WO2021045110A1

WO2021045110A1 - 操舵モジュール

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Publication number: WO2021045110A1
Application number: PCT/JP2020/033275
Authority: WO
Inventors: 隆太輿石; ガヤーンベラガラ; 行正長田; 村松　啓且
Original assignee: ヤマハ発動機株式会社
Priority date: 2019-09-02
Filing date: 2020-09-02
Publication date: 2021-03-11

Abstract

車両に用いられ、車輪を操舵する操舵機能を備えた操舵モジュールであって、操舵モジュールをコンパクト化しつつ、操舵モジュールの汎用性を向上させることができる操舵モジュールを提供する。操舵モジュールは、操舵軸部を含む車体取付部と、本体部と、操舵固定体及び操舵回転体を含む操舵モータユニットと、制御装置とを備える。操舵固定体と操舵制御装置とは、操舵制御装置と操舵固定体と操舵軸部との各々が、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、車輪と少なくとも部分的に重なる態様で、操舵軸部に対して車輪と一体的に揺動するように本体部に支持され、これにより、車輪の操舵を行うための操舵制御装置と操舵モータユニットとが車輪とともに全体として揺動する。

Description

操舵モジュール

　本発明は、車両に用いられるモジュールに関し、詳しくは、車輪を操舵する操舵機能を備えた操舵モジュールに関する。

　従来、操舵モジュール、駆動モジュール、サスペンションモジュール、など各要素をモジュール化した車両が提案されている。このような車両は、例えば、下記非特許文献１に開示されている。

　下記非特許文献１において、駆動モジュールは、操舵モジュールに接続されている。操舵モジュールは、駆動モジュールとユニット化された状態で、サスペンションモジュールを介して車体に取り付けられている。このように各要素をモジュール化することで、種々の形態の車両を構成することができる。

Ｌａｒｓ　Ｇｒｉｍｓｔａｄ，　Ｐａｌ　Ｊｏｈａｎ　Ｆｒｏｍ、「Ｔｈｏｒｖａｌｄ　ＩＩ－ａ　Ｍｏｄｕｌａｒ　ａｎｄ　Ｒｅ－ｃｏｎｆｉｇｕｒａｂｌｅ　Ａｇｒｉｃｕｌｔｕｒａｌ　Ｒｏｂｏｔ」、ＩＦＡＣ　ＰａｐｅｒｓＯｎＬｉｎｅ、（ノルウェー）、ＩＦＡＣ、２０１７年７月、第５０巻、第１号、ｐ．４５８８－４５９３

　操舵モジュールをコンパクト化しつつ、種々の形態の車両を容易に構成できるように操舵モジュールの汎用性を向上させることが求められている。

　本発明の目的は、車両に用いられ、車輪を操舵する操舵機能を備えた操舵モジュールであって、操舵モジュールをコンパクト化しつつ、操舵モジュールの汎用性を向上させることができる操舵モジュールを提供することである。

　本発明の一実施形態に係る操舵モジュールは、車体取付部と、本体部と、車輪支持部と、操舵モータユニットと、制御装置とを備える。車体取付部は、車体固定部と、操舵軸部とを含む。車体固定部は、車体に固定される。操舵軸部は、車体固定部に対して回転不能に配置される。本体部は、操舵軸部に対して揺動するように配置される。車輪支持部は、本体部に対して回転するように配置される。車輪支持部は、車輪を支持する。操舵モータユニットは、操舵固定体と、操舵回転体とを含む。操舵回転体は、操舵固定体に対して相対回転する。操舵モータユニットは、出力されたトルクにより本体部を揺動させて車輪を操舵する。操舵制御装置は、操舵モータユニットの操舵固定体に電気的に接続される。操舵制御装置は、操舵モータユニットを制御する。操舵固定体と操舵制御装置とは、操舵制御装置と操舵固定体と操舵軸部との各々が、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、車輪と少なくとも部分的に重なる態様で、操舵軸部に対して車輪と一体的に揺動するように本体部に支持され、これにより、車輪の操舵を行うための操舵制御装置と操舵モータユニットとが車輪とともに全体として揺動する。

　上記操舵モジュールによれば、操舵固定体と操舵制御装置とは、操舵制御装置と操舵固定体と操舵軸部との各々が、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、車輪と少なくとも部分的に重なる態様で、操舵軸部に対して車輪と一体的に揺動するように本体部に支持される。これにより、車輪の操舵を行うための操舵制御装置と操舵モータユニットとが車輪とともに全体として揺動する。操舵制御装置は、操舵モータユニットを制御する。操舵制御装置は、操舵のための制御主体として機能する。操舵モータユニットは、操舵制御装置によって制御され、車輪を操舵する。車輪は、操舵モータユニットによって操舵される。操舵制御装置及び操舵モータユニットは、車輪と共に、操舵のために協働する。このような操舵制御装置及び操舵モータユニットが、車輪とともに全体として揺動するように設置される。これにより、操舵軸部に対して車輪と一体的に揺動する部分の中で操舵の処理及び動作を完結することができる。その結果、操舵制御装置や操舵モータユニットを車体に設けないようにすることできる。操舵制御装置と操舵モータユニットの間での配策も含めて、車輪の操舵を行うための構成、延いては、操舵モジュールをコンパクトにすることができる。また、車体に、操舵制御装置や操舵モータユニットの設置スペースを確保する必要がなくなる。車体において、機器や装置の設置スペースを広く確保することが可能になる。操舵モジュールを設置するために車体に機器や装置の設置スペースを確保するための設計上の制約が加わることを防止又は抑制できる。従って、車体の設計自由度が向上し、その結果、車体との組み合わせが容易になる。加えて、操舵制御装置と操舵固定体と操舵軸部との各々が、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、車輪と少なくとも部分的に重なることから、操舵モジュールをコンパクトにすることができる。上記操舵モジュールによれば、車輪の周囲の空間、特に、車輪の周囲における車輪の上の空間を広く確保し易い。そのため、車輪の上の空間を活用しやすくなり、その結果、車体との組み合わせがさらに容易になる。したがって、操舵モジュールの汎用性を向上させることができる。

　本発明の一実施形態に係る操舵モジュールは、車両に用いられ、車輪を操舵する操舵機能を備えるものであればよく、例えば、車輪を駆動する駆動機能をさらに備えていてもよい。車輪は、例えば、ホイールと、ホイールに装着されるタイヤとを含む。

　本発明の一実施形態において、車体固定部は、車体に直接固定されていてもよいし、車体に間接的に固定されていてもよい。操舵軸部が車体固定部に対して回転不能に配置される態様は、例えば、操舵軸部が車体固定部に固定される態様や、操舵軸部が車体固定部と一体的に形成される態様を含む。操舵軸部の中心軸線は、車輪支持部の回転軸線に対して交差する方向に延びていればよい。操舵軸部の中心軸線は、車輪支持部の回転軸線に対して直交する方向に延びていてもよい。

　本発明の一実施形態において、本体部が操舵軸部に対して揺動するように配置される態様は、例えば、操舵軸部の中心軸線回りの周方向に３６０°未満の範囲で回転するように配置される態様を含む。本体部は、例えば、操舵モータユニットを支持する。本体部は、操舵モータユニットを直接支持してもよいし、操舵モータユニットを間接的に支持してもよい。本体部は、例えば、操舵モータユニットを収容するための空間である収容空間を有していてもよい。この場合、本体部は、操舵モータユニットを収容空間に収容した状態で、操舵モータユニットを支持する。

　本発明の一実施形態において、車輪支持部が本体部に対して回転するように配置される態様は、車輪支持部そのものが本体部に対して回転するように配置される態様や、車輪支持部と一体的に回転するように配置された部材が本体部に対して回転するように配置される態様を含む。車輪支持部は、車輪を直接支持していてもよいし、車輪を間接的に支持していてもよい。車輪支持部が車輪を支持する態様は、例えば、車輪支持部が車輪のホイールを支持する態様を含む。

　本発明の一実施形態において、操舵固定体は、本体部に直接支持されてもよいし、本体部に間接的に支持されてもよい。操舵回転体と操舵固定体との位置関係は、特に限定されない。操舵固定体の中心軸線が延びる方向において、操舵回転体と操舵固定体が並んでいてもよい。操舵固定体の中心軸線が延びる方向に見たときの操舵固定体の形状が環状である場合、操舵固定体の中心軸線が延びる方向に見て、操舵固定体によって囲まれる空間に操舵回転体が配置されていてもよい。操舵回転体の回転軸線は、操舵固定体の中心軸線に平行であってもよいし、操舵固定体の中心軸線に一致していてもよい。操舵固定体は、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、その全体が車輪に重なっていてもよい。操舵固定体は、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、その全体が車輪のホイールに重なっていてもよい。操舵回転体は、操舵固定体と同軸に配置されていてもよい。操舵回転体の回転軸線は、車輪支持部の回転軸線に平行であってもよいし、車輪支持部の回転軸線に一致していてもよい。操舵回転体は、車輪支持部と同軸に配置されていてもよい。操舵回転体は、操舵軸部に接続されていてもよい。操舵回転体が操舵軸部に接続される態様は、操舵回転体の回転を本体部の操舵軸部に対する揺動に変更可能な態様であればよい。操舵回転体は、操舵軸部に直接接続されていてもよいし、操舵軸部に間接的に接続されていてもよい。操舵回転体が操舵軸部に間接的に接続される態様は、操舵回転体の回転軸線と一致する回転軸線又は操舵回転体の回転軸線と平行な回転軸線回りに回転可能に配置された部材を介して、操舵回転体が操舵軸部に接続される態様を含む。

　本発明の一実施形態において、操舵モータユニットは、操舵固定体に対して操舵回転体を回転させるためのトルクを出力可能な操舵モータを含んでいてもよい。操舵モータは、例えば、１つである。つまり、操舵モータユニットは、単一の操舵モータを含んでいてもよい。操舵モータは、ステータと、ステータに対して回転可能なロータとを含んでいればよい。ステータは、例えば、操舵固定体に含まれる。ステータの中心軸線は、車輪支持部の回転軸線と一致していてもよいし、車輪支持部の回転軸線に平行であってもよい。ロータは、例えば、操舵回転体に含まれる。ロータの回転軸線は、車輪支持部の回転軸線と一致していてもよいし、車輪支持部の回転軸線に平行であってもよい。操舵モータは、ラジアルギャップ型の電気モータであってもよいし、アキシャルギャップ型の電気モータであってもよい。ラジアルギャップ型の電気モータにおいては、ロータとステータが同軸上に配置され、かつ、ロータとステータとの間のギャップがロータの回転軸線に対して直交する方向に形成される。アキシャルギャップ型の電気モータにおいては、ロータとステータが同軸上に配置され、かつ、ロータとステータの間のギャップがロータの回転軸線が延びる方向に形成される。操舵モータユニットは、例えば、車輪におけるホイール内に配置されていてもよい。操舵モータユニットがホイール内に配置される態様は、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、ホイールのうちタイヤが装着されるリムよりも車輪支持部の回転軸線の近くに操舵モータユニットが配置される態様を含む。別の表現をすれば、操舵モータユニットがホイール内に配置される態様は、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、ホイールのうちタイヤが装着されるリムによって囲まれる空間に操舵モータユニットが配置される態様を含む。操舵モータユニットは、例えば、少なくとも一部が車輪におけるホイール内に配置されていてもよい。操舵モータユニットの少なくとも一部がホイール内に配置される態様は、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に直交する方向に見て、操舵モータユニットの少なくとも一部がホイールに重なる態様を含む。操舵モータユニットは、操舵回転体の回転を減速する減速機をさらに含んでいてもよい。減速機は、例えば、遊星歯車機構を有するものであってもよいし、サイクロイド機構を有するものであってもよい。減速機の少なくとも一部は、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、操舵回転体に重なっていてもよい。減速機の少なくとも一部は、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、操舵固定体に重なっていてもよい。車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見たときの操舵回転体の形状が環状である場合、減速機の少なくとも一部は、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、操舵回転体よりも車輪支持部の回転軸線の近くに配置されていてもよい。つまり、減速機の少なくとも一部は、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、操舵回転体によって囲まれる空間に配置されていてもよい。操舵モータユニットは、出力軸部をさらに含んでいてもよい。出力軸部は、操舵回転体の回転が伝達されるように操舵回転体に接続され、かつ、操舵軸部に接続される。出力軸部は、操舵回転体の回転が直接伝達されるものであってもよい。つまり、出力軸部は、操舵回転体に直接接続されていてもよい。或いは、出力軸部は、操舵回転体の回転が減速機を介して伝達されるものであってもよい。つまり、出力軸部は、減速機を介して操舵回転体に接続されていてもよい。出力軸部が操舵軸部に接続される態様は、特に限定されない。出力軸部が操舵軸部に接続される態様は、出力軸部の回転を本体部の操舵軸部に対する揺動に変更可能な態様であればよい。出力軸部は、操舵軸部に直接接続されていてもよいし、操舵軸部に間接的に接続されていてもよい。

　本発明の一実施形態において、操舵制御装置は、例えば、ＥＣＵ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃ　Ｃｏｎｔｒｏｌ　Ｕｎｉｔ）である。ＥＣＵは、例えば、ＩＣ（Ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ　Ｃｉｒｃｕｉｔ）、電子部品、回路基板等の組み合わせによって実現される。操舵制御装置による制御は、例えば、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ　Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）が不揮発性のメモリに記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムに従って所定の処理を実行すること等によって実現される。操舵制御装置は、本体部に直接支持されていてもよいし、本体部に間接的に支持されていてもよい。本体部は、例えば、操舵制御装置を収容するための空間である収容空間を有していてもよい。この場合、本体部は、操舵制御装置を収容空間に収容した状態で、操舵制御装置を支持する。操舵制御装置は、例えば、複数の制御部に分かれていてもよい。この場合、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、操舵制御装置の少なくとも一部が車輪と重なるように配置される態様は、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、複数の制御部のうち少なくとも１つの制御部の一部が車輪と重なるように配置される態様を含む。複数の制御部は、例えば、駆動電流供給部と、駆動電流制御部とを含む。駆動電流供給部は、操舵回転体を操舵固定体に対して相対回転させるための駆動電流を操舵固定体に供給する。駆動電流制御部は、操舵回転体の回転状態に応じて駆動電流供給部による操舵固定体への駆動電流の供給を制御する。車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、操舵軸部の中心軸線は、駆動電流供給部と駆動電流制御部の間に位置していてもよい。このような態様には、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、操舵軸部の中心軸線が駆動電流供給部に含まれる基板と駆動電流制御部に含まれる基板との間に位置する態様が含まれる。操舵制御装置は、操舵軸部の中心軸線と車輪支持部の回転軸線とを含む平面に対して平行に配置されていてもよい。このような態様には、例えば、操舵制御装置に含まれる基板が操舵軸部の中心軸線と車輪支持部の回転軸線とを含む平面に対して平行に配置される態様が含まれる。操舵制御装置は、操舵軸部の中心軸線が延びる方向と車輪支持部の回転軸線が延びる方向の各々に直交する方向に見て、操舵軸部の中心軸線に重なっていてもよい。操舵制御装置は、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、その全体が車輪に重なっていてもよい。操舵制御装置は、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、その少なくとも一部が車輪のホイールに重なっていてもよい。

　本発明の一実施形態に係る操舵モジュールは、接続切替機構を備えていてもよい。接続切替機構は、操舵回転体の回転により本体部が操舵軸部に対して揺動するように操舵回転体が操舵軸部に接続された状態と、操舵回転体の回転により車輪支持部が本体部に対して回転するように操舵回転体が車輪支持部に接続された状態とを切り替える。

　上記態様によれば、従来とは機能が異なる操舵モジュールを得ることができる。具体的には、上記態様によれば、操舵モータユニットが発生するトルクを駆動トルクとして用いることができる。つまり、操舵モジュールが駆動モジュールとしても機能するようになる。また、操舵モジュールが駆動機能も備える場合には、駆動モータユニットが発生するトルクに操舵モータユニットが発生するトルクを加えることができるので、最大駆動トルクを大きくすることができる。したがって、上記態様によれば、従来とは機能が異なる操舵モジュールを得ることができる。

　本発明の一実施形態に係る操舵モジュールは、さらに、ロック機構を備えていてもよい。ロック機構は、本体部を操舵軸部に対して揺動不能にロックする。

　上記態様によれば、操舵回転体の回転により車輪支持部が本体部に対して回転するように操舵回転体が車輪支持部に接続された状態で、車輪が操舵されることが抑制される。

　本発明の一実施形態に係る操舵モジュールは、さらに、駆動モータユニットを備えていてもよい。駆動モータユニットは、車輪を回転させるためのトルクを発生する。

　上記態様によれば、操舵モジュールが駆動モジュールとしても機能するようになる。

　本発明の一実施形態において、本体部は、例えば、駆動モータユニットを支持する。本体部は、駆動モータユニットを直接支持してもよいし、駆動モータユニットを間接的に支持してもよい。本体部は、例えば、駆動モータユニットを収容するための空間である収容空間を有していてもよい。この場合、本体部は、駆動モータユニットを収容空間に収容した状態で、駆動モータユニットを支持する。

　本発明の一実施形態において、駆動モータユニットは、駆動固定体と、駆動回転体とを含む。駆動回転体は、駆動固定体に対して相対回転する。駆動モータユニットは、駆動固定体に対して駆動回転体を回転させるためのトルクを出力可能な駆動モータを含んでいてもよい。駆動モータは、例えば、１つである。つまり、駆動モータユニットは、単一の駆動モータを含んでいてもよい。駆動モータは、ステータと、ステータに対して回転可能なロータとを含んでいればよい。ステータは、例えば、駆動固定体に含まれる。ステータの中心軸線は、車輪支持部の回転軸線と一致していてもよいし、車輪支持部の回転軸線に平行であってもよい。ロータは、例えば、駆動回転体に含まれる。ロータの回転軸線は、車輪支持部の回転軸線と一致していてもよいし、車輪支持部の回転軸線に平行であってもよい。駆動モータは、ラジアルギャップ型の電気モータであってもよいし、アキシャルギャップ型の電気モータであってもよい。ラジアルギャップ型の電気モータにおいては、ロータとステータが同軸上に配置され、かつ、ロータとステータとの間のギャップがロータの回転軸線に対して直交する方向に形成される。アキシャルギャップ型の電気モータにおいては、ロータとステータが同軸上に配置され、かつ、ロータとステータとの間のギャップがロータの回転軸線が延びる方向に形成される。駆動モータユニットは、例えば、車輪におけるホイール内に配置されていてもよい。駆動モータユニットがホイール内に配置される態様は、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、ホイールのうちタイヤが装着されるリムよりも車輪支持部の回転軸線の近くに駆動モータユニットが配置される態様を含む。別の表現をすれば、駆動モータユニットがホイール内に配置される態様は、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、ホイールのうちタイヤが装着されるリムによって囲まれる空間に駆動モータユニットが配置される態様を含む。駆動モータユニットは、駆動回転体の回転を減速する減速機をさらに含んでいてもよい。減速機は、例えば、遊星歯車機構を有するものであってもよいし、サイクロイド機構を有するものであってもよい。減速機の少なくとも一部は、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、駆動回転体に重なっていてもよい。減速機の少なくとも一部は、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、駆動固定体に重なっていてもよい。車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見たときの駆動回転体の形状が環状である場合、減速機の少なくとも一部は、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、駆動回転体よりも車輪支持部の回転軸線の近くに配置されていてもよい。つまり、減速機の少なくとも一部は、車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、駆動回転体によって囲まれる空間に配置されていてもよい。駆動モータユニットは、出力軸部をさらに含んでいてもよい。出力軸部は、車輪支持部と一体的に回転するように、車輪支持部に接続されていればよい。出力軸部が車輪支持部に接続される態様は、出力軸部から車輪支持部に力を伝達可能な態様であれば、特に限定されない。出力軸部は、車輪支持部と一体的に形成されていてもよいし、車輪支持部とは別に形成されていてもよい。出力軸部は、駆動回転体の回転が直接伝達されるものであってもよい。つまり、出力軸部は、駆動回転体に直接接続されていてもよい。或いは、出力軸部は、駆動回転体の回転が減速機を介して伝達されるものであってもよい。つまり、出力軸部は、減速機を介して駆動回転体に接続されていてもよい。

　この発明の上述の目的及びその他の目的、特徴、局面及び利点は、添付図面に関連して行われる以下のこの発明の実施形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。本明細書にて使用される場合、用語「及び／又は（ａｎｄ／ｏｒ）」は１つの、又は複数の関連した列挙されたアイテム（ｉｔｅｍｓ）のあらゆる又は全ての組み合わせを含む。本明細書中で使用される場合、用語「含む、備える（ｉｎｃｌｕｄｉｎｇ）」、「含む、備える（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）」又は「有する（ｈａｖｉｎｇ）」及びその変形の使用は、記載された特徴、工程、操作、要素、成分及び／又はそれらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び／又はそれらのグループのうちの１つ又は複数を含むことができる。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語（技術用語及び科学用語を含む）は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義された用語のような用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されることはない。本発明の説明においては、多数の技術及び工程が開示されていると理解される。これらの各々は個別の利益を有し、それぞれは、他の開示された技術の１つ以上、又は、場合によっては全てと共に使用することもできる。従って、明確にするために、この説明は、不要に個々のステップの可能な組み合わせの全てを繰り返すことを控える。それにもかかわらず、明細書及び特許請求の範囲は、そのような組み合わせが全て本発明及び特許請求の範囲内にあることを理解して読まれるべきである。以下の説明では、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細を述べる。しかしながら、当業者には、これらの特定の詳細なしに本発明を実施できることが明らかである。本開示は、本発明の例示として考慮されるべきであり、本発明を以下の図面又は説明によって示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。

　本発明によれば、車両に用いられ、車輪を操舵する操舵機能を備えた操舵モジュールであって、操舵モジュールをコンパクト化しつつ、操舵モジュールの汎用性を向上させることができる操舵モジュールを提供することができる。

本発明の第１の実施の形態による操舵モジュールの概略構成を示す模式図である。図１に示す操舵モジュールを左方向に見た模式図である。図１に示す操舵モジュールを下方向に見た模式図である。本発明の第２の実施の形態による操舵モジュールの概略構成を示す模式図である。図４に示す操舵モジュールを左方向に見た模式図である。図４に示す操舵モジュールを下方向に見た模式図である。本発明の第３の実施の形態による操舵モジュールの概略構成を示す模式図である。本発明の第４の実施の形態による操舵モジュールの断面図である。本発明の第５の実施の形態による操舵モジュールの断面図である。接続先切替機構及びロック機構の拡大図である。スプライン軸の正面図及び断面図である。本発明の第６の実施の形態による操舵モジュールの断面図である。車両の外観斜視図である。

　以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態による操舵モジュールの詳細について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、あくまでも一例である。本発明は、以下に説明する実施の形態によって、何等、限定的に解釈されるものではない。

［第１の実施の形態］
　図１を参照しながら、本発明の第１の実施の形態による操舵モジュール１０について説明する。なお、本明細書では、後述する車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌが延びる方向を左右方向とする。車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌに直交する方向（左右方向）であって、紙面に垂直な方向を前後方向とする。左右方向及び前後方向の各々に直交する方向を上下方向とする。

　図１を参照して、操舵モジュール１０は、車体取付部２０と、本体部３０と、車輪支持部４０と、操舵モータユニット６０と、操舵制御装置としての制御装置７０とを備える。以下、これらについて説明する。

　車体取付部２０は、車体固定部２２と、操舵軸部２４とを含む。車体固定部２２は、車体ＶＢに固定される。操舵軸部２４は、車体固定部２２に対して回転不能に配置される。

　本体部３０は、操舵軸部２４に対して揺動するように配置される。車輪支持部４０は、本体部３０に対して回転するように配置される。車輪支持部４０は、回転軸線４０Ｌを有する。車輪支持部４０は、本体部３０に対して回転軸線４０Ｌ回りに回転可能な状態で配置されている。車輪支持部４０は、車輪ＶＷを支持する。

　操舵モータユニット６０は、操舵固定体としての固定体６２と、操舵回転体としての回転体６４とを含む。操舵モータユニット６０は、出力されたトルクにより本体部３０を揺動させて車輪ＶＷを操舵する。固定体６２は、操舵軸部２４に対して車輪ＶＷと一体的に揺動するように本体部３０に支持される。回転体６４は、固定体６２に対して相対回転する。

　制御装置７０は、操舵モータユニット６０の固定体６２に電気的に接続される。制御装置７０は、操舵モータユニット６０を制御する。制御装置７０は、操舵軸部２４に対して車輪ＶＷと一体的に揺動するように本体部３０に支持される。

　続いて、図２及び図３を参照しながら説明する。操舵モータユニット６０の固定体６２の少なくとも一部は、車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌが延びる方向に見て、車輪ＶＷと重なるように配置される。制御装置７０の少なくとも一部は、車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌが延びる方向に見て、車輪ＶＷと重なるように配置される。車体取付部２０の操舵軸部２４の少なくとも一部は、車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌが延びる方向に見て、車輪ＶＷと重なるように配置される。

　このような操舵モジュール１０においては、固定体６２と制御装置７０は、制御装置７０と固定体６２と操舵軸部２４の各々が、車輪支持部４０の回転軸線が延びる方向に見て、車輪ＶＷと少なくとも部分的に重なる態様で、操舵軸部２４に対して車輪ＶＷと一体的に揺動するように本体部３０に支持される。これにより、車輪ＶＷの操舵を行うための制御装置７０と操舵モータユニット６０とが車輪ＶＷとともに全体として揺動するので、操舵軸部２４に対して車輪ＶＷと一体的に揺動する部分の中で操舵の処理及び動作を完結することができる。その結果、制御装置７０や操舵モータユニット６０を車体ＶＢに設けないようにすることできる。制御装置７０と操舵モータユニット６０の間での配策も含めて、車輪ＶＷの操舵を行うための構成、延いては、操舵モジュール１０をコンパクトにすることができる。また、車体ＶＢに、制御装置７０や操舵モータユニット６０の設置スペースを確保する必要がなくなる。車体ＶＢにおいて、機器や装置の設置スペースを広く確保することが可能になる。操舵モジュール１０を設置するために車体ＶＢに機器や装置の設置スペースを確保するための設計上の制約が加わることを防止又は抑制できる。従って、車体ＶＢの設計自由度が向上し、その結果、車体ＶＢとの組み合わせが容易になる。加えて、制御装置７０と固定体６２と操舵軸部２４との各々が、車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌが延びる方向に見て、車輪ＶＷと少なくとも部分的に重なることから、操舵モジュール１０をコンパクトにすることができる。操舵モジュール１０によれば、車輪ＶＷの周囲の空間、特に、車輪ＶＷの周囲における車輪ＶＷの上の空間を広く確保し易い。そのため、車輪ＶＷの上の空間を活用しやすくなり、その結果、車体ＶＢとの組み合わせがさらに容易になる。したがって、操舵モジュール１０の汎用性を向上させることができる。

［第２の実施の形態］
　図４を参照しながら、本発明の第２の実施の形態による操舵モジュール１０Ａについて説明する。操舵モジュール１０は、車体取付部２０と、本体部３０と、車輪支持部４０と、操舵モータユニット６０と、操舵制御装置としての制御装置７０とを備える。

　車体取付部２０は、車体固定部２２と、操舵軸部２４とを含む。車体固定部２２は、車体ＶＢに固定される。車体固定部２２は、例えば、ボルト及びナットにより、車体ＶＢに固定される。操舵軸部２４は、車体固定部２２に対して回転不能に配置される。車輪ＶＷは、ホイールＶＷ１と、ホイールＶＷ１に装着されるタイヤＶＷ２とを含む。操舵軸部２４は、中心軸線２４Ｌを有する。図４に示す例では、操舵軸部２４の中心軸線２４Ｌは、車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌに対して直交する方向に延びている。

　本体部３０は、操舵軸部２４に対して揺動するように配置される。図４に示す例では、本体部３０は、操舵軸部２４の中心軸線２４Ｌ回りに揺動可能に配置される。本体部３０は、操舵モータユニット６０を支持する。図４に示す例では、本体部３０は、収容空間３０Ａを有する。収容空間３０Ａには、操舵モータユニット６０が収容される。つまり、本体部３０は、操舵モータユニット６０を収容空間３０Ａに収容した状態で、操舵モータユニット６０を支持する。

　車輪支持部４０は、本体部３０に対して回転するように配置される。車輪支持部４０は、車輪ＶＷを支持する。図４に示す例では、車輪支持部４０は、車輪ＶＷのホイールＶＷ１に固定される。これにより、車輪支持部４０は、車輪ＶＷのホイールＶＷ１を支持する。車輪支持部４０を車輪ＶＷのホイールＶＷ１に固定する際には、例えば、ボルト及びナットが用いられる。ボルトは、車輪支持部４０に固定されたスタッドボルトを含む。車輪支持部４０には、車輪支持部４０と一体的に回転するように駆動軸部４２が接続される。駆動軸部４２の回転軸線４２Ｌは、車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌに一致している。駆動軸部４２は、本体部３０に対して回転可能に配置される。そのため、車輪支持部４０は、本体部３０に対して回転可能に配置される。

　操舵モータユニット６０は、操舵固定体としての固定体６２と、操舵回転体としての回転体６４とを含む。操舵モータユニット６０は、出力されたトルクにより本体部３０を揺動させて車輪ＶＷを操舵する。操舵モータユニット６０は、固定体６２に対して回転体６４を回転させるためのトルクを出力可能な操舵モータ６６を含む。操舵モータ６６は、１つである。操舵モータ６６のステータは、固定体６２に含まれる。操舵モータ６６のロータは、回転体６４に含まれる。回転体６４は、固定体６２に対して相対回転する。図４に示す例では、操舵モータ６６は、所謂インナーロータ型の電気モータである。固定体６２は、操舵軸部２４に対して車輪ＶＷと一体的に揺動するように本体部３０に支持される。図４に示す例では、固定体６２の中心軸線は、車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌと一致している。回転体６４の回転軸線６４Ｌは、固定体６２の中心軸線に一致している。回転体６４の回転軸線６４Ｌは、車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌに一致している。回転体６４の回転軸線６４Ｌは、操舵軸部２４の中心軸線２４Ｌに対して直交する方向に延びている。回転体６４は、操舵軸部２４に対して本体部３０が揺動するように操舵軸部２４に接続される。

　操舵モータユニット６０は、出力軸部６５をさらに含む。図４に示す例では、出力軸部６５の回転軸線６５Ｌは、回転体６４の回転軸線６４Ｌに一致している。出力軸部６５の回転軸線６５Ｌは、車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌに一致している。出力軸部６５は、回転体６４の回転が伝達されるように回転体６４に接続される。出力軸部６５は、操舵軸部２４に接続される。図４に示す例では、出力軸部６５に形成された傘歯車６５０と、操舵軸部２４に形成された傘歯車２４０とが噛み合うことにより、出力軸部６５が操舵軸部２４に接続されている。

　操舵モータユニット６０は、減速機６８を含む。減速機６８は、操舵モータ６６のロータ（つまり、回転体６４）の回転を減速して、出力軸部６５に伝達する。減速機６８の少なくとも一部は、車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌが延びる方向に見て、操舵モータ６６のロータ（つまり、回転体６４）よりも車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌの近くに配置される。

　制御装置７０は、固定体６２に電気的に接続される。制御装置７０は、操舵モータユニット６０を制御する。制御装置７０は、操舵軸部２４に対して車輪ＶＷと一体的に揺動するように本体部３０に支持される。操舵軸部２４の中心軸線２４Ｌが延びる方向（つまり、図４の上下方向）と車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌが延びる方向（つまり、図４の左右方向）の各々に直交する方向（つまり、図４の前後方向）に見て、制御装置７０は、操舵軸部２４の中心軸線２４Ｌに重なる。

　続いて、図５及び図６を参照しながら説明する。操舵モータユニット６０の固定体６２の少なくとも一部は、車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌが延びる方向に見て、車輪ＶＷと重なるように配置される。制御装置７０の少なくとも一部は、車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌが延びる方向に見て、車輪ＶＷと重なるように配置される。

　制御装置７０は、駆動電流供給部７２と、駆動電流制御部７４とを含む。駆動電流供給部７２は、回転体６４を固定体６２に対して相対回転させるための駆動電流を固定体６２に供給する。駆動電流制御部７４は、回転体６４の回転状態に応じて駆動電流供給部７２よる固定体６２への駆動電流の供給を制御する。車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌが延びる方向に見て、駆動電流供給部７２及び駆動電流制御部７４の少なくとも一方の一部が車輪ＶＷと重なるように配置される。

　制御装置７０は、操舵軸部２４の中心軸線２４Ｌと車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌとを含む平面Ｓ１に対して平行に配置される。具体的には、駆動電流供給部７２及び駆動電流制御部７４の各々が平面Ｓ１に対して平行に配置される。

　車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌが延びる方向に見て、操舵軸部２４は、駆動電流供給部７２と駆動電流制御部７４の間に位置している。つまり、車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌが延びる方向に見て、操舵軸部２４の中心軸線２４Ｌは、駆動電流供給部７２と駆動電流制御部７４の間に位置している。操舵軸部２４の少なくとも一部は、車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌが延びる方向に見て、車輪ＶＷと重なるように配置される。

　このような操舵モジュール１０Ａにおいても、操舵モジュール１０と同様に、操舵モジュール１０Ａをコンパクト化しつつ、操舵モジュール１０Ａの汎用性を向上させることがきる。

［第３の実施の形態］
　図７を参照しながら、本発明の第３の実施の形態による操舵モジュール１０Ｂについて説明する。操舵モジュール１０Ｂは、操舵モジュール１０Ａと比べて、駆動モータユニット５０をさらに備える。駆動モータユニット５０は、固定体５２と、回転体５４とを含む。駆動モータユニット５０は、回転体５４の回転を出力軸部５５に伝達して車輪ＶＷを駆動する。つまり、操舵モジュール１０Ｂは、車輪ＶＷを操舵する操舵機能の他に、車輪ＶＷを駆動する駆動機能を備える。

　駆動モータユニット５０は、本体部３０に支持される。図７に示す例では、駆動モータユニット５０は、本体部３０が有する収容空間３０Ｂに収容された状態で、本体部３０に支持される。駆動モータユニット５０は、固定体５２に対して回転体５４を回転させるためのトルクを出力可能な駆動モータ５６を含む。駆動モータ５６は、１つである。駆動モータ５６のステータは、固定体５２に含まれる。駆動モータ５６のロータは、回転体５４に含まれる。図７に示す例では、駆動モータ５６は、所謂インナーロータ型の電気モータである。固定体５２は、本体部３０に固定される。回転体５４は、固定体５２に対して相対回転する。図７に示す例では、回転体５４の回転軸線５４Ｌは、固定体５２の中心軸線に一致している。回転体５４の回転軸線５４Ｌは、車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌに一致している。

　駆動モータユニット５０は、出力軸部５５をさらに含む。図７に示す例では、出力軸部５５の回転軸線５５Ｌは、回転体５４の回転軸線５４Ｌに一致している。出力軸部５５の回転軸線５５Ｌは、車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌと一致している。図７に示す例では、出力軸部５５は、回転体５４の回転が伝達されて車輪支持部４０と一体的に回転する。

　駆動モータユニット５０は、減速機５８を含む。減速機５８は、駆動モータ５６のロータ（つまり、回転体５４）の回転を減速する。減速機５８の少なくとも一部は、車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌが延びる方向に見て、駆動モータ５６のロータ（つまり、回転体５４）よりも車輪支持部４０の回転軸線４０Ｌの近くに配置される。駆動モータユニット５０は、制御装置７０によって制御される。つまり、図７に示す例では、制御装置７０は、駆動モータユニット５０及び操舵モータユニット６０を制御する。

　このような操舵モジュール１０Ｂにおいても、操舵モジュール１０Ａと同様に、操舵モジュール１０Ｂをコンパクト化しつつ、操舵モジュール１０Ｂの汎用性を向上させることができる。

［第４の実施の形態］
　図８を参照しながら、本発明の第４の実施形態に係る操舵モジュール１０Ｃについて説明する。図８の(ａ)は、操舵出力状態の操舵モジュール１０Ｃを示す。図８の（ｂ）は、駆動出力状態の操舵モジュール１０Ｃを示す。

　操舵モジュール１０Ｃは、車両に用いられる。操舵モジュール１０Ｃは、例えば、車両の車体１０２に取り付けられる。操舵モジュール１０Ｃは、車体固定部１６、本体部１８、車輪支持部２１、操舵モータ２２Ａ及び接続先切替機構２４Ａを備える。

　車体固定部１６は、車体１０２に固定される。車体固定部１６は、車体１０２に対して変位することができない。車体固定部１６は、例えば、操舵軸部を含む。

　本体部１８は、車体固定部１６に対して揺動する。本体部１８は、例えば、上下方向に延びる中心軸線を中心に車体固定部１６に対して揺動することができる。

　車輪支持部２１は、車輪１１０とともに本体部１８に対して回転するように車輪１１０を支持する。車輪支持部２１は、本体部１８に対して回転するように設けられる。これにより、車輪１１０は、本体部１８に対して回転することができる。

　操舵モータ２２Ａは、本体部１８を車体固定部１６に対して揺動させるトルクを発生することにより車輪１１０を操舵する。操舵モータ２２Ａが発生したトルクは、車体固定部１６に付与される。操舵モータ２２Ａは、操舵固定体としての固定体２２１と操舵回転体としての回転体２２２とを含む。固定体２２１は、本体部１８に固定されている。回転体２２２は、固定体２２１に対して回転する。

　なお、図示はしていないが、操舵モジュール１０Ｃは、操舵モータ２２Ａを駆動する制御装置をさらに備える。そして、固定体２２１と上記制御装置は、上記制御装置と固定体２２１と操舵軸部の各々が、車輪支持部２１の回転軸線が延びる方向に見て、車輪１１０と少なくとも部分的に重なる態様で、操舵軸部に対して車輪１１０と一体的に揺動するように本体部１８に支持され、これにより、車輪１１０の操舵を行うための制御装置と操舵モータ２２Ａとが車輪１１０とともに全体として揺動する。

　接続先切替機構２４Ａは、図８の（ａ）に示すように、回転体２２２の回転により本体部１８が車体固定部１６に対して揺動するように回転体２２２が操舵軸部に接続された状態（操舵出力状態）と、図８の（ｂ）に示すように、回転体２２２の回転により車輪支持部２０が本体部１８に対して回転するように回転体２２２が車輪支持部２０に接続された状態（駆動出力状態）とを切り替える。

　操舵モジュール１０Ｃによれば、操舵モジュール１０と同様な効果が得られる。また、接続先切替機構２４Ａが操舵出力状態と駆動出力状態とを切り替えることができるので、操舵モータ２２Ａが発生するトルクを駆動トルクとして用いることができる。

［第５の実施の形態］
　図９－１１を参照しながら、本発明の第５の実施の形態に係る操舵モジュールとしてのモジュールについて説明する。図９の（ａ）は、操舵出力状態かつ揺動ロック解除状態のモジュール１０ａを示す。図９の（ｂ）は、駆動出力状態かつ揺動ロック状態のモジュール１０ａを示す。

　モジュール１０ａは、車両に用いられる。モジュール１０ａは、例えば、車両の車体１０２に取り付けられる。モジュール１０ａは、車体固定部１６、本体部１８、車輪支持部２１、操舵モータ２２、減速機２３、接続先切替機構２４Ａ、駆動モータ２６、減速機２７、制御装置２８、ロック機構２９、操舵シャフト３０Ａ及びベベルギア３１を備える。

　車体固定部１６は、車体１０２に対して固定される。車体固定部１６は、操舵軸部１２及び固定支持部１４を含む。操舵軸部１２は、軸部本体１２０及びべベルギア１２２を含む。軸部本体１２０の中心軸線Ｌ１は、上下方向に延びている。ベベルギア１２２は、軸部本体１２０に固定されている。固定支持部１４は、操舵軸部１２が車体１０２に対して回転しないように操舵軸部１２を支持する。固定支持部１４は、車体１０２に対して、例えば、ボルト及びナット等の締結部材により固定されている。

　本体部１８は、車体固定部１６に対して揺動する。本体部１８は、操舵モータ２２Ａ、減速機２３、駆動モータ２６及び減速機２７を収容する。

　車輪１１０は、ホイール１１２及びタイヤ１１４を含む。ホイール１１２は、リム１１２ａ及びディスク１１２ｂを含む。車輪支持部２０Ａは、車輪１１０とともに本体部１８に対して回転するように車輪１１０を支持する。車輪支持部２０Ａは、ホイール１１２のディスク１１２ｂを支持する。ホイール１１２は、ボルト及び／又はナット等の締結部材により車輪支持部２０Ａに固定される。車輪支持部２０Ａは、本体部１８に対して回転するように設けられる。車輪支持部２０Ａ及び車輪１１０の回転軸線Ｌ３は、水平面に平行である。図９では、車輪支持部２０及び車輪１１０の回転軸線Ｌ３は、左右方向に延びている。

　図９に示すように、操舵軸部１２の中心軸線Ｌ１と車輪１１０の接地面との交点Ｐ１の位置は、車輪１１０の中心線Ｌ０と車輪１１０の接地面の交点Ｐ０の位置と異なっている。なお、車輪１１０の中心線Ｌ０とは、車輪１１０の前後方向の中央及び車輪１１０の左右方向の中央を通過し、かつ、上下方向に延びる直線である。

　駆動モータ２６及び減速機２７は、ホイール１１２に囲まれた空間内に配置される。車輪１１０の回転軸線Ｌ３が延びる方向に見たときに、駆動モータ２６及び減速機２７は車輪１１０と重なる。

　駆動モータ２６は、車輪支持部２０Ａを本体部１８に対して回転させるトルクを発生する。駆動モータ２６は、車輪１１０の回転軸線Ｌ３を中心に車輪１１０を本体部１８に対して回転させるトルクを車輪１１０に付与する。駆動モータ２６は、固定体２６１及び回転体２６２を含む。固定体２６１は、ステータである。固定体２６１は、本体部１８の内面に固定される。回転体２６２は、ロータ２６２１及び回転軸２６２２を含む。ロータ２６２１は、左方向に見たときに、固定体２６１に囲まれた空間内に配置されている。ロータ２６２１は、固定体２６１に対して回転する。図９では、ロータ２６２１の回転軸線Ｌ４は、車輪１１０の回転軸線Ｌ３と一致している。

　減速機２７は、ロータ２６２１の回転速度を減少させ、かつ、ロータ２６２１のトルクを増加させて、ロータ２６２１の回転を回転軸２６２２に伝達する。減速機２７は、左方向に見たときに、ロータ２６２１に囲まれた空間内に配置される。

　回転軸２６２２は、回転軸２６２２の回転軸線Ｌ５を中心に回転することができる。図９では、回転軸２６２２の回転軸線Ｌ５は、車輪１１０の回転軸線Ｌ３と一致している。回転軸２６２２には、車輪支持部２０が固定される。これにより、駆動モータ２６が作動すると、回転軸２６２２が回転し、車輪支持部２０及び車輪１１０が回転する。

　操舵モータ２２Ａ及び減速機２３は、ホイール１１２に囲まれた空間内に配置される。操舵モータ２２Ａ及び減速機２３は、駆動モータ２６及び減速機２７よりも操舵軸部１２の近くに配置される。車輪１１０の回転軸線Ｌ３が延びる方向に見たときに、操舵モータ２２Ａ及び減速機２３の少なくとも一部が車輪１１０と重なる。

　操舵モータ２２Ａは、操舵軸部１２に対して本体部１８を揺動させるトルクを操舵軸部１２に付与することにより、車輪１１０を操舵する。操舵モータ２２Ａは、操舵固定体としての固定体２２１及び操舵回転体としての回転体２２２を含む。固定体２２１は、ステータである。固定体２２１は、本体部１８の内面に固定される。回転体２２２は、ロータ２２２１及び回転軸２２２２を含む。ロータ２２２１は、左方向に見たときに、固定体２２１に囲まれた空間内に配置される。ロータ２２２１は、固定体２２１に対して回転する。図２では、ロータ２２２１の回転軸線Ｌ６は、車輪１１０の回転軸線Ｌ３と一致している。

　減速機２３は、ロータ２２２１の回転速度を減少させ、かつ、ロータ２２２１のトルクを増加させて、ロータ２２２１の回転を回転軸２２２２に伝達する。減速機２３は、左方向に見たときに、ロータ２２２１に囲まれた空間内に配置される。

　回転軸２２２２は、回転軸２２２２の回転軸線Ｌ７を中心に本体部１８に対して回転することができる。回転軸２２２２の回転軸線Ｌ７は、車輪１１０の回転軸線Ｌ３と一致している。

　操舵シャフト３０は、回転軸２２２２よりも操舵軸部１２の近くに配置される。操舵シャフト３０は、操舵シャフト３０の回転軸線Ｌ８を中心に本体部１８に対して回転することができる。操舵シャフト３０の回転軸線Ｌ８は、回転軸２２２２の回転軸線Ｌ７と一致している。

　ベベルギア３１は、操舵シャフト３０に設けられる。べベルギア３１とべベルギア１２２とは、噛み合う。

　なお、図示はしていないが、モジュール１０ａは、操舵モータ２２Ａを駆動する制御装置をさらに備える。そして、固定体２２１と上記制御装置は、上記制御装置と固定体２２１と操舵軸部１２の各々が、車輪支持部２１の回転軸線が延びる方向に見て、車輪１１０と少なくとも部分的に重なる態様で、操舵軸部に対して車輪１１０と一体的に揺動するように本体部１８に支持され、これにより、車輪１１０の操舵を行うための制御装置と操舵モータ２２Ａとが車輪１１０とともに全体として揺動する。なお、操舵モータ２２Ａを駆動する制御装置は、操舵モータ２２Ａだけでなく、駆動モータ２６も駆動してもよい。

　接続切替機構２４Ａは、図９の（ａ）に示すように、回転体２２２の回転により本体部１８が車体固定部１６に対して揺動するように回転体２２２が操舵軸部１２に接続された状態（操舵出力状態）と、図９の（ｂ）に示すように、回転体２２２の回転により車輪支持部２０が本体部１８に対して回転するように回転体２２２が車輪支持部２０に接続された状態（駆動出力状態）とを切り替える。

　接続切替機構２４Ａは、操舵出力状態と駆動出力状態とを切り替えるために、図１０に示すように、アクチュエータ２４０Ａ、アクチュエータシャフト２４１、スプライン軸２４３，２４４及びスプライン孔２４５～２４８を含む。

　アクチュエータ２４０Ａは、本体部１８に固定される。より詳細には、アクチュエータ２４０Ａは、図９に示すように、本体部１８の右端部において回転軸線Ｌ７が通過する部分に固定される。

　アクチュエータシャフト２４１は、アクチュエータ２４０Ａから左方向に延びる。アクチュエータシャフト２４１は、操舵シャフト３０、ベベルギア３１及び回転軸２２２２を左右方向に貫通する。アクチュエータ２４０Ａは、アクチュエータシャフト２４１を本体部１８に対して左右方向に移動させる。

　スプライン孔２４５は、操舵シャフト３０の左端部に設けられる。スプライン孔２４６は、回転軸２２２２の右端部に設けられる。スプライン孔２４７は、回転軸２２２２の左端部に設けられる。スプライン孔２４８は、回転軸２６２２の右端部に設けられる。

　スプライン軸２４３は、アクチュエータシャフト２４１の中間部に設けられる。スプライン軸２４３は、操舵シャフト３０の左端近傍及び回転軸２２２２の右端近傍に設けられる。スプライン軸２４３は、回転軸線Ｌ７を中心にアクチュエータシャフト２４１に対して回転することができる。よって、スプライン軸２４３は、回転軸線Ｌ７を中心に本体部１８に対して回転することができる。ただし、スプライン軸２４３は、アクチュエータシャフト２４１に対して左右方向に変位することができない。そのため、スプライン軸２４３は、アクチュエータシャフト２４１と共に本体部１８に対して左右方向にアクチュエータ２４０Ａにより移動させられる。

　スプライン軸２４３の構造について図１１を参照しながら説明する。スプライン軸２４３は、回転軸線Ｌ７を中心にアクチュエータシャフト２４１に対して回転することができる。従って、アクチュエータシャフト２４１は、スプライン軸２４３を左右方向に貫通している。スプライン軸２４３の右には、サークリップ３００が設けられる。スプライン軸２４３の左には、サークリップ３０２が設けられる。サークリップ３００，３０２は、アクチュエータシャフト２４１に固定される。サークリップ３００，３０２は、スプライン軸２４３がアクチュエータシャフト２４１に対して左右方向に移動することを規制する。なお、後述するスプライン軸２４４，２５０も、スプライン軸２４３と同じ構造を有する。

　スプライン軸２４４は、アクチュエータシャフト２４１の左端部に設けられる。スプライン軸２４４は、回転軸２２２２の左端近傍及び駆動モータ回転軸２６２２の右端近傍に設けられる。スプライン軸２４４は、回転軸線Ｌ７を中心にアクチュエータシャフト２４１に対して回転することができる。よって、スプライン軸２４４は、回転軸線Ｌ７を中心に本体部１８に対して回転することができる。ただし、スプライン軸２４４は、アクチュエータシャフト２４１に対して左右方向に変位することができない。そのため、スプライン軸２４４は、アクチュエータシャフト２４１と共に本体部１８に対して左右方向にアクチュエータ２４０Ａにより移動させられる。

　ロック機構２９は、本体部１８を車体固定部１６に対して揺動不能にロックする。ロック機構２９は、本体部１８が車体固定部１６に対して揺動することを許容する揺動ロック解除状態と、本体部１８が車体固定部１６に対して揺動することを許容しない揺動ロック状態とを切り替える。ロック機構２９は、図１０に示すように、揺動ロック解除状態と揺動ロック状態と切り替えるために、アクチュエータ２４０Ａ、アクチュエータシャフト２４１、スプライン軸２５０及びスプライン孔２５１，２５２を含む。

　スプライン孔２５１は、本体部１８の右端部に設けられる。スプライン孔２５１は、ベベルギア３１の右に設けられる。スプライン孔２５２は、ベベルギア３１の右端部に設けられる。スプライン軸２５０は、アクチュエータシャフト２４１の右部に設けられる。スプライン軸２５０は、本体部１８の右端近傍及びベベルギア３１の右端近傍に設けられる。スプライン軸２５０は、回転軸線Ｌ７を中心にアクチュエータシャフト２４１に対して回転することができる。よって、スプライン軸２５０は、回転軸線Ｌ７を中心に本体部１８に対して回転することができる。ただし、スプライン軸２５０は、アクチュエータシャフト２４１に対して左右方向に変位することができない。そのため、スプライン軸２５０は、アクチュエータシャフト２４１と共に本体部１８に対して左右方向にアクチュエータ２４０Ａにより移動させられる。

　制御装置２８は、アクチュエータ２４０Ａの動作を制御する。制御装置２８は、ＩＣ（Ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ　Ｃｉｒｃｕｉｔ）、回路基板及び電子部品の組み合わせにより実現される。なお、制御装置２８は、アクチュエータ２４０を制御することに加えて、操舵モータ２２及び駆動モータ２６も制御してもよい。

　次に、接続先切替機構２４Ａ及びロック機構２９の動作について図１０を参照しながら説明する。接続先切替機構２４Ａは、操舵出力状態と駆動出力状態とにモジュール１０ａの状態を切り替えることができる。また、ロック機構２９は、揺動ロック解除状態と揺動ロック状態とにモジュール１０ａの状態を切り替えることができる。そして、モジュール１０ａの状態が操舵出力状態であるときには、モジュール１０ａの状態が揺動ロック解除状態である。モジュール１０ａの状態が駆動出力状態であるときには、モジュール１０ａの状態が揺動ロック状態である。以下に、詳細に説明する。

　操舵出力状態かつ揺動ロック解除状態では、制御装置２８（図１０には図示せず）は、アクチュエータシャフト２４１がアクチュエータシャフト２４１の可動範囲の左端に変位するように、アクチュエータ２４０Ａを制御する。このとき、スプライン軸２４４は、スプライン孔２４７と噛み合っておらず、スプライン孔２４８と噛み合っている。回転軸２２２２が回転軸２６２２に固定されない。更に、スプライン軸２４３は、スプライン孔２４５と噛み合っており、スプライン孔２４６と噛み合っている。回転軸２２２２が操舵シャフト３０に固定される。モジュール１０ａの状態は、回転体２２２の回転により本体部１８が車体固定部１６に対して揺動するように回転体２２２が車体固定部１６に接続された操舵出力状態になる。スプライン軸２５０は、スプライン孔２５１に噛み合っておらず、スプライン孔２５２に噛み合っている。操舵シャフト３０及びベベルギア３１は、本体部１８に固定されない。モジュール１０ａの状態は、本体部１８が車体固定部１６に対して揺動することが許容される揺動ロック解除状態になる。これにより、操舵モータ２２Ａが駆動すると、本体部１８が操舵軸部１２に対して揺動する。

　駆動出力状態かつ揺動ロック状態では、制御装置２８は、アクチュエータシャフト２４１がアクチュエータシャフト２４１の可動範囲の右端に変位するように、アクチュエータ２４０Ａを制御する。このとき、スプライン軸２４４は、スプライン孔２４７と噛み合っており、スプライン孔２４８と噛み合っている。回転軸２２２２が回転軸２６２２に固定される。更に、スプライン軸２４３は、スプライン孔２４５と噛み合っており、スプライン孔２４６と噛み合っていない。回転軸２２２２が操舵シャフト３０に固定されない。モジュール１０ａの状態は、回転体２２２の回転により車輪支持部２０が本体部１８に対して回転するように回転体２２２が車輪支持部２０に接続された駆動出力状態になる。スプライン軸２５０は、スプライン孔２５１に噛み合っており、スプライン孔２５２に噛み合っている。操舵シャフト３０及びベベルギア３１は、本体部１８に固定される。モジュール１０ａの状態は、本体部１８が車体固定部１６に対して揺動することが許容されない揺動ロック状態になる。これにより、操舵モータ２２Ａが駆動すると、車輪１１０が本体部１８に対して回転する。

　モジュール１０ａによれば、モジュール１０と同様な効果を得ることができる。

［第６の実施の形態］
　図１２を参照しながら、本発明の第６の実施の形態に係る操舵モジュールとしてのモジュールについて説明する。なお、図１２では、操舵出力状態のモジュール１０ｂを示す。

　モジュール１０ｂは、クラッチ５０Ａを更に備えている点においてモジュール１０ａと相違する。クラッチ５０Ａは、駆動モータ２６と車輪支持部２０ａとの間のトルクの伝達経路に設けられ、かつ、駆動モータ２６が発生したトルクの車輪支持部２０ａへの伝達と遮断とを切り替える。

　モジュール１０ｂは、車輪支持部２０の代わりに車輪支持部２０ａを備える。回転軸２６２２は、車輪支持部２０ａを左右方向に貫通している。車輪支持部２０ａは、回転軸２６２２に対して回転軸線Ｌ５を中心に回転することができる。

　クラッチ５０Ａは、接続部材５１、固定プレート５２、ナット５４，５６及びキャップ５８を含む。回転軸２６２２は、接続部材５１を左右方向に貫通する。回転軸２６２２には、スプライン軸が形成される。接続部材５１の内面には、スプライン孔が形成される。回転軸２６２２のスプライン軸と接続部材５１のスプライン孔とが噛み合う。接続部材５１の外面には、スプライン軸が形成される。車輪支持部２０ａの内面には、スプライン孔が形成される。接続部材５１のスプライン軸と車輪支持部２０ａのスプライン孔とが噛み合う。これにより、接続部材５１は、回転軸２６２２から車輪支持部２０ａへとトルクが伝達されるように、回転軸２６２２と車輪支持部２０とを接続する。その結果、回転軸２６２２が回転すると、接続部材５１及び車輪支持部２０ａが回転する。

　回転軸２６２２は、固定プレート５２を左右方向に貫通する。固定プレート５２は、車輪支持部２０ａ及び接続部材５１の左に設けられる。固定プレート５２は、接続部材５１が車輪支持部２０ａ及び回転軸２６２２から外れることを抑制する。

　ナット５４，５６は、ダブルナットを構成している。回転軸２６２２の左端部には、雄ネジが形成される。ナット５４，５６は、回転軸２６２２の左端部に取り付けられる。これにより、ナット５４，５６は、固定プレート５２を接続部材５１及び車輪支持部２０ａに押し付ける。

　キャップ５８は、ナット５４，５６を覆うように固定プレート５２に取り付けられる。キャップ５８は、ナット５４，５６を保護する。

　図１２に示すように、接続部材５１がモジュール１０ｂに取り付けられた状態では、駆動モータ２６が発生したトルクが車輪支持部２０ａへ伝達される。一方、接続部材５１、固定プレート５２、ナット５４，５６及びキャップ５８がモジュール１０ｂから取り外されると、駆動モータ２６が発生したトルクが車輪支持部２０ａに伝達されない。モジュール１０ｂのクラッチ５０Ａ以外の構造は、モジュール１０ａと同じであるので説明を省略する。

　モジュール１０ｂによれば、モジュール１０ａと同様な効果を得ることができる。

［操舵モジュールを備える車両］
　図１３を参照しながら車両１００について説明する。車両１００は、車体１０２、左前駆動操舵モジュール１０ａＬＦ、右前駆動操舵モジュール１０ａＲＦ、左後駆動操舵モジュール１０ａＬＢ及び右後駆動操舵モジュール１０ａＲＢを備える。車体１０２は、左前駆動操舵モジュール１０ａＬＦ、右前駆動操舵モジュール１０ａＲＦ、左後駆動操舵モジュール１０ａＬＢ及び右後駆動操舵モジュール１０ａＲＢを支持する。

　左前駆動操舵モジュール１０ａＬＦ、右前駆動操舵モジュール１０ａＲＦ、左後駆動操舵モジュール１０ａＬＢ及び右後駆動操舵モジュール１０ａＲＢは、モジュール１０ａと同じ構造を有するので説明を省略する。なお、左前駆動操舵モジュール１０ａＬＦ、右前駆動操舵モジュール１０ａＲＦ、左後駆動操舵モジュール１０ａＬＢ及び右後駆動操舵モジュール１０ａＲＢの少なくとも１つを、モジュール１０ａの代わりに、モジュール１０ｂやモジュール１０、駆動モジュール、駆動機能及び操舵機能を有さないキャスター、外力により方向が変化しない固定輪に変更してもよい。

（その他の実施形態）
　本明細書において記載と図示の少なくとも一方がなされた実施形態及び変形例は、本開示の理解を容易にするためのものであって、本開示の思想を限定するものではない。上記の実施形態及び変形例は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得る。当該趣旨は、本明細書に開示された実施形態に基づいて当業者によって認識されうる、均等な要素、修正、削除、組み合わせ（例えば、実施形態及び変形例に跨る特徴の組み合わせ）、改良、変更を包含する。特許請求の範囲における限定事項は当該特許請求の範囲で用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態及び変形例に限定されるべきではない。そのような実施形態及び変形例は非排他的であると解釈されるべきである。例えば、本明細書において、「好ましくは」、「よい」という用語は非排他的なものであって、「好ましいがこれに限定されるものではない」、「よいがこれに限定されるものではない」ということを意味する。

１０　操舵モジュール
２０　車体取付部
２２　車体固定部
２４　操舵軸部
３０　本体部
４０　車輪支持部
６０　操舵モータユニット
６２　固定体
６４　回転体
６６　操舵モータ
６８　減速機
７０　制御装置
ＶＢ　車体
ＶＷ　車輪

Claims

車体に固定される車体固定部と、前記車体固定部に対して回転不能に配置される操舵軸部とを含む車体取付部と、
　前記操舵軸部に対して揺動するように配置される本体部と、
　前記本体部に対して回転するように配置され、車輪を支持する車輪支持部と、
　操舵固定体と、前記操舵固定体に対して相対回転する操舵回転体とを含み、出力されたトルクにより前記本体部を揺動させて前記車輪を操舵する操舵モータユニットと、
　前記操舵モータユニットの前記操舵固定体に電気的に接続され、前記操舵モータユニットを制御する操舵制御装置と、
　を備えた操舵モジュールであって、
　前記操舵固定体と前記操舵制御装置とは、前記操舵制御装置と前記操舵固定体と前記操舵軸部との各々が、前記車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、前記車輪と少なくとも部分的に重なる態様で、前記操舵軸部に対して前記車輪と一体的に揺動するように前記本体部に支持され、これにより、前記車輪の操舵を行うための前記操舵制御装置と前記操舵モータユニットとが前記車輪とともに全体として揺動する、操舵モジュール。
　請求項１に記載の操舵モジュールであって、
　前記操舵制御装置は、前記操舵軸部の中心軸線が延びる方向と前記車輪支持部の回転軸線が延びる方向の各々に直交する方向に見て、前記操舵軸部の中心軸線に重なる、操舵モジュール。
　請求項１又は２に記載の操舵モジュールであって、
　前記操舵制御装置は、
　前記操舵回転体を前記操舵固定体に対して相対回転させるための駆動電流を前記操舵固定体に供給する駆動電流供給部と、
　前記操舵回転体の回転状態に応じて前記駆動電流供給部による前記操舵固定体への駆動電流の供給を制御する駆動電流制御部とを含み、
　前記車輪支持部の回転軸線が延びる方向に見て、前記操舵軸部の中心軸線は、前記駆動電流供給部と前記駆動電流制御部の間に位置している、操舵モジュール。
　請求項１～３の何れか１項に記載の操舵モジュールであって、さらに、
　前記操舵回転体の回転により前記本体部が前記操舵軸部に対して揺動するように前記操舵回転体が前記操舵軸部に接続された状態と、前記操舵回転体の回転により前記車輪支持部が前記本体部に対して回転するように前記操舵回転体が前記車輪支持部に接続された状態とを切り替える接続切替機構を備える、操舵モジュール。
　請求項４に記載の操舵モジュールであって、さらに、
　前記本体部を前記操舵軸部に対して揺動不能にロックするロック機構を備える、操舵モジュール。
　請求項４又は５に記載の操舵モジュールであって、さらに、
　前記車輪を回転させるためのトルクを発生する駆動モータユニットを備える、操舵モジュール。