JP2000036927A - 複数映像表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数人にそれぞれ別の映像を同時に観察させ
ることができる複数映像表示装置を提供する。 【解決手段】 複数映像表示装置２０は例えばナビゲー
ションシステムと組み合わされて自動車に搭載される。
複数映像表示装置２０の画像表示液晶パネル４は、ナビ
ゲーション画像（Ｖ１）とテレビジョン映像（Ｖ２）と
を時間的に交互に表示する。この交互表示タイミングに
同期して、液晶シャッタ２は、縦ストライプ状に交互に
形成される透光部ｅ１と遮光部ｅ２とを相互に入れ代え
る。表示映像の切換と液晶シャッタ２の動作により、第
１の観察位置に居る観察者１０Ａはナビゲーション画像
（Ｖ１）のみを観察し、第２の観察位置に居る観察者１
０Ｂはテレビジョン映像（Ｖ２）のみを観察することに
なる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、自動車
に搭載されるナビゲーションシステム等に利用すること
ができる複数映像表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】小型のテレビジョンセットを自動車に搭
載することにより、車内でテレビジョン放送を楽しむこ
とが行われている。また、衛星からの電波を受信して自
己の位置を算出して地図とともにその位置関係をディス
プレイに表示するナビゲーションシステムが自動車に搭
載されるようになってきている。更には、両機能を兼ね
備えたシステム、即ち、一つの画面にナビゲーション画
像とテレビジョン映像のいずれかを選択して表示するも
のが提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ナビゲ
ーション画像とテレビジョン映像のいずれかを選択して
表示するシステムでは、例えば、ドライバーがナビゲー
ションシステムを利用しているときには、助手席側では
テレビジョン映像を鑑賞することができないし、同様
に、助手席側でテレビジョン映像を鑑賞しているときに
は、ドライバーはナビゲーションシステムを利用できな
いという問題があった。また、一つの画面を例えば左右
に分割して一方の領域にナビゲーション画像を表示し、
他方の領域にテレビジョン映像を表示することが考えら
れるが、これでは実質的に画面が小さくなり、見づらい
という問題がある。また、このような問題は、二人の間
で見たいテレビ番組が異なる場合にも生じていた。

【０００４】この発明は、上記の事情に鑑み、複数人に
それぞれ別の映像を同時に観察させることができる複数
映像表示装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明の複数映像表示
装置は、上記の課題を解決するために、一つの画面に少
なくとも第１の画像と第２の画像を時間的に又は位置的
に交互に表示する表示手段と、第１の画像を第１の観察
位置に導き、第２の画像を第２の観察位置に導く導光手
段と、を備えたことを特徴とする。前記第１の観察位置
と第２の観察位置とは上下方向に隣り合ってもよいし、
左右方向に隣り合ってもよい。

【０００６】左右方向に隣り合う構成を採用するととも
にナビゲーションシステムと融合させてこれを自動車に
搭載すれば、ドライバーがナビゲーションシステムを利
用しているときでも、助手席側ではテレビジョン映像を
鑑賞することができる。また、助手席側で或るチャンネ
ルのテレビ番組を見るともとに、ドライバーが別のチャ
ンネルのテレビ番組を見ることも可能になる。勿論、居
間等に設置したときでも、第１の観察位置に居る観察者
は第１の画像を鑑賞でき、第２の観察位置に居る観察者
は第２の画像を鑑賞することができる。また、前記第１
の観察位置と第２の観察位置が上下方向に隣り合う構成
であれば、視点位置の低い人と視点位置の高い人とで別
の映像を見ることができる。

【０００７】また、この発明の複数映像表示装置は、一
つの画面に少なくとも第１の画像と第２の画像を時間的
に交互に表示する表示手段と、第１の画像が表示される
ときに透光状態になり、第２の画像が表示されるときに
遮光状態となる第１の液晶シャッタ眼鏡と、第１の画像
が表示されるときに遮光状態になり、第２の画像が表示
されるときに透光状態となる第２の液晶シャッタ眼鏡
と、を備えたことを特徴とする。

【０００８】上記の構成であれば、例えばドライバーが
第１の液晶シャッタ眼鏡を装着して第１の画像（例え
ば、ナビゲーション画像）を見るとともに、助手席側の
人は第２の液晶シャッタ眼鏡を装着して第２の画像（例
えば、テレビジョン映像）を鑑賞することができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】（実施の形態１）以下、この発明
の実施の形態を図１乃至図３に基づいて説明する。

【００１０】図１は、この実施の形態の複数映像表示装
置２０を示した説明図である。この複数映像表示装置２
０は、平面状に発光するバックライト１と、このバック
ライト１の光出射側に配置された液晶シャッタ２と、こ
の液晶シャッタ２の光出射側に配置されたレンチキュラ
ーレンズ３と、このレンチキュラーレンズ３の光出射側
に配置された光透過型の画像表示液晶パネル４とを備え
る。

【００１１】液晶シャッタ２は、所定幅の縦ストライプ
状の透光部ｅ１と遮光部ｅ２を交互に形成し且つ所定の
周期で透光部ｅ１と遮光部ｅ２とが相互に入れ代わるよ
うになっている。つまり、この液晶シャッタ２は、例え
ば透明ガラスや透明樹脂から成る透明基板２ａ，２ｂ間
に液晶層２ｅを有しており、透明基板２ａ，２ｂのうち
の一方の内面側には前記透光部ｅ１と遮光部ｅ２に対応
したピッチで透明導電膜がストライプパターン状に形成
され、他方の内面側には透明導電膜がベタパターンで形
成されている。そして、透明基板２ａ，２ｂの各々の外
面側には、偏光板２ｃ，２ｄが貼付されている。前記ス
トライプパターン状の透明電極への通電を制御すること
により、上述のごとく透光部ｅ１と遮光部ｅ２とを交互
に且つ相互に入れ換えて形成することができる。なお、
液晶シャッタ２の液晶材料としては、高速応答性に優れ
た強誘電性液晶を用いるのが望ましい。

【００１２】レンチキュラーレンズ３は、複数の蒲鉾レ
ンズ部３ａ…を縦長に有して成る。各蒲鉾レンズ部３ａ
は、前記液晶シャッタ２における透光部ｅ１と遮光部ｅ
２との各組に対応した位置に形成されている。

【００１３】図示しない制御手段は、前記の画像表示液
晶パネル４に第１の画像（Ｖ１）と第２の画像（Ｖ２）
とを時間的に交互に表示させるとともに、この交互表示
に同期させて前記液晶シャッタ２における透光部ｅ１と
遮光部ｅ２との交互形成、即ち、ストライプパターン透
明電極膜への通電制御を行うようになっている。

【００１４】図１では、液晶シャッタ２の透光部ｅ１が
二人の観察者１０Ａ，１０Ｂのうちの観察者１０Ｂに対
応して形成されている状態を示している。この状態で前
記バックライト１からの光は前記透光部ｅ１を通り、前
記レンチキュラーレンズ３の蒲鉾レンズ部３ａ…の集光
作用によって第２の観察位置に居る観察者１０Ｂへと導
かれ、このタイミングで画像表示液晶パネル４に第２の
画像（Ｖ２）を表示しておくことで、この第２の画像
（Ｖ２）が観察者１０Ｂの両眼へと導かれる一方、観察
者１０Ａへは前記遮光部ｅ２の存在によって導かれない
ことになる。そして、透光部ｅ１と遮光部ｅ２とを丁度
入れ代わるようにする、前記バックライト１からの光は
所定ピッチずれた透光部を通り、前記レンチキュラーレ
ンズ３の蒲鉾レンズ部３ａ…の集光作用にて第１の観察
位置に居る観察者１０Ａへと導かれ、このタイミングで
画像表示液晶パネル４に第１の画像（Ｖ１）を表示して
おくことで、この第１の画像（Ｖ１）が観察者１０Ａの
両眼へと導かれる一方、観察者１０Ｂへは所定ピッチず
れた遮光部にて導かれないことになる。これを繰り返す
ことで、観察者１０Ａは第１の画像（Ｖ１）のみを観察
し、観察者１０Ｂは第２の画像（Ｖ２）のみを観察する
ことになる。

【００１５】図２は、前記の蒲鉾レンズ部３ａの形成ピ
ッチをＰ₁ 、透光部ｅ１と遮光部ｅ２の形成ピッチをＰ
₂ 、観察者１０Ａと観察者１０Ｂとの間隔（第１の観察
位置の中心と第２の観察位置の中心との距離）をＧ、蒲
鉾レンズ部３ａの焦点距離をｆ、蒲鉾レンズ部３ａと液
晶シャッタ２との距離をｄとしたときの、各部材の配置
および寸法関係を示した説明図である。この実施の形態
では、各部材の配置および寸法関係は、以下の第１式お
よび第２式を満たすようにしている。

【００１６】

【数１】 ｆ ＝Ｇ×ｄ／（Ｇ−Ｐ₂ ） ……第１式 Ｐ₂ ＝Ｇ×Ｐ₁ ／（２×Ｇ−Ｐ₁ ） ……第２式

【００１７】上記の第１式および第２式は、以下の第３
式乃至第５式に基づいて導き出されている。

【００１８】

【数２】 Ｐ₂ ：ｄ＝Ｇ：Ｄ ……第３式 Ｄ：Ｐ₁ ＝（Ｄ＋ｄ）：２×Ｐ₂ ……第４式 １／ｄ−１／Ｄ＝１／ｆ ……第５式

【００１９】図３は、この実施の形態の複数映像表示装
置２０を自動車に搭載して使用した場合の説明図であ
る。この図３の複数映像表示装置２０は、ナビゲーショ
ンシステムと組み合わされており、第１の画像（Ｖ１）
としてナビゲーション画像を表示し、第２の画像（Ｖ
２）としてテレビジョン映像を表示する。これら２つの
画像は時間的に交互に表示される。そして、液晶シャッ
タ２の透光部ｅ１と遮光部ｅ２における交互入れ代え動
作により、前記ナビゲーション画像はドライバーに向け
て導かれ、テレビジョン映像は助手席側の乗車者に向け
て導かれる。なお、図示しない操作ボタンを操作するこ
とにより、画像表示液晶パネル４に一つの画像のみを表
示し、液晶シャッタ２においては透光部ｅ１のみを形成
するモードに切り換えるように構成してあり、このモー
ドに切り換えたときには、二人の乗車者は同一の画像を
鑑賞することになる。また、テレビジョン放送の音声に
ついては、ナビゲーションシステムの音声案内の邪魔に
ならないように、イヤホンによって聞くことができ、ま
た、その逆の形態も可能である。

【００２０】なお、この実施の形態では、液晶シャッタ
２の透光部ｅ１と遮光部ｅ２の交互形成によって平面状
のバックライト１に二方向の指向性を持たせたが、これ
に限らず、例えば、互いに配置位置が異なって交互に明
滅する二つのライン状光源と、このライン状光源の光を
例えばレンチキュラーレンズやバリアによって拡散板に
導いてこの拡散板上に明部縦ラインと暗部縦ラインを交
互に形成して当該明部縦ラインをストライプ状光源とし
て用いる方法、或いは、特定方向に光を導くように凹凸
パターンが形成されたホログラム或いは回折格子を用い
る方法を採用してもよいものである。更に、ＥＬ（エレ
クトロルミネッセンス）やＬＥＤ（発光ダイオード）等
の発光素子をマトリクス状に配置し、所定の縦列の発光
素子を明滅させることでストライプ状光源を形成するこ
とも可能である。

【００２１】（実施の形態２）以下、この発明の実施の
形態を図４及び図５に基づいて説明する。

【００２２】図４に示すように、この実施例の複数映像
表示装置３０は、光出射側ガラス基板３１と、光入射側
ガラス基板３２と、これらの間に配置された透明電極及
び液晶層から成る画像形成面と、光入射側ガラス基板３
２の光源面側に貼着された光入射側偏光板３９と、光出
射側ガラス基板３１の観察者側に配置された光出射側偏
光板４０とから成る液晶パネルを備える。

【００２３】上記液晶パネルの光源側には平面状に発光
するバックライト３５が配置され、このバックライト３
５から出射されて入射側の偏光板３９を透過した光が画
像形成面で変調されることになる。この画像形成面に
は、図示しない表示制御部の処理によって１縦ラインご
とに第１の画像（Ｖ１）と第２の画像（Ｖ２）とが表示
される。そして、画像形成面の観察者側に配置したパラ
ラックスバリア３６によって、第１の画像（Ｖ１）は第
１の観察位置に居る観察者１０Ａの両眼へと導かれ、第
２の画像は第２の観察位置に居る観察者１０Ｂの両眼へ
と導かれる。

【００２４】パララックスバリア３６は、光出射側のガ
ラス基板３１とは別のガラス基板３７の光源面側に直接
に形成され、このガラス基板３７を光出射側ガラス基板
３１に貼着することによりパララックスバリア３６が光
出射側ガラス基板３１の観察者面側に接するようにして
いる。また、光出射側偏光板４０はこのガラス基板３７
の観察者面側に貼着されている。

【００２５】また、パララックスバリア３６は、例えば
黒色レジストや酸化クロムの薄膜をガラス基板７の光源
側に形成し、エッチングすることにより開口部を形成し
た高精細な縦ストライプ状に形成される。液晶パネルに
おける第１の画像（Ｖ１）が形成される部分とパララッ
クスバリア３６の開口部と観察者１０Ａとが略一直線に
並び、且つ液晶パネルにおける第２の画像（Ｖ２）が形
成される部分とパララックスバリア３６の開口部と観察
者１０Ｂとが略一直線に並ぶように位置合わせがなさ
れ、この位置合わせの後にガラス基板３７と光出射側ガ
ラス基板３１とが例えば、エポキシ樹脂を主成分とする
接着剤で接着される。

【００２６】このように構成された複数映像表示装置３
０によれば、観察者１０Ａの両眼には第１の画像のみが
導かれ、観察者１０Ｂの両眼には第２の画像のみが導か
れることになる。つまり、複数人にそれぞれ別の映像を
同時に観察させることが可能になる。

【００２７】なお、この実施の形態では、パララックス
バリア３６を用いたが、レンチキュラーレンズを用いた
構成を採用してもよいものである。レンチキュラーレン
ズを用いる複数映像表示装置は、図５に示すように、デ
ィスプレイ４５に所定の画素ピッチで第１の画像（Ｖ
１）と第２の画像（Ｖ２）とを縦ストライプ状に交互に
表示させ、縦長の蒲鉾形のレンズが一定のレンズピッチ
で連続するレンチキュラーレンズ４６を通して、所定距
離をおいた第１の観察位置に居る観察者１０Ａの両眼に
第１の画像を認識させ、第２の観察位置に居る観察者１
０Ｂの両眼に第２の画像を認識させる。

【００２８】また、実施の形態１および実施の形態２の
いずれも第１の観察位置と第２の観察位置とを水平方向
に隣り合うように設定したが、第１の観察位置と第２の
観察位置とを上下方向に隣り合うように設定してもよい
ものである。このような設定を行った場合の利用方法と
しては、例えば、パチンコ等の遊技場において、着席し
ている遊技者はテレビジョン映像等を鑑賞し、当該遊技
者よりも目の位置が高い通行者（遊技台をさがしている
人）には、遊技台情報（大当たり回数情報等）を見せる
といったことが考えられる。

【００２９】また、実施の形態１および実施の形態２の
いずれも特殊な眼鏡を使用しない例を示したが、特殊な
眼鏡として液晶シャッタ眼鏡を用いる構成を採用しても
よいものである。具体的には、図６に示すように、複数
映像表示装置５０の一つの画面において、第１の画像で
あるナビゲーション画像と第２の画像であるテレビジョ
ン映像を時間的に交互に表示する。そして、ドライバー
が装着することになる第１の液晶シャッタ眼鏡５１につ
いてはナビゲーション画像が表示されるときに両眼鏡部
とも透光状態になり、テレビジョン映像が表示されると
きに両眼鏡部とも遮光状態となるように構成する一方、
助手席側の乗車者が装着することになる第２の液晶シャ
ッタ眼鏡５２についてはナビゲーション画像が表示され
るときに両眼鏡部とも遮光状態になり、テレビジョン映
像が表示されるときに両眼鏡部とも透光状態となるよう
に構成する。各液晶シャッタ眼鏡における透光状態と遮
光状態の切換は、ディスプレイ側から出力される画像切
換信号を有線（ワイヤード）或いは無線（赤外線等）で
受信してこれを液晶シャッタ眼鏡の液晶ドライバに与え
ることで実現することができる。

【００３０】また、３つ以上の映像を表示することで、
３人以上で異なる映像を見ることも可能である。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、複数人にそれぞれ別の映像を同時に観察させること
ができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の形態１の複数映像表示装置を
示す説明図である。

【図２】図１の複数映像表示装置の各部材の配置および
寸法関係を示した説明図である。

【図３】図１の複数映像表示装置をナビゲーションシス
テムに融合させるてこれを自動車に搭載した場合を示し
た説明図である。

【図４】この発明の実施の形態２のパララックスバリア
を用いた複数映像表示装置の一例を示す説明図である。

【図５】この発明の実施の形態２のレンチキュラーレン
ズを用いた複数映像表示装置の一例を示す説明図であ
る。

【図６】この発明の液晶シャッタ眼鏡を用いた複数映像
表示装置の概略を示した説明図である。

【符号の説明】

１ バックライト ２ 液晶シャッタ ３ レンチキュラーレンズ ４ 画像表示液晶パネル ２０ 複数映像表示装置

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一つの画面に少なくとも第１の画像と第
   ２の画像を時間的に又は位置的に交互に表示する表示手
   段と、第１の画像を第１の観察位置に導き、第２の画像
   を第２の観察位置に導く導光手段と、を備えたことを特
   徴とする複数映像表示装置。
2. 【請求項２】 前記第１の観察位置と第２の観察位置が
   上下方向に隣り合うことを特徴とする請求項１に記載の
   複数映像表示装置。
3. 【請求項３】 前記第１の観察位置と第２の観察位置が
   左右方向に隣り合うことを特徴とする請求項１に記載の
   複数映像表示装置。
4. 【請求項４】 前記第１の画像はナビゲーション画像で
   あり、前記第２の画像はテレビジョン映像であり、前記
   第１の観察位置はドライバー席側に設定されており、前
   記第２の観察位置は助手席側に設定されていることを特
   徴とする請求項３に記載の複数映像表示装置。
5. 【請求項５】 前記第１の画像は第１のテレビジョン映
   像であり、前記第２の画像は第２のテレビジョン映像で
   あり、前記第１の観察位置はドライバー席側に設定され
   ており、前記第２の観察位置は助手席側に設定されてい
   ることを特徴とする請求項３に記載の複数映像表示装
   置。
6. 【請求項６】 一つの画面に少なくとも第１の画像と第
   ２の画像を時間的に交互に表示する表示手段と、第１の
   画像が表示されるときに透光状態になり、第２の画像が
   表示されるときに遮光状態となる第１の液晶シャッタ眼
   鏡と、第１の画像が表示されるときに遮光状態になり、
   第２の画像が表示されるときに透光状態となる第２の液
   晶シャッタ眼鏡と、を備えたことを特徴とする複数映像
   表示装置。