JPH11352453A - 光学特性可変光学素子 - Google Patents

光学特性可変光学素子

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JPH11352453A
JPH11352453A JP16119898A JP16119898A JPH11352453A JP H11352453 A JPH11352453 A JP H11352453A JP 16119898 A JP16119898 A JP 16119898A JP 16119898 A JP16119898 A JP 16119898A JP H11352453 A JPH11352453 A JP H11352453A
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liquid crystal
lens
optical
refractive index
optical element
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JP16119898A
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Kimihiko Nishioka
公彦 西岡
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造簡単で、光量損失が少なく、且つ低電圧
にて駆動可能な光学特性可変光学素子を提供する。 【解決手段】 捩れのピッチが使用光の波長に比べて非
常に小さい液晶1を含み、該液晶1にドーナツ状の電極
3を介して空間的に不均一な電場Eを加えることにより
屈折率分布を形成し、且つ可変抵抗器10により電場E
を変化させることにより屈折率分布を変えることが出来
るように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学特性可変光学
素子、更に詳しくは光学特性を変化させる光学特性可変
光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】ズームレンズ或いは撮像装置のピント合
わせでは、通常レンズを機械的に移動することが行なわ
れている。
【0003】しかし、レンズ系の全体、或いは一部を移
動させることは、超小型であることが要求される電子内
視鏡やマイクロマシンの眼等では不可能であり、又、テ
レビカメラ、電子スチルカメラや銀塩フィルムカメラ等
でも、軽量化、コストダウンのためには、レンズ系を移
動させずにズーム、ピント合わせができることが望まし
い。
【0004】そこで、従来より、これらの課題をレンズ
の移動を行わずに解決する手段として、例えば特開平5
−34656号公報や特開平4−345124号公報
に、可変焦点レンズが提案されている。
【0005】図31は、この種可変焦点レンズの一例で
ある液晶レンズを示している。図中、1はシール部材2
により封止された斜め配向のネマティック液晶で、ドー
ナツ状の電極3を設けた一対の基板4,5の間に挟まれ
ている。6は透明基板4,5の内側表面に設けられた配
向膜、7は基板4の前側(左側)に設けられていて紙面
内で振動する光のみを透過する偏光板、8はスイッチ9
と可変抵抗器10を介して電極3に接続された交流電源
である。
【0006】この液晶レンズにおいて、スイッチ9がオ
フの場合、液晶1は図示のように一様に斜めに配向して
いて、光線Lは直進する。これに対し、スイッチ9をオ
ンにして電極3に電圧を印加すると、電極3がドーナツ
状をしているため電場Eの方向は図25に示すように不
均一になり、液晶1は図32に示すように配向する。つ
まり、液晶レンズの中心付近では電場が弱いため液晶1
は斜め配向を保っているが、電極3に近づくにつれて電
場が強くなるため液晶1は基板4,5に垂直となる。こ
のため、偏光板7を透過した偏光に対して液晶1の屈折
率は液晶レンズの中心ほど高く周辺ほど低くなり、液晶
レンズの半径方向(y方向)に屈折率分布をもつように
なる。このため、液晶レンズは凸レンズ作用を持つ不均
質レンズとなり、入射した光線Lは収束する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
液晶レンズでは偏光板7が必要なため、透過光量は半分
以下で、透過率としては30〜40%程度しかなく、応
用できる製品が限られると云う欠点があった。
【0008】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、構造が簡単で、光量損失が少なく、低電圧によ
り駆動可能で、光学特性を変化させ得る光学特性可変光
学素子を提供するとを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光学特性可変光学素子は、捩れのピッチが
使用光の波長の60倍以下の液晶を含み、該液晶に空間
的に不均一な電場又は磁場又は温度を加えることにより
屈折率分布を形成するようにして、電場又は磁場又は温
度を変化させることにより屈折率分布を変えるようにな
っている。
【0010】又、本発明の光学特性可変光学素子は、高
分子分散液晶を含み、該液晶に空間的に不均一な電場又
は磁場又は温度を加えることにより屈折率分布を形成す
るようにして、電場又は磁場又は温度を変化させること
により屈折率分布を変えるようになっている。
【0011】又、本発明の光学特性可変光学素子は、
凸,凹の2つ以上の液晶レンズの組み合わせより成って
いる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
した実施例に基づき説明する。図1は、本発明に係る光
学特性可変光学素子の一実施例としての可変焦点レンズ
を示しており、図中、従来技術で説明したのと実質上同
一の部材には同一符号が付されている。この可変焦点レ
ンズは、ネマティック液晶2を、内側にドーナツ状の電
極3を夫々被膜させた基板4と5との間に配向膜6を介
して挾み、シール部材2により封止した構成が基本構成
となっており、ネマティック液晶1の捩れのピッチP
(図2)は使用光の波長λに比べ非常に小さいものとす
る。即ち、 P≪λ (1) である。このように、ピッチPが光の波長λに比べて非
常に小さいと、この可変焦点レンズは入射光の偏光によ
らず、屈折率n′をもつ媒質として作用する。
【0013】 n′=ne +n0 /2 (2) ここで、ne は液晶分子長軸方向の偏光に対する屈折
率、n0 は液晶分子短軸方向の偏光に対する屈折率であ
る。図3にネマティック液晶1の入射側の液晶分子に対
応する屈折率楕円体を示す。ここで、x軸及びz軸は、
液晶分子の短軸方向、y軸は液晶分子の長軸方向になっ
ている。なお、ne >n0 とする。
【0014】次に、ジョーンズのベクトルと行列によっ
て、なぜ、ネマティック液晶1が実効的に屈折率n′の
等方的な媒質としてふるまうのかを、以下に説明する。
【0015】吉野勝美、岡崎雅則共著:液晶とディスプ
レイ応用の基礎 コロナ社のP85〜92に示される式
3.10,式3.110及び式3.126によれば、絶
対的な位相の変化e×p(−iα)を含めた時、図1に
示した厚さdのネマティック液晶1に対するジョーンズ
の行列wt は、 で与えられる。但し、 Φ=2πd/P (4) Γ=2π(ne −n0 )d/λ (5) α=2π{(ne +n0 )/2}・d/λ (6) X=(Φ2 +Γ2 /2)1/2 (7) である。ここで、常光を液晶分子の短軸方向の偏光と定
義し、異常光を液晶分子の長軸方向の偏光、又は、長軸
を光軸に垂直な平面へ投影した時の方向の偏光と定義す
ると、Γはネマティック液晶1による常光と異常光の位
相差を表わす。
【0016】尚、Φはネマティック液晶1の液晶分子の
捩れ角をラジアンで表わしたものである。又、式
(3)、式(8)の座標系は、図1に示すx,y,z軸
のように取るものとする。つまり、x軸は紙面の表から
裏側へ向っており、y軸はネマティック液晶1の入射面
での液晶分子の長軸の方向である。
【0017】次に、式(1)の条件のもとで、式(3)
のWt がどのようになるかを調べてみる。まず、式
(1)は、 0<P/λ≪1 (9) と変形できる。そこで、P/λ→0の時、式(3)のW
t の極限値Wt Lを求めてみる。 Γ/Φ=(ne −n0 )P/λ (10) であるから、P/λ≪1のとき |Γ/Φ|≪1 (11) となり、P/λ→0のとき|Γ/Φ|→0となる。
【0018】式(11)の条件のもとで と近似でき、P/λ→0のとき、それぞれ、 X→Φ (16) cosX→cosΦ (17) となるので、P/λ→0のとき、 となる。これは屈折率n′=(ne +no )/2、厚さ
dの、光軸に沿って等方な媒質のジョーンズ行列にほか
ならない。従って、P/λ≪1であるので、図1の可変
焦点レンズは、屈折率n′の媒質として作用する。
【0019】又、図4に示すようにスイッチ9をオンに
すると、図5に示すような電場が液晶1に加わるので、
液晶1の配向は図4に示すように変わる。つまり、液晶
レンズの光軸付近ではほぼ螺旋状の配向のままであり、
光軸から離れるにつれて液晶分子の方向は徐々に基板
4,5に対して垂直に近づき、電極3に挟まれた部分で
は基板4,5に対してほぼ垂直となる。図2は、光軸か
ら多少離れたところに於ける液晶1の配向のようすを示
している。液晶分子はこのように配向しているので、そ
の屈折率は光軸付近ではn′、周辺部ではn0 となり、
不均質レンズとして作用する。上記の式(3)〜(2
0)の考え方は、液晶1の微小部分に対して適用され
る。従って、偏光板なしの明るい可変焦点レンズが得ら
れるのである。
【0020】次に、上記の可変焦点レンズの具体的な構
成例を説明する。図1に示すように、可変焦点レンズ
は、具体的には、可変抵抗器10により電圧を連続的に
可変にした構成になり、液晶分子の配列を、図1と図4
の中間にもってくることができるように構成する。これ
により、焦点距離が連続的に変化する液晶レンズを実現
できる。
【0021】なお、図6に示すような中間の配列の場合
においても、ne の値を、ne とn 0 のある中間の値で
ある異常光の屈折率ne ′で置きかえることで、上記の
式(3)〜式(20)は満たされる。
【0022】なお、図1に示すように構成することで、
電圧の印加のしかたとしては、連続可変に限らず、いく
つかの離散的な電圧値から印加電圧を選択するようにし
ても、可変焦点レンズが実現できる。
【0023】ここで、図1のように構成した可変焦点レ
ンズの実際的な例について、詳細に説明する。
【0024】式(20)にはP/λ→0の極限の場合が
示されているが、実際の液晶レンズ、可変焦点レンズで
は必ずしも極限値があてはまらない場合もあるので、式
(3)の近似式を導いてみる。
【0025】式(3)をP/λの1次までを考えて近似
すると、次のようになる。つまり、式(12)〜式(1
4)で、P/λの1次まで、即ち式(10)より、Γ/
Φの1次までを残しP/λの2次以上、Γ/Φの2次以
上を省略すると、 を得る。従って、Wt Nの値が等方媒質のジョーンズ行
列とほぼ等しいと見なせるためには、|i・Γ/2Φ|
が0に近ければよい。この時Wt Nは、 に近づくが、この式は、液晶1が入射光の偏光方向はΓ
/4・Γ/Φだけ回転するが、等方媒質であるとみなせ
ることを意味している。
【0026】 であれば、ボケのない可変焦点レンズが得られる。式
(10)より となる。
【0027】実際のレンズ付撮像装置、例えば電子カメ
ラ、VTRカメラ、電子内視鏡などの、比較的低コスト
の製品等のレンズに本発明の可変焦点レンズを用いる場
合、高解像を要求しない場合もあるので、式(26)は
条件をゆるめることができ、 |Γ/2Φ|<1 (28) であれば良い。
【0028】画素数の多い電子撮像装置のレンズ、フィ
ルムカメラ、顕微鏡などの高画質の製品等のレンズでは
高解像が要求されるので、 |Γ/2Φ|<π/6 (29) であればよい。
【0029】光ディスクのレンズ等結像に用いないレン
ズ或いは画素数の少ない電子撮像装置などの場合、条件
はさらにゆるめられ、 |Γ/2Φ|<π (30) であればよい。
【0030】なお、本実施の形態に共通していえること
であるが、液晶1が螺旋状の配列の時、液晶分子の長軸
方向が光軸に対して垂直でない時、つまり斜めの時は、
式(1)、式(26)〜式(30)のne を上記のne
′で置きかえればよい。
【0031】以下に、いくつかの設計例を上げる。ネマ
ティック液晶1の厚さdは、薄いとレンズのパワーが弱
く役に立たないし、厚いと光を散乱して、フレアの原因
となるので、 2μ<d<300μ (31) ぐらいが適当である。光の波長λの例としては可視光を
考えれば、 0.35μ<λ<0.7μ (32) である。
【0032】ne −n0 の値は液晶の物性で決まるが、 0.01<|ne −n0 |<0.4 (33) ぐらいの物質が多い。そこで、第1の設計例として、 d=15μ λ=0.5μ ne −n0 =0.2 P=0.05μ φ=60μ (可変焦点レンズの有効径) とすれば、Γ/2Φ=1/2・0.2×0.05/0.
5=0.01となり、式(26)、式(28)、式(2
9)、式(30)を満たす。
【0033】第2の設計例として、 d=30μ λ=0.6μ ne −n0 =0.25 P=0.3μ φ=180μ とすれば、Γ/2Φ=1/2・0.3×0.25/0.
6=0.0625となり、式(26)、式(28)、式
(29)、式(30)を満たす。
【0034】また、第3の設計例として、 d=50μ λ=0.55μ ne −n0 =0.2 P=5μ φ=150μ とすれば、Γ/2Φ=1/2・0.2×5.0/0.5
5=0.909となり、式(28)、式(30)を満た
す。
【0035】さらに、第4の設計例として、近赤外光用
の可変焦点レンズを考え、 d=200μ λ=0.95μ ne −n0 =0.2 P=4μ φ=2000μ とすれば、Γ/2Φ=1/2・0.2×4/0.95=
0.42となり、式(26)、式(28)、式(2
9)、式(30)を満たす。
【0036】以上の各設計例では、ネマティック液晶を
例にとって説明したが、ネマティック液晶の螺旋のピッ
チを、用いる光の波長よりも小さくするためには、カイ
ラル剤を液晶に混ぜると良い。
【0037】カイラル剤としては、コレステリック液晶
又は合成品の光学活性化合物などが用いられる。以下の
化学式(1)、化学式(2)にネマティック液晶の例
を、化学式(3)、化学式(4)にカイラル剤の例を示
す。
【0038】
【0039】以上の説明において、可変焦点レンズに用
いる液晶1としては、ネマティック液晶を用いて説明し
たが、本実施の形態はこれに限らず、可変焦点レンズの
第1の変形例として、図7に示すようなスメクティック
液晶を用いて構成することができる。この図7は、スメ
クティックC相の液晶分子配列を示したもので、これを
用いた可変焦点レンズの構造を図8に示す。
【0040】これに電圧を印加すると、一対の電極3に
挟まれた各層の液晶分子は、図8のように、座標系のz
軸方向に配列し、スメクティック液晶11の屈折率は、
図8の状態の光軸上の屈折率n′から、周辺部の屈折率
0 に低下し、可変焦点レンズの焦点距離が変化する。
【0041】この図7及び8に示した第1の変形例につ
いても、式(1)〜式(30)はあてはまり、特に式
(26)、式(28)、式(29)、式(30)を満た
せばボケの少ない可変焦点レンズが得られる。又、図8
の構成においても、スメクティック液晶11に加わる電
圧は連続的に変えることができ、それに伴って焦点距離
も連続的に変わる。又、一対の電極3の中心穴の大きさ
を図8に示すように互いに変えることでスメクティック
液晶11の屈折率変化を収差が小さくなるように変える
こともできる。これは図1,9等に示した可変焦点レン
ズにも適用できる。
【0042】ここで、スメクティック液晶11を用いた
可変焦点レンズの設計例を示すと、パラメータとして、 d=25μ λ=0.55μ ne −n0 =0.3 P=1.0μ φ1 =50μ φ2 =70μ とすると、Γ/2Φ=1/2・0.3×1.0/0.5
5=0.2725となり、式(26)、式(28)、式
(29)、式(30)を満たす。
【0043】なお、化学式(5)に、スメクティック液
晶11の分子構造の1例である「4−(n−ヘキシルオ
キシ)フェニルオキシ−4″−(2−メテルブチル)ビ
フェニル−4′−カルボキシレート」を示した。なお、
ピッチPはおよそ0.2μである。 また、可変焦点レンズの第2の変形例として、図9に示
すように、コレステリック液晶12を用いた可変焦点レ
ンズを構成することができる。
【0044】コレステリック液晶12では、液晶分子の
配向方向は各層でレンズ表面に平行で方位角が周期P
で、z軸方向に螺旋を描いて変わる。この状態で式
(1)〜式(30)があてはまる。電圧が加わると、液
晶分子の配向が図9に示すように周辺にいくにつれて螺
旋が無くなり、凸レンズ作用が生ずる。又、この変形例
では基板5の内面形状を凸レンズ状とし、コレステリッ
ク液晶12の形状によるレンズ効果も兼ね備えた可変焦
点レンズである。基板5の内面の形状はフレネルレンズ
状にしてもよい。
【0045】なお、コレステリック液晶12には選択反
射の性質があり、波長λs=P・n′近傍の右又は左の
円偏光を全反射してしまう。図10は、自然偏光に対す
るコレステリック液晶の反射率の実測値の例を示してい
る。
【0046】従って、波長λsは、この可変焦点レンズ
で用いる光の波長範囲外にあることが望ましい。つま
り、P・n′が、この可変焦点レンズを利用する光の波
長域外にあることが、さらに透過率の良い、着色のない
液晶レンズを得るために必要である。可視光であれば、 P・n′<0.4μ (34) であることが必要である。
【0047】なお、上述した第1の変形例である図7に
示したスメティックC相の液晶でも選択反射は生じる場
合があり、上記の理由で式(34)は図7に示した例に
も適用される。
【0048】コレステリック液晶12を用いた可変焦点
レンズの設計例として、 d=15μ ne −n0 =0.4 λ=0.45μ P=0.01μ n′=1.7 φ=300μ とすると、Γ/2Φ=1/2・0.4×0.01/0.
45=0.00445となり、式(26)、式(2
8)、式(29)、式(30)を満たし、P・n′=
0.017μであるから、式(34)も満たしている。
【0049】化学式(6)はコレステリック液晶12の
1例で、安息香酸コレステロールの化学式である。 又、可変焦点レンズの第3の変形例として、コレステリ
ック液晶12の代りにディスコチック液晶を用いてもよ
い。
【0050】本実施の形態並びに各変形例及び後述する
他の実施の形態で述べる可変焦点レンズに共通して言え
ることであるが、螺旋のピッチPが、用いる光の波長λ
に比べて小さいか、或いは波長の20倍程度以下である
ことが、ボケのより少ない可変焦点レンズを得るために
より望ましいことであり、例えば可視光の場合、0.4
μ<λ<0.7μで使用する光学装置では、 0.001μ<P<14μ (35) が望ましい条件となる。さらに充分ボケを減らすために
は、 0.001μ<P≦5μ (36) であることが望まれる。Pの下限は液晶分子自体の大き
さから決まっている。
【0051】また、本実施の形態並びに各変形例では、
各液晶の配向を変化させるのに、電場を用いてきたが、
これに限らず、図11に示すように、コイル13及び鉄
芯14を用いて、例えばコレステリック液晶12に磁場
Hを印加し、磁場の空間的不均一によって液晶の方向を
変えて、屈折率変化を生じさせるようにしても良い。な
お、図11はコレステリック液晶12より成る可変焦点
レンズの例であるが、ネマティック液晶1或いはスメク
ティック液晶11等より成る可変焦点レンズに適用して
もよい。
【0052】又、各液晶の配向を変化させるのに、図1
2に示すように、ヒータ15を用いて温度の変化によっ
て、例えばコレステリック液晶12の配向を変えるよう
にしてもよく、これまで述べた他の液晶、ネマティック
液晶1或いはスメクティック液晶11等の可変焦点レン
ズにも適用できる。この構成では、温度を変えることに
よって、液晶に相転移を生じさせ、レンズの焦点距離を
変えるようになっている。基板4,5はフレネルレンズ
形状をしていてもよい。
【0053】以上の例で液晶のピッチPは波長λに比べ
て小さい程よいが、実際には波長より10〜50倍大き
くてもよい場合もある。今、これを式(10)と(3
0)を用いて考えてみる。即ち、 |Γ/2Φ|<π |1/2(ne −n0 )P/λ|<π ここでλ=0.5μ,ne −n0 =0.2とすると、 P<10πλ=31.4λ (37) を得る。式(28)、(29)、(30)等は図4の光
軸付近の液晶に対するものであるが、図4の光軸から離
れたところの液晶では液晶分子の傾きがあるため、実効
的なne −n0 の値は光軸付近より小さい。従って液晶
レンズ全体としては式(37)を更に緩めることがで
き、 P<60λ (38) でよい。
【0054】やや高精度な光学系では、式(28)より
同様にして P<20λ (39) であればよい。
【0055】又、Pの値が液晶の場所ごとに異なる場
合、Pとしてはそれらの平均値をとるものとする。
【0056】図13は、本発明に係る可変焦点レンズの
第3の変形例を示すもので、高分子分散液晶層16を用
いた例である。即ち、この可変焦点レンズでは一対の基
板4,5の間に高分子分散液晶層16が配設されてお
り、スイッチ9をオンにすると、電極3を介して高分子
分散液晶層16に電場が加えられるようになっている。
高分子分散液晶層16は、図14に明示したように、そ
れぞれ液晶分子16aを含む球状、多面体等の任意の形
状の多数の微小な高分子セル16bから構成されてい
る。
【0057】ここで高分子セル16bの大きさは、例え
ば球状の場合、その平均直径をD、使用する光の波長を
λとするとき、例えば、 2nm≦D≦λ/5 (40) とする。即ち、液晶分子16aの大きさは、2nm程度
以上であるので、直径Dの下限値は、2nm以上とす
る。又、直径Dの上限値は、可変焦点レンズの光軸方向
における高分子分散液晶層16の厚さtにも依存する
が、波長λに比べて大きいと、高分子の屈折率と液晶分
子16aの屈折率との差により、高分子セル16bの境
界面で光が散乱して高分子分散液晶層16が不透明にな
ってしまうため、波長λ以下或いは後述するように、好
ましくは、λ/5以下とする。なお、高分子分散液晶層
16の透明度は、厚さtが厚いほど悪くなる。
【0058】また、液晶分子16aとしては、例えば、
一軸性のネマティック液晶分子を用いる。この液晶分子
16aの屈折率楕円体は、図15に示すような形状とな
り、 nox=noy=n0 (41) である。但し、n0 は常光線の屈折率を示し、nox及び
oyは、常光線を含む面内での互いに直交する方向の屈
折率を示す。
【0059】ここで、図13に示すように、スイッチ9
をオフ即ち高分子分散液晶層16に電界を印加しない状
態では、液晶分子16aが様々な方向を向いているの
で、可変焦点レンズは平行平面板と等価となりレンズと
しては作用しない。この時の可変焦点レンズの焦点距離
をf1 とすると、f1 =∞である。これに対し、図16
に示すようにスイッチ9をオンにすると、一対の電極3
に挟まれた部分では、液晶分子16aの方向は基板4,
5に垂直に向き、光軸に近づくにつれて基板4,5に対
して斜めを向くようになり、光軸付近ではその方向はラ
ンダムになる。従って光軸付近では図13の状態とほぼ
同じ配列となる。このため、高分子分散液晶層16の屈
折率は光軸付近では高く、光軸から離れるにつれて低下
していく。これにより、可変焦点レンズは凸レンズ作用
を持つ不均質レンズとして作用するようになる。
【0060】なお、高分子の割合を増やすと、高分子分
散液晶層16は固体に近づくので、その場合には、基板
4又は5の少なくとも一方はなくてもよい。そして、こ
れは後述の図17,図18等に示す液晶可変焦点レンズ
にも適用され得る。
【0061】なお、高分子分散液晶層16に印加する電
圧は、図13に示すように、可変抵抗器10により段階
的或いは連続的に変化させることもできる。このように
すれば、印加電圧が高くなるにつれて、液晶分子16a
は、その楕円長軸が徐々に可変焦点レンズの光軸と平行
となるように配向するので、屈折力を段階的或いは連続
的に変えることができる。
【0062】ここで、図13に示す状態、即ち高分子分
散液晶層16に電界を印加しない状態での、液晶分子1
6aの平均屈折率nLC′は、図15に示すように屈折率
楕円体の長軸方向の屈折率をnz とすると、およそ (nox+noy+nz )/3≡nLC′ (42) となる。又、上記(41)式が成り立つときの平均屈折
率nLCは、nz を異常光線の屈折率ne と表して、 (2n0 +ne )/3≡nLC (43) で与えられる。このとき、高分子分散液晶層16の屈折
率nA は、高分子セル16bを構成する高分子の屈折率
をnP とし、高分子分散液晶層16の体積に占める液晶
分子16aの体積の割合をffとすると、マックスウェ
ル・ガーネットの法則により、 nA =ff・nLC′+(1−ff)nP (44) で与えられる。
【0063】又、常光線の平均屈折率を、 (nox+noy)/2=n0 ′ (45) とすれば、図16に示す状態、即ち高分子分散液晶層1
6に電界を印加した状態での電極3の間の高分子分散液
晶層16の屈折率nB は、 nB =ff・n0 ′+(1−ff)nP (46) で与えられる。又、図16に示す状態で高分子分散液晶
層16の屈折率が光軸からの距離yに対して、2乗で変
化していると仮定して、この可変焦点レンズの焦点距離
2 を求めてみる。高分子分散液晶層16のyにおける
屈折率n(y)を n(y)=n0 +n022 (47) と表わせば、 f2 -1≒−2n02t (48) と近似的に表わされる。 n(y)−n0 =n022 (49) であり、レンズの周縁ではn(y)=nB で、またn0
=nA であるから、 nB −nA =n022 (50) f2 =−y2 /{2(nB −nA )t} (51) となる。但し、tは高分子分散液晶層16の厚さであ
る。
【0064】上記(51)式から、高分子分散液晶層1
6による焦点距離の変化を大きくするには|nB −nA
|を大きくすればよい。ここで、 nB −nA =ff(n0 ′−nLC′) (52) であるから、|n0 ′−nLC′|を大きくすれば、変化
率を大きくすることができる。実用的には、nB が、
1.3〜2程度であるから、 0.01≦|n0 ′−nLC′|≦10 (53) とすれば、ff=0.5のとき、高分子分散液晶層16
による焦点距離を、0.5%以上変えることができるの
で、効果的な可変焦点レンズを得ることができる。な
お、|n0 ′−nLC′|は、液晶物質の制限から、10
を越えることはできない。
【0065】次に、上記(40)式の上限値の根拠につ
いて説明する。「Solar Energy Materials and Solar C
ells」31巻, Wilson and Bck, 1993.Elesvier Science
Publishers B. v. 発行の第197 〜214 頁、「Transmiss
ion variation using scattering/transparent switchi
ng films 」には、高分子分散液晶の大きさを変化させ
たときの透過率τの変化が示されている。そして、この
文献の第206頁、図6には、高分子分散液晶の半径を
rとし、t=300μm、ff=0.5、nP =1.4
5、nLC=1.585、λ=500nmとするとき、透
過率τは、理論値で、r=5nm(D=λ/50、D・
t=λ・6μm(ただし、Dおよびλの単位はnm、以
下も同じ)のときτ≒90%となり、r=25nm(D
=λ/10)のときτ≒50%になることが示されてい
る。
【0066】ここで、例えば、t=150μmとして、
透過率τがtの指数関数で変化すると仮定して、t=1
50μmの場合の透過率τを推定してみると、r=25
nm(D=λ/10、D・t=λ・15μm)のときτ
≒71%となる。また、t=75μmの場合は、同様
に、r=25nm(D=λ/10、D・t=λ・7.5
μm)のときτ≒80%となる。
【0067】これらの結果から、 D・t≦λ・15μm (54) であれば、τは70%〜80%以上となり、レンズとし
て十分実用になる。従って、例えば、τ=75μmの場
合、D≦λ/5で、十分な透過率が得られることにな
る。
【0068】また、高分子分散液晶層16の透過率は、
P の値がnLC′の値に近いほど良くなる。一方、
0 ′とnP とが異なる値になると、高分子分散液晶層
16の透過率は悪くなる。図13の状態と図16の状態
とで、平均して高分子分散液晶層16の透過率が良くな
るのは、 nP =(n0 ′+nLC′)/2 (55) をほぼ満足するときである。
【0069】ここで、この可変焦点レンズは、レンズと
して使用するものであるから、図13の状態でも、図1
6の状態でも、透過率はほぼ同じで、かつ高い方が良
い。そのためには、高分子セル16bを構成する高分子
の材料および液晶分子16aの材料に制限があるが、実
用的には、 n0 ′≦nP ≦nLC′ (56) とすればよい。
【0070】上記(55)式をおよそ満足すれば、上記
(54)式は、さらに緩和され、 D・t≦λ・60μm (57) であれば良いことになる。なぜなら、フレネルの反射則
によれば、反射率は屈折率差の2乗に比例するので、高
分子セル16bを構成する高分子と液晶分子16aとの
境界での光の反射、即ち高分子分散液晶層16の透過率
の減少は、およそ上記の高分子と液晶分子16aとの屈
折率の差の2乗に比例するからである。上記(57)式
でt=75μmとすれば、D≦0.8λとなり、およそ
D≦λであればよいことになる。
【0071】以上は、n0 ′≒1.45、nLC′≒1.
585の場合であったが、より一般的に定式化すると、 D・t≦λ・15μm・(1.585−1.45)2 /(nu −nP 2 (58) であればよい。但し、(nu −nP 2 は、(nLC′−
P 2 と(n0 ′−n P 2 とのうち、大きい方であ
る。
【0072】又、この可変焦点レンズの焦点距離変化を
大きくするには、ffの値が大きいほうが良いが、ff
−1では、高分子の体積がゼロとなり、高分子セル16
bを形成できなくなるので、 0.1≦ff≦0.999 (59) とする。一方、ffは小さいほどτは向上するので、上
記(58)式はゆるめられる場合もあり、好ましくは、 4×10-6〔μm〕2 ≦D・t≦λ・45μm・(1.585−1.45)2/(nu −nP 2 (60) とする。なお、tの下限値は、図13から明らかなよう
に、t=Dで、Dは、上述したように2nm以上である
ので、D・tの下限値は、(2×10-3μm)2、即ち
4×10-6〔μm〕2 となる。
【0073】以上は可変焦点レンズによる光の散乱、透
過率にかなり良い値を要求した場合であった。しかし、
低コストの光学系、撮像装置の照明系、信号処理系など
では、それほど光の散乱、透過率を良くしなくてもよい
場合もあり、上記(60)式はさらに以下のように緩和
され得る。 4×10-6〔μm〕2 ≦D・t≦λ・450 μm・(1.585−1.45)2/(nu − nP )2 (61)
【0074】なお、物質の光学特性を屈折率で表わす近
似が成り立つのは、「岩波科学ライブラリー8 小惑星
がやってくる」向井正著,1994,岩波書店発行の第
58頁に記載されているように、Dが10nm〜5nm
より大きい場合である。また、Dが500λを越える
と、光の散乱は幾何学的となり、高分子セル16bを構
成する高分子と液晶分子16aとの界面での光の散乱が
フレネルの反射式に従って増大するので、Dは実用的に
は、 7nm≦D≦500λ (62) とする。
【0075】図13に示す構成において、上記のnox
oy,n0 ,nz ,ne ,nP ,ff,D,t,λ,n
LC′,nLC,nA ,nB ,f1 ,f2 および可変焦点レ
ンズの有効径φは、具体的には、それぞれ以下の値にす
る。 nox=noy=n0 =1.5 nz =ne =1.75 nP =1.54 ff=0.5 D=50nm t=125μm λ=500nm nLC′=nLC=1.5833 nA =1.5617 nB =1.52 f1 =∞ f2 =599.5mm φ=5mm
【0076】この場合、上記(60)式の右辺は、 λ・45μm・(1.585 −1.45)2 /(nu −nP )2=50
0 nm・45μm・(0.135) 2 /(0.0433) 2 ≒218712nm・μ
m となる。また、D・tは、 D・t=50nm・125μm=6250nm・μm となり、確かに上記(60)式を満足する。
【0077】また、上記の具体例において、通常のレン
ズのように基板4,5の表面を曲面とすることもでき
る。
【0078】図17は、図13に示す可変焦点レンズを
用いるデジタルカメラ用の撮像光学系の構成を示すもの
である。この撮像光学系においては、物体(図示せず)
の像を、可変焦点レンズVFLおよびレンズ17を介し
て、例えばCCDよりなる固体撮像素子18上に結像さ
せる。なお、図17では、液晶分子16aの図示を省略
してある。また、この光学系の絞りは電極3で兼ねてお
り、基板4,5は曲面になっている。
【0079】かかる撮像光学系によれば、可変抵抗器1
0により可変焦点レンズVFLの高分子分散液晶層16
に印加する交流電圧を調整して、可変焦点レンズVFL
の焦点距離を変えることにより、可変焦点レンズVFL
およびレンズ17を光軸方向に移動させることなく、例
えば、無限遠から600mmまでの物体距離に対して、
連続的に合焦させることが可能となる。
【0080】図18は、強誘電性液晶19を用いた可変
焦点レンズの第4の変形例である。図中、20は透明電
極である。基板4,5の少なくとも一方は曲面となって
いるので、印加される電場が一様であってもレンズ作用
を持つ。そして可変抵抗器10により、このレンズ作用
を変化させることができる。なお、強誘電性液晶19の
代りに反強誘電性液晶を用いてもよい。いずれの場合
も、ネマティック液晶を用いた場合に比べて応答時間が
早いので有利である。強誘電性液晶又は反強誘電性液晶
のいずれを用いた高分子分散液晶レンズの場合でも、上
記式(40)〜(46)及び上記式(52)〜(62)
は適用される。
【0081】本発明のすべての液晶レンズに共通して言
えることであるが、液晶のアツベ数(通常νd と表わさ
れる。)は小さくて40〜10程度のものが多い。従っ
て、液晶レンズは強い色収差を発生するので、これを補
正するために少なくとも基板4又は5の一方をレンズ形
状とし、且つその材質としてはアツベ数が50以下とす
るのが良い。例えば、重フリント系のガラスがこれに該
当する。そして、液晶レンズが凸作用なら、基板の少な
くとも一方を凹レンズ、液晶レンズが凹作用なら基板の
少なくとも一方を凸レンズとするのが良い。
【0082】図19は、光学特性可変光学素子の他の実
施例を示しており、可変偏角プリズムの例である。この
実施例では、2つの基板4,5の間に高分子分散液晶層
16が挟まれており、電圧の変化で光の偏向を変えるこ
とができるようになっている。この場合の基板4にもア
ツベ数が50以下の硝材を使うのがよい。また、ここで
用いられる液晶21はネマティック液晶でも、強誘電性
液晶でも、反強誘電性液晶等でも良い。
【0083】図20は本発明の更に他の実施例を示して
おり、2枚の液晶可変焦点レンズVFL1 ,VFL2
組み合わせて用いた例である。液晶可変焦点レンズの一
方VFL1 は、高分子分散液晶層16をドーナツ状の電
極3とドーナツ状の透明電極20を有する基板4,5で
挾んで構成したものであり、可変抵抗器10を夫々調節
して各電極間に加えられる電圧を適宜選ぶことにより、
屈折率の分布形状を変え、収差を制御することができる
ようにしたものであり、凸の可変焦点レンズとして作用
する。液晶可変焦点レンズの他方VFL2 はネマティッ
ク液晶1を配向膜6を介して透明電極20を形成した基
板4,5で構成したものであり、凹の可変焦点レンズと
して作用する。このように、2枚の液晶可変焦点レンズ
VFL1,VFL2 を用いると、どちらも液晶を用いて
いるのでアツベ数が小さく、色収差を補正することが容
易となる。一方が凸レンズなら他方は凹レンズであるこ
とが、色収差の補正には必要である。
【0084】図21は、液晶の屈折率nd の変化に伴う
アツベ数νd の変化を表わした特性線図である。ここに
は2種類の液晶のnd −νd 特性曲線が表わされてい
る。一般に、屈折率の増大とともにアツベ数は減少する
傾向にある。従って、液晶可変焦点レンズVFL1 ,V
FL2 を含むレンズ系の屈折率を変化させた場合、色収
差の変動を減らすためには、液晶可変焦点レンズVFL
1 ,VFL2 のいずれか一方のアツベ数νd が大きい状
態の時には、他方のアツベ数νd も大きい状態で用いる
のがよい。逆に、一方のアツベ数νd が小さい状態の時
には、他方のアツベ数νd も小さい状態で用いるのが良
い。そして、このレンズ系を色収差の少ない凸レンズと
して作用させるには、凸レンズを構成する方の液晶のア
ツベ数νd を大きく、凹レンズを構成する方の液晶のア
ツベ数νd を小さく選ぶのが良い。図21で言えば、凸
レンズに左側のグラフで示されるような特性の液晶を、
凹レンズに右側のグラフで示されるような特性の液晶を
用いるのが良い。なお、図21のE7,MBBAは何れ
も液晶の名称である。凸レンズと凹レンズに用いる液晶
のグラフは、液晶の屈折率nd の小さいところで交わっ
ていても良く、要するにある屈折率範囲に於いて凹レン
ズの液晶のグラフの方が凸レンズの液晶のグラフより右
にあれば良い。そして更に、色収差を除去するために
は、液晶のアツベ数νd は50を超えないことが望まし
い。図20を参照して、VFL1 の焦点距離をf1 、V
FL2 の焦点距離をf2 とすると、色収差を除去するた
めには、下記条件 1/2<|f1 /f2 |<2 (63) を満たすことが望ましい。何故ならば、図20の例で言
えば、|f1 /f2 |が式(63)の上限を越えれば色
収差は補正過剰となり、|f1 /f2 |が式(63)の
下限を満たさなければ色収差は補正不足となるからであ
る。
【0085】また、本発明の光学特性可変液晶光学素子
全般に言えることであるが、液晶としてトラン系の液晶
を用いれば、屈折率変化が大きく、且つ粘性が小さいの
で、応答時間が短かく有利である。図22は、トラン系
液晶の例として4−アルキルシクロヘキシル−4′−ア
ルキルトランを示している。ここでRはアルキル基を、
R′はアルコキン基を夫々示す。又、液晶の応答時間を
短くするためには、液晶に常時低い電圧を加えておくと
よい。この電圧は、液晶の屈折率が変化をおこす相転移
電圧と同程度か、それより低ければよい。
【0086】又、本発明の光学特性可変光学素子全般に
対して言えることであるが、液晶の代りに電気光学効
果、磁気光学効果、熱光学効果を(温度によって屈折率
が変わる)有する物質並びに強誘電体等を用いてもよい
ことは言うまでない。電気光学効果を有する物質の例と
してはチタン酸バリウム(BaTiO3 )が、磁気光学
効果を有する物質の例としては鉛ガラス,水晶が熱光学
効果を有する物質の例としては水が強誘電体物質の例と
してはチタン酸バリウム,ロッシェル塩等がある。
【0087】図23は、液晶可変焦点レンズVFLの応
用例を示すもので、自由曲面光学素子22,23を用い
たデジタルカメラ用撮像装置を示している。自由曲面光
学素子22,23は、偏心した非球面の反射、屈折によ
り結像作用を実現するもので、プラスチックやガラス等
で作られているが、その形が非対称系であるために、ピ
ント合わせを行なう場合、固体撮像素子18との距離を
変化させるための機械的構造が複雑になると云う欠点が
あった。そこで、この例では、2つの自由曲面光学素子
22,23の間の絞り近傍位置に液晶可変焦点レンズV
FLを配置し、その屈折力を変えることにより、ピント
合わせを実現したものである。この場合、機械的に自由
曲面光学素子22,23を動かすことなくピント合わせ
ができるので、構造が単純となり有利である。また、こ
の構成によれば、液晶可変焦点レンズVFLの基板の一
方は自由曲面光学素子22の外面で代用しているので、
コストが安くでき有利である。
【0088】なお、本撮像装置の光学系は、固体撮像素
子18をフィルムに置き換えれば、フィルムカメラ等に
用いることもできる。又、自由曲面光学素子と本発明に
よる光学特性可変光学素子を組み合わせて、ズームレン
ズ付の撮像装置或いは光学装置としてもよい。又、自由
曲面光学素子の変わりに、不均等レンズ(通常GRIN
レンズとも呼ばれる)又は回折光学素子又は非球面レン
ズと本発明による光学特性可変光学素子とを組み合わせ
て、焦点距離可変の撮像装置或いは光学装置としてもよ
い。この場合の光学装置としては、光ディスク用のピッ
クアップ,顕微鏡等をあげることが出来る。
【0089】本発明による光学特性可変光学素子は、例
えば可変焦点レンズとして構成すれば、電子カメラ,T
Vカメラ,電子内視鏡のオートフォーカス装置,ズーム
レンズ等に利用することができる。又、双眼鏡,カメラ
のファインダー,顕微鏡の接眼レンズ等の光学機器の視
度調整装置や変倍装置等にも用いることができる。さら
に、可変焦点眼鏡にも用いることができる。
【0090】以下に、その実施形態を例示する。図24
〜図26は、本発明による光学特性可変光学素子を電子
カメラのファインダー部の対物光学系に組み込んだ構成
の概念図を示す。図24は電子カメラ24の外観を示す
前方斜視図、図25は同後方斜視図、図26は電子カメ
ラ24の内部構成を示す断面図である。電子カメラ24
は、この例の場合、撮影用光路25を有する撮影光学系
26、ファインダー用光路27を有するファインダー光
学系28、レリーズ29、フラッシュ30、液晶表示モ
ニター31等を含み、カメラ24の上部に配置されたレ
リーズ29を押圧すると、それに連動して撮影用対物光
学系32を通して撮影が行われる。撮影用対物光学系3
2によって形成された物体像が、ローパスフィルタ、赤
外カットフィルタ等のフィルタ33を介してCCD18
の撮像面18a上に形成される。このCCD18で受光
された物体像は、処理手段34を介し電子画像としてカ
メラ背面に設けられた液晶表示モニター31に表示され
る。また、この処理手段34にはメモリ等が配置され、
撮影された電子画像を記録することもできる。なお、こ
のメモリは処理手段34と別体に設けてもよいし、フロ
ッピーディスク等により電子的に記録書き込みを行うよ
うに構成してもよい。また、CCD18に代わって銀塩
フィルムを配置した銀塩カメラとして構成してもよい。
【0091】さらに、ファインダー用光路27上には、
光学特性可変光学素子をファインダー用対物光学系35
として配置してある。また、カバー部材として正のパワ
ーを有するカバーレンズ36を配置し、画角を拡大して
いる。なお、このカバーレンズ36と結像光学系の絞り
37より物体側の光学特性可変光学素子VFLとでファ
インダー用対物光学系35の前群を、結像光学系の絞り
37より像側の光学特性可変光学素子VFLとでファイ
ンダー用対物光学系35の後群を構成している。絞り3
7を挟んだ前群と後群の各々に光学特性可変光学素子V
FLを配し、液晶への印加電圧等を制御することによっ
て、ズーミングとフォーカシングを行っている。またこ
の制御は、処理手段により撮影用対物光学系32のズー
ミング、フォーカシング作用に連動して行われる。この
ファインダー用対物光学系35によって形成された物体
像は、像正立部材であるポロプリズム38の視野枠39
上に形成される。なお、視野枠39は、ポロプリズム3
8の第1反射面38aと第2反射面38bとの間を分離
し、その間に配置されている。このポロプリズム38の
後方には、正立正像にされた像を観察者眼球に導びく接
眼光学系40が配置されている。このように構成された
カメラ24は、ファインダー用対物光学系35を少ない
光学部材で構成でき、高性能及び小型化が実現できる。
【0092】図27は、本発明の光学特性可変光学素子
VFLを電子カメラ24の撮影用対物光学系32に組み
込んだ構成の概念図を示す。この例の場合、撮影用光路
25上に配置された撮影用対物光学系32は、光学特性
可変光学素子VFLを用いている。この撮影用対物光学
系により形成された物体像は、ローパスフィルタ、赤外
カットフィルタ等のフィルタ33を介してCCD18の
撮像面18a上に形成される。このCCD18で受光さ
れた物体像は、処理手段34を介し、液晶表示素子(L
CD)40上に電子像として表示される。また、この処
理手段34は、CCD18で撮影された物体像を電子情
報として記録する記録手段41の制御も行なう。LCD
40に表示された画像は、接眼光学系42を介して観察
者眼球に導かれる。この接眼光学系42は、対物光学系
32に用いられているものと同様の形態をもつ光学特性
可変光学素子VFLからなり、液晶への印加電圧等を制
御することによって、観察者の視度に合わせてLCD4
0の虚像の奥行きを調節可能としている。このように構
成されたカメラ24は、撮影用対物光学系32を少ない
光学部材で構成でき、高性能・小型化が実現できる。
【0093】図28は、本発明の光学特性可変光学素子
VFLを電子内視鏡の観察用対物光学系55に組み込ん
だ構成の概念図を示す。この例の場合も、観察系の対物
光学系55は、ズーミング・フォーカシングを行うのに
光学特性可変光学素子を用いている。この電子内視鏡4
3は、図28(a)に示すように、照明光を供給する光
源装置44と、電子内視鏡43に対応する信号処理を行
なうビデオプロセッサ45と、このビデオプロセッサ4
5から出力される映像信号を表示するモニタ46と、こ
のビデオプロセッサ45と接続され映像信号等に記録す
るVTRデッキ47及びビデオディスク48と、映像信
号を映像としてプリントアウトするビデオプリンタ49
と共に構成されており、電子内視鏡43の挿入部50の
先端部51は、図28(b)に示すように構成されてい
る。光源装置44からの照明光束は、ライトガイドファ
イバー束52を通って照明用対物光学系53により、観
察部位を照明する。そして、この観察部位からの光が、
カバー部材54を介して、観察用対物光学系55によっ
て物体像として形成される。この物体像は、ローパスフ
ィルタ、赤外カットフィルタ等のフィルタ56を介して
CCD18の撮像面18a上に形成される。さらに、こ
の物体像は、CCD18によって映像信号に変換され、
その映像信号は、図28(a)に示すビデオプロセッサ
45により、モニタ46上に直接表示されると共に、V
TRデッキ47、ビデオディスク48中に記録され、ま
た、ビデオプリンタ49から映像としてプリントアウト
される。このように構成された内視鏡は、ズーミングや
フォーカシング機能を備えているにも拘わらず少ない光
学部材で構成でき、高性能・小型化が実現できる。
【0094】図29は、本発明の光学特性可変光学素子
VFLを双眼鏡の光学系に組み込んだ構成の概念図を示
す。この例の場合も、対物光学系56に光学特性可変光
学素子VFLを用いている。対物光学系56の後方に
は、像反転光学系としてペカンプリズム57が配置さ
れ、このペカンプリズム57の後方には、正立正像にさ
れた像を観察者の眼球に導びく接眼光学系58が配置さ
れている。対物光学系56は、上述した実施形態と同様
の形態をもつ光学特性可変光学素子VFLを含み、液晶
への印加電圧等を制御することによって、対物光学系5
6の焦点距離を調節可能とし、ズーミング・フォーカシ
ングをおこなっている。なお、本図では双眼鏡の片側の
構成しか示していないが、もう一方の側も同様な構成を
有する。このように構成された双眼鏡は、ズーミングや
フォーカシング機能を備えているにも拘わらず少ない光
学部材で構成でき、高性能・小型化が実現できる。
【0095】図30は、本発明の光学特性可変光学素子
VFLを眼鏡の光学系に組み込んだ構成の概念図を示
す。この例の場合は、眼鏡レンズに光学特性可変光学素
子VFLを用いている。かかる構成の眼鏡においては、
液晶への印加電圧を制御することによって、眼鏡レンズ
全体の視度を調節することが出来る。
【0096】以上説明したように、本発明の光学特性可
変光学素子は、特許請求の範囲に記載した特徴の他に下
記の特徴を有している。 (1)使用波長を可視光波長域とした請求項1に記載の
光学特性可変光学素子。
【0097】(2)請求項1に記載の光学特性可変光学
素子から成る可変焦点レンズ。
【0098】(3)前記式(28),(29),(3
0),(35),(36),(37),(39)の何れ
かを満たす請求項1に記載の光学特性可変光学素子。
【0099】(4)液晶粒子の平均直径が使用波長の5
00倍以下で且つ7nm以上の高分子分散液晶に、空間
的に不均一な電場又は磁場又は温度を加えることにより
屈折率分布を形成し、電場又は磁場又は温度を変化させ
て前記屈折率分布を変化させるようにした光学特性可変
光学素子。
【0100】(5)液晶粒子の平均直径が使用波長以下
で且つ液晶分子の大きさ以上の高分子分散液晶に、空間
的に不均一な電場又は磁場又は温度を加えることにより
屈折率分布を形成し、電場又は磁場又は温度を変化させ
て前記屈折率分布を変化させるようにした光学特性可変
光学素子。
【0101】(6)前記式(53),(54),(5
7),(59),(60),(61)の何れかを満たす
請求項2に記載の光学特性可変光学素子。
【0102】(7)形状の異なる2つ以上の電極により
液晶に電場を加えるようにしたことを特徴とする光学特
性可変光学素子。
【0103】(8)形状の異なる2つ以上の電極により
液晶に電場を加えるようにしたことを特徴とする請求項
1又は2に記載の光学特性可変光学素子。
【0104】(9)高分子分散液晶の基板が1枚以下で
あることを特徴とする光学特性可変光学素子。
【0105】(10)強誘電性液晶又は反強誘電性液晶を
用いた高分子分散液晶を用いた光学特性可変光学素子。
【0106】(11)液晶の基板にアツベ数50以下の媒
質を用いたことを特徴とする光学特性可変光学素子。
【0107】(12)液晶の所定の屈折率範囲において凸
液晶レンズの液晶のアツベ数が凹液晶レンズの液晶のア
ツベ数よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の
光学特性可変光学素子。
【0108】(13) 凸液晶レンズの焦点距離をf1 、凹
液晶レンズの焦点距離をf2 としたとき、条件式1/2
<|f1 /f2 |<2を満たすことを特徴とする請求項
3に記載の光学特性可変光学素子。
【0109】(14) 前記液晶レンズの液晶としてトラン
系液晶を用いたことを特徴とする上記(13)に記載の光学
特性可変光学素子。
【0110】(15) アツベ数が50以下の液晶を用いた
ことを特徴とする請求項3又は上記(12)乃至(14)の何れ
かに記載の光学特性可変光学素子。
【0111】(16)トラン系液晶を用いた光学特性可変
光学素子。
【0112】(17)液晶に代えて電気光学効果又は磁気
光学効果又は熱光学効果を有する物質を用いたことを特
徴とする請求項1乃至3,上記(1)乃至(12)の何れ
かに記載の光学特性可変光学素子。
【0113】(18)非回転対称面,面内面外共に対称軸
を有しない面,光学作用面に回転対称軸を有しない面,
面内面外共に対称面を一面のみ有する面の内の何れか
と、光学特性可変光学素子とを備えた撮像装置。
【0114】(19)請求項1乃至3,上記(1)乃至
(17)の何れかに記載の光学特性可変光学素子を用い
た光学機器。
【0115】(17)自由曲面と、請求項1乃至3,上記
(1)乃至(17)の何れかに記載の光学特性可変光学
素子とを備えた焦点距離可変の撮像装置又は光学装置。
【0116】(18)不均質レンズ又は回折光学素子又は
非球面レンズと、請求項1乃至3,上記(1)乃至(1
7)の何れかに記載の光学特性可変光学素子とを備えた
焦点距離可変の撮像装置又は光学装置。
【0117】(19)請求項1乃至3,上記(1)乃至
(17)の何れかに記載の光学特性可変光学素子を用い
たオートフォーカス装置。
【0118】(20)請求項1乃至3,上記(1)乃至
(17)の何れかに記載の光学特性可変光学素子を用い
たオートフォーカス装置。
【0119】(21)請求項1乃至3,上記(1)乃至
(17)の何れかに記載の光学特性可変光学素子を用い
た視度調整装置。
【0120】(22)請求項1乃至3,上記(1)乃至
(17)の何れかに記載の光学特性可変光学素子を用い
た可変焦点眼鏡。
【0121】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
明るい光学特性可変光学素子及びそれを用いた各種の光
学装置や光学機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学特性可変光学素子の一実施例
の基本構成を示す図である。
【図2】図1に示したネマティック液晶の捩れの様子を
示す説明図である。
【図3】ネマティック液晶の入射側の液晶分子に対応す
る屈折率楕円体を示す図である。
【図4】図1に示した光学特性可変光学素子に電場を加
えた時の液晶の配向の変化を示す図である。
【図5】図1に示した光学特性可変光学素子に加えられ
た電場の様子を示す図である。
【図6】図1に示した光学特性可変光学素子に電場を加
えた時の液晶の図4とは異なる配向状態を示す図であ
る。
【図7】スメクティック液晶を用いて構成した図1に示
した光学特性可変光学素子の第1の変形例を示す概略図
である。
【図8】図7に示した光学特性可変光学素子に電場を加
えた時の配向状態を示す図である。
【図9】コレステリック液晶を用いて構成した図1に示
した光学特性可変光学素子の第2の変形例を示す概略図
である。
【図10】自然偏光に対するコレステリック液晶の波長
に対する反射率の実測値の例を示す特性線図である。
【図11】コレステリック液晶に磁場を印加して屈折率
変化を生じさせるように構成した光学特性可変光学素子
の概略図である。
【図12】コレステリック液晶に熱を加えて屈折率変化
を生じさせるように構成した光学特性可変光学素子の概
略図である。
【図13】高分子分散液晶層を用いて構成した図1に示
した光学特性可変光学素子の第3の変形例を示す概略図
である。
【図14】図13における高分子分散液晶層の部分拡大
図である。
【図15】図13に示した変形例に用いられる一軸性の
ネマティック液晶分子の屈折率楕円体を示す図である。
【図16】図13に示した光学特性可変光学素子に電場
を加えた時の液晶分子の配向の変化を示す図である。
【図17】図13に示した光学特性可変光学素子を用い
たデジタルカメラ用の撮像光学系の構成を示す図であ
る。
【図18】強誘電性液晶を用いて構成した図1に示した
光学特性可変光学素子の第4の変形例を示す概略図であ
る。
【図19】本発明に係る光学特性可変光学素子の他の実
施例を示す図である。
【図20】本発明に係る光学特性可変光学素子の更に他
の実施例を示す図である。
【図21】液晶の屈折率変化に伴うアツベ数の変化を示
す特性線図である。
【図22】トラン系液晶の化学構造を示す図である。
【図23】本発明に係る光学特性可変光学素子を自由曲
面光学素子と組み合わせて用いたデジタルカメラ用撮像
装置の構成を示す図である。
【図24】本発明による光学特性可変光学素子をファイ
ンダー光学系に組み込んだ電子カメラの前方斜視図であ
る。
【図25】図24に示す電子カメラの後方斜視図であ
る。
【図26】図24に示した電子カメラの内部構成を示す
概略断面図である。
【図27】本発明による光学特性可変光学素子を撮影用
対物光学系に組み込んだ電子カメラの概略構成図であ
る。
【図28】本発明による光学特性可変光学素子を観察用
対物光学系に組み込んだ電子内視鏡装置の概略構成図
で、(a)はシステム全体の構成図、(b)は内視鏡先
端部の内部構成図である。
【図29】本発明による光学特性可変光学素子を光学系
に組み込んだ双眼鏡の概略構成図である。
【図30】本発明による光学特性可変光学素子を光学系
に組み込んだ眼鏡の概略構成図である。
【図31】従来の液晶レンズの基本構成を示す図であ
る。
【図32】図31に示した液晶レンズに電場を加えた時
の液晶の配向の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 ネマティック液晶 2 シール部材 3 ドーナツ状の電極 4,5 透明基板 6 配向膜 7 偏光板 8 電源 9 スイッチ 10 可変抵抗器 11 スメクティック液晶 12 コレステリック液晶 13 コイル 14 鉄芯 15 ヒータ 16 高分子分散液晶層 16a 液晶分子 16b 高分子セル 17 レンズ 18 固体撮像素子 19 強誘電性液晶 20 透明電極 21 液晶 22,23 自由曲面光学素子 24 電子カメラ 25 撮影用光路 26 撮影光学系 27 ファインダー用光路 28 ファインダー光学系 29 レリーズ 30 フラッシュ 31 液晶表示モニター 32 撮影用対物光学系 33,56 フィルタ 34 処理手段 35 ファインダー用対物光学系 36 カバーレンズ 37 絞り 38 ポロプリズム 39 視野枠 40 液晶表示素子(LCD) 41 記録手段 42 接眼光学系 43 電子内視鏡 44 光源装置 45 ビデオプロセッサ 46 モニタ 47 VTRデッキ 48 ビデオディスク 49 ビデオプリンタ 50 挿入部 51 先端部 52 ライトガイドファイバー束 53 照明用対物光学系 54 カバー部材 55 観察用対物光学系 56 対物光学系 57 像反転光学系 58 接眼光学系 d ネマティック液晶の厚さ E 電場 L 光線 P ネマティック液晶の捩れのピッチ VFL,VFL1 ,VFL2 可変焦点レンズ(光学
特性可変光学素子)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 捩れのピッチが使用光の波長の60倍以
    下の液晶を含み、該液晶に空間的に不均一な電場又は磁
    場又は温度を加えることにより屈折率分布を形成するよ
    うにして、電場又は磁場又は温度を変化させることによ
    り屈折率分布を変えるようにした光学特性可変光学素
    子。
  2. 【請求項2】 高分子分散液晶を含み、該液晶に空間的
    に不均一な電場又は磁場又は温度を加えることにより屈
    折率分布を形成するようにして、電場又は磁場又は温度
    を変化させることにより屈折率分布を変えるようにした
    光学特性可変光学素子。
  3. 【請求項3】 凸、凹の2つ以上の液晶レンズを組み合
    わせて成る光学特性可変光学素子。
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