JP2000012306A - 正特性サーミスタチップ及びその製造方法 - Google Patents

正特性サーミスタチップ及びその製造方法

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JP2000012306A
JP2000012306A JP10178525A JP17852598A JP2000012306A JP 2000012306 A JP2000012306 A JP 2000012306A JP 10178525 A JP10178525 A JP 10178525A JP 17852598 A JP17852598 A JP 17852598A JP 2000012306 A JP2000012306 A JP 2000012306A
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Japan
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electrode
temperature coefficient
electrodes
positive temperature
coefficient thermistor
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Yoshiaki Abe
吉晶 阿部
Toshiharu Hirota
俊春 広田
Takahiko Kawahara
隆彦 河原
Takatomo Katsuki
隆与 勝木
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半田付けにより基板上に実装する際の電極間
の短絡の発生を有効に防止することができる電極構造を
有する正特性サーミスタチップ及びその製造方法を得
る。 【解決手段】 半田付け用電極4,5間のオーミック性
電極2,3の上を絶縁膜6で被覆した電極構造におい
て、絶縁膜6の上に金属材料層を設け、絶縁膜6と金属
材料層7,8とを焼き付けることにより半田付け用電極
4,5を形成することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正特性サーミスタ
チップ及びその製造方法に関するものであり、特に過電
流保護用として適した低抵抗の正特性サーミスタチップ
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】過電流
保護用の正特性(PTC)サーミスタは、電気製品及び
電子機器等において幅広く用いられているが、消費電力
を低減させることが必要な用途においては、低抵抗の過
電流保護用PTCサーミスタが求められている。このよ
うなPTCサーミスタの低抵抗化を図るため、セラミッ
ク組成の研究開発が進められると共に、電極構造の改良
からも低抵抗化が図られている。このような低抵抗化を
図ることができる電極構造として、サーミスタ素体の主
面上に所定距離隔てて一対の電極端部を対向させた電極
構造が提案されている。
【0003】しかしながら、このような電極構造におい
ては、主面上に一対の電極端部が近接して設けられてい
るため、基板上に実装する際、主面上の電極間に半田が
付着し、電気的短絡等の不良が発生するなどの問題があ
った。
【0004】図7は、このような電極構造を有する従来
のPTCサーミスタチップを示す断面図である。図7に
示すPTCサーミスタチップにおいては、PTCサーミ
スタ素体21の端面21dの上にオーミック性電極22
が設けられており、オーミック性電極22は、端面21
dから一方主面21a及び他方主面21bの上に引き出
されている。同様にPTCサーミスタ素体21の端面2
1cの上にもオーミック性電極23が設けられており、
このオーミック性電極23も、一方主面21a及び他方
主面21bの上に引き出されている。
【0005】主面21a上においては、オーミック性電
極22の電極端部22aとオーミック性電極23の電極
端部23aとが所定距離隔てて対向するように位置して
いる。他方主面21bの上においても同様に、オーミッ
ク性電極22の電極端部22bと、オーミック性電極2
3の電極端部23bとが所定距離隔てて対向するように
位置している。このような電極構造により、主面21a
の電極端部22a及び23a間、主面21b上の電極端
部22b及び23b間、並びにPTCサーミスタ素体2
1を介して対向する主面21a上の電極22及び主面2
1b上の電極23間で抵抗が形成され、低抵抗化を図る
ことができる。図7に示すPTCサーミスタチップにお
いては、さらに端面21d上のオーミック性電極22の
上に半田付け用電極24が設けられており、端面21c
の上のオーミック性電極23の上に半田付け用電極25
が設けられている。
【0006】図7は、以上のような従来のPTCサーミ
スタチップに半田付けを行い、この半田により電極間で
ショート不良が発生している状態を示している。図7に
示すように、半田30は端面21d側に付けられている
が、電極端部22bと電極端部23bの間に付着してお
り、これらの電極間で電気的短絡が発生している。同様
に半田31は端面21c側に付けられているが、電極端
部22aと電極端部23aの間に付着しており、これら
の電極間において電気的短絡が発生している。このよう
に従来の電極構造では、サーミスタチップを電極上に実
装する際、半田付けにより電気的短絡が発生するという
問題があった。また、基板上の実装のためのランドが、
例えば電極端部22bと電極端部23bに接することに
より電気的短絡が生じる場合もあった。
【0007】本発明の目的は、半田付けにより基板上に
実装する際の電極間の短絡の発生を有効に防止すること
ができる電極構造を有する正特性サーミスタチップ及び
その製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、正特性サーミスタ素体と、正特性サーミスタ素体の
主面及び端面上に連続して形成される一対のオーミック
性電極であって、主面上のそれぞれの電極端部が互いに
所定距離隔てて対向するように設けられるオーミック性
電極と、正特性サーミスタ素体の端面上のオーミック性
電極の部分の上を覆い該オーミック性電極と電気的に接
続される一対の半田付け用電極と、一対の半田付け用電
極間のオーミック性電極の上を被覆する絶縁膜とを備え
ることを特徴とする。
【0009】請求項1に記載の発明によれば、半田付け
用電極間のオーミック性電極の上に絶縁膜が被覆されて
いるので、基板上に実装する際、半田等がオーミック性
電極間に接することがなく、電極間の短絡の発生を有効
に防止することができる。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、オーミック性電極の上に絶縁膜を設
け、その上に金属材料層を設けた後、これを焼き付ける
ことにより半田付け用電極が形成されており、該半田付
け用電極が絶縁膜と金属材料の混合物からなる電極であ
ることを特徴としている。
【0011】請求項2に記載の発明によれば、半田付け
用電極が、絶縁膜の上に金属材料層を設け、これらの焼
き付けることにより形成される電極であるので、正特性
サーミスタ素体の端面上のオーミック性電極部分の上に
絶縁膜を形成し、この絶縁膜の上に金属材料層を設け、
これを焼き付けることにより半田付け用電極を形成する
ことができる。従って、絶縁膜を正特性サーミスタ素体
の全面に形成することができ、絶縁膜を所定の箇所のみ
に形成する必要がなく、形成の位置精度が要求されなく
なる。従って、より容易に製造することができる。
【0012】請求項3に記載の発明は、正特性サーミス
タ素体の主面上の電極端部が互いに所定距離隔てて対向
するように正特性サーミスタ素体の主面及び端面上に連
続して設けられる一対のオーミック性電極を形成する工
程と、一対のオーミック性電極を覆うように正特性サー
ミスタ素体の全面を絶縁膜で被覆する工程と、正特性サ
ーミスタ素体の端面上の絶縁膜部分の上に金属材料層を
形成する工程と、金属材料層及びその下地の絶縁膜部分
を焼き付けることにより、絶縁膜と金属材料の混合物か
らなる半田付け用電極を正特性サーミスタ素体の両端部
にそれぞれ形成する工程とを備える正特性サーミスタチ
ップの製造方法である。
【0013】請求項3に記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明と同様に、正特性サーミスタ素体の全面を
絶縁膜で被覆するので、絶縁膜を所定箇所のみに形成す
る必要がなく、厳密な成膜の位置精度が要求される工程
がなくなる。従って、より容易に製造することができ
る。
【0014】請求項4に記載の発明は、正特性サーミス
タ素体と、正特性サーミスタ素体の主面及び端面上に連
続して形成される一対のオーミック性電極であって、主
面上のそれぞれの電極端部が互いに所定距離隔てて対向
するように設けられるオーミック性電極と、オーミック
性電極の上に設けられる酸化物層と、正特性サーミスタ
の両端部に設けられ、一対のオーミック性電極とそれぞ
れ電気的に接続される一対の半田付け用電極とを備える
ことを特徴とする。
【0015】請求項4に記載の発明によれば、オーミッ
ク性電極の上に酸化物層が設けられている。基板実装の
際の半田は、この酸化物層には付着しないので、その下
のオーミック性電極間に半田が付着することがない。従
って、基板実装の際の電気的短絡を有効に防止すること
ができる。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項1または
4に記載の発明において、半田付け用電極が少なくとも
2層の積層構造を有し、最外層が半田濡れ性の良い金属
から形成されていることを特徴としている。従って、請
求項5に記載の発明によれば、基板実装の際の半田付け
用電極への半田の付着をより良好な状態で行うことがで
きる。
【0017】請求項6に記載の発明の製造方法は、正特
性サーミスタ素体の主面上の電極端部が互いに所定距離
隔てて対向するように正特性サーミスタ素体の主面及び
端面上に連続して設けられる一対のオーミック性電極を
形成する工程と、一対のオーミック性電極の上に酸化し
易い金属または合金からなる酸化性金属層を形成する工
程と、酸化性金属層を酸化する工程と、正特性サーミス
タ素体の両端部に、一対のオーミック性電極とそれぞれ
電気的に接続される一対の半田付け用電極を形成する工
程とを備えることを特徴としている。
【0018】請求項6に記載の発明によれば、一対のオ
ーミック性電極の上に酸化性金属層を形成し、この酸化
性金属層を酸化することによりオーミック性電極の上に
酸化物層を形成することができる。この酸化性金属層
は、オーミック性電極層の上に同一パターン形状で形成
することができるものであるので、オーミック性電極の
形成に引き続き、酸化性金属層を形成することができ
る。従って、その製造工程は複雑とならず、容易に製造
することができる。また酸化性金属層の酸化により得ら
れた酸化物層がオーミック性電極の上に設けられている
ので、請求項4に記載の発明と同様に、本発明の製造方
法で得られる正特性サーミスタチップは、基板上に実装
する際の電極間の短絡の発生を有効に防止することがで
きる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、請求項1に記載の発明に
従う一実施例の正特性サーミスタチップを示す断面図で
ある。図2は、図1に示す実施例の側面切欠斜視図であ
り、図3は斜視図である。図1を参照して、正特性サー
ミスタ素体1の端面1c及び主面1a,1bの上には、
オーミック性電極2が設けられている。オーミック性電
極2は、端面1c及び主面1a,1bに連続して形成さ
れている。正特性サーミスタ素体1の端面1d及び主面
1a,1bの上には、オーミック性電極3が設けられて
いる。オーミック性電極3は、端面1d及び主面1a,
1b上に連続して形成されている。
【0020】主面1a上において、オーミック性電極2
の電極端部2aとオーミック性電極3の端部3aとは所
定距離隔てて対向するように設けられている。主面1b
上においても同様に、オーミック性電極2の端部2bと
オーミック性電極3の端部3bとは所定距離隔てて対向
するように設けられている。これらの電極端部2a及び
3aの間、電極端部2b及び3bの間、並びに正特性サ
ーミスタ素体1を介して対向する主面1a上の電極2及
び主面1b上の電極3間で抵抗が形成され、低抵抗の正
特性サーミスタが構成されている。
【0021】端面1c上のオーミック性電極2の部分の
上には、半田付け用電極4が設けられている。半田付け
用電極4は、オーミック性電極2と電気的に接続されて
いる。端面1d上においても同様に、半田付け用電極5
が設けられている。半田付け用電極5は、オーミック性
電極3と電気的に接続されている。半田付け用電極4及
び5の間のオーミック性電極2及び3の上には、これら
を被覆する絶縁膜6が設けられている。
【0022】図1〜図3に示す実施例においては、オー
ミック性電極2及び3の上に、絶縁膜6が形成されてい
るので、基板上に実装する際、半田が電極端部2a及び
3a間や電極端部2b及び3b間に付着することはな
い。従って、半田付着による電気的短絡を有効に防止す
ることができる。
【0023】図4は、図1に示す実施例を製造する工程
を示す断面図である。図4(a)に示すように、まず、
正特性サーミスタ素体1の主面1a,1b及び端面1c
上に連続したオーミック性電極2を形成する。同様に、
主面1a,1b及び端面1d上に連続したオーミック性
電極3を形成する。主面1a上において、オーミック性
電極2の電極端部2aとオーミック性電極3の端部3a
が所定距離隔てて対向するように形成する。同様に主面
1b上においても、オーミック性電極2の端部2bとオ
ーミック性電極3の端部3bとが所定距離隔てて対向す
るように形成する。このようなオーミック性電極2及び
3のパターン形状は、マスク等を用いたスパッタリング
法や蒸着法、あるいはペースト塗布後の焼き付けなどに
より形成することができる。オーミック性電極2及び3
の厚みとしては、一般には、0.1〜5μm程度であ
る。また、オーミック性電極2及び3の形成材料は、サ
ーミスタ素体1に対してオーミック性接触を示すもので
あれば特に限定されるものではないが、例えば、Ni、
Cr、Ti等の金属を用いることができる。
【0024】次に、図4(b)に示すように、オーミッ
ク性電極2及び3を覆うように正特性サーミスタ素体1
の全面を絶縁膜6で被覆する。被覆方法は特に限定され
るものではないが、例えば、絶縁材料のペースト中にデ
ィッピングすることにより被覆することができる。絶縁
材料としては、例えば、ガラス系絶縁材料や樹脂系絶縁
材料等を用いることができる。絶縁膜6の膜厚は、一般
に5〜500μm程度の厚みとなるように形成される。
【0025】次に、図4(b)に示すように、正特性サ
ーミスタ素体1の両端部の絶縁膜6の上に、金属材料層
7及び8をそれぞれ形成する。金属材料層7及び8の形
成材料としては、絶縁膜6との同時焼き付けにより絶縁
膜6中に分散しオーミック性電極2及び3と電気的な接
続を形成し得る材料であればよく、例えば、Agなどが
挙げられる。金属材料層7及び8の膜厚は、一般的に1
〜50μm程度となるように形成される。
【0026】次に、図4(b)に示す状態のチップを、
焼き付けることにより、金属材料層7及び8を、その下
地の絶縁膜6中に分散させ混合物とする。このような混
合物は、全体として導電性を有するものであり、電極と
して機能し得るものである。このような焼き付けによ
り、図4(c)に示すように、半田付け用電極4及び5
が正特性サーミスタ素体1の両端部に形成される。半田
焼き付け用電極4はオーミック性電極2と電気的に接続
しており、半田付け用電極5はオーミック性電極3と電
気的に接続している。焼き付け温度は、絶縁膜6の材料
の種類や膜厚及び金属材料層7及び8の材料の種類や膜
厚等により適宜設定されるものであるが、一般には、4
00〜600℃であり、焼き付け時間は5分〜3時間程
度である。
【0027】以上のようにして、図1に示す実施例の正
特性サーミスタチップを製造することができる。上記の
製造工程においては、絶縁膜6を正特性サーミスタ素体
の全面に被覆しているので、ディッピング法などの簡易
な方法で絶縁膜を形成することができる。
【0028】図4に示す製造工程により、請求項1に記
載の発明に従う正特性サーミスタチップを作製した。ま
ず、正特性サーミスタ素体として、4.5mm×3.2
mm×0.5mmの寸法の角板状のサーミスタ素体を用
意した。このサーミスタ素体の上に、マスクを用いたパ
ターニングで、スパッタリング法によりNiからなるオ
ーミック性電極を膜厚1μmとなるように形成した。次
に、絶縁材料としてのホウケイ酸ガラスペースト中に、
これをディッピンクした後取り出し、サーミスタ素体の
全面に絶縁膜としてのガラス膜を被覆した。
【0029】次に、チップ端部を、Agを主成分とする
ペースト中にディッピングし、Agを主成分とする金属
材料層を両端部に形成した後、焼き付け温度500℃で
10分間焼き付け、素子の両端部に金属材料層と絶縁膜
の混合物からなる半田付け用電極を形成した。この半田
付け用電極はオーミック性電極と電気的に接続されてお
り、電極として機能するものであった。以上のように、
請求項1に記載の発明に従う正特性サーミスタチップを
簡易な製造工程で製造することができた。
【0030】図5は、請求項4に記載の発明に従う一実
施例の正特性サーミスタチップを示す断面図である。図
6は、図5に示す実施例の正特性サーミスタチップの側
面切欠斜視図である。図5及び図6を参照して、正特性
サーミスタ素体11の端面11c及び主面11a,11
bには、オーミック性電極12が形成されており、端面
11d及び主面11a,11bには、オーミック性電極
13が形成されている。これらのオーミック性電極12
及び13は、図1に示す実施例と同様に、一方主面11
a上において、それらの電極端部12a及び13aが所
定距離隔てて対向するように設けられており、他方主面
11b上において、それらの電極端部12b及び13b
が互いに所定距離隔てて対向するように設けられてい
る。
【0031】オーミック性電極12の上には、酸化物層
14が同一のパターン形状となるように設けられてい
る。オーミック性電極13の上にも同様に、酸化物層1
5が設けられている。これらの酸化物層14及び15
は、後述するように、酸化し易い金属または合金からな
る酸化性金属層を酸化することにより形成することがで
きる。
【0032】サーミスタ素体11の両端部の酸化物層1
4及び15の上には、それぞれ第1の外部電極16及び
17が設けられている。第1の外部電極16及び17の
上には、これらを覆うように第2の外部電極18及び1
9が設けられている。第1の外部電極16及び第2の外
部電極18から半田付け用電極32が構成されており、
第1の外部電極17及び第2の外部電極19から半田付
け用電極33が構成されている。本実施例においては、
第1の外部電極16及び17は、酸化物層14及び15
が酸化されて酸化物となる前の金属または合金と同種の
金属または合金から形成されている。
【0033】以下、図5及び図6に示す実施例を製造す
る工程について説明する。まず、サーミスタ素体11の
上に、オーミック性電極12及び13を所定のパターン
形状で形成する。形成方法としては、例えば、マスク等
を用いたスパッタリング法により形成することができ
る。また、蒸着法やペーストを塗布した後焼き付ける方
法などで形成してもよい。オーミック性電極12及び1
3を形成する材料としては、図1に示す実施例と同様
に、サーミスタ素体11に対しオーミック性接触させ得
る材料であればよく、例えば、Ni、Cr、Ti、ニク
ロム等の金属を用いることができる。オーミック性電極
12及び13の膜厚は、一般的には0.1〜5μm程度
である。
【0034】次に、オーミック性電極12及び13の上
に酸化物層14及び15を形成するための酸化性金属層
を形成する。この酸化性金属層は、酸化し易い金属また
は合金から形成する。このような材料としては、モネ
ル、Cu、Sn、Znなどが挙げられる。この酸化性金
属層は、オーミック性電極12及び13と同様のパター
ン形状で形成することができる。従って、オーミック性
電極12及び13の薄膜形成に引き続き形成することが
できる。酸化性金属層の膜厚は、一般に0.1〜5μm
程度である。
【0035】次に、酸化性金属層を酸化して酸化物層1
4及び15を形成する。酸化は、一般に空気中などの酸
素を含む雰囲気中で加熱することにより行う。加熱温度
及び時間は、酸化性金属層の形成材料の種類や膜厚等に
より適宜設定されるものであるが、一般には100〜3
00℃の温度で5分〜2時間程度加熱する。
【0036】次に、サーミスタ素体11の両端部の酸化
物層14及び15の上に、第1の外部電極16及び17
をそれぞれ形成する。本実施例では、第1の外部電極と
して、酸化性金属層と同種の金属または合金からなる電
極層を形成する。形成方法としては、オーミック性電極
と同様の形成方法や、ディッピングによる塗布と焼き付
けなどでも形成することができる。第1の電極層16及
び17の膜厚は、一般には、0.1〜15μm程度であ
る。
【0037】次に、第1の外部電極16及び17の上
に、第2の外部電極18及び19を形成する。本実施例
では、半田濡れ性のよい金属または合金を用いて形成す
る。形成方法は、例えば、第1の外部電極16及び17
と同様の方法により形成することができるが、電解メッ
キ法などでも形成することができる。第2の外部電極1
8及び19の膜厚は、一般に0.1〜15μm程度であ
る。
【0038】以上のようにして、図5及び図6に示す実
施例の正特性サーミスタチップを製造することができ
る。酸化物層14及び15を、オーミック性電極12及
び13と同様の方法で形成することができるので、複雑
な製造工程を伴うことなく製造することができる。
【0039】以上のようにして得られる正特性サーミス
タチップにおいては、オーミック性電極12及び13の
上に、酸化物層14及び15が設けられているので、基
板上に実装する際に半田が付着することがなく、従来の
ような半田による電気的短絡を生じることなく実装する
ことができる。
【0040】上記の製造工程に従い、請求項4に記載の
発明に従う正特性サーミスタチップを製造した。サーミ
スタ素体11としては、4.5mm×3.2mm×0.
5mmの大きさの角板状の素体を用い、この上にCrか
らなるオーミック性電極12及び13をスパッタリング
法により膜厚0.1μmとなるように形成した。この上
にモネルからなる酸化性金属層を膜厚0.5μmとなる
ように形成し、その後150℃のオーブン中に1時間放
置することにより、この酸化性金属層を酸化して、酸化
物層14及び15とした。
【0041】次に、サーミスタ素体11の両端部に、モ
ネルからなる第1の外部電極16及び17を膜厚0.5
μmとなるように形成した。さらにこの上に、Agから
なる第2の外部電極18及び19を、膜厚0.5μmと
なるように形成した。
【0042】以上のようにして得られるサーミスタチッ
プを10000個用意し、これを基板上に実装し、電気
的短絡による不良率について測定したところ、不良率は
0%であった。
【0043】比較として、図5に示すサーミスタチップ
において、酸化物層14及び15を形成しない以外は上
記実施例と同様の比較例のサーミスタチップを製造し
た。この比較例のサーミスタチップについても1000
0個製造し、基板実装の際の電気的短絡による不良率に
ついて評価したところ、この比較例の場合の不良率は1
5%であった。このことからも、請求項4に記載の発明
に従うことにより、基板実装の際の不良率を著しく低減
できることがわかる。
【0044】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、低抵抗
化できると共に、半田付けにより基板上に実装する際の
電極間の短絡の発生を有効に防止することができる。
【0045】請求項2に記載の発明によれば、半田付け
用電極をより容易に形成することができる。請求項3に
記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の正特性サ
ーミスタチップを簡易な工程で製造することができ効率
的に量産することができる。
【0046】請求項4に記載の発明によれば、低抵抗化
できると共に、半田付けにより基板上に実装する際の電
極間の短絡の発生を有効に防止することができる。請求
項5に記載の発明によれば、基板上への実装の際、より
良好な状態で半田付けを行うことができる。
【0047】請求項6に記載の発明によれば、請求項4
に記載の発明の正特性サーミスタチップをより簡易な製
造工程で製造することができ、効率的に量産することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明に従う一実施例を示す断
面図。
【図2】請求項1に記載の発明に従う一実施例を示す側
面切欠断面図。
【図3】請求項1に記載の発明に従う一実施例を示す斜
視図。
【図4】図1に示す実施例を製造する工程を示す断面
図。
【図5】請求項4に記載の発明に従う一実施例を示す断
面図。
【図6】請求項4に記載の発明に従う一実施例を示す側
面切欠断面図。
【図7】従来の正特性サーミスタチップに半田付けし電
気的短絡が生じる状態を説明するための断面図。
【符号の説明】
1…正特性サーミスタ素体 1a,1b…正特性サーミスタ素体の主面 1c,1d…正特性サーミスタ素体の端面 2,3…オーミック性電極 2a,2b,3a,3b…オーミック性電極の電極端部 4,5…半田付け用電極 6…絶縁膜 7,8…金属材料層 11…正特性サーミスタ素体 11a,11b…正特性サーミスタ素体の主面 11c,11d…正特性サーミスタ素体の端面 12,13…オーミック性電極 14,15…酸化物層 16,17…第1の外部電極 18,19…第2の外部電極 32,33…半田付け用電極
フロントページの続き (72)発明者 河原 隆彦 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 勝木 隆与 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5E034 AA07 AB01 DA02 DB04 DB05 DC01 DC03 DC05 DC06 DC09 DE16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正特性サーミスタ素体と、 前記正特性サーミスタ素体の主面及び端面上に連続して
    形成される一対のオーミック性電極であって、主面上の
    それぞれの電極端部が互いに所定距離隔てて対向するよ
    うに設けられるオーミック性電極と、 前記正特性サーミスタ素体の端面上の前記オーミック性
    電極の部分の上を覆い該オーミック性電極と電気的に接
    続される一対の半田付け用電極と、 前記一対の半田付け用電極間の前記オーミック性電極の
    上を被覆する絶縁膜とを備える正特性サーミスタチッ
    プ。
  2. 【請求項2】 前記半田付け用電極が、前記オーミック
    性電極の上に前記絶縁膜を設け、その上に金属材料層を
    設けた後、これらを焼き付けることにより形成される絶
    縁膜と金属材料の混合物からなる電極である請求項1に
    記載の正特性サーミスタチップ。
  3. 【請求項3】 正特性サーミスタ素体の主面上の電極端
    部が互いに所定距離隔てて対向するように正特性サーミ
    スタ素体の主面及び端面上に連続して設けられる一対の
    オーミック性電極を形成する工程と、 前記一対のオーミック性電極を覆うように前記正特性サ
    ーミスタ素体の全面を絶縁膜で被覆する工程と、 前記正特性サーミスタ素体の端面上の前記絶縁膜部分の
    上に金属材料層を形成する工程と、 前記金属材料層及びその下地の絶縁膜部分を焼き付ける
    ことにより、絶縁膜と金属材料の混合物からなる半田付
    け用電極を前記正特性サーミスタ素体の両端部にそれぞ
    れ形成する工程とを備える正特性サーミスタチップの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 正特性サーミスタ素体と、 前記正特性サーミスタ素体の主面及び端面上に連続して
    形成される一対のオーミック性電極であって、主面上の
    それぞれの電極端部が互いに所定距離隔てて対向するよ
    うに設けられるオーミック性電極と、 前記オーミック性電極の上に設けられる酸化物層と、 前記正特性サーミスタの両端部に設けられ、前記一対の
    オーミック性電極とそれぞれ電気的に接続される一対の
    半田付け用電極とを備える正特性サーミスタチップ。
  5. 【請求項5】 前記半田付け用電極が少なくとも2層の
    積層構造を有し、最外層が半田濡れ性の良い金属から形
    成されている請求項1または4に記載の正特性サーミス
    タチップ。
  6. 【請求項6】 正特性サーミスタ素体の主面上の電極端
    部が互いに所定距離隔てて対向するように正特性サーミ
    スタ素体の主面及び端面上に連続して設けられる一対の
    オーミック性電極を形成する工程と、 前記一対のオーミック性電極の上に、酸化し易い金属ま
    たは合金からなる酸化性金属層を形成する工程と、 前記酸化性金属層を酸化する工程と、 前記正特性サーミスタ素体の両端部に、前記一対のオー
    ミック性電極とそれぞれ電気的に接続される一対の半田
    付け用電極を形成する工程とを備える正特性サーミスタ
    チップの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100505476B1 (ko) * 2002-11-26 2005-08-04 엘에스전선 주식회사 애블레이션을 이용한 표면실장형 전기장치 및 그 제조방법

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