JP2000010007A - 微分干渉光学系、及び微分干渉光学系を有する光学装置 - Google Patents

微分干渉光学系、及び微分干渉光学系を有する光学装置

Info

Publication number
JP2000010007A
JP2000010007A JP18830798A JP18830798A JP2000010007A JP 2000010007 A JP2000010007 A JP 2000010007A JP 18830798 A JP18830798 A JP 18830798A JP 18830798 A JP18830798 A JP 18830798A JP 2000010007 A JP2000010007 A JP 2000010007A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
linearly polarized
objective lens
observed
optical system
polarized light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP18830798A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadashi Adachi
貞志 安達
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP18830798A priority Critical patent/JP2000010007A/ja
Publication of JP2000010007A publication Critical patent/JP2000010007A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Microscoopes, Condenser (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高さ方向に微小な欠陥や高さ方向に微小なう
ねりを簡単に検出・検査できる微分干渉光学系、及び微
分干渉光学系を備えた光学装置を提供する。 【解決手段】 直線偏光を生じる第1の偏光手段と、被
観察物体の像を形成する対物レンズを含む観察光学系
と、前記第1の偏光手段を通過した直線偏光を前記対物
レンズに向けて反射する反射部材と、該反射部材と前記
対物レンズの間に配置され、前記第1の偏光手段からの
直線偏光を振動方向が互いに直交する2つの直線偏光に
分離すると共に、前記被観察物体で反射された前記2つ
の直線偏光を同一光路上に合成する偏光分離合成手段
と、前記合成された2つの直線偏光を干渉させる第2の
偏光手段とを備え、以下の条件(1)を満たす。 0.035mm≦S×β (1) ここで、Sは前記偏光分離合成手段により分離した光線
の前記被観察物体面上での分離量、βは前記対物レンズ
の倍率である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体シリコンウ
エハ表面や、ハードディスク表面などの微少な凹凸を観
察するのに好適な微分干渉光学系、及び微分干渉光学系
を有する光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、表面の欠陥や表面の粗さを測定検
査する装置として、原子間力顕微鏡(AFM)や微分干
渉顕微鏡が知られている。このうち、AFMは原子間力
を利用し、被検査体の表面を原子レベルで測定する装置
である。一方、微分干渉顕微鏡は光の干渉を利用し、表
面の凹凸を可視化させる顕微鏡である。この微分干渉顕
微鏡について、以下に詳しく述べる。
【0003】反射型微分干渉顕微鏡の構成を図8に示
す。反射型微分干渉顕微鏡は、被観察物体を照明するた
めの照明光学系と、被観察物体の像を形成する観察光学
系で構成されている。照明光学系は、照明光源1と照明
光源1からの照明光を集光するコレクターレンズ2、及
び第1の偏光素子3で構成されている。
【0004】一方、観察光学系は被観察物体7の像を形
成する対物レンズ6の他に、照明光学系からの照明光を
対物レンズに入射させるために光路内に配置されたハー
フミラー4、ハーフミラー4と対物レンズ6の間に配置
されたノマルスキープリズム5を備えている。被観察物
体7はハーフミラー4、ノマルスキープリズム5、対物
レンズ6を介して照明されるため、これらの光学部品は
照明光学系の一部を構成していることになる。
【0005】そして、被観察物体7で反射された光は対
物レンズ6、ノマルスキープリズム5、ハーフミラー
4、第2の偏光素子8を通過して1次像位置9に集光
し、被観察物体7の像を形成する。
【0006】このような反射型微分干渉顕微鏡において
は、照明光源からの照明光は第1の偏光素子3により直
線偏光の照明光に変換される。直線偏光の照明光はハー
フミラー4により対物レンズ6に向かって偏向され、ノ
マルスキープリズム5に入射する。ノマルスキープリズ
ム5に入射した直線偏光の照明光は、振動方向が互いに
直行する2つの光線11,12に分離され、対物レンズ
6の後側焦点位置10で光軸と交差し、対物レンズ6を
介して被観察物体7に平行に照射される。
【0007】被観察物体で反射した2つの光線は、被観
察物体7の形状に応じた位相差を生じて対物レンズ6を
経てノマルスキープリズム5に再び入射する。ノマルス
キープリズム5では、入射した2つの光線が再び同一光
路上(一つ)に合成される。合成された光線は第2の偏
光素子8を通過するが、通過するときに干渉が発生す
る。そして、第2の偏光素子を通過した光線は対物レン
ズ6の1次像位置9に集光し、被観察物体7の位相差に
応じた干渉像(微分干渉像)が形成される。
【0008】被観察物体7が平面の場合には、分離した
2つの光線11,12の間には位相の差がない。そのた
め、干渉像は強度分布が一様なコントラストのない像に
なる。一方、被観察物体7に勾配や段差がある場合、分
離した2 つの光線11,12の間に位相差が生じるた
め、干渉像9には勾配や段差に相当する部分にコントラ
ストが生じる。したがって、勾配や段差が可視化され、
観察する事が可能となる。
【0009】被観察物体7上で分離した2つの光線1
1,12の間隔aで示される分離量は、シェア量と呼ば
れる。シェア量は干渉像のコントラストや解像力を決め
る重要なパラメータであることが知られている。目視観
察においては、コントラストを確保するために、シェア
量を大きくする必要がある。しかしながら、シェア量を
顕微鏡の対物レンズの分解能よりも大きくしたり、観察
する人間の眼の分解能よりある程度大きく設定すると、
被観察物体の像が二重像となったり、人間の眼に像がぼ
やけたものと認識され解像力が損なわれるという問題が
発生すると、これまで一般的に言われてきた。
【0010】そのため、例えば、特開平7−35982
号公報に記載の微分干渉顕微鏡においては、目視による
観察時のコントラストと解像力でバランスが良くなるよ
うに、シェア量Sが対物レンズの分解能δよりも小さい
範囲であって、δ/20≦S≦δ/2になるように設定
されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】近年、被観察物体の面
の平坦性や、微少な欠陥(段差)の有無を簡単に検出し
たいという要求が強くなってきている。例えば、ノート
パソコンの小型軽量化が急速に進んでいるハードディス
ク分野では、ディスクの小型化、大容量化のため、更に
ハードディスク媒体の表面の平坦化が進んできており、
不良とされる欠陥の高さ方向の微小化、表面形状の凹凸
の微小化が進んできている。また、高集積化に伴い線幅
がますます狭くなってきている半導体分野でも、パター
ンをウエハに焼き付ける際の高解像化のため、ウエハ表
面の平坦性や微小欠陥の有無を簡単に検査できることが
以前にまして要求されてきている。
【0012】この様な要求に対し、AFMを使用して測
定を行うと、測定精度は高いが測定に時間がかかるとい
う問題が生じる。そのため、広い測定範囲を早く測定す
ることが難しい。
【0013】また、従来の微分干渉顕微鏡では、シェア
量が小さいため、高さ方向に微小な欠陥や高さ方向に微
小な量のうねりをもった表面の形状を、目視観察によっ
て検査することが難しくなってきている。また、画像処
理装置などを組合せてコントラスト強調を行っても、元
々の像のコントラストが小さいため、検出が難しいレベ
ルになってきている。
【0014】本発明は上記のような問題を鑑みてなされ
たもので、高さ方向に微小な欠陥や高さ方向に微小なう
ねりを簡単に検出・検査できる微分干渉光学系、及びこ
のような微分干渉光学系を備えた光学装置を提供するこ
とを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の微分干渉光学系は、直線偏光を生じる第1
の偏光手段と、被観察物体の像を形成する対物レンズを
含む観察光学系と、前記第1の偏光手段を通過した直線
偏光を前記対物レンズに向けて反射する反射部材と、該
反射部材と前記対物レンズの間に配置され、前記第1の
偏光手段からの直線偏光を振動方向が互いに直交する2
つの直線偏光に分離すると共に、前記被観察物体で反射
された前記2つの直線偏光を同一光路上に合成する偏光
分離合成手段と、前記合成された2つの直線偏光を干渉
させる第2の偏光手段とを備え、以下の条件(1)を満
たすことを特徴としている。 0.035mm≦S×β (1) ここで、Sは前記偏光分離合成手段により分離した光線
の前記被観察物体面上での分離量、βは前記対物レンズ
の倍率である。
【0016】また、本発明の微分干渉光学系を備えた光
学装置は、光源と、該照明光源からの照明光を直線偏光
の照明光に変換する第1の偏光手段と、該照明光によっ
て照明された被観察物体の像を形成する対物レンズを含
む観察光学系と、該第1の偏光手段を通過した照明光を
対物レンズに向けて反射する反射部材と、該反射部材と
前記対物レンズの間に配置され、前記第1の偏光手段か
らの直線偏光を振動方向が互いに直交する2つの直線偏
光に分離すると共に、前記被観察物体で反射された振動
方向が互いに直交する2つの直線偏光を同一光路上に合
成する偏光分離合成手段と、該偏光分離合成手段により
同一光路上に合成された2つの直線偏光を干渉させる第
2の偏光手段とを備え、以下の条件(1)を満たすこと
を特徴としている。 0.035mm≦S×β (1) ここで、Sは前記偏光分離合成手段により分離した光線
の前記被観察物体面上での分離量、βは前記対物レンズ
の倍率である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において上記のような構成
を採った理由とその作用について説明する。本発明の微
分干渉光学系、及び微分干渉光学系を備えた光学装置
は、いずれも下記の条件(1)を満足している。 0.035mm≦S×β (1) ここで、Sは前記偏光分離合成手段により分離した光線
の前記被観察物体面上での分離量、βは前記対物レンズ
の倍率である。よって、S×βは、偏光分離合成手段に
より分離した光線の被観察物体側での分離量を、対物レ
ンズの1次像位置における量に換算した場合の分離量を
表わしている。
【0018】通常、眼の分解能は明視の距離250mmに
おいて1' から4' 程度といわれている。顕微鏡におい
ても、接眼レンズを介して見える像は明視の距離に形成
されるようになっている。そのため、1次像位置での分
解能は、接眼レンズの倍率を10倍とすると、250×
tan(1/60)/10=0.007mmから250×
tan(4/60)/10=0.029mmとなる。
【0019】したがって、条件(1)は、被観察物体上
での偏光分離合成手段により分離した光線の分離量を、
少なくとも対物レンズの1 次像位置における人間の眼の
分解能以上にしたことを示したものということになる。
【0020】本発明が、偏光分離合成手段により分離し
た光線の分離量(シェア量)の適切な範囲を、対物レン
ズの1 次像位置における人間の眼の分解能をもとにして
設定したのは、以下の理由による。
【0021】光学系の分解能を決定する被観察物体上で
の開口数( NA) は、対物レンズの倍率が大きくなるほ
ど大きくなるが、対物レンズの倍率に比例して大きくは
ならない。故に、観察波長をλ、対物レンズの開口数を
NA、対物レンズの倍率をβとしたとき、対物レンズに
よる結像面での(0.61 λ/NA)・ βで表わされる分解能の
数値は、倍率が大きくなると共に徐々に大きくなってし
まう。即ち、高倍率の対物レンズになるほど、対物レン
ズの1次像位置での分解能は悪くなっていく。これは、
被観察物体側(あるいは1次像位置)における分離量と
対物レンズの分解能の比率が一定でなく、対物レンズの
倍率によって変化してしまうことを示している。そのた
め、全ての対物レンズに適切な分離量の範囲を、被観察
物体側の分離量で設定することは容易でない。
【0022】そこで、本発明では、対物レンズの倍率に
依存しない評価基準として眼の分解能に着目し、眼の分
解能を基準に適切な範囲を設定した。その結果、全ての
対物レンズに適切な分離量の範囲を設定することができ
ることができた。
【0023】次に、図1を用いて、分離量が多い場合と
少ない場合の違いを説明する。図1は本発明の微分干渉
系の光学系を示したものである。ここで、図8と同じ構
成部材については同じ番号を付し、その説明は省略す
る。図8において、破線で表わされた光線11, 12
は、従来の分離量が少ない場合の2つの光線を表わして
いる。一方、実線で表わされた光線13,14は、本発
明の条件(1)満足する場合であって、分離量を大きく
した場合の2つの光線である。
【0024】従来の分離量が少ない光線が、微小なうね
りをもつ被観察物体7に照射された場合、被観察物体7
上における光線11と光線12の間には、光線11と光
線12の分離量に応じた位相差bが生じる。一方、分離
量の大きい光線13,14の場合は、分離量が大きい分
だけより大きな位相差cが生じる。
【0025】そのため、分離量の大きい光線13,14
の方が、被観察物体上で反射した後の2つの光線の位相
差を大きくなるので、被観察物体7をコントラスト良く
観察できることになる。
【0026】以上述べたように、本発明は、被観察物体
上での偏光分離合成手段により分離した光線の分離量
を、少なくとも対物レンズの1 次像位置における人間の
眼の分解能以上にしたこととにより、従来の分離量が小
さい場合に比べ、2つの分離した光線が被観察物体で反
射した後の位相差を大きくすることができる。その結
果、高さ方向に微小な欠陥やうねりのような微小な凹凸
を可視化できる。
【0027】なお、条件(1)の下限を超えた場合、標
本で反射した後の2つの分離した光線の位相差が大きく
発生しないため、高さ方向に微小な欠陥やうねりのよう
な微小な凹凸をコントラスト良く観察できない。
【0028】ところで、従来の技術で説明したように、
2つの光線の分離量を対物レンズの分解能以上にした場
合、被観察物体の像が二重像となったり、人間の眼に像
がぼやけたものと認識され、解像力が損なわれるという
現象が生じることがある。
【0029】しかしながら、被観察物体の形状や観察方
法によっては、2つの光線の分離量を対物レンズの分解
能以上にしたからといって、直ちに上記のような現象が
生じるとは限らない。例えば、被観察物体の表面形状が
激しい凹凸の場合と、微小なうねりのような場合とを比
べてみる。激しい凹凸形状の場合、凹凸のエッジ部での
光の散乱が生じ、この散乱光は明視野像を形成する。
【0030】そのため、2つに分離した光線の、それぞ
れで明視野像を形成するので二重像として観察されやす
い。これに対して、微小なうねりの場合、散乱が生じに
くいので二重像として観察されにくくなる。したがっ
て、2つの光線の分離量を対物レンズの分解能以上にす
ることによって、従来観察が難しかった被観察物体の観
察が可能にすることもできるのである。
【0031】上記のように、2つの光線の分離量を対物
レンズの分解能以上にしたからといって直ちに二重像が
発生するわけではないが、二重像の発生を考慮すると、
本発明の微分干渉光学系や微分干渉光学系を備えた光学
装置では、S×βが以下の条件(2)の範囲内にあるこ
とがより望ましい。 0.035mm≦S×β≦0.175mm (2) 条件(2)を満たすことにより、高さ方向に微小な欠陥
やうねりのような微小な凹凸を可視化するのに、二重像
の発生を防ぎつつ良好なコントラストの状態で観察でき
るのでより好ましい。条件(2)の上限を超えると解像
の劣化が進み好ましくない。また、設計上ノマルスキー
プリズムを厚くする必要があり、その結果、観察視野内
で明るさの不均一が大きくなるため好ましくない。ま
た、下限よりも小さいと、分離した2光線が標本で反射
した後の2光線の位相差が大きく発生しないため、高さ
方向に微小な欠陥やうねりのような微小な凹凸をコント
ラスト良く観察できない。
【0032】また、本発明の微分干渉光学系や微分干渉
光学系を備えた光学装置では、S×βが以下の条件
(3)の範囲内にあることがさらに望ましい。 0.048mm≦S×β≦0.175mm (3) 図2は、本発明の微分干渉光学系を備えた光学装置とし
て、反射型の微分干渉顕微鏡を示している。図8に示し
た従来の反射型微分干渉顕微鏡と同じ構成部材について
は、同じ番号を付してその説明を省略する。
【0033】図2に示す反射型微分干渉顕微鏡では、微
分干渉光学系が条件(1)あるいは(2)を満足するよ
うになっている。また、対物レンズ6はいわゆる無限遠
補正の対物レンズである。そのため、被観察物体7の像
を形成するように結像レンズ15が配置されている。そ
して1次像位置9に形成された、被観察物体7の像を観
察するために、接眼レンズ16を備えている。
【0034】また、観察光学系によって形成された像位
置に配置した電子撮像手段と、電子撮像手段からの画像
信号に対して選択的にコントラスト強調を行う画像処理
手段とを備えることも有効である。そのため、接眼レン
ズ16の替わりに、撮像光学系17と電子撮像手段であ
るCCD18を、配置して1次像をCCD18に再結像
させることができるようになっている。
【0035】CCD18の出力信号は画像処理装置19
に入力された後、画像表示モニタ20に送られ被観察物
体7の微分干渉像が表示されるようになっている。この
ように構成することによって、画像処理手段によりコン
トラスト強調などの適切な画像処理が行え、更に高さ方
向に微小な欠陥やうねりのような微小な凹凸をよりコン
トラスト良く可視化することが可能となる。
【0036】また、1次像をCCD18のような電子撮
像素子で撮像すると、撮像素子の分解能によっては二重
像を二重像として認識されない場合も生じる。したがっ
て、本発明の条件(1)あるいは条件(2)を満たす範
囲において電子撮像素子を用いて観察することは、二重
像を発生することなく高さ方向に微小な欠陥やうねりの
ような微小な凹凸を可視化できる点で優れている。
【0037】また、光源を高輝度光源にすることも有効
である。微分干渉光学系による観察では、2個の偏光子
を用いており、それらの透過率は10から20%で、高
くても30%程度である。そのため、射出瞳径の小さい
高倍率対物レンズでは暗くなってしまう。そこで、キセ
ノンランプや水銀ランプなどの高輝度光源を使用するこ
とにより、高倍率対物レンズ使用時でも、十分な明るさ
を確保できコントラスト良く観察することが可能とな
る。
【0038】また、光源と反射部材の間に、対物レンズ
の開口数を制限するための絞り手段を配置することも有
効で、図2に示す反射型微分干渉顕微鏡においても、光
源1とハーフミラー4との間に絞り21が設けられてい
る。このように照明系に絞り21を配置し、対物レンズ
の開口数を制限することにより、対物レンズで偏光特性
の良い光軸付近を使用することが可能となるため、高さ
方向に微小な欠陥やうねりのような微小な凹凸を可視化
するうえで好ましい。
【0039】また、コンフォーカル光学系を構成し、コ
ンフォーカル観察可能にすることも有効である。点光源
を構成するには、照明光源1としてレーザを使用する
か、照明光源1とハーフミラー4の間であって被観察物
体7と共役な位置にピンホールを配置し、このピンホー
ルを照明光で照明すれば良い。また、1次像位置9にも
ピンホールを配置することで、共焦点光学系が構成され
る。以上のようにすると、微分干渉光学系とコンフォー
カル光学系が組合された形となる。このように構成する
ことにより、偏光性能が改善され更にコントラスト良く
観察できる。
【0040】また、偏光分離合成手段(ノマルスキープ
リズム5)は、振動方向が互いに直交する2つの直線偏
光の分離量を可変できるようにすることも有効である。
分離量を可変とすることにより、被観察物体に応じて最
適なコントラストと解像を得られるようにすることが可
能となる。なお、分離量を可変する手段は、従来の微分
干渉顕微鏡で用いられている方法を用いることができ
る。
【0041】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。各実施例は、
本発明の条件(1)あるいは(2)を満たす微分干渉光
学系を備えた顕微鏡によって、被観察物体を観察してい
る。
【0042】実施例1 本実施例では、100倍の対物レンズ(β=100)を
使用し、被観察物体としてミラー表面を観察している。
図3a、図3b、図3c、図3dは、夫々以下の条件で
被観察物体を観察した時の微分干渉像である。 図3a:シェア量S=0.12μm、S×β=12μm 図3b:シェア量S=0.27μm、S×β=27μm 図3c:シェア量S=0.36μm、S×β=36μm 図3d:シェア量S=0.48μm、S×β=48μm 図3a、図3bはS×βが条件(1)を満足していない
時の微分干渉像で、図3cと図3dは条件(1)を満た
している時の微分干渉像である。図3cと図3dでは、
図3a、図3bにおいてほとんど認識できない大きなう
ねりを観察することができることがわかる。特に、図3
dではうねりをはっきり観察できている。また、表面上
の欠陥のコントラストが良く、認識もしやすい。
【0043】実施例2 本実施例では、150倍の対物レンズ(β=150)を
使用し、被観察物体として磁気ヘッドの表面を観察して
いる。また、光源として高輝度光源であるキセノンラン
プを使用している。図4a、図4b、図4cは、夫々以
下の条件で被観察物体を観察した時の微分干渉像であ
る。 図4a:シェア量S=0.15μm、S×β=22.5μm 図4b:シェア量S=0.18μm、S×β=27μm 図4c:シェア量S=0.32μm、S×β=48μm 図4a、図4bはS×βが条件(1)を満足していない
時の微分干渉像で、図4cは条件(1)を満たしている
時の微分干渉像である。図4cでは、図4a、図4bに
おいて観察されにくい磁気ヘッド上の微小な凹凸がコン
トラスト良く現れており、見易くなっていることがわか
る。
【0044】実施例3 本実施例では、150倍の対物レンズ(β=150)を
使用し、被観察物体として磁気ハードディスク表面を観
察している。また、光源として高輝度光源であるキセノ
ンランプを使用している。
【0045】また、照明光学系に配置した絞りにより、
対物レンズの開口数(NA)を制限(約80%)してい
る。また、撮像素子としてCCDを用いて撮像し、その
後画像処理装置によって画像処理を実施した。図5a、
図5bは、夫々以下の条件で被観察物体を観察した時の
微分干渉像である。 図5a:シェア量S=0.18μm、S×β=27μm 図5b:シェア量S=0.32μm、S×β=48μm 図5aでは、S×βが条件(1)を満足していないため
コントラストが弱いが、図5bではS×βが条件(1)
を満足しているためコントラスト良く、解像の劣化も少
なく観察できている。
【0046】実施例4 本実施例では、250倍の対物レンズ(β=250)を
使用し、被観察物体として磁気ヘッドの表面を観察して
いる。また、撮像素子としてCCDを用いて撮像し、そ
の後画像処理装置によって画像処理を実施した。
【0047】図6a、図6b、図6cは、夫々以下の条
件で被観察物体を観察した時の微分干渉像である。 図6a:シェア量S=0.11μm、S×β=27μm 図6b:シェア量S=0.19μm、S×β=48μm 図6c:シェア量S=0.32μm、S×β=80μm 図6aでは、S×βが条件(1)を満足していないた
め、観察の難しい磁気ヘッド上の微小な凹凸をはっきり
検出できていない。これに対して、図6bや図6cで
は、S×βが条件(1)を満足しているため、コントラ
ストが良くなっており、見易くなっていることがわか
る。
【0048】実施例5 本実施例では、250倍の対物レンズ(β=250)を
使用し、被観察物体としてハードディスク表面を観察し
ている。また、光源として高輝度光源であるキセノンラ
ンプを使用している。
【0049】また、照明光学系に配置した絞りにより、
対物レンズの開口数(NA)を制限(約80%)してい
る。また、撮像素子としてCCDを用いて撮像し、その
後画像処理装置によって画像処理を実施した。図7a、
図7b、図7cは、夫々以下の条件で被観察物体を観察
した時の微分干渉像である。 図7a:シェア量S=0.11μm、S×β=27μm 図7b:シェア量S=0.19μm、S×β=48μm 図7c:シェア量S=0.32μm、S×β=80μm 図7aでは、S×βが条件(1)を満足していないため
コントラストが弱いが、図7b及び図7cでは、S×β
が条件(1)を満足しているため、コントラスト良く、
解像の劣化も少なく観察できている。
【0050】上記実施例のうち、実施例3乃至実施例5
では、1画素が24μm〜28μmのCCDを使用して
いる。したがって、分解能としては48μm〜56μm
になる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の微分干渉
光学系、及び微分干渉光学系を備えた光学装置では、従
来では観察が難しかった被観察物体上の勾配の小さい部
分や、高さ方向に微小な凹凸のある欠陥でも、非常に簡
単にコントラストよく観察することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1 】偏光分離合成手段により分離した光線の分離量
と位相差の関係を示す図である。
【図2 】本発明の微分干渉光学系を備えた光学装置を示
す概略構成図である。
【図3】本発明の微分干渉光学系を備えた光学装置を用
いて得た、ミラー表面の微分干渉像である。
【図4】本発明の微分干渉光学系を備えた光学装置を用
いて得た、磁気ヘッドの表面の微分干渉像である。
【図5】本発明の微分干渉光学系を備えた光学装置を用
いて得た、ハードディスクの表面の微分干渉像である。
【図6】本発明の微分干渉光学系を備えた光学装置を用
いて得た、磁気ヘッドのの微分干渉像である。
【図7】本発明の微分干渉光学系を備えた光学装置を用
いて得た、ハードディスクの表面の微分干渉像である。
【図8】従来の微分干渉光学系を示す概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1 照明光源 2 コレクターレンズ 3 第1の偏光素子 4 ハーフミラー 5 ノマルスキープリズム 6、6' 対物レンズ 7 被観察物体 8 第2の偏光素子 9 対物レンズの1次像位置 10 対物レンズの後側焦点位置 11、12 従来技術における分離した2つの光線 13、14 本発明における分離した2つの光線 15 結像レンズ 16 接眼レンズ 17 撮像光学系 18 CCD(電子撮像素子) 19 画像処理装置 20 画像表示モニタ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直線偏光を生じる第1の偏光手段と、被観
    察物体の像を形成する対物レンズを含む観察光学系と、
    前記第1の偏光手段を通過した直線偏光を前記対物レン
    ズに向けて反射する反射部材と、該反射部材と前記対物
    レンズの間に配置され、前記第1の偏光手段からの直線
    偏光を振動方向が互いに直交する2つの直線偏光に分離
    すると共に、前記被観察物体で反射された前記2つの直
    線偏光を同一光路上に合成する偏光分離合成手段と、前
    記合成された2つの直線偏光を干渉させる第2の偏光手
    段とを備え、以下の条件(1)を満たすことを特徴とす
    る微分干渉光学系。 0.035mm≦S×β (1) ここで、Sは前記偏光分離合成手段により分離した光線
    の前記被観察物体面上での分離量、βは前記対物レンズ
    の倍率である。
  2. 【請求項2】光源と、該照明光源からの照明光を直線偏
    光の照明光に変換する第1の偏光手段と、該照明光によ
    って照明された被観察物体の像を形成する対物レンズを
    含む観察光学系と、該第1の偏光手段を通過した照明光
    を対物レンズに向けて反射する反射部材と、該反射部材
    と前記対物レンズの間に配置され、前記第1の偏光手段
    からの直線偏光を振動方向が互いに直交する2つの直線
    偏光に分離すると共に、前記被観察物体で反射された振
    動方向が互いに直交する2つの直線偏光を同一光路上に
    合成する偏光分離合成手段と、該偏光分離合成手段によ
    り同一光路上に合成された2つの直線偏光を干渉させる
    第2の偏光手段とを備え、以下の条件(1)を満たすこ
    とを特徴とする微分干渉光学系を備えた光学装置。 0.035mm≦S×β (1) ここで、Sは前記偏光分離合成手段により分離した光線
    の前記被観察物体面上での分離量、βは前記対物レンズ
    の倍率である。
  3. 【請求項3】以下の条件(2)を満たすことを特徴とす
    る請求項2に記載の微分干渉光学系を備えた光学装置。 0.035mm≦S×β≦0.175mm (2) ここで、Sは前記偏光分離合成手段により分離した光線
    の前記被観察物体面上での分離量、βは前記対物レンズ
    の倍率である。
  4. 【請求項4】前記観察光学系によって形成された像位置
    に配置した電子撮像手段と、該電子撮像手段からの画像
    信号に対して選択的にコントラスト強調を行う画像処理
    手段とを有することを特徴とする請求項2に記載の微分
    干渉光学系を備えた光学装置。
  5. 【請求項5】前記光源は高輝度光源であることを特徴と
    する請求項2乃至請求項4に記載の微分干渉光学系を備
    えた光学装置。
  6. 【請求項6】前記光源と前記反射部材の間に、前記対物
    レンズの開口数を制限するための絞り手段を配置するこ
    とを特徴とする請求項5に記載の微分干渉光学系を備え
    た光学装置。
  7. 【請求項7】コンフォーカル観察可能であることを特徴
    とする請求項2乃至請求項4に記載の微分干渉光学系を
    備えた光学装置。
  8. 【請求項8】前記偏光分離合成手段は、振動方向が互い
    に直交する2つの直線偏光の分離量を可変できることを
    特徴とする請求項2乃至請求項7記載の微分干渉光学系
    を備えた光学装置。
  9. 【請求項9】直線偏光を生じる第1の偏光手段と、被観
    察物体の像を形成する対物レンズを含む観察光学系と、
    前記第1の偏光手段を通過した直線偏光を前記対物レン
    ズに向けて反射する反射部材と、該反射部材と前記対物
    レンズの間に配置され、前記第1の偏光手段からの直線
    偏光を振動方向が互いに直交する2つの直線偏光に分離
    すると共に、前記被観察物体で反射された前記2つの直
    線偏光を同一光路上に合成する偏光分離合成手段と、前
    記合成された2つの直線偏光を干渉させる第2の偏光手
    段とを備え、前記変更分離合成手段による直交する2つ
    の直線偏光の分離量は、前記対物レンズの1次像位置に
    おいて眼の分解能以上であることを特徴とする微分干渉
    光学系。
  10. 【請求項10】光源と、該照明光源からの照明光を直線
    偏光の照明光に変換する第1の偏光手段と、該照明光に
    よって照明された被観察物体の像を形成する対物レンズ
    を含む観察光学系と、該第1の偏光手段を通過した照明
    光を対物レンズに向けて反射する反射部材と、該反射部
    材と前記対物レンズの間に配置され、前記第1の偏光手
    段からの直線偏光を振動方向が互いに直交する2つの直
    線偏光に分離すると共に、前記被観察物体で反射された
    振動方向が互いに直交する2つの直線偏光を同一光路上
    に合成する偏光分離合成手段と、該偏光分離合成手段に
    より同一光路上に合成された2つの直線偏光を干渉させ
    る第2の偏光手段とを備え、前記変更分離合成手段によ
    る直交する2つの直線偏光の分離量は、前記対物レンズ
    の1次像位置において眼の分解能以上であることを特徴
    とする微分干渉光学系。
JP18830798A 1998-06-18 1998-06-18 微分干渉光学系、及び微分干渉光学系を有する光学装置 Withdrawn JP2000010007A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18830798A JP2000010007A (ja) 1998-06-18 1998-06-18 微分干渉光学系、及び微分干渉光学系を有する光学装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18830798A JP2000010007A (ja) 1998-06-18 1998-06-18 微分干渉光学系、及び微分干渉光学系を有する光学装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000010007A true JP2000010007A (ja) 2000-01-14

Family

ID=16221329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18830798A Withdrawn JP2000010007A (ja) 1998-06-18 1998-06-18 微分干渉光学系、及び微分干渉光学系を有する光学装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000010007A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002023063A (ja) * 2000-07-07 2002-01-23 Nikon Corp 紫外線顕微鏡及びその制御方法
WO2018072447A1 (zh) * 2016-10-18 2018-04-26 淮阴师范学院 基于微分干涉的光学薄膜缺陷检测方法
WO2020250875A1 (ja) * 2019-06-10 2020-12-17 オリンパス株式会社 観察装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002023063A (ja) * 2000-07-07 2002-01-23 Nikon Corp 紫外線顕微鏡及びその制御方法
WO2018072447A1 (zh) * 2016-10-18 2018-04-26 淮阴师范学院 基于微分干涉的光学薄膜缺陷检测方法
WO2020250875A1 (ja) * 2019-06-10 2020-12-17 オリンパス株式会社 観察装置
JP2020201364A (ja) * 2019-06-10 2020-12-17 オリンパス株式会社 観察装置
JP7210385B2 (ja) 2019-06-10 2023-01-23 株式会社エビデント 観察装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100743591B1 (ko) 사이드 로브가 제거된 공초점 자가 간섭 현미경
JP4150592B2 (ja) 自動合焦方法
JP3673049B2 (ja) 共焦点顕微鏡
TWI345633B (en) Method and apparatus for inspecting a pattern
JP2910956B2 (ja) 繰返しパターンをもつ表面の欠陥検査方法及び装置
JP3610837B2 (ja) 試料表面の観察方法及びその装置並びに欠陥検査方法及びその装置
JP3708260B2 (ja) 微分干渉顕微鏡
US7564622B2 (en) Methods for implement microscopy and microscopic measurement as well as microscope and apparatus for implementing them
US6134009A (en) Imaging system using polarization effects to enhance image quality
TW201027649A (en) Defect inspection device and defect inspection method
JPH0735982A (ja) 微分干渉顕微鏡
JP2001194321A (ja) 半導体ウエハの検査装置
JP2001075009A (ja) 光学装置及び顕微鏡
JP7488587B2 (ja) 対物レンズに対する試料の変位を検出する方法及び装置
JP2916321B2 (ja) 多層半導体基板等における内部欠陥の検出方法
US5523846A (en) Apparatus for detecting marks formed on a sample surface
Xiao et al. Observation of the rabbit cornea and lens with a new real‐time confocal scanning optical microscope
JP2000010007A (ja) 微分干渉光学系、及び微分干渉光学系を有する光学装置
JPH07128595A (ja) 光学顕微鏡を用いて緻密なライン幅構造を映像化する方法及び装置
JP5472780B2 (ja) 穴形状測定装置及び光学系
JP2004163555A (ja) 落射顕微鏡及び落射顕微鏡用対物レンズ
JP2001356278A (ja) 顕微鏡システム
JP2005055540A (ja) 共焦点顕微鏡及び高さ測定装置
JPS6153511A (ja) 欠陥検査装置
JP2000035540A (ja) 微分干渉顕微鏡

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050906