JP2009126300A - 冷凍サイクル装置及びそれを備えた車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低圧冷媒配管の圧力損失を低減できる冷凍サイクル装置及びそれを備えた車両用空調装置を提供する。
【解決手段】圧縮機16と、凝縮器17と、前席側膨張弁19と、前席側蒸発器15と、前席側膨張弁19と並列に設けられた後席側膨張弁32と、前席側蒸発器15と並列に設けられた後席側蒸発器28と、後席側蒸発器28で蒸発した冷媒を圧縮機16に戻す低圧冷媒配管57とを備え、低圧冷媒配管57は、後席側蒸発器28の出口側に一端側が接続されて概ね下方に延びる立下がり部57aと、立下がり部57aの他端側に一端側が接続されて概ね水平方向に延びる水平部57bと、水平部57bの他端側に一端側が接続されて概ね上方に延び、圧縮機16の入口側又は低圧冷媒配管54に他端側が接続された立上がり部57cとを有し、立下がり部57aの管径は、立上がり部57cの管径よりも大きくなるように構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、並列に設けられた2つ以上の蒸発器を有する冷凍サイクル装置及びそれを備えた車両用空調装置に関する。
特許文献1には、車室内の前席側を空調する前席側空調ユニットと後席側を空調する後席側空調ユニットとを備えたいわゆるデュアルエアコン型の車両用空調装置が開示されている。この車両用空調装置では、冷凍サイクル装置の蒸発器が前席側及び後席側にそれぞれ独立して並列に設けられており、圧縮機と凝縮器は前席側及び後席側で共通使用されている。
またこの車両用空調装置では、前席側空調ユニットが単独運転しているときに、冷凍サイクル内を冷媒と共に循環する潤滑オイルが後席側の蒸発器や低圧冷媒配管に溜まってしまうのを防止するため、潤滑オイル回収制御が行われるようになっている。この潤滑オイル回収制御では、前席側空調ユニットの単独運転時であって圧縮機が長時間継続して作動しているときに、圧縮機の強制的な断続運転を所定の時間間隔で行うようになっている。これにより、まとまった流量の冷媒を後席側蒸発器に流入させることができるため、後席側の蒸発器や低圧冷媒配管に溜まった潤滑オイルが冷媒流れによって圧縮機の吸入側に戻るようになっている。
特開2000−283576号公報
近年では、後席側の低圧冷媒配管に潤滑オイルが溜まってしまうのをより確実に防ぐために、後席側低圧冷媒配管の管径が全体に亘って比較的小さく設定される場合がある。これにより、低圧冷媒配管内での冷媒の流速が高まるため、潤滑オイルは冷媒と共に圧縮機側に戻り易くなる。
しかしながら、後席側の低圧冷媒配管の管径が小さくなると、後席側低圧冷媒配管の圧力損失が大きくなってしまう。したがって、前席側及び後席側の双方の空調ユニットが作動するデュアル運転時において十分な流量の冷媒を後席側に流すことができず、後席側空調ユニットの冷房能力が低下してしまうという問題が生じる。
本発明の目的は、低圧冷媒配管の圧力損失を低減できる冷凍サイクル装置及びそれを備えた車両用空調装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明は、冷媒を圧縮し吐出する圧縮機(16)と、圧縮機(16)から吐出された冷媒を冷却し凝縮させる凝縮器(17)と、凝縮器(17)で凝縮した冷媒を減圧膨張させる第1の減圧手段(19)と、第1の減圧手段(19)で減圧膨張した冷媒を蒸発させる第1の蒸発器(15)と、第1の蒸発器(15)で蒸発した冷媒を圧縮機(16)に戻す第1の冷媒配管(54)と、第1の減圧手段(19)と並列に設けられ、凝縮器(17)で凝縮した冷媒を減圧膨張させる第2の減圧手段(32)と、第1の蒸発器(15)と並列に設けられ、第2の減圧手段(32)で減圧膨張した冷媒を蒸発させる第2の蒸発器(28)と、第2の蒸発器(28)で蒸発した冷媒を圧縮機(16)に戻す第2の冷媒配管(57)とを備え、第2の冷媒配管(57)は、第2の蒸発器(28)の出口側に一端側が接続されて概ね下方に延びる立下がり部(57a)と、立下がり部(57a)の他端側に一端側が接続されて概ね水平方向に延びる水平部(57b)と、水平部(57b)の他端側に一端側が接続されて概ね上方に延び、圧縮機(16)の入口側又は第1の冷媒配管(54)に他端側が接続された立上がり部(57c)とを有し、立下がり部(57a)の管径は、立上がり部(57c)の少なくとも一部の管径よりも大きいことを特徴としている。
これにより、立下がり部(57a)での圧力損失を低減できるため、第2の冷媒配管(57)全体としての圧力損失を低減できる。立下がり部(57a)では冷媒や潤滑オイルが重力に従う方向に流れるため、立下がり部(57a)の管径が大きくても潤滑オイルの圧縮機(16)への戻り量不足が生じてしまうおそれは少ない。
一方、立上がり部(57c)の少なくとも一部の管径を小さくすることにより、立上がり部(57c)での冷媒の流速を向上できるため、潤滑オイルの圧縮機(16)への戻り量不足を防止できる。
請求項2に記載の発明は、立下がり部(57a)の管径は、立上がり部(57c)のほぼ全体の管径よりも大きいことを特徴としている。
立上がり部(57c)のほぼ全体の管径を比較的小さくすることにより、立上がり部(57c)での冷媒の流速を向上できるため、潤滑オイルの圧縮機(16)への戻り量不足をより確実に防止できる。
請求項3に記載の発明は、立下がり部(57a)の管径は、水平部(57b)の管径よりも大きいことを特徴としている。
水平部(57b)の管径を比較的小さくすることにより水平部(57b)での冷媒の流速を向上できるため、潤滑オイルの圧縮機(16)への戻り量不足をより確実に防止できる。
請求項4に記載の発明は、水平部(57b)の管径は、立上がり部(57c)の管径よりも大きいことを特徴としている。
水平部(57b)の管径を比較的大きくすることにより水平部(57b)での圧力損失を低減できるため、第2の冷媒配管(57)全体としての圧力損失を低減できる。水平部(57b)では冷媒や潤滑オイルが重力の向きにほぼ垂直な方向に流れるため、水平部(57b)の管径が大きくても潤滑オイルの圧縮機(16)への戻り量不足が生じてしまうおそれは少ない。
請求項5に記載の発明は、立下がり部(57a)の管径は、第1の冷媒配管(54)の管径よりも大きいことを特徴としている。
立下がり部(57a)の管径をさらに大きくすることにより立下がり部(57a)での圧力損失を低減できるため、第2の冷媒配管(57)全体としての圧力損失を低減できる。
請求項6に記載の発明は、水平部(57b)の管径は、第1の冷媒配管(54)の管径よりも大きいことを特徴としている。
水平部(57b)の管径をさらに大きくすることにより水平部(57b)での圧力損失を低減できるため、第2の冷媒配管(57)全体としての圧力損失を低減できる。
請求項7に記載の発明は、第2の蒸発器(28)は、立下がり部(57a)の一端側が接続され、立下がり部(57a)に対し冷媒を下向きに流出させる流出口(28a)を有していることを特徴としている。
これにより、第2の蒸発器(28)内の冷媒や潤滑オイルが立下がり部(57a)側に流出し易くなるため、冷媒や潤滑オイルが第2の蒸発器(28)内に溜まってしまうことを防止できる。
請求項8に記載の発明は、車両(10)に搭載される車両用空調装置であって、上記発明の冷凍サイクル装置と、車両(10)の車室(11)内前席側を空調する前席側空調ユニット(12)と、車室(11)内後席側を空調する後席側空調ユニット(25)とを備え、第1の蒸発器(15)は前席側空調ユニット(12)に配置され、第2の蒸発器(28)は後席側空調ユニット(25)に配置されていることを特徴としている。
これにより、後席側にも十分な流量の冷媒を流すことができるため、後席側空調ユニット(25)の冷房能力を向上できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係の一例を示している。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1乃至図7を用いて説明する。図1は、本実施形態における冷凍サイクル装置及び車両用空調装置をミニバンタイプの乗用車に適用した場合の配置構成を示す模式図である。図1に示すように、ミニバンタイプの車両10の車室11内には、前席(運転席及び助手席)と、その後方の2列目及び3列目の座席(後席)とが配置されている。車室11は、車両前後方向に比較的長い空間を形成している。
車両用空調装置は、車室11内前席側の領域を空調する前席側空調ユニット12を有している。前席側空調ユニット12は、車室11内の最前部の計器盤(図示せず)の内側に配設されている。前席側空調ユニット12は、空気通路を形成するケース13を有している。ケース13の上流部には送風機14が配置されている。送風機14は、図示しない内外気切替箱から切替導入される内気又は外気を車室11側に向かって送風するようになっている。送風機14の空気流れ下流側には、送風空気を冷却する冷却用熱交換器として、後述する前席側蒸発器(第1の蒸発器)15が配置されている。前席側蒸発器15の空気吹出部には、蒸発器吹出温度を検出する温度センサ21が配置されている。
前席側蒸発器15の空気流れ下流側には、車両エンジン(図示せず)を冷却する冷却水(温水)との熱交換により空調空気を加熱するヒータコア22が配置されている。このヒータコア22の側方にはバイパス通路23が形成されている。そして、ヒータコア22に隣接して、板状のエアミックスドア24が回動可能に配置されている。エアミックスドア24の回動位置の選択により、ヒータコア22を通過して加熱される温風とバイパス通路23を通過する冷風との風量割合が調整されて吹出空気温度が調整される。
前席側空調ユニット12の下流端には、図示しないデフロスタ開口部、フェイス開口部及びフット開口部が開口されている。これらの開口部は、図示しない吹出モードドアにより切替開閉される。デフロスタ開口部を通過した空調空気は車両窓ガラスの内面に吹き出され、フェイス開口部を通過した空調空気は前席乗員の上半身側に吹き出され、フット開口部を通過した空調空気は前席乗員の下半身側に吹き出される。
また車両用空調装置は、車室11内後席側の領域を空調する後席側空調ユニット25を有している。後席側空調ユニット25は、車室11内の後部、例えば後席の側方部位等に配置されている。後席側空調ユニット25のケース26内には、内気を吸入して送風する送風機27が設けられている。送風機27の空気流れ下流側には、後述する後席側蒸発器(第2の蒸発器)28が配置されている。
後席側蒸発器28の空気流れ下流側には、車両エンジンからの温水との熱交換により空調空気を加熱するヒータコア29が配置されている。ヒータコア29の側方にはバイパス通路30が形成されている。そして、ヒータコア29に隣接して、板状の冷風バイパスドア31が回動可能に配置されている。バイパス通路30は、後席側空調ユニット25の吹出モードと風量レベルとに基づいて、冷風バイパスドア31により開閉される。
後席側蒸発器28よりも空気流れ下流側でヒータコア29よりも空気流れ上流側には、後席側フェイス開口部36及び吹出モードドア37が配置されている。後席側フェイス開口部36は、後席側空調ユニット25の吹出モードに基づいて吹出モードドア37により開閉される。後席側フェイス開口部36には、後席側フェイスダクト38が接続されている。後席側フェイスダクト38の下流端には、天井吹出口38aが設けられている。これにより、後席側蒸発器28で冷却されて後席側フェイス開口部36を通過した冷風は、天井吹出口38aを介して後席乗員の頭部等の上半身側に向かって吹き出されるようになっている。
ヒータコア29及びバイパス通路30の空気流れ下流側には、後席側フットダクト39が接続されている。後席側フットダクト39の下流端には、後席側フット吹出口39aが設けられている。これにより、ヒータコア29で加熱された温風は、後席側フット吹出口39aを介して後席乗員の足元等の下半身側に向かって吹き出されるようになっている。
図2は、本実施形態における冷凍サイクル装置の概略構成を示す模式図である。図2の上下方向は、概ね鉛直上下方向を表している。また図2では、冷媒の流れ方向を矢印で表している。図2に示すように、冷凍サイクル装置Rは、電磁クラッチ16aを介して車両エンジンにより駆動される圧縮機16を備えている。圧縮機16は、冷媒を高温高圧に圧縮して吐出するようになっている。圧縮機16の吐出側は、例えばアルミニウム製の高圧冷媒配管50を介して凝縮器17に接続されている。圧縮機16から吐出されたガス冷媒は凝縮器17に流入し、不図示の冷却ファンにより送風される外気との熱交換により冷却されて凝縮するようになっている。
凝縮器17の出口側は、例えばアルミニウム製の高圧冷媒配管51を介して受液器18(図2では図示せず)に接続されている。凝縮器17で凝縮した冷媒は受液器18に流入し、液相冷媒と気相冷媒とに分離される。このうち液相冷媒は、受液器18内に貯留される。受液器18の出口側は、例えばアルミニウム製の高圧冷媒配管52を介して温度式の前席側膨張弁(第1の減圧手段)19に接続されている。受液器18から前席側膨張弁19に流入した液冷媒は、減圧されて低圧の気液2相冷媒となる。
前席側膨張弁19の出口側は、例えばアルミニウム製の低圧冷媒配管53を介して前席側蒸発器15に接続されている。前席側膨張弁19で減圧された低圧冷媒は、前席側蒸発器15に流入し、空調空気から吸熱して蒸発するようになっている。前席側蒸発器15の出口側は、例えばアルミニウム製の低圧冷媒配管(第1の冷媒配管)54を介して圧縮機16の吸入側(入口側)に接続されている。前席側蒸発器15で蒸発した低圧冷媒は、圧縮機16に戻って再度圧縮される。
ここで前席側膨張弁19は、前席側蒸発器15出口の冷媒過熱度が所定値に維持されるように弁開度を自動調整するものである。そのため、前席側膨張弁19は、前席側蒸発器15出口の冷媒温度を感知する感温部と、この感温部の感知した冷媒温度に対応した圧力が加えられる第1圧力室と、前席側蒸発器15の冷媒圧力(サイクル低圧)が加えられる第2圧力室と、この第1、第2圧力室を仕切るダイヤフラムとを備え、第1、第2圧力室の圧力差とばね力とに応じてダイヤフラム及び弁体が変位して冷媒流量を調整するようになっている。
冷凍サイクル装置Rのうち、圧縮機16、凝縮器17及び受液器18等の機器は、車室11より前方側のエンジンルーム(エンジンコンパートメント)20内に搭載されている。温度センサ21により検出される蒸発器吹出空気温度が所定値以下に低下すると、不図示の空調用ECUは電磁クラッチ16aへの通電を遮断して圧縮機16の運転を停止する。これにより、前席側蒸発器15のフロストが防止されるようになっている。
また冷凍サイクル装置Rは、前席側膨張弁19及び前席側蒸発器15とそれぞれ並列に設けられた後席側膨張弁(第2の減圧手段)32及び後席側蒸発器28を有している。後席側膨張弁32は、分岐点60で高圧冷媒配管52から分岐する例えばアルミニウム製の高圧冷媒配管55を介して、受液器18の出口側に接続されている。高圧冷媒配管55は、車室11の床面11a下側の床下部35を経由している。後席側膨張弁32は、前席側膨張弁19と同様のものであり、受液器18からの高温高圧の液冷媒を減圧して低温低圧の気液2相冷媒にするようになっている。後席側膨張弁32は、後席側蒸発器28出口の冷媒過熱度が予め設定した所定値に維持されるように弁開度を調整し、冷媒流量を調整するようになっている。
後席側蒸発器28は、例えばアルミニウム製の低圧冷媒配管56を介して後席側膨張弁32の出口側に接続されている。後席側膨張弁32で減圧された低圧冷媒は、後席側蒸発器28に流入し、空調空気から吸熱して蒸発するようになっている。前席側蒸発器15は、例えば横向きに設けられた流出口28bを有している。流出口28bは、床下部35を経由する例えばアルミニウム製の低圧冷媒配管(第2の冷媒配管)57の一端側に接続されている。低圧冷媒配管57の他端側は、合流点61で低圧冷媒配管54に接続されている。これにより、後席側蒸発器28で蒸発した低圧冷媒は流出口28bから流出し、低圧冷媒配管57、54を介して圧縮機16に戻り再度圧縮されるようになっている。
ここで低圧冷媒配管57は、車室11内の後部から床下部35まで概ね下方に延びる立下がり部57aと、床下部35を概ね水平方向に延びる水平部57bと、床下部35からエンジンルーム20内まで概ね上方に延びる立上がり部57cとの大きく分けて3つの部分を有している。本実施形態では、立下がり部57aは後席側蒸発器28の出口側から立下がり点62までの部分であり、水平部57bは立下がり点62から立上がり点63までの部分であり、立上がり部57cは立上がり点63から合流点61までの部分である。
水平部57bは、合流点61よりも所定高さL(例えば600mm程度)だけ低い部位に配置されている。また本実施形態では、水平部57bの立下がり点62と立上がり点63との間の距離をDとし、立下がり点62と立上がり点63との間における最高高さと最低高さとの差をΔhとすると、水平部57bの傾斜度(Δh/D)は10%程度まで許容される。例えば距離Dが2〜3m程度の車両10では、立下がり点62と立上がり点63との間において300mm程度以下の高さの変化が許容される。
低圧冷媒配管57のうち立下がり部57a及び水平部57bの管径は、立上がり部57cの管径よりも大きくなっている(図2では、低圧冷媒配管57の管径の差異を模式的に表している)。例えば、立下がり部57a及び水平部57bは5/8インチ管(D5/8)により構成され、立上がり部57cは1/2インチ管(D1/2)により構成されている。
本実施形態では、冷媒とともに冷凍サイクル内を循環する潤滑オイルが低圧冷媒配管57内等に溜まってしまう潤滑オイル寝込み現象を防ぐために、例えば特許文献1に開示されている潤滑オイル回収制御が行われる。すなわち、後席側空調ユニット25が停止していて前席側空調ユニット12が単独で運転しており、圧縮機16が長時間継続して作動しているときに、空調用ECUの制御により圧縮機16の強制的な断続運転を所定の時間間隔で行うようになっている。これにより、冷凍サイクル内の低圧圧力が変動するため後席側膨張弁32が強制的に開弁させられるので、まとまった流量の冷媒を後席側蒸発器28に流入させることができる。したがって、低圧冷媒配管57に溜まった潤滑オイルを冷媒流れによって圧縮機16の吸入側に戻すことができるようになっている。
ここで、立上がり部57cでは、流れ方向が重力に逆らう方向になるため、潤滑オイルが圧縮機16側に戻り難くなっている。本実施形態では、立上がり部57cの管径が比較的小さくなっているため、立上がり部57cでの冷媒の流速を高めることができる。したがって、冷媒流れによって潤滑オイルの流通が促進され、潤滑オイルをより確実に圧縮機16側に戻すことができるようになる。本実施形態では立上がり部57cの全体の管径を小さくしているが、立上がり部57cの少なくとも一部の管径を小さくすれば立上がり部57cの小管径部分近傍での冷媒の流速を高めることができるため、潤滑オイルの圧縮機16側への戻り量不足を改善できる。
また本実施形態では、立下がり部57a及び水平部57bの管径が比較的大きくなっているため、低圧冷媒配管57全体の管径を小さくした構成に比較すると、低圧冷媒配管57の圧力損失を低減することができる。したがって、前席側空調ユニット12及び後席側空調ユニット25の双方が作動するデュアル運転時においても後席側に流れる冷媒流量を十分に確保できるため、後席側空調ユニット25の冷房能力の低下を防止できる。
潤滑オイル回収制御が行われているときの冷媒及び潤滑オイルは、立下がり部57aでは重力に従う方向に流れ、水平部57bでは重力の向きにほぼ垂直な方向に流れる。このため、立下がり部57aや水平部57bでは、冷媒の流速が比較的低くても潤滑オイルの圧縮機16への戻り量不足が生じてしまうおそれは少ない。
図3は、本実施形態における冷凍サイクル装置の第1の変形例を示す模式図である。図3に示すように、本変形例では、立上がり部57c及び水平部57bの管径が立下がり部57aの管径よりも小さくなっている。これにより、立下がり部57aに比較すると冷媒及び潤滑オイルが流れ難い水平部57bにおいて冷媒の流速を高めることができるため、図2に示した構成(便宜上、本願明細書中では「基本構成」という)よりも潤滑オイルを確実に圧縮機16側に戻すことができる。
図4は、本実施形態における冷凍サイクル装置の第2の変形例を示す模式図である。図4に示すように、本変形例では、立下がり部57a及び水平部57bが基本構成よりも管径の大きい3/4インチ管(D3/4)により構成され、例えば前席側の低圧冷媒配管54の管径よりも大きくなっている。これにより、立下がり部57a及び水平部57bでの圧力損失を基本構成よりもさらに低減することができる。
図5は、本実施形態における冷凍サイクル装置の第3の変形例を示す模式図である。図5に示すように、本変形例では、第2の変形例と比較して、水平部57bの管径が立下がり部57aの管径よりも小さくなっている。これにより、水平部57bでの冷媒の流速を高めることができるため、第2の変形例よりも潤滑オイルを確実に圧縮機16側に戻すことができる。
図6は、本実施形態における冷凍サイクル装置の第4の変形例を示す模式図である。図6に示すように、本変形例では、立上がり部57cの管径が水平部57bの管径よりも小さくなっているとともに、立下がり部57aの管径が水平部57bの管径よりも大きくなっている。これにより、潤滑オイルを確実に圧縮機16側に戻すことができるとともに、低圧冷媒配管54の圧力損失を低減することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態における冷凍サイクル装置について図7を用いて説明する。図7は、本実施形態における冷凍サイクル装置の概略構成を示す模式図である。図7に示すように、本実施形態は、後席側蒸発器28が立下がり部57aに対して冷媒を下向きに流出させる流出口28aを有している点に特徴を有している。ここで、「下向き」とは水平よりも鉛直下方側を意味している。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られるとともに、後席側蒸発器28内の冷媒や潤滑オイルを立下がり部57a側に流出させ易くすることができる。したがって、冷媒や潤滑オイルが後席側蒸発器28内に溜まってしまうことを防止でき、潤滑オイル回収制御を行うまでもなく後席側蒸発器28内での潤滑オイル寝込み現象を回避できるようになる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、低圧冷媒配管57において管径が変化する部分を立下がり点62又は立上がり点63としているが、立下がり部57a、水平部57b又は立上がり部57cの途中で管径が変化するようにしてもよい。
また上記実施形態では、低圧冷媒配管57が合流点61で低圧冷媒配管54に合流し、低圧冷媒配管54を介して圧縮機16の吸入側に接続されているが、低圧冷媒配管57は圧縮機16の吸入側に直接接続されていてもよい。
さらに上記実施形態では、並列に設けられた2つの蒸発器(前席側蒸発器15及び後席側蒸発器28)を有する冷凍サイクル装置を例に挙げたが、冷凍サイクル装置は並列に設けられた3つ以上の蒸発器を有していてもよい。この場合、少なくとも1つの蒸発器の出口側と圧縮機とを接続する低圧冷媒配管において、立下がり部の管径が立上がり部の少なくとも一部の管径よりも大きくなるようにする。
第1実施形態における冷凍サイクル装置及び車両用空調装置の配置構成を示す模式図である。 第1実施形態における冷凍サイクル装置の概略構成を示す模式図である。 第1実施形態における冷凍サイクル装置の第1の変形例を示す模式図である。 第1実施形態における冷凍サイクル装置の第2の変形例を示す模式図である。 第1実施形態における冷凍サイクル装置の第3の変形例を示す模式図である。 第1実施形態における冷凍サイクル装置の第4の変形例を示す模式図である。 第2実施形態における冷凍サイクル装置の概略構成を示す模式図である。
符号の説明
10 車両
11 車室
11a 床面
12 前席側空調ユニット
14、27 送風機
15 前席側蒸発器(第1の蒸発器)
16 圧縮機
17 凝縮器
18 受液器
19 前席側膨張弁(第1の減圧手段)
20 エンジンルーム
25 後席側空調ユニット
28 後席側蒸発器(第2の蒸発器)
28a 流出口
32 後席側膨張弁(第2の減圧手段)
35 床下部
54 低圧冷媒配管(第1の冷媒配管)
57 低圧冷媒配管(第2の冷媒配管)
57a 立下がり部
57b 水平部
57c 立上がり部
60 分岐点
61 合流点
62 立下がり点
63 立上がり点

Claims (8)

  1. 冷媒を圧縮し吐出する圧縮機(16)と、
    前記圧縮機(16)から吐出された冷媒を冷却し凝縮させる凝縮器(17)と、
    前記凝縮器(17)で凝縮した冷媒を減圧膨張させる第1の減圧手段(19)と、
    前記第1の減圧手段(19)で減圧膨張した冷媒を蒸発させる第1の蒸発器(15)と、
    前記第1の蒸発器(15)で蒸発した冷媒を前記圧縮機(16)に戻す第1の冷媒配管(54)と、
    前記第1の減圧手段(19)と並列に設けられ、前記凝縮器(17)で凝縮した冷媒を減圧膨張させる第2の減圧手段(32)と、
    前記第1の蒸発器(15)と並列に設けられ、前記第2の減圧手段(32)で減圧膨張した冷媒を蒸発させる第2の蒸発器(28)と、
    前記第2の蒸発器(28)で蒸発した冷媒を前記圧縮機(16)に戻す第2の冷媒配管(57)とを備え、
    前記第2の冷媒配管(57)は、前記第2の蒸発器(28)の出口側に一端側が接続されて概ね下方に延びる立下がり部(57a)と、前記立下がり部(57a)の他端側に一端側が接続されて概ね水平方向に延びる水平部(57b)と、前記水平部(57b)の他端側に一端側が接続されて概ね上方に延び、前記圧縮機(16)の入口側又は前記第1の冷媒配管(54)に他端側が接続された立上がり部(57c)とを有し、
    前記立下がり部(57a)の管径は、前記立上がり部(57c)の少なくとも一部の管径よりも大きいことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 前記立下がり部(57a)の管径は、前記立上がり部(57c)のほぼ全体の管径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記立下がり部(57a)の管径は、前記水平部(57b)の管径よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記水平部(57b)の管径は、前記立上がり部(57c)の管径よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記立下がり部(57a)の管径は、前記第1の冷媒配管(54)の管径よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記水平部(57b)の管径は、前記第1の冷媒配管(54)の管径よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記第2の蒸発器(28)は、前記立下がり部(57a)の一端側が接続され、前記立下がり部(57a)に対し冷媒を下向きに流出させる流出口(28a)を有していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
  8. 車両(10)に搭載される車両用空調装置であって、
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置と、
    前記車両(10)の車室(11)内前席側を空調する前席側空調ユニット(12)と、
    前記車室(11)内後席側を空調する後席側空調ユニット(25)とを備え、
    前記第1の蒸発器(15)は前記前席側空調ユニット(12)に配置され、
    前記第2の蒸発器(28)は前記後席側空調ユニット(25)に配置されていることを特徴とする車両用空調装置。
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