JP2000042913A - 両面研磨装置のワーク給排システム - Google Patents

両面研磨装置のワーク給排システム

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JP2000042913A
JP2000042913A JP20660798A JP20660798A JP2000042913A JP 2000042913 A JP2000042913 A JP 2000042913A JP 20660798 A JP20660798 A JP 20660798A JP 20660798 A JP20660798 A JP 20660798A JP 2000042913 A JP2000042913 A JP 2000042913A
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carrier
work
polishing
hole
wafer
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JP20660798A
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Yoshio Nakamura
由夫 中村
Atsushi Kajikura
惇 鍛治倉
Tomoki Kanda
智樹 神田
Norihiko Moriya
紀彦 守屋
Masaki Wada
昌樹 和田
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Fujikoshi Machinery Corp
Original Assignee
Fujikoshi Machinery Corp
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自転しない円運動をするキャリヤを備える両
面研磨装置について、簡単な構成で、ウェーハの給排を
自動的に行うことが可能であること。 【解決手段】 薄平板に透孔12aが設けられて成るキ
ャリヤ12と、ウェーハに対して相対的に移動して研磨
する上定盤14及び下定盤16と、キャリヤ12を自転
しない円運動をさせ、透孔12a内で上定盤14と下定
盤16との間に保持されたウェーハを旋回移動させるキ
ャリヤ旋回運動機構20と、キャリヤ旋回運動機構20
に設けられ、キャリヤ12を所定の位置に停止させるキ
ャリヤ停止手段43と、キャリヤ停止手段43によって
停止したキャリヤの透孔12a内に、ウェーハを供給す
るワーク供給手段46と、キャリヤ停止手段43によっ
て停止したキャリヤの透孔12a内から、ウェーハを排
出するワーク排出手段48とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は両面研磨装置に関す
る。両面研磨装置としては、従来から、エクスターナル
ギヤ(以下、「外歯車」という)とインターナルギヤ
(以下、「内歯車」という)を異なる角速度で回転する
ことによって、加工材料(以下、「ワーク」という)を
担持した遊星歯車に相当するキャリヤを自転させるとと
もに公転させ、そのキャリヤの上下に配された研磨面を
有する上定盤及び下定盤が、ワークを上下から挟むと共
にワークに対して相対的に移動して研磨する遊星歯車機
構を用いたものがある。この両面研磨装置は、ラッピン
グ装置(ラップ盤)、またはポリシング装置として使用
され、精度が高く、両面を同時に研磨できるため加工時
間が短くて済み、半導体チップの素材となるシリコンウ
ェーハ等の薄物研磨加工に適している。
【0002】
【従来の技術】従来の遊星歯車機構を用いたポリシング
装置の構成について、図9に基づいて説明する。112
は上定盤、114は下定盤であり、それぞれの表面には
研磨布(クロス)が付けられており、その研磨布によっ
て研磨面が形成されている。116は外歯車、118は
内歯車である。また、120はキャリヤであり、このキ
ャリヤ120に穿設された透孔内にワーク121が保持
され、外歯車116と内歯車118と噛み合って回転す
る。上定盤112は上定盤回し金112aに連繋され、
この上定盤回し金112aから垂下したシャフト112
bの先端にギヤ112cが設けられている。ギヤ112
cはアイドルギヤ112dに、そのアイドルギヤ112
dはギヤ112eに噛合している。このギヤ112e
は、スピンドル126と一体に回転すべく、スピンドル
126と同軸に設けられている。下定盤114は、その
下定盤114に同軸に設けられたギヤ114aを介し、
スピンドル126に同軸に設けられたギヤ114bに連
繋している。外歯車116は、その外歯車116に同軸
に設けられたギヤ116aを介し、スピンドル126に
同軸に設けられた伝達ギヤ116bに連繋している。内
歯車118は、その内歯車118に同軸に設けられたギ
ヤ118aを介し、スピンドル126に同軸に設けられ
た伝達ギヤ118bに連繋している。すなわち、このポ
リシング装置は、一つの駆動装置によって、外歯車11
6、内歯車118、上定盤及び下定盤112、114を
回転駆動させる、いわゆる4ウェイ駆動方式となってい
る。なお、スピンドル126は可変減速機132に連結
され、その可変減速機132は、ベルト136を介して
モータ134と連結されており、スピンドル126の回
転速度を制御する。
【0003】この遊星歯車機構を用いたポリシング装置
によれば、例えば、外歯車116の角速度に比べて内歯
車118の角速度の方が大きくなるようにギヤ116a
と伝達ギヤ116bの回転比、及びギヤ118aと伝達
ギヤ118bの回転比がそれぞれ設定されている場合、
外歯車116と内歯車118との間に噛合したキャリヤ
120は、内歯車118の回転方向と同一方向(例え
ば、「反時計方向」とする)に公転し、且つ時計方向に
自転する。また、下定盤114も同じく反時計方向に回
転するが、上定盤112はアイドルギヤ112dが介在
するので時計方向に回転する。なお、研磨条件に応じ
て、キャリヤ120の回転方向及び回転速度等は、外歯
車116と内歯車118の角速度の設定によって変更す
ることができる。
【0004】また、ワーク121の表裏の研磨面へは、
砥粒等を含む液状の研磨剤が供給され、その液状の研磨
剤の作用によってワーク121の研磨が好適になされ
る。シリコンウェーハの研磨では、通常、アルカリ性の
研磨液に砥粒が分散されてなる研磨剤(通称「スラリ
ー」)が、シリコンウェーハと研磨用定盤の研磨面との
間に供給されて研磨がなされる。液状の研磨剤を供給す
る方法としては、上定盤112に上下方向へ貫通して設
けられた研磨剤供給用の孔を介し、液状の研磨剤を上方
からポンプ動力及び重力を利用して滴下させて供給する
ことが一般的になされている。研磨剤供給用の孔から吐
出した液状の研磨剤は、上定盤112の研磨面とワーク
121が接触してそのワーク121を研磨する研磨部へ
供給されると共に、隣合うキャリヤ120同士の間を通
過して下定盤114の研磨面上へ流れ、下定盤114の
研磨面とワーク121が接触してそのワーク121を研
磨する研磨部へ供給される。
【0005】図10は、図9のポリシング装置にかかる
キャリヤ120の配置例を説明する平面図であり、隣合
うキャリヤ120同士の間には空隙部Aがある。この空
隙部Aは内径部にも外径部にも十分な広さで存在し、液
状の研磨剤は下定盤114の研磨面上へも好適に供給さ
れる。このように、液状の研磨剤は、簡単な上方からの
供給手段によって、ワーク121の両面について十分に
供給される。このポリシング装置によれば、液状の研磨
剤を好適に供給でき、キャリヤ120を複雑に運動させ
ることができるため、研磨むらを防止して均一にワーク
121(例えば、シリコンウェーハ)研磨できる。従っ
て、ワークの平坦度を向上できる。また、ワーク121
の両面を同時に研磨できるため、研磨効率を向上でき
る。
【0006】しかしながら、上記従来の遊星歯車機構を
用いた両面研磨装置では、キャリヤ120が外歯車11
6と内歯車118の間で移動する構造になるため、最近
のシリコンウェーハ等のワーク121の大型化に対応し
にくい。すなわち、キャリヤ120の直径を、定盤の半
径より大きくすることは不可能であり、定盤の研磨面を
効率良く利用することができない。また、従来の遊星歯
車機構を用いた両面研磨装置では、複雑な歯車機構とな
っており、大型化することが難しく、大型の装置を製造
するには材料、加工、配置スペース的な問題など、様々
な面でコストが嵩んでしまう。
【0007】このため、本願出願人は、背景技術として
次のような両面研磨装置を開発してある。すなわち、そ
の両面研磨装置は、薄平板に透孔が設けられて成るキャ
リヤと、そのキャリヤの透孔内に配された板状のワーク
であるウェーハを、上下から挟むと共にそのウェーハに
対して相対的に移動して研磨する上定盤及び下定盤とを
備える両面研磨装置であって、前記キャリヤを、キャリ
ヤホルダーを介してキャリヤの面と平行な面内で自転し
ない円運動をさせ、前記透孔内で上定盤と下定盤の間に
保持されたウェーハを旋回移動させるキャリヤ旋回運動
機構を具備する。なお、上定盤及び下定盤は、各々回転
(自転)運動するように設けられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記背
景技術の自転しない円運動をするキャリヤを備える両面
研磨装置では、ワークの給排を自動的に行うことについ
て、検討がなされていないという課題がある。すなわ
ち、ワークの給排を自動的に行うには、前記キャリヤの
透孔の位置を特定して、その特定された位置へ制御され
た搬送ロボット等の搬送装置によって、ワークを給排す
ればよいが、そのための好適な構成が提案されていな
い。なお、画像処理手段等の複雑なキャリヤ位置検出手
段と、高度な給排機構及び制御装置を利用すれば、キャ
リヤの透孔の位置を特定することができ、ワークの給排
の自動化は不可能ではないが、装置の構成が複雑になっ
て設置が難しく、製造コストが高騰してしまう。
【0009】また、前記キャリヤ旋回運動機構によって
自転しない円運動をする前記キャリヤについて、その停
止位置を、所定の同一位置に一定とする手段が検討され
ていなかった。これは、人手によってワークを給排する
場合など、キャリヤの透孔等が所定の位置になくとも、
作業者の判断で柔軟に対応できるためであり、キャリヤ
を所定の位置に停止させることを要しなかったことによ
る。これに対して、両面研磨装置にかかる自動化を行う
場合は、キャリヤが所定の位置に停止しないと、機械装
置にとってはキャリヤの透孔の位置等を特定することが
難しく、例えば、ワークの給排を自動的に行うことが困
難になる。このため、簡単で好適にキャリヤを所定の位
置に停止させる手段が望まれる。
【0010】そこで、本発明の目的は、自転しない円運
動をするキャリヤを備える両面研磨装置について、簡単
な構成で、ワークの給排を自動的に行うことが可能な両
面研磨装置のワーク給排システムを提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は次の構成を備える。すなわち、本発明は、
薄平板に透孔が設けられて成るキャリヤと、該キャリヤ
の透孔内に配された板状のワークを、上下から挟むと共
に該ワークに対して相対的に移動して研磨する上定盤及
び下定盤と、前記キャリヤを、該キャリヤの面と平行な
面内で自転しない円運動をさせ、前記透孔内で上定盤と
下定盤との間に保持された前記ワークを旋回移動させる
キャリヤ旋回運動機構とを備える両面研磨装置にワーク
を給排する両面研磨装置のワーク給排システムであっ
て、前記キャリヤ旋回運動機構に設けられ、前記キャリ
ヤを所定の位置に停止させるキャリヤ停止手段と、前記
キャリヤ停止手段によって停止した前記キャリヤの透孔
内に、ワークを供給するワーク供給手段と、前記キャリ
ヤ停止手段によって停止した前記キャリヤの透孔内か
ら、ワークを排出するワーク排出手段とを具備する。
【0012】また、前記上定盤及び下定盤は、前記キャ
リヤの面に直交する方向に平行な軸心を中心に自転駆動
されることで、ワークと上定盤及び下定盤とを相対的に
複雑に運動させることができ、研磨精度を向上できる。
【0013】また、前記キャリヤ停止手段は、前記キャ
リヤを駆動させる駆動装置としてのサーボモータと、該
サーボモータを制御する制御装置から成るサーボ機構で
あることで、極めて簡単にキャリヤ停止手段を構成で
き、ひいてはワークの給排にかかる自動化を容易に行う
ことができる。
【0014】また、前記キャリヤ旋回運動機構は、前記
キャリヤを保持するキャリヤホルダーと、前記キャリヤ
の面に直交する方向に軸心が平行であって前記キャリヤ
ホルダーに軸着されるホルダー側の軸、及び該ホルダー
側の軸に軸心が平行であると共に所定の距離をおいて基
体に軸着される基体側の軸を備え、前記基体側の軸を中
心にホルダー側の軸を旋回させることでキャリヤホルダ
ーを基体に対して自転しない円運動をさせるクランク部
材と、該クランク部材を基体側の軸を中心に回転させる
駆動装置とを具備することで、簡単な構成でありなが
ら、キャリヤホルダーに保持されたキャリヤを好適に自
転しない円運動をさせることができる。
【0015】また、前記クランク部材が複数設けられ、
該複数のクランク部材は同期して円運動するよう、前記
基体側の軸同士がタイミングチェーン等の同期手段によ
って連繋されていることで、簡単な構成でキャリヤを好
適且つ安定的に運動させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施例を添
付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の両面
研磨装置のワーク給排システムにかかる両面研磨装置の
一実施例を模式的に示した斜視分解図であり、図2は図
1の実施例が作動している際の各構成の位置関係を示す
側断面図である。本実施例は、板状のワークであるシリ
コンのウェーハ10を研磨する両面研磨装置であり、薄
平板に透孔12aが設けられて成るキャリヤ12と、そ
のキャリヤ12の透孔内に配されたウェーハ10を、上
下から挟むと共にウェーハ10に対して相対的に移動し
て研磨する上定盤14及び下定盤16とを備える。上定
盤14及び下定盤16のそれぞれの表面には、クロスと
呼ばれる研磨布14a、16aが付けられており、その
研磨布14a、16aによって研磨面が形成されてい
る。また、本実施例の上定盤14及び下定盤16は、キ
ャリヤ12の面に直交する方向に平行な軸心を中心に自
転駆動される。ウェーハ10は、円形であり円形の透孔
12a内に遊嵌されており、透孔12aの中ではフリー
に自転可能なサイズになっている。キャリヤ12は、例
えば、ガラスエポキシ板で形成され、厚さ0、8mmの
ウェーハ10に対して厚さ0、7mm程度に設定された
ものが一般的である。
【0017】20はキャリヤ旋回運動機構であり、キャ
リヤ12を、そのキャリヤ12の面と平行な面内で運動
をさせ、透孔12a内で上定盤14と下定盤16との間
に保持されたウェーハ10を運動させる運動機構の一例
である。本実施例におけるキャリヤ旋回運動機構20
は、キャリヤ12を、そのキャリヤ12の面と平行な面
内で自転しない円運動をさせ、透孔12a内で保持され
て上定盤14と下定盤16とによって挟持されたウェー
ハ10を旋回移動させる。すなわち、キャリヤ12の厚
さを考えない場合に、キャリヤ12の面と同一の面内
で、そのキャリヤ12に自転しない円運動をさせること
になる。このキャリヤ旋回運動機構20の具体的な構成
について以下に説明する。
【0018】22はキャリヤホルダーであり、リング状
に形成されており、キャリヤ12を保持している。ここ
で、キャリヤ12とキャリヤホルダー22とを連繋する
連繋手段50について説明する。図3はキャリヤ12と
キャリヤホルダー22の一例の全体形態を説明する説明
図((a)は平面図、(b)は断面図)であり、図4は
図3の連繋手段の作用を説明する要部拡大断面図であ
る。連繋手段50は、キャリヤ12を、そのキャリヤ1
2が自転しないと共に、そのキャリヤ12の熱膨張によ
る伸びを吸収するように、キャリヤホルダー22へ連繋
させることで保持させている。本実施例の連繋手段50
では、図4に示すように、キャリヤホルダー22側に設
けられたピン23と、ピン23に遊嵌すべくキャリヤ1
2にそのキャリヤ12の熱膨張による伸び方向(本実施
例では円形のキャリヤ12の径方向)へクリアランスが
設けられて形成された穴12bとを備える。穴12bの
クリアランスは、少なくともキャリヤ12の熱膨張によ
る伸びを吸収する方向に好適に設ければよく、例えば、
長穴に形成されていればよい。
【0019】また、本実施例において、キャリヤ12
は、その外周縁についても熱膨張した際に好適にスライ
ドできるように、キャリヤホルダー22の内周面22a
との間にクリアランスが生じるように形成されている。
すなわち、内周面22aの内径よりもキャリヤ12の外
径が、所定の寸法小径に形成されている。そして、上述
したようにキャリヤ12の熱膨張を考慮してクリアラン
スを設けておいたキャリヤ12の穴12bを、キャリヤ
ホルダー22のピン23に嵌めることで直接的にセット
してある。このようにキャリヤ12の熱膨張による伸び
を吸収する連繋手段50を備えることで、簡単な構成で
キャリヤ12をキャリヤホルダー22に対して回り止め
をした状態に好適に連繋させることができる。これによ
り、キャリヤ12の伸びを好適に逃がして吸収すること
ができ、キャリヤ12の変形を防止できる。また、キャ
リヤ12は、キャリヤホルダー22に嵌めることで装着
する構成であるので、装着時における作業の簡素化がな
される。
【0020】次に、キャリヤホルダー22に備えられる
キャリヤ12の高さ調整機能について説明する。23a
はフランジ部であり、ピン23の中途部にワッシャー形
状に一体に設けられている。このフランジ部23aは、
キャリヤホルダー22側に設けられ、キャリヤ12を保
持すべく直接的に支持する支持部になっている。ピン2
3のフランジ部23aの下方には、ピン23をキャリヤ
ホルダー22の下段部22bに装着可能にネジ部23b
が設けられている。そのネジ部23bキャリヤホルダー
22の下段部22bに螺合する度合いを調整すること
で、フランジ部23aの高さ調整が可能に設けられてい
る。このようにフランジ部23aを設けたことで、キャ
リヤ12の高さ位置を好適に調整して、キャリヤホルダ
ー22でキャリヤ12を適切に保持することができる。
【0021】すなわち、フランジ部23aの高さを調整
すれば、下定盤16の研磨布16aが消耗して薄くなっ
た場合等、条件の変化に好適に対応でき、その下定盤1
6の研磨布16a面とほぼ同じ高さで、キャリヤ12が
撓みを生じないように好適に保持できる。従って、キャ
リヤ12を水平に好適に保持することができ、ウェーハ
10の研磨割れや、研磨精度劣化を防止することができ
る。また、フランジ部23aの表面によって、キャリヤ
12の外周面を部分的に受けることになり、キャリヤ1
2の伸縮による摺動を好適に支持することができる。す
なわち、キャリヤ12の外周面(下面)とキャリヤホル
ダー22側の上面との接地面積を小さくすることができ
るため、滑り摩擦抵抗を低減でき、キャリヤ12は好適
に摺動できる。これにより、キャリヤ12の熱等による
伸縮力が好適に開放され、キャリヤ12の歪みの発生を
防止できる。
【0022】以上の実施例では、ピン23のフランジ部
23aの高さを調整することで、キャリヤ12の支持高
さを調整したが、本発明はこれに限られないのは勿論で
あり、キャリヤ12を所定の高さに支持できる好適な手
段であれば、その構成は特に限定されるものではない。
例えば、キャリヤホルダー22自体を昇降させる機構を
設け、キャリヤ12を保持すべく支持する支持部が基本
的にキャリヤホルダー22の下段部22bの上面であっ
てもよい。なお、下段部22bの上面は、滑り性を向上
させるため、凹凸を設けてもよいのは勿論である。
【0023】次に図5に基づいて本発明にかかる他の連
繋手段について説明する。図5(a)は平面図であり、
図5(b)は断面図である。本実施例は、図に明らかな
ように、前記実施例とは連繋手段50のみが異なり、そ
の連繋手段50は、キャリヤホルダー22側に設けられ
た内歯車状の被係合部52と、その被係合部52に遊び
をもたせて係合するようにキャリヤ12側に設けられた
外歯車状の係合部42とを具備する。すなわち、キャリ
ヤ12の外周に設けたギヤと、リング状のキャリヤホル
ダー22の内周に設けたギヤとを遊びをもたせて噛み合
わせた形態になっている。これによっても、簡単な構成
でキャリヤ12をキャリヤホルダー22に好適に連繋さ
せることができる。そして、前記実施例と同様の効果を
得ることができる。
【0024】次に、図1及び図2に基づいて、キャリヤ
旋回運動機構20の各構成にかかる実施例について説明
する。24はクランク部材であり、上定盤14及び下定
盤16の軸線Lに軸心が平行であってキャリヤホルダー
22に軸着されるホルダー側の軸24a、及びそのホル
ダー側の軸24aに軸心が平行であると共に所定の距離
をおいて基体30(図2参照)に軸着される基体側の軸
24bを備える。すなわち、クランク機構のクランクア
ームと同様な機能を備えるように形成されている。この
クランク部材24は、本実施例では基体30とキャリヤ
ホルダー22との間の4ヶ所に配され、キャリヤホルダ
ー22を支持すると共に、基体側の軸24bを中心にホ
ルダー側の軸24aを旋回させることで、キャリヤホル
ダー22を基体30に対して自転しない円運動をさせ
る。ホルダー側の軸24aは、キャリヤホルダー22の
外周面に突起して設けられた軸受け部22cに回転可能
に挿入されて軸着されている。これにより、キャリヤ1
2は上定盤14及び下定盤16の軸線Lから偏心Mして
旋回(自転しない円運動)する。その旋回円運動の半径
は、ホルダー側の軸24aと基体側の軸24bとの間隔
(偏心Mの距離)と同じであり、キャリヤ12の全ての
点が同一の小円の軌跡を描く運動となる。
【0025】また、28はタイミングチェーンであり、
各クランク部材24の基体側の軸24bに同軸に固定さ
れたスプロケット25(本実施例では4個)に掛け回さ
れている。このタイミングチェーン28と4個のスプロ
ケット25は、4個のクランク部材24が同期して円運
動するよう、4個の基体側の軸24b同士を連繋して同
期させる同期手段を構成している。この同期手段は、簡
単な構成であり、キャリヤ12を好適且つ安定的に運動
させることができる。これによって研磨精度を向上で
き、ウェーハの平坦度を向上できる。なお、同期手段と
しては、本実施例に限られることはなく、タイミングベ
ルト、またはギア等を用いてもよいのは勿論である。3
2はモータ(例えば、ギャードモータ)であり、34は
出力軸に固定された出力ギヤである。出力ギア34はク
ランク部材24の基体側の軸24bに同軸に固定された
ギア26に噛合している。これにより、クランク部材2
4を基体側の軸24bを中心に回転させる回転駆動装置
が構成されている。
【0026】なお、回転駆動装置としては、各クランク
部材24にそれぞれ対応して配された複数のモータ(例
えば、電動モータ)を利用することもできる。電動モー
タであれば、電気的に同期を取ることで、複数のクラン
ク部材24を同期運動させ、キャリヤ12をスムースに
運動させることができる。また、本実施例ではクランク
部材24を4個配設した場合について説明したが、本発
明はこれに限らず、クランク部材24は最低3個あれ
ば、キャリヤホルダー22を好適に支持することができ
る。さらに、直交する2軸の直線運動の合成によって2
次元運動を得ることができるXYテーブルの移動体と、
前記キャリヤホルダー22とを一体化して運動できるよ
うにすれば、1個のクランク部材24の駆動によって、
キャリヤホルダー22を自転しない円運動させることが
できる。すなわち、XYテーブルの直交する2軸に延び
るガイドによって案内されることで、前記移動体は自転
しない運動をするのであって、この移動体の運動をキャ
リヤホルダー22の運動(自転しない円運動)に好適に
利用できる。また、クランク部材24を全く用いず、X
Yテーブル自体に駆動手段を設けるようにしてもよい。
すなわち、X軸及びY軸の部材をそれぞれ直接的に駆動
させるサーボモータとボールネジ、又はサーボモータと
タイミングチェーン等の組み合わせから成るX軸及びY
軸の駆動機構を使用することで、前記移動体と一体化し
たキャリヤホルダー22を運動(自転しない円運動)さ
せてもよい。この場合は、最低2個のモータを使用する
ことになるが、モータを制御することで旋回円運動の他
にも自転しない種々の2次元運動を得ることができ、そ
の運動をウェーハ10の研磨に利用できる。
【0027】36は下定盤回転用モータであり、下定盤
16を自転させる動力装置である。例えば、本実施例の
ように、ギャードモータを用いることができ、その出力
軸は下定盤16の回転軸に直結させてもよい。38は上
定盤回転用動力手段であり、上定盤14を自転させる。
下定盤回転用モータ36及び上定盤回転用動力手段38
は、回転方向及び回転速度を自由に変更できるものとす
れば、種々の研磨仕様に柔軟に対応できる。また、この
両面研磨装置では、キャリヤ12の透孔12a内に配さ
れたウェーハ10を、図2に示すように上定盤14と下
定盤16でサンドイッチにして、そのウェーハの研磨加
工がなされる。この際、ウェーハ10が挟圧される力
は、主に上定盤14側に設けられた加圧手段による。例
えば、空気圧を利用し、最大加圧力が上定盤14の自重
であり、空気圧を上昇させることで加圧力を低減させる
ように作用させるエアバック方式で上定盤14のウェー
ハ10への押圧力を調整するようにしてもよい。このエ
アバック方式では、空気圧を制御することで好適かつ容
易に加圧力を調整できる。なお、上定盤14側には加圧
手段の他に上定盤14を昇降動させる昇降装置40が設
けられ、ウェーハ10の給排のときなどに作動する。
【0028】次に、液状の研磨剤の供給手段について、
図1及び図3に基づいて説明する。上定盤14には、そ
の上定盤14の研磨面14aとウェーハ10が接触して
該ウェーハ10を研磨する研磨部へ、スラリー(液状の
研磨剤)を供給する研磨剤供給用の孔14bが設けられ
ている。この研磨剤供給用の孔14bは、ウェーハ10
の研磨部へ液状の研磨剤を十分且つ均一に供給でき、そ
の研磨に悪影響を与えない大きさ等に適宜に設けられれ
ばよく、その形態或いはその数は特に限定されるもので
はない。なお、本実施例の研磨剤供給用の孔14bは、
上定盤14に等密度に分布するよう、合計で21個がマ
トリクス状に位置され、各々が小径に開けられて設けら
れている。なお、本実施例の研磨剤供給用の孔14b
は、上定盤14に上下方向に貫通して設けられている。
また、図示しないが、研磨剤供給用の孔14bの上端に
はチューブ等が連結されており、ポンプ等によって汲み
上げられた液状の研磨剤が、適宜分配されて供給される
ように設けられている。
【0029】そして、キャリヤ12には、研磨剤供給用
の孔14bより供給された液状の研磨剤を通過させて下
の定盤(下定盤16)の研磨面16aとウェーハ10が
接触して該ウェーハ10を研磨する研磨部へ、液状の研
磨液を供給する連通孔15が設けられている。この連通
孔15は、キャリヤ12の強度に影響を与えない位置
に、適当な形態に設けられればよく、そのサイズ、形状
或いはその数は限定されるものではない。なお、図3に
示した実施例では、キャリヤ12の中央と、キャリヤ1
2の円周方向に隣合う透孔12a同士間とに、合計で5
個の円形の連通孔15が開けられている。
【0030】このキャリヤ12によれば、液状の研磨液
を、研磨されるウェーハ10の両面に好適に供給するこ
とができ、好適に研磨することができる。すなわち、液
状の研磨液が、キャリヤ12に開けた孔である連通孔1
5から流れ落ち、ウェーハ10の裏面(研磨面16aと
接触する面)にも十分に流れ込むことができる。このた
め、研磨条件を均一に好適に維持でき、ウェーハ10の
両面を精度よく研磨できる。なお、研磨面16a上に供
給された液状の研磨液は、従来の両面研磨装置の場合と
同様に、順次その研磨面16aから外周方向へ溢れ出て
排出され、さらに回収されて適宜循環される。
【0031】また、図1に示すように、62はローラで
あって、上定盤14に当接し、その上定盤14のキャリ
ヤ12の面に平行な方向への揺れを阻止する振動防止手
段の一例である。このローラ62は、適宜に上定盤14
の外周14cに当接するよう、基体30上の上定盤14
近傍に設けられたガイドローラ本体(図示せず)に回転
自在に装着されている。この複数のローラ62によっ
て、研磨工程がなされる際に上定盤14を挟むことで、
上定盤14のキャリヤ12の面に平行な方向への移動を
規制し、振動を防止できるのである。
【0032】次に、図6に基づいて、本発明の特徴的な
構成である両面研磨装置のワーク給排システムの実施例
について説明する。なお、以上に説明した実施例と同一
の構成については、同一の符号を付して説明を省略す
る。43はキャリヤ停止手段であり、キャリヤ旋回運動
機構20に設けられ、キャリヤ12を所定の位置に停止
させる。ウェーハ10を供給する際には、キャリヤ12
の透孔12aを所定の位置(定位置)に停止させ、ウェ
ーハ10を排出する際には、キャリヤ12の透孔12a
内に保持されたウェーハ10を所定の位置(定位置)に
停止させる。なお、その所定の位置とは、本実施例では
所定の旋回角度位置である定位置のことで、常に同一の
位置であってもよいし、場合によっては、所定の法則に
従って、初期位置に対して移動するものであってもよ
い。すなわち、後述する給排装置との関係で、所定の条
件で特定される位置であればよい。
【0033】また、本実施例のキャリヤ停止手段43
は、キャリヤ12を保持したキャリヤホルダー22を駆
動させる駆動装置としてのサーボモータ32aと、その
サーボモータ32aを制御する制御装置44から成るサ
ーボ機構である。このように、サーボモータ32aを備
える構成によれば、極めて簡単に好適な位置決め(停
止)のできるキャリヤ停止手段43を得ることができ
る。装置が複雑化することなく、製造コストを低減でき
る。なお、キャリヤ停止手段43は、これに限らず、例
えば、キャリヤホルダー22の外周の所定の位置にマー
クを付け、そのマークを検出するセンサーを基体30に
設けて構成してもよい。センサーがマークを検出するこ
とで、その信号によってキャリヤホルダー22の運動を
停止させ、そのキャリヤホルダー22を介してキャリヤ
12を所定の位置(旋回角度位置)に停止させることが
できる。さらに、キャリヤ停止手段43としては、図に
示すように平面形状が円形に形成されたクランク部材2
4の外周の所定の位置にマークを付け、そのマークを検
出するセンサーを基体30に設けて構成しても、同様の
効果を得ることができる。
【0034】46はワーク供給手段であり、キャリヤ停
止手段43によって停止したキャリヤ12の透孔12a
内に、ウェーハ10を供給する。また、48はワーク排
出手段であり、キャリヤ停止手段43によって停止した
キャリヤ12の透孔12a内から、ウェーハ10を排出
する。このワーク供給手段46及びワーク排出手段48
は、キャリヤ12が定位置に停止されることで、キャリ
ヤ12の透孔12aの位置を容易に特定でき、毎回同一
の動作によってウェーハ10の給排を容易に行うことが
できる。従って、ワーク供給手段46及びワーク排出手
段48自体の構成を簡素化でき、また、その制御に関し
ても簡素化できる。なお、45はテンションローラであ
り、各クランク部材24が好適に同期して作動するよう
に、タイミングチェーン28にテンションを与えてい
る。
【0035】次に、図7及び図8に基づいて、本発明の
発展的な構成である両面研磨装置のワーク搬送システム
の実施例について説明する。なお、以上に説明した実施
例と同一の構成については、同一の符号を付して説明を
省略する。このシステムは、基本構成として、ワークで
あるウェーハ10を上定盤14で搬送すべく、上定盤1
4に設けられてウェーハ10を吸着保持する保持手段
と、上定盤14を水平方向(図7、矢印X方向)へ移動
させる水平移動手段とを備える。前記保持手段として
は、例えば、図3に示した研磨剤供給用の孔14bを真
空吸引孔として利用し、上定盤14の研磨面14aにウ
ェーハ10を吸着すればよい。この場合は、液状の研磨
剤の供給装置に接続するように前記孔14bに連通する
通路と、真空減圧装置に接続するように前記孔14bに
連通する通路と、前記孔14bへの連通状態を切り換え
る切換バルブを備えればよく、上定盤14に多くの孔を
あけることを要しない。このように上定盤14を利用し
てウェーハ10を吸着保持する構成によれば、他の構成
を必要としないため簡単な構成でよく、複数のウェーハ
10を同時に保持できるから、ウェーハ10を効率よく
搬送できる。
【0036】また、前記水平移動手段は、例えば、上定
盤14の水平方向への移動をガイドする水平方向に平行
な直動ガイドと、上定盤14が搭載されて前記直動ガイ
ドに沿って移動する移動フレーム55とから構成され
る。移動フレーム55を一対の脚部と上定盤14を吊持
する架け渡し部とを有する門型に形成し、前記一対の脚
部を一対の前記直動ガイドに沿って移動させれば、上定
盤14を支持する剛性を高めることができるため、高精
度の搬送を行うことが可能である。
【0037】次に、図7及び図8に示したような複数の
両面研磨装置を備えるワーク搬送システムの構成と作用
について詳細に説明する。56はワーク供給ステーショ
ンであり、ワークであるウェーハ10の供給を受けて、
そのウェーハ10を上定盤14の研磨面14aによる吸
着保持位置に対応させて予め位置させる予備ステージと
なっている。このワーク供給ステーション56にウェー
ハ10を供給する供給装置としては、図8に示したよう
な多関節ロボット51を利用できる。この多関節ロボッ
ト51によれば、カセット49に収納されたウェーハ1
0を一枚ずつ取り出し、順次、仮置き台53の面上の所
定の配置位置に置く。そのウェーハ10の配置位置は、
上定盤14のウェーハ10を吸着保持する位置に対応し
て設定される。本実施例では、キャリヤ12が仮置き台
53の上に配置され、ウェーハ10を、透孔12aに当
て嵌めて置くように構成されている。
【0038】57はワーク研磨ステーションであり、キ
ャリヤ旋回運動機構20及び下定盤16が配され、ウェ
ーハ10を研磨する位置に設けられている。本実施例で
は、このワーク研磨ステーション57が二つ連設されて
いる。ワーク研磨ステーション57では、研磨剤供給用
の孔14bから、液状の研磨剤(スラリー)を吐出させ
て研磨すると共に、水を吐出させて水研磨ができるよう
にも構成されている。58はワーク排出ステーションで
あり、上定盤14に吸着保持されていたウェーハ10を
受けて排出する。このワーク排出ステーション58から
ウェーハ10を排出する排出装置としては、例えば、ウ
ェーハ10をガイドして降下移動させる斜面を備えるシ
ュータ59と、そのウェーハ10を水中で受けて収納す
るカセット49を備える。また、シュータ59の斜面に
は、水を噴出させて、その斜面に沿う水の流れによっ
て、ウェーハ10を保護しつつ降下移動させる構成等を
備える。このワーク排出ステーション58では、真空を
破壊し、上定盤14に吸着保持されていた複数のウェー
ハ10を、全て同時に排出してもよいし、順次排出して
もよい。順次排出させる場合は、上定盤14を、割り出
し回転して各ウェーハ10毎にシュータ59に対応させ
て停止し、順次真空を破壊し、ウェーハ10を順次カセ
ット49に収納させればよい。
【0039】そして、図に明らかなように、各ステーシ
ョン56、57、57、58が直線的に連設され、ワー
ク研磨ステーション57の数(本実施例では二つ)に対
応する数(二つ)の上定盤14が、ウェーハ10を順次
送るべく前記水平移動手段によって、前記ステーション
56、57、57、58間で往復動する。なお、本実施
例の二つのワーク研磨ステーション57、57は一方が
一次研磨用であり、他方が二次研磨用に設けられてい
る。本実施例では、各ステーション56、57、57、
58が等間隔に配設されると共に、二つの上定盤14、
14もその間隔と同一の間隔に配されている。従って、
一定間隔の間欠的な動作によって、二つの上定盤14、
14が、各ステーション56、57、57、58上を移
動でき、簡単な制御で済む。なお、二つの上定盤14、
14は、本実施例のように一体的に形成された移動フレ
ーム55に装着されて同時に同一方向へ移動するように
してもよいし、別々に移動するようにしてもよい。
【0040】また、上定盤14が移動してワーク研磨ス
テーション57に移動する際には、上定盤14にかかる
所定の回転停止位置に対応させて、図6の実施例で説明
したように、キャリヤホルダー22を所定の回動位置に
停止させておく。これにより、キャリヤ12の透孔12
aに位置を合わせて、ウェーハ10を好適に供給するこ
とができる。同様に、一次研磨用のワーク研磨ステーシ
ョン57から、二次研磨用のワーク研磨ステーション5
7への搬送も好適に行うことができる。また、上定盤1
4を所定の回転位置に停止する手段としては、例えば、
図6の実施例で説明したように、サーボモータを用いた
方法、或いはマークをセンサーで検出して位置決めを行
う方法を適用すればよい。このように、上定盤14を所
定の回転位置に停止することで、前記真空減圧装置に接
続する孔14bを、ウェーハ10に好適に対応させるこ
とができる。
【0041】また、各上定盤14、14は、図7に示す
ように各ステーション56、57、57、58上で、上
下動可能(矢印Z)に設けられている。なお、上定盤1
4を上下動させる駆動装置は移動フレーム55に搭載さ
れている。このように、上定盤14が、上下動し、その
研磨面14aにウェーハ10を吸着保持すると共に、水
平方向へ移動できることで、他の構成を要せず、複数の
ウェーハ10を同時に持ち上げて搬送できる。また、ウ
ェーハ10の研磨がされた研磨表面には、研磨加工をす
る研磨面14a(クロス面)が接触するのみであり、吸
着盤などの望ましくない他の部材を接触させることな
く、ウェーハ10を搬送できる。従って、ウェーハ10
の研磨表面を傷つけることなく、その研磨表面への悪影
響を最小限に抑え、ウェーハ10を好適に搬送できる。
また、スラリーによる研磨の後、水研磨を行い、その後
に研磨面14aで吸着保持すれば、スラリーによる影響
も最小限に抑えることができる。また、ワーク供給ステ
ーション56に予め配置しておいた複数のウェーハ10
を、一度に吸着保持してワーク研磨ステーション57へ
投入したり、ワーク研磨ステーション57で研磨された
ウェーハ10を、一度に吸着保持してワーク排出ステー
ション57へ搬送できるため、タクトタイムを短縮して
効率良く搬送できる。
【0042】また、以上の実施例にかかる上定盤14の
搬送機能を用いれば、キャリヤ12を交換することもで
きる。例えば、上定盤14をウェーハ10を吸着する位
置から所定の角度変位させて、上定盤14の前記真空減
圧装置に接続する孔14bがキャリヤ12の上面に対応
するように位置させる。その状態で上定盤14を、降下
させ、研磨面14aをキャリヤ12に当接させて真空吸
着した後上昇すれば、キャリヤ12を好適に持ち上げる
ことができる。これは、キャリヤ12のキャリヤホルダ
ー22に対する連繋構造が、図3〜図5に示したように
上方から単純に嵌め込むものであり、上方へ抜き取るこ
とが容易であることによる。そして、前記水平移動手段
で移動すれば、キャリヤ12を好適に排出できる。ま
た、反対に作動させれば、キャリヤ12を好適にキャリ
ヤホルダー22へ装着できる。このように、キャリヤ1
2の交換ができることで、両面研磨装置システムの自動
化に好適に寄与できる。
【0043】次に、本発明にかかる両面研磨装置の使用
方法の一例について説明する。先ず、キャリヤ12を運
動させないで、上定盤14と下定盤16とを回転速度の
絶対値は同じであるが反対方向へ回転させた場合を説明
する。すなわち、図1に示すように、例えば、上定盤1
4は時計回転をさせ、下定盤16は反時計回転させる。
この場合は、全く反対方向に摩擦力が作用するから、そ
の運動力が相互に相殺されて、理論的にはウェーハ10
は止まった状態で両面の研磨がなされる。但し、この場
合には、上定盤14及び下定盤16では、その外周へ向
かう程その周速度が大きくなる。従って、ウェーハ10
の上定盤14及び下定盤16の軸線Lに対応する部分か
ら遠い部分ほど研磨が促進され、ウェーハ10が均一に
研磨されない。
【0044】次に、キャリヤ12を前述した構成からな
る運動機構によって、自転しない円運動をさせることに
よる研磨作用について説明する。上定盤14及び下定盤
16の回転を考えず、キャリヤ12の自転しない円運動
のみを考えた場合、その自転しない円運動によれば、運
動をする部材(キャリヤ12)の全ての点で全く同じ運
動がなされることになる。これは、全ての点が同一の運
動となる意味で、一種の揺動運動であり、揺動運動の軌
跡が円になったと考えればよい。従って、自転しない円
運動をするキャリヤ12を介し、ウェーハ10を旋回移
動すれば、この運動による作用に限っていえば、ウェー
ハ10の両面は均一に研磨される。
【0045】そして、上定盤14と下定盤16の回転運
動と、キャリヤ12の自転しない円運動とを同時に作動
させた場合は、ウェーハ10が透孔12aの中で回転可
能に保持されているため、特に上定盤14と下定盤16
の回転速度の絶対値に差をつけた場合(一方の定盤に対
して他方の定盤の回転速度を速くした場合)、ウェーハ
10は、その回転速度の速い側の定盤の回転方向へ、連
れ回りする。すなわち、ウェーハ10は所定の方向へ自
転することになる。このようにウェーハ10が自転する
ことで、上定盤14及び下定盤16では、その外周へ向
かう程その周速度が大きくなっているが、その影響をな
くすことができ、ウェーハ10を均一に研磨できる。な
お、ウェーハ10の両面を均一に研磨するには、上定盤
14と下定盤16の回転速度を交互に一方が速くなるよ
うに制御すればよい。
【0046】次に、本発明にかかる両面研磨装置の使用
方法の他の例について説明する。以上の実施例では、複
数の透孔12aが設けられ、複数のワーク(ウェーハ1
0)を同時に研磨する場合について説明したが、本発明
ではこれに限らず、例えば、キャリヤ12には大型なワ
ークが保持される透孔12aを一個のみ設け、その大型
ワークの両面を研磨する研磨装置としても利用できる。
なお、大型なワークとしては、液晶に用いる矩形状のガ
ラス板、或いは枚葉で加工されるウェーハ(円形)等の
ワークがある。この場合、大型なワークは、キャリヤ1
2の中心からその周縁近傍付近にわたってほぼ全面的に
配されることになる。このとき、キャリヤ12による自
転しない円運動を主に利用して研磨し、上定盤14及び
下定盤16の回転速度は、研磨むらが発生しない程度に
遅くすれば、ワークの全体面について均一に且つ好適に
研磨できる。すなわち、上定盤14及び下定盤16で
は、周速度の違いで外周ほど研磨作用が大きくなるが、
その回転速度がキャリヤ12の自転しない円運動に比べ
て非常に遅ければ、研磨作用に直接的には殆ど関与させ
ないようにすることができる。そして、上定盤14及び
下定盤16を回転させることは、ワークに接触する定盤
面を常に更新させ、液状の研磨剤をワークの全面へ平均
的に供給するなど、研磨作用を良好にするため、間接的
に好適に寄与できる。
【0047】以上の実施例ではポリシング装置について
説明したが、本発明はラッピング装置にも好適に適用で
きるのは勿論である。以上、本発明につき好適な実施例
を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの実施例に限
定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内
で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【0048】
【発明の効果】本発明の両面研磨装置のワーク給排シス
テムによれば、キャリヤ旋回運動機構に設けられ、前記
キャリヤを所定の位置に停止させるキャリヤ停止手段
と、そのキャリヤ停止手段によって停止したキャリヤの
透孔内に、ワークを供給するワーク供給手段と、そのキ
ャリヤ停止手段によって停止したキャリヤの透孔内か
ら、ワークを排出するワーク排出手段とを具備すること
で、キャリヤの透孔の位置を特定でき、ワークの給排を
容易に行うことができる。従って、本発明によれば、簡
単な構成で、ワークの給排を効率良く自動的に行うこと
ができるという著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる両面研磨装置の一実施例の斜視
分解図である。
【図2】図1の実施例の側断面図である。
【図3】図1の実施例のキャリヤとキャリヤホルダーの
全体を示す平面図と断面図である。
【図4】本発明にかかる連繋手段の要部を説明する断面
図である。
【図5】本発明にかかる連繋手段の他の実施例を示す平
面図と断面図である。
【図6】本発明にかかるワーク給排システムの一実施例
を説明する平面図である。
【図7】本発明にかかるワーク搬送システムの一実施例
を説明する側面図である。
【図8】図7の実施例の平面図である。
【図9】従来技術を説明する断面図である。
【図10】従来技術のキャリヤの配置を説明する平面図
である。
【符号の説明】
10 ウェーハ 12 キャリヤ 12a 透孔 12b 穴 14 上定盤 14a 研磨面 14b 研磨剤供給用の孔 15 連通孔 16 下定盤 16a 研磨面 20 キャリヤ旋回運動機構 22 キャリヤホルダー 23 ピン 24 クランク部材 24a ホルダー側の軸 24b 基体側の軸 28 タイミングチェーン 30 基体 32 モータ 32a サーボモータ 43 キャリヤ停止手段 44 制御装置 46 ワーク供給手段 48 ワーク排出手段 50 連繋手段 51 多関節ロボット 55 移動フレーム 56 ワーク供給ステーション 57 ワーク研磨ステーション 58 ワーク排出ステーション 59 シュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神田 智樹 長野県長野市松代町清野1650番地 不二越 機械工業株式会社内 (72)発明者 守屋 紀彦 長野県長野市松代町清野1650番地 不二越 機械工業株式会社内 (72)発明者 和田 昌樹 長野県長野市松代町清野1650番地 不二越 機械工業株式会社内 Fターム(参考) 3C058 AA07 AB01 AB03 AB04 AB06 AB08 BC01 BC05 CB03 CB05 DA06 DA18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄平板に透孔が設けられて成るキャリヤ
    と、 該キャリヤの透孔内に配された板状のワークを、上下か
    ら挟むと共に該ワークに対して相対的に移動して研磨す
    る上定盤及び下定盤と、 前記キャリヤを、該キャリヤの面と平行な面内で自転し
    ない円運動をさせ、前記透孔内で上定盤と下定盤との間
    に保持された前記ワークを旋回移動させるキャリヤ旋回
    運動機構とを備える両面研磨装置にワークを給排する両
    面研磨装置のワーク給排システムであって、 前記キャリヤ旋回運動機構に設けられ、前記キャリヤを
    所定の位置に停止させるキャリヤ停止手段と、 前記キャリヤ停止手段によって停止した前記キャリヤの
    透孔内に、ワークを供給するワーク供給手段と、 前記キャリヤ停止手段によって停止した前記キャリヤの
    透孔内から、ワークを排出するワーク排出手段とを具備
    することを特徴とする両面研磨装置のワーク給排システ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記上定盤及び下定盤は、前記キャリヤ
    の面に直交する方向に平行な軸心を中心に自転駆動され
    ることを特徴とする請求項1記載の両面研磨装置のワー
    ク給排システム。
  3. 【請求項3】 前記キャリヤ停止手段は、前記キャリヤ
    を駆動させる駆動装置としてのサーボモータと、該サー
    ボモータを制御する制御装置から成るサーボ機構である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の両面研磨装置の
    ワーク給排システム。
  4. 【請求項4】 前記キャリヤ旋回運動機構は、 前記キャリヤを保持するキャリヤホルダーと、 前記キャリヤの面に直交する方向に軸心が平行であって
    前記キャリヤホルダーに軸着されるホルダー側の軸、及
    び該ホルダー側の軸に軸心が平行であると共に所定の距
    離をおいて基体に軸着される基体側の軸を備え、前記基
    体側の軸を中心にホルダー側の軸を旋回させることでキ
    ャリヤホルダーを基体に対して自転しない円運動をさせ
    るクランク部材と、 該クランク部材を基体側の軸を中心に回転させる駆動装
    置とを具備することを特徴とする請求項1、2又は3記
    載の両面研磨装置のワーク給排システム。
  5. 【請求項5】 前記クランク部材が複数設けられ、該複
    数のクランク部材は同期して円運動するよう、前記基体
    側の軸同士がタイミングチェーン等の同期手段によって
    連繋されていることを特徴とする請求項4記載の両面研
    磨装置のワーク給排システム。
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