JP2000071257A - 成形品の製造方法 - Google Patents

成形品の製造方法

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JP2000071257A
JP2000071257A JP24803598A JP24803598A JP2000071257A JP 2000071257 A JP2000071257 A JP 2000071257A JP 24803598 A JP24803598 A JP 24803598A JP 24803598 A JP24803598 A JP 24803598A JP 2000071257 A JP2000071257 A JP 2000071257A
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resin
thermoplastic resin
sheet
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JP24803598A
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Katsuhiro Fujita
勝洋 藤田
Tsuyoshi Saito
堅 斎藤
Osamu Shinji
修 新治
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 汎用の熱可塑性樹脂を用いて、高い寸法精度
をもつ樹脂成形型を得、これを用いた単純な工程でレン
ズシートなどの成形品を製造する方法を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂シート1の片面に凹凸パタ
ーンを有する金型2を熱プレスして金型2の該凹凸パタ
ーンを熱可塑性樹脂シート1に転写することによって樹
脂成形型3を作製し、該樹脂成形型3を用いて光硬化性
樹脂6に凹凸パターンを転写し、該光硬化性樹脂6を硬
化させることにより成形品を製造する。特に、ぬれ指数
が40以下である材料により金型の凹凸パターンが転写
される熱可塑性樹脂シート面が形成され、さらに、金型
の凹凸パターンが転写される熱可塑性樹脂シート面を形
成する材料のぬれ指数と、硬化後の光硬化性樹脂のぬれ
指数との差が4以上であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレンズシートのよう
な微細な凹凸表面を有する成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フレネルレンズシート、レンチキュラー
レンズシート、プリズムレンズシートなどのような微細
な凹凸形状を高い精度で賦型することが要求されるレン
ズシートの製造方法としては、熱プレス成型法、キャス
ティング法、射出成形法などが挙げられる。最近では、
製造コストが安い、大型のレンズシートの製造に適する
などの特徴をもつことから、紫外線硬化樹脂を用いたフ
ォトポリマー法(2P法)によるレンズシートの製造も
行われている。
【0003】2P法によるレンズシートの製造方法につ
いて、リアプロジェクションスクリーン用のフレネルレ
ンズシートの製造方法を例に説明すると、NC旋盤を用
いて金属板にフレネルレンズ形状とは逆型のV溝を切削
して金型を作製し、その形状を正確に紫外線硬化樹脂に
転写することによりフレネルレンズシートが成形されて
いる。リアプロジェクションスクリーン用のフレネルレ
ンズシートでは、レンズパターンのピッチは100μm
程度であり、その深さは150μmにも達する部分があ
ること、また、切削精度、バイトの摩耗等の問題もあ
り、50インチサイズのような大型のフレネルレンズシ
ート成形用の金型1台をNC旋盤で切削するために要す
る時間は長いものとなる。そして、2P法によるフレネ
ルレンズシートの製造ラインの時間当りの生産性を上げ
るためには金型を複数台用意する必要があり、また、金
型切削時の歩留まりが必ずしも高くないことなどから、
フレネルレンズシートの製造原価に占める金型のコスト
は大きいものとなる。このため、フレネルレンズシート
1枚の成形にかかる金型経費の削減が望まれている。
【0004】金型経費の削減のために、金型から第1の
樹脂中間型を介して金型と同一寸法の第2の成形用樹脂
型を作製する技術がある(特開平1−174418号公
報参照)。この技術によれば、1枚の金型から多数の成
形用樹脂型が得られることから、1枚の成形品あたりに
かかる金型のコストを下げることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平1−1
74418号公報に記載の方法では、金型、樹脂中間型
および成形用樹脂型という多数の型取り工程を経由する
ために、寸法精度が低下することがあり、また、中間型
および成形型に用いる熱硬化性樹脂の選択幅が狭く、材
料コストが高いという課題が生じる。さらに、工程が複
雑であるので歩留が悪く、コストを下げることが困難で
あるという課題も残る。
【0006】ところで、1枚の成形品の成形にかかる型
コストの低減のためには成形用樹脂型の寿命の点も重要
である。すなわち、樹脂型を用いてレンズシート等を成
形する場合には、成形枚数が増えるに従って成形品との
離型が困難となり、ついには離型不能となり使用できな
くなるが、離型不能となるまでの成形枚数(樹脂型の寿
命)を延ばすことが重要である。樹脂型1枚あたりの成
形可能な枚数が少なければ型コストが高くなる。そし
て、寿命に達した樹脂型を交換するためには生産ライン
を一時停止しなければならず、ライン稼働率の低下を来
す。特開平1−174418号公報に記載の方法による
成形用樹脂型の寿命は、1枚あたり100〜250枚程
度であり、成形品の製造コストのうち樹脂型が占める割
合は必ずしも低くない。また、この方法では、使用済み
の中間樹脂型および成形用樹脂型が大量に発生し、これ
を廃棄すると、産業廃棄物の問題も生じる。
【0007】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであり、汎用の熱可塑性樹脂を用いて、高い
寸法精度をもつ樹脂成形型を得、これを用いた単純な工
程でレンズシートなどの成形品を製造する方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明の成形品の製造方法は、熱可塑性樹脂シートの片面
に凹凸パターンを有する金型を熱プレスして金型の該凹
凸パターンを熱可塑性樹脂シートに転写することによっ
て樹脂成形型を作製し、該樹脂成形型を用いて光硬化性
樹脂に凹凸パターンを転写し、該光硬化性樹脂を硬化さ
せることにより成形品を製造することを特徴とする。本
発明による成形品の製造方法は金型から熱可塑性樹脂シ
ートに直接に熱プレス転写することによって成形用の樹
脂型を得るものであり、中間樹脂型を経由しないことか
ら、工程が簡略化されて量産性に優れており、また高い
精度をもつ成形品が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】フレネルレンズシートの製造工程
を一例として、本発明を図1に基づいて説明する。図1
(a)に示すように、本発明では、熱可塑性樹脂シート
1と製品となるフレネルレンズシートの凹凸パターンが
逆に彫刻された金型2とを用いる。まず、熱可塑性樹脂
シート1と金型2との両者、あるいはいずれか一方を加
熱してプレスする(図1(b))。熱可塑性樹脂シート
1を金型2から離型してプレス樹脂型(樹脂成形型)3
を得る(図1(c))。この樹脂成形型3をそのままフ
レネルレンズシートの成形に用いても良いが、成形型と
して要求される厚さおよび剛性を持たせる必要がある場
合には、図1(d)に示すように剛性のある補強シート
(支持体)4に熱可塑性樹脂シート1を貼り合わせても
良い。この樹脂成形型3を用いてフレネルレンズを成形
する。樹脂成形型3と透明基板5の間に紫外線硬化樹脂
6等の光硬化性樹脂を充填し、透明基板5側から紫外線
を照射して、紫外線硬化樹脂6を硬化させる(図1
(e))。次に、樹脂成形型3と紫外線硬化樹脂6との
境界で両者を離型させることによって、図1(f)に示
すようにフレネルレンズシート7を得る。
【0010】樹脂成形型となる熱可塑性樹脂シート1と
しては、後に説明するように2層、3層等からなる多層
構造のシートを用いることもできる。図2(a−1)に
示すように、レンズ成形面に高い離型性を有する材料を
用いた2層構造の熱可塑性樹脂シートを用いれば、図2
(d−1)に示す2層構造の樹脂成形型が得られる。ま
た、接着層が中間に必要な場合は、図2(a−2)に示
すような3層構造の熱可塑性樹脂シートを用いて、図2
(d−2)に示す樹脂成形型を得ることもできる。
【0011】本発明において熱プレス法により金型の凹
凸が転写される熱可塑性樹脂シートには、押出し成形、
キャスト成形、プレス成形などの方法によって成形され
たものが用いられ、その厚さは0.2〜20mmの範囲が
好ましく、0.5〜5mmの範囲がより好ましい。上記の
熱可塑性樹脂としては、結晶性樹脂であっても非結晶性
樹脂であってもいずれでも良い。後掲する表1に示され
るような汎用の材料を用いることができる。
【0012】熱可塑性樹脂シートに金型の凹凸を転写す
るために熱プレスする際に必要があれば、真空状態で所
定の圧力をかけても良い。熱プレス時の温度は、温度が
低すぎて賦型ができなかったり、温度が高すぎて粘度が
下がって流動が始まり、特に金型外周部で金型外に樹脂
が流れ出して均一な厚さのものが得られなくなったり、
押し圧が不足して賦型不充分な部分が生じたりしないよ
うに設定する必要がある。熱プレスに適する温度は樹脂
の種類によって異なるが、結晶性材料であれば融点付近
が適当であり、非結晶材料であればガラス転位温度Tg
の高温側が適当である。大型の樹脂成形型を製造する場
合には、金型、熱可塑性樹脂シートおよび成型装置内そ
れぞれの温度むらの問題から、成形可能な温度範囲が広
い材料を選択することが好ましい。結晶性材料では、融
点に達しない温度では硬く、融点をわずかに越えると急
激に軟化し、流動化するのが一般的である。他方、非晶
性材料では、Tgより低温では硬いが、Tgを越えても
徐々に軟化していく領域があり、流動化するのはTgよ
り相当高温側になる。したがって、成形に適する温度範
囲が広い、非結晶性の熱可塑性樹脂を用いることが本発
明では有効である。
【0013】本発明において、金型の凹凸パターンが転
写される樹脂成形型の熱可塑性樹脂シート面のぬれ指数
が40以下であることが好ましい。ここで、ぬれ指数は
平板の状態でJIS K6768に定められた方法によ
り求められる値である。金型の凹凸パターンが転写され
る熱可塑性樹脂シート面を形成する材料のぬれ指数が4
0以下であれば、溶解度パラメータ(SP値)が小さ
く、極性が低く、金型との離型性に優れている。ぬれ指
数が40を越えると、金型との離型が困難となって、熱
プレス転写後の離型時に離型マークと呼ばれる光学欠点
が生じ、金型に樹脂が付着して以後の熱プレスが不可能
になることがある。後掲する表1には、各熱可塑性樹脂
のぬれ指数の測定値を示した。
【0014】熱可塑性樹脂シートから得られた樹脂成形
型を光硬化性樹脂(例えば、紫外線硬化樹脂)を用いた
2P成形法に好適に用いるために樹脂成形型の材料に望
まれる性質は、樹脂成形型を繰り返し使用してもその賦
型形状が機械的に変形しないこと、繰り返して紫外線等
に照射されても劣化、変形等がないことである。そし
て、これらの性質以上に樹脂型の材料に望まれる性質
は、凹凸形状が転写され、硬化された後の光硬化性樹脂
から樹脂成形型を離型することが容易であることであ
る。離型に大きな力を要する場合には、離型するときに
成形品が破壊したり、樹脂成形型の片方あるいは外周か
ら一定の速度で成形品を離型しようとしても、一定の速
度で成形品を剥ぐことができずに離型マークと呼ばれる
模様が現れたりする。また、一般に、樹脂型に光硬化性
樹脂を塗布する工程、紫外線等の照射による光硬化性樹
脂を硬化させる工程および光硬化性樹脂からなる成形品
を樹脂成形型から離型する工程という操作を繰り返すこ
とによって離型のために要する力が増大するが、繰り返
し使用可能な回数(型寿命)が長いことが望ましい。
【0015】上述の通り、本発明において、金型の凹凸
パターンが転写される樹脂成形型の熱可塑性樹脂シート
面を形成する材料のぬれ指数が40以下であることが好
ましいが、この樹脂成形型を光硬化性樹脂を用いた2P
成形法に好適に用いるためには、金型の凹凸パターンが
転写される熱可塑性樹脂シート面を形成する材料のぬれ
指数と、硬化後の光硬化性樹脂のぬれ指数との差が4以
上であることが好ましい。後掲する表1には、一般的な
紫外線硬化樹脂と各熱可塑性樹脂とのぬれ指数の差およ
び離型に要する力が10kgに達すると予想されるまで
の成形回数(型寿命)をまとめて示した。表1には、特
開平1−174418号公報に記載の方法で成形用樹脂
型に用いられるエポキシ樹脂のぬれ指数および限界成形
枚数の一例を参考のためにあわせて示した。エポキシ樹
脂のように紫外線硬化樹脂とのねれ指数の差が小さい樹
脂を用いた樹脂成形型を用いた場合には、成形可能な回
数が少ない。
【0016】
【表1】
【0017】表1に示した熱可塑性樹脂その他を用い
て、後記する本発明の実施例の方法に倣って300mm
角サイズのフレネルレンズシートを成形した回数と、樹
脂成形型から成形品(フレネルレンズシート)を離型す
るときに要する力との関係を測定した結果を図3に示
す。離型力はバネばかりを用いて測定した。離型力が1
0kgを超えるようになると、大型の成形品では離型マ
ークのような欠点が生じ始め、さらに成形を繰り返す
と、樹脂成形型から成形品が全く剥がれなくなる。
【0018】本発明において金型の凹凸パターンが転写
される樹脂成形型の熱可塑性樹脂シートが1つの材料で
構成された単層シートである必要はない。熱プレス時の
成形性が優れており、光硬化性樹脂膜に対する離型性が
優れているという2つの性質を両立させることを考える
と、該熱可塑性樹脂シートが2種以上の熱可塑性樹脂か
らなる2層以上の多層構造を有することが好ましい場合
がある。該熱可塑性樹脂シートは中間に接着層を挟んだ
3層構造であっても良い。このような熱可塑性樹脂シー
トは、熱可塑性樹脂シート材に、該熱可塑性樹脂とは異
なる種類の熱可塑性樹脂からなるフィルムをラミネート
する、あるいは2種以上の熱可塑性樹脂を用いた多層押
し出し法により成形することにより得ることができる。
【0019】熱可塑性樹脂シートの材料に高価なものを
用いる場合や、シートの厚さを薄くして熱プレス時の加
熱−冷却サイクルを短くする場合には、例えば熱可塑性
樹脂シートの厚さを0.2〜3mm程度として、10mm程
度の厚さの剛性のシート材からなる支持体をこれに張り
合わせて樹脂成形型とすることも可能である。ここで、
剛性を持った支持体を円筒のロール状とすることもでき
る。
【0020】なお、本発明によりレンズシートを製造す
る場合、成形品を構成する光硬化性樹脂は、通常、透明
樹脂からなるシート状の基材上に塗布されるが、当該基
材の材料としては、アクリル樹脂、ポリスレン樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂
などが好適に用いられる。これは、これらの樹脂のぬれ
指数と光硬化性樹脂のぬれ指数との差が小さく、これら
の樹脂が光硬化性樹脂との高い密着性を持つからであ
る。紫外線硬化樹脂のぬれ指数が36〜40程度であれ
ば、ぬれ指数が35〜40である上記のような汎用透明
材料を基材として用いれば良い。
【0021】本発明は、フレネルレンズシート等のレン
ズシートの製造に利用することが好適であるが、本発明
により製造される成形品はレンズシートに限られない。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳し
く説明する。以下の実施例では、本発明によりフレネル
レンズシートを製造する場合について説明する。
【0023】(実施例1)ジシクロペンタジエン系非結
晶性熱可塑性樹脂(日本ゼオン株式会社製ZEONEX480
R)を用いた押出成形によって厚さが3mmで単層の熱可
塑性樹脂シートを成形した。成形温度が180℃の条件
でフレネルレンズの逆型の凹凸形状が設けられた金型を
熱プレスすることによって、この熱可塑性樹脂シートに
フレネルレンズの凹凸形状を転写して50インチサイズ
のフレネルレンズ成形用の樹脂成形型を得た。この樹脂
成形型の上に紫外線硬化性樹脂を塗布し、その塗布面上
に厚さが2mmで透明なMS基板(メチルメタクリレー
ト(MMA)とスチレンとが6対4の重量比になるよう
に共重合された樹脂からなるもの)を載せ、MS基板側
から紫外線を照射して、紫外線硬化性樹脂を硬化させ
た。ここで用いた紫外線硬化樹脂の硬化後のぬれ指数は
39であり、樹脂成形型として用いたジシクロペンタジ
エン系非結晶性熱可塑性樹脂のぬれ指数は33である
(両者のぬれ指数の差は6である。)。MS基板を樹脂
成形型から剥がすと容易に離型し、MS基板に厚さが1
00μmの紫外線硬化性樹脂からなるフレネルレンズ層
が密着したフレネルレンズシートが得られた。このフレ
ネルレンズシートの金型との寸法誤差は1%未満であ
り、高い精度で凹凸形状が転写されていた。この方法に
より繰り返してフレネルレンズシートを製造したとこ
ろ、390回以上成形が可能であった。
【0024】上記の熱可塑性樹脂シートの裏面に厚さが
7mmで、該シートよりもわずかに大きなサイズのアク
リル板を両面粘着剤を用いて接着し、上記と同様の方法
でフレネルレンズシートの成形を行った。アクリル板を
裏打ちすることで、樹脂成形型の剛性が高くなり、製造
時の作業性が高くなるばかりでなく、成形品の離型も容
易であった。
【0025】(実施例2)ぬれ指数が34であるポリフ
ッ化ビニリデン樹脂(呉羽化学株式会社製KF2300)
とアクリル樹脂とを用いて複層押出しすることによっ
て、ポリフッ化ビニリデン樹脂の表層が300μmの厚
さであり、全体の厚さが3mmである複層構造を持つ熱
可塑性樹脂シートを成形した。成形温度が160℃の条
件でフレネルレンズの逆型の凹凸形状が設けられた金型
を熱プレスすることによって、この熱可塑性樹脂シート
のポリフッ化ビニリデン層にフレネルレンズの凹凸形状
を転写して50インチサイズのフレネルレンズ成形用の
樹脂成形型を得た。この樹脂成形型の上に実施例1で用
いたと同じ紫外線硬化性樹脂(ぬれ指数39)を塗布
し、その塗布面上に厚さが2mmで透明なMS基板を載
せ、MS基板側から紫外線を照射して、紫外線硬化性樹
脂を硬化させた。ポリフッ化ビニリデンと紫外線硬化性
樹脂とのぬれ指数の差は5である。MS基板を樹脂成形
型から剥がすと容易に離型し、MS基板に厚さが100
μmの紫外線硬化性樹脂からなるフレネルレンズ層が密
着したフレネルレンズシートが得られた。このフレネル
レンズシートの金型との寸法誤差は1%未満であり、高
い精度で凹凸形状が転写されていた。この方法により繰
り返してフレネルレンズシートを製造したところ、33
0回以上成形が可能であった。
【0026】(実施例3)ぬれ指数が26であるポリプ
ロピレン樹脂を表層(厚さ:300μm)に用い、中間
層に接着層として無水マレイン酸変性ポリプロピレン
(三井化学株式会社製、商品名アドマー)を用い、主層
としてアクリル樹脂を用いた3層構造で厚さが3mmの熱
可塑性樹脂シートを複層押出法によって作成した。成形
温度が170℃の条件でフレネルレンズの逆型の凹凸形
状が設けられた金型を熱プレスすることによって、この
熱可塑性樹脂シートのポリプロピレン層にフレネルレン
ズの凹凸形状を転写して50インチサイズのフレネルレ
ンズ成形用の樹脂成形型を得た。この樹脂成形型の上に
実施例1で用いたと同じ紫外線硬化性樹脂(ぬれ指数3
9)を塗布し、その塗布面上に厚さが2mmで透明なM
S基板を載せ、MS基板側から紫外線を照射して、紫外
線硬化性樹脂を硬化させた。ポリプロピレンと紫外線硬
化性樹脂とのぬれ指数の差は13である。MS基板を樹
脂成形型から剥がすと容易に離型し、MS基板に厚さが
100μmの紫外線硬化性樹脂からなるフレネルレンズ
層が密着したフレネルレンズシートが得られた。このフ
レネルレンズシートの金型との寸法誤差は1%未満であ
り、高い精度で凹凸形状が転写されていた。この方法に
より繰り返してフレネルレンズシートを製造したとこ
ろ、500回以上成形が可能であった。
【0027】(実施例4)アクリル樹脂シートを押出成
形すると同時に、ぬれ指数が36であるポリフッ化ビニ
リデンフィルム(電気化学工業株式会社製DXフルム、厚
さ50μm)を熱融着(ラミネート加工)させて厚さが
3mmの熱可塑性樹脂シートを作成した。成形温度が16
5℃の条件でフレネルレンズの逆型の凹凸形状が設けら
れた金型を熱プレスすることによって、この熱可塑性樹
脂シートのポリフッ化ビニリデン層にフレネルレンズの
凹凸形状を転写して50インチサイズのフレネルレンズ
成形用の樹脂成形型を得た。この樹脂成形型の上に実施
例1で用いたと同じ紫外線硬化性樹脂(ぬれ指数39)
を塗布し、その塗布面上に厚さが2mmで透明なMS基
板を載せ、MS基板側から紫外線を照射して、紫外線硬
化性樹脂を硬化させた。ポリフッ化ビニリデンと紫外線
硬化性樹脂とのぬれ指数の差は3である。MS基板を樹
脂成形型から剥がすと容易に離型し、MS基板に厚さが
100μmの紫外線硬化性樹脂からなるフレネルレンズ
層が密着したフレネルレンズシートが得られた。このフ
レネルレンズシートの金型との寸法誤差は1%未満であ
り、高い精度で凹凸形状が転写されていた。この方法に
より繰り返してフレネルレンズシートを製造したとこ
ろ、210回以上成形が可能であった。
【0028】
【発明の効果】本発明の成形品の製造方法によれば、簡
略化された工程により、フレネルレンズシート等のレン
ズシートを含む成形品を高い寸法精度で製造することが
できる。特に、ぬれ指数が40以下である材料により金
型の凹凸パターンが転写される熱可塑性樹脂シート面が
形成され、さらに、金型の凹凸パターンが転写される熱
可塑性樹脂シート面を形成する材料のぬれ指数と、硬化
後の光硬化性樹脂のぬれ指数との差が4以上であれば、
成形品の離型性に優れており、例えばレンズシートの製
造時においては、高い光学性能の要求への対応が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工程を説明する図である。
【図2】本発明で用いられる熱可塑性樹脂シートの他の
一例を示す図である。
【図3】フレネルレンズシートの成形回数と離型力との
関係を測定した結果を示した図である。
【符号の説明】
1…熱可塑性樹脂シート 2…金型 3…樹脂成形型(プレス樹脂型) 4…支持体(補強シート) 5…透明基板 6…光硬化性樹脂(紫外線硬化樹脂) 7…成形品(フレネルレンズシート)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 101:12 B29L 11:00 Fターム(参考) 4F202 AA44 AH75 AJ03 AJ09 AJ11 CA27 CB01 CD02 CD23 CD26 4F209 AA44 AH75 PA02 PA15 PB01 PC05 PN09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂シートの片面に凹凸パター
    ンを有する金型を熱プレスして金型の該凹凸パターンを
    熱可塑性樹脂シートに転写することによって樹脂成形型
    を作製し、該樹脂成形型を用いて光硬化性樹脂に凹凸パ
    ターンを転写し、該光硬化性樹脂を硬化させることによ
    り成形品を製造することを特徴とする成形品の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 金型の凹凸パターンが転写される熱可塑
    性樹脂シート面が、ぬれ指数が40以下である材料によ
    り形成されている請求項1記載の成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 金型の凹凸パターンが転写される熱可塑
    性樹脂シート面を形成する材料のぬれ指数と、硬化後の
    光硬化性樹脂のぬれ指数との差が4以上である請求項1
    または2記載の成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 金型の凹凸パターンが転写される熱可塑
    性樹脂シートが、2種以上の熱可塑性樹脂からなる2層
    以上の多層構造を有する請求項1ないし3のいずれか1
    項に記載の成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】 金型の凹凸パターンが転写される熱可塑
    性樹脂シートが、熱可塑性樹脂シート材に、該熱可塑性
    樹脂とは異なる種類の熱可塑性樹脂からなるフィルムが
    ラミネートされてなるものである請求項4記載の成形品
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 金型の凹凸パターンが転写される熱可塑
    性樹脂シートが、2種以上の熱可塑性樹脂を用いた多層
    押し出し法により成形されてなるものである請求項4記
    載の成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】 樹脂成形型における金型の凹凸パターン
    が転写された面とは異なる面が、剛性を持った支持体に
    よって裏打ちされている請求項1ないし6のいずれか1
    項に記載の成形品の製造方法。
  8. 【請求項8】 剛性を持った支持体が円筒状のロールで
    ある請求項7記載の成形品の製造方法。
JP24803598A 1998-09-02 1998-09-02 成形品の製造方法 Pending JP2000071257A (ja)

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