JP2000014325A - 酸性液状ソフトミックス - Google Patents

酸性液状ソフトミックス

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JP2000014325A JP10188777A JP18877798A JP2000014325A JP 2000014325 A JP2000014325 A JP 2000014325A JP 10188777 A JP10188777 A JP 10188777A JP 18877798 A JP18877798 A JP 18877798A JP 2000014325 A JP2000014325 A JP 2000014325A
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 発酵風味及び爽快味を有していて、オー
バーランの向上した保形性の良好なソフトクリームの提
供。 【解決手段】 ペクチンを 0.1〜 0.5重量%、アルギン
酸プロピレングリコールエステルを 0.1〜 0.2重量%、
適宜、追加的に大豆多糖類を0.05〜0.15重量%含有する
ことによって、保存中や流通過程における粘度上昇やゲ
ル化、さらには分離が抑制された酸性ソフトミックスの
使用によって、ソフトクリ−ムの発酵風味及び爽快味と
ともにオーバーランが向上し、保形性を改善する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソフトクリームの
原料として用いられる酸性液状ソフトミックスに関す
る。本発明の酸性液状ソフトミックスは、保存中や流通
過程における粘度上昇やゲル化、さらには分離が抑制さ
れているので、この酸性液状ソフトミックスを使用する
ことにより、発酵風味及び爽快味を有していて、オーバ
ーランの向上した保形性の良好なソフトクリームを提供
することができる。
【0002】
【従来の技術】従来、ソフトクリームの原料として用い
られる液状ソフトミックスは、乳を主原料とし、これに
バターやヤシ油等の動植物油脂、蔗糖や異性化糖等の糖
類、安定剤及び乳化剤等を配合して製造される。この液
状ソフトミックスをソフトクリーム用フリーザーでオー
バーランを出しながらフリージングすることにより、き
めが細やかで滑らかな組織を有するソフトクリームとす
ることができる。
【0003】また、液状ソフトミックスの原料溶液に発
酵乳製造用の乳酸菌スターターを接種し、さらに必要に
応じて酸で酸度を調整することにより、発酵風味や爽快
味を付与した酸性液状ソフトミックスが知られている。
しかし、この酸性液状ソフトミックスを冷却して貯蔵し
た場合、保存中や流通過程においてゲル化したり成分が
分離したりして品質が低下するという問題があり、品質
の安定した酸性液状ソフトミックスを供給することは非
常に難しい現状にある。
【0004】ところで、これらの液状ソフトミックスを
製造する際に用いられる安定剤は、乳化安定性やオーバ
ーラン(起泡性)の向上、あるいはフリージング後の保
形性維持といった機能を付与する上で必要不可欠なもの
である。この目的で用いられる安定剤としては、κカラ
ギーナン、カルボキシルメチルセルロース(CMC)ナ
トリウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、ファーセルラ
ン、澱粉、プルラン、キサンタンガム、ローカストビー
ンガム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ペ
クチン、大豆多糖類、カードラン等が知られているが、
その中でも、特にアルギン酸プロピレングリコールエス
テルは、酸性領域下において粘度が上昇するという性質
を有している。
【0005】また、酸性乳に関連する技術として、例え
ば長期保存可能なヨーグルト飲料を製造する際に、ウル
トラハイメトキシペクチン及びアルギン酸プロピレング
リコールエステルを添加して、乳化安定性を高めること
も試みられている(特開昭 58-187133号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】液状ソフトミックス
は、製造後、フリージングされてソフトクリームの形態
で消費されるまでに6ヵ月間程度の保存期間を経過する
ことがあり、また、長時間の流通過程を経過することも
多い。そのため、通常、液状ソフトミックスを製造する
際には、約 140〜 150℃で2〜10秒間程度の加熱処理を
行い、いわゆるロングライフ製品とすることが一般に行
われている。この液状ソフトミックスは、フリージング
されてソフトクリームとして消費されるまでの間、常に
ゾル状態で流動性を維持していることが必要不可欠な要
件である。
【0007】ところが、発酵乳用の乳酸菌スターターや
酸等を加えて発酵風味や爽快味を付加した酸性液状ソフ
トミックスにおいては、上記の加熱処理を行うことで、
時間の経過と共に保存中や流通過程で粘度の上昇やゲル
化、さらには、分離という問題が発生する。特に、保存
中や流通過程で、例えば冷蔵庫からの荷下ろし中に外気
の影響を受けて昇温した後、再冷却される等のヒートシ
ョックを受けた場合に、ゲル化の現象が一層顕著に現れ
る。このようにゲル化した酸性液状ソフトミックスを用
いてソフトクリームを製造しようとしても、オーバーラ
ンが不十分であるばかりでなく、滑らかさが喪失した組
織となり、商品価値を失ってしまう結果となる。
【0008】本発明者らは、このような酸性液状ソフト
ミックスの保存中や流通過程における粘度の上昇やゲル
化、さらには、分離という問題を解決するべく、鋭意研
究を進めてきたところ、安定剤としてペクチン及びアル
ギン酸プロピレングリコールエステルを含有させること
により、保存中や流通過程での粘度上昇やゲル化が抑制
できることを見出した。また、安定剤としてペクチン及
びアルギン酸プロピレングリコールエステルに加えて、
追加的に大豆多糖類を含有させることにより、より一層
保存中や流通過程での粘度上昇やゲル化が抑制できると
共に分離も抑制できることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0009】したがって、本発明は、ペクチン及びアル
ギン酸プロピレングリコールエステルを含有させること
により保存中や流通過程での粘度上昇やゲル化が抑制さ
れている酸性液状ソフトミックスを提供することを課題
とする。
【0010】また、本発明は、ペクチン及びアルギン酸
プロピレングリコールエステルに加えて大豆多糖類を含
有させることにより、より一層保存中や流通過程での粘
度上昇、ゲル化及び分離が抑制されている酸性液状ソフ
トミックスを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では、酸性液状ソ
フトミックスの保存中や流通過程での粘度上昇やゲル化
を抑制するために、安定剤のペクチン及びアルギン酸プ
ロピレングリコールエステルを含有させる。また、本発
明では、酸性液状ソフトミックスの保存中や流通過程で
の粘度上昇、ゲル化及び分離を抑制するために、安定剤
のペクチン、アルギン酸プロピレングリコールエステル
及び大豆多糖類を含有させる。
【0012】本発明で用いるペクチン、アルギン酸プロ
ピレングリコールエステル及び大豆多糖類は、食品用の
安定剤として一般に市販されており、用いられているも
のである。これらを酸性液状ソフトミックスに適当量含
有させることにより、酸性液状ソフトミックスの保存中
や流通過程での粘度上昇やゲル化、さらには分離という
問題を解決することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】まず、乳成分を主原料とし、これ
に動植物油脂、糖類及び発酵乳用の乳酸菌スターターを
混合し、さらに乳化剤、安定剤のペクチン及びアルギン
酸プロピレングリコールエステル、必要に応じて大豆多
糖類を混合し、適宜、温水等の水性媒体を加えて原料溶
液とする。得られた原料溶液のpHを 3.5〜 4.5に調整
し、60〜70℃で予備加熱し、均質圧 140〜 160kg/cm2
度で均質した後、 140〜 150℃で2〜10秒間程度で加熱
処理し、さらに必要に応じて、再度均質圧 180〜 220kg
/cm2程度で後均質して、酸性液状ソフトミックスを製造
する。
【0014】なお、原料溶液のpHが 3.5より低くなる
と、酸性液状ソフトミックスの風味が悪くなり、pHが
4.5を越えると、酸性液状ソフトミックスが凝固する可
能性があるので、酸やアルカリでpHを 3.5〜 4.5に調整
しておくことが好ましい。
【0015】本発明で、酸性液状ソフトミックスの原料
として用いることができる乳成分としては、脱脂乳、全
乳、カゼイン、ホエー蛋白質、発酵乳等があり、脱脂粉
乳や全粉乳等の粉乳類を用いることもできるので、これ
らの乳成分を2〜15重量%含有するように配合すれば良
い。
【0016】また、本発明で、酸性液状ソフトミックス
の原料として用いることができる油脂としては、乳脂
肪、ヤシ油、パーム油、ナタネ油、大豆油等の動植物油
脂があり、これらの油脂を3〜10重量%含有するように
配合すれば良い。
【0017】さらに、本発明で、酸性液状ソフトミック
スの原料として用いることができる糖類としては、蔗
糖、異性化糖、ブドウ糖、水飴等があり、人工甘味料を
用いることもできる。このとき、用いる糖質の種類、甘
味度、嗜好性等にもよるが、これらの糖類を10〜25重量
%含有するよう配合すれば良い。
【0018】本発明では、上記したような原料に、さら
に、安定剤のペクチン及びアルギン酸プロピレングリコ
ールエステルを加え、必要に応じて、大豆多糖類を加え
る。これらの安定剤を配合する際には、ペクチンを 0.1
〜 0.5重量%及びアルギン酸プロピレングリコールエス
テルを 0.1〜 0.2重量%含有するようにすることが好ま
しく、さらに、大豆多糖類を0.05〜0.15重量%含有する
ようにすることが好ましい。ペクチンの含有量が 0.1重
量%未満であると、カゼイン粒子の安定分散や結晶のコ
ントロール等の効果が期待できず、またペクチンの含有
量が 0.5重量%を超えると、粘度の上昇やゲル化を引き
起こす可能性がある。アルギン酸プロピレングリコール
エステルの含有量が 0.1重量%未満であると、乳化安定
性、オーバーランの向上、保形性の維持等の効果が期待
できず、逆にアルギン酸プロピレングリコールエステル
の含有量が 0.2重量%を超えると、保存中や流通過程で
ゲル化が起こり易くなる。大豆多糖類の含有量が0.05重
量%未満であると、分離の抑制効果が期待できず、逆に
大豆多糖類の含有量が0.15重量%を超えると、ゲル化や
分離を引き起こす可能性がある。
【0019】なお、アルギン酸プロピレングリコールエ
ステルは、種類により溶液中での粘度が異なるので、フ
リージング時のソフトミックスの供給をスムーズに行う
ことができるよう、1%溶液の粘度が60〜100cpsである
低粘度のものを用いることが好ましい。
【0020】本発明では、上記した原料の他、微結晶セ
ルロース、κカラギーナン、カルボキシルメチルセルロ
ース(CMC)ナトリウム、グアガム等の安定剤や蔗糖
脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤
を配合しても構わない。
【0021】このようにして製造した酸性液状ソフトミ
ックスは、保存中や流通過程でヒートショック等を受け
たとしてもゲル化することなく、ゾル状態を維持した流
動性の良好なロングライフ製品として提供され、この酸
性液状ソフトミックスをフリーザーでフリージングする
ことにより、きめ細やかで滑らかな組織を有していて発
酵風味及び爽快味を有しているソフトクリームを製造す
ることができる。
【0022】次に、実施例及び試験例を示し、本発明を
さらに詳しく説明する。
【0023】
【実施例1】脱脂粉乳3.69kg、植物性油脂4.00kg、グラ
ニュー糖 12.24kg、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖2.71kg、
粉末水飴1.14kg及び発酵乳用乳酸菌スターター培養物 3
0.00kgを混合し、さらに、安定剤のペクチン100g(0.1重
量%) 及びアルギン酸プロピレングリコールエステル10
0g(0.1重量%) 、乳化剤の蔗糖脂肪酸エステル450g及び
有機酸モノグリセリド150gを混合し、水を加えて全量が
100kgの原料溶液とした。この原料溶液を乳酸でpHを
4.0に調整した。次に、この原料溶液を65℃に予備加熱
し均質圧 150kg/cm2で均質した後、 150℃で4秒間加熱
処理し再度均質圧200kg/cm2で後均質して、ロングライ
フの酸性液状ソフトミックスを製造した。得られた酸性
液状ソフトミックスは、全固形率28%で、無脂乳固形率
5.5%及び脂肪率4%であった。
【0024】
【実施例2】脱脂粉乳3.69kg、植物性油脂4.00kg、グラ
ニュー糖 12.24kg、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖2.71kg、
粉末水飴1.14kg及び発酵乳用乳酸菌スターター培養物 3
0.00kgを混合し、さらに、安定剤のペクチン100g(0.1重
量%) 、アルギン酸プロピレングリコールエステル100g
(0.1重量%) 及び大豆多糖類100g(0.1重量%) 、乳化剤
の蔗糖脂肪酸エステル450g及び有機酸モノグリセリド15
0gを混合し、水を加えて全量が 100kgの原料溶液とし
た。この原料溶液を乳酸でpHを 4.0に調整した。次に、
この原料溶液を65℃に予備加熱し均質圧 150kg/cm2で均
質した後、 150℃で4秒間加熱処理し再度均質圧 200kg
/cm2で後均質して、ロングライフの酸性液状ソフトミッ
クスを製造した。
【0025】得られた酸性液状ソフトミックスは、全固
形率28%で、無脂乳固形率 5.5%及び脂肪率4%であっ
た。
【0026】
【実施例3】脱脂粉乳3.69kg、植物性油脂4.00kg、グラ
ニュー糖 12.24kg、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖2.71kg、
粉末水飴1.14kg及び発酵乳用乳酸菌スターター培養物 3
0.00kgを混合し、さらに、安定剤のペクチン100g(0.1重
量%) 、アルギン酸プロピレングリコールエステル150g
(0.15重量%) 及び大豆多糖類100g(0.1重量%) 、乳化
剤の蔗糖脂肪酸エステル450g及び有機酸モノグリセリド
150gを混合し、水を加えて全量が 100kgの原料溶液とし
た。この原料溶液を乳酸でpHを 4.0に調整した。次に、
この原料溶液を65℃に予備加熱し均質圧 150kg/cm2で均
質した後、 150℃で4秒間加熱処理し再度均質圧 200kg
/cm2で後均質して、ロングライフの酸性液状ソフトミッ
クスを製造した。
【0027】得られた酸性液状ソフトミックスは、全固
形率28%で、無脂乳固形率 5.5%及び脂肪率4%であっ
た。
【0028】
【比較例1】脱脂粉乳3.69kg、植物性油脂4.00kg、グラ
ニュー糖 12.24kg、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖2.71kg、
粉末水飴1.14kg及び発酵乳用乳酸菌スターター培養物 3
0.00kgを混合し、さらに、安定剤のペクチン500g(0.5重
量%) 、乳化剤の蔗糖脂肪酸エステル450g及び有機酸モ
ノグリセリド150gを混合し、水を加えて全量が 100kgの
原料溶液とした。この原料溶液を乳酸でpHを 4.0に調整
した。次に、この原料溶液を65℃に予備加熱し均質圧 1
50kg/cm2で均質した後、 150℃で4秒間加熱処理し再度
均質圧 200kg/cm2で後均質して、ロングライフの酸性液
状ソフトミックスを製造した。
【0029】得られた酸性液状ソフトミックスは、全固
形率28%で、無脂乳固形率 5.5%及び脂肪率4%であっ
た。
【0030】
【比較例2】脱脂粉乳3.69kg、植物性油脂4.00kg、グラ
ニュー糖 12.24kg、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖2.71kg、
粉末水飴1.14kg及び発酵乳用乳酸菌スターター培養物 3
0.00kgを混合し、さらに、安定剤のペクチン500g(0.5重
量%) 及び大豆多糖類200g(0.2重量%) 、乳化剤の蔗糖
脂肪酸エステル450g及び有機酸モノグリセリド150gを混
合し、水を加えて全量が 100kgの原料溶液とした。この
原料溶液を乳酸でpHを4.0に調整した。次に、この原料
溶液を65℃に予備加熱し均質圧 150kg/cm2で均質した
後、 150℃で4秒間加熱処理し再度均質圧 200kg/cm2
後均質して、ロングライフの酸性液状ソフトミックスを
製造した。
【0031】得られた酸性液状ソフトミックスは、全固
形率28%で、無脂乳固形率 5.5%及び脂肪率4%であっ
た。
【0032】
【比較例3】脱脂粉乳3.69kg、植物性油脂4.00kg、グラ
ニュー糖 12.24kg、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖2.71kg、
粉末水飴1.14kg及び発酵乳用乳酸菌スターター培養物3
0.00kg を混合し、さらに、安定剤のアルギン酸プロピ
レングリコールエステル150g (0.15重量%) 、乳化剤の
蔗糖脂肪酸エステル450g及び有機酸モノグリセリド150g
を混合し、水を加えて全量が 100kgの原料溶液とした。
この原料溶液を乳酸でpHを 4.0に調整した。次に、この
原料溶液を65℃に予備加熱し均質圧 150kg/cm2で均質し
た後、 150℃で4秒間加熱処理し再度均質圧 200kg/cm2
で後均質して、ロングライフの酸性液状ソフトミックス
を製造した。
【0033】得られた酸性液状ソフトミックスは、全固
形率28%で、無脂乳固形率 5.5%及び脂肪率4%であっ
た。
【0034】
【0035】
【試験例1】実施例1〜3及び比較例1〜3で製造した
酸性液状ソフトミックスを12℃に冷却した後、1 l容の
容器に複数個充填し、試験用試料とした。そして、この
試験用試料を5℃の冷蔵庫で静置保存し、保存1日、保
存1週間、保存2週間、保存1ヶ月及び保存2ヵ月の粘
度を測定した。また、ゲル化については、上記した保存
日数の試験用試料を25℃で1日保持した後、5℃で1日
保持するという処理を2回繰り返して、目視でゲル化状
態を観察した。さらに、分離については、試験用試料を
35℃の恒温庫で静置保存し、上記した保存日数の分離状
態を調べた。
【0036】なお、粘度は、B型粘度計 (ローターNo.
2) を使用して、温度5℃及びローター回転数 30rpmの
条件で30秒間測定し、その平均値で表した。
【0037】また、ゲル化状態は、目視により、全くゲ
ル化していない(−)、若干ゲル化している(±)、ゲ
ル化している(+)、かなりゲル化している(++)及
び著しくゲル化している(+++)という5段階の評価
で表した。
【0038】さらに、分離状態は、分離した成分の重量
の全体重量に対する割合で表した。
【0039】
【表1】 ──────────────────────────────────── 製造直後 1日 1週間 2週間 1ヵ月 2ヵ月 ──────────────────────────────────── 粘度(cP) 165 178 200 210 222 215 実施例1 ゲル化状態 − − − − − − 分離状態(%) 0 0 4 4 5 10 ──────────────────────────────────── 粘度(cP) 176 180 203 213 235 260 実施例2 ゲル化状態 − − − − − − 分離状態(%) 0 0 0 0 3 3 ──────────────────────────────────── 粘度(cP) 220 223 255 260 253 261 実施例3 ゲル化状態 − − − − − − 分離状態(%) 0 0 0 0 0 0 ──────────────────────────────────── 粘度(cP) 120 121 169 210 420 430 比較例1 ゲル化状態 − ± ++ +++ +++ +++ 分離状態(%) 0 0 5 20 40 40 ──────────────────────────────────── 粘度(cP) 117 147 177 155 162 167 比較例2 ゲル化状態 − − − − − − 分離状態(%) 0 0 10 30 40 40 ──────────────────────────────────── 粘度(cP) 201 200 224 217 237 278 比較例3 ゲル化状態 − − ± ± ++ +++ 分離状態(%) 0 0 0 5 25 40 ──────────────────────────────────── これによると、実施例1及び2で製造した酸性液状ソフ
トミックスでは、安定剤としてペクチン及びアルギン酸
プロピレングリコールエステルが適当量配合されている
ので、長時間保存しても、粘度上昇が少なく、ゲル化し
ないことが判った。また、実施例3で製造した酸性液状
ソフトミックスでは、安定剤としてペクチン及びアルギ
ン酸プロピレングリコールエステルに加えて、大豆多糖
類が適当量配合されているので、分離も全く起こらない
ことが判った。
【0040】これに対して、比較例1で製造した酸性液
状ソフトミックスでは、安定剤としてペクチンは配合さ
れているがアルギン酸プロピレングリコールエステルは
配合されていないので、粘度の上昇が早く、保存1日で
ゲル化することが判った。また、比較例2で製造した酸
性液状ソフトミックスでは、安定剤としてペクチン及び
大豆多糖類は配合されているがアルギン酸プロピレング
リコールエステルは配合されていないので、粘度の上昇
やゲル化は起こらないが、急速に分離が進むことが判っ
た。さらに、比較例3で製造した酸性液状ソフトミック
スでは、安定剤としてアルギン酸プロピレングリコール
エステルは配合されているがペクチンは配合されていな
いので、粘度が徐々に上昇し、保存1週間でゲル化しだ
すことが判った。
【0041】したがって、酸性液状ソフトミックスを製
造する際に、安定剤としてペクチン及びアルギン酸プロ
ピレングリコールエステルを適当量配合することによ
り、保存中や流通過程での粘度上昇やゲル化が抑制さ
れ、さらに、ペクチン及びアルギン酸プロピレングリコ
ールエステルに加えて大豆多糖類を適当量配合すること
により、分離も抑制されるので、この酸性液状ソフトミ
ックスを使用することにより、オーバーランの向上した
保形性の良好なソフトクリームを製造できることが明ら
かとなった。
【0042】
【発明の効果】本発明の酸性液状ソフトミックスは、安
定剤としてペクチン及びアルギン酸プロピレングリコー
ルエステルを含有するものであって、保存中や流通過程
での粘度上昇やゲル化が抑制されているという性質を有
している。また、本発明の酸性液状ソフトミックスは、
安定剤としてペクチン及びアルギン酸プロピレングリコ
ールエステルに加えて大豆多糖類を含有するものであっ
て、保存中や流通過程での粘度上昇やゲル化が抑制され
ていると共に分離も抑制されているという性質を有して
いる。したがって、これらの酸性液状ソフトミックスを
使用することにより、発酵風味及び爽快味を有してい
て、オーバーランの向上した保形性の良好なソフトクリ
ームを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 範夫 埼玉県狭山市大字水野453−1 ヒル・グ ランデ203 (72)発明者 石山 ナナ 東京都練馬区関町南2−23−5−108 (72)発明者 吉岡 俊満 東京都東村山市萩山町2−16−4 萩山パ −クホ−ムズ503 Fターム(参考) 4B014 GB22 GE05 GE13 GG11 GK07 GK08 GL05 GL11 GY02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペクチン及びアルギン酸プロピレングリ
    コールエステルを含有していることを特徴とする酸性液
    状ソフトミックス。
  2. 【請求項2】 ペクチンを 0.1〜 0.5重量%及びアルギ
    ン酸プロピレングリコールエステルを 0.1〜 0.2重量%
    含有していることを特徴とする請求項1記載の酸性液状
    ソフトミックス。
  3. 【請求項3】 ペクチン、アルギン酸プロピレングリコ
    ールエステル及び大豆多糖類を含有していることを特徴
    とする酸性液状ソフトミックス。
  4. 【請求項4】 ペクチンを 0.1〜 0.5重量%、アルギン
    酸プロピレングリコールエステルを 0.1〜 0.2重量%及
    び大豆多糖類を0.05〜0.15重量%含有していることを特
    徴とする請求項3記載の酸性液状ソフトミックス。
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