JP2000065087A - 手動走行車 - Google Patents

手動走行車

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JP2000065087A
JP2000065087A JP10235766A JP23576698A JP2000065087A JP 2000065087 A JP2000065087 A JP 2000065087A JP 10235766 A JP10235766 A JP 10235766A JP 23576698 A JP23576698 A JP 23576698A JP 2000065087 A JP2000065087 A JP 2000065087A
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JP
Japan
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retainer
axle
outer ring
rotation
way clutch
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JP10235766A
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English (en)
Inventor
Masahiro Kurita
昌弘 栗田
Masahiro Kawai
正浩 川合
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操作レバーの操作・解放によって、手動走行
車の自在走行と任意位置での停止を簡単に切換える。 【解決手段】 2方向クラッチXは、車軸に嵌合固定さ
れる内輪1と、走行輪に嵌合固定される外輪2と、円形
断面を有する係合子としてのローラ3と、ローラ3を保
持する保持器4と、転動体としてのボール3aとを主要
な構成要素とし、ロック手段およびロック解除手段が設
けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人や物を乗せて手
動で走行させる手動走行車に関し、例えば、手動車椅
子、乳母車、手押し搬送車等を対象とする。
【0002】
【従来の技術】例えば手動車椅子では、握手の近傍にブ
レーキレバーを設け、介助者が握手と共にブレーキレバ
ーを握ると、ブレーキが作動して走行輪が停止するよう
になったものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】走行中や坂道での停車
中に、介助者が不用意に握手から手を放すと、車椅子が
自走してしまう場合がある。
【0004】本発明は、従来の手動走行車における上記
のような動作上の不都合を解消しようとするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、搬送対象を乗せる本体と、本体に設けら
れた操作レバーと、本体に支持される車軸と、車軸に回
転可能に軸支される走行輪と、車軸と走行輪との間に設
けられ、常時は走行輪の車軸に対する正逆両方向の回転
をロックするロック手段と、操作レバーの操作と連動し
てロック手段によるロック状態を解除し、走行輪の車軸
に対する正逆両方向の回転をフリーにするロック解除手
段とを有する2方向クラッチ機構を備えた構成を提供す
る。
【0006】「2方向クラッチ機構」は、走行輪の正逆
両方向回転ロックと、正逆両方向回転フリーの2つのモ
ードを持っている。常時モードは正逆両方向回転ロック
であり、操作モードは正逆両方向回転フリーである。常
時モードと操作モードの相互間の切換えは、ロック解除
手段のON/OFFによって行うことができる。このロ
ック解除手段のON/OFFは操作レバーの操作と連動
して行われ、操作レバーの操作時はロック解除手段ON
(操作モード)、非操作時はロック解除手段OFF(常
時モード)になる。従って、操作レバーを操作すると
(操作モード)、走行輪の回転が正逆両方向にフリーに
なって、手動走行車を走行させることができ、操作レバ
ーから手を放すと(常時モード)、走行輪の回転が正逆
両方向にロックされて、手動走行車はその位置に停止
し、動かなくなる。操作レバーと2方向クラッチ機構の
ロック手段とは、例えばケーブルワイヤによって連結す
ることができる。
【0007】上記のような2方向クラッチ機構は「車軸
と走行輪との間に」設けられるが、これは、一つのまと
まった構造体としての2方向クラッチを車軸と走行輪と
の間に介装した場合、車軸と走行輪の少なくとも一方が
2方向クラッチ機構の構成要素となる場合の双方を含ん
でいる。
【0008】上記構成において、2方向クラッチ機構の
ロック手段を、走行輪に固定された外輪と、車軸又はこ
れに固定された内輪と、これらの間に介装された係合子
とによって形成される正逆両方向の楔とし、ロック解除
手段を、係合子の回転方向の位置又は姿勢を制御する保
持器と、この保持器の回転方向の位置を、操作レバーの
操作と連動して、係合子が正逆両方向の楔から離脱する
中立位置に保持する位置決め手段とで構成することがで
きる。走行輪(及び外輪)の回転に追随して、係合子が
正逆両方向の楔に係合することによって、走行輪の正逆
両方向の回転が自動的にロックされる。また、保持器が
中立位置に保持され、係合子が正逆両方向の楔から離脱
することによって、このロック状態が解除される。
【0009】「係合子」としては、ローラ、ボール等の
円形断面を有するもの、スプラグ等の非円形断面を有す
るものを用いることができる。ローラ、ボール等の円形
断面を有する係合子を用いる場合は、外輪と車軸(又は
内輪)とのうちいずれか一方に円周面を設け、他方にカ
ム面を設け、円周面とカム面との間に係合子を配する。
係合子はカム面の離脱位置に保持された時に正逆両方向
の楔から離脱するものとし、これは例えば、カム面を回
転方向の中央部が深く、両側に向かって漸次浅くなった
形状とし、カム面の離脱位置となるその中央部におい
て、円周面との間の間隔が係合子の直径に対して若干の
クリアランスを生じさせる構成とすることによって達成
することができる。係合子は、カム面の浅い側に移動し
た時に外輪と車軸(又は内輪)の双方と楔係合する。ス
プラグ等の非円形断面を有する係合子を用いる場合は、
外輪と車軸(又は内輪)の双方に円周面を設け、係合子
にカム面を設け、円周面間に係合子を配する。係合子は
中立姿勢に保持された時に正逆両方向の楔から離脱する
ものとし、これは例えば、係合子の中立姿勢において、
円周面との間に若干のクリアランスを生じさせることに
よって達成することができる。係合子は、回転方向に姿
勢変化した時に外輪と車軸(又は内輪)の双方と楔係合
する。
【0010】「位置決め手段」は、外輪と車軸(又は内
輪)とのうちいずれか一方と、保持器との間に設けられ
た凹凸係合部とすることができる。この凹凸係合部は、
操作レバーの非操作時は互いに緩く噛み合って保持器の
回転方向への所定範囲の相対移動を許容し、操作レバー
の操作と連動して互いに密に噛み合って保持器を上記中
立位置に保持するものとする。保持器の回転方向への所
定範囲の相対移動が許容された状態において、係合子は
正逆両方向の楔に係合することができる。また、保持器
が中立位置に保持された状態において、係合子は正逆両
方向の楔から離脱する。
【0011】係合子の正逆両方向の楔への係合動作は、
外輪の回転に伴う摩擦力(係合子と外輪との間の摩擦
力、あるいは、係合子と車軸又は内輪との間の摩擦力)
を利用して行うことができるが、保持器の回転方向への
相対移動を利用することにより、上記の係合動作を一層
確実ならしめることができる。ローラ、ボール等の円形
断面を有する係合子を用いる場合は、保持器の回転方向
への相対移動によって係合子を正逆両方向の楔の方向、
より具体的にはカム面の両側の浅くなった部分に押しや
る。また、スプラグ等の非円形断面を有する係合子を用
いる場合は、保持器の回転方向への相対移動によって係
合子を正逆両方向の楔が形成される方向に姿勢変化させ
る。このような保持器の動作は、例えば、外輪と車軸
(又は内輪)とのうちいずれか一方と、保持器との間
に、所定の摩擦力を生じさせる弾性体を介装し、保持器
を外輪と連れ回りさせ、あるいは、保持器を車軸(又は
内輪)と連れ止まりさせることによって達成することが
できる。
【0012】円滑な走行を可能にするため、走行輪と車
軸との間に、転がり軸受手段を2方向クラッチ機構と併
設することができ、さらに、構造の簡略化、コンパクト
化を図るために、2方向クラッチ機構のクラッチ外輪と
転がり軸受手段の軸受外輪とを兼ねる外輪を走行輪に固
定することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を手動車椅子に適用
した実施形態について説明する。
【0014】図1は、この実施形態の手動車椅子を概念
的に示している。着座者を乗せる椅子本体30は、本体
フレーム30aと、本体フレーム30aに架設された着
座シート30b及び背もたれシート30cとを主体とし
て構成される。本体フレーム30aの前方下部にはステ
ップ30dが装着され、中央部の着座シート30bの側
方には肘掛け30eが設けられ、後方上部には後方に延
びた握手30fが設けられる。そして、この椅子本体3
0に走行輪31と補助輪32とが回転可能に装着され、
床面(路面)上を走行可能な車椅子として構成される。
【0015】走行輪31は、本体フレーム30aに支持
された車軸20に、後述する2方向クラッチXを介して
回転可能に装着される。この2方向クラッチXは、握手
30fの下方に近接して設けられた操作レーバー33と
ケーブルワイヤ34を介して連結されており、介助者が
握手30fと共に操作レバー33を握ると、2方向クラ
ッチXによって走行輪31の正逆両方向の回転がフリー
にされて、車椅子の自在な走行が可能となり、介助者が
操作レバー33から手を放すと、2方向クラッチXによ
って走行輪31の正逆両方向の回転がロックされて、車
椅子がその位置に停止する。
【0016】図2及び図3は、走行輪31と車軸20と
の間に介装される2方向クラッチXを示している。この
2方向クラッチXは、車軸20に嵌合固定される内輪1
と、走行輪31のボス部に嵌合固定される外輪2と、円
形断面を有する係合子としてのローラ3と、ローラ3を
保持する保持器4と、転動体としてのボール3aとを主
要な構成要素とし、後述するロック手段12およびロッ
ク解除手段13が設けられている。
【0017】図4に示すように、内輪1の外周面には、
複数のカム面6が円周等間隔に設けられ、これらカム面
6の形成領域と軸方向に離隔してボール3aの軌道面1
bが設けられている。各カム面6は、円周方向の中央部
が深く、両側に向かって漸次浅くなるように形成された
ものであり、概ねV字の断面形状とされている。このカ
ム面は、図5(A)に示すような直線状のものであって
も、図5(B)に示すような凹円弧状等の曲面状であっ
ても良い。カム面6のV字状の開き角度αは、例えば1
55°〜175°に設定されている。
【0018】また、内輪1のカム面6が形成された側の
端部外周面には、保持器固定溝7が円周方向の複数箇所
に設けられている。例えば、保持器固定溝7はカム面6
と交互に設けられている。保持器固定溝7は、溝幅の中
心部が深くなる断面形状のもので、この例では概ねV字
状の断面形状とされている。V字状の傾斜は、カム面6
に比べて急勾配としてある。
【0019】図2及び図3に示すように、外輪2の内周
には、内輪1のカム面6と対向する円周面2aと、内輪
1の軌道面1bと対向する軌道面2bが設けられてい
る。内輪1の各カム面6と外輪2の円周面2aとの間に
それぞれローラ3が配され、保持器4によって保持され
る。カム面6と、円周面2aと、これらの間に配された
ローラ3によってロック手段12が構成される。また、
内輪1の軌道面1bと外輪2の軌道面2bとの間に複数
のボール3aが配され、保持器4aによって保持され
る。これにより、転がり軸受手段が構成される。尚、こ
の例では、外輪2は、後述する保持器4の係合凸部9側
の外周面が露出するように、内輪1 よりも幅狭に形成し
てある。
【0020】図6に示すように、保持器4は円環状に形
成され、円周方向の複数箇所に、ローラ3を収容する窓
形のポケット8が形成され、また、内輪1の各保持器固
定溝7と噛み合う係合凸部9と、ばね固定用ピン10が
それぞれ円周方向複数箇所に設けられている。係合凸部
9は、保持器4の内周面に設けられ、三角形の山形とさ
れている。ばね固定用ピン10は、保持器4における係
合凸部9側の端面と反対側の端面に設けられている。保
持器4の係合凸部9と、内輪1の保持器固定溝7とで、
位置決め手段14が構成される。また、この位置決め手
段14と保持器4とでロック解除手段13が構成され
る。
【0021】図7は、保持器4に弾性体5を取付けた状
態を示している。弾性体5は、リング状の側板5aと、
この側板5aから放射状に延びるアーム状のばね片5b
とからなる板ばねで構成される。ばね片5bは、側板5
aから斜め外径側に延びて先端部分が軸方向と略平行と
なるように折り曲げられており、その先端部分が外輪2
の内周面に弾性的に接触する。弾性体5は、保持器4に
設けられたばね固定用ピン10を側板5aの孔に挿通
し、加締ることで保持器4に固定される。弾性体5の固
定は、加締の他に、溶着やねじ止め、鋲止め、接着等で
も良い。
【0022】弾性体5は、外輪2の回転に追随して保持
器4が一定の摩擦力をもって連れ回る機能が得られるも
のであれば良く、ばね部材の他にゴム等の弾性体を用い
ても良い。例えば、保持器4の外周面にOリング等のリ
ング状の弾性体を嵌着し、これを外輪2の内周面に弾性
的に接触させ、または、外輪2の内周面にOリング等の
リング状の弾性体を嵌着し、これを保持器4の外周面に
弾性的に接触させても良い。Oリングに代えて、波形に
屈曲した線ばねや板ばねを用いても良い。あるいは、保
持器4の外周面に局部的に弾性体を埋設し、これを外輪
2の内周面に弾性的に接触させ、または、外輪2の内周
面に局部的に弾性体を埋設し、これを保持器4の外周面
に弾性的に接触させても良い。さらに、弾性体を配設す
る代わりに、保持器4を多角形にするか、保持器4の外
周面に凸部を設けるなどして、保持器4の円周方向の複
数箇所が外輪2の内周面に接触し、保持器4自体の弾性
で外輪2に追随して連れ回りが生じる程度の一定の摩擦
力が得られるようにしても良い。
【0023】図8(A)は、自然状態において、保持器
4が回転方向の中立位置に位置し、ローラ3がカム面6
の中央部(離脱位置)に位置した時の状態を示してい
る。この時、保持器4の係合凸部9と内輪1の保持器固
定溝7の回転方向位相は相互に一致し、かつ、両者の間
に回転方向隙間および半径方向隙間が存在する。また、
内輪1のカム面6の中央部と外輪2の円周面2aとの間
の間隔は、ローラ3の直径に対して半径方向のクリアラ
ンスを生じさせる寸法に設定されている。さらに、ロー
ラ3を収容する保持器4のポケット8は、ローラ3との
間の回転方向隙間が極めて小さくなるか(例えば、ロー
ラ3の直径の1%以下)、若しくは負の隙間になるよう
に設計されている。
【0024】図8(B)は、保持器4に所定の外力Fを
加えて、上記の中立位置に保持した時の状態を示してい
る。保持器4を外径側から半径方向に外力Fで押圧する
と、保持器4は押圧された部分が内径側に弾性変形し
て、その係合凸部9が保持器固定溝7と密に噛み合う。
これにより、係合凸部9と保持器固定溝7との間の回転
方向隙間が無くなり、保持器4が上記の中立位置に位置
決めされた状態で、内輪1に対して回転方向に保持され
る。その結果、全数のローラ3がカム面6の中央部に保
持され、外輪2の回転が正逆両方向にフリーになる。こ
の時の外輪2の内輪1に対する回転は、内輪1の軌道面
1bと外輪2の軌道面2bとの間に介在する複数のボー
ル3aによって回転自在に支持される。尚、保持器4を
外力Fで押圧する部分は、円周方向に2〜4等分した部
分が望ましい。
【0025】図8(A)に示す状態から外輪2が内輪1
に対して回転すると、保持器4が弾性体5による摩擦力
の影響で外輪2の回転に追随して回転する。その結果、
保持器4のポケット8に保持されているローラ3が保持
器4によってカム面6の浅くなった側に押しやられ、カ
ム面6と円周面2aの双方に楔係合する。これにより、
外輪2は小さな回転角度だけ回転した後、その方向にロ
ックされる。例えば、図9(A)に示すように、外輪2
が時計方向に回転すると、保持器4が外輪2に追随して
時計方向に連れ回りし、ローラ3が保持器4に押されて
カム面6と円周面2aの双方に時計方向に楔係合する。
そのため、外輪2は小さな回転角度だけ回転した後、時
計方向にロックされる。この時、保持器4の係合凸部9
と内輪1の保持器固定溝7とは相互に干渉しないような
寸法に設定される。図9(B)に示すように、外輪2が
反時計方向に回転すると、保持器4が外輪2に追随して
反時計方向に連れ回りし、ローラ3が保持器4に押され
てカム面6と円周面2aの双方に反時計方向に楔係合す
る。そのため、外輪2は小さな回転角度だけ回転した
後、反時計方向にロックされる。この時、保持器4の係
合凸部9と内輪1の保持器固定溝7とは相互に干渉しな
いような寸法に設定される。以上のように、外力Fが作
用していない時、外輪2は正逆両方向に自動的にロック
される。尚、ローラ3が楔に係合した状態において、ロ
ーラ3がカム面6および円周面2aの接触点となす角度
βは5〜25°{180°−(155°〜175°}と
なる。この角度の半分(β/2)は、一般的なクラッチ
のストラト角として知られている。
【0026】図8(B)に示す状態(操作モード)と図
9に示す状態(常時モード)との切換えは、保持器4に
加える外力FのON/OFF切換えによって行い、その
切換えは図1に示す操作レバー33の操作と連動して行
われる。すなわち、操作レバー33の操作と、図示され
ていない外力FのON/OFF操作機構の作動とは、ケ
ーブルワイヤ34によって関連付けられており、操作レ
バー33を操作すると、ケーブルワイヤ34によって上
記操作機構が作動し、保持器4に外力Fが加えられて図
8(B)に示す操作モード(正逆両方向フリー)にな
る。一方、操作レバー33から手を放すと、上記操作機
構による外力Fが無くなり、図9に示す常時モード(正
逆両方向ロック)になる。従って、介助者が握手30f
と共に操作レバー33を握ると、2方向クラッチXによ
って外輪2及び走行輪31の正逆両方向の回転がフリー
にされて、車椅子の自在な走行が可能となり、介助者が
操作レバー33から手を放すと、2方向クラッチXによ
って外輪2及び走行輪31の正逆両方向の回転がロック
されて、車椅子がその位置に停止する。
【0027】図10及び図11は、上述した2方向クラ
ッチXに外力FのON/OFF操作用の操作部材16を
設けた実施形態を示す。操作部材16は、円周方向の一
部にレバー部16aを有するリング状の部材であり、車
軸20の外周面に回転可能に嵌合されている。操作部材
16のレバー部16aは、図1に示すケーブルワイヤ3
4を介して操作レバー33に連結される。内輪1は、車
軸20の小径部と大径部との間の段差面20aから若干
離れてその小径部に嵌合固定され、また、保持器固定溝
7が設けられている側の端面を段差面20aの側に向け
て配置される。操作部材16は、内輪1と段差面20a
との間に介装される。
【0028】操作部材16は、保持器4の外周側に位置
する鍔状のリング部16bを有し、このリング部16b
の内周面の円周方向複数箇所(同図では4個所)に、操
作部材16の回転に伴って外力Fとなる半径方向力を保
持器4に作用させる操作用カム面17を設けてある。操
作用カム面17は、リング部16bの内周面となる円の
一部の弦となる直線に形成してある。また、これら操作
用カム面17にそれぞれ接する複数の操作用カム面18
を、保持器4の外周面に円弧状断面の突部によって形成
してある。
【0029】図10に示す常時モード(正逆両方向ロッ
ク)から、操作部材16を所定角度(図示の例では45
°程度)回転させると、操作用カム面17、18が相互
に係合し合い、保持器4を内径側に弾性変形させる半径
方向の外力Fが操作部材16から保持器4に与えられ
る。これにより、保持器4の係合凸部9が内輪1の保持
器固定溝7と密に噛み合い、保持器4が中立位置に保持
され、図8(B)に示す操作モード(正逆両方向フリ
ー)になる。操作部材16を図10に示す状態に戻す
と、外力Fが無くなることにより、保持器4が元の形状
に弾性復元し、保持器4の係合凸部9と内輪1の保持器
固定溝7とが元の緩い噛み合い状態になり、図9に示す
常時モード(正逆両方向ロック)になる。
【0030】上記のような操作部材16の回転作動は操
作レバー34の操作と連動して行われ、操作レバー34
の操作時は操作部材16が所定角度回転して図8(B)
に示す操作モード(正逆両方向フリー)になり、非操作
時は操作部材16が図10に示す位置に復帰して、図9
に示す常時モード(正逆両方向ロック)になる。従っ
て、介助者が握手30fと共に操作レバー33を握る
と、2方向クラッチXによって外輪2及び走行輪31の
正逆両方向の回転がフリーにされて、車椅子の自在な走
行が可能となり、介助者が操作レバー33から手を放す
と、2方向クラッチXによって外輪2及び走行輪31の
正逆両方向の回転がロックされて、車椅子がその位置に
停止する。
【0031】尚、上述した実施形態では、常時モード
(正逆両方向ロック)から操作モード(正逆両方向フリ
ー)への切換えを、半径方向の外力Fを保持器4に加え
ることで行っているが、保持器の係合凸部と内輪の保持
器固定溝とを軸方向に噛み合う形態とし、保持器に軸方
向の外力Fを加えることで行う構成としても良い。この
構成においても、保持器に軸方向外力Fが加えられてい
ない時は、保持器の係合凸部と内輪の保持器固定溝とが
緩く噛み合って保持器の回転方向への所定範囲の相対移
動を許容し、保持器に軸方向外力Fが加えられた時は、
保持器の係合凸部と内輪の保持器固定溝とが密に噛み合
って保持器を中立位置に保持するものとする。但し、こ
の構成では、軸方向外力FのON/OFFによって保持
器を内輪に対して軸方向に相対移動させてモード切換え
を行うことが可能であるので、外力Fによる保持器の弾
性変形は必ずしも必要ではなく、従ってこの構成では保
持器を弾性変形可能な材質で形成することは必須ではな
い。また、操作モード(正逆両方向フリー)から常時モ
ード(正逆両方向ロック)への切換え応答性を良くする
ため、軸方向外力Fを除いた時に、保持器の軸方向位置
を元の位置に復帰させる手段を設けても良い。この復帰
手段は、軸方向外力Fとは反対向きの外力を保持器に作
用させるものであれば良く、例えばばね等の弾性体で構
成することができる。さらに、図10及び図11に示す
構成に準じて、軸方向外力FのON/OFF操作用の操
作部材を具備させても良い。この場合、操作用カム面を
保持器と操作部材の軸方向に相対向する端面に設ける。
【0032】上述した実施形態では、係合子としてロー
ラを用いているが、ボールを用いても良い。また、カム
面を外輪に設け、円周面を内輪に設けても良い。さら
に、内輪をなくし、車軸の外周面に直接、クラッチ要素
としてのカム面又は円周面と転がり軸受要素としてのボ
ールの軌道面を形成しても良い。また、係合子としてス
プラグ等の非円形の係合子を用いることもできる。この
場合、係合子に正逆両方向のカム面を形成し、外輪、内
輪又は車軸の双方に円周面を設ける。
【0033】本発明は、手動車椅子の他、乳母車、手押
し搬送車等にも同様に適用可能である。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、操作レバーの操作・解
放によって、走行車の自在走行と任意位置での停止を簡
単に切換えることができ、例えば取扱者が不用意に握手
から手を放した場合でも走行車がその位置に自動的に停
止するので、この種の走行車の利便性を高めることがで
きる。特に、本発明は手動車椅子に適用された場合に、
安全性、信頼性の向上に大きく寄与する。
【0035】また、走行輪と車軸との間に、転がり軸受
手段を2方向クラッチ機構と併設することにより、円滑
な走行を可能とし、さらに、2方向クラッチ機構のクラ
ッチ外輪と転がり軸受手段の軸受外輪とを兼用すること
により、構造の簡略化、コンパクト化、軽量化、低コス
ト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施形態の手動車椅子を概念的に示す側
面図である。
【図2】2方向クラッチ機構の横断面図である。
【図3】図2におけるI−I縦断面図である。
【図4】内輪の斜視図である。
【図5】内輪のカム面の各種の例を示す拡大断面図であ
る。
【図6】保持器の斜視図である。
【図7】保持器に弾性体を取付けた時の斜視図である。
【図8】作用説明図である
【図9】作用説明図である。
【図10】2方向クラッチ機構の他の実施形態を示す破
断面図である。
【図11】図10における縦断面図である。
【符号の説明】
1 内輪 2 外輪 2a 円周面 3 ローラ 4 保持器 5 弾性体 6 カム面 7 保持器固定溝 9 係合凸部 12 ロック手段 13 ロック解除手段 14 位置決め手段 30 車椅子車体 30a 本体フレーム 30f 握手 31 走行輪 33 操作レバー 34 ケーブルワイヤ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】搬送対象を乗せる本体と、 前記本体に設けられた操作レバーと、 前記本体に支持される車軸と、 前記車軸に回転可能に軸支される走行輪と、 前記車軸と走行輪との間に設けられ、常時は前記走行輪
    の前記車軸に対する正逆両方向の回転をロックするロッ
    ク手段と、前記操作レバーの操作と連動して前記ロック
    手段によるロック状態を解除し、前記走行輪の前記車軸
    に対する正逆両方向の回転をフリーにするロック解除手
    段とを有する2方向クラッチ機構を備えた手動走行車。
  2. 【請求項2】 前記2方向クラッチ機構のロック手段
    は、前記走行輪に固定された外輪と、前記車軸又はこれ
    に固定された内輪と、これらの間に介装された係合子と
    によって形成される正逆両方向の楔であり、前記ロック
    解除手段は、前記係合子の回転方向の位置又は姿勢を制
    御する保持器と、この保持器の回転方向の位置を、前記
    操作レバーの操作と連動して、前記係合子が前記正逆両
    方向の楔から離脱する中立位置に保持する位置決め手段
    とで構成される請求項1記載の手動走行車。
  3. 【請求項3】 前記正逆両方向の楔が、前記外輪と前記
    車軸又は内輪とのうちいずれか一方に設けられた円周面
    と、他方に設けられたカム面と、前記円周面とカム面と
    の間に介装された円形断面の係合子とで形成され、前記
    係合子は前記カム面の離脱位置に位置する時に前記正逆
    両方向の楔から離脱する請求項2記載の手動走行車。
  4. 【請求項4】 前記カム面は回転方向の中央部が深く、
    両側に向かって漸次浅くなった形状を有し、前記離脱位
    置となるその中央部において、前記円周面との間の間隔
    が前記係合子の直径に対して若干のクリアランスを生じ
    させる請求項3記載の手動走行車。
  5. 【請求項5】 前記位置決め手段は、前記外輪と前記車
    軸又は内輪とのうちいずれか一方と、前記保持器との間
    に設けられた凹凸係合部であり、この凹凸係合部は、前
    記操作レバーの非操作時は互いに緩く噛み合って前記保
    持器の回転方向への所定範囲の相対移動を許容し、前記
    操作レバーの操作と連動して互いに密に噛み合って前記
    保持器を前記中立位置に保持する請求項2記載の手動走
    行車。
  6. 【請求項6】 前記外輪と前記車軸又は内輪とのうちい
    ずれか一方と、前記保持器との間に、所定の摩擦力を生
    じさせる弾性体を介装した請求項2記載の手動走行車。
  7. 【請求項7】 前記操作レバーが、前記本体に設けられ
    た握手の近傍に設けられている請求項1記載の手動走行
    車。
  8. 【請求項8】 前記操作レバーと前記2方向クラッチ機
    構のロック解除手段とがケーブルワイヤによって連結さ
    れている請求項7記載の手動走行車。
  9. 【請求項9】 前記走行輪と前記車軸との間に、転がり
    軸受手段が前記2方向クラッチ機構と併設されている請
    求項1記載のスライドドアの支持構造。
  10. 【請求項10】 前記2方向クラッチ機構のクラッチ外
    輪と前記転がり軸受手段の軸受外輪とを兼ねる外輪が、
    前記車軸に固定されている請求項9記載の手動走行車。
  11. 【請求項11】着座者を乗せる椅子本体と、 前記椅子本体の本体フレームに延設された握手と、 前記握手の近傍に設けられた操作レバーと、 前記本体フレームに支持される車軸と、 前記車軸に回転可能に軸支される走行輪と、 前記車軸と走行輪との間に設けられ、常時は前記走行輪
    の前記車軸に対する正逆両方向の回転をロックするロッ
    ク手段と、前記操作レバーの操作と連動して前記ロック
    手段によるロック状態を解除し、前記走行輪の前記車軸
    に対する正逆両方向の回転をフリーにするロック解除手
    段とを有する2方向クラッチ機構と、 前記操作レバーと前記2方向クラッチ機構のロック解除
    手段とを連結するケーブルワイヤを備えた手動走行車。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100385440B1 (ko) * 2001-01-02 2003-05-27 김권진 휠체어의 역회전 방지장치
JP2006507896A (ja) * 2002-12-02 2006-03-09 ワットウッド,ブライアン,エム. 車いすの駆動機構
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JP2012106560A (ja) * 2010-11-16 2012-06-07 Jtekt Corp 電動パワーステアリング装置
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