JP2000009169A - 車両用ダンパ - Google Patents

車両用ダンパ

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JP2000009169A
JP2000009169A JP16979198A JP16979198A JP2000009169A JP 2000009169 A JP2000009169 A JP 2000009169A JP 16979198 A JP16979198 A JP 16979198A JP 16979198 A JP16979198 A JP 16979198A JP 2000009169 A JP2000009169 A JP 2000009169A
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damper according
fluid chamber
vehicle
sliding
variable throttle
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JP16979198A
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English (en)
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Mitsuo Sasaki
光雄 佐々木
Hiroshi Kato
博 加藤
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】作動油として高粘度流体を用いることにより、
流量の小さな小型のダンパにおいても安定した減衰力を
発生させることができ、かつ、高圧化が可能であると共
に、その発生する減衰力特性のチューニングの自由度を
高めることができる車両用ダンパの提供。 【解決手段】シリンダチューブ1内を上部室イと下部室
ロに摺動自在にかつ液密的に隔成するピストン2と、両
室イ、ロ間を連通する連通路と、ピストン速度が大きく
なるにつれて連通路の流路断面積小さくする方向に絞り
込む可変絞り弁11、12を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用ダンパに関
する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、車両を軽量化することにより、燃料消費量を減らし
て省エネ化を図る要望があり、車両用ダンパにおいても
その軽量化が要望され始めている。これに従い、サスペ
ンションのダンパユニット取付位置のレバー比を小さく
し、サスペンションアームの車体取付側に寄せて、サス
ペンションアームの軸支部近傍に装着することで、サス
ペンションレイアウト全体がコンパクト化し易くなる。
これに伴いダンパの取り付けスペースが小さくなると共
に、相対移動量が小さくなるため、今までよりも小型な
ダンパが必要となる。このことから、現在主流となって
いる往復動型ダンパをそのまま小型化するか、サスペン
ションアームの軸支部分の回転運動から直接減衰トルク
を発生させるロータリダンパを適用することが考えられ
る。しかしながら、従来よりは大きなレバー比の設定か
ら、ホイール先端で同等の減衰力を発生させるために
は、レバー比の増加に応じた高い減衰力が要求されるこ
とになる。即ち、小型で高減衰力が要求されるというこ
とは、ダンパ室内が高圧化すると共に、ダンパにおける
作動油の移動流量が小さくなるため、安定した高い減衰
力を発生させるためには、高度な気密性が要求されるこ
とになる。例えば、ハウジング内に設けられた圧力室を
ベーンで仕切り、仕切られた両圧力室間を連通する連通
路に減衰バルブが設けられたロータリダンパにおいて、
両圧力室内面とベーンとの摺動シール部分には、コーナ
部分が存在するために、該コーナ部分のシール形状寸法
に厳密な管理が必要になる上に、高圧化に耐え、かつ、
前記ハウジングとの摺動面に対しての対攻撃性を満足さ
せる材料の選択および設計が非常に困難を要する上に、
仮に実現可能であるとしてもコストが非常に高くつくこ
とになる。また、往復動型のダンパにおいても、圧力室
内作動油圧の高圧化から、ピストン外周とシリンダ内周
面間でのシール性、耐圧性の向上はもちろんのこと、ロ
ッドガイド部のベアリング内周およびピストンロッド外
周間の隙間、シリンダ、ロッドガイド嵌合部での洩れを
防止する必要がでてくる。つまり、いずれの形式による
も高圧化のためのシール性の向上と、作動油のトータル
流量の減少により洩れ流量に対する減衰力のバラツキ感
度が上がるため、圧力室の高い気密性が要求されること
になる。そこで、一般に、隙間からの作動油の洩れを抑
制するために、作動油の高粘性を高くすることが考えら
れるが、単に作動油の高粘性を高くするだけでは、以下
に述べるような問題が生じる。即ち、高粘度の作動油が
絞り管内を流れる場合、図22に示すような速度分布と
なり、速度差がある部分では相対的に作動油が剪断され
る際に抵抗力が発生することから、差圧ΔP( 減衰力)
が発生する。しかしながら、実際は、図23の剪断速度
に対する動粘度特性図に示すように、剪断速度が早くな
るにつれて見かけの粘度が低下するために、図24に示
すような速度分布となる。ここで、一般に絞り管内を流
れる時の差圧ΔPは、次式(1) で表される。 ΔP=(Q2 ・r)/(CD2 ・A2 ・2g)・・・・・・(1) なお、Qは流量、rは比重量、CDは流量係数、Aは絞
り管の断面積(流路断面積)、gは重力加速度を示す。
粘性の低い鉱物油等の作動油を使用する現行のダンパに
おいては、レイノルズ数(Re数)が大きいため、図2
5のレイノルズ数(Re数)に対する流量係数(Cd)
値特性図におけるエリアBに示すように、ほぼ一定の値
をとることから、前記差圧ΔPは流路断面積(A)が一
定の場合は、ΔP∝Q2 となり、図26の流量Q(ピス
トン速度)に対する差圧ΔP(減衰力)特性図(点線)
に示すように、ピストン速度に対して2乗特性の減衰力
が得られ、これにより、高ピストン速度域において急激
に減衰力を立ち上げることが可能であった。なお、レイ
ノルズ数(Re数)は次式(2) で表される。 Re=(v・d)/ν・・・・・・(2) なお、vは平均流速、dは絞り管直径、νは動粘度を示
す。また、前記平均流速vは次式(3) で表される。 v=(Q2 ・4)/(π・d2 )・・・・・・(3) しかし、粘性の高い作動油を使用すると、レイノルズ数
(Re数)が小さくなるため、図25のレイノルズ数
(Re数)に対する流量係数(Cd)値特性図における
エリアAに示すように、平均流速vつまり流量(v=Q
/A)に対して、流量係数(Cd)値が急激に大きく変
化し、前記差圧ΔPは流路断面積(A)が一定の場合
は、ΔP∝Q2 /Cd2 となり、このため、図26の流
量Q(ピストン速度)に対する差圧ΔP(減衰力)特性
図(実線)に示すように、ほぼ線形特性となり、ピスト
ン速度に対して2乗特性の減衰力が得られなくなる。従
って、高ピストン速度域において減衰力を大きく立ち上
げることができなくなるという問題がある。つまり、流
量Qに対する差圧ΔP特性が下凸の2乗特性となる低粘
度油を用いる場合は、2乗特性とは対称的な上凸の3/
2乗特性を発生するバルブ特性と組み合わせることによ
って、減衰力特性のカーブの度合いを比較的自由にチュ
ーニングすることが可能であったが、高粘度油を用いる
と、図26の実線で示すように流量Qに対して差圧ΔP
がほぼ線形特性となる上に、前述のように、高粘度油に
おける剪断速度に対する動粘度特性変化による影響(即
ち、図23に示したように、剪断速度が早くなるにつれ
て見かけの粘度が低下することによる影響)が加わるた
めに、図27の実線で示すように、高ピストン速度域に
おいて減衰力を大きく立ち上げることが極めて困難であ
り、従って、従来のように突発的に路面から大きな入力
が入った場合、高作動速度領域の発生減衰力を急激に立
ち上げるようにチューニングして、車体への過大入力を
軽減する特性を発生させることが困難である。以上詳細
に説明したように、高粘度油を用いることによって、隙
間からの作動油の洩れが飛躍的に減少し、これにより、
流量の小さな小型のダンパにおいても安定した減衰力を
発生させることができ、かつ、高圧化が可能となるが、
その発生する減衰力特性のチューニングの自由度が低下
するといるという問題点があった。
【0003】また、高粘度油をダンパの作動油として用
いた場合において、図28に示すような絞り円管内通過
による圧力降下(差圧ΔP)は、次式(4) で表される。 ΔP=(128・ν・L・Q)/(π・D4 )・・・・・・(4) なお、Qは流量、νは動粘度、Lは絞り円管長さ、Qは
流量、Dは絞り円管内径を示す。
【0004】また、高粘度油をダンパの作動油として用
いた場合において、図29に示すような絞り環状隙間内
通過による圧力降下(差圧ΔP)は、次式(5) で表され
る。 ΔP=(12・ν・L・Q)/(π・d・h3 )・・・・・・(5) なお、hは隙間幅を示す。
【0005】そして、高粘度油は低粘度油に比べるとそ
の変化率は少ないが、図4に示すように、その温度が上
昇するにつれて動粘度νが低下する方向に変動するた
め、前記式に示すように差圧ΔPの値も変動することに
なり、従って、温度変化(上昇)により減衰力が変動
(低下)し、これにより、安定した減衰力特性が得られ
なくなるという問題点があった。
【0006】本発明は、上述のような従来の問題点に着
目してなされたもので、作動油として高粘度流体を用い
ることにより、流量の小さな小型のダンパにおいても安
定した減衰力を発生させることができ、かつ、高圧化が
可能であると共に、その発生する減衰力特性のチューニ
ングの自由度を高めることができる車両用ダンパを提供
することを目的とするものである。また、温度変化によ
る減衰力特性変動を防止することを追加の目的とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述のような目的を達成
するために、本発明請求項1記載の車両用ダンパでは、
高粘性流体が充填された流体室と、該流体室内において
該流体室内を2つの室に摺動自在にかつ液密的に隔成す
る摺動仕切り部材と、該摺動仕切り部材で隔成された2
つの室間を連通する少なくとも1つの連通路と、前記摺
動仕切り部材に一体的に設けられていて外力が作用する
と前記流体室内において摺動仕切り部材を摺動させる入
力部と、前記流体室内における摺動仕切り部材の摺動速
度が大きくなるにつれて前記2つの室間を連通する全て
の連通路の流路断面積の総計を小さくする方向に絞り込
む可変絞り機構と、を備えている手段とした。請求項2
記載の車両用ダンパでは、高粘性流体が充填された流体
室と、該流体室内において該流体室内を2つの室に摺動
自在にかつ液密的に隔成する摺動仕切り部材と、該摺動
仕切り部材で隔成された2つの室間を連通する少なくと
も1つの連通路と、前記摺動仕切り部材に一体的に設け
られていて外力が作用すると前記流体室内において摺動
仕切り部材を摺動させる入力部と、前記流体室内におけ
る摺動仕切り部材の摺動速度が大きくなるにつれて前記
2つの室間を連通する連通路の流路長さを長くする方向
に絞り込む可変絞り機構と、を備えている手段とした。
請求項3記載の車両用ダンパでは、請求項1または2に
記載の車両用ダンパにおいて、前記可変絞り機構が、前
記摺動仕切り部材の両方向の摺動に対してそれぞれ設け
られている手段とした。請求項4記載の車両用ダンパで
は、請求項3に記載の車両用ダンパにおいて、前記両可
変絞り機構は互いに同軸上に対向して配置されている手
段とした。請求項5記載の車両ダンパでは、請求項1〜
4に記載の車両用ダンパにおいて、前記可変絞り機構
が、前記2つの室間の差圧に応じて移動する可動部材で
構成され、該可動部材の移動に応じて前記連通路が絞り
込まれるように構成されている手段とした。請求項6記
載の車両用ダンパでは、請求項1〜4のいずれかに記載
の車両用ダンパにおいて、前記可変絞り機構が、前記連
通路を流通する高粘性流体の流速に応じて大きくなる粘
性抵抗によって移動する可動部材で構成され、該可動部
材の移動に応じて前記連通路が絞り込まれるように構成
されている手段とした。請求項7記載の車両用ダンパで
は、請求項5または6に記載の車両用ダンパにおいて、
前記可変絞り機構を構成する可動部材が、該可動部材の
移動に応じて絞り込み量が可変される連通路部分を構成
する部材の線膨張係数より大きな線膨張係数材料で構成
されている手段とした。請求項8記載の車両用ダンパで
は、請求項5〜7のいずれかに記載の車両用ダンパにお
いて、前記可変絞り機構を構成する可動部材を、前記連
通路の絞り込み量が小さくなる方向に付勢する付勢手段
が設けられ、該付勢手段が前記連通路以外の部分に配置
されている手段とした。請求項9記載の車両用ダンパで
は、請求項8に記載の車両用ダンパにおいて、前記付勢
手段が板ばねで構成されている手段とした。請求項10
記載の車両用ダンパでは、請求項8または9に記載の車
両用ダンパにおいて、前記可動部材に粘性抵抗により該
可動部材を移動させる抵抗部が設けられ、前記付勢手段
の付勢力が前記抵抗部に作用するように構成されている
手段とした。請求項11記載の車両用ダンパでは、請求
項1〜10のいずれかに記載の車両用ダンパにおいて、
前記可変絞り機構が、前記流体室内における摺動仕切り
部材の摺動速度に応じた連通路の絞り込み量を非線形的
に変化させるように構成されている手段とした。請求項
12記載の車両用ダンパでは、請求項11に記載の車両
用ダンパにおいて、可動部材の移動に対し前記付勢手段
が非線形的に撓むことにより、前記流体室内における摺
動仕切り部材の摺動速度に応じた連通路の絞り込み量を
非線形的に変化させるように構成されている手段とし
た。請求項13記載の車両用ダンパでは、請求項12に
記載の車両用ダンパにおいて、前記付勢手段が、可動部
材の作動方向にそれぞれ所定のクリアランスをもって複
数配置された板ばねで構成され、該複数の板ばねが順次
撓むことにより前記流体室内における摺動仕切り部材の
摺動速度に応じた連通路の絞り込み量を非線形的に変化
させるように構成されている手段とした。請求項14記
載の車両用ダンパでは、請求項1〜13のいずれかに記
載の車両用ダンパにおいて、前記摺動仕切り部材が流体
室内において回動するベーンで構成されたロータリ式の
ダンパである手段とした。請求項15記載の車両用ダン
パでは、請求項1〜14のいずれかに記載の車両用ダン
パにおいて、前記高粘性流体がシリコンオイルで構成さ
れている手段とした。
【0008】
【作用】この発明請求項1記載の車両用ダンパでは、上
述のように構成されるため、入力部に外力が作用する
と、流体室内において摺動仕切り部材が摺動し、その際
に該摺動仕切り部材で隔成された2室内の高粘性流体が
連通路を経由して流通し、該連通路通過の際の流通抵抗
により、所定の減衰力を発生させる。この減衰力は、前
述のように、高粘性流体を用いていることから、連通路
の流路断面積が一定の場合は、流量(作動速度)に対す
る差圧(減衰力)特性が線形特性となり、かつ、高粘性
流体における剪断速度に対する動粘度特性変化による影
響も加わって、高速作動域において減衰力を大きく立ち
上げることができない。ところが、この請求項1記載の
車両用ダンパでは、流体室内における摺動仕切り部材の
摺動速度が大きくなるにつれて2つの室間を連通する全
ての連通路の流路断面積の総計が小さくなるよう絞り込
む方向に可変絞り機構が作動することにより、高速作動
域において減衰力の立ち上げ度を自由に高めることがで
きるため、路面からの突発的過大入力に対し急激に減衰
力を立ち上げることにより車体への過大入力を軽減する
ことができる。また、可変絞り機構における流速に対す
る絞り特性を変えることにより、ダンパ作動速度に対す
る発生減衰力特性を自由にチューニングすることができ
る。従って、作動油として高粘度流体を用いることによ
り、流量の小さな小型のダンパにおいても安定した減衰
力を発生させることができ、かつ、高圧化が可能である
と共に、その発生する減衰力特性のチューニングの自由
度が高くなる。請求項2記載の車両用ダンパでは、流体
室内における摺動仕切り部材の摺動速度が大きくなるに
つれて2つの室間を連通する連通路の流路長さが長くな
るよう絞り込む方向に可変絞り機構が作動するもので、
これにより、前記請求項1と同様の作用が得られる。請
求項3記載の車両用ダンパでは、請求項1または2に記
載の車両用ダンパにおいて、可変絞り機構が、摺動仕切
り部材の両方向の摺動に対してそれぞれ設けられること
で、摺動仕切り部材の摺動方向によって異なった減衰力
特性を発生させることができる。請求項4記載の車両用
ダンパでは、請求項3記載の車両用ダンパにおいて、両
可変絞り機構を互いに同軸上に対向して配置した構成と
することで、機構がコンパクト化されると共に、両機構
の一体化により部品点数が削減される。請求項5記載の
車両用ダンパでは、請求項1〜4のいずれかに記載の車
両用ダンパにおいて、可変絞り機構が、2つの室間の差
圧に応じて移動する可動部材で構成され、該可動部材の
移動に応じて連通路が絞り込まれるように作動するもの
で、これにより、摺動仕切り部材の作動速度が大きくな
るにつれて差圧も大きくなるため、電気的アクチュエー
タ等を用いることなしに連通路の絞り込み量を大きくす
る方向に変化させることができる。また、前記可動部材
または可動部材対応部の形状を変えることにより、特性
を自由に設定することができる。請求項6記載の車両用
ダンパでは、請求項1〜4のいずれかに記載の車両用ダ
ンパにおいて、可変絞り機構が、連通路を流通する高粘
性流体の流速に応じて大きくなる粘性抵抗によって移動
する可動部材で構成され、該可動部材の移動に応じて連
通路を絞り込むように作動するもので、これにより、摺
動仕切り部材の作動速度が大きくなるにつれて流速も大
きくなるため、電気的アクチュエータ等を用いることな
しに連通路の絞り込み量を大きくする方向に変化させる
ことができる。また、前記可動部材または可動部材対応
部の形状を変えることにより、特性を自由に設定するこ
とができる。また、粘性抵抗で可動部材を移動させるた
め、差圧が発生する前に連通路を絞り込むことができ、
これにより、特性の設定自由度がさらに大きくなる。請
求項7記載の車両用ダンパでは、請求項5または6に記
載の車両用ダンパにおいて、前記可変絞り機構を構成す
る可動部材が、該可動部材の移動に応じて絞り込み量が
可変される連通路部分を構成する部材の線膨張係数より
大きな線膨張係数材料で構成されているため、温度が上
昇すると、連通路部分を構成する部材の線膨張による連
通路断面積の増加量より、該連通路を絞り込む可動部材
の線膨張による膨張断面積の増加量が大きくなる結果、
絞り環状隙間の断面積が減少する方向に変化して減衰力
が高まる方向に変化することになり、これにより、温度
上昇による高粘性流体の動粘度の低下による減衰力特性
の低下分が相殺される。請求項8記載の車両用ダンパで
は、請求項5〜7のいずれかに記載の車両用ダンパにお
いて、可変絞り機構を構成する可動部材が、付勢手段に
より連通路の絞り量を小さくする方向に付勢されるもの
で、これにより、可動部材の初期位置決めがなされると
共に、付勢部材の付勢力設定により、可動部材の作動ポ
イントを自由に設定することができる。また、該付勢手
段が前記連通路以外の部分に配置されていることから、
高粘性流体の流通による粘性抵抗を受けることがなく、
これにより、低減衰力仕様へのチューニングが可能とな
る。請求項9記載の車両用ダンパでは、請求項8記載の
車両用ダンパにおいて、付勢手段が板ばねで構成されて
いることから、軸方向寸法が小さくなると共に、微小ス
トロークで高いばね定数が得られるため、減衰力が安定
する。また、板ばねは、ばね定数を決定する板厚の管理
が容易であるため、設定精度が高くなる。請求項10記
載の車両用ダンパでは、請求項8または9に記載の車両
用ダンパにおいて、付勢手段の付勢力が可動部材に設け
られた抵抗部に作用するもので、これにより、抵抗部と
付勢手段の受け部とを一体に形成することが可能で、部
品点数が削減される。請求項11記載の車両用ダンパで
は、請求項1〜10のいずれかに記載の車両用ダンパに
おいて、前記可変絞り機構が、前記流体室内における摺
動仕切り部材の摺動速度に応じた連通路の絞り込み量を
非線形的に変化させるもので、これにより、例えば、高
速作動域における減衰力の立ち上げ度合いを自由にチュ
ーニングすることができる。そして、請求項12では付
勢手段を非線形的に撓ませることで減衰力を非線形的に
変化させるもので、付勢手段を変えるだけで非線形特性
が得られるため、安価に実現できる。また、請求項13
では、可動部材の作動方向にそれぞれ所定のクリアラン
スをもって複数配置された板ばねが順次撓むことにより
連通路の絞り込み量を非線形的に変化させるものであ
り、前記クリアランスや各板ばねの板圧、材料、径等を
変更するだけで、減衰力の非線形度合いを容易かつ自由
にチューニングすることができる。請求項14記載の車
両用ダンパでは、請求項1〜13のいずれかに記載の車
両用ダンパを、ベーン摺動部におけるシール性が特に問
題となるロータリ式のダンパに適用することにより、高
粘性流体を用いることが特に有効に作用する。請求項1
5記載の車両用ダンパでは、請求項1〜14のいずれか
に記載の車両用ダンパにおいて、前記高粘性流体として
シリコンオイルが用いられるもので、該シリコンオイル
は温度変化に対する粘度変化が極めて少ないため、減衰
力特性の温度変化が最小限に抑えられる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。 (発明の実施の形態1)まず、図1に示す発明の実施の
形態1の車両用ダンパの構成を説明する。図1は本発明
の実施の形態1の車両用ダンパを示す要部拡大断面図で
あり、この図において、1は、その下端側が車輪側に連
結されたシリンダチューブ、2は、シリコンオイル(高
粘性流体)Sが充填されたシリンダチューブ1内(流体
室内)を上部室イと下部室ロとに隔成して摺動自在に設
けられたピストン(摺動仕切り部材)、3は、その下端
部をピストン2に連結し、シリンダチューブ1外に突出
させた上端部を車体に連結したピストンロッド(入力
部)である。
【0010】さらに詳述すると、前記ピストン2は、そ
の外周にシリンダチューブ1内周面との間を摺動自在に
液圧シールするベアリング4を備えた円筒状本体部21
と、該円筒状本体部21の上端開口部を閉塞すると共に
ピストンロッド3の下端に連結部材5を介して連結され
た上蓋部22と、円筒状本体部21の下端開口部を閉塞
する下蓋部23とで外形略円柱状で内部に中空部24を
有する中空ボックス状に形成されている。
【0011】前記円筒状本体部21の内周には、中空部
24の内径を絞り込む突条部21aが形成されている。
この突条部21aは、上下両側壁面21b、21cが中
心穴21d方向に向けて円錐穴状に傾斜した断面台形状
に形成されている。
【0012】前記上蓋部22と下蓋部23の外周部に
は、それぞれ上部室イまたは下部室ロとピストン2内の
中空部24との間を連通する連通穴22a、23aが形
成されていおり、この両連通穴22a、23aと前記中
空部24とで、請求の範囲の連通路が構成されている。
【0013】前記上蓋部22の上面中央に突出形成され
たボス部22bの上端には拡大部22cが形成される一
方、前記連結部材5はその上端がピストンロッド3の下
端部に螺合されると共に、その下端部側が円筒状に形成
されていて、該円筒部5aの下端開口縁部を前記拡大部
22cの外周縁部にかしめ固定することにより、ピスト
ン2がピストンロッド3の下端部に連結固定されてい
る。
【0014】前記拡大部22cの上面と下蓋部23の下
面には、その外周縁部側を円環支持突条22d、23c
でそれぞれ支持された伸側リング状板ばね6と圧側リン
グ状板ばね7が設けられている。
【0015】前記上蓋部22のボス部22bと下蓋部2
3の軸心ボス部23bおよびリング状板ばね6、7を貫
通して軸方向に摺動自在な異径の可動軸8が設けられ、
この可動軸8は、その上端部に形成された拡大係止部8
aをリング状板ばね6の内周縁部上面側に係止させ、か
つ、下端部にナット9の螺合によって装着されたされた
ワッシャ10をリング状板ばね7の内周縁部下面側に係
止させることにより、両リング状板ばね6、7の付勢力
を作用させ、軸方向センタリングされた状態で設けられ
ている。
【0016】前記可動軸8の中間径部には、伸側可変絞
り弁11および圧側絞り弁12がスペーサ13を介して
装着され、ナット14により締結固定されている。
【0017】そして、前記伸側リング状板ばね6と圧側
リング状板ばね7とでセンタリングされた無負荷状態に
おいて、伸側可変絞り弁11および圧側絞り弁12の外
周縁部と上下各側壁面21b、21cとの間に形成され
る環状絞り穴の流通面積が、発生させるべき減衰力値に
応じた所定面積となるように、両各可変絞り弁11、1
2の外径と、それらの相互位置関係等が予め設定されて
いる。
【0018】なお、伸側可変絞り弁11、圧側可変絞り
弁12、および、突条部21aにより、可変絞り機構C
を構成している。
【0019】また、図において、5b、22eはリング
状板ばね6の軸方向移動を確保するための連通孔であ
る。
【0020】次に、発明の実施の形態1の作用を説明す
る。 (イ)低ピストン速度域 この発明の実施の形態1の車両用ダンパでは、上述のよ
うに構成されるため、ダンパの伸行程においては、シリ
ンダチューブ1に対しピストン2が上方へ摺動し、上部
室イのシリコンオイルSが、連通穴22a、中空部2
4、連通穴23aを経由して下部室ロ側に流通するが、
中空部24内が、突条部21aの上側側壁面21bと伸
側可変絞り弁11の外周縁部との間、および、突条部2
1aの下側側壁面21cと圧側可変絞り弁12の外周縁
部との間で絞られているため、同絞り部分を通過するシ
リコンオイルSの流通抵抗により、上流側の上部室イと
下流側の下部室ロとの間に差圧ΔPが発生し、これによ
り、次式に基づいて所定の減衰力Fを発生させる。 F=A・ΔP なお、Aは絞り部の流路断面積である。
【0021】また、ダンパの圧行程においては、以上と
は逆に、シリンダチューブ1に対しピストン2が下方へ
摺動し、下部室ロのシリコンオイルSが、連通穴23
a、中空部24、連通穴22aを経由して上部室イ側に
流通するが、中空部24内が、突条部21aの下側側壁
面21cと圧側可変絞り弁12の外周縁部との間、およ
び、突条部21aの上側側壁面21bと伸側可変絞り弁
11の外周縁部との間で絞られているため、同絞り部分
を通過するシリコンオイルSの流通抵抗により、上流側
の下部室ロと下流側の上部室イとの間に差圧ΔPが発生
し、これにより、前記式に基づいて所定の減衰力Fを発
生させる。
【0022】(ロ)高ピストン速度域 この発明の実施の形態1では、高粘度のシリコンオイル
Sを用いていることから、絞り部分の流路断面積が一定
の場合は、図19の実線で示すように、流量Q(ピスト
ン速度)に対する差圧ΔP(減衰力F)特性が線形特性
となり、かつ、高粘性流体における剪断速度に対する動
粘度特性変化による影響、即ち、図16に示すように、
剪断速度が早くなるにつれて見かけの粘度が低下するこ
とによる影響も加わることから、図2の点線で示すよう
に、高ピストン速度域において減衰力Fを大きく立ち上
げることができない。
【0023】ところが、この発明の実施の形態1の車両
用ダンパでは、ピストン2の作動速度が早くなるにつれ
て、絞り部分の上流側の液圧P1と下流側の液圧P2と
の差圧ΔPが増加し、この差圧ΔPがダンパの伸行程に
おいては伸側可変絞り弁11の上面側に作用するため、
伸側リング状板ばね6の付勢力に抗して伸側可変絞り弁
11を可動軸8と共に下方へ押圧摺動させ、これによ
り、絞り部の流路断面積Aを絞り込んで減少させる方向
に作用するもので、この絞り込み量がピストン2の作動
速度に応じて大きくなるため、前記式に示すように、ピ
ストン速度が大きくなるにつれて伸側の減衰力Fが高く
なる方向に特性が変化する。
【0024】また、ダンパの圧行程においては、ピスト
ン2の作動速度が早くなるにつれて差圧ΔPが圧側可変
絞り弁12の下面側に作用するため、圧側リング状板ば
ね7の付勢力に抗して圧側可変絞り弁12を可動軸8と
共に上方へ押圧摺動させ、これにより、絞り部の流路断
面積Aを絞り込んで減少させる方向に作用するもので、
この絞り込み量がピストン2の作動速度に応じて大きく
なるため、前記式に示すように、ピストン速度が大きく
なるにつれて圧側の減衰力Fが高くなる方向に特性が変
化する。
【0025】従って、ピストン速度に対する絞り部の流
路断面積Aの絞り込み量を任意に設定することにより、
図2の実線および一点鎖線で示すように、ピストン2の
高速作動域(流速Qの高速域)における減衰力F(差圧
ΔP)の立ち上げ度を自由に高めることができるように
なり、これにより、作動油として高粘度のシリコンオイ
ルSを用いても、路面からの突発的過大入力に対し急激
に減衰力を立ち上げることにより車体への過大入力を軽
減することができるようになる。
【0026】また、ピストン速度に応じて変化する差圧
ΔPを利用することにより、電気的アクチュエータ等を
用いる必要もないため、コストアップを招くこともな
い。
【0027】また、シリコンオイルS(20〜100,
000センチストロークス(cst))は、図3および
図4に示すように、温度変化に対する粘度変化が鉱物油
(点線)に比べて極めて少ないため、温度変化に対する
減衰力変動を少なくすることができるようになる。
【0028】以上のように、この発明の実施の形態1の
車両用ダンパでは、作動油として高粘度のシリコンオイ
ルSを用いることにより、流量の小さな小型のダンパに
おいても安定した減衰力を発生させることができ、か
つ、高粘度による高いシール性が得られるため高圧化が
可能であると共に、その発生する減衰力特性のチューニ
ングの自由度が高くなるという効果が得られる。
【0029】また、ダンパの行程方向に応じて伸側可変
絞り弁11と伸側可変絞り弁12がそれぞれ設けられた
ことで、ダンパの行程方向によって異なった減衰力特性
を発生させることができる。
【0030】また、伸側可変絞り弁11と伸側可変絞り
弁12を1本の可動軸8に対し同軸上に対向して配置し
た構成としたことで、機構がコンパクト化されると共
に、両絞り弁11、12の一体化により部品点数を削減
することができるようになる。また、伸側可変絞り弁1
1と伸側可変絞り弁12は伸側リング状板ばね6および
圧側リング状板ばね7により、絞り部分の流路断面積A
が大きくなる方向にセンタリングされているため、伸側
可変絞り弁11と伸側可変絞り弁12の初期位置決めが
なされると共に、伸側リング状板ばね6および圧側リン
グ状板ばね7の付勢力設定により、伸側可変絞り弁11
と伸側可変絞り弁12の作動ポイントを自由に設定する
ことができる。
【0031】また、伸側リング状板ばね6および圧側リ
ング状板ばね7が、シリコンオイルSの流通路以外の部
分に配置されているため、シリコンオイルSの流通によ
る粘性抵抗を受けることがなく、これにより、低減衰力
仕様へのチューニングが可能となる。
【0032】また、付勢手段が板ばねで構成されている
ことから、軸方向寸法が小さくなると共に、微小ストロ
ークで高いばね定数が得られるため、安定した減衰力特
性を得ることができるようになると共に、板ばねは、ば
ね定数を決定する板厚の管理が容易であるため、設定精
度を高めることができる。
【0033】次に、本発明の他の実施の形態について説
明する。なお、この他の実施の形態の説明に当たって
は、前記発明の実施の形態1と同様の構成部分には同一
の符号を付けてその説明を省略し、相違点についてのみ
説明する。
【0034】(発明の実施の形態2)この発明の実施の
形態2の車両用ダンパは、図5にその要部拡大断面図を
示すように、前記伸側可変絞り弁11とスペーサ(1
3)部分と伸側可変絞り弁12とを一体に形成すると共
に、伸側リング状板ばね6および圧側リング状板ばね7
とを可動軸8の下端側にまとめて設けることにより、連
結部材5を省略し、上蓋部22をピストンロッド3の下
端部に直接螺合連結した形態とした点で、前記発明の実
施の形態1とは相違したものであり、その他の構成およ
び作用は前記発明の実施の形態1とほぼ同様である。
【0035】即ち、下蓋部23を貫通した可動軸8の下
端小径部に対し、複数枚重ねた伸側皿ばね集合体(付勢
手段)31とスペーサ32と、複数枚重ねた圧側皿ばね
集合体(付勢手段)33とを装着し、その内周縁部側を
ナット34で締結固定されている。そして、前記伸側皿
ばね集合体31の上面外周部は下蓋部23の下面に突出
形成された円環支持突条23cに圧接支持させ、圧側皿
ばね集合体33の下面外周部を下蓋部23の下端外周部
に螺合されたカバー35内に形成された円環支持突条3
5aに圧接支持させた状態で設けられている。
【0036】なお、図において、23d、35b、35
cは伸側皿ばね集合体31および圧側皿ばね集合体33
の軸方向移動を確保するための連通孔、36はシールリ
ングである。
【0037】従って、この発明の実施の形態2の車両用
ダンパでは、前記発明の実施の形態1とほぼ同様の効果
を得ることができる。
【0038】(発明の実施の形態3)この発明の実施の
形態3の車両用ダンパでは、図5に示す前記発明の実施
の形態2の車両用ダンパにおいて、伸側可変絞り弁11
および圧側可変絞り弁12を構成する部材が、連通路を
構成する中心穴21dが形成された円筒状本体部21を
構成する部材である鉄の線膨張係数よりも大きな線膨張
係数材料であるアルミニウムで構成されている点で、前
記発明の実施の形態2とは相違したものであり、その他
の基本構成および作用は前記発明の実施の形態2とほぼ
同様であるため、その図示および説明を省略し、相違点
についての作用・効果のみ説明する。
【0039】即ち、図6の(イ)は、円筒状本体部21
における中心穴21dと伸側可変絞り弁11との間に形
成される絞り環状隙間の隙間幅hを、常温時におけるシ
リコンオイルSの動粘度を基準として設計された基準隙
間幅h1とした状態を示す可変絞り部分の要部拡大図を
示すものであり、この状態から温度が上昇すると、円筒
状本体部21の線膨張による中心穴21dの断面積の増
加量よりも、該中心穴21dの断面積を絞り込む伸側可
変絞り弁11の線膨張による膨張断面積の増加量が大き
くなる結果、図6の(ロ)に示すように、隙間幅h2が
前記基準隙間幅h1より小となり、絞り環状隙間の断面
積が減少する方向に変化することになるhめ、温度が上
昇するにつれて減衰力が高められる方向に変化し、これ
により、温度上昇によるシリコンオイルSの動粘度の低
下による減衰力特性の低下分が相殺されることになる。
【0040】従って、この発明の実施の形態3の車両用
ダンパでは、温度変化による減衰力特性の変動を防止す
ることができるようになるという効果が得られる。
【0041】(発明の実施の形態4)この発明の実施の
形態4の車両用ダンパは、図5に示す前記発明の実施の
形態2の車両用ダンパとほぼ同様であるが、ピストン速
度に対する絞り部の流路断面積Aの絞り込み量を非線形
的に変化させるように構成されている点で、前記発明の
実施の形態2とは相違したものであり、その他の基本構
成および作用は前記発明の実施の形態2とほぼ同様であ
るため、相違点についての作用・効果のみ説明する。
【0042】即ち、この発明の実施の形態4の車両用ダ
ンパは、図7に示すように、下蓋部23を貫通した可動
軸8の下端小径部に対し、複数枚重ねた第1伸側板ばね
集合体(付勢手段)31aと、スペーサ32aと、複数
枚重ねた第2伸側板ばね集合体(付勢手段)31bと、
スペーサ32bと、複数枚重ねた第2圧側板ばね集合体
(付勢手段)33bと、スペーサ32cと、複数枚重ね
た第1圧側板ばね集合体(付勢手段)33aとを装着
し、その内周縁部側をナット34で締結固定した構造と
なっている。
【0043】そして、前記第1伸側板ばね集合体31a
の上面外周部は下蓋部23の下面に突出形成された円環
支持突条23cに圧接支持させ、第1圧側板ばね集合体
33aの下面外周部を下蓋部23の下端外周部に螺合さ
れたカバー35内に形成された円環支持突条35aに圧
接支持させた状態で設けられ、また、前記第2伸側板ば
ね集合体31b、および、第2圧側板ばね集合体33b
は、その外周部側がそれぞれフリーの状態となってい
る。
【0044】次に、本発明の実施の形態4の作用を説明
する。この発明の実施の形態4の車両用ダンパでは、上
述のように構成されるため、ダンパが伸縮作動すると、
ピストン速度に応じて絞り部分の上流側と下流側との間
において差圧ΔPが発生し、この差圧ΔPが、ダンパの
伸行程においては伸側可変絞り弁11の上面側に作用
し、ダンパの圧行程においては圧側可変絞り弁12の下
面側に作用して可動軸8を軸方向に移動させ、この移動
量に応じて絞り部の流路断面積Aを絞り込んで減少させ
るため、ピストン速度が大きくなるにつれてピストン速
度に対する減衰力Fが高くなる方向に特性が変化する。
【0045】そして、前記可動軸8の移動量は、まず、
前記第1伸側板ばね集合体31aまたは第1圧側板ばね
集合体33aの付勢力により規制される点は、図5に示
した前記発明の実施の形態2の車両用ダンパと同様であ
るが、前記第1伸側板ばね集合体31aまたは第1圧側
板ばね集合体33aが撓んで前記第2伸側板ばね集合体
31bまたは第2圧側板ばね集合体33bに当接した時
点からは、この第2伸側板ばね集合体31bまたは第2
圧側板ばね集合体33bの付勢力がプラスされた付勢力
により可動軸8の移動量が規制されるため、その時点を
編曲点としてそれ以後は、ピストン速度に対する減衰力
Fの立ち上がり度合いが低下する方向に特性が変化する
ことになる。
【0046】従って、この発明の実施の形態4の車両用
ダンパでは、前記発明の実施の形態2とほぼ同様の効果
を得ることができる他、ピストン速度に応じた絞り部の
絞り込み量を非線形的に変化させることができ、これに
より、高ピストン速度域における減衰力の立ち上げ度合
いを自由にチューニングすることができるようになると
いう効果が得られる。
【0047】また、前記スペーサ32a、32cの厚さ
や、各板ばね集合体31a、31b、33a、33bの
枚数、板圧、材料、径等を変更するだけで、減衰力の非
線形度合いを容易かつ自由にチューニングすることがで
きるようになる。
【0048】(発明の実施の形態5)この発明の実施の
形態5の車両用ダンパは、図8にその要部拡大断面図を
示すように、伸側リング状板ばね6と圧側リング状板ば
ね7との作用を、1組の板ばねで作用させるようにした
点で、前記発明の実施の形態2とは相違したものであ
り、その他の構成および作用は前記発明の実施の形態2
とほぼ同様である。
【0049】即ち、可動軸8の下端小径部に伸側付勢部
材と圧側付勢部材を兼ねた板ばね集合体(付勢手段)4
1を装着してその内周縁部側をナット42で締結固定す
ると共に、該板ばね集合体41の外周縁部側を、下蓋部
23の下面に突出形成された円環支持突条23cとカバ
ー35内に形成されて円環支持突条35aとの間に挟持
固定した状態で設けられている。
【0050】従って、この発明の実施の形態5の車両用
ダンパでは、前記発明の実施の形態1とほぼ同様の効果
を得ることができる他、付勢部材の部品点数の削減によ
りコストを低減することができると共に、軸方向寸法を
短縮することができるようになる。
【0051】(発明の実施の形態6)この発明の実施の
形態6の車両用ダンパでは、図5に示す前記発明の実施
の形態2の車両用ダンパの可変絞り機構Cが、絞り部の
流路断面積Aを小さくすることで絞り込むようにしたの
に対し、絞り部の流路長さ(絞り円管長さL)を長くす
ることで絞り込むようにした点で相違したものであり、
その他の基本構成および作用は前記発明の実施の形態2
とほぼ同様であるため、相違点についてのみ説明する。
【0052】即ち、この発明の実施の形態6の車両用ダ
ンパの可変絞り機構Cは、図9に示すように、円筒状本
体部21の内周に突出形成された突条部21aの中心穴
21dの軸方向長さ、および、伸側可変絞り弁11と圧
側可変絞り弁12の外周面軸方向長さが、前記発明の実
施の形態2のそれよりは長く形成されると共に、ダンパ
の作動停止状態において、伸側可変絞り弁11および圧
側可変絞り弁12の外周縁部が共に前記中心穴21dの
上下両各開口縁部に対し僅かにオーバラップした状態と
なっていて、中心穴21dの内周面と伸側可変絞り弁1
1および圧側可変絞り弁12の外周面との間で円管状の
絞り部が形成されている。
【0053】次に、本発明の実施の形態6の作用を説明
する。この発明の実施の形態6の車両用ダンパでは、上
述のように構成されるため、ダンパが伸縮作動すると、
ピストン速度に応じて絞り部分の上流側と下流側との間
において差圧ΔPが発生し、この差圧ΔPが、ダンパの
伸行程においては伸側可変絞り弁11の上面側に作用
し、ダンパの圧行程においては圧側可変絞り弁12の下
面側に作用して可動軸8を軸方向に移動させ、この移動
量に応じて突条部21aの中心穴21d内周面と伸側可
変絞り弁11または圧側可変絞り弁12の外周面とが互
いにオーバラップする長さが長くなるため、絞り部の流
路長さ(絞り円管長さL)が長くなる方向に変化するも
ので、これにより、前記式(5) で示したように、絞り円
管長さLが長くなるにつれて差圧ΔP(減衰力F)が高
くなる方向に変化する。
【0054】従って、ピストン速度が大きくなるにつれ
てピストン速度に対する減衰力Fの増加率が高くなる方
向に特性が変化し、これにより、前記発明の実施の形態
2と同様の作用・効果を得ることができる。
【0055】(発明の実施の形態7)この発明の実施の
形態7の車両用ダンパは、図10にその一部切欠正面図
を示すように、所謂倒立型のダンパに本願発明を適用し
た例を示すものである。
【0056】即ち、この発明の実施の形態4のダンパ
は、シリンダチューブ1側が車体側に装着されていて該
シリンダチューブ1の摺動を案内する外筒(車輪側連結
部材)15の下端底部にピストンロッド3の先端側(下
端部)を連結し、外筒15の下端外周に固定されたフィ
キシングブラケット16を介してピストンロッド3側を
車輪側に連結する構造となっている。
【0057】そして、この発明の実施の形態7では、前
記外筒15の上部外周にロアスプリングシート17が装
着固定されている。なお、図において、18はフリーピ
ストン、19はロッドガイド部材、20はロッドシール
部材である。
【0058】また、ピストン2部分の構成は、前記発明
の実施の形態2とほぼ同様であり、従って、前記発明の
実施の形態2とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0059】(発明の実施の形態8)この発明の実施の
形態8の車両用ダンパでは、図11〜14に示すよう
に、ロータリダンパに本願発明を適用した例を示すもの
である。
【0060】即ち、図11は本発明の実施の形態8のロ
ータリダンパを示す縦断面図(図12のXI- XI断面
図)、図12は図11のXII- XII線における縦断面図で
あり、両図において、51は車体側に固定される回転
軸、52はロアーアーム側の軸受け部に連結されるハウ
ジング(入力部)、53はベーン部材(摺動仕切り部
材)、Dは可変絞り機構である。
【0061】前記回転軸51は、その両端部に車体側に
連結固定するための雄ねじ部51a、51aが形成さ
れ、その中間部は、スプライン軸51bに形成されてい
る。そして、前記ベーン部材53は、その中央ボス部5
3aのスプライン穴53bを前記スプライン軸51bに
圧入装着することにより、回転軸51に対しベーン部材
53が回転方向に固定された状態で装着されている。
【0062】前記ハウジング52は、雄ねじ部51a、
51aおよびスプライン軸51bに形成されていない回
転軸51の左右両外周面に対し回動自在に装着される左
右両端面側壁52a、52aと、該左右両端面側壁52
a、52aをその外周縁部において互いに連結する円筒
部52bとで構成されている。そして、前記円筒部52
b内には左右一対の固定ベーン52c、52cが突出形
成され、その各先端面を前記ボス部53aの外周面にそ
れぞれ当接することにより、ハウジング52内に上下一
対の扇状流体室が区画形成されている。また、前記ベー
ン部材53のボス部53aには、前記各扇状流体室内を
2つの室a、bに隔成して回動自在な上下一対の回動ベ
ーン53c、53cが一体に突出形成されていて、該両
各回動ベーン53c、53cには、2つの室a、bを連
通する貫通穴(連通路)53dがそれぞれ形成されてい
る。そして、各2つの室a、b内には高粘性流体を構成
するシリコンオイルSが充填されている。また、左右両
端面側壁52a、52aの軸心穴には、回転軸51の外
周面との間を回動自在に液圧シールするシール部材5
4、54が設けられている。
【0063】前記可変絞り機構Dは、図13および図1
4にその要部詳細を拡大して示すように、前記各貫通穴
53d内にそれぞれ設けられるもので、貫通穴53d内
に装着固定される円筒状本体部55を備えている。
【0064】この円筒状本体部55の内周には、その内
径を絞り込む突条部55aが形成されている。この突条
部55aは、左右両側壁面55b、55cが中心穴55
d方向に向けて円錐穴状に傾斜した断面台形状に形成さ
れている。
【0065】円筒状本体部55の外周面には、貫通穴5
3dの内周面に圧入される中央突条部55eを残して小
径部55f、55gが形成され、該各小径部55f、5
5gと貫通穴53dとの間には一方端を中央突条部55
eに係止させた状態で、コイルスプリング(付勢手段)
56、57が収容されている。
【0066】そして、このコイルスプリング56、57
のもう一方端側は、環状スペーサ58、59を介して十
文字状のリテーナ(抵抗部)60、61に係止されてい
る。このリテーナ60、61は、その軸心部を貫通する
可動軸62の両端部にそれぞれ固定されることにより一
体化されている。なお、円筒状本体部55には、リテー
ナ60、61の軸方向移動を可能に案内する各4つのス
リット55h、55iが形成されおり、これにより、リ
テーナ60、61および可動軸62の軸方向移動が可能
な状態に設けられるもので、この可動軸62には、スペ
ーサ65を介して左右一対の可変絞り弁(可動部材)6
3、64が装着固定されている。
【0067】そして、前記両コイルスプリング56、5
7センタリングされた無負荷状態において、可変絞り弁
63、64の外周縁部と左右各側壁面55b、55cと
の間に形成される環状絞り穴の流路断面積Aが、発生さ
せるべき減衰力値に応じた所定面積となるように、両各
可変絞り弁63、64の外径と、それらの相互位置関係
等が予め設定されている。
【0068】次に、本発明の実施の形態8の作用を説明
する。 (イ)低回動速度域 この発明の実施の形態5のロータリダンパでは、上述の
ように構成されるため、図12においてハウジング52
が時計方向に回動(ハウジング52に対しベーン部材5
3が反時計方向に相対回動)するダンパの行程において
は、室aのシリコンオイルSが、貫通穴53dを経由し
て室b側に流通するが、貫通穴53d内が、突条部55
aの左側側壁面55bと可変絞り弁63の外周縁部との
間、および、突条部55aの右側側壁面55cと可変絞
り弁64の外周縁部との間で絞られているため、同絞り
部分を通過するシリコンオイルSの流通抵抗により、上
流側の室aと下流側の室bとの間に差圧ΔPが発生し、
これにより、次式に基づいて所定の減衰力Fを発生させ
る。 F=A・ΔP なお、Aは絞り部の流通断面積である。
【0069】また、以上とは逆に、図12においてハウ
ジング52が反時計方向に回動(ハウジング52に対し
ベーン部材53が時計方向に相対回動)するダンパの行
程においては、室bのシリコンオイルSが、貫通穴53
dを経由して室a側に流通するが、貫通穴53d内が、
突条部55aの右側側壁面55cと可変絞り弁64の外
周縁部との間、および、突条部55aの左側側壁面55
bと可変絞り弁63の外周縁部との間で絞られているた
め、同絞り部分を通過するシリコンオイルSの流通抵抗
により、下流側の室bと上流側の室aとの間に差圧ΔP
が発生し、これにより、前記式に基づいて所定の減衰力
Fを発生させる。
【0070】(ロ)高回動速度域 この発明の実施の形態8では、高粘度のシリコンオイル
Sを用いていることから、絞り部分の流通断面積が一定
の場合は、図26に示すように、流量Q(ピストン速
度)に対する差圧ΔP(減衰力F)特性が線形特性とな
り、かつ、高粘性流体における剪断速度に対する動粘度
特性変化による影響、即ち、図23に示すように、剪断
速度が早くなるにつれて見かけの粘度が低下することに
よる影響も加わることから、図2の点線で示すように、
高ピストン速度域において減衰力Fを大きく立ち上げる
ことができない。
【0071】ところが、この発明の実施の形態8の車両
用ダンパでは、ベーン部材53とハウジング52との相
対回動速度が早くなるにつれて、絞り部分の上流側の液
圧P1と下流側の液圧P2との差圧ΔPが増加し、この
差圧ΔPがダンパの一方の回動方向においては可変絞り
弁63の左側面に作用するため、コイルスプリング56
の付勢力に抗して可変絞り弁63を可動軸62と共に右
方向へ押圧摺動させ、これにより、絞り部の流路断面積
Aを絞り込んで減少させる方向に作用するもので、この
絞り込み量がロータリダンパの相対回動速度に応じて大
きくなるため、前記式に示すように、相対回動速度が大
きくなるにつれて発生減衰力Fが高くなる方向に特性が
変化する。
【0072】また、ダンパのもう一方の回動方向におい
ては、相対回動速度が早くなるにつれて差圧ΔPが可変
絞り弁64の右側面に作用するため、コイルスプリング
57の付勢力に抗して可変絞り弁64を可動軸62と共
に左方向へ押圧摺動させ、これにより、絞り部の流路断
面積Aを絞り込んで減少させる方向に作用するもので、
この絞り込み量が相対回動速度に応じて大きくなるた
め、前記式に示すように、相対回動速度が大きくなるに
つれて発生減衰力Fが高くなる方向に特性が変化する。
【0073】また、十文字状のスペーサ58、59がシ
リコンオイルSの移動通路である貫通穴53dの入口に
設けられていて、シリコンオイルSの移動による粘性抵
抗をスペーサ58、59に受けることで、可変絞り弁6
3、64を軸方向に移動させる力が作用するため、前述
のように差圧ΔPが発生する前の段階で絞り部分の流路
断面積Aを減少させる方向に変化させることができるた
め、この十文字状のスペーサ58、59の受圧面積を変
えることにより、相対回動速度に対する減衰力特性をチ
ューニングすることができる。
【0074】以上説明してきたように、この発明の実施
の形態8のロータリダンパでは、前記発明の実施の形態
1とほぼ同様の効果を得ることができる他、相対回動速
度に対する減衰力特性の設定自由度をさらに高めること
ができるようになるという効果が得られる。
【0075】また、コイルスプリング56、57の付勢
力が可変絞り弁63、64に設けられた十文字状のスペ
ーサ58、59に作用するもので、これにより、十文字
状のスペーサ58、59とコイルスプリング56、57
の受け部とを一体に形成することが可能で、部品点数が
削減される。
【0076】また、ベーン部材53とハウジング52と
の摺動部におけるシール性が特に問題となるロータリダ
ンパにおいては、高粘性流体であるシリコンオイルSを
用いることが特に有効に作用する。
【0077】(発明の実施の形態9)この発明の実施の
形態9のロータリダンパは、その基本構成は前記発明の
実施の形態8とほぼ同様で、前記可変絞り機構Dの変形
例を示すものであり、従って、前記発明の実施の形態8
と同様の構成部分は、図示を省略しまたは同一の符号を
付してその説明を省略する。
【0078】即ち、この可変絞り機構は、図15に要部
詳細断面図を示すように、可動軸62の軸方向中央部に
拡大部62aを一体に形成することにより、スペーサ
(65)を省略したものである。
【0079】(発明の実施の形態10)この発明の実施
の形態10のロータリダンパは、その基本構成は前記発
明の実施の形態8とほぼ同様で、前記可変絞り機構Dの
変形例を示すものであり、従って、前記発明の実施の形
態8と同様の構成部分は、図示を省略しまたは同一の符
号を付してその説明を省略する。
【0080】即ち、この可変絞り機構は、図16に要部
詳細を示すように、以下の点において相違している。
【0081】 2つの可変絞り弁63、64がそれぞ
れ別体に形成されると共に、各可変絞り弁63、64と
リテーナ60、61とがそれぞれ一体に形成された構成
とすることにより、ダンパの行程方向によってその特性
を大きく変化させることができるようになる。
【0082】 突条部55aにコンスタントオリフィ
ス55jが形成された構成とすることにより、可変絞り
弁ストロークに対する流路断面積特性を図17に示すよ
うな特性とすることができる。
【0083】 円筒部52b外周に円筒状ケーシング
66が装着され、この円筒状ケーシング66を貫通穴
(53d)に圧入装着させるようにしたものであり、こ
のように可変絞り機構Dをユニット化することにより、
組付け性を向上させることができるようになる。
【0084】(発明の実施の形態11)この発明の実施
の形態11のロータリダンパは、その基本構成は前記発
明の実施の形態8とほぼ同様で、前記可変絞り機構Dの
他の例を示すものであり、従って、その他の前記発明の
実施の形態8と同様の構成部分は同一の符号を付してそ
の説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【0085】この発明の実施の形態11のロータリダン
パの可変絞り機構Dは、前記発明の実施の形態4の車両
用ダンパにおける可変絞り機構Cと同様の原理に基づ
き、相対回動速度に対する絞り部の流路断面積Aの絞り
込み量を非線形的に変化させるようにした点で、前記発
明の実施の形態8とは相違したものである。
【0086】即ち、図18は本発明の実施の形態11の
ロータリダンパを示す縦断面図(図19のXIIX- XIIX断
面図)、図19は図18のXIX- XIX線における縦断面
図、図20は図18のXX−XX線における拡大縦断面図で
あり、この発明の実施の形態11のロータリダンパは、
図20に示すように、各回動ベーン53cにそれぞれ形
成された貫通穴(連通路)53dの両開口端部に、中央
部の環状突出部53eを挟んで、一方を底部材67a、
68aで閉塞した円筒状バルブボディ67、68の開口
端側がそれぞれ螺合され、前記両底部材67a、68a
の軸心部を貫通する状態で軸方向摺動自在に可動軸62
が設けられている。そして、該可動軸62の中間部に
は、伸・圧共通の可変絞り弁(可動部材)69が一体に
突出形成されていて、該可変絞り弁69と両円筒状バル
ブボディ67、68の各開口端部との間に円管状の絞り
部が形成されている。
【0087】また、前記可動軸62の一方の小径部に
は、第1伸側板ばね集合体(付勢手段)70a、スペー
サ71a、第2伸側板ばね(付勢手段)70bが順次装
着され、もう一方の小径部には、第1圧側板ばね集合体
(付勢手段)72a、スペーサ71b、第2圧側板ばね
(付勢手段)72bが順次装着され、ナット73a、7
3bによりその内周側がそれぞれ締結固定されると共
に、第1伸側板ばね集合体70a、および、第1圧側板
ばね集合体71aの外周側が、両各底部材67a、68
aの外面に突出形成された円環支持突条67b、68b
にそれぞれ所定圧力で当接支持された状態で設けられて
いる。また、前記第2伸側板ばね70b、および、第2
圧側板ばね72bは、その外周側がフリーの状態となっ
ている。
【0088】なお、両各円筒状バルブボディ内中空部と
両各室a、bとの間は、各底部材67a、68aの外周
端部側に形成された連通穴67c、68cによりそれぞ
れ連通された状態となっている。
【0089】次に、本発明の実施の形態11の作用を説
明する。この発明の実施の形態4のロータリダンパで
は、上述のように構成されるため、図19においてハウ
ジング52とベーン部材53とが相対回動すると、図2
0に示すように、該相対回動速度に応じて絞り部分の上
流側と下流側との間において差圧ΔPが発生し、この差
圧ΔPが、ダンパの伸行程においては可変絞り弁69の
一方の面に作用し、ダンパの圧行程においては可変絞り
弁69のもう一方の面に作用して可動軸62を軸方向に
移動させ、この移動量に応じて絞り部の流路断面積Aを
絞り込んで減少させるため、相対回動速度が大きくなる
につれて相対回動速度に対する減衰力Fが高くなる方向
に特性が変化する。
【0090】そして、前記可動軸62の移動量は、ま
ず、前記第1伸側板ばね集合体70aまたは第1圧側板
ばね集合体71aの付勢力により規制され、前記第1伸
側板ばね集合体70aまたは第1圧側板ばね集合体71
aが撓んで前記第2伸側板ばね70bたは第2圧側板ば
ね72bに当接した時点からは、この第2伸側板ばね7
0bまたは第2圧側板ばね72bの付勢力がプラスされ
た付勢力により可動軸62の移動量が規制されるため、
その時点を編曲点としてそれ以後は、相対回動速度に対
する減衰力Fの立ち上がり度合いが低下する方向に特性
が変化することになる。
【0091】従って、この発明の実施の形態11のロー
タリダンパでは、前記発明の実施の形態10とほぼ同様
の効果を得ることができる他、相対回動速度に応じた絞
り部の絞り込み量を非線形的に変化させることができ、
これにより、高相対回動速度域における減衰力の立ち上
げ度合いを自由にチューニングすることができるように
なるという効果が得られる。
【0092】また、前記スペーサ71a、71b、の厚
さや、各板ばね70a、70b、72a、72bの枚
数、板圧、材料、径等を変更するだけで、減衰力Fの非
線形度合いを容易かつ自由にチューニングすることがで
きるようになる。
【0093】(発明の実施の形態12)この発明の実施
の形態12のロータリダンパは、その基本構成は前記発
明の実施の形態11とほぼ同様で、前記可変絞り機構D
の他の例を示すものであり、従って、その他の前記発明
の実施の形態11と同様の構成部分は同一の符号を付し
てその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【0094】この発明の実施の形態12のロータリダン
パの可変絞り機構Dは、前記発明の実施の形態6の車両
用ダンパにおける可変絞り機構Cと同様の原理に基づ
き、絞り部の流路長さ(絞り円管長さL)を長くするこ
とで絞り込むようにした点で、前記発明の実施の形態1
1とは相違したものである。
【0095】即ち、この発明の実施の形態12のロータ
リダンパの可変絞り機構Dは、図21に示すように、可
変絞り弁69の外周面軸方向長さが、前記発明の実施の
形態11のそれよりは長く形成されると共に、ダンパの
作動停止状態において、可変絞り弁69の外周両端縁部
が両各円筒状バルブボディ67、68の開口端内周縁部
に対し僅かにオーバラップした状態となっていて、可変
絞り弁69の外周両端縁部と両各円筒状バルブボディ6
7、68の開口端内周縁部との間で円管状の絞り部が形
成されている。
【0096】次に、本発明の実施の形態12の作用を説
明する。この発明の実施の形態12のロータリダンパで
は、上述のように構成されるため、図21においてハウ
ジング52とベーン部材53とが相対回動すると、相対
回動速度に応じて絞り部分の上流側と下流側との間にお
いて差圧ΔPが発生し、この差圧ΔPが、ダンパの一方
の行程においては可変絞り弁69の一方の面に作用し、
ダンパのもう一方の行程においては可変絞り弁69のも
う一方の面に作用して可動軸62を軸方向に移動させ、
この移動量に応じて可変絞り弁69の外周面と両各円筒
状バルブボディ67、68の開口端内周面とが互いにオ
ーバラップする長さが長くなるため、絞り部の流路長さ
(絞り円管長さL)が長くなる方向に変化するもので、
これにより、前記式(5) で示したように、絞り円管長さ
Lが長くなるにつれて差圧ΔP(減衰力F)が高くなる
方向に変化する。
【0097】従って、相対回動速度が大きくなるにつれ
て相対回動速度に対する減衰力Fの増加率が高くなる方
向に特性が変化し、これにより、前記発明の実施の形態
11と同様の作用・効果を得ることができる。
【0098】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述してきたが、具体的な構成はこの発明の実施の形態に
限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
における設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、本発明請求項1記
載の車両用ダンパでは、流体室内における摺動仕切り部
材の摺動速度が大きくなるにつれて2つの室間を連通す
る全ての連通路の流通断面積の総計を小さくする方向に
絞り込む可変絞り機構と、を備えている手段としたこと
で、高速作動域において減衰力の立ち上げ度を自由に高
めることができるため、路面からの突発的過大入力に対
し急激に減衰力を立ち上げることにより車体への過大入
力を軽減することができると共に、可変絞り機構におけ
る流速に対する絞り特性を変えることにより、ダンパ作
動速度に対する発生減衰力特性を自由にチューニングす
ることができるようになり、従って、作動油として高粘
度流体を用いることにより、流量の小さな小型のダンパ
においても安定した減衰力を発生させることができ、か
つ、高圧化が可能であると共に、その発生する減衰力特
性のチューニングの自由度を高めることができるように
なるという効果が得られる。請求項2記載の車両用ダン
パでは、高粘性流体が充填された流体室と、該流体室内
において該流体室内を2つの室に摺動自在にかつ液密的
に隔成する摺動仕切り部材と、該摺動仕切り部材で隔成
された2つの室間を連通する少なくとも1つの連通路
と、前記摺動仕切り部材に一体的に設けられていて外力
が作用すると前記流体室内において摺動仕切り部材を摺
動させる入力部と、前記流体室内における摺動仕切り部
材の摺動速度が大きくなるにつれて前記2つの室間を連
通する連通路の流路長さを長くする方向に絞り込む可変
絞り機構と、を備えている手段としたことで、前記請求
項1記載の車両用ダンパと同様の効果が得られる。請求
項3記載の車両用ダンパでは、請求項1または2に記載
の車両用ダンパにおいて、前記可変絞り機構が、前記摺
動仕切り部材の両方向の摺動に対してそれぞれ設けられ
ている手段としたことで、摺動仕切り部材の摺動方向に
よって異なった減衰力特性を発生させることができるよ
うになる。請求項4記載の車両用ダンパでは、請求項3
記載の車両用ダンパにおいて、前記両可変絞り機構は互
いに同軸上に対向して配置されている手段としたこと
で、機構がコンパクト化されると共に、両機構の一体化
により部品点数を削減することができるようになる。請
求項5記載の車両用ダンパでは、請求項1〜4のいずれ
かに記載の車両用ダンパにおいて、前記可変絞り機構
が、前記2つの室間の差圧に応じて移動する可動部材で
構成され、該可動部材の移動に応じて前記連通路が絞り
込まれるように構成されている手段としたことで、摺動
仕切り部材の作動速度が大きくなるにつれて差圧も大き
くなるため、電気的アクチュエータ等を用いることなし
に連通路の絞り込み量を大きくする方向に変化させるこ
とができると共に、前記可動部材または可動部材対応部
の形状を変えることにより、特性を自由に設定すること
ができるようになる。請求項6記載の車両用ダンパで
は、請求項1〜4のいずれかに記載の車両用ダンパにお
いて、前記可変絞り機構が、前記連通路を流通する高粘
性流体の流速に応じて大きくなる粘性抵抗によって移動
する可動部材で構成され、該可動部材の移動に応じて連
通路が絞り込まれるように構成されている手段としたこ
とで、摺動仕切り部材の作動速度が大きくなるにつれて
流速も大きくなるため、電気的アクチュエータ等を用い
ることなしに連通路の絞り込み量を大きくする方向に変
化させることができると共に、前記可動部材または可動
部材対応部の形状を変えることにより、特性を自由に設
定することができるようになる。また、粘性抵抗で可動
部材を移動させるため、差圧が発生する前に流路断面積
を変化させることができ、これにより、特性の設定自由
度をさらに高めることができるようになる。請求項7記
載の車両用ダンパでは、請求項5または6に記載の車両
用ダンパにおいて、前記可変絞り機構を構成する可動部
材が、該可動部材の移動に応じて絞り込み量が可変され
る連通路部分を構成する部材の線膨張係数より大きな線
膨張係数材料で構成されている手段としたため、温度が
上昇すると、連通路部分を構成する部材の線膨張による
連通路断面積の増加量より、該連通路を絞り込む可動部
材の線膨張による膨張断面積の増加量が大きくなる結
果、絞り環状隙間の断面積が減少する方向に変化して減
衰力が高まる方向に変化することになり、これにより、
温度上昇による高粘性流体の動粘度の低下による減衰力
特性の低下分が相殺され、従って、温度変化による減衰
力特性変動を防止することができるようになるという効
果が得られる。請求項8記載の車両用ダンパでは、請求
項5〜7のいずれかに記載の車両用ダンパにおいて、前
記可変絞り機構を構成する可動部材を、前記連通路の流
通断面積が大きくなる方向に付勢する付勢手段が設けら
れ、該付勢手段が前記連通路以外の部分に配置されてい
る手段としたことで、可動部材の初期位置決めがなされ
ると共に、付勢部材の付勢力設定により、可動部材の作
動ポイントを自由に設定することができるようになり、
また、該付勢手段が前記連通路以外の部分に配置されて
いることから、高粘性流体の流通による粘性抵抗を受け
ることがなく、これにより、低減衰力仕様へのチューニ
ングが可能となる。請求項9記載の車両用ダンパでは、
請求項8記載の車両用ダンパにおいて、前記付勢手段が
板ばねで構成されている手段としたことで、軸方向寸法
が小さくなると共に、微小ストロークで高いばね定数が
得られるため、安定した減衰力が得られるようになる。
また、板ばねは、ばね定数を決定する板厚の管理が容易
であるため、設定精度を高めることができるようにな
る。請求項10記載の車両用ダンパでは、請求項8また
は9に記載の車両用ダンパにおいて、前記可動部材に粘
性抵抗により該可動部材を移動させる抵抗部が設けら
れ、前記付勢手段の付勢力が前記抵抗部に作用するよう
に構成されている手段としたことで、抵抗部と付勢手段
の受け部とを一体に形成することが可能で、部品点数を
削減することができるようになる。請求項11記載の車
両用ダンパでは、請求項1〜10のいずれかに記載の車
両用ダンパにおいて、前記可変絞り機構が、前記流体室
内における摺動仕切り部材の摺動速度に応じた連通路の
絞り込み量を非線形的に変化させるように構成されてい
る手段としたことで、例えば、高速作動域における減衰
力の立ち上げ度合いを自由にチューニングすることがで
きるようになる。請求項12記載の車両用ダンパでは、
請求項11に記載の車両用ダンパにおいて、可動部材の
移動に対し前記付勢手段が非線形的に撓むことにより、
前記流体室内における摺動仕切り部材の摺動速度に応じ
た連通路の絞り込み量を非線形的に変化させるように構
成されている手段としたことで、付勢手段を変えるだけ
で非線形特性が得られるため、安価に実現できるように
なる。請求項13記載の車両用ダンパでは、請求項12
に記載の車両用ダンパにおいて、前記付勢手段が、可動
部材の作動方向にそれぞれ所定のクリアランスをもって
複数配置された板ばねで構成され、該複数の板ばねが順
次撓むことにより前記流体室内における摺動仕切り部材
の摺動速度に応じた連通路の絞り込み量を非線形的に変
化させるように構成されている手段としたことで、前記
クリアランスや各板ばねの板圧、材料、径等を変更する
だけで、減衰力の非線形度合いを容易かつ自由にチュー
ニングすることができるようになる。請求項14記載の
車両用ダンパでは、請求項1〜13のいずれかに記載の
車両用ダンパにおいて、前記摺動仕切り部材が流体室内
において回動するベーンで構成されたロータリ式のダン
パである手段としたことで、ベーン摺動部におけるシー
ル性が特に問題となるロータリ式のダンパにおいて、高
粘性流体を用いることが特に有効に作用する。請求項1
5記載の車両用ダンパでは、請求項1〜14のいずれか
に記載の車両用ダンパにおいて、前記高粘性流体がシリ
コンオイルで構成されている手段としたことで、該シリ
コンオイルは温度変化に対する粘度変化が極めて少ない
ため、減衰力特性の温度変化を最小限に抑えることがで
きるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の車両用ダンパを示す要
部拡大断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1の車両用ダンパにおける
流量変化に対する差圧特性図である。
【図3】各種オイルの温度変化に対する粘度特性を示す
図である。
【図4】各種オイルの温度変化に対する粘度特性図であ
る。
【図5】本発明の実施の形態2の車両用ダンパを示す要
部拡大断面図である。
【図6】本発明の実施の形態3の車両用ダンパを示す要
部拡大断面図である。
【図7】本発明の実施の形態4の車両用ダンパを示す要
部拡大断面図である。
【図8】本発明の実施の形態5の車両用ダンパを示す要
部拡大断面図である。
【図9】本発明の実施の形態6の車両用ダンパを示す要
部拡大断面図である。
【図10】本発明の実施の形態7の車両用ダンパを示す
一部切欠正面図である。
【図11】本発明の実施の形態8のロータリダンパを示
す縦断面図(図12のXI−XI線における縦断面図)であ
る。
【図12】図11のXII −XII 線における縦断面図であ
る。
【図13】図11のXIII−XIII線における縦断面図であ
【図14】図13のE矢視図である
【図15】本発明の実施の形態9のロータリダンパを示
す要部拡大断面図である。
【図16】本発明の実施の形態10のロータリダンパの
要部拡大断面図である。
【図17】本発明の実施の形態10のロータリダンパに
おける可変絞り弁のストロークに対する流路断面積可変
特性図である。
【図18】本発明の実施の形態11のロータリダンパを
示す縦断面図(図19のXIIX−XIIX線における縦断面
図)である。
【図19】図18のXIX −XIX 線における縦断面図であ
る。
【図20】図18のXX−XX線における拡大縦断面図であ
【図21】本発明の実施の形態12のロータリダンパに
おける可変絞り機構部分を示す拡大縦断面図である。
【図22】高粘度作動油が管内を流れる時の速度分布図
である。
【図23】高粘度作動油の剪断速度に対する動粘度特性
図である。
【図24】高粘度作動油が管内を流れる時の見かけ上の
速度分布図である。
【図25】レイノルズ数に対する流量係数特性図であ
る。
【図26】流量変化に対する差圧特性図である。
【図27】流量変化に対する差圧特性図である。
【図28】高粘度作動油円管部を通過する際の圧力降下
状態を説明するための断面図である。
【図29】高粘度作動油が環状隙間部分を通過する際の
圧力降下状態を説明するための断面図である。
【符号の説明】
イ 上部室 ロ 下部室 S シリコンオイル(高粘性流体) C 可変絞り機構 2 ピストン(摺動仕切り部材) 3 ピストンロッド(入力部) 11 伸側可変絞り(可動部材) 12 圧側可変絞り(可動部材) 22a 連通穴(連通路) 23a 連通穴(連通路) 31 伸側板ばね集合体(付勢手段) 33 圧側板ばね集合体(付勢手段) 31a 第1伸側板ばね集合体(付勢手段) 31b 第2伸側板ばね集合体(付勢手段) 33a 第1圧側板ばね集合体(付勢手段) 33b 第2圧側板ばね集合体(付勢手段) 41 板ばね集合対(付勢手段) D 可変絞り機構 a 室 b 室 52 ハウジング(入力部) 53 ベーン部材(摺動仕切り部材) 56 コイルスプリング(付勢手段) 57 コイルスプリング(付勢手段) 60 リテーナ(抵抗体) 61 リテーナ(抵抗体) 63 可変絞り弁(可動部材) 64 可変絞り弁(可動部材) 53d 貫通穴(連通路) 69 可変絞り弁(可動部材) 70a 第1伸側板ばね集合体(付勢手段) 70b 第2伸側板ばね(付勢手段) 72a 第1圧側板ばね集合体(付勢手段) 72b 第2圧側板ばね(付勢手段)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高粘性流体が充填された流体室と、 該流体室内において該流体室内を2つの室に摺動自在に
    かつ液密的に隔成する摺動仕切り部材と、 該摺動仕切り部材で隔成された2つの室間を連通する少
    なくとも1つの連通路と、 前記摺動仕切り部材に一体的に設けられていて外力が作
    用すると前記流体室内において摺動仕切り部材を摺動さ
    せる入力部と、 前記流体室内における摺動仕切り部材の摺動速度が大き
    くなるにつれて前記2つの室間を連通する全ての連通路
    の流路断面積の総計を小さくする方向に絞り込む可変絞
    り機構と、を備えていることを特徴とする車両用ダン
    パ。
  2. 【請求項2】高粘性流体が充填された流体室と、 該流体室内において該流体室内を2つの室に摺動自在に
    かつ液密的に隔成する摺動仕切り部材と、 該摺動仕切り部材で隔成された2つの室間を連通する少
    なくとも1つの連通路と、 前記摺動仕切り部材に一体的に設けられていて外力が作
    用すると前記流体室内において摺動仕切り部材を摺動さ
    せる入力部と、 前記流体室内における摺動仕切り部材の摺動速度が大き
    くなるにつれて前記2つの室間を連通する連通路の流路
    長さを長くする方向に絞り込む可変絞り機構と、を備え
    ていることを特徴とする車両用ダンパ。
  3. 【請求項3】前記可変絞り機構が、前記摺動仕切り部材
    の両方向の摺動に対してそれぞれ設けられていることを
    特徴とする請求項1または2に記載の車両用ダンパ。
  4. 【請求項4】前記両可変絞り機構は互いに同軸上に対向
    して配置されていることを特徴とする請求項3記載の車
    両用ダンパ。
  5. 【請求項5】前記可変絞り機構が、前記2つの室間の差
    圧に応じて移動する可動部材で構成され、 該可動部材の移動に応じて前記連通路が絞り込まれるよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の車両用ダンパ。
  6. 【請求項6】前記可変絞り機構が、前記連通路を流通す
    る高粘性流体の流速に応じて大きくなる粘性抵抗によっ
    て移動する可動部材で構成され、 該可動部材の移動に応じて前記連通路が絞り込まれるよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の車両用ダンパ。
  7. 【請求項7】前記可変絞り機構を構成する可動部材が、
    該可動部材の移動に応じて絞り込み量が可変される連通
    路部分を構成する部材の線膨張係数より大きな線膨張係
    数材料で構成されていることを特徴とする請求項5また
    は6に記載の車両用ダンパ。
  8. 【請求項8】前記可変絞り機構を構成する可動部材を、
    前記連通路の絞り込み量が小さくなる方向に付勢する付
    勢手段が設けられ、該付勢手段が前記連通路以外の部分
    に配置されていることを特徴とする請求項5〜7のいず
    れかに記載の車両用ダンパ。
  9. 【請求項9】前記付勢手段が板ばねで構成されているこ
    とを特徴とする請求項8記載の車両用ダンパ。
  10. 【請求項10】前記可動部材に粘性抵抗により該可動部
    材を移動させる抵抗部が設けられ、前記付勢手段の付勢
    力が前記抵抗部に作用するように構成されていることを
    特徴とする請求項8または9に記載の車両用ダンパ。
  11. 【請求項11】前記可変絞り機構が、前記流体室内にお
    ける摺動仕切り部材の摺動速度に応じた連通路の絞り込
    み量を非線形的に変化させるように構成されていること
    を特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の車両用
    ダンパ。
  12. 【請求項12】可動部材の移動に対し前記付勢手段が非
    線形的に撓むことにより、前記流体室内における摺動仕
    切り部材の摺動速度に応じた連通路の絞り込み量を非線
    形的に変化させるように構成されていることを特徴とす
    る請求項11記載の車両用ダンパ。
  13. 【請求項13】前記付勢手段が、可動部材の作動方向に
    それぞれ所定のクリアランスをもって複数配置された板
    ばねで構成され、該複数の板ばねが順次撓むことにより
    前記流体室内における摺動仕切り部材の摺動速度に応じ
    た連通路の絞り込み量を非線形的に変化させるように構
    成されていることを特徴とする請求項12に記載の車両
    用ダンパ。
  14. 【請求項14】前記摺動仕切り部材が流体室内において
    回動するベーンで構成されたロータリ式のダンパである
    ことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の車
    両用ダンパ。
  15. 【請求項15】前記高粘性流体がシリコンオイルで構成
    されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか
    に記載の車両用ダンパ。
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