで入賞を期待することができ、移動表示の面白
さを増した遊技機を提供することができる。

【００９１】また、停止した所定数のリールによって表
示される絵柄が所定の入賞が可能な組合せである場合
に、残りの回転中のリールに対応する停止信号に応じて
第１又は第２の停止動作のうちいずれを実行するかが決
定されるようにすれば、遊技者は大きな期待を持ちなが
ら最後に停止するリールの停止確定まで入賞を期待する
ことができ、リール回転の面白さを更に増すことができ
る。

【００９２】さらに、遊技者により操作される停止操作
手段からの停止信号に基づいて停止動作を決定するよう
にすれば、遊技者の技量が入賞の有無に関係することに
なり、遊技の興趣をより高めることができ、他方向の移
動表示による戻りのコマ数を変えるようにすれば、更に
入賞の期待感を高めて遊技の興趣を高めることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態に係る遊技機の外観斜視
図である。

【図２】その遊技機における入賞ラインの説明図であ
る。

【図３】その遊技機におけるリール回転装置部分の斜視
図である。

【図４】その遊技機における制御回路の構成を示すのブ
ロック図である。

【図５】第１実施形態の遊技機における遊技制御プログ
ラムを説明するフローチャートである。

【図６】図６フローチャートに続く、前記遊技制御プロ
グラムを説明するフローチャートである。

【図７】図７のフローチャートに続く、前記遊技制御プ
ログラムを説明するフローチャートである。

【図８】第１実施形態の遊技機における停止制御処理を
説明するフローチャートである。

【図９】第１実施形態の遊技機におけるメモリ内の当選
要求エリアの構成を説明する図である。

【図１０】第１実施形態の遊技機における停止制御時の
動作説明図である。

【図１１】第１実施形態の遊技機におけるリール回転制
御を示すタイミングチャートである。

【図１２】第２実施形態の遊技機における停止制御処理
を説明するフローチャートである。

【図１３】第３実施形態の遊技機における停止制御処理
を説明するフローチャートである。

【図１４】第３実施形態の遊技機における戻し制御の条
件を当選要求に係る成立フラグと乱数取得用のリフレッ
シュレジスタ値とから求めるための条件テーブルであ
る。

【符号の説明】

１０スロットマシン（遊技機）１１表示パネル１２リール部パネル（表示領域）１３操作部１４遊技状態表示器１５配当表示パネル１６胴部パネル１７払出し口１８受皿１９ａ、１９ｂスピーカ２１ａ、２１ｂ、２１ｃ表示ランプ２２ａ遊技メダル投入ランプ２２ｂ遊技開始表示ランプ２２ｃ入賞表示ランプ２２ｄ遊技停止表示ランプ２２ｅ再遊技表示ランプ２３表示器（表示部）３１ａ、３１ｂ、３１ｃ表示窓３２Ａ、３２Ｂ、３２Ｃリール３３Ａ、３３Ｂ、３３Ｃ表示用ランプ３５Ａ、３５Ｂ、３５Ｃステップモータ４１ａ、４１ｂ、４１ｃ停止ボタン（停止操作手段）４２開始レバー４３ａ、４３ｂ、４３ｃ貯留メダル投入ボタン４５、４６メダル投入口４７貯留メダル清算ボタン５０制御回路（制御手段）５１ＣＰＵ５２ＲＯＭ５３ＲＡＭ５４マイコン（移動方向制御手段）５６クロックパルス発生回路５７分周器５８乱数発生器５９乱数サンプリング回路６１スタートスイッチ６２メダルセンサ６３Ｃ／Ｐスイッチ７１モータ駆動回路７２ホッパー駆動回路７３表示駆動回路７４スピーカ駆動回路７５ランプ駆動回路７６リール停止信号回路７７リール位置検出回路７８完了信号回路８１ホッパー８２メダル検出部８３バックランプＬ１、Ｌ２Ａ、Ｌ２Ｂ、Ｌ３Ａ、Ｌ３Ｂ入賞ラインｍシンボルマーク（絵柄）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数の絵柄を移動表示する表示手段と、所
定の入力信号に基づいて前記絵柄の移動表示を開始さ
せ、所定の停止信号に基づいて前記絵柄の移動表示を停
止させる制御手段と、を備えた遊技機において、前記絵柄の移動表示中には、前記絵柄を一方向に移動さ
せ、前記絵柄の移動表示を停止させるときには、前記一方向
の移動表示を停止させ、前記一方向の移動表示とは絵柄
の移動方向が異なる他方向の移動表示を選択的に実行さ
せる、移動方向制御手段を有することを特徴とする遊技
機。
【請求項２】前記移動方向制御手段は、前記一方向の移
動表示とは前記絵柄の移動方向が逆となるように前記他
方向の移動表示を実行させる請求項１に記載の遊技機。
【請求項３】前記移動方向制御手段は、前記他方向の移
動表示を実行するか否かを、前記所定の停止信号の入力
内容に基づいて決定する請求項１又は２に記載の遊技
機。
【請求項４】前記移動方向制御手段は、前記他方向の移
動表示により前記他方向に移動させる絵柄の数を、前記
所定の停止信号に基づいて異ならす請求項３に記載の遊
技機。
【請求項５】外周面に複数の絵柄を配した複数のリール
を有し、前記複数の絵柄を該リールの回転によって移動
表示する表示手段と、所定の入力信号に基づいて前記絵
柄の移動表示を開始させ、所定の停止信号に基づいて前
記絵柄の移動表示を停止させる制御手段と、を備えた遊
技機において、前記絵柄の移動表示中には、前記リールをすべて一方向
に回転させて前記絵柄を一方向に移動させ、前記絵柄の移動表示を停止させるときには、前記複数の
リールのうち先に停止する所定数のリールについては前
記一方向の移動表示を停止させ、該停止した所定数のリールによって表示される絵柄が所
定の入賞が可能な組合せである場合であって残りのリー
ルが回転しているとき、該リールに対応する前記所定の
停止信号に応じて停止動作を決定し、該リールの一方向
の移動表示を停止させる第１の停止動作と、該リールの
一方向の移動表示を停止させ前記一方向の移動表示とは
絵柄の移動方向が異なる他方向の移動表示を実行する第
２の停止動作とのうちいずれかを実行させる、移動方向
制御手段を有することを特徴とする遊技機。
【請求項６】前記遊技者によって操作され、前記所定の
停止信号を発生する停止操作手段を備え、前記移動方向制御手段が、該停止操作手段からの停止信
号に基づいて停止動作を決定することを特徴とする請求
項３、４又は５に記載の遊技機。