JPWO2016194371A1 - 伝動ベルト - Google Patents

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Abstract

ラップドVベルトは、ベルト本体(10)と、ベルト本体(10)を被覆する補強布(15)とを備え、プーリに巻き掛けられて動力を伝達する。ベルト本体(10)の少なくとも一部は、ポリマー成分としてエチレン−α−オレフィンエラストマーを含むゴム組成物からなる。ゴム組成物には、架橋剤としての有機過酸化物と、常温において液状である共架橋剤とが配合されている。

Description

本開示は、農機、一般産業機械等に用いられる伝動ベルトに関する。
農機、一般産業機械等において、動力を伝達するために広く伝動ベルトが用いられている。伝動ベルトには様々な性能が要求される。例えば、特許文献1には、エチレン含量、ジエン含量等を規定し、優れた屈曲疲労性及び耐熱性を実現したとする伝動ベルトが開示されている。
また、ゴム製品の材料コスト及び製造コストを削減する等のために、再生ゴムが使用されている。再生ゴムは、使用済みのゴム製品の架橋ゴムに化学的処理或いは物理的処理を施すことにより、再び成形加工可能な状態としたものである。特許文献2には、架橋ゴムに、温度180〜350℃及び剪断応力10〜150kg/cmの条件の脱硫処理を施す再生ゴムの製造方法が開示されている。
特開2001−82548号公報 特開平9−227724号公報
製造された伝動ベルトに様々な性能が要求されることに加えて、伝動ベルト製造するためには材料の加工性が要求される。これに関し、特許文献1の伝動ベルトは、加工性(タック性等)が悪く、ベルト成形に際してシートゴムのプライアップ時に過分な空気が入り込みやすい。入り込んだ空気は、加硫後にも残る危険性があり、その結果として品質の安定が保たれない可能性、更にはラップドVベルトの場合にはベルトの製造自体ができない可能性がある。
また、再生ゴムの使用はコスト削減に効果があるが、加硫ゴムの脱硫処理にはコストを要するので、これに関して更なるコスト削減の要求がある。
以上に鑑みて、本開示の目的は、ゴムの再利用により更にコストを削減しながら、加工性等の性能に優れた伝動ベルトを実現することである。
前記の目的を達成するために、本開示の伝動ベルトは、ベルト本体と、ベルト本体を被覆する補強布とを備え、プーリに巻き掛けられて動力を伝達するラップドVベルトにおいて、ベルト本体の少なくとも一部は、ポリマー成分としてエチレン−α−オレフィンエラストマーを含むゴム組成物からなり、当該ゴム組成物には、架橋剤としての有機過酸化物と、常温において液状である共架橋剤とが配合されている。
尚、ゴム組成物には、加硫済ゴム粉末が配合されていても良い。
前記の伝動ベルトによると、プライアップ性が向上して量産性が改善すると共に、損失係数tanδが下がって伝動能力が向上する。この効果は、ゴム組成物に加硫済ゴム粉末を配合することにより更に顕著になる。また、加硫済ゴム粉末を用いると、脱硫処理のコストを要することなくゴムの再利用が可能となり、伝動ベルトを低コスト化できる。
図1は、本開示の一実施形態における伝動ベルトの一例を示す図である。 図2は、図1の伝動ベルトの製造方法を示す図である。 図3は、本開示の実施例におけるベルトの耐久寿命の試験方法を説明する図である。 図4は、本開示の実施例におけるベルトの伝動能力の試験方法を説明する図である。
以下、本開示の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の例示的VベルトB(伝動ベルト)を示す図である。当該VベルトBは、例えば、農業機械や産業機械に使用されるものである。また、VベルトBの寸法は、特に限定されるものではないが、例えば、ベルト周長700〜5000mm、ベルト幅16〜17mm、及びベルト厚さ8〜10mmである。
VベルトBは、ベルト内周側(プーリ接触側)の底部ゴム層11と、中間の接着ゴム層12と、ベルト外周側の背面ゴム層13との三重の層に構成されたベルト本体10を備える。接着ゴム層12には、ベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように配された心線14が埋設されている。
また、ベルト本体10の全体が補強布15によって覆われ、VベルトBはラップドベルトとなっている。
底部ゴム層11を構成するゴム組成物のポリマー成分は、エチレン−α−オレフィンエラストマー(EPDM)を含む。また、当該ゴム組成物には、架橋剤としての有機過酸化物と、常温において液状である共架橋剤とが配合されている。このようなEPDMは、プライアップ性が向上して量産性が改善していると共に、低tanδであり、ベルト屈曲時の発熱を抑制できるので屈曲疲労性に優れたベルトとなる。
また、当該ゴム組成物には、加硫済ゴム粉末が配合されていても良い。このことにより、プライアップ性向上及び低tanδ化の効果がより顕著になる。また、脱硫処理を要することなく加硫済ゴムを再使用しているので、低コスト化に貢献する。
加硫済ゴム粉末は、例えば硫黄架橋されたEPDMの粉末であり、その粒径は好ましくは1μm以上、より好ましくは20μm以上であり、且つ、好ましくは1000μm以下、より好ましくは300μm以下である。
ここで、加硫済ゴム粉末は凝集しており、混合前には凝集体として上記の寸法を有する。しかし、バージンのゴムに混合して混練することにより凝集体が小さくなり、例えば粒径が好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上となり、且つ、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下となる。
また、加硫済ゴム粉末は、例えば、硫黄架橋されたEPDMを含む架橋ゴムを粉砕等により粉末状にしたものである。また、伝動ベルト等の製造工程中において架橋ゴムを切削する際に生じたゴム粉末を利用することもできる。この場合、廃棄物となるゴム粉末を再利用することができ、コストの低減にも繋がる。
また、接着ゴム層12についても、前記のゴム組成物からなるものとすることができる。更に、補強布15の少なくとも一方の面が、前記のゴム組成物により被覆されていても良い。
ここで、補強布15におけるベルト外面側については、ゴム組成物による被覆を行わないようにしても良い。このようにすると、補強布15の両面に被覆を行った場合に比べて大きく性能を落とすこと無しに、ベルトを取り付けた機械及びその周辺を汚すことの無いクリーンなベルトとなる。
前記のゴム組成物は、ポリマー成分と、これに配合されたカーボンブラックなどの補強材、架橋剤、共架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、軟化剤等からなる。
補強材としては、カーボンブラックでは、例えば、チャネルブラック;SAF、ISAF、N−339、HAF、N−351、MAF、FEF、SRF、GPF、ECF、N−234などのファーネスブラック;FT、MTなどのサーマルブラック;アセチレンブラックが挙げられる。補強剤としてはシリカも挙げられる。補強剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。補強材は、耐摩耗性及び耐屈曲性のバランスが良好となるという観点から、ゴム成分100質量部に対する配合量が30〜80質量部であることが好ましい。
架橋剤としては有機過酸化物を用い、ゴム成分100質量部に対する配合量が例えば0.5〜8質量部である。具体的には、ジクミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシアセテートなどのパーオキシエステル類、ジシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類等が挙げられる。有機過酸化物は、単一種が配合されていても、また、複数種が配合されていても、どちらでもよい。
有機過酸化物を架橋剤とする際の共架橋剤としては、常温において液状である共架橋剤を用い、ゴム成分100質量部に対する配合量が例えば1〜23質量部、より好ましくは2〜20質量部である。例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート等である。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系(例えばCZなど)、ジチオカルバミン酸塩系(例えばBZ−Pなど)のもの等が挙げられる。加硫促進剤は、単一種で構成されていても、また、複数種で構成されていても、どちらでもよい。
但し、ベルト本体10の一部には硫黄架橋されたゴム組成物を用いても良い。硫黄を架橋剤とする場合、ゴム成分100質量部に対する配合量が0.5〜4.0質量部であることが好ましい。硫黄を架橋剤とする場合、加硫促進剤として、チアゾール系(例えばMBT、MBTS等)、チウラム系(例えばTT、TRA等)の加硫促進剤を併用することが望ましい。加硫促進剤の含有量は、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して例えば0.5〜10質量部である。
加硫促進助剤としては、酸化マグネシウムや酸化亜鉛(亜鉛華)などの金属酸化物、金属炭酸塩、ステアリン酸などの脂肪酸及びその誘導体等が挙げられる。加硫促進助剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。加硫促進助剤は、ゴム成分100質量部に対する配合量が例えば0.5〜8質量部である。
老化防止剤としては、アミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体、フェノール系、亜リン酸エステル系のものが挙げられる。老化防止剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。老化防止剤は、ゴム成分100質量部に対する配合量が例えば0〜8質量部である。
軟化剤としては、例えば、石油系軟化剤、パラフィンワックスなどの鉱物油系軟化剤、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落下生油、木ろう、ロジン、パインオイルなどの植物油系軟化剤が挙げられる。軟化剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。石油系軟化剤以外の軟化剤は、ゴム成分100質量部に対する配合量が例えば2〜30質量部である。
尚、配合剤として、スメクタイト族、バーミキュライト族、カオリン族等の層状珪酸塩が含まれていてもよい。
また、補強布15を被覆するゴムは、摩擦係数低減材を含有していても良い。摩擦係数低減材としては、例えば、ナイロン短繊維、ビニロン短繊維、アラミド短繊維、ポリエステル短繊維、綿短繊維などの短繊維や超高分子量ポリエチレン樹脂等が挙げられる。
次に、接着ゴム層12及び背面ゴム層13は、断面横長矩形の帯状に構成されている。接着ゴム層12及び背面ゴム層13は、ゴム成分に種々の配合剤が配合されて混練された未架橋ゴム組成物を加熱及び加圧して架橋剤により架橋させたゴム組成物で形成されている。
接着ゴム層12及び背面ゴム層13を形成するゴム組成物のゴム成分は、底部ゴム層11と同じEPDMであるのが良い。ただし、他のゴム組成物を用いることは可能であり、例えば、エチレン−α−オレフィンエラストマー、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素添加アクリロニトリルゴム(H−NBR)等が挙げられる。
配合剤としては、底部ゴム層11と同様、例えば、カーボンブラックなどの補強材、加硫促進剤、架橋剤、老化防止剤、軟化剤等が挙げられる。
また、心線14は、ポリエステル繊維(PET)、ポリエチレンナフタレート繊維(PEN)、アラミド繊維、ビニロン繊維等の撚り糸で構成されている。心線14は、ベルト本体10に対する接着性を付与するために、成形加工前にRFL水溶液に浸漬した後に加熱する接着処理及び/又はゴム糊に浸漬した後に乾燥させる接着処理が施されている。
また、補強布15は、例えば、綿、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等の糸で形成された織布、編物、不織布等によって構成されている。補強布15は、ベルト本体10に対する接着性を付与するために、成形加工前にRFL水溶液に浸漬して加熱する接着処理、及び/又は、ベルト本体10側となる表面にゴム糊をコーティングして乾燥させる接着処理が施されても良い。
(伝動ベルトの製造方法)
以下、ラップドVベルトであるVベルトBの製造方法について、図2(a)〜(g)を参照して説明する。
まず、圧縮ゴム層用、接着ゴム層用及び伸張ゴム層用の各ゴムシート22を準備する。これは、実施形態にて説明した未架橋ゴム組成物を、カレンダロール等を用いてシート状に加工することにより得る。また心線用の撚り糸14及び補強布用の布15には接着処理を施す。
次に、図2(a)に示すように、マントル21に、圧縮ゴム層用のクロロプレンゴム組成物等のゴムシート22を複数回巻き付け、その上に、接着ゴム層用のゴムシート22を巻き付ける。更にその上に、図2(b)に示すように、接着剤を付着させたポリエステルコード等の心線14を螺旋状に巻き付ける。その上に、図2(c)に示すように、接着ゴム層用及び背面ゴム層用のゴムシート22を巻き付けて、円筒状の積層構造体20を作製する。
次いで、図2(d)に示すように、円筒状の積層構造体20をマントル21上で所定幅に輪切りにした後、それらをマントル21から取り外す。
次いで、図2(e)に示すように、環状の積層構造体20を、ゴム層の厚い側を外側にして一対のプーリ間に巻き掛け、回転させながら両エッジを斜めにカットしてV形状にスカイビング加工する。これにより体積を調整する。
続いて、図2(f)に示すように、V形状にスカイビング加工した環状の積層構造体20の外周を包むように、補強布15となるベルト形成用布25によりラッピングする。
そして、図2(g)に示すように、ラッピングした環状の積層構造体20を円筒金型23に外嵌めし、円筒金型23ごと加硫缶に入れて加熱及び加圧する。このとき、環状の積層構造体20のゴム成分が架橋して一体化することによりベルト形成用布25が補強布15となってラップドVベルトであるVベルトBが製造される。
以下に、実施例のラップドVベルトについて説明する。ここでは、底部ゴム層11して用いるために、加硫済ゴム粉を含有するゴム組成物A〜Hを調整した。また、これらのゴム組成物を用いて、実施例1〜4及び比較例1〜4のラップドVベルトを作成した。更に、比較例5として、クロロプレン製の従来のラップドVベルトを準備した。
(ゴム組成物)
表1に、実施例及び比較例のラップドVベルト本体を形成するために用いるゴム組成物A〜Hの配合を示す。
<ゴム組成物A>
ゴム成分として、EPDM(JSR株式会社製、EP33)を100質量部と、EPDMが50質量%含まれる加硫済ゴム粉末60質量部とを用いる。
これに対し、配合剤として、HAFカーボンブラック(東海カーボン社製、商品名:シースト3)を50質量部、ステアリン酸(日油社製、ビーズステアリン酸つばき)を1質量部、酸化亜鉛(堺化学工業社製、酸化亜鉛3種)を5質量部、樹脂成分(日本ゼオン社製、クイントンA100)を10質量部、オイル(出光興産社製、ダイアナプロセスPW−90)を20質量部、架橋剤である有機過酸化物((日油社製 商品名:パーブチルP−40 純度40質量%)5質量部(有効成分2質量部)、共架橋剤(三新化学工業株式会社製 商品名:サンエステルTMP)を5質量部、配合した。これを混練して、表4のゴム組成物Aを得た。
尚、ここで用いた有機過酸化物は常温において液体である。
また、本実施例の加硫済ゴム粉末は、伝動ベルトの製造工程中において架橋ゴムを切削する際に生じたゴム粉末であり、その粒径は10μm〜500μm程度である。混練後には、凝集体がより細かくなり、粒径は1μm〜200μm程度となる。
<ゴム組成物B>
ゴム組成物Aの配合において、共架橋剤のみを(ゴム組成物Aにおける5質量部に対して)2質量部に減らした配合とし、これを混練して表1のゴム組成物Bを得た。
<ゴム組成物C>
ゴム組成物Aの配合において、共架橋剤のみを(ゴム組成物Aにおける5質量部に対して)20質量部に増やした配合とし、これを混練して表1のゴム組成物Cを得た。
<ゴム組成物D>
ゴム組成物Aの配合において、加硫済ゴム粉の配合量を0(つまり、配合しない)配合とし、これを混練して表1のゴム組成物Dを得た。
<ゴム組成物E>
ゴム組成物Aの配合において、共架橋剤の配合量0質量部に減らした(つまり、共架橋剤を配合しない)配合とし、これを混練して表1のゴム組成物Eを得た。
<ゴム組成物F>
ゴム組成物Aの配合において、共架橋剤のみを(ゴム組成物Aにおける5質量部に対して)25質量部に増やした配合とし、これを混練して表1のゴム組成物Fを得た。
<ゴム組成物G>
ゴム組成物Aの配合において、共架橋剤として、サンエステルTMPに代えてジメタクリル酸亜鉛(川口化学工業株式会社製、商品名:アクターZMA)5質量部を配合した。これを混練して表1のゴム組成物Gを得た。
尚、ジメタクリル酸亜鉛は常温において固体(粉末状)である。
<ゴム組成物H>
ゴム組成物Aの配合において、架橋系を硫黄に変更した配合とした。具体的には、有機過酸化物及び共架橋剤に代えて、ゴム組成物Aと同様に、硫黄(軽井沢精錬所社製、油処理硫黄)を3質量部、チウラム系加硫促進剤である促進剤1(大内新興社製、ノクセラーTET)を2質量部、及び、チアゾール系加硫促進剤である促進剤2(大内新興社製、DM−P)を1質量部、配合した。これを混練して表1のゴム組成物Hを得た。
Figure 2016194371
(損失係数tanδ)
各実施例及び比較例の未架橋ゴム組成物について、シート状のゴムシートを成形加硫し、JIS K6394に基づいて、振動周波数10Hz及び動歪1.0%とし、その列理方向の100℃における損失係数tanδを求めた。
(ラップドVベルトの作製)
底部ゴム層11として、表2に示すようにゴム組成物A〜Hのいずれかを用い、図2(a)〜(f)に示したようにして、実施例1〜4及び比較例1〜4のラップドVベルトを作成した。接着ゴム層12及びフリクションゴムとしては、それぞれのベルトについて、加硫済ゴム粉を配合しないことを除いて底部ゴム層12のゴム組成物と同様に作製したゴム組成物を用いた。前記の通り、比較例5については、クロロプレンゴムを用いた従来のラップドVベルトを準備したものである。フリクションゴムによる補強布15に対する被覆は、いずれの場合も両面に行っている。
Figure 2016194371
<ベルト試験評価>
(ベルト耐久寿命試験)
図3に、プーリ径80mmの駆動プーリ31と、その下方に設けられたプーリ径80mmの従動プーリ32とを有するベルトの試験評価用のプーリレイアウトを示す。これらのプーリに評価対象のベルトを巻き掛け、従動プーリ32に80kgのデッドウェイトを与え、無負荷にて3500rpmで回転させた。
実施例1〜3及び比較例1〜6のラップドVベルトについて、上記の通りベルトを走行させて、底部ゴム層11にクラックが生じる(故障モード「底ゴムクラック」)か又は一定量の摩耗を生じる(故障モード「摩耗大」)までの時間を寿命として測定し、比較例5(クロロプレン製のベルト)の寿命を100として表2に示す。
(ベルト伝動能力試験)
図4に、プーリ径100mmの駆動プーリ41と、その側方に設けられたプーリ径100mmの従動プーリ42とを有するベルトの伝動能力評価用のプーリレイアウトを示す。従動リブプーリ42は、軸荷重(デッドウェイトDW)を負荷してVリブドベルトBに張力を付与できるように左右に可動に設けられている。これらのプーリに評価対象のベルトを巻き掛け、従動プーリ42に1078N(110kgf)のデッドウェイトを与え、2kwの回転負荷を加えて、駆動プーリ41を1800rpmにて回転させた。各ベルトについて、スリップ率を測定し、比較例5(クロロプレン製のベルト)の値を1として表2に示す。
更に、底部ゴムについてのプライアップ性及び損失係数tanδ(100℃における値)についても、それぞれ表2に示す。
尚、カレンダーにてフリクション加工をする場合、一本のロールにゴムを巻き付かせた状態で帆布を通し、巻き付かせたゴムの一部をすり込むように帆布に付着させる。これに関する加工性をフリクション加工性と呼び、当該フリクション加工性が悪い場合、巻き付かせたゴムが全て帆布に乗り移り、トップ加工状態になる。
また、バイアスカットした帆布同士をジョイントする際、数mmラップさせて、フリクションゴムの粘着力によってジョイントして巻き取る。これに関する加工性をラップジョイント加工性と呼び、当該ラップジョイント加工性が悪い場合、ジョイントができない、又は、一旦はジョイントできたとしても、巻き取りまでの間に一部が剥がれる等の不具合を生じる。
また、図2(f)に示したラッピングの際に、ラップした帆布は、帆布自体の粘着力で剥がれ無いようにする。これに関する加工性をカバーリング加工性と呼び、当該カバーリング加工性が悪い場合、帆布が剥がれる等の不具合が生じる。
また、図2(a)の巻き付け時の粘着性をプライアップ性と呼ぶ。当該プライアップ性が悪いと、図2(a)の時点で剥がれるか、図2(a)の時点では問題が無かったとしても、図2(d)、図2(e)等の後の工程にて剥がれる等の不具合が生じる。
(評価結果)
底部ゴム及びベルトの評価結果を表2に示す。
架橋系が有機過酸化物であり、共架橋剤が常温で液体のTMP(配合量は順に5、2及び20質量部)である実施例1〜4のラップドVベルトについて、いずれもプライアップ性は良好である。これに対し、架橋系が硫黄である比較例4と、架橋系は有機過酸化物であるが、共架橋剤が常温で固体のジメタクリル酸亜鉛である比較例3とについて、プライアップ性が悪い。また、架橋系は有機過酸化物であるが、共架橋剤を用いない比較例1の場合もプライアップ性は悪い。
更に、架橋系が有機過酸化物であり、共架橋剤がTMPである比較例2についてもプライアップ性は悪い。比較例2の場合、共架橋剤の配合量の25質量部であり、これが多過ぎるのでブリードが多くなり過ぎて粘着性が低下したと考えられる。従って、共架橋剤の配合量に適切な範囲が存在する。例えば、ゴム成分100質量部に対して1質量部以上で且つ23質量部以下とするのが良い。
次に、損失係数tanδについて、実施例1〜4では順に0.179、0.182、0.172及び0.196である。これは、架橋系が硫黄である比較例4の0.215、架橋系は有機過酸化物であるが共架橋剤を用いない比較例1の0.201に比べて低減している。また、比較例2及び3ではtanδが0.175及び0.173であるから、実施例1〜3ではこれらと同等のtanδとなっている。
また、ベルトの伝動能力(基準伝動容量時におけるクロロプレンゴムを用いた比較例11のスリップ率を1とした評価)について、実施例1〜4は順に0.91、0.99、0.96及び0.98であって、クロロプレンの場合よりも優れる。また、共架橋剤を用いない比較例1及び架橋系が硫黄である比較例4の1.05及び1.38に比べても明らかに優れている。
ベルトの耐久性について、実施例1〜4の耐久寿命は順に331、359、223及び370であり、基準としたクロロプレンゴムを用いる比較例5に比べて顕著に優れる。EPDMを用いており、共架橋剤を用いない比較例1、共架橋剤が25質量部である比較例2、架橋系が硫黄である比較例4の耐久寿命は順に205、214及び210であり、これらに対しても実施例1、2及び4は明らかに優れている。
以上の通り、比較例1〜4は、tanδ、伝動能力及び耐久試験寿命に関しては優れている部分もあるが、いずれもプライアップ性が悪いので量産性が低い。これに対し、実施例1〜4は、tanδ、伝動能力及び耐久試験寿命に関して各比較例と同等又はより優れた性能を備え、且つ、プライアップ性が良好である。クロロプレンゴムを用いる比較例5については、tanδ、プライアップ性について良好であるが、耐久試験寿命は基準とした100であり、実施例1〜4はこれに対して2倍から3倍以上の性能を有している。
このように、架橋系を有機過酸化物とし、常温において液体である共架橋剤を適量用いることにより、tanδ、伝動能力及び耐久試験寿命と、プライアップ性とについて、総合的に優れたゴム組成物を得ることができる。また、脱硫処理を行うこと無しに加硫済ゴム粉末を再利用することができるので、より低コストに伝動ベルトを製造することができる。
尚、加硫済ゴム粉を用いないゴム組成物からなる実施例4のベルトよりも、加硫済ゴム粉を用いたゴム組成物からなる実施例1〜3の方が、tanδについては明らかに優れている。伝動能力及び耐久寿命については、概ね同等である。
本開示のラップドVベルトは、耐摩耗性及び加工性が高いので、各種の一般産業機械等に用いる伝動ベルトとして有用である。また、加硫済ゴムを材料の一部として使用することにより、低コスト化を図ることができる。
10 ベルト本体
11 底部ゴム層
12 接着ゴム層
13 背面ゴム層
14 心線
15 補強布
20 積層構造体
21 マントル
22 ゴムシート
23 円筒金型
25 ベルト形成用布
31 駆動プーリ
32 従動プーリ

Claims (6)

  1. ベルト本体と、前記ベルト本体を被覆する補強布とを備え、プーリに巻き掛けられて動力を伝達するラップドVベルトにおいて、
    前記ベルト本体の少なくとも一部は、ポリマー成分としてエチレン−α−オレフィンエラストマーを含むゴム組成物からなり、
    前記ゴム組成物には、架橋剤としての有機過酸化物と、常温において液状である共架橋剤とが配合されている伝動ベルト。
  2. 請求項1に記載の伝動ベルトにおいて、
    前記ゴム組成物には、加硫済ゴム粉末が配合されていることを特徴とする伝動ベルト。
  3. 請求項2に記載の伝動ベルトにおいて、
    前記加硫済ゴム粉末は凝集体を形成しており、当該凝集体の粒径は、0.1μm以上で且つ300μmであることを特徴とする伝動ベルト。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の伝動ベルトにおいて、
    前記共架橋剤は、前記ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して1質量部から23質量部の範囲で配合されていることを特徴とする伝動ベルト。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の伝動ベルトにおいて、
    前記共架橋剤は、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリアリルイソシアヌレートの少なくとも一つであることを特徴とする伝動ベルト。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の伝動ベルトにおいて、
    前記補強布における少なくとも前記ベルト本体側の面は、前記ゴム組成物によって被覆されていることを特徴とする伝動ベルト。
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