JP2000054488A - 木造家屋の構造材接続金具及び接続方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 木造家屋の構造材に対して接続
のための加工の簡素化と現場作業の時間短縮に寄与する
ことが可能である木造家屋の構造材の接続のための接続
金具及び接続方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 木造家屋の構造材の固定金具にお
いて、対向する各側板の側縁において拡開する各々一対
の案内用切り欠きを形成した。そして突き合わせた2 本
の角材中のピンを前記切り欠きに案内させて嵌合固定す
る方法を発明した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、木造家屋の構造材
の接続金具及び接続方法に関するものであり、さらに詳
しくは木造家屋の土台等の構造材を接続するための接続
金具及び接続方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の木造家屋の土台等の構造材の接続
は、相欠き継ぎ又は入れ蟻継ぎ等の方法で主として仕口
において互いに組み合わせて連結していたがこれらの方
法は構造材に対する加工の精度が必要とされ、現場での
作業時間がかかるという欠点があった。

【０００３】

【発明が解決しようとしている課題】本発明は、木造家
屋の構造材に対して接続のための加工の簡素化と現場作
業の時間短縮に寄与することが可能である木造家屋の構
造材の接続のための接続金具及び接続方法を提供するこ
とを目的とするものである。

【課題を解決するための手段】

【０００４】前記の目的を達成するために、本発明にか
かる木造家屋の構造材の接続金具は、その手段としてそ
れぞれ第１と第２の側縁及び第１と第２の端縁を有する
略矩形の２枚の側版と、該２枚の側板を対向するように
各第１側縁で連結する連結板を含む木造家屋の構造材の
固定金具において、各側板の第２側縁において拡開する
各々一対の案内用切り欠きが形成され、前記２枚の側板
に形成された１対の案内用切り欠きが互いに対向するよ
うに位置することを要旨とする。

【０００５】また、前記１対の案内用切り欠きはそれぞ
れ第１と第２の端縁側に斜面を有することがのぞまし
い。さらに、前記２枚の側板はそれぞれ締め付けボルト
穴を有することが望ましい。

【０００６】また、前記の目的を達成するために、本発
明にかかる木造家屋の構造材の接続方法は、その手段と
して２本の断面略同寸法の矩形を有する角材の突き合わ
せ端面の近傍において各角材の上面に浅溝を前記突き合
わせ端面に開放するように形成し、前記浅溝の両側部に
１対の深溝を平行に穿接し、各角材の側面より前記１対
の深溝に交差するように延長するピン穴を穿接して各該
ピン穴に位置合わせピンを挿通させ、前記２本の角材の
端面同士を突き合わせて保持しそれぞれ第１と第2 の側
縁及び第１と第２の端縁を有する略矩形の２枚の側版
と、該２枚の側板を対向するように前記第１側縁で連結
する連結板を含み、各側板の第２側縁において拡開する
各々１対の案内用切り欠きが形成され、前記２枚の側板
に形成された１対の案内用切り欠きが互いに対向するよ
うに位置する形成した接続金具を前記２本の角材の浅溝
の上から臨ませ、前記接続金具の前記２枚の側板を前記
１対の深溝に挿入して前記案内用切り欠きを前記位置合
わせピンに沿って降下させて案内して金具を停止した後
固定するステップからなることを要旨とする。

【０００７】また、前記接続金具の各側板の前記１対の
切り欠きの第１と第２の端面側に斜面を形成することが
望ましい。また、前記２枚の側板にそれぞれボルト穴を
穿設すると共に前記角材の側面より前記ボルト穴に連通
するボルト挿通孔を穿設して該ボルト挿通孔と該ボルト
穴に締付けボルトを挿入して固定することが望ましい。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１において、木造家屋用のコン
クリート基礎Ａの上に載置固定する土台Ｂに構造材とし
て複数の角材が使用されており、その内の２本の角材
１、１´が端面を突き合わされた状態で、その突き合わ
せ部位に本発明の接続金具２が嵌合することにより接続
されているのが示されている。

【０００９】さらに詳しくは、図２乃至図５に示されて
いるように、前記角材１、１´は断面が略同寸法の矩形
を有しており、端面１２、1 ２´を突き合わせて接続す
るべく対向している。各角材の突き合わせる端面の近傍
において、各角材１、１´の上面１１、１１´には浅溝
１１ａ、１１´ａが前記端面１２、１２´に開放するよ
うに形成されている。

【００１０】さらに、前記浅溝１１ａの両側には一対の
深溝１１ｂ、１１ｃが平行に穿設され、また角材１´に
ついても対応する位置に同様な深溝１１´ｂと１１´ｃ
が穿設されている。（図３）そして、各角材の側面１
３、１３´には、ピン穴１３ａ、１３´ａが前記一対の
深溝１１ｂ、１１ｃ及び１１´ｂ、１１´ｃを交差する
ように延長して穿設されており、該ピン穴１３ａ、１３
´ａには位置合わせピン１４、１４´が挿入されてい
る。

【００１１】さらに、前記角材１、１´の側面１３、１
３´よりボルト挿通孔１３ｂ、１３´ｂが穿設されてお
りそれぞれに締付けボルト１５、１５´を挿入するよう
になっている。

【００１２】上記の角材１と１´を接続するための接続
金具２は図示の通り一体の構造をしており、金属板から
打ち抜き加工により形成されている。前記接続金具２
は、第１の側縁２１１と第二の側縁２１ ２及び第１端
縁２１３と第２端縁２１４を有する第１側板２１と第１
の側縁２２１と第２の側縁２２２及び第１端縁２２３と
第２端縁２２４を有する第２の側板２２と、前記２枚の
側板２１と２２が対向するようにそれぞれの第１側縁２
１１と２２１で連結する連結板２３より形成されてい
る。

【００１３】そして、図４に示されるように各側板２
１、２２の第二の側縁２１２、２２２において拡開する
左右一対の切り欠き２１ａ、２２ａと２１ｂ、２２ｂが
互いに対向するように位置している。そして各切り欠き
には、それぞれの第１と第２の端縁側に斜面２１ａ´、
２２ａ´と２１ｂ´、２２ｂ´が形成されている。さら
に前記２枚の側板にはそれぞれ締め付けボルト穴２１
ｃ、２２ｃおよび２１ｄ、２２ｄが形成されている。

【００１４】さて、以上説明した金具２を使用して木造
家屋の構造材を接続する方法を説明する。図２に示した
ように構造材として使用される２本の角材１、１´の対
向する端面１２と１２´を突き合わして状態で保持す
る。

【００１５】そして、前記金具２を突き合わせた角材１
と１´の上面１１と１１´に形成した浅溝１１ａと１１
ａ´の上に臨ませる。そして、前記金具２の側板２１と
２２を前記一対の深溝１１ｂ、１１ｃ及び１１´ｂ、１
１´ｃに挿入して前記切り欠き２１ａ、と２２ａが位置
合わせピン１４に係合し前記斜面２１ａ´、２２ａ´に
沿ってピン１４が案内され、同時に前記切り欠き２１ｂ
と２２ｂが位置合わせピン１４´に係合し前記斜面２１
ｂ´、２２ｂ´に沿ってピン１４´が案内される。

【００１６】そして、金具２が充分降下し連結板２３が
浅溝１１ａと１１´ｂに嵌まり込み角材１の上面１１と
角材１の上面１１´と面一となったところで停止し、し
かる後に締付けボルト１５を角材１の側面１３に穿設し
たボルト挿通孔１３ｂと該ボルト挿通孔に連通する金具
のボルト穴２１ｃ、２２ｃに挿入して、角材の反対側の
側面からねじを切った先端が突出してところでワッシャ
ー１６を介してナット１７で締め付けて固定する。

【００１７】同様にして締付けボルト１５´を角材１´
の側面１３´に穿設したボルト挿通孔１３´ｂと該ボル
ト挿通孔に連通する金具のボルト穴２１ｄ、２２ｄに挿
入して、角材の反対側の側面からねじを切った先端が突
出してところでワッシャー１６´を介してナット１７´
で締め付けて固定する。

【００１８】以上説明した実施例では、金具２は左右が
対称の形状をしているが本発明の要旨としては、必ずし
もこれに限るものではない。また、いうまでもないこと
であるが位置合わせピンと角材のピン穴、金具の切り欠
きが一致するような位置関係であることが必要である。
これは締付けボルトと角材のボルト挿通孔、金具のボル
ト穴の間の関係も同様である。

【００１９】

【発明の効果】本発明の木造家屋の構造材接続金具の側
板に一対の拡開する切り欠きを形成したので、構造材の
穿設した深溝に前記金具を挿入すると該深溝に交差する
ピンが切り欠きにより案内されるので容易にに２本の角
材が接続され現場での作業を短時間で行うことができ
る。また、角材に対する加工精度も従来程厳しさは要求
されない。

【００２０】また、前記金具の切り欠きには側板の端縁
側に斜面を設けたので角材を互いに突き合わせる方向に
力が生じ固定が強固になる利点がある。また、金具の側
板には締付け用ボルト穴があるのでボルトを挿通するこ
とにより最終的な固定を行うことができる。

【００２１】また、本発明による木造家屋構造材の接続
方法は、二本の角材を突き合わせた状態で角材に穿設し
た深溝に金具の側板を挿入して降下させるので現場での
作業が簡単である利点がある。

【００２２】また、金具側板の端縁側に切り欠きに斜面
を設けると角材内に設けたピンが案内されるときに該二
本の角材が互いに突き合わせた方向に力が働くので効果
的に接続作業が行われる利点がある。そして金具の側板
には締付け用ボルト穴を設けそこにボルトを挿通するこ
とにより最終的な固定を効果的に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】木造家屋の建築中に本発明の金具を使用した状
態を示す斜視図である。

【図２】二本の角材に本発明の金具を臨ませた状態を示
す斜視図である。

【図３】図２と同様であるが方向を変えて示した斜視図
である。

【図４】本発明の金具の正面図である。

【図５】本発明の金具の側面図である。

【符号の説明】

１、１´ 角材 １１ｂ 深溝 １１ｃ 深溝 ２ 金具 ２１ａ 切り欠き ２１ｂ 切り欠き ２２ａ 切り欠き ２２ｂ 切り欠き ２３ 連結板

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 それぞれ第１と第２の側縁及び第１
   と第２の端縁を有する略矩形の２枚の側版と、該２枚の
   側板を対向するように各第１側縁で連結する連結板を含
   む木造家屋の構造材の固定金具において、各側板の第２
   側縁において拡開する各々一対の案内用切り欠きが形成
   され、前記２枚の側板に形成された１対の案内用切り欠
   きが互いに対向するように位置することを特徴とする木
   造家屋の構造材接続金具。
2. 【請求項２】 前記１対の案内用切り欠きはそれぞ
   れ第１と第２の端縁側に斜面を有することを特徴とする
   請求項１に記載の木造家屋の構造材接続金具。
3. 【請求項３】 前記２枚の側板はそれぞれ締付けボ
   ルト穴を有することを特徴とする請求項２に記載の木造
   家屋の構造材接続金具。
4. 【請求項４】 ２本の断面略同寸法の矩形を有する角
   材の突き合わせ端面の近傍において各角材の上面に浅溝
   を前記突き合わせ端面に開放するように形成し、前記浅
   溝の両側部に１対の深溝を平行に穿接し、各角材の側面
   より前記１対の深溝に交差するように延長するピン穴を
   穿接して各該ピン穴に位置合わせピンを挿通させ、前記
   ２本の角材の端面同士を突き合わせて保持しそれぞれ第
   １と第２の側縁及び第１と第２の端縁を有する略矩形の
   ２枚の側版と、該２枚の側板を対向するように前記第１
   側縁で連結する連結板を含み、各側板の第２側縁におい
   て拡開する各々１対の案内用切り欠きが形成され、前記
   ２枚の側板に形成された１対の案内用切り欠きが互いに
   対向するように位置する形成した接続金具を前記２本の
   角材の浅溝の上から臨ませ、前記接続金具の前記２枚の
   側板を前記１対の深溝に挿入して前記案内用切り欠きを
   前記位置合わせピンに沿って降下させて案内して金具を
   停止した後固定するステップからなることを特徴とする
   木造家屋構造材の接続方法。
5. 【請求項５】 前記接続金具の各側板の前記１対
   の切り欠きの第１と第２の端面側に斜面を形成すること
   を含むことを特徴とする請求項４に記載の木造家屋構造
   材の接続方法。
6. 【請求項６】 前記２枚の側板にそれぞれボルト
   穴を穿設すると共に前記角材の側面より前記ボルト穴に
   連通するボルト挿通孔を穿設して該ボルト挿通孔と該ボ
   ルト穴に締付けボルトを挿入して固定することを特徴と
   する請求項５項に記載の木造家屋構造材の接続方法。