JP2000108276A - ガスバリア性食品・医療用包装材およびその製造方法 - Google Patents

ガスバリア性食品・医療用包装材およびその製造方法

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JP2000108276A
JP2000108276A JP10279216A JP27921698A JP2000108276A JP 2000108276 A JP2000108276 A JP 2000108276A JP 10279216 A JP10279216 A JP 10279216A JP 27921698 A JP27921698 A JP 27921698A JP 2000108276 A JP2000108276 A JP 2000108276A
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food
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Takumi Araki
工 荒木
Osamu Miyaji
修 宮地
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Japan Polyolefins Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各層間の接着性を充分満足できる水準に維持
しつつ、低温でのラミネート成形であっても短時間(高
速成形)で製造することができ、臭気が生じないガスバ
リア性食品・医療用包装材およびその製造方法。 【解決手段】 樹脂製基材層16と樹脂層12とガスバ
リア性層10とを有するガスバリア性食品・医療用包装
材において、樹脂層は、(A)ポリオレフィン系樹脂
と、(B)分子内不飽和結合を有する化合物とを含むポ
リオレフィン系樹脂組成物からなる層を有し、該ポリオ
レフィン系樹脂組成物中における前記分子内不飽和結合
の数が103炭素当り0.5個以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は種々の飲食品・医療
品の包装に用いるガスバリア性食品・医療用包装材およ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】乾燥食品包装、水物食品包装用の食品用
包装材や、医療用カプセル等の医療用包装材として、ア
ルミニウム箔やポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルム等のバリア性材料からなる基材に、シーラント
層として低密度ポリエチレン等からなる層を積層した包
装材が使用されている。こうした積層材は、一般に、押
出ラミネーションにより製造されているが、近年特に、
層間の接着強度をより高めることと、より短時間で製造
することが望まれている。通常、押出ラミネーションに
おいては、層間の接着強度を向上するには、ラミネート
時の樹脂の温度を高めればよいことが知られており、上
記要求に対しては主としてラミネート温度を高める(通
常、約310℃以上)ことで対処していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂の
温度を高めることにより、発煙の発生等による作業環
境及び周辺環境への影響の増大、高温での酸化劣化に
より生じる臭気が包装材に残存し、飲食品等に付着する
等の問題がある。しかも、高い接着性を確保しつつ成形
速度を上げる為に、樹脂温度をより高くしなければなら
ず、上記問題が深刻となっている。また、高速成形の為
に、オゾン処理を併用しても十分な接着性を確保するこ
とは困難であった。また、層間強度を向上させるため
に、アンカーコート剤等の接着剤を用いることも考えら
れるが、飲食品の包装材としては、これらの使用は望ま
しくない。しかも、煩雑なコーティング工程、アンカー
コート剤の調製工程、ロールに付着したアンカーコート
剤の拭取り工程等が必要となり、作業性の悪化およびコ
スト増等を招き、また、有機溶剤の使用など望ましくな
い。本発明は前記課題を解決するためになされたもの
で、各層間の接着性を充分満足できる水準に維持しつ
つ、低温でのラミネート成形であっても短時間(高速成
形)で製造することができ、臭気が生じないガスバリア
性食品・医療用包装材およびその製造方法を提供するも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のガスバリア性食
品・医療用包装材は、樹脂製基材層と樹脂層とガスバリ
ア性層とを有するガスバリア性食品・医療用包装材にお
いて、前記樹脂層は、(A)ポリオレフィン系樹脂と、
(B)分子内不飽和結合を有する化合物とを含むポリオ
レフィン系樹脂組成物からなる層を有し、該ポリオレフ
ィン系樹脂組成物中における前記分子内不飽和結合の数
が103炭素当り0.5個以上であることを特徴とするも
のである。ポリオレフィン系樹脂組成物は、(A)ポリ
オレフィン系樹脂を99.9〜50重量%、(B)分子
内不飽和結合を有する化合物を0.1〜50重量%含
み、該(B)分子内不飽和結合を有する化合物中におけ
る分子内不飽和結合の数が103炭素当り0.5〜250
個であることが望ましい。(B)分子内不飽和結合を有
する化合物は、1,2−ポリブタジエン、エチレン−プ
ロピレン−ジエン共重合体、ポリイソプレンから選択さ
れた少なくとも1種であることが望ましい。
【0005】ガスバリア性層は、ポリエステル、ポリア
ミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVO
H)、アルミニウムから選択されるいずれかからなるこ
とが望ましい。樹脂製基材層はポリアミドが望ましい。
好適な層構成として、ガスバリア性層の片面に、樹脂層
を介して樹脂製基材層が積層し、同ガスバリア性層の他
面に、樹脂層を介してシーラント層が積層していること
が望ましい。
【0006】本発明のガスバリア性食品・医療用包装材
の製造方法は、ガスバリア性層を供給するガスバリア性
層供給工程と、ポリオレフィン系樹脂と、分子内不飽和
結合を有する化合物とを含み、該分子内不飽和結合の数
が103炭素当り0.5個以上であるポリオレフィン系樹
脂組成物からなる溶融膜にオゾン処理を施す樹脂表面処
理工程と、前記供給されたガスバリア性層の少なくとも
片面に、前記溶融膜のオゾン処理の施された面を圧接す
る積層工程と、樹脂層上に樹脂製基材層を設ける工程と
を有することを特徴とするものである。ガスバリア性層
供給工程においては、ガスバリア性層に表面処理を施す
ことが望ましい。積層工程においては、樹脂温度を20
0〜300℃とすることが望ましく、成形速度を200
〜400m/min.とすることが望ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の食品・医療用包装材を構
成する積層体は、少なくとも樹脂製基材層と樹脂層とガ
スバリア性層とを有するもので、例えば図1に示すよう
に、他の層を有するものでもよい。図示例の食品・医療
用包装材は、ガスバリア性層10の一方の面上に樹脂層
12を介して樹脂製基材層16が積層している他、さら
に、ガスバリア性層10の他方の面上に、樹脂層14を
介してシーラント層18が積層しているものである。樹
脂製基材層16としては、食品・医療用包装材の基材と
して用いられるものであれば特に制限されるものではな
く、例えば、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエ
ステル等が挙げられる。
【0008】樹脂層12,14としては、ポリオレフィ
ン系樹脂と、分子内不飽和結合を有する化合物とを含む
ポリオレフィン系樹脂組成物からなり、そのポリオレフ
ィン系樹脂組成物中における分子内不飽和結合の数が1
3炭素当り0.5個以上であるポリオレフィン系樹脂組
成物からなるものが適用される。ポリオレフィン系樹脂
としては、より具体的には、高圧ラジカル重合による低
密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン・ビニルエス
テル共重合体、エチレン・α、β−不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体との共重合体等が挙げられる。他のポリ
オレフィン系樹脂としては、チーグラー系触媒、フイリ
ップス系触媒、メタロセン系触媒等による低・中・高圧
重合によって得られる密度0.86〜0.98g/cm3
のエチレン単独重合体、プロピレン単独重合体等の炭素
数2〜20のα・オレフィンの単独またはこれらの相互
共重合体が挙げられる。
【0009】上記低密度ポリエチレン(LDPE)とし
ては、密度は0.91〜0.94g/cm3、好ましくは
0.912〜0.935g/cm3、さらに好ましくは0.
912〜0.930g/cm3である。メルトフローレー
トは0.001〜1000g/10分、好ましくは0.1〜
100g/10分であり、さらに好ましくは1.0〜50
g/10分である。溶融張力は好ましくは1.5〜25
g、より好ましくは3〜20gである。また、Mw/M
nは3.0〜10、好ましくは4.0〜8.0の範囲で選
択されることが望ましい。更に該ポリエチレンの末端ビ
ニル基は、ポリマー鎖中の炭素原子1000個当り0.
4個以上、好ましくは0.4〜0.8個の範囲であること
が好ましい。
【0010】本発明におけるエチレン・ビニルエステル
共重合体とは、エチレンを主成分とするプロピオン酸ビ
ニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニ
ル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフル
オル酢酸ビニルなどのビニルエステル単量体との共重合
体である。これらの中でも特に好ましいものとしては、
酢酸ビニル(EVA)を挙げることができる。すなわ
ち、エチレン50〜99.5重量%、ビニルエステル0.
5〜50重量%、他の共重合可能な不飽和単量体0〜4
9.5重量%からなる共重合体が好ましい。特にビニル
エステル含有量は3〜20重量%、好ましくは5〜15
重量%の範囲である。
【0011】本発明におけるエチレン・α、β−不飽和
カルボン酸またはその誘導体との共重合体の代表的な共
重合体としては、エチレン−(メタ)アクリル酸または
そのアルキルエステル共重合体、その金属塩等が挙げら
れ、これらのコモノマーとしては、アクリル酸、メタク
リル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、
メタクリル酸−n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メ
タクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、メタク
リル酸グリシジル等を挙げることができる。この中でも
特に好ましいものとして(メタ)アクリル酸のメチル、
エチル(EEA)等のアルキルエステルを挙げることが
できる。特に(メタ)アクリル酸エステル含有量は3〜
20重量%、好ましくは5〜15重量%の範囲である。
【0012】上記高圧ラジカル重合法とは、圧力500
〜3500Kg/cm2Gの範囲、重合温度は100〜
400℃の範囲、チューブ状リアクター、オートクレー
ブリアクターを使用して、有機または無機のパーオキサ
イド等の遊離基発生剤の存在下で重合する方法である。
また、チーグラー系触媒、フイリップス系触媒、メタロ
セン系触媒等による低・中・高圧重合によって得られる
密度0.86〜0.98g/cm3のエチレン単独重合
体、プロピレン単独重合体または炭素数2〜20のα・
オレフィンの相互共重合体としては、密度0.86g/
cm3以上0.91g/cm3未満の超低密度ポリエチレ
ン、密度0.91g/cm3以上0.94g/cm3未満の
線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、密度0.94
g/cm3以上の高密度ポリエチレン等のエチレン系重
合体、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共
重合体等のプロピレン系重合体などが挙げられる。
【0013】上記炭素数2〜20のα−オレフィンとし
ては、具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、
4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−デセン、1−ドデセン等を挙げることができ
る。本発明での(A)成分は、目的により、非極性のポ
リオレフィン系樹脂と、例えばエチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等の極性
基を有するエチレン共重合体などを50重量%未満、よ
り好ましくは30重量%未満を併用することができる。
また、本発明での(A)成分の荷重2.16kgでのメ
ルトフローレートは0.001〜1000g/10分であ
ることが好ましく、より好ましくは0.1〜100g/1
0分であり、さらに好ましくは1.0〜50g/10分であ
る。該メルトフローレートが低すぎても高すぎても成形
性が劣る。また、メルトフローレートが高すぎる場合に
は強度が劣る。
【0014】本発明での(B)成分は、分子内不飽和結
合を有する化合物である。その分子内不飽和結合の数
は、ポリオレフィン系樹脂組成物全体中において、10
3炭素当り0.5個以上であることが必要である。分子内
不飽和結合の数が0.5個未満であると、接着性等の向
上効果が小さい。(B)成分の化合物として、具体的に
は、分子内に複数の不飽和結合を有する化合物、ポリブ
タジエン、好ましくは1,2−ポリブタジエン、ポリイ
ソプレン、天然ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三
元共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アリル、エ
チレン−(メタ)アクリル酸ビニルなどから選択される
少なくとも1種の化合物、オリゴマーまたは重合体を挙
げることができる。これら中でも1,2−ポリブタジエ
ン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPD
M)、ポリイソプレン、特に1,2−ポリブタジエンの
重合体が、取扱い、作業性等から好ましい。これらは一
種のみならず二種以上を併用できる。
【0015】(B)成分の化合物は、荷重2.16kg
でのメルトフローレートが0.001〜1000g/10
分であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10
0g/10分であり、さらに好ましくは1.0〜50g/1
0分である。メルトフローレートが低すぎても高すぎて
も成形性が劣る。また、メルトフローレートが高すぎる
場合には強度が劣る。
【0016】分子内不飽和結合の数は、(B)成分の化
合物中においても、その103炭素当り、0.5〜250
個であることが好ましく、より好ましくは103炭素中
5〜250個、さらに好ましくは103炭素中50〜2
50個である。分子内不飽和結合の数が過少であると接
着性等の改良効果が少なく、過多であると熱安定性が悪
化する場合がある。
【0017】本発明におけるポリオレフィン系樹脂組成
物は、上記の(A)成分が99.9〜50重量%及び
(B)成分が0.1〜50重量%の範囲で配合されるこ
とが望まれる。より好ましくは、(A)成分を99.5
〜60重量%、更に好ましくは99.0〜70重量%で
あり、(B)成分を0.5〜40重量%、さらに好まし
くは1.0〜30重量%である。(B)成分が過少
((A)成分が過多)であると接着性能を発現すること
ができず、(B)成分が過多((A)成分が過少)であ
ると混練時、成形時の耐熱性が低下する虞が生じる。ま
た、本発明におけるポリオレフィン系樹脂組成物は、そ
の荷重2.16kgでのメルトフローレートが0.001
〜1000g/10分であることが望ましい。より好まし
くは0.1〜100g/10分であり、さらに好ましくは
1.0〜50g/10分である。メルトフローレートが低
すぎても高すぎても成形性が劣る。また、メルトフロー
レートが高すぎる場合には強度が劣る。
【0018】該組成物を得るためのブレンド方法として
は、通常の混合操作、たとえばタンブラーミキサー法、
ヘンシェルミキサー法、バンバリーミキサー法、または
押出造粒法などにより行うことができる。該組成物を得
るにあたっては、中和剤、分散剤、酸化防止剤、滑材、
耐候性改良剤、帯電防止剤、顔料、フィラーなどの他の
付加的成分を本発明の効果を阻害しない範囲で配合する
ことができる。
【0019】このポリオレフィン系樹脂組成物である
と、異種材料である樹脂製基材層16やガスバリア性層
10等との接着強度が高く、ラミネート温度を低くして
も高い接着強度を発現し、また、ラミネート成形速度を
速くしても高い接着強度を維持できる。
【0020】ガスバリア性層10は、用途に応じて適宜
選択され、限定されるものではないが、ポリエステル、
ポリアミド、エチレンビニルアルコール(EVOH)、
ポリビニルアルコール、アクリロニトリル、塩化ビニリ
デン、ポリフッ化ビニリデン、アルミニウム、金属また
は金属酸化物を蒸着したフィルム等からなるものが挙げ
られ、なかでも、ポリエステル、ポリアミド、EVO
H、アルミニウム箔が望ましい。
【0021】シーラント層18としては公知の種々のも
のが使用され、食品・医療用包装材の用途等に応じて適
宜選択されるもので、種々の樹脂からなるものが好まし
い。例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィンの他、PET等のポリエステル、ポリアミ
ド等が例示できる。飲食品等用という点から、添加剤を
含有していない低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度
ポリエチレン、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン、チ
ーグラー系或いはメタロセン系線状低密度ポリエチレン
が特に適している。このようなシーラント層18を形成
することにより、包装材から生じる臭気をより削減する
ことができる。
【0022】尚、上述した食品・医療用包装材用積層体
は、樹脂製基材層16/樹脂層12/ガスバリア性層1
0/樹脂層14/シーラント層18の5層構成からなる
積層体について説明したが、本発明はこれに限られるも
のではなく、少なくとも、樹脂製基材層/樹脂層/ガス
バリア性層/の3層を有していればよく、本発明の作用
効果を損なうことのない範囲内で、上述例の他、他の層
構成でもよい。尚、樹脂製基材層、樹脂層やガスバリア
性層等の各層の層厚は、限定されるものではなく、各層
の機能を果たす範囲内で適宜設定される。
【0023】本発明の食品・医療用包装材は、各層間の
接着強度が高くなるように積層する方法であれば特にそ
の製造方法は限定されるものではないが、押出ラミネー
ションにより積層して製造する方法が好適であり、ガス
バリア性層に対して、樹脂層と樹脂製基材層とを共押出
して積層成形したり、また、樹脂層が間に挟まれるよう
にしてサンドイッチラミネーションしたりすることが好
適である。例えば、上述した5層構成の積層体は次のよ
うにして製造できる。図2に示すように、ガスバリア性
層供給工程として、アルミニウム箔やポリアミドフィル
ム等からなるガスバリア性層10を繰出機40から所定
速度で繰出し、ニップロール34と冷却ロール32の間
に供給する。同時に、樹脂表面処理工程として、上述し
た樹脂層となるポリオレフィン系樹脂組成物と樹脂製基
材層となる樹脂とを溶融膜状態として押出機30から共
押出する。その際、溶融膜にオゾン処理を施す。押出ラ
ミネート成形する際の装置としては、通常、T型ダイ方
式の装置を用いることができる。
【0024】そして、積層工程として、ニップロール3
4と冷却ロール32の間にて、ガスバリア性層10と樹
脂層12と樹脂製基材層16が圧接されてラミネートさ
れた積層体が製造される。その後、得られたガスバリア
性層10と樹脂層12と樹脂製基材層16からなる積層
体は、巻取工程として、巻取機42に巻き取られる。
尚、この方法では、樹脂表面処理工程および積層工程
が、樹脂層上に樹脂製基材層を設ける工程を兼ね備えて
いる。さらに同様にして、その積層体を繰出機40から
所定速度で繰出し、ニップロール34と冷却ロール32
の間に、積層体のガスバリア性層が冷却ロール32側に
なるように供給する。同時に、樹脂表面処理工程とし
て、上述した樹脂層となるポリオレフィン系樹脂組成物
とシーラント層となる樹脂とを溶融膜状態として押出機
30から共押出する。その際、溶融膜にオゾン処理を施
す。そして、積層工程として、ニップロール34と冷却
ロール32の間にて、積層体と樹脂層とシーラント層が
圧接されてラミネートされた積層体が製造される。こう
して、図1に示すような5層構成の包装材が製造され
る。押出成形時の樹脂温度は、一般に、280〜350
℃であるが、300℃未満にすることができる。
【0025】本発明においては、樹脂層12,14にオ
ゾン処理を施しておくことが望ましい。オゾン処理は、
Tダイから出た溶融樹脂膜に、オゾン供給器36からオ
ゾンを吹きつければよく、オゾン処理条件としては、5
〜1000g/hr、好ましくは100〜500g/h
rの範囲である。層間強度を向上させる手段としてオゾ
ン処理は従来から利用されてきたものであるが、本発明
においては、その樹脂層中における不飽和結合とオゾン
とが反応することによるオゾン処理による改質効果が大
きく、本発明の樹脂層とオゾン処理の相乗効果により、
他層との接着強度が従来ないほどに飛躍的に向上する。
このオゾン処理を施すことにより、押出成形時の樹脂温
度を200〜310℃、より好ましくは、200〜30
0℃、より好ましくは、240〜280℃、さらに好ま
しくは250〜280℃の低温でも接着強度を低下させ
ずにラミネートができる。従って、臭気の発生を削減で
きる。また、ガスバリア性層に対しても、プレヒート処
理、コロナ処理、火炎処理、UV処理等の表面処理を行
うことができるが、中でもコロナ処理を施しておくこと
が望ましく、コロナ処理を施したガスバリア性層とオゾ
ン処理を施した樹脂層との層間接着強度はきわめて高く
なる。コロナ処理としては、コロナ放電器38を用い
て、1〜300W分/m2が好ましく、10〜100W
分/m2の範囲がより好適である。
【0026】本発明によれば、高い層間強度をもつ包装
材を低温ラミネートにより、また、200〜400m/
minの高速成形で製造することができる。尚、本発明に
おいては、樹脂製基材層16、ガスバリア性層10、シ
ーラント層18と、樹脂層12,14との間に接着剤や
アンカーコート剤を必要とするものではないが、これら
接着剤やアンカーコート剤等を使用することも可能では
ある。この積層体を用いて食品・医療用包装材にするに
は、ヒートシール等の周知の接合技術を用いて食品・医
療用包装材とすればよく、食品・医療用包装材形成手段
は特に制限されるものではない。例えば、この積層体を
所定形状に切断し、ヒートシールにより接合して食品・
医療用包装材、袋材形状に形成すればよい。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれらにより限定されるものではない。後述す
る各実施例、比較例においては、下記の各樹脂成分を用
いた。 LDPE:メルトフローレート(190℃)が20g/
10分、密度が0.918g/cm3の高圧ラジカル法低密
度ポリエチレン。 PB:メルトフローレート(150℃)が3.0g/10
分の1,2−ポリブタジエン樹脂。分子内不飽和結合数
は250個/103炭素
【0028】[実施例1]上記LDPEを95重量%
と、上記PBが5.0重量%となるようにポリオレフィ
ン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系
樹脂組成物中の103炭素当りの分子内不飽和結合の数
を赤外分析法(IR)で測定した。90mm押出機と6
5mm押出機を備えた幅1100mmの共押出ラミネー
ト成形機を使用し、図2に示すように、上記得られたポ
リオレフィン系樹脂組成物と上記LDPEを共押し出し
し、ポリオレフィン系樹脂組成物からなる溶融樹脂膜状
態の樹脂層にオゾン処理を施し、これをアルミニウムを
蒸着したPETフィルム10であって、その蒸着面にコ
ロナ処理を施した面10上に表1中に示す条件でラミネ
ートして、アルミニウム蒸着PET/ポリオレフィン系
樹脂組成物層/LDPE層の層構成の包装材を製造し
た。得られた包装材についてガスバリア性層と樹脂層の
間の接着強度を測定し、また臭気を評価した。
【0029】[実施例2]上記LDPEが99.5重量
%、PBが0.5重量%になるようなポリオレフィン系
樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂
組成物を樹脂層に用いたこと以外は実施例1と同様にし
て食品・医療用包装材を製造した。 [実施例3]アルミニウム蒸着PETフィルムの代りに
塩化ビニルコート二軸延伸ポリプロピレン(KコートO
PP)を用いたこと以外は上記実施例1と同様にして食
品・医療用包装材を製造した。
【0030】[比較例1]上記調製したポリオレフィン
系樹脂組成物を用いることなくLDPEを用いて、実施
例1と同様にして食品・医療用包装材を製造した。 [比較例2]上記LDPEが99.9重量%、上記PB
が0.1重量%になるようなポリオレフィン系樹脂組成
物を調製した。このポリオレフィン系樹脂組成物を用い
て、実施例1と同様に包装材を製造した。
【0031】[比較例3]上記調製したポリオレフィン
系樹脂組成物を用いることなくLDPEを用いて、実施
例1と同様にし、但し、押出ラミネートにおける成形温
度を310℃として食品・医療用包装材を製造した。
【0032】[評価方法] 〔ガスバリア性層との接着強度〕得られた積層体につい
て、積層体の流れ方向に幅15mmの短冊状に切断し、
万能引張試験機(オリエンテック(株)製)を用いて、
ガスバリア性層と樹脂層の界面で剥離(90゜剥離、剥
離速度300mm/分)して接着強度(g/15mm)
を調べた。 〔臭気〕 パネラーによる官能テストで3段階に評価した。 A:殆ど臭気を感じない B:少し臭気を感じる C:強く臭気を感じる
【0033】
【表1】
【0034】表1から明らかなように、本実施例の食品
・医療用包装材では、高い成形速度で、かつ、低い成形
温度でありながら、高い接着強度を発揮する積層体から
なり、臭気もなく、食品・医療用包装材として相応しい
ものである。これに対して、樹脂層中に(B)成分を欠
く比較例1、または、分子内不飽和結合の数が少ない比
較例2では、接着強度が低い。また、(B)成分を欠く
比較例3においては、成形温度を高くすることにより、
接着強度を多少改善できているものの、発煙が生じ、臭
気が生じてしまった。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、低い成形温度で、ま
た、高速成形によっても、しかも接着剤やアンカーコー
ト剤を使用せずとも、層間の接着強度が高い積層体から
なる食品・医療用包装材となる。特にオゾン処理を併用
することにより、より高い層間強度を発揮する。従っ
て、成形速度を高められることから、生産性を格段に向
上させることができる上に、低温で成形できることか
ら、発煙による作業環境及び周辺への影響や、臭気の発
生を極力抑えた食品・医療用に適した包装材となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 食品・医療用包装材の層構成の一例を示す側
断面図である。
【図2】 ラミネート成形機の一例を示す概略構成図で
ある。
【符号の説明】
10 ガスバリア性層 12 樹脂層 14 樹脂層 16 樹脂製基材層 18 シーラント層 36 オゾン供給器 38 コロナ放電器
フロントページの続き Fターム(参考) 3E067 AB01 AB83 BB12A BB14A BB15A BB22A BB25A CA04 CA24 EA06 EE32 GB15 3E086 BA04 BA13 BA15 BB01 BB15 BB51 CA01 CA11 CA28 DA01 4F100 AB10C AK01A AK01B AK01D AK03B AK06 AK28B AK29B AK41C AK42 AK46A AK46C AK64B AK69C AK80B AL01B AL05B AR00C AT00A BA03 BA05 BA07 CB00E EA021 EC012 EG002 EH012 EH232 EH662 EJ131 EK01 EK06 GB23 GB66 JA20B JC00 JD01 JD02C JL02 JL11 YY00B

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製基材層と樹脂層とガスバリア性層
    とを有するガスバリア性食品・医療用包装材において、 前記樹脂層は、(A)ポリオレフィン系樹脂と、(B)
    分子内不飽和結合を有する化合物とを含むポリオレフィ
    ン系樹脂組成物からなる層を有し、該ポリオレフィン系
    樹脂組成物中における前記分子内不飽和結合の数が10
    3炭素当り0.5個以上であることを特徴とするガスバリ
    ア性食品・医療用包装材。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン系樹脂組成物は、
    (A)ポリオレフィン系樹脂を99.9〜50重量%、
    (B)分子内不飽和結合を有する化合物を0.1〜50
    重量%含み、該(B)分子内不飽和結合を有する化合物
    中における分子内不飽和結合の数が103炭素当り0.5
    〜250個であることを特徴とする請求項1記載のガス
    バリア性食品・医療用包装材。
  3. 【請求項3】 前記(B)分子内不飽和結合を有する化
    合物が、1,2−ポリブタジエン、エチレン−プロピレ
    ン−ジエン共重合体、ポリイソプレンから選択された少
    なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載のガ
    スバリア性食品・医療用包装材。
  4. 【請求項4】 前記ガスバリア性層が、ポリエステル、
    ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、
    アルミニウムから選択されるいずれかからなることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア性
    食品・医療用包装材。
  5. 【請求項5】 前記樹脂製基材層がポリアミドからなる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガス
    バリア性食品・医療用包装材。
  6. 【請求項6】 前記ガスバリア性層の片面に、樹脂層を
    介して樹脂製基材層が積層し、同ガスバリア性層の他面
    に、樹脂層を介してシーラント層が積層していることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア
    性食品・医療用包装材。
  7. 【請求項7】 ガスバリア性層を供給するガスバリア性
    層供給工程と、 ポリオレフィン系樹脂と、分子内不飽和結合を有する化
    合物とを含み、該分子内不飽和結合の数が103炭素当
    り0.5個以上であるポリオレフィン系樹脂組成物から
    なる溶融膜にオゾン処理を施す樹脂表面処理工程と、 前記供給されたガスバリア性層の少なくとも片面に、前
    記溶融膜のオゾン処理の施された面を圧接する積層工程
    と、 樹脂層上に樹脂製基材層を設ける工程とを有することを
    特徴とするガスバリア性食品・医療用包装材の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記ガスバリア性層供給工程において、
    ガスバリア性層に表面処理を施すことを特徴とする請求
    項7記載のガスバリア性食品・医療用包装材の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記積層工程において、樹脂温度を20
    0〜300℃とすることを特徴とする請求項7または8
    記載のガスバリア性食品・医療用包装材の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記積層工程において、成形速度を2
    00〜400m/min.とすることを特徴とする請求項
    7、8、9のいずれかに記載のガスバリア性食品・医療
    用包装材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016088593A (ja) * 2014-11-07 2016-05-23 昭和電工パッケージング株式会社 食品用容器の蓋材および包装体
JP2020199735A (ja) * 2019-06-12 2020-12-17 日本ポリエチレン株式会社 ポリエチレン樹脂組成物および積層体

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JP2020199735A (ja) * 2019-06-12 2020-12-17 日本ポリエチレン株式会社 ポリエチレン樹脂組成物および積層体
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