JP2000030718A - 扁平形非水電解液電池 - Google Patents

扁平形非水電解液電池

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JP2000030718A
JP2000030718A JP10174963A JP17496398A JP2000030718A JP 2000030718 A JP2000030718 A JP 2000030718A JP 10174963 A JP10174963 A JP 10174963A JP 17496398 A JP17496398 A JP 17496398A JP 2000030718 A JP2000030718 A JP 2000030718A
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正美 鈴木
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宗人 早見
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千鶴 畑中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温下における保存特性が優れている非水電
解液電池が提供される。 【解決手段】 正極2とセパレータ3と負極4とがフッ
素化合物を電解質とする非水電解液と一緒に正極ケース
1の中に着設され、正極ケース1は封口材5を介して負
極ケース6で封口されている扁平形非水電解液電池にお
いて、正極ケース1の内側底面の一部分が合成樹脂,ゴ
ム,ビチューメンなどの塗膜7で被覆されていて、塗膜
7の被覆箇所が、封口材5の内周縁部5aから正極2の
外周縁部2aにかけての部分であり、かつ、正極2の直
下に位置する正極ケース1の内側底面には正極の面積の
80%以上に相当する面積の塗膜非被覆箇所が存在し、
塗膜非被覆箇所にはその面積の50%以上に相当する面
積の導電層8が形成されている扁平形非水電解液電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は扁平形非水電解液電
池に関し、更に詳しくは、リチウム系フッ素化合物を電
解質とする非水電解液が内蔵された扁平形非水電解液電
池であって、高温下における保存特性が優れている扁平
形非水電解液電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム電池やリチウムイオン二次電池
に代表される非水電解液電池は、電解液が水溶液である
電池に比べて、放電電圧が高く、低温特性や長期保存特
性が優れており、各種形状のものが市販されているが、
それらのうち、コイン形状やカード形状をした後述する
扁平形のものは、小型軽量であり、その製造が簡単であ
り、大量生産が容易であるため、各種の電子機器のメモ
リバックアップ電源などとして広く普及し始めている。
【0003】この扁平形非水電解液電池は、通常、次の
ような構造になっている。
【0004】すなわち、上部が開口する例えばステンレ
ス鋼製の正極ケースの中に、正極とセパレータと負極と
をこの順序で積層した発電要素が前記正極と正極ケース
の内側底面とを接触させた状態で着設され、更に所定の
非水電解液が収容されていて、前記正極ケースの開口
は、電気絶縁性の封口材を介して例えばステンレス鋼製
の負極ケースで封口された密閉構造になっている。
【0005】非水電解液としては、従来、LiClO4
を電解質とし、これを例えば一次電池の場合はプロピレ
ンカーボネートと1,2−ジメトキシエタン、二次電池
の場合はエチレンカーボネートとジエチルカーボネート
の混合物であるような非水溶媒に溶解せしめたものが広
く用いられてきている。しかしながら最近では、電池の
放電特性の向上や安全性の更なる確保という観点から、
電解質としてはLiClO4に代え、LiCF3SO3
LiPF6,LiBF4,LiN(CF3SO2)2,LiN
(C25SO2)2のような、フッ素基を導入した非水電解
液系フッ素化合物が検討され、既に一部では実用化も行
われている。
【0006】この扁平形非水電解液電池は、常温下にお
ける保存寿命が通常5〜10年であって、その長期保存
特性に優れている。しかしながら、最近では、電子機器
の耐用年数の増加や高温下における使用頻度の増大とい
う使用環境の変化に伴い、保存特性の更なる向上が求め
られている。
【0007】しかしながら、正極ケースにステンレス鋼
を使用した場合、高温下で電池を長期間保存しておく
と、正極ケースが腐食して電池特性の低下を招くという
ことが従来から指摘されている。
【0008】とくに、前記したリチウム系フッ素化合物
を電解質とする非水電解液を用いた電池の場合には、こ
のフッ素化合物は微量混入する水分などの影響を受けて
分解し、フッ酸などの腐食性が高い遊離酸を生成して正
極ケースの腐食を促進するという問題がある。また、非
水電解液の調製時には、硫酸根,リン酸根,ホウ酸根な
どの高腐食性の不純物の混入も起こり、これらは精製し
ても完全に除去することが困難であるため、このことも
正極ケースの腐食を促進する一要因になっている。
【0009】このように、リチウム系フッ素化合物を電
解質とする非水電解液を用いた扁平形電池の場合、電解
質がフッ素化合物ではない電池の場合に比べて正極ケー
スの腐食が著しく促進される。そのため、正極ケースに
対してはより有効な防食処理を施すことが必要になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フッ素化合
物を電解質とする非水電解液を用いた扁平形電池におけ
る上記した問題を解決し、正極ケースの腐食を有効に防
止し、高温下で長期間保存した場合であっても電池特性
の低下が抑制される扁平形非水電解液電池の提供を目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
目的を達成するための研究過程で、フッ素化合物を電解
質とする非水電解液を用いた扁平形電池を高温(80
℃)下に放置し、そのときの正極ケースの内面の腐食挙
動を観察した。
【0012】その結果、腐食は正極ケースの内面全体で
発生しているのではなく、正極ケースの内面のうち、封
口材の内周縁部から着設されている正極の外周縁部に至
るドーナッツ形状をした底面部分に点在する孔食として
集中的に発生しているという事実を見出した。また、着
設されている正極の直下に位置する正極ケースの底面で
は、腐食はあまり発生していないという事実を見出し
た。
【0013】この現象は、扁平形電池における正極ケー
スの前記ドーナッツ形状の部分には非水電解液が貯留し
やすいため、正極ケースの他の内面箇所に比べて腐食が
起こりやすくなり、また、この部分では、正極ケース
(金属)と高電位にある正極とが隣接しているので両者
間で局部電池が形成されることになって、正極ケースの
腐食は進行するものと、本発明者らは考察した。
【0014】したがって、本発明者らは、この部分を非
水電解液に対して耐食性を有する材料で被覆することに
より、正極ケースの上記腐食現象を防止することができ
るとの着想を抱き、本発明の扁平形非水電解液電池を開
発するに至った。
【0015】すなわち、本発明の扁平形非水電解液電池
は、正極とセパレータと負極とがフッ素化合物を電解質
とする非水電解液と一緒に正極ケースの中に着設され、
前記正極ケースは封口材を介して負極ケースで封口され
ている扁平形非水電解液電池において、前記正極ケース
の内側底面の一部分が有機物から成る塗膜で被覆されて
いることを特徴とする。
【0016】本発明においては、とくに、前記有機物
が、合成樹脂,ゴム、またはビチューメンのいずれかで
あり、前記塗膜の被覆箇所が、前記封口材の内周縁部か
ら前記正極の外周縁部にかけての部分であり、かつ、前
記正極の直下に位置する前記正極ケースの内側底面には
前記正極の面積の80%以上に相当する面積の塗膜非被
覆箇所が存在し、前記塗膜非被覆箇所にはその面積の5
0%以上に相当する面積の導電層が形成されており、前
記塗膜の厚みは5〜70μmであり、かつ前記導電層の
厚みは前記塗膜の厚みの60%以上の厚みである扁平形
非水電解液電池が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に則して本発明の扁平
形非水電解液電池を扁平形非水電解液二次電池を例にし
て詳細に説明する。図1は本発明電池の構成例を示す断
面図であり、図2は電池の組み立てを説明するための分
解斜視図である。
【0018】図において、正極端子も兼ねる例えばステ
ンレス鋼から成る正極ケース1の中には、ペレット形状
をした正極2,電気絶縁性で保液性を備えた例えばポリ
プロピレン不織布から成るセパレータ3,同じくペレッ
ト形状をした負極4がこの順序で積層された状態で着設
されている。そして、正極ケース1は、そこに収容され
た例えばポリプロピレン樹脂のような電気絶縁性でかつ
非水電解液に対する耐薬品性を備えた材料から成る封口
材5を介して、負極端子も兼ねる例えばステンレス鋼製
の負極ケース6で封口され、全体は密閉構造になってい
る。なお、負極ケース6の内面には例えばニッケルネッ
トなどの負極集電体6aを配置し、負極4からの集電能
を高める処置が施されている。
【0019】本発明の電池は、上記した構造において、
正極ケース1の内側底面1aの一部分が有機物から成る
塗膜7で被覆されている。
【0020】具体的には、封口材5の内周縁部5aから
正極2の外周縁部2aに至るドーナッツ形状の部分が塗
膜7で被覆されている。
【0021】この塗膜7は、最も腐食が起こりやすい正
極ケース1の上記ドーナッツ形状の底面1aに非水電解
液(図示しない)が接触して腐食作用を及ぼすことを防
止するためのバリアとして機能する。このような塗膜7
を形成する材料としては、電気絶縁性であり、また塗膜
にしたときピンホールが発生することなく緻密であって
非水電解液が正極ケース1の底面1aにまで滲透してい
くことを抑制することができ、また塗布作業も容易に行
えるような材料が用いられる。
【0022】具体的には、ポリエチレン,ポリプロピレ
ン,アクリル樹脂,エポキシ樹脂,フッ素樹脂,各種の
セルロース樹脂のような合成樹脂;スチレン−ブタジエ
ンゴム,ニトリルゴム,エチレン−プロピレンゴム,ス
チレン−ブタジエンゴム,ニトリルゴム,エチレン−プ
ロピレンゴム,フッ素ゴムのようなゴム;アスファル
ト,ピッチ,タールのようなビチューメン;などを好適
例としてあげることができる。
【0023】この塗膜7は次のようにして成膜すること
ができる。例えばポリエチレンを用いた場合、ポリエチ
レン微粒子の水懸濁液を調製してそれを正極ケース1の
内面所定箇所に塗布し、ついで乾燥処理を施したのち
に、ポリエチレンの溶融温度以上の温度に加熱してポリ
エチレンの溶融膜を形成し、それを冷却することによっ
て緻密な塗膜にする。また、ゴムやビチューメンを用い
る場合には、それらを例えばトルエンのような適当な溶
剤に溶解し、得られた溶液を正極ケースの所定箇所に塗
膜したのち加熱して溶剤を揮散せしめ、同じく緻密な塗
膜にすることもできる。
【0024】この塗膜7の厚みは5〜70μmであるこ
とが好ましい。厚みが5μmより薄くなると正極ケース
の腐食を防止する効果が著しく低下し、また70μmよ
り厚くすると、重ね塗りなどの作業が必要となって作業
性に劣るうえ、電池の内容積も減少して放電容量の低下
を招くようになるからである。
【0025】この塗膜7を正極ケース1の底面1aの全
体に形成すれば、正極ケースの耐食性は大きく向上する
ことは事実であるが、当該塗膜7は電気絶縁性であるた
め、正極2からの集電が事実上不可能になって電池の放
電特性は著しく低下してしまう。したがって、塗膜7
は、前記したように、非水電解液が貯留しやすいドーナ
ッツ形状の部分に形成し、正極2の直下に位置する箇所
は塗膜6を形成しない塗膜非被覆箇所1bにして、ここ
で正極2からの集電能を確保できるようにすることが好
ましいことになる。
【0026】その場合、塗膜非被覆箇所1bの面積は、
この上に位置する正極2の面積の80%以上に設定する
ことが好ましい。80%より小さい面積の場合は正極2
からの集電が不充分となり、放電特性の低下が起こりは
じめるからである。
【0027】正極2からの集電を効果的に行うために、
本発明の電池においては、前記塗膜非被覆箇所1bの中
央部に導電層8を形成して、これと正極2とを接触させ
ることが好ましい。
【0028】この導電層8は次のようにして形成され
る。すなわち、用いる非水電解液に対する耐食性を備え
ている材料、例えば炭素材料;Al,Ti,Pt,N
b,Taのいずれか1種またはそれらの合金;の粉末を
含むペーストを調製し、これを塗膜非被覆箇所1bに適
宜な広さと厚みで塗布したのち乾燥して層形成してもよ
く、またAl,Ti,Pt,Nb,Taまたはそれらの
合金の場合には、それらのネットを塗膜非被覆箇所1b
に配置して形成することもできる。
【0029】この導電層8の厚みは、有機物の塗膜7の
厚みの60%以上の厚みであることが好ましい。それよ
りも薄くなると、導電層8と正極2との隙間が大きくな
り、両者の接触状態に難が生じて集電効果は低下するよ
うになるからである。
【0030】本発明の扁平形非水電解液電池は、図2で
示したように、正極ケース1の内側底面1aに塗膜7,
導電層8を形成し、そこに封口材5を収容し、更に正極
2,フッ素化合物を電解質とする所定の非水電解液を含
浸せしめたセパレータ3,負極4を順次収容し、負極ケ
ース6を封口材5に配置したのちその配置箇所を正極ケ
ース1と加締めることにより製造される。
【0031】なお、図1で示したように、塗膜7の一部
が正極2の下に位置していても、それが少量であれば、
本発明の目的達成にとって何らの不都合も生じない。
【0032】
【実施例】実施例1 正極活物質として五酸化バナジウム粉末を用い、これに
人造黒鉛粉末とPTFE粉末を混合したのち加圧成形し
てペレットを成形し、乾燥して正極2を製造した。ま
た、メソフェーズピッチの炭素繊維チョップとスチレン
−ブタジエンゴムを混合したのち加圧成形してペレット
を成形し、乾燥後、電気化学的にリチウムをドープして
負極6とした。
【0033】一方、ポリエチレン微粒子(平均粒径3μ
m)を水に分散させた懸濁液を調製し、これをSUS4
44の正極ケース1の底面1aに塗布した。このとき、
底面1aの中央部には、前記正極の面積の80%に相当
する面積の塗膜非被覆箇所を残した。
【0034】ついで、正極ケース1に温度120℃で1
時間の熱処理を行って水を蒸発させるとともに、ポリエ
チレン微粒子を溶融せしめて正極ケース1の内面1aに
は厚み30μmのドーナッツ形状の塗膜7を形成した。
【0035】一方、水とエタノールを等量混合した分散
媒体にアセチレンブラックを分散せしめてカーボンペー
ストを調製し、これを正極ケース1の底面1a中央部に
存在する塗膜非被覆箇所1bに塗布した。このときの塗
布面積は塗膜非被覆箇所1bの面積の80%に相当する
面積とした。ついで、温度80℃で1時間の熱処理を行
って、塗膜非被覆箇所1bの中央に厚み30μmの導電
層8を形成した。
【0036】この正極ケース1の中に、ポリプロピレン
製の封口材5を嵌合し、更に前記正極2,プロピレン製
不織布のセパレータ3,負極4を順次着設した。
【0037】なお、電解液としては、エチレンカーボネ
ート:ジエチルカーボネート=1:1(容量比)の非水
溶媒に、LiCF3SO3を1モル/Lとなるように溶解
せしめたものを調製し、これを前記セパレータ3に含浸
せしめて使用した。
【0038】ついで、封口体5に、内面にニッケルネッ
トの負極集電体6aがスポット溶接されているSUS4
44製の負極ケース6を配置し、全体を加締めて目的と
する扁平形非水電解液電池を製造した。
【0039】実施例2 塗膜7の材料が紫外線硬化型のエポキシ樹脂であったこ
と、そして塗布後に紫外線照射して塗膜を形成したこと
を除いては実施例1と同様にして扁平形非水電解液電池
を製造した。
【0040】実施例3 塗膜7の材料としてスチレン−ブタジエンゴムラテック
スを用い、また塗布後の熱処理温度が100℃であった
ことを除いては実施例1と同様にして扁平形非水電解液
電池を製造した。
【0041】実施例4 塗膜7の材料として、アスファルトをトルエンに溶解せ
しめたものを用い、また塗布後の熱処理条件が温度50
℃で30分であったことを除いては実施例1と同様にし
て扁平形非水電解液電池を製造した。
【0042】実施例5 塗膜7の厚み、導電層8の厚みがいずれも5μmであっ
たことを除いては実施例1と同様にして扁平形非水電解
液電池を製造した。
【0043】実施例6 塗膜7の厚み、導電層8の厚みがいずれも70μmであ
ったことを除いては実施例1と同様にして扁平形非水電
解液電池を製造した。
【0044】実施例7 導電層8の面積が塗膜非被覆箇所1bの面積の50%に
相当する面積であったことを除いては実施例1と同様に
して扁平形非水電解液電池を製造した。
【0045】実施例8 導電層8の厚みが18μm、すなわち塗膜7の厚みの6
0%に相当する厚みであったことを除いては実施例1と
同様にして扁平形非水電解液電池を製造した。
【0046】実施例9 導電層8の材料としてAlの粉末を用いたことを除いて
は実施例1と同様にして扁平形非水電解液電池を製造し
た。
【0047】実施例10 導電層8の材料としてAlのネットを用いたことを除い
ては実施例1と同様にして扁平形非水電解液電池を製造
した。
【0048】実施例11 塗膜非被覆箇所1bの面積が、正極2の面積の60%に
相当する面積であったことを除いては実施例1と同様に
して扁平形非水電解液電池を製造した。
【0049】実施例12 塗膜7の厚み、導電層8の厚みがいずれも200μmで
あったことを除いては実施例1と同様にして扁平形非水
電解液電池を製造した。
【0050】実施例13 導電層8の面積が塗膜非被覆箇所1bの面積の30%に
相当する面積であったことを除いては実施例1と同様に
して扁平形非水電解液電池を製造した。
【0051】実施例14 導電層8の厚みが5μmであったことを除いては実施例
1と同様にして扁平形非水電解液電池を製造した。
【0052】実施例15 導電層8を形成しなかったことを除いては実施例1と同
様にして扁平形非水電解液電池を製造した。
【0053】比較例1 塗膜7を形成しなかったことを除いては実施例1と同様
にして扁平形非水電解液電池を製造した。
【0054】比較例2 塗膜7の材料としてテトラエトキシシランをイソプロピ
ルアルコールに分散させたものを用い、また塗布後の熱
処理条件が120℃で30分であり、塗膜7がSiO2
で形成されていることを除いては実施例1と同様にして
扁平形非水電解液電池を製造した。
【0055】比較例3 塗膜7の材料として、実施例1の導電層形成のために用
いたカーボンペーストを用い、また塗布後の熱処理条件
が温度50℃で30分であったことを除いては実施例1
と同様にして扁平形非水電解液電池を製造した。
【0056】比較例4 塗膜7を正極ケース1の底面1aの全面に形成したこと
を除いては実施例1と同様にして扁平形非水電解液電池
を製造した。
【0057】比較例5 導電層8の材料としてニッケルネットを用いたことを除
いては実施例1と同様にして扁平形非水電解液電池を製
造した。
【0058】以上20種類の電池につき、温度20℃に
おいて1kΩの負荷を接続して0.2秒後の閉路電圧を
測定した。
【0059】ついで、温度20℃において、15kΩの
負荷を接続して放電電圧が2.0Vになるまで連続放電
を行い、初度放電容量を測定した。
【0060】また、各電池を80℃の温度環境下に20
日間放置したのち、上記した条件で連続放電を行ってそ
のときの放電容量を測定し、その値を初度放電容量で除
算して放電容量残存率(%)を算出した。
【0061】以上の結果を一括して表1,表2に示し
た。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】 表1,表2から次のことが明らかである。
【0064】(1)実施例1〜4の電池は、いずれも閉
路電圧が高く、初度放電容量も大きく、高温下における
保存特性も優れている。
【0065】これに反し、正極ケースの内面に塗膜を形
成しなかったもの(比較例1)、塗膜を形成してもその
材料がそれぞれSiO2,カーボンであるもの(比較例
2,3)は閉路電圧と初度放電容量は問題ないものの高
温下における保存特性は著しく低下している。このよう
なことから、塗膜形成の効果は歴然としているが、その
場合、材料としては、樹脂,ゴム,アスファルトなどを
用いるべきであることがわかる。
【0066】なお、放電試験後に電池を分解して正極ケ
ースの内面を観察したところ、実施例1〜4の電池は正
極ケースの全面に亘り腐食が認められなかったが、比較
例1の場合には正極の外周縁部に相当する箇所に多数の
孔食状腐食が認められ、また比較例2,3の電池の場合
には、比較例1の電池より少ないとはいえ、やはり点在
する腐食が認められた。
【0067】(2)正極ケースに本発明の塗膜を形成し
た場合であっても、その塗膜非被覆箇所の面積が正極の
面積に対して小さくなる場合(実施例11の場合)に
は、高温下における保存特性は問題ないが正極からの集
電が悪くなって閉路電圧は低下している。このようなこ
とから、塗膜非被覆箇所の面積は正極の面積に対し80
%以上に設定することが好適である。
【0068】(3)また、塗膜の厚みが5μmの場合
(実施例5)も正極ケースの腐食防止には充分な効果が
認められ、塗膜の厚みが70μm(実施例6)までは諸
特性に関して問題はないが、塗膜の厚みが厚くなる(実
施例12)と、閉路電圧と高温下における保存特性は問
題ないが、電池内容積が減少しているため初度放電容量
の低下が認められる。このようなことから、塗膜の厚み
は5〜70μmであることが好適である。
【0069】(4)塗膜非被覆箇所に形成する導電層の
面積が塗膜非被覆箇所の面積に比べて小さくなりすぎる
場合(実施例13)や、厚みが塗膜の厚みに比べて薄く
なりすぎる場合(実施例14)は、いずれも、正極から
の集電が悪くなって閉路電圧は低下している。実施例7
や実施例8の電池の閉路電圧に問題はないことから、導
電層の面積は塗膜非被覆箇所の面積の50%以上にし、
また厚みは塗膜の厚みの60%以上に設定することが好
適である。
【0070】(5)正極ケースの内面の一部に塗膜を形
成していても導電層が形成されていない場合(実施例1
5)には、電池特性のいずれもが低下している。したが
って、塗膜以外に導電層を形成することが好適であるこ
とがわかる。
【0071】(6)また、正極ケースの内面全体に塗膜
を形成すると(比較例4)、高温下における保存特性は
向上するものの、閉路電圧と初度放電容量は極端に低下
してしまい電池としての使用が不可能になってしまう。
このようなことから、塗膜は正極ケースの内面の一部分
に形成すべきことがわかる。
【0072】(7)更に導電層としてAlネットを用い
た実施例9や、Al粉末を用いた実施例10では電池の
諸特性に何らの問題もないが、Niネットを用いた比較
例5の場合には、高温下における保存特性が大幅に低下
している。これは高温下でNiが溶出したためである。
このようなことから、導電層を設ける場合、その材料は
耐食性に富む材料であることが必要で、具体的にはA
l,Ti,Pt,Nb,Taなどが好適である。
【0073】なお、本実施例では正極作用物質として五
酸化バナジウムを用いた二次電池を製作したが、正極作
用物質としてはとくにこれに限定されるものではなく、
リチウム含有複合二酸化マンガン,コバルト酸リチウ
ム,マンガン酸リチウム,ニッケル酸リチウムなどの他
の酸化物や、硫化鉄などのカルコゲン化物,ポリアニリ
ンなどの有機化合物なども使用可能であり、また、本発
明は二酸化マンガンなどの酸化物やフッ化黒鉛などのハ
ロゲン化物を正極に用いた一次電池についても、当然、
使用可能である。
【0074】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
扁平形非水電解液電池は、フッ素化合物を電解質とする
非水電解液が貯留しやすい正極ケースの部分が緻密で耐
食性に富む有機物の塗膜で被覆されているので、高温下
で長期保存しても当該正極ケースの腐食は抑制され、放
電容量の低下は起こらない。また、特定面積の導電層を
形成することにより、正極と正極ケースの集電能も高め
ており、高温下に長期間放置しても電池特性が低下しな
い扁平形非水電解液電池としてその工業的価値は大であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の扁平形非水電解液電池の構造を示す断
面図である。
【図2】本発明の扁平形非水電解液電池の分解斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 正極ケース 1a 正極ケース1の内側底面 2 正極 2a 正極2の外周縁部 3 セパレータ 4 負極 5 封口材 5a 封口材5の内周縁部 6 負極ケース 6a 負極集電体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畑中 千鶴 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 Fターム(参考) 5H022 AA09 CC12 EE01 EE05 5H024 AA02 AA12 CC03 CC07 CC14 CC19 DD02 DD12 EE01 EE03 EE09 HH01 HH13 HH15 5H029 AJ13 AK02 AL07 AM03 AM07 BJ03 BJ16 CJ22 DJ02 DJ05 EJ01 EJ04 EJ12 HJ04 HJ07 HJ12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極とセパレータと負極とがフッ素化合
    物を電解質とする非水電解液と一緒に正極ケースの中に
    着設され、前記正極ケースは封口材を介して負極ケース
    で封口されている扁平形非水電解液電池において、 前記正極ケースの内側底面の一部分が有機物から成る塗
    膜で被覆されていることを特徴とする扁平形非水電解液
    電池。
  2. 【請求項2】 前記有機物が、合成樹脂,ゴム、または
    ビチューメンのいずれかである請求項1の扁平形非水電
    解液電池。
  3. 【請求項3】 前記塗膜の被覆箇所が、前記封口材の内
    周縁部から前記正極の外周縁部にかけての部分であり、
    かつ、前記正極の直下に位置する前記正極ケースの内側
    底面には前記正極の面積の80%以上に相当する面積の
    塗膜非被覆箇所が存在し、前記塗膜非被覆箇所にはその
    面積の50%以上に相当する面積の導電層が形成されて
    いる請求項1の扁平形非水電解液電池。
  4. 【請求項4】 前記塗膜の厚みは5〜70μmであり、
    かつ前記導電層の厚みは前記塗膜の厚みの60%以上の
    厚みである請求項3の扁平形非水電解液電池。
  5. 【請求項5】 前記導電層が、炭素質材料を主体として
    成る請求項3または4の扁平形非水電解液電池。
  6. 【請求項6】 前記導電層が、Al,Ti,Pt,N
    b,Taの群から選ばれる少なくとも1種もしくはそれ
    らの合金を主体とする粉末の層またはネットである請求
    項3または4の扁平形非水電解液電池。
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