JP2000007715A - 可視光硬化性樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

可視光硬化性樹脂組成物及びその用途

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JP2000007715A
JP2000007715A JP10174861A JP17486198A JP2000007715A JP 2000007715 A JP2000007715 A JP 2000007715A JP 10174861 A JP10174861 A JP 10174861A JP 17486198 A JP17486198 A JP 17486198A JP 2000007715 A JP2000007715 A JP 2000007715A
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Genji Imai
玄児 今井
Hideo Kogure
英雄 木暮
Akira Ogiso
章 小木曽
Tsutayoshi Misawa
伝美 三沢
Taizo Nishimoto
泰三 西本
Takashi Tsukahara
宇 塚原
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
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Kansai Paint Co Ltd
Mitsui Chemicals Inc
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Kansai Paint Co Ltd
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素による硬化阻害がなく硬化性に優れた可
視光硬化性樹脂組成物及びその用途を提供する。 【解決手段】 下記成分 (A)光硬化性樹脂、(B)光反応開始剤、(C)亜燐
酸エステル化合物および芳香環を形成する炭素原子に結
合したN,N−ジメチルアミノ基を有する芳香族化合物
から選ばれる少なくとも1種のラジカル保護化合物及び
(D)下記一般式(1)で表される有機ホウ素化合物を
少なくとも1種含む光増感剤を含有することを特徴とす
る可視光硬化性樹脂組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素による硬化阻
害が改良され、可視光線領域の光線に対し高い感度を示
す硬化性に優れた可視光硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光重合反応を用いた情報、あるい
は画像記録の分野で、従来のフィルム原稿等を用いた紫
外線による記録方法に代わり、コンピューターによって
電子編集された原稿を、そのまま、高出力レーザーを用
いて直接出力し、記録する方法が検討されている。この
方法は、レーザーによる直接書き込みにより、記録、画
像形成工程が、大幅に簡略化できるという利点を持つ。
【0003】現在、一般的に使用されている高出力で安
定なレーザー光源は、可視領域にその出力波長を有する
ものが多い。具体的には、波長488nmおよび51
4.5nmに安定な発振線を持つアルゴンレーザー、あ
るいは第二高調波として532nmに輝線を持つYAG
レーザー等が汎用されている。そのため、それらの波長
に対して高感度な化合物が望まれているが、従来使用さ
れてきた紫外線用の感光剤では、可視領域での感度が低
いため使用できなかった。また、ピリリウム塩、または
チオピリリウム塩類等の添加で、可視部での感度の向上
は可能ではあるが、その感光層の保存安定性が低く、使
用するのが困難であった。
【0004】可視領域に感光性を有する化合物として、
例えば、7−ジエチルアミノ−3−ベンゾチアゾイルク
マリン(慣用名:クマリン−6)、あるいは、ビス〔3
−(7−ジエチルアミノクマリル)〕ケトン(慣用名:
ケトクマリン)が知られているが、これらは、最大吸収
波長が450nm前後にあるために、アルゴンレーザー
の488nmよりは短波長であり、感度が不十分であ
る。また、特開平4−18088に記載の4−置換−3
−ベンゾチアゾイルクマリン化合物は、アルゴンレーザ
ーの488nmには高感光性を示すものの、514.5
nmあるいはYAGレーザーの第二高調波である532
nmには吸収をほとんど持たず、感度向上の余地を残し
ていた。
【0005】また、従来、プリント配線基板などの導体
回路を形成するため、感光性レジストを塗布した基板
に、露光/現像によりレジストパターンを形成した後、
エッチングにより不要部分を除去することが行われてい
る。
【0006】露光方法としては、フォトマスクを介して
露光する方法、レーザーによりレジストを直接描画する
方法がある。フォトマスクを介して露光する方法は、フ
ォトマスクの位置決めにかなりの時間を要し、またレジ
スト表面に粘着性があるとフォトマスクの位置決めが困
難であるなどの問題点がある。
【0007】レーザーによりレジストを直接描画する方
法は、露光時間が非常に短時間であるので、そのレジス
トは高感度であることが要求される。このため、レーザ
ー照射により発生した活性ラジカルが空気中の酸素によ
って失活しないようにレジスト表面をカバーコート又は
カバーフィルムなどの酸素遮断層で覆って酸素を遮断し
て高感度を維持することが一般に行われているが煩わし
いといった問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高出力で安
定なレーザー光源であるアルゴンレーザーの514.5
nmの発振線、あるいは、YAGレーザーの第二高調波
である532nm等の可視光領域の長波長のレーザー光
に対して高感度で、保存安定性に優れる光増感剤を含有
する可視光硬化性樹脂組成物を提供するものである。
【0009】また、本発明者らは、フォトマスクを使用
する必要のない、可視光レーザーによりレジストを直接
描画する方法において、レーザー照射によりレジストに
発生した活性ラジカルが空気中の酸素によって失活し難
く、高感度を維持することのできるレジストを提供する
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するための鋭意検討した結果、特定のラジカル保
護化合物及び光増感剤を使用することにより本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明は、 1、 下記成分 (A)光重合性樹脂、(B)光反応開始剤、(C)亜燐
酸エステル化合物および芳香環を形成する炭素原子に結
合したN,N−ジメチルアミノ基を有する芳香族化合物
から選ばれる少なくとも1種のラジカル保護化合物及び
(D)下記一般式(1)で表される有機ホウ素化合物を
少なくとも1種含む光増感剤を含有することを特徴とす
る可視光硬化性樹脂組成物、
【0011】
【化2】 〔式中、R1,R2,R3,R5,R6,R7,R8,R9はそ
れぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シ
アノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ス
ルホン酸基、アルキル基、ハロゲノアルキル基、アルコ
キシ基、アルコキシアルコキシ基、アリールオキシ基、
アシル基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル
基、アルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカ
ルボニル基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカ
ルボニルアミノ基、アリールアミノカルボニル基、アリ
ールオキシカルボニル基、アラルキル基、アリール基、
ヘテロアリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
アルケニルオキシカルボニル基、アラルキルオキシカル
ボニル基、アルコキシカルボニルアルコキシカルボニル
基、アルキルカルボニルアルコキシカルボニル基、モノ
(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基、ジ(ヒド
ロキシアルキル)アミノカルボニル基、モノ(アルコキ
シアルキル)アミノカルボニル基、ジ(アルコキシアル
キル)アミノカルボニル基又はアルケニル基を表し、R
4は水素原子、シアノ基、アルキル基、アラルキル基、
アリール基、ヘテロアリール基又はアルケニル基を表
し、R10,R11はハロゲン原子、アルキル基、アラルキ
ル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基又
はアルコキシアルコキシ基を表す。〕
【0012】2、上記の可視光硬化性樹脂組成物と溶剤
とを含有してなる可視光硬化材料用組成物、 3、上記の可視光硬化性樹脂組成物を基材上に含有して
なる可視光硬化材料に関するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の可視光硬化性樹脂組成物
は、前記一般式(1)の有機ホウ素化合物を少なくとも
1種含む光増感剤を含有するものである。
【0014】本発明の一般式(1)で表される有機ホウ
素化合物を使用した光増感剤は極めて有用であることを
見出した。本発明に用いる一般式(1)で表される有機
ホウ素化合物はアルゴンレーザー光やYAGレーザー高
波長光の波長に極めて大きな吸収を有しており、かつ、
それらの光に非常に高感度であり、樹脂及び光反応開始
剤を用いる可視光硬化性樹脂組成物に適用可能な、光増
感剤として有用な材料である。
【0015】なお、本発明で言う「可視光硬化性材料用
組成物」とは、例えば、塗料、インキ、接着剤、刷版
材、レジスト材及びこれらのものから形成される未感光
被膜材等を意味するものである。
【0016】本発明の可視光硬化性樹脂組成物は、光硬
化性樹脂(A)、光反応開始剤(B)(例えば光ラジカ
ル重合開始剤等)、(C)亜燐酸エステル化合物および
芳香環を形成する炭素原子に結合したN,N−ジメチル
アミノ基を有する芳香族化合物から選ばれる少なくとも
1種のラジカル保護化合物及び(D)一般式(1)で表
される有機ホウ素化合物の少なくとも1種を有する光増
感剤を含有した組成物である。
【0017】本発明で使用する光硬化性樹脂(A)は、
一般的に使用されている光照射により架橋しうる感光性
基を有する光硬化性樹脂であれば特に限定されるもので
はない。該樹脂としては、例えば、少なくとも1個のエ
チレン性不飽和二重結合を有する化合物で、モノマー、
プレポリマー、2量体、3量体等のオリゴマー、それら
の混合物、ならびにそれらの共重合体が挙げられる。ま
た、これ以外に、例えば、ウレタン系樹脂、エポキシ系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アル
キド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、シ
リコーン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ノボラック系樹脂
及びこれらの二種以上の変性樹脂に光重合性不飽和基が
結合したものが挙げられる。光重合性不飽和基として
は、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル
基、スチリル基、アリル基、シンナモイル基、シンナミ
リデン基、アジド基等が挙げられる。
【0018】上記した光硬化性樹脂(A)において、単
官能及び多官能(メタ)アクリレートが一般的であり、
例えば特開平3−223759号公報の第2頁右下欄第
6行〜第6頁左下欄第16行に記載の感光性基として
(メタ)アクリロイル基を含むアニオン性光硬化性樹
脂、感光性基としてシンナモイル基を含む光硬化性樹
脂、感光性基としてアリル基を含む光硬化性樹脂などが
挙げられる。光硬化性樹脂(A)は下記光ラジカル重合
開始剤と組み合わせて使用することが好ましい。これら
の光硬化性樹脂(A)は、単独で使用してもよく、混合
してもよい。該公報において、光硬化性樹脂成分(a
2)のエチレン性不飽和化合物に記載の脂肪族ポリヒド
ロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル化物の具
体例として、分子量300〜1000のポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート等も使用することがで
きる。
【0019】更に、必要に応じて、従来から公知のアク
リル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、アルキ
ド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ゴム、ウレタ
ン樹脂等の不飽和基を含有しない樹脂を配合することが
できる。
【0020】本発明で用いられる光反応開始剤(B)と
しては、光ラジカル重合開始剤を使用することができ
る。
【0021】光ラジカル重合開始剤としては、一般に使
用されている光ラジカル重合開始剤であれば特に制限さ
れないが、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジ
ル、キサントン、チオキサントン、アントラキノンなど
の芳香族カルボニル化合物;アセトフェノン、プロピオ
フェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α,
α’−ジクロル−4−フェノキシアセトフェノン、1−
ヒドロキシ−1−シクロヘキシルアセトフェノン、ジア
セチルアセトフェノンなどのアセトフェノン類;ベンゾ
イルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、3,
3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボ
ニル)ベンゾフェノンなどの有機過酸化物;ジフェニル
ヨードブロマイド、ジフェニルヨードニウムクロライド
などのジフェニルハロニウム塩;四臭化炭素、クロロホ
ルム、ヨードホルムなどの有機ハロゲン化物;3−フェ
ニル−5−イソオキサゾロン、2,4,6−トリス(ト
リクロロメチル)−1,3,5−トリアジンベンズアン
トロンなどの複素環式及び多環式化合物;2,2’−ア
ゾ(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾ
ビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロ
ヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス
(2−メチルブチロニトリル)などのアゾ化合物;鉄−
アレン錯体(ヨーロッパ特許152377号公報参
照);チタノセン化合物(特開昭63−221110号
公報参照)ビスイミダゾール系化合物;N−アリールグ
リシジル系化合物;アクリジン系化合物;芳香族ケトン
/芳香族アミンの組み合わせ;ペルオキシケタール(特
開平6−321895号公報参照)等が挙げられる。上
記した光ラジカル重合開始剤の中でも、ジ−t−ブチル
ジパーオキシイソフタレート、3,3’,4,4’−テ
トラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノ
ン、鉄−アレン錯体及びチタノセン化合物は架橋もしく
は重合に対して活性が高いのでこのものを使用すること
が好ましい。
【0022】光反応開始剤の配合割合は、臨界的なもの
ではなく、その種類に応じて広い範囲で変えることがで
きるが、一般には光硬化性樹脂100重量部(固形分)
に対して0.1〜25重量部、好ましくは0.2〜10
重量部である。25重量部を超えて多量に用いると、得
られる組成物の安定性が低下する傾向がみられる。
【0023】本発明で使用されるラジカル保護化合物
(C)は、可視光硬化性樹脂組成物から形成されるレジ
スト膜を可視光レーザー照射によって硬化させる際に発
生するラジカルが、酸素によって失活するのを阻止する
働きをし、それによって酸素存在下でもレジストに良好
な感度を付与できるものであって、本発明においては、
亜燐酸エステル化合物および芳香環を形成する炭素原子
に結合したN,N−ジメチルアミノ基を有する芳香族化
合物から選ばれる少なくとも1種の化合物が用いられ
る。
【0024】可視光硬化性樹脂組成物は、酸素が存在す
ると、光照射により発生したラジカルが酸素と反応して
パーオキシラジカルとなり、通常はパーオキシラジカル
同士が反応して酸素分子となって失活してしまうが、本
発明に従い上記ラジカル保護化合物(C)を存在させる
場合には、上記パーオキシラジカルの多くが、ラジカル
保護化合物(C)と反応して別のラジカルを生成し、こ
の別のラジカルがレジスト膜の硬化反応に寄与するもの
と考えられ、その結果、本発明の可視光硬化性樹脂組成
物は、酸素を遮断しなくても高感度を維持することがで
きる。
【0025】上記亜燐酸エステル化合物の代表例として
は、ジメチル亜燐酸、ジエチル亜燐酸、ジプロピル亜燐
酸、ジブチル亜燐酸、ビス(2−エチルヘキシル)亜燐
酸、ジフェニル亜燐酸、ジベンジル亜燐酸などの亜燐酸
のジアルキル、ジアリール又はジアラルキルエステル;
トリメチル亜燐酸、トリエチル亜燐酸、トリイソプロピ
ル亜燐酸、トリブチル亜燐酸、トリラウリル亜燐酸、ト
リフェニル亜燐酸、トリイソデシル亜燐酸、トリス(ト
リデシル)亜燐酸などの亜燐酸のトリアルキル又はトリ
アリールエステル;ベンジルジエチル亜燐酸のような亜
燐酸のアラルキルジアルキルエステル;トリス(2,
2,2−トリフルオロエチル)亜燐酸、トリス(2−ク
ロロエチル)亜燐酸などの亜燐酸のトリ(ハロアルキ
ル)エステルなどを挙げることができる。
【0026】上記芳香環を形成する炭素原子に結合した
N,N−ジメチルアミノ基を有する芳香族化合物の代表
例としては、N,N−ジメチルアニリン、4−ブロモ−
N,N−ジメチルアニリン、4−t−ブチル−N,N−
ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピル−N,N−
ジメチルアニリン、4,4’−ビニリデンビス(N,N
−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(N,
N−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス
(2,6−ジイソプロピル−N,N−ジメチルアニリ
ン)、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリン、
N,N−ジメチル−m−トルイジン、4−(2−ピリジ
ルアゾ)−N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチ
ル−4−ニトロソアニリンなどのN,N−ジメチルアニ
リン誘導体を挙げることができる。
【0027】これらのうち、芳香環を形成する炭素原子
に結合したN,N−ジメチルアミノ基を有する分子量が
120〜400の芳香族化合物が、レジストの樹脂との
相溶性や得られるレジスト膜の可視光に対する感度の点
から特に好適である。
【0028】上記特定のラジカル保護化合物(C)の配
合量は、厳密に制限されるものではなく、用いる光反応
開始剤(B)の種類や量等に応じて変えることができる
が、一般には、可視光硬化性樹脂組成物の固形分100
重量部に対して、0.1〜30重量部の範囲内であるこ
とが好ましく、特に1〜10重量部の範囲内であること
がレジスト膜の感光性、被膜強度等の点から適当であ
る。
【0029】本発明の光増感剤(D)としての一般式
(1)で表される有機ホウ素化合物は、400〜700
nmの可視光領域の光に、特に、アルゴンレーザー光や
YAGレーザー高調波光の波長(400〜600nm)
の光を吸収することにより励起され、光硬化性樹脂
(A)や、光反応開始剤(B)と相互作用を有する化合
物である。ここで言う「相互作用」には、励起された一
般式(1)で表される有機ホウ素化合物から光硬化性樹
脂(A)または光反応開始剤(B)へのエネルギー移動
や電子移動が包含される。このことから、ここで使用す
る一般式(1)で表される有機ホウ素化合物は、光増感
剤として極めて有用な化合物である。
【0030】また、従来の可視光硬化性樹脂組成物は、
保存安定性に問題があったが、本発明の可視光硬化性樹
脂組成物は、長期間の保存に耐えうる、経時保存安定性
に優れたものである。
【0031】本発明の一般式(1)で表される化合物に
おいて、R1,R2,R3,R5,R6,R7,R8,R9の具
体例としては、水素原子;ニトロ基;シアノ基;ヒドロ
キシ基;アミノ基;カルボキシル基;スルホン酸基;フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチ
ル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル
基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等のアル
キル基;クロロメチル基、ジクロロメチル基、フルオロ
メチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチ
ル基、ノナフルオロブチル基等のハロゲノアルキル基;
メトキシエチル基、エトキシエチル基、イソプロピルオ
キシエチル基、3−メトキシプロピル基、2ーメトキシ
ブチル基等のアルコキシアルキル基;メトキシ基、エト
キシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブ
トキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ
基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基、シク
ロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メ
チルシクロヘキシルオキシ基等のアルコキシ基;メトキ
シエトキシ基、エトキシエトキシ基、3−メトキシプロ
ポキシ基、3−(イソプロピルオキシ)プロポキシ基等
のアルコキシアルコキシ基;フェノキシ基、2−メチル
フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−t−ブチ
ルフェノキシ基、2−メトキシフェノキシ基、4−イソ
プロピルフェノキシ基等のアリールオキシ基;
【0032】ホルミル基、アセチル基、エチルカルボニ
ル基、n−プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボ
ニル基、イソブチルカルボニル基、t−ブチルカルボニ
ル基、イソペンチルカルボニル基、ベンジルカルボニル
基等のアシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカル
ボニル基、n−ブトキシカルボニル基、n−ヘキシルオ
キシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、
n−デシルオキシカルボニル基,シクロペンチルオキシ
カルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、4
−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基等のアルコ
キシカルボニル基;
【0033】アミノカルボニル基;メチルアミノカルボ
ニル基、n−ブチルアミノカルボニル基、n−ヘキシル
アミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル
基、4−メチルシクロヘキシルアミノカルボニル基等の
アルキルアミノカルボニル基;ジメチルアミノカルボニ
ル基、ジエチルアミノカルボニル基、ジ−n−ブチルア
ミノカルボニル基、ジ−n−ヘキシルアミノカルボニル
基、ジ−n−オクチルアミノカルボニル基、N−イソア
ミル−N−メチルアミノカルボニル基等のジアルキルア
ミノカルボニル基;アセチルアミノ基、エチルカルボニ
ルアミノ基、イソブチルカルボニルアミノ基等のアルキ
ルカルボニルアミノ基;フェニルアミノカルボニル基、
4−メチルフェニルアミノカルボニル基、2−メトキシ
フェニルアミノカルボニル基、4−n−プロピルフェニ
ルアミノカルボニル基等のアリールアミノカルボニル
基;フェニルカルボニルアミノ基、4−エチルフェニル
カルボニルアミノ基、3−イソプロピルフェニルカルボ
ニルアミノ基、2−メトキシフェニルカルボニルアミノ
基等のアリールカルボニルアミノ基;フェノキシカルボ
ニル基、4−メチルフェノキシカルボニル基、3−メチ
ルフェノキシカルボニル基、2−メチルフェノキシカル
ボニル基、2,4−ジメチルフェノキシカルボニル基、
2,6−ジメチルフェノキシカルボニル基、2,4、6
−トリメチルフェノキシカルボニル基、4−フェニルフ
ェノキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル
基;
【0034】ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル
基;フェニル基、3−ニトロフェニル基、4−シアノフ
ェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2−メチルフェ
ニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3−トリフルオ
ロメチルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メト
キシフェニル基、4−(ジメチルアミノ)フェニル基、
ナフチル基などのアリール基;ピロリル基、チエニル
基、フラニル基、オキサゾイル基、イソオキサゾイル
基、オキサジアゾイル基、チアジアゾイル基、イミダゾ
イル基、ベンゾチアゾイル基、ベンゾオキサゾイル基、
ベンゾイミダゾイル基、ベンゾフラニル基、インド−3
−イル基等のヘテロアリール基;
【0035】メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピ
ルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イ
ソブチルチオ基、t−ブチルチオ基、3,5,5−トリ
メチルヘキシルチオ基等のアルキルチオ基;フェニルチ
オ基、4−メチルフェニルチオ基、2−メトキシフェニ
ルチオ基、4−t−ブチルフェニルチオ基、ナフチルチ
オ基等のアリールチオ基;アリルオキシカルボニル基、
2−ブテノキシカルボニル基等のアルケニルオキシカル
ボニル基;ベンジルオキシカルボニル基、4−メチルベ
ンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニ
ル基等のアラルキルオキシカルボニル基;メトキシカル
ボニルメトキシカルボニル基、エトキシカルボニルメト
キシカルボニル基、n−プロポキシカルボニルメトキシ
カルボニル基、イソプロポキシカルボニルメトキシカル
ボニル基等のアルコキシカルボニルアルコキシカルボニ
ル基;
【0036】メチルカルボニルメトキシカルボニル基、
エチルカルボニルメトキシカルボニル基等のアルキルカ
ルボニルアルコキシカルボニル基;ヒドロキシエチルア
ミノカルボニル基、2−ヒドロキシプロピルアミノカル
ボニル基、3−ヒドロキシプロピルアミノカルボニル基
等のモノ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基;
ジ(ヒドロキシエチル)アミノカルボニル基、ジ(2−
ヒドロキシプロピル)アミノカルボニル基、ジ(3−ヒ
ドロキシプロピル)アミノカルボニル基等のジ(ヒドロ
キシアルキル)アミノカルボニル基;メトキシメチルア
ミノカルボニル基、メトキシエチルアミノカルボニル
基、エトキシメチルアミノカルボニル基、エトキシエチ
ルアミノカルボニル基、プロポキシエチルアミノカルボ
ニル基等のモノ(アルコキシアルキル)アミノカルボニ
ル基;ジ(メトキシメチル)アミノカルボニル基、ジ
(メトキシエチル)アミノカルボニル基、ジ(エトキシ
メチル)アミノカルボニル基、ジ(エトキシエチル)ア
ミノカルボニル基、ジ(プロポキシエチル)アミノカル
ボニル基等のジ(アルコキシアルキル)アミノカルボニ
ル基;ビニル基、プロペニル基、1−ブテニル基、1−
ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−1−ブ
テニル基、2,2−ジシアノビニル基、1,2,2−ト
リシアノビニル基等のアルケニル基等を挙げることがで
きる。
【0037】R4の具体例としては、水素原子;シアノ
基;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n
−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−
オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基
等のアルキル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラル
キル基;フェニル基、3−ニトロフェニル基、4−シア
ノフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2−メチル
フェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3−トリフ
ルオロメチルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−
メトキシフェニル基、4−(ジメチルアミノ)フェニル
基、ナフチル基などのアリール基;ピロリル基、チエニ
ル基、フラニル基、オキサゾイル基、イソオキサゾイル
基、オキサジアゾイル基、チアジアゾイル基、イミダゾ
イル基、ベンゾチアゾイル基、ベンゾオキサゾイル基、
ベンゾイミダゾイル基、ベンゾフラニル基、インド−3
−イル基等のヘテロアリール基;ビニル基、プロペニル
基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニ
ル基、3−メチル−1−ブテニル基、2,2−ジシアノ
ビニル基、1,2,2−トリシアノビニル基等のアルケ
ニル基等を挙げることができる。
【0038】R10,R11の具体例としては、フッ素、塩
素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル
基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキ
シル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;ベンジル
基、フェネチル基等のアラルキル基;フェニル基、3−
ニトロフェニル基、4−シアノフェニル基、4−ヒドロ
キシフェニル基、2−メチルフェニル基、3,5−ジメ
チルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、
4−クロロフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−
(ジメチルアミノ)フェニル基、ナフチル基などのアリ
ール基;ピロリル基、チエニル基、フラニル基、オキサ
ゾイル基、イソオキサゾイル基、オキサジアゾイル基、
チアジアゾイル基、イミダゾイル基、ベンゾチアゾイル
基、ベンゾオキサゾイル基、ベンゾイミダゾイル基、ベ
ンゾフラニル基、インド−3−イル基等のヘテロアリー
ル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イ
ソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ
基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n
−デシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘ
キシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基等
のアルコキシ基;メトキシエトキシ基、エトキシエトキ
シ基、3−メトキシプロポキシ基、3−(イソプロピル
オキシ)プロポキシ基等のアルコキシアルコキシ基を挙
げることができる。
【0039】以下の表−1に一般式(1)で表される有
機ホウ素化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの例
のみに限定されるものではない。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】本発明の一般式(1)で表される有機ホウ
素化合物は以下の方法で製造することができる。即ち、
公知の方法(例えば、Journal of Chemical Society, C
hemical Communication, 1994, 1129-1130)に従い合成
した一般式(2)で表される化合物を、三ハロゲン化ホ
ウ素と反応させることにより一般式(3)で表される化
合物を得ることができる。更に少なくとも一方がハロゲ
ン原子ではないR10とR11の置換基の場合は一般式
(3)の化合物のハロゲン原子の一部又は全部を置換し
て一般式(1)で示される有機ホウ素化合物を得ること
ができる。
【0047】
【化3】 (式中、R1〜R9は前記に同じ)
【0048】
【化4】 (式中、R1〜R9は前記に同じであり、Xはハロゲン原
子を表す。)
【0049】本発明の光増感剤(D)は、一般式(1)
で表される有機ホウ素化合物を少なくとも1種含有する
ものであり、その他の公知の光増感剤を併用していても
よい。
【0050】公知の光増感剤としては、一般に使用され
ている光増感剤であれば特に限定はされないが、ケトク
マリン、クマリン−6及び特開平4−18088号公報
に記載されたクマリン化合物等が挙げられる。
【0051】この場合、光増感剤(D)中の一般式
(1)で表される有機ホウ素化合物の含有量としては、
特に制限はないが、本発明で所望の効果を得るために
は、光増感剤中の一般式(1)で表される有機ホウ素化
合物の含有量は、10重量%以上であることが好まし
く、より好ましくは20重量%以上であり、さらに好ま
しくは30重量%以上であり、50重量%以上含有する
光増感剤は特に好ましい。
【0052】光増感剤(D)の使用量は、光増感剤
(D)の種類や量、相互作用すべき光硬化性樹脂(A)
成分の種類により異なるが、通常、光硬化性樹脂(A)
成分100重量部当たり、光増感剤(D)の使用量が
0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部の範
囲内が適当である。本化合物の使用量が0.1重量部よ
り少なすぎると、形成される被膜の感光性が低下する傾
向があり、10重量部より多くなると、溶解性の点か
ら、組成物を均一な状態に保つことが困難になる傾向が
見られる。
【0053】本発明で使用する可視光硬化性樹脂組成物
は、上記した成分以外に必要に応じて上記以外の光重合
性不飽和化合物(樹脂)を配合することができる。この
ものとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(ポ
リ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポ
リ)プロピレングリコールトリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グ
リセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0054】上記したその他の光重合性不飽和化合物は
組成物の総合計量(固形分)で約0〜80重量%、特に
約5〜50重量%の範囲が好ましい。
【0055】本発明の可視光硬化性樹脂組成物は、さら
に必要に応じて、密着促進剤;紫外線に対して有効な光
重合開始剤や増感剤;ハイドロキノン、2,6−ジ−t
−ブチル−p−クレゾール(BHT)、N,N−ジフェ
ニル−p−フエニレンジアミンなどの重合禁止剤;有機
樹脂微粒子、着色顔料、体質顔料などの各種顔料類;酸
化コバルトなどの金属酸化物;フタル酸ジブチル、フタ
ル酸ジオクチル、トリクレジルフオスフエート、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの可
塑剤;有機溶剤などを含有することができる。
【0056】上記密着促進剤は、基板に対するレジスト
膜の密着性を向上させるために配合されるものであり、
例えば、テトラゾール、1−フェニルテトラゾール、5
−アミノテトラゾール、5−アミノ−1−メチルテトラ
ゾール、5−アミノ−2−フェニルテトラゾール、5−
メルカプト−1−フェニルテトラゾール、5−メルカプ
ト−1−メチルテトラゾール、5−メチルチオテトラゾ
ール、5−クロロ−1−フェニル−1H−テトラゾール
等のテトラゾール類を挙げることができる。
【0057】本発明の可視光硬化性樹脂組成物は、一般
に用いられている公知の感光性材料、例えば、塗料、イ
ンキ、接着剤、レジスト材、刷版材(平板や凸版用製版
材、オフセット印刷用PS板等)、情報記録材料、レリ
ーフ像作製材料等幅広い用途への使用が可能である。
【0058】次に、本発明の可視光硬化性樹脂組成物の
代表的なレジスト材(例えば、一般的なネガ型硬化性レ
ジスト材料及び電着塗装用ネガ型レジスト材料)につい
て説明する。
【0059】一般的なネガ型硬化性レジスト材料として
は、例えば、本発明の可視光硬化性樹脂組成物を溶剤
(水も含む)に分散もしくは溶解(着色剤に顔料を用い
た場合は顔料を微分散)させて、感光液を調製し、これ
を支持体上に、例えば、ローラー、ロールコーター、ス
ピンコーター等のごとき塗布装置を用いて塗布し、乾燥
する方法により、これをネガ型レジスト材料として用い
ることができる。
【0060】可視光硬化性樹脂組成物を溶解もしくは分
散するために使用する溶剤としては、例えば、ケトン類
(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、安息
香酸メチル、プロピオン酸メチル等)、エーテル類(テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン
等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等)、
芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチ
ルベンゼン等)、ハロゲン化炭化水素(クロロホルム、
トリクロロエチレン、ジクロロメタン等)、アルコール
(エチルアルコール、ベンジルアルコール等)、その他
(ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)、
水等が挙げられる。
【0061】また、支持体としては、例えば、アルミニ
ウム、マグネシウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、鉄
等の金属またはそれらを成分とした合金のシートまたは
これらの金属で表面を処理したプリント基板、プラスチ
ック、ガラスまたはシリコンウエハー、カーボン等が挙
げられる。
【0062】また、電着塗装用ネガ型レジスト材料とし
て用いる場合は、最初に本発明の可視光硬化性樹脂組成
物を水分散化物とするか、または水溶液化物とする。
【0063】可視光硬化性樹脂組成物の水分散化または
水溶化は、光硬化性樹脂中にカルボキシル基等のアニ
オン性基が導入されている場合にはアルカリ(中和剤)
で中和するか、またはアミノ基等のカチオン性基が導
入されている場合には、酸(中和剤)で中和することに
よって行われる。その際に使用されるアルカリ中和剤と
しては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン
類;トリエチルアミン、ジエチルアミン、モノエチルア
ミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジイ
ソブチルアミン等のアルキルアミン類;ジメチルアミノ
エタノール等のアルキルアルカノールアミン類;シクロ
ヘキシルアミン等の脂環族アミン類;カセイソーダ、カ
セイカリ等のアルカリ金属水酸化物;アンモニア等が挙
げられる。また、酸中和剤としては、例えば、ギ酸、酢
酸、乳酸、酪酸等のモノカルボン酸が挙げられる。これ
らの中和剤は単独でまたは混合して使用できる。中和剤
の使用量は光硬化性樹脂組成物中に含まれるイオン性基
1当量当たり、一般に0.2〜1.0当量、特に0.3
〜0.8当量の範囲が望ましい。
【0064】水溶化または水分散化した樹脂成分の流動
性をさらに向上させるために、必要により、上記光硬化
性樹脂組成物に親水性溶剤、例えば、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタ
ノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、ブ
トキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等を加えるこ
とができる。かかる親水性溶剤の使用量は、一般には、
樹脂固形成分100重量部当たり、300重量部まで、
好ましくは100重量部までとすることができる。
【0065】また、被塗装物への塗着量を多くするた
め、上記光硬化性樹脂組成物に対し、疎水性溶剤、例え
ば、トルエン、キシレン等の石油系溶剤;メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エ
チル、酢酸ブチル等のエステル類;2−エチルヘキシル
アルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類等も
加えることができる。これらの疎水性溶剤の配合量は、
樹脂固形成分100重量部当たり、通常、200重量部
まで、好ましくは、100重量部以下とすることができ
る。
【0066】電着塗料として可視光硬化性樹脂組成物の
調製は、従来から公知の方法で行うことができる。例え
ば、前記の中和により水溶化された光硬化性樹脂
(A)、光反応開始剤(B)、ラジカル保護化合物
(C)、光増感剤(D)、さらに必要に応じ、溶剤およ
びその他の成分をよく混合し、水を加えることにより調
製することができる。
【0067】このようにして調製された可視光硬化性樹
脂組成物は、通常の方法で、さらに水で希釈し、例え
ば、pHが4〜9の範囲内、浴濃度(固形分濃度)3〜
25重量%、好ましくは5〜15重量%の範囲内の電着
塗料(または電着浴)とすることができる。
【0068】上記のようにして調製された電着塗料は、
次のようにして被塗物である導体表面に塗装することが
できる。すなわち、まず、浴のpHおよび浴濃度を上記
の範囲に調整し、浴温度を15〜40℃、好ましくは1
5〜30℃に管理する。次いで、このように管理された
電着塗装浴に、塗装されるべき導体を電着塗料がアニオ
ン型の場合には陽極として、また、カチオン型の場合に
は陰極として、浸漬、5〜200Vの直流電流を通電す
る。通電時間は10秒〜5分が適当である。
【0069】また、該電着塗装方法において、被塗物に
ガラス転移温度の低い電着塗料を塗装し、次いで水洗又
は水洗乾燥後、更にガラス転移温度20℃以上の電着塗
料を塗装する方法(特開平2−20873号公報参
照)、即ちダブルコート電着塗装を行うこともできる。
【0070】得られる膜厚は乾燥膜厚で、一般に0.5
〜50μm、好適には、1〜20μmである。電着塗装
後、電着浴から被塗物を引き上げ水洗いした後、電着塗
膜中に含まれる水分等を熱風等で乾燥、除去する。
【0071】導体としては、金属、カーボン、酸化錫等
の導電性材料またはこれらを積層、メッキ等によりプラ
スチック、ガラス表面に固着させたものが使用できる。
【0072】上記のようにして導体表面に形成される可
視光レジスト材料、および、電着塗装によって得られる
可視光レジスト電着塗膜は、画像に応じて、可視光で露
光し、硬化させ、非露光部を現像処理によって除去する
ことにより、画像を形成することができる。
【0073】露光のための光源としては、超高圧、高
圧、中圧、低圧の水銀灯、ケミカルランプ、カーボンア
ーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、蛍光灯、タン
グステン灯、太陽光等の各光源により得られる光源のう
ち、紫外線を紫外カットフィルターによりカットした可
視領域の光線や、可視領域に発振線を持つ各種レーザー
等が使用できる。高出力で安定なレーザー光源として、
アルゴンレーザー、あるいはYAGレーザーの第二高調
波が好ましい。
【0074】現像処理は、非露光部膜がアニオン性の場
合にはアルカリ水溶液を用いて、また、カチオン性の場
合にはpH5以下の酸水溶液を用いて洗い流すことによ
り行われる。アルカリ水溶液は通常、カセイソーダ、炭
酸ソーダ、カセイカリ、アンモニア水等塗膜中に有する
遊離のカルボン酸と中和して水溶性を与えることのでき
るものが、また、酸水溶液は酢酸、ギ酸、乳酸等が使用
可能である。
【0075】また、イオン性基を持たない光硬化性樹脂
(A)の場合の現像処理は、1,1,1−トリクロロエ
タン、トリクレン、メチルエチルケトン、塩化メチレン
等の溶剤を使って未露光部を溶解することによって行
う。現像した後の塗膜は、水洗後、熱風等により乾燥さ
れ、導体上に目的とする画像が形成される。また、必要
に応じて、エッチングを施し、露出した導体部を除去し
た後、レジスト膜を除去し、プリント回路板の製造を行
うこともできる。
【0076】
【実施例】実施例により本発明をさらに具体的に説明す
る。以下、「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及
び「重量%」を意味する。
【0077】実施例1 光硬化性樹脂(高分子バインダー)としてメチルメタク
リレート/メタクリル酸/ヒドロキシフェニルメタクリ
レート/ベンジルメタクリレート=50/20/10/
20の混合物の重合体100部、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート55部、表−1の1−1の化合物の
光増感剤5部、光反応開始剤として下記式(a)のチタ
ノセン化合物20部、ラジカル保護化合物としてN,N
−ジメチルアニリン3部及び溶剤としてメチルセロソル
ブ160部を用いて感光液を調製した。
【0078】上記のようにして得た感光液を、表面に厚
さ18μmの銅層を有する、板厚2mm、大きさ350
×460mmの銅張りガラス繊維強化エポキシ基板にバ
ーコータにて塗布し、60℃で10分間乾燥し乾燥膜厚
5μmのレジスト膜を得た。
【0079】上記レジスト膜形成基板に、21段ステッ
プタブレットフィルムを通して、波長488nmのアル
ゴンイオンレーザー照射装置によって露光量が3mJ/
cm 2となるように可視光レーザーをスキャン方式にて
空気中で照射した。ついで上記露光後のレジスト膜形成
基板を60℃で10分間加熱した後、30℃の1%炭酸
ソーダ水溶液(現像液)に1分間浸漬して現像を行いレ
ジスト膜の未硬化部分を除去した。現像後のレジストの
ステップタブレット感度は7段であった。ここで、ステ
ップタブレット感度とは、段階的に異なった光透過率を
有するフィルム(ここでは21段のステップタブレット
フィルム)を用い、露光、現像させた場合に良好なレジ
ストパターン(硬化性)を示す最低光透過率の段数を意
味する。段数が大きいほどフイルムの光透過率が低くな
り、良好なレジストパターンを示す段数が大きいほど良
好な感度であることを示す。キセノンランプ(紫外線波
長領域をカット)及びYAGレーザーの第二高調波(5
32nm)を上記のレジスト膜に光照射したところ、露
光量が3mJ/cm2で現像後のレジストのステップタ
ブレット感度は7段で良好であった。
【0080】また、未感光のレジスト膜形成基板を室温
で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、
前記の感光感度に変化は認められなかった。
【0081】
【化5】
【0082】実施例2〜57 実施例1において、光増感剤として表−1の1−2〜1
−57を使用した以外は実施例1とレジスト膜の形成及
び試験を行った。現像後のレジストのステップタブレッ
ト感度は7段で良好であった。
【0083】また、未感光のレジスト膜形成基板を室温
で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、
前記の感光感度に変化は認められなかった。
【0084】実施例58 実施例1において、アクリル樹脂100部に代えて、メ
チルアクリレート/スチレン/アクリル酸=60/10
/30のラジカル共重合体(酸価約233)にグリシジ
ルメタクリレート35部を付加反応させて得られる光硬
化性樹脂(酸価約70、不飽和度1.83モル/kg)
100部を使用し、実施例1と同様の組成の感光液を調
製した。これを用いて、実施例1と同様にレジスト膜の
形成及び試験を行った。現像後のレジストのステップタ
ブレット感度は7段で良好であった。
【0085】また、未感光のレジスト膜形成基板を室温
で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、
前記の感光感度に変化は認められなかった。
【0086】実施例59 実施例1において、アクリル樹脂100部に代えて、該
アクリル樹脂50部及び実施例58で使用した光硬化性
樹脂50部の混合物を使用し、実施例1と同様の組成の
感光液を調製した。これを用いて、実施例1と同様にレ
ジスト膜の形成及び試験を行った。現像後のレジストの
ステップタブレット感度は7段で良好であった。
【0087】また、未感光のレジスト膜形成基板を室温
で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、
前記の感光感度に変化は認められなかった。
【0088】実施例60 実施例1において、アクリル樹脂100部およびトリメ
チロールプロパントリアクリレート55部に代えて、実
施例58で使用した光硬化性樹脂155部を使用し、実
施例1と同様の組成の感光液を調製した。これを用い
て、実施例1と同様にレジスト膜の形成及び試験を行っ
た。現像後のレジストのステップタブレット感度は7段
で良好であった。
【0089】また、未感光のレジスト膜形成基板を室温
で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、
前記の感光感度に変化は認められなかった。
【0090】実施例61 実施例58で得られた感光液100部(固形分)にトリ
エチルアミン7部を混合攪拌した後、脱イオン水中に分
散して水分散樹脂溶液(固形分15%)を得た。
【0091】得られた水分散樹脂溶液を電着塗装浴とし
て、積層銅板を陽極とし、乾燥膜厚が5μmとなるよう
にアニオン電着塗装を行った後、水洗し、80℃で5分
間乾燥を行い電着塗膜感光層を得た。この感光層を用い
て、実施例1と同様に試験を行った。現像後のレジスト
のステップタブレット感度は7段で良好であった。
【0092】また、未感光の電着塗膜感光層を室温で6
ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、前記
の感光感度に変化は認められなかった。
【0093】実施例62 メチルアクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/
グリシジルメタクリレート/ジメチルアミノエチルメタ
クリレート=20/10/22/30/18のラジカル
共重合体にアクリル酸15部を付加反応させて得られる
光硬化性樹脂(アミン価約56、不飽和度1.83モル
/kg)100部、表の1−1の化合物5部、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート55部、実施例1で使
用したチタノセン化合物20部を混合して得られる感光
液100部(固形分)に酢酸3部を配合した後、脱イオ
ン水中に分散して水分散樹脂溶液(固形分15%)を得
た。
【0094】得られた水分散樹脂溶液を電着塗装浴とし
て、積層銅板を陰極とし、乾燥膜厚が5μmとなるよう
にカチオン電着塗装を行った後、水洗し、80℃で5分
間乾燥を行い電着塗膜感光層を得た。この感光層を用い
て、実施例1と同様に試験を行った。現像後のレジスト
のステップタブレット感度は7段で良好であった。
【0095】また、未感光の電着塗膜感光層を室温で6
ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、前記
の感光感度に変化は認められなかった。なお、現像液と
して1%炭酸ナトリウム水溶液に代えて2.38%テト
ラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液を使用し
た。
【0096】実施例63 実施例1においてラジカル保護化合物のN,N−ジメチ
ルアニリン3部に代えてトリエチル亜燐酸を5部を使用
した以外は実施例1と同様のものを使用して感光液を調
製した。これを用いて実施例1と同様にレジスト膜の形
成及び試験を行った。その結果、現像後のレジストのス
テップタブレット感度は7段で良好であった。
【0097】また、未感光のレジスト膜形成基板を室温
で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、
前記の感光感度に変化は認められなかった。
【0098】実施例64 実施例58においてラジカル保護化合物のN,N−ジメ
チルアニリン3部に代えてトリエチル亜燐酸を5部を使
用した以外は実施例58と同様のものを使用して感光液
を調製した。これを用いて実施例1と同様にレジスト膜
の形成及び試験を行った。その結果、現像後のレジスト
のステップタブレット感度は7段で良好であった。
【0099】また、未感光のレジスト膜形成基板を室温
で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、
前記の感光感度に変化は認められなかった。
【0100】実施例65 実施例59においてラジカル保護化合物のN,N−ジメ
チルアニリン3部に代えてトリエチル亜燐酸を5部を使
用した以外は実施例59と同様のものを使用して感光液
を調製した。これを用いて実施例1と同様にレジスト膜
の形成及び試験を行った。その結果、現像後のレジスト
のステップタブレット感度は7段で良好であった。
【0101】また、未感光のレジスト膜形成基板を室温
で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、
前記の感光感度に変化は認められなかった。
【0102】実施例66 実施例60においてラジカル保護化合物のN,N−ジメ
チルアニリン3部に代えてトリエチル亜燐酸を5部を使
用した以外は実施例60と同様のものを使用して感光液
を調製した。これを用いて実施例1と同様にレジスト膜
の形成及び試験を行った。その結果、現像後のレジスト
のステップタブレット感度は7段で良好であった。
【0103】また、未感光のレジスト膜形成基板を室温
で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、
前記の感光感度に変化は認められなかった。
【0104】実施例67 実施例61においてラジカル保護化合物のN,N−ジメ
チルアニリン3部に代えてトリエチル亜燐酸を5部を使
用した以外は実施例61と同様のものを使用して感光液
を調製した。これを用いて実施例61と同様に電着塗膜
感光層の形成及び試験を行った。その結果、現像後のレ
ジストのステップタブレット感度は7段で良好であっ
た。
【0105】また、未感光の感光層を室温で6ヶ月間放
置した後に、同様の評価を行ったところ、前記の感光感
度に変化は認められなかった。
【0106】実施例68 実施例62においてラジカル保護化合物のN,N−ジメ
チルアニリン3部に代えてトリエチル亜燐酸を5部を使
用した以外は実施例62と同様のものを使用して感光液
を調製した。これを用いて実施例62と同様に電着塗膜
感光層の形成及び試験を行った。その結果、現像後のレ
ジストのステップタブレット感度は7段で良好であっ
た。
【0107】また、未感光の感光層を室温で6ヶ月間放
置した後に、同様の評価を行ったところ、前記の感光感
度に変化は認められなかった。
【0108】比較例1 実施例1において、ラジカル保護化合物であるN,N−
ジメチルアニリン3部を使用しない以外は、実施例1と
同様の組成の感光液を調製した。これを用いて、実施例
1と同様にレジスト膜形成及び試験を行った。現像後の
レジストのステップタブレット感度は3段で悪かった。
【0109】また、未感光のレジスト膜形成基板を室温
で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、
前記の感光感度が3段で悪かった。
【0110】
【発明の効果】本発明において、特定の化合物を光増感
剤として含有する可視光硬化性樹脂組成物は実用上極め
て有用性の高い組成物である。従来、レジスト材料とし
て光硬化反応を用いたプリント基板の分野で、プリント
回路図を、そのまま直接レーザーを用いて出力し記録す
る方式では、感光層の経時安定性が低く、また、感度が
低く、溶解性、保存安定性等の問題があった。
【0111】しかし、本発明の可視光硬化性樹脂組成物
は、基本樹脂と光増感剤の相溶性が極めてよく、かつ、
汎用の塗布溶液に溶解し、支持体上で均一、かつ、経時
保存安定性に優れた塗面を得ることができる。
【0112】また、本発明で使用する光増感剤は、48
8nmおよび514.5nmに安定な発振線を持つアル
ゴンレーザーや第二高調波として532nmに輝線を持
つYAGレーザー等の汎用可視レーザーに対して、非常
に高い感度を有するため、本発明の可視光硬化性樹脂組
成物を用いて得られたレジスト材料は、このようなレー
ザーにより高速走査露光が可能である。また、高速走査
露光により画像を形成した場合、極めて微細な高解像度
の画像が得られる。
【0113】本発明の可視光硬化性樹脂組成物から得ら
れるレジスト膜は、特定のラジカル保護化合物(C)を
含有しているので、可視光レーザーの照射によりレジス
ト膜中に発生したラジカルが酸素によって失活し、レジ
スト膜が硬化阻害を起こすのを防止することができる。
すなわち、本発明の可視光硬化性樹脂組成物を用いれ
ば、感度の良好なレジスト膜を形成することができる。
【0114】一般に酸素による硬化阻害が起きると、レ
ジスト膜表面付近において硬化度が不足するため、形成
されるレジストパターンの断面形状がカマボコ状となる
が、本発明の可視光硬化性樹脂組成物は、酸素による硬
化阻害を防止できるので、断面が矩形状のレジストパタ
ーンの形成が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木暮 英雄 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 小木曽 章 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 三沢 伝美 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 西本 泰三 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 塚原 宇 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 詫摩 啓輔 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA01 AA11 AB03 AB15 AC08 AD01 BC13 BC31 BC51 CA00 CA27 CA28 CA34 CA39 CC20 FA10 4H048 AA03 AB76 AB92 VA10 VA20 VA30 VA32 VA40 VA75 VB20 4J011 AC04 PA36 PA43 PA46 PA48 QA13 QA31 QA33 QA36 QA37 QA38 QA39 QB01 QB03 QB08 QB12 QB13 QB14 QB15 QB19 QB22 QB23 QB24 QB25 SA04 SA12 SA14 SA16 SA17 SA22 SA34 SA42 SA52 SA63 SA64 SA73 SA74 SA75 SA76 SA78 SA82 SA86 SA87 UA01 UA06 VA01 WA02 4J027 AA01 AA08 AB01 AB02 AC01 AC03 AC04 AC06 AE01 AF01 AG01 AH03 BA01 BA07 BA10 BA20 BA21 BA24 BA26 BA27 CA02 CA03 CA04 CA05 CA06 CA08 CA10 CA12 CA14 CA23 CA25 CA27 CA28 CA29 CA33 CB03 CB08 CB09 CB10 CC04 CC07 CD08 CD09 CD10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分 (A)光硬化性樹脂、(B)光反応開始剤、(C)亜燐
    酸エステル化合物および芳香環を形成する炭素原子に結
    合したN,N−ジメチルアミノ基を有する芳香族化合物
    から選ばれる少なくとも1種のラジカル保護化合物及び
    (D)下記一般式(1)で表される有機ホウ素化合物を
    少なくとも1種含む光増感剤を含有することを特徴とす
    る可視光硬化性樹脂組成物。 【化1】 〔式中、R1,R2,R3,R5,R6,R7,R8,R9はそ
    れぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シ
    アノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ス
    ルホン酸基、アルキル基、ハロゲノアルキル基、アルコ
    キシ基、アルコキシアルコキシ基、アリールオキシ基、
    アシル基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル
    基、アルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカ
    ルボニル基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカ
    ルボニルアミノ基、アリールアミノカルボニル基、アリ
    ールオキシカルボニル基、アラルキル基、アリール基、
    ヘテロアリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
    アルケニルオキシカルボニル基、アラルキルオキシカル
    ボニル基、アルコキシカルボニルアルコキシカルボニル
    基、アルキルカルボニルアルコキシカルボニル基、モノ
    (ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基、ジ(ヒド
    ロキシアルキル)アミノカルボニル基、モノ(アルコキ
    シアルキル)アミノカルボニル基、ジ(アルコキシアル
    キル)アミノカルボニル基又はアルケニル基を表し、R
    4は水素原子、シアノ基、アルキル基、アラルキル基、
    アリール基、ヘテロアリール基又はアルケニル基を表
    し、R10,R11はハロゲン原子、アルキル基、アラルキ
    ル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基又
    はアルコキシアルコキシ基を表す。〕
  2. 【請求項2】 請求項1記載の可視光硬化性樹脂組成物
    と溶剤とを含有してなる可視光硬化材料用組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の可視光硬化性樹脂組成物
    を基材上の含有してなる可視光硬化材料。
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