JP2000040642A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法

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JP2000040642A
JP2000040642A JP10208106A JP20810698A JP2000040642A JP 2000040642 A JP2000040642 A JP 2000040642A JP 10208106 A JP10208106 A JP 10208106A JP 20810698 A JP20810698 A JP 20810698A JP 2000040642 A JP2000040642 A JP 2000040642A
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electrolytic capacitor
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Manabu Takeuchi
学 竹内
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Matsuo Electric Co Ltd
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Matsuo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に陽極酸化皮膜を有する弁作用金属の焼
結体に化学酸化重合にて導電性高分子膜を形成して高周
波特性にすぐれた固体電解コンデンサを得る。 【解決手段】 弁作用金属焼結体の表面に陽極酸化皮膜
を形成したのち、複素環化合物モノマーと酸化剤および
/またはドーパントからなる30〜60℃に保った混合
溶液に上記の弁作用金属焼結体を浸漬し、次いで化学酸
化重合させることにより上記の弁作用金属焼結体上に導
電性高分子膜を固体電解質として形成した固体電解コン
デンサを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は導電性高分子膜を
固体電解質とした高周波特性にすぐれた固体電解コンデ
ンサの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電機機器のディジタル化に伴っ
て、コンデンサも小型大容量で高周波領域でのインピー
ダンスの低い高周波特性のすぐれたコンデンサが要望さ
れている。これまで高周波領域で使用されているコンデ
ンサとしては、プラスチックフィルムコンデンサ、マイ
カコンデンサ、積層セラミックスコンデンサなどがある
が、フィルムコンデンサやマイカコンデンサでは、形状
が大きくなってしまうために大容量化が難しく、また積
層セラミックスコンデンサでは、小型大容量になればな
るほど温度特性が悪くなるという欠点がある。
【0003】一方、大容量のコンデンサとしては、アル
ミニウム乾式電解コンデンサあるいはアルミニウムまた
はタンタル固体電解コンデンサなどが知られている。ア
ルミニウム乾式電解コンデンサは、低コストで大容量の
ものが得られるが、電解液を用いているために、電解液
の液漏れ、蒸発等により容量の減少や損失の増大が起こ
り、また高周波特性や低温特性に劣る等の欠点がある。
【0004】アルミニウムあるいはタンタル固体電解コ
ンデンサは、電解質として固体の二酸化マンガンを用い
ることで容量劣化などは克服できるが、二酸化マンガン
の付着量を増加させるために、硝酸マンガン水溶液によ
る浸漬、熱分解を通常複数回乃至数十回繰り返し行わな
ければならない。このため、熱分解時に誘電体としての
酸化皮膜に損傷を来し、漏れ電流が大きくなるという欠
点が指摘されている。
【0005】上記のことから、二酸化マンガンに代えて
有機の固体電解質として7,7,8,8−テトラシアノ
キノジメタン錯塩(以下、TCNQという)を用いたコ
ンデンサも提案されているが(特開昭58−17609
号)、TCNQ錯体は高い導電性を示すが、熱安定性に
乏しいためコンデンサ製造過程で分解して絶縁体になる
ことがあり、熱特性に問題を有している。
【0006】このほか、ピロール、チオフェン、フラン
などの複素環化合物の重合体を固体電解質として用いた
コンデンサの製造法も提案されている(特開昭60−2
44017号)。この方法は、複素環化合物の重合体を
陽極酸化皮膜上に電解酸化重合によって導電性高分子膜
として形成しようとするものであるが、陽極酸化皮膜層
が絶縁化されていて電流が流れにくいため、陽極酸化皮
膜層上に充分な複素環化合物の重合体膜を形成させるこ
とは非常に困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】複素環化合物の重合体
膜を陽極酸化皮膜上に形成するには、上記した電解酸化
重合のほかに、化学酸化重合による方法も検討されてい
るが、この方法は陽極酸化皮膜を形成した弁作用金属を
複素環化合物モノマーの溶液に浸漬したのち、直ちにこ
のモノマーの溶液よりも低温の酸化剤溶液中で化学酸化
重合を行うか、またはモノマー、酸化剤、ドーパントを
混合した室温またはそれ以下の温度に保った混合溶液に
浸漬することで高分子重合体の形成速度を抑制しつつ化
学酸化重合を行うものである。ところが、この化学酸化
重合は、上記した陽極酸化皮膜上への電解酸化重合によ
る導電性重合体膜の形成の困難さを解消するために、そ
の前段階として実施されるようになったものであり、従
ってこのような化学酸化重合だけで複素環化合物モノマ
ーによる導電性高分子膜を施し、しかもコンデンサとし
ての適正な容量を得ようとしても、このような低温条件
下ではモノマー粘度が高いために陽極酸化皮膜内への浸
透が悪く、従って浸透、乾燥の工程を数十回繰り返し行
わなければならないなど、非常に手間を要するという問
題が指摘されている。
【0008】この発明は、上記のような手間を要するこ
となく、化学酸化重合のみにてコンデンサとしての適正
な容量が得られる複素環化合物の重合体膜を陽極酸化皮
膜上に形成することのできる固体電解コンデンサの製造
法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明のうち請求項1に記載の発明は、表面
に陽極酸化皮膜を形成した弁作用金属焼結体を複素環化
合物モノマーと酸化剤および/またはドーパントを混合
した30〜60℃の混合溶液に含浸して、化学酸化重合
にて上記焼結体の陽極酸化皮膜上に導電性高分子膜を固
体電解質として形成した固体電解コンデンサを得ること
を特徴とするものである。
【0010】請求項2に記載の発明は、上記請求項1に
おいて、複素環化合物モノマーとしてピロール、チオフ
ェン、フランあるいはそれらの誘導体から選ばれた少な
くとも1種のモノマーを用いることを特徴とするもので
ある。
【0011】要するに、この発明は、弁作用を有する金
属陽極体表面の陽極酸化皮膜上に固体電解質として複素
環化合物モノマーからなる導電性高分子膜を化学酸化重
合によって形成するに当たって、複素環化合物モノマー
と酸化剤、ドーパントとの混合溶液中での含浸処理を3
0〜60℃という高温で行ったのちに、室温乾燥時に重
合反応を行わせることによって導電性高分子膜を形成す
るもので、容量出現率の大きい、高周波特性にすぐれた
固体電解コンデンサを得ることができるのである。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明において、固体電解コン
デンサの陽極として用いられる弁作用金属としては、例
えばアルミニウム、タンタル、ニオブ、チタンおよびこ
れらを基質とする合金等、弁作用を有する金属であれば
よい。
【0013】弁作用金属の表面に形成する誘電体酸化皮
膜は、弁作用金属の表面部分に設けられた弁作用金属自
体の酸化物層であっても、あるいは弁作用金属の表面上
に設けられた他の誘電体酸化物の層であってもよいが、
特に弁作用金属自体の酸化物からなる層であることが好
ましい。
【0014】この発明で化学酸化重合によって導電性高
分子膜を得るに使用する複素環化合物モノマーとして
は、ピロール、チオフェン、フランあるいはそれらの誘
導体のうちの1種を用いることができる。また、化学酸
化重合において複素環化合物モノマーとともに用いる酸
化剤やドーパントとしては、1つの物質でそれ自身酸化
重合で形成された複素環ポリマーのドーパントとなり、
電導性を付与するものとして、例えばパラトルエンスル
ホン酸鉄が挙げられるが、このほか従来から酸化剤とし
て周知の、例えばFeCl3 、AsF5 、PF5 、BF
3 、SbF5 、KMnO4 、(Na2 )S2 8 、(N
4 2 2 8 、などを用いてもよい。さらに、形成
された複素環ポリマーの電導性を高めるためには、酸化
剤以外の周知のドーパントを併用することも好ましい。
【0015】この発明は、複素環化合物モノマー、酸化
剤、ドーパントの混合溶液を30〜60℃の高温とし、
この高温下の混合溶液中に焼結体を含浸するものであ
る。これによって混合溶液の粘性や表面張力が低下して
焼結体表面の酸化皮膜内部の細孔にまで溶液が侵入する
ことができ、酸化皮膜上に付着したモノマーとともにそ
のような内部においても侵入したモノマーの重合が起き
て、緻密な導電性高分子膜を得ることができ、それらの
部分からも容量を引き出し、容量出現率の高い高周波特
性にすぐれたコンデンサを得ることができるのである。
従って、所望の厚さの導電性高分子膜を得るに際しても
混合溶液中への焼結体の含浸回数を減ずることが可能と
なり、コンデンサ製造作業の簡素化にも寄与するのであ
る。
【0016】
【実施例】以下、実施例によりこの発明を詳細に説明す
る。弁作用を有する金属焼結体としてアルミニウム焼結
体を用い、電解酸化してその表面に陽極酸化皮膜を形成
した。別に2.0モル/lのピロールモノマーのエタノ
ール溶液と酸化剤、ドーパントとしての0.6モル/l
のパラトルエンスルホン酸鉄塩(ドイツ、バイエル社
製)のブタノール溶液を調製した。そして、この両溶液
を混合し、エタノールで希釈して混合溶液を調製した。
【0017】次に、上記で調製した混合溶液を60℃に
加熱し、その温度に維持した溶液中に表面に陽極酸化皮
膜を有するアルミニウム焼結体を15分間含浸した。そ
の後、混合溶液から取り出し、室温で15分間放置する
ことで溶媒の除去および含浸したピロールモノマーの重
合反応を行わせ、次いでエタノールによって室温で10
分間洗浄を行った後、60℃で5分間乾燥することによ
ってアルミニウム焼結体の陽極酸化皮膜上に陰極層とし
てポリピロールよりなる導電性高分子膜が形成された。
上記の工程を数回繰り返したのち、得られた導電性高分
子膜上にカーボンペースト、銀ペーストを順に付着させ
て固体電解コンデンサを作製した。
【0018】上記実施例では、酸化剤としてドーパント
を兼ね備えたパラトルエンスルホン酸鉄塩を用いたの
で、鉄イオンによってモノマーが酸化され、その反応と
同時にトルエンスルホン酸イオンが導入されてドーパン
トとして作用し、緻密な導電性高分子膜を得たものであ
る。
【0019】比較のために、上記実施例と同じ混合溶液
を用いたが、その含浸処理を室温で行い、しかも上記実
施例で得た導電性高分子膜と同じ膜厚とするために、そ
の工程を20回以上繰り返し、その後は上記実施例と同
じようにして導電性高分子膜上にカーボンペースト、銀
ペーストを順に付着させて固体電解コンデンサを作製し
た。
【0020】かくして得られた実施例によるコンデンサ
の120Hzにおける静電容量は95.5μF(容量出
現率は97.4%)であった。これに対し、上記比較例
で得たコンデンサの120Hzにおける静電容量は2
0.2μF(容量出現率は20.6%)であって、これ
はこの発明の方法で最大の特徴とする導電性高分子膜生
成工程における複素環化合物と酸化剤、ドーパントとの
混合溶液による含浸処理を30〜60℃の高温で行うこ
との効果の如何に大きいかを如実に表している。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は表面に
陽極酸化皮膜を形成した弁作用金属焼結体を複素環化合
物モノマーと酸化剤および/またはドーパントとよりな
る30〜60℃の温度に保持した混合溶液に含浸したの
ち、室温による乾燥時に化学酸化重合を行うものであ
り、含浸時の混合溶液の温度を上記の範囲に保持するこ
とによって混合溶液の粘性や表面張力が低下して焼結体
表面の酸化皮膜内部の細孔にまで溶液が侵入することが
でき、酸化皮膜上に付着したモノマーとともにそのよう
な内部においても侵入したモノマーの重合が起きて、緻
密な導電性高分子膜を得ることができ、容量出現率の高
い高周波特性にすぐれた固体電解コンデンサを得ること
ができるのである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に陽極酸化皮膜を形成した弁作用金
    属焼結体を複素環化合物モノマーと酸化剤および/また
    はドーパントを混合した30〜60℃の混合溶液に含浸
    したのち、化学酸化重合にて上記焼結体の陽極酸化皮膜
    上に導電性高分子膜を固体電解質として形成することを
    特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 【請求項2】 複素環化合物モノマーとしてピロール、
    チオフェン、フランあるいはそれらの誘導体から選ばれ
    た少なくとも1種のモノマーを用いることを特徴とする
    請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002260964A (ja) * 2000-12-28 2002-09-13 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサの製造方法及び固体電解コンデンサ
JP2002260963A (ja) * 2000-12-28 2002-09-13 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサの製造方法及び固体電解コンデンサ
JP2006156903A (ja) * 2004-12-01 2006-06-15 Tdk Corp 固体電解コンデンサの製造方法

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