JP2000016916A - 脂肪分解促進剤および痩身用皮膚化粧料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】全身あるいは局所の脂肪組織の減少を促進する
ことによるた肥満体質の改善、または同組織の増大を防
止することにより肥満の抑制もしくは防止に有効な脂肪
分解促進剤、および痩身用皮膚化粧料を提供する。 【解決手段】コレウスホルスコリエキス、Ｌ- カルニチ
ン、ユッカエキス、ジャスミンエキス、ジャスミン茶エ
キスの一種、または二種以上からなる脂肪分解促進剤、
および該脂肪分解促進剤を含有する痩身用皮膚化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、全身あるいは局所
の脂肪組織の減少を促進することによる肥満体質の改
善、または同組織の増大を防止することによる肥満の抑
制もしくは防止に有効な脂肪分解促進剤および該脂肪分
解促進剤を含有する痩身用皮膚化粧料に関する。

【０００２】

【従来の技術】体内の脂肪は消費エネルギーに対し、過
剰分の摂取エネルギーが、白色脂肪細胞の中性脂肪とし
て蓄積して生じる物である。体脂肪としての蓄積が大き
い肥満は、美容上好ましくないばかりでなく、動脈硬化
等の様々な疾病を引き起こす。最近の過食、運動不足、
ストレスなどによる肥満が増加し、特に女性は外見上か
らもスリムな引き締まった体を切望する傾向にある。し
たがって、皮下脂肪等の蓄積は、健康上も好ましくな
く、皮下脂肪等の減少、あるいは蓄積の防止が重要な問
題となっている。このため、食欲抑制剤等の経口薬、食
事制限および運動等によるアプローチが種々なされてい
るが、皮下脂肪等を抑制または減少させる満足な効果を
有する脂肪分解促進剤および痩身用皮膚化粧料は、見出
されてはいなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、全身あるいは局所の脂肪組織の減少を促進すること
による肥満体質の改善、または同組織の増大を防止する
ことによる肥満の抑制もしくは防止に有効な脂肪分解促
進剤および該脂肪分解促進剤を含有する痩身用皮膚化粧
料を提供することを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明者らは鋭意研究した。１度蓄積した脂肪細
胞を無くすのは難しく、脂肪細胞をなるべく小さくする
ことが早道である。そのためには脂肪中の油滴を分解す
ることが必要である。油滴は蛋白質と同じように酵素
（ホスホリパーゼＣ）によって分解される。しかしなが
ら油滴は水をはじくリン脂質の膜に覆われ、油滴周辺の
小包体という水の固まりの中にいる酵素は近づくことが
出来ない。一方、そこで運動することにより交感神経を
活発にすることで脂肪分解ホルモンが分泌される。ホル
モンはリン脂質の膜を取り除き、酵素と油滴の両方の存
在下で分解が始まる。そこでこのホルモンと同様、リン
脂質を取り除く働きをもつ物質を見つけることが必要で
ある。そこで本発明者らは脂肪細胞に作用し、脂肪分解
を促進する物質を検討した結果、コレウスホルスコリ、
Ｌ−カルニチン、ユッカ、ジャスミン、ジャスミン茶よ
り抽出したエキスが、上記作用を有し、脂肪組織に蓄積
された脂肪の分解を促進し、肥満の抑制、または肥満体
質の改善に有効であることを見出し、本発明を完成し
た。

【０００５】すなわち、本発明は、コレウスホルスコ
リ、Ｌ−カルニチン、ユッカ、ジャスミンエキス、ジャ
スミン茶より抽出したエキスの一種、または二種以上か
らなる脂肪分解促進剤にある。また、本発明は、この脂
肪分解促進剤を含有する痩身用皮膚化粧料にある。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明に用いられる各種植
物エキスの製造方法等について述べるが、これらのみに
限定されるものではない。なお、本発明で言う各種植物
エキスとは、下記方法で得られたエキスの他に、エキス
から抽出溶媒を蒸発、または凍結乾燥して得られる粉末
であってもよい。

【０００７】本発明に用いられるコレウスホルスコリエ
キス（Coleus forskolii）とは、インド北部、チベッ
ト、ネパールなどのヒマラヤ山麓に自生するシソ科の植
物で主に根の部分を精製水、プロピレングリコール、
１，３−ブチレングリコール、エタノール、アセトン等
またはこれらの混合溶媒で抽出したエキスで古代ヒンズ
ー医学には心臓病、呼吸器疾患、不眠、ひきつけのどの
中枢神経系疾患などの病気に効果があるとされている。
このエキスには数種類のジテルペン化合物が含まれてい
ることが確認されている。

【０００８】Ｌ−カルニチンは、羊の赤身肉（骨格筋）
及び牛赤身肉から熱水抽出、酵素処理、アルコール処理
を行ない作成した、低分子蛋白及びペプチドを主成分と
する抽出物または化学合成品である。

【０００９】ユッカエキスとは、リュウゼツラン科の低
木植物ユッカ（Ｙｕｃｃａ）の全草地上部、地下部、種
子を精製水、プロピレングリコール、１，３−ブチレン
グリコール、エタノール等またはこれらの混合溶媒で抽
出したエキスで様々なサポニンを含む。

【００１０】ジャスミンエキス（jasmine ）は、モクセ
イ科ソケイ属の植物の総称で、ふつうつる性か低木状
で、熱帯から亜熱帯にかけて約２００種ある。葉は３〜
７個の小葉からなる羽状複葉である。花は黄、白などの
先が４〜９裂した筒状花で強い芳香がある。これを精製
水、プロピレングリコール、１，３−ブチレングリコー
ル、エタノール等で抽出したエキスである。ジャスミン
茶エキスはジャスミンの花、葉、茎を乾燥させ、特に花
を用いそれを中国茶と混合し、醗酵、火入れをしたもの
である。これを精製水、プロピレングリコール、１，３
−ブチレングリコール、エタノール等で抽出したエキス
でタンニン、精油等を含む。また、必要に応じてこれら
を乾燥させたエキスも用いることができる。

【００１１】上記の各種植物エキス等の本発明の必須成
分は、一種または二種以上を併用することができ、配合
量は痩身用皮膚化粧料の形態によっても異なるが、例え
ば、組成物中に０．００１〜２０重量％配合するのが好
ましい。

【００１２】本発明の痩身用皮膚化粧料には、必須成分
である上記植物エキスの他に通常の皮膚化粧料において
使用される、油分、顔料、界面活性剤、保湿剤、紫外線
吸収剤、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、色素等の他に、ブ
トパミン、イソプロテレノール等のβアドレナリン作用
興奮剤、ヨヒンビン、エルゴトキシン等のα2 アドレナ
リン作用抑制剤、テオフィリン、カフェイン等のキサン
チン誘導体、ミルリノン、アムリノン等のビピリジン誘
導体等、肥満の抑制または防止作用を有する公知物質等
を配合することができる。

【００１３】本発明の脂肪分解促進剤は、例えば、食
品、経口投与薬、皮膚化粧料等に配合することができ、
また痩身用皮膚化粧料の剤型は特に限定されるものでは
なく、皮膚塗布用、浴用、洗浄用等のクリーム、乳液、
ジェル、スティック、シート、パップ、粉末、液体、顆
粒等とすることができる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明を実施例、比較例に基づき、詳
説する。なお、脂肪分解促進効果の評価として、下記の
脂肪分解試験、皮下脂肪分解試験にて評価した。

【００１５】脂肪分解測定法 ロッドベルの方法〔Ｒｏｄｂｅｌｌ，Ｍ．，Ｊ．Ｂｉｏ
ｌ．Ｃｈｅｍ．，２３９，３７５（１９６４）〕によ
り、ウィスター系雄性ラット（体重１５０〜２００ｇ）
５匹の副睾丸脂肪組織からコラゲナーゼ溶液を用いて遊
離脂肪細胞を調製した。被験物濃度が１００μg ／mlと
なるよう調製した牛血清アルブミンを含むハンクス（Ｈ
ａｎｋ' ｓ）緩衝液中で、上記細胞を３７℃にて２時間
インキュベートし、遊離したグリセロールを酵素法（ベ
ーリンガー・マンハイム社製 Ｆ−キット；グリセロー
ル）により測定した。そして、次式にて脂肪分解促進率
を計算した。 脂肪分解促進率（％）＝［Ａ／Ｂ］×１００ Ａ：検体添加時のグリセロール量 Ｂ：コントロール添加時グリセロール量の

【００１６】皮下脂肪分解試験法 ウィスター系ラット（雄、７〜９週齢）の腹部を刈毛
後、同部皮膚を皮下脂肪組織とともに摘出し、直径２ｃ
ｍのフランツ型拡散セルに装着する。角質層側の上部セ
ルに皮膚化粧料０．５ｇを均一に塗布し、皮下脂肪組織
側の下部セルにｐＨ７．２リン酸緩衝生理食塩水を満た
す。セルを３７℃に保ち、６時間放置後、下部セルより
緩衝溶液を採取し、溶液中に遊離したグリセロール量を
酵素法（ベーリンガー・マンハイム社製 Ｆ−キット；
グリセロール）にて測定する。なお、測定は５回行いそ
の平均値で示す。

【００１７】実施例１〜５、比較例１〜６ 各種植物エキス等について、上記の脂肪分解試験にて評
価した結果を表１に示す。なお、各植物エキスは、含水
５０％エタノールにて抽出し、抽出液を凍結乾燥して得
られた物を用いた。配合量は重量％である（以下、同
様）。

【００１８】

【表１】

【００１９】表１に示すように、実施例１〜５の植物エ
キス等は、脂肪分解促進率がコントロールに比べはるか
に高く脂肪分解促進作用が高いことが明らかにされた。

【００２０】実施例６〜１０、比較例７（ジェル状痩身
用皮膚化粧料） 表２に示す、Ｂ成分をＡ成分に添加し攪拌することによ
り、ジェル状痩身用皮膚化粧料を常法により調整した。
なお、該ジェル状痩身用皮膚化粧料に配合した植物エキ
ス等は、含水５０％エタノールで抽出した物を使用し
た。なお、各エキスは乾燥残分を、１．２重量％（Ｌ−
カルニチンエキス）、０．８重量％（ユッカエキス）、
１．０重量％（ジャスミンエキス）、０．５重量％（ジ
ャスミン茶エキス）を含む。コレウスホルスコリエキス
は凍結乾燥して得られた粉末を用いた。

【００２１】

【表２】

【００２２】上記ジェル状痩身用皮膚化粧料について、
前記の皮下脂肪分解試験にて評価した結果を表３に示
す。

【００２３】

【表３】

【００２４】実施例１１、比較例８（ローション状痩身
用皮膚化粧料） 表４に示す、常法により各成分を添加し攪拌することに
より、ローション状痩身用皮膚化粧料を常法により調整
した。なお、該ローション状痩身用皮膚化粧料に配合し
た植物エキス等は、実施例６〜１０にて用いたものを使
用した。

【００２５】

【表４】

【００２６】上記ローション状痩身用皮膚化粧料につい
て、前記の皮下脂肪分解試験にて評価した結果を表５に
示す。

【００２７】

【表５】

【００２８】表３、表５から明らかなように、実施例６
〜１５は、皮下脂肪分解試験において脂肪分解物である
遊離グリセロール量が比較例と比して格段に多く、皮下
脂肪分解を促進すること判った。

【００２９】

【発明の効果】本発明は、全身あるいは局所の脂肪組織
を減少させ、肥満の抑制または防止、肥満体質の改善に
有効な脂肪分解促進剤、および該効果を有する痩身用皮
膚化粧料を提供できることは明らかである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ａ６１Ｋ 35/34 Ａ６１Ｋ 35/34 35/78 ＡＣＮ 35/78 ＡＣＮＱ ＡＤＮ ＡＤＮＣ Ｆターム(参考） 4C083 AA071 AA111 AC022 AC102 AC122 AC432 AC532 AC542 AD092 AD112 AD352 AD532 AD632 CC02 CC50 4C087 AA01 AA02 BB47 CA06 MA17 MA52 MA63 NA14 ZA70 ZA89 4C088 AB38 AB64 AB82 AC01 BA08 MA16 MA63 NA14 ZA70 ZA89 4C206 FA42 MA04 MA83 ZA70 ZA89

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コレウスホルスコリエキス、Ｌ- カルニ
   チン、ユッカエキス、ジャスミンエキス、ジャスミン茶
   エキスの一種、または二種以上からなる脂肪分解促進
   剤。
2. 【請求項２】 請求項１記載の脂肪分解促進剤を含有す
   る痩身用皮膚化粧料。