WO2021145271A1 - 蓄電装置 - Google Patents

Abstract

蓄電装置（１０）は、極板が積層方向（Ｚ軸方向）に積層された電極体（２３０ｆ）を有する２つの蓄電素子（２３０）であって、当該積層方向と交差する配列方向（Ｘ軸方向）に配列される第一蓄電素子（２３１）及び第二蓄電素子（２３２）と、当該積層方向において第一蓄電素子（２３１）及び第二蓄電素子（２３２）を挟む第一拘束体（１１０）及び第二拘束体（２００）と、を備え、第一拘束体（１１０）は、第一蓄電素子（２３１）及び第二蓄電素子（２３２）を跨ぐように当該配列方向に延設されて配置され、第二拘束体（２００）は、第一拘束体（１１０）とで第一蓄電素子（２３１）を挟み、かつ、第一蓄電素子（２３１）が有する容器（２３０ａ）の本体と蓋との接合部（２３０ａ３）を跨ぐように配置される第一部材（２０１）と、第一拘束体（１１０）とで第二蓄電素子（２３２）を挟む、第一部材（２０１）とは別体の第二部材（２０２）と、を有する。

Description

蓄電装置

　本発明は、複数の蓄電素子を備える蓄電装置に関する。

　従来、複数の蓄電素子と、複数の蓄電素子をその配列方向と交差する方向で挟む一対の拘束体と、を備える蓄電装置が知られている。特許文献１には、複数の電池セル（蓄電素子）の配列方向と交差する方向の端部に一対のエンドプレート（拘束体）を配置し、エンドプレート同士を拘束プレートおよび拘束バンドにより連結する電池モジュール（蓄電装置）が開示されている。

特開２０１８－９７９８３号公報

　上記従来の蓄電装置では、複数の蓄電素子の膨れを効果的に抑制できない場合がある。

　本発明は、複数の蓄電素子の膨れを効果的に抑制できる蓄電装置を提供することを目的とする。

　本発明の一態様に係る蓄電装置は、極板が積層方向に積層された電極体を有する２つの蓄電素子であって、前記積層方向と交差する配列方向に配列される第一蓄電素子及び第二蓄電素子と、前記積層方向において前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子を挟む第一拘束体及び第二拘束体と、を備え、前記第一拘束体は、前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子を跨ぐように前記配列方向に延設されて配置され、前記第二拘束体は、前記第一拘束体とで前記第一蓄電素子を挟み、かつ、前記第一蓄電素子が有する容器の本体と蓋との接合部を跨ぐように配置される第一部材と、前記第一拘束体とで前記第二蓄電素子を挟む、前記第一部材とは別体の第二部材と、を有する。

　本発明は、蓄電装置として実現できるだけでなく、第一拘束体及び第二拘束体としても実現できる。

　本発明における蓄電装置によれば、複数の蓄電素子の膨れを効果的に抑制できる。

図１は、実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。 図２は、実施の形態に係る蓄電装置において外装体の本体と蓋とを分離して外装体の内方を示す斜視図である。 図３は、実施の形態に係る蓄電装置の外装体の内方の各構成要素を分解して示す分解斜視図である。 図４は、実施の形態に係る蓄電素子の外観を示す斜視図である。 図５は、実施の形態に係る蓄電素子を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。 図６は、実施の形態に係る第一拘束体及び第二拘束体の第一部材の構成を示す斜視図である。 図７は、実施の形態に係る第一拘束体の構成を示す斜視図である。

　上記従来の蓄電装置では、一対の拘束体によって、複数の蓄電素子をその配列方向と交差する方向で挟むことで、複数の蓄電素子が膨れるのを抑制している。しかしながら、蓄電素子の膨れ量は、蓄電素子ごとに異なる。このため、上記従来の蓄電装置のように、複数の蓄電素子を一対の拘束体で挟む構成では、膨れ量が大きな蓄電素子がある場合、他の蓄電素子の膨れ抑制に影響を及ぼしてしまうおそれがある。このように、上記従来の蓄電装置では、複数の蓄電素子の膨れを効果的に抑制できない場合がある。

　本発明は、本願発明者が上記課題に新たに着目してなされたものであり、複数の蓄電素子の膨れを効果的に抑制できる蓄電装置を提供することを目的とする。

　上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電装置は、極板が積層方向に積層された電極体を有する２つの蓄電素子であって、前記積層方向と交差する配列方向に配列される第一蓄電素子及び第二蓄電素子と、前記積層方向において前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子を挟む第一拘束体及び第二拘束体と、を備え、前記第一拘束体は、前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子を跨ぐように前記配列方向に延設されて配置され、前記第二拘束体は、前記第一拘束体とで前記第一蓄電素子を挟み、かつ、前記第一蓄電素子が有する容器の本体と蓋との接合部を跨ぐように配置される第一部材と、前記第一拘束体とで前記第二蓄電素子を挟む、前記第一部材とは別体の第二部材と、を有する。

　これによれば、蓄電装置において、第一蓄電素子及び第二蓄電素子は、電極体の極板の積層方向と交差する配列方向に配列され、第一拘束体と第二拘束体の第一部材とで第一蓄電素子を挟み、第一拘束体と第二拘束体の第二部材とで第二蓄電素子を挟む。第一蓄電素子及び第二蓄電素子は、電極体の極板の積層方向に膨れるため、第一蓄電素子及び第二蓄電素子が当該積層方向と交差する配列方向に配列される場合、第一蓄電素子及び第二蓄電素子が個別に膨れる。このため、第一拘束体及び第一部材によって第一蓄電素子を挟み、第一拘束体及び第二部材によって第二蓄電素子を挟む。これにより、第一拘束体で第一蓄電素子及び第二蓄電素子を一体的に取り扱うことができ、かつ、第一蓄電素子及び第二蓄電素子の膨れを個別に抑制できる。したがって、例えば第一蓄電素子の膨れ量が大きい場合でも、第二蓄電素子の膨れ抑制に影響を及ぼすのを抑制できるため、複数の蓄電素子の膨れを効果的に抑制できる。第一部材が、第一蓄電素子が有する容器の本体と蓋との接合部を跨ぐように配置されることで、第一部材が接合部を補強するため、第一蓄電素子が膨れた場合でも接合部の損傷を抑制できる。このように、複数の蓄電素子の膨れを抑制するとともに、蓄電素子が膨れた場合でも接合部の損傷を抑制することで、複数の蓄電素子の損傷を抑制できる。

　前記第一拘束体と前記第一部材とは、前記積層方向及び前記配列方向と交差する交差方向において、前記第一蓄電素子を挟む位置で接合されてもよい。

　第一拘束体と第一部材とを第一蓄電素子及び第二蓄電素子の間で接合する場合には、第一蓄電素子及び第二蓄電素子の間の隙間が大きくなる。このため、第一拘束体と第一部材とを、積層方向及び配列方向と交差する交差方向において、第一蓄電素子を挟む位置で接合する。これにより、第一蓄電素子及び第二蓄電素子の間の隙間（配列方向における隙間）を小さくできるため、当該配列方向における省スペース化及び強度の向上を図ることができる。このように、省スペース化及び強度の向上を図りつつ、複数の蓄電素子の膨れを効果的に抑制できる。

　前記蓄電装置は、前記積層方向に並ぶ複数の前記第一蓄電素子を備え、前記第一拘束体と前記第一部材とは、前記積層方向において、前記複数の第一蓄電素子を挟むことにしてもよい。

　これによれば、第一蓄電素子が積層方向に複数並ぶ場合、第一拘束体と第一部材とで、複数の第一蓄電素子を当該積層方向で挟む。これにより、複数の第一蓄電素子の膨れを効果的に抑制できる。

　前記蓄電装置は、前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子を収容する外装体を備え、前記外装体は、前記第一拘束体と、前記第一拘束体に接続されて前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子を覆う蓋体と、を有してもよい。

　これによれば、蓄電装置の外装体は、第一拘束体と、第一拘束体に接続される蓋体とを有している。つまり、第一拘束体は、外装体の一部としての機能も有している。これにより、部品点数を低減できるため、簡易な構成で、複数の蓄電素子の膨れを効果的に抑制できる。

　前記第一拘束体は、前記積層方向に突出し、かつ、前記配列方向に延設される凸部を有してもよい。

　第一蓄電素子及び第二蓄電素子が、積層方向と交差する配列方向に配列されることで、当該配列方向における長さが長くなって当該配列方向における強度が弱くなるおそれがある。このため、第一拘束体に、積層方向に突出しかつ配列方向に延設される凸部を設ける。これにより、第一拘束体の当該配列方向における強度を向上させることができるため、当該配列方向において、第一蓄電素子及び第二蓄電素子の保護の向上を図ることができる。このように、複数の蓄電素子の保護の向上を図りつつ、複数の蓄電素子の膨れを効果的に抑制できる。

　以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態（その変形例も含む）に係る蓄電装置について説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。

　以下の説明及び図面中において、蓄電装置の外装体の長手方向、補強部材及びその凸部の延設方向、第一蓄電素子及び第二蓄電素子等の複数の蓄電素子の配列方向、蓄電素子と電気機器との並び方向、蓄電素子の容器の短側面の対向方向、または、１つの蓄電素子における一対の電極端子の並び方向を、Ｘ軸方向と定義する。蓄電素子の容器の本体と蓋との並び方向を、Ｙ軸方向と定義する。外装体の本体と蓋との並び方向、一対の拘束体の並び方向、蓄電素子と拘束体との並び方向、蓄電素子の容器の長側面の対向方向、蓄電素子の電極体の極板の積層方向、または、上下方向を、Ｚ軸方向と定義する。これらＸ軸方向、Ｙ軸方向及びＺ軸方向は、互いに交差（本実施の形態では直交）する方向である。使用態様によってはＺ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Ｚ軸方向を上下方向として説明する。

　以下の説明において、Ｘ軸プラス方向とは、Ｘ軸の矢印方向を示し、Ｘ軸マイナス方向とは、Ｘ軸プラス方向とは反対方向を示す。Ｙ軸方向及びＺ軸方向についても同様である。平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。２つの方向が直交している、とは、当該２つの方向が完全に直交していることを意味するだけでなく、実質的に直交していること、すなわち、数％程度の差異を含むことも意味する。

　（実施の形態）
　［１　蓄電装置１０の全般的な説明］
　まず、本実施の形態における蓄電装置１０の概略構成について説明する。図１は、本実施の形態に係る蓄電装置１０の外観を示す斜視図である。図２は、本実施の形態に係る蓄電装置１０において外装体１００の本体（第一拘束体１１０）と蓋（外装体蓋体１２０）とを分離して外装体１００の内方を示す斜視図である。図３は、本実施の形態に係る蓄電装置１０の外装体１００の内方の各構成要素を分解して示す分解斜視図である。具体的には、図３は、蓄電装置１０から外装体蓋体１２０を取り除いた上で、各構成要素を分解した状態を示している。

　蓄電装置１０は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電できる装置であり、本実施の形態では、略直方体形状を有している。蓄電装置１０は、電力貯蔵用途または電源用途等に使用される電池モジュール（組電池）である。具体的には、蓄電装置１０は、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車（ＥＶ）、ハイブリッド電気自動車（ＨＥＶ）、プラグインハイブリッド電気自動車（ＰＨＥＶ）及びガソリン自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール及びリニアモーターカーが例示される。蓄電装置１０は、家庭用または発電機用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いることができる。

　図１～図３に示すように、蓄電装置１０は、外装体１００を備え、外装体１００の内方には、第二拘束体２００、蓄電素子２３０、電気機器２４０及びスペーサ２５０等が収容されている。蓄電装置１０は、蓄電素子２３０同士を電気的に接続するバスバー、及び、蓄電素子２３０と後述の外部端子１３０とを電気的に接続するバスバー等も備えているが、図示及び詳細な説明は省略する。

　外装体１００は、蓄電装置１０の外装体を構成する箱形（略直方体形状）の容器（モジュールケース）である。つまり、外装体１００は、蓄電素子２３０及び電気機器２４０等の外方に配置され、これら蓄電素子２３０等を所定の位置で固定し、衝撃等から保護する。外装体１００は、外装体１００の本体を構成する第一拘束体１１０と、外装体１００の蓋体を構成する外装体蓋体１２０と、を有している。

　第一拘束体１１０は、蓄電素子２３０及び電気機器２４０等が載置されて固定される扁平な矩形状の部材である。外装体蓋体１２０は、第一拘束体１１０のＺ軸プラス方向に配置され、第一拘束体１１０と接続されて蓄電素子２３０及び電気機器２４０等を覆う有底矩形筒状の部材である。つまり、外装体蓋体１２０には、Ｚ軸マイナス方向側に開口が形成されており、第一拘束体１１０は、外装体蓋体１２０の当該開口を塞ぐように配置される。

　第一拘束体１１０は、本体側接続部１１０ａを有しており、外装体蓋体１２０は、蓋体側接続部１２１を有している。本体側接続部１１０ａと蓋体側接続部１２１とは、互いに接続（接合）されて、第一拘束体１１０と外装体蓋体１２０とを接続（接合）する部位である。本実施の形態では、第一拘束体１１０の外周に、複数の本体側接続部１１０ａが略等間隔で並んで配置され、外装体蓋体１２０の外周の本体側接続部１１０ａと対応する位置に、複数の蓋体側接続部１２１が並んで配置されている。

　蓋体側接続部１２１は、ボルト部であり、本体側接続部１１０ａは、当該ボルト部が螺合するナット部である。つまり、蓋体側接続部１２１は、貫通孔と、当該貫通孔に挿入されるボルトとを有しており、本体側接続部１１０ａは、貫通孔と、当該貫通孔下に配置されるナットとを有している。本体側接続部１１０ａがボルト部であり、蓋体側接続部１２１が、当該ボルト部が螺合するナット部であってもよい。第一拘束体１１０と外装体蓋体１２０とを接続（接合）する手法は、他の手法でもよく、接着、かしめ接合、溶接、ヒートシール、超音波溶着等であってもよい。

　外装体蓋体１２０には、Ｘ軸プラス方向側の端部に、正極側及び負極側の一対のモジュール端子（総端子）である外部端子１３０が配置されている。外部端子１３０は、蓄電素子２３０と、バスバー等（図示せず）を介して電気的に接続されており、蓄電装置１０は、この外部端子１３０を介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。外部端子１３０は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の金属製の導電部材で形成されている。

　第一拘束体１１０は、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板等の金属部材、または、絶縁塗装等の絶縁処理が施された当該金属部材で形成されている。外装体蓋体１２０は、ポリカーボネート（ＰＣ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリエチレン（ＰＥ）、ポリスチレン（ＰＳ）、ポリフェニレンサルファイド樹脂（ＰＰＳ）、ポリフェニレンエーテル（ＰＰＥ（変性ＰＰＥを含む））、ポリエチレンテレフタラート（ＰＥＴ）、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル（ＰＦＡ）、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）、ポリエーテルサルフォン（ＰＥＳ）、ＡＢＳ樹脂、若しくは、それらの複合材料等の樹脂部材（絶縁部材）で形成されている。第一拘束体１１０は、外装体蓋体１２０と同様の樹脂部材で形成されていてもよいが、剛性の高い部材で形成されているのが好ましい。外装体蓋体１２０は、第一拘束体１１０と同様の金属部材で形成されていてもよい。

　蓄電素子２３０は、電気を充電し、電気を放電することのできる二次電池（単電池）であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。蓄電素子２３０は、扁平な直方体形状（角形）を有しており、本実施の形態では、８個の蓄電素子２３０が横置き（横倒し）にされた状態で（蓄電素子２３０の長側面がＺ軸方向に向いた状態で）、Ｚ軸方向及びＸ軸方向に配列されている。具体的には、２つの第一蓄電素子２３１がＺ軸方向に積層（平積み）され、２つの第二蓄電素子２３２がＺ軸方向に積層（平積み）され、２つの第三蓄電素子２３３がＺ軸方向に積層（平積み）され、２つの第四蓄電素子２３４がＺ軸方向に積層（平積み）されている。２つの第一蓄電素子２３１、２つの第二蓄電素子２３２、２つの第三蓄電素子２３３、及び、２つの第四蓄電素子２３４が、Ｘ軸マイナス方向からＸ軸プラス方向に向けて、Ｘ軸方向に並んで配列されている。

　蓄電素子２３０は、Ｘ軸方向に複数個配置されていればその個数は特に限定されず、何個の蓄電素子２３０がＺ軸方向に積層（平積み）されていてもよいし、何個の蓄電素子２３０がＸ軸方向に複数配列されていてもよい。蓄電素子２３０の形状は、上記角形には限定されず、それ以外の多角柱形状、円柱形状、楕円柱形状、長円柱形状等であってもよい。蓄電素子２３０は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子２３０は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。蓄電素子２３０は、パウチタイプの蓄電素子であってもよい。

　電気機器２４０は、第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２等の複数の蓄電素子２３０のＸ軸方向（配列方向）に配置される電気品である。具体的には、電気機器２４０は、複数の蓄電素子２３０のうちの最もＸ軸プラス方向側かつＺ軸マイナス方向側の蓄電素子２３０（下側の第四蓄電素子２３４）のＸ軸プラス方向に配置されている。電気機器２４０は、蓄電素子２３０の充電状態または放電状態を監視したり、蓄電素子２３０の充放電を制御したりする回路基板、ヒューズ、リレー、ＦＥＴ（Field Effect Transistor）等の半導体スイッチ、シャント抵抗、サーミスタ、コネクタ等の電気部品を有している。

　スペーサ２５０は、蓄電素子２３０に隣接して配置される矩形状かつ平板状のスペーサである。具体的には、スペーサ２５０は、蓄電素子２３０の長側面に対向して、蓄電素子２３０のＺ軸プラス方向またはＺ軸マイナス方向に配置される。本実施の形態では、蓄電素子２３０をＺ軸方向で挟むようにスペーサ２５０がそれぞれ配置されて、当該蓄電素子２３０と、それと隣り合う蓄電素子２３０、第一拘束体１１０または第二拘束体２００との間を電気的に絶縁する。スペーサ２５０は、外装体蓋体１２０と同様の樹脂部材等の絶縁部材、または、ダンマ材等の断熱性を有する部材等で形成されている。スペーサ２５０に代えて、または、スペーサ２５０に加えて、蓄電素子２３０の側面に、絶縁シートが配置されていてもよい。

　複数のスペーサ２５０のうち、最もＺ軸プラス方向側に配置されるスペーサ２５０のそれぞれには、Ｙ軸方向中央部に、Ｘ軸方向に並ぶ２つの突起２５１が形成されている。突起２５１は、後述の第二拘束体２００の第二板部２２０に形成された円形状の貫通孔２２１（図６参照）に挿入される、Ｚ軸プラス方向に突出した円柱状の突起である。これにより、スペーサ２５０（蓄電素子２３０）に対して第二板部２２０（第二拘束体２００）の位置決めを行うことができる。

　第二拘束体２００は、第一拘束体１１０とで、Ｚ軸方向において第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２等の複数の蓄電素子２３０を挟む部材である。つまり、第一拘束体１１０及び第二拘束体２００は、Ｚ軸方向において、複数の第一蓄電素子２３１及び複数の第二蓄電素子２３２等を挟む。具体的には、第一拘束体１１０及び第二拘束体２００は、互いに接合されて、複数の蓄電素子２３０を挟む。これにより、第一拘束体１１０及び第二拘束体２００は、Ｚ軸方向において複数の蓄電素子２３０を拘束する（複数の蓄電素子２３０にＺ軸方向における拘束力を付与する）。第二拘束体２００は、第一拘束体１１０と同様の金属部材等で形成されている。第一拘束体１１０及び第二拘束体２００は、同じ材質の部材で形成されていてもよいし、異なる材質の部材で形成されていてもよい。

　第二拘束体２００は、第一部材２０１と、第二部材２０２と、第三部材２０３と、第四部材２０４と、を有している。第一部材２０１、第二部材２０２、第三部材２０３及び第四部材２０４は、それぞれ互いに別体の部材である。第一部材２０１は、第一拘束体１１０とで第一蓄電素子２３１を挟む部材である。第二部材２０２は、第一拘束体１１０とで第二蓄電素子２３２を挟む部材である。第三部材２０３は、第一拘束体１１０とで第三蓄電素子２３３を挟む部材である。第四部材２０４は、第一拘束体１１０とで第四蓄電素子２３４を挟む部材である。

　第二拘束体２００は、蓄電素子２３０が有する容器２３０ａの容器本体２３０ａ１と容器蓋部２３０ａ２との接合部２３０ａ３を跨ぐように配置される（図３、図４等参照）。具体的には、第一部材２０１は、第一蓄電素子２３１が有する容器２３０ａの容器本体２３０ａ１と容器蓋部２３０ａ２との接合部２３０ａ３を跨ぐように配置される。つまり、第一部材２０１は、第一蓄電素子２３１の接合部２３０ａ３の上方（Ｚ軸プラス方向）を、Ｙ軸方向に横切る。同様に、第二部材２０２は、第二蓄電素子２３２が有する容器２３０ａの容器本体２３０ａ１と容器蓋部２３０ａ２との接合部２３０ａ３を跨ぐように配置される。第三部材２０３は、第三蓄電素子２３３が有する容器２３０ａの容器本体２３０ａ１と容器蓋部２３０ａ２との接合部２３０ａ３を跨ぐように配置される。第四部材２０４は、第四蓄電素子２３４が有する容器２３０ａの容器本体２３０ａ１と容器蓋部２３０ａ２との接合部２３０ａ３を跨ぐように配置される。

　つまり、第一拘束体１１０と第一部材２０１とは、Ｚ軸方向に並ぶ複数の第一蓄電素子２３１及び複数のスペーサ２５０を、Ｚ軸方向において挟んで拘束する。第一拘束体１１０と第二部材２０２とは、Ｚ軸方向に並ぶ複数の第二蓄電素子２３２及び複数のスペーサ２５０を、Ｚ軸方向において挟んで拘束する。第三部材２０３及び第四部材２０４についても同様である。

　このように、第一拘束体１１０は、第一蓄電素子２３１、第二蓄電素子２３２、第三蓄電素子２３３及び第四蓄電素子２３４を跨ぐように、Ｘ軸方向に延設されて配置されている。第二拘束体２００は、第一蓄電素子２３１、第二蓄電素子２３２、第三蓄電素子２３３及び第四蓄電素子２３４のそれぞれを、第一拘束体１１０とで拘束する部材を個別に有している。

　第一蓄電素子２３１～第四蓄電素子２３４は互いに離間して配置されており、第二拘束体２００の第一部材２０１～第四部材２０４も、互いに離間して配置されている。このため、第一蓄電素子２３１及び第一部材２０１と第二蓄電素子２３２及び第二部材２０２との間で、熱が伝わるのを抑制できる。これにより、第一蓄電素子２３１が高温になった場合でも、第一蓄電素子２３１からの熱が第二蓄電素子２３２に影響を及ぼすのを抑制できる。第一蓄電素子２３１及び第一部材２０１と第二蓄電素子２３２及び第二部材２０２との間の隙間に断熱材を配置でき、これによって、第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２が互いに熱影響を及ぼすのをさらに抑制できる。

　次に、上述した蓄電素子２３０、第一拘束体１１０及び第二拘束体２００の構成について、図４～７も用いて、さらに詳細に説明する。

　［２　蓄電素子２３０の構成の説明］
　まず、蓄電素子２３０の構成について、詳細に説明する。蓄電装置１０が備える８個の蓄電素子２３０（２つの第一蓄電素子２３１、２つの第二蓄電素子２３２、２つの第三蓄電素子２３３、及び、２つの第四蓄電素子２３４）は、全て同様の構成を有するため、以下では、１つの蓄電素子２３０の構成についての説明を行う。

　図４は、本実施の形態に係る蓄電素子２３０の外観を示す斜視図である。図５は、本実施の形態に係る蓄電素子２３０を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。具体的には、図４は、図３に示した蓄電素子２３０を縦置きにした（立てた）状態を拡大して示し、図５は、図４の状態で、蓄電素子２３０の各部を分解した図を示している。

　図４に示すように、蓄電素子２３０は、容器２３０ａと、一対（正極側及び負極側）の電極端子２３０ｂと、一対（正極側及び負極側）の上部ガスケット２３０ｃと、を備えている。図５に示すように、容器２３０ａの内方には、一対（正極側及び負極側）の下部ガスケット２３０ｄと、一対（正極側及び負極側）の集電体２３０ｅと、電極体２３０ｆとが収容されている。容器２３０ａの内方には、電解液（非水電解質）が封入されているが、図示は省略している。当該電解液としては、蓄電素子２３０の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択できる。上記の構成要素の他、電極体２３０ｆの側方または上方に配置されるスペーサ、または、電極体２３０ｆ等を包み込む絶縁フィルム等が配置されていてもよい。

　図５の破線内に示すように、蓄電素子２３０は、集電体２３０ｅ及び電極体２３０ｆに代えて、集電体２３０ｇ及び電極体２３０ｈを有していてもよい。このため、以下では、集電体２３０ｅ及び電極体２３０ｆを用いて説明を行うが、特記のない限り、以下の説明中の集電体２３０ｅ及び電極体２３０ｆは、集電体２３０ｇ及び電極体２３０ｈと言い換えることができる。

　容器２３０ａは、開口が形成された容器本体２３０ａ１と、容器本体２３０ａ１の当該開口を閉塞する容器蓋部２３０ａ２と、を有する直方体形状（角形または箱形）のケースである。容器本体２３０ａ１及び容器蓋部２３０ａ２の材質は特に限定されないが、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板など溶接可能な金属であるのが好ましい。

　容器本体２３０ａ１は、容器２３０ａの本体部を構成する矩形筒状で底を備える部材であり、Ｙ軸マイナス方向側に開口が形成されている。つまり、容器本体２３０ａ１は、Ｚ軸方向両側の側面に一対の矩形状かつ平板状の長側面部を有し、Ｘ軸方向両側の側面に一対の矩形状かつ平板状の短側面部を有し、Ｙ軸プラス方向側に矩形状かつ平板状の底面部を有している。容器蓋部２３０ａ２は、容器２３０ａの蓋部を構成する矩形状の板状部材であり、容器本体２３０ａ１のＹ軸マイナス方向側にＸ軸方向に延設されて配置されている。

　このような構成により、容器２３０ａは、電極体２３０ｆ等を容器本体２３０ａ１の内部に収容後、容器本体２３０ａ１と容器蓋部２３０ａ２とが溶接等によって接合されて接合部２３０ａ３が形成されることにより、内部を密封できる構造となっている。本実施の形態では、容器２３０ａの側方（Ｘ軸方向及びＺ軸方向）からレーザ光が照射されて、容器本体２３０ａ１及び容器蓋部２３０ａ２がレーザ溶接によって接合されることにより、接合部２３０ａ３が形成される。接合部２３０ａ３は、容器２３０ａの周囲（全周）を囲うように形成された四角環状の接合部である。

　電極体２３０ｆは、正極板と負極板とセパレータとが積層されて形成された蓄電要素（発電要素）である。正極板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属からなる集電箔である正極基材層上に正極活物質層が形成されたものである。負極板は、銅または銅合金等の金属からなる集電箔である負極基材層上に負極活物質層が形成されたものである。正極活物質層及び負極活物質層に用いられる活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能なものであれば、適宜公知の材料を使用できる。

　電極体２３０ｆは、複数の平板状の正極板と複数の平板状の負極板とが積層されて形成された積層型（スタック型）の電極体である。これに対し、電極体２３０ｈは、極板（正極板及び負極板）がＸ軸方向に延びる巻回軸まわりに巻回されて形成された巻回型（いわゆる縦巻き型）の電極体である。蓄電素子２３０が有する電極体は、上記のタイプの電極体には限定されず、正極板及び負極板がＹ軸方向に延びる巻回軸まわりに巻回されて形成された巻回型（いわゆる横巻き型）の電極体、または、極板を蛇腹状に折り畳んだ蛇腹型の電極体等、どのような形態の電極体でもよい。

　電極体２３０ｆの極板（正極板及び負極板）は、Ｚ軸方向に積層されているため、Ｚ軸方向を積層方向とも呼ぶ。つまり、電極体２３０ｆは、極板が積層方向に積層されて形成されている。電極体２３０ｈは、極板が巻回されることで、Ｙ軸方向に並ぶ一対の湾曲部２３０ｊと、Ｚ軸方向に並び当該一対の湾曲部２３０ｊを繋ぐ一対の平坦部２３０ｉと、を有しているが、上記の積層方向は、平坦部２３０ｉにおける極板の積層方向である。平坦部２３０ｉの平坦面の向く方向、または、一対の平坦部２３０ｉの対向方向を、上記積層方向と定義することもできる。このため、２つの第一蓄電素子２３１は、当該積層方向に並んでいると言え、２つの第二蓄電素子２３２も、当該積層方向に並んでいると言える。第三蓄電素子２３３及び第四蓄電素子２３４についても、同様である。第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２等が配列されるＸ軸方向を、配列方向とも呼ぶ。つまり、第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２等は、当該積層方向と交差する配列方向に配列されている。

　電極端子２３０ｂは、容器蓋部２３０ａ２に配置される蓄電素子２３０の端子（正極端子及び負極端子）であり、集電体２３０ｅを介して、電極体２３０ｆの正極板及び負極板に電気的に接続されている。電極端子２３０ｂは、容器２３０ａのＹ軸マイナス方向の面に配置されている。つまり、電極端子２３０ｂは、容器２３０ａ（容器蓋部２３０ａ２）からＹ軸マイナス方向に突出して配置されている。電極端子２３０ｂは、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の金属等の導電部材で形成されている。

　集電体２３０ｅは、電極端子２３０ｂと電極体２３０ｆとに電気的に接続される導電性の部材（正極集電体及び負極集電体）である。集電体２３０ｅは、アルミニウム、アルミニウム合金、銅または銅合金等で形成されている。上部ガスケット２３０ｃ及び下部ガスケット２３０ｄは、容器蓋部２３０ａ２と電極端子２３０ｂ及び集電体２３０ｅとの間に配置された、平板状の電気的絶縁性を有する封止部材である。上部ガスケット２３０ｃ及び下部ガスケット２３０ｄは、外装体蓋体１２０と同様の樹脂部材（絶縁部材）等で形成されている。

　［３　第一拘束体１１０及び第二拘束体２００の構成の説明］
　次に、第一拘束体１１０及び第二拘束体２００の構成について、詳細に説明する。第二拘束体２００が備える第一部材２０１、第二部材２０２、第三部材２０３及び第四部材２０４は、全て同様の構成を有するため、以下では、第一部材２０１の構成について説明し、他の部材についての説明は省略する。つまり、以下で説明する第一部材２０１についての構成及び効果等は、第二部材２０２～第四部材２０４についても適用できる。

　図６は、本実施の形態に係る第一拘束体１１０及び第二拘束体２００の第一部材２０１の構成を示す斜視図である。具体的には、図６は、図３に示した第一拘束体１１０及び第一部材２０１が有する各構成要素を分解した状態を示している。図７は、本実施の形態に係る第一拘束体１１０の構成を示す斜視図である。具体的には、図７は、図３に示した第一拘束体１１０を斜め下方から見た場合の構成を示している。

　第一拘束体１１０は、複数の蓄電素子２３０、電気機器２４０及びスペーサ２５０のＺ軸マイナス方向に配置され、これら蓄電素子２３０等を載置する扁平な矩形状の部材である。図６に示すように、第一拘束体１１０は、補強部材１１１と、補強部材１１１のＺ軸プラス方向かつＹ軸方向両端部に配置される２つの接続部材１１２と、を有している。

　補強部材１１１は、第一拘束体１１０の本体を構成する板状の部材であり、Ｘ軸方向両側及びＹ軸方向両側において、全ての蓄電素子２３０及び電気機器２４０よりも突出して配置されている。図６及び図７に示すように、補強部材１１１は、補強部材凸部１１１ａを有している。補強部材凸部１１１ａは、Ｚ軸マイナス方向（上記積層方向）に突出し、かつ、Ｘ軸方向（上記配列方向）に延設される長尺な凸部（凸条部）である。具体的には、補強部材凸部１１１ａは、補強部材１１１のＺ軸プラス方向側の面がＺ軸マイナス方向に凹み、かつ、補強部材１１１のＺ軸マイナス方向側の面がＺ軸マイナス方向に突出するように膨出した膨出部である。本実施の形態では、４つの補強部材凸部１１１ａが、Ｙ軸方向に並んで配置されている。

　補強部材凸部１１１ａは、Ｘ軸方向（上記配列方向）において、第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２の少なくとも一方が補強部材凸部１１１ａから突出しないように形成されている。つまり、補強部材凸部１１１ａは、Ｘ軸方向において、第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２の少なくとも一方のＸ軸方向の端縁まで少なくとも延びるように形成されている。言い換えれば、補強部材凸部１１１ａは、少なくとも一部が、Ｚ軸方向から見て、第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２の少なくとも一方のＸ軸方向の端縁と重なっている。補強部材凸部１１１ａは、Ｘ軸方向（上記配列方向）において、電気機器２４０が補強部材凸部１１１ａから突出しないように形成されている。つまり、補強部材凸部１１１ａは、Ｘ軸方向において、電気機器２４０のＸ軸方向の端縁まで少なくとも延びるように形成されている。言い換えれば、補強部材凸部１１１ａは、少なくとも一部が、Ｚ軸方向から見て、電気機器２４０のＸ軸方向の端縁と重なっている。本実施の形態では、補強部材凸部１１１ａは、Ｘ軸方向両側において、全ての蓄電素子２３０及び電気機器２４０よりも突出している（図２参照）。

　このように、補強部材１１１は、Ｘ軸方向において補強部材凸部１１１ａによって補強された構成となっている。補強部材凸部１１１ａは、補強部材１１１のＸ軸方向の端縁までは延びていないが、補強部材１１１のＸ軸方向の端縁まで延びていてもよい。つまり、補強部材１１１は、波板のような形状を有していてもよい。本実施の形態では、補強部材凸部１１１ａは、Ｘ軸方向から見て台形状または三角形状を有しているが、Ｘ軸方向から見て、矩形状等の台形状及び三角形状以外の多角形状、半円形状、半楕円形状、半長円形状等、どのような形状を有していてもよい。補強部材凸部１１１ａは、補強部材１１１のＺ軸プラス方向側の面がＺ軸マイナス方向に凹んでいるため、凹部とも言える。

　接続部材１１２は、Ｘ軸方向に延設されるＸ軸方向から見てＬ字状の部材であり、補強部材１１１（補強部材凸部１１１ａのＺ軸プラス方向側の面）に載置されて固定されている。Ｙ軸方向において蓄電素子２３０を挟む位置に、２つの接続部材１１２が配置されている。接続部材１１２は、溶接等によって補強部材１１１に固定されているが、ネジ止め、接着、かしめ接合、溶着等の溶接以外の手法によって補強部材１１１に固定されていてもよい。

　接続部材１１２には、Ｘ軸方向に並ぶ複数の第一拘束体接続部１１２ａが設けられている。第一拘束体接続部１１２ａは、第二拘束体２００の後述する第二拘束体接続部２１１に接続（接合）されることにより、第一拘束体１１０に第二拘束体２００を固定する部位である。本実施の形態では、１つの接続部材１１２において、第二拘束体２００の第一部材２０１～第四部材２０４の４つの部材それぞれが有する２つの第二拘束体接続部２１１に対応して、合計８つの第一拘束体接続部１１２ａが設けられている。第一拘束体接続部１１２ａ及び第二拘束体接続部２１１の配置位置及び個数は、特に限定されない。

　第一拘束体接続部１１２ａは、ボルト部であり、第二拘束体接続部２１１は、当該ボルト部が螺合するナット部である。つまり、第一拘束体接続部１１２ａは、柱状の部位にネジ山が形成された雄ネジ部を有しており、第二拘束体接続部２１１は、貫通孔と、当該貫通孔上に配置されるナットとを有している。第二拘束体接続部２１１がボルト部であり、第一拘束体接続部１１２ａが、当該ボルト部が螺合するナット部であってもよい。第一拘束体１１０に第二拘束体２００を固定する手法は、他の手法でもよく、溶接、かしめ接合、接着、溶着等であってもよい。

　次に、第二拘束体２００の第一部材２０１の構成について、説明する。第一部材２０１は、複数の第一蓄電素子２３１のＺ軸プラス方向に配置され、第一拘束体１１０と接続されて、複数の第一蓄電素子２３１を押圧（圧迫）する板状の部材である。図６に示すように、第一部材２０１は、第一板部２１０と、第一板部２１０のＺ軸マイナス方向に配置される第二板部２２０と、を有している。

　第一板部２１０は、第一拘束体１１０に接合される部位であり、第一板部上壁２１２と、２つの第一板部側壁２１３と、を有している。第一板部上壁２１２は、ＸＹ平面に平行かつＹ軸方向に延設される平板状かつ矩形状の部位である。２つの第一板部側壁２１３は、複数の第一蓄電素子２３１のＹ軸方向両側に配置される部位である。第一板部側壁２１３は、第一板部上壁２１２のＹ軸方向両端部から、Ｚ軸マイナス方向に延設されるＸＺ平面に平行な平板状の部位と、当該平板状の部位のＺ軸マイナス方向側の端部からＹ軸方向外側に突出する部位とを有している。当該突出する部位に、上述の第二拘束体接続部２１１が設けられている。

　上述の通り、第一拘束体１１０が有する接続部材１１２の第一拘束体接続部１１２ａに第二拘束体接続部２１１が接続（接合）されることにより、第一拘束体１１０に第一部材２０１が固定される。具体的には、接続部材１１２と第一板部側壁２１３の上記突出する部位とが当接（第一拘束体１１０と第一部材２０１とが当接）した状態で、第一拘束体接続部１１２ａと第二拘束体接続部２１１とが接合される。このように、第一拘束体１１０と第一部材２０１とは、Ｙ軸方向（上記積層方向及び上記配列方向と交差する交差方向）において、第一蓄電素子２３１を挟む位置で、直接接合される。

　第一拘束体１１０と第一部材２０１とが直接接合されるとは、両者が当接した状態で接合されることには限定されず、両者の間に力を媒介する部材が配置されることなく両者が接合される状態をいう。つまり、第一拘束体１１０と第一部材２０１との間に、ガスケットまたはワッシャ等の付属品が挟まれた状態で、第一拘束体１１０と第一部材２０１とが接合された場合でも、第一拘束体１１０と第一部材２０１とが直接接合されるとの概念に含まれる。

　このように、第一拘束体１１０と第一部材２０１とが直接接合されることにより、第一拘束体１１０と第一部材２０１とを強固に接合できる。つまり、蓄電素子２３０は、膨れを抑制するために金属製の容器２３０ａを有しているが、容器２３０ａが金属製であっても膨れてくるため、第一拘束体１１０と第一部材２０１とで、当該蓄電素子２３０を強固に挟み込む必要がある。しかし、第一拘束体１１０と第一部材２０１とが、他の部材を介して接合されていると、接合箇所が多くなって接合箇所が緩むリスクが増える。このため、第一拘束体１１０と第一部材２０１とを直接接合することにより、接合箇所が少なくなって接合箇所が緩むリスクを低減できるため、第一拘束体１１０と第一部材２０１とを強固に接合できる。部品点数の低減も図ることができる。

　第二板部２２０は、第一蓄電素子２３１のＺ軸プラス方向に配置され、第一蓄電素子２３１の容器２３０ａのＺ軸プラス方向側の側面（長側面）のほぼ全面を覆うように配置される部材である（図２参照）。第二板部２２０は、第二板部上壁２２２と、２つの第二板部側壁２２３と、を有している。第二板部上壁２２２は、ＸＹ平面に平行な平板状かつ矩形状の部位であり、第一蓄電素子２３１と第一板部上壁２１２との間に配置される。第二板部上壁２２２には、上述のスペーサ２５０の突起２５１が挿入される円形状の貫通孔２２１が形成されている。２つの第二板部側壁２２３は、第二板部上壁２２２のＸ軸方向両端部から、Ｚ軸マイナス方向に延設されるＹＺ平面に平行な平板状の部位であり、第一蓄電素子２３１のＸ軸方向両側に配置される。

　第一板部上壁２１２及び第二板部上壁２２２には、強度向上または互いの位置決め等のために、Ｙ軸方向に延びる凸部（膨出部）が形成されているが、凸部（膨出部）の位置、形状及び個数は特に限定されず、凸部（膨出部）が形成されていない構成でもよい。第一板部側壁２１３には、軽量化または材料低減等のために、Ｚ軸方向に延びる貫通孔が形成されているが、貫通孔の位置、形状及び個数は特に限定されず、貫通孔が形成されていない構成でもよい。第二板部側壁２２３は、軽量化または材料低減等のために、Ｚ軸マイナス方向側の端部のＹ軸方向における幅が小さくなっているが、当該幅は小さくなっていなくてもよい。第二板部２２０は、強度向上等のために第二板部側壁２２３を有しているのが好ましいが、第二板部側壁２２３を有していなくてもよい。

　［４　効果の説明］
　以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電装置１０によれば、第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２は、電極体２３０ｆの極板の積層方向（Ｚ軸方向）と交差する配列方向（Ｘ軸方向）に配列されている。第一拘束体１１０と第二拘束体２００の第一部材２０１とで第一蓄電素子２３１を挟み、第一拘束体１１０と第二拘束体２００の第二部材２０２とで第二蓄電素子２３２を挟む。

　第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２は、電極体２３０ｆの極板の積層方向に膨れるため、第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２が当該積層方向と交差する配列方向に配列される場合、第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２が個別に膨れる。このため、第一拘束体１１０及び第一部材２０１によって第一蓄電素子２３１を挟み、第一拘束体１１０及び第二部材２０２によって第二蓄電素子２３２を挟む。これにより、第一拘束体１１０で第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２を一体的に取り扱うことができ、かつ、第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２の膨れを個別に抑制できる。したがって、例えば第一蓄電素子２３１の膨れ量が大きい場合でも、第二蓄電素子２３２の膨れ抑制に影響を及ぼすのを抑制できるため、第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２の膨れを効果的に抑制できる。第三蓄電素子２３３及び第四蓄電素子２３４についても同様である。

　第一部材２０１が、第一蓄電素子２３１が有する容器２３０ａの容器本体２３０ａ１と容器蓋部２３０ａ２との接合部２３０ａ３を跨ぐように配置されることで、第一部材２０１が接合部２３０ａ３を補強するため、第一蓄電素子２３１が膨れた場合でも接合部２３０ａ３の損傷を抑制できる。第二蓄電素子２３２、第三蓄電素子２３３及び第四蓄電素子２３４についても同様である。このように、複数の蓄電素子２３０の膨れを抑制するとともに、蓄電素子２３０が膨れた場合でも接合部２３０ａ３の損傷を抑制することで、複数の蓄電素子２３０の損傷を抑制できる。

　第一拘束体１１０と第一部材２０１とを第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２の間で接合する場合には、第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２の間の隙間が大きくなる。このため、第一拘束体１１０と第一部材２０１とを、上記積層方向及び上記配列方向と交差する交差方向（Ｙ軸方向）において、第一蓄電素子２３１を挟む位置で接合する。これにより、第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２の間の隙間（当該配列方向における隙間）を小さくできるため、当該配列方向における省スペース化及び強度の向上を図ることができる。このように、省スペース化及び強度の向上を図りつつ、複数の蓄電素子２３０の膨れを効果的に抑制できる。第一拘束体１１０と第二部材２０２等の他の部材との接合についても、同様である。

　第一蓄電素子２３１が積層方向に複数並ぶ場合、第一拘束体１１０と第一部材２０１とで、複数の第一蓄電素子２３１を当該積層方向で挟む。これにより、複数の第一蓄電素子２３１の膨れを効果的に抑制できる。第一拘束体１１０と第二部材２０２等の他の部材とで複数の蓄電素子２３０を当該積層方向で挟む場合についても、同様のことが言える。

　外装体１００は、第一拘束体１１０と、第一拘束体１１０に接続される外装体蓋体１２０とを有している。つまり、第一拘束体１１０は、蓄電素子２３０を拘束する機能に加え、外装体１００の一部としての機能も有している。これにより、部品点数を低減できるため、簡易な構成で、複数の蓄電素子２３０の膨れを効果的に抑制できる。

　第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２等の蓄電素子２３０が、上記積層方向と交差する配列方向に配列されることで、当該配列方向における長さが長くなって当該配列方向における強度が弱くなるおそれがある。このため、第一拘束体１１０に、当該積層方向に突出しかつ当該配列方向に延設される補強部材凸部１１１ａを設ける。これにより、第一拘束体１１０の当該配列方向における強度を向上させることができるため、当該配列方向において、第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２等の蓄電素子２３０の保護の向上を図ることができる。このように、複数の蓄電素子２３０の保護の向上を図りつつ、複数の蓄電素子２３０の膨れを効果的に抑制できる。

　第一拘束体１１０は、第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２等の蓄電素子２３０が当該配列方向に突出しないように形成されているため、当該配列方向に外部から衝撃等が加えられた場合に、第一拘束体１１０が当該衝撃等による力を受ける。これにより、蓄電素子２３０の配列方向における強度をより向上させることができるため、当該配列方向において、蓄電素子２３０の保護の向上をより図ることができる。電気機器２４０についても、第一拘束体１１０は、電気機器２４０が当該配列方向に突出しないように形成されているため、上記と同様に、電気機器２４０の保護の向上を図ることができる。

　補強部材凸部１１１ａは、第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２の少なくとも一方が当該配列方向に突出しないように形成されている。このため、当該配列方向に外部から衝撃等が加えられた場合に、第一拘束体１１０のうちの補強部材凸部１１１ａが形成されて補強された部位が、当該衝撃等による力を受ける。これにより、第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２の配列方向における強度をさらに向上させることができるため、当該配列方向において、第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２の保護の向上をさらに図ることができる。第三蓄電素子２３３及び第四蓄電素子２３４についても同様である。電気機器２４０についても、補強部材凸部１１１ａは、電気機器２４０が当該配列方向に突出しないように形成されているため、上記と同様に、電気機器２４０の保護の向上をさらに図ることができる。

　第一拘束体１１０によって、当該積層方向においても、蓄電素子２３０及び電気機器２４０の第一拘束体１１０側を保護できる。特に、補強部材凸部１１１ａは膨出状の部位であり、当該積層方向における力を吸収できるため、当該積層方向においても、蓄電素子２３０及び電気機器２４０の保護の向上を図ることができる。

　第一拘束体１１０は、金属製（導電性）の部材であるため、第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２等の蓄電素子２３０から発せられる熱を放熱できる。特に、補強部材凸部１１１ａは膨出状の部位であり、蓄電素子２３０側に空間が形成されているため、当該熱で熱せられた空気が当該空間を通って移動することにより、放熱を行うことができる。補強部材凸部１１１ａは膨出状の部位であるため、第一拘束体１１０を容易に作製でき、かつ、軽量化を図ることもできる。

　［５　変形例の説明］
　以上、本発明の実施の形態に係る蓄電装置１０について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲には、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。

　上記実施の形態では、蓄電素子２３０の容器２３０ａの容器本体２３０ａ１と容器蓋部２３０ａ２との接合部分が、容器２３０ａの側面の周囲（Ｘ軸方向及びＺ軸方向の面）に配置され、接合部２３０ａ３は、容器２３０ａの当該側面の周囲に形成されることとした。しかし、容器本体２３０ａ１と容器蓋部２３０ａ２との接合部分が、容器２３０ａの上面（Ｙ軸マイナス方向の面）に配置され、接合部２３０ａ３は、容器２３０ａの当該上面に形成されてもよい。この場合でも、第二拘束体２００は、蓄電素子２３０の接合部２３０ａ３を跨ぐように配置されると言える。つまり、第一部材２０１は、第一蓄電素子２３１の接合部２３０ａ３を跨ぐ（第一蓄電素子２３１の接合部２３０ａ３のＺ軸プラス方向をＹ軸方向に横切る）ように配置されると言える。第二部材２０２等についても同様である。このため、この場合でも、上記実施の形態と同様の効果が奏される。

　上記実施の形態では、外装体１００は、外装体蓋体１２０が、Ｚ軸マイナス方向側に開口が形成された有底矩形筒状の部材であり、第一拘束体１１０が、外装体蓋体１２０の当該開口を塞ぐ扁平な矩形状の部材であることとした。しかし、第一拘束体１１０が、Ｚ軸プラス方向側に開口が形成された有底矩形筒状の部材であり、外装体蓋体１２０が、第一拘束体１１０の当該開口を塞ぐ扁平な矩形状の蓋であってもよいし、その他どのような形状であってもよい。

　上記実施の形態では、第一拘束体１１０は、蓄電素子２３０のＺ軸マイナス方向に配置され、第二拘束体２００は、蓄電素子２３０のＺ軸プラス方向に配置されて、互いに接合されることとした。しかし、第一拘束体１１０が、蓄電素子２３０のＺ軸プラス方向に配置され、第二拘束体２００が、蓄電素子２３０のＺ軸マイナス方向に配置されて、互いに接合されてもよい。つまり、蓄電装置１０において、上下が逆になったような構成を有していてもよい。

　上記実施の形態では、第一拘束体１１０と第二拘束体２００の第一部材２０１等の部材とは、直接接合されることとした。しかし、第一拘束体１１０と第二拘束体２００の第一部材２０１等の部材とは、直接接合されていなくてもよく、他の部材を介して間接的に接合されていてもよい。

　上記実施の形態では、第一拘束体１１０と第二拘束体２００の第一部材２０１等の部材とは、Ｙ軸方向において蓄電素子２３０を挟む位置で接合されることとした。しかし、第一拘束体１１０と第二拘束体２００の当該部材とは、どのような位置で接合されてもよく、Ｘ軸方向において蓄電素子２３０を挟む位置で接合されてもよい。

　上記実施の形態では、蓄電装置１０は、Ｚ軸方向に並ぶ複数の第一蓄電素子２３１及び複数の第二蓄電素子２３２等を備えており、第一拘束体１１０及び第二拘束体２００は、Ｚ軸方向においてこれらを挟むこととした。しかし、蓄電装置１０は、Ｚ軸方向において、１つの第一蓄電素子２３１及び１つの第二蓄電素子２３２等しか備えておらず、第一拘束体１１０及び第二拘束体２００は、この１つの第一蓄電素子２３１及び１つの第二蓄電素子２３２等を挟むことにしてもよい。

　上記実施の形態では、第二拘束体２００の第一部材２０１等の部材において、第一板部２１０及び第二板部２２０は、別体の部材であることとした。しかし、第一板部２１０及び第二板部２２０は、一体に形成されていてもよい。つまり、第二拘束体２００の第一部材２０１等の部材は、それぞれ、一体物（一体成形品）であってもよい。第一部材２０１等の部材は、第二板部２２０を有していないことにしてもよい。

　上記実施の形態では、第二拘束体２００の第一部材２０１等の部材は、第一板部側壁２１３を有していることとした。しかし、第一板部側壁２１３は、第二拘束体２００ではなく、第一拘束体１１０に設けられており、この第一拘束体１１０に設けられた第一板部側壁２１３と第一板部上壁２１２とが接合されてもよい。

　上記実施の形態では、第一拘束体１１０において、補強部材１１１及び接続部材１１２は、別体の部材であることとした。しかし、補強部材１１１及び接続部材１１２は、一体に形成されていてもよい。

　上記実施の形態では、第一拘束体１１０は、外装体１００の一部であることとした。しかし、第一拘束体１１０は、外装体１００とは別の部材であってもよい。この場合、蓄電装置１０は、外装体１００を備えていなくてもよい。蓄電装置１０は、上記実施の形態の構成において、外装体蓋体１２０を備えていなくてもよい。

　上記実施の形態では、補強部材１１１は、蓄電素子２３０のＺ軸マイナス方向に配置されていることとした。しかし、補強部材１１１に代えて、または、補強部材１１１に加えて、蓄電素子２３０のＺ軸プラス方向に他の補強部材が配置されてもよい。

　上記実施の形態では、補強部材１１１は、Ｘ軸方向両側及びＹ軸方向両側において、全ての蓄電素子２３０及び電気機器２４０よりも突出して配置されていることとした。しかし、Ｘ軸方向及びＹ軸方向のいずれかにおいて、蓄電素子２３０または電気機器２４０が補強部材１１１から少し突出していてもよい。つまり、補強部材１１１は、Ｘ軸方向及びＹ軸方向のいずれかにおいて、第一蓄電素子２３１及び第二蓄電素子２３２の少なくとも一方が補強部材１１１から突出しないように、または、電気機器２４０が補強部材１１１から突出しないように形成されていればよい。この場合でも、補強部材１１１が配置されていない場合と比べると、蓄電素子２３０及び電気機器２４０の保護を図ることができる。少なくとも、補強部材１１１から突出していない蓄電素子２３０については、保護を図ることができる。補強部材凸部１１１ａについても同様である。

　上記実施の形態では、補強部材凸部１１１ａは、Ｘ軸方向に連続的に直線状に延設される膨出状の凸部であることとした。しかし、補強部材凸部１１１ａは、補強部材１１１のＺ軸プラス方向側の面がＺ軸マイナス方向に凹むことなく、補強部材１１１のＺ軸マイナス方向側の面がＺ軸マイナス方向に突出する凸部であってもよい。補強部材凸部１１１ａは、Ｚ軸プラス方向に突出する凸部であってもよい。補強部材凸部１１１ａは、Ｘ軸方向に断続的に形成された複数の凸部であってもよいし、Ｘ軸方向に直線状に延びるのではなく、Ｘ軸方向に湾曲しながら延びる凸部であってもよい。補強部材凸部１１１ａは、Ｘ軸方向からＹ軸方向側に傾斜した方向に延びる凸部であってもよい。補強部材１１１は、補強部材凸部１１１ａを有していなくてもよい。

　蓄電装置１０は、上述した全ての構成要素を備えている必要はない。蓄電装置１０は、電気機器２４０、または、スペーサ２５０等を備えていなくてもよい。

　上記実施の形態及びその変形例に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。

　本発明は、蓄電装置１０として実現できるだけでなく、第一拘束体１１０及び第二拘束体２００としても実現できる。

　本発明は、リチウムイオン二次電池等の蓄電素子を備えた蓄電装置に適用できる。

　　１０　蓄電装置
　　１００　外装体
　　１１０　第一拘束体
　　１１０ａ　本体側接続部
　　１１１　補強部材
　　１１１ａ　補強部材凸部
　　１１２　接続部材
　　１１２ａ　第一拘束体接続部
　　１２０　外装体蓋体
　　１２１　蓋体側接続部
　　２００　第二拘束体
　　２０１　第一部材
　　２０２　第二部材
　　２０３　第三部材
　　２０４　第四部材
　　２１０　第一板部
　　２１１　第二拘束体接続部
　　２１２　第一板部上壁
　　２１３　第一板部側壁
　　２２０　第二板部
　　２２２　第二板部上壁
　　２２３　第二板部側壁
　　２３０　蓄電素子
　　２３０ａ　容器
　　２３０ａ１　容器本体
　　２３０ａ２　容器蓋部
　　２３０ａ３　接合部
　　２３０ｆ　電極体
　　２３１　第一蓄電素子
　　２３２　第二蓄電素子
　　２３３　第三蓄電素子
　　２３４　第四蓄電素子

Claims (5)

1. 　極板が積層方向に積層された電極体を有する２つの蓄電素子であって、前記積層方向と交差する配列方向に配列される第一蓄電素子及び第二蓄電素子と、
   　前記積層方向において前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子を挟む第一拘束体及び第二拘束体と、を備え、
   　前記第一拘束体は、前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子を跨ぐように前記配列方向に延設されて配置され、
   　前記第二拘束体は、
   　前記第一拘束体とで前記第一蓄電素子を挟み、かつ、前記第一蓄電素子が有する容器の本体と蓋との接合部を跨ぐように配置される第一部材と、
   　前記第一拘束体とで前記第二蓄電素子を挟む、前記第一部材とは別体の第二部材と、を有する
   　蓄電装置。
2. 　前記第一拘束体と前記第一部材とは、前記積層方向及び前記配列方向と交差する交差方向において、前記第一蓄電素子を挟む位置で接合される
   　請求項１に記載の蓄電装置。
3. 　前記蓄電装置は、前記積層方向に並ぶ複数の前記第一蓄電素子を備え、
   　前記第一拘束体と前記第一部材とは、前記積層方向において、前記複数の第一蓄電素子を挟む
   　請求項１または２に記載の蓄電装置。
4. 　前記蓄電装置は、前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子を収容する外装体を備え、
   　前記外装体は、前記第一拘束体と、前記第一拘束体に接続されて前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子を覆う蓋体と、を有する
   　請求項１～３のいずれか１項に記載の蓄電装置。
5. 　前記第一拘束体は、前記積層方向に突出し、かつ、前記配列方向に延設される凸部を有する
   　請求項１～４のいずれか１項に記載の蓄電装置。

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