WO2021210523A1

WO2021210523A1 - 工作機械

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Publication number: WO2021210523A1
Application number: PCT/JP2021/015115
Authority: WO
Inventors: 丹後力
Original assignee: ファナック株式会社
Priority date: 2020-04-17
Filing date: 2021-04-12
Publication date: 2021-10-21
Also published as: DE112021002370T5; US20230147655A1; JPWO2021210523A1; CN115397608A

Abstract

旋削加工の精度の低下を防止し得るとともに旋削工具（１８）の回転角度を設定し得る工作機械（１０）を提供する。工作機械は、主軸（１６）が備えられた主軸頭（１４）と、旋削工具を保持するとともに主軸に装着される工具ホルダ（２０）と、主軸頭に備えられ、旋削工具の回転角度を調整可能としつつ旋削工具を固定するための固定部材（５０）と、工具ホルダに設けられ、調整された回転角度で旋削工具を固定部材に取り付けるための取付部材（４４）と、を備え、固定部材に対する取付部材の取付箇所に応じて、旋削工具の回転角度が調整される。

Description

工作機械

　本発明は、工作機械に関する。

　特開２０１８－３４２４８号公報には、切削工具が装着される主軸を回転させつつ、主軸頭をテーブルに対して相対的に移動させることにより、ワークを切削加工する工作機械が開示されている。

　特開２０１８－３４２４８号公報に示されるような工作機械を用いて旋削加工を行うことが望まれている。旋削加工を行う工作機械は、ワーク側を回転させる一方で、モータの動作を停止させて旋削工具が装着される主軸側を回転不能に固定する。しかし、そもそも主軸は回転するように構成されている。このため、旋削加工を行う工作機械には、モータで主軸を固定したとしても、旋削加工時にワークと接触する旋削工具が主軸の回転方向に動きやすい。加工時に旋削工具が動くと加工精度が低下する。

　本発明の目的は、旋削加工の精度の低下を防止し得るとともに旋削工具の回転角度を設定し得る工作機械を提供することにある。

　本発明の一態様による工作機械は、主軸が備えられた主軸頭と、旋削工具を保持するとともに前記主軸に装着される工具ホルダと、前記主軸頭に備えられ、前記旋削工具の回転角度を調整可能としつつ前記旋削工具を固定するための固定部材と、前記工具ホルダに設けられ、調整された前記回転角度で前記旋削工具を前記固定部材に取り付けるための取付部材と、を備え、前記固定部材に対する前記取付部材の取付箇所に応じて、前記旋削工具の前記回転角度が調整される。

　本発明によれば、旋削加工の精度の低下を防止し得るとともに旋削工具の回転角度を設定し得る工作機械を提供することができる。

第１実施形態による工作機械を示す側面図である。第１実施形態による工作機械の一部を示す斜視図である。第１実施形態による工作機械の一部を示す側面図である。第１実施形態による工作機械の一部を示す側面図である。第２実施形態による工作機械の一部を示す斜視図である。第２実施形態による工作機械の一部を示す側面図である。第２実施形態による工作機械の一部を示す側面図である。第３実施形態による工作機械の一部を示す斜視図である。第３実施形態による工作機械の一部を示す側面図である。第３実施形態による工作機械の一部を示す側面図である。第４実施形態による工作機械の一部を示す側面図である。第４実施形態による工作機械の一部を示す側面図である。

　本発明による工作機械について、好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下に詳細に説明する。

　［第１実施形態］
　第１実施形態による工作機械について図面を用いて説明する。図１は、本実施形態による工作機械を示す側面図である。

　工作機械１０は、主軸１６に取り付けられた旋削工具１８により加工対象物２２、即ち、ワークを加工するものである。

　工作機械１０には、主軸頭１４が備えられている。主軸頭１４には、主軸１６が備えられている。主軸１６には、旋削工具１８を保持する工具ホルダ２０が着脱可能に装着される。主軸１６は、工具に対して回転運動を与え得るものであるが、本実施形態では、モータの動作を停止させるとともに、後述する固定部材５０によって旋削工具１８を固定する。なお、図１には、主軸頭１４が１つのみ備えられている場合の例が示されているが、複数の主軸頭１４が備えられていてもよい。そして、複数の主軸頭１４の各々に主軸１６が備えられていてもよい。この場合、同様の仕様の複数の主軸１６が備えられてもよいし、異なる仕様の複数の主軸１６が備えられてもよい。また、主軸１６は、特に限定されるものではなく、例えば、エアスピンドル等であってもよい。

　工作機械１０には、主軸頭１４を上下方向に移動させるコラム２４と、加工対象物２２を回転可能に支持する付加軸装置２６と、付加軸装置２６を第１方向及び第２方向に移動させるテーブル３４とが備えられている。第１方向と第２方向とは互いに直交している。第１方向はＹ方向であり、第２方向はＸ方向である。また、Ｙ方向及びＸ方向に直交する方向をＺ方向とする。重力が働く方向である下方向は－Ｚ方向であり、上方向は＋Ｚ方向である。主軸１６の軸方向は、Ｚ方向に対して平行である。

　付加軸装置２６は、主軸１６の下方に位置している。付加軸装置２６には、回転台３０が備えられている。加工対象物２２は、回転台３０上に固定される。回転台３０には、加工対象物２２が例えば吸着固定され得るが、これに限定されるものではない。付加軸装置２６には、回転台３０の回転軸の角度を傾斜させる傾斜機構２７が備えられている。回転台３０は、傾斜機構２７によって任意の角度に傾斜され得る。付加軸装置２６によって付加される回転軸は、回転台３０を回転させる回転軸と、回転台３０を傾斜させる回転軸である。即ち、付加軸装置２６によって、２つの回転軸が付加される。

　主軸１６のＺ方向への移動と、付加軸装置２６のＸ方向及びＹ方向への移動と、付加軸装置２６による加工対象物２２の回転と、回転台３０の傾斜とによって、工作機械１０は、加工対象物２２に対する３次元加工を行い得る。

　付加軸装置２６は、テーブル３４によって支持されている。テーブル３４は、サドル３６によって支持されている。テーブル３４には、当該テーブル３４をサドル３６に対してＸ方向に移動させる不図示のＸ軸用移動機構が備えられている。このため、テーブル３４は、サドル３６に対してＸ軸方向に移動し得る。サドル３６は、ベッド３２によって支持されている。サドル３６には、当該サドル３６をベッド３２に対してＹ軸方向に移動させる不図示のＹ軸用移動機構が備えられている。このため、サドル３６は、ベッド３２に対してＹ軸方向に移動し得る。こうして、テーブル３４は、ベッド３２に対してＸＹ方向に移動し得る。Ｙ軸用移動機構及びＸ軸用移動機構には、周知のものを用い得る。

　工作機械１０には、不図示のスプラッシュガードが備えられている。スプラッシュガードは、工作機械１０の加工領域を囲っている。スプラッシュガードは、加工によって発生した切粉、切屑等を含む切削片、切削液等が周囲に飛散することを防止するためのものである。加工領域には、加工時に旋削工具１８に向けて切削液を吐出する不図示のノズルが設けられている。こうして、本実施形態による工作機械１０が構成されている。

　図２は、本実施形態による工作機械の一部を示す斜視図である。図３及び図４は、本実施形態による工作機械の一部を示す側面図である。主軸頭１４の近傍の構成が、図２～図４には示されている。工具ホルダ２０が主軸１６に装着される前の状態が図３には示されている。工具ホルダ２０が主軸１６に装着された状態が図２及び図４には示されている。

　工具ホルダ（保持部材）２０は、旋削工具１８を保持するとともに主軸１６に装着される。図３に示すように、工具ホルダ２０には、柱状部材４０と、突出部４２と、取付部材４４とが備えられている。突出部４２は、柱状部材４０の一方の主面側に備えられている。柱状部材４０の他方の主面側には、旋削工具１８が備えられる。突出部４２は、旋削工具１８の軸方向に突出している。旋削工具１８の先端部には、例えば旋削チップ１８ａ、即ち、刃先が備えられている。

　主軸頭１４には、固定部材５０が備えられている。固定部材５０は、旋削工具１８の回転角度（割り出し角度）を調整可能としつつ、旋削工具１８を固定するためのものである。固定部材５０は、例えば、法線方向が主軸１６の軸方向である板状体によって構成され得るが、これに限定されるものではない。固定部材５０には、図２に示すように、複数の穴５２、即ち、複数の貫通穴が形成されている。図２においては、穴５２が３つのみ図示されているが、穴５２の数は３つに限定されるものではない。

　取付部材４４は、調整された回転角度で固定部材５０に旋削工具１８を取り付けるためのものである。旋削工具１８が工具ホルダ２０を介して主軸１６に固定されるのみならず、工具ホルダ２０に備えられた取付部材４４を介して旋削工具１８が固定部材５０に固定されるため、旋削工具１８の先端に備えられた旋削チップ１８ａがより良好に固定される。図３に示すように、取付部材４４には、第１部分４６Ａと、第２部分４６Ｂと、第３部分４６Ｃとが備えられている。第１部分４６Ａは、旋削工具１８の軸方向に交差する方向に工具ホルダ２０から突出している。より具体的には、第１部分４６Ａは、旋削工具１８の軸方向に対して垂直な方向に工具ホルダ２０から突出している。第１部分４６Ａの平面形状は、図２に示すように、例えば矩形であるが、これに限定されるものではない。柱状部材４０と第１部分４６Ａとは、一体に成形されていてもよいし、溶接等によって接続されていてもよい。また、第１部分４６Ａが柱状部材４０から取り外し可能であってもよい。柱状部材４０に例えば雌ねじを形成し、第１部分４６Ａの先端に例えば雄ねじを形成し、当該雌ねじに当該雄ねじをねじ込ませることによって、第１部分４６Ａを柱状部材４０に固定するようにしてもよい。旋削工具１８の回転角度を調整する際、第１部分４６Ａは、旋削工具１８の中心軸を中心として、柱状部材４０と一体的に回転する。

　第２部分４６Ｂは、第１部分４６Ａから突出している。第２部分４６Ｂの長手方向、即ち、第２部分４６Ｂの突出方向は、第１部分４６Ａの長手方向に交差する方向である。より具体的には、第２部分４６Ｂの突出方向は、旋削工具１８の軸方向に対して平行である。即ち、第２部分４６Ｂの突出方向は、突出部４２の突出方向と同じである。第２部分４６Ｂは、例えば柱状、より具体的には円柱状に形成されているが、これに限定されるものではない。第２部分４６Ｂの下端が、第１部分４６Ａに固定されている。旋削工具１８の中心軸と第２部分４６Ｂの中心軸との間の距離は、主軸１６の中心軸と穴５２の中心軸との間の距離と同等である。第１部分４６Ａと第２部分４６Ｂとは、一体に成形されていてもよいし、溶接等によって接続されていてもよい。第２部分４６Ｂが第１部分４６Ａから取り外し可能であってもよい。第１部分４６Ａに例えば雄ねじを形成し、第２部分４６Ｂに例えば雌ねじを形成し、当該雌ねじに当該雄ねじをねじ込ませることによって、第２部分４６Ｂを第１部分４６Ａに固定するようにしてもよい。旋削工具１８の回転角度を調整する際、第２部分４６Ｂは、旋削工具１８の中心軸を中心として、第１部分４６Ａと一体的に回転する。

　第３部分４６Ｃは、第２部分４６Ｂから突出している。第３部分４６Ｃの突出方向は、例えば、突出部４２の突出方向と同じである。第３部分４６Ｃは、例えば円錐台状に形成されているが、これに限定されるものではない。第３部分４６Ｃの上面の面積は、第３部分４６Ｃの下面の面積より小さく設定されている。第３部分４６Ｃの下面の径の寸法は、固定部材５０に備えられた穴５２の径と同等の寸法、又は、穴５２の径に対してわずかに小さい寸法に設定されている。第３部分４６Ｃの側面はテーパ状になっている。第３部分４６Ｃの側面がテーパ状になっているため、穴５２への第３部分４６Ｃの挿入が容易である。第２部分４６Ｂと第３部分４６Ｃとは、一体に成形されていてもよいし、溶接等によって接続されていてもよい。第３部分４６Ｃが第２部分４６Ｂから取り外し可能であってもよい。第３部分４６Ｃの下面側に例えば雄ねじを形成し、第２部分４６Ｂの上端に例えば雌ねじを形成し、当該雌ねじに当該雄ねじをねじ込ませることによって、第３部分４６Ｃを第２部分４６Ｂに固定するようにしてもよい。

　工具ホルダ２０が主軸１６に装着される際には、主軸１６の下端部に形成された装着穴１６ａに突出部４２が挿入される。

　突出部４２が装着穴１６ａに挿入される際には、複数の穴５２のうちのいずれかに第３部分４６Ｃが挿入される。第３部分４６Ｃが穴５２に挿入されることによって、取付部材４４が固定部材５０によって係止される。これにより、旋削工具１８の中心軸を中心として取付部材４４が回転しない状態となる。換言すれば、当該穴５２において取付部材４４が固定部材５０に固定される。いずれの穴５２に第３部分４６Ｃが挿入されるかによって、旋削工具１８の回転角度が異なる。即ち、固定部材５０に対する取付部材４４の取付箇所に応じて、旋削工具１８の回転角度が調整される。

　旋削工具１８の回転角度を変更したい場合には、工具ホルダ２０を主軸１６から取り外す。工具ホルダ２０を主軸１６から取り外すと、第３部分４６Ｃが穴５２に挿入されていない状態となる。第３部分４６Ｃが挿入されていた穴５２とは異なる穴５２に第３部分４６Ｃが挿入されるように工具ホルダ２０の再装着が行われると、旋削工具１８の回転角度が変化する。このように、工具ホルダ２０が装着される際に第３部分４６Ｃが挿入される穴５２を適宜選択することによって、旋削工具１８の回転角度が調整される。

　このように、本実施形態によれば、旋削工具１８の回転角度を調整可能としつつ旋削工具１８を固定するための固定部材５０が主軸頭１４に備えられ、調整された回転角度で旋削工具１８を固定部材５０に取り付けるための取付部材４４が工具ホルダ２０に設けられている。本実施形態によれば、旋削工具１８が工具ホルダ２０を介して主軸１６に固定されるのみならず、工具ホルダ２０に備えられた取付部材４４を介して旋削工具１８が固定部材５０に固定されるため、旋削工具１８の先端に備えられた旋削チップ１８ａがより良好に固定される。しかも、本実施形態によれば、固定部材５０に対する取付部材４４の取付箇所に応じて旋削工具１８の回転角度が調整される。従って、本実施形態によれば、旋削加工の精度の低下を防止し得るとともに旋削工具１８の回転角度を設定し得る工作機械１０を提供することができる。

　［第２実施形態］
　第２実施形態による工作機械について図５～図７を用いて説明する。図５は、本実施形態による工作機械の一部を示す斜視図である。図６及び図７は、本実施形態による工作機械の一部を示す側面図である。工具ホルダ２０が主軸１６に装着される前の状態が図６には示されている。工具ホルダ２０が主軸１６に装着された状態が図５及び図７には示されている。図１～図４に示す第１実施形態による工作機械と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略又は簡潔にする。

　本実施形態による工作機械１０は、複数の連結部材５４が固定部材５０に備えられており、複数の連結部材５４のうちのいずれかを介して取付部材４４Ａが固定部材５０に固定されるものである。

　図６に示すように、本実施形態においては、取付部材４４Ａが、第１部分４６Ａと、第３部分４６Ｃとによって構成されている。第３部分４６Ｃは、第１部分４６Ａから突出している。

　図５に示すように、固定部材５０には、複数の連結部材５４が備えられている。複数の連結部材５４は、取付部材４４Ａに向かう方向に固定部材５０から突出している。複数の連結部材５４は、例えば複数の穴５２の各々において固定されている。連結部材５４は、例えばボルト５６を用いて固定部材５０に固定されているが、これに限定されるものではない。連結部材５４に例えば雄ねじを形成し、固定部材５０に例えば雌ねじを形成し、当該雌ねじに当該雄ねじをねじ込ませることによって、連結部材５４を固定部材５０に固定するようにしてもよい。また、固定部材５０と連結部材５４とが、一体に成形されていてもよいし、溶接等によって接続されていてもよい。連結部材５４の下端部には、穴５８が形成されている。穴５８には、第３部分４６Ｃが挿入される。穴５８の径は、第３部分４６Ｃの下面の径の寸法と同等、又は、第３部分４６Ｃの下面の径に対してわずかに大きい寸法に設定されている。

　工具ホルダ２０が主軸１６に装着される際には、主軸１６の下端部に形成された装着穴１６ａに突出部４２が挿入されるとともに、複数の連結部材５４のうちのいずれかの穴５８に第３部分４６Ｃが挿入される。第３部分４６Ｃが穴５８に挿入されることによって、取付部材４４Ａが連結部材５４を介して固定部材５０により係止される。これにより、旋削工具１８の中心軸を中心として取付部材４４Ａが回転しない状態となる。いずれの連結部材５４に第３部分４６Ｃが係合されるかによって、旋削工具１８の回転角度が異なる。即ち、固定部材５０に対する取付部材４４Ａの取付箇所に応じて、旋削工具１８の回転角度が調整される。

　旋削工具１８の回転角度を変更したい場合には、工具ホルダ２０を主軸１６から取り外す。工具ホルダ２０を主軸１６から取り外すと、第３部分４６Ｃが穴５８に挿入されていない状態となる。取付部材４４Ａが係合されていた連結部材５４とは異なる連結部材５４に取付部材４４Ａが係合されるように工具ホルダ２０の再装着が行われると、旋削工具１８の回転角度が変化する。このように、工具ホルダ２０が装着される際に取付部材４４Ａが係合される連結部材５４を適宜選択することによって、旋削工具１８の回転角度が調整される。

　このように、本実施形態によれば、複数の連結部材５４が固定部材５０に備えられており、複数の連結部材５４のうちのいずれかを介して取付部材４４Ａが固定部材５０に固定される。本実施形態においても、旋削工具１８が工具ホルダ２０を介して主軸１６に固定されるのみならず、工具ホルダ２０に備えられた取付部材４４Ａを介して旋削工具１８が固定部材５０に取り付けられるため、旋削工具１８の先端に備えられた旋削チップ１８ａが良好に固定される。しかも、取付部材４４Ａが係合される連結部材５４の箇所に応じて旋削工具１８の回転角度が調整される。従って、本実施形態においても、旋削加工の精度の低下を防止し得るとともに旋削工具１８の回転角度を設定し得る工作機械１０を提供することができる。

　［第３実施形態］
　第３実施形態による工作機械について図８～図１０を用いて説明する。図８は、本実施形態による工作機械の一部を示す斜視図である。図９及び図１０は、本実施形態による工作機械の一部を示す側面図である。工具ホルダ２０が主軸１６に装着される前の状態が図９には示されている。工具ホルダ２０が主軸１６に装着された状態が図８及び図１０には示されている。図１～図７に示す第１又は第２実施形態による工作機械と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略又は簡潔にする。

　本実施形態による工作機械１０は、円弧状のスリット６０が固定部材５０に備えられており、取付部材４４Ｂがスリット６０において固定部材５０に固定されるものである。

　図９に示すように、本実施形態においては、取付部材４４Ｂが、第１部分４６Ａと、第２部分４６Ｂと、第３部分４６Ｃとによって構成されている。本実施形態では、第１部分４６Ａが長めに形成されており、第１部分４６Ａ上にクランプ装置６２が固定されている。

　クランプ装置６２は、スリット６０における任意の箇所で取付部材４４Ｂを固定部材５０に固定するためのものである。クランプ装置６２としては、例えば油圧クランプ装置等を用い得るが、これに限定されるものではない。クランプ装置６２には、ロッド６４が備えられている。クランプ装置６２は、ロッド６４を上下方向に変位させ得る。

　工具ホルダ２０の主軸１６への装着は、例えば、以下のようにして行われる。即ち、クランプ装置６２のロッド６４を上昇させた状態で、主軸１６の下端部に形成された装着穴１６ａに突出部４２を挿入するとともに、固定部材５０に形成された円弧状のスリット６０に第３部分４６Ｃを挿入する。この後、クランプ装置６２のロッド６４を下降させることにより、取付部材４４Ｂの第２部分４６Ｂとクランプ装置６２のロッド６４との間に固定部材５０が挟み込まれる。これにより、取付部材４４Ｂが固定部材５０に固定され、旋削工具１８の中心軸を中心として取付部材４４Ｂが回転しない状態となる。円弧状のスリット６０のうちのいずれの箇所で取付部材４４Ｂが固定部材５０に固定されるかによって、旋削工具１８の回転角度が異なる。即ち、固定部材５０に対する取付部材４４Ｂの取付箇所に応じて、旋削工具１８の回転角度が調整される。

　旋削工具１８の回転角度を変更したい場合には、クランプ装置６２のロッド６４を上昇させる。クランプ装置６２のロッド６４を上昇させると、取付部材４４Ｂが固定部材５０に固定されない状態となる。これにより、旋削工具１８の回転角度を変更することが可能となる。旋削工具１８の回転角度を変更した後、クランプ装置６２のロッド６４を下降させる。クランプ装置６２のロッド６４を下降させることにより、取付部材４４Ｂの第２部分４６Ｂとクランプ装置６２のロッド６４との間に固定部材５０が挟み込まれる。これにより、取付部材４４Ｂが固定部材５０に固定され、旋削工具１８の中心軸を中心として取付部材４４Ｂが回転しない状態となる。こうして、旋削工具１８の回転角度が変更される。

　このように、本実施形態によれば、円弧状のスリット６０が固定部材５０に備えられており、取付部材４４Ｂがスリット６０において固定部材５０に固定される。本実施形態においても、旋削工具１８が工具ホルダ２０を介して主軸１６に固定されるのみならず、工具ホルダ２０に備えられた取付部材４４Ｂを介して旋削工具１８が固定部材５０に取り付けられるため、旋削工具１８の先端に備えられた旋削チップ１８ａが良好に固定される。本実施形態によれば、スリット６０のうちの任意の箇所において取付部材４４Ｂが固定部材５０に固定され得るため、旋削工具１８の回転角度の微調整が可能となる。

　［第４実施形態］
　第４実施形態による工作機械について図１１及び図１２を用いて説明する。図１１及び図１２は、本実施形態による工作機械の一部を示す側面図である。工具ホルダ２０が主軸１６に装着される前の状態が図１１には示されている。工具ホルダ２０が主軸１６に装着された状態が図１２には示されている。図１～図１０に示す第１～第３実施形態による工作機械と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略又は簡潔にする。

　本実施形態による工作機械１０では、円弧状のスリット６０（図８参照）が固定部材５０に備えられていない。本実施形態においても、第３実施形態と同様に、クランプ装置６２によって取付部材４４Ｃが固定部材５０に固定される。

　図１１に示すように、本実施形態においては、取付部材４４Ｃが、第１部分４６Ａと、第２部分４６Ｂとによって構成されている。本実施形態においても、第３実施形態と同様に、第１部分４６Ａが長めに形成されており、第１部分４６Ａ上にクランプ装置６２が設けられている。

　工具ホルダ２０の主軸１６への装着は、例えば、以下のようにして行われる。即ち、クランプ装置６２のロッド６４を上昇させた状態で、主軸１６の下端部に形成された装着穴１６ａに突出部４２を挿入する。この後、クランプ装置６２のロッド６４を下降させることにより、取付部材４４Ｃの第２部分４６Ｂとクランプ装置６２のロッド６４との間に固定部材５０が挟み込まれる。これにより、取付部材４４Ｃが固定部材５０に固定され、旋削工具１８の中心軸を中心として取付部材４４Ｃが回転しない状態となる。いずれの箇所で取付部材４４Ｃが固定部材５０に固定されるかによって、旋削工具１８の回転角度が異なる。即ち、固定部材５０に対する取付部材４４Ｃの取付箇所に応じて、旋削工具１８の回転角度が調整される。

　旋削工具１８の回転角度を変更したい場合には、クランプ装置６２のロッド６４を上昇させる。クランプ装置６２のロッド６４を上昇させると、取付部材４４Ｃが固定部材５０に固定されない状態となる。これにより、旋削工具１８の回転角度を変更することが可能となる。旋削工具１８の回転角度を変更した後、クランプ装置６２のロッド６４を下降させる。クランプ装置６２のロッド６４を下降させることにより、取付部材４４Ｃの第２部分４６Ｂとクランプ装置６２のロッド６４との間に固定部材５０が挟み込まれる。これにより、取付部材４４Ｃが固定部材５０に固定され、旋削工具１８の中心軸を中心として取付部材４４Ｃが回転しない状態となる。こうして、旋削工具１８の回転角度が変更される。

　このように、円弧状のスリット６０が固定部材５０に備えられていなくてもよい。本実施形態においても、旋削工具１８が工具ホルダ２０を介して主軸１６に固定されるのみならず、工具ホルダ２０に備えられた取付部材４４Ｃを介して旋削工具１８が固定部材５０に取り付けられるため、旋削工具１８の先端に備えられた旋削チップ１８ａが良好に固定される。また、本実施形態においても、取付部材４４Ｃがクランプ装置６２によって固定部材５０に固定される。本実施形態においても、任意の箇所に取付部材４４Ｃが固定され得るため、旋削工具１８の回転角度の微調整が可能となる。

　［変形実施形態］
　本発明についての好適な実施形態を上述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能である。

　例えば、第３実施形態では、クランプ装置６２によって取付部材４４Ｂが固定部材５０に固定される場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。クランプ装置６２以外の締結部材を用いて取付部材４４Ｂが固定部材５０に固定されるようにしてもよい。例えば、第３部分４６Ｃの上面側に雌ねじを形成し、不図示の蝶ボルト等に備えられた雄ねじを当該雌ねじにねじ込ませることによって、取付部材４４Ｂを固定部材５０に固定するようにしてもよい。

　上記実施形態をまとめると以下のようになる。

　工作機械（１０）は、主軸（１６）が備えられた主軸頭（１４）と、旋削工具（１８）を保持するとともに前記主軸に装着される工具ホルダ（２０）と、前記主軸頭に備えられ、前記旋削工具の回転角度を調整可能としつつ前記旋削工具を固定するための固定部材（５０）と、前記工具ホルダに設けられ、調整された前記回転角度で前記旋削工具を前記固定部材に取り付けるための取付部材（４４）と、を備え、前記固定部材に対する前記取付部材の取付箇所に応じて、前記旋削工具の前記回転角度が調整される。このような構成によれば、旋削工具が工具ホルダを介して主軸に固定されるのみならず、工具ホルダに備えられた取付部材を介して旋削工具が固定部材に取り付けられるため、旋削工具の先端に備えられた旋削チップが良好に固定される。しかも、このような構成によれば、固定部材に対する取付部材の取付箇所に応じて旋削工具の回転角度が調整される。従って、このような構成によれば、旋削加工の精度の低下を防止し得るとともに旋削工具の回転角度を設定し得る工作機械を提供することができる。

　前記固定部材は、法線方向が前記主軸の軸方向である板状体であるようにしてもよい。

　前記固定部材には、複数の穴（５２）が備えられており、前記取付部材は、前記複数の穴のうちのいずれかにおいて前記固定部材に固定されるようにしてもよい。

　前記取付部材は、前記旋削工具の軸方向に交差する方向に前記工具ホルダから突出する第１部分（４６Ａ）と、前記第１部分から前記固定部材に向かって突出する第２部分（４６Ｂ）とを備え、前記第２部分が前記固定部材に固定されるようにしてもよい。

　前記固定部材には、複数の連結部材（５４）が備えられており、前記取付部材は、前記複数の連結部材のうちのいずれかを介して前記固定部材に固定されるようにしてもよい。

　前記固定部材には、円弧状のスリット（６０）が形成されており、前記取付部材は、前記スリットにおいて前記固定部材に固定されるようにしてもよい。このような構成によれば、スリットのうちの任意の箇所に取付部材が固定され得るため、旋削工具の回転角度の微調整が可能となる。

　クランプ装置（６２）を更に備え、前記取付部材は、前記クランプ装置によって前記固定部材に固定されるようにしてもよい。

Claims

　主軸（１６）が備えられた主軸頭（１４）と、
　旋削工具（１８）を保持するとともに前記主軸に装着される工具ホルダ（２０）と、
　前記主軸頭に備えられ、前記旋削工具の回転角度を調整可能としつつ前記旋削工具を固定するための固定部材（５０）と、
　前記工具ホルダに設けられ、調整された前記回転角度で前記旋削工具を前記固定部材に取り付けるための取付部材（４４）と、
　を備え、
　前記固定部材に対する前記取付部材の取付箇所に応じて、前記旋削工具の前記回転角度が調整される、工作機械（１０）。
　請求項１に記載の工作機械において、
　前記固定部材は、法線方向が前記主軸の軸方向である板状体である、工作機械。
　請求項１又は２に記載の工作機械において、
　前記固定部材には、複数の穴（５２）が備えられており、
　前記取付部材は、前記複数の穴のうちのいずれかにおいて前記固定部材に固定される、工作機械。
　請求項３に記載の工作機械において、
　前記取付部材は、前記旋削工具の軸方向に交差する方向に前記工具ホルダから突出する第１部分（４６Ａ）と、前記第１部分から前記固定部材に向かって突出する第２部分（４６Ｂ）とを備え、
　前記第２部分が前記固定部材に固定される、工作機械。
　請求項３に記載の工作機械において、
　前記固定部材には、複数の連結部材（５４）が備えられており、
　前記取付部材は、前記複数の連結部材のうちのいずれかを介して前記固定部材に固定される、工作機械。
　請求項１又は２に記載の工作機械において、
　前記固定部材には、円弧状のスリット（６０）が形成されており、
　前記取付部材は、前記スリットにおいて前記固定部材に固定される、工作機械。
　請求項１、２又は６に記載の工作機械において、
　クランプ装置（６２）を更に備え、
　前記取付部材は、前記クランプ装置によって前記固定部材に固定される、工作機械。