JP2000102284A - 画像読み取り装置 - Google Patents

画像読み取り装置

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JP2000102284A
JP2000102284A JP10266905A JP26690598A JP2000102284A JP 2000102284 A JP2000102284 A JP 2000102284A JP 10266905 A JP10266905 A JP 10266905A JP 26690598 A JP26690598 A JP 26690598A JP 2000102284 A JP2000102284 A JP 2000102284A
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temperature
slider
drive control
armature coil
image
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JP10266905A
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English (en)
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Katsuhiro Nanba
克宏 難波
Masazo Ishiyama
雅三 石山
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャフト型リニアモータを用いて光学機器を
所定方向に移動させることで原稿画像を光学的に走査す
る画像読み取り装置であって、電機子コイルが昇温して
も読み取り効率の低下を抑制でき、過度に昇温したとき
には、コイルなどが破損して読み取り不能になることを
防止できる画像読み取り装置を提供する。 【解決手段】 界磁マグネットFMに外嵌する電機子コ
イル31をモータ可動子LMmとするシャフト型リニア
モータで、ランプLP等を搭載するスライダSL1、S
L2を駆動して、画像走査を行う画像読み取り装置IR
A。駆動制御装置6で、スライダSL1を所定順序で移
動させる画像走査駆動シーケンスを実行する。駆動制御
装置6は、温度センサTSにより検出され、温度状態判
定部51により判定された電機子コイル31の温度状態
に応じて、画像走査駆動シーケンスにおけるリニアモー
タ(スライダSL1)の駆動制御モードを変える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学機器を所定方
向に移動させることで所定位置に配置した原稿の画像を
光学的に走査して、原稿画像を読み取る画像読み取り装
置、特に光学機器を所定方向に移動させる駆動装置とし
てシャフト型リニアモータを利用する画像読み取り装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】原稿画像を光学的に走査して、原稿画像
を読み取る画像読み取り装置は、イメージスキャナとし
て利用されたり、複写機に搭載して利用されている。図
17に画像読み取り装置の一例の概略側面図を示す。ま
た、この画像読み取り装置の概略平面図を図18に示
す。
【0003】この画像読み取り装置は、原稿台ガラスG
L上に載置される原稿Dの画像を光学的に走査して、そ
の間に原稿画像光をイメージセンサISで読み取る。こ
の画像読み取り装置においては、イメージセンサISに
原稿画像光を入力するための光学機器をガラスGLに平
行に直線的に移動させて、原稿画像を光学的に走査す
る。
【0004】イメージセンサISに原稿画像光を入力す
るための光学機器の一部は、スライダSL1に搭載され
ており、該光学機器の残りの一部はスライダSL2に搭
載されている。スライダSL1には、原稿に向けて光を
照射することができるランプLP及び原稿からの反射画
像光をスライダSL2に向け反射するためのミラーm1
が搭載されている。スライダSL2には、ミラーm1か
らの原稿画像光をイメージセンサISに向け反射するミ
ラーm2及びm3が搭載されている。
【0005】これらスライダSL1及びSL2をガラス
GLに平行に移動させるために、ガラスGLと平行にガ
イド軸93及びガイド板94が配置されている。スライ
ダSL1は、ガイド軸93に外嵌する軸受け911、9
12及びガイド板94上を転動できるローラr1を備え
おり、これら軸受けなどによってスライダSL1はガラ
スGLと平行に往復移動することができる。スライダS
L2も同様に、ガイド軸93に外嵌する軸受け921、
922及びガイド板94上を転動できるローラr2を備
えており、これら軸受けなどによって、スライダSL2
はガラスGLと平行に往復移動することができる。
【0006】スライダSL1とSL2は、原稿画像を走
査するときにおいてスライダSL1がガイド軸93の長
手方向におけるいずれの位置にあっても、原稿画像から
イメージセンサISまでの光路長が一定になるように、
ワイヤ及びプーリーを用いて次のように連結されてい
る。ワイヤWは、一端が定位置フレームFR1に連結さ
れており、スライダSL2上のプーリーp1に巻き掛け
られ、係止部材913によりスライダSL1に係止さ
れ、さらにスライダSL2上のプーリーp2に巻き掛け
られて、他端が定位置フレームFR2に連結されてい
る。上記のようなリンケージによって、スライダSL1
が移動すると、スライダSL2はスライダSL1と同じ
方向に移動する。このとき、スライダSL2の移動距離
は、スライダSL1の移動距離の1/2となり、光路長
を一定に保つことができる。
【0007】この画像読み取り装置においては、次の画
像走査シーケンスで二つのスライダを移動させて、ガラ
スGL上に載置される原稿の画像を光学的に走査する。
画像読み取り開始時には、二つのスライダはそれぞれ所
定のホームポジションで待機している。待機位置からこ
れらスライダは駆動される。これらスライダは画像読み
取り開始位置から画像読み取り終了位置までの画像読み
取り区間を移動する間は、それぞれ画像読み取り倍率な
どによって決まる所定の速度で駆動される。画像読み取
り区間を移動している間は、スライダSL1上のランプ
LPは点灯され、ガラスGL上の原稿画像に光を当て
て、その反射光をミラーm1、m2、m3によりレンズ
LSを通してイメージセンサISに導く。これにより原
稿画像全体を光学的に走査することができ、イメージセ
ンサISによって原稿画像は順次読み取られる。画像読
み取り区間を移動した後は、スライダは減速され、逆方
向に駆動されて、ホームポジションに戻される。二つの
スライダは、ホームポジションで待機して、次の画像読
み取りに備える。
【0008】これらスライダは、例えば回転モータを用
いて駆動される。回転モータを用いる場合には、回転モ
ータの駆動力をプーリーなどを含む駆動力伝達機構を介
してスライダSL1又はSL2に伝達することで、これ
らスライダは駆動される。また、これらスライダはリニ
アモータを用いて駆動されることもある。リニアモータ
を用いる場合には、ガラスGLと平行に駆動されるモー
タ可動子をスライダSL1又はSL2に連結すること
で、これらスライダを駆動することができる。リニアモ
ータを用いる場合、回転モータを用いる場合のように駆
動力伝達機構を介さずして、モータ駆動力をスライダに
伝達することができるため、それだけ精度よくスライダ
を駆動することができる。
【0009】スライダを駆動するためのリニアモータの
一例の概略断面図を図19に示す。このリニアモータ
は、所定方向に延びるガイド軸95を備えている。ガイ
ド軸95には、N極の磁極とS極の磁極が交互に並ぶ界
磁マグネットFMが形成されている。ガイド軸95には
リング状の電機子コイル96が外嵌しており、電機子コ
イル96は界磁マグネットFMに臨んでいる。電機子コ
イル96は強磁性体材料からなる筒状のヨーク97に支
持されている。ヨーク97の両端開口部には、ガイド軸
95に外嵌する軸受け981、982が配置されてお
り、これら軸受けによってヨーク97及びこれに支持さ
れた電機子コイル96はガイド軸95に沿って一体的に
往復移動することができる。このリニアモータは、シャ
フト状のガイド軸95に形成された界磁マグネットFM
を固定子LMsとし、これに外嵌する電機子コイル96
及びヨーク97を可動子LMmとするシャフト型リニア
モータである。
【0010】電機子コイル96に通電することで、可動
子LMmをガイド軸95に沿って駆動することができ
る。ヨーク97によって磁路が形成されるため、電機子
コイル96に鎖交する磁束が増え、界磁マグネットFM
が形成する磁界を効率的に駆動力に変換することができ
る。シャフト型リニアモータは、可動子LMmを案内す
るガイド軸95に界磁マグネットFMが形成されている
ため、可動子の案内部材と界磁マグネットとを別々に備
える例えば平板形のリニアモータに比べて、構造が簡易
となり、コンパクトにできる。シャフト型リニアモータ
を図17及び図18に示す画像読み取り装置におけるス
ライダの駆動に利用するときには、ガイド軸93に界磁
マグネットを形成してモータ固定子とし、ガイド軸93
に外嵌させた電機子コイルをモータ可動子とすれば、画
像読み取り装置をコンパクトにできる。
【0011】回転モータやリニアモータを用いてスライ
ダを駆動する場合、通常、ロータリーエンコーダ又はリ
ニアエンコーダを利用してスライダの駆動制御がなされ
る。エンコーダを利用して、例えば速度制御、位置制
御、PLL制御などが行われる。また、エンコーダは、
画像読み取り開始位置や画像読み取り終了位置などの位
置の検出にも利用されている。
【0012】図17及び図18に示すスライダSL1
は、例えばモータを次のように駆動制御して、前記画像
走査シーケンスで駆動される。このとき、スライダSL
1は、図20に実線で通常時の駆動パターンとして示す
駆動パターンで駆動される。図20(A)は、画像走査
シーケンス中におけるスライダSL1の時間と速度の関
係を示す駆動パターンであり、図20(B)は時間と所
定方向における位置との関係を示す駆動パターンであ
る。スライダSL2は前述のようにスライダSL1とワ
イヤ及びプーリーを用いてリンクしているため、スライ
ダSL2の駆動パターンはスライダSL1の駆動パター
ンと相似形となる。
【0013】まず、待機位置で停止しているスライダS
L1を画像読み取り倍率などによって決まる所定の読み
取り速度V10(本例では、350mm/sec)まで加
速する。画像読み取り区間(画像読み取り開始位置〜画
像読み取り終了位置)を越えた位置X10まで速度V10
維持する。位置X10からは速度V20(本例では、150
mm/sec)になるまで逆転ブレーキをかけ、その後
速度が0になるまで回生ブレーキをかける。速度が0に
なったら、時間ΔtW0(本例では、0.1sec)の間
その位置で停止(休止)する。時間ΔtW0が経過した後
は、逆方向(ホームポジションに戻る方向)に速度V30
(本例では、−1000mm/sec)になるまで加速
し、位置X20まで速度V30を維持する。位置X20から
は、速度V 40(本例では、−150mm/sec)にな
るで逆転ブレーキをかけ、その後速度0になるで回生ブ
レーキをかける。このようにスライダSL1を駆動制御
することで、一連のシーケンスタイム(サイクルタイ
ム)は本例では1.339sec(0.1secの休止
時間を含む)となっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、シャフト型
リニアモータを利用してスライダを駆動する場合、モー
タコイルに通電すると、シャフト型リニアモータはその
構造上モータコイルは昇温しやすく、次の〜に示す
問題が発生しやすい。図19に示すシャフト型リニアモ
ータにおいては、電機子コイル96(モータコイル)は
筒状のヨーク97の内部に配置され、ヨーク97の開口
部は軸受け981、982によって塞がれている。この
ため、通電することで電機子コイル96から発生した熱
はヨーク内部に蓄積されやすい。また、このような構造
のため、電機子コイル96を含む可動子LMmが移動す
るときにも、その熱を放熱しにくい。これらにより、シ
ャフト型リニアモータにおいては、電機子コイル96を
含む可動子LMmは昇温しやすい。
【0015】この点、回転モータは、モータ可動子の回
転で、モータ内部において対流を起こし、モータケース
に設けた開口部から発生した熱を逃がす構造になってい
るものが多いため、シャフト型リニアモータに比べて昇
温しにくい。 電機子コイル96が発熱して、電機子コイル96が
昇温すると、コイル抵抗が増大して、モータの発生推力
が低下する。 電機子コイル96を含む可動子LMmが界磁マグネ
ットFMが形成されたガイド軸95に外嵌しているた
め、電機子コイルが昇温すると、界磁マグネットFMも
昇温する。界磁マグネットFMが昇温すると、界磁マグ
ネットFMが形成する磁界の磁束密度が低下し、発生推
力が低下する。 電機子コイル96が昇温すると、可動子LMmの軸
受け981、982も昇温し、これら軸受けは膨張、変
形する。軸受け981、982が変形すると、軸受けと
ガイド軸95の間のギャップが変化して、モータの負荷
変動が発生して、スライダの速度変動などが起こり、ス
ライダの駆動精度が悪くなる。 軸受け981、982とガイド軸95の間に潤滑油
を介在させている場合には、電機子コイル96が昇温
し、軸受け981、982が昇温すると、潤滑油も昇温
する。潤滑油が昇温すると、潤滑油は揮発し、軸受け9
81、982のガイド軸95に対する摺動性が低下し、
モータの負荷変動が発生して、スライダの駆動精度が悪
くなる。また、モータ負荷が大きくなる。 昇温した電機子コイル96を含む可動子LMmが、
特定の位置(例えば、ホームポジション)で停止してい
ると、ガイド軸95のその可動子LMmに臨む部分の温
度が上がり、スライダを案内するガイド軸95中に温度
差が発生する。ガイド軸95中に温度差ができると、ガ
イド軸95は変形して、モータの負荷変動が発生し、ス
ライダの駆動精度が悪くなる。この点、前述のように回
転モータでスライダを駆動する場合には、モータとスラ
イダを案内するガイド軸の間には、通常ギアなどを含む
減速機構や、プーリーなどを含む駆動力伝達機構が配置
されるため、回転モータで発生した熱はスライダを案内
するガイド軸へ伝達されにくく、ガイド軸は昇温しにく
い。
【0016】上記及びにおいて述べたようにしてモ
ータの発生推力が低下すると、加速性能が悪化するた
め、前述のようにスライダを駆動制御しても、図20に
破線で昇温時の駆動パターンとして示す駆動パターンで
スライダSL1は移動する。なお、図20に示す速度パ
ターンは、図19に示すタイプのシャフト型リニアモー
タを用いて測定したものである。前述の通常時の駆動パ
ターンは20°Cにおける駆動パターンであり、昇温時
の駆動パターンは70°Cにおける駆動パターンであ
る。
【0017】すなわち、加速性能が悪化するため、静止
状態から読み取り速度V10までスライダを加速させると
き、昇温時には通常時のときよりも速度V10に到達する
までの時間が遅くなる。速度V10から速度V20まで逆転
ブレーキをかけて減速するときには、逆転ブレーキはス
ライダの移動方向とは逆方向に推力をかけてスライダを
減速させるものであるため、モータコイルが昇温すると
制動力が低下し、このときも速度V20に到達するまでの
時間が遅くなり、制動距離は延びる。スライダをホーム
ポジションに戻すために、静止状態から速度V30まで加
速するときにも、速度V30に到達するまでの時間が遅く
なる。速度V30から速度V40まで逆転ブレーキをかけて
減速するときにも、速度V40に到達するまでの時間が遅
くなり、制動距離も延びる。速度V30から速度V40まで
減速するときの制動距離が延びると、最終的な停止位置
はホームポジションを通りすぎた位置となってしまう。
すなわち、スライダはオーバーランしてしまう。本例で
は、スライダは4.5mmオーバーランしている。ま
た、上記のように加速時間及び逆転ブレーキを使用した
制動時間が延びるため、シーケンスタイム(サイクルタ
イム)は長くなり、画像読み取り効率が低下してしま
う。本例では、通常時に1.339secであったシー
ケンスタイムは、昇温時には1.378secにまで延
び、画像読み取り効率は約3%低下してしまっている。
【0018】1回の画像読み取りや小数回の連続した画
像読み取り(画像走査)を行う程度では、電機子コイル
及び電機子コイルを内蔵する可動子はそれほど昇温しな
いため、また、画像読み取り終了後の待機中に電機子コ
イルを内蔵する可動子からの自然放熱で電機子コイルの
温度が十分に下がるため、上記述べた問題は顕著には現
れない。
【0019】しかし、数十回にも及ぶ連続した画像読み
取りを行うときなどには、電機子コイルの温度が上がる
につれ、前述のように画像読み取り効率が低下する。画
像読み取り装置をアナログ複写機に搭載して利用する場
合には、画像読み取り装置をデジタル複写機に搭載して
利用する場合や、画像読み取り装置をイメージスキャナ
として利用する場合に比べて、その構成上画像走査回数
は多くなりやすい。また、電機子コイルの温度が上がる
につれ、スライダのオーバーラン量は大きくなる。スラ
イダのオーバーラン量が大きくなると、スライダが他の
機器に衝突して、装置が破損し、画像読み取りを行えな
くなることもある。電機子コイルが昇温した状態でさら
に画像読み取りが続けられると、電機子コイルが過度に
昇温して、電機子コイルの変形、破損などが起こり、画
像読み取り(画像走査)が以降不能になることもある。
【0020】そこで本発明は、シャフト型リニアモータ
を用いて光学機器を所定方向に移動させることで原稿画
像を光学的に走査し、原稿画像を読み取る画像読み取り
装置であって、次の利点を有する画像読み取り装置を提
供することを課題とする。 (A) シャフト型リニアモータの電機子コイルが昇温
しても、画像読み取り効率の低下を抑制できる画像読み
取り装置。 (B) シャフト型リニアモータの電機子コイルが昇温
しても画像読み取り効率の低下を抑制できるとともに、
電機子コイルが過度に昇温したときには、電機子コイル
などが破損して、画像読み取りが不能になることを防止
できる画像読み取り装置。 (C) シャフト型リニアモータの電機子コイルが過度
に昇温し、電機子コイルなどが破損し、画像読み取りが
不能になることを防止できる画像読み取り装置。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明は、光学機器を所定方向に移動させることで所
定位置に配置した原稿の画像を光学的に走査して、原稿
画像を読み取る画像読み取り装置であって、前記光学機
器を搭載するスライダと、前記所定方向に延びるシャフ
ト状の界磁マグネットをモータ固定子とし、該界磁マグ
ネットに外嵌し、該界磁マグネットに沿って往復移動で
き、前記スライダに連結された電機子コイルをモータ可
動子とするシャフト型リニアモータであって、該電機子
コイルに通電することで前記スライダを前記所定方向に
駆動することができるシャフト型リニアモータと、前記
電機子コイルの温度を検出して、該電機子コイルの温度
状態を判定する温度状態判定装置と、前記リニアモータ
を所定の駆動制御モードで駆動制御して、待機状態の前
記スライダを加速し、該スライダを画像読み取り区間を
所定の定速度で移動させ、その後該スライダを待機させ
るべき所定のホームポジションで停止するように該スラ
イダを復帰させる画像走査駆動シーケンスを行う駆動制
御装置とを備えており、前記駆動制御装置は、前記温度
状態判定装置が判定した前記電機子コイルの温度状態に
応じて、前記画像走査駆動シーケンスにおける前記リニ
アモータの駆動制御モードを変えることを特徴とする画
像読み取り装置を提供する。
【0022】本発明の画像読み取り装置は、例えばイメ
ージスキャナとして利用することができる。本発明の画
像読み取り装置は、アナログ複写機やデジタル複写機に
搭載して利用することもできる。本発明の画像読み取り
装置は、原稿台ガラス上などの所定位置に配置された原
稿の画像を光学的に走査して、原稿画像を読み取る。原
稿画像を光学的に走査するための光学機器を、例えば原
稿が載置される原稿台ガラスに平行な所定方向に移動さ
せることで、原稿画像を光学的に走査する。光学機器と
しては、例えば原稿画像に光を当てるためのランプや、
原稿画像光を所定方向に導くためのミラーなどを挙げる
ことができる。
【0023】本発明の画像読み取り装置は、スライダ、
シャフト型リニアモータ、温度状態判定装置及び駆動制
御装置を備えている。原稿画像を光学的に走査するため
の光学機器はスライダに搭載されている。スライダは、
シャフト型リニアモータにより所定方向に駆動すること
ができる。シャフト型リニアモータは、所定方向に延び
るシャフト状の界磁マグネットと、界磁マグネットに外
嵌し、界磁マグネットに沿って往復移動できる電機子コ
イルを有している。このシャフト型リニアモータは、N
極の磁極とS極の磁極が所定方向に交互に並ぶ界磁マグ
ネットをモータ固定子とし、この界磁マグネットに外嵌
する電機子コイルをモータ可動子とするリニアモータで
ある。電機子コイルはスライダに連結されている。電機
子コイルは、可動子ヨークなどの他の部材を介して間接
的にスライダに連結されていてもよい。電機子コイルに
通電することで、電機子コイル及びこれに連結されたス
ライダを所定方向に駆動することができる。
【0024】リニアモータは、駆動制御装置により駆動
制御される。リニアモータの駆動制御などのためにエン
コーダを設けてもよい。駆動制御装置は、所定位置に配
置された原稿の画像を光学的に走査するときには、リニ
アモータを所定の駆動制御モードで駆動制御して、次の
順序でスライダを移動させる画像走査駆動シーケンスを
行う。
【0025】画像走査駆動シーケンスの開始時には、ス
ライダは前回の画像走査駆動シーケンス終了時の停止位
置にて、次回(今回)の画像走査に備えて待機状態にあ
り、静止(停止)している。まず、待機状態のスライダ
を加速し、画像走査区間(画像読み取り区間。画像読み
取り開始位置〜画像読み取り終了位置の区間)を所定の
定速度で移動させる。所定の定速度は、画像読み取り倍
率などで決まる速度である。スライダが画像走査区間を
定速度で移動している間にスライダ上の光学機器を用い
て画像走査がなされる。この後、次の画像走査に備えて
スライダを待機さすべきホームポジションに向けてスラ
イダを復帰させる。すなわち、画像走査区間を所定の定
速度でスライダを移動させた後は、スライダを減速し、
速度が0になった後、ホームポジションに向かう逆方向
(前記画像読み取り終了位置から画像読み取り開始位置
へ向かう方向)に移動させる。そして、スライダがホー
ムポジションで停止するように、スライダを減速する。
スライダが停止した位置で、次の画像走査に備えてスラ
イダを待機させる。
【0026】このような順序でスライダを移動させる画
像走査駆動シーケンスを実行するための駆動制御モード
を駆動制御装置は複数用意しており、駆動制御装置は温
度状態判定装置が判定した電機子コイルの温度状態に応
じて、複数の駆動制御モードのなかから一つの駆動制御
モードを選択し、選択した駆動制御モードでリニアモー
タ(スライダ)を駆動制御する。すなわち、温度状態判
定装置が判定した電機子コイルの温度状態に応じて画像
走査駆動シーケンスにおけるリニアモータ(スライダ)
の駆動制御モードを変える。
【0027】温度状態判定装置は、電機子コイルの温度
を検出して、電機子コイルの温度状態を判定する。電機
子コイルの近くに温度センサを配置して直接的に電機子
コイルの温度を検出してもよい。電機子コイル(スライ
ダ)が速度V1 からV2 まで加速するときの平均加速度
から間接的に電機子コイルの温度を検出してもよい。ま
た、電機子コイルに流れる電流を検出して、その電流値
から間接的に電機子コイルの温度を検出してもよい。
【0028】温度状態判定装置は、電機子コイルの検出
温度に応じて電機子コイルの温度状態(温度ランク)を
例えば次の(1)〜(3)のいずれかのように判定すれ
ばよい。 (1)電機子コイルの温度が所定温度T1 より低いとき
は通常温度状態と判定し、所定温度T1 以上のときは昇
温状態と判定する。 (2)電機子コイルの温度が所定温度T1 より低いとき
は通常温度状態と判定し、所定温度T1 以上で、且つ所
定温度T2 (ただし、T1 <T2 )より低いときは昇温
状態と判定し、所定温度T2 以上のときは過昇温状態と
判定する。 (3)電機子コイルの温度が所定温度T2 より低いとき
は通常温度状態と判定し、所定温度T2 以上のときは過
昇温状態と判定する。
【0029】駆動制御装置は、温度状態判定装置の判定
した電機子コイルの温度状態に応じて例えば次のような
駆動制御モードでリニアモータ(スライダ)を駆動制御
すればよい。駆動制御装置は、電機子コイルの温度状態
が通常状態のときは、所定の通常駆動制御モードでリニ
アモータを駆動制御すればよい。
【0030】駆動制御装置は、電機子コイルの温度状態
が昇温状態のときは、通常駆動制御モードに対して次の
特徴を有する昇温時駆動制御モードでリニアモータを駆
動制御すればよい。駆動制御装置は、電機子コイルの温
度状態が過昇温状態のときは、通常駆動制御モードに対
して次の特徴を有する過昇温時駆動制御モードでリニア
モータを駆動制御すればよい。 (昇温時駆動制御モード)昇温時駆動制御モードは、通
常駆動制御モードでリニアモータを駆動制御したとすれ
ば延びたシーケンスタイムが短縮されるように補償され
ているとともに、スライダの復帰停止位置がホームポジ
ションになるように補償された駆動制御モードである。
【0031】ここで、電機子コイルの温度が上昇する
と、リニアモータの発生推力が低下するため、電機子コ
イルの温度が通常温度状態から昇温状態になっても従来
のように駆動制御モードを変えずに通常駆動制御モード
でリニアモータを駆動制御すると、前記順序でスライダ
を移動させる画像走査駆動シーケンスを実行するのに要
するシーケンスタイムは延び、画像読み取り効率が低下
する。
【0032】昇温時駆動制御モードにおいては、電機子
コイルの温度状態が昇温状態になったことで通常駆動制
御モードでリニアモータを駆動制御したすれば延びたシ
ーケンスタイムを短縮して、画像読み取り効率の低下を
抑制するように補償されている。また、昇温時駆動制御
モードにおいては、スライダの復帰停止位置がホームポ
ジションになるように補償されている。
【0033】シーケンスタイムを短縮するためには、昇
温時駆動制御モードを通常駆動制御モードに対して、例
えば次の〜のように変えればよい。 通常駆動制御モードにおいて逆転ブレーキと回生ブレ
ーキとを併用してスライダを所定速度まで減速させてい
るとき、或いは回生ブレーキだけでスライダを所定速度
まで減速させているときには、逆転ブレーキの割合を大
きくする(回生ブレーキの割合を小さくする)。逆転ブ
レーキだけでスライダを所定速度まで減速させてもよ
い。 スライダをホームポジションに復帰させるときのスラ
イダ移動速度(リターン速度)を大きくする。 通常駆動制御モードにおいてスライダを定速度で移動
させた後、スライダを反対方向に移動させる前に休止時
間を設けている場合には、その休止時間を短くする。
【0034】上記〜において述べたことは組み合わ
せてもよい。 (過昇温時駆動制御モード)過昇温時駆動制御モード
は、画像走査駆動シーケンス中の電機子コイルへの積算
通電量を、通常駆動制御モードでリニアモータを駆動制
御したときよりも小さくした駆動制御モードである。
【0035】電機子コイルへの積算通電量を小さくする
ことで、過昇温時駆動制御モードでリニアモータを駆動
制御したときには、通常駆動制御モードで駆動制御した
ときよりも画像走査駆動シーケンス中の電機子コイルか
らの発熱量を小さくできる。すなわち、過昇温時駆動制
御モードでリニアモータを駆動制御すれば、通常駆動制
御モードで駆動制御するときよりも電機子コイルや電機
子コイル周辺部品の昇温を抑制できる。
【0036】電機子コイルへの通算通電量を抑制するた
めには、過昇温時駆動制御モードを通常駆動制御モード
に対して、例えば次の〜のように変えて、設定して
おけばよい。 通常駆動制御モードにおいて逆転ブレーキと回生ブレ
ーキとを併用してスライダを所定速度まで減速させてい
るとき、或いは逆転ブレーキだけでスライダを所定速度
まで減速させているときには、回生ブレーキの割合を大
きくする(逆転ブレーキの割合を小さくする)。回生ブ
レーキだけでスライダを所定速度まで減速させてもよ
い。 スライダをホームポジションに復帰させるときのスラ
イダ移動速度を小さくする。 通常駆動制御モードでリニアモータを駆動制御すると
きよりも、電機子コイルに通電する電流の最大値を制限
する。
【0037】上記〜において述べたことは組み合わ
せてもよい。次のようにしても、電機子コイルやその周
辺部品の昇温を抑制できる。例えば、通常駆動制御モー
ドにおいてスライダを定速度で移動させた後、スライダ
を反対方向に移動させる前に休止時間を設けている場合
には、その休止時間を長くする。休止時間を長くすれ
ば、画像走査駆動シーケンス中における電機子コイル等
の冷却時間が長くなるため、電機子コイル等の昇温を抑
制できる。
【0038】これらにより、上記(1)のように電機子
コイルの温度状態を判定して、電機子コイルの温度状態
に応じてリニアモータの駆動制御モードを変える場合に
は、電機子コイルが昇温して、電機子コイルの温度状態
が昇温状態となっても、シーケンスタイムが延びること
を抑制でき、画像読み取り効率の低下を抑制できる。ま
た、上記(2)のように電機子コイルの温度状態を判定
して、電機子コイルの温度状態に応じてリニアモータの
駆動制御モードを変える場合には、電機子コイルの温度
状態が昇温状態となっても画像読み取り効率の低下を抑
制できる。電機子コイルがさらに昇温して、電機子コイ
ルの温度状態が過昇温状態となったときには、電機子コ
イルへの通電を抑制して、電機子コイルからの発熱を抑
制でき、電機子コイルが破損するほど昇温するのを防止
できる。すなわち、電機子コイルやその周辺部品が熱に
より損傷するのを防止できる。
【0039】また、上記(3)のように電機子コイルの
温度状態を判定して、電機子コイルの温度状態に応じて
リニアモータの駆動制御モードを変える場合には、電機
子コイルの温度状態が過昇温状態となったときには、電
機子コイルへの通電を抑制して、電機子コイルからの発
熱を抑制でき、電機子コイルが破損するほど昇温するの
を防止できる。すなわち、電機子コイルやその周辺部品
が熱により損傷するのを防止できる。
【0040】画像走査駆動シーケンスにおけるリニアモ
ータの駆動制御モードは、画像走査駆動シーケンス開始
時点での電機子コイルの温度状態に応じて選択し、その
シーケンス中たとえ電機子コイルの温度状態が変わった
としても、そのシーケンスは始めに選択した駆動制御モ
ードでリニアモータを駆動制御しつづけてもよい。或い
は、画像走査駆動シーケンス中に電機子コイルの温度状
態が変わったときには、シーケンスの途中において、そ
のときの電機子コイルの温度状態に応じた駆動制御モー
ドに変えてもよい。
【0041】温度状態判定装置により電機子コイルの温
度状態が通常温度状態でないと判定されている場合にス
ライダを次の画像走査に備えて待機させるときには、駆
動制御装置によってスライダを次に述べる退避位置へ一
旦退避させてもよい。退避位置は、例えば画像読み取り
区間を間においてホームポジションとは反対側の位置と
すればよい。その退避は、次の画像走査の開始まで継続
してもよいし、その前に退避を終了して、次の画像走査
に備えて、スライダをホームポジションに戻してもよ
い。電機子コイルが通常温度状態でないとき、すなわち
電機子コイルが昇温状態又は過昇温状態のときにはスラ
イダ(スライダに連結された電機子コイル)を退避位置
に退避させることで、ホームポジション周辺部分の界磁
マグネットが昇温した電機子コイルによって昇温するの
を抑制できる。退避位置にスライダを退避させている場
合に、次の画像読み取りを行うときには、一旦スライダ
をホームポジションの方に戻してから画像走査駆動シー
ケンスを始めればよい。これにより、画像読み取りのた
めにホームポジション付近から画像読み取り開始位置へ
向けて加速させるための磁界を形成する界磁マグネット
部分の昇温を抑制して、その部分の界磁マグネットが形
成する磁界の磁束密度の低下を抑制でき、この部分での
加速性能の低下を抑制できる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1に、本発明に係る画像読み取
り装置を搭載したアナログ複写機の一例の概略側面図を
示す。また、この複写機の概略平面図を図2に示す。こ
の複写機は、本発明に係る画像読み取り装置IRAと、
画像読み取り装置IRAの下部に配置された電子写真方
式の画像形成装置IFAを備えている。なお、図2にお
いては、画像形成装置IFAは図示が省略されている。
【0043】複写すべき原稿の画像は画像読み取り装置
IRAで光学的に走査される。光学的に走査することで
得られる原稿画像光は、順次画像形成装置IFAに入力
される。その原稿画像光から画像形成装置IFAは電子
写真法によって記録シート上に画像を形成する。画像形
成装置IFAは感光体81及び定着装置87を備えてお
り、感光体81の周囲には帯電チャージャー82、現像
装置83、転写チャージャー84、分離チャージャー8
5、クリーニング装置86が配置されている。画像形成
装置IFAは、次のようにして原稿画像の複写画像を記
録シートS上に形成することができる。画像形成時に
は、感光体81は図1中時計回りに回転駆動される。感
光体81の表面は帯電チャージャー82によって一様に
帯電される。帯電した感光体81には、画像読み取り装
置IRAによって読み取られた原稿画像光が、帯電チャ
ージャー82と現像装置83の間から入射される。これ
により原稿画像の静電潜像が感光体81上に形成され
る。静電潜像は現像装置83により現像されて、トナー
像となる。感光体81上のトナー像は、転写チャージャ
ー84により記録シートS上に転写される。トナー像が
転写された記録シートSは、分離チャージャー85によ
り感光体81から分離され、定着装置87まで搬送され
る。記録シートS上のトナー像は定着装置87により定
着される。これらにより、原稿画像の複写画像が記録シ
ートS上に形成される。この後、記録シートSは複写機
外部に排出される。
【0044】以下、本発明に係る画像読み取り装置IR
Aについて詳しく説明する。画像読み取り装置IRA
は、詳しくは後述するが次のようにして原稿画像を読み
取る。原稿Dは原稿台ガラスGL上に載置する。感光体
81に原稿画像光を入力するための光学機器をガラスG
Lに平行に直線的に移動させて、原稿画像を光学的に走
査する。
【0045】画像読み取り装置IRAは、感光体81に
原稿画像光を入力するための光学機器として、原稿に向
けて光を照射するためのランプLP、原稿からの反射光
を感光体81に導くための四つのミラーm1〜m4及び
レンズLSを備えている。ランプLP及びミラーm1は
スライダSL1に搭載されている。ミラーm2及びm3
はスライダSL2に搭載されている。レンズLS及びミ
ラーm4は定位置に配置されている。
【0046】スライダSL1及びSL2をガラスGLに
平行に移動させるために、ガラスGLと平行にガイド軸
41とガイド板42が配置されている。スライダSL1
の一方の端部には、ガイド軸41に外嵌し、ガイド軸4
1に沿って往復移動できるシャフト型リニアモータの可
動子LMmが連結されている。スライダSL1の他方の
端部には、ガイド板42上を転動できるローラr1が配
置されている。これらにより、後述するようにしてリニ
アモータを駆動すれば、スライダSL1をガイド軸41
及びガイド板42で案内して、安定した姿勢でガラスG
Lと平行に往復移動させることができる。
【0047】スライダSL2の一方の端部には、ガイド
軸41に外嵌する軸受け21、22が配置されている。
軸受け21、22は、可動子LMmを間にして、ガイド
軸長手方向における両外側位置に配置されており、これ
らの下側において連結部材23でスライダSL2本体に
連結されている。スライダSL2の他方の端部には、ガ
イド板42上を転動できるローラr2が配置されてい
る。これらにより、スライダSL2はガイド軸41及び
ガイド板42に案内されて、安定して姿勢でガラスGL
と平行に往復移動できる。
【0048】スライダSL1とSL2は、原稿画像を走
査するときにおいてスライダSL1がガイド軸41の長
手方向におけるいずれの位置にあっても、原稿画像から
感光体81までの光路長が一定になるように、ワイヤ及
びプーリーを用いて次のように連結されている。ワイヤ
Wは、一端が定位置フレームFR1に連結されており、
スライダSL2上のプーリーp1に巻き掛けられ、可動
子LMm上の係止部材34によりスライダSL1に係止
され、さらにスライダSL2上のプーリーp2に巻き掛
けられて、他端が定位置フレームFR2に連結されてい
る。上記のようなリンケージによって、スライダSL1
が移動すると、スライダSL2はスライダSL1と同じ
方向に移動する。このとき、スライダSL2の移動距離
は、スライダSL1の移動距離の1/2となり、光路長
を一定に保つことができる。スライダSL1とSL2
は、光路長が所定の光路長となるように上記のように連
結されている。
【0049】ガイド軸41は磁性材料からなり、次のよ
うに着磁されている。ガイド軸41は本例ではマンガン
アルミニウム(MnAl)からなる。ガイド軸41は、
N極の磁極とS極の磁極が交互にガイド軸長手方向に並
ぶように着磁されており、これによりガイド軸41には
界磁マグネットFMが形成されている。界磁マグネット
FMの一磁極幅は、本例では30mmである。
【0050】界磁マグネットFMが形成されたガイド軸
41はシャフト型リニアモータの固定子LMsを構成し
ている。シャフト型リニアモータの固定子LMsには、
前述のように可動子LMmが外嵌している。シャフト型
リニアモータ部分の概略断面図を図3に示す。可動子L
Mmは、電機子コイル31、ヨーク33及び軸受け32
1、322を備えている。電機子コイル31は固定子L
Msに外嵌するリング状であり、界磁マグネットFMに
臨んでいる。ヨーク33は固定子LMsに外嵌する円筒
状であり、その内部に電機子コイル31が配置されてい
る。電機子コイル31は、ヨーク33に支持されてい
る。軸受け321、322は、それぞれヨーク33の両
端開口部に配置されている。これらにより、可動子LM
mは固定子LMs(ガイド軸41)に沿って往復移動す
ることができる。
【0051】電機子コイル31は、本例では、U、V及
びW相の3つのコイルを1組とするコイル群を3組有し
ており、第1組のコイル群、第2組のコイル群、第3組
のコイル群の順に、固定子長手方向に配置されている。
第1組のコイル群は、コイルLU1、LV1及びLW1からな
り、この順に固定子長手方向に配置されている。第2組
のコイル群は、コイルLU2、LV2及びLW2からなり、こ
の順に固定子長手方向に配置されている。第3組のコイ
ル群は、LU3、LV3及びLW3からなり、この順に固定子
長手方向に配置されている。いずれのコイルも、本例で
は、それぞれ界磁マグネットFMの磁極幅Pm の1/3
の幅に形成されている。これら9つのコイルは、すべて
その中心位置がPm /3ずつずらして配置されている。
【0052】各組のU相コイル、各組のV相コイル及び
W相コイルは図4に示す巻き線向きにて並列に接続さ
れ、スター結線されている。各コイル横に記した●印が
そのコイルの巻き線向きを示している。例えば、コイル
U2の巻き線方向は、コイルL U1及びLU3と逆向きであ
る。コイルLU1の固定子長手方向における中心位置から
図3中左側にPm /6ずらした位置には、ホール素子h
1 が配置されている。同様に、コイルLV1の中心位置か
ら左側にPm /6ずらした位置にはホール素子h2 が配
置されている。コイルLW1の中心位置から左側にPm
6ずらした位置には、ホール素子h3 が配置されてい
る。
【0053】可動子LMmを、固定子LMsに沿って駆
動するときには、ホール素子h1 、h2 及びh3 が検出
する界磁マグネットFMの各磁極の極性に基づき、各
組、各相コイルに、それぞれそのコイルの固定子長手方
向における中心位置が、界磁マグネットFMの磁極の可
動子駆動方向における上流端よりPm /6駆動方向に進
んだ位置から、さらに2Pm /3駆動方向に進んだ位置
までの間、そのコイルが対向する磁極の極性に応じて、
駆動すべき方向にそのコイルが電磁力を発生する向きの
電流を流す。
【0054】リニアモータの可動子LMmを図3中、右
方向に駆動するときの各コイルへの通電開始位置及び通
電停止位置とホール素子検出磁極の位相関係を図5に示
す。このように通電すれば、効率よく、且つ、推力変動
少なく可動子LMmを駆動することができる。可動子L
Mmを駆動することで、可動子LMmに連結されたスラ
イダSL1及びスライダSL1にワイヤ等を用いて連結
されたスライダSL2をガイド軸41に沿って駆動する
ことができる。
【0055】リニアモータの駆動制御などのために、リ
ニアエンコーダチャート(リニアエンコーダスケール)
Ec及びエンコーダセンサEsを含むリニアエンコーダ
が設けられている。リニアエンコーダとしては、本例で
は磁気式のものを採用している。なお、光学式のリニア
エンコーダを採用していもよい。エンコーダチャートE
cは、界磁マグネットFMが形成されたガイド軸41に
形成されている(図2、図3参照)。界磁マグネットF
Mに重畳させて、N極の磁極とS極の磁極が交互に微細
なピッチでガイド軸長手方向に並ぶように、ガイド軸4
1を着磁することで、エンコーダチャートEcが形成さ
れている。エンコーダチャートEcのエンコーダピッチ
は、本例では100μmである。なお、エンコーダチャ
ートは、ガイド軸41と平行に配置するチャート部材に
形成してもよい。
【0056】エンコーダセンサEsは、ガイド軸41に
形成されたエンコーダチャートEcに臨む位置に配置さ
れている。エンコーダセンサEsはリニアモータの可動
子LMmに支持されており、可動子LMmと一体的に移
動する。エンコーダセンサEsは、本例ではMRセンサ
である。エンコーダセンサEsの検出信号は、図6に示
すように分別・増幅回路52に入力される。エンコーダ
チャートEcが界磁マグネットFMに重畳させて形成さ
れているため、センサEsの検出信号はエンコーダ信号
と界磁マグネット信号が重畳した信号となる。分別・増
幅回路52においては、センサEsの検出信号と、ロー
パスフィルタ(図示省略)を通したセンサEsの検出信
号とが差動増幅される。エンコーダ信号は、界磁マグネ
ット信号に高周波成分として重畳されているため、分別
・増幅回路52によりエンコーダ信号だけを分別して、
増幅することができる。分別・増幅回路52からはエン
コーダ信号が出力され、エンコーダ信号は後述する駆動
制御装置6の駆動制御部61に入力される。
【0057】リニアモータの可動子LMmのヨーク33
内部には、電機子コイル31の温度を検出するための温
度センサTSが配置されている。温度センサTSは、本
例では熱電対である。温度センサTSの検出信号は、図
6に示すように温度状態判定部51に入力される。温度
状態判定部51は、温度センサTSが検出した電機子コ
イル31の温度に基づき、電機子コイル31の温度状態
が通常状態、昇温状態、過昇温状態の三つの状態のうち
いずれの状態にあるかを判定する。温度状態判定部51
が判定した結果は、駆動制御装置6に入力される。駆動
制御装置6は、その判定結果に応じて、可動子LMm
(スライダSL1)の駆動制御モードを変更する。な
お、温度状態判定部51で行われる判定及び駆動制御装
置6において行われる駆動モードの変更については後に
詳しく説明する。
【0058】図6にリニアモータの駆動制御装置6の概
略ブロック図を示す。なお、図6中のU相コイルは、図
4に示すように並列接続された3つのコイルLU1
U2、L U3を指す。同様に、V相コイルは並列接続され
た3つのコイルLV1、LV2、LV3を指し、W相コイルは
並列接続された3つのコイルLW1、LW2、LW3を指す。
駆動制御装置6は、リニアモータの可動子LMm(スラ
イダSL1)の目標速度Vtに応じた周波数の基準クロ
ック信号を出力できる駆動制御部61を備えている。駆
動制御部61は、温度状態判定部51が判定した電機子
コイル31の温度状態、スライダSL1の固定子長手方
向における位置などに基づき目標速度Vtを決定し、そ
の速度Vtに応じた周波数の基準クロック信号を出力す
る。
【0059】駆動制御部61から出力された基準クロッ
ク信号はPLL制御部(位相同期制御部)62に入力さ
れる。PLL制御部62には、さらに、分別・増幅回路
52から出力された可動子LMm(スライダSL1)の
実際の移動速度を示すエンコーダ信号が入力される。P
LL制御部62は、駆動制御部61からの基準クロック
信号と移動速度を示すエンコーダ信号との位相差に応じ
た信号を補償回路部63に出力する。補償回路部63に
おいては、伝達系の進み遅れ補償が行われ、補償された
基準クロック信号と移動速度信号との位相差に応じた信
号は、通電制御部64に入力される。
【0060】通電制御部64は、ホール素子が検出する
各コイルの対向する磁極の極性に基づき、三相全波通電
回路65のトランジスタQ1 〜Q6 を制御して、前述の
通電タイミングで各相コイルに通電する。通電制御部6
4は、トランジスタQ4 〜Q 6 のベース電流を制御し
て、補償回路部63から出力される信号に応じた大きさ
の電流を各コイルに通電する。通電制御部64は、駆動
制御部61から入力される可動子LMmの駆動すべき方
向(推力を発生すべき方向)を示す駆動方向信号に基づ
き、その方向に推力を発生するように各相コイルに通電
する。
【0061】これらにより、各相のコイルには、目標速
度Vtに応じた基準クロック信号と可動子LMmの実際
の移動速度に応じた信号の位相を合わせるような電流が
流される。したがって、可動子LMm(スライダSL
1)の移動速度が目標速度Vtと異なるときには、可動
子LMmを目標速度Vtまで加速(又は減速)すること
ができる。また、可動子LMmの移動速度が目標速度V
tであるときには、可動子LMmの移動速度を目標速度
Vtに維持して、駆動することができる。
【0062】駆動制御装置6は、可動子LMmの移動方
向と逆方向に推力を発生させることで、逆転ブレーキを
かけることができる。駆動制御装置6は、電機子コイル
31への通電を絶つことで、回生ブレーキをかけること
ができる。PLL制御回路部62、補償回路部63及び
通電制御回路部64部分の回路の一例を図7に示す。図
7に示す回路は、PLL制御回路部62や補償回路部6
3を含んだモータドライブIC(LB1823)(三洋
電機(株)製)を中心に構成されている。
【0063】駆動制御装置6には、複写機の全体の動作
を制御するためのメイン制御部53が接続されている。
メイン制御部53は、駆動制御装置6に画像走査の開始
を指示する画像走査開始指令信号を出力する。画像形成
装置IFAは、メイン制御部53によって動作制御され
る。メイン制御部53には、コピーの開始を指示するた
めのコピースタートキー541、コピー枚数を設定する
などのためのテンキー542、複写機の状態などを表示
するための液晶ディスプレイ543を有するオペレーシ
ョンパネル54が接続されている。なお、オペレーショ
ンパネル54は、図1及び図2においては図示が省略さ
れているが、複写機の上部に配置されている。メイン制
御部53は、オペレーションパネル54のコピースター
トキー541が押されると、駆動制御装置6に画像走査
開始指令信号を出力する。
【0064】駆動制御装置6は、メイン制御部53から
出力される画像走査開始指令信号を受けて、スライダS
L1を次のように移動させる画像走査駆動シーケンスを
開始する。スライダSL1とSL2は、ワイヤW等を用
いて前述のように機械的にリンクしているので、駆動制
御装置6でスライダSL1を駆動するときには、スライ
ダSL2もスライダSL1と同方向に駆動される。以下
の説明においては、スライダSL1を中心にして説明す
る。
【0065】画像走査駆動シーケンスの開始時には、ス
ライダSL1は所定のホームポジションで静止状態にあ
る。図1に示す位置がスライダSL1のホームポジショ
ンであり、このホームポジションは原稿Dが載置される
原稿台ガラスGLの図1中左端より左寄りの位置に設定
されている。スライダSL1はホームポジションから駆
動を開始される。
【0066】スライダSL1は、画像読み取り開始位置
から画像読み取り終了位置までの画像読み取り区間を複
写倍率などによって決まる所定速度で移動するように駆
動される。スライダSL1が画像読み取り区間を移動
中、スライダSL1上のランプLPは点灯され、ガラス
GL上の原稿画像に光を当てて、その反射光はミラーm
1、m2、m3及びm4で感光体81に導かれる。これ
により原稿画像全体が光学的に走査される。この原稿画
像光で前述のように感応体81上に静電潜像が形成され
て、記録シートS上に複写画像が形成される。画像読み
取り区間を移動した後は、次の画像読み取り走査に備え
るために、スライダSL1はホームポジションに戻るよ
うに駆動される。この画像走査駆動シーケンスを達成す
るために、駆動制御装置6は次のようにスライダSL1
(可動子LMm)を駆動制御する。
【0067】駆動制御装置6は、温度状態判定部51が
判定するリニアモータの電機子コイル31の温度状態に
応じて、画像走査駆動シーケンスにおけるスライダSL
1の駆動制御モードを変える。温度状態判定部51は、
リニアモータの可動子LMm内に配置された温度センサ
TSが検出する電機子コイル31の温度に応じて、電機
子コイル31の温度状態が通常状態、昇温状態、過昇温
状態のいずれの状態にあるかを判定する。温度状態判定
部51は、二つの所定温度T1 、T2 (T1 <T2
と、温度センサTSが検出した電機子コイル31の温度
Tとを比較して、電機子コイル31の温度状態を判定す
る。温度状態判定部51は、温度センサTSが検出した
電機子コイル31の温度Tが、T<T1 の関係にあると
きは電機子コイル31の温度状態が通常状態にあると判
定する。温度状態判定部51は、T1 ≦T<T2 の関係
にあるときは電機子コイル31の温度状態が昇温状態に
あると判定し、T2 ≦Tの関係にあるときは電機子コイ
ル31の温度状態が過昇温状態にあると判定する。本例
においては、所定温度T1 は50°Cであり、所定温度
2 は71°Cである。
【0068】温度状態判定部51は、電機子コイル31
近くに配置した温度センサTSが検出する温度に基づき
電機子コイル31の温度状態を判定したが、これに代え
て次のように電機子コイル31の温度状態を判定しても
よい。スライダSL1が所定速度Va1(例えばVa1
0)から所定速度Va2(例えば、後述する画像走査速度
10)まで加速するのに要した時間ta と、速度差(V
a2−Va1)から平均加速度aavを求める。平均加速度a
avは電機子コイル31の温度が上昇すると低下するの
で、平均加速度aavから電機子コイル31の温度が推定
できる。したがって、平均加速度aavに基づき電機子コ
イル31の温度状態を判定してもよい。
【0069】駆動制御装置6は、次に述べる通常駆動制
御モード、昇温時駆動制御モード、過昇温時駆動制御モ
ードの三つの駆動制御モードのなかから、温度状態判定
部51の判定結果に基づき一つの駆動制御モードを選択
して、その駆動制御モードでスライダSL1を駆動制御
する。駆動制御装置6は、電機子コイル31が通常状態
にあるときは通常駆動制御モードで、昇温状態にあると
きは昇温時駆動制御モードで、過昇温状態にあるときは
過昇温時駆動制御モードでスライダSL1を駆動制御す
る。
【0070】本例においては、駆動制御装置6は、メイ
ン制御部53から画像走査開始指令信号が出力された時
点での、すなわち、画像走査駆動シーケンス開始時点で
の電機子コイル31の温度状態に応じて通常駆動制御モ
ード、昇温時駆動制御モード、過昇温時駆動制御モード
のいずれの駆動制御モードでスライダSL1を駆動制御
するかを選択する。画像走査駆動シーケンス中に、電機
子コイル31の温度状態がたとえ変わったとしても、そ
のシーケンスの始めに選択した駆動制御モードでスライ
ダSL1を最後まで駆動制御する。 (1)通常駆動制御モード 通常駆動制御モードでは、スライダSL1を次のように
駆動制御する。このとき、スライダSL1の駆動パター
ンは図8(A)及び(B)に例示するようになる。図8
(A)及び(B)に示す駆動パターンは、電機子コイル
31の温度が20°Cのときの駆動パターンである。図
8(A)は画像走査駆動シーケンス中におけるスライダ
SL1の時間と速度の関係を示す速度パターンであり、
図8(B)は時間と位置の関係を示す位置パターンであ
る。図8(B)における位置0の位置がホームポジショ
ンである。
【0071】複写機の電源を入れて、一回目の複写を行
うときには、電機子コイル31は通常昇温していないた
め、この通常駆動制御モードでスライダSL1は駆動制
御される。まず、ホームポジションで待機しているスラ
イダSL1を所定の走査速度V10まで加速させる。走査
速度V10は、画像読み取り倍率(複写倍率)などによっ
て決まり、本例では、350mm/secである。画像
読み取り区間を通過した位置X10まで速度V10を維持さ
せる。位置X10からは速度V20(本例では、150mm
/sec)になるまで逆転ブレーキをかけ、その後速度
が0になるまで回生ブレーキをかけて、スライダSL1
を停止させる。位置X10は、画像読み取り終了位置から
マージン距離移動した位置であり、原稿のサイズが変わ
るなどして画像読み取り終了位置が変わったときには、
位置X10は変える。速度が0になったら、時間Δt
W0(本例では、0.1sec)の間その位置で停止(休
止)させる。時間ΔtW0が経過した後は、逆方向(ホー
ムポジションに戻る方向)に速度V 30(本例では、−1
000mm/sec)になるまで加速させる。位置X20
まで速度V30を維持させる。位置X20からは、速度V40
(本例では、−150mm/sec)になるで逆転ブレ
ーキをかけ、その後速度0になるで回生ブレーキをか
け、スライダSL1を停止させる。速度V30、位置X20
及び速度V40の三つのパラメータは、ホームポジション
でスライダSL1が停止するように設定されており、画
像読み取り終了位置が変わったときでも、これらパラメ
ータは変えない。
【0072】スライダSL1は、速度0になった位置で
次の画像走査の開始を待つ。この待機位置から次の画像
走査は始められる。このようにスライダSL1を駆動制
御することで、一連の画像走査駆動シーケンスのシーケ
ンスタイム(サイクルタイム)は本例では1.339s
ec(0.1secの休止時間を含む)となっている。
【0073】通常駆動制御モードは、図20を用いて説
明した従来における駆動モードと同じである。従来技術
の中で説明したように、通常駆動制御モードでの画像走
査駆動シーケンスが連続して行われると、電機子コイル
31は昇温し、リニアモータの推力が低下する。電機子
コイル31が昇温すると、上記のようにスライダSL1
を駆動制御しても、スライダSL1の駆動パターンは、
図8に従来の昇温時の駆動パターンとして破線で示す駆
動パターンになってしまう。図8に例示する従来の昇温
時の駆動パターンは、電機子コイル31の温度が70°
Cのときの駆動パターンである。電機子コイル31の温
度が上昇するにつれ、シーケンスタイム(サイクルタイ
ム)は延び、スライダSL1の復帰停止位置はホームポ
ジションよりもオーバーランした位置になってしまう。
従来においては、電機子コイル31の温度が70°Cの
ときシーケンスタイムは1.378secとなり、20
°Cのときよりも0.039secシーケンスタイムは
延び、複写効率は約3%低下していた。また、従来にお
いては、電機子コイル31の温度が70°Cのときスラ
イダSL1は4.5mmオーバーランしていた。
【0074】本発明に係る画像読み取り装置IRAを搭
載する複写機においては、このように電機子コイル31
が昇温して、その温度が所定温度T1 以上になると、ス
ライダSL1は次の昇温時駆動制御モードで駆動制御さ
れる。 (2)昇温時駆動制御モード 昇温時駆動制御モードにおいては、通常駆動制御モード
で駆動制御するとすれば電機子コイル31が通常温度状
態のときよりも延びたシーケンスタイムを短縮するとと
もに、スライダSL1の復帰停止位置がホームポジショ
ンとなるように、スライダSL1を駆動制御する。
【0075】このような駆動制御モードとしては、例え
ば次の昇温時駆動制御モード1、昇温時駆動制御モード
2、昇温時駆動制御モード3を挙げることができる。電
機子コイル31が昇温状態のときは、昇温時駆動制御モ
ード1〜3のいずれの駆動制御モードでスライダSL1
を駆動制御してもよい。 (2−1)昇温時駆動制御モード1 昇温時駆動制御モード1においては、スライダSL1を
待機位置から加速し、走査速度V10で移動させ、減速し
て、一旦休止し、反対方向に速度V30まで加速するまで
は、スライダSL1を通常駆動制御モードと同じように
駆動制御する。
【0076】この後昇温時駆動制御モード1において
は、位置X21から速度V41(|V40|>|V41|。本例
では、V41=−50mm/sec)になるまで逆転ブレ
ーキをかける。その後速度0になるまで回生ブレーキを
かけ、スライダSL1を停止させる。すなわち、昇温時
駆動制御モード1においては、速度V30から速度0まで
の制動を、通常駆動制御モードよりも逆転ブレーキの割
合を大きくして、制動距離を短くするとともに、制動時
間を短くしている。また、スライダSL1がホームポジ
ションで停止するように速度V30から制動を開始する位
置を変更している。
【0077】これらにより、昇温時駆動制御モード1に
おけるシーケンスタイムは、電機子コイル31の温度が
70°Cにおいて1.332secを達成している。ま
た、スライダSL1のオーバーラン量をほぼ0にしてい
る。なお、速度V41や位置X21は、電機子コイル31の
温度T(T1 ≦T<T2 )に応じて、変えてもよい。例
えば速度V41は、電機子コイル31の温度Tが上昇する
につれ、その絶対値を小さくしてもよい。 (2−2)昇温時駆動制御モード2 電機子コイル31の温度が70°Cのときに、昇温時駆
動制御モード2でスライダSL1を駆動制御したときの
駆動パターンを図9(A)及び(B)に示す。
【0078】昇温時駆動制御モード2においては、スラ
イダSL1を待機位置から加速し、走査速度V10で移動
させ、減速して、一旦休止するまでは、スライダSL1
は通常駆動制御モードと同じように駆動制御される。こ
の後、昇温時駆動制御モード2においては、スライダS
L1を速度V31(|V30|<|V31|。本例では、V31
=−1300mm/sec)まで加速させる。速度V31
は位置X22まで維持させる。位置X22からは速度V40
で逆転ブレーキをかけ、その後速度0になるまで回生ブ
レーキをかけて、スライダSL1を停止させる。すなわ
ち、昇温時駆動制御モード2においては、スライダSL
1をホームポジションに戻すときのリターン速度を挙げ
ることで、通常駆動制御モードで駆動したとすれば延び
たシーケンスタイムを短縮している。また、スライダS
L1が待機位置で停止するように速度V31から制動を開
始する位置を変更している。
【0079】これらにより、昇温時駆動制御モード2に
おけるシーケンスタイムは、電機子コイル31の温度が
70°Cにおいて1.361secを達成している。電
機子コイル31の温度が20°Cにおいて通常駆動制御
モードで駆動制御したときのシーケンスタイムの1.3
39secよりも、シーケンスタイムは0.022se
c延びている。しかし、従来のように電機子コイル31
の温度が70°Cにおいても通常駆動制御モードで駆動
制御した場合には、そのシーケンスタイムは1.378
secであったので、駆動制御モードを昇温時駆動制御
モード2に変更したことで複写効率の低下を約1/2に
抑制できる。また、スライダSL1のオーバーラン量を
ほぼ0にしている。
【0080】なお、速度V31や位置X22は、電機子コイ
ル31の温度T(T1 ≦T<T2 )に応じて、変えても
よい。例えば速度V31は、電機子コイル31の温度Tが
上昇するにつれ、その絶対値を大きくしてもよい。 (2−3)昇温時駆動制御モード3 電機子コイル31の温度が70°Cのときに、昇温時駆
動制御モード3でスライダSL1を駆動制御したときの
駆動パターンを図10(A)及び(B)に示す。
【0081】昇温時駆動制御モード3においては、スラ
イダSL1をホームポジションから加速し、走査速度V
10で移動させ、減速して、速度0にするまでは、スライ
ダSL1は通常駆動制御モードと同じように駆動制御さ
れる。この後、昇温時駆動制御モード3においては、時
間ΔtW1(ΔtW0>ΔtW1。本例では、ΔtW1=0.0
67sec)の間、その位置でスライダSL1を休止さ
せる。休止時間が過ぎた後は、逆方向(ホームポジショ
ンに戻る方向)に速度V30になるまで加速させる。位置
23まで速度V30を維持させる。位置X23からは、速度
40になるで逆転ブレーキをかけ、その後速度0になる
で回生ブレーキをかけて、スライダSL1を停止させ
る。
【0082】すなわち、昇温時駆動制御モード3におい
ては、スライダSL1をホームポジションに戻す前の休
止時間を短縮するとともに、通常駆動制御モードよりも
速度V30から早めに減速を開始することで、延びたシー
ケンスタイムを短縮している。また、スライダSL1が
ホームポジションで停止するように速度V30から制動を
開始する位置を変更している。
【0083】これらにより、昇温時駆動制御モード3に
おけるシーケンスタイムは、電機子コイル31の温度が
70°Cにおいて1.340secを達成している。こ
のシーケンスタイムは、電機子コイル31の温度が20
°Cのときのシーケンスタイムの1.339secとほ
ぼ同じであり、電機子コイル31が昇温しても複写効率
をほぼ同じにできる。また、スライダSL1のオーバー
ラン量をほぼ0にしている。
【0084】なお、時間ΔtW1や位置X23は、電機子コ
イル31の温度T(T1 ≦T<T2)に応じて、変えて
もよい。例えば時間ΔtW1は、電機子コイル31の温度
Tが上昇するにつれ、短くしてもよい。以上説明したよ
うに昇温時駆動制御モード1〜3のいずれの駆動制御モ
ードでスライダSL1を駆動制御しても、従来のように
電機子コイル31が昇温状態であっても通常駆動制御モ
ードで駆動制御しつづける場合に比べて、シーケンスタ
イムを短縮でき、複写効率の低下を抑制できる。また、
スライダSL1のオーバーラン量を抑制できる。なお、
昇温時駆動制御モード1〜3を組み合わせてもよい。画
像走査速度V10から速度0まで制動するときの逆転ブレ
ーキの割合を大きくしても、制動時間、ひいてはシーケ
ンスタイムを短縮でき、制動距離も短くできる。 (3)過昇温時駆動制御モード(昇温抑制駆動制御モー
ド) このようにして複写効率の低下を抑制するとともに、ス
ライダSL1のオーバーラン量を抑制する昇温時駆動制
御モードで、さらに連続して画像走査が続けられると、
電機子コイル31はさらに昇温する。電機子コイル31
の温度が所定温度T2 以上になると、スライダSL1は
過昇温時駆動制御モードで駆動制御される。
【0085】過昇温時駆動制御モードにおいては、この
まま電機子コイル31がさらに昇温しつづけ、電機子コ
イル31が破損するなどして、以降の画像走査が不能に
なる、すなわち、以降の複写が不能になることを防止す
るために、画像走査駆動シーケンスにおける電機子コイ
ル31への積算通電量を抑制して、電機子コイル31の
さらなる昇温を抑制する。これにより、電機子コイル3
1やこれの周囲に配置された部品、機器が許容温度を越
えて昇温するのを防止して、これら電機子コイル31等
の破損を防止する。また、過昇温時駆動制御モードにお
いても、スライダSL1(スライダSL2)のオーバー
ランを抑制するようにスライダSL1を駆動制御する。
【0086】このような駆動制御モードとしては、例え
ば次の過昇温時駆動制御モード1、過昇温駆動制御モー
ド2を挙げることができる。電機子コイル31が過昇温
状態のときは、過昇温時駆動制御モード1、2のいずれ
の駆動制御モードでスライダSL1を駆動制御してもよ
い。 (3−1)過昇温時駆動制御モード1 過昇温時駆動制御モード1でスライダSL1を駆動制御
したときの速度パターンを図11(A)に示す。また、
過昇温時駆動制御モード1でスライダSL1を駆動制御
したときの画像走査駆動シーケンス中における時間と電
機子コイル31への積算通電量の関係を図11(B)に
示す。電機子コイル31のへの積算通電量は、電機子コ
イル31から発生する熱量にほぼ比例する。電機子コイ
ル31への積算通電量を小さくすれば、電機子コイル3
1やこれの周囲に配置された部品、機器の昇温を抑制で
きる。
【0087】過昇温時駆動制御モード1においては、ス
ライダSL1をホームポジションから加速し、走査速度
10で移動させ、減速して、一旦休止し、反対方向に速
度V 30まで加速するまでは、スライダSL1は通常駆動
制御モードと同じように駆動制御される。この後、過昇
温時駆動制御モード1においては、速度V30は位置X24
まで維持させる。位置X24からは、速度0になるまで回
生ブレーキだけで制動を行い、スライダSL1を停止さ
せる。制動中には、電機子コイル31には通電しない。
【0088】すなわち、過昇温時駆動制御モード1にお
いては、速度V30から減速するときにおいて、電機子コ
イル31に通電して制動を行う逆転ブレーキは使用しな
い。これにより、電機子コイル31への通電量を抑制
し、画像走査駆動シーケンスにおける積算通電量を抑制
している。また、通常駆動制御モードよりも速度V30
らの制動を早く開始することで(制動開始位置を位置X
20よりもホームポジションから遠い位置にすること
で)、スライダSL1のオーバーラン量をほぼ0にして
いる。
【0089】これらにより、電機子コイル31の温度が
71°Cにおいて過昇温時駆動制御モード1で駆動制御
したときの積算通電量は、電機子コイル31の温度が2
0°Cにおいて通常駆動制御モードで駆動制御したとき
の積算通電量の約62%、電機子コイル31の温度が7
1°Cにおいて通常駆動制御モードで駆動制御したとき
の約73%にまで抑制している。それだけ電機子コイル
31の昇温を抑制できる。
【0090】電機子コイルの温度が71°Cにおける過
昇温時駆動制御モード1でのシーケンスタイムは、1.
455secであり、複写効率は低下するが、複写効率
より電機子コイル31やその周辺部品、機器の保護を優
先して、画像走査不能になることを防止する。 (3−2)過昇温時駆動制御モード2 過昇温時駆動制御モード2でスライダSL1を駆動制御
したときの速度パターンを図12(A)に示す。また、
過昇温時駆動制御モード2でスライダSL1を駆動制御
したときの画像走査駆動シーケンス中における時間と電
機子コイル31への積算通電量の関係を図12(B)に
示す。
【0091】過昇温時駆動制御モード2においては、ホ
ームポジションから加速し、走査速度V10で移動させ、
減速して、一旦休止するまでは、スライダSL1は通常
駆動制御モードと同じように駆動制御される。この後、
過昇温時駆動制御モード2においては、速度V32(|V
32|<|V30|。本例では、V32=−500mm/se
c)まで加速させる。位置X25まで速度V32を維持させ
る。位置X25からは速度V40まで逆転ブレーキをかけ、
その後速度0になるまで回生ブレーキをかけて、スライ
ダSL1を停止させる。
【0092】すなわち、過昇温時駆動制御モード2にお
いては、スライダSL1をホームポジションに戻すとき
のリターン速度を通常駆動制御モードのときよりも遅く
することで、電機子コイル31への積算通電量を抑制し
ている。また、スライダSL1をホームポジションに戻
すときのリターン速度が通常駆動制御モードのときより
も遅いため、その速度から速度V40まで逆転ブレーキを
かけるときにも、電機子コイル31への通電量を抑制す
ることができる。
【0093】これらにより、電機子コイル31の温度が
71°Cにおいて過昇温時駆動制御モード2で駆動制御
したときの積算通電量は、電機子コイル31の温度が2
0°Cにおいて通常駆動制御モードで駆動制御したとき
の積算通電量の約56%、電機子コイル31の温度が7
1°Cにおいて通常駆動制御モードで駆動制御したとき
の約66.6%にまで抑制している。それだけ電機子コ
イル31の昇温を抑制できる。
【0094】なお、速度V32や位置X25は、電機子コイ
ル31の温度T(T2 ≦T)に応じて、変えてもよい。
例えば速度V32は、電機子コイル31の温度Tが上昇す
るにつれ、その絶対値を小さくしてもよい。このように
過昇温時駆動制御モード1、2においては、複写効率の
低下を抑制することよりも、電機子コイル31やその周
辺部品、機器の保護を優先して、電機子コイル31への
積算通電量を抑制している。これにより、過昇温時駆動
制御モード1又は2でスライダSL1を駆動制御すると
複写効率は低下してしまうが、複写不能になることを防
止できるため、長期的にみれば有利である。過昇温時駆
動制御モード1と2を組み合わせてもよい。
【0095】次のようにしても昇温を抑制できる。例え
ば、スライダSL1を反対方向に駆動する前の休止時間
を長くすれば、それだけ電機子コイル31の冷却時間が
長くなり、電機子コイル31の昇温を抑制できる。ま
た、画像走査速度V10から速度0まで減速するときの、
逆転ブレーキの割合を小さくすれば(回生ブレーキの割
合を大きくすれば)、それだけ電機子コイル31への積
算通電量を抑制でき、昇温も抑制できる。
【0096】以上説明したように本発明に係る画像読み
取り装置IRAを搭載した複写機においては、連続して
複写を行うなどして電機子コイル31の温度が所定温度
1以上になったときには、駆動制御モードを通常駆動
制御モードから昇温時駆動制御モードに変えてスライダ
SL1を駆動制御するため、複写効率の低下を抑制でき
る。また、スライダSL1及びSL2のオーバーラン量
を抑制でき、スライダが他の機器等に衝突して、破損す
ることを防止できる。電機子コイル31がさらに昇温し
て所定温度T2 以上になったときには、駆動制御モード
を昇温時駆動制御モードから過昇温時駆動制御モードに
変えてスライダSL1を駆動制御するため、電機子コイ
ル31やこれの周辺部品の破損を防止でき、これら電機
子コイル31等が熱により破損して複写不能になること
を防止できる。
【0097】なお、本例においては、駆動制御装置6
は、画像走査駆動シーケンス開始時点での電機子コイル
31の温度状態に応じて駆動制御モードを選択し、画像
走査駆動シーケンス中に、電機子コイル31の温度状態
がたとえ変わったとしても、そのシーケンスの始めに選
択した駆動制御モードでスライダSL1を最後まで駆動
制御するようにした。これに代えて、駆動制御装置6は
画像走査駆動シーケンス中に電機子コイル31の温度状
態が変わったときには、シーケンスの途中においても、
そのときの電機子コイル31の温度状態に応じた駆動制
御モードに変えてもよい。
【0098】例えば、次のようにして画像走査駆動シー
ケンス中において、電機子コイル31の温度状態が変わ
ったときには駆動制御モードを変えてもよい。通常駆動
制御モード、昇温時駆動制御モード(昇温時駆動制御モ
ード1〜3)、過昇温時駆動制御モード(過昇温時駆動
制御モード1、2)のいずれの駆動制御モードについて
も、例えば次のB1 〜B5 の五つの駆動制御ブロックに
別ける。
【0099】 ブロックB1 :スライダSL1を待機位置から所定の画
像読み取り速度V1Xまで加速する制御を行う。 ブロックB2 :スライダSL1を画像読み取り速度V1X
で所定位置X1Xまで移動させる制御を行う。 ブロックB3 :所定位置X1XからスライダSL1を速度
0まで減速する制御を行う。この減速は、逆転ブレーキ
で速度V2XまでスライダSL1を減速し、その後、回生
ブレーキで速度0までスライダSL1を減速する。或い
は、回生ブレーキだけで速度0までスライダSL1を減
速する。
【0100】 ブロックB4 :スライダSL1を所定時間ΔtWXの間、
その位置で休止させる。 ブロックB5 :スライダSL1をホームポジションに戻
る方向に所定速度V3Xまで加速する制御を行う。その
後、所定位置X2Xまで所定速度V3XでスライダSL1を
移動させる制御を行う。さらにその後、所定位置X2X
ら速度0まで減速する制御を行う。この減速は、逆転ブ
レーキで速度V4XまでスライダSL1を減速し、その
後、回生ブレーキで速度0までスライダSL1を減速す
る。或いは、回生ブレーキだけで速度0までスライダS
L1を減速する。
【0101】駆動制御装置6は、駆動制御ブロックB1
〜B5 を順に行うことで、スライダSL1を所定の順序
で移動させる画像走査駆動シーケンスを実行することが
できる。ここで、前述の各駆動制御モードの上記各駆動
制御ブロックにおいて、スライダSL1の駆動制御に用
いられる制御パラメータを下表1に示す。
【0102】
【表1】
【0103】なお、表1中の制御ブロックB3 における
「逆転V2X」は逆転ブレーキで速度V2Xまで減速するこ
とを示す。制御ブロックB5 における「逆転V4X」につ
いても同様である。制御ブロックB3 及びB5 における
「回生0」は回生ブレーキで速度0まで減速することを
示す。制御ブロックB5 における「N.U」は、逆転ブ
レーキを使用しないことを示す。
【0104】駆動制御部61は、駆動制御ブロック毎に
いずれの駆動制御モードでスライダSL1を駆動制御す
るのかを選択すればよい。その駆動制御ブロックを始め
る直前の電機子コイル31の温度状態に応じて駆動制御
モードを選択すればよい。これにより、画像走査駆動シ
ーケンスの途中において、電機子コイル31の温度状態
が変わったときにも、その温度状態に応じた適切な駆動
制御モードでスライダSL1を駆動制御することができ
る。
【0105】過昇温時駆動制御モードで電機子コイル3
1の昇温を抑制しながらスライダSL1を駆動制御して
もさらに昇温して、電機子コイル31の温度が所定温度
3(T2 ≦T3 )以上となってしまったときには、駆
動制御装置6はメイン制御部53からたとえ画像走査開
始指令がきても、電機子コイル31等の保護のためにス
ライダSL1を駆動できない(駆動しない)ようにして
もよい。或いは、複写スタートボタン541がユーザー
により押されたときに、メイン制御部53が画像走査開
始指令を駆動制御装置6に向けて出力しない(出力でき
ない)ようにしてもよい。すなわち、画像走査によって
昇温した電機子コイル31が、所定温度T3 より下がる
まで、次の画像走査を行わないようにしてもよい。この
ようにして、複写スタートボタンを押しても画像走査を
開始しないときには、例えばオペレーションパネル54
のディスプレイ543を通じてその旨ユーザーに知らせ
ればよい。
【0106】電機子コイル31の温度状態が、通常温度
状態でないときに(昇温状態又は過昇温状態のときに)
次の画像走査に備えて待機状態に入るときには、スライ
ダSL1の待機位置を一旦、図13に示す最大画像読み
取り区間を間においてホームポジションとは反対側の退
避位置としてもよい。なお、図13においては、スライ
ダSL2などは図示が省略されている。退避位置にスラ
イダSL1を退避させることで、昇温した電機子コイル
31を含むモータ可動子LMmによって、ホームポジシ
ョン近くの界磁マグネットFM部分(ガイド軸41部
分)が昇温するのを抑制できる。次の画像走査を開始す
るときには、一旦スライダSL1をホームポジションに
戻してから、前述と同様に画像走査を行えばよい。或い
は、退避中に、電機子コイル31の温度状態が通常温度
状態になったときに、スライダSL1をホームポジショ
ンに戻しておいてもよい。これにより、画像走査時にス
ライダSL1を静止状態から加速させるための磁界を形
成する界磁マグネットFM部分の昇温を抑制して、その
部分の界磁マグネットFMが形成する磁界の磁束密度の
低下を抑制でき、この部分での加速性能の低下を抑制で
きる。画像走査駆動シーケンス中のホームポジションに
スライダSL1を戻す前の休止時間中に、次の画像走査
がない(待機状態に入る)とわかるときには、スライダ
SL1をホームポジションに戻さないで、その休止位置
からスライダSL1を退避位置に移動させてもよい。そ
の休止位置を退避位置としてもよい。ただし、退避位置
は、最大画像読み取り範囲の外に設定することが望まし
い。
【0107】電機子コイル31の昇温は、次のようにし
ても抑制することができる。例えば、連続して画像走査
するときには、連続画像走査回数(連続複写回数)が増
えるごとに、図14に示すようにリターン速度を段階的
に下げることで、画像走査回数が多くなっても電機子コ
イル31の昇温を抑制できる。例えば、連続して画像走
査するときに、図15に示すように、一つの画像走査駆
動シーケンスと次の画像走査駆動シーケンスの間にスラ
イダSL1を静止させる休止時間を設け、画像走査回数
の増加とともに、そのシーケンス間の休止時間を段階的
に延ばしてもよい。このようにすれば、画像走査回数が
増えたときには、画像走査駆動シーケンス間の休止時間
が延びるため、昇温した電機子コイル31の冷却時間を
確保でき、電機子コイル31の昇温を抑制できる。
【0108】例えば、図16に示すように電機子コイル
31の通電回路65に電流制限抵抗R1 を直列に接続で
きるようにしておいて、連続して画像走査するときにお
いてその設定画像走査回数(複写回数)が所定回数より
多いときには、電流制限抵抗R1 を用いて電機子コイル
31に流す電流を制限すれば、電機子コイル31の昇温
を抑制できる。電機子コイル31の温度が所定温度以上
になったときに、電流制限抵抗R1 を用いて電機子コイ
ル31に流す電流を制限してもよい。
【0109】
【発明の効果】本発明は、シャフト型リニアモータを用
いて光学機器を所定方向に移動させることで原稿画像を
光学的に走査し、原稿画像を読み取る画像読み取り装置
であって、次の利点を有する画像読み取り装置を提供す
ることができる。 (A) シャフト型リニアモータの電機子コイルが昇温
しても、画像読み取り効率の低下を抑制できる画像読み
取り装置。 (B) シャフト型リニアモータの電機子コイルが昇温
しても画像読み取り効率の低下を抑制できるとともに、
電機子コイルが過度に昇温したときには、電機子コイル
などが破損して、画像読み取りが不能になることを防止
できる画像読み取り装置。 (C) シャフト型リニアモータの電機子コイルが過度
に昇温し、電機子コイルなどが破損し、画像読み取りが
不能になることを防止できる画像読み取り装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像読み取り装置を備えるアナロ
グ複写機の概略側面図である。
【図2】図1に示す画像読み取り装置の概略平面図であ
る。
【図3】図1に示す画像読み取り装置が備えるシャフト
型リニアモータ部分の概略断面図である。
【図4】図3に示すリニアモータの電機子コイルの各相
コイルの電気的接続図である。
【図5】図3に示すリニアモータを図中右方向に駆動す
るときの、ホール素子検出磁極と各コイルへの通電電流
の位相関係を示す図である。
【図6】図1に示す複写機の概略ブロック図である。
【図7】リニアモータの駆動制御回路の一例を示す回路
図である。
【図8】図8(A)は昇温時駆動制御モード1でスライ
ダを駆動制御したときの画像走査駆動シーケンス中にお
ける時間とスライダ速度の関係を示す速度パターンであ
り、図8(B)は時間とスライダの位置の関係を示す位
置パターンである。
【図9】図9(A)は昇温時駆動制御モード2でスライ
ダを駆動制御したときの画像走査駆動シーケンス中にお
ける時間とスライダ速度の関係を示す速度パターンであ
り、図9(B)は時間とスライダの位置の関係を示す位
置パターンである。
【図10】図10(A)は昇温時駆動制御モード3でス
ライダを駆動制御したときの画像走査駆動シーケンス中
における時間とスライダ速度の関係を示す速度パターン
であり、図10(B)は時間とスライダの位置の関係を
示す位置パターンである。
【図11】図11(A)は過昇温時駆動制御モード1で
スライダを駆動制御したときの画像走査駆動シーケンス
中における時間とスライダ速度の関係を示す速度パター
ンであり、図11(B)は時間と電機子コイルへの積算
通電量との関係を示す図である。
【図12】図12(A)は過昇温時駆動制御モード2で
スライダを駆動制御したときの画像走査駆動シーケンス
中における時間とスライダ速度の関係を示す速度パター
ンであり、図12(B)は時間と電機子コイルへの積算
通電量との関係を示す図である。
【図13】スライダの退避位置を示す図である。
【図14】連続して画像走査を行うときのスライダの速
度パターンの他の例を示す図である。
【図15】連続して画像走査を行うときのスライダの速
度パターンのさらに他の例を示す図である。
【図16】電機子コイルへの通電電流を制限することが
できる回路の一例を示す図である。
【図17】従来の画像読み取り装置の一例の概略側面図
である。
【図18】従来の画像読み取り装置の一例の概略平面図
である。
【図19】シャフト型リニアモータの一例の概略断面図
である。
【図20】図20(A)は電機子コイルの温度が20°
C及び70°Cの場合に、同じ駆動モードでスライダを
駆動制御したときの画像走査駆動シーケンス中における
時間と速度の関係を示す速度パターンであり、図20
(B)は電機子コイルの温度が20°C及び70°Cの
場合に、同じ駆動モードでスライダを駆動制御したとき
の画像走査駆動シーケンス中における時間と位置の関係
を示す位置パターンである。
【符号の説明】
IRA 画像読み取り装置 GL 原稿台ガラス SL1、SL2 スライダ 41 ガイド軸 42 ガイド板 LMm リニアモータ可動子 LMs リニアモータ固定子 31 電機子コイル 321、322 リニアモータ可動子の軸受け 33 ヨーク FM 界磁マグネット TS 温度センサ 51 温度状態判定部 LP ランプ m1〜m4 ミラー LS レンズ Ec エンコーダチャート(エンコーダスケール) Es エンコーダセンサ 6 駆動制御装置 IFA 画像形成装置
フロントページの続き Fターム(参考) 2H108 AA01 FB04 FB14 FB21 FB91 5C072 AA01 BA13 CA02 DA21 MA05 MB01 MB04 MB06 UA20 5H540 AA07 AA10 BA05 BB04 BB08 DD03 EE07 FA03 FB02 FC07 GG05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学機器を所定方向に移動させることで所
    定位置に配置した原稿の画像を光学的に走査して、原稿
    画像を読み取る画像読み取り装置であって、 前記光学機器を搭載するスライダと、 前記所定方向に延びるシャフト状の界磁マグネットをモ
    ータ固定子とし、該界磁マグネットに外嵌し、該界磁マ
    グネットに沿って往復移動でき、前記スライダに連結さ
    れた電機子コイルをモータ可動子とするシャフト型リニ
    アモータであって、該電機子コイルに通電することで前
    記スライダを前記所定方向に駆動することができるシャ
    フト型リニアモータと、 前記電機子コイルの温度を検出して、該電機子コイルの
    温度状態を判定する温度状態判定装置と、 前記リニアモータを所定の駆動制御モードで駆動制御し
    て、待機状態の前記スライダを加速し、該スライダを画
    像読み取り区間を所定の定速度で移動させ、その後該ス
    ライダを待機させるべき所定のホームポジションで停止
    するように該スライダを復帰させる画像走査駆動シーケ
    ンスを行う駆動制御装置とを備えており、 前記駆動制御装置は、前記温度状態判定装置が判定した
    前記電機子コイルの温度状態に応じて、前記画像走査駆
    動シーケンスにおける前記リニアモータの駆動制御モー
    ドを変えることを特徴とする画像読み取り装置。
  2. 【請求項2】前記温度状態判定装置は、前記電機子コイ
    ルの温度が所定温度T1 より低いときは通常温度状態と
    判定するとともに、該電機子コイルの温度が温度T1
    上のときは昇温状態と判定し、前記駆動制御装置は、該
    温度状態判定装置により通常温度状態と判定されたとき
    には前記リニアモータを所定の通常駆動制御モードで駆
    動制御し、昇温状態と判定されたときには、通常駆動制
    御モードで前記リニアモータを駆動制御したとすれば延
    びたシーケンスタイムが短縮されるように補償されてい
    るとともに、前記スライダの復帰停止位置がホームポジ
    ションになるように補償された昇温時駆動制御モードで
    前記リニアモータを駆動制御する請求項1記載の画像読
    み取り装置。
  3. 【請求項3】前記温度状態判定装置は、前記電機子コイ
    ルの温度が前記温度T1 より高い所定温度T2 以上のと
    きには過昇温状態と判定し、前記駆動制御装置は、該温
    度状態判定装置により過昇温状態と判定されたときに
    は、前記シーケンス中の前記電機子コイルへの積算通電
    量が、前記通常駆動制御モードで前記リニアモータを駆
    動制御したときより小さい過昇温時駆動制御モードで前
    記リニアモータを駆動制御する請求項2記載の画像読み
    取り装置。
  4. 【請求項4】前記温度状態判定装置は、前記電機子コイ
    ルの温度が所定温度T2 より低いときは通常温度状態と
    判定するとともに、該電機子コイルの温度が温度T2
    上のときは過昇温状態と判定し、前記駆動制御装置は、
    該温度状態判定装置により通常温度状態と判定されたと
    きには前記リニアモータを所定の通常駆動制御モードで
    駆動し、過昇温状態と判定されたときには、前記シーケ
    ンス中の前記電機子コイルへの積算通電量が、前記通常
    駆動制御モードで前記リニアモータを駆動制御したとき
    より小さい過昇温時駆動制御モードで前記リニアモータ
    を駆動制御する求項1記載の画像読み取り装置。
  5. 【請求項5】前記温度状態判定装置により昇温状態と判
    定されている場合に前記スライダを待機させるときに
    は、前記駆動制御装置は前記画像読み取り区間を間にお
    いて前記ホームポジションとは反対側の所定の退避位置
    に前記スライダを一旦退避させる請求項2記載の画像読
    み取り装置。
  6. 【請求項6】前記温度状態判定装置により昇温状態又は
    過昇温状態と判定されている場合に前記スライダを待機
    させるときには、前記駆動制御装置は前記画像読み取り
    区間を間において前記ホームポジションとは反対側の所
    定の退避位置に前記スライダを一旦退避させる請求項3
    記載の画像読み取り装置。
  7. 【請求項7】前記温度状態判定装置により過昇温状態と
    判定されている場合に前記スライダを待機させるときに
    は、前記駆動制御装置は前記画像読み取り区間を間にお
    いて前記ホームポジションとは反対側の所定の退避位置
    に前記スライダを一旦退避させる請求項4記載の画像読
    み取り装置。
  8. 【請求項8】光学機器を所定方向に移動させることで所
    定位置に配置した原稿の画像を光学的に走査して、原稿
    画像を読み取る画像読み取り装置であって、 前記光学機器を搭載するスライダと、 前記所定方向に延びるシャフト状の界磁マグネットをモ
    ータ固定子とし、該界磁マグネットに外嵌し、該界磁マ
    グネットに沿って往復移動でき、前記スライダに連結さ
    れた電機子コイルをモータ可動子とするシャフト型リニ
    アモータであって、該電機子コイルに通電することで前
    記スライダを前記所定方向に駆動することができるシャ
    フト型リニアモータと、 前記電機子コイルの温度を検出して、該電機子コイルの
    温度状態を判定する温度状態判定装置と、 前記リニアモータを駆動制御して、待機状態の前記スラ
    イダを加速し、該スライダを画像読み取り区間を所定の
    定速度で移動させ、その後該スライダを待機させるべき
    所定のホームポジションで停止するように該スライダを
    復帰させる画像走査駆動シーケンスを行う駆動制御装置
    とを備えており、 前記温度状態判定装置は、前記電機子コイルの温度が所
    定温度T4 より低いときには通常温度状態と判定すると
    ともに、該電機子コイルの温度が所定温度T4以上のと
    きには昇温状態と判定し、前記温度状態判定装置により
    昇温状態と判定されている場合に前記スライダを待機さ
    せるときには、前記駆動制御装置は前記画像読み取り区
    間を間において前記ホームポジションとは反対側の所定
    の退避位置に前記スライダを一旦退避させる画像読み取
    り装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010061127A (ja) * 2008-08-08 2010-03-18 Nikon Corp レンズ鏡筒および撮像装置

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