JP2000052754A - 車両用空気調和装置 - Google Patents

車両用空気調和装置

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JP2000052754A
JP2000052754A JP10226203A JP22620398A JP2000052754A JP 2000052754 A JP2000052754 A JP 2000052754A JP 10226203 A JP10226203 A JP 10226203A JP 22620398 A JP22620398 A JP 22620398A JP 2000052754 A JP2000052754 A JP 2000052754A
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temperature
pressure
low
air conditioner
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Katsumasa Hayakawa
勝政 早川
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷媒系が過剰冷媒又は過少冷媒の状態にある
ことを容易に検知できるようにした車両用空気調和装置
を提供する。 【解決手段】 低温低圧のガス冷媒を圧縮するエンジン
駆動の圧縮機1と、圧縮機1から供給された高温高圧の
ガス冷媒を外気で冷却するコンデンサ2と、コンデンサ
2で凝縮された冷媒を気液分離させるレシーバ3と、レ
シーバ3から送られてきた液冷媒を減圧膨張させる膨張
弁5と、膨張弁5から低温低圧の液冷媒を受け導入した
空気と熱交換して冷却及び除湿するエバポレータ6とを
具備して冷媒系が構成され、膨張弁5の上流側にレシー
バ3から送られてきた液冷媒の温度を検出する温度セン
サ8及び圧力を検出する圧力センサ7を設けると共に、
エンジンの回転数、温度センサ8で検出した温度、及び
圧力センサ7で検出した圧力の入力を受けて過冷却度を
検知する制御部10を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バス、トラック及
び乗用車などの各種車両に装備される車両用空気調和装
置に係り、特に、過剰冷媒及び過少冷媒を検知すること
ができるようにした車両用空気調和装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】車両用空気調和装置は、冷房運転及び暖
房運転を行って快適な車室内環境を提供するものである
が、車体の限られたスペースを有効に利用して設置する
必要があるため、小型・軽量化が求められている。この
ような車両用空気調和装置の従来例として、バス用の空
気調和装置を簡単に説明する。
【0003】冷房運転では、エバポレータを通過するこ
とで冷媒と熱交換して冷却・除湿された空調空気が、ブ
ロアの作動によって車室内に設置された冷房ダクト内を
送風され、冷房ダクトに設けられた各吹出口から車室内
へ向けて吹き出される。このエバポレータに低温低圧の
液冷媒を供給する冷媒系は、低温低圧のガス冷媒を圧縮
機で圧縮して高温高圧のガス冷媒とし、このガス冷媒を
コンデンサへ送って外気で冷却する。コンデンサで凝縮
された冷媒はレシーバで気液分離させられ、液冷媒がレ
シーバから膨張弁に送られて減圧膨張することで低温低
圧の液冷媒となり、再度エバポレータへ供給される冷凍
サイクルを構成している。
【0004】暖房運転では、加熱源としてエンジン冷却
水がヒータコアに導入され、このヒータコアを通過して
温められた空気が、ブロアの作動によって車室内に設置
された暖房ダクト内を送風され、暖房ダクトに設けられ
た各吹出口から車室内へ向けて吹き出される。なお、路
線バスなどでは、車室内の適所に設置した複数の放熱器
を結んでエンジン冷却水を直接循環させる方式を採用し
たものもある。
【0005】バスに装備されている空気調和装置には、
主として大型の観光バスに採用されているサブエンジン
方式と、主として路線バスや小型バスなどに採用されて
いる直結方式とがある。サブエンジン方式は、車両の走
行用エンジン(メインエンジン)とは別に空気調和装置
専用のエンジン(サブエンジン)を備えたものであり、
このサブエンジンの駆動力を利用して冷媒系の圧縮機な
どを運転するように構成されている。このサブエンジン
方式の場合、サブエンジンや圧縮機等の主要機器がユニ
ット化され、通常車体中央部の車室下側のスペースに設
置されている。一方、直結方式の車両用空気調和装置
は、乗用車等と同様に車両の走行用エンジンから冷媒系
の圧縮機などに駆動力を得るものである。路線バスの場
合には、圧縮機は車体後部のエンジン近傍に設置され、
エバポレータやコンデンサは車体の屋根上に設置される
ことが多い。また、小型バスの場合には、圧縮機は車体
前部のエンジン近傍に設置され、コンデンサは車体中央
部の車室下側に、そしてエバポレータは車体後部の車室
上部(天井)に設置されることが多い。なお、バスの場
合は通常、冷房用のダクト(冷房ダクト)が車室内の左
右天井付近に配設され、暖房用のダクト(暖房ダクト)
が車室内の左右床面付近に配設されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両用空気
調和装置の場合、設置スペースが限られているため装置
全体の小型・軽量化が求められているのは前述した通り
であるが、従って、冷凍サイクルを構成する冷媒系のレ
シーバ容量を大きくすることも困難である。このため、
冷媒の過大なチャージに対しては運転点が変わり、圧縮
機運転範囲の縮小化による不冷などが発生していた。ま
た、このような冷媒の過大チャージを原因とする不冷を
診断する作業は熟練を要するものであり、従って経験者
が必要とされている。これとは逆に、冷媒漏れなどの理
由により過少冷媒となって冷え不足になった場合も、一
般のユーザにとってはその判断が困難であり、過少冷媒
の状態にあることに気が付かない場合が多い。このよう
な過少冷媒の状態で冷房運転を続けると、冷媒と共に循
環する潤滑油が十分に供給されなくなるので、圧縮機に
故障が生じやすくなるという不具合がある。
【0007】そこで本発明は、冷媒系が過剰冷媒又は過
少冷媒の状態にあることを容易に検知できるようにした
車両用空気調和装置の提供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明においては以下の手段を採用した。請求項1に
記載の車両用空気調和装置は、低温低圧のガス冷媒を圧
縮するエンジン駆動の圧縮機と、該圧縮機から供給され
た高温高圧のガス冷媒を外気で冷却するコンデンサと、
該コンデンサで凝縮された冷媒を気液分離させるレシー
バと、該レシーバから送られてきた液冷媒を減圧膨張さ
せる膨張弁と、該膨張弁から低温低圧の液冷媒を受け導
入した空気と熱交換して冷却及び除湿するエバポレータ
とを具備して冷媒系が構成され、前記膨張弁の上流側に
前記レシーバから送られてきた液冷媒の温度を検出する
温度検出手段及び圧力を検出する圧力検出手段を設ける
と共に、前記エンジンの回転数、前記温度検出手段で検
出した温度、及び前記圧力検出手段で検出した圧力の入
力を受けて過冷却度を判断する制御部を設けたことを特
徴とするものである。
【0009】このような車両用空気調和装置によれば、
圧縮機を駆動するエンジン回転数に応じて、膨張弁上流
側で検出した液冷媒の温度及び圧力から過冷却度を検知
することが可能になる。
【0010】請求項2に記載の車両用空気調和装置は、
前記制御部が、前記圧力検出手段の検出値から算出した
圧力飽和温度と前記温度検出手段で検出した温度との差
から前記過冷却度を検知することを特徴とするものであ
る。
【0011】このような車両用空気調和装置によれば、
過冷却度を温度として算出することができる。
【0012】請求項3に記載の車両用空気調和装置は、
前記制御部が、所定のエンジン回転数で前記過冷却度を
検知することを特徴とするものである。
【0013】このような車両用空気調和装置によれば、
エンジン回転数の変化に左右される過冷却度を所定のエ
ンジン回転数で検知するようにしたので、エンジン回転
数に応じた検知を実施する場合と比較して制御が極めて
容易になる。
【0014】請求項4に記載の車両用空気調和装置は、
前記制御部が、所定値以上の過冷却度を検知した場合に
過剰冷媒と判断して過剰冷媒警報を出力することを特徴
とするものである。過剰冷媒警報としては、ランプ表示
や数値表示などのように視覚から入る警報、ブザーやチ
ャイムなどのように聴覚から入る警報、又は視覚及び聴
覚の両方を併用した警報が好適である。
【0015】このような車両用空気調和装置によれば、
過剰冷媒警報の出力により、冷媒系が過剰冷媒の状況に
あることを容易に知ることができる。
【0016】請求項5に記載の車両用空気調和装置は、
前記制御部が、所定値以下の過冷却度を検知した場合に
過少冷媒と判断して過少冷媒警報を出力することを特徴
とするものである。過少冷媒警報としては、ランプ表示
や数値表示などのように視覚から入る警報、ブザーやチ
ャイムなどのように聴覚から入る警報、又は視覚及び聴
覚の両方を併用した警報が好適である。
【0017】このような車両用空気調和装置によれば、
過少冷媒警報の出力により、冷媒系が過少冷媒の状況に
あることを容易に知ることができる。
【0018】請求項6に記載の車両用空気調和装置は、
点検スイッチを設けると共に、該点検スイッチをオンに
した冷媒充填作業時及び過剰冷媒抜き作業時に、冷媒量
が適正範囲内にあることを告知する手段を設けたことを
特徴とするものである。告知の手段としては、ランプ表
示や数値表示などのように視覚から入る告知、ブザーや
チャイムなどのように聴覚から入る告知、又は視覚及び
聴覚の両方を併用した告知が好適である。
【0019】このような車両用空気調和装置によれば、
作業者は冷媒充填量が適正範囲内にあることを容易に知
ることができ、冷媒の過剰充填や抜きすぎを防止でき
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態を
示す直結方式の空気調和装置における冷媒系の系統図で
あり、図中の符号1は圧縮機、2はコンデンサ、3はレ
シーバ、4はドライヤ・ストレーナ、5は膨張弁、6は
エバポレータである。
【0021】圧縮機1は、駆動源のエンジンEからベル
ト1a及び圧縮機用クラッチ1bを介して駆動力を受
け、低温低圧のガス冷媒を圧縮してコンデンサ2へ高温
高圧のガス冷媒を供給する。なお、圧縮機用クラッチ1
bは、圧縮機1の運転が必要な場合に接続されてエンジ
ンEの駆動力の一部を圧縮機1に利用し、圧縮機1の運
転が不要の場合は断続される。コンデンサ2へ供給され
た高温高圧のガス冷媒は、外気との熱交換によって冷却
され、凝縮して気液2相の冷媒となる。なお、コンデン
サ2は電動のコンデンサファン2aを備えており、該コ
ンデンサファン2aの運転によって外気の通貨量がます
ので、コンデンサ2の凝縮能力を増すことができる。気
液2相の冷媒は、続いてレシーバ3へ送られて気液の分
離がなされる。そして、高温高圧の液冷媒がドライヤ・
ストレーナ4を通過して液冷媒中の水分及び異物が除去
される。
【0022】ドライヤ・ストレーナ4で水分及び異物を
除去された高温高圧の液冷媒は、この後膨張弁5へ送ら
れる。膨張弁5に送られた液冷媒は、膨張弁5内で減圧
膨張し、低温低圧の液冷媒となってエバポレータ6へ供
給される。エバポレータ6に供給された低温低圧の液冷
媒は、ブロア6aに吸引されてエバポレータ6を通過す
る空気と熱交換して冷却及び除湿する。この熱交換によ
って低温低圧のガス冷媒となった冷媒は、圧縮機1へ戻
って再度圧縮され、以下このような反時計廻りの循環を
繰り返して冷凍サイクルが構成される。
【0023】このように構成された車両用空気調和装置
の冷媒系には、各種の運転制御を実施する制御部10が
設けられている。この制御部10には、膨張弁5の上流
側で検出した高温高圧の液冷媒の圧力及び温度から、エ
ンジンEの回転数に応じて過冷却度を検知するため、飽
和温度演算手段11及び比較手段12が設けられてい
る。
【0024】上述した冷媒系には、レシーバ3から送ら
れてきた高温高圧の液冷媒の圧力検出手段として、圧力
センサ7がドライヤ・ストレーナ4と膨張弁5との間に
設けられている。この圧力センサ7で検出した圧力の検
出値(以下、液冷媒圧力PLと呼ぶ)は、制御部10内
の飽和温度演算手段11に入力される。そして、ドライ
ヤ・ストレーナ4と膨張弁5との間にはさらに、高温高
圧の液冷媒の温度検出手段として、温度センサ8が設け
られている。この温度センサ8で検出した温度の検出値
(以下、液冷媒温度TL と呼ぶ)は、制御部10ないの
比較手段12へ入力される。また、制御部10には、圧
縮機1を駆動しているエンジンEの回転数Ne も入力さ
れる。
【0025】符号の13は警報部を示し、制御部10で
検知した過冷却度に応じて出力される過剰冷媒警報、過
少冷媒警報及び適正冷媒の信号を受けて、警報を発する
機能を有するものである。具体的には、たとえばランプ
表示や数値表示などのように視覚に訴えて警報を発する
もの(以下、視覚警報と呼ぶ)や、たとえばブザー、チ
ャイム又は音声などのように聴覚に訴えて警報を発する
もの(以下、聴覚警報と呼ぶ)がある。また、場合によ
っては、視覚警報と聴覚警報とを併用してもよい。図示
の例では、警報部13が制御部10と別体になっている
が、一体に組み込まれたものでもよい。一般的には、制
御部10と運転席又は作業場所との位置関係で決まり、
特に視覚警報の場合は、運転席や作業場所に近く見やす
い場所に設ける必要があるため、別体となることが多
い。
【0026】符号の14は、冷媒充填作業時又は過剰冷
媒抜き作業時に操作してオンにする点検スイッチであ
り、制御部10と接続されている。なお、図中の符号9
aは圧縮機1の出口付近に設けられた高圧圧力スイッ
チ、9bは圧縮機1の入口付近に設けられた低圧圧力ス
イッチを示している。
【0027】続いて、飽和温度演算手段11及び比較手
段12を中心に制御部10の処理を図2のフローチャー
トに基づいて説明する。ここでは、冷媒充填又は過剰冷
媒抜き作業の場合を示してあり、点検スイッチ14はオ
ンになっている。そして、圧縮機1を駆動するエンジン
Eからエンジン回転数Ne が入力され、このエンジン回
転数Ne が所定値か否かを判断する。これは、過冷却度
Tc がエンジン回転数Ne の変化によって左右されるた
め実施するものである。なお、任意のエンジン回転数N
e に応じて過冷却度を算出することも勿論可能ではある
が、エンジン回転数Ne と過冷却度の関係をマップ化す
るなどの処理が必要となり、以後の制御が複雑になる。
【0028】さて、入力されたエンジン回転数Ne が所
定値であれば、次のステップでは、飽和温度演算手段1
1に圧力センサ7から入力された液冷媒圧力PL から液
冷媒の圧力飽和温度Th を算出する。この圧力飽和温度
h は、後述するモリエル線図から求めることができ、
その単位は℃である。
【0029】次のステップでは、算出された圧力飽和温
度Th が比較手段12に入力され、同様に温度センサ8
から入力された液冷媒温度TL との差から、下記の数式
により過冷却度Tc が算出される。なお、過冷却度度T
c 及び冷媒液温度TL の単位は圧力飽和温度Th と同様
に℃である。 過冷却度Tc = 圧力飽和温度Th − 液冷媒温度TL ・・・(数式1)
【0030】こうして算出された過冷却度Tc は、次の
ステップで所定値t1以上か否かを判定される。そし
て、過冷却度Tc が所定値t1以上の場合には、冷媒系
の冷媒量が過剰な状態にあると判断して過剰冷媒警報を
出力する。一方、過冷却度Tc が所定値t1以上でない
場合には、次のステップで過冷却度Tc が所定値t2以
下か否かを判定する。そして、過冷却度Tc が所定値t
2以下であれば、冷媒系の冷媒量が過少な状態にあると
判断して過少冷媒警報を出力する。また、過冷却度Tc
が所定値t2以下でない場合には、冷媒系の冷媒量は所
定の範囲内にあって適正冷媒の状態にあると判断され
る。このような適正冷媒の状態で警報部13を作動させ
ると、冷媒補充作業時又は過剰冷媒抜き作業時に、作業
者は冷媒が適正量になったことを容易に知ることができ
る。
【0031】すなわち、過冷却度Tc がt2<Tc <t
1の条件を満たす場合が適正冷媒となり、一般的には過
冷却度Tc が(5±2)℃程度が適正といわれている。
このため、たとえば所定値t2は2℃程度に設定し、所
定値t1は8℃程度に設定するのが好ましい。
【0032】以上の説明では、冷媒補充作業時又は過剰
冷媒抜き作業時に点検スイッチ14をオンにして過冷却
度Tc を検知し、冷媒補充や冷媒抜き取りの行き過ぎを
防止するのに利用していたが、過剰冷媒警報又は過少冷
媒警報の出力により警報部13を作動させると、車両の
走行中などでも冷媒量の異常を検知できる。
【0033】ここで、図3にモリエル線図上での冷凍サ
イクルを示し、上述した過冷却度について簡単に説明す
る。図3では、縦軸が冷媒の圧力P、横軸がエンタルピ
iである。エンタルピiは、その物質が保有する熱的な
総エネルギであり、冷媒に外から与えられた熱量、仕事
量がそのままエンタルピiの変化量として求まる指標で
ある。そして、このモリエル線図には、加熱した時どの
領域からガスが発生するかがわかる飽和液線、ガス冷媒
を冷却した時どの領域から凝縮が始まるかがわかる飽和
蒸気線が描かれる。そして、飽和液線の左側が過冷却を
持った領域となり、また、飽和蒸気線の右側は過熱度を
持ったガス領域となる。二つの線の間は液とガスが共存
する飽和の状態であり、この間は温度と圧力は飽和圧力
温度特性より一義的に決まる。
【0034】基本的な冷凍サイクルの挙動は、図3のモ
リエル線図上において、下記のようになる。 (1)圧縮機1は、エバポレータ6で蒸発したガス冷媒
を吸い込み圧縮することになるが、理想的な断熱圧縮で
は、等エントロピで圧縮されるため、右上がりで変化
(a点→b点)する。ガス冷媒は、仕事をされた分圧力
もエンタルピも増加することになる。 (2)コンデンサ2ではb点からc点に変化するが、圧
力は一定でガス冷媒が冷却される。まず、過熱ガスが冷
やされて飽和ガスに、それから凝縮が始まり、出口では
完全に液化する。 (3)膨張弁5の絞りでは熱の出入りがなく、エンタル
ピは一定でc点からd点に変化する。この熱い液冷媒が
急激に減圧されるが、減圧後の低圧側では低い飽和蒸気
圧であるため、冷媒自信が蒸発し液温を下げる必要が生
じる。従って、エバポレータ6の入口d点では、おおよ
そ3〜4割がガス冷媒の気液2相となっている。 (4)エバポレータ6では、その残りである6〜7割の
低温低圧の液冷媒が一定圧力のもと周囲から吸熱し、蒸
発することにより出口では全てガスになる。
【0035】さて、飽和液線の左側の領域が過冷却を持
った領域であることはすでに説明したが、c点及びd点
がそれぞれc´点及びd´点に移動した実際の冷凍サイ
クルの場合、c点における圧力飽和温度Th とc´点に
おける液冷媒温度TL との差が過冷却度Tc であり、こ
の過冷却度Tc は(5±2)℃程度が適正範囲であるこ
とはすでに説明した通りである。しかし、冷媒が過剰な
状況にあると、コンデンサ2における変化が高い圧力で
行われることになり、B点からC点への変化は、2点鎖
線で示すように上方へ移動している。このような状況で
は、C1 (飽和液線との交点)点における圧力飽和温度
Th とC点における液冷媒温度TL との差が過冷却度T
c となり、従って過冷却度Tc が大きくなっていること
がわかる。これとは反対に、冷媒が過少な状態になる
と、コンデンサ2における変化は下方へ移動(図示省
略)するので、飽和蒸気液線との交点は左側に移動して
圧力飽和温度Th が下がり、過冷却度Tc は小さくなる
ことがわかる。
【0036】上述したように、過冷却度Tc を検知して
過剰冷媒警報及び過少冷媒警報を出力することができる
ようにしたので、一般ユーザであっても過剰冷媒や過少
冷媒の状況を容易に知ることができる。この後、専門家
に依頼して冷媒漏れの有無などを確認してもらい、修理
が必要な場合には適切に処置した後、過剰冷媒を抜き取
ったり、あるいは冷媒の不足分を補充したりして、適正
冷媒の状態にすることができるようになる。
【0037】
【発明の効果】上述した本発明の車両用空気調和装置に
よれば、下記のような効果を奏する。 (1)過剰冷媒を容易かつ速やかに検知することができ
るので、過剰冷媒を抜いて適正冷媒の状態にするという
処置を早急に実施することができる。従って、高圧圧力
スイッチ9aが作動することで高圧カットされるという
空気調和装置の異常停止が防止され、また、圧縮機運転
範囲の縮小化による不冷も防止することができる。 (2)過少冷媒を容易かつ速やかに検知することができ
るので、冷媒を補充して適正冷媒の状態にするという処
置を早急に実施することができる。従って、過少冷媒で
運転を続けることによる潤滑不足を防止でき、これを原
因とする圧縮機の故障を未然に防止することができる。
また、冷媒不足が原因の冷え不足も解消されるので、空
気調和装置を効率よく運転することができるようにな
り、結果的に燃費向上にも貢献できる。 (3)冷媒の充填、不足冷媒の補充及び過剰冷媒の抜き
取り作業時には、適正冷媒の状態になったことを警報で
知ることができるので、作業者は適正冷媒の判断を容易
かつ確実に行うことができ、作業性が大きく向上する。
従って、過剰な充填、抜き取りを未然に防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す空気調和装置におけ
る冷媒系の系統図である。
【図2】制御部10のフローチャートで、主として飽和
温度演算手段及び比較手段における処理を示している。
【図3】モリエル線図上での冷凍サイクルを示す図であ
る。
【符号の説明】
1 圧縮機 2 コンデンサ 3 レシーバ 5 膨張弁 6 エバポレータ 7 圧力センサ(圧力検出手段) 8 温度センサ(温度検出手段) 10 制御部 11 飽和温度演算手段 12 比較手段 13 警報部 14 点検スイッチ E エンジン

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低温低圧のガス冷媒を圧縮するエンジン
    駆動の圧縮機と、該圧縮機から供給された高温高圧のガ
    ス冷媒を外気で冷却するコンデンサと、該コンデンサで
    凝縮された冷媒を気液分離させるレシーバと、該レシー
    バから送られてきた液冷媒を減圧膨張させる膨張弁と、
    該膨張弁から低温低圧の液冷媒を受け導入した空気と熱
    交換して冷却及び除湿するエバポレータとを具備して冷
    媒系が構成され、前記膨張弁の上流側に前記レシーバか
    ら送られてきた液冷媒の温度を検出する温度検出手段及
    び圧力を検出する圧力検出手段を設けると共に、前記エ
    ンジンの回転数、前記温度検出手段で検出した温度、及
    び前記圧力検出手段で検出した圧力の入力を受けて過冷
    却度を検知する制御部を設けたことを特徴とする車両用
    空気調和装置。
  2. 【請求項2】 前記制御部が、前記圧力検出手段の検出
    値から算出した圧力飽和温度と前記温度検出手段で検出
    した温度との差から前記過冷却度を検知することを特徴
    とする請求項1に記載の車両用空気調和装置。
  3. 【請求項3】 前記制御部が、所定のエンジン回転数で
    前記過冷却度を検知することを特徴とする請求項1又は
    請求項2のいずれかに記載の車両用空気調和装置。
  4. 【請求項4】 前記制御部が、所定値以上の過冷却度を
    検知した場合に過剰冷媒と判断して過剰冷媒警報を出力
    することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれ
    かに記載の車両用空気調和装置。
  5. 【請求項5】 前記制御部が、所定値以下の過冷却度を
    検知した場合に過少冷媒と判断して過少冷媒警報を出力
    することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれ
    かに記載の車両用空気調和装置。
  6. 【請求項6】 点検スイッチを設けると共に、該点検ス
    イッチをオンにした冷媒充填作業時及び過剰冷媒抜き作
    業時に、冷媒量が適正範囲内にあることを告知する手段
    を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のい
    ずれかに記載の車両用空気調和装置。
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