JP2000066635A - プラズマ表示装置の駆動方法 - Google Patents

プラズマ表示装置の駆動方法

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JP2000066635A
JP2000066635A JP23091798A JP23091798A JP2000066635A JP 2000066635 A JP2000066635 A JP 2000066635A JP 23091798 A JP23091798 A JP 23091798A JP 23091798 A JP23091798 A JP 23091798A JP 2000066635 A JP2000066635 A JP 2000066635A
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electrode
voltage
cell
discharge
address discharge
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JP23091798A
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English (en)
Inventor
Yuichi Ikeda
裕一 池田
Masayuki Shibata
将之 柴田
Eiji Fukumoto
英士 福本
Keizo Suzuki
敬三 鈴木
Masaharu Ishigaki
正治 石垣
Takeo Masuda
健夫 増田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノイズが少なく明るい画像が表示できるプラ
ズマ表示装置を提供すること。 【解決手段】 X維持電極とY維持電極を備えた3電極
面放電方式のプラズマ表示装置において、X維持電極に
供給すべきX電圧を、時点T1、T2、T3、T4での
Y維持電極に対するスキャンパルスの印加タイミングに
合わせて、パルスとして供給するようにしたもの。 【効果】 アドレス放電でのクロストークが抑えられる
ので、ノイズが少なくでき、維持電極の面積が大きくで
きるので、より明るい画像が表示できることになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3電極面放電方式
のプラズマ表示装置に係り、特にカラー画像表示用に好
適なプラズマ表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマ表示装置はPDP(プラズマ・
ディスプレイ・パネル)とも呼ばれるもので、文字通り
パネル状をし、大画面化にも容易に対応できるため、壁
掛け型のテレビジョン受像機を始め、マルチメディア用
の表示装置などとして、近年、注目を集め、大いに期待
がもたれるようになってきている。
【0003】そこで、以下、このPDPの一例につい
て、図面の図4〜図6により説明すると、まず、これら
の図において、1は前面ガラス基板で、2は背面ガラス
基板であり、前面ガラス基板1が画像表示面側になる。
【0004】まず、前面ガラス基板1には、その内面、
すなわち図4と図5において下側になっている面に、透
明な導電材料の薄膜からなるストライプ(細条)状のX維
持電極(Xサステイン電極)3とY維持電極(Yサステイ
ン電極)4が対になって複数本形成されており、さら
に、これらX維持電極3とY維持電極4には、それらの
長手方向に沿って、それぞれ金属材料からなるバス電極
20が付加され、導電性の不足を補うようになってい
る。
【0005】なお、これらX維持電極3とY維持電極4
については、以下、単にX電極、Y電極と記すこともあ
り、一纏めにしては単に維持電極と記すこともある。そ
して、これらX維持電極3とY維持電極4の表面には、
全体が覆われるようにして、所定の材料からなる誘電体
層5が設けられている。
【0006】また、背面ガラス基板2には、その内面、
すなわち図4と図5において上側になっている面に、導
電材料の薄膜からなるストライプ状のアドレス電極6
が、維持電極の延長方向とは直角をなすようにして、複
数本設けられている。なお、これらのアドレス電極6に
ついては、以下、単にA電極と記すこともある。各アド
レス電極6の間には隔壁8が設けられ、これにより各ア
ドレス電極6は個別に仕切られ、その上で、これらアド
レス電極6の上面には、隔壁8の側面も含めて、蛍光材
料からなる誘電体層7が設けられている。
【0007】そして、これら前面ガラス基板1と背面ガ
ラス基板2は、図5に示すように、隔壁8の高さで決ま
る約100μm程度の間隔を保って、重ね合わせて組合
わされ、その間に放電空間9が形成されるようにし、こ
こに、ネオン(Ne)、キセノン(Xe)などを主成分とす
る混合ガスが封入されるようになっている。従って、前
面ガラス基板1側から見ると、各電極の配置状態は図6
に示すようになっている。
【0008】すなわち、2条のX維持電極3とY維持電
極4は、相互に平行になってパネル上部からパネル下部
に向って交互に水平に配列され、アドレス電極6は垂直
に配列されており、そして、X維持電極3とY維持電極
4の対とアドレス電極6の交点に、表示画素となるセル
が形成される。なお、このような電極構造をもったPD
Pは、3電極面放電方式のPDPと称されているが、こ
のようなPDPについては、例えば特開平7−3255
52号公報に開示されている。
【0009】次に、この3電極面放電型PDPの駆動方
法について説明する。なお、この駆動方法についても、
上記した公報に記載がある。まず、このPDPでは、図
7に示すように、表示用のフレーム期間10を複数のサ
ブフィールドに分割して駆動するようになっている。こ
の図7は、一例として、フレーム期間10が16.7m
秒で、このフレーム期間を6個のサブフィールド11、
12、13、14、15、16に分割した場合を示した
もので、各サブフィールド11〜16は、図示のよう
に、夫々リセット放電期間17、アドレス放電期間1
8、維持放電期間(サステイン放電期間)19で構成され
ている。
【0010】次に、このPDPにおいて、1サブフィー
ルド期間に各電極に対して印加される電圧の波形につい
て、図8により説明する。なお、この明細書では、A電
圧とはA電極に印加される電圧を表わし、以下、Y電圧
とはY電極に印加される電圧を、X電圧とはX電極に印
加される電圧を、それぞれ表わす。
【0011】まず、リセット放電期間17は、直前のサ
ブフレームでの放電の影響を受けないようにする処理を
行う期間で、この期間では、開始時点a以降の所定の時
点bから時点cまで、X電極には340V、Y電極には
0V、A電極には70Vの各電圧を印加する。
【0012】この結果、パネルの前面でX−Y電極間に
放電が起り、放電空間9に空間電荷が発生する。そし
て、発生した空間電荷のうち、正電荷は低電圧のY電極
側に、負電荷は高電圧のX電極側に、それぞれ引き寄せ
られ、誘電体層5上には壁電荷が形成される。
【0013】そして、時点cで電圧の印加がなくなる
と、この誘電体層5上の壁電荷によりX−Y電極間に電
場が現われ、この結果、再度放電が起り、期間終了時点
dまでの間に、全てのX電極とY電極の上の壁電荷が中
和され、パネル全体のリセット放電が完了する。
【0014】次に、アドレス放電期間18は、表示をす
べき画素部分、つまりセルを選択する処理を行う期間
で、この期間では、開始時点dから終了時点fまでの全
ての期間、X電極とY電極に、例えば70Vと−70V
の電圧をそれぞれ印加する。そして、この間に、所定の
時点eで、セル毎の表示情報に従って、パネル上部から
下部に向って順に、Y電極には例えば−140Vのスキ
ャンパルス(走査パルス)を印加し、A電極には例えば7
0Vのアドレスパルスを印加する。
【0015】この結果、時点eで、A電極とY電極の間
に210Vの電圧が印加され、放電が起って壁電荷が形
成される。そして、このパルスの印加が終了したとき再
度放電が起ることが無いように、このとき印加されるパ
ルスの電圧値と幅は、リセット期間に印加される電圧の
値と幅よりも小さくしてあり、これにより、壁電荷が形
成された場合には、アドレス放電期間18が経過した時
点f以後も、その壁電荷がそのまま残るようにしてあ
る。
【0016】維持放電期間19は、選択された部分を発
光させる処理を行う期間で、この期間では、開始時点f
から終了時点gまでの全期間、A電極には例えば70V
の維持電圧を印加し、X電極とY電極には、例えば17
0Vの矩形波維持電圧を交互に期間をずらして印加す
る。なお、このため、交流駆動形と呼ばれるのである。
【0017】この結果、直前のアドレス放電期間18で
壁電荷が形成されていた場合には、その壁電荷により放
電が起り、それが維持放電期間19が終了する時点gま
で継続され、この放電により誘電体層7を構成する蛍光
体が励起され、発光表示が得られることになる。
【0018】すなわち、X、Y電極間に壁電荷があるセ
ルでは放電が起るが、壁電荷のないセルでは放電が起ら
ないように適切な電圧値の維持電圧が印加され、この結
果、アドレス放電期間に壁電荷が形成されたセルでは
X、Y電極間で交互に放電が繰り返され、この放電のパ
ルスの数に応じて、各セルの表示の明るさ、つまり輝度
を制御することができる。
【0019】従って、維持放電期間内で、必要な回数に
わたり重み付けしたサブフィールドを繰り返すことによ
り多階調表示が得られ、さらに、赤、緑、青の各蛍光体
を塗布したセルの放電を組み合わせることにより、多種
の色彩によるカラー表示が得られることになる。
【0020】このときの輝度の制御、つまり諧調制御に
ついて、更に詳しく説明すると、図7に示すように、各
サブフィールド11〜16は、維持放電期間19の長さ
(時間)が変えてあり、サブフィールド11での維持放電
期間19の長さを1とすると、サブフィールド12では
2、サブフィールド13では4、サブフィールド14で
は8、サブフィールド15では16、そしてサブフィー
ルド16では32にしてある。
【0021】そこで、1フレーム期間内でのサブフィー
ルドの選択を変え、組合わせを変えてやれば、1フレー
ム期間で64(=26)種類の発光時間が選択できること
になり、例えばサブフィールド12だけを選択した場合
には輝度1が得られ、サブフィールド13とサブフィー
ルド14を選択してやれば、輝度は12(4+8)とな
り、結局、サブフィールドの選択、組合せを変えること
により、輝度1から輝度64までの間で任意の輝度が得
られることになり、多諧調表示が得られるのである。
【0022】なお、このPDPに関する従来技術として
は、上記した公報の外、特開平6−29811号、特開
平7−295506号、特開平8−110513号、特
開平9−311661号、それに特開平9−31932
8号の各公報の記載を挙げることができる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、PD
Pにおいて、アドレス放電時にアドレス電極方向に沿っ
て隣接するセル間で発生するクロストーク(相互干渉)に
ついて、充分な配慮がされているとは言えず、表示品質
の向上に問題があった。周知のように、PDPにおいて
は、表示画面サイズと解像度(画素数)が一定なら、維持
電極(サステイン電極)の面積が大きいほど発生する可視
光の総量は多くなり、表示輝度特性が向上する。
【0024】しかしながら、従来技術では、PDPの維
持電極の面積増大を狙って、アドレス電極方向の長さ、
すなわち電極幅を大きくすると、隣接セルの電極との間
隔、すなわち隣接ギャップ長が小さくなり、セル間での
クロストークの発生頻度が増加してしまう。このセル間
でのクロストークはアドレス放電不良を伴い、ノイズを
発生させ、表示品質の著しい低下をもたらすので、PD
Pの高輝度化、高精細化が進むにつれ、性能向上に対す
る本質的な問題として大きく顕在化してくる。
【0025】ここで、この従来技術におけるセル間での
クロストークの詳細について、従来から用いられている
2種のアドレス放電方式の夫々により説明する。まず、
第1のアドレス放電方式の場合について説明すると、こ
の方式は、X電極に共通に電圧を印加し、アドレス電極
に沿った全てのセルで同時にアドレス放電を行うもの
で、この場合、図9に示すように、アドレス放電期間中
は、A電圧と、X電圧の全てが、例えば70Vの一定の
電圧にされる。
【0026】そして、Y電圧については、Y1電圧、Y
2電圧、Y3電圧、Y4電圧、……として示してあるよ
うに、パネルの上方から下方に向って順番に、例えば電
圧が−70Vから−140Vに変化するスキャンパルス
を印加して行き、それぞれのセルでアドレス放電を行わ
せるようになっている。
【0027】ここで、図9の或る時点T2におけるセル
内の状態を示したのが図10で、このときは、図の左端
のセルまでアドレス放電が終わり、次のセル、つまり図
では左から2番目のセルでアドレス放電が起っている状
態になっている。このとき、図10の左端のセルでは、
誘電体層5のY電極4(Y1)上には正の壁電荷21が、
X電極3(X1)上と、誘電体層7のアドレス電極6上に
は負の壁電荷22が、何れも前回のアドレス放電期間で
形成されている。
【0028】そして、左から2番目のセルでは、アドレ
ス放電25が起り、そのプラズマによる空間電荷23、
24が発生している状態が示されている。このときのプ
ラズマの電位は、X電圧とY電圧、A電圧、誘電体層
5、6を構成している材料の仕事関数、それに封入気体
の反応断面積によって決まるが、この場合のプラズマの
電位は、およそ40〜50Vとなる。
【0029】そして、このアドレス放電しているセルに
隣接したセルの電極、つまり図7の左端のセルのX電極
3(X1)と右側に隣接したセルのY電極4(Y3)に印加
されている電圧と、壁電荷による電圧の和の電圧をEと
すると、この電圧Eが、プラズマ密度が最大となったと
きの上記プラズマの電位よりも低いときは、プラズマに
よる空間電荷23、24はアドレス放電しているセル内
に留まっているので、何も問題は生じない。
【0030】しかして、上記した和の電圧Eが、上記し
たプラズマの電位よりも高くなったとすると、このとき
には、プラズマは隣接セルにまで広がってゆき、前の放
電により形成されていた壁電荷を打ち消してしまうなど
の影響を与えるようになり、この結果、クロストークが
発生してしまうのてある。
【0031】この時点T2で、左のセルのX電極3(X
1)に印加される電圧、つまりX1電圧は、図9から明
らかなように、70Vであるから、前回のアドレス放電
による壁電圧がおよそ−20Vであるとすると、和の電
圧Eはプラズマの電位よりも高くなってしまい、この結
果、プラズマは左のセルのX電極3(X1)の位置まで広
がっていき、誘電体層5、7上に形成された負の壁電荷
22が打ち消されて不足してしまう。
【0032】一方、図9から明らかなように、このとき
右に隣接したセルのY電極(Y3)の電圧、つまりY3電
圧は−70Vなので、プラズマ電位よりも十分低く、ア
ドレス放電のプラズマによる空間電荷は、こちらのセル
には広がってこない。PDPにおけるこのようなクロス
トークの発生機構については、本件発明者による新たな
知見であると考えられ、従って、以下、上記した発生機
構によるクロストークについては、第1のクロストーク
と称することにする。
【0033】ところで、PDPのプラズマ中では種々の
励起原子が作られるが、その中で、キセノンの励起原子
Xe*(31)は、励起状態から基底状態への遷移により
147nmの紫外線を放出し、この紫外線が近傍のキセ
ノン原子に吸収され、再びキセノン原子を励起するとい
う、いわゆる自己吸収現象を引き起こすことが知られて
いる。
【0034】そして、この現象により、励起原子Xe*(
31)は、原子自体としての拡散は遅いが、励起状態の
拡散は速く、励起状態になると、それは隣接セルに速や
かに拡散してしまう。そして隣接セルで励起された励起
原子Xe*(31)は、誘電体層の表面で2次電子を放出
する。このとき、アドレス放電中のセルに隣接する両側
のセルでは、Y電圧として−70Vの電圧が印加され、
A電圧には70Vの電圧が印加されているので、Y−A
電極間の電圧はおよそ放電開始電圧に等しくなってい
る。
【0035】この結果、隣接セルでのY−A電極間の電
圧を放電の種にして、微弱な放電を発生することがあ
り、図10では、左から3番目のセルに、この微弱放電
26の発生が示されている。このような微弱放電26が
生じた場合、この後、このセルがアドレス放電されよう
としたとき、既に生じていた微弱放電26による壁電荷
により、アドレス放電が正常に行われず、維持放電を安
定に発生させるのに必要な壁電荷が形成できなくなって
しまうという形でのクロストークを生じる。
【0036】このクロストークは、上記した第1のクロ
ストークに比して、発生頻度はそれほど高くないが、し
かし、PDPにおけるこのようなクロストークの発生機
構も本件発明者による新たな知見であると考えられ、従
って、以下、このクロストークを、第2のクロストーク
と称することにする。
【0037】次に、第2のアドレス放電方式の場合につ
いて説明すると、この方式は、X電極を奇数番と偶数番
とに分け、それぞれの印加電圧を共通にし、パネル上部
から下部へ向けて、まず奇数番のセルをスキャンした
後、次に偶数番のセルをスキャンする方法で、アドレス
放電印加電圧波形は図11に示すようになる。この場合
も、第1のアドレス放電方式と同様、アドレス電極に沿
った全てのセルで同時にアドレス放電するようになって
おり、従ってアドレス放電期間中は、図示のように、ア
ドレス電圧は70Vの一定値である。
【0038】そして、アドレス放電期間の前半では、奇
数番のセルだけをアドレス放電させるため、奇数番セル
のX電圧は例えば70Vに、偶数番セルのX電圧は例え
ば0Vにする。次に、アドレス放電期間の後半では、偶
数番のセルだけをアドレス放電させるので、今度は奇数
番セルのX電圧を例えば0Vに、偶数番セルのX電圧は
例えば70Vにする。
【0039】そして、或る時点T1から順次、時点Tn
−1まで、まず奇数番のセルのY電極にY1電圧、Y3
電圧、……として示してあるように、パネル上方から下
方へ向かって順番に電圧が−70Vから−140Vに変
化するスキャンパルスを印加し、それぞれのセルでアド
レス放電を行う。次に、時点Tn以降は、偶数番のセル
のY電極にY2電圧、Y4電圧、……として示してある
ように、パネル上方から下方へ向かって順番に電圧が−
70Vから−140Vに変化するスキャンパルスを印加
し、それぞれのセルでアドレス放電を行うのである。
【0040】図12は、図11の或る時点T2でのセル
内での状態を示したもので、このときは、図の左端の、
或る奇数番目のセルまでアドレス放電が終わり、次の奇
数番のセル、つまり図では左から3番目のセルでアドレ
ス放電が起っているときの様子を示したもので、このと
きアドレス放電しているセルに隣接する両端の電極、つ
まり左隣接セルのX電極3(X2)の電圧、すなわちX2
電圧は0V、右隣接セルのY電極4(Y4)の電圧、すな
わちY4電圧は−70Vであるから、上記プラズマ電位
よりも十分に低くなっている。従って、この第2のアド
レス放電方式の場合、上記した第1クロストークは発生
しない。
【0041】しかし、この第2のアドレス放電方式の場
合、アドレス放電しているセルの両側のセルでは、まだ
アドレス放電が生じていないので、これら両側のセル
で、上記したように、微弱放電26が起り、第2のクロ
ストークが発生する。しかし、上記したように、この第
2のクロストークは、第1のクロストークに比して、発
生頻度はそれ程高くない。
【0042】従って、第2のアドレス放電方式によれ
ば、第1のクロストークが生じないことと、第2のクロ
ストークの発生頻度が第1のクロストークの発生頻度よ
りも低いという2種の理由により、上記した第1のアド
レス放電方式に比して、良好な結果を得ることができ
る。
【0043】しかしながら、PDPの高精細化が進むに
従って、この第2のクロストークによる画質低下の問題
も無視できなくなり、このため、従来技術では、たとえ
第2のアドレス放電方式を用いてPDPを駆動したとし
ても、表示品質の向上に問題が生じてしまうのである。
【0044】本発明の目的は、クロストークを抑え、表
示品質の向上が充分に得られるようにしたプラズマ表示
装置の駆動方法を提供することにある。
【0045】
【課題を解決するための手段】上記目的は、複数の維持
電極が、それぞれ平行に並んで配置されたX維持電極と
Y維持電極の2条の電極で形成されている3電極面放電
方式のプラズマ表示装置において、アドレス放電時、前
記X維持電極とY維持電極を、同じタイミングで同じ時
間幅の走査パルスにより駆動することによって達成され
る。
【0046】この結果、アドレス電極とY維持電極との
間でアドレス放電するセルに最隣接する両側の維持電極
の電圧が、アドレス放電によりプラズマ密度が最大にな
る時点でのプラズマ電位よりも小さくでき、この結果、
クロストークを抑えることができる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるプラズマ表示
装置の駆動方法について、図示の実施形態により詳細に
説明する。図1は、本発明の第1の実施形態において、
アドレス放電時、PDPの各電極に対して印加される電
圧を示したもので、適用対象としているPDP自体、及
び他の駆動方法については、図4〜図8で説明した従来
技術の場合と同じなので、その詳しい説明は省略する。
【0048】既に、図9により説明したように、従来技
術による第1のアドレス放電方式では、X電極に共通に
電圧を印加し、アドレス電極に沿った全てのセルで同時
にアドレス放電を行うものであり、アドレス放電期間
中、A電圧と全てのX電圧は、例えば70Vの一定の電
圧にされ、Y電圧についてだけ、パネルの上方から下方
に向って順番に、例えば電圧が−70Vから−140V
になるように、スキャンパルスを印加して行き、それぞ
れのセルでアドレス放電が起るようにしている。
【0049】しかしながら、この本発明の第1の実施形
態では、図1に示すように、アドレス放電期間中、A電
圧は一定の70Vの電圧に保つが、X電圧についは一定
の電圧にはせず、Y電圧と同じタイミングのスキャンパ
ルスにより変化させるようにしてある。すなわち、この
実施形態では、アドレス放電期間中、Y電圧と同じく、
X電圧もスキャンパルスで変化させるように構成してあ
る。
【0050】従って、例えば、いま或る時点T1で、ス
キャンパルスによりY1電圧を−70Vから−140V
に変化させたときには、X1電圧も同時にスキャンパル
スにより電圧0Vから電圧70Vに変化させるように
し、これを時点T2、T3、T4とX電圧の全てについ
て順次行うようにしてある。
【0051】図2は、図1の時点T2におけるPDPセ
ル内の状態を示したもので、この時点T2では、図の左
端のセルまでアドレス放電を終え、次のセル、つまり左
から2番目のセルでアドレス放電が始まっているものと
する。そして、このとき、左端のセルのY電極4(Y1)
の上の誘電体層5面には正の壁電荷21が、X電極3
(X1)の上の面には負の壁電荷22が、既に終了したア
ドレス放電によって形成されているものとする。
【0052】従って、このとき、左から2番目のセルで
は、アドレス放電25によりプラズマが発生し、これに
よる空間電荷23、24が発生していることになる。し
かして、この実施形態の場合、この時点T2でアドレス
放電を行っているセルに隣接している左側のセルのX電
極3(X1)の電圧は、図1から明らかなように、既に0
Vに戻され、他方、右側のセルのY電極(Y3)の電圧
は、まだ−70Vのままにされており、従って、これら
の電圧は、何れも上記したプラズマ電位より十分に低い
状態にされている。
【0053】この結果、アドレス放電25により空間電
荷23、24が発生しても、それらはアドレス放電され
たセル内に留まったままとなり、従って、この実施形態
によれば、上記した第1のクロストークを原理的に発生
させないようにできる。また、この場合、アドレス放電
中のセルの左側のセルは、既にアドレス放電が終了して
いるので、この左側のセルにおいて第2のクロストーク
が発生する虞れもなくすことができる。
【0054】一方、この場合、アドレス放電しているセ
ルの右側に隣接するセルでは、まだアドレス放電してい
ないので、図2に示すように、微弱放電26(R)が発生
する虞れがあり、これによる第2のクロストークが避け
られない。しかしながら、この右側のセルでの第2のク
ロストークの発生頻度は、以下に説明するように、左側
のセルでの発生頻度よりかなり低いから、この実施形態
のように、第2のクロストークの内の右側だけが残った
としても、高精細化されたPDPにおいて特に問題にな
る虞れはない。
【0055】すなわち、これも本件発明者による新たな
知見であると考えられるが、PDPのアドレス放電は主
としてY電極とA電極の間で生じ、このため、発生した
プラズマは、Y電極とX電極からなるセルのY電極側、
つまり図2ではセルの左側に密度分布の中心をもち、こ
の結果、微細放電の強度は、例えば図12の従来技術に
示したように、右側の微細放電26(R)よりも左側の微
細放電26(L)の方が強くなる。
【0056】この結果、第2のクロストークは、これも
本件発明者による新たな知見であると考えられるが、隣
接する左右のセルで発生頻度が異なり、左側の隣接セル
では比較的発生し易いが、右側のセルではそれ程でもな
く、かなり低い発生頻度に過ぎない。また、上記したよ
うに、この第2のクロストークは、それ自体、もともと
第1のクロストークよりもかなり発生頻度が低く、この
ため、右側に限れば更に低い発生頻度となって、ほとん
ど無視し得る程度となる。
【0057】従って、この実施形態によれば、クロスト
ークの発生が、この極めて発生頻度が低い第2のクロス
トークの右側だけに抑えられることになり、この結果、
充分にクロストークの発生を抑えることができ、PDP
の高精細化に容易に対応することができる。
【0058】そして、この実施形態によれば、アドレス
放電時でのスキャンパルス波形を変えるだけで簡単にク
ロストークの抑圧が得られるので、クロストークによる
影響がほとんど無い、優れた表示品質のPDPを容易に
提供することができる。さらにまた、この実施形態によ
れば、クロストークが容易に抑えられるので、X電極と
Y電極の電極幅を充分に大きくすることができ、この結
果、より明るい画像を表示することができる。
【0059】次に、本発明の他の実施形態について説明
する。図3は、本発明の第2の実施形態におけるアドレ
ス放電印加電圧波形を示したもので、この実施形態は、
X電極を奇数番目と偶数番目の2群に分け、これによ
り、夫々の群で、X電極に供給するスキャンパルスが共
通化できるようにしたものである。
【0060】すなわち、図3に示すように、この第2の
実施形態では、X電圧とY電圧とが同じタイミングのス
キャンパルスになっている点は、図1の実施形態と同じ
であるが、さらにこの図3の第2の実施形態では、X電
圧で示すスキャンパルスが、Y電圧で示すスキャンパル
スが現れていないタイミングでも発生されている点で図
1の実施形態とは異なっており、これにより、奇数群と
偶数群で、それぞれX電圧用のスキャンパルスの共通化
が得られているのである。
【0061】例えば、この図3では、4種類のX電圧に
ついてしか示されていないが、X1電圧が立ち上がった
時点T1では、同じく奇数番目のX3電圧では、Y3電
圧は立ち上がっていないにもかかわらず、スキャンパル
スが立ち上がっている。また、偶数番目のX2電圧が立
ち上がっている時点T2では、同じく偶数番目では、Y
4電圧は立ち上がっていないにもかかわらず、X4電圧
でもスキャンパルスが立ち上がっている。
【0062】そして、この図3から明らかなように、各
X電圧の波形は、奇数番目で全て同じになっており、偶
数番目でも全て同じになっており、従って、この実施形
態によれば、X電極に印加すべきスキャンパルスとし
て、奇数番目用と偶数番目用の2種のパルスだけで済
み、X電極については、奇数番目と偶数番目を夫々共通
に接続し、夫々に2種類のスキャンパルスの一方と他方
を供給してやればよいことになる。
【0063】従って、この図3に示した第2の実施形態
によれば、図1で説明した実施形態と同様の効果が得ら
れる上、X電極用のスキャンパルスが、X電極の本数と
無関係に、2種で済むので、スキャンパルスを発生させ
るための回路装置の構成が簡単で済み、且つ、X電極か
らの引出線の本数が少なくて済むことになり、コストの
大幅な削減を容易に得ることができる。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、アドレス放電時でのス
キャンパルス波形を変えるだけでクロストークの抑圧が
得られるので、クロストークによる影響がほとんど無
い、優れた表示品質のPDPを容易に提供することがで
きる。また、この結果、クロストークによるノイズが少
なくなり、ノイズの無い高品質で高精細のPDPを容易
に得ることができる。
【0065】更に、アドレス放電によるクロストークの
発生頻度を増加させることなく、充分にX電極とY電極
の面積を広げることができるので、表示輝度の高い画像
が確実に得られ、この点でも表示品質の高いPDPを容
易に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプラズマ表示装置の駆動方法の一
実施形態を示す波形図である。
【図2】本発明の一実施形態によるプラズマ表示装置の
駆動状態を示す説明図である。
【図3】本発明によるプラズマ表示装置の駆動方法の他
の一実施形態を示す波形図である。
【図4】プラズマ表示装置の一例を示す分解図である。
【図5】プラズマ表示装置の一例を示す断面図である。
【図6】プラズマ表示装置の一例を示す透視平面図であ
る。
【図7】プラズマ表示装置の駆動におけるサブフィール
ドの説明図である。
【図8】プラズマ表示装置のサブフィールド駆動方法の
一例を示す波形図である。
【図9】従来技術によるプラズマ表示装置の駆動方法の
一例を示す波形図である。
【図10】従来技術によるプラズマ表示装置の駆動状態
の一例を示す説明図である。
【図11】従来技術によるプラズマ表示装置の駆動方法
の他の一例を示す波形図である。
【図12】従来技術によるプラズマ表示装置の駆動状態
の他の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 前面ガラス基板 2 背面ガラス基板 3 X維持電極 4 Y維持電極 5 誘電体層 6 アドレス電極 7 誘電体層(蛍光体) 8 隔壁 9 放電空間 10 1フレーム期間 11 第1サブフィールド 12 第2サブフィールド 13 第3サブフィールド 14 第4サブフィールド 15 第5サブフィールド 16 第6サブフィールド 17 リセット放電期間 18 アドレス放電期間 19 維持放電期間 20 バス電極 21 正の壁電荷 22 負の壁電荷 23 正の空間電荷 24 負の空間電荷 25 アドレス放電 26 微弱放電(自己吸収による放電)
フロントページの続き (72)発明者 福本 英士 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 鈴木 敬三 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 石垣 正治 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所情報メディア事業本部内 (72)発明者 増田 健夫 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所情報メディア事業本部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の維持電極が、それぞれ平行に並ん
    で配置されたX維持電極とY維持電極の2条の電極で形
    成されている3電極面放電方式のプラズマ表示装置にお
    いて、 アドレス放電時、前記X維持電極とY維持電極を、同じ
    タイミングで同じ時間幅の走査パルスにより駆動するこ
    とを特徴とするプラズマ表示装置の駆動方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に係る発明において、 前記走査パルスが、前記X維持電極とY維持電極のそれ
    ぞれ毎に独立したタイミングで印加されることを特徴と
    するプラズマ表示装置の駆動方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に係る発明において、 前記X維持電極が2群に分けられ、 前記走査パルスが、これら2群のX維持電極の一方と他
    方で、それぞれ同一のタイミングで印加されることを特
    徴とするプラズマ表示装置の駆動方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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