JP2000085318A - 方向性傾斜溝を備えた乗用車用空気入りラジアル・タイヤ - Google Patents
方向性傾斜溝を備えた乗用車用空気入りラジアル・タイヤInfo
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- JP2000085318A JP2000085318A JP10262898A JP26289898A JP2000085318A JP 2000085318 A JP2000085318 A JP 2000085318A JP 10262898 A JP10262898 A JP 10262898A JP 26289898 A JP26289898 A JP 26289898A JP 2000085318 A JP2000085318 A JP 2000085318A
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- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60C—VEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
- B60C11/00—Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
- B60C11/03—Tread patterns
- B60C2011/0337—Tread patterns characterised by particular design features of the pattern
- B60C2011/0339—Grooves
- B60C2011/0374—Slant grooves, i.e. having an angle of about 5 to 35 degrees to the equatorial plane
Landscapes
- Tires In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】 （修正有）
【課題】 乾燥した路面での操縦安定性能、タイヤ騒
音レベルおよび耐偏摩耗性能を低下することなく、濡れ
た路面を走行したときの排水性能に優れた、乗用車用高
運動性能空気入りラジアル・タイヤを提供する。 【解決手段】 トレッドの中央部近傍でタイヤ周方向
に平行に延びる少なくとも１本の周方向溝と、タイヤ周
方向に傾斜した方向に延びトレッド端に開口する多数の
方向性傾斜溝とを備え、該方向性傾斜溝は、トレッドの
中央部側でタイヤ周方向に対し５乃至４０度の角度で傾
斜した急傾斜領域と、トレッドの両端部側でタイヤ周方
向に対し５０乃至９０度の角度で傾斜した緩傾斜領域と
で形成され、周方向溝と長い傾斜溝とに挟まれたブロッ
ク隅部の表面は、先細先端部から太幅部に向けて徐々に
浅くなるように面取りされていることを特徴とする。
音レベルおよび耐偏摩耗性能を低下することなく、濡れ
た路面を走行したときの排水性能に優れた、乗用車用高
運動性能空気入りラジアル・タイヤを提供する。 【解決手段】 トレッドの中央部近傍でタイヤ周方向
に平行に延びる少なくとも１本の周方向溝と、タイヤ周
方向に傾斜した方向に延びトレッド端に開口する多数の
方向性傾斜溝とを備え、該方向性傾斜溝は、トレッドの
中央部側でタイヤ周方向に対し５乃至４０度の角度で傾
斜した急傾斜領域と、トレッドの両端部側でタイヤ周方
向に対し５０乃至９０度の角度で傾斜した緩傾斜領域と
で形成され、周方向溝と長い傾斜溝とに挟まれたブロッ
ク隅部の表面は、先細先端部から太幅部に向けて徐々に
浅くなるように面取りされていることを特徴とする。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は乗用車用空気入りタイヤ
に関するもので、特に、トレッドの中央部近傍に配置さ
れ、タイヤ周方向に平行またはほぼ平行に延びる少なく
とも１本の周方向溝と、タイヤ周方向に間隔を置いて配
置され、タイヤ周方向に傾斜した方向に延びトレッド端
に開口する多数の方向性傾斜溝がトレッドに形成され、
該方向性傾斜溝の溝が延びる部分のタイヤ赤道面に近い
側が先に接地して、赤道面に遠い側が後に接地するよう
に車両に装着する際のタイヤの回転方向が指定されてい
る方向性トレッド・パターンを備えた乗用車用高運動性
能空気入りタイヤに関するものである。
に関するもので、特に、トレッドの中央部近傍に配置さ
れ、タイヤ周方向に平行またはほぼ平行に延びる少なく
とも１本の周方向溝と、タイヤ周方向に間隔を置いて配
置され、タイヤ周方向に傾斜した方向に延びトレッド端
に開口する多数の方向性傾斜溝がトレッドに形成され、
該方向性傾斜溝の溝が延びる部分のタイヤ赤道面に近い
側が先に接地して、赤道面に遠い側が後に接地するよう
に車両に装着する際のタイヤの回転方向が指定されてい
る方向性トレッド・パターンを備えた乗用車用高運動性
能空気入りタイヤに関するものである。
【０００２】本明細書において、「方向性傾斜溝」と
は、周方向に対して傾斜して延びる溝であって、該溝の
傾斜して延びる部分のタイヤ赤道面に近い側が先に接地
して、赤道面に遠い側が後に接地するように車両に装着
する際のタイヤの回転（正転）方向が指定されている、
いわゆる方向性トレッド・パターンが形成される溝を意
味する。
は、周方向に対して傾斜して延びる溝であって、該溝の
傾斜して延びる部分のタイヤ赤道面に近い側が先に接地
して、赤道面に遠い側が後に接地するように車両に装着
する際のタイヤの回転（正転）方向が指定されている、
いわゆる方向性トレッド・パターンが形成される溝を意
味する。
【０００３】
【従来の技術】高運動性乗用車用空気入りラジアル・タ
イヤには、濡れた路面を走行したときの排水性能を高度
に保ちながら、乾燥した路面での操縦安定性能に優れし
かもタイヤ騒音レベルの低いことが要求される。しかし
ながら、これらのタイヤ要求性能はパターン設計上互い
に相反する要求性能であって、濡れた路面を走行したと
きの排水性能、乾燥した路面での操縦安定性能およびタ
イヤ騒音性能のいずれにおいても優れた性能を備えたタ
イヤを提供することは、従来、極めて困難であった。例
えば、濡れた路面を走行したときの排水性能を高めるた
めに、周方向に直線状に延びる複数本の周方向溝と、周
方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜溝とによって、
タイヤ軸方向および周方向に間隔を置いて多数のブロッ
クが形成されたトレッド・パターンが提案され、実用化
されている。濡れた路面を走行したときの排水性能をさ
らに高めるためには、上記の傾斜溝を周方向に対して小
さな傾斜角度で延びる急傾斜溝にすることが好ましい
が、一方、乾燥した路面での操縦安定性能を高めるため
には、上記の傾斜溝を周方向に対して大きな傾斜角度で
延びる緩傾斜溝にすることが好ましい。さらにやっかい
なことに、上記の傾斜溝を周方向に対して大きな傾斜角
度にすると、タイヤの騒音レベルが悪化するという不具
合が生じる。
イヤには、濡れた路面を走行したときの排水性能を高度
に保ちながら、乾燥した路面での操縦安定性能に優れし
かもタイヤ騒音レベルの低いことが要求される。しかし
ながら、これらのタイヤ要求性能はパターン設計上互い
に相反する要求性能であって、濡れた路面を走行したと
きの排水性能、乾燥した路面での操縦安定性能およびタ
イヤ騒音性能のいずれにおいても優れた性能を備えたタ
イヤを提供することは、従来、極めて困難であった。例
えば、濡れた路面を走行したときの排水性能を高めるた
めに、周方向に直線状に延びる複数本の周方向溝と、周
方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜溝とによって、
タイヤ軸方向および周方向に間隔を置いて多数のブロッ
クが形成されたトレッド・パターンが提案され、実用化
されている。濡れた路面を走行したときの排水性能をさ
らに高めるためには、上記の傾斜溝を周方向に対して小
さな傾斜角度で延びる急傾斜溝にすることが好ましい
が、一方、乾燥した路面での操縦安定性能を高めるため
には、上記の傾斜溝を周方向に対して大きな傾斜角度で
延びる緩傾斜溝にすることが好ましい。さらにやっかい
なことに、上記の傾斜溝を周方向に対して大きな傾斜角
度にすると、タイヤの騒音レベルが悪化するという不具
合が生じる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来技術の不具合を解消して、乾燥した路面で
の操縦安定性能、タイヤ騒音レベルおよび耐偏摩耗性能
を低下することなく、濡れた路面を走行したときの排水
性能に優れた、乗用車用高運動性能空気入りラジアル・
タイヤを提供することである。
のような従来技術の不具合を解消して、乾燥した路面で
の操縦安定性能、タイヤ騒音レベルおよび耐偏摩耗性能
を低下することなく、濡れた路面を走行したときの排水
性能に優れた、乗用車用高運動性能空気入りラジアル・
タイヤを提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の空気入りタイヤは、トレッドの中央部近傍
に配置され、タイヤ周方向に平行またはほぼ平行に延び
る少なくとも１本の周方向溝と、タイヤ周方向に間隔を
置いて配置され、タイヤ周方向に傾斜した方向に延びト
レッド端に開口する多数の方向性傾斜溝とがトレッドに
形成され、該方向性傾斜溝の溝が延びる部分のタイヤ赤
道面に近い側が先に接地して、赤道面に遠い側が後に接
地するように車両に装着する際のタイヤの回転方向が指
定されている方向性トレッド・パターンを備えた空気入
りタイヤにおいて、（１）該方向性傾斜溝は、トレッド
の中央部側でタイヤ周方向に対し５乃至４０度の角度で
傾斜した方向に延びる急傾斜領域と、トレッドの両端部
側でタイヤ周方向に対し５０乃至９０度の角度で傾斜し
た方向に延びる緩傾斜領域とで形成され、（２）該方向
性傾斜溝は、トレッドの中央部近傍の該周方向溝に開口
する長い傾斜溝と、トレッド幅の１／４点近傍で終端す
る短い傾斜溝とが、交互に、タイヤ周方向にほぼ等間隔
に配置されて形成され、（３）該方向性傾斜溝を形成す
る長い傾斜溝と短い傾斜溝とは、タイヤ周方向に対し５
０乃至９０度の角度で傾斜した方向に延びる連通溝によ
って、相互に連通され（４）該周方向溝と該長い傾斜溝
とに挟まれたブロック隅部の表面は、先細先端部から太
幅部に向けて徐々に浅くなるように面取りされているこ
とを特徴とする高運動性乗用車用空気入りラジアル・タ
イヤである。
に、本発明の空気入りタイヤは、トレッドの中央部近傍
に配置され、タイヤ周方向に平行またはほぼ平行に延び
る少なくとも１本の周方向溝と、タイヤ周方向に間隔を
置いて配置され、タイヤ周方向に傾斜した方向に延びト
レッド端に開口する多数の方向性傾斜溝とがトレッドに
形成され、該方向性傾斜溝の溝が延びる部分のタイヤ赤
道面に近い側が先に接地して、赤道面に遠い側が後に接
地するように車両に装着する際のタイヤの回転方向が指
定されている方向性トレッド・パターンを備えた空気入
りタイヤにおいて、（１）該方向性傾斜溝は、トレッド
の中央部側でタイヤ周方向に対し５乃至４０度の角度で
傾斜した方向に延びる急傾斜領域と、トレッドの両端部
側でタイヤ周方向に対し５０乃至９０度の角度で傾斜し
た方向に延びる緩傾斜領域とで形成され、（２）該方向
性傾斜溝は、トレッドの中央部近傍の該周方向溝に開口
する長い傾斜溝と、トレッド幅の１／４点近傍で終端す
る短い傾斜溝とが、交互に、タイヤ周方向にほぼ等間隔
に配置されて形成され、（３）該方向性傾斜溝を形成す
る長い傾斜溝と短い傾斜溝とは、タイヤ周方向に対し５
０乃至９０度の角度で傾斜した方向に延びる連通溝によ
って、相互に連通され（４）該周方向溝と該長い傾斜溝
とに挟まれたブロック隅部の表面は、先細先端部から太
幅部に向けて徐々に浅くなるように面取りされているこ
とを特徴とする高運動性乗用車用空気入りラジアル・タ
イヤである。
【０００６】上記目的を達成するために、本発明の空気
入りタイヤでは、該連通溝は、該短い傾斜溝の急傾斜領
域から該長い傾斜溝に向けて軸方向外側に延びる第１の
連通溝と、該長い傾斜溝の急傾斜領域から該短い傾斜溝
に向けて軸方向外側に延びる第２の連通溝とが、交互
に、タイヤ周方向にほぼ等間隔に配置されて形成されて
いることが好ましい。
入りタイヤでは、該連通溝は、該短い傾斜溝の急傾斜領
域から該長い傾斜溝に向けて軸方向外側に延びる第１の
連通溝と、該長い傾斜溝の急傾斜領域から該短い傾斜溝
に向けて軸方向外側に延びる第２の連通溝とが、交互
に、タイヤ周方向にほぼ等間隔に配置されて形成されて
いることが好ましい。
【０００７】上記目的を達成するために、本発明の空気
入りタイヤでは、該連通溝が軸方向外側に延びて該方向
性傾斜溝と連通する個所における、該方向性傾斜溝と該
連通溝とに挟まれた鋭角部が３０乃至５０度であること
が好ましい。
入りタイヤでは、該連通溝が軸方向外側に延びて該方向
性傾斜溝と連通する個所における、該方向性傾斜溝と該
連通溝とに挟まれた鋭角部が３０乃至５０度であること
が好ましい。
【０００８】上記目的を達成するために、本発明の空気
入りタイヤでは、該周方向溝と該長い傾斜溝とに挟まれ
たブロック隅部の表面は、先細先端部から太幅部に向け
て徐々に浅くなるように曲線状に面取りされ、先細先端
部における最大面取り深さが該周方向溝の溝深さとほぼ
同じであることが好ましい。
入りタイヤでは、該周方向溝と該長い傾斜溝とに挟まれ
たブロック隅部の表面は、先細先端部から太幅部に向け
て徐々に浅くなるように曲線状に面取りされ、先細先端
部における最大面取り深さが該周方向溝の溝深さとほぼ
同じであることが好ましい。
【０００９】一般に、主溝と枝溝が交差する個所では、
異なる方向に向かう水流が衝突するために、流れに乱れ
が生じる。また、溝が分岐したり合流する個所では、流
れに乱れが生じると気泡が発生して排水性が低下する。
前後方向排水のための周方向溝と、横方向排水のための
傾斜溝とが交差する個所では、異なる方向に向かう水流
が衝突するために流れに乱れが生じ、気泡が発生して排
水性が低下する。途中で他の溝と交差しない長い傾斜溝
は排水性には有利であるが、ブロックの接地性が低下
し、乗り心地性能や耐偏摩耗性能が低下する。
異なる方向に向かう水流が衝突するために、流れに乱れ
が生じる。また、溝が分岐したり合流する個所では、流
れに乱れが生じると気泡が発生して排水性が低下する。
前後方向排水のための周方向溝と、横方向排水のための
傾斜溝とが交差する個所では、異なる方向に向かう水流
が衝突するために流れに乱れが生じ、気泡が発生して排
水性が低下する。途中で他の溝と交差しない長い傾斜溝
は排水性には有利であるが、ブロックの接地性が低下
し、乗り心地性能や耐偏摩耗性能が低下する。
【００１０】本発明の空気入りタイヤは上記のような構
成であり、特に、トレッドの中央部近傍に配置され、タ
イヤ周方向に平行またはほぼ平行に延びる少なくとも１
本の周方向溝と、タイヤ周方向に間隔を置いて配置さ
れ、タイヤ周方向に傾斜した方向に延びトレッド端に開
口する多数の方向性傾斜溝がトレッドに形成され、該方
向性傾斜溝は、トレッドの中央部側でタイヤ周方向に対
し５乃至４０度の角度で傾斜した方向に延びる急傾斜領
域と、トレッドの両端部側でタイヤ周方向に対し５０乃
至９０度の角度で傾斜した方向に延びる緩傾斜領域とで
形成されているので、トレッドの中央部近傍では、上記
の周方向溝に沿って、水流が周方向にスムースに流れ、
トレッドの中央部側では、上記の方向性傾斜溝の急傾斜
領域に沿って、水流が周方向に対し５乃至４０度の角度
で傾斜した方向にスムースに流れ、トレッドの両端部側
では、上記の方向性傾斜溝の緩傾斜領域に沿って、水流
が周方向に対し５０乃至９０度の角度で傾斜した方向に
スムースに流れる。また、本発明の空気入りタイヤは上
記のような構成であり、特に、該周方向溝と該長い傾斜
溝とに挟まれたブロック隅部の表面は、先細先端部から
太幅部に向けて徐々に浅くなるように面取りされてい
て、好ましくはこのブロック隅部の表面が曲線状に面取
りされ、しかも、先細先端部における最大面取り深さが
該周方向溝の溝深さとほぼ同じであるので、踏み込み時
の水圧を減少して、スムースな排水が行われる。
成であり、特に、トレッドの中央部近傍に配置され、タ
イヤ周方向に平行またはほぼ平行に延びる少なくとも１
本の周方向溝と、タイヤ周方向に間隔を置いて配置さ
れ、タイヤ周方向に傾斜した方向に延びトレッド端に開
口する多数の方向性傾斜溝がトレッドに形成され、該方
向性傾斜溝は、トレッドの中央部側でタイヤ周方向に対
し５乃至４０度の角度で傾斜した方向に延びる急傾斜領
域と、トレッドの両端部側でタイヤ周方向に対し５０乃
至９０度の角度で傾斜した方向に延びる緩傾斜領域とで
形成されているので、トレッドの中央部近傍では、上記
の周方向溝に沿って、水流が周方向にスムースに流れ、
トレッドの中央部側では、上記の方向性傾斜溝の急傾斜
領域に沿って、水流が周方向に対し５乃至４０度の角度
で傾斜した方向にスムースに流れ、トレッドの両端部側
では、上記の方向性傾斜溝の緩傾斜領域に沿って、水流
が周方向に対し５０乃至９０度の角度で傾斜した方向に
スムースに流れる。また、本発明の空気入りタイヤは上
記のような構成であり、特に、該周方向溝と該長い傾斜
溝とに挟まれたブロック隅部の表面は、先細先端部から
太幅部に向けて徐々に浅くなるように面取りされてい
て、好ましくはこのブロック隅部の表面が曲線状に面取
りされ、しかも、先細先端部における最大面取り深さが
該周方向溝の溝深さとほぼ同じであるので、踏み込み時
の水圧を減少して、スムースな排水が行われる。
【００１１】周方向溝と傾斜溝とによって形成されたブ
ロックが、トレッドの中央部からトレッドの端部まで連
続していると、回転接地時やサイドフォース入力時にブ
ロックが捩れて偏摩耗が発生しやすくなる。本発明の空
気入りタイヤは上記のような構成であり、特に、上記の
方向性傾斜溝は、トレッドの中央部近傍の該周方向溝に
開口する長い傾斜溝と、トレッド幅の１／４点近傍で終
端する短い傾斜溝とが、交互に、タイヤ周方向にほぼ等
間隔に配置されて形成され、上記の方向性傾斜溝を形成
する長い傾斜溝と短い傾斜溝とは、タイヤ周方向に対し
５０乃至９０度の角度で傾斜した方向に延びる連通溝に
よって、相互に連通されているので、周方向溝と傾斜溝
とによって形成されたブロックが３分割され、ブロック
の捩れによる偏摩耗発生が防止または抑制される。ま
た、トレッドの中央部寄りと比べ、トレッドの端部寄り
では、上記の傾斜溝が２倍のピッチで配置されているの
で、パターン・ノイズの音圧が分散され、排水性やブロ
ックの剛性バランスの観点からも好ましい構成である。
ロックが、トレッドの中央部からトレッドの端部まで連
続していると、回転接地時やサイドフォース入力時にブ
ロックが捩れて偏摩耗が発生しやすくなる。本発明の空
気入りタイヤは上記のような構成であり、特に、上記の
方向性傾斜溝は、トレッドの中央部近傍の該周方向溝に
開口する長い傾斜溝と、トレッド幅の１／４点近傍で終
端する短い傾斜溝とが、交互に、タイヤ周方向にほぼ等
間隔に配置されて形成され、上記の方向性傾斜溝を形成
する長い傾斜溝と短い傾斜溝とは、タイヤ周方向に対し
５０乃至９０度の角度で傾斜した方向に延びる連通溝に
よって、相互に連通されているので、周方向溝と傾斜溝
とによって形成されたブロックが３分割され、ブロック
の捩れによる偏摩耗発生が防止または抑制される。ま
た、トレッドの中央部寄りと比べ、トレッドの端部寄り
では、上記の傾斜溝が２倍のピッチで配置されているの
で、パターン・ノイズの音圧が分散され、排水性やブロ
ックの剛性バランスの観点からも好ましい構成である。
【００１２】本発明の空気入りタイヤは上記のような構
成であり、特に、該連通溝が軸方向外側に延びて該方向
性傾斜溝と連通する個所における、該方向性傾斜溝と該
連通溝とに挟まれた鋭角部が３０乃至５０度であること
が、水流がスムースに流れるために好ましい。また、こ
の角度が３０度より小さくなると、ブロックの剛性が不
足する。本発明の空気入りタイヤでは、該方向性傾斜溝
の緩傾斜領域と同様にタイヤ周方向に対し５０乃至９０
度の角度で傾斜した方向に延びるサイプを適宜配置する
ことによって、摩擦係数の低い路面を走行したときの路
面グリップ性能が向上するので、オールシーズン・タイ
ヤに適用することが可能となる。
成であり、特に、該連通溝が軸方向外側に延びて該方向
性傾斜溝と連通する個所における、該方向性傾斜溝と該
連通溝とに挟まれた鋭角部が３０乃至５０度であること
が、水流がスムースに流れるために好ましい。また、こ
の角度が３０度より小さくなると、ブロックの剛性が不
足する。本発明の空気入りタイヤでは、該方向性傾斜溝
の緩傾斜領域と同様にタイヤ周方向に対し５０乃至９０
度の角度で傾斜した方向に延びるサイプを適宜配置する
ことによって、摩擦係数の低い路面を走行したときの路
面グリップ性能が向上するので、オールシーズン・タイ
ヤに適用することが可能となる。
【００１３】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従う実施例のタイ
ヤおよび従来例タイヤについて図面を参照して説明す
る。タイヤ・サイズは、いずれも、２０５／５５Ｒ１６
である。
ヤおよび従来例タイヤについて図面を参照して説明す
る。タイヤ・サイズは、いずれも、２０５／５５Ｒ１６
である。
【００１４】図１に示す本発明に基づく実施例のタイヤ
は、トレッドの中央部近傍に配置され、タイヤ周方向に
平行またはほぼ平行に延びる２本の周方向溝１と、タイ
ヤ周方向に間隔を置いて配置され、タイヤ周方向に傾斜
した方向に延びトレッド端に開口する多数の方向性傾斜
溝２、３がトレッドに形成され、方向性傾斜溝２、３の
溝が延びる部分のタイヤ赤道面に近い側が先に接地し
て、赤道面に遠い側が後に接地するように車両に装着す
る際のタイヤの回転方向が指定されている方向性トレッ
ド・パターンを備えている。方向性傾斜溝２は、トレッ
ドの中央部側でタイヤ周方向に対し２０乃至３５度の角
度で傾斜した方向に延びる急傾斜領域２１と、トレッド
の両端部側でタイヤ周方向に対し７５度の角度で傾斜し
た方向に延びる緩傾斜領域２２とで形成されている。方
向性傾斜溝３は、トレッドの中央部側でタイヤ周方向に
対し３５度の角度で傾斜した方向に延びる急傾斜領域３
１と、トレッドの両端部側でタイヤ周方向に対し７５度
の角度で傾斜した方向に延びる緩傾斜領域３２とで形成
されている。方向性傾斜溝２、３は、トレッドの中央部
近傍の周方向溝に開口する長い傾斜溝２と、トレッド幅
の１／４点近傍で終端する短い傾斜溝３とが、交互に、
タイヤ周方向にほぼ等間隔に配置されて形成されてい
る。方向性傾斜溝２、３を形成する長い傾斜溝２と短い
傾斜溝３とは、タイヤ周方向に対し６５の角度で傾斜し
た方向に延びる連通溝４、５によって、相互に連通され
ている。周方向溝１と長い傾斜溝２とに挟まれたブロッ
ク隅部の表面は、先細先端部から太幅部に向けて徐々に
浅くなるように１５ｍｍの長さにわたって面取りされて
いる。連通溝４、５は、短い傾斜溝３の急傾斜領域３１
から長い傾斜溝２に向けて軸方向外側に延びる第１の連
通溝４と、長い傾斜溝２の急傾斜領域２１から短い傾斜
溝３に向けて軸方向外側に延びる第２の連通溝５とが、
交互に、タイヤ周方向にほぼ等間隔に配置されて形成さ
れている。連通溝４、５が軸方向外側に延びて方向性傾
斜溝２、３と連通する個所における、方向性傾斜溝２、
３と連通溝４、５とに挟まれた鋭角部の角度α、βが、
いずれも、３５度である。
は、トレッドの中央部近傍に配置され、タイヤ周方向に
平行またはほぼ平行に延びる２本の周方向溝１と、タイ
ヤ周方向に間隔を置いて配置され、タイヤ周方向に傾斜
した方向に延びトレッド端に開口する多数の方向性傾斜
溝２、３がトレッドに形成され、方向性傾斜溝２、３の
溝が延びる部分のタイヤ赤道面に近い側が先に接地し
て、赤道面に遠い側が後に接地するように車両に装着す
る際のタイヤの回転方向が指定されている方向性トレッ
ド・パターンを備えている。方向性傾斜溝２は、トレッ
ドの中央部側でタイヤ周方向に対し２０乃至３５度の角
度で傾斜した方向に延びる急傾斜領域２１と、トレッド
の両端部側でタイヤ周方向に対し７５度の角度で傾斜し
た方向に延びる緩傾斜領域２２とで形成されている。方
向性傾斜溝３は、トレッドの中央部側でタイヤ周方向に
対し３５度の角度で傾斜した方向に延びる急傾斜領域３
１と、トレッドの両端部側でタイヤ周方向に対し７５度
の角度で傾斜した方向に延びる緩傾斜領域３２とで形成
されている。方向性傾斜溝２、３は、トレッドの中央部
近傍の周方向溝に開口する長い傾斜溝２と、トレッド幅
の１／４点近傍で終端する短い傾斜溝３とが、交互に、
タイヤ周方向にほぼ等間隔に配置されて形成されてい
る。方向性傾斜溝２、３を形成する長い傾斜溝２と短い
傾斜溝３とは、タイヤ周方向に対し６５の角度で傾斜し
た方向に延びる連通溝４、５によって、相互に連通され
ている。周方向溝１と長い傾斜溝２とに挟まれたブロッ
ク隅部の表面は、先細先端部から太幅部に向けて徐々に
浅くなるように１５ｍｍの長さにわたって面取りされて
いる。連通溝４、５は、短い傾斜溝３の急傾斜領域３１
から長い傾斜溝２に向けて軸方向外側に延びる第１の連
通溝４と、長い傾斜溝２の急傾斜領域２１から短い傾斜
溝３に向けて軸方向外側に延びる第２の連通溝５とが、
交互に、タイヤ周方向にほぼ等間隔に配置されて形成さ
れている。連通溝４、５が軸方向外側に延びて方向性傾
斜溝２、３と連通する個所における、方向性傾斜溝２、
３と連通溝４、５とに挟まれた鋭角部の角度α、βが、
いずれも、３５度である。
【００１５】図２に示す従来例のタイヤは、周方向に平
行に延びる５本の周方向溝と、タイヤ周方向に間隔を置
いて配置され、タイヤ周方向に傾斜した方向に延びトレ
ッド端に開口する多数の方向性傾斜溝がトレッドに形成
され、方向性傾斜溝の溝が延びる部分のタイヤ赤道面に
近い側が先に接地して、赤道面に遠い側が後に接地する
ように、車両に装着する際のタイヤの回転方向が指定さ
れている方向性トレッド・パターンを備えている。方向
性傾斜溝は、タイヤ周方向に対し５０乃至８０度の角度
で傾斜した方向に延びている。
行に延びる５本の周方向溝と、タイヤ周方向に間隔を置
いて配置され、タイヤ周方向に傾斜した方向に延びトレ
ッド端に開口する多数の方向性傾斜溝がトレッドに形成
され、方向性傾斜溝の溝が延びる部分のタイヤ赤道面に
近い側が先に接地して、赤道面に遠い側が後に接地する
ように、車両に装着する際のタイヤの回転方向が指定さ
れている方向性トレッド・パターンを備えている。方向
性傾斜溝は、タイヤ周方向に対し５０乃至８０度の角度
で傾斜した方向に延びている。
【００１６】本発明に基づく上記実施例のタイヤと上記
従来例のタイヤについて、濡れた路面を走行したときの
排水性能とブレーキ性能、乾燥した路面での操縦安定性
能、タイヤ騒音性能および耐偏摩耗性能の評価試験を実
施した。
従来例のタイヤについて、濡れた路面を走行したときの
排水性能とブレーキ性能、乾燥した路面での操縦安定性
能、タイヤ騒音性能および耐偏摩耗性能の評価試験を実
施した。
【００１７】濡れた路面を走行したときの排水性能は水
深５ｍｍの濡れた路面を走行したときのハイドロプレー
ニング発生限界速度をフィーリングで評価したもので、
濡れた路面を走行したときのブレーキ性能は水深２ｍｍ
の濡れた直線路面を速度８０ｋｍ／ｈで走行状態からフ
ル制動したときの制動距離で評価したもので、乾燥した
路面での操縦安定性能は乾燥した状態のサーキット・コ
ースを各種走行モードによりスポーツ走行したときのテ
スト・ドライバイーによるフィーリングで評価したもの
で、タイヤ騒音性能は、直線平滑路を１００ｋｍ／ｈか
ら惰行したときの車内音をフィーリングで評価したもの
で、耐偏摩耗性能は高速道路、市街地路および山坂路を
想定したモード走行において、５００ｋｍ走行後のトレ
ッド表面の目視評価および溝深さを測定して評価したも
のである。
深５ｍｍの濡れた路面を走行したときのハイドロプレー
ニング発生限界速度をフィーリングで評価したもので、
濡れた路面を走行したときのブレーキ性能は水深２ｍｍ
の濡れた直線路面を速度８０ｋｍ／ｈで走行状態からフ
ル制動したときの制動距離で評価したもので、乾燥した
路面での操縦安定性能は乾燥した状態のサーキット・コ
ースを各種走行モードによりスポーツ走行したときのテ
スト・ドライバイーによるフィーリングで評価したもの
で、タイヤ騒音性能は、直線平滑路を１００ｋｍ／ｈか
ら惰行したときの車内音をフィーリングで評価したもの
で、耐偏摩耗性能は高速道路、市街地路および山坂路を
想定したモード走行において、５００ｋｍ走行後のトレ
ッド表面の目視評価および溝深さを測定して評価したも
のである。
【００１８】上記の評価試験の結果では、上記従来例の
タイヤを１００とすると本発明に基づく上記実施例のタ
イヤは、乾燥した路面での操縦安定性能が１０５であ
り、タイヤ騒音性能が１０５で、耐偏摩耗性能は１００
であった。一方、濡れた路面を走行したときの排水性能
とブレーキ性能は、上記従来例のタイヤを１００とする
と、本発明に基づく上記実施例のタイヤは１２０と１１
０であった。
タイヤを１００とすると本発明に基づく上記実施例のタ
イヤは、乾燥した路面での操縦安定性能が１０５であ
り、タイヤ騒音性能が１０５で、耐偏摩耗性能は１００
であった。一方、濡れた路面を走行したときの排水性能
とブレーキ性能は、上記従来例のタイヤを１００とする
と、本発明に基づく上記実施例のタイヤは１２０と１１
０であった。
【００１９】
【発明の効果】上記の結果から、本発明によって、乾燥
した路面での操縦安定性能、タイヤ騒音性能および耐偏
摩耗性能を低下することなく、濡れた路面を走行したと
きの排水性能とブレーキ性能に優れた乗用車用空気入り
ラジアル・タイヤが得られることことがわかる。
した路面での操縦安定性能、タイヤ騒音性能および耐偏
摩耗性能を低下することなく、濡れた路面を走行したと
きの排水性能とブレーキ性能に優れた乗用車用空気入り
ラジアル・タイヤが得られることことがわかる。
【図１】本発明によるタイヤのトレッド・パターンの一
部拡大正面図である。
部拡大正面図である。
【図２】従来例のタイヤのトレッド・パターンの一部拡
大正面図である。
大正面図である。
１ 周方向溝 ２ 長い傾斜溝 ３ 短い傾斜溝 ４ 連通溝 ５ 連通溝
Claims (4)
- 【請求項１】 トレッドの中央部近傍に配置され、タイ
ヤ周方向に平行またはほぼ平行に延びる少なくとも１本
の周方向溝と、タイヤ周方向に間隔を置いて配置され、
タイヤ周方向に傾斜した方向に延びトレッド端に開口す
る多数の方向性傾斜溝とがトレッドに形成され、該方向
性傾斜溝の溝が延びる部分のタイヤ赤道面に近い側が先
に接地して、赤道面に遠い側が後に接地するように車両
に装着する際のタイヤの回転方向が指定されている方向
性トレッド・パターンを備えた空気入りタイヤにおい
て、（１）該方向性傾斜溝は、トレッドの中央部側でタ
イヤ周方向に対し５乃至４０度の角度で傾斜した方向に
延びる急傾斜領域と、トレッドの両端部側でタイヤ周方
向に対し５０乃至９０度の角度で傾斜した方向に延びる
緩傾斜領域とで形成され、（２）該方向性傾斜溝は、ト
レッドの中央部近傍の該周方向溝に開口する長い傾斜溝
と、トレッド幅の１／４点近傍で終端する短い傾斜溝と
が、交互に、タイヤ周方向にほぼ等間隔に配置されて形
成され、（３）該方向性傾斜溝を形成する長い傾斜溝と
短い傾斜溝とは、タイヤ周方向に対し５０乃至９０度の
角度で傾斜した方向に延びる連通溝によって、相互に連
通され、（４）該周方向溝と該長い傾斜溝とに挟まれた
ブロック隅部の表面は、先細先端部から太幅部に向けて
徐々に浅くなるように面取りされていることを特徴とす
る高運動性乗用車用空気入りラジアル・タイヤ。 - 【請求項２】 該連通溝は、該短い傾斜溝の急傾斜領域
から該長い傾斜溝に向けて軸方向外側に延びる第１の連
通溝と、該長い傾斜溝の急傾斜領域から該短い傾斜溝に
向けて軸方向外側に延びる第２の連通溝とが、交互に、
タイヤ周方向にほぼ等間隔に配置されて形成されている
ことを特徴とする請求項１記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項３】 該連通溝が軸方向外側に延びて該方向性
傾斜溝と連通する個所における、該方向性傾斜溝と該連
通溝とに挟まれた鋭角部が３０乃至５０度であることを
特徴とする請求項１乃至２記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項４】 該周方向溝と該長い傾斜溝とに挟まれた
ブロック隅部の表面は、先細先端部から太幅部に向けて
徐々に浅くなるように曲線状に面取りされ、先細先端部
における最大面取り深さが該周方向溝の溝深さとほぼ同
じであることを特徴とする請求項１乃至３記載の空気入
りタイヤ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10262898A JP2000085318A (ja) | 1998-09-17 | 1998-09-17 | 方向性傾斜溝を備えた乗用車用空気入りラジアル・タイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10262898A JP2000085318A (ja) | 1998-09-17 | 1998-09-17 | 方向性傾斜溝を備えた乗用車用空気入りラジアル・タイヤ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000085318A true JP2000085318A (ja) | 2000-03-28 |
Family
ID=17382157
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10262898A Pending JP2000085318A (ja) | 1998-09-17 | 1998-09-17 | 方向性傾斜溝を備えた乗用車用空気入りラジアル・タイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000085318A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103140360A (zh) * | 2010-09-30 | 2013-06-05 | 株式会社普利司通 | 充气轮胎 |
-
1998
- 1998-09-17 JP JP10262898A patent/JP2000085318A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103140360A (zh) * | 2010-09-30 | 2013-06-05 | 株式会社普利司通 | 充气轮胎 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040107 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |