JP2000106340A - 露光装置及び走査露光方法、並びにステージ装置 - Google Patents

露光装置及び走査露光方法、並びにステージ装置

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JP2000106340A JP10290053A JP29005398A JP2000106340A JP 2000106340 A JP2000106340 A JP 2000106340A JP 10290053 A JP10290053 A JP 10290053A JP 29005398 A JP29005398 A JP 29005398A JP 2000106340 A JP2000106340 A JP 2000106340A
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    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 走査型露光装置のスループットの向上を図
る。 【解決手段】 感応基板上の複数のショット領域(S
1、S2等)に順次マスクのパターンを転写するに際
し、あるショットS1の走査露光終了後に、図8(B)
の基板の露光終了後の次ショットS2露光のための助走
動作(ショットの露光時間(t3)の前後のプリスキャ
ン,オーバースキャン)と図8(C)の次ショット露光
のための非走査方向へのステッピング動作とが同時並行
的に行われ、かつステッピング動作が次ショット露光前
のマスクと基板の同期整定期間(t2)の前に終了する
ように、基板を移動制御する。この結果、基板は図8
(A)の実線の曲線のような経路に沿って照明スリット
ST中心に対して相対走査され、コの字の経路に沿って
移動されていた従来例に比べ、ショットS1の露光から
ショットS2の露光の間の移動時間が短縮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光装置及び走査
露光方法、並びにステージ装置に係り、更に詳しくは、
例えば半導体回路素子や液晶表示素子等の回路デバイス
をリソグラフィ工程で製造する際に用いられる露光装置
及び走査露光方法、並びに露光装置に好適なステージ装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、半導体デバイスの製造現場では、
波長365nmの水銀ランプのi線を照明光とした縮小
投影露光装置、所謂ステッパを使って最小線幅が0.3
〜0.35μm程度の回路デバイス(64M(メガ)ビ
ットのD−RAM等)を量産製造している。同時に、2
56Mビット、1G(ギガ)ビットD−RAMクラスの
集積度を有し、最小線幅が0.25μm以下の次世代の
回路デバイスを量産製造するための露光装置の導入が始
まっている。
【0003】その次世代の回路デバイス製造用の露光装
置として、KrFエキシマレーザ光源からの波長248
nmの紫外パルスレーザ光、或いはArFエキシマレー
ザ光源からの波長193nmの紫外パルスレーザ光を照
明光とし、回路パターンが描画されたマスク又はレチク
ル(以下、「レチクル」と総称する)と感応基板として
のウエハを縮小投影光学系の投影視野に対して相対的に
1次元走査することで、ウエハ上の1つのショット領域
内にレチクルの回路パターン全体を転写する走査露光動
作とショット間ステッピング動作とを繰り返す、ステッ
プ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置が有力視さ
れている。
【0004】かかるステップ・アンド・スキャン方式の
走査型露光装置としては、屈折光学素子(レンズ素子)
と反射光学素子(凹面鏡等)とで構成される縮小投影光
学系を搭載したパーキンエルマー社のマイクラ・スキャ
ン露光装置が、最初に製品化され、市販されている。そ
のマイクラ・スキャン露光装置は、例えば1989年の
SPIE,Vol.1088のp424〜433に詳細
に説明されているように、円弧スリット状に制限された
実効投影領域を介してレチクルのパターンの一部をウエ
ハ上に投影しつつ、レチクルとウエハとを投影倍率(1
/4縮小)に応じた速度比で相対移動させることで、ウ
エハ上のショット領域を露光するものである。
【0005】また、ステップ・アンド・スキャン方式の
投影露光方式として、エキシマレーザ光を照明光とし、
円形の投影視野を有する縮小投影光学系の実効投影領域
を多角形(六角形)に制限し、その実効投影領域の非走
査方向の両端を部分的にオーバーラップさせる方法、所
謂スキャン&ステッチング法を組合わせたものが、例え
ば特開平2−229423号公報等に開示されている。
また、そのような走査露光方式を採用した投影露光装置
は、例えば特開平4−196513号公報、特開平4−
277612号公報、特開平4−307720号公報等
にも開示されている。
【0006】ところで、ステップ・アンド・スキャン方
式の走査型露光装置では、ウエハ上の複数のショット領
域(以下、適宜「ショット」という)にレチクルのパタ
ーンを順次転写するに際し、スループット向上のため、
通常レチクルを交互スキャン(往復スキャン)させるこ
とで、順次次のショットに対する露光を行なう。このた
め、1つのショットに対するレチクルパターンの転写が
終了した後、露光開始前のプリスキャン時(目標速度
(露光時の走査速度)までの加速時間+加速終了後に速
度が所定の誤差範囲で目標速度に収束するまでの整定時
間)の移動距離と同じ距離だけ、露光終了時点から更に
レチクルを移動して、レチクルを次ショット露光のため
の走査開始位置まで戻す動作(オーバースキャン)が必
要であり、これに対応して、ウエハを次ショット(前記
1つのショットの非走査方向に隣接する別のショット)
へステッピングさせる動作に加えて走査方向に移動させ
る動作も必要となる。
【0007】かかるウエハのショット間の移動動作は、
従来は、次の〜の手順で行われていた。露光終了
後にウエハステージ(基板ステージ)を次ショットの走
査開始位置と同一の走査方向の座標位置に一旦移動後、
次ショットの走査開始位置まで非走査方向にステッピ
ングし、次ショットの露光のための走査を開始する。
従って、ウエハは、コの字の経路に沿って移動されてい
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、露光装置に
とってスループット(処理能力)の向上は最も重要な課
題の一つであり、これを達成する必要から走査露光時の
レチクルの加減速度が例えば0.5G→4G、最高速度
も350mm/s→1500mm/sのように大きくな
っており、これに伴ってウエハステージの走査露光時の
加減速度、最高速度も投影倍率1/nに比例した大きさ
となる。このため、露光の前後に必要となる、プリスキ
ャン時及びオーバースキャン時の移動距離もこれに応じ
て延ばす必要がある。
【0009】このため、本来スループットを向上させよ
うとの観点から加減速度、最高速度を増加したにもかか
わらず結果的に却ってスループットを悪化させるおそれ
があるという不都合があった。
【0010】また、ショット間ステッピング時間(移動
の際の位置決め整定時間を含む)の短縮によるスループ
ット向上は、ステッパ等の静止露光型の露光装置にも要
請される。
【0011】本発明は、かかる事情を鑑みてなされたも
ので、その目的は、スループットの向上を図ることがで
きる露光装置を提供することにある。
【0012】また、本発明のさらに別の目的は、スルー
プットの向上を図ることができる走査露光方法を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、マスク(R)と感応基板(W)とを同期移動させる
ことにより、前記感応基板(W)上の複数のショット領
域(S1、S2等)に前記マスクのパターンを順次転写
する露光装置であって、前記感応基板(W)を保持して
2次元平面内を移動する基板ステージ(WST)と;前
記マスクを保持して移動可能なマスクステージ(RS
T)と;前記基板ステージの露光終了後の次ショット露
光のための助走動作と次ショット露光のための非走査方
向へのステッピング動作とが同時並行的に行われ、かつ
前記非走査方向へのステッピング動作が次ショット露光
前の前記両ステージの同期整定期間の前に終了するよう
に、前記両ステージを制御するステージ制御系(33、
78、80)とを備えている。
【0014】これによれば、感応基板上の複数のショッ
ト領域に順次マスクのパターンを転写するに際し、ステ
ージ制御系ではあるショットの走査露光終了後に、基板
ステージの露光終了後の次ショット露光のための助走動
作(ショットを走査露光する露光時間の前後のプリスキ
ャン,オーバースキャン)と次ショット露光のための非
走査方向へのステッピング動作とが同時並行的に行わ
れ、かつ非走査方向へのステッピング動作が次ショット
露光前の両ステージの同期整定期間の前に終了するよう
に、両ステージを制御する。このため、基板ステージの
走査方向についての助走動作と非走査方向についての次
ショット(非走査方向の隣接ショット)に対するステッ
ピング動作とが同時並行的に行われ、前記〜の動作
から成る従来の基板ステージのショット間の移動制御に
比べて移動時間が短くなる。勿論、従来においても走査
方向移動ステージと非走査方向移動ステージとから成る
2段構造の基板ステージであれば、上記のとの動作
は同時並行的に行うことは可能であるが、この場合、ス
テッピングが終了した時点では、未だ次ショットの走査
は開始されていないので、ステッピング動作が次ショッ
ト露光前の両ステージの同期整定期間の前に終了する、
換言すればステッピングが終了した時点では、既にの
動作が開始されて加速期間が終了している分、本発明の
方がスループットが向上することは明らかである。ま
た、本発明によれば、ステッピングが次ショット露光前
のマスクステージと基板ステージの同期整定期間の前に
終了するので、同期整定期間では両ステージの等速同期
制御のみに専念できるので、整定時間が長くなることも
ない。
【0015】上記請求項1に記載の発明において、請求
項2に記載の発明の如く、前記ステージ制御系(33、
78、80)は、前ショット露光後の前記マスクステー
ジ(RST)の等速移動時間と減速時間とから成るオー
バースキャン時に対応する前記基板ステージ(WST)
の非走査方向の加速度が、次ショットの露光開始前の前
記マスクステージ(マスクステージ)のプリスキャン時
に対応する部分の非走査方向の減速度より絶対値が大き
くなるように前記両ステージを制御することがより望ま
しい。かかる場合には、ステッピングの際の高加速時に
生じる露光装置本体の揺れ(振動)等が減速の間に減衰
するので、ステッピングが終了した時点、すなわちマス
クステージと基板ステージとの同期整定期間前には前記
振動を完全に減衰させることができ、その分制御性が改
善され、整定時間が短縮してスループットを向上させる
ことが可能になる。
【0016】請求項3に記載の発明は、基板(W)上の
複数の区画領域(S1、S2)にマスク(R)のパター
ンを順次転写する走査露光方法において、前記マスクと
前記基板とを同期移動して、前記複数の区画領域の1つ
(S1)を走査露光し、前記基板が同期移動される第1
方向と直交する第2方向に関して前記1つの区画領域と
隣接する別の区画領域(S2)を走査露光するために、
前記1つの区画領域(S1)の走査露光終了後の前記基
板の前記第2方向へのステッピング動作が終了する前に
前記基板の前記第1方向への加速を開始することを特徴
とする。
【0017】これによれば、マスクと基板とを同期移動
して、複数の区画領域の1つが走査露光された後、第1
方向(走査方向)と直交する第2方向(非走査方向)に
関して1つの区画領域と隣接する別の区画領域を走査露
光するために、1つの区画領域の走査露光終了後の基板
の第2方向へのステッピング動作が行われるが、このス
テッピング動作が終了する前に基板の第1方向への加速
が開始される。すなわち、1つの区画領域の露光の終了
後に前記1つの区画領域に非走査方向に関して隣接する
別の区画領域の露光のための非走査方向移動(ステッピ
ング)動作が開始されるが、この動作の途中で走査方向
についての基板の加速が開始されるので、非走査方向の
ステッピング時間に隣接領域(別の区画領域)の露光の
ための走査方向加速時間を少なくとも一部オーバーラッ
プさせることができ、隣接する別の区画領域の露光のた
めの非走査方向へのステッピング動作が終了してから隣
接領域の露光のための走査方向の加速が開始される従来
例に比べてスループットを向上させることが可能であ
る。
【0018】この場合において、請求項4に記載の発明
の如く、前記基板(W)は、前記別の区画領域(S2)
の走査露光前に、前記加速によって前記第1及び第2方
向に対して斜めに移動され、かつ前記第1方向の移動速
度が前記基板の感度特性に応じた速度に設定されること
が望ましい。かかる場合には、別の区画領域(S2)の
走査露光前に第1方向の移動速度が基板の感度特性に応
じた速度に設定されるので、露光中はその速度を維持し
マスクを同期制御すれば良いので、制御が容易になる。
【0019】上記請求項3又は4に記載の走査露光方法
において、請求項5に記載の発明の如く、前記1つの区
画領域(S1)の走査露光終了後に、前記別の区画領域
を走査露光するために必要な助走距離だけ前記基板が前
記第1方向に離れるまで、前記基板を第1方向について
は減速させつつ前記第2方向に移動させても良い。
【0020】また、上記請求項3〜5に記載の各発明に
おいて、請求項6に記載の発明の如く、前記基板(W)
は、前記1つの区画領域(S1)の走査露光と前記別の
区画領域(S2)の走査露光との間で、前記第1方向の
速度成分と前記第2方向の速度成分との少なくとも一方
が零とならないように移動されることが望ましい。かか
る場合には、1つの区画領域(S1)の走査露光と前記
別の区画領域(S2)の走査露光との間で、基板は停止
することなく移動が行われるので、その分スループット
が向上するからである。
【0021】また、請求項3〜6に記載の各発明におい
て、請求項7に記載の発明の如く、前記基板(W)は、
前記1つの区画領域(S1)の走査露光と前記別の区画
領域(S2)の走査露光との間で、前記第1方向の移動
速度が零となる前記第2方向の位置が前記1つの区画領
域よりも前記別の区画領域に近くなるように移動される
ようにしても良い。かかる場合には、1つの区画領域の
走査露光と別の区画領域の走査露光との間の基板の非走
査方向の加速度と減速度とが等しい場合であっても、必
ず別の区画領域の走査露光の開始前のある一定時間前に
は非走査方向の速度がゼロとなっているので、別の区画
領域の走査露光開始前一定時間の時点では非走査方向の
移動が終了する。従って、1つの区画領域の走査露光と
別の区画領域の走査露光との間の基板の非走査方向の加
速後の減速度を大きくする必要がなく、別の区画領域の
走査露光開始時点でこの影響が残ることがなく同期整定
時間が不要に長くなることがない。
【0022】請求項8に記載の発明は、マスク(R)と
基板(W)とを同期移動して、前記基板が同期移動され
る第1方向とほぼ直交する第2方向に沿って配列される
前記基板上の第1区画領域(S1)と第2区画領域(S
2)とをそれぞれ前記マスクのパターンで走査露光する
方法において、前記第1区画領域の走査露光終了後に、
前記基板の第1方向の移動速度が零となるまで、前記基
板を減速させつつ前記第2方向に移動し、かつ前記第2
区画領域の走査露光前に、前記基板を前記第1方向に加
速させつつ前記第2方向に移動することを特徴とする。
これによれば、前記第1区画領域の走査露光終了後に、
基板は方物線状の経路に沿って移動されるので、最短距
離に近い経路で基板が移動され、その分スループットの
向上が可能となる。
【0023】この場合において、請求項9に記載の発明
の如く、前記第1方向の移動速度が零となる前記基板
(W)の前記第2方向の位置を、前記第2方向における
前記第2区画領域(S2)の両端の間に設定しても良
い。かかる場合には、第1区画領域の走査露光と第2区
画領域の走査露光との間の基板の非走査方向の加速度と
減速度とが等しい場合であっても、必ず第2区画領域の
走査露光の開始前のある一定時間前には非走査方向の速
度がゼロとなっているので、第2区画領域の走査露光開
始前一定時間の時点では非走査方向の移動が終了する。
従って、第1区画領域の走査露光と第2区画領域の走査
露光との間の基板の非走査方向の加速後の減速度を大き
くする必要がなく、第2区画領域の走査露光開始時点で
この影響が残ることがなく同期整定時間が不要に長くな
ることがない。
【0024】請求項10に記載の発明は、マスク(R)
と基板(W)とを同期移動して、前記基板(W)が同期
移動される第1方向とほぼ直交する第2方向に配列され
る前記基板上の第1区画領域(S1)と第2区画領域
(S2)とにそれぞれ前記マスクのパターンを転写する
走査露光方法において、前記第1区画領域(S1)の走
査露光後に、前記基板をその移動軌跡がほぼ放物線状に
なるように移動した後、前記マスクのパターンで前記第
2区画領域(S2)を走査露光することを特徴とする。
これによれば、第1区画領域の走査露光後、第2区画領
域の走査露光の開始前に、基板をその移動軌跡がほぼ放
物線状になるように移動するので、この移動の終了部分
では基板はほぼ第1方向に沿って移動され、走査露光開
始後に基板の非走査方向の速度成分が走査露光に影響を
与えることがない。
【0025】この場合、請求項11に記載の発明の如
く、前記放物線の頂点における前記基板の前記第2方向
の位置を、前記第1区画領域よりも前記第2区画領域側
に設定することが望ましい。
【0026】請求項12に記載の発明は、マスク(R)
と基板(W)とを同期移動して、前記基板が同期移動さ
れる第1方向とほぼ直交する第2方向に配列される前記
基板上の第1区画領域(S1)と第2区画領域(S2)
とにそれぞれ前記マスクのパターンを転写する走査露光
方法において、前記第1区画領域(S1)の走査露光終
了後の前記基板の減速中、及び前記第2区画領域の走査
露光前の前記基板の加速中に、前記基板を前記第1及び
第2方向と交差する方向に移動することを特徴とする。
これによれば、第1区画領域の走査露光終了後の基板の
減速中、及び第2区画領域の走査露光前の基板の加速中
に、基板を第1及び第2方向と交差する方向に移動する
ので、結果的に基板の移動軌跡は従来のコ字経路に比べ
て短くなり、最短距離に近い経路で基板が移動され、そ
の分スループットの向上が可能となる。
【0027】なお、この場合、基板の移動軌跡はV字状
であっても良いが、第1区画領域の走査露光と第2区画
領域の走査露光との間で基板を停止することなく移動し
て、その軌跡を放物線状(又はU字状)とすることが望
ましい。この場合、基板の移動軌跡は最短とはならない
が、基板が停止することがないので、オーバースキャ
ン、ステッピング、及びプリスキャンの総所要時間(シ
ョット間での基板の移動時間)は最も短くなる。
【0028】請求項13に記載の発明は、マスク(R)
と基板(W)とを同期移動して、前記基板(W)が同期
移動される第1方向と直交する第2方向に沿って配列さ
れる前記基板上の第1区画領域(S1)と第2区画領域
(S2)とに前記マスクのパターンを順次転写する走査
露光方法において、前記第1区画領域(S1)の走査露
光終了後、前記基板の前記第2方向の位置が前記第2区
画領域(S2)の前記第2方向の位置と一致する前に、
前記第2区画領域の走査露光のための前記基板の加速を
開始することを特徴とする。これによれば、第1区画領
域の走査露光の終了後、第2区画領域の走査露光のため
第2方向についての基板の移動が開始されるが、この途
中で第2区画領域の走査露光のための基板の第1方向に
ついての基板の加速が開始されるので、第2区画領域の
走査露光のための第2方向の基板の移動が終了してから
第2区画領域の走査露光のための加速が開始される場合
に比べてスループットを向上させることが可能である。
【0029】この場合において、請求項14に記載の発
明の如く、前記第1区画領域(S1)の走査露光終了
後、前記基板(W)の前記第1方向の速度成分が零とな
る前に前記基板を前記第1方向に対して斜めに移動し、
かつ前記基板の加速開始直後は、前記第1及び第2方向
の各速度成分が零とならないように前記基板を移動する
ことが望ましい。
【0030】請求項15に記載の発明は、マスク(R)
と基板(W)とを同期移動して、前記基板が同期移動さ
れる第1方向と直交する第2方向に沿って配列される前
記基板上の第1区画領域(S1)と第2区画領域(S
2)とに前記マスクのパターンを順次転写する走査露光
方法において、前記第1区画領域(S1)の走査露光終
了後の前記基板(W)の前記第2方向の速度成分が零と
なる前に、前記第2区画領域の走査露光のための前記基
板の加速を開始することを特徴とする。これによれば、
第1区画領域の走査露光の終了後、第2区画領域へ向け
て第2方向についての基板の移動が行われるが、この移
動が終了して基板の第2方向の速度成分が零となる前
に、第2区画領域の走査露光のための基板の加速が開始
されるので、第2区画領域の走査露光のための第2方向
の基板の移動が終了してから第2区画領域の走査露光の
ための加速が開始される場合に比べてスループットを向
上させることが可能である。
【0031】この場合において、請求項16に記載の発
明の如く、前記基板(W)は、前記第1方向に関して加
速され、かつ前記第2方向に関して減速されること、す
なわち、基板の第2方向への減速中に第1方向への加速
が第2区画領域の走査露光前に行われることが望まし
い。
【0032】上記請求項15及び16に記載の各発明に
おいて、請求項17に記載の発明の如く、前記第1区画
領域の走査露光終了後の前記基板の前記第1方向の速度
成分が零となる前に、前記基板の前記第2方向への加速
を開始することが望ましい。
【0033】請求項18に記載の発明は、マスク(R)
と基板(W)とを同期移動して、前記基板が同期移動さ
れる第1方向と直交する第2方向に沿って配列される前
記基板上の第1区画領域(S1)と第2区画領域(S
2)とに前記マスクのパターンを順次転写する走査露光
方法において、前記第1区画領域(S1)の走査露光終
了後に前記基板の前記第1方向の速度成分が零となる前
記基板の前記第2方向の位置を、前記第2区画領域の前
記第2方向の位置よりも前記第1区画領域側とし、かつ
前記第2区画領域を走査露光するために、前記第1及び
第2方向に対して斜めに前記基板を移動することを特徴
とする。これによれば、前記第1区画領域の走査露光終
了後の基板の移動軌跡は従来のコ字経路に比べて短くな
り、最短距離に近い経路で基板が移動され、その分スル
ープットの向上が可能となる。なお、この場合、基板の
移動軌跡はV字状であっても良いが、第1区画領域の走
査露光と第2区画領域の走査露光との間で基板を停止す
ることなく移動して、その軌跡を放物線状(又はU字
状)とすることが望ましい。
【0034】請求項19に記載の発明は、マスク(R)
と基板(W)とを同期移動して、前記基板が同期移動さ
れる第1方向と直交する第2方向に沿って配列される前
記基板上の第1区画領域(S1)と第2区画領域(S
2)とに前記マスクのパターンを順次転写する走査露光
方法において、前記第1区画領域(S1)の第1走査露
光と前記第2区画領域(S2)の第2走査露光とで前記
基板を逆向きに移動するために、前記第1走査露光終了
後に前記基板の前記第1方向の速度成分を零とし、かつ
前記第2走査露光に先立って前記第1及び第2方向の各
速度成分が零とならないように前記基板を加速すること
を特徴とする。これによれば、基板は第2走査露光に先
立って曲線状(又は直線状)の経路に沿って第1及び第
2方向に対し斜めに移動されることとなる。
【0035】請求項20に記載の発明は、マスク(R)
と基板(W)とを同期移動して、前記基板が同期移動さ
れる第1方向と直交する第2方向に沿って配列される前
記基板上の第1区画領域(S1)と第2区画領域(S
2)とに前記マスクのパターンを順次転写する走査露光
方法において、前記第1区画領域(S1)の第1走査露
光と前記第2区画領域(S2)の第2走査露光との間、
前記第1走査露光終了後の前記第1方向の速度成分が零
となる前記基板の前記第2方向の位置が、前記第1区画
領域の前記第2方向の位置と前記第2区画領域の前記第
2方向の位置との間になるように前記基板を移動するこ
とを特徴とする。これによれば、第1走査露光が終了す
ると、基板の第1方向の速度を減速しつつ第2方向への
移動が行われ、この際、基板の第1方向の速度成分が零
となる基板の第2方向の位置が、第1区画領域の第2方
向の位置と第2区画領域の第2方向の位置との間になる
ように基板が移動される。従って、第1走査露光が終了
すると、基板は曲線状(又は直線状)の経路に沿って第
1及び第2方向に対し斜めに移動されることとなる。
【0036】請求項21に記載の発明は、マスク(R)
と基板(W)とを同期移動して、前記基板が同期移動さ
れる第1方向と直交する第2方向に沿って配列される前
記基板上の第1区画領域(S1)と第2区画領域(S
2)とに前記マスクのパターンを順次転写する走査露光
方法において、前記第1区画領域(S1)の第1走査露
光と前記第2区画領域(S2)の第2走査露光との間の
前記基板の移動軌跡がほぼ放物線状となるように、前記
第1走査露光後の前記基板の減速中、及び前記第2走査
露光前の前記基板の加速中、前記第2方向の速度成分を
零とすることなく前記基板を移動することを特徴とす
る。これによれば、第1区画領域の第1走査露光と前記
第2区画領域の第2走査露光との間の基板の移動軌跡が
ほぼ放物線状となり、しかも第2方向の速度成分を零と
することなく基板が移動されるので、基板が停止するこ
とがなく、オーバースキャン、ステッピング、及びプリ
スキャンの総所要時間(ショット間での基板の移動時
間)はほぼ最短となる。
【0037】この場合において、請求項22に記載の発
明の如く、前記第1走査露光の終了直後、及び前記第2
走査露光の開始直前は、前記基板(W)の前記第2方向
の速度成分をほぼ零としても良い。
【0038】請求項23に記載の発明は、マスク(R)
と基板(W)とを同期移動して、前記基板が同期移動さ
れる第1方向と直交する第2方向に沿って配列される前
記基板上の第1区画領域(S1)と第2区画領域(S
2)とに前記マスクのパターンを順次転写する走査露光
方法において、前記第1区画領域(S1)の第1走査露
光と前記第2区画領域(S2)の第2走査露光との間、
前記第1走査露光終了後の前記基板の前記第1方向の速
度成分が零となる前に、前記基板の前記第2方向への加
速を開始し、かつ前記基板の前記第2方向の速度成分が
零となる前に、前記基板の前記第1方向への加速を開始
することを特徴とする。これによれば、第1区画領域の
第1走査露光と第2区画領域の第2走査露光との間の基
板の移動軌跡は、U字状あるいはそれに近い経路とな
る。
【0039】この場合において、請求項24に記載の発
明の如く、前記基板の前記第1方向への加速は、前記第
2方向に関する前記基板の減速中に開始されることが望
ましい。
【0040】また、上記請求項23及び24に記載の各
発明において、請求項25に記載の発明の如く、前記基
板(W)の前記第2方向への加速は、前記第1走査露光
終了後の前記基板の減速中に開始されることが望まし
い。
【0041】上記請求項8〜25のいずれか一項に記載
の走査露光方法において、区画領域間の基板の第2方向
における移動時に、加速時と減速時とで加速度の大きさ
を同一にしても良いが、請求項26に記載の発明の如
く、前記第1区画領域(S1)の走査露光と前記第2区
画領域(S2)の走査露光との間で前記基板(W)を前
記第2方向に移動するとき、前記基板の加速時と減速時
とでその加速度の絶対値を異ならせても良い。
【0042】請求項27に記載の発明は、マスク(R)
と基板(W)とを同期移動して、前記基板が同期移動さ
れる第1方向とほぼ直交する第2方向に配列される前記
基板上の第1及び第2区画領域(S1及びS2)にそれ
ぞれ前記マスクのパターンを転写する走査露光方法にお
いて、前記第1区画領域の第1走査露光と前記第2区画
領域の第2走査露光との間で前記基板を前記第2方向に
移動するときに、前記基板の加速時と減速時とでその加
速度の絶対値を異ならせることを特徴とする。
【0043】かかる場合には、第1区画領域の第1走査
露光と前記第2区画領域の第2走査露光との間における
基板の第2方向の移動時の加速時の加速度の絶対値と減
速時の加速度の絶対値とを適宜設定することにより、加
速時及び減速時の加速度の絶対値を同一とした場合に比
べて、基板の第2方向移動に要する時間は長くなること
があっても、その移動終了後の基板の位置決め整定時間
を短くして位置決め整定時間を含む基板の第2方向移動
に要する総時間を短くする等の基板の移動制御が可能に
なる。
【0044】この場合において、請求項28に記載の発
明の如く、前記第1走査露光後で前記基板(W)の第1
方向の減速中に前記基板の前記第2方向の加速を開始
し、前記第2走査露光前で前記基板の第1方向の加速中
に前記基板の前記第2方向の減速を開始しても良い。か
かる場合、第1走査露光終了後のいわゆるオーバースキ
ャン時間と区画領域間の基板の移動時間、及び第2走査
露光前のいわゆるプリスキャン時間と区画領域間の基板
の移動時間とを、それぞれ少なくとも一部オーバーラッ
プさせることができるので、その分スループットの向上
が可能である。
【0045】上記請求項27及び28に記載の各発明に
おいて、請求項29に記載の発明の如く、前記基板は、
前記第1走査露光と前記第2走査露光との間で停止する
ことなく移動されることが望ましい。
【0046】この場合において、請求項30に記載の発
明の如く、前記基板(W)は、前記第1方向の速度成分
が零となる前後で前記第2方向の加減速がそれぞれ開始
されても良い。
【0047】上記請求項26〜30に記載の各発明にお
いて、請求項31に記載の発明の如く、前記基板(W)
の減速時よりも加速時で前記第2方向の加速度の絶対値
を大きくすることが望ましい。かかる場合には、第1走
査露光終了後におけるいわゆるオーバースキャンに対応
する基板の第2方向の加速度が、第2走査露光開始前の
いわゆるプリスキャンに対応する基板の非走査方向の負
の加速度より絶対値が大きくなるようにすることができ
るので、第2方向の移動における基板の高加速に起因す
る基板の振動を第2走査露光の開始前には完全に減衰さ
せることができる。
【0048】上記請求項8〜26に記載の各発明に係る
走査露光方法において、請求項32に記載の発明の如
く、前記基板(W)は、前記第1区画領域(S1)の走
査露光と前記第2区画領域(S2)の走査露光との間で
停止することなく移動されることが望ましい。
【0049】また、請求項8〜32に記載の各発明に係
る走査露光方法において、請求項33に記載の発明の如
く、前記第2区画領域(S2)の走査露光に先立つ前記
マスク(R)と前記基板(W)との同期整定前に、前記
基板の前記第2方向の速度成分をほぼ零にすることが望
ましい。かかる場合には、第2区画領域の走査露光に先
立つマスクと基板との同期整定前には、基板の前記第2
方向の速度成分がほぼ零となっているので、同期整定後
走査露光が開始された時点では、区画領域間の基板の第
2方向移動が走査露光に影響を与えることがなく、高精
度な露光が可能である。
【0050】上記請求項10〜33に記載の各発明に係
る走査露光方法において、請求項34に記載の発明の如
く、前記マスク(R)は、前記基板(W)が前記第1方
向に沿って逆向きに移動される前記第1区画領域(S
1)の走査露光と前記第2区画領域(S2)の走査露光
とで、往復移動されることが望ましい。かかる場合に
は、第1区画領域の走査露光と第2区画領域の走査露光
との間で、いわゆるマスクの巻き戻しのための時間が不
要となり、その分スループットの向上を図ることができ
る。
【0051】上記請求項10〜34に記載の各発明に係
る走査露光方法において、請求項35に記載の発明の如
く、前記基板(W)は、前記マスク(R)のパターンを
転写すべき前記基板上の全ての区画領域(S1、S2、
S3、……)の走査露光が終了するまで、前記第1及び
第2方向の両方でその速度成分が同時に零とならないよ
うに移動されることが望ましい。かかる場合には、基板
は、第1区画領域の走査露光のための移動開始から、基
板上の全ての区画領域の走査露光の終了まで、停止する
ことなく移動されるので、スループットを最大限向上さ
せることができる。
【0052】請求項36に記載の発明は、基板(W)上
の区画領域毎にマスク(R)と前記基板とを同期移動し
て、前記基板上の複数の区画領域(S1、S2、S3、
……)に前記マスクのパターンを順次転写するステップ
・アンド・スキャン方式の走査露光方法において、前記
マスクの往復移動によって前記マスクのパターンが転写
される前記基板上の2つの区画領域の走査露光間で前記
基板を停止することなく移動することを特徴とする。こ
れによれば、基板上の順次マスクのパターンが転写され
る2つの区画領域(通常は隣接領域)の走査露光間で基
板が停止することがないので、その部分に関してはより
スループットが向上する。
【0053】この場合において、請求項37に記載の発
明の如く、前記基板(W)は、前記マスク(R)のパタ
ーンを転写すべき前記基板上の最後の区画領域の走査露
光が終了するまで、前記基板が同期移動される第1方
向、及びそれと直交する第2方向の少なくとも一方の速
度成分が零とならないように移動されることが望まし
い。かかる場合には、結果的に複数区画領域の全てにス
テップ・アンド・スキャン方式の走査露光が行われる間
基板が停止することがないので、最もスループットが向
上する。
【0054】上記請求項3〜37に記載の各発明に係る
走査露光方法において、請求項38に記載の発明の如
く、前記マスク(R)は、前記走査露光時に前記基板
(W)の前記第2方向の速度成分が零となる前に加速が
開始されることが望ましい。かかる場合には、マスク
は、基板の第2方向の速度成分が零となる前に加速が開
始されるので、基板の第2方向の速度成分が零となって
からマスクの加速が開始される場合に比べて、マスクと
基板とが等速同期状態になるまでの時間が短縮され、そ
の分スループットの向上が可能だからである。
【0055】また、上記請求項3〜38に記載の各発明
に係る走査露光方法において、請求項39に記載の発明
の如く、前記走査露光前の前記基板(W)の加速時と、
前記走査露光後の前記基板の減速時との少なくとも一方
で、前記基板をその加速度が徐々に零に収束するような
加速度変化曲線に従って前記第1方向に移動するように
しても良い。かかる場合には、走査露光前の基板の加速
時と、走査露光後の基板の減速時との少なくとも一方
で、基板をその加速度が徐々に零に収束するような加速
度変化曲線に従って第1方向に移動することから、一定
加速度で目標走査速度へ加速、一定減速度で零に減速す
る場合のように加速終了時点、又は減速終了時点で加速
度が不連続に、すなわち急激に変化することがない。従
って、この加速度の急激な変化に起因する基板の高周波
振動を抑制することができ、目標位置(これは当然に時
間的に変化する)に対する位置誤差を速やかに許容範囲
内に収束させることができ、結果的に基板の位置制御性
を向上させることができる。
【0056】上記請求項3〜39に記載の各発明に係る
走査露光方法において、請求項40に記載の発明の如
く、前記走査露光前の前記マスク(R)の加速時と、前
記走査露光後の前記マスクの減速時との少なくとも一方
で、前記マスクをその加速度が徐々に零に収束するよう
な加速度変化曲線に従って移動しても良い。かかる場合
には、走査露光前のマスクの加速時と、走査露光後のマ
スクの減速時との少なくとも一方で、マスクをその加速
度が徐々に零に収束するような加速度変化曲線に従って
移動することから、一定加速度で目標走査速度へ加速、
一定減速度で零に減速する場合のように加速終了時点、
又は減速終了時点で加速度が不連続に、すなわち急激に
変化することがない。従って、この加速度の急激な変化
に起因するマスクの高周波振動を抑制することができ、
目標位置(これは当然時間的に変化する)に対する位置
誤差を速やかに許容範囲内に収束させることができ、結
果的にマスクの位置制御性を向上させることができる。
【0057】上記請求項39及び40に記載の各発明に
おいて、請求項41に記載の発明の如く、前記基板
(W)又は前記マスク(R)は、その加速時に前記加速
度変化曲線に従って移動されても良い。これによれば、
マスク又は基板が、同期移動に先立って、その加速度が
徐々に零に収束するような加速度変化曲線に基づいて同
期移動方向に沿って加速されることから、一定加速度で
目標走査速度へ加速する場合のように加速終了時点で加
速度が不連続に、すなわち急激に変化することがない。
従って、この加速度の急激な変化に起因するマスク及び
基板の少なくとも一方の高周波振動を抑制することがで
き、目標位置(これは当然に時間的に変化する)に対す
る位置誤差を速やかに許容範囲内に収束させることがで
き、結果的にマスクと基板の同期整定時間を短縮するこ
とができる。
【0058】この場合において、請求項42に記載の発
明の如く、前記基板(W)又は前記マスク(R)は、そ
の減速時に一定の加速度で減速されても良い。かかる場
合には、減速度の絶対値を最高加速度に対応する一定の
加速度(負の加速度)にすることにより、減速時間の大
幅な短縮が可能になり、基板又はマスクの加速開始から
減速終了までの総トータル時間を一層短縮することがで
きる。この場合、減速終了時には、マスクと基板の同期
整定は不要なので、一定の加速度による減速を行っても
何ら不都合は生じない。ここで、基板及びマスクの両者
を、請求項41の方法で加速し、請求項42の方法で減
速するようにしても良く、かかる場合には、最もスルー
プットの向上が可能である。
【0059】請求項43に記載の発明は、マスクと基板
とを同期移動して、前記基板上の1又は2以上の区画領
域に前記マスクのパターンを転写する走査露光方法にお
いて、前記各区画領域に対する走査露光に際して、前記
マスクと前記基板との同期移動に先立って、前記マスク
及び前記基板の少なくとも一方を、その加速度が徐々に
零に収束するような加速度変化曲線に基づいて前記同期
移動方向に沿って加速することを特徴とする。
【0060】これによれば、各区画領域に対する走査露
光に際して、マスクと基板との同期移動に先立って、マ
スク及び基板の少なくとも一方が、その加速度が徐々に
零に収束するような加速度変化曲線に基づいて同期移動
方向に沿って加速されることから、一定加速度で目標走
査速度へ加速する場合のように加速終了時点で加速度が
不連続に、すなわち急激に変化することがない。従っ
て、この加速度の急激な変化に起因するマスク及び基板
の少なくとも一方の高周波振動を抑制することができ、
目標位置(これは当然に時間的に変化する)に対する位
置誤差を速やかに許容範囲内に収束させることができ、
結果的にマスクと基板の同期整定時間を短縮することが
できる。
【0061】ここで、マスク及び基板を上記のような加
速度変化曲線に基づいて同期移動方向に沿って加速する
場合が、整定時間を最も短縮することができるが、通
常、走査型露光装置においては、マスク(マスクステー
ジ)及び基板(基板ステージ)の所定の一方の最高加速
度等が制約条件になっているので、この制約条件となっ
ている方に上記の加速方法を採用すれば、十分な効果を
得ることができる。
【0062】この場合において、請求項44に記載の発
明の如く、前記基板が同期移動される第1方向に直交す
る第2方向に沿って配列される前記基板上の第1区画領
域と第2区画領域とに前記マスクのパターンを順次転写
するに際しては、前記第1区画領域の走査露光終了後の
前記基板の第1方向の減速中及び前記第2区画領域の走
査露光前の前記基板の第1方向の加速中に、前記基板を
前記第1及び第2方向と交差する方向に移動するように
しても良い。かかる場合には、前記請求項12の発明と
同様に、結果的に最短距離に近い経路で基板が移動され
るので、上記の整定時間の短縮とあいまってスループッ
トの更なる向上が可能である。
【0063】請求項45に記載の発明は、マスクと基板
とを同期移動して、前記基板が同期移動される第1方向
に直交する第2方向に沿って配列される前記基板上の第
1区画領域と第2区画領域とに前記マスクのパターンを
順次転写する走査露光方法において、少なくとも前記第
1区画領域に対する走査露光に際して、前記マスク及び
前記基板の少なくとも一方を、前記マスクと前記基板と
の同期移動に先立ってその加速度が徐々に零に収束する
ような加速度変化曲線に基づいて前記第1方向に沿って
加速するとともに、前記同期移動の終了後に一定減速度
で前記第1方向に沿って減速することを特徴とする。
【0064】これによれば、第1区画領域に対する走査
露光に際して、マスク及び基板の少なくとも一方を、マ
スクと基板との同期移動に先立ってその加速度が徐々に
零に収束するような加速度変化曲線に基づいて第1方向
に沿って加速するとともに、前記同期移動の終了後に一
定減速度で前記第1方向に沿って減速する。このため、
一定加速度で目標走査速度へ加速する場合のように加速
度が急激に変化することがないので、マスク及び基板の
少なくとも一方の位置誤差を速やかに許容範囲内に収束
させ、結果的にマスクと基板の同期整定時間を短縮する
ことができることに加え、同期移動の終了後の減速時に
は一定減速度(通常最大加速度に対応する減速度)で減
速するので、加速時と対称な加速度曲線に基づいて減速
が行われる場合に比べて減速に要する時間を短縮するこ
とができる。従って、少なくとも第1区画領域に対する
走査露光に際しては、マスク及び基板の少なくとも一方
については加速開始から減速終了までの総トータル時間
をより短縮することができる。
【0065】この場合も、マスク(マスクステージ)及
び基板(基板ステージ)の内、両者あるいは少なくとも
制約条件になっている方に上記の加速度制御方法を採用
すれば、十分な効果を得ることができる。
【0066】上記請求項45に記載の発明において、請
求項46に記載の発明の如く、前記第1区画領域の走査
露光終了後の前記基板の第1方向の減速中及び前記第2
区画領域の走査露光前の前記基板の第1方向の加速中
に、前記基板を前記第1及び第2方向と交差する方向に
移動するようにしても良い。かかる場合には、前記請求
項12の発明と同様に、結果的に最短距離に近い経路で
基板が移動されるので、上記の同期整定時間及び減速時
間の短縮とあいまってスループットのより一層の向上が
可能である。
【0067】上記請求項3〜46に記載の走査露光方法
において、請求項47に記載の発明の如く、前記基板
(W)が同期移動される第1方向、及びこれに直交する
第2方向のうち、少なくとも第2方向については、前記
第2方向と異なる方向の第1測長ビーム(RIX1)を
用いて前記基板の位置制御を行うことが望ましい。かか
る場合には、少なくとも第2方向(非走査方向)につい
ては、これと異なる方向の第1測長ビームを用いて位置
制御が行われる。すなわち、同期移動方向に対して斜め
に交差する方向の第1測長ビームを用いて第2方向の位
置制御が行われるので、前記第1測長ビームに直交する
方向の反射面を備えたステージであれば如何なる形状の
ステージでも基板ステージとして採用することが可能で
あり、正方形又は長方形状等の矩形のステージを用いる
必要がなく、ステージの形状の設計の自由度が向上し、
結果的に基板ステージを小型化することが可能になる。
【0068】この場合において、前記第1方向(同期移
動方向)における前記基板の位置制御をも同期移動方向
と異なる方向の測長ビームを用いて行いつつ、露光動作
を行っても良いが、請求項48に記載の発明の如く、前
記第1方向とほぼ平行な第2測長ビーム(RIY)を用
いて、前記第1方向における前記基板(W)の位置制御
を行うことが好ましい。同期移動方向及び非走査方向の
位置制御をともにそれぞれの方向と異なる測長ビームを
用いて行う場合には、同期移動方向、非走査方向のいず
れについても位置制御のために三角関数演算により位置
を求める必要があるが、本発明の場合には、同期移動方
向(第1方向)についてはそのような三角関数演算が不
要となる。
【0069】上記請求項47及び48に記載の走査露光
方法において、請求項49に記載の発明の如く、前記第
1及び第2方向と交差し、かつ前記第1測長ビーム(R
IX1)と異なる方向の第3測長ビーム(RIX2)を
用いて、前記基板(W)の位置制御を行っても良い。こ
の場合において、第3測長ビームは基板の第1方向の位
置制御に用いても良いが、第1測長ビームとともに第3
測長ビームを基板の第2方向の位置制御に用いても良
い。かかる場合には、基板の走査方向の位置計測と独立
して非走査方向の位置計測を行うことができるととも
に、平均化効果により高精度な計測が可能となるので、
位置制御のための演算が簡易化されるとともにより正確
な基板の位置制御が可能となる。
【0070】請求項50に記載の発明に係るステージ装
置は、定盤(22)と;前記定盤に対して相対移動が可
能であるとともに基板(W1、W2)をそれぞれ保持す
る少なくとも2つの第1可動体(WST1、WST2)
と;前記各第1可動体がその上部に配置されるととも
に、前記定盤上に配置され、かつ前記定盤及び前記各第
1可動体のそれぞれに対して相対移動する第2可動体
(138)と;前記第2可動体に設けられ、前記各第1
可動体を2次元平面内で駆動する駆動装置(42a、4
2b)とを備え、前記各第1可動体の駆動の際の反力に
応じて前記第2可動体が移動するように構成されている
ことを特徴とする。
【0071】これによれば、駆動装置によりいずれかの
第1可動体が駆動された場合には、その駆動力の反力に
より第2可動体が移動して、第1可動体の重心移動によ
る偏荷重を第2可動体の重心移動によりキャンセルする
ことができ、結果的にステージ装置全体の重心を所定位
置に保持できる。同様に、駆動装置により第1可動体が
複数同時に駆動された場合には、その駆動力の合力に対
応する反力により複数の第1可動体の重心移動による偏
荷重を第2可動体の重心移動によりキャンセルするよう
に第2可動体が移動し、結果的にステージ装置全体の重
心を所定位置に保持できる。従って、ある第1可動体の
動作が他の第1可動体に外乱として作用することがない
ように第1可動体同士の動作の調整を行う必要がなくな
るので、制御負担が軽減されるとともに、各第1可動体
の位置制御性をともに高く維持することができる。
【0072】この場合において、請求項51に記載の発
明の如く、前記各第1可動体(WST1、WST2)の
質量は前記第2可動体(138)の質量のほぼ1/9以
下であり、前記定盤(22)上で前記第2可動体を低応
答周波数で駆動する第2の駆動装置(44)を更に備え
ていても良い。かかる場合には、上記の如く、ステージ
装置の重心を所定位置に保持することができるのに加
え、例えば、いずれかの第1可動体が移動した場合、そ
の反力により逆方向に第2可動体が移動する距離を1/
10以下にすることができる。また、第2可動体は第1
可動体の加減速時の反力に対しては応答できない程度の
低い応答周波数で第2の駆動装置によって定盤上で駆動
されるので、前記各第1可動体の動きに影響を与えるこ
となく、第2可動体を駆動することが可能になる。
【0073】請求項52に記載の発明は、マスクのパタ
ーンを基板上に転写する露光装置であって、請求項50
又は51に記載のステージ装置を備え、前記マスクのパ
ターンが転写される基板が前記ステージ装置を構成する
前記各第1可動体に保持されることを特徴とする。
【0074】この場合において、請求項53に記載の発
明の如く、前記マスクのパターンを前記基板に投影する
投影光学系を更に備える場合には、前記ステージ装置を
構成する前記駆動装置が、前記各第1可動体にそれぞれ
保持された基板に前記マスクのパターンを転写する際
に、そのパターン転写の対象の基板を保持する前記第1
可動体を前記マスクと同期して前記投影光学系に対して
走査方向に駆動しても良い。
【0075】請求項54に記載の発明は、基板(W又は
W1)上で隣接して配置される第1及び第2区画領域
(S1及びS2)のそれぞれにマスク(R)のパターン
を転写する露光装置であって、前記基板を保持する基板
ステージ(WST、WST1又はWST3)と;前記第
1区画領域に対する第1露光と前記第2区画領域に対す
る第2露光との間で前記基板ステージを移動するとき
に、前記基板ステージの加速時と減速時とでその加速度
の絶対値を異ならせる第1駆動装置((42,78)又
は(42a、160))とを備える。
【0076】これによれば、基板上の第1区画領域に対
する第1露光と前記第2区画領域に対する第2露光との
間で、マスクパターンの基板上の転写位置を変更するた
め第1駆動装置により基板ステージが移動される。この
際、第1駆動装置では、基板ステージの加速時と減速時
とでその加速度の絶対値を異ならせるようになってい
る。このため、第1駆動装置では、第1区画領域に対す
る第1露光と第2区画領域に対する第2露光との間にお
ける基板ステージの移動の際の加速度の絶対値と減速時
の加速度の絶対値とを適宜設定することにより、加速時
及び減速時の加速度の絶対値を同一とした場合に比べ
て、その移動終了後の基板の位置決め整定時間を短くし
て位置決め整定時間を含む基板ステージの移動に要する
総時間を短くする等の基板ステージの移動制御が可能に
なる。
【0077】この場合において、請求項55に記載の発
明の如く、前記第1駆動装置((42,78)又は(4
2a、160))は、前記減速時よりも前記加速時でそ
の加速度の絶対値を大きくすることが望ましい。かかる
場合には、第2走査露光開始前の基板ステージの減速時
の負の加速度の絶対値を小さく設定して移動終了時点に
おける基板ステージの振動を効果的に減衰させ、位置決
め整定時間を短縮して、移動終了直後に第2露光を開始
することが可能になる。また、第1露光終了後における
基板ステージの加速時の加速度の絶対値を大きくするこ
とにより、移動時間を不要に長引かせることもない。従
って、基板ステージの移動及び位置決め整定時間を含む
全体時間を短縮することができるとともに、スループッ
トの向上が可能になる。
【0078】上記請求項54及び55に記載の各発明に
係る露光装置において、請求項56に記載の発明の如
く、前記基板ステージ(WST、WST1又はWST
3)が配置される第1定盤(38又は138)と;前記
第1定盤が配置される第2定盤(22)とを更に備え、
前記基板ステ−ジの移動に応答して前記第1定盤が前記
第2定盤上で前記基板ステージに対して相対移動するよ
うに構成しても良い。かかる場合には、基板ステージが
移動すると、これに応答して第1定盤が第2定盤上で基
板ステージに対して相対移動するので、基板ステージの
重心移動による偏荷重及び反力を第1定盤の重心移動に
よりキャンセルすることが可能となるので、基板ステー
ジ、第1定盤、第2定盤を含む系全体の重心を所定位置
に保持できる。
【0079】この場合において、請求項57に記載の発
明の如く、前記第1定盤(138)上に配置される第2
基板ステージ(WST2又はWST4)を更に備える場
合には、前記第1定盤は、前記2つの基板ステージ(W
ST1、WST2又はWST3、WST4)の移動によ
って生じる反力の合力を相殺するように移動されること
が望ましい。かかる場合、2つの基板ステージが同時に
移動した場合には、第1定盤は、その移動によって生じ
る反力の合力を相殺するように移動される。すなわち、
2つの基板ステージの移動による反力をキャンセルする
ように第1定盤が移動し、結果的に2つの基板ステー
ジ、第1定盤、第2定盤を含む系全体の重心を所定位置
に保持できる。従って、一方の基板ステージの動作が他
方の基板ステージに外乱として作用することがないよう
に基板ステージ同士の動作の調整を行う必要がなくなる
ので、制御負担が軽減されるとともに、各基板ステージ
の位置制御性をともに高く維持することができる。
【0080】上記請求項56に記載の露光装置におい
て、請求項58に記載の発明の如く、前記第1定盤(1
38)上に配置される第2基板ステージ(WST2又は
WST4)を更に備える場合に、前記第1定盤は、前記
2つの基板ステージ(WST1、WST2又はWST
3、WST4)の少なくとも一方の移動による重心位置
変動の発生を防止するように移動されても良い。かかる
場合には、いずれかの基板ステージが移動すると、その
移動による反力により第1定盤が移動して、その基板ス
テージの重心移動による偏荷重を第1定盤の重心移動に
よりキャンセルすることができ、結果的に2つの基板ス
テージ、第1定盤及び第2定盤を含む系全体の重心位置
を所定位置に保持できる。同様に、基板ステージが2つ
同時に駆動された場合には、その駆動力の合力に対応す
る反力により、2つの基板ステージの重心移動による偏
荷重を第1定盤の重心移動によりキャンセルするように
第1定盤が移動し、結果的に2つの基板ステージ、第1
定盤及び第2定盤を含む系全体の重心位置を所定位置に
保持できる。
【0081】上記請求項56〜58に記載の各発明に係
る露光装置において、請求項59に記載の発明の如く、
前記第1定盤(138)を前記第2定盤(22)に対し
て相対移動する第2駆動装置(44)と;前記第2駆動
装置(44)の制御応答を、前記基板の露光動作を含む
複数の動作でそれぞれ可変とする制御装置(160)と
を更に備えていても良い。かかる場合、例えば、基板ス
テージの位置制御を高精度に行う必要がある動作、例え
ば露光及びアライメント等の際には第1定盤が基板ステ
ージの移動による反力に応じて移動するようにする必要
があるので、制御装置では、第1駆動装置による基板ス
テージの駆動に追従できないように第2駆動装置の制御
応答を設定する。一方、基板の位置制御をそれほど高精
度に行う必要がない動作の際には、制御装置では、第1
定盤が基板ステージの移動による影響を受けず第2定盤
に対する位置をほぼ維持するように第2駆動装置の制御
応答を設定する。これにより、第1定盤の必要ストロー
クを小さくすることができる。
【0082】この場合において、請求項60に記載の発
明の如く、前記制御装置(160)は、前記第1及び第
2露光間での前記基板ステージの移動時に、前記第1定
盤(138)が前記第2定盤(22)に対する位置をほ
ぼ維持するような制御が可能となるように前記第2駆動
装置(44)の制御応答を設定しても良い。
【0083】上記請求項54〜60に記載の各発明に係
る露光装置において、請求項61に記載の発明の如く、
前記第1駆動装置((42,78)又は(42a、16
0))は、前記基板上の複数の区画領域がステップ・ア
ンド・リピート方式、又はステップ・アンド・スキャン
方式で露光されるように前記基板ステージを移動しても
良い。すなわち、かかる逐次移動型の露光装置の場合、
基板ステージのステッピング(マスクパターンの転写位
置に対する基板ステージの位置決め(ステップ・アンド
・リピート方式の場合)、あるいは基板上の各区画領域
に対するマスクパターンの転写のための基板ステージの
走査開始位置への移動(ステップ・アンド・スキャン方
式の場合))が繰り返して行われるので、上記の基板ス
テージの位置制御性向上が全体の露光時間短縮に寄与す
る割合が大きくなる。
【0084】上記請求項54〜61に記載の露光装置に
おいて、請求項62に記載の発明の如く、前記第1駆動
装置は、前記基板ステージを少なくとも3自由度で駆動
する第1の平面磁気浮上型リニアアクチュエータ(4
2、又は42a、42b)を有していても良い。ここ
で、第1の平面磁気浮上型リニアアクチュエータが基板
ステージを例えば移動面内で3自由度で駆動する場合に
は、適宜なZ・チルト機構と組み合わせることにより、
基板ステージの6自由度方向の位置・姿勢制御が可能と
なる。また、例えば、第1の平面磁気浮上型リニアアク
チュエータが基板ステージを6自由度方向で駆動する場
合には、該第1の平面磁気浮上型リニアアクチュエータ
によって基板ステージの6自由度方向の位置・姿勢制御
が可能となるので、基板ステージを単なる板状部材で構
成する等、基板ステージの構成の簡略化・軽量化が可能
である。
【0085】上記請求項59〜62に記載の各発明に係
る露光装置において、請求項63に記載の発明の如く、
前記第2駆動装置は、前記第1定盤(138)を前記第
2定盤(22)に対して相対移動する第2の平面磁気浮
上型リニアアクチュエータ(44)を有していても良
い。
【0086】請求項64に記載の発明は、マスク(R)
のパターンを基板(W1,W2)上に転写する露光装置
であって、第1定盤(138)と;前記第1定盤上にそ
れぞれ配置される前記基板をそれぞれ保持する複数の基
板ステージ(WST1、WST2又はWST3、WST
4)と;前記第1定盤が配置される第2定盤(22)
と;前記複数の基板ステージの少なくとも1つの移動に
よる重心位置変動を抑制するように、前記第2定盤に対
して前記第1定盤を相対移動可能に支持する支持装置
(44)とを備える。かかる場合には、いずれかの基板
ステージが移動すると、その移動による反力により支持
装置により支持された第1定盤が移動して、その基板ス
テージの重心移動による偏荷重を第1定盤の重心移動に
よりキャンセルすることができ、結果的に複数の基板ス
テージ、第1定盤及び第2定盤を含む系全体の重心位置
を所定位置に保持できる。同様に、複数の基板ステージ
が同時に移動する場合には、それぞれの基板ステージの
移動によって生じる反力の合力により、複数の基板ステ
ージの重心移動による偏荷重を第1定盤の重心移動によ
りキャンセルするように支持装置に支持された第1定盤
が移動され、結果的に複数の基板ステージ、第1定盤及
び第2定盤を含む系全体の重心位置を所定位置に保持で
きる。従って、一つの基板ステージの動作が他の基板ス
テージに外乱として作用することがないように基板ステ
ージ同士の動作の調整を行う必要がなくなるので、制御
負担が軽減されるとともに、各基板ステージの位置制御
性をともに高く維持することができる
【0087】この場合において、請求項65に記載の発
明の如く、前記複数の基板ステージのうち第1基板ステ
ージ(WST1又はWST3)は、前記基板(W1)が
ステップ・アンド・リピート方式又はステップ・アンド
・スキャン方式で露光されるように移動される場合に、
前記支持装置は前記第1定盤(138)を前記第2定盤
(22)に対して相対移動可能に支持する平面磁気浮上
型リニアアクチュエータを有していても良い。かかる逐
次移動方式の場合、第1基板ステージのステッピング
(マスクパターンの転写位置に対する第1基板ステージ
の位置決め(ステップ・アンド・リピート方式の場
合)、あるいは基板上の各区画領域に対するマスクパタ
ーンの転写のための第1基板ステージの走査開始位置へ
の移動(ステップ・アンド・スキャン方式の場合))が
繰り返して行われるので、上記の第1基板ステージの位
置制御性向上が全体の露光時間短縮に寄与する割合が大
きくなる。
【0088】この場合において、請求項66に記載の発
明の如く、前記第1基板ステ一ジ(WST1又はWST
3)上の基板(W1)の露光動作中、前記第1基板ステ
ージと異なる第2基板ステージ(WST2又はWST
4)は露光動作以外の動作が実行されるように駆動され
ても良い。かかる場合には、第1基板ステージ上と第2
基板ステージ上とで露光動作及びこれ以外の動作とが同
時並行的に処理されるので、全体のスループットを向上
することができる。また、第1基板ステージの動作が第
2基板ステージに外乱として作用することもない。
【0089】この場合において、第1基板ステージ上の
基板の露光動作中、請求項67に記載の発明の如く、前
記基板上のマークを検出するアライメント系(124
a、124b)を更に備え、前記第2基板ステージ(W
ST2又はWST4)では、前記アライメント系による
マーク検出、又は前記基板のロード又はアンロードが実
行されても良い。
【0090】上記請求項54〜67に記載の各発明に係
る露光装置において、請求項68に記載の発明の如く、
前記基板ステージ(WST3、WST4)は、互いに延
設方向が鋭角に交差するように配置される第1及び第2
反射面(60a及び60b(又は60c))を有し、前
記第1及び第2反射面とそれぞれ直交する測長軸を有す
る第1及び第2の干渉計を更に備えていても良い。これ
によれば、第1反射面と第2反射面の少なくとも一方
が、直交座標系の座標軸のいずれかと直角以外で交差す
る方向に延びるので、その反射面については上記直交2
軸方向の反射面を有する基板ステージに比べて、上記直
交座標系のいずれかの座標軸方向移動の際には、干渉計
のビームが長い時間当たり続ける。従って、例えば、ス
テッパ等の静止型露光装置の場合であっても、基板ステ
ージの端部に空間像計測器、基準マーク等を配置して、
ステージを移動しながら計測を行う場合などには、その
移動の際の助走距離等を考慮して直交座標系の座標軸の
いずれかと交差する方向の反射面を余計に延ばさなくて
も、その計測が可能となり、基準マーク等の配置の自由
度が向上する。かかる意味で、第1反射面と第2反射面
がともに、直交座標系の所定の座標軸に交差することが
望ましい。
【0091】この場合において、請求項69に記載の発
明の如く、前記第1及び第2反射面(60a及び60b
(又は60c))は、当該両反射面を上底及び下底以外
の2辺とする台形が前記基板を包含するように配置され
ることが望ましい。ここで、台形は、上底=0、すなわ
ち三角形をも含む概念である。この場合において、上記
台形は、基板に外接するものであることがより望まし
い。
【0092】上記請求項68及び69に記載の各発明に
おいて、請求項70に記載の発明の如く、前記第1及び
第2反射面はそれぞれ前記基板ステージ(WST)上で
前記基板をほぼ包含する三角形の2辺に沿って形成され
ていても良い。
【0093】上記請求項68〜70に記載の各発明に係
る露光装置において、請求項71に記載の発明の如く、
前記第1反射面、又は前記第2反射面はその延設方向に
関する長さが前記基板上の露光範囲よりも実質的に長く
定められていることが望ましい。ここで、「実質的に長
く」とは、第1反射面、第2反射面が必ずしも一連の反
射面とは限らず、延設方向に所定のクリアランスを介し
て隣接配置された複数の反射鏡の集合から成るような場
合も考えられるので、そのような場合には延設方向の全
長が露光範囲より長いという趣旨である。また、「露光
範囲」とは、基板上にマスクのパターンを転写すべき領
域が1領域である場合にはその領域の範囲を意味する
が、基板上にマスクパターンを転写すべき部分領域が複
数領域ある場合には、請求項72に記載の発明の如く、
前記露光範囲は、前記基板上で前記マスク(R)のパタ
ーンを転写すべき全ての部分領域を含む。
【0094】上記請求項54〜67に記載の各発明に係
る露光装置において、請求項73に記載の発明の如く、
前記マスクを保持するマスクステージ(RST)と;前
記マスクのパターンを前記基板上に転写するため、前記
マスクステージと前記基板ステージ(WST3、WST
4)とを第1方向に同期移動する駆動装置とを更に備え
る場合に、前記基板ステージは、前記同期移動される第
1方向と鋭角に交差する方向に沿って延びる測長用第1
基準面(60a)を有していても良い。
【0095】この場合、例えば、第1方向と測長用第1
基準面との成す角をΘ、測長用第1基準面の長さをLと
すると、この測長用第1基準面の第1方向成分L1はL
cosΘとなる。換言すれば、基板ステージが第1方向
に移動する場合を考えると、第1方向に延びる長さL1
の反射面に比べて1/cosΘ(>1)倍だけ長い時間
(移動距離)だけ第1反射面には測長用のビームが当た
り続け、切れることがない。従って、測長用第1基準面
を用いて少なくとも基板ステージ(基板)の非走査方向
の位置を制御するものとすると、従来の四角形ステージ
の位置制御の場合のように、基板周辺の領域の露光の際
のいわゆるプリスキャン又はオーバースキャン距離を見
込んで測長用第1基準面を余計に延ばさなくても、第1
方向の移動ストローク全域に渡り第1方向に直交する第
2方向(非走査方向)の位置制御が可能となる。従っ
て、基板ステージの小型化が可能である。
【0096】この場合において、請求項74に記載の発
明の如く、前記第1基準面(60a)はその延設方向に
関して、前記基板の走査露光動作における前記基板ステ
ージの移動範囲のほぼ全域に渡って形成されることが望
ましい。かかる場合には、基板の走査露光動作中に、測
長用第1基準面から測長用ビームが外れることがないの
で、基板ステージの第1方向の移動ストローク全域に渡
り第1方向に直交する第2方向(非走査方向)の位置制
御が可能となる
【0097】上記請求項73及び74に記載の各発明に
係る露光装置において、請求項75に記載の発明の如
く、前記第1基準面(60a)はその延設方向に関する
長さが前記基板上の露光範囲よりも実質的に長く定めら
れていることが望ましい。この場合において、露光範囲
とは、基板上に走査露光すべき領域が1領域である場合
にはその領域の範囲を意味するが、基板上に走査露光す
べき区画領域が複数領域ある場合には、請求項76に記
載の発明の如く、前記露光範囲は、前記基板(W)上で
前記マスク(R)のパターンを転写すべき全ての区画領
域を含む。
【0098】上記請求項73〜76に記載の各発明に係
る露光装置において、請求項77に記載の発明の如く、
前記測長用第1基準面(60a)と直交する測長軸(R
IX1)を有する第1の干渉計(76X1)を更に備
え、前記第1の干渉計の計測値は、前記第1方向、及び
これに直交する第2方向のうち、少なくとも第2方向に
関する前記基板ステージの位置制御に用いられても良
い。かかる場合には、測長用第1基準面に直交する測長
軸を有する第1の干渉計の計測値が基板ステージ(基
板)の第2方向(非走査方向)の位置制御に用いられる
ことから、従来の四角形ステージの位置制御の場合のよ
うに、基板周辺の領域の露光の際のいわゆるプリスキャ
ン又はオーバースキャン距離を見込んで測長用第1基準
面を余計に延ばさなくても、第1方向の移動ストローク
全域に渡り第1方向に直交する第2方向(非走査方向)
の位置制御が可能となる。従って、基板ステージの小型
化が可能である。
【0099】上記請求項73〜77に記載の各発明に係
る露光装置において、請求項78に記載の発明の如く、
前記基板ステージは、前記第1方向と直交する第2方向
に延びる測長用第2基準面(60b)を有していても良
い。
【0100】第2方向のみならず、第1方向についても
基板ステージの位置制御は第1の干渉計の計測値に基づ
いて行うことは可能であるが、かかる場合には、基板ス
テージの第1、第2方向のそれぞれの位置を求めるため
に三角関数演算が必要となる。これに対し、本発明の場
合には、測長用第2基準面を基板ステージの第1方向の
位置制御に用いることにより、第1方向についてはその
ような三角関数演算が不要となる。かかる意味で、請求
項79に記載の発明の如く、前記測長用第2基準面(6
0b)と直交する測長軸を有する第2の干渉計(76
Y)を更に備え、前記第2の干渉計の計測値は、前記第
1方向に関する前記基板ステージの位置制御に用いられ
ることが望ましい。
【0101】上記請求項73〜79に記載の各発明に係
る露光装置において、請求項80に記載の発明の如く、
前記基板ステージは、前記第1方向、及びこれに直交す
る第2方向の両方と交差し、かつ前記測長用第1基準面
(60a)と異なる方向の測長用第3基準面(60c)
を有していることが望ましい。かかる場合には、測長用
第3基準面を基板ステージの第1、第2方向の一方又は
両方の位置計測に用いることができる。特に、第1測長
用基準面とともに第3測長用基準面を基板ステージの位
置計測に用いた場合には、平均化効果による高精度な位
置計測、ひいては高精度な位置制御が可能になる。かか
る意味で、請求項81に記載の発明の如く、前記第3測
長用基準面(60b)と直交する測長軸(RIX2)を
有する第3の干渉計(76X2)を更に備え、前記第3
の干渉計の計測値は、前記第1及び第2方向の少なくと
も一方に関する前記基板ステージの位置制御に用いるこ
とが望ましい。
【0102】
【発明の実施の形態】《第1の実施形態》以下、本発明
の第1の実施形態を図1〜図14に基づいて説明する。
【0103】図1には、本発明に係る露光装置の第1の
実施形態の走査型露光装置10の斜視図が示され、図2
には、その内部構成が概略的に示されている。この走査
型露光装置10は、半導体素子を製造するリソグラフィ
装置として現在主流となりつつある、ステップ・アンド
・スキャン方式により露光動作を行う投影露光装置であ
る。この走査型露光装置10は、マスクとしてのレチク
ルR(図2参照)に描画された回路パターンの一部の像
を投影光学系PLを介して感応基板(又は基板)として
のウエハW上に投影しつつ、レチクルRとウエハWとを
投影光学系PLの視野に対して1次元方向(ここではY
方向)に相対走査することによって、レチクルRの回路
パターンの全体をウエハW上の複数のショット領域の各
々にステップ・アンド・スキャン方式で転写するもので
ある。
【0104】この走査型露光装置10は、図1に示され
るように、エキシマレーザ光源11と、露光装置本体1
2と、それらを統括制御する主制御システムとしての制
御ラック14とで構成されている。エキシマレーザ光源
11は、通常露光装置本体12が設置される超クリーン
ルームから隔離された別の部屋(クリーン度の低いサー
ビスルーム)に設置される。また、露光装置本体12
は、通常、超クリーンルーム内に設置され、内部空間が
高度に防塵されるとともに、高精度な温度制御がなされ
たエンバイロメンタル・チャンバに収納されているが、
図1ではこのチャンバ内に収納された本体構造のみが概
略的に示されている。
【0105】次に、これら図1及び図2に基づいてエキ
シマレーザ光源11、露光装置本体12及び制御ラック
14の構成について説明する。
【0106】前記エキシマレーザ光源11は、操作パネ
ル11Aを備えている。また、エキシマレーザ光源11
には、該操作パネル11Aとインターフェイスされる制
御用コンピュータ11B(図1では図示せず、図2参
照)が内蔵され、この制御用コンピュータ11Bは通常
の露光動作の間は、露光装置制御用のミニコンピュータ
から成る主制御装置50の指令に応答してエキシマレー
ザ光源11のパルス発光を制御する。
【0107】エキシマレーザ光源11は、露光光源とし
て用いられるもので、例えば波長248nmのKrFエ
キシマレーザ光、或いは波長193nmのArFエキシ
マレーザ光をパルス発光する。ここで、エキシマレーザ
光源11からの紫外域のパルスレーザ光(以下、適宜
「エキシマレーザ光」、「パルス照明光」あるいは「パ
ルス紫外光」ともいう)を露光用照明光として用いるの
は、256M〜4Gbitクラス以上の半導体メモリ素
子(D−RAM)相当の集積度と微細度とを持つマイク
ロ回路デバイスの量産製造に必要とされる最小線幅0.
25〜0.10μm程度のパターン解像力を得るためで
ある。
【0108】そのパルスレーザ光(エキシマレーザ光)
の波長幅は、露光装置の照明系や投影光学系PLを構成
する各種の屈折光学素子に起因した色収差が許容範囲内
になるように狭帯化されている。狭帯化すべき中心波長
の絶対値や狭帯化幅(0.2pm〜300pmの間)の
値は、前記操作パネル11A上に表示されるとともに、
必要に応じて操作パネル11Aから微調整できるように
なっている。また操作パネル11Aからはパルス発光の
モード(代表的には自励発振、外部トリガー発振、メン
テナンス用発振の3つのモード)が設定できる。
【0109】このように、エキシマレーザを光源とする
露光装置の一例は、特開昭57−198631号公報、
特開平1−259533号公報、特開平2−13572
3号公報、特開平2−294013号公報等に開示さ
れ、エキシマレーザ光源をステップ・アンド・スキャン
露光に利用した露光装置の一例は、特開平2−2294
23号公報、特開平6−132195号公報、特開平7
−142354号公報等に開示されている。従って図1
の走査型露光装置10においても、上記の各特許公開公
報に開示された基礎技術をそのまま、或いは部分的に変
更して適用することが可能である。
【0110】前記露光装置本体12は、架台部16、レ
チクルステージRST、照明光学系18、投影光学系P
L、LC/MAC系、ステージ装置1、ウエハ搬送ロボ
ット19及びアライメント系等を備えている。
【0111】これを更に詳述すると、図1に示されるよ
うに、架台部(第1架台)16は、床面上に4つの防振
装置20を介して支えられている。各防振装置20は、
露光装置本体12の自重を不図示のエアシリンダ(防振
パッド)を介して支えるとともに、露光装置本体12全
体の傾き、Z方向の変位、及び露光装置本体全体の図1
におけるX,Y方向の変位を、不図示の制御系によるフ
ィードバック制御やフィードフォワード制御によりアク
ティブに補正するためのアクチュエータと各種のセンサ
類とを備えている。この種のアクティブ防振装置につい
ては、例えば特開平9−74061号公報等に開示され
ている。
【0112】架台部16は、床面に平行な定盤22とこ
の定盤22に対向して上方に設けられた支持板部24と
を備え、その形状は内部を空洞にした箱状とされてい
る。支持板部24は、中央に円形の開口部が形成された
矩形の板状部材から成り、この中央開口部内に投影光学
系PLが当該支持板部24に直交した状態で挿入されて
いる。そして、この投影光学系PLは、その外周部の一
部に設けられたフランジ部を介して支持板部24に保持
されている。
【0113】支持板部24の上面には、投影光学系PL
を囲むように4本の脚部26が立設されている。これら
の4本の脚部26の上部には、当該4本の脚部26に支
持されると共にこれらの上端を相互に接続するレチクル
ベース定盤28が設けられている。これら4本の脚部2
6とレチクルベース定盤28とによって第2コラム(第
2架台)が構成されている。
【0114】レチクルベース定盤28の上面にはガイド
28bがY方向(第1軸方向、第1方向)に沿って延設
されている。また、レチクルベース定盤28の中央部に
は、開口28a(図2参照)が形成されている。この開
口28aに対向して照明光学系18の射出端部が配置さ
れている。
【0115】レチクルベース定盤28上には、レチクル
Rを吸着保持してガイド28bに沿ってY方向に移動す
る前記レチクルステージRSTが配置されている。この
レチクルステージRSTは、駆動系29(図2参照)を
構成するリニアモータ等によって駆動され、このレチク
ルステージRSTは、レチクルベース定盤28上をY方
向に大きなストロークで直線移動するとともに、X方向
(第2軸方向、第2方向)とθ方向に関してもボイスコ
イルモータ(VCM)、ピエゾ素子等によって微小駆動
が可能な構成となっている。
【0116】レチクルステージRSTの一部には、図2
に示されるように、その位置や移動量を計測するための
レチクルレーザ干渉計30からの測長ビームを反射する
移動鏡31が取り付けられている。ここで、実際には、
レチクルレーザ干渉計は、Y方向(走査方向)位置計測
用のレチクルY干渉計とX方向位置計測用のレチクルX
干渉計と、θ方向(回転方向)計測用のレチクルθ干渉
計とが設けられ、それらの各干渉計に対応した移動鏡が
レチクルステージRST上に固定されているが、図2に
おいては、これらが代表的にレチクルレーザ干渉計3
0、移動鏡31として示されている。そして、上記3つ
のレチクル干渉計によってレチクルステージRSTの
X,Y,θ方向計測がそれぞれ行われるが、以下の説明
においては、便宜上、レーザ干渉計30によってX,
Y,θ方向位置計測が同時に個別に行われるものとす
る。
【0117】その干渉計30によって計測されるレチク
ルステージRST(即ちレチクルR)の位置情報(又は
速度情報)はレチクルステージコントローラ33に送ら
れる。レチクルステージコントローラ33は、基本的に
は干渉計30から出力される位置情報(或いは速度情
報)が指令値(目標位置、目標速度)と一致するように
レチクルステージRSTを移動させる駆動系(リニアモ
ータ、ボイスコイルモータ、ピエゾモータ等)29を制
御する。
【0118】前記照明光学系18は、図1に示されるよ
うに、ビーム受光系32をその背面部に収納し、このビ
ーム受光系32とこれに接続された遮光性の管34とか
ら成るBMU(ビームマッチングユニット)を介してエ
キシマレーザ光源11に接続されている。BMUを構成
するビーム受光系32内には、管34を介して導かれた
エキシマレーザ光源11からのエキシマレーザ光が、照
明光学系18の光軸に対して、常に所定の位置関係で入
射するように、エキシマレーザ光の照明光学系18への
入射位置や入射角度を最適に調整する複数の可動反射鏡
(図示せず)が設けられている。
【0119】照明光学系18は、図2に示されるよう
に、可変減光器18A、ビーム整形光学系18B、第1
フライアイレンズ系18C、振動ミラー18D、集光レ
ンズ系18E、照明NA補正板18F、第2フライアイ
レンズ系18G、照明系開口絞り板18H、ミラー18
J、第1リレーレンズ18K、固定レチクルブラインド
18L、可動レチクルブラインド18M、第2リレーレ
ンズ18N、照明テレセン補正板(傾斜可能な石英の平
行平板)18P、ミラー18Q、及び主コンデンサーレ
ンズ系18R等を備えている。ここで、この照明光学系
18の上記構成各部について説明する。
【0120】可変減光器18Aは、エキシマレーザ光の
パルス毎の平均エネルギーを調整するためのもので、例
えば減光率が異なる複数の光学フィルタを切り換え可能
に構成して減光率を段階的に変更するものや、透過率が
連続的に変化する2枚の光学フィルタの重なり具合を調
整することにより減光率を連続的に可変にするものが用
いられる。この可変減光器18Aを構成する光学フィル
タは、主制御装置50によって制御される駆動機構35
によって駆動される。
【0121】ビーム整形光学系18Bは、可変減光器1
8Aによって所定のピーク強度に調整されたエキシマレ
ーザ光の断面形状を該エキシマレーザ光の光路後方に設
けられた後述するダブルフライアイレンズ系の入射端を
構成する第1フライアイレンズ系18Cの入射端の全体
形状と相似になるように整形して該第1フライアイレン
ズ系18Cに効率よく入射させるもので、例えばシリン
ダレンズやビームエキスパンダ(いずれも図示省略)等
で構成される。
【0122】前記ダブルフライアイレンズ系は、照明光
の強度分布を一様化するためのもので、ビーム整形光学
系18B後方のエキシマレーザ光の光路上に順次配置さ
れた第1フライアイレンズ系18Cと、集光レンズ18
Eと、第2フライアイレンズ系18Gとから構成され
る。この場合、第1フライアイレンズ系18Cと集光レ
ンズ18Eとの間には、被照射面(レチクル面又はウエ
ハ面)に生じる干渉縞や微弱なスペックルを平滑化する
ための振動ミラー18Dが配置されている。この振動ミ
ラー18Dの振動(偏向角)は駆動系36を介して主制
御装置50によって制御されるようになっている。
【0123】第2フライレンズ系18Gの入射端側に
は、照明光の被照射面における開口数の方向性(照明N
A差)を調整する照明NA補正板18Fが配置されてい
る。
【0124】本実施形態のようなダブルフライアイレン
ズ系と振動ミラー18Bとを組み合わせた構成について
は、例えば特開平1−235289号公報、特開平7−
142354号公報に詳しく開示されている。
【0125】前記第2フライアイレンズ系18Gの射出
面の近傍に、円板状部材から成る照明系開口絞り板18
Hが配置されている。この照明系開口絞り板18Hに
は、ほぼ等角度間隔で、例えば通常の円形開口より成る
開口絞り、小さな円形開口より成りコヒーレンスファク
タであるσ値を小さくするための開口絞り、輪帯照明用
の輪帯状の開口絞り、及び変形光源法用に例えば4つの
開口を偏心させて配置して成る変形開口絞り等が配置さ
れている。この照明系開口絞り板18Hは、主制御装置
50により制御される不図示のモータ等により回転され
るようになっており、これによりいずれかの開口絞りが
パルス照明光の光路上に選択的に設定され、ケーラー照
明における光源面形状が輪帯、小円形、大円形、或いは
4つ目等に制限される。
【0126】照明系開口絞り板18H後方のパルス照明
光の光路上に、反射率が大きく透過率が小さなビームス
プリッタ18Jが配置され、更にこの後方の光路上に、
固定レチクルブラインド18L及び可動レチクルブライ
ンド18Mを介在させて第1リレーレンズ18K及び第
2リレーレンズ18Nから成るリレー光学系が配置され
ている。
【0127】固定レチクルブラインド18Lは、レチク
ルRのパターン面に対する共役面から僅かにデフォーカ
スした面に配置され、レチクルR上の照明領域を規定す
る所定形状の開口部が形成されている。本実施形態で
は、この開口部が走査露光時のレチクルRの移動方向
(Y方向)と直交したX方向に直線的に伸びたスリット
状又は矩形状に形成されているものとする。
【0128】また、固定レチクルブラインド18Lの近
傍に走査方向の位置及び幅が可変の開口部を有する可動
レチクルブラインド18Mが配置され、走査露光の開始
時及び終了時にその可動レチクルブラインド18Mを介
して照明領域を更に制限することによって、不要な部分
の露光が防止されるようになっている。この可動レチク
ルブラインド18Mは、駆動系43を介して主制御装置
50によって制御される。
【0129】リレー光学系を構成する第2リレーレンズ
18Nの出口部分には、照明テレセン補正板18Pが配
置されており、さらにこの後方のパルス照明光の光路上
には、第2リレーレンズ18N及び照明テレセン補正板
18Pを通過したパルス照明光をレチクルRに向けて反
射するミラー18Qが配置され、このミラー18Q後方
のパルス照明光の光路上に主コンデンサーレンズ系18
Rが配置されている。
【0130】このようにして構成された照明光学系18
の作用を簡単に説明すると、エキシマレーザ光源11か
らのエキシマレーザ光が管34、ビーム受光系32を介
して照明光学系18内に入射すると、このエキシマレー
ザ光は可変減光器18Aにより所定のピーク強度に調整
された後、ビーム整形光学系18Bに入射する。そし
て、このエキシマレーザ光は、ビーム整形光学系18B
で後方の第1フライアイレンズ系18Cに効率よく入射
するようにその断面形状が整形される。次いで、このエ
キシマレーザ光が第1フライアイレンズ系18Cに入射
すると、第1フライアイレンズ系18Cの射出端側に多
数の2次光源が形成される。これらの多数の点光源の各
々から発散するパルス紫外光は、振動ミラー18D、集
光レンズ系18E、照明NA補正板18Fを介して第2
フライアイレンズ系18Gに入射する。これにより、第
2フライアイレンズ系18Gの射出端に多数の微少な光
源像を所定形状の領域内に一様分布させた個々の光源像
から成る多数の2次光源が形成される。この多数の2次
光源から射出されたパルス紫外光は、照明系開口絞り板
18H上のいずれかの開口絞りを通過した後、反射率が
大きく透過率が小さなビームスプリッタ18Jに至る。
【0131】このビームスプリッタ18Jで反射された
露光光としてのパルス紫外光は、第1リレーレンズ18
Kによって固定レチクルブラインド18Lの開口部を一
様な強度分布で照明する。但し、その強度分布には、エ
キシマレーザ光源11からのパルス紫外光の可干渉性に
依存した干渉縞や微弱なスペックルが数%程度のコント
ラストで重畳し得る。そのためウエハ面上には、干渉縞
や微弱なスペックルによる露光量むらが生じ得るが、そ
の露光量むらは先に挙げた特開平7−142354号公
報のように、走査露光時のレチクルRやウエハWの移動
とパルス紫外光の発振とに同期させて振動ミラー18D
を振ることで平滑化される。
【0132】こうして固定レチクルブラインド18Lの
開口部を通ったパルス紫外光は、可動レチクルブライン
ド18Mを通過した後、第2リレーレンズ18N及び照
明テレセン補正板18Pを通過してミラー18Qによっ
て光路が垂直下方に折り曲げられた後、主コンデンサー
レンズ系18Rを経て、レチクルステージRST上に保
持されたレチクルR上の所定の照明領域(X方向に直線
的に伸びたスリット状又は矩形状の照明領域)を均一な
照度分布で照明する。ここで、レチクルRに照射される
矩形スリット状の照明光は、図1中の投影光学系PLの
円形投影視野の中央にX方向(非走査方向)に細長く延
びるように設定され、その照明光のY方向(走査方向)
の幅はほぼ一定に設定されている。
【0133】一方、ビームスプリッタ18Jを透過した
パルス照明光は、不図示の集光レンズを介して光電変換
素子よりなるインテグレータセンサ46に入射し、そこ
で光電変換される。そして、このインテグレータセンサ
46の光電変換信号が、後述するピークホールド回路及
びA/D変換器を介して主制御装置50に供給される。
インテグレータセンサ46としては、例えば遠紫外域で
感度があり、且つエキシマレーザ光源11のパルス発光
を検出するために高い応答周波数を有するPIN型のフ
ォトダイオード等が使用できる。このインテグレータセ
ンサ46の出力と、ウエハWの表面上でのパルス紫外光
の照度(露光量)との相関係数は予め求められて、主制
御装置50内のメモリに記憶されている。
【0134】前記投影光学系PLとしては、ここでは、
物体面(レチクルR)側と像面(ウエハW)側の両方が
テレセントリックで円形の投影視野を有し、石英や螢石
を光学硝材とした屈折光学素子(レンズ素子)のみから
成る1/4(又は1/5)縮小倍率の屈折光学系が使用
されている。そして、レチクルR上の回路パターン領域
のうちのパルス紫外光によって照明された部分からの結
像光束が、投影光学系PLを介して、後述するウエハス
テージWST上のホルダに静電吸着されたウエハW上の
レジスト層に1/4又は1/5に縮小されて投影され
る。
【0135】なお、投影光学系PLを特開平3−282
527号公報に開示されているように屈折光学素子と反
射光学素子(凹面鏡やビームスプリッタ等)とを組み合
わせたいわゆるカタディオプトリック系としてもよいこ
とは勿論である。
【0136】前記LC/MAC系は、投影光学系PLの
各種光学特性(結像性能)を微調整するもので、本実施
形態では、投影光学系PL内の物体面に近い位置に設け
られ光軸方向への微小移動及び光軸直交面に対する微小
傾斜が可能なテレセン部レンズ系G2とこのレンズ系G
2を光軸方向(傾斜を含む)に微動させる駆動機構96
とから成るMACと、投影光学系PL内の外気に対して
密封された特定の空気間隔室(密封室)内の気体圧力を
パイプ94を介して例えば±20mmHg程度の範囲内
で加減圧することによって投影像の結像倍率を微調整す
るレンズコントローラ102とを含んで構成されてい
る。前記MACは投影像の倍率又はディストーション
(等方的な歪曲収差、又は樽形、糸巻き形、台形等の非
等方的な歪曲収差等)を調整することができる。
【0137】この場合、レンズコントローラ102はレ
ンズ系G2の駆動機構96に対する制御系にもなってお
り、レンズ系G2の駆動によって投影像の倍率を変える
か、投影光学系PL内の密封室の圧力制御によって投影
像の倍率を変えるかを切替え制御したり、或いは併用制
御したりする。レンズコントローラ102も主制御装置
50の管理下に置かれている。
【0138】但し、波長193nmのArFエキシマレ
ーザ光源を照明光とした場合は、照明光路内と投影光学
系PLの鏡筒内とが窒素ガスやヘリウムガスで置換され
るため、投影光学系PL内の特定の空気間隔室内の屈折
率を変更しにくいので、この空気間隔室内の圧力を加減
圧する機構を省略してもよい。
【0139】また、投影光学系PL内の像面に近い位置
には、投影される像のうち特に像高の大きい部分(投影
視野内の周辺に近い部分)に生じ易いアス・コマ収差を
低減させるためのアス・コマ収差補正板G3が含まれて
いる。
【0140】さらに、本実施形態では、円形視野内の実
効的な像投影領域(固定レチクルブラインド18Lの開
口部で規定)に形成される投影像に含まれるランダムな
ディストーション成分を有効に低減させるための像歪み
補正板G1が、投影光学系PLのレンズ系G2とレチク
ルRとの間に配置されている。この補正板G1は、数ミ
リ程度の厚みを持つ平行な石英板の表面を局所的に研磨
し、その研磨部分を通る結像光束を微小に偏向させるも
のである。このような補正板G1の作り方の一例は、特
開平8−203805号公報に詳細に開示されており、
本実施形態においても基本的にはその公報に示された手
法を応用するものとする。
【0141】次に、ステージ装置1について説明する。
このステージ装置1は、図1及び図2に示されるよう
に、前記架台部(第1コラム)16を構成する定盤22
と、この定盤22上にXY面内で相対移動可能に支持さ
れた可動型定盤38と、この可動型定盤38上にXY面
内で該可動型定盤38に対して相対移動可能に支持され
た基板ステージとしてのウエハステージWSTとを備え
ている。
【0142】ウエハステージWSTは、投影光学系PL
下方で可動型定盤38上に設けられた第1の平面磁気浮
上型リニアアクチュエータ42(図5(B)参照)によ
って浮上支持されるとともに、投影光学系PLの光軸A
Xと直交するXY2次元平面内で自在に駆動されるよう
になっている。また、可動型定盤38は、ウエハステー
ジWSTと同様に、定盤22上に設けられた第2の平面
磁気浮上型リニアアクチュエータ44(図5(B)参
照)によって浮上支持されるとともに、XY2次元平面
内で自在に駆動されるようになっている。なお、図2に
おいては、図示の便宜上、上記の平面磁気浮上型リニア
アクチュエータ42、44が纏めて駆動系48として図
示されている。この駆動系48、すなわち平面磁気浮上
型リニアアクチュエータ42、44は、ウエハステージ
コントローラ78によって制御されるようになってい
る。なお、可動型定盤38の制御方法、役割等について
は後に詳述する。
【0143】前記ウエハステージWSTは、図1に示さ
れるように、可動型定盤38上をXY2次元平面内で自
在に移動可能な第2プレートとしての移動ステージ52
と、この移動ステージ52上に搭載された駆動機構とし
てのレベリング駆動機構58と、このレベリング駆動機
構58により支持されウエハWを保持する第1プレート
としての基板テーブルTBとを備えている。
【0144】移動ステージ52は、本実施形態では正三
角形状に形成され、その一端面がレチクルステージRS
Tの走査方向であるY軸方向(第1方向、第1軸方向)
に直交する向きで可動型定盤38上に配置されている。
【0145】前記基板テーブルTBは、移動ステージ5
2と全く同一形状の正三角形状に形成され、平面視で見
て移動テーブル52に重なる状態でレベリング駆動機構
58を構成する3つのアクチュエータZACに支持され
ている。この基板テーブルTB上には、ほぼ円形のウエ
ハホルダ54が設けられており(図3(C)参照)、こ
のウエハホルダ54にウエハWが静電吸着され、平坦化
矯正されて保持されている。このウエハホルダ54はウ
エハWの露光時の熱蓄積による膨脹変形を押さえるため
に温度制御されている。
【0146】前記レベリング駆動機構58は、基板テー
ブルTBを正三角形の3つの頂点近傍でそれぞれ支持す
るとともに各支持点でXY平面に垂直なZ方向に独立し
て駆動可能な3つのアクチュエータ(ピエゾ、ボイスコ
イルモータ等)ZACX1、ZACX2、ZACY(図
3(A)参照)と、これら3つのアクチュエータZAC
X1、ZACX2、ZACYを独立に制御することによ
り基板テーブルTBを光軸AXの方向(Z方向)に微動
するとともに、XY平面に対して傾斜させるアクチュエ
ータ制御装置56とによって構成される。アクチュエー
タ制御装置56に対する駆動指令はウエハステージコン
トローラ78から出力される。
【0147】なお、図2では図示が省略されているが、
投影光学系PLの結像面とウエハW表面とのZ方向の偏
差(フォーカス誤差)や傾斜(レベリング誤差)を検出
するフォーカス・レベリングセンサが投影光学系PLの
近傍に設けられ、ウエハステージコントローラ78はそ
のセンサからのフォーカス誤差信号やレベリング誤差信
号に応答してアクチュエータ制御装置56に駆動指令を
出力する。そのようなフォーカス・レベリング検出系の
一例は、特開平7−201699号公報に詳細に開示さ
れている。
【0148】ウエハステージWST、すなわち基板テー
ブルTBの図3(A)の各干渉計ビームの方向の位置
は、図2に示されるレーザ干渉計システム76によって
逐次計測され、その位置情報はウエハステージコントロ
ーラ78に送られる。ウエハステージコントローラ78
は、所定の演算によりXY座標位置を求め、この求めた
座標位置と位置決めすべき目標位置情報とに基づいてウ
エハステージWSTを駆動させるための指令信号を駆動
系48へ出力する。
【0149】ここで、図3(A)〜(C)を用いて上記
レーザ干渉計システム76の具体的な構成について詳述
する。
【0150】図3(A)には、レーザ干渉計システム7
6を構成する第1〜第3の干渉計76X1、76Y、7
6X2及びそれら3つの干渉計からの干渉計ビームRI
X1、RIY、RIX2が基板テーブルTBとともに平
面図にて示されている。
【0151】この図3(A)からもわかるように、本実
施形態では、基板テーブルTBは平面視で正三角形状に
形成され、その3つの側面にはそれぞれ鏡面加工がなさ
れて第1〜第3の反射面60a、60b、60cが形成
されている。そして、第2の干渉計76Yは、走査方向
であるY軸方向(第1軸方向)の干渉計ビームRIYを
第2反射面60bに垂直に照射し、その反射光を受光す
ることにより、基板テーブルTBのY軸方向位置(或い
は速度)を計測するようになっている。また、第1の干
渉計76X1は、Y軸方向に対して所定角度θ1(θ1
はここでは−60°)傾斜した方向の干渉計ビームRI
X1を第1反射面60aに垂直に照射し、その反射光を
受光することにより干渉計ビームRIX1の方向である
第3軸方向の位置(或いは速度)を計測するようになっ
ている。同様に、第3の干渉計76X2は、Y軸方向に
対して所定角度θ2(θ2はここでは+60°)傾斜し
た方向の干渉計ビームRIX2を第3反射面60cに垂
直に照射し、その反射光を受光することにより干渉計ビ
ームRIX2の方向である第4軸方向の位置(或いは速
度)を計測するようになっている。
【0152】ところで、ウエハステージWSTのXY移
動や基板テーブルTBの微動によってXY面内で生じ得
る微小回転誤差(ヨーイング成分も含む)が露光精度に
悪影響を与えることを考慮して、本実施形態ではレーザ
干渉計システム76を構成する各干渉計としては、複数
軸の干渉計が用いられている。
【0153】図3(B)には、第2の干渉計76Yから
の干渉計ビームRIYが該干渉計を構成する一部の光学
系とともにより詳細に示されている。この図3(B)に
示されるように、基板テーブルTBの第2反射面60b
には、干渉計76Yから射出された平面視で見て2軸の
測長ビームである第1、第2の測長ビームRIY1 、R
IY2 が照射されている。これらの測長ビームRI
1 、RIY2 は、同一水平面上でX方向に所定距離離
れて第2反射面60bに垂直に照射されている。このら
の測長ビームRIY1 、RIY2 は、不図示の光源から
射出されて直線偏光光束として、それぞれ偏光ビームス
プリッタ62A,62Bを透過後、λ/4板64A,6
4Bを介して円偏光となり第2反射面60bを照射す
る。その戻り光は、再びλ/4板64A,64Bを透過
後最初の偏光条件と直交した直線偏光光束となり、偏光
ビームスプリッタ62A,62Bにてそれぞれ反射さ
れ、コーナーキューブ部66A,66Bに入射する。こ
こで、3面にて反射した光束は再び偏光ビームスプリッ
タ62A,62B、λ/4板64A,64Bを通過して
円偏光になって第2反射面60bに達する。そして、そ
の反射光がλ/4板64A,64Bを通過する際に最初
と同じ偏光条件の直線偏光となって偏光ビームスプリッ
タ62A,62Bを通過後、入射光束と平行に干渉計本
体側に戻るようになっている。すなわち、各測長ビーム
RIY1 、RIY2 による計測はいわゆるダブルパス構
成によって行われるようになっている。
【0154】前記戻り光束は、干渉計本体部内で不図示
の固定鏡からの参照ビームの戻り光束と重なり、それら
の重なり光束の干渉縞をカウントすることで、通常の倍
の精度で基板テーブルTBの第2反射面60bの図3
(B)中の一点鎖線で示す軸Y1 、Y2 上の位置をそれ
ぞれ独立に計測可能となっている。また、これらの測長
ビームRIY1 、RIY2 による計測値の差に基づいて
基板テーブルTBの回転を求めることができる。
【0155】しかし、回転計測ができるのみでは、特
に、本実施形態のように、基板テーブル側面を鏡面加工
して移動鏡とする構成の場合には、十分でない。このよ
うな場合には、干渉計からの測長ビームをウエハW表面
と同一高さに設定できないからである。かかる点を考慮
して、図3(C)に示されるように、第2の干渉計76
Yからは測長ビームRIY1 (又はRIY2 )の照射位
置からXY平面に直交する面方向(下向)に所定距離離
れた位置に照射される第3の測長ビームRIY3が照射
されている。従って、測長ビームRIY1 (又はRIY
2 )と測長ビームRIY3 との差に基づいて基板テーブ
ルTBのXY面に対する傾斜を求めることができる。
【0156】かかる意味からすれば、測長ビームRIY
1 、RIY2 の照射位置からそれぞれXY平面に直交す
る面方向(下向)に所定距離離れた位置に、第3の測長
ビーム、第4の測長ビームをそれぞれ照射するようにし
ても良い。すなわち、基板テーブルTBのXY面内の回
転及びXY面内に対する傾斜を求めることができるよう
に、第2反射面60b上で、同一直線状にない少なくと
も3本の測長ビームを干渉計76Yから第2反射面60
bに照射するような構成が望ましい。また、当然なが
ら、計測精度の向上のためには、第3、第4の測長ビー
ムによる計測もいわゆるダブルパス構成であることが望
ましい。
【0157】その他の干渉計76X1、76X2も上記
の干渉計76Yと同様に、3本の測長ビームを第1反射
面60a、第3反射面60cに照射し、それぞれの反射
光を受光することにより第1反射面60a、第3反射面
60cの各測長ビームの照射ポイントの各測長ビーム方
向の位置をそれぞれ独立して計測するようになってい
る。図3(A)においては、干渉計76X1、76X
2、76Yからのそれぞれ3本(又は4本)の測長ビー
ムが、代表的に干渉計ビームRIX1、RIX2、RI
Yとして示されているものである。
【0158】この場合、図3(A)に示されるように、
正三角形状のウエハテーブルTBの各側面の反射面60
a,60b,60cに、干渉計76X1,76Y,76
X2が少なくも各3本の測長ビームからな成る干渉計光
束を垂直に照射し、各干渉計光束の対向する位置にチル
ト,Z方向を駆動するためのアクチュエータZACX
1,ZACY,ZACX2が配置され、それぞれの干渉
計により計測された対応する反射面のチルト角度に応じ
てアクチュエータZACX1,ZACY,ZACX2を
独立に制御できるため、高いチルト駆動制御応答が得ら
れる構成となっている。
【0159】図2に戻り、基板テーブルTBの一部に
は、投影光学系PLを通して投影されるレチクルR上の
テストパターンの像やアライメントマークの像を光電検
出するための空間像検出器KESが固定されている。こ
の空間像検出器KESは、その表面がウエハWの表面の
高さ位置とほぼ同じになるように取り付けられている。
ただし実際には、基板テーブルTBをZ方向の全移動ス
トローク(例えば1mm)の中心に設定したときに、投
影光学系PLの結像面と空間像検出器KESの表面とが
合致するように設定されている。
【0160】空間像検出器KESは、露光量計測、照度
ムラ計測、結像特性計測等に用いられるものである。こ
こで、空間像検出器KESの構成及びそれを用いた結像
特性計測について詳述する。図4には、図2中の基板テ
ーブルTB上に取り付けられた空間像検出器KESの構
成とそれに関連した信号処理系の構成が概略的に示され
ている。
【0161】この図4において、空間像検出器KES
は、基板テーブルTB上のウエハWの表面とほぼ同じ高
さ(例えば±1mm程度の範囲)になるように設けられ
た遮光板140、その遮光板140の所定位置に形成さ
れた数十μm〜数百μm程度の矩形開口(ナイフエッジ
開口)141、開口141を透過した投影光学系PLか
らの結像光束を大きなNA(開口数)で入射する石英の
光パイプ142、及び光パイプ142によってほぼ損失
なく伝送される結像光束の光量を光電検出する半導体受
光素子(シリコンフォトダイオード、PINフォトダイ
オード等)143を備えている。
【0162】本実施形態の如く、露光用照明光をエキシ
マレーザ光源11から得る場合、空間像検出器KESの
受光素子143からの光電信号は、エキシマレーザ光源
11のパルス発光に応答したパルス波形となる。すなわ
ち、投影光学系PLの物体面に設置された不図示のテス
トレチクル上のある物点からの像光路をMLeとする
と、その像光路MLeが空間像検出器KESの矩形開口
141に合致するように基板テーブルTB(即ちウエハ
ステージWST)をX,Y方向に位置決めした状態で、
図2中のエキシマレーザ光源11をパルス発光させる
と、受光素子143からの光電信号も時間幅が10〜2
0ns程度のパルス波形となる。
【0163】これを考慮して、本実施形態では、空間像
検出器KESの信号処理系内に、受光素子143からの
光電信号を入力し増幅するとともに、前述したレーザ干
渉計システム76のレシーバ76Eで作られる10nm
毎の計数用パルス信号に応答してサンプル動作とホール
ド動作とを交互に行うサンプルホールド回路(以下、
「S/H回路」という)150Aが設けられている。こ
の他、上記信号処理系内には、S/H回路150Aの出
力をデジタル値に変換するA−D変換器152Aと、そ
のデジタル値を記憶する波形メモリ回路(RAM)15
3Aと、波形解析用コンピュータ154とを備えてい
る。また、この場合、RAM153Aのアドレスカウン
タとしてレーザ干渉計システム76から送られてくる1
0nm毎の計数用パルス信号を計数するアップダウンカ
ウンタ151が設けられている。
【0164】本実施形態では、エキシマレーザ光源11
の制御用コンピュータ11B(図2参照)は、レーザ干
渉計システム76からの計測値に基づきウエハステージ
コントローラ78で演算され、後述する同期制御系8
0、主制御装置50に送られる座標位置情報に応じてパ
ルス発光のトリガを行う。すなわち、本実施形態ではエ
キシマレーザ光源11のパルス発光が基板テーブルTB
の座標位置に応じて行われ、そのパルス発光に同期して
S/H回路150Aが受光素子143からのパルス信号
波形のピーク値をホールドするようになっている。そし
て、このS/H回路150Aでホールドされたピーク値
は、A−D変換器152Aによってデジタル値に変換さ
れ、そのデジタル値は波形メモリ回路(RAM)153
Aに記憶される。RAM153Aの記憶動作時の番地
(アドレス)は、前記アップダウンカウンタ151によ
って作られ、基板テーブルTBの位置とRAM153A
の記憶動作時の番地(アドレス)とが一義的に対応付け
られる。
【0165】ところで、エキシマレーザ光源11からの
パルス光のピーク強度は各パルス毎に数%程度の変動が
ある。そこで、その変動による像計測精度の劣化を防止
するために、本実施形態の信号処理回路内には、図4に
示されるように、前述した照明光学系内に設けられた強
度検出用の光電検出器(インテグレータセンサ)46か
らの光電信号(パルス波形)が入力されるS/H回路1
50B(これは前記SH回路150Aと同様の機能を有
する)、該S/H回路150Bの出力をデジタル値に変
換するA−D変換器152Bと、そのデジタル値を記憶
する波形メモリ回路(RAM)153B(記憶動作時の
アドレス生成はRAM153Aと共通)とが設けられて
いる。
【0166】これによって基板テーブルTBの位置とR
AM153Bの記憶動作時の番地(アドレス)とが一義
的に対応付けられた状態で、エキシマレーザ光源11か
らの各パルス光のピーク強度がRAM153Bに記憶さ
れる。
【0167】以上のようにして各RAM153A,15
3Bに記憶されたデジタル波形は波形解析用のコンピュ
ータ(CPU)154に読み込まれ、RAM153Aに
記憶された像強度に応じた計測波形がRAM153Bに
記憶された照明パルス光の強度ゆらぎ波形で規格化(除
算)される。規格化された計測波形は波形解析用コンピ
ュータ154内のメモリに一時的に保持されるととも
に、計測すべき像強度の中心位置が各種の波形処理プロ
グラムによって求められる。
【0168】本実施形態では、空間像検出器KESの開
口141のエッジを使ってテストレチクル上のテストパ
ターン像を検出するので、波形解析用コンピュータ15
4によって解析される像の中心位置は、テストパターン
像の中心と開口141のエッジとがXY面内で合致する
場合にレーザ干渉計システム76によって計測される基
板テーブルTB(ウエハステージ14)の座標位置とし
て求まる。
【0169】こうして解析されたテストパターン像の中
心位置の情報は主制御装置50に送られ、主制御装置5
0はテストレチクル上の複数点(例えば理想格子点)に
形成されたテストパターンの各投影像の位置を順次計測
するための動作を、エキシマレーザ光源11の制御用コ
ンピュータ11B、ウエハステージコントローラ78、
及び波形解析用コンピュータ154に指示する。
【0170】上記のようにして、空間像検出器KESに
よって投影光学系PLの結像性能や照明光学系の照明特
性を計測し、その計測結果に基づいて図2中に示した各
種の光学要素や機構を調整することができる。
【0171】更に、本実施形態の基板テーブルTB上に
は、その表面がウエハWの表面の高さ位置とほぼ同じに
なるようにされた基準マーク板FMが設けられている
(図5(A)参照)。この基準マーク板FMの表面には
後述する各種アライメント系によって検出可能な基準マ
ークが形成され、それらの基準マークは、各アライメン
ト系の検出中心点のチェック(キャリブレーション)、
それら検出中心点間のベースライン長の計測、レチクル
Rのウエハ座標系に対する位置チェック、又はレチクル
Rのパターン面と共役な最良結像面のZ方向の位置チェ
ック等のために使われる。なお、上記基準マークは、前
述したKESの表面に形成すれば、同一基準板により
X,Y,Zチルト方向のキャリブレーションが可能とな
るので、各基準板に対応した累積誤差を軽減することが
できる。
【0172】図1に示されるウエハ搬送ロボット19
は、不図示のウエハ載置部からウエハステージWSTま
でウエハWを搬送するウエハ搬送系の一部を構成するも
ので、所定のローディング位置(受渡し位置)に移動し
てきたウエハステージWSTのホルダとの間でウエハW
の受け渡しを行うロボットアーム(ウエハロード/アン
ロードアーム)21を備えている。
【0173】本実施形態の走査型露光装置10では、ア
ライメント系として、投影光学系PLを介さないでウエ
ハW上の各ショット領域毎に形成されたアライメントマ
ークや、基準マーク板FM上の基準マークを光学的に検
出するオフアクシス・アライメントセンサ(アライメン
ト光学系)が用いられている。このアライメント光学系
ALGは、図2に示されるように、投影光学系PLの側
方に配置されている。このアライメント光学系は、ウエ
ハW上のレジスト層に対して非感光性の照明光(一様照
明又はスポット照明)を対物レンズを通して照射し、ア
ライメントマークや基準マークからの反射光を対物レン
ズを介して光電的に検出する。光電検出されたマーク検
出信号は、信号処理回路68に入力されるが、この信号
処理回路68には、ウエハステージコントローラ78、
同期制御系80及び主制御装置50を介してレーザ干渉
計システム76の計測値が入力されている。そして、信
号処理回路68は、上記の光電検出されたマーク検出信
号を所定のアルゴリズムの下で波形処理し、この処理結
果とレーザ干渉計システム76の計測値とに基づいて、
マークの中心がアライメント光学系ALG内の検出中心
(指標マーク、撮像面上の基準画素、受光スリット、或
いはスポット光等)と合致するようなウエハステージW
STの座標位置(ショットアライメント位置)、或いは
検出中心に対するウエハマーク、基準マークの位置ずれ
量を求めるようになっている。その求められたアライメ
ント位置または位置ずれ量の情報は、主制御装置50に
送られ、ウエハステージWSTのアライメント時の位置
決め、ウエハW上の各ショット領域に対する走査露光の
開始位置の設定等に使われる。
【0174】さらに、本実施形態の走査型露光装置10
では、レチクルステージRSTとウエハステージWST
とを同期移動させるための同期制御系80が、制御系内
に設けられている。この同期制御系80は、特に走査露
光時に、レチクルステージRSTとウエハステージWS
Tとを同期移動させる際に、レチクルステージコントロ
ーラ33による駆動系29の制御とウエハステージコン
トローラ78による駆動系48の制御とを相互に連動さ
せるために、レチクルレーザ干渉計30、干渉計システ
ム76で計測されるレチクルRとウエハWの各位置や各
速度の状態をリアルタイムにモニタし、それらの相互の
関係が所定のものとなるように管理する。その同期制御
系80は、主制御装置50からの各種のコマンドやパラ
メータによって制御される。
【0175】さらに、本実施形態の走査型露光装置10
では、図1及び図2では図示を省略したが、実際には、
走査露光の際に質量RmのレチクルステージRSTの等
速移動の前後のプリスキャン時、オーバースキャン時に
発生する加減速度Arに応じて、質量Rmのレチクルス
テージRSTからレチクルベース定盤28に作用する反
力−Ar×Rmが脚部26を介して架台部16に伝わら
ないようにするために、リアクションアクチュエータ7
4が設けられている。
【0176】このリアクションアクチュエータ74は、
図6に示されるように、架台部16を支えるベース板B
Sに対し弾性体70でラフに位置決めされたリアクショ
ンフレーム72によって支持されており、レチクルステ
ージRST,レチクルベース定盤28等の重量によって
決定される重心部とほぼ同じ高さに配置されている。
【0177】リアクションアクチュエータ74として
は、実際には、左右一対のリアクションアクチュエータ
74L、74Rが設けられているが、図6ではこれらが
代表的にリアクションアクチュエータ74として示され
ている。このリアクションアクチュエータ74は、レチ
クルステージRSTの加減速時に、上記重心の横シフト
及び回転をキャンセルするように反力と反対の力をレチ
クルベース定盤28に与えるように、不図示の制御装置
により制御されるようになっており、これによりレチク
ル加減速時の振動が脚部26を介して架台部16に伝わ
らないようになっている。
【0178】このようなリアクションアクチュエータ
は、送りねじ方式のレチクルステージを用いる場合よ
り、リニアモータあるいは2次元磁気浮上型リニアアク
チュエータ等を用いる場合に、その必要性及び効果が高
いものと言える。
【0179】次に、図1に示される制御ラックの構成に
ついて説明する。
【0180】制御ラック14は、エキシマレーザ光源1
1及び露光装置本体12各部のユニット(照明光学系1
8、レチクルステージRST、ウエハステージWST、
搬送ロボット19等)の各々を個別に制御する分散型シ
ステムとして構築され、エキシマレーザ光源11を含む
各ユニット制御用のプロセッサ・ボードの複数を収納す
るプロセッサ・ボード・ラック部104、各プロセッサ
・ボードを統括的に制御する主制御装置(ミニコンピュ
ータ)50(図2参照)を収納するラック部、そしてオ
ペレータとのマン・マシン・インターフェイス用の操作
パネル106、及びディスプレイ108等を収納するラ
ック部等を積み重ねたシングル・ラック構成となってい
る。この制御ラック14によってエキシマレーザ光源1
1及び露光装置本体12の全体的な動作が管理される。
【0181】プロセッサ・ボード・ラック部104内の
各プロセッサ・ボードにはマイクロプロセッサ等のユニ
ット側コンピュータが設けられ、これらのユニット側コ
ンピュータが主制御装置(ミニコンピュータ)50と連
携することによって複数枚のウエハの一連の露光処理が
実行される。
【0182】その一連の露光処理の全体的なシーケンス
は主制御装置50内の不図示のメモリに記憶された所定
のプロセスプログラムに従って統括制御される。
【0183】プロセスプログラムはオペレータが作成し
た露光処理ファイル名のもとに、露光すべきウエハに関
する情報(処理枚数、ショットサイズ、ショット配列デ
ータ、アライメントマーク配置データ、アライメント条
件等)、使用するレチクルに関する情報(パターンの種
別データ、各マークの配置データ、回路パターン領域の
サイズ等)、そして露光条件に関する情報(露光量、フ
ォーカスオフセット量、走査速度のオフセット量、投影
倍率オフセット量、各種の収差や像歪みの補正量、照明
系のσ値や照明光NA等の設定、投影光学系のNA値設
定等)をパラメータ群のパッケージとして記憶するもの
である。
【0184】主制御装置50は、実行指示されたプロセ
スプログラムを解読してウエハの露光処理に必要な各構
成要素の動作を、対応するユニット側コンピュータにコ
マンドとして次々に指令していく。このとき、各ユニッ
ト側コンピュータは1つのコマンドを正常終了すると、
その旨のステータスを主制御装置50に送出し、これを
受けた主制御装置50はユニット側コンピュータに対し
て次のコマンドを送る。
【0185】このような一連の動作のなかで、例えば、
ウエハ交換のコマンドが主制御装置50から送出される
と、ウエハステージWSTの制御ユニットであるウエハ
ステージコントローラ78と、ウエハ搬送ロボット19
の制御ユニットとが協同して、ウエハステージWSTと
アーム21(ウエハW)とは図1のような位置関係に設
定される。
【0186】さらに主制御装置50内のメモリには、複
数のユーティリティソフトウェアが格納されている。そ
のソフトウェアの代表的なものは、投影光学系や照明
光学系の光学特性を自動的に計測し、投影像の質(ディ
ストーション特性、アス・コマ特性、テレセン特性、照
明開口数特性等)を評価するための計測プログラム、
評価された投影像の質に応じた各種の補正処理を実施す
るための補正プログラムの2種類である。
【0187】次に、可動型定盤38の役割及びその制御
方法等について、図5(A)、(B)を参照しつつ説明
する。図5(A)には、定盤22付近の概略平面図が示
され、図5(B)には図5(A)の矢印A方向から見た
概略正面図が示されている。図5(A)では、ウエハス
テージWSTが矢印Bの距離だけ移動した時の加減速に
よる可動型定盤38への反力による可動型定盤38の移
動距離が矢印Cにて示されている。
【0188】可動型定盤38の上面には、ウエハステー
ジWSTの下面(底面)に設けられた不図示の永久磁石
とともに平面磁気浮上型リニアアクチュエータ42を構
成する複数のコイル(図示省略)がXY2次元方向に張
り巡らされている。そして、ウエハステージWSTは、
平面磁気浮上型リニアアクチュエータ42によって可動
型定盤38の上方に浮上支持されるととももに、前記コ
イルに流す電流を制御することにより任意の2次元方向
に駆動される構成となっている。
【0189】同様に、定盤22の上面には、可動型定盤
38の下面(底面)に設けられた不図示の永久磁石とと
もに平面磁気浮上型リニアアクチュエータ44を構成す
る複数のコイル(図示省略)がXY2次元方向に張り巡
らされている。そして、可動型定盤38は、平面磁気浮
上型リニアアクチュエータ44によって定盤22の上方
に浮上支持されるととももに、前記コイルに流す電流を
制御することにより任意の2次元方向に駆動される構成
となっている。
【0190】この場合、ウエハステージWSTと可動型
定盤38、可動型定盤38と定盤22とは、それぞれ非
接触のため、それぞれの間の摩擦が非常に小さくなって
いる結果、ウエハステージWST、可動型定盤38を含
む系全体として運動量保存則が成立する。
【0191】従って、ウエハステージWSTの質量を
m、可動型定盤38の質量をMとし、ウエハステージW
STが可動型定盤38に対し速度vで移動すると、運動
量保存則から可動型定盤38は、これと反対方向にV=
mv/(M+m)の速度で定盤12に対し移動すること
となる。しかるに、加速度は速度の時間微分であるか
ら、ウエハステージWSTが加速度aで移動した場合
(力F=maが作用した場合)、可動型定盤38は力F
の反力により逆方向にA=ma/(M+m)の加速度を
受けることとなる。
【0192】この場合、ウエハステージWSTは可動型
定盤38上に載っているので、該ウエハステージWST
は、定盤22に対しv×(1−m/(M+m))の速
度、従ってa×(1−m/(M+m))の加速度で移動
する。このため、ウエハステージWSTの質量m(重量
mg)と可動型定盤38の質量M(重量Mg)とが近い
と所望のウエハステージWSTの加速度、最高速度を得
られなくなる。また、移動距離は速度に比例するため、
可動型定盤38の移動量が大きくなり、フットプリント
が悪化することとなる。
【0193】例えば、m:M=1:4とすると、12イ
ンチウエハ全面露光のために300mmウエハステージ
WSTを移動したい場合、前記式V=mv/(M+m)
より、300mmの1/5である60mm分の可動型定
盤38のストロークを確保することが必要になる。
【0194】そこで、本実施形態では、ウエハステージ
加速度、最高速度、フットプリントの悪化を1桁以下に
抑えるため、ウエハステージWSTの質量mと可動型定
盤38の質量Mの比がm:M=1:9以下になるよう
に、すなわちウエハステージWSTの重量が可動型定盤
38の重量の1/9以下になるように設定している。
【0195】また、可動型定盤38の必要ストロークを
小さくするために、ウエハステージコントローラ78で
は、可動型定盤38駆動用の平面磁気浮上型リニアアク
チュエータ44に対する制御応答を露光,アライメント
時とその他の時とで可変するようにしている。
【0196】これを更に詳述する。露光の際は、ウエハ
ステージWSTとレチクルステージRSTが同期して移
動するが、可動型定盤38駆動用の平面磁気浮上型リニ
アアクチュエータ44の制御応答を数Hzにて制御すれ
ば、数十Hzで制御されるウエハステージWST駆動用
の平面磁気浮上型リニアアクチュエータ42の可動型定
盤38に対する反力には殆ど追従できず、運動量保存則
から可動型定盤38が自由に運動してその反力を吸収し
てしまい、その反力の影響が外部に及ばない。
【0197】また、ウエハステージコントローラ78で
は、レチクルステージRSTの位置やウエハステージW
STの位置の変化にて露光装置本体12が全体的に傾い
た場合に、平面磁気浮上型リニアアクチュエータ44の
制御応答を数Hzにて制御することにより、その傾き方
向に可動型定盤38が移動する低周波位置ずれを防止す
るようになっている。
【0198】また、m:M=1:9に設定しても、ウエ
ハステージWSTが300mmフルに移動すれば、可動
型定盤38も30mm程度反対方向に動くが、ショット
露光間の非スキャン方向ステッピング長はせいぜい30
mm程度なので、その時の可動型定盤38の移動は3m
m程度である。そこで、本実施形態では、ウエハステー
ジコントローラ78が、スキャン露光後の同期制御性能
に影響を及ぼさないウエハステージ減速時(非スキャン
方向ステッピング加速時)に可動型定盤38駆動用の平
面磁気浮上型リニアアクチュエータ44のステッピング
と同方向応答周波数を数十Hzに上げ、可動型定盤38
の定盤22に対するXY方向の相対移動の位置を検出す
る位置計測装置としてのリニアエンコーダ45(図5
(B)参照)を用いたフィードバック制御により、可動
型定盤38がステッピング前の元の位置に戻るように制
御するようになっている。これにより、可動型定盤38
の移動量を小さくすることが可能となり(図5(A)中
の仮想線38’参照)、更に、その間可動型定盤38と
定盤22が固定状態と考えることができるので、ウエハ
加速度、最高速度も10%向上させることができる。
【0199】このような制御方法は、それ以外のアライ
メント間でのウエハステージWSTの移動や、ウエハを
交換する際のローディング位置への移動時にも同様に適
用することができる。
【0200】また、架台部16を支持する防振装置20
には、床振動等の高周波振動防止のためのエアパット及
び、それに伴う低周波振動除去のためのリニアアクチュ
エータが搭載されているが、レチクルステージRST、
ウエハステージWSTの位置により僅かに装置が傾くこ
とがある。この場合、防振装置20を構成する前記リニ
アアクチュエータに所定の電圧をかけ続けて傾きを修正
する必要があるが、常時アクチュエータに負荷をかける
ので、アクチュエータ等の部品の寿命を縮めることにな
る。このような場合に、本実施形態では、ウエハステー
ジコントローラ78が上記の如くして可動型定盤38を
所定量移動させて、装置全体の重心を強制することで、
装置傾きを修正し、リニアアクチュエータに負荷がかか
らないようにすることができ、アクチュエータ等の部品
の寿命を延ばすことが可能になる。
【0201】上記のような種々の工夫により、本実施形
態では、可動型定盤38の形状及びその移動範囲を、ウ
エハステージWSTの形状と移動範囲に応じて、図5
(A)中の実線及び仮想線でそれぞれ示すような頂点の
無い三角形状としている。この場合、ウエハステージW
STのスキャン方向(走査方向)は図5(A)中の紙面
上下方向である。本実施形態では、定盤22をほぼ正方
形に形成し、これを支持する4つの防振装置20を剛性
を上げるために4角形の配置としているが、スペースを
有効に生かすために、定盤22の形状を図5(A)中の
仮想線38’で示されるのと同様の形状にし、防振装置
20を図5(A)中の点線20’で示されるような3点
配置としても良い。これにより、明らかに、フットプリ
ントを改善することが可能である。但し、この場合に
は、防振装置の剛性を上げることが必要である。
【0202】次に、レチクルステージRSTとウエハス
テージWSTとを走査方向(Y方向)に相対移動させる
ステージ制御系(ウエハステージコントローラ78、レ
チクルステージコントローラ33、同期制御系80)に
よって行われる1つのショット領域の露光の際のウエハ
ステージの基本的な走査手順について図7を参照しつ
つ、簡単に説明する。
【0203】図7(A)には、投影光学系PLの有効フ
ィールドPL’に内接するウエハ上のスリット状の照明
領域(レチクルR上の照明領域と共役な領域;以下、
「照明スリット」という)STと1つの区画領域として
のショット領域S1との関係が平面図にて示され、図7
(B)には、ステージ移動時間とステージ速度との関係
が示されている。なお、実際には、ショット領域S1が
照明スリットSTに対して矢印Yの反対方向に移動する
ことで露光が行なわれるが、ここでは、図7(B)のス
テージ移動時間とステージ速度の関係表と対応付けるた
め、ウエハ上照明スリットSTがショット領域S1に対
し移動するように示されている。
【0204】まず、基本的(一般的な)走査手順として
は、ショット領域S1のショット端から所定量離れた位
置に照明スリットSTの中心Pが位置付けられ、ウエハ
ステージWSTの加速が開始される。ウエハステージW
STが所定の速度に近づいた時点で、レチクルRとウエ
ハWの同期制御が開始される。このウエハステージの加
速開始時点から同期制御の開始時点までの時間t1を、
加速時間と呼ぶ。同期制御開始後、ウエハとレチクルの
変位誤差が所定の関係になるまでレチクルステージRS
Tによる追従制御が行われ、露光が開始される。この同
期制御開始後、露光開始までの時間t2を、整定時間と
呼ぶ。
【0205】上記の加速開始から露光開始までの時間
(t1+t2)がプリスキャン時間と呼ばれる。加速時
間t1での平均加速度をa、整定時間をt2とすると、
プリスキャン時における移動距離は(1/2)・a・t
2 +a・t1・t2で表わされる。
【0206】また、等速移動により露光が行われる露光
時間t3は、ショット長をL、照明スリットSTの走査
方向の幅をwとした場合、t3=(L+w)/(a・t
1)となり、移動距離はL+wとなる。
【0207】このt3の終了時点でショット領域S1に
対するレチクルパターンの転写は終了するが、スループ
ット向上のため、ステップ・アンド・スキャン方式で
は、通常レチクルRを交互スキャン(往復スキャン)さ
せることで、順次次のショットに対する露光を行なうの
で、前記プリスキャンでの移動距離と同じ距離だけ、露
光終了時点から更にレチクルRを移動して、レチクルR
を次ショット露光のための走査開始位置まで戻す(従っ
て、これに対応してウエハWも走査方向に移動させる)
ことが必要である。このための時間が、等速度オーバー
スキャン時間t4、減速オーバースキャン時間t5であ
り、総じて(t4+t5)がオーバースキャン時間であ
る。このオーバースキャン時間における移動距離は、減
速オーバースキャン時間t5における減速度をbとする
と、−(1/2)・b・t52 −b・t5・t4とな
り、この距離が(1/2)・a・t12 +a・t1・t
2となるようにt4、t5、減速度bが設定される。
【0208】一般の制御系ではa=−bなので、t1=
t5、t2=t4に設定するのが最も容易な制御法とな
る。このように、スキャン露光では等速同期スキャンを
行なうために、プリスキャン距離及び、オーバースキャ
ン距離が必要となり、ウエハ周辺ショットを露光する場
合であっても、プリスキャン及びオーバースキャン時の
間で干渉計光束が反射面(移動鏡)から外れることがあ
ってはならない。そのため、反射面をその分長くしてお
く必要がある。
【0209】次に、図7(C)を用いて本実施形態にお
ける基板テーブルTBの各反射面の長さの設定について
説明する。図7(C)には、ウエハステージWST(基
板テーブルTB)が矢印Y方向にスキャンすることでウ
エハ周辺のショット領域Sを露光する場合のウエハ周辺
ショットSと移動鏡長延長分(L0,L1+L2,L
3)との関係が示されている。この図7(C)におい
て、干渉計ビームRIX1、RIX2の延長線がウエハ
W外周と交差する時の反射面60a、60cの長さが最
低必要な反射面の長さとなる。これに、ショットSがウ
エハW外周に欠けた状態で露光できるとした時の欠け分
仮想ショット長をL3、前述したプリスキャン及びオー
バースキャンに要する距離をL1+L2、干渉計ビーム
をXY面内で2本の測長ビームとした場合の該2本の測
長ビームの中心位置(点線部)と各測長ビームの中心ま
での距離と各ビーム半径と所定のマージンとの総和をL
0とすると、反射面の延長分はL0+L1+L2+L3
となり、その値が基板テーブルTBの三角形の頂点より
も小さくなるように、反射面の長さが設定されている。
これにより、スキャン露光時に反射面から測長ビームが
外れるという不都合を防止している。但し、ウエハ外周
でのショットはショット長L分完全に露光する必要は無
いので、ウエハ上に露光される部分のみを露光するよう
に制御することで、移動鏡の延長分をL0+L1+L2
としても良い。
【0210】1つのショット領域の露光の際のウエハス
テージの基本的な走査手順は、先に説明した通りである
が、隣接した複数のショット領域に順次レチクルパター
ンを転写する場合のウエハステージWST(基板テーブ
ルTB)の移動制御方法は、本発明の最大の特徴事項で
あるから、次に、これについて詳述する。ここでは、一
例として図8(A)に示される隣接したショットS1,
S2,S3を順次露光する場合について説明する。
【0211】図8(A)は、ショットS1,S2,S3
を順次露光する場合のウエハ上照明スリットSTの中心
Pが各ショット上を通過する軌跡を示したものである。
この図8(A)から明らかなように、ウエハステージコ
ントローラ78及び同期制御系80では、スキャン方向
(Y方向)へのウエハステージWSTのプリスキャン及
びオーバースキャンと、非スキャン方向(X方向)への
ウエハステージWSTのステッピングを同じタイミング
で行っている。これによって、ウエハステージWSTの
ショット間の移動距離を短縮し、従ってこれに要する移
動時間を短縮し、スループットの向上を図るためであ
る。
【0212】ところで、前述の如く、プリスキャン時間
にはレチクルRをウエハWに完全に追従させるための整
定時間t2が含まれるため、非スキャン方向に関する加
減速制御はできるだけ整定時間t2の開始時点より早く
終了していることが望ましい。これを実現するため、本
実施形態では、ウエハステージコントローラ78及び同
期制御系80では、露光終了に続くウエハステージWS
Tのスキャン方向での等速オーバスキャン時間t4の間
に、ウエハステージWSTの非スキャン方向でのステッ
ピングを開始することとしており、その等速オーバスキ
ャン時間t4分だけ早く非スキャン方向に発生する加減
速制御を終了するような制御を行う。図8(B)には、
この場合のウエハステージWSTのスキャン方向の速度
Vyと時間の関係が示され、図8(C)にはそれに対応
した非スキャン方向の速度Vxと時間の関係が示されて
いる。このウエハステージの移動制御方法によると、整
定時間t2の間はスキャン方向の同期制御のみに専念で
きるので、整定時間t2(従ってt4も)の短縮が可能
となる。
【0213】ここで、ステッピング方向をX軸、スキャ
ン方向をY軸とし、ショットS1の露光時スキャン速度
を−VY、ステッピング時最高速度をVXとした場合に
ついて、時間配分を各軸について具体的に考えるものと
する。
【0214】まずスキャン方向について考えると、ショ
ットS1の露光が終了して等速オーバスキャン時間t4
後に、ウエハステージWSTは減速(図8(A)中の−
Y方向に速度を有する時の+Y方向の加速)を開始す
る。このときの減速度をayとすると、図8(A)中の
点O(0,0)を基準点としてウエハステージWST
は、時間t4の間に−VY・t4だけスキャン方向に進
み、その後は、時間t4経過の時点を時間の基準点とし
て、−VY・t+(1/2)・ay・t2 というように
変化し、−VY・t+(1/2)・ay・t2 =−VY
・t・(1/2)を満足する時点、すなわちt=ty
=VY/ay(図8(B)参照)となった時点で別の区
画領域としてのショットS2に対するプリスキャンが開
始される分岐点B(図8(A)参照)となる。その後加
速期間は、加速開始点を時間の基準として1/2・ay
・t2 の軌跡を取り、ty 1=VY/ayとなるまで加
速し続け、その後、レチクルRとウエハWの同期制御期
間としてのt2を経て、露光が開始される。露光時間t
3はt3=(ショット長Ly+照明スリット幅w)/V
Yで表わされる。この時ウエハステージWSTの軌跡
は、放物線状となる。実際の放物線は、y=x2 又はy
=√xにて表されるが、ここではtを消去すると、x2
と√xが含まれる関数となるので、便宜上放物線状と
は、これらの関数も含めたものを示している。
【0215】次にステッピング方向を考えると、ショッ
トS1の露光が終了後すぐに、ウエハステージWSTは
加速を開始する。加速度をaxとすると、ウエハステー
ジWSTのX座標は図8(A)中の点O(0,0)を基
準点として(1/2)・ax・t2 となり、t=tx
=VX/ax(図8(C)参照)にて最高速度に達す
る。ここで、ステッピング長Lx≦ax・tx 2 の場
合は、tx 5=√(Lx/ax)の時点から減速(+X
方向に速度を有する時の−X方向の加速)を開始する。
その後減速期間は減速開始点を時間の基準点として、a
x・tx 5・t−(1/2)・ax・t2 のように変化
し、ax・tx 5・t−(1/2)・ax・t2 =(1
/2)・ax・tx 5・tとなる時点、すなわち減速開
始点から時間tx 5を経過する時点まで減速して停止す
る。
【0216】すなわち、スキャン方向は、図8(B)に
示されるように、前ショットの露光終了時点からt4+
y 5+ty 1+t2で次ショットの露光を開始する
が、ステッピング方向には図7(C)に示されるよう
に、前ショットの露光終了時点からtx5+t4+tx
1の時点では加減速が終了しており、これより、ty
=tx 1,ty 5=tx 5とした場合、前述の如くt2
=t4であることを考慮すると、スキャン方向の整定時
間t2における同期制御開始よりt4だけ早くステッピ
ング動作が終了することが分かる。
【0217】このことを、別の表現にすれば、スキャン
方向の速度がゼロとなる点、すなわち減速が終了して次
ショットの露光のための加速が開始される点である図8
(A)のB点(Bx,By)のX座標BxがショットS
1とS2の境界よりS2寄りとなるように、ウエハステ
ージWSTのスキャン方向のオーバースキャン及びプリ
スキャン動作に並行して、非スキャン方向のステッピン
グ動作が行われるように、ウエハステージコントローラ
78及び同期制御系80が、ウエハステージWSTの
X、Yそれぞれの方向の移動を制御するようになってい
るということである。
【0218】また、今までの説明ではステッピング時の
加速度を±axとしていたが、加速時のaxに対し減速
時の加速度を−bxとし、|−bx|<axとなる条件
に設定すれば、加速時と減速時とで加速度の大きさを同
一にした場合と比べると、ステッピング時間は長くかか
るものの、減速時の加速度の大きさそのものが小さくな
るので、その減速に伴うウエハステージWSTを含む装
置振動自体を小さく抑えられるという効果がある。従っ
て、非スキャン方向ステッピングが終了した時点におけ
る整定時間が短くなる。
【0219】また、上記の説明では、ステッピング長L
x≦ax・tx 2 の場合を説明したが、Lx>ax・
x 2 の場合、tx 6=(Lx−ax・tx 2 )/
VXを満足する時間tx6だけ最高速度VXにて走査後
に減速動作に入るようにウエハステージWSTのX方向
位置を制御すればよいこととなる。但し、いずれにして
もt4+ty 5+ty 1≧tx 5+tx 6+tx1とな
るように加速度ax,最高速度VXを設定することが重
要である。このようにすれば、ステッピング時間は全て
プリスキャン及びオーバスキャンと並行動作されること
となり、スループットが向上する。
【0220】すなわち、上記の図8(A)〜(C)を用
いて説明したウエハステージWST(基板テーブルT
B)の移動制御方法を採用した走査露光方法によると、
レチクルRとウエハWとを走査方向であるY方向(第1
方向)に同期移動して、ショットS1が走査露光された
後、X方向(非走査方向)に関する、ショットS1に隣
接するショットS2の位置にウエハWが到達する前に
(ショット間の非走査方向のステッピングが終了する前
の減速中に)ウエハWの走査方向の加速が開始され、レ
チクルRのパターンを用いてショットS2が走査露光さ
れる。換言すれば、ショットS1の露光の終了後にショ
ットS2への移動が開始されるがこの途中で走査方向に
ついてのウエハの加速が開始されるので、ショットS2
への非走査方向の移動時間に該ショットS2の露光のた
めの走査方向加速時間を少なくとも一部オーバーラップ
させることができ、ショットS2の位置にウエハWが到
達してからショットS2の露光のための走査方向の加速
が開始される従来例に比べてスループットを向上させる
ことができることは明らかである。
【0221】なお、図8の場合には、ウエハWの非走査
方向への加速は、ショットS1の走査露光終了後の走査
方向の等速移動時に開始されているが、これは走査方向
の整定時間t2における同期制御開始よりt4だけ早く
ステッピング動作が終了することを意図してこのように
したものであり、これに限らず、ウエハWの非走査方向
への加速をウエハWの減速中に開始するようにしても良
い。
【0222】この場合において、ウエハWは、ショット
S2の走査露光前に、走査方向と交差する方向に沿って
加速されて、走査方向の移動速度がウエハWの感度特性
に応じた速度に設定されているので、露光中はその速度
を維持しレチクルを同期制御すれば良いので、制御が容
易である。
【0223】また、図8の(B)、(C)から明らかな
ように、ウエハWは、ショットS1の走査露光とショッ
トS2の走査露光との間で、走査方向の移動速度と非走
査方向の移動速度との少なくとも一方が零とならないよ
うに移動されるので、ショットS1の走査露光とショッ
トS2の走査露光との間で、停止することなく移動が行
われ、その分スループットが向上する。
【0224】また、図8(A)から明らかなように、ウ
エハWは、ショットS1の走査露光とショットS2の走
査露光との間で、走査方向の移動速度が零となるB点の
X方向の位置がショットS1よりもショットS2に近く
なるように移動されていることから、上記の如く、ショ
ットS1とショットS2との間のウエハWの非走査方向
の加速度と減速度とが等しい場合であっても、必ずショ
ットS2露光の開始前のある一定時間(上記の例ではt
2)前には非走査方向の速度がゼロとなっている。従っ
て、ショットS1の走査露光とショットS2の走査露光
との間のウエハWの非走査方向の加速後の減速度を大き
くする必要がなく、露光開始時点でこの影響が残ること
がなく同期整定時間が不要に長くなることがない。
【0225】但し、ウエハWは、ショットS1の走査露
光とショットS2の走査露光との間で、必ずしも図8
(A)に示されるような移動軌跡で移動させる必要はな
く、例えば、ショットS1の走査露光終了後にウエハW
の走査方向の速度成分が零となるウエハの非走査方向の
位置(B点のX方向の位置)を、ショットS2のX方向
位置よりもショットS1側とし、かつショットS2を走
査露光するために、走査方向及び非走査方向に対して斜
めにウエハWを移動しても良い。あるいは、ショットS
1の走査露光とショットS2の走査露光との間で、ショ
ットS1の走査露光終了後の走査方向の速度成分が零と
なるウエハWの非走査方向位置(B点のX方向の位置)
が、ショットS1の非走査方向の位置とショットS2の
非走査方向の位置との間になるようにウエハWを移動し
ても良い。これらの場合には、ショットS1の走査露光
が終了すると、ウエハWは走査方向速度を減速しつつ非
走査方向への移動が行われ、ウエハWは曲線状(又は直
線状)の経路に沿って走査方向及び非走査方向に対し斜
めに移動される。従って、ショットS1の走査露光終了
後のウエハWの移動軌跡は従来のコ字経路に比べて短く
なり、最短距離に近い経路でウエハWが移動され、その
分スループットの向上が可能となる。なお、この場合、
ウエハWの移動軌跡はV字状であっても良いが、ショッ
トS1の走査露光とショットS2の走査露光との間でウ
エハWを停止することなく移動して、その軌跡を放物線
状(又はU字状)とすることが望ましい。
【0226】また、図8(A)、(図8(C))から明
らかなように、ショットS1の走査露光後に、走査方向
及び非走査方向と交差する方向にウエハWを加速後、所
定時間(t2+α)走査方向に定速移動した後に露光を
開始するので、露光開始後にウエハWの非走査方向の速
度成分が走査露光に影響を与えることがない。
【0227】また、この場合、ウエハWの走査方向及び
非走査方向と交差する方向への移動中に、従ってウエハ
Wの非走査方向の速度成分が零となる前に、レチクルR
の加速が開始されるので、ウエハが定速移動に移ってか
らレチクルRの加速が開始される場合に比べて、レチク
ルRとウエハWとが等速同期状態になるまでの時間が短
縮され、その分スループットの向上が可能である。な
お、前記の加速度、減速度(負の加速度)は、動作中の
平均加減速のことを指し、加減速を円滑に行うための加
減速マップ制御においても本実施形態と同等の効果があ
ることは言うまでもない。
【0228】次に、図9を用いて、図2の干渉計システ
ムを構成する第1〜第3の干渉計76X1、76Y、7
6X2の測長ビームの装置中での配置及びウエハステー
ジコントローラ78による基板テーブルTBのX、Y位
置及び回転の演算方法等について詳述する。図9は、ウ
エハWを交換するためのローディングポジションにウエ
ハステージWSTが位置する可動型定盤38近傍の平面
図である。
【0229】この図9に示されるように、XY座標系
(ステージ座標系)上でのウエハステージWSTの位置
をモニタするための干渉計76X1,76Y,76X2
は、平面視でそれぞれ測長ビームを2本有し、これら各
2本の測長ビームは、ヨーイング計測用にそれぞれ2本
の独立した光束として基板テーブルTBの3つの反射面
60a、60b、60cを照射している(なお、傾斜方
向計測用の干渉計測長ビームは図示が省略されてい
る)。
【0230】第1、第3の干渉計76X1,76X2か
らそれぞれ射出される一方の測長ビーム(第1測長軸R
IX11、第3測長軸RIX21の測長ビーム)の延長線及
び、第2の干渉計76Yから射出している2本の測長ビ
ームの中心線の延長線が交差する位置に投影光学系PL
の光軸が位置しており、また、干渉計76X1,76X
2からそれぞれ射出している残りの測長ビーム(第2測
長軸RIX12、第4測長軸RIX22の測長ビーム)の延
長線が交差する位置であって、第2の干渉計76Yから
射出している2本の測長ビームの中心線の延長線が交差
する位置に、アライメント光学系ALGの検出中心が位
置している。
【0231】この場合、ウエハステージコントローラ7
8では、常に、干渉計76Yから射出される2本の測長
ビームによるY軸方向位置の計測値y1,y2の平均値
(y1+y2)/2を基板テーブルTBのY位置として
算出する。すなわち、干渉計76Yの実質的な測長軸
は、投影光学系PLの光軸及びアライメント光学系AL
Gの検出中心を通るY軸である。この干渉計76Yから
射出される2本の測長ビームは、いかなる場合にも基板
テーブルTBの第2反射面60bから外れることがない
ようになっている。また、基板テーブルTBの回転(ヨ
ーイング)は、干渉計76X1,76X2、76Yのい
ずれの各2つの計測値を用いても求めることはできる
が、後述するように、アライメントの際に干渉計76X
1,76X2の測長ビームの1本が基板テーブル反射面
から外れる可能性があるため、ウエハステージコントロ
ーラ78では、基板テーブルTBの回転も干渉計76Y
から射出される2本の測長ビームによるY軸方向位置の
計測値のy1,y2の差に基づいて演算するようになっ
ている。なお、干渉計76X1,76X2、76Yのそ
れぞれの計測値に基づいて各々回転を求められる場合に
は、ウエハステージコントローラ78では、それぞれ求
めた回転量の任意のいずれか、あるいは任意の2つ又は
3つの加算平均により回転を求めるようにしても良い。
【0232】また、本実施形態では、第1の干渉計76
X1は、Y軸方向に対して所定角度θ1(θ1はここで
は−60°)傾斜した方向の干渉計ビームRIX1を第
1反射面60aに垂直に照射し、第3の干渉計76X2
は、Y軸方向に対して所定角度θ2(θ2はここでは+
60°)傾斜した方向の干渉計ビームRIX2を第3反
射面60cに垂直に照射する。
【0233】従って、干渉計ビームRIX1の反射光に
基づいて計測される計測値をX1、干渉計ビームRIX
2に基づいて計測される計測値をX2とすると、次式
(1)により、ウエハステージWSTのX座標位置を求
めることができる。 X={(X1/sinθ1)−(X2/sinθ2)}×(1/2)…(1)
【0234】この場合、干渉計ビームRIX1とRIX
2とは、Y軸に関して対称な方向となっているので、s
inθ1=sinθ2=sinθであるから、 X=(X1−X2)/(2sinθ)…(1’) によりウエハステージWSTのX座標位置を求めること
ができる。
【0235】但し、いわゆるアッベ誤差が生じないよう
にすることが重要であるから、ウエハステージコントロ
ーラ78では、露光時には干渉計76X1、76X2か
ら投影光学系PLの光軸に向けてそれぞれ射出される第
1、第3測長軸の測長ビームの計測値を用いて、上式
(1)’によりウエハステージWSTのX位置を演算
し、アライメント時には干渉計76X1、76X2から
アライメント光学系ALGの検出中心に向けてそれぞれ
射出される第2、第4測長軸の測長ビームの計測値を用
いて、上式(1)’によりウエハステージWSTのX位
置を演算するようになっている。
【0236】但し、ウエハステージWSTの走査方向に
対して、第1、第3反射面60a、60cの傾きが予め
定められた角度(θ1+90°)、(θ2−90°)に
それぞれなるように設定する必要がある。予め第1、第
3反射面60a、60cの傾きがそのようになるように
調整し、その後、ウエハステージWST上の基準マーク
板FMを用いたレチクルアライメント時にθ1及びθ2
の残留傾き差を計測し、その差分に基づいて、上記式
(1)又は(1)’で求めたXを補正することで安定し
たステージ位置の計測を行なうことができる。
【0237】また、本実施形態の場合、従来の2方向干
渉計と異なり、相互に120°回転した位置に各干渉計
光束があるので、一方向から干渉計光路用空調を行なう
と、少なくとも1ヶ所はウエハステージWSTの影に隠
れて空調が困難となる。そのため、3ヶ所の内、少なく
とも2ヶ所に対して独立に空調を行なう吹き出し口をを
設けており、3ヶ所の干渉計光束に対し淀みなく温調さ
れた気体を送風できるような構成となっている。この送
風方法としては干渉計側からステージに向けて送風する
光束平行空調方法と、光束の上から下に向けて送風する
光束直交空調方法があるが、熱源の位置に応じて熱源が
風下にくるように、各軸独立に空調方法を選択すれば良
い。
【0238】次に、本実施形態の走査型露光装置10に
おけるウエハ交換から露光終了までの動作を、ウエハス
テージWSTに関する動作を中心として図9〜図12を
参照しつつ説明する。
【0239】図9に示されるウエハローディング位置で
は、干渉計システム76の全ての干渉計からの全ての測
長ビームが基板テーブルTBのそれぞれの反射面に照射
されている。これは、ウエハ交換と同時に基準マーク板
FM上の異なるマークを投影光学系PL内を透過する露
光光を用いる不図示のレチクルアライメントセンサと、
前記アライメント光学系(オフアクシス・アライメント
センサ)ALGとにより同時に観察できるように、基準
マーク板FMを基板テーブルTBの三角形頂点部の一端
に配置したため、このときに測長ビームが基板テーブル
TBのそれぞれの反射面から外れないようにしたもので
ある。これにより、ウエハ交換と同時に、アンロードさ
れる露光済みウエハの露光の際に、反射面(移動鏡)か
らその測長ビームが外れたアライメント光学系ALG用
の干渉計のリセット動作、レチクルアライメント及びベ
ースライン計測を行なうことが可能になっている。この
レチクルアライメント、ベースライン計測には特開平7
−176468号公報に開示されるクイックアライメン
トモードが使用される。図9には、ウエハW上の1回の
スキャンで露光可能なショットを実線で書き入れてお
り、四角形の破線は、プリスキャン、オーバースキャン
でウエハステージWSTが移動しなければならない位置
を示している。
【0240】上記のウエハ交換及びベースライン計測が
終了した時点でアライメント、例えば特開昭61−44
429号公報に開示されるエンハンスド・グローバル・
アライメント(EGA)によるサンプルアライメントが
実行される。すなわち、ウエハステージWSTは、図1
0のウエハW上に記入された矢印(→)に従った順序
で、ウエハ上の少なくとも3つのショット(図10では
8個のショット)にそれぞれ形成されたアライメントマ
ークがアライメント光学系ALGで検出されるように移
動されるとともに、各マーク検出位置におけるウエハス
テージWSTの位置、すなわちアライメント光学系AL
Gの検出中心点(又は光軸)を測長軸が通る干渉計の計
測値を用いて、代表的な複数のマークの位置を計測す
る。この場合のアライメントマークの計測順序は次のよ
うにして決められる。
【0241】すなわち、ウエハの露光終了がローディン
グ位置に近い左上ショットとなるので、最もスループッ
トが早い完全交互スキャンを行なった時に、総露光ショ
ット行が偶数行の場合は左下ショット、奇数行の場合は
右下ショットが露光開始点となる。従って、基準マーク
板FMでの計測後、その位置に近いショットからアライ
メントが開始され露光開始ショット位置に近い位置でア
ライメントが終了するような効率の良い(処理時間が早
い)アライメントマークの計測順序をウエハステージコ
ントローラ78では決定するのである。
【0242】上記の計測順序に従ったEGA計測が終了
すると、ウエハステージコントローラ78によりウエハ
ステージWSTの位置計測に用いる干渉計の測長軸が露
光用干渉計光軸(第1、第3測長軸)に切り換えられた
後、ウエハW上の複数ショット領域に対するステップ・
アンド・スキャン方式の露光が開始される。この場合、
図11にも示されるように、総露光行が偶数行なので、
左下より露光が開始され、順次交互にスキャン露光が行
なわれる。最初の1行が左→右の順で露光されると、次
の行は右→左へと交互にステッピングが行なわれ、最終
的に図12のように左上の露光が終了した時点で、図9
のウエハ交換位置までウエハステージWSTが移動する
という動作を繰り返すというシーケンスとなる。上記の
交互スキャンの際に、前述した効率の良いステッピング
制御が行われることは、図11及び図12からも分かる
通りである。
【0243】なお、上記のウエハW上のショット領域に
レチクルRとウエハWとを同期移動して、ウエハW上の
複数のショット領域S1、S2、S3、……にレチクル
Rのパターンを順次転写するステップ・アンド・スキャ
ン方式の走査露光方法において、レチクルRの往復移動
によってレチクルRのパターンが転写されるウエハW上
の任意の2つのショット領域、例えばショットS1、S
2の走査露光間でウエハWを停止することなく移動する
ことが望ましい。この場合には、ウエハW上の順次レチ
クルRのパターンが転写される隣接領域例えばショット
S1、S2の走査露光間でウエハWが停止することがな
いので、その部分に関してはより一層スループットが向
上するからである。
【0244】この意味からすれば、ウエハWは、レチク
ルRのパターンを転写すべきウエハW上の最後のショッ
ト領域の走査露光が終了するまで、ウエハWの走査方向
及び非走査方向の少なくとも一方の速度成分が零となら
ないように移動されることがより望ましい。かかる場合
には、結果的に複数ショット領域の全てにステップ・ア
ンド・スキャン方式の走査露光が行われる間ウエハが停
止することがないので、最もスループットが向上するか
らである。
【0245】以上説明したように、本実施形態の走査型
露光装置10では、レチクルRとウエハWの露光前のウ
エハ助走(加速時間)によるプリスキャン及び、ウエハ
の露光後の等速移動時間と減速時間によるオーバスキャ
ンと同期して次のショットを露光するためのウエハの非
走査方向(非スキャン方向)へのステッピングを行い、
非スキャン方向へのステッピング動作が、ウエハプリス
キャンから露光動作に移るまでの整定時間前には終了す
ることとしたので、スキャン前後のプリスキャン、オー
バースキャン時間を隣のショットにステッピングするス
テッピング時間に完全にオーバーラップさせることがで
き、プリスキャン、オーバースキャン動作と隣のショッ
トにステッピングするステッピング動作とが別々に行わ
れていた従来例に比べて、スループットを向上させるこ
とができる。また、整定時間ではスキャン方向のウエハ
とレチクルとの同期制御のみを行えば良いので結果的に
整定時間を短縮することができ、その分スループットを
向上させることが可能となる。
【0246】また、本実施形態では、ウエハの露光後の
等速移動時間と減速時間によるオーバスキャンに対応す
る部分の非スキャン方向加速度が、ウエハ助走(加速時
間)によるプリスキャンに対応する部分の非スキャン方
向負の加速度より絶対値が大きくなるような制御も可能
なので、高加速によるボディの揺れ等を同期制御のため
の整定時間前には完全に減衰させられるため、その分制
御性が良くなり、スループットを向上させることが可能
となる。
【0247】また、本実施形態に係る走査型露光装置1
0によると、露光時に、ウエハWの非走査方向の位置
を、走査方向であるY軸に対してそれぞれθ1、θ2の
角度を成す2つの異なる方向に光軸を有する第1、第3
の干渉計76X1、76X2の計測値に基づいて演算で
求め、ウエハWの走査方向の位置はY軸方向の測長軸を
有する第2の干渉計76Yにて測長を行なうようにした
ので、基板テーブルTB(従ってウエハステージWS
T)の形状を三角形状(上記実施形態では正三角形状)
にすることが可能となる。これにより、図13に示され
るように、高加減速、最高速度上昇時にも従来の四角形
形状のステージst3に比べて、ウエハステージWST
の軽量化を図れるとともに、フットプリントを改善し、
スループットを向上させることができる。図13は、干
渉計多軸化及びプリスキャン、オーバースキャンによっ
て図中に矢印(→)にて表示される干渉計光軸がケラレ
ないようにするための移動鏡距離悪化分Dx,Dyによ
り、四角形形状ステージst3が、ウエハを保持するた
めに必要最低限の大きさの四角形形状ステージst1に
比べて著しく大きくなっているのに対し、本実施形態の
ステージWSTでは同じDx,Dyの距離悪化分があっ
てもステージ形状は、四角形形状ステージst3に比べ
てはるかに小さいもので済むことを示している。
【0248】また、走査方向の位置を計測する第2の干
渉計76Yの計測値に基づきウエハステージWSTのヨ
ーイングを算出するようにしたので、そのヨーイング量
を露光時のウエハステージ回転誤差としてレチクルRを
保持するレチクルステージ側で補正することが可能であ
るから、ウエハステージWSTに回転制御機構が不要と
なり、その分ウエハステージを軽量化することができ
る。
【0249】また、第1、第3の干渉計76X1、76
X2のそれぞれの1光軸(第1測長軸、第3測長軸)の
延長した交点は投影光学系PLの光軸と一致し、それぞ
れ他方の光軸(第2測長軸、第4測長軸)の延長した交
点はアライメント光学系ALGの検出中心と一致させて
いるので、露光時及びアライメント時にもアッベ誤差の
ないステージ位置の計測が可能となり、重ね合わせ精度
が向上する。
【0250】また、第1、第2及び第3の干渉計はウエ
ハWを保持するウエハステージWSTのそれぞれ異なる
側面に形成された第1、第2及び第3反射面との距離を
測長し、ウエハステージ周辺の露光時に、レチクルRと
ウエハWの相対走査時にウエハの助走,等速移動までの
整定時間によるプリスキャン距離及び、ウエハWの露光
後の等速移動時間及び減速時間によるオーバスキャン距
離により各干渉計光軸がウエハステージWSTのそれぞ
れ異なる第1、第2及び第3反射面から外れないよう
に、ウエハステージWSTの加速度及び、最高速度、整
定時間を決定することとしたので、余分に反射面を延ば
す必要がない。このため、ウエハステージ(基板テーブ
ルTB)の3つの側面の範囲内に反射面を設定できるの
で、ウエハステージWSTのバランスが良くなり、ステ
ージ剛性を高めることが可能となり、その結果、ウエハ
ステージのフォーカス,チルト制御応答を向上させるこ
とができる。
【0251】また、前記第1、第2及び第3の各干渉計
光軸が前記ウエハステージのそれぞれ異なる第1、第2
及び第3反射面から外れないウエハステージ上の位置
に、ベースライン計測、結像特性計測、照射量計測を行
なう基準マーク板FM及び空間像検出器KESを配置す
ることとしたので、基準マーク板FM及び空間像検出器
KESによる計測のために移動鏡(あるいは反射面)を
延ばす必要が無くなることもウエハステージWSTの軽
量化につながる。
【0252】また、ウエハステージWSTを駆動するた
めの駆動系が設置された可動型定盤38はウエハステー
ジWSTの移動時加減速に伴う反力に応じて移動するよ
うに構成したので、ウエハステージWSTの重心移動に
よる偏荷重を可動型定盤38の重心移動によりキャンセ
ルすることが可能となり、これにより防振装置20の負
荷を軽減することができるとともに、偏荷重によるボデ
ィの歪を最小限に抑えることが可能となり、レチクルR
とウエハWの位置決め精度を向上させることができる。
【0253】また、前記可動型定盤38は数Hzの応答
周波数で駆動制御可能であり、ウエハステージWSTの
移動の際の加減速時にはその反力を打ち消すように駆動
制御し(自由に運動させ)、また、ステージ姿勢(偏荷
重)により可動型定盤38が任意の方向に移動しないよ
うに前記応答周波数で制御することもできるので、レチ
クルの位置可変や、環境変化による偏荷重の防止が可能
となる。
【0254】更に、ウエハステージWSTの重量が可動
型定盤38の重量の1/9以下になるように設定されて
いるので、可動型定盤38がウエハステージWSTの移
動時加減速に伴う反力に応じて移動する距離が、ウエハ
ステージWSTの移動距離の1/10以下になり、可動
型定盤38の必要移動範囲を小さく設定することができ
る。
【0255】また、位置制御精度を必要とする露光及び
アライメント前の可動型定盤38の応答周波数と、それ
以外の応答周波数を可変とし、可動型定盤38は2方向
の位置がリニアエンコーダ45によってモニタされてお
り、位置制御精度を必要とする露光及びアライメント以
外の駆動動作時に可動型定盤38の位置を所定の位置に
補正することとしたので、ウエハ加減速時の反作用にて
可動型定盤38が逆方向に移動する距離を1桁以上少な
くすることができる。すなわち、露光及びアライメント
時に高精度で制御することが可能な上に、その他の条件
にて可動型定盤38の位置を任意の位置に設定し直すこ
とが可能となり、フットプリントを小さくすることがで
きる。
【0256】なお、上記実施形態では、本発明に係る走
査露光方法を図8(A)〜(C)を用いて詳細に説明し
たが、本発明がこれに限定されないことは勿論である。
先の説明中と同一の符号をもって、他の例を説明すれ
ば、ショットS1の走査露光終了後に、ウエハWの走査
方向の移動速度が零となるまで、ウエハWを減速させつ
つ走査方向と交差する方向に移動し、かつショットS2
の走査露光前に、ウエハWを加速させつつ走査方向と交
差する方向に移動しても良い。このようにすれば、ショ
ットS1の走査露光終了後に、ウエハWはV字状の経路
に沿って移動されるので、最短距離に近い経路でウエハ
Wが移動され、その分スループットの向上が可能とな
る。あるいは、ショットS1の走査露光終了後のウエハ
Wの減速中、及びショットS2の走査露光前のウエハW
の加速中に、ウエハWを走査方向及び非走査方向と交差
する方向に移動しても良い。かかる場合にも、結果的に
ウエハWはV字状の経路に沿って移動されるので、最短
距離に近い経路でウエハが移動され、その分スループッ
トの向上が可能となる。
【0257】これらの場合も、ウエハWは、ショットS
1の走査露光とショットS2の走査露光との間で停止す
ることなく移動されることが望ましいことは言うまでも
ない。
【0258】なお、上記実施形態では、ウエハステージ
WSTとして正三角形状のステージを採用し、これに合
わせて3つの異なる方向からそれぞれウエハステージW
STの位置を計測する第1〜第3の干渉計から成る干渉
計システムを採用した場合について説明したが、これ
は、本発明の目的であるスループットの向上をより効果
的に達成しようとの観点からこのようにしたものであっ
て、本発明がこれに限定されないことは勿論である。す
なわち、通常の正方形、長方形のウエハステージであっ
ても、本発明は上記実施形態と同様に好適に適用でき、
スループットの向上という効果は、程度の差こそあれ十
分に得られるものである。
【0259】また、上記実施形態では、ウエハステージ
WSTが移動ステージ52、レベリング駆動機構、基板
テーブルTB等を備えた場合について説明したが、本発
明がこれに限定されることはなく、例えば、単なる板状
の部材を基板ステージとして用いても構わない。かかる
板状部材であっても、いわゆる2次元平面モータ(Z駆
動コイルを備えたもの)等を用いれば、XY平面に対す
る傾斜駆動、Z方向駆動は可能だからである。
【0260】また、上記実施形態では、第1〜第3反射
面60a、60b、60cの全てを基板テーブルTBの
側面に鏡面加工にて形成する場合について説明したが、
本発明がこれに限定されるものではなく、いずれか任意
の1つ又は2つを平面鏡から成る移動鏡の反射面にて構
成しても構わないことは勿論である。
【0261】なお、上記実施形態では、投影光学系PL
として、石英や螢石を光学硝材とした屈折光学素子(レ
ンズ)のみで構成される縮小投影レンズを用いる場合に
ついて説明したが、本発明がこれに限定されることはな
く、その他のタイプの投影光学系であっても全く同様に
適用できるものである。そこで、図14を参照して、そ
の他のタイプの投影光学系について簡単に説明する。
【0262】図14(A)は、屈折光学素子(レンズ
系)GS1〜GS4、凹面鏡MRs、ビームスプリッタ
PBSを組み合わせた縮小投影光学系であり、この系の
特徴はレチクルRからの結像光束を大きなビームスプリ
ッタPBSを介して凹面鏡MRsで反射させて再びビー
ムスプリッタPBSに戻し、屈折レンズ系GS4で縮小
率を稼いで投影像面PF3(ウエハW)上に結像する点
であり、詳しくは特開平3−282527号公報に開示
されている。
【0263】図14(B)は、屈折光学素子(レンズ
系)GS1〜GS4、小ミラーMRa、凹面鏡MRsを
組み合わせた縮小投影光学系であり、この系の特徴は、
レチクルRからの結像光束を、レンズ系GS1,GS
2,凹面鏡MRsからなるほぼ等倍の第1結像系PL
1、偏心配置の小ミラーMRa、そしてレンズ系GS
3,GS4で構成されてほぼ所望の縮小率を持った第2
結像系PL2を通して投影像面PF3(ウエハW)上に
結像させる点であり、詳しくは特開平8−304705
号公報に開示されている。
【0264】なお、上記実施形態では、アライメント光
学系としてオフアクシス・アライメントセンサALGを
用いる場合について説明したが、これに限らず、TTL
(スルー・ザ・レンズ)タイプ等のオンアクシス・アラ
イメント光学系を用いても勿論良い。かかる場合には、
第2の干渉計76Yと同様に、第1、第3の干渉計76
X1、76X2から射出している2本の光束(測長ビー
ム)の中心線の延長線が交差する位置に投影光学系PL
の光軸が位置するようにし、3ヶ所全ての2軸光束で計
測した結果の差分の平均値によりウエハステージヨーイ
ングを決定すれば、ヨーイング計測精度が1/√3に向
上する。
【0265】ところで、本発明者は、主として二重露光
の際のスループットを向上させようとの観点から、ウエ
ハステージ(基板ステージ)を2つ備え、一方のウエハ
ステージ上のウエハに対する露光動作中に、他方のウエ
ハステージ上でウエハ交換、アライメント等の他の動作
を並行して行なう露光装置を先に提案した(特開平10
−163097号公報、特開平10−163098号公
報等参照)。これらの公報に記載の露光装置は、二重露
光でなく、通常の露光に用いれば、二重露光の場合より
更にスループットが向上することは明らかである。ま
た、これらの公報に記載の露光装置に、上記第1の実施
形態で説明した走査露光方法を採用すると、通常露光及
び二重露光のいずれの場合であっても、更に一層スルー
プットの向上を図ることが可能である。
【0266】しかしながら、かかる場合には、特開平1
0−163098号公報に記載のように、一方のウエハ
ステージ側と他方のウエハステージ側との動作を、お互
いに影響を与えないような動作同士を同期させて行う等
の制御上の工夫に加え、上記第1の実施形態で説明した
ようなウエハステージの制御を行わなければならいの
で、ステージ制御系の制御プログラムが大変複雑なもの
になってしまう。かかる不都合を改善すべくなされたの
が、次の第2の実施形態である。
【0267】《第2の実施形態》次に、本発明の第2の
実施形態を図15〜図19に基づいて説明する。
【0268】図15には、第2の実施形態に係る露光装
置110の概略構成が示されている。ここで、前述した
第1の実施形態と同一若しくは同等の部分については、
同一の符号を用いるとともにその説明を簡略にし、若し
くは省略するものとする。この露光装置110は、いわ
ゆるステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の投
影露光装置である。
【0269】この露光装置110は、基板としてのウエ
ハW1、W2をそれぞれ保持して独立して2次元方向に
移動する第1可動体としての2つの正方形のウエハステ
ージWST1、WST2を備えたステージ装置101、
このステージ装置101の上方に配置された投影光学系
PL、投影光学系PLの上方でマスクとしてのレチクル
Rを主として所定の走査方向、ここではY軸方向(図1
5における紙面直交方向)に駆動するレチクル駆動機
構、レチクルRを上方から照明する照明光学系18及び
これら各部を制御する制御系等を備えている。
【0270】前記ステージ装置101は、前記架台部
(第1コラム)16を構成する定盤22と、この定盤2
2上にXY面内で相対移動可能に支持された第2可動体
としての長方形の可動型定盤138と、この可動型定盤
138上にXY面内で該可動型定盤138に対して相対
移動可能に支持された前記2つのウエハステージWST
1、WST2と、ウエハステージWST1、WST2の
位置を計測する干渉計システムとを備えている。可動型
定盤138としては、前述した第1の実施形態の可動型
定盤38と同様の構成のものが用いられている。なお、
この可動型定盤138の役割等については更に後述す
る。
【0271】ウエハステージWST1、WST2は、投
影光学系PL下方で可動型定盤138上に設けられた駆
動装置としての平面磁気浮上型リニアアクチュエータ4
2a、42bによってそれぞれ浮上支持されるととも
に、投影光学系PLの光軸AXと直交するXY2次元平
面内で相互に独立して駆動されるようになっている。ま
た、可動型定盤138は、ウエハステージWST1、W
ST2と同様に、定盤22上に設けられた第2の駆動装
置としての平面磁気浮上型リニアアクチュエータ44に
よって浮上支持されるとともに、XY2次元平面内で自
在に駆動されるようになっている。なお、平面磁気浮上
型リニアアクチュエータ42a、42b、44は、図1
5のステージ制御装置160によって制御されるように
なっている。
【0272】前記ウエハステージWST1、WST2上
には、不図示のウエハホルダを介してウエハW1、W2
が静電吸着又は真空吸着等により固定されている。ウエ
ハホルダは、不図示のZ・θ駆動機構によって、XY平
面に直交するZ軸方向及びθ方向(Z軸回りの回転方
向)に微小駆動されるようになっている。また、ウエハ
ステージWST1、WST2の上面には、種々の基準マ
ークが形成された基準マーク板FM1、FM2がウエハ
W1、W2とそれぞれほぼ同じ高さになるように設置さ
れている。これらの基準マーク板FM1、FM2は、例
えば各ウエハステージの基準位置を検出する際に用いら
れる。
【0273】また、図16に示されるように、ウエハス
テージWST1のX軸方向一側の面(図15における左
側面)120とY軸方向一側の面(図15における紙面
奥側の面)121とは、鏡面仕上げがなされた反射面と
なっており、同様に、ウエハステージWST2のX軸方
向他側の面(図15における右側面)122とY軸方向
一側の面123とは、鏡面仕上げがなされた反射面とな
っている。これらの反射面に、後述する干渉計システム
を構成する各測長軸(BI1X、BI2X等)の干渉計
ビームが投射され、その反射光を各干渉計で受光するこ
とにより、各反射面の基準位置(一般には投影光学系側
面やアライメント光学系の側面に固定ミラーを配置し、
そこを基準面とする)からの変位を計測し、これによ
り、ウエハステージWST1、WST2の2次元位置が
それぞれ計測されるようになっている。なお、干渉計シ
ステムの測長軸の構成については、後に詳述する。
【0274】投影光学系PLのX軸方向の両側には、図
15に示されるように、同じ機能を持ったオフアクシス
(off-axis)方式のアライメント系124a、124b
が、投影光学系PLの光軸中心(レチクルパターン像の
投影中心と一致)よりそれぞれ同一距離だけ離れた位置
に設置されている。これらのアライメント系124a、
124bは、LSA(Laser Step Alignment)系、FI
A( Filed Image Alignment)系、LIA(Laser Inte
rferometric Alignment )系の3種類のアライメントセ
ンサを有しており、基準マーク板上の基準マーク及びウ
エハ上のアライメントマークのX、Y2次元方向の位置
計測を行うことが可能である。
【0275】ここで、LSA系は、レーザ光をマークに
照射して、回折・散乱された光を利用してマーク位置を
計測する最も汎用性のあるセンサであり、従来から幅広
いプロセスウエハに使用される。FIA系は、ハロゲン
ランプ等のブロードバンド(広帯域)光でマークを照明
し、このマーク画像を画像処理することによってマーク
位置を計測するセンサであり、アルミ層やウエハ表面の
非対称マークに有効に使用される。また、LIA系は、
回折格子状のマークに周波数をわずかに変えたレーザ光
を2方向から照射し、発生した2つの回折光を干渉させ
て、その位相からマークの位置情報を検出するセンサで
あり、低段差や表面荒れウエハに有効に使用される。
【0276】本第2の実施形態では、これら3種類のア
ライメントセンサを、適宜目的に応じて使い分け、ウエ
ハ上の3点の一次元マークの位置を検出してウエハの概
略位置計測を行ういわゆるサーチアライメントや、ウエ
ハ上の各ショット領域の正確な位置計測を行うファイン
アライメント等を行うようになっている。
【0277】この場合、アライメント系124aは、ウ
エハステージWST1上に保持されたウエハW1上のア
ライメントマーク及び基準マーク板FM1上に形成され
た基準マークの位置計測等に用いられる。また、アライ
メント系124bは、ウエハステージWST2上に保持
されたウエハW2上のアライメントマーク及び基準マー
ク板FM2上に形成された基準マークの位置計測等に用
いられる。
【0278】これらのアライメント系124a、124
bを構成する各アライメントセンサからの情報は、アラ
イメント制御装置180によりA/D変換され、デジタ
ル化された波形信号を演算処理してマーク位置が検出さ
れる。この結果が主制御装置190に送られ、主制御装
置190からその結果に応じてステージ制御装置160
に対し露光時の同期位置補正等が指示されるようになっ
ている。
【0279】また、図示は省略されているが、投影光学
系PL、アライメント系124a、124bのそれぞれ
には、上記特開平10−163098号公報に開示され
るような、合焦位置を調べるためのオートフォーカス/
オートレベリング(AF/AL)計測機構が設けられて
いる。
【0280】次に、レチクル駆動機構について、図15
及び図16に基づいて説明する。
【0281】このレチクル駆動機構は、レチクルベース
定盤28上をレチクルRを保持してXYの2次元方向に
移動可能なレチクルステージRSTと、このレチクルス
テージRSTを駆動する不図示のリニアモータ等から成
る駆動系29と、レチクルステージRSTに固定された
移動鏡31を介してレチクルステージRSTの位置を計
測するレチクルレーザ干渉計30とを備えている。
【0282】これを更に詳述すると、レチクルステージ
RSTには、図16に示されるように、2枚のレチクル
R1、R2がスキャン方向(Y軸方向)に直列に設置で
きるようになっており、このレチクルステージRST
は、不図示のエアーベアリング等を介してレチクルベー
ス定盤28上に浮上支持され、駆動系29によりX軸方
向の微小駆動、θ方向の微小回転及びY軸方向の走査駆
動がなされるようになっている。なお、駆動系29は、
リニアモータを駆動源とする機構であるが、図15では
図示の便宜上及び説明の便宜上から単なるブロックとし
て示しているものである。このため、レチクルステージ
RST上のレチクルR1、R2が例えば二重露光の際に
選択的に使用され、いずれのレチクルについてもウエハ
側と同期スキャンできるような構成となっている。
【0283】レチクルステージRST上には、X軸方向
の他側の端部に、レチクルステージRSTと同じ素材
(例えばセラミック等)から成る平行平板移動鏡31X
がY軸方向に延設されており、この移動鏡31XのX軸
方向の他側の面には鏡面加工により反射面が形成されて
いる。この移動鏡31Xの反射面に向けて測長軸BI6
Xで示される干渉計(図示省略)からの干渉計ビームが
照射され、その干渉計ではその反射光を受光して基準面
に対する相対変位を計測することにより、レチクルステ
ージRSTの位置を計測している。ここで、この測長軸
BI6Xを有する干渉計は、実際には独立に計測可能な
2本の干渉計光軸を有しており、レチクルステージのX
軸方向の位置計測と、ヨイーング量の計測が可能となっ
ている。この測長軸BI6Xを有する干渉計の計測値
は、後述するウエハステージ側の測長軸BI1X、BI
2Xを有する干渉計116、118からのウエハステー
ジWST1、WST2のヨーイング情報やX位置情報に
基づいてレチクルとウエハの相対回転(回転誤差)をキ
ャンセルする方向にレチクルステージRSTを回転制御
したり、X方向同期制御を行うために用いられる。
【0284】一方、レチクルステージRSTの走査方向
(スキャン方向)であるY軸方向の他側(図15におけ
る紙面手前側)には、一対のコーナーキューブミラー3
y1、31y2が設置されている。そして、不図示の一対
のダブルパス干渉計から、これらのコーナーキューブミ
ラー31y1、31y2に対して図16に測長軸BI7Y、
BI8Yで示される干渉計ビームが照射され、レチクル
ベース定盤28上の反射面にコーナーキューブミラー3
y1、31y2より戻され、そこで反射したそれぞれの反
射光が同一光路を戻り、それぞれのダブルパス干渉計で
受光され、それぞれのコーナーキューブミラー31y1
31y2の基準位置(レファレンス位置で前記レチクルベ
ース定盤28上の反射面)からの相対変位が計測され
る。そして、これらのダブルパス干渉計の計測値が図1
5のステージ制御装置160に供給され、その平均値に
基づいてレチクルステージRSTのY軸方向の位置が計
測される。このY軸方向位置の情報は、ウエハ側の測長
軸BI3Yを有する干渉計の計測値に基づくレチクルス
テージRSTとウエハステージWST1又はWST2と
の相対位置の算出、及びこれに基づく走査露光時の走査
方向(Y軸方向)のレチクルとウエハの同期制御に用い
られる。
【0285】このように、本第2の実施形態では、測長
軸BI6Xで示される干渉計及び測長軸BI7Y、BI
8Yで示される一対のダブルパス干渉計の合計3つの干
渉計によって図15に示されるレチクルレーザ干渉計3
0が構成されている。
【0286】次に、ウエハステージWST1、WST2
の位置を管理する干渉計システムについて、図15〜図
17を参照しつつ説明する。
【0287】これらの図に示されるように、投影光学系
PLの投影中心とアライメント系124a、124bの
それぞれの検出中心とを通るX軸に沿ってウエハステー
ジWST1のX軸方向一側の面には、図15の干渉計1
16からの測長軸BI1Xで示される干渉計ビームが照
射され、同様に、X軸に沿ってウエハステージWST2
のX軸方向の他側の面には、図15の干渉計118から
の測長軸BI2Xで示される干渉計ビームが照射されて
いる。そして、干渉計116、118ではこれらの反射
光を受光することにより、各反射面の基準位置からの相
対変位を計測し、ウエハステージWST1、WST2の
X軸方向位置を計測するようになっている。
【0288】ここで、干渉計116、118は、図16
に示されるように、各3本の光軸を有する3軸干渉計で
あり、ウエハステージWST1、WST2のX軸方向の
計測以外に、チルト計測及びθ計測が可能となってい
る。この場合、ウエハステージWST1、WST2のθ
回転を行う不図示のθステージ及びZ軸方向の微小駆動
及び傾斜駆動を行う不図示のZ・レベリングステージ
は、実際には、反射面(120〜123)の下にあるの
で、ウエハステージのチルト制御時の駆動量は全て、こ
れらの干渉計116、118によりモニタする事ができ
る。
【0289】なお、測長軸BI1X、BI2Xの各干渉
計ビームは、ウエハステージWST1、WST2の移動
範囲の全域で常にウエハステージWST1、WST2に
当たるようになっており、従って、X軸方向について
は、投影光学系PLを用いた露光時、アライメント系1
24a、124bの使用時等いずれのときにもウエハス
テージWST1、WST2の位置は、測長軸BI1X、
BI2Xの計測値に基づいて管理される。
【0290】また、図16及び図17に示されるよう
に、投影光学系PLの投影中心でX軸と垂直に交差する
測長軸BI3Yを有する干渉計132と、アライメント
系124a、124bのそれぞれの検出中心でX軸とそ
れぞれ垂直に交差する測長軸BI4Y、BI5Yをそれ
ぞれ有する干渉計131、133とが設けられている。
【0291】本実施形態の場合、投影光学系PLを用い
た露光時のウエハステージWST1、WST2のY方向
位置計測には、投影光学系PLの投影中心、すなわち光
軸AXを通過する測長軸BI3Yの干渉計132の計測
値が用いられ、アライメント系124aの使用時のウエ
ハステージWST1のY方向位置計測には、アライメン
ト系124aの検出中心、すなわち光軸SXを通過する
測長軸BI4Yの干渉計131の計測値が用いられ、ア
ライメント系124b使用時のウエハステージWST2
のY方向位置計測には、アライメント系124bの検出
中心、すなわち光軸SXを通過する測長軸BI5Yの干
渉計133の計測値が用いられる。
【0292】従って、各使用条件により、Y軸方向の干
渉計測長軸がウエハステージWST1、WST2の反射
面より外れる事となるが、少なくとも一つの測長軸、す
なわち測長軸BI1X、BI2Xはそれぞれのウエハス
テージWST1、WST2の反射面から外れることがな
いので、使用する干渉計光軸が反射面上に入った適宜な
位置でY側の干渉計のリセットを行うことができる。
【0293】なお、上記Y計測用の測長軸BI3Y、B
I4Y、BI5Yの各干渉計132、131、133
は、各2本の光軸を有する2軸干渉計であり、ウエハス
テージWST1、WST2のY軸方向の計測以外に、チ
ルト計測が可能となっている。本実施形態では、干渉計
116、118、131、132、133の合計5つの
干渉計によって、ウエハステージWST1、WST2の
2次元座標位置を管理する干渉計システムが構成されて
いる。
【0294】さらに、図15に示される主制御装置19
0には、ウエハステージWST1、WST2の移動を管
理するための条件式(例えば、干渉化条件)等が記憶さ
れたメモリ191が設けられている。
【0295】また、本第2の実施形態では、後述するよ
うに、ウエハステージWST1、WST2の内の一方が
露光シーケンスを実行している間、他方はウエハ交換、
ウエハアライメントシーケンスを実行するが、この際に
両ステージ同士が干渉しないように、各干渉計の出力値
に基づいて主制御装置190の指令に応じてステージ制
御装置160により、ウエハステージWST1、WST
2の移動が管理されている。
【0296】次に、可動型定盤138の役割及びその制
御方法等について、簡単に説明する。この可動型定盤1
38も基本的には前述した第1の実施形態の可動型定盤
38と同等の役割を有し、ステージ制御装置160によ
って同様にして制御される。
【0297】すなわち、可動型定盤138の上面には、
ウエハステージWST1、WST2の下面に設けられた
不図示の永久磁石とともに平面磁気浮上型リニアアクチ
ュエータ42a、42bを構成する複数のコイル(図示
省略)がXY2次元方向に張り巡らされている。そし
て、ウエハステージWST1、WST2は、平面磁気浮
上型リニアアクチュエータ42a、42bによって可動
型定盤138の上方に浮上支持されるととももに、前記
コイルの内の各ウエハステージWST1、WST2が対
向する部分のコイルに流す電流を制御することにより任
意の2次元方向に独立して駆動される構成となってい
る。
【0298】可動型定盤138は、第1の実施形態の可
動型定盤38と同様にして、平面磁気浮上型リニアアク
チュエータ44によって定盤22の上方に浮上支持され
るととももに、前記コイルに流す電流を制御することに
より任意の2次元方向に駆動される構成となっている。
【0299】この場合、ウエハステージWST1、WS
T2と可動型定盤138、可動型定盤138と定盤22
とは、それぞれ非接触のため、それぞれの間の摩擦が非
常に小さくなっている結果、ウエハステージWST1、
WST2、可動型定盤138を含む系全体として運動量
保存則が成立する。すなわち、ウエハステージWST1
及びWST2の一方が移動する場合には、上記第1の実
施形態と全く同様であり、ウエハステージWST1とW
ST2とが、同時に移動する場合には、これらのステー
ジの駆動力の合力に対する反力によって可動型定盤13
8が移動するからである。
【0300】本第2の実施形態においても、上記第1の
実施形態と同様に、ウエハステージ加速度、最高速度、
フットプリントの悪化を1桁以下に抑えるため、ウエハ
ステージWST1、WST2の質量mと可動型定盤13
8の質量Mの比がm:M=1:9以下になるように、す
なわちウエハステージWST1、WST2の重量が可動
型定盤138の重量の1/9以下になるように設定して
いる。なお、ウエハステージWST1とウエハステージ
WST2との質量が異なる場合には、可動型定盤138
の質量を、軽い方のウエハステージの質量を基準として
少なくともその質量の9倍程度以上に定めると良い。
【0301】また、可動型定盤138の必要ストローク
を小さくするために、ステージ制御装置160では、可
動型定盤138駆動用の平面磁気浮上型リニアアクチュ
エータ44に対する制御応答を露光,アライメント時と
その他の時とで可変するようにしている。
【0302】従って、露光の際は、ウエハステージWS
T1又はWST2とレチクルステージRSTが同期して
移動するが、可動型定盤138駆動用の平面磁気浮上型
リニアアクチュエータ44の制御応答を数Hzにて制御
すれば、数十Hzで制御されるウエハステージWST
1、WST2駆動用の平面磁気浮上型リニアアクチュエ
ータ42a、42bの可動型定盤138に対する反力に
は殆ど追従できず、運動量保存則から可動型定盤138
が自由に運動してその反力を吸収してしまい、その反力
の影響が外部に及ばない。
【0303】また、ステージ制御装置160では、レチ
クルステージRSTの位置やウエハステージWST1、
WST2の位置の変化にて露光装置本体12が全体的に
傾いた場合に、平面磁気浮上型リニアアクチュエータ4
4の制御応答を数Hzにて制御することにより、その傾
き方向に可動型定盤138が移動する低周波位置ずれを
防止するようになっている。
【0304】また、本実施形態においても、可動型定盤
138の定盤22に対するXY方向の相対移動の位置を
検出する位置計測装置としてのリニアエンコーダ45
(図15参照)を用いたフィードバック制御により、上
記第1の実施形態と同様に、所定のタイミングでステー
ジ制御装置160が、可動型定盤138駆動用の平面磁
気浮上型リニアアクチュエータ44の応答周波数を数十
Hzに上げる等の動作によって可動型定盤138の移動
量を小さくする(ほぼ所定の位置に維持する)ようにな
っている。
【0305】前記制御系は、装置全体を統括的に制御す
る主制御装置190を中心に、この主制御装置190の
配下にある露光量制御装置170及びステージ制御装置
160等から構成されている。
【0306】ここで、制御系の上記構成各部の動作を中
心に本実施形態の露光装置110の露光時の動作につい
て説明する。
【0307】露光量制御装置170は、レチクルRとウ
エハ(W1又はW2)との同期走査が開始されるのに先
立って、不図示のシャッタ駆動部を介して照明光学系1
8内の不図示のシャッタをオープンする。
【0308】この後、ステージ制御装置160により、
主制御装置190の指示に応じてレチクルRとウエハ
(W1又はW2)、すなわちレチクルステージRSTと
ウエハステージ(WST1又はWST2)の同期走査
(スキャン制御)が開始される。この同期走査は、前述
した干渉計システムの測長軸BI3Yと測長軸BI1X
又はBI2X及びレチクルレーザ干渉計30の測長軸B
I7Y、BI8Yと測長軸BI6Xの計測値をモニタし
つつ、ステージ制御装置160によってレチクル駆動部
29及びウエハステージの駆動系(平面磁気浮上型リニ
アアクチュエータ42a又は42b)を制御することに
より行われる。
【0309】そして、両ステージが所定の許容誤差以内
に等速度制御された時点で、露光量制御装置170で
は、エキシマレーザのパルス発光を開始させる。これに
より、照明光学系18からの照明光により、その下面に
パターンがクロム蒸着されたレチクルRの前記矩形の照
明領域IAが照明され、その照明領域内のパターンの像
が投影光学系PLにより1/4(又は1/5)倍に縮小
され、その表面にフォトレジストが塗布されたウエハ
(W1又はW2)上に投影露光される。ここで、図16
からも明らかなように、レチクルR上のパターン領域に
比べ照明領域IAの走査方向のスリット幅は狭く、上記
のようにレチクルRとウエハ(W1又はW2)とを同期
走査することで、パターンの全面の像がウエハ上のショ
ット領域に順次形成される。
【0310】ここで、前述したパルス発光の開始と同時
に、露光量制御装置170は、振動ミラー18Dを駆動
させ、レチクルR上のパターン領域が完全に照明領域I
A(図16参照)を通過するまで、すなわちパターンの
全面の像がウエハ上のショット領域に形成されるまで、
連続してこの制御を行うことで2つのフライアイレンズ
系で発生する干渉縞のムラ低減を行う。
【0311】また、上記の走査露光中にショットエッジ
部でのレチクル上の遮光領域よりも外に照明光が漏れな
いように、レチクルRとウエハWのスキャンと同期して
可動ブラインド18Mが駆動系43によって駆動制御さ
れており、これらの一連の同期動作がステージ制御装置
160により管理されている。
【0312】上述した走査露光(スキャン露光)中、特
開平10−163098号公報に開示される如く、レジ
スト感度に対応した積算露光量となるように、主制御装
置190又は露光量制御装置170では、照射エネルギ
ーや発振周波数の可変量について全て演算を行い、光源
部内に設けられた減光システムを制御することによって
照射エネルギーや発振周波数を可変させたり、シャッタ
や振動ミラーを制御したりするように構成されている。
【0313】さらに、主制御装置190では、例えば、
スキャン露光時に同期走査を行うレチクルステージとウ
エハステージの移動開始位置(同期位置)を補正する場
合、各ステージを移動制御するステージ制御装置160
に対して補正量に応じたステージ位置の補正を指示す
る。
【0314】更に、本実施形態の露光装置110では、
ウエハステージWST1との間でウエハの交換を行う第
1の搬送システムと、ウエハステージWST2との間で
ウエハ交換を行う第2の搬送システムとが設けられてい
る。
【0315】第1の搬送システムは、図18に示される
ように、左側のウエハローディング位置にあるウエハス
テージWST1との間で後述するようにしてウエハ交換
を行う。この第1の搬送システムは、Y軸方向に延びる
第1のローディングガイド182、このローディングガ
イド182に沿って移動する第1のスライダ186及び
第2のスライダ187、第1のスライダ186に取り付
けられた第1のアンロードアーム184、第2のスライ
ダ187に取り付けられた第1のロードアーム188等
を含んで構成される第1のウエハローダと、ウエハステ
ージWST1上に設けられた3本の上下動部材から成る
第1のセンターアップ181とから構成される。
【0316】ここで、この第1の搬送システムによるウ
エハ交換の動作について、簡単に説明する。
【0317】ここでは、図18に示されるように、左側
のウエハローディング位置にあるウエハステージWST
1上にあるウエハW1’と第1のウエハローダにより搬
送されてきたウエハW1とが交換される場合について説
明する。
【0318】まず、主制御装置190では、ウエハステ
ージWST1上の不図示のウエハホルダのバキュームを
不図示のスイッチを介してオフし、ウエハW1’の吸着
を解除する。
【0319】次に、主制御装置190では、不図示のセ
ンターアップ駆動系を介してセンターアップ181を所
定量上昇駆動する。これにより、ウエハW1’が所定位
置まで持ち上げられる。この状態で、主制御装置190
では、不図示のウエハローダ制御装置に第1のアンロー
ドアーム184の移動を指示する。これにより、ウエハ
ローダ制御装置により第1のスライダ186が駆動制御
され、第1のアンロードアーム184がローディングガ
イド182に沿ってウエハステージWST1上まで移動
してウエハW1’の真下に位置する。
【0320】この状態で、主制御装置190では、セン
ターアップ181を所定位置まで下降駆動させる。この
センターアップ181の下降の途中で、ウエハW1’が
第1のアンロードアーム184に受け渡されるので、主
制御装置190ではウエハローダ制御装置に第1のアン
ロードアーム184のバキューム開始を指示する。これ
により、第1のアンロードアーム184にウエハW1’
が吸着保持される。
【0321】次に、主制御装置190では、ウエハロー
ダ制御装置に第1のアンロードアーム184の退避と第
1のロードアーム188の移動開始を指示する。これに
より、第1のスライダ186と一体的に第1のアンロー
ドアーム184が図18の−Y方向に移動を開始すると
同時に第2のスライダ187がウエハW1を保持した第
1のロードアーム188と一体的に+Y方向に移動を開
始する。そして、第1のロードアーム188がウエハス
テージWST1の上方に来たとき、ウエハローダ制御装
置により第2のスライダ187が停止されるとともに第
1のロードアーム188のバキュームが解除される。
【0322】この状態で、主制御装置190ではセンタ
ーアップ181を上昇駆動し、センターアップ181に
よりウエハW1を下方から持ち上げさせる。次いで、主
制御装置190ではウエハローダ制御装置にロードアー
ムの退避を指示する。これにより、第2のスライダ18
7が第1のロードアーム188と一体的に−Y方向に移
動を開始して第1のロードアーム188の退避が行われ
る。この第1のロードアーム188の退避開始と同時に
主制御装置190では、センターアップ181の下降駆
動を開始してウエハW1をウエハステージWST1上の
不図示のウエハホルダに載置させ、当該ウエハホルダの
バキュームをオンにする。これにより、ウエハ交換の一
連のシーケンスが終了する。
【0323】第2の搬送システムは、同様に、図19に
示されるように、右側のウエハローディング位置にある
ウエハステージWST2との間で上述と同様にしてウエ
ハ交換を行う。この第2の搬送システムは、Y軸方向に
延びる第2のローディングガイド192、この第2のロ
ーディングガイド192に沿って移動する第3のスライ
ダ196及び第4のスライダ200、第3のスライダ1
96に取り付けられた第2のアンロードアーム194、
第4のスライダ200に取り付けられた第2のロードア
ーム198等を含んで構成される第2のウエハローダ
と、ウエハステージWST2上に設けられた不図示の第
2のセンターアップとから構成される。
【0324】次に、図18及び図19に基づいて、2つ
のウエハステージWST1、WST2による並行処理に
ついて説明する。
【0325】図18には、ウエハステージWST2上の
ウエハW2を投影光学系PLを介して露光動作を行って
いる間に、左側ローディング位置にて上述の様にしてウ
エハステージWST1と第1の搬送システムとの間でウ
エハの交換が行われている状態の平面図が示されてい
る。この場合、ウエハステージWST1上では、ウエハ
交換に引き続いて後述するようにしてアライメント動作
が行われる。なお、図18において、露光動作中のウエ
ハステージWST2の位置制御は、干渉計システムの測
長軸BI2X、BI3Yの計測値に基づいて行われ、ウ
エハ交換とアライメント動作が行われるウエハステージ
WST1の位置制御は、干渉計システムの測長軸BI1
X、BI4Yの計測値に基づいて行われる。
【0326】この図18に示される左側のローディング
位置ではアライメント系124aの真下にウエハステー
ジWST1の基準マーク板FM1上の基準マークが来る
ような配置となっている。このため、主制御装置190
では、アライメント系124aにより基準マーク板FM
1上の基準マークを計測する以前に、干渉計システムの
測長軸BI4Yの干渉計のリセットを実施している。
【0327】上述したウエハ交換、干渉計のリセットに
引き続いて、サーチアライメントが行われる。そのウエ
ハ交換後に行われるサーチアライメントとは、ウエハW
1の搬送中になされるプリアライメントだけでは位置誤
差が大きいため、ウエハステージWST1上で再度行わ
れるプリアライメントのことである。具体的には、ステ
ージWST1上に載置されたウエハW1上に形成された
3つのサーチアライメントマーク(図示せず)の位置を
アライメント系124aのLSA系のセンサ等を用いて
計測し、その計測結果に基づいてウエハW1のX、Y、
θ方向の位置合わせを行う。このサーチアライメントの
際の各部の動作は、主制御装置190により制御され
る。
【0328】このサーチアライメントの終了後、ウエハ
W1上の各ショット領域の配列をここではEGAを使っ
て求めるファインアライメントが行われる。具体的に
は、干渉計システム(測長軸BI1X、BI4Y)によ
り、ウエハステージWST1の位置を管理しつつ、設計
上のショット配列データ(アライメントマーク位置デー
タ)をもとに、ウエハステージWST1を順次移動させ
つつ、ウエハW1上の所定のサンプルショットのアライ
メントマーク位置をアライメント系124aのFIA系
のセンサ等で計測し、この計測結果とショット配列の設
計座標データに基づいて最小自乗法による統計演算によ
り、全てのショット配列データを演算する。なお、この
EGAの際の各部の動作は主制御装置190により制御
され、上記の演算は主制御装置190により行われる。
なお、この演算結果は、基準マーク板FM1の基準マー
ク位置を基準とする座標系に変換しておくことが望まし
い。
【0329】本実施形態の場合、前述したように、アラ
イメント系124aによる計測時に、露光時と同じAF
/AL機構の計測、制御によるオートフォーカス/オー
トレベリングを実行しつつアライメントマークの位置計
測が行われ、アライメント時と露光時との間にステージ
の姿勢によるオフセット(誤差)を生じさせないように
することができる。
【0330】ウエハステージWST1側で、上記のウエ
ハ交換、アライメント動作が行われている間に、ウエハ
ステージWST2側では、2枚のレチクルR1、R2を
使い、露光条件を変えながら連続してステップ・アンド
・スキャン方式により二重露光が行われる。
【0331】具体的には、前述したウエハW1側と同様
にして、事前にEGAによるファインアライメントが行
われており、この結果得られたウエハW2上のショット
配列データ(基準マーク板FM2上の基準マークを基準
とする)に基づいて、順次ウエハW2の隣接ショットへ
のショット間移動(ステッピング)動作が行われ、ウエ
ハW2上の各ショット領域に対して順次前述したスキャ
ン露光が行われる。上記のショット間移動動作の際に、
前述した第1の実施形態中で図8(A)〜(C)を用い
て説明したのと同様のウエハステージWST2の移動制
御が行われる。
【0332】このようなウエハW2上の全ショット領域
に対する露光がレチクル交換後にも連続して行われる。
具体的な二重露光の露光順序としては、例えばウエハW
1の各ショット領域をレチクルR2を使って順次スキャ
ン露光を行った後、レチクルステージRSTを走査方向
に所定量移動してレチクルR1を露光位置に設定した
後、上記と逆の順序でスキャン露光を行う。この時、レ
チクルR2とレチクルR1では露光条件(AF/AL、
露光量)や透過率が異なるので、レチクルアライメント
時にそれぞれの条件を計測し、その結果に応じて条件の
変更を行う必要がある。
【0333】このウエハW2の二重露光中の各部の動作
も主制御装置190によって制御される。
【0334】上述した図18に示す2つのウエハステー
ジWST1、WST2上で並行して行われる露光シーケ
ンスとウエハ交換・アライメントシーケンスとは、先に
終了したウエハステージの方が待ち状態となり、両方の
動作が終了した時点で図19に示す位置までウエハステ
ージWST1、WST2が移動制御される。そして、露
光シーケンスが終了したウエハステージWST2上のウ
エハW2は、右側ローディングポジションでウエハ交換
がなされ、アライメントシーケンスが終了したウエハス
テージWST1上のウエハW1は、投影光学系PLの下
で露光シーケンスが行われる。
【0335】図19に示される右側ローディングポジシ
ョンでは、左側ローディングポジションと同様にアライ
メント系124bの下に基準マーク板FM2上の基準マ
ークが来るように配置されており、前述のウエハ交換動
作とアライメントシーケンスとが実行される事となる。
勿論、干渉計システムの測長軸BI5Yの干渉計のリセ
ット動作は、アライメント系124bによる基準マーク
板FM2上のマーク検出に先立って実行されている。
【0336】なお、上記の一連の並行処理動作の過程で
行われる主制御装置190による干渉計のリセット動作
は、上記特開平10−163098号公報に開示される
動作と全く同様であり、公知であるから詳細な説明は省
略する。
【0337】本実施形態のように、2つのウエハステー
ジWST1、WST2を使って異なる動作を同時並行処
理する場合、一方のステージで行われる動作が他方のス
テージの動作に影響(外乱)を与える可能性がある。こ
のような場合、上記特開平10−163098号公報に
記載の露光装置では、同公報の図11〜図13及びその
説明部分に開示されるような2つのステージWST1、
WST2上で行われる動作のタイミング調整を行ってい
たため、制御動作が複雑であった。
【0338】これに対し、本実施形態では、前述の如
く、ウエハステージWST1、WST2が、可動型定盤
138を介して定盤22上に配置されているため、平面
磁気浮上型リニアアクチュエータ42a又は42bによ
りいずれかのウエハステージ(WST1又はWST2)
が駆動された場合には、その駆動力の反力により可動型
定盤138が移動して、ウエハステージ(WST1又は
WST2)の重心移動による偏荷重を可動型定盤138
の重心移動によりキャンセルすることができ、結果的に
ステージ装置101全体の重心を所定位置に保持できる
のみならず、平面磁気浮上型リニアアクチュエータ42
a、42bによりウエハステージWST1、WST2が
同時に駆動された場合には、その駆動力の合力に対応す
る反力によりウエハステージWST1、WST2の重心
移動による偏荷重を可動型定盤138の重心移動により
キャンセルするように該可動型定盤138が移動し、結
果的にステージ装置101全体の重心を所定位置に保持
できる。従って、ウエハステージWST1、WST2の
一方の動作が他方に外乱として作用することがないよう
にウエハステージ同士の動作の調整を行う必要がなくな
るので、制御負担が軽減されるとともに、各ウエハステ
ージの位置制御性をともに高く維持することができる。
【0339】また、上述の如く、複数枚のレチクルRを
使って二重露光を行う場合、高解像度とDOF(焦点深
度)の向上効果が得られる。しかし、この二重露光法
は、露光工程を少なくとも2度繰り返さなければならな
いため、従来の露光装置では、露光時間が長くなって大
幅にスループットが低下するという不都合があった。こ
れに対し、本第2の実施形態では一方のウエハステージ
上の露光動作と、他方のウエハステージ上のアライメン
ト、ウエハ交換動作等の同時並行処理によりスループッ
トを大幅に改善できるため、スループットを低下させる
ことなく高解像度とDOFの向上効果とを得ることがで
きる。
【0340】なお、上記特開平10−163098号公
報にも開示されるように、ダブルウエハステージを備え
た露光装置では、例えば、各処理時間をT1(ウエハ交
換時間)、T2(サーチアライメント時間)、T3(フ
ァインアライメント時間)、T4(1回の露光時間)と
した場合に、T1、T2、T3とT4とを並列処理しな
がら二重露光を行う場合には、8インチウエハの場合、
露光時間の方が大きいため該露光時間が制約条件となっ
て全体のスループットが決まるが、本第2の実施形態で
はウエハステージWST1、WST2のショット間移動
時間の短縮により、この露光時間T4の短縮が可能であ
り、通常の一重露光とほぼ同等の高スループットによる
二重露光を実現することができる。
【0341】なお、上記第2の実施形態では、本発明に
係るステージ装置を二重露光法を用いてウエハの露光を
行う装置に適用した場合について説明したが、同様の技
術であるスティッチングにも適用でき、この場合には、
一方のウエハステージ側で2枚のレチクルにて2回露光
を行う間に、独立に可動できる他方のウエハステージ側
でウエハ交換とウエハアライメントを並行して実施する
ことにより、通常の露光装置によるスティッチングより
も高いスループットが得られる。
【0342】しかしながら、本発明に係るステージ装置
の適用範囲がこれに限定されるものではなく、一重露光
法により露光する場合にも本発明は好適に適用できるも
のである。
【0343】また、上記第2の実施形態では、アライメ
ント動作及びウエハ交換動作と、露光動作とを並行処理
する場合について述べたが、これに限らず、例えば、ベ
ースラインチェック(BCHK)、ウエハ交換が行われ
る度に行うキャリブレーション等のシーケンスについて
も同様に露光動作と並行処理するようにしても良い。
【0344】なお、上記第2の実施形態では、2つのウ
エハステージWST1、WST2として、正方形のウエ
ハステージを用いる露光装置について説明したが、これ
に限らず、例えば図20に示されるように、第1の実施
形態のウエハステージWST1,WST2と同様の三角
形のウエハステージWST3、WST4を定盤22上の
可動型定盤138上に配置しても良い。この図20の装
置では、ウエハステージWST3、WST4の位置を計
測する干渉計システムを、同図に示されるように、投影
光学系PL、アライメント光学系124a、124bの
中心で交わるXY軸に対して所定角度傾斜する測長軸を
有する各一対、合計6つの干渉計211、212、21
3、214、215、16によって構成すれば良い。こ
の場合、干渉計213、214によって、露光時のウエ
ハステージWST3又はウエハステージWST4のY方
向(同期移動方向)及びX方向(非走査方向)の位置制
御を高精度に行うことができる。また、干渉計211、
212によってアライメント光学系124aを用いて行
われるアライメント時のウエハステージWST3のY方
向及びX方向の位置制御を高精度に行うことができる。
また、干渉計215、216によってアライメント光学
系124bを用いて行われるアライメント時のウエハス
テージWST4のY方向及びX方向の位置制御を高精度
に行うことができる。
【0345】この場合において、干渉計211及び干渉
計213の組あるいは、干渉計213及び干渉計215
の組に代えて、前述した第1の干渉計76X1を用いて
良く、同様に、干渉計212及び干渉計214の組ある
いは、干渉計214及び干渉計216の組に代えて、前
述した第3の干渉計76X2を用いて良い。また、ウエ
ハステージWST4のY方向の位置制御を前述した第2
の干渉計76Yを用いて常に行い、上記の干渉計21
3,214又は干渉計215,216をそれぞれ同時に
用いてウエハステージWST4の露光時又はアライメン
ト時のX方向の位置制御を第1の実施形態と同様に行っ
ても良い。
【0346】また、上記第2の実施形態では、ステージ
装置101を構成する第1可動体としてのウエハステー
ジWST1、WST2が平面磁気浮上型リニアアクチュ
エータによって駆動される場合について説明したが、本
発明に係るステージ装置がこれに限定されるものではな
く、各第1可動体を駆動する駆動装置は通常のリニアモ
ータ等であっても構わない。
【0347】なお、上記実施形態中の説明では、図8
(B)、(C)を用いてウエハステージWSTのショッ
ト間移動時の移動軌跡を図8(A)のようなU字状に設
定する場合の速度制御方法について説明し、その際に、
ウエハステージWST(及びレチクルステージRST)
を走査方向について、一定加速度で目標走査速度(スキ
ャン速度)まで加速し、目標走査速度での走査露光が終
了した後、一定加速度(一定減速度)で減速する場合に
ついて説明したが(図7(B)、図8(B)参照)、走
査方向に関するレチクルステージRST、ウエハステー
ジWSTの加速度制御方法を変更することにより、更な
るスループットの向上が可能である。
【0348】以下、上記第1の実施形態の走査型露光装
置10を用いて、図8(A)に示される隣接したショッ
トS1、S2、S3を交互スキャンにより順次露光する
際のステージ制御系によるステージの加速度制御方法に
ついて、図21及び図22に基づいて説明する。
【0349】走査型露光装置10では、レチクルステー
ジRSTをウエハステージWSTの4倍(又は5倍)の
目標走査速度で走査する必要があることから、レチクル
ステージの加速能力が制約条件になるものと考えられる
ので、ここでは、レチクルステージRSTの加速度制御
を中心に説明する。
【0350】図21(A)には、本発明の走査露光方法
における、上記各ショットに対する走査露光に際して、
第1の加速度制御方法を採用した場合のレチクルステー
ジRSTの走査方向(Y方向)の速度指令値の時間変化
が示されている。また、図21(B)には、先に説明し
た図8(B)に対応するレチクルステージRSTの走査
方向(Y方向)の速度指令値の時間変化が比較例として
示されている。さらに、図21(C)には、上記各ショ
ットに対する走査露光に際して、第2の加速度制御方法
を採用した場合のレチクルステージRSTの走査方向
(Y方向)の速度指令値の時間変化が示されている。こ
れらの図において、横軸は時間を示し、縦軸はレチクル
ステージのY方向の速度指令値Vryを示す。
【0351】また、以下の説明においては、零から目標
走査速度Vrまでの加速時間をTa、レチクルとウエハ
の同期整定時間をTs、露光時間をTe、調整時間すな
わち等速オーバースキャン時間をTw、目標走査速度V
rから零までの減速時間をTdとする。
【0352】第1の加速度制御方法では、図21(A)
に示されるように、図2の駆動系29を構成するリニア
モータの発生可能な最高推力による最高加速度による等
加速度制御ではなく、その加速度が徐々に零に収束する
ような加速度変化曲線に基づいてレチクルステージRS
Tを同期移動方向(Y方向)に速度零から目標走査速度
Vrまで加速する。ここで、上記の加速度変化曲線とし
ては、2次曲線(放物線)や高次曲線が用いられる。
【0353】この第1の加速度制御方法によると、各シ
ョットに対する走査露光に際して、レチクルRとウエハ
Wとの同期移動に先立って、レチクルRが、その加速度
が徐々に零に収束するような加速度変化曲線に基づいて
Y方向に沿って加速されることから、図21(B)に示
されるように、一定加速度で目標走査速度Vrへ加速す
る場合のように加速終了時点で加速度が不連続に、すな
わち急激に変化することがない。
【0354】図22(A)、(B)には、図21
(A)、(B)にそれぞれ対応して整定時間Ts近傍の
レチクルステージRSTの目標位置に対する位置誤差の
時間変化が示されている。なお、目標位置は、当然に時
間的に変化するが、図22(A)、(B)では各時点の
目標位置(図中の0)を基準とする位置誤差が示されて
いる。これら図22(A)、(B)を比較すると明らか
なように、上記の第1の加速度制御方法によると、図2
1(B)の場合と比べて目標位置に対する位置誤差を速
やかに許容範囲内に収束させることができることが判
る。これは、上記の加速度の急激な変化に起因するレチ
クルステージRSTの高周波振動を抑制することができ
るためである。この場合、その加速能力が制約条件とな
っている方のステージであるレチクルステージRSTの
目標位置、従って目標走査速度への速やかな収束を実現
できるので、結果的にレチクルR(レチクルステージR
ST)とウエハW(ウエハステージWST)との同期整
定時間Tsを短縮することができることは明らかである
(図21(A)、(B)参照)。
【0355】また、上記第1の加速度制御方法を採用す
ると、加速時間Taそのものは、一定加速度による加速
の場合に比べて長くなる傾向があるが、同期整定時間T
sの短縮は加速時間の増加を補っても余りあり、図21
(A)、(B)を比較すると明らかなように、プリスキ
ャン時間(Ta+Ts)は、上記第1の加速度制御方法
を採用した場合の方がΔt1だけ短くなっている。前述
の如く、同期整定時間Tsと等速オーバースキャン時間
をTwは同一時間に設定されるため、等速オーバースキ
ャン時間Twも図21(A)の方が短くなり、制御が非
常に容易な加速側と減速側の速度変化を左右対称に設定
した図21(A)のような場合には、1ショットの露光
のための、レチクルステージRSTの加速開始から減速
終了までの総トータル時間を2Δt1だけ短縮すること
ができ、その分スループットの向上が可能である。
【0356】上記第1の加速度制御方法では、制御方法
が非常に簡単であるため、加速側と減速側の速度変化を
左右対称に設定する場合について説明したが、減速終了
時にはレチクルとウエハの同期制御のための整定時間は
ないため、減速時には加速度を急激に変化させても何ら
の支障はない。
【0357】そこで、第2の加速度制御方法では、この
点に着目して、図21(C)に示されるように、減速時
のみ、レチクルステージRSTを最高加速度に対応する
一定の加速度(負の加速度)で減速することとしたもの
である。この場合、図21(A)の第1の加速度制御方
法の場合と比べると等速オーバースキャン時間Twは長
くなるが、減速時間Tdがはるかに短くなるため、トー
タルのオーバースキャン時間(Tw+Td)は、第1の
加速度制御方法に比べても時間Δt2だけ短くなってい
ることが判る(図21(A)、(C)参照)。従って、
ショットS1、S2、S3に対する走査露光に際して
は、レチクルRの加速開始から減速終了までの総トータ
ル時間をより短縮することができる。ここで、図21
(A)と図21(C)との斜線部の面積が等しくなるよ
うにすれば、レチクルステージRSTを次ショットの走
査開始位置に正しく停止させることができる。
【0358】上述した第1、第2の加速度制御方法は、
ウエハステージ側にも同様に適用することができ、レチ
クルステージとウエハステージの両者に上記第1、第2
の加速度制御方法を適用することが、スループット向上
の点では最も好ましい。
【0359】また、図8(A)に示されるショットS1
に対する走査露光と、ショットS2に対する走査露光と
の間で、同図に示されるようなU字状(又はV字状)の
移動軌跡に沿ってウエハステージWSTを移動させる際
の走査方向(Y方向)の加速度制御に、上記第1、第2
の加速度制御方法を採用しても良い。例えば、第1の加
速度制御方法を採用した場合には、結果的に最短距離に
近い経路でウエハWが移動されるので、上記の整定時間
の短縮とあいまってスループットの更なる向上が可能で
ある。また、第2の加速度制御方法を採用した場合に
は、更に減速時間の短縮も可能なのでスループットのよ
り一層の向上が可能である。
【0360】上記第1、第2の加速度制御は、各ショッ
トの走査露光の都度、干渉計計測値等に基づいて所定の
演算により加速度の制御量を求めて行うことも可能であ
るが、所定の加速度制御マップを予め用意し、この加速
度制御マップを用いて時間を基準として実行しても良
い。
【0361】また、上述した第1、第2の加速度制御方
法は、前述した第2の実施形態の露光装置110にも同
様に適用することができ、同様にスループット向上の効
果が得られることは言うまでもない。
【0362】なお、上記実施形態では露光用照明光とし
て波長が100nm以上の紫外光、具体的はKrFエキ
シマレーザ又はArFエキシマレーザを用いる場合つい
て説明したが、これに限らず、例えばg線、i線などの
KrFエキシマレーザと同じ遠紫外域に属する遠紫外
(DUV)光、あるいはArFエキシマレーザと同じ真
空紫外域に属するF2 レーザ(波長157nm)などの
真空紫外(VUV)光を用いることができる。なお、Y
AGレーザの高調波などを用いても良い。
【0363】さらに、DFB半導体レーザ又はファイバ
ーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長
レーザを、例えばエルビウム(又はエルビウムとイット
リビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増
幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高
調波を用いても良い。
【0364】例えば、単一波長レーザの発振波長を1.
51〜1.59μmの範囲内とすると、発生波長が18
9〜199nmの範囲内である8倍高調波、又は発生波
長が151〜159nmの範囲内である10倍高調波が
出力される。特に、発振波長を1.544〜1.553
μmの範囲内とすると、発生波長が193〜194nm
の範囲内の8倍高調波、すなわちArFエキシマレーザ
とほぼ同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.
57〜1.58μmの範囲内とすると、発生波長が15
7〜158nmの範囲内の10倍高調波、すなわちF2
レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。
【0365】また、発振波長を1.03〜1.12μm
の範囲内とすると、発生波長が147〜160nmの範
囲内である7倍高調波が出力され、特に発振波長を1.
099〜1.106μmの範囲内とすると、発生波長が
157〜158nmの範囲内の7倍高調波、すなわちF
2 レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。な
お、単一波長発振レーザとしてはイットリビウム・ドー
プ・ファイバーレーザを用いる。
【0366】また、上記実施形態の露光装置において、
露光用照明光としては波長100nm以上の光に限ら
ず、波長100nm未満の光を用いても良いことは勿論
である。例えば、近年、70nm以下のパターンを露光
するために、SORやプラズマレーザを光源として、軟
X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Ex
treme Ultraviolet)光を発生させるとともに、その露
光波長(例えば13.5nm)の基で設計されたオール
反射縮小光学系、及び反射型マスクを用いたEUV露光
装置の開発が行なわれている。この装置においては、円
弧照明を用いてマスクとウエハを同期走査してスキャン
露光する構成が考えられるので、かかる装置も本発明の
適用範囲に含まれるものである。
【0367】また、電子線又はイオンビームなどの荷電
粒子線を用いる露光装置にも本発明を適用することがで
きる。電子線露光装置では電子銃として、例えば熱電子
放射型のランタンヘキサボライト(LaB6 )、タンタ
ル(Ta)を用いることができる。なお、電子線露光装
置はペンシルビーム方式、可変成形ビーム方式、セルプ
ロジェクション方式、ブランキング・アパーチャ・アレ
イ方式、及びマスク投影方式のいずれであっても良い。
マスク投影方式は、マスク上で互いに分離した250n
m角程度の多数のサブフィールドに回路パターンを分解
して形成し、マスク上で電子線を第1方向に順次シフト
させるとともに、第1方向と直交する第2方向にマスク
を移動するのに同期して、分解パターンを縮小投影する
電子光学系に対してウエハを相対移動し、ウエハ上で分
解パターンの縮小像を繋ぎ合せて合成パターンを形成す
るものである。
【0368】なお、上記実施形態では、EUV露光装置
や電子線露光装置などでチャンバ内が真空になることを
も想定してステージの駆動系を磁気浮上型リニアアクチ
ュエータとし、チャック系にも静電吸着方式を用いる等
の工夫を行なっているが、露光波長が100nm以上の
光露光装置に於いては、エアフローによるステージ駆動
系や吸着にバキュームを用いても構わない。
【0369】ところで、上記実施形態ではステップ・ア
ンド・スキャン方式の縮小投影露光装置(スキャニング
・ステッパ)に本発明が適用された場合について説明し
たが、レチクルとウエハとをほぼ静止させた状態で、投
影光学系を介してレチクルのパターンをウエハに転写す
る動作を繰り返すステップ・アンド・リピート方式の縮
小投影露光装置(ステッパ)、あるいはミラープロジェ
クション・アライナ、プロキシミティ方式の露光装置
(例えばX線が照射される円弧状照明領域に対してマス
クとウエハとを一体的に相対移動する走査型のX線露光
装置)などにも本発明を適用できる。
【0370】また、投影光学系は縮小系だけでなく等倍
系、又は拡大系(例えば液晶ディスプレイ製造用露光装
置など)を用いても良い。さらに、投影光学系は屈折
系、反射系、及び反射屈折系のいずれであっても良い。
なお、露光用照明光の波長によって光学素子(特に屈折
素子)に使用可能な硝材やコーティング材の種類が制限
され、かつ硝材毎にその製造可能な最大口径も異なるの
で、露光装置の仕様から決定される露光波長やその波長
幅(狭帯幅)、及び投影光学系のフィールドサイズや開
口数などを考慮して、屈折系、反射系、及び反射屈折系
のいずれかを選択することになる。
【0371】―般に、露光波長が190nm程度以上で
あれば、硝材として合成石英と蛍石とを用いることがで
きるので、反射系、及び反射屈折系は言うに及ばず、屈
折系も比較的容易に採用することができる。また、波長
が200nm程度以下の真空紫外光では、その狭帯化さ
れた波長幅によっては屈折系をも用いることができる
が、特に波長が190nm程度以下では、硝材として蛍
石以外に適当なものがなく、かつ波長の狭帯化も困難に
なることから、反射系、又は反射屈折系を採用するのが
有利である。さらにEUV光では、複数枚(例えば3〜
6枚程度)の反射素子のみからなる反射系が採用され
る。なお、電子線露光装置では電子レンズ及び偏向器か
らなる電子光学系が用いられる。また、真空紫外域の露
光用照明光ではその減衰を低減する気体(例えば窒素、
ヘリウムなどの不活性ガス)で光路を満たすか、あるい
はその光路を真空とし、EUV光、又は電子線ではその
光路を真空とする。
【0372】さらに、半導体素子の製造に用いられる露
光装置だけでなく、液晶表示素子などを含むディスプレ
イの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレ
ート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用
いられる、デバイスパターンをセラミックウエハ上に転
写する露光装置、撮像素子(CCDなど)の製造に用い
られる露光装置などにも本発明を適用することができ
る。
【0373】さらに、レチクル又はマスクを製造するた
めに、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パター
ンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここ
で、DUV光やVUV光などを用いる露光装置では一般
的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては
石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、
あるいは水晶などが用いられる。また、EUV露光装置
では反射型マスクが用いられ、プロキシミティ方式のX
線露光装置、又はマスク投影方式の電子線露光装置など
では透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマス
ク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハな
どが用いられる。
【0374】また、本発明に係るステージ装置は前述し
た露光装置を始めとする、半導体素子などのマイクロデ
バイスの製造工程で使用されるリソグラフィ装置だけで
なく、例えばレーザリペア装置、検査装置などにも適用
できる。さらに、マイクロデバイスの製造工程で使用さ
れる各種装置以外であっても本発明を適用できる。
【0375】また、半導体デバイスは、デバイスの機能
・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づい
たレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエ
ハを製作するステップ、前述した実施形態の露光装置に
よりレチクルのパターンをウエハに転写するステップ、
デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディ
ング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を
経て製造される。
【0376】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る露光
装置及び走査露光方法によれば、スループットの向上を
図ることができるという優れた効果がある。
【0377】また、本発明に係るステージ装置によれ
ば、制御負担を軽減できるとともに、基板を保持する各
第1可動体(基板ステージ)の位置制御性をともに高く
維持することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の走査型露光装置を示す斜視図
である。
【図2】図1の走査型露光装置の内部構成を概略的に示
す図である。
【図3】図2のレーザ干渉計システムをより詳細に説明
するための図であって、(A)はレーザ干渉計システム
を構成する3つの干渉計からの干渉計ビームを基板テー
ブルTBとともに示す平面図、(B)は第2の干渉計か
らの干渉計ビームを該干渉計を構成する一部の光学系と
ともにより詳細に示す図、(C)は第2の干渉計からの
測長ビームRIY1 (又はRIY2 )と測長ビームRI
3 の位置関係を説明するための図である。
【図4】基板テーブル上に取り付けられた空間像検出器
の構成とそれに関連した信号処理系の構成を概略的に示
す図である。
【図5】可動型定盤の役割及びその制御方法について説
明するための図であって、(A)は定盤付近の概略平面
図、(B)は(A)の矢印A方向から見た概略正面図で
ある。
【図6】リアクションアクチュエータ及びリアクション
フレームを説明するための図である。
【図7】(A)は投影光学系の有効フィールドに内接す
るウエハ上のスリット状の照明領域とショット領域S1
との関係を示す平面図、(B)はステージ移動時間とス
テージ速度との関係を示す線図、(C)はウエハ周辺の
ショット領域Sを露光する場合のウエハ周辺ショットS
と移動鏡長延長分との関係を説明するための図である。
【図8】(A)はショットS1,S2,S3を順次露光
する場合のウエハ上照明スリットSTの中心Pが各ショ
ット上を通過する軌跡を示す図、(B)は(A)の場合
のウエハステージのスキャン方向の速度と時間の関係を
示す線図、(C)はそれに対応した非スキャン方向の速
度と時間の関係を示す線図である。
【図9】ウエハWを交換するためのローディングポジシ
ョンにウエハステージが位置するときの可動型定盤近傍
の平面図である。
【図10】アライメント計測の際のウエハステージの移
動の様子を示す可動型定盤近傍の平面図である。
【図11】露光開始時の位置にウエハステージが位置す
るときの可動型定盤近傍の平面図である。
【図12】露光終了時の位置にウエハステージが位置す
るときの可動型定盤近傍の平面図である。
【図13】本実施形態の効果を説明するための図であっ
て、干渉計多軸化及びプリスキャン、オーバースキャン
に起因する移動鏡距離悪化分があっても、本実施形態の
ウエハステージが従来の四角形形状ステージに比べ、小
型にできることを示す図である。
【図14】(A)は投影光学系を反射屈折光学系とした
一例を示す図、(B)は投影光学系を反射屈折光学系と
したその他の例を示す図である。
【図15】第2の実施形態の露光装置の概略構成を示す
図である。
【図16】2つのウエハステージとレチクルステージと
投影光学系とアライメント系の位置関係を示す斜視図で
ある。
【図17】図15の装置における定盤近傍を示す概略平
面図である。
【図18】2つのウエハステージを使ってウエハ交換・
アライメントシーケンスと露光シーケンスとが行われて
いる状態を示す平面図である。
【図19】図18のウエハ交換・アライメントシーケン
スと露光シーケンスとの切り換えを行った状態を示す図
である。
【図20】第2の実施形態の変形例を示す概略平面図で
ある。
【図21】(A)は第1の加速度制御方法を採用した場
合のレチクルステージの走査方向の速度指令値の時間変
化を示す線図、(B)は図8(B)に対応するレチクル
ステージの走査方向の速度指令値の時間変化を示す線
図、C)は第2の加速度制御方法を採用した場合のレチ
クルステージの走査方向の速度指令値の時間変化を示す
線図である。
【図22】(A)、(B)は、図21(A)、(B)に
それぞれ対応して整定時間Ts近傍のレチクルステージ
の目標位置に対する位置誤差の時間変化を示す線図であ
る。
【符号の説明】
10…走査型露光装置(露光装置)、33…レチクルス
テージコントローラ(ステージ制御系の一部)、42
a、42b…平面磁気浮上型リニアアクチュエータ(駆
動装置)、44…平面磁気浮上型リニアアクチュエータ
(第2の駆動装置)、66…同期制御系(ステージ制御
系の一部)、78…ウエハステージコントローラ(ステ
ージ制御系の一部)、80…同期制御系(ステージ制御
系の一部)、101…ステージ装置、110…露光装
置、138…可動型定盤(第2可動体)、W…ウエハ
(基板、感応基板)、R…レチクル(マスク)、WST
…ウエハステージ(基板ステージ)、WST1、WST
2…ウエハステージ(第1可動体)、RST…レチクル
ステージ(マスクステージ)、S1…ショット(第1区
画領域、1つの区画領域)、S2…ショット(第2区画
領域、別の区画領域)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F046 AA11 BA04 BA05 CA04 CB01 CB02 CB05 CB08 CB13 CB22 CB23 CB25 CC01 CC02 CC03 CC06 CC13 CC16 CC18 CD04 CD06 DA01 DA02 DA05 DA13 DA14 DA27 DB01 DB05 DC02 DC10 DD01 DD03 DD06 EB01 EB03 ED02 FA03 FA05 FA06 FC05 FC08

Claims (81)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクと感応基板とを同期移動させるこ
    とにより、前記感応基板上の複数のショット領域に前記
    マスクのパターンを順次転写する露光装置であって、 前記感応基板を保持して2次元平面内を移動する基板ス
    テージと;前記マスクを保持して移動可能なマスクステ
    ージと;前記基板ステージの露光終了後の次ショット露
    光のための助走動作と次ショット露光のための非走査方
    向へのステッピング動作とが同時並行的に行われ、かつ
    前記非走査方向へのステッピング動作が次ショット露光
    前の前記両ステージの同期整定期間の前に終了するよう
    に、前記両ステージを制御するステージ制御系とを備え
    ることを特徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】 前記ステージ制御系は、前ショット露光
    後の前記マスクステージの等速移動時間と減速時間とか
    ら成るオーバースキャン時に対応する前記基板ステージ
    の非走査方向の加速度が、次ショットの露光開始前の前
    記マスクステージのプリスキャン時に対応する部分の前
    記基板ステージの非走査方向の減速度より絶対値が大き
    くなるように前記両ステージを制御することを特徴とす
    る請求項1に記載の露光装置。
  3. 【請求項3】 基板上の複数の区画領域にマスクのパタ
    ーンを順次転写する走査露光方法において、 前記マスクと前記基板とを同期移動して、前記複数の区
    画領域の1つを走査露光し、 前記基板が同期移動される第1方向と直交する第2方向
    に関して前記1つの区画領域と隣接する別の区画領域を
    走査露光するために、前記1つの区画領域の走査露光終
    了後の前記基板の前記第2方向へのステッピング動作が
    終了する前に前記基板の前記第1方向への加速を開始す
    ることを特徴とする走査露光方法。
  4. 【請求項4】 前記基板は、前記別の区画領域の走査露
    光前に、前記加速によって前記第1及び第2方向に対し
    て斜めに移動され、かつ前記第1方向の移動速度が前記
    基板の感度特性に応じた速度に設定されることを特徴と
    する請求項3に記載の走査露光方法。
  5. 【請求項5】 前記1つの区画領域の走査露光終了後
    に、前記別の区画領域を走査露光するために必要な助走
    距離だけ前記基板が前記第1方向に離れるまで、前記基
    板を前記第1方向については減速させつつ前記第2方向
    に移動させることを特徴とする請求項3又は4に記載の
    走査露光方法。
  6. 【請求項6】 前記基板は、前記1つの区画領域の走査
    露光と前記別の区画領域の走査露光との間で、前記第1
    方向の速度成分と前記第2方向の速度成分との少なくと
    も一方が零とならないように移動されることを特徴とす
    る請求項3〜5のいずれか一項に記載の走査露光方法。
  7. 【請求項7】 前記基板は、前記1つの区画領域の走査
    露光と前記別の区画領域の走査露光との間で、前記第1
    方向の移動速度が零となる前記第2方向の位置が前記1
    つの区画領域よりも前記別の区画領域に近くなるように
    移動されることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一
    項に記載の走査露光方法。
  8. 【請求項8】 マスクと基板とを同期移動して、前記基
    板が同期移動される第1方向とほぼ直交する第2方向に
    沿って配列される前記基板上の第1区画領域と第2区画
    領域とをそれぞれ前記マスクのパターンで走査露光する
    方法において、 前記第1区画領域の走査露光終了後に、前記基板の第1
    方向の移動速度が零となるまで、前記基板を減速させつ
    つ前記第2方向に移動し、かつ前記第2区画領域の走査
    露光前に、前記基板を前記第1方向に加速させつつ前記
    第2方向に移動することを特徴とする走査露光方法。
  9. 【請求項9】 前記第1方向の移動速度が零となる前記
    基板の前記第2方向の位置を、前記第2方向における前
    記第2区画領域の両端の間に設定することを特徴とする
    請求項8に記載の走査露光方法。
  10. 【請求項10】 マスクと基板とを同期移動して、前記
    基板が同期移動される第1方向とほぼ直交する第2方向
    に配列される前記基板上の第1区画領域と第2区画領域
    とにそれぞれ前記マスクのパターンを転写する走査露光
    方法において、 前記第1区画領域の走査露光後に、前記基板をその移動
    軌跡がほぼ放物線になるように移動した後、前記マスク
    のパターンで前記第2区画領域を走査露光することを特
    徴とする走査露光方法。
  11. 【請求項11】 前記放物線の頂点における前記基板の
    前記第2方向の位置を、前記第1区画領域よりも前記第
    2区画領域側に設定することを特徴とする請求項10に
    記載の走査露光方法。
  12. 【請求項12】 マスクと基板とを同期移動して、前記
    基板が同期移動される第1方向とほぼ直交する第2方向
    に配列される前記基板上の第1区画領域と第2区画領域
    とにそれぞれ前記マスクのパターンを転写する走査露光
    方法において、 前記第1区画領域の走査露光終了後の前記基板の減速
    中、及び前記第2区画領域の走査露光前の前記基板の加
    速中に、前記基板を前記第1及び第2方向と交差する方
    向に移動することを特徴とする走査露光方法。
  13. 【請求項13】 マスクと基板とを同期移動して、前記
    基板が同期移動される第1方向と直交する第2方向に沿
    って配列される前記基板上の第1区画領域と第2区画領
    域とに前記マスクのパターンを順次転写する走査露光方
    法において、 前記第1区画領域の走査露光終了後、前記基板の前記第
    2方向の位置が前記第2区画領域の前記第2方向の位置
    と一致する前に、前記第2区画領域の走査露光のための
    前記基板の加速を開始することを特徴とする走査露光方
    法。
  14. 【請求項14】 前記第1区画領域の走査露光終了後、
    前記基板の前記第1方向の速度成分が零となる前に前記
    基板を前記第1方向に対して斜めに移動し、かつ前記基
    板の加速開始直後は、前記第1及び第2方向の各速度成
    分が零とならないように前記基板を移動することを特徴
    とする請求項13に記載の走査露光方法。
  15. 【請求項15】 マスクと基板とを同期移動して、前記
    基板が同期移動される第1方向と直交する第2方向に沿
    って配列される前記基板上の第1区画領域と第2区画領
    域とに前記マスクのパターンを順次転写する走査露光方
    法において、 前記第1区画領域の走査露光終了後の前記基板の前記第
    2方向の速度成分が零となる前に、前記第2区画領域の
    走査露光のための前記基板の加速を開始することを特徴
    とする走査露光方法。
  16. 【請求項16】 前記基板は、前記第1方向に関して加
    速され、かつ前記第2方向に関して減速されることを特
    徴とする請求項14に記載の走査露光方向。
  17. 【請求項17】 前記第1区画領域の走査露光終了後の
    前記基板の前記第1方向の速度成分が零となる前に、前
    記基板の前記第2方向への加速を開始することを特徴と
    する請求項15又は16に記載の走査露光方法。
  18. 【請求項18】 マスクと基板とを同期移動して、前記
    基板が同期移動される第1方向と直交する第2方向に沿
    って配列される前記基板上の第1区画領域と第2区画領
    域とに前記マスクのパターンを順次転写する走査露光方
    法において、前記第1区画領域の走査露光終了後に前記
    基板の前記第1方向の速度成分が零となる前記基板の前
    記第2方向の位置を、前記第2区画領域の前記第2方向
    の位置よりも前記第1区画領域側とし、かつ前記第2区
    画領域を走査露光するために、前記第1及び第2方向に
    対して斜めに前記基板を移動することを特徴とする走査
    露光方法。
  19. 【請求項19】 マスクと基板とを同期移動して、前記
    基板が同期移動される第1方向と直交する第2方向に沿
    って配列される前記基板上の第1区画領域と第2区画領
    域とに前記マスクのパターンを順次転写する走査露光方
    法において、 前記第1区画領域の第1走査露光と前記第2区画領域の
    第2走査露光とで前記基板を逆向きに移動するために、
    前記第1走査露光終了後に前記基板の前記第1方向の速
    度成分を零とし、かつ前記第2走査露光に先立って前記
    第1及び第2方向の各速度成分が零とならないように前
    記基板を加速することを特徴とする走査露光方法。
  20. 【請求項20】 マスクと基板とを同期移動して、前記
    基板が同期移動される第1方向と直交する第2方向に沿
    って配列される前記基板上の第1区画領域と第2区画領
    域とに前記マスクのパターンを順次転写する走査露光方
    法において、 前記第1区画領域の第1走査露光と前記第2区画領域の
    第2走査露光との間、前記第1走査露光終了後の前記第
    1方向の速度成分が零となる前記基板の前記第2方向の
    位置が、前記第1区画領域の前記第2方向の位置と前記
    第2区画領域の前記第2方向の位置との間になるように
    前記基板を移動することを特徴とする走査露光方法。
  21. 【請求項21】 マスクと基板とを同期移動して、前記
    基板が同期移動される第1方向と直交する第2方向に沿
    って配列される前記基板上の第1区画領域と第2区画領
    域とに前記マスクのパターンを順次転写する走査露光方
    法において、 前記第1区画領域の第1走査露光と前記第2区画領域の
    第2走査露光との間の前記基板の移動軌跡がほぼ放物線
    状となるように、前記第1走査露光後の前記基板の減速
    中、及び前記第2走査露光前の前記基板の加速中、前記
    第2方向の速度成分を零とすることなく前記基板を移動
    することを特徴とする走査露光方法。
  22. 【請求項22】 前記第1走査露光の終了直後、及び前
    記第2走査露光の開始直前は、前記基板の前記第2方向
    の速度成分をほぼ零とすることを特徴とする請求項21
    に記載の走査露光方法。
  23. 【請求項23】 マスクと基板とを同期移動して、前記
    基板が同期移動される第1方向と直交する第2方向に沿
    って配列される前記基板上の第1区画領域と第2区画領
    域とに前記マスクのパターンを順次転写する走査露光方
    法において、 前記第1区画領域の第1走査露光と前記第2区画領域の
    第2走査露光との間、前記第1走査露光終了後の前記基
    板の前記第1方向の速度成分が零となる前に、前記基板
    の前記第2方向への加速を開始し、かつ前記基板の前記
    第2方向の速度成分が零となる前に、前記基板の前記第
    1方向への加速を開始することを特徴とする走査露光方
    法。
  24. 【請求項24】 前記基板の前記第1方向への加速は、
    前記第2方向に関する前記基板の減速中に開始されるこ
    とを特徴とする請求項23に記載の走査露光方法。
  25. 【請求項25】 前記基板の前記第2方向への加速は、
    前記第1走査露光終了後の前記基板の減速中に開始され
    ることを特徴とする請求項23又は24に記載の走査露
    光方法。
  26. 【請求項26】 前記第1区画領域の走査露光と前記第
    2区画領域の走査露光との間で前記基板を前記第2方向
    に移動するとき、前記基板の加速時と減速時とでその加
    速度の絶対値を異ならせることを特徴とする請求項8〜
    25のいずれか一項に記載の走査露光方法。
  27. 【請求項27】 マスクと基板とを同期移動して、前記
    基板が同期移動される第1方向とほぼ直交する第2方向
    に配列される前記基板上の第1及び第2区画領域にそれ
    ぞれ前記マスクのパターンを転写する走査露光方法にお
    いて、 前記第1区画領域の第1走査露光と前記第2区画領域の
    第2走査露光との間で前記基板を前記第2方向に移動す
    るときに、前記基板の加速時と減速時とでその加速度の
    絶対値を異ならせることを特徴とする走査露光方法。
  28. 【請求項28】 前記第1走査露光後で前記基板の第1
    方向の減速中に前記基板の前記第2方向の加速を開始
    し、前記第2走査露光前で前記基板の第1方向の加速中
    に前記基板の前記第2方向の減速を開始することを特徴
    とする請求項27に記載の走査露光方法。
  29. 【請求項29】 前記基板は、前記第1走査露光と前記
    第2走査露光との間で停止することなく移動されること
    を特徴とする請求項27又は28に記載の走査露光方
    法。
  30. 【請求項30】 前記基板は、前記第1方向の速度成分
    が零となる前後で前記第2方向の加減速がそれぞれ開始
    されることを特徴とする請求項29に記載の走査露光方
    法。
  31. 【請求項31】 前記基板の減速時よりも加速時で前記
    第2方向の加速度の絶対値を大きくすることを特徴とす
    る請求項26〜30のいずれか一項に記載の走査露光方
    法。
  32. 【請求項32】 前記基板は、前記第1区画領域の走査
    露光と前記第2区画領域の走査露光との間で停止するこ
    となく移動されることを特徴とする請求項8〜26のい
    ずれか一項に記載の走査露光方法。
  33. 【請求項33】 前記第2区画領域の走査露光に先立つ
    前記マスクと前記基板との同期整定前に、前記基板の前
    記第2方向の速度成分をほぼ零にすることを特徴とする
    請求項8〜32に記載の走査露光方法。
  34. 【請求項34】 前記マスクは、前記基板が前記第1方
    向に沿って逆向きに移動される前記第1区画領域の走査
    露光と前記第2区画領域の走査露光とで、往復移動され
    ることを特徴とする請求項10〜33のいずれか一項に
    記載の走査露光方法。
  35. 【請求項35】 前記基板は、前記マスクのパターンを
    転写すべき前記基板上の全ての区画領域の走査露光が終
    了するまで、前記第1及び第2方向の両方でその速度成
    分が同時に零とならないように移動されることを特徴と
    する請求項10〜34のいずれか一項に記載の走査露光
    方法。
  36. 【請求項36】 基板上の区画領域毎にマスクと前記基
    板とを同期移動して、前記基板上の複数の区画領域に前
    記マスクのパターンを順次転写するステップ・アンド・
    スキャン方式の走査露光方法において、 前記マスクの往復移動によって前記マスクのパターンが
    転写される前記基板上の2つの区画領域の走査露光間で
    前記基板を停止することなく移動することを特徴とする
    走査露光方法。
  37. 【請求項37】 前記基板は、前記マスクのパターンを
    転写すべき前記基板上の最後の区画領域の走査露光が終
    了するまで、前記基板が同期移動される第1方向、及び
    それと直交する第2方向の少なくとも一方の速度成分が
    零とならないように移動されることを特徴とする請求項
    36に記載の走査露光方法。
  38. 【請求項38】 前記マスクは、前記走査露光時に前記
    基板の前記第2方向の速度成分が零となる前に加速が開
    始されることを特徴とする請求項3〜37のいずれか一
    項に記載の走査露光方法。
  39. 【請求項39】 前記走査露光前の前記基板の加速時
    と、前記走査露光後の前記基板の減速時との少なくとも
    一方で、前記基板をその加速度が徐々に零に収束するよ
    うな加速度変化曲線に従って前記第1方向に移動するこ
    とを特徴とする請求項3〜38のいずれか一項に記載の
    走査露光方法。
  40. 【請求項40】 前記走査露光前の前記マスクの加速時
    と、前記走査露光後の前記マスクの減速時との少なくと
    も一方で、前記マスクをその加速度が徐々に零に収束す
    るような加速度変化曲線に従って移動することを特徴と
    する請求項3〜39のいずれか一項に記載の走査露光方
    法。
  41. 【請求項41】 前記基板又は前記マスクは、その加速
    時に前記加速度変化曲線に従って移動されることを特徴
    とする請求項39又は40に記載の走査露光方法。
  42. 【請求項42】 前記基板又は前記マスクは、その減速
    時に一定の加速度で減速されることを特徴とする請求項
    41に記載の走査露光方法
  43. 【請求項43】 マスクと基板とを同期移動して、前記
    基板上の1又は2以上の区画領域に前記マスクのパター
    ンを転写する走査露光方法において、 前記各区画領域に対する走査露光に際して、前記マスク
    と前記基板との同期移動に先立って、前記マスク及び前
    記基板の少なくとも一方を、その加速度が徐々に零に収
    束するような加速度変化曲線に基づいて前記同期移動方
    向に沿って加速することを特徴とする走査露光方法。
  44. 【請求項44】 前記基板が同期移動される第1方向に
    直交する第2方向に沿って配列される前記基板上の第1
    区画領域と第2区画領域とに前記マスクのパターンを順
    次転写するに際し、 前記第1区画領域の走査露光終了後の前記基板の第1方
    向の減速中及び前記第2区画領域の走査露光前の前記基
    板の第1方向の加速中に、前記基板を前記第1及び第2
    方向と交差する方向に移動することを特徴とする請求項
    43に記載の走査露光方法。
  45. 【請求項45】 マスクと基板とを同期移動して、前記
    基板が同期移動される第1方向に直交する第2方向に沿
    って配列される前記基板上の第1区画領域と第2区画領
    域とに前記マスクのパターンを順次転写する走査露光方
    法において、 少なくとも前記第1区画領域に対する走査露光に際し
    て、前記マスク及び前記基板の少なくとも一方を、前記
    マスクと前記基板との同期移動に先立ってその加速度が
    徐々に零に収束するような加速度変化曲線に基づいて前
    記第1方向に沿って加速するとともに、前記同期移動の
    終了後に一定減速度で前記第1方向に沿って減速するこ
    とを特徴とする走査露光方法。
  46. 【請求項46】 前記第1区画領域の走査露光終了後の
    前記基板の第1方向の減速中及び前記第2区画領域の走
    査露光前の前記基板の第1方向の加速中に、前記基板を
    前記第1及び第2方向と交差する方向に移動することを
    特徴とする請求項45に記載の走査露光方法。
  47. 【請求項47】 前記基板が同期移動される第1方向、
    及びこれに直交する第2方向のうち、少なくとも第2方
    向については、前記第2方向と異なる方向の第1測長ビ
    ームを用いて前記基板の位置制御を行うことを特徴とす
    る請求項3〜46のいずれか一項に記載の走査露光方
    法。
  48. 【請求項48】 前記第1方向とほぼ平行な第2測長ビ
    ームを用いて、前記第1方向における前記基板の位置制
    御を行うことを特徴とする請求項47に記載の走査露光
    方法。
  49. 【請求項49】 前記第1及び第2方向と交差し、かつ
    前記第1測長ビームと異なる方向の第3測長ビームを用
    いて、前記基板の位置制御を行うことを特徴とする請求
    項47又は48に記載の走査露光方法。
  50. 【請求項50】 定盤と;前記定盤に対して相対移動が
    可能であるとともに基板をそれぞれ保持する少なくとも
    2つの第1可動体と;前記各第1可動体がその上部に配
    置されるとともに、前記定盤上に配置され、かつ前記定
    盤及び前記各第1可動体のそれぞれに対して相対移動す
    る第2可動体と;前記第2可動体に設けられ、前記各第
    1可動体を2次元平面内で駆動する駆動装置とを備え、 前記各第1可動体の駆動の際の反力に応じて前記第2可
    動体が移動するように構成されていることを特徴とする
    ステージ装置。
  51. 【請求項51】 前記各第1可動体の質量は前記第2可
    動体の質量のほぼ1/9以下であり、 前記定盤上で前記第2可動体を低応答周波数で駆動する
    第2の駆動装置を更に備えることを特徴とする請求項5
    0に記載のステージ装置。
  52. 【請求項52】 マスクのパターンを基板上に転写する
    露光装置であって、 請求項50又は51に記載のステージ装置を備え、 前記マスクのパターンが転写される基板が前記ステージ
    装置を構成する前記各第1可動体に保持されることを特
    徴とする露光装置。
  53. 【請求項53】 前記マスクのパターンを前記基板に投
    影する投影光学系を更に備え、 前記ステージ装置を構成する前記駆動装置が、前記各第
    1可動体にそれぞれ保持された基板に前記マスクのパタ
    ーンを転写する際に、そのパターン転写の対象の基板を
    保持する前記第1可動体を前記マスクと同期して前記投
    影光学系に対して走査方向に駆動することを特徴とする
    請求項52に記載の露光装置。
  54. 【請求項54】 基板上で隣接して配置される第1及び
    第2区画領域のそれぞれにマスクのパターンを転写する
    露光装置であって、 前記基板を保持する基板ステージと;前記第1区画領域
    に対する第1露光と前記第2区画領域に対する第2露光
    との間で前記基板ステージを移動するときに、前記基板
    ステージの加速時と減速時とでその加速度の絶対値を異
    ならせる第1駆動装置とを備える露光装置。
  55. 【請求項55】 前記第1駆動装置は、前記減速時より
    も前記加速時でその加速度の絶対値を大きくすることを
    特徴とする請求項54に記載の露光装置。
  56. 【請求項56】 前記基板ステージが配置される第1定
    盤と;前記第1定盤が配置される第2定盤とを更に備
    え、 前記基板ステ−ジの移動に応答して前記第1定盤が前記
    第2定盤上で前記基板ステージに対して相対移動するよ
    うに構成したことを特徴とする請求項54又は55に記
    載の露光装置。
  57. 【請求項57】 前記第1定盤上に配置される第2基板
    ステージを更に備え、 前記第1定盤は、前記2つの基板ステージの移動によっ
    て生じる反力の合力を相殺するように移動されることを
    特徴とする請求項56に記載の露光装置。
  58. 【請求項58】 前記第1定盤上に配置される第2基板
    ステージを更に備え、 前記第1定盤は、前記2つの基板ステージの少なくとも
    一方の移動による重心位置変動の発生を防止するように
    移動されることを特徴とする請求項56に記載の露光装
    置。
  59. 【請求項59】 前記第1定盤を前記第2定盤に対して
    相対移動する第2駆動装置と;前記第2駆動装置の制御
    応答を、前記基板の露光動作を含む複数の動作でそれぞ
    れ可変とする制御装置とを更に備えることを特徴とする
    請求項56〜58のいずれか一項に記載の露光装置。
  60. 【請求項60】 前記制御装置は、前記第1及び第2露
    光間での前記基板ステージの移動時に、前記第1定盤が
    前記第2定盤に対する位置をほぼ維持するような制御が
    可能となるように前記第2駆動装置の制御応答を設定す
    ることを特徴とする請求項59に記載の露光装置。
  61. 【請求項61】 前記第1駆動装置は、前記基板上の複
    数の区画領域がステップ・アンド・リピート方式、又は
    ステップ・アンド・スキャン方式で露光されるように前
    記基板ステージを移動することを特徴とする請求項54
    〜60のいずれか一項に記載の露光装置。
  62. 【請求項62】 前記第1駆動装置は、前記基板ステー
    ジを少なくとも3自由度で駆動する第1の平面磁気浮上
    型リニアアクチュエータを有することを特徴とする請求
    項54〜61のいずれか一項に記載の露光装置。
  63. 【請求項63】 前記第2駆動装置は、前記第1定盤を
    前記第2定盤に対して相対移動する第2の平面磁気浮上
    型リニアアクチュエータを有することを特徴とする請求
    項59〜62のいずれか一項に記載の露光装置。
  64. 【請求項64】 マスクのパターンを基板上に転写する
    露光装置であって、 第1定盤と;前記第1定盤上にそれぞれ配置され前記基
    板をそれぞれ保持する複数の基板ステージと;前記第1
    定盤が配置される第2定盤と;前記複数の基板ステージ
    の少なくとも1つの移動による重心位置変動を抑制する
    ように、前記第2定盤に対して前記第1定盤を相対移動
    可能に支持する支持装置とを備える露光装置。
  65. 【請求項65】 前記複数の基板ステージのうち第1基
    板ステージは、前記基板がステップ・アンド・リピート
    方式又はステップ・アンド・スキャン方式で露光される
    ように移動され、 前記支持装置は前記第1定盤を前記第2定盤に対して相
    対移動可能に支持する平面磁気浮上型リニアアクチュエ
    ータを有することを特徴とする請求項64に記載の露光
    装置。
  66. 【請求項66】 前記第1基板ステ一ジ上の基板の露光
    動作中、前記第1基板ステージと異なる第2基板ステー
    ジは露光動作以外の動作が実行されるように駆動される
    ことを特徴とする請求項65に記載の露光装置。
  67. 【請求項67】 前記基板上のマークを検出するアライ
    メント系を更に備え、 前記第2基板ステージでは、前記アライメント系による
    マーク検出、又は前記基板のロード又はアンロードが実
    行されることを特徴とする請求項66に記載の露光装
    置。
  68. 【請求項68】 前記基板ステージは、互いに延設方向
    が鋭角に交差するように配置される第1及び第2反射面
    を有し、 前記第1及び第2反射面とそれぞれ直交する測長軸を有
    する第1及び第2の干渉計を更に備えたことを特徴とす
    る請求項54〜67のいずれか一項に記載の露光装置。
  69. 【請求項69】 前記第1及び第2反射面は、当該両反
    射面を上底及び下底以外の2辺とする台形が前記基板を
    包含するように配置されることを特徴とする請求項68
    に記載の露光装置。
  70. 【請求項70】 前記第1及び第2反射面はそれぞれ前
    記基板ステージ上で前記基板をほぼ包含する三角形の2
    辺に沿って形成されることを特徴とする請求項68又は
    69に記載の露光装置。
  71. 【請求項71】 前記第1反射面、又は前記第2反射面
    はその延設方向に関する長さが前記基板上の露光範囲よ
    りも実質的に長く定められていることを特徴とする請求
    項68〜70のいずれか一項に記載の露光装置。
  72. 【請求項72】 前記露光範囲は、前記基板上で前記マ
    スクのパターンを転写すべき全ての部分領域を含むこと
    を特徴とする請求項71に記載の露光装置。
  73. 【請求項73】 前記マスクを保持するマスクステージ
    と;前記マスクのパターンを前記基板上に転写するた
    め、前記マスクステージと前記基板ステージとを第1方
    向に同期移動する駆動装置とを更に備え、 前記基板ステージは、前記同期移動される第1方向と鋭
    角に交差する方向に沿って延びる測長用第1基準面を有
    することを特徴とする請求項54〜67のいずれか一項
    に記載の露光装置。
  74. 【請求項74】 前記測長用第1基準面はその延設方向
    に関して、前記基板の走査露光動作における前記基板ス
    テージの移動範囲のほぼ全域に渡って形成されることを
    特徴とする請求項73に記載の露光装置。
  75. 【請求項75】 前記測長用第1基準面はその延設方向
    に関する長さが前記基板上の露光範囲よりも実質的に長
    く定められていることを特徴とする請求項73又は74
    に記載の露光装置。
  76. 【請求項76】 前記露光範囲は、前記基板上で前記マ
    スクのパターンを転写すべき全ての区画領域を含むこと
    を特徴とする請求項75に記載の露光装置。
  77. 【請求項77】 前記測長用第1基準面と直交する測長
    軸を有する第1の干渉計を更に備え、 前記第1の干渉計の計測値は、前記第1方向、及びこれ
    に直交する第2方向のうち、少なくとも第2方向に関す
    る前記基板ステージの位置制御に用いられることを特徴
    とする請求項73〜76のいずれか一項に記載の露光装
    置。
  78. 【請求項78】 前記基板ステージは、前記第1方向と
    直交する第2方向に延びる測長用第2基準面を有するこ
    とを特徴とする請求項73〜77のいずれか一項に記載
    の露光装置。
  79. 【請求項79】 前記測長用第2基準面と直交する測長
    軸を有する第2の干渉計を更に備え、前記第2の干渉計
    の計測値は、前記第1方向に関する前記基板ステージの
    位置制御に用いられることを特徴とする請求項78に記
    載の露光装置。
  80. 【請求項80】 前記基板ステージは、前記第1方向、
    及びこれに直交する第2方向の両方と交差し、かつ前記
    測長用第1基準面と異なる方向の測長用第3基準面を有
    することを特徴とする請求項73〜79のいずれか一項
    に記載の露光装置。
  81. 【請求項81】 前記測長用第3基準面と直交する測長
    軸を有する第3の干渉計を更に備え、 前記第3の干渉計の計測値は、前記第1及び第2方向の
    少なくとも一方に関する前記基板ステージの位置制御に
    用いられることを特徴とする請求項80に記載の露光装
    置。
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