JP2000018267A - 等速ジョイント - Google Patents

等速ジョイント

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JP2000018267A
JP2000018267A JP10180668A JP18066898A JP2000018267A JP 2000018267 A JP2000018267 A JP 2000018267A JP 10180668 A JP10180668 A JP 10180668A JP 18066898 A JP18066898 A JP 18066898A JP 2000018267 A JP2000018267 A JP 2000018267A
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    • F16D3/00Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive
    • F16D3/16Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts
    • F16D3/20Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members
    • F16D3/22Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members the rolling members being balls, rollers, or the like, guided in grooves or sockets in both coupling parts
    • F16D3/223Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members the rolling members being balls, rollers, or the like, guided in grooves or sockets in both coupling parts the rolling members being guided in grooves in both coupling parts
    • F16D2003/22303Details of ball cages
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

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  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輪用転がり軸受ユニットと等速ジョイント
1cとを一体とした構造で、等速ジョイント1cの構成
各部材の強度並びに耐久性を確保する。 【解決手段】 等速ジョイント1cを構成するボール
4、4の数を8個とする。これらボール4を保持する為
に保持器9bに設けたポケット10aを、長短2種類、
円周方向に亙って交互に設ける。上記各ボール4、4の
ピッチ円直径と、これら各ボール4の直径と、内輪2の
中心部に設けたスプライン孔31を構成する雌スプライ
ンのピッチ円直径との関係を規制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る等速ジョイン
トは、例えば独立懸架式サスペンションに駆動輪を支持
する為の転がり軸受ユニットに一体的に組み込み、トラ
ンスミッションから駆動輪に駆動力を伝達するのに利用
する。
【0002】
【従来の技術】自動車のトランスミッションと、独立懸
架式サスペンションにより支持した駆動輪との間には等
速ジョイントを設けて、デファレンシャルギヤと駆動輪
との相対変位や車輪に付与された舵角に拘らず、エンジ
ンの駆動力を駆動輪に、全周に亙り同一角速度で伝達自
在としている。この様な部分に使用される等速ジョイン
トとして従来から、例えば実開昭57−145824〜
5号公報、同59−185425号公報、同62−12
021号公報等に記載されたものが知られている。
【0003】この様な従来から知られた等速ジョイント
1は、例えば図6〜8に示す様に、内輪2と外輪3との
間の回転力伝達を6個のボール4、4を介して行なう様
に構成している。上記内輪2は、トランスミッションに
より回転駆動される一方の軸5の外端部に固定する。こ
の為、上記内輪2の中心部には、この軸の端部に形成し
た雄スプライン部を係合させる為のスプライン孔31を
設けている。又、上記外輪3は、駆動輪を結合する他方
の軸6の内端部に固定する。上記内輪2の外周面2aに
は、断面円弧形の内側係合溝7、7を6本、円周方向等
間隔に、それぞれ円周方向に対し直角方向に形成してい
る。又、上記外輪3の内周面3aで、上記各内側係合溝
7、7と対向する位置には、やはり断面円弧形の外側係
合溝8、8を6本、円周方向に対し直角方向に形成して
いる。
【0004】又、上記内輪2の外周面2aと外輪3の内
周面3aとの間には、断面が円弧状で全体が円環状の保
持器9を挟持している。この保持器9の円周方向6箇所
位置で、上記内側、外側両係合溝7、8に整合する位置
には、それぞれポケット10、10を形成し、各ポケッ
ト10、10の内側にそれぞれ1個ずつ、合計6個のボ
ール4、4を保持している。これらのボール4、4は、
それぞれ上記各ポケット10、10に保持された状態
で、上記内側、外側両係合溝7、8に沿い転動自在であ
る。
【0005】上記各ポケット10、10は図8に示す様
に、円周方向に長い矩形とし、次述する軸交角αの変化
に伴って、円周方向に隣り合うボール4、4同士の間隔
が変化した場合でも、この変化を吸収できる様にしてい
る。即ち、上記内側係合溝7、7の底面7a、7a同士
の位置関係、並びに上記各外側係合溝8、8の底面8
a、8a同士の位置関係は、図9に一点鎖線で示す様
に、地球儀の経線の如き関係になっている。上記内輪2
の中心軸と外輪3の中心軸とが一致している(軸交角α
=180°)場合に上記各ボール4、4は、図9に二点
鎖線で示した、地球儀の赤道に対応する位置の近傍に存
在する。これに対して、上記内輪2の中心軸と外輪3の
中心軸とが不一致になる(軸交角α<180°)と、等
速ジョイント1の回転に伴って上記各ボール4、4が、
図9の上下方向に往復変位(地球儀の北極方向と南極方
向とに交互に変位)する。この結果、円周方向に隣り合
うボール4、4同士の間隔が拡縮するので、上記各ポケ
ット10、10を、それぞれ円周方向に長い矩形とし
て、上記間隔の拡縮を行なえる様にしている。尚、上記
内側係合溝7、7の底面7a、7aと上記各外側係合溝
8、8の底面8a、8aとは、前述の説明から明らかな
通り、互いに同心ではない。従って、上記経線に相当す
る線は、これら各係合溝7、8毎に、互いに少しずれた
位置に存在する。
【0006】更に、図6に示す様に、前記一方の軸5と
他方の軸6との変位に拘らず、上記各ボール4、4を、
これら両軸5、6の軸交角α、即ち、上記一方の軸5の
中心線aと他方の軸6の中心線bとの交点oで両線a、
bのなす角度αを二等分する、二等分面c内に配置して
いる。この為に、上記内側係合溝7、7の底面7a、7
aは、上記中心線a上で、上記交点oからhだけ離れた
点dを中心とする球面上に位置させ、上記外側係合溝
8、8の底面8a、8aは、上記中心線b上で、上記交
点oからhだけ離れた点eを中心とする球面上に位置さ
せている。但し、前記内輪2の外周面2a、外輪3の内
周面3a、並びに前記保持器9の内外両周面は、それぞ
れ上記交点oを中心とする球面上に位置させて、上記内
輪2の外周面2aと保持器9の内周面との摺動、並びに
外輪3の内周面3aと保持器9の外周面との摺動を自在
としている。
【0007】上述の様に構成する等速ジョイント1の場
合、上記一方の軸5により内輪2を回転させると、この
回転運動は6個のボール4、4を介して外輪3に伝達さ
れ、他方の軸6が回転する。両軸5、6同士の位置関係
(上記軸交角α)が変化した場合には、上記各ボール
4、4が内側、外側両係合溝7、8に沿って転動し、上
記一方の軸5と他方の軸6との変位を許容する。
【0008】等速ジョイントの基本的な構造及び作用は
上述の通りであるが、この様な等速ジョイントと、車輪
を懸架装置に対して回転自在に支持する為の車輪用転が
り軸受ユニットとを一体的に組み合わせる事が、近年研
究されている。即ち、自動車の車輪を懸架装置に回転自
在に支持する為には、外輪と内輪とを転動体を介して回
転自在に組み合わせた車輪用転がり軸受ユニットを使用
する。この様な車輪用転がり軸受ユニットと上述の様な
等速ジョイントとを一体的に組み合わせれば、これら車
輪用転がり軸受ユニットと等速ジョイントとを、全体と
して小型且つ軽量に構成できる。この様な車輪用転がり
軸受ユニットと等速ジョイントとを一体的に組み合わせ
た、所謂第四世代のハブユニットと呼ばれる車輪用転が
り軸受ユニットとして従来から、特開平7−31775
4号公報に記載されたものが知られている。
【0009】図10は、この公報に記載された従来構造
を示している。車両への組み付け状態で、懸架装置に支
持した状態で回転しない外輪11は、外周面にこの懸架
装置に支持する為の第一の取付フランジ12を、内周面
に複列の外輪軌道13、13を、それぞれ有する。上記
外輪11の内側には、第一、第二の内輪部材14、15
を組み合わせて成るハブ16を配置している。このうち
の第一の内輪部材14は、外周面の一端寄り(図10の
左寄り)部分に車輪を支持する為の第二の取付フランジ
17を、同じく他端寄り(図10の右寄り)部分に第一
の内輪軌道18を、それぞれ設けた円筒状に形成してい
る。これに対して、上記第二の内輪部材15は、一端部
(図10の左端部)を、上記第一の内輪部材14を外嵌
固定する為の円筒部19とし、他端部(図10の右端
部)を等速ジョイント1aの外輪3Aとし、中間部外周
面に第二の内輪軌道20を設けている。そして、上記各
外輪軌道13、13と上記第一、第二の内輪軌道18、
20との間にそれぞれ複数個ずつの転動体21、21を
設ける事により、上記外輪11の内側に上記ハブ16
を、回転自在に支持している。
【0010】又、上記第一の内輪部材14の内周面と上
記第二の内輪部材15の外周面との互いに整合する位置
には、それぞれ係止溝22、23を形成すると共に、止
め輪24を、これら両係止溝22、23に掛け渡す状態
で設けて、上記第一の内輪部材14が上記第二の内輪部
材15から抜け出るのを防止している。更に、上記第二
の内輪部材15の一端面(図10の左端面)外周縁部
と、上記第一の内輪部材14の内周面に形成した段部2
5の内周縁部との間に溶接26を施して、上記第一、第
二の内輪部材14、15同士を結合固定している。
【0011】更に、上記外輪11の両端開口部と上記ハ
ブ16の中間部外周面との間には、ステンレス鋼板等の
金属製で略円筒状のカバー27a、27bと、ゴム、エ
ラストマー等の弾性材製で円環状のシールリング28
a、28bとを設けている。これらカバー27a、27
b及びシールリング28a、28bは、上記複数の転動
体21、21を設置した部分と外部とを遮断し、この部
分に存在するグリースが外部に漏出するのを防止すると
共に、この部分に雨水、塵芥等の異物が侵入する事を防
止する。又、上記第二の内輪部材15の中間部内側に
は、この第二の内輪部材15の内側を塞ぐ隔板部29を
設けて、この第二の内輪部材15の剛性を確保すると共
に、この第二の内輪部材15の先端(図10の左端)開
口からこの第二の内輪部材15の内側に入り込んだ異物
が、前記等速ジョイント1a部分にまで達する事を防止
している。尚、この等速ジョイント1aは、前述の図6
〜8に示した等速ジョイント1と同様に構成している。
【0012】上述の様に構成する車輪用転がり軸受ユニ
ットを車両に組み付ける際には、第一の取付フランジ1
2により外輪11を懸架装置に支持し、第二の取付フラ
ンジ17により駆動輪である車輪を第一の内輪部材14
に固定する。又、エンジンによりトランスミッションを
介して回転駆動される、図示しない駆動軸の先端部を、
等速ジョイント1aを構成する内輪2の内側にスプライ
ン係合させる。自動車の走行時には、この内輪2の回転
を、複数のボール4、4を介して第二の内輪部材15を
含むハブ16に伝達し、上記車輪を回転駆動する。
【0013】上述の様な第四世代のハブユニットをより
小型化する為には、上記等速ジョイント1aを構成する
複数個のボール4、4の外接円の直径を小さくする事が
有効である。そして、この外接円の直径を小さくする
為、上記各ボール4、4の直径を小さくし、しかも上記
等速ジョイント1aにより伝達可能なトルクを確保する
為には、上記ボール4、4の数を増やす必要がある。
又、この様な事情によりボール4、4の数を増やした場
合でも、これら各ボール4、4を保持する保持器9の耐
久性を確保する為には、この保持器9に設けた複数のポ
ケット10、10同士の間に存在する柱部30、30
(図7、8、11〜14参照)の円周方向に亙る長さ寸
法を確保する必要がある。何となれば、これら各柱部3
0、30の円周方向に亙る長さ寸法が不十分であると、
上記保持器9の強度が不足し、長期間に亙る使用に伴っ
て、上記各ポケット10、10の周縁部から亀裂等の損
傷が発生する可能性が生じる為である。但し、これら各
柱部30、30の長さ寸法を大きくする事は、ボール
4、4との干渉防止の面から規制を受ける。即ち、第一
として上記各ポケット10、10の円周方向に亙る長さ
は、上記等速ジョイント1aをジョイント角(内輪2の
中心軸と外輪3Aの中心軸との位置関係が直線状態から
ずれた角度。図6に示した軸交角αの補角。)を付した
状態で回転させた場合に、上記各ボール4、4が上記保
持器9の円周方向に変位できる大きさである必要があ
る。又、第二として上記長さは、上記等速ジョイント1
aを組み立てるべく、内輪2と外輪3Aと保持器9とを
組み合わせた後、この保持器9、9のポケット10、1
0内に、上記各ボール4、4を組み込める大きさでなけ
ればならない。
【0014】この様な点を考慮しつつ、上記ボール4、
4の数を6個よりも多くし、上記各柱部30、30の長
さ寸法を大きくする構造として、特開平9−17781
4号公報には、図11〜14に示す様な等速ジョイント
1bが記載されている。この公報に記載された等速ジョ
イント1bは、内輪2と外輪3との間の回転力伝達を8
個のボール4、4を介して行なう様に構成している。そ
して、この公報に記載された構造の場合には、保持器9
aの円周方向8個所に、円周方向に亙る長さ寸法が大き
いポケット10a、10aと長さ寸法が短いポケット1
0b、10bとを互いに等間隔に(分割ピッチ角を互い
に等しくして)、且つ交互に配置している。これら2種
類のポケット10a、10bのうち、長さ寸法が短いポ
ケット10b、10bは、ジョイント角を最大にしての
上記等速ジョイント1bの使用状態でも、これら各ポケ
ット10b、10bの長さ方向両端部内側面とこれら各
ポケット10b、10b内に保持されたボール4、4の
転動面とが干渉しない大きさにしている。これに対し
て、長さ寸法が長いポケット10a、10aは、上記各
ポケット10b、10b内に上記各ボール4、4を組み
込むべく、上記内輪2の中心軸と上記外輪3の中心軸と
を、上記使用状態でのジョイント角の最大値を越えて傾
斜させた状態でも、上記各ポケット10a、10aの長
さ方向両端部内側面と、既にこれら各ポケット10a、
10a内に組み込んであるボール4、4とが干渉しない
大きさにしている。
【0015】上述の様に構成される、前記特開平9−1
77814号公報に記載された等速ジョイントによれ
ば、長さ寸法が長いポケット10a、10aにボール
4、4を組み込んだ後、長さ寸法が短いポケット10
b、10b内にボールを組み込む事により、総てのポケ
ット10a、10b内にボール4、4を組み込める。即
ち、これら各ポケット10a、10b内にボール4、4
を組み込む際には、図14に示す様に、上記内輪2の中
心軸と上記外輪3の中心軸とを、上記使用状態でのジョ
イント角の最大値を越えて傾斜させた状態で行なう。長
さ寸法が長いポケット10a、10aにボール4、4を
組み込む際には、これら各ポケット10a、10aの端
部と、上記内輪2の外周面に形成した内側係合溝7、7
の端部とが、上記ボール4、4の1個分以上整合する。
従って、これら各ポケット10a、10a内へのボール
4、4の組み込みを確実に行なえる。次いで、長さ寸法
が短い4個のポケット10b、10b内にボール4、4
を組み込むべく、上記内輪2の中心軸と上記外輪3の中
心軸とを図14に示す様に傾斜させると、既に上記長さ
寸法が長いポケット10a、10a内に組み込んである
ボール4、4が、図13に鎖線矢印で示す様に、長さ寸
法が短いポケット10b、10bに近づく方向に、上記
各ポケット10a、10a内で変位する。そして、上記
長さ寸法が短い各ポケット10b、10bの中央部と、
上記内輪2の外周面に形成した内側係合溝7、7の端部
とが整合する。従って、これら各ポケット10b、10
b内へのボール4、4の組み込みを確実に行なえる。
【0016】更に、特開平9−317783号公報に
は、8個のボールを組み込んだ等速ジョイントに於い
て、これら8個のボールのピッチ円直径DP とこれら各
ボールの直径DB との関係、並びに、上記等速ジョイン
トを構成する外輪の外径DO と内輪の中心部に形成した
セレーション孔の内周面に形成した雌セレーションのピ
ッチ円直径DS との関係を規制する事が記載されてい
る。即ち、この公報に記載された発明の場合には、3.
3≦DP /DB ≦5.0とし、2.5≦DO /DS
3.5とするとしている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開平9−3
17783号公報に記載された発明の様に、ボールのピ
ッチ円直径DP とボールの直径DB との関係、並びに外
輪の外径DO と雌セレーションのピッチ円直径DS との
関係を規制するだけでは、等速ジョイントの強度・耐久
性を確保しつつ小型化を図るには不十分である。特に、
等速ジョイントのトルク容量を決める、セレーション孔
の内周面に形成した雌セレーションのピッチ円直径DS
と、等速ジョイントの耐久性に大きな影響を与える上記
ボールの直径DB 、並びにボールのピッチ円直径DP
各ボールの直径DB との関係は、保持器に設けた柱部の
強度を十分考慮した関係にしなければならない。
【0018】これに対して、仮に従来から一般的に実施
されていた、6個のボールを組み込んだ等速ジョイント
に対して、ボールの数を8個に増やす事により等速ジョ
イントを構成する外輪の外径を7%小型化する事を考え
た場合、上記特開平9−317783号公報に記載され
た発明の様に、ボールのピッチ円直径DP と各ボールの
直径DB との比を5.0とすると、各ボールの直径DB
が小さくなり過ぎて、ボールと外側係合溝及び内側係合
溝の内側面との接触面圧が、6個のボールを組み込んだ
等速ジョイントに比べて大幅に高くなり、耐久性を損な
う。反対に、上記ボールのピッチ円直径DP と各ボール
の直径DB との比を3.3とした場合には、各ボールの
直径DB が大きい為、保持器の柱部の長さが小さくな
り、保持器の強度、耐久性が低下する。
【0019】又、上記特開平9−317783号公報に
記載された発明では、外輪の外径DO と内輪の中心部に
形成したセレーション孔の内周面に形成した雌セレーシ
ョンのピッチ円直径DS との比を2.5〜3.5として
いるが、等速ジョイントを小型化するには、ボールのピ
ッチ円直径DP を内輪及び外輪に対して、どの位置に設
定するかが重要である。更に、この場合に上記各ボール
の直径DB をどの程度に設定するかも重要である。
【0020】例えば、ボールのピッチ円直径DP を大き
くすれば、内輪の肉厚が大きくなって、内輪の強度並び
に耐久性が高くなり、又、保持器の柱部の長さも大きく
なって、保持器の強度並びに耐久性も高くなる。しかし
外輪の肉厚が薄くなって、外輪の強度並びに耐久性が低
下する。逆にボールのピッチ円直径DP を小さくすれ
ば、内輪の肉厚が薄くなり、内輪の強度並びに耐久性が
低下し、又、保持器の柱部の長さも小さくなり保持器の
強度並びに耐久性も低下する。この様な事情に鑑みて本
発明は、構成各部材の強度並びに耐久性を、現在一般的
に使用されている、ボールを6個組み込んだ構造のもの
と同等に保ちつつ、等速ジョイントの小型化を実現すべ
く発明したものである。
【0021】
【課題を解決する為の手段】本発明の等速ジョイント
は、前述した従来の等速ジョイントと同様に、中心部に
セレーション孔を有する内輪と、この内輪の外周面の円
周方向に互いに離隔した位置に存在する8個所に、それ
ぞれ円周方向に対し直角方向に形成された断面円弧形の
内側係合溝と、上記内輪の周囲に設けられた外輪と、こ
の外輪の内周面で上記各内側係合溝と対向する位置に、
円周方向に対し直角方向に形成された断面円弧形の外側
係合溝と、上記内輪の外周面と外輪の内周面との間に挟
持され、上記内側、外側両係合溝に整合する位置にそれ
ぞれ円周方向に長い8個のポケットを形成した保持器
と、これら各ポケットの内側に1個ずつ保持された状態
で内側、外側両係合溝に沿う転動を自在とされた、8個
のボールとから成り、これら各ボールを、上記内輪の中
心軸と上記外輪の中心軸との軸交角を二等分し、これら
両中心軸を含む平面に対し直交する二等分面内に配置し
ている。
【0022】特に、本発明の等速ジョイントに於いて
は、上記8個のボールのピッチ円直径をDP とし、これ
ら各ボールの直径をDB とし、上記セレーション孔の内
周面に設けた雌セレーションのピッチ円直径をDS とし
た場合に、3.5≦DP /DB≦3.9、2.0≦DP
/DS ≦2.2、0.51≦DB /DS ≦0.63の関
係を何れも満たす。
【0023】
【作用】上述の様に構成する本発明の等速ジョイントに
よれば、等速ジョイントの小型化を図るべく、ボールの
数を従来一般的に実施されていた6個から8個に増や
し、これら各ボールの直径を小さくした場合でも、保持
器、内輪、外輪の強度並びに耐久性を、ボールを6個組
み込んだ構造のものと同等に保つ事ができる。この様
に、構成各部材の強度及び耐久性を確保しつつ等速ジョ
イントを小径化する事ができて、等速ジョイントとハブ
ユニットの内輪とを一体化した、所謂第四世代のハブユ
ニットの実用化が可能になる。
【0024】尚、ボールのピッチ円直径DP と、これら
各ボールの直径DB と、セレーション孔の内周面に設け
た雌セレーションのピッチ円直径DS との関係を上述の
様に規制した理由は、次の通りである。 3.5≦DP /DB ≦3.9とした理由 ボールのピッチ円直径DP に対して、これら各ボールの
直径DB を決める場合に、これら各ボールの直径DB
大きくすれば、これら各ボールの転動面と内側係合溝及
び外側係合溝の内側面との接触面圧を低く設定できる。
但し、保持器に、このボールを組み込めるだけのポケッ
トを設ける事を考慮しなければならない。特に、このポ
ケットの内側で上記内側係合溝及び外側係合溝の間部分
にボールを組み込む際、並びに等速ジョイントの運転
時、ボールはポケットの中で周方向に移動するので、そ
の分、ポケットの周方向に亙る長さを大きくしておく必
要がある。従って、上記各ボールの直径DB を大きくす
れば、保持器の柱部の長さが小さくなり、保持器の強度
が低下する。逆に上記各ボールの直径DB を小さくすれ
ば、保持器の柱部の長さを大きくでき、保持器の強度は
向上するが、上記各ボールの転動面と内側係合溝及び外
側係合溝の内側面との接触面圧が高くなり、これら内側
係合溝及び外側係合溝を設けた内輪及び外輪の耐久性が
低下する。下記の表1は、ボールのピッチ円直径DP
各ボールの直径DB との比(DP /DB)と、保持器の
強度並びに上記各ボールの転動面と内側係合溝及び外側
係合溝の内側面との接触面圧との関係を示したものであ
る。
【0025】
【表1】
【0026】この表1中、○印は可を、×印は不可を、
それぞれ表している。又、保持器の強度は実験結果に基
づくものであり、各ボールの転動面と内側係合溝及び外
側係合溝の内側面との接触面圧は、計算により求めたも
のである。この接触面圧が42,000MPa(428
kgf/ mm2)を超えた場合には、等速ジョイントの運転を
円滑に行なえないとして、×(不可)とした。即ち、等
速ジョイントを構成する場合に一般的な、HRC60〜6
4程度に焼入硬化した鋼に、上記42,000MPaな
る接触圧力を与えると、ボールと上記各内側面との永久
変形量の和が、ボールの直径DB のほぼ0.0001倍
となる。そして、このこの永久変形量の和がこの値を超
えると、ボールの円滑な運動を妨げる様になる。そこ
で、上記した表1の結果から、ボールのピッチ円直径D
P と、これら各ボールの直径DB との関係を、3.5≦
P /DB ≦3.9とした。
【0027】 2.0≦DP /DS ≦2.2とした理
由 上記各ボールの直径DB を小さくし、代りにボールの数
を増やす事によって、等速ジョイントの小型化を図れる
が、これら各ボールの直径DB は無制限に小さくできる
訳ではない。又、ボールのピッチ円直径DP の設定範囲
は、上記各ボールの直径DB と、保持器に設ける柱部に
必要とする長さとにより限定される。下記の表2は、ボ
ールのピッチ円直径DP と、セレーション孔の内周面に
設けた雌セレーションのピッチ円直径DS との比(DP
/DS )と、上記各ボールの転動面と内側係合溝及び外
側係合溝の内側面との接触面圧との関係を示したもので
ある。
【0028】
【表2】
【0029】この表中、○印は可を、×印は不可を、そ
れぞれ表している。ちなみに、現在一般的に使用されて
いる、6個のボールを組み込んだ一般的な等速ジョイン
トの場合、上記比DP /DS は、2.2〜2.4程度で
ある。従って、この比DP /DS が2.2を越えた場合
には、ボールの数を6個から8個に増やす事による小型
化を図れない。そこで、この様な表2の結果から、ボー
ルのピッチ円直径DP と、セレーション孔の内周面に設
けた雌セレーションのピッチ円直径DS との関係を、
2.0≦DP /DS ≦2.2とした。
【0030】 0.51≦DB /DS ≦0.63とし
た理由 ボールのピッチ円直径がDP 、各ボールの直径がDB
セレーション孔の内周面に設けた雌セレーションのピッ
チ円直径がDS であり、 3.5≦DP /DB ≦3.9 −−− (1) 2.0≦DP /DS ≦2.2 −−− (2) であるから、(1)式より DP /3.9≦DB ≦DP /3.5 −−− (3) (2)式より、 DP /2.2≦DS ≦DP /2.0 −−− (4) (3)、(4)式より、 2.0/3.9≦DB /DS ≦2.2/3.5 0.51≦DB /DS ≦0.63 となる。
【0031】
【発明の実施の形態】図1〜5は、本発明の実施の形態
の1例として、本発明を第四世代のハブユニットを構成
する等速ジョイントに適用した状態を示している。懸架
装置に支持した状態で回転しない外輪11は、外周面に
この懸架装置に支持する為の第一の取付フランジ12
を、内周面に複列の外輪軌道13、13を、それぞれ有
する。上記外輪11の内径側には、ハブ本体32と内輪
33とから成るハブ34を、この外輪11と同心に配置
している。このハブ34の外周面で上記各外輪軌道1
3、13に対向する部分には、それぞれ第一、第二の内
輪軌道18、20を設けている。これら両内輪軌道1
8、20のうち、第一の内輪軌道18は、上記ハブ本体
32の中間部外周面に直接形成している。又、このハブ
本体32の中間部のうち、上記第一の内輪軌道18を形
成した部分よりも内端寄り(図1の右端寄り)部分に、
上記内輪33を外嵌している。上記第二の内輪軌道20
は、この内輪33の外周面に形成している。そして、上
記各外輪軌道13、13と上記第一、第二の内輪軌道1
8、20との間に、それぞれ複数個ずつの転動体21、
21を転動自在に設ける事により、上記外輪11の内側
に上記ハブ34を、回転自在に支持している。
【0032】図示の例の場合には、上述の様に、上記第
一の内輪軌道18を上記ハブ本体32の外周面に直接形
成する事により、この第一の内輪軌道18の直径を、上
記内輪33の外周面に形成した第二の内輪軌道20の直
径よりも小さくしている。又、この様に第一の内輪軌道
18の直径を第二の内輪軌道20の直径よりも小さくし
た事に伴い、上記第一の内輪軌道18と対向する外側
(自動車への組み付け状態で幅方向外側となる側を言
い、図1の左側)の外輪軌道13の直径を、内側(自動
車への組み付け状態で幅方向中央側となる側を言い、図
1の右側)の外輪軌道13の直径よりも小さくしてい
る。更に、この外側の外輪軌道13を形成した、外輪1
1の外半部の外径を、上記内側の外輪軌道13を形成し
た部分である、上記外輪11の内半部の外径よりも小さ
くしている。又、図示の例では、この様に第一の内輪軌
道18及び外側の外輪軌道13の直径を小さくした事に
伴い、これら第一の内輪軌道18と外側の外輪軌道13
との間に設ける転動体21、21の数を、上記第二の内
輪軌道20と内側の外輪軌道13との間に設ける転動体
21、21の数よりも少なくしている。
【0033】又、上記ハブ本体32の外端部外周面に
は、このハブ本体32に車輪を支持固定する為の第二の
取付フランジ17を、このハブ本体32と一体に設けて
おり、この第二の取付フランジ17に、上記車輪を結合
する為の複数本のスタッド35の基端部を固定してい
る。図示の例の場合にこれら複数本のスタッド35のピ
ッチ円直径は、上述の様に外輪11の外半部の外径を、
同じく内半部の外径よりも小さくした分だけ(上記各ス
タッド35の頭部36が上記外輪11の外端部外周面と
干渉しない程度に)小さくしている。尚、上記ハブ本体
32の外周面のうちで、上記第一の内輪軌道18を形成
した部分よりも軸方向内方に存在する部分の直径は、こ
の第一の内輪軌道18に対応する転動体21、21の内
接円の直径よりも小さくしている。この理由は、車輪用
転がり軸受ユニットの組み立て時に、外輪11の外端部
内周面に形成した外輪軌道13の内径側に複数の転動体
21、21を組み付けると共に、上記外輪11の外端部
内周面にシールリング37を内嵌固定した状態で、この
外輪11の内径側に上記ハブ本体32を挿入自在とする
為である。又、上記ハブ本体32の中間部外周面で、上
記第一の内輪軌道18と上記内輪33を外嵌した部分と
の間部分には、全周に亙り凹溝状の肉盗み部38を形成
して、上記ハブ本体32の軽量化を図っている。
【0034】又、上記ハブ本体32に外嵌した内輪33
が軸方向内端側にずれ動くのを防止して、上記各外輪軌
道13、13と上記第一、第二の内輪軌道18、19と
の間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けた、上記各転
動体21、21に付与した予圧を適正値に保持すべく、
上記ハブ本体32の外周面内端寄り部分に全周に亙り形
成した係止凹溝39に、止め輪40を係止している。こ
の止め輪40は、それぞれが半円弧状である、1対の止
め輪素子により構成している。この様な止め輪40は、
上記各転動体21、21に適正な予圧を付与すべく、上
記内輪33を上記ハブ本体32に対して軸方向外方に押
圧しつつ、その内周縁部を上記係止凹溝39に係合させ
る。上記内輪33を軸方向外方に押圧している力を解除
した状態でも上記各転動体21、21に適正な予圧を付
与したままにすべく、上記止め輪40として、適切な厚
さ寸法を有するものを選択使用する。即ち、上記止め輪
40として、厚さ寸法が僅かずつ異なるものを複数種類
用意し、上記係止凹溝39の溝幅等、転がり軸受ユニッ
トの構成各部材の寸法との関係で適切な厚さ寸法を有す
る止め輪40を選択し、上記係止凹溝39に係合させ
る。従って、この止め輪40を係止凹溝39に係止すれ
ば、上記押圧している力を解除しても、上記内輪33が
軸方向内端側にずれ動くのを防止して、上記各転動体2
1、21に適切な予圧を付与したままに保持できる。
【0035】又、上記止め輪40を構成する1対の止め
輪素子が直径方向外方に変位し、この止め輪40が上記
係止凹溝39から不用意に抜け落ちる事を防止すべく、
この止め輪40の周囲に、間座41の一部を配置してい
る。この間座41は、上記ハブ本体32の内端部分に設
けた、等速ジョイント用の外輪42により構成する、本
発明の対象である等速ジョイント1c内に、雨水、塵芥
等の異物が入り込むのを防止する為のブーツ43の外端
部を外嵌支持する為のものである。又、前記外輪11の
外端部内周面と上記ハブ本体32の中間部外周面との間
には前記シールリング37を、上記外輪11の内端部内
周面と前記内輪33の内端部外周面との間には組み合わ
せシールリング44を、それぞれ設けて、前記複数の転
動体21、21を設置した空間45の両端開口部を塞い
でいる。
【0036】更に、上記ハブ本体32の内端部で、上記
内輪33と上記ブーツ43の外端部とを外嵌した部分
は、上述の様に、等速ジョイント1cの外輪となる外輪
42としている。この外輪42の内周面の円周方向に関
して等間隔位置には、それぞれ断面形状が円弧形である
8本の外側係合溝8、8を、それぞれ円周方向に対し直
角方向(図1の左右方向)に形成している。又、上記外
輪42の内側には、この外輪42と共にツェッパ型の上
記等速ジョイント1cを構成する為の、内輪2を配置し
ている。そして、この内輪2の外周面に8本の内側係合
溝7、7を、それぞれ円周方向に対し直角方向に、やは
り円周方向に亙り等間隔に形成している。そして、これ
ら各内側係合溝7、7と上記各外側係合溝8、8との間
に、これら各係合溝7、8毎に1個ずつ、合計8個のボ
ール4、4を、保持器9aのポケット10a、10b内
に保持した状態で転動自在に設けている。更に、上記内
輪2の中心部には、スプライン孔31を軸方向に亙り形
成している。自動車への組み付け状態でこのスプライン
孔31には、図示しない駆動軸の端部をスプライン係合
させ、上記内輪2及び上記8個のボール4、4を介し
て、上記ハブ本体32を回転駆動自在とする。
【0037】上記保持器9aには、前述の図11〜14
に示した従来構造の場合と同様に、円周方向の長さ寸法
が互いに異なる2種類のポケット10a、10bを、円
周方向に亙って交互に設けている。即ち、円周方向に亙
る長さが大きいポケット10a、10aを90度置きに
配置し、円周方向に関して、これら長さが大きいポケッ
ト10a、10a同士の中間位置に、円周方向に関する
長さが小さいポケット10b、10bを配置している。
【0038】又、図示の例では、上記外輪42の開口周
縁部に凹部46を、全周に亙り形成している。上記各ポ
ケット10a、10b内にボール4、4を組み込む際に
は、上記凹部46が、図4に示す様に、これら各ボール
4、4と上記外輪42の開口周縁部との干渉を防止す
る。従って、図示の例の場合には、内輪2と外輪42と
の中心軸a、b(図6)同士の変位量が比較的小さくて
も、上記各ポケット10a、10b内へのボール4、4
の組み込み作業を行なえる。
【0039】又、上記凹部46は、ボール組み込み用治
具を構成するシャフト47(図5)と、前記外側係合溝
8、8の開口端縁部とが当接する事を防止して、ボール
組み込み作業の円滑化に寄与する。即ち、上記各ポケッ
ト10a、10b内にボール4、4を組み込む際には、
上記ボール組み込み用治具のシャフト47を上記内輪2
のスプライン孔31内に挿入し、この内輪2を揺動変位
させる。この際、上記シャフト47の外周面が、円周方
向に亙って凹凸部を構成する、上記外側係合溝8、8の
開口端縁部に当接すると、上記シャフト47を操作する
作業者に違和感を与える。これに対して本例の場合に
は、上記凹部46を設ける事により、上記開口端縁部と
上記シャフト47の外周面とが当接する事を防止してい
る。即ち、上記外輪42に対して上記シャフト47を大
きく傾斜させた場合にこのシャフト47の外周面は、上
記凹部46の開口周縁部に当接する。この開口周縁部は
全周に亙って滑らかに連続するので、上記シャフト47
を操作する作業者に違和感を与える事はなく、作業の円
滑化に寄与する。
【0040】各部を上述の様に構成する本発明の等速ジ
ョイント1cに於いては、前記8個のボール4、4のピ
ッチ円直径DP と、これら各ボール4、4の直径DB
と、前記セレーション孔の内周面に設けた雌セレーショ
ンのピッチ円直径DS との関係を、3.5≦DP /DB
≦3.9、2.0≦DP /DS ≦2.2、0.51≦D
B /DS ≦0.63としている。
【0041】上述の様に構成する本例の等速ジョイント
1cを組み込んだ車輪用転がり軸受ユニットにより、車
輪を懸架装置に対して回転自在に支持する作用は、前述
した従来の等速ジョイントを組み込んだ車輪用転がり軸
受ユニットの場合と同様である。又、本発明の等速ジョ
イント1cによれば、等速ジョイント1cの小型化を図
るべく、ボール4、4の数を従来一般的に実施されてい
た6個から8個に増やし、これら各ボール4、4の直径
を小さくした場合でも、保持器9b、内輪2、外輪42
の強度並びに耐久性を、ボールを6個組み込んだ構造の
ものと同等に保つ事ができる。この様に、構成各部材の
強度及び耐久性を確保しつつ等速ジョイント1cを小径
化する事ができて、等速ジョイント1cと車輪用転がり
軸受ユニットを構成するハブ本体32とを一体化した、
所謂第四世代のハブユニットの実用化が可能になる。
【0042】即ち、本発明の等速ジョイント1cを組み
込んだ車輪用転がり軸受ユニットの場合には、この等速
ジョイント1cを構成する内側、外側両係合溝7、8の
数を8本とし、上記ボール4、4の数を8個としている
ので、車輪用転がり軸受ユニットの使用に伴う、ハブ3
4と内輪2との間でのトルク伝達時に、上記等速ジョイ
ント1cを構成する各ボール4、4毎に加わる負荷の大
きさを、前述の図6〜7に示した従来構造の場合よりも
小さくできる。従って、その分だけ、上記各ボール4、
4の外径を小さくして、環状に配置したこれら各ボール
4、4の外接円の直径、並びに上記複数の外側係合溝
8、8の外接円の直径を小さくできる。そして、この様
に外側係合溝8、8の外接円の直径を小さくした分、車
輪用転がり軸受ユニットの外径寸法を小さくして、装置
全体の小型・軽量化を図れる。しかも、上述の様に、構
成各部材の強度並びに耐久性を確保できる。
【0043】特に、図示の例の様に、上記各外側係合溝
8、8の外半部を前記第二の内輪軌道20の内径側に配
置すれば、車輪用転がり軸受ユニットの外径寸法だけで
なく軸方向寸法も小さくして、装置全体の小型・軽量化
をより有効に図れる。この様な本例の構造は、転がり軸
受ユニット本体を構成する第二の内輪軌道20を、上記
各外側係合溝8、8よりも大径にせざるを得ず、上記転
がり軸受ユニット本体の外径寸法が大きくなる。この様
な本例の構造では、上記ボール4、4の数を6個から8
個に増やして、その分ボール4、4の外径を小さくし、
上記転がり軸受ユニットの外径寸法を小さくできる本発
明の効果が、特に大きくなる。
【0044】更に、図示の例の場合には、前述した様
に、外側の転動体列を構成する各転動体21、21のピ
ッチ円直径を小さくする事により、外輪11の外半部の
外径を小さくできる。そして、この外輪11の外半部の
外径を小さくした分だけ、ハブ本体32の外周面に設け
た第二の取付フランジ17に固定した複数のスタッド3
5のピッチ円直径を小さくできる。従って、上記ハブ本
体32の軸方向寸法を大きくする事なく、上記スタッド
35を支持固定する上記第二の取付フランジ17の外径
を小さくして、車輪用転がり軸受ユニットの小型・軽量
化を、更に有効に図れる。
【0045】尚、上述の様に、外側の転動体列を構成す
る各転動体21、21のピッチ円直径を内側の転動体列
を構成する各転動体21、21のピッチ円直径よりも小
さくする事に伴い、外側の転動体列部分の基本動定格荷
重が内側の転動体列部分の基本動定格荷重よりも小さく
なる。従って、両列に加わる荷重が同じであれば、外側
の転動体列部分の寿命が内側の転動体列部分の寿命より
も短くなる。これに対して、一般的な自動車では、外側
の転動体列部分に加わる荷重は内側の転動体列部分に加
わる荷重よりも小さい。この為、上記両列部分の寿命を
ほぼ同じにする設計が容易になって、無駄のない設計が
可能になる。尚、図示の例では、転動体21、21とし
て玉を使用しているが、重量の嵩む自動車用の転がり軸
受ユニットの場合には、転動体としてテーパころを使用
する場合もある。本発明は、勿論、この様に転動体とし
てテーパころを使用する転がり軸受ユニットにも適用可
能である。
【0046】
【発明の効果】本発明の等速ジョイントは、以上に述べ
た通り構成され作用するので、回転力伝達用のボールの
数を8個とする事により外径を小さくできる構造で、し
かも構成各部材の強度並びに耐久性を確保できる。従っ
て、第四世代のハブユニットと呼ばれる、等速ジョイン
トを一体的に組み込んだ車輪用転がり軸受ユニットの小
型・軽量化を、十分な耐久性を確保しつつ実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の等速ジョイントを組み込んだ車輪用転
がり軸受ユニットの1例を示す断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】保持器とボールとを取り出して図2と同方向か
ら見た断面図。
【図4】等速ジョイントの保持器を、ボールの組み込み
が可能な程度にまで外輪に対して傾斜させた状態を示す
断面図。
【図5】等速ジョイントの保持器をボールの組み込みが
可能な程度にまで外輪に対して傾斜させた状態で、組み
込み用治具のシャフトと外輪との関係を示す断面図。
【図6】従来の等速ジョイントの第1例を、ジョイント
角を付与した状態で示す断面図。
【図7】同じくジョイント角を付与しない状態で示す、
図6のB−B断面に相当する図。
【図8】保持器の一部を外周側から見た図。
【図9】内側、外側両係合溝の底面の位置関係を示す模
式図。
【図10】等速ジョイントを一体的に組み込んだ車輪用
転がり軸受ユニットの1例を示す断面図。
【図11】従来の等速ジョイントの第2例を、ジョイン
ト角を付与しない状態で示す断面図。
【図12】図11のC−C断面図。
【図13】従来構造の第2例に組み込む保持器の断面
図。
【図14】保持器にボールを組み込むべく、内輪と外輪
とを所定方向に変位させた状態を示す断面図。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c 等速ジョイント 2 内輪 2a 外周面 3、3A 外輪 3a 内周面 4 ボール 5 軸 6 軸 7 内側係合溝 7a 底面 8 外側係合溝 8a 底面 9、9a 保持器 10、10a、10b ポケット 11 外輪 12 第一の取付フランジ 13 外輪軌道 14 第一の内輪部材 15 第二の内輪部材 16 ハブ 17 第二の取付フランジ 18 第一の内輪軌道 19 円筒部 20 第二の内輪軌道 21 転動体 22 係止溝 23 係止溝 24 止め輪 25 段部 26 溶接 27a、27b カバー 28a、28b シールリング 29 隔板部 30 柱部 31 スプライン孔 32 ハブ本体 33 内輪 34 ハブ 35 スタッド 36 頭部 37 シールリング 38 肉盗み部 39 係止凹溝 40 止め輪 41 間座 42 外輪 43 ブーツ 44 組み合わせシールリング 45 空間 46 凹部 47 シャフト

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心部にセレーション孔を有する内輪
    と、この内輪の外周面の円周方向に互いに離隔した位置
    に存在する8個所に、それぞれ円周方向に対し直角方向
    に形成された断面円弧形の内側係合溝と、上記内輪の周
    囲に設けられた外輪と、この外輪の内周面で上記各内側
    係合溝と対向する位置に、円周方向に対し直角方向に形
    成された断面円弧形の外側係合溝と、上記内輪の外周面
    と外輪の内周面との間に挟持され、上記内側、外側両係
    合溝に整合する位置にそれぞれ円周方向に長い8個のポ
    ケットを形成した保持器と、これら各ポケットの内側に
    1個ずつ保持された状態で内側、外側両係合溝に沿う転
    動を自在とされた、8個のボールとから成り、これら各
    ボールを、上記内輪の中心軸と上記外輪の中心軸との軸
    交角を二等分し、これら両中心軸を含む平面に対し直交
    する二等分面内に配置した等速ジョイントに於いて、上
    記8個のボールのピッチ円直径をDP とし、これら各ボ
    ールの直径をDB とし、上記セレーション孔の内周面に
    設けた雌セレーションのピッチ円直径をDS とした場合
    に、3.5≦DP /DB ≦3.9、2.0≦DP /DS
    ≦2.2、0.51≦DB /DS ≦0.63の関係を何
    れも満たす事を特徴とする等速ジョイント。
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