WO2023021808A1 - 歯付きベルト - Google Patents

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武将 吉見
貴光 明石
隆 西川
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16G1/00Driving-belts
    • F16G1/06Driving-belts made of rubber
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G1/00Driving-belts
    • F16G1/28Driving-belts with a contact surface of special shape, e.g. toothed

Definitions

  • a toothed belt is used as one of the methods for transmitting power.
  • a toothed belt generally has a flat belt-like back rubber portion and a plurality of tooth rubber portions provided on one side surface of the back rubber portion, and includes a toothed belt main body formed from a rubber composition. , a core wire embedded in the back rubber portion, and a tooth portion reinforcing cloth at least partially embedded in the surface on the inner peripheral side where the tooth rubber portion is provided (Patent Document 1, etc.). Since the toothed belt transmits rotation while the belt teeth and the tooth profile provided on the pulley mesh with each other, it is suitable for applications requiring synchronous transmission and positional accuracy.

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Abstract

歯ゴム部の耐久性に優れた歯付きベルトを提供することを課題とする。 解決手段として、平帯状の背ゴム部と、前記背ゴム部の一方側の面に設けられた複数の歯ゴム部とを有し、H-NBRを主成分とするゴム組成物から形成されたベルト本体と、 前記背ゴム部に埋設された心線と、 前記複数の歯ゴム部が設けられた側の表面を被覆する歯部補強布と、 を有し、 前記歯部補強布が、アラミド系繊維を経糸(ベルト幅方向に延びる糸)とし、ポリウレタン系繊維を心糸、アラミド系繊維とウーリーナイロン繊維とを被覆糸とする複合糸を緯糸(ベルト周方向に延びる糸)とする歯付きベルトを提供する。

Description

歯付きベルト
 本発明は、歯付きベルトに関する。
 動力を伝達する方法の一つに、歯付きベルトが用いられている。歯付きベルトは、一般に、平帯状の背ゴム部と、この背ゴム部の一方側の面に設けられた複数の歯ゴム部とを有し、ゴム組成物から形成された歯付きベルト本体と、背ゴム部に埋設された心線と、歯ゴム部が設けられた内周側の表面に少なくとも一部が埋設された歯部補強布とを有する(特許文献1等)。
 歯付きベルトは、ベルト歯とプーリに設けられた歯形とが噛み合いながら回転を伝えるため、同期伝達や位置精度が求められる用途等に適している。
 近年、産業機械の高出力化、高性能化に伴い、歯付きベルトには高負荷対応が求められている。歯付きベルトは、高負荷条件下で動かすとスキップ(ベルト歯とプーリ歯とが噛み合わず、ベルト歯がプーリ歯に乗り上げる現象)が生じやすくなる。そして、スキップが生じると、ベルト歯が破損する場合があるが、歯付きベルトのベルト歯が破損すると、正確な動力伝達が行えなくなってしまう。
 歯ゴム部の耐久性を高めた歯付きベルトとして、特許文献1には、補強布として不織布と、織布又は編布とを有する高トルク伝動用途に適した歯付きベルトが提案されている。
国際公開第2016/047052号
 本発明は、歯ゴム部の耐久性に優れた歯付きベルトを提供することを課題とする。
 上記課題を解決するための、本発明の構成は以下のとおりである。
1.平帯状の背ゴム部と、前記背ゴム部の一方側の面に設けられた複数の歯ゴム部とを有し、H-NBRを主成分とするゴム組成物から形成されたベルト本体と、
 前記背ゴム部に埋設された心線と、
 前記複数の歯ゴム部が設けられた側の表面を被覆する歯部補強布と、
を有し、
 前記歯部補強布が、アラミド系繊維を経糸(ベルト幅方向に延びる糸)とし、ポリウレタン系繊維を心糸、アラミド系繊維とウーリーナイロン繊維とを被覆糸とする複合糸を緯糸(ベルト周方向に延びる糸)とすることを特徴とする歯付きベルト。
2.前記歯部補強布が、経糸方向の引張強さが450N/3cm以上であり、緯糸方向の引張強さが経糸方向の引張強さの150%以上であり、緯糸方向の伸び率が経糸方向の伸び率の500%以上であることを特徴とする1.に記載の歯付きベルト。
3.前記心線が、炭素繊維であることを特徴とする1.または2.に記載の歯付きベルト。
 本発明の歯付きベルトは、歯ゴム部が耐久性に優れ、スキップが発生した際に歯欠けが生じにくい。そのため、スキップが発生したベルトを即交換せずにそのまま使い続けられる場合があり、交換頻度を低くすることができる。本発明の歯付きベルトは、スキップが発生しやすい射出成形機、工作機械等の高負荷用途に好適に用いることができる。
 本発明の歯付きベルトは、高負荷(高トルク)で動かしながらも高い位置精度を実現することができる。本発明の歯付きベルトは、従来の歯付きベルトと比較して狭幅化すること、小径のプーリで駆動することができるため、本発明の歯付きベルトを組み込んだ装置全体の小型化、省エネ化を実現することができる。
本発明の一実施態様例である歯付きベルトの斜視図。 本発明の一実施態様例である歯付きベルトの製造方法を説明する図。 本発明の一実施態様例である歯付きベルトの製造方法を説明する図。 本発明の一実施態様例である歯付きベルトの製造方法を説明する図。 本発明の一実施態様例である歯付きベルトの製造方法を説明する図。
10  歯付きベルト
11  ベルト本体
11a 背ゴム部
11b 歯ゴム部
12  心線
13  歯部補強布
14  歯部

20  ベルト成形型
21  ベルト歯形成溝
22  離型紙
23  ゴムスリーブ

11’ 未架橋ゴムシート
S’  未架橋スラブ
S   ベルトスラブ
「歯付きベルト」
 本発明の歯付きベルトは、
 平帯状の背ゴム部と、この背ゴム部の一方側の面に設けられた複数の歯ゴム部とを有し、H-NBRを主成分とするゴム組成物から形成されたベルト本体と、背ゴム部に埋設された心線と、複数の歯ゴム部が設けられた側の表面を被覆する歯部補強布と、を有し、歯部補強布が、アラミド系繊維を経糸(ベルト幅方向に延びる糸)とし、ポリウレタン系繊維を心糸、アラミド系繊維とウーリーナイロン繊維とを被覆糸とする複合糸を緯糸(ベルト周方向に延びる糸)とする。
 図1に、本発明の一実施態様例である歯付きベルト10を示す。
 歯付きベルト10は、ベルト本体11に、抗張体としてベルト幅方向に一定ピッチの螺旋を形成するように心線12が埋設されており、それによってベルト本体11が背ゴム部11aと歯ゴム部11bとに仕切られている。さらに、歯付きベルト10は、歯ゴム部11bが設けられた側の表面に少なくとも一部が埋設された歯部補強布13を有し、歯ゴム部11bの表面近傍に歯部補強布13が埋設されて歯部14が構成されている。
 歯付きベルト10は、例えば、射出成形機や工作機械等におけるベルト伝動装置、特に、ベルト伝動装置の動力伝達部材として好適に用いられる。歯付きベルト10の形状は、その用途等に応じて調整することができるが、例えば、ベルト長さが70~6000mm、ベルト幅が6~200mm、及びベルト厚さが1~20mmである。また、歯ゴム部11bは、例えば、幅0.63~16.46mm、高さ0.37~9.6mm、及びピッチ1.0~31.75mmである。
 なお、本明細書において、A~B(A、Bは数値)との記載は、A、Bを含む数値範囲、すなわち、A以上B以下を意味する。
 歯ゴム部11bは、側面視形状が台形である台形歯であってもよく、また、半円形である丸歯であってもよく、更には、その他の形状であってもよい。歯ゴム部11bは、ベルト幅方向に延びるように形成されていても、また、ベルト幅方向に対して傾斜する方向に延びるように形成されたハス歯であっても、どちらでもよい。
・ゴム成分
 歯付きベルト10を形成するゴム組成物は、H-NBR(水素添加アクリロニトリルゴム)を主成分とする。H-NBRは、不飽和カルボン酸金属塩で強化されていてもよい。なお、本明細書において主成分とするとは、全体に対して50重量%以上含むことを意味する。
 H-NBRは、アクリロニトリルと1,3-ブタジエンとの共重合体であるNBR中の不飽和結合を水素化して飽和結合としたものである。本発明で使用するH-NBRにおいて、アクリロニトリルと1,3-ブタジエンの組成比は、加工性や求める物性に合わせて適宜調整することができる。例えば、耐油性の点から、アクリロニトリルの含有量が20質量%以上50質量%以下であることが好ましく、30質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。また、その水素化率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。H-NBRは、1種類もしくは2種類以上を混合して使用することもできる。
 H-NBRを強化する場合、不飽和カルボン酸金属塩の不飽和カルボン酸としては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸等が挙げられ、また、金属としては、例えば、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等が挙げられる。
 本発明で使用するゴム組成物は、H-NBRを主成分とすればよく、エチレン・プロピレンコポリマー(EPR)、エチレン・プロピレン・ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン・オクテンコポリマー、エチレン・ブテンコポリマーなどのエチレン-α-オレフィンエラストマー、クロロプレンゴム(CR)、及びクロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)等他のゴム成分の1種または2種以上とブレンドすることもできる。
 本発明で使用するゴム組成物は、以下に示すような配合剤を添加することができる。
・架橋剤
 ゴム成分を架橋させるための架橋剤としては、有機過酸化物、硫黄、さらに、これらを併用することができる。また、ゴム成分は、電子線等が用いられて架橋していてもよい。これらの中で、耐摩耗性の点から、有機過酸化物を用いることが好ましく、具体的には、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ)-p-ジイソプロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチルジ(t-ブチル)ヘキシン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。有機過酸化物は、これらのうちの1種又は2種以上を併用することができる。架橋剤の配合量は、例えば、ゴム成分100質量%に対して、1質量%以上8質量%以下程度である。
・共架橋剤
 共架橋剤としては、例えば、液状NBRなどの液状ゴム等が挙げられる。共架橋剤は、1種又は2種以上を併用することができる。共架橋剤の配合量は、例えば、ゴム成分100質量%に対して3質量%以上7質量%以下である。
・架橋助剤
 架橋助剤としては、例えば、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、エチレンジメタクリレート、1,3-ブチレンジメタクリレート、1,4-ブチレンジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、2,2’-ビス(4-メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2’-ビス(4-アクロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、オリゴエステルアクリレート、アルミニウムメタクリレート、亜鉛メタクリレート、マグネシウムジメタクリレート、カルシウムジメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルフタレート、ジアリルクロレンデート、ジビニルベンゼン、2-ビニルピリジン、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、p-キノンジオキシン、p,p’-ジベンゾイルキニンジオキシン、1,2-ポリブタジエン、ジペンタメチレンチウラムテトラサルフィード等が挙げられる。架橋助剤は、これらのうちの1種又は2種以上を併用することができる。架橋助剤の添加量は、ゴム成分100質量%に対して0.1質量%以上3.0質量%以下程度である。
・無機粒子
 ゴム組成物は、シリカ、カーボンブラック、酸化チタン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、硫酸バリウム、珪藻土、クレー、タルク、酸化亜鉛等の無機粒子の1種または2種以上を含むことができる。無機粒子の配合量は、ゴム成分100質量%に対して、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。また、この配合量の上限は、100質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。無機粒子としては、カーボンブラックを用いることが導電性付与、補強性、紫外線劣化防止性等の点から好ましい。配合するカーボンブラックは特に制限されず、例えば、チャネルブラック;SAF、ISAF、N-339、HAF、N-351、MAF、FEF、SRF、GPF、ECF、N-234などのファーネスブラック;FT、MTなどのサーマルブラック;アセチレンブラック、ケッチェンブラックEC300J、ケッチェンブラックEC600JD等が挙げられる。
 本発明のゴム組成物は、その他に加工助剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、可塑剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、発泡剤、発泡助剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤等を含むことができる。
 加工助剤としては、例えば、ステアリン酸、ポリエチレンワックス、脂肪酸の金属塩等が挙げられる。加工助剤は、これらのうち1種又は2種以上を使用することができる。加工助剤の含有量は、例えば、ゴム成分100質量%に対して、0.5質量%以上2質量%以下である。
 加硫促進剤としては、例えば、チウラム系(例えばTETD、TT、TRAなど)、チアゾール系(例えばMBT、MBTSなど)、スルフェンアミド系(例えばCZなど)、ジチオカルバミン酸塩系(例えばBZ-Pなど)等が挙げられる。加硫促進剤は、これらのうち1種又は2種以上を使用することができる。加硫促進剤の含有量は、例えば、ゴム成分100質量%に対して、2質量%以上5質量%以下である。
 加硫促進助剤としては、例えば、酸化亜鉛(亜鉛華)や酸化マグネシウムなどの金属酸化物、金属炭酸塩、脂肪酸及びその誘導体等が挙げられる。加硫促進助剤は、これらのうち1種又は2種以上を使用することができる。加硫促進助剤の含有量は、例えば、ゴム成分100質量%に対して、3質量%以上7質量%以下である。
 老化防止剤としては、例えば、アミン-ケトン系老化防止剤、ジアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤等が挙げられる。老化防止剤は、これらのうち1種又は2種以上を使用することができる。老化防止剤の含有量は、例えば、ゴム成分100質量%に対して、0.1質量%以上5質量%以下である。
 可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)などのジアルキルフタレート、ジオクチルアジペート(DOA)などのジアルキルアジペート、ジオクチルセバケート(DOS)などのジアルキルセバケート等が挙げられる。可塑剤は、これらのうち1種又は2種以上であることが好ましい。可塑剤の含有量は、例えば、ゴム成分100質量%に対して、0.1質量%以上40質量%以下である。
 また、本発明で使用するゴム組成物には、繊維径が10μm以上の短繊維を配合することもできる。
・心線
 本発明で使用する心線12は、特に限定されず、グラスファイバー、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、金属繊維、炭素繊維等の繊維材料を用いることができる。これらの中で、引張強度、耐久性等の点から炭素繊維が好ましい。なお、炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル(PAN)系、石油・石炭ピッチ系、レーヨン系、リグニン系等を特に制限することなく使用することができるが、PAN系が好ましい。心線12の直径、ピッチ(断面における相互に隣接する心線中心間の距離)は、求める物性等に応じて調整することができ、例えば、直径は0.2~2.5mm程度、ピッチは0.1~5.0mm程度である。心線13には、歯付きベルト本体10に対する接着性を付与するための接着処理を施すことができる。接着処理の方法は特に制限されないが、例えば、ゴム糊に浸漬した後に加熱処理する方法、RFL液(レゾルシン・ホルマリン・ラテックス水溶液)に浸漬して加熱処理する方法等が挙げられる。
・歯部補強布
 本発明は、歯部補強布13が、アラミド系繊維を経糸(ベルト幅方向に延びる糸)とし、ポリウレタン系繊維を心糸、アラミド系繊維とウーリーナイロン繊維とを被覆糸とする複合糸を緯糸(ベルト周方向に延びる糸)とする。本発明で使用する歯部補強布、あるいは、この歯部補強布を構成する経糸と緯糸のいずれか、または両方は、上記した接着処理を施すこともできる。
 経糸としては、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維のいずれも用いることができるが、耐摩耗性の点からメタ系アラミド繊維を用いることが好ましい。
 緯糸は、伸長性を備えるポリウレタン系繊維を心糸とし、この心糸を強度と耐摩耗性に優れるアラミド系繊維、および伸長性と衝撃吸収性に優れるウーリーナイロン繊維とで被覆した複合糸である。
 歯部補強布は、平織または綾織であることが好ましい。
 本発明で使用する歯部補強布13は、経糸と緯糸とに上記した特定の繊維を用いることにより、耐摩耗性、耐衝撃性に優れている。そして、本発明の歯付きベルトは、歯付きベルト製造時に歯部補強布13がベルト歯部を形成するための金型の凹凸に沿って変形(伸長)することができるため、ベルト歯部の表面を被覆して、その耐摩耗性と耐衝撃性とを十分に発揮することができる。そして、本発明の歯付きベルトは、この歯部補強布が歯ゴム部の表面を被覆することにより、歯欠け耐久性に優れている。
 歯部補強布13は、この歯部補強布単独の状態で、経糸方向の引張強さが450N/3cm以上であり、緯糸方向の引張強さが経糸方向の引張強さの150%以上であり、かつ、緯糸方向の伸び率が経糸方向の伸び率の500%以上であることが好ましい。歯部補強布13が上記した引張強度、伸び率を満足することにより、歯部補強布は強度と被覆性とに優れている。
・製造方法
 本発明の歯付きベルトは、公知の方法により製造することができる。
 以下、図2~5を用い、製造方法の一例を説明する。
「材料準備工程」
 ゴム成分を素練りし、そこに各種のゴム配合剤を投入して混練することにより未架橋ゴム組成物を得た後、それをカレンダー成形等によってシート状に成形して未架橋ゴムシート11’を準備する。
 また、必要に応じて接着処理等を行った心線12と歯部補強布13とを準備する。
「成形工程」
 図2に、歯付きベルト10の製造に用いるベルト成形型20の部分断面図を示す。このベルト成形型20は、円筒状であって、その外周面に、軸方向に延びるベルト歯形成溝21が周方向に間隔をおいて一定ピッチで形成されている。
 成形工程では、図3に示すように、ベルト成形型20の外周に筒状の歯部補強布13を被せ、その上から心線12を螺旋状に巻き付け、更にその上から未架橋ゴムシート11’を巻き付ける。このとき、ベルト成形型20上には未架橋スラブS’が形成される。
「架橋工程」
 未架橋スラブS’の外周に離型紙22を巻き付けた後、その上からゴムスリーブ23を被せる(図4)。
 これを加硫缶内に配置して密閉するとともに、加硫缶内に高温及び高圧の蒸気を充填し、その状態を所定時間だけ保持する。加硫缶内の温度は例えば100℃以上200℃以下であり、圧力は例えば1.5MPa以下である。加工時間は例えば5分以上30分以下である。
 これにより、未架橋ゴムシート11’がベルト歯形成溝21に流入するとともに、架橋反応が進行する。この際、歯部補強布13は、ゴム組成物に押圧されて、ベルト成形型20の外周面に押圧されることにより、ベルト歯部の表面を被覆する。そして、心線12と歯部補強布13とが、ゴムと複合一体化した円筒状のベルトスラブSが成型される(図5)。
「仕上げ工程」
 加硫缶の内部を減圧して密閉を解き、ベルト成形型20とゴムスリーブ23との間に成型されたベルトスラブSを取り出して脱型し、必要に応じてその背面側を研磨して厚さ調整を行った後、所定幅に輪切りすることにより歯付きベルト10が製造できる。
 なお、上記製造方法は一例であり、例えば、歯付きベルト10の外周面が他の補強布で被覆された構成等とすることもできる。
 以下、本発明について実施例を挙げてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
「実施例1」
 H-NBRゴム(日本ゼオン Zeptol2000)45質量部とNBRゴム(日本ゼオン Zeoforte ZSC2195CX)55質量部からなるゴム成分と、酸化亜鉛10質量部、老化防止剤(2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体)10質量部、老化防止剤(2-メルカプトベンズイミダゾール)1質量部、老化防止剤(4,4'-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン)1質量部、ステアリン酸0.5質量部、カーボンブラック(昭和キャボット、ショウブラックIP200)20質量部、ポリエーテルエステル系可塑剤(ADEKA アデカサイザーRS700)10質量部、架橋剤(日油 ペロキシモンF-40)8質量部、架橋剤(細井化学工業 オイル処理硫黄)0.5質量部、共架橋剤(精工化学 ハイクロスM)3質量部を、密閉式混練機により混練して未架橋ゴム組成物を得て、これをカレンダー成形によってシート状に成形して未架橋ゴムシートを得た。
 心線:PAN系炭素繊維(直径1.1mm、浸漬による接着処理有)を用いた。
 歯部補強布:経糸がメタ系アラミド(30番/2)、緯糸がポリウレタン(470dtex/1)を心糸とし、パラ系アラミド(220dtex/1)とウーリーナイロン(78dtex/2)を被覆糸とする複合糸であり、RFL液(レゾルシン・ホルマリン・ラテックス水溶液)とH-NBR系接着剤による接着処理を施した歯部補強布(経糸90±10本/5cm、緯糸90±10本/5cm)を用いた。
 未架橋ゴムシート、心線、歯部補強布を用い、上記製造方法に従って、周長1000mm、幅10mmの、心線のピッチ3mmであるS8Mタイプの歯付きベルトを得た。
「比較例1」
 経糸がナイロン(235dtex/1・S-12T/10cm)、緯糸がナイロン(155dtex/2・S-7dtex/10cm)である歯部補強布(経糸175±20本/5cm、緯糸172±15本/5cm)を用いた以外は、実施例1と同様にして歯付きベルトを得た。
「比較例2」
 経糸がナイロン(235dtex/1)、緯糸がウーリーナイロン(155dtex/2)を被覆糸とする複合糸であり、RFL液(レゾルシン・ホルマリン・ラテックス水溶液)による接着処理を施した歯部補強布(経糸190±14本/5cm、緯糸140±10本/5cm)を用いた以外は、実施例1と同様にして歯付ベルトを得た。
「比較例3」
 経糸がナイロン(235dtex/1)、緯糸がウーリーナイロン(235dtex/3)を被覆糸とする複合糸であり、RFL液(レゾルシン・ホルマリン・ラテックス水溶液)による接着処理を施した歯部補強布(経糸120±8本/5cm、緯糸120±7本/5cm)を用いた以外は、実施例1と同様にして歯付ベルトを得た。
 歯部補強布について、下記評価を行った。結果を表1に示す。
・引張強さ、伸び率
 歯部補強布を200mm/minの速さで引っ張ったときの切断強さ、伸びを、静的引張圧縮試験機(株式会社島津製作所製、装置名:AUTOGRAPH AG-5000A)を用いて測定した。伸びについては定規にて測定を行った。なお、測定は10回行い、その相加平均値を示す
 得られた歯付きベルトについて、下記評価を行った。結果を表1に示す。
・ゴム硬度
 JIS K6253-3:2012に準じて、歯付きベルト背面のゴム硬度をタイプAデュロメータを用いて測定した。測定は、歯のある部分の背面で行った。
・破断強度
 ベルトを50mm/minの速さで引っ張ったときの破断強度を、静的引張圧縮試験機(株式会社島津製作所製、装置名:AUTOGRAPH AG-5000A)を用いて測定した。なお、測定は10本のベルトで行い、その相加平均値を示す。
・スキップ(歯飛び)耐久性試験
 得られた歯付きベルトをプーリ2軸にかけ、従動側プーリを固定しながら駆動側プーリを回転させ、ベルトをスキップさせた。スキップ10回、20回、50回、100回毎に歯付きベルトを取り外してベルト重量を測定し、重量減少率を求めた。
 試験条件
  駆動プーリ :歯数32歯、回転数1rpm
  従動プーリ :歯数48歯(固定)
  スパン間張力:23N(面圧 88N/mm
・歯欠け耐久試験
 スパン間張力を150N(面圧 118N/mm)とした以外は、上記歯欠け耐久性試験1と同様にしてベルトをスキップさせた。駆動側に設置したトルクメータの値を、マルチ入力データロガー(キーエンス社 NR-500)を用いて記録し、トルクの変化から、スキップと歯欠けの発生を判定し、歯欠けが生じたときのスキップ回数を求めた。なお、測定は10個のベルトで行い、その相加平均値を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 本発明である実施例1で得られた歯付きベルトは、比較例1で得られた歯付きベルトと比較して、スキップが発生した際の重量減少が半分以下でありゴムが欠けにくく、歯欠けが発生するまでのスキップの回数が多く、歯ゴム部の耐久性に優れていた。
 本発明である実施例1で得られた歯付きベルトは、歯欠けが生じるまでのスキップ回数が比較例1で得られた歯付きベルトの約10倍(≒173/18.6)と大きく、スキップが起こったとしてもすぐに交換する必要がないため、交換頻度を少なくすることができる。

Claims (3)

  1.  平帯状の背ゴム部と、前記背ゴム部の一方側の面に設けられた複数の歯ゴム部とを有し、H-NBRを主成分とするゴム組成物から形成されたベルト本体と、
     前記背ゴム部に埋設された心線と、
     前記複数の歯ゴム部が設けられた側の表面を被覆する歯部補強布と、
    を有し、
     前記歯部補強布が、アラミド系繊維を経糸(ベルト幅方向に延びる糸)とし、ポリウレタン系繊維を心糸、アラミド系繊維とウーリーナイロン繊維とを被覆糸とする複合糸を緯糸(ベルト周方向に延びる糸)とすることを特徴とする歯付きベルト。
  2.  前記歯部補強布が、経糸方向の引張強さが450N/3cm以上であり、緯糸方向の引張強さが経糸方向の引張強さの150%以上であり、緯糸方向の伸び率が経糸方向の伸び率の500%以上であることを特徴とする請求項1に記載の歯付きベルト。
  3.  前記心線が、炭素繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載の歯付きベルト。
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