WO2019230910A1

WO2019230910A1 - 車両用灯具

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Publication number: WO2019230910A1
Application number: PCT/JP2019/021608
Authority: WO
Inventors: 竜彦原田; 靖永小川; 貴丈戸塚; 一真長瀬; 直樹河内; 将希杉本; 幸治道家
Original assignee: 株式会社小糸製作所
Priority date: 2018-06-01
Filing date: 2019-05-30
Publication date: 2019-12-05
Also published as: US20210222850A1; EP3816500A4; EP3816500B1; EP3816500A1; US11378245B2

Abstract

光源としての発光素子を備えた光源ユニット（２０）は、ハウジング（１２）の後壁部（１２ｃ）に装着される。光源ユニット（２０）は、後壁部（１２ｃ）に形成された開口部にソケット（２６）が挿入され、ソケット（２６）の前端部に装着された弾性シール部材（２８）が後壁部（１２ｃ）に押し当てられた状態で、ハウジング（１２）に装着される。ハウジング（１２）の後壁部（１２ｃ）に、その開口部の少なくとも上半部を囲むようにして灯具後方へ向けて延びるリブ（１２ｃ３）が形成されている。

Description

車両用灯具

　本開示は、光源からの光を投影レンズによって配光制御するように構成された車両用灯具に関するものである。

　光源からの光を投影レンズによって配光制御するように構成された車両用灯具が知られている。

　日本国特表２０１５－５２２９２９号公報には、光学部と旋回部とが一体成形されたレンズを備えており、その旋回部がハウジングに対して上下方向に回動可能に支持されたレンズ可動式の車両用灯具が記載されている。

　この車両用灯具においては、その光源が発光素子で構成されており、この発光素子は基板およびヒートシンクを介してハウジングの後壁部に支持されている。

　また、ハウジングの後壁部に該ハウジングと透光カバーとで形成される灯室内の圧力変動を吸収するための通気孔が形成されている。

　また、ハウジングに支持された光軸調整ネジによって、レンズホルダを車幅方向に延びる回動軸線回りに回動させる。

　また、レンズホルダにおける車幅方向の端部に灯具後方へ向けて延びる１対の突起片が形成されており、両突起片の互いに対向する側面に形成された溝部において光軸調整ネジと螺合している。

日本国特表２０１５－５２２９２９号公報

　本開示は、灯室内への水侵入を抑制することができる光源ユニットを備えた車両用灯具を提供することを目的の一つとする。

　本開示は、灯具非点灯時の見映えを向上させることができる車両用灯具を提供することを目的の一つとする。

　本開示は、灯室内の圧力変動を吸収するための通気孔を容易に形成することができる車両用灯具を提供することを目的の一つとする。

　本開示は、配光パターンの形状を所期の形状に維持することができる回転装着式の光源ユニットを備えた車両用灯具を提供することを目的の一つとする。

　本開示は、投影レンズを支持するレンズホルダがハウジングから離脱してしまうのを抑制することができる車両用灯具を提供することを目的の一つとする。

　本開示は、灯具組付性の向上を図ることができる車両用灯具を提供することを目的の一つとする。

　本開示の一側面に係る車両用灯具は、
　発光素子と、前記発光素子が搭載された基板と、前記基板を支持するソケットと、前記ソケットの前端部に装着された弾性シール部材とを備えた光源ユニットと、
　前記発光素子からの光を配光制御するように構成された投影レンズと、
　前記投影レンズを支持するレンズホルダと、
　前記レンズホルダを車幅方向に延びる回動軸線回りに回動可能に支持するハウジングと、を備えており、
　前記光源ユニットは、前記ハウジングの後壁部に形成された開口部に前記ソケットが挿入されるとともに前記後壁部に前記弾性シール部材が押し当てられた状態で前記ハウジングに装着されており、
　前記ハウジングの後壁部に、前記開口部の少なくとも上半部を囲むようにして灯具後方へ向けて延びるリブが形成されている。

　また、本開示の一側面に係る車両用灯具は、
　光源からの光を配光制御するように構成された投影レンズと、
　前記投影レンズを支持するレンズホルダと、
　前記レンズホルダを車幅方向に延びる回動軸線回りに回動可能に支持するハウジングと、
　前記投影レンズよりも灯具後方側に配置された反射部材と、を備えており、
　前記反射部材は、前記投影レンズを透して前記ハウジングの内部空間に入射した外部光を前記投影レンズへ向けて反射させる複数の反射素子を有し、
　前記複数の反射素子は、灯具正面視において前記投影レンズの周縁部と重複する部分に形成されている。

　また、本開示の一側面に係る車両用灯具は、
　光源からの光を配光制御するように構成された投影レンズと、
　前記投影レンズを支持するレンズホルダと、
　前記レンズホルダを車幅方向に延びる回動軸線回りに回動可能に支持するハウジングと、
　前記ハウジングに支持された透光カバーと、を備えており、
　前記ハウジングの周壁部に、該ハウジングと前記透光カバーとで形成される灯室内の圧力変動を吸収するための通気孔が形成されている。

　また、本開示の一側面に係る車両用灯具は、
　発光素子と、前記発光素子が搭載された基板と、前記基板を支持するソケットと、前記ソケットの前端部に装着された弾性シール部材とを備えた光源ユニットと、
　前記発光素子からの光を配光制御するように構成された投影レンズと、
　前記投影レンズを支持するレンズホルダと、
　前記レンズホルダを車幅方向に延びる回動軸線回りに回動可能に支持するハウジングと、を備えており、
　前記光源ユニットは、前記ハウジングの後壁部に形成された開口部に前記ソケットを挿入して回転させることにより、前記ハウジングに装着されており、
　前記ハウジングには、前記光源ユニットが所定の装着位置から緩む方向へ回転するのを前記ソケットとの当接によって防止する逆回転防止構造が設けられている。

　また、本開示の一側面に係る車両用灯具は、
　光源からの光を配光制御するように構成された投影レンズと、
　前記投影レンズを支持するレンズホルダと、
　前記レンズホルダを車幅方向に延びる回動軸線回りに回動可能に支持するハウジングと、
　前記ハウジングに対して前記レンズホルダを前記回動軸線回りに回動させるための光軸調整ネジと、を備えており、
　前記レンズホルダは、前記車幅方向の一端部に灯具後方へ向けて延びる突起片を有し、前記突起片の前記回動軸線よりも灯具後方側に位置する後部領域の内側面には、前記光軸調整ネジと螺合する溝部が形成されており、
　前記レンズホルダは、前記車幅方向の一端部に前記灯具後方へ向けて延びる第一脚部と前記車幅方向の他端部に前記灯具後方へ向けて延びる第二脚部とを有し、前記第一脚部および前記第二脚部はそれぞれ後端部の外側面に形成された支点突起部を有し、
　前記ハウジングは、両側壁部における前記回動軸線上の位置に前記第一脚部および前記第二脚部の支点突起部とそれぞれ係合する支点係合部を有し、
　前記突起片の前記回動軸線よりも灯具前方側に位置する前部領域の外側面および前記第一脚部の外側面の少なくとも一方に、離脱防止用突起部が形成されている。

　また、本開示の一側面に係る車両用灯具は、
　光源からの光を配光制御するように構成された投影レンズと、
　前記投影レンズを支持するレンズホルダと、
　前記レンズホルダを車幅方向に延びる回動軸線回りに回動可能に支持するハウジングと、を備えており、
　前記レンズホルダは、車幅方向の両端部にそれぞれ灯具後方へ向けて延びる脚部を有し、前記各脚部は後端部の外側面に支点突起部を有し、
　前記ハウジングは、両側壁部における前記回動軸線上の位置に前記各脚部の支点突起部と係合する支点係合部を有し、
　前記ハウジングの両側壁部のうち少なくとも一方の内側面に、前記支点係合部から灯具前方へ向けて延びる溝部が形成されている。

　本開示に係る車両用灯具の種類は特に限定されるものではなく、例えば、フォグランプやヘッドランプ等が採用可能である。

　上記「光源」の種類は特に限定されるものではなく、例えば、発光ダイオードやレーザダイオード等の発光素子あるいは光源バルブ等が採用可能である。

　上記「レンズホルダ」は、ハウジングに対して車幅方向に延びる回動軸線回りに回動可能に支持されていれば、その具体的な構成は特に限定されるものではない。

　上記投影レンズの「周縁部」とは、灯具正面視において光源の周囲に位置する部分であって、かつ、光源から投影レンズへ向かう配光制御用の光が反射部材によって遮光されることなく到達する部分を意味するものである。

　上記「複数の反射素子」は、灯具正面視において投影レンズの周縁部と重複する部分に形成されていれば、その具体的な形成範囲は特に限定されるものではなく、また、外部光を投影レンズへ向けて反射させるための具体的な構成についても特に限定されるものではない。

　上記「ハウジングの周壁部」とは、灯具正面視において投影レンズを囲むように形成された壁部を意味するものである。

　上記「通気孔」の具体的な構成や周壁部における具体的な形成位置は特に限定されるものではない。

　上記「逆回転防止構造」は、光源ユニットが所定の装着位置から緩む方向へ回転するのをそのソケットとの当接によって防止することが可能なものであれば、その具体的な構成は特に限定されるものではない。

　上記「離脱防止用突起部」の具体的な形状やその具体的な形成位置は特に限定されるものではない。

　上記「支点係合部」は、支点突起部と係合し得る構成となっていれば、その具体的な形状は特に限定されるものではない。

　上記「溝部」は、支点係合部から灯具前方へ向けて延びるように形成されていれば、その具体的な形状は特に限定されるものではない。

　本開示に係る車両用灯具では、投影レンズを支持するレンズホルダがハウジングに対して上下方向に回動可能に支持されている。このため、ハウジングに光源が固定されたままの状態で上下方向の光軸調整を行うことができる。したがって車両用灯具をコンパクトな構成とすることができ、フォグランプ等に特に適した車両用灯具を提供することができる。

　光源としての発光素子は、該発光素子が搭載された基板を支持するソケットを備えた光源ユニットの一部として構成されている。このため、灯具構成の簡素化を図ることができる。

　光源ユニットは、ソケットの前端部に弾性シール部材が装着された構成となっている。ハウジングの後壁部に形成された開口部にソケットが挿入されるとともにハウジングの後壁部に弾性シール部材が押し当てられた状態で光源ユニットがハウジングに装着される構成となっている。したがって、ある程度の水密性を確保することができる。

　ハウジングの後壁部には、その開口部の少なくとも上半部を囲むようにして灯具後方へ向けて延びるリブが形成されている。したがって、光源ユニットのハウジングへの装着部分から雨水や洗車時の高圧洗浄水等が灯室内に侵入してしまうのを抑制することができる。

　このように本開示によれば、光源からの光を投影レンズによって配光制御するように構成されたレンズ可動式の車両用灯具において、光源ユニットを採用した場合であっても灯室内への水侵入を抑制することができる。

　さらに、リブは、ハウジングの開口部を全周にわたって囲むように形成され、その下端部に切欠き部が形成されてもよい。これにより、灯室内への水侵入を効果的に抑制することができ、かつ、リブの内周面に水が溜まってしまうのを未然に防止することができる。

　さらに、リブは、弾性シール部材がハウジングの後壁部に押し当てられている位置よりも灯具後方側まで延びるように形成されてもよい。これにより、雨水が光源ユニットのハウジングへの装着部分に流下しにくくなり、また、該装着部分に洗車時の高圧洗浄水が掛かりにくくなる。これにより灯室内への水侵入を効果的に抑制することができる。

　さらに、光源ユニットは、ハウジングの開口部に光源ユニットのソケットを挿入して回転させることによりハウジングに装着される構造とすることができる。この場合には、リブの外周面に光源ユニットの所定の装着位置を示すマークを形成してもよい。これにより、光源ユニットがハウジングに対して不完全な状態で装着されてしまうのを未然に防止することができる。そしてこれにより灯室内への水侵入を効果的に抑制することができる。

　上記「マーク」の具体的な形状は特に限定されるものではなく、例えば凸状に形成されたマークや凹状に形成されたマーク等が採用可能である。

　さらに、ハウジングの後壁部は、リブの内周側に位置する領域が外周側に位置する領域に対して灯具前方側に変位している構成とすることができる。この場合には、その変位の段差分だけリブの長さを短くすることができる。

　また、本開示に係る車両用灯具では、投影レンズよりも灯具後方側には、該投影レンズを透してハウジングの内部空間に入射した外部光を反射させるための反射部材が配置されている。反射部材は、灯具正面視において投影レンズの周縁部と重複する部分に、外部光を投影レンズへ向けて反射させる複数の反射素子が形成された構成となっている。したがって、次のような作用効果を得ることができる。

　すなわち、非点灯状態にある車両用灯具を灯具前方側から観察したとき、投影レンズを透してハウジングの内部空間が見える。このとき反射部材は外部光によって複数箇所において光って見える。したがって、灯具非点灯時においてもハウジングの内部空間が暗く見えてしまうのを未然に防止することができる。これにより車両用灯具としての見映え向上を図ることができる。

　複数の反射素子は、灯具正面視において投影レンズの周縁部と重複する部分に形成されている。したがって、反射部材が配置されたことによって光源から投影レンズへ向かう光が遮光されてしまうのを防止することあるいは最小限に抑えることができる。

　このように本開示によれば、光源からの光を投影レンズによって配光制御するように構成されたレンズ可動式の車両用灯具において、灯具非点灯時の見映えを向上させることができる。

　さらに、反射部材がレンズホルダに支持されてもよい。これにより、反射部材をレンズホルダおよび投影レンズと共に上下方向に回動させることができる。したがって、反射部材を投影レンズに対して近接配置することができる。これにより灯具前方へ向けてより多くの光を反射させることができるので、ハウジングの内部空間が一層明るく光って見えるようにすることができる。

　さらに、反射部材が透明部材で構成されていれば、複数の反射素子による外部光の反射が全反射によって行われるようにすることができる。したがって、非点灯状態にある車両用灯具を灯具前方側から観察したとき、クリスタル感のある反射部材が複数箇所において光って見えるようにすることができる。これにより灯具非点灯時の見映えを一層向上させることができる。

　さらに、レンズホルダが透明部材で構成されていれば、レンズホルダを透過した外部光もハウジングの内部空間に入射することとなる。したがって、非点灯状態にある車両用灯具を灯具前方側から観察したときハウジングの内部空間が一層明るく光って見えるようにすることができる。

　さらに、反射部材がレンズホルダと一体成形されてもよい。これにより、車両用灯具の部品点数を削減することができ、また、上記作用効果を得ることができる。

　さらに、投影レンズがレンズホルダに対して熱カシメによって固定された構成としてもよい。これにより、レンズホルダによる投影レンズの支持を安価な固定構造によって実現することができる。

　投影レンズとレンズホルダとの間に反射部材を挟んだ状態で熱カシメが行われる構成とすることも可能である。これにより、反射部材の支持についても安価な固定構造によって実現することができる。

　また、本開示に係る車両用灯具では、灯室内の圧力変動を吸収するための通気孔がハウジングの周壁部に形成されている。このため、灯室内にレンズホルダを上下方向に回動させるための回動機構が配置されていても、通気孔を形成するためのスペースを容易に確保することができる。

　このように本開示によれば、光源からの光を投影レンズによって配光制御するように構成されたレンズ可動式の車両用灯具において、灯室内の圧力変動を吸収するための通気孔を容易に形成することができる。

　光源として発光素子を採用する場合には、発光素子が基板を介してハウジングの後壁部に支持された構成としてもよい。また、発光素子と発光素子が搭載された基板と基板を支持するソケットとを備えた光源ユニットがハウジングの後壁部に装着された構成としてもよい。この場合にはハウジングの後壁部に光源ユニットの装着領域が必要となり通気孔を形成するためのスペースを一層確保しにくくなるので、本開示の構成を採用することが特に効果的である。

　さらに、通気孔が、ハウジングにおける車幅方向内側の側壁部に形成されてもよい。これにより、次のような作用効果を得ることができる。

　すなわち、多くの車両用灯具は車体形状に沿った灯具構成を有しており、その透光カバーが車幅方向外側へ向けて灯具後方側へ傾斜している。このため、そのハウジングは車幅方向内側の側壁部の前後長が比較的長いものとなる。したがって、車幅方向内側の側壁部に通気孔を形成することにより、ハウジングの周壁部に通気孔を形成するためのスペースを確保することが容易に可能となる。

　さらに、レンズホルダにおける回動軸線上の位置に左右１対の支点突起部が形成され、ハウジングの両側壁部における回動軸線上の位置に左右１対の支点突起部と係合する左右１対の支点係合部が形成された構成とすることができる。これにより、レンズホルダのハウジングへの支持を簡易な構成によって行うことができる。

　左右１対の支点突起部のうち車幅方向内側の側壁部に形成された支点係合部については、該側壁部を車幅方向に貫通する支点係合孔として構成することができる。これにより、ハウジングを成形するための金型の構造を簡素化することができる。

　上記「支点係合孔」は、通気孔とは独立した孔として形成されていてもよいし、通気孔と連通した孔として形成されていてもよい。

　さらに、ハウジングにおける車幅方向内側の側壁部に、防水性および湿気拡散性を備えたフィルタが通気孔および支点係合孔を塞ぐようにして装着された構成とすることができる。これにより、灯室内に発生した水分を拡散作用によって排出することができ、透光カバーの内面に結露が発生してしまうのを効果的に抑制することができる。しかもこれを単一のフィルタの装着によって実現することができる。

　上記「フィルタ」は、防水性および湿気拡散性を備えていれば、その具体的な構成は特に限定されるものではない。シート状に形成されたフィルタを採用すれば、車両用灯具をコンパクトな構成のまま維持することができる。

　さらに、ハウジングにおける車幅方向内側の側壁部に環状ビード部が形成されるとともに該側壁部における環状ビード部の内周側に位置する領域が平面部として形成された構成とすることができる。さらに、平面部に通気孔および支点係合孔が形成されてもよい。これにより、フィルタを装着する際の位置決め用のガイドとして環状ビード部を機能させることができる。また、装着されたフィルタを離脱しにくいものとすることができる。

　さらに、フィルタがシート状に形成された構成とし、環状ビード部の高さがフィルタの厚さよりも大きい値に設定された構成とすることができる。これにより、フィルタが不用意に離脱してしまうのを効果的に抑制することができる。

　さらに、フィルタを延伸ポリテトラフルオロエチレンで構成すれば、防水性および湿気拡散性を十分に確保することができる。

　さらに、環状ビード部が円環状に延びるように形成されるとともに、フィルタが円形の外形形状を有する構成とすることができる。これにより、フィルタが不用意に離脱してしまうのを効果的に抑制することができる。

　さらに、通気孔が支点係合孔よりも大きい開口形状を有する場合は、通気性能を十分に確保することができる。

　また、本開示に係る車両用灯具では、光源は、発光素子と発光素子が搭載された基板と基板を支持するソケットとを備えた光源ユニットにおける発光素子として構成されている。したがって、灯具構成の簡素化を図ることができる。

　光源ユニットは、ハウジングの後壁部に形成された開口部に光源ユニットのソケットを挿入して回転させることによりハウジングに装着される構成となっている。したがって、光源を灯具前後方向に関して精度良く位置決めすることができる。

　ハウジングには、光源ユニットが所定の装着位置から緩む方向へ回転するのを、光源ユニットのソケットとの当接によって防止する逆回転防止構造が設けられている。したがって、投影レンズから出射した光源からの光によって形成される配光パターンの形状が所期の形状とは異なったものとなってしまうのを未然に防止することができる。

　このように本開示によれば、光源からの光を投影レンズによって配光制御するように構成されたレンズ可動式の車両用灯具において、回転装着式の光源ユニットを採用した場合であっても、配光パターンの形状を所期の形状に維持することができる。

　さらに、発光素子は複数の白色発光ダイオードが互いに隣接して配置された構成とし、光源ユニットが所定の装着位置まで回転したとき該発光素子の発光面が横長に延びるように構成されてもよい。これにより、横長の配光パターンを形成することができ、車両用灯具をフォグランプ等に特に適したものとすることができる。

　さらに、逆回転防止構造は、光源ユニットのソケットに当接するための当接部材と、当接部材をハウジングの後壁部に締結するための締結部材とを備えた構成とすることができる。これにより、光源ユニットが所定の装着位置から緩む方向へ回転してしまうのを簡素な構成によって防止することができる。

　さらに、光源ユニットのソケットは、ソケット本体とソケット本体に固定されたヒートシンクとを備えた構成とすることができる。当接部材は、光源ユニットのヒートシンクに対して当接してもよい。これにより、次のような作用効果を得ることができる。

　すなわち、ヒートシンクは金属製の硬い部材で構成されており、当接部材が当接してもほとんど変形しない。したがって、光源ユニットが装着位置から緩む方向へ回転してしまうのを確実に防止することができる。

　上記「締結部材」の種類は特に限定されるものではないが、これをネジで構成すれば、簡易な構成で当接部材の締結を行うことができる。

　ネジは、該ネジを締め付ける方向への回転力のみを伝達可能とするネジ穴形状を有する構成とすることができる。これにより、車両用灯具の組付け後に不用意なドライバー操作によってネジが外されてしまい光源ユニットが装着位置から緩む方向へ回転し得る状態になってしまうのを未然に防止することができる。

　さらに、当接部材は、ハウジングの後壁部に固定される締結部と締結部から延びる１対のアーム部とを備えた構成とすることができる。さらにその締結部がハウジングの後壁部に締結された状態において１対のアーム部の先端面がヒートシンクに当接または近接するように構成されれば、当接部材の位置決めを容易に行うことができる。

　ヒートシンクは、円板状に形成された前端部とその外周面において灯具後方側へ向けて帯状に延びる複数の放熱フィンとを備え、その前端部においてソケット本体に固定された構成とすることができる。さらに、１対のアーム部の先端面のヒートシンクに対する当接または近接が複数の放熱フィンのうち周方向の端部に位置する１対の放熱フィンに対して行われる場合には、当接部材の位置決めを一層容易に行うことができる。

　さらに、当接部材は、その締結部がハウジングの後壁部に締結された状態において、その１対のアーム部がヒートシンクの前端部の外周面に沿って延びる構成とすることができる。これにより、当接部材をハウジングの後壁部に固定する際のガイドとして１対のアーム部を活用することができる。

　さらに、当接部材を樹脂製の板状部材で構成すれば、逆回転防止構造を簡易かつ軽量な構成とすることができる。

　また、本開示に係る車両用灯具では、レンズホルダにおける車幅方向の両端部には灯具後方へ向けて延びる脚部がそれぞれ形成されている。各脚部の後端部の外側面には支点突起部が形成されるとともにハウジングの両側壁部における回動軸線上の位置には各脚部の支点突起部と係合する支点係合部がそれぞれ形成されている。これにより回動軸線と投影レンズとの位置関係の自由度を高めることができる。

　一方、レンズホルダにおける車幅方向の一端部には灯具後方へ向けて延びる突起片が形成されており、突起片が回動軸線よりも灯具後方側に位置する後部領域の内側面に形成された溝部において光軸調整ネジと螺合している。このようなレンズホルダを成形する都合上、その突起片の基端部の位置をハウジングの側壁部に近接させることは困難である。したがって車幅方向に関して突起片側に位置する脚部とハウジングの側壁部との間に大きな隙間が形成されやすい構成となっている。このため、車両振動等によってレンズホルダが車幅方向に相対変位すると、車幅方向に関して突起片とは反対側に位置する脚部の支点突起部がハウジングの支点係合部との係合状態から離脱しやすくなってしまう。

　しかしながら、本開示に係る車両用灯具においては、突起片の回動軸線よりも灯具前方側に位置する前部領域の外側面および／または車幅方向に関して突起片側に位置する脚部の外側面に離脱防止用突起部が形成されている。このため、車両振動等によってレンズホルダが車幅方向に相対変位しても、離脱防止用突起部がハウジングの側壁部に当接することによって、突起片とは反対側に位置する脚部の支点突起部がハウジングの支点係合部との係合状態から離脱してしまうのを抑制することができる。そしてこれにより、レンズホルダがハウジングから離脱してしまうのを抑制することができる。

　このように本開示によれば、光源からの光を投影レンズによって配光制御するように構成されたレンズ可動式の車両用灯具において、投影レンズを支持するレンズホルダがハウジングから離脱してしまうのを抑制することができる。

　さらに、突起片側に位置する脚部は、突起片とは反対側に位置する脚部よりも灯具前後方向の長さが長い値に設定されてもよい。この場合には、車両振動等によって突起片とは反対側に位置する脚部の支点突起部がハウジングの支点係合部との係合状態から一層離脱しやすくなるので、本開示の構成を採用することが効果的である。

　さらに、突起片側に位置する脚部が灯具後方へ向けて舌片状に形成されるとともに、突起片が車幅方向に関して脚部と重複する位置において該脚部を囲むように形成された構成とすることができる。これにより、車両用灯具の車幅方向の必要幅を小さくすることができる。

　離脱防止用突起部が、突起片における該突起片側に位置する脚部の上下両側に位置する２箇所に形成された構成とすることができる。このため、車両振動等によってレンズホルダが車幅方向に相対変位したとき上下２箇所において離脱防止用突起部をハウジングの側壁部に当接させることができる。これによりレンズホルダがハウジングから離脱してしまうのを効果的に抑制することができる。

　さらに、突起片における前部領域の内側面および／または突起片側に位置する脚部の内側面に補強リブが形成された構成とすることができる。これにより、車両振動等によってレンズホルダが車幅方向に相対変位したときに突起片や該突起片側に位置する脚部が破損してしまうおそれを低減することができる。

　さらに、離脱防止用突起部と突起片側に位置するハウジングの側壁部との間の隙間が、突起片とは反対側に位置する脚部の支点突起部がハウジングの支点係合部と係合している状態での該支点係合部への挿入深さよりも小さい値に設定された構成とすることができる。これにより、その支点突起部が支点係合部との係合状態から離脱してしまうのを未然に防止することができる。

　また、本開示に係る車両用灯具では、レンズホルダにおける車幅方向の両端部には灯具後方へ向けて延びる脚部がそれぞれ形成されている。各脚部の後端部の外側面には支点突起部が形成されている。ハウジングの両側壁部における回動軸線上の位置には各脚部の支点突起部と係合する支点係合部がそれぞれ形成されている。したがって、回動軸線と投影レンズとの位置関係の自由度を高めることができる。

　ハウジングの両側壁部のうち少なくとも一方の内側面には、支点係合部から灯具前方へ向けて延びる溝部が形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。

　すなわち、灯具組付け時には、レンズホルダがハウジングに対して灯具前方側からその内部空間に挿入され、左右１対の脚部の支点突起部が左右１対の支点係合部と係合することとなる。少なくとも一方の内側面に形成された溝部に対して支点突起部を係合させた状態でレンズホルダの挿入作業を行うことにより、各支点突起部と各支点係合部との係合を容易に行うことができる。

　このように本開示によれば、光源からの光を投影レンズによって配光制御するように構成されたレンズ可動式の車両用灯具において、灯具組付性の向上を図ることができる。

　さらに、溝部は、その前部領域の上下幅がその後部領域の上下幅よりも大きい値に設定された構成とすることができる。これにより、上下幅が大きい前部領域において支点突起部の係合を容易に行い、上下幅の狭い後部領域へ向けて支点突起部を移動させることができ、支点係合部への誘導を容易に行うことができる。したがって灯具組付性をさらに向上させることができる。

　溝部は、灯具前方へ向けて上下幅が徐々に大きくなるように形成されてもよい。これにより、溝部と係合した支点突起部を灯具後方へ向けて円滑に移動させることができる。これにより灯具組付性をより一層向上させることができる。

　さらに、溝部の前部領域の深さがその後部領域の深さよりも大きい値に設定されてもよい。相対的に深い前部領域において支点突起部の係合を容易に行い、相対的に浅い後部領域へ向けて支点突起部を移動させることができる。これにより支点係合部への誘導を容易に行うことができる。したがって灯具組付性をさらに向上させることができる。

　溝部は、灯具前方へ向けて徐々に深くなるように形成されてもよい。これにより支点突起部を溝部に沿って灯具後方へ向けて円滑に移動させることができ、灯具組付性をより一層向上させることができる。

本開示の第一実施形態に係る車両用灯具を示す平断面図である。図１のＩＩ－ＩＩ線部分断面図である。上記車両用灯具を示す正面図である。図２の要部詳細図である。図３のＶａ部詳細図である。図３のＶｂ部詳細図である。上記車両用灯具においてハウジングへのフィルタの装着の様子を示す、図５ＢのＶＩ方向矢視図である。上記車両用灯具においてハウジングへのレンズホルダの組付けの様子を示す平断面図である。上記車両用灯具においてハウジングへの光源ユニットの組付けの様子を示す正面図である。上記車両用灯具を部分的に示す背面図である。第一実施形態の第１変形例を示す、図９Ａと同様の図である。第一実施形態の第２変形例を示す、図１と同様の図である。本開示の第二実施形態に係る車両用灯具を示す平断面図である。図１１のＸＩＩ－ＸＩＩ線部分断面詳細図である。第二実施形態において光源ユニットが装着されたハウジングを示す正面図である。第二実施形態においてレンズホルダへの投影レンズの組付けの様子を示す背面図である。上記組付けの様子を斜め下後方から見て示す斜視図である。

　以下、図面を用いて、本開示の実施の形態について説明する。

　まず、本開示の第一実施形態について説明する。

　図１は、本実施形態に係る車両用灯具１０を示す平断面図であり、図２は、図１のＩＩ－ＩＩ線部分断面図である。また、図３は、車両用灯具１０を示す正面図である。なお、図３においては、構成要素の一部を破断した状態で示している。

　これらの図において、Ｘで示す方向が灯具としての「前方」（車両としても「前方」）であり、Ｙで示す方向が「前方」と直交する「左方向」（車両としても「左方向」であるが灯具正面視では「右方向」）であり、Ｚで示す方向が「上方向」である。これら以外の図においても同様である。

　これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用灯具１０は、車両の右前端部に設けられるフォグランプである。車両用灯具１０は、ハウジング１２と透光カバー１４と発光素子２２と配光制御ユニット３０とを備えている。ハウジング１２と透光カバー１４とで形成される灯室内に、発光素子２２と配光制御ユニット３０とが収容されている。ハウジング１２は、ランプボディとしての機能を有する。透光カバー１４は、ハウジング１２の前端開口部に取り付けられている。配光制御ユニット３０は、光源としての発光素子２２からの光を配光制御する。

　配光制御ユニット３０は、ハウジング１２に対して上下方向に回動可能に支持されている。発光素子２２は、ハウジング１２の後壁部１２ｃに装着された光源ユニット２０の一部として構成されている。

　透光カバー１４は、カバー本体部１４Ａと、その外周側に位置する外周フランジ部１４Ｂとを備えている。カバー本体部１４Ａは、灯具正面視において横長長円形の外形形状を有する。
　カバー本体部１４Ａは、球面に近い凸曲面に沿って延びるように形成されている。カバー本体部１４Ａは、その左端部（灯具正面視では右端部）から右端部へ向けて灯具後方側へ傾斜した状態で配置されている。

　外周フランジ部１４Ｂは、カバー本体部１４Ａよりもひと回り大きい横長長円形の外形形状を有している。外周フランジ部１４Ｂの左下に位置する部分には、張出しフランジ部１４Ｂａが形成されている。張出しフランジ部１４Ｂａは、水平方向および鉛直方向に延びる２つの辺を有する直角三角形の形状を有する。張出しフランジ部１４Ｂａは、外周フランジ部１４Ｂの横長長円形形状の部分から外周側へ張り出すように形成されている。

　このように透光カバー１４として、その外周フランジ部１４Ｂに張出しフランジ部１４Ｂａが形成された構成とすることにより、透光カバー１４が上下反転した状態での誤組付けが行われてしまうのを未然に防止する。また、車両の左前端部に設けられるフォグランプ（すなわち車両用灯具１０と対をなすべき灯具）との間で透光カバー１４の誤組付けが行われてしまうのを未然に防止するようになっている。

　ハウジング１２は、灯具正面視において透光カバー１４の外形形状と同一の外形形状を有している。透光カバー１４は、その外周フランジ部１４Ｂの後面に形成された環状突起部１４Ｂｂを有する。ハウジング１２は、その前端開口部に形成された環状溝部１２ｅを有する。環状突起部１４Ｂｂが環状溝部１２ｅに挿入された状態で透光カバー１４がハウジング１２に固定されている。この固定は、環状突起部１４Ｂｂの先端部を環状溝部１２ｅの底面部に当接させた状態で超音波溶着によって行われている。

　車両用灯具１０は、車両のバンパー１００（図１において２点鎖線で示す部材）に埋め込まれた状態で車体側部材（図示せず）に取り付けられるようになっている。

　具体的には、車両用灯具１０は、透光カバー１４のカバー本体部１４Ａを、バンパー１００に形成された開口部１００ａに露出させた状態で、ハウジング１２に形成された左右２対のブラケット１２ｆにおいて車体側部材に取り付けられるようになっている。バンパー１００の開口部１００ａを、カバー本体部１４Ａの外周縁形状よりも僅かに大きい横長長円形の内周縁形状で形成しておくことにより、外周フランジ部１４Ｂの張出しフランジ部１４Ｂａの大半がバンパー１００によって覆われるようにすることが可能である。

　次に、配光制御ユニット３０の具体的な構成およびそのハウジング１２への支持構造について説明する。

　配光制御ユニット３０は、投影レンズ３２と、レンズホルダ３４とを備えている。投影レンズ３２は、発光素子２２からの直射光を偏向制御する。レンズホルダ３４は、投影レンズ３２を支持する。

　投影レンズ３２は、無色透明のアクリル樹脂等で構成されている。投影レンズ３２の光軸Ａｘは発光素子２２の下方近傍において灯具前後方向に延びている。

　投影レンズ３２は、レンズ本体部３２Ａと、外周フランジ部３２Ｂとを備えている。レンズ本体部３２Ａは、前面が凸面状に形成されるとともに後面が平面状に形成されている。外周フランジ部３２Ｂは、レンズ本体部３２Ａの外周側において該レンズ本体部３２Ａの後面と面一で環状に形成されている。投影レンズ３２は、灯具正面視において横長楕円形の外形形状を有している。投影レンズ３２は、その左端部から右端部へ向けて灯具後方側へ傾斜した状態で配置されている。投影レンズ３２は、そのレンズ本体部３２Ａにおいて、発光素子２２からの直射光を、やや下向きで車幅方向に大きく拡がる光として灯具前方へ出射させ、これによりフォグランプ用配光パターンを形成するようになっている。投影レンズ３２は、該投影レンズ３２からの出射光の車幅方向外側への最大拡散角度が車幅方向内側への最大拡散角度よりも大きくなるように、そのレンズ本体部３２Ａの表面形状が設定されている。

　レンズホルダ３４は、無色透明のポリカーボネート樹脂等の透明部材で構成されている。レンズホルダ３４は、投影レンズ３２をその外周縁部において支持する環状の本体部分３４Ａが投影レンズ３２の後面に沿って左端部から右端部へ向けて灯具後方側へ傾斜して延びるように形成されている。本体部分３４Ａの左右両側部には灯具後方へ向けて延びる１対の脚部３４Ｌ、３４Ｒが形成されている。

　レンズホルダ３４による投影レンズ３２の支持は、投影レンズ３２がレンズホルダ３４に対して４箇所において熱カシメによって固定されることにより行われている。これを実現するため、投影レンズ３２の外周縁部の後面にはカシメ用突起部３２ａが４箇所に形成されている。レンズホルダ３４の本体部分３４Ａには、カシメ用突起部３２ａを挿通させるための挿通孔３４Ａａが形成されている。なお、図１～３においては、各カシメ用突起部３２ａを熱カシメが行われた後の状態で示している。

　車両用灯具１０においては、灯具前方側から透光カバー１４および投影レンズ３２を透して、ハウジング１２の内部空間（すなわち灯室内において投影レンズ３２よりも灯具後方側に位置する空間）に外部光が入射する。投影レンズ３２よりも灯具後方側には、外部光を反射させるための反射部材３６が配置されている。

　反射部材３６は、レンズホルダ３４に支持されている。具体的には、反射部材３６はレンズホルダ３４と一体成形されており、これによりレンズホルダ３４に支持された状態となっている。したがって、反射部材３６も無色透明のポリカーボネート樹脂等の透明部材で構成されている。

　反射部材３６は、レンズホルダ３４の本体部分３４Ａの外周縁部から灯具後方へ向けて光軸Ａｘ寄りの方向へ向けて延びる環状部材として構成されている。具体的には、反射部材３６は、その前面が円錐面と楕円錐面との中間的な形状を有する曲面に沿って延びるように形成されている。反射部材３６の後端部には、光軸Ａｘを中心とする円形に近い内周縁形状を有する開口部３６ａが形成されている。反射部材３６は、発光素子２２から投影レンズ３２へ向かう配光制御用の光が遮光されてしまわない位置関係で配置されている。

　反射部材３６の後面には、投影レンズ３２を透してハウジング１２の内部空間に入射した外部光を投影レンズ３２へ向けて反射させる複数の反射素子３６ｓが形成されている。すなわち灯具正面視において投影レンズ３２のレンズ本体部３２Ａの周縁部と重複する部分には、複数の反射素子３６ｓが形成されている。各反射素子３６ｓは、例えば三角錐面や三角柱面等の表面形状を有しており、これにより該反射素子３６ｓに到達した外部光を全反射させ得る構成となっている。すなわち、反射部材３６は、車両用灯具１０を灯具前方側から観察したとき、外部光を観察方向へ向けて全反射する角度で配置されたいくつかの反射素子３６ｓが光って見えるように構成されている。

　配光制御ユニット３０は、そのレンズホルダ３４の左右１対の脚部３４Ｌ、３４Ｒにおいて、ハウジング１２に対して車幅方向（すなわち光軸Ａｘと直交する水平方向）に延びる回動軸線Ａｘ１回りに回動可能に支持されている。

　これを実現するための具体的な構成は以下のとおりである。

　すなわち、左右１対の脚部３４Ｌ、３４Ｒは、平面視においてレンズホルダ３４の本体部分３４Ａの左右両側部から灯具後方へ向けて板状に延びるように形成されている。

　左右１対の脚部３４Ｌ、３４Ｒは、いずれも側面視においてレンズホルダ３４の本体部分３４Ａから灯具後方へ向けて舌片状に延びるように形成されている。また、図１に示すように、左右１対の脚部３４Ｌ、３４Ｒは、平面視において灯具前後方向に延びる鉛直面に対して灯具後方へ向けて互いに僅かに拡がる方向に延びるように形成されている。レンズホルダ３４の本体部分３４Ａが左端部から右端部へ向けて灯具後方側へ傾斜しているのに伴って、右側の脚部３４Ｒよりも左側の脚部３４Ｌの方が長尺（具体的には２倍以上の長さ）で形成されている。左側の脚部３４Ｌの内側面（すなわち光軸Ａｘ側に位置する側面）には、該脚部３４Ｌの曲げ剛性を高めるための補強リブ３４Ｌｂが形成されている。

　各脚部３４Ｌ、３４Ｒの後端部の外側面には、回動軸線Ａｘ１上において外側へ突出する支点突起部３４Ｌａ、３４Ｒａが形成されている。各支点突起部３４Ｌａ、３４Ｒａは、いずれも円錐台状に形成されるとともにその基端部が円柱状に形成されている。左側の支点突起部３４Ｌａの基端部は、右側の支点突起部３４Ｒａの基端部よりも長くなっている。

　レンズホルダ３４における右側の脚部３４Ｒの支点突起部３４Ｒａがハウジング１２の右側壁部１２ａに形成された支点係合凹部１２ａ１に挿入される。また、レンズホルダ３４における左側の脚部３４Ｌの支点突起部３４Ｌａがハウジング１２の左側壁部１２ｂに形成された支点係合孔１２ｂ１に挿入される。これにより、配光制御ユニット３０は、ハウジング１２に対して回動軸線Ａｘ１回りに回動可能に支持されるようになっている。

　すなわち、右側の支点係合部を構成する支点係合凹部１２ａ１は、ハウジング１２の右側壁部１２ａの内側面において円錐台状の凹陥部として形成されている。左側の支点係合部を構成する支点係合孔１２ｂ１は、ハウジング１２の左側壁部１２ｂを車幅方向に貫通する円柱状の貫通孔として構成されている。

　ハウジング１２の左側壁部１２ｂには、支点係合孔１２ｂ１を塞ぐためのフィルタ５０がその外側面側から装着されている（これについては後述する）。

　図４は、図２の要部詳細図である。

　図４にも示すように、ハウジング１２の左後端部は、後壁部１２ｃから灯具後方側へ張り出す張出し部１２ｄとして構成されている。張出し部１２ｄの下壁部には、配光制御ユニット３０を回動軸線Ａｘ１回りに回動させるための光軸調整ネジ４０が、鉛直方向に延びる軸線Ａｘ２回りに回転可能に支持されている。

　光軸調整ネジ４０は、樹脂製（例えばポリアミド樹脂製）の部材である。光軸調整ネジ４０は、その下端部から上端部へ向けて段階的に径が小さくなるように形成されており、その上端部にネジ部４０ａが形成されている。ネジ部４０ａはメートルネジで構成されている。光軸調整ネジ４０は、そのネジ部４０ａを灯室内に露出させるとともに、その下端部を外部空間に露出させた状態で、その中間に位置する軸部４０ｂにおいてハウジング１２に支持されている。

　光軸調整ネジ４０の下端部には、ドライバー挿入穴４０ｃが形成されている。ドライバー挿入穴４０ｃに図示しないドライバーを挿入して操作することにより、光軸調整ネジ４０を軸線Ａｘ２回りに回転させ得るようになっている。光軸調整ネジ４０の軸部４０ｂには、灯室内の気密性を確保するためのＯリング４２が装着されている。

　レンズホルダ３４には、その左側部に灯具後方へ向けて延びる突起片３４Ｂが形成されている。突起片３４Ｂは、左側の脚部３４Ｌと同一鉛直面上において板状に延びるように形成されている。突起片３４Ｂの後端縁は、回動軸線Ａｘ１よりも灯具後方側（光軸調整ネジ４０よりもさらに灯具後方側）に位置している。

　突起片３４Ｂは、側面視において、レンズホルダ３４の本体部分３４Ａから回動軸線Ａｘ１よりも灯具後方側の位置までの部分が、略Ｕ字状のスリット３４ａを介して左側の脚部３４Ｌを囲むように形成されている。その部分よりも灯具後方側に位置する後部領域３４Ｂａが、光軸Ａｘと同じ高さ位置において灯具後方へ向けて略一定の上下幅で延びるように形成されている。

　突起片３４Ｂは、その外側面（光軸Ａｘとは反対側に位置する側面）が単一平面状に形成されている。突起片３４Ｂの内側面には、後部領域３４Ｂａの途中部分に段差が形成されており、これよりも灯具後方側に位置する部分は他の部分よりも薄肉になっている（図１参照）。そして、薄肉になった部分の内側面には、光軸調整ネジ４０と螺合するための複数本（具体的には３本）の溝部３４Ｂａ１が形成されている。

　配光制御ユニット３０は、その光軸調整の基準位置となる回動基準位置にあるとき、複数本の溝部３４Ｂａ１が光軸Ａｘと同じ高さ位置を中心にして光軸調整ネジ４０のネジ部４０ａと螺合するようになっている。

　各溝部３４Ｂａ１は、略楔状の鉛直断面形状で灯具前後方向に延びるように形成されており、その上下幅は光軸調整ネジ４０のネジ部４０ａのピッチと同じ値に設定されている。

　突起片３４Ｂの後部領域３４Ｂａは、その内側面の後端縁寄りの部分が平面視においてテーパー状に形成されており、これに伴い複数本の溝部３４Ｂａ１はその後端面が側面視においてジグザグ状に形成されている。

　ハウジング１２の左側壁部１２ｂの内側面は、滑らかな平面形状を維持したまま張出し部１２ｄまで延びるように形成されている。張出し部１２ｄの後端部には、突起片３４Ｂの溝部３４Ｂａ１が光軸調整ネジ４０との螺合状態から離脱するのを防止するための離脱防止部１２ｄ１が形成されている。離脱防止部１２ｄ１は、左側壁部１２ｂの内側面における後端部の一部領域を他の領域よりも内側面側に変位させて厚肉とすることにより、突起片３４Ｂの後部領域３４Ｂａの外側面と近接する位置関係で形成されている。

　突起片３４Ｂにおいて回動軸線Ａｘ１よりも灯具前方側に位置する前部領域には、その外側面に上下１対の離脱防止用突起部３４Ｂｂが形成されている。具体的には、これら上下１対の離脱防止用突起部３４Ｂｂは、突起片３４Ｂの前端部において略Ｕ字状のスリット３４ａの上下に隣接する位置に形成されている。

　各離脱防止用突起部３４Ｂｂは、平面視において灯具前後方向に長い台形状の外形形状を有している、各離脱防止用突起部３４Ｂｂの先端面は、ハウジング１２の左側壁部１２ｂの内側面に近接するように形成されている。各離脱防止用突起部３４Ｂｂの先端面とハウジング１２の左側壁部１２ｂの内側面との間の隙間は、レンズホルダ３４の右側の脚部３４Ｒの支点突起部３４Ｒａがハウジング１２の支点係合凹部１２ａ１と係合している状態での該支点係合凹部１２ａ１への挿入深さよりも小さい値に設定されている。

　図５Ａは、図３のＶａ部詳細図であり、図５Ｂは、図３のＶｂ部詳細図である。

　図５Ａに示すように、ハウジング１２の右側壁部１２ａの内側面には、支点係合凹部１２ａ１から灯具前方へ向けて延びる溝部１２ａ２が形成されている。

　溝部１２ａ２は、その前部領域の上下幅がその後部領域の上下幅よりも大きい値に設定されている。具体的には、溝部１２ａ２は、灯具前方へ向けてその上下幅が徐々に大きくなるように形成されている。溝部１２ｂ２の上下幅は、その後端位置においてはレンズホルダ３４の支点突起部３４Ｒａの基端部の外径と同程度の値に設定されている。また、溝部１２ｂ２の上下幅は、その前端位置においては後端位置の上下幅に対して２～４倍程度の値に設定されている。

　また、溝部１２ａ２は、その前部領域の深さがその後部領域の深さよりも大きい値に設定されている。具体的には、溝部１２ａ２は、灯具前方へ向けてその深さが徐々に大きくなるように形成されている。溝部１２ａ２の深さは、その後端位置においては支点突起部３４Ｒａの支点係合凹部１２ａ１への挿入深さの０．２～０．６倍程度の値に設定されている。また、溝部１２ａ２の深さは、その前端位置においてはその挿入深さの０．６～１．２倍程度の値に設定されている。

　一方、図５Ｂに示すように、ハウジング１２の左側壁部１２ｂの内側面には、支点係合孔１２ｂ１から灯具前方へ向けて延びる溝部１２ｂ２が形成されている。

　溝部１２ｂ２は、その前部領域の上下幅がその後部領域の上下幅よりも大きい値に設定されている。具体的には、溝部１２ｂ２は、灯具前方へ向けてその上下幅が徐々に大きくなるように形成されている。溝部１２ａ２の上下幅は、その後端位置においてはレンズホルダ３４の支点突起部３４Ｌａの基端部の外径と同程度の値に設定されている。また、溝部１２ａ２の上下幅は、その前端位置においては後端位置の上下幅に対して２～６倍程度の値に設定されている。

　また、溝部１２ｂ２は、その前部領域の深さがその後部領域の深さよりも大きい値に設定されている。具体的には、溝部１２ｂ２は、灯具前方へ向けてその深さが徐々に大きくなるように形成されている。溝部１２ｂ２の深さは、その後端位置において支点突起部３４Ｌａの支点係合孔１２ｂ１への挿入深さの０．２～０．６倍程度の値に設定されている。また、溝部１２ｂ２の深さは、その前端位置においてその挿入深さの０．６～１．２倍程度の値に設定されている。

　図６は、図５ＢのＶＩ方向矢視図であって、ハウジング１２へのフィルタ５０の装着の様子を示す図である。

　図６にも示すように、ハウジング１２の左側壁部１２ｂには、支点係合孔１２ｂ１の上方側に、該左側壁部１２ｂを車幅方向に貫通する通気孔１２ｂ３が形成されている。通気孔１２ｂ３は、灯室内の気体の温度変化に伴う圧力変動を吸収するためのものである。通気孔１２ｂ３は、支点突起部３４Ｌａを円弧状に囲むように形成されており、支点係合孔１２ｂ１よりも大きい開口形状を有している。

　ハウジング１２の左側壁部１２ｂには、支点係合孔１２ｂ１および通気孔１２ｂ３を塞ぐためのフィルタ５０がその外側面側から装着されている。

　フィルタ５０は、防水性および湿気拡散性を備えたシート状のフィルタとして構成されており、円形の外形形状を有している。フィルタ５０は、例えば延伸ポリテトラフルオロエチレン（ｅＰＴＦＥ）等の数十μｍの厚さを有するシート状の素材で構成されている。フィルタ５０は、複数の微細孔（例えば直径１０μｍ以下の孔）が網目状に形成された構成となっている。

　左側壁部１２ｂの外側面には、支点係合孔１２ｂ１および通気孔１２ｂ３を円環状に囲む環状ビード部１２ｂ４が形成されている。環状ビード部１２ｂ４の高さは、フィルタ５０の厚さよりも大きい値（例えば０．５～１ｍｍ程度の値）に設定されている。また、左側壁部１２ｂの外側面は、環状ビード部１２ｂ４の内周側に位置する領域が平面部１２ｂ５として形成されている。

　フィルタ５０の装着は、環状ビード部１２ｂ４の内周側の平面部１２ｂ５において該フィルタ５０をハウジング１２の左側壁部１２ｂの外側面に貼り付けることによって行われている。環状ビード部１２ｂ４は、フィルタ５０をハウジング１２の左側壁部１２ｂに貼り付ける際の位置決め用のガイドとして機能するとともに、左側壁部１２ｂに貼り付けられたフィルタ５０を剥がれにくくする機能を果たすようになっている。

　図７は、本実施形態において、配光制御ユニット３０のレンズホルダ３４をハウジング１２に組み付ける際の様子を示す平断面図である。

　図７に示すように、水平面内において配光制御ユニット３０を斜めにした状態で、そのレンズホルダ３４の突起片３４Ｂの後端部および左側の脚部３４Ｌの支点突起部３４Ｌａをハウジング１２の左側壁部１２ｂの内側面に当接させ、これらをそれぞれ弾性変形させる。この状態で、右側の脚部３４Ｒをハウジング１２の内部に挿入して、脚部３４Ｒの支点突起部３４Ｒａをハウジング１２の右側壁部１２ａの支点係合凹部１２ａ１に挿入する。その後、配光制御ユニット３０を、その支点突起部３４Ｒａ付近を中心にして矢印方向に回動させるようにして押し込み、これにより突起片３４Ｂの後端部および脚部３４Ｌの支点突起部３４Ｌａをハウジング１２の左側壁部１２ｂの内側面に沿って灯具後方側へ移動させる。そして、突起片３４Ｂの後端部を左側壁部１２ｂの内側面の後端部に形成された離脱防止部１２ｄ１に乗り上げさせた後、脚部３４Ｌの支点突起部３４Ｌａを左側壁部１２ｂの支点係合孔１２ｂ１に挿入する。

　これにより、配光制御ユニット３０は、ハウジング１２に対して回動軸線Ａｘ１回りに回動可能に支持された状態となる。このとき、突起片３４Ｂは、その内側面に形成された複数の溝部３４Ｂａ１において光軸調整ネジ４０のネジ部４０ａと螺合するとともに、その外側面がハウジング１２の離脱防止部１２ｄ１と近接した状態となる。

　ハウジング１２の右側壁部１２ａの内側面には、支点係合凹部１２ａ１から灯具前方へ向けて延びる溝部１２ａ２が形成されているので、右側の脚部３４Ｒをハウジング１２の内部に挿入する際、その支点突起部３４Ｒａを溝部１２ａ２に係合させることにより、上下方向に関してガイドされた状態で灯具後方側へ移動させることが可能となる。これにより支点係合凹部１２ａ１への挿入を容易に行うことが可能となる。

　また、ハウジング１２の左側壁部１２ｂの内側面には、支点係合孔１２ｂ１から灯具前方へ向けて延びる溝部１２ｂ２が形成されている。このため、左側の脚部３４Ｌをハウジング１２の内部に挿入する際、その支点突起部３４Ｌａを溝部１２ｂ２に係合させることにより、上下方向に関してガイドされた状態で灯具後方側へ移動させることが可能となる。これにより支点係合孔１２ｂ１への挿入を容易に行うことが可能となる。

　図７において２点鎖線で示すように、レンズホルダ３４の構成として、仮に突起片３４Ｂと左側の脚部３４Ｌとが一体的に形成されていた（一体となって弾性変形する）と仮定する。この場合、脚部３４Ｌの支点突起部３４Ｌａがハウジング１２の左側壁部１２ｂの内側面に当接したとき、突起片３４Ｂは左側壁部１２ｂの内側面から離れてしまい、その後端部が光軸調整ネジ４０と干渉してしまうこととなる。しかしながら、本実施形態のレンズホルダ３４は、突起片３４Ｂと左側の脚部３４Ｌとが互いに独立して弾性変形する構成となっている。したがって、このような不具合が生じてしまうことなく配光制御ユニット３０の組付けが円滑に行われることとなる。

　次に、光源ユニット２０の具体的な構成およびそのハウジング１２への装着構造について説明する。

　図８は、車両用灯具１０において、ハウジング１２への光源ユニット２０の組付けの様子を示す正面図である。また、図９Ａは、車両用灯具１０を部分的に示す背面図である。

　図８に示すように、ハウジング１２の後壁部１２ｃには、光源ユニット２０を装着するための開口部１２ｃ１が形成されている。

　光源ユニット２０は、発光素子２２が搭載された基板２４と、基板２４を支持するソケット２６とを備えた構成となっている。

　発光素子２２は、３つの白色発光ダイオードが車幅方向（すなわち左右方向）に互いに隣接して配置された構成となっており、これにより横長矩形状の発光面を有する構成となっている。そして、発光素子２２は、その発光面を灯具正面方向（すなわち車両前方）へ向けた状態で配置されている。

　光源ユニット２０は、回転装着式の光源ユニットであって、そのソケット２６をハウジング１２の開口部１２ｃ１に対して灯具後方側から挿入して時計回りに所定角度（具体的には４５°）回転させることによりハウジング１２に装着されるようになっている。

　光源ユニット２０のソケット２６は、樹脂製のソケット本体２６Ａとソケット本体２６Ａに固定されたヒートシンク２６Ｂとを備えた構成となっている。ヒートシンク２６Ｂは、金属製（例えばアルミダイカスト製）である。

　ソケット本体２６Ａは、ハウジング１２の開口部１２ｃ１の内径よりも僅かに小さい外径で円筒状に形成されている。ソケット本体２６Ａの前端部の外周面には、開口部１２ｃ１の周囲においてハウジング１２の後壁部１２ｃと係合するための複数の係合用突起部２６Ａａが形成されている。また、ソケット本体２６Ａの後端部には、図９Ａに示すように、光源ユニット２０に給電するためのコネクタ部２６Ａｂが形成されている。

　ヒートシンク２６Ｂは、その前端部２６Ｂ１が円板状に形成されており、前端部２６Ｂ１においてソケット本体２６Ａに固定されている。ヒートシンク２６Ｂは、その前端部２６Ｂ１の外周面において灯具後方側へ向けて帯状に延びる５つの放熱フィン２６Ｂ２を備えた構成となっている。これら５つの放熱フィン２６Ｂ２は、光源ユニット２０の頂点位置および該頂点位置から左右両側に等間隔（具体的には４５°間隔）をおいた位置に形成されている。

　光源ユニット２０は、そのソケット２６の前端部に弾性シール部材２８が装着された構成となっている。弾性シール部材２８は、ソケット本体２６Ａの外周面に嵌め込まれたＯリング等の弾性を有する環状部材で構成されている。弾性シール部材２８は、ヒートシンク２６Ｂの前端部２６Ｂ１と接触した状態で装着されている。弾性シール部材２８は、光源ユニット２０がハウジング１２に装着されたとき、ハウジング１２の後壁部１２ｃに押し当てられて弾性圧縮変形するようになっている。これにより灯室内の気密性を確保するようになっている。

　図８に示すように、ハウジング１２の開口部１２ｃ１は、ソケット本体２６Ａに形成された複数の係合用突起部２６Ａａに対応した凹凸のある開口形状を有している。開口部１２ｃ１の凹凸形状は、装着状態にある光源ユニット２０（図中２点鎖線で示す）の複数の係合用突起部２６Ａａを灯具正面視において時計回りに４５°回転させた位置関係で形成されている。

　ハウジング１２の後壁部１２ｃの前面における開口部１２ｃ１の周囲の１箇所には、該開口部１２ｃ１に挿入されたソケット本体２６Ａを時計回りに４５°回転させたとき該ソケット本体２６Ａの係合用突起部２６Ａａに当接してそれ以上の回転を規制するためのストッパ１２ｃ２が形成されている。

　図９Ａに示すように、ハウジング１２の後壁部１２ｃの後面には、開口部１２ｃ１を囲むようにして灯具後方へ向けて延びるリブ１２ｃ３が形成されている。

　リブ１２ｃ３は、開口部１２ｃ１を全周にわたって囲むように形成されている。また、リブ１２ｃ３は、その下端部に切欠き部１２ｃ３ａが形成された構成となっている。

　リブ１２ｃ３は、光源ユニット２０の中心軸を中心とする円筒面に沿って延びるように形成されている。リブ１２ｃ３は、弾性シール部材２８がハウジング１２の後壁部１２ｃに押し当てられている位置よりも灯具後方側まで延びるように形成されている。具体的には、リブ１２ｃ３の後端面は、図１に示すように、弾性シール部材２８とヒートシンク２６Ｂの前端部２６Ｂ１との当接位置よりもさらに灯具後方側に位置している。なお、光源ユニット２０の中心軸は、光軸Ａｘの上方近傍に位置している。光源ユニット２０がハウジング１２に装着されたとき、発光素子２２は、その発光面の下端縁が光軸Ａｘの上方近傍において水平方向に延びた状態で配置されるようになっている（図３および図８参照）。

　図９Ａに示すように、リブ１２ｃ３の外周面には、回転装着式の光源ユニット２０の所定の装着位置を示すマーク１２ｃ３ｂが形成されている。マーク１２ｃ３ｂは、光源ユニット２０の中心軸の真上の位置に形成されており、光源ユニット２０が正立した状態で装着されていることを示すためのものである。

　また、リブ１２ｃ３の外周面には、灯具背面視においてマーク１２ｃ３ｂから４５°反時計回りに回転した位置に、もう１つのマーク１２ｃ３ｃが形成されている。マーク１２ｃ３ｃは、光源ユニット２０を開口部１２ｃ１に挿入する際の角度位置を示すためのものである。

　マーク１２ｃ３ｂは灯具背面視において三角形の突起部として形成されている。一方、マーク１２ｃ３ｃは灯具背面視において半円弧状の突起部として形成されている。

　次に本実施形態の作用効果について説明する。

　本実施形態に係る車両用灯具１０は、投影レンズ３２を支持するレンズホルダ３４がハウジング１２に対して上下方向に回動可能に支持されている。これにより、ハウジング１２に発光素子２２が固定されたままの状態で上下方向の光軸調整を行うことができる。したがって、車両用灯具１０をコンパクトな構成とすることができ、フォグランプ等に特に適した車両用灯具１０を提供することができる。

　光源としての発光素子２２は、該発光素子２２が搭載された基板２４を支持するソケット２６を備えた光源ユニット２０の一部として構成されているので、灯具構成の簡素化を図ることができる。

　光源ユニット２０は、そのソケット２６の前端部に弾性シール部材２８が装着された構成となっている。光源ユニット２０は、ハウジング１２の後壁部１２ｃに形成された開口部１２ｃ１にソケット２６が挿入されるとともにその後壁部１２ｃに弾性シール部材２８が押し当てられた状態で、ハウジング１２に装着される。これにより、ある程度の水密性を確保することができる。

　ハウジング１２の後壁部１２ｃには、その開口部１２ｃ１の少なくとも上半部を囲むようにして灯具後方へ向けて延びるリブ１２ｃ３が形成されている。このため、雨水が光源ユニット２０のハウジング１２への装着部分に流下しにくくなり、また、該装着部分に洗車時の高圧洗浄水が掛かりにくくなる。これにより灯室内への水侵入を効果的に抑制することができる。

　このように本実施形態によれば、発光素子２２からの光を投影レンズ３２によって配光制御するように構成されたレンズ可動式の車両用灯具１０において、光源ユニット２０を採用した場合であっても灯室内への水侵入を抑制することができる。

　特に本実施形態においては、リブ１２ｃ３が、ハウジング１２の開口部１２ｃ１を全周にわたって囲むように形成され、その下端部に切欠き部１２ｃ３ａが形成された構成となっている。このため、灯室内への水侵入を効果的に抑制することができ、かつ、リブ１２ｃ３の内周面に水が溜まってしまうのを未然に防止することができる。

　リブ１２ｃ３は、弾性シール部材２８がハウジング１２の後壁部１２ｃに押し当てられている位置よりも灯具後方側まで延びるように形成されている。このため、雨水が光源ユニット２０のハウジング１２への装着部分に流下しにくくなり、また、該装着部分に洗車時の高圧洗浄水が掛かりにくくなる。これにより灯室内への水侵入を効果的に抑制することができる。

　光源ユニット２０は、ハウジング１２の後壁部１２ｃに形成された開口部１２ｃ１にそのソケット２６を挿入して回転させることによりハウジング１２に装着される構成となっている。したがって、発光素子２２を灯具前後方向に関して精度良く位置決めすることができる。

　リブ１２ｃ３の外周面には、光源ユニット２０の所定の装着位置を示すマーク１２ｃ３ｂが形成されている。このため、光源ユニット２０がハウジング１２に対して不完全な状態で装着されてしまうのを未然に防止することができる。これにより灯室内への水侵入を効果的に抑制することができる。

　リブ１２ｃ３の外周面には、マーク１２ｃ３ｂの他に光源ユニット２０を開口部１２ｃ１に挿入する際の角度位置を示すためのマーク１２ｃ３ｃも形成されている。このため、光源ユニット２０の装着を容易に行うことができる。

　２つのマーク１２ｃ３ｂ、１２ｃ３ｃはいずれも突起部として形成されているので、視覚や触覚によって認識しやすいものとすることができる。マーク１２ｃ３ｂは灯具背面視において三角形の突起部として形成されており、マーク１２ｃ３ｃは灯具背面視において半円弧状の突起部として形成されている。これにより、２つのマーク１２ｃ３ｂ、１２ｃ３ｃの識別を容易に行うことができる。

　また、投影レンズ３２よりも灯具後方側には、該投影レンズ３２を透してハウジング１２の内部空間に入射した外部光を反射させるための反射部材３６が配置されている。反射部材３６は、灯具正面視において投影レンズ３２の周縁部と重複する部分に、外部光を投影レンズ３２へ向けて反射させる複数の反射素子３６ｓが形成された構成となっている。これにより、次のような作用効果を得ることができる。

　すなわち、非点灯状態にある車両用灯具１０を灯具前方側から観察したとき、投影レンズ３２を透してハウジング１２の内部空間が見える。このとき反射部材３６は外部光によって複数箇所において光って見える。したがって、灯具非点灯時においてもハウジング１２の内部空間が暗く見えてしまうのを未然に防止することができる。これにより車両用灯具１０としての見映え向上を図ることができる。

　複数の反射素子３６ｓは、灯具正面視において投影レンズ３２のレンズ本体部３２Ａの周縁部と重複する部分に形成されている。これにより、反射部材３６が配置されたことによって発光素子２２から投影レンズ３２へ向かう光が遮光されてしまうのを防止することあるいは最小限に抑えることができる。

　このように本実施形態によれば、発光素子２２からの光を投影レンズ３２によって配光制御するように構成されたレンズ可動式の車両用灯具１０において、灯具非点灯時の見映えを向上させることができる。

　本実施形態においては、反射部材３６がレンズホルダ３４に支持されているので、次のような作用効果を得ることができる。

　すなわち、反射部材３６はレンズホルダ３４および投影レンズ３２と共に上下方向に回動することとなるので、反射部材３６を投影レンズ３２に対して近接配置することができ、これによりハウジング１２の内部空間が一層明るく光って見えるようにすることができる。

　本実施形態においては、反射部材３６が透明部材で構成されているので、複数の反射素子３６ｓによる外部光の反射が全反射によって行われるようにすることができる。したがって、非点灯状態にある車両用灯具１０を灯具前方側から観察したとき、クリスタル感のある反射部材３６が複数箇所において光って見えるようにすることができる。これにより灯具非点灯時の見映えを一層向上させることができる。

　さらに本実施形態においては、レンズホルダ３４も透明部材で構成されている。レンズホルダ３４を透過した外部光もハウジング１２の内部空間に入射することとなる。したがって、非点灯状態にある車両用灯具１０を灯具前方側から観察したときハウジング１２の内部空間が一層明るく光って見えるようにすることができる。

　本実施形態においては、反射部材３６がレンズホルダ３４と一体成形されているので、車両用灯具１０の部品点数を削減することができ、また上記作用効果を得ることができる。

　また本実施形態においては、投影レンズ３２がレンズホルダ３４に対して熱カシメによって固定されている。これにより、レンズホルダ３４による投影レンズ３２の支持を安価な固定構造によって実現することができる。

　また、ハウジング１２の左側壁部１２ｂ（周壁部）には、灯室内の圧力変動を吸収するための通気孔１２ｂ３が形成されている。これにより、灯室内にレンズホルダ３４を上下方向に回動させるための回動機構として光軸調整ネジ４０およびそのネジ部４０ａと螺合する突起片３４Ｂが配置されているにもかかわらず、通気孔１２ｂ３を形成するためのスペースを容易に確保することができる。

　このように本実施形態によれば、発光素子２２からの光を投影レンズ３２によって配光制御するように構成されたレンズ可動式の車両用灯具１０において、灯室内の圧力変動を吸収するための通気孔１２ｂ３を容易に形成することができる。

　しかも本実施形態においては、発光素子２２がハウジング１２の後壁部１２ｃに装着された光源ユニット２０の一部として構成されている。このため後壁部１２ｃに通気孔１２ｂ３を形成するためのスペースを確保することが一層困難な灯具構成となっているので、本実施形態の構成を採用することが特に効果的である。

　また、本実施形態に係る車両用灯具１０は、その透光カバー１４が車体形状（具体的にはバンパー１００の形状）に沿ってその左端部から右端部へ向けて灯具後方側へ傾斜しており、これに伴いハウジング１２は左側壁部１２ｂ（すなわち車幅方向内側の側壁部）の前後長が比較的長くなっている。このため、左側壁部１２ｂに通気孔１２ｂ３が形成された構成とすることにより、ハウジング１２の周壁部に通気孔を形成するためのスペースを確保することが容易に可能となる。

　本実施形態においては、レンズホルダ３４における回動軸線Ａｘ１上の位置に左右１対の支点突起部３４Ｌａ、３４Ｒａが形成されている。また、ハウジング１２の右側壁部１２ａおよび左側壁部１２ｂの内側面に支点係合部としての支点係合凹部１２ａ１および支点係合孔１２ｂ１がそれぞれ形成されている。これにより、レンズホルダ３４のハウジング１２への支持を簡易な構成によって行うことができる。

　右側壁部１２ａの支点係合部は支点係合凹部１２ａ１として構成されている。左側壁部１２ｂの支点係合部は該左側壁部１２ｂを車幅方向に貫通する支点係合孔１２ｂ１ａとして構成されている。このため、１本のスライドピンによって支点係合孔１２ｂ１および支点係合凹部１２ａ１を形成することができる。これによりハウジング１２を成形するための金型の構造を簡素化することができる。

　さらに本実施形態においては、ハウジング１２の左側壁部１２ｂに、防水性および湿気拡散性を備えたフィルタ５０が通気孔１２ｂ３および支点係合孔１２ｂ１を塞ぐようにして装着されている。このため、灯室内に発生した水分を拡散作用によって排出することができ、これにより透光カバー１４の内面に結露が発生してしまうのを効果的に抑制することができる。しかもこれを単一のフィルタの装着によって実現することができる。

　フィルタ５０はシート状に形成されているので、車両用灯具１０をコンパクトな構成のまま維持することができる。

　また、左側壁部１２ｂの外側面には、支点係合孔１２ｂ１および通気孔１２ｂ３を囲む環状ビード部１２ｂ４が形成されている。また、該左側壁部１２ｂにおける環状ビード部１２ｂ４の内周側に位置する領域が平面部１２ｂ５として形成されている。さらに、平面部１２ｂ５に通気孔１２ｂ３および支点係合孔１２ｂ１が形成されている。このため、環状ビード部１２ｂ４を、フィルタ５０を左側壁部１２ｂに貼り付ける際の位置決め用のガイドとして機能させることができる。また、左側壁部１２ｂに貼り付けられたフィルタ５０を剥がれにくいものとすることができる。環状ビード部１２ｂ４は、その高さがフィルタ５０の厚さよりも大きい値に設定されているので、フィルタ５０を一層剥がれにくいものとすることができる。また、フィルタ５０は延伸ポリテトラフルオロエチレンで構成されているので、防水性および湿気拡散性を十分に確保することができる。

　また本実施形態においては、環状ビード部１２ｂ４が円環状に延びるように形成されるとともに、フィルタ５０が円形の外形形状を有している。このため、フィルタが不用意に剥がれてしまうのを効果的に抑制することができる。

　さらに本実施形態においては、通気孔１２ｂ３が支点係合孔１２ｂ１よりも大きい開口形状を有しているので、通気性能を十分に確保することができる。

　また、レンズホルダ３４における車幅方向の両端部には灯具後方へ向けて延びる脚部３４Ｒ、３４Ｌがそれぞれ形成されている。各脚部３４Ｒ、３４Ｌの後端部の外側面には支点突起部３４Ｒａ、３４Ｌａが形成されている。ハウジング１２の右側壁部１２ａおよび左側壁部１２ｂにおける回動軸線Ａｘ１上の位置には各脚部３４Ｒ、３４Ｌの支点突起部３４Ｒａ、３４Ｌａと係合する支点係合部として支点係合凹部１２ａ１および支点係合孔１２ｂ１がそれぞれ形成されている。したがって、回動軸線Ａｘ１と投影レンズ３２との位置関係の自由度を高めることができる。

　一方、レンズホルダ３４における車幅方向内側の端部（すなわち車幅方向の一端部）には灯具後方へ向けて延びる突起片３４Ｂが形成されている。突起片３４Ｂが回動軸線Ａｘ１よりも灯具後方側に位置する後部領域３４Ｂａの内側面に形成された溝部３４Ｂａ１において光軸調整ネジ４０と螺合している。このようなレンズホルダ３４を成形する都合上、その突起片３４Ｂの基端部の位置をハウジング１２の左側壁部１２ｂに近接させることは困難である。したがって車幅方向内側（すなわち車幅方向に関して突起片側）に位置する脚部３４Ｌ（第一脚部）とハウジング１２の左側壁部１２ｂとの間に大きな隙間が形成されやすい灯具構成となっている。このため、車両振動等によってレンズホルダ３４が車幅方向に相対変位すると、車幅方向外側（すなわち車幅方向に関して突起片とは反対側）に位置する脚部３４Ｒ（第二脚部）の支点突起部３４Ｒａがハウジング１２の支点係合凹部１２ａ１との係合状態から離脱しやすくなってしまう。

　しかしながら、本実施形態に係る車両用灯具１０においては、突起片３４Ｂの回動軸線Ａｘ１よりも灯具前方側に位置する前部領域の外側面に離脱防止用突起部３４Ｂｂが形成されている。このため、車両振動等によってレンズホルダ３４が車幅方向に相対変位しても、離脱防止用突起部３４Ｂｂがハウジング１２の左側壁部１２ｂに当接する。これにより、脚部３４Ｒの支点突起部３４Ｒａがハウジング１２の支点係合凹部１２ａ１との係合状態から離脱してしまうのを抑制することができる。したがって、レンズホルダ３４がハウジング１２から離脱してしまうのを抑制することができる。

　このように本実施形態によれば、発光素子２２からの光を投影レンズ３２によって配光制御するように構成されたレンズ可動式の車両用灯具１０において、投影レンズ３２を支持するレンズホルダ３４がハウジング１２から離脱してしまうのを抑制することができる。

　特に本実施形態においては、突起片３４Ｂ側に位置する脚部３４Ｌが他方の脚部３４Ｒに比して長尺で形成されている。脚部３４Ｌとハウジング１２の左側壁部１２ｂとの間には大きな隙間が形成されている。すなわち、車両振動等によって脚部３４Ｒの支点突起部３４Ｒａがハウジング１２の支点係合凹部１２ａ１との係合状態から一層離脱しやすい構成となっている。このため、本実施形態の構成を採用することが効果的である。

　また本実施形態においては、突起片３４Ｂ側に位置する脚部３４Ｌが灯具後方へ向けて舌片状に形成されている。突起片３４Ｂが脚部３４Ｌと同一鉛直面上において該脚部３４Ｌを囲むように形成されている。これにより、車両用灯具１０の車幅方向の必要幅を最小限に抑えることができる。

　離脱防止用突起部３４Ｂｂは、突起片３４Ｂにおける脚部３４Ｌの上下両側に位置する２箇所に形成されている。したがって、車両振動等によってレンズホルダ３４が車幅方向に相対変位したとき上下２箇所において離脱防止用突起部３４Ｂｂをハウジング１２の左側壁部１２ｂに当接させることができる。これによりレンズホルダ３４がハウジング１２から離脱してしまうのを効果的に抑制することができる。

　各離脱防止用突起部３４Ｂｂは突起片３４Ｂの前端部に位置しているので、レンズホルダ３４の車幅方向の相対変位量を最小限に抑えることができる。

　さらに本実施形態においては、各離脱防止用突起部３４Ｂｂの先端面（すなわち車幅方向内側の端面）とハウジング１２の左側壁部１２ｂの内側面との間の隙間が、脚部３４Ｒの支点突起部３４Ｒａがハウジング１２の支点係合凹部１２ａ１と係合している状態での該支点係合凹部１２ａ１への挿入深さよりも小さい値に設定されている。これにより、その支点突起部３４Ｒａが支点係合凹部１２ａ１との係合状態から離脱してしまうのを未然に防止することができる。

　また本実施形態においては、脚部３４Ｌの内側面に補強リブ３４Ｌｂが形成されている。これにより、脚部３４Ｌが長尺で形成されているにもかかわらず、車両振動等によってレンズホルダ３４が車幅方向に相対変位したときに脚部３４Ｌが破損してしまうおそれを低減することができる。

　また、ハウジング１２の右側壁部１２ａの内側面には、支点係合凹部１２ａ１から灯具前方へ向けて延びる溝部１２ａ２が形成されている。これにより、右側の脚部３４Ｒをハウジング１２の内部に挿入する際、その支点突起部３４Ｒａを溝部１２ａ２に係合させることにより上下方向に関してガイドされた状態で灯具後方側へ移動させて支点係合凹部１２ａ１に挿入することができる。したがって、支点突起部３４Ｒａと支点係合凹部１２ａ１との係合を容易に行うことができる。

　また、ハウジング１２の左側壁部１２ｂの内側面には、支点係合孔１２ｂ１から灯具前方へ向けて延びる溝部１２ｂ２が形成されている。これにより、左側の脚部３４Ｌをハウジング１２の内部に挿入する際、その支点突起部３４Ｌａを溝部１２ｂ２に係合させることにより上下方向に関してガイドされた状態で灯具後方側へ移動させて支点係合孔１２ｂ１に挿入することができる。したがって、支点突起部３４Ｌａと支点係合孔１２ｂ１との係合を容易に行うことができる。

　したがって本実施形態によれば、発光素子２２からの光を投影レンズ３２によって配光制御するように構成されたレンズ可動式の車両用灯具１０において、灯具組付性の向上を図ることができる。

　各溝部１２ａ２、１２ｂ２は、その前部領域の上下幅がその後部領域の上下幅よりも大きい値に設定されている。このため、上下幅が大きい前部領域において各支点突起部３４Ｒａ、３４Ｌａの係合を容易に行い、上下幅の狭い後部領域へ向けて各支点突起部３４Ｒａ、３４Ｌａを移動させることができる。これにより支点係合凹部１２ａ１および支点係合孔１２ｂ１の各々への誘導を容易に行うことができる。したがって灯具組付性をさらに向上させることができる。

　各溝部１２ａ２、１２ｂ２は、灯具前方へ向けて上下幅が徐々に大きくなるように形成されている。このため、各溝部１２ａ２、１２ｂ２と係合した支点突起部３４Ｒａ、３４Ｌａを灯具後方へ向けて円滑に移動させることができる。これにより灯具組付性をより一層向上させることができる。

　また、各溝部１２ａ２、１２ｂ２は、その前部領域の深さがその後部領域の深さよりも大きい値に設定されている。このため、相対的に深い前部領域において各支点突起部３４Ｒａ、３４Ｌａの係合を容易に行い、相対的に浅い後部領域へ向けて各支点突起部３４Ｒａ、３４Ｌａを移動させることができる。これにより支点係合凹部１２ａ１および支点係合孔１２ｂ１の各々への誘導を容易に行うことができる。したがって灯具組付性をさらに向上させることができる。

　各溝部１２ａ２、１２ｂ２は、灯具前方へ向けて徐々に深くなるように形成されている。このため、各溝部１２ａ２、１２ｂ２と係合した支点突起部３４Ｒａ、３４Ｌａを各溝部１２ａ２、１２ｂ２に沿って灯具後方へ向けて円滑に移動させることができる。これにより灯具組付性をより一層向上させることができる。

　なお、上記第一実施形態においては、各マーク１２ｃ３ｂ、１２ｃ３ｃが凸状に形成されているものとして説明したが、凹状に形成されたマークや印字や刻印されたマークを採用することも可能である。

　上記第一実施形態においては、通気孔１２ｂ３が左側壁部１２ｂにおいて支点係合孔１２ｂ１とは独立した孔として形成されているものとして説明したが、これに限られない。支点係合孔１２ｂ１から延びるスリット等を左側壁部１２ｂに形成することにより、支点係合孔１２ｂ１と連通する孔として通気孔が形成された構成とすることも可能である。

　上記第一実施形態においては、ハウジング１２の左側壁部１２ｂに通気孔１２ｂ３が形成されているものとして説明したが、これに限られない。ハウジング１２の右側壁部１２ａや下壁部等に通気孔が形成された構成とすることも可能である。

　上記第１実施形態においては、突起片３４Ｂが脚部３４Ｌと同一鉛直面上に形成されているものとして説明したが、これに限られない。突起片３４Ｂは、同一鉛直面上でなくても車幅方向に関して脚部３４Ｌと重複する位置に形成されていれば、車両用灯具１０の車幅方向の必要幅を小さくすることができる。

　上記第一実施形態においては、各離脱防止用突起部３４Ｂｂが台形状に形成されているものとして説明したが、これ以外の形状（例えば半球状や半円筒状等）で形成されてもよい。

　上記第一実施形態においては、各溝部１２ａ２、１２ｂ２の構成として、灯具前方へ向けてその上下幅およびその深さが徐々に大きくなるように形成されているものとして説明したが、これに限られない。両各溝部１２ａ２、１２ｂ２の上下幅および深さのうちの少なくとも一方が灯具前方へ向けて段階的に大きくなるように形成された構成とすることも可能である。

　上記第一実施形態においては、右側壁部１２ａおよび左側壁部１２ｂに溝部１２ａ２、１２ｂ２がそれぞれ形成されているものとして説明したが、これに限られない。溝部１２ａ２、１２ｂ２は、いずれか一方のみに形成された構成とした場合であっても、これらが形成されていない場合に比して灯具組付性を向上させることができる。

　上記第一実施形態においては、投影レンズ３２が平凸レンズ状に形成されているものとして説明したが、これに限られない。投影レンズ３２は、両凸レンズ状や凸メニスカスレンズ状に形成されたレンズ、あるいはフレネルレンズ状に形成されたレンズ等を採用することも可能である。

　上記第一実施形態においては、反射部材３６の後端部に開口部３６ａが形成されているものとして説明したが、これに限られない。開口部３６ａに位置する部分が透光性のレンズ状に形成された構成とすることも可能である。

　上記第一実施形態においては、一体成形された反射部材３６およびレンズホルダ３４が無色透明の部材で構成されているものとして説明したが、有色透明の部材で構成されてもよい。

　上記第一実施形態においては、配光制御ユニット３０を支持するハウジング１２がランプボディであるものとして説明したが、これに限られない。ハウジング１２は、それ以外の灯具構成部材（例えばランプボディに支持された部材等）として機能することも可能である。

　上記第一実施形態においては、車両用灯具１０が、フォグランプであるものとして説明したが、これ以外の灯具（例えばヘッドランプ等）として構成することも可能である。

　次に、第一実施形態の変形例について説明する。

　まず、第一実施形態の第１変形例について説明する。

　図９Ｂは、本変形例に係る車両用灯具を部分的に示す、図９Ａと同様の図である。

　図９Ｂに示すように、本変形例の基本的な構成は第一実施形態の構成と同様であるが、光源ユニット２０のハウジング１１２への装着構造が第一実施形態の構成と一部異なっている。

　すなわち本変形例においても、光源ユニット２０のソケット２６をハウジング１１２の開口部（図示せず）に対して灯具後方側から挿入して時計回りに所定角度回転させることにより光源ユニット２０がハウジング１１２に装着されるようになっている。本変形例は、ハウジング１１２に逆回転防止構造１６０が設けられている点で第一実施形態と異なっている。

　逆回転防止構造１６０は、光源ユニット２０が所定の装着位置から緩む方向へ回転してしまうのを、そのソケット２６との当接によって防止するための構造である。

　具体的には、逆回転防止構造１６０は、ソケット２６に当接するための当接部材１６２と、ネジ１６４とを備えている。ネジ１６４は、当接部材１６２をハウジング１１２の後壁部１１２ｃに締結するための締結部材である。

　ネジ１６４は、当接部材１６２を光源ユニット２０の真下の位置においてハウジング１１２の後壁部１１２ｃに固定するようになっている。

　これを実現するため、ハウジング１１２の後壁部１１２ｃには、光軸Ａｘの真下の位置にネジ１６４を固定するためのボス部１１２ｃ４が形成されている。

　本変形例のハウジング１１２においても、その後壁部１１２ｃの後面には、光源ユニット２０の中心軸を中心とする円筒面に沿って延びるリブ１１２ｃ３が形成されている。リブ１１２ｃ３は、その下端部がボス部１１２ｃ４の近くまで延びるように形成されている。これによりボス部１１２ｃ４の左右両側に切欠き部１１２ｃ３ａが形成されるようになっている。

　リブ１１２ｃ３は、その高さ（すなわち後方突出量）が第一実施形態のリブ１２ｃ３と同じ値に設定されている。また、リブ１１２ｃ３の外周面には、第一実施形態のリブ１２ｃ３と同じ位置に同じマーク１１２ｃ３ｂ、１１２ｃ３ｃが形成されている。

　当接部材１６２は、樹脂製の板状部材であって、締結部１６２Ａと、アーム部１６２Ｂとを備えた構成となっている。締結部１６２Ａは、ネジ１６４によってハウジング１１２のボス部１１２ｃ４に固定される。アーム部１６２Ｂは、締結部１６２Ａから左右両方向へ向けてリブ１１２ｃ３に沿って延びている。

　当接部材１６２は、ネジ１６４によってハウジング１１２のボス部１１２ｃ４に固定された状態において、その左右１対のアーム部１６２Ｂの先端面が光源ユニット２０のヒートシンク２６Ｂに当接（または近接）するようになっている。当接部材１６２のヒートシンク２６Ｂに対する当接は、５つの放熱フィン２６Ｂ２のうち最下端に位置する左右１対の放熱フィン２６Ｂ２に対して行われるようになっている。当接部材１６２は、光源ユニット２０が所定の装着位置から緩む方向へ回転するのを、そのヒートシンク２６Ｂの放熱フィン２６Ｂ２との当接によって防止するようになっている。

　また、当接部材１６２は、ハウジング１１２のボス部１１２ｃ４に固定された状態において、各アーム部１６２Ｂの内周縁がヒートシンク２６Ｂの前端部２６Ｂ１の外周面に沿って延びるように形成されている。

　ネジ１６４は、座付きネジとして構成されており、また、該ネジ１６４を締め付ける方向への回転力のみを伝達可能とするネジ穴形状を有している。すなわち、ネジ１６４のネジ穴１６４ａは、プラス（＋）形状の溝部に対してその反時計回りの方向に位置する壁面が欠落した形状を有している。

　本変形例の構成を採用した場合においても、第一実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。

　また、本変形例のような逆回転防止構造１６０を備えた構成とすることにより、光源ユニット２０が常に所定の装着位置に保持される。

　すなわち、逆回転防止構造１６０は、光源ユニット２０が所定の装着位置から緩む方向へ回転するのをそのソケット２６との当接によって防止する。したがって、投影レンズ３２から出射した発光素子２２からの光によって形成される配光パターンの形状が所期の形状とは異なったものとなってしまうのを未然に防止することができる。

　光源ユニット２０の発光素子２２は、複数の白色発光ダイオードが互いに隣接して配置された構成となっている。光源ユニット２０が所定の装着位置まで回転したとき該発光素子２２の発光面が横長に延びるように構成され、かつ、その発光面の下端縁が光軸Ａｘの上方近傍において水平方向に延びた状態で配置されるようになっている。これにより、上端縁に水平カットオフラインを有する横長の配光パターンを形成することができ、車両用灯具をフォグランプ等に特に適したものとすることができる。

　本変形例においては、逆回転防止構造１６０が、光源ユニット２０のソケット２６に当接するための当接部材１６２と、当接部材１６２をハウジング１１２の後壁部１１２ｃに締結するための締結部材としてのネジ１６４とを備えた構成となっている。このため、光源ユニット２０が所定の装着位置から緩む方向へ回転してしまうのを簡素な構成によって防止することができる。

　また、光源ユニット２０は、そのソケット２６の構成として、ソケット本体２６Ａとソケット本体２６Ａに固定されたヒートシンク２６Ｂとを備えた構成となっている。当接部材１６２による光源ユニット２０への当接がヒートシンク２６Ｂに対して行われる構成となっているので、次のような作用効果を得ることができる。

　すなわち、ヒートシンク２６Ｂは金属製の硬い部材で構成されており、当接部材１６２が当接してもほとんど変形しない。これにより、光源ユニット２０が装着位置から緩む方向へ回転してしまうのを確実に防止することができる。

　さらに本変形例においては、締結部材がネジ１６４によって構成されているので、簡易な構成で当接部材１６２の締結を行うことができる。

　ネジ１６４は、該ネジ１６４を締め付ける方向への回転力のみを伝達可能とするネジ穴１６４ａを有している。これにより、車両用灯具１０の組付け後に不用意なドライバー操作によってネジ１６４が外されてしまい光源ユニット２０が装着位置から緩む方向へ回転し得る状態になってしまうのを未然に防止することができる。

　また本変形例においては、当接部材１６２が、ハウジング１１２の後壁部１１２ｃに固定される締結部１６２Ａと締結部１６２Ａから延びる１対のアーム部１６２Ｂとを備えている。その締結部１６２Ａがハウジング１１２の後壁部１１２ｃに締結された状態において１対のアーム部１６２Ｂの先端面がヒートシンク２６Ｂに当接または近接する構成となっている。これにより当接部材１６２の位置決めを容易に行うことができる。

　ヒートシンク２６Ｂは、円板状に形成された前端部２６Ｂ１とその外周面において灯具後方側へ向けて帯状に延びる５つの放熱フィン２６Ｂ２を備えている。ヒートシンク２６Ｂは、その前端部２６Ｂ１においてソケット本体２６Ａに固定された構成となっている。１対のアーム部１６２Ｂの先端面のヒートシンク２６Ｂに対する当接または近接が、５つの放熱フィン２６Ｂ２のうち周方向の端部に位置する１対の放熱フィン２６Ｂ２に対して行われるようになっている。このため、当接部材１６２の位置決めを一層容易に行うことができる。

　さらに、当接部材１６２は、その締結部１６２Ａがハウジング１１２の後壁部１１２ｃに締結された状態において、その１対のアーム部１６２Ｂがヒートシンク２６Ｂの前端部２６Ｂ１の外周面に沿って延びるように構成されている。これにより、当接部材１６２をハウジング１１２の後壁部１１２ｃに固定する際のガイドとして１対のアーム部１６２Ｂを活用することができる。

　また、当接部材１６２は、樹脂製の板状部材で構成されているので、逆回転防止構造１６０を簡易かつ軽量な構成とすることができる。

　上記第１変形例においては、締結部材がネジ１６４によって構成されているものとして説明したが、クリップ等によって構成されてもよい。

　次に、第一実施形態の第２変形例について説明する。

　図１０は、本変形例に係る車両用灯具２１０を示す、図１と同様の図である。

　図１０に示すように、本変形例の基本的な構成は第一実施形態の構成と同様であるが、配光制御ユニット２３０の構成が第一実施形態の配光制御ユニット３０の構成と一部異なっている。

　本変形例の配光制御ユニット２３０も、投影レンズ２３２とレンズホルダ２３４と反射部材２３６とを備えている。本変形例は、反射部材２３６がレンズホルダ２３４とは別体で構成されている点で、第一実施形態と異なっている。

　具体的には、本変形例の配光制御ユニット２３０においては、投影レンズ２３２とレンズホルダ２３４との間に反射部材２３６を挟んだ状態で熱カシメが行われている。

　これを実現するため、反射部材２３６の前端部には外周フランジ部２３６ｂが形成されている。レンズホルダ２３４の本体部分２３４Ａの内周縁部には環状のレンズ押え部２３４Ａｂが形成されている。レンズ押え部２３４Ａｂは、反射部材２３６の外周フランジ部２３６ｂと係合して、該反射部材２３６を投影レンズ２３２の後面に当接させた状態で位置決めする。投影レンズ２３２とレンズホルダ２３４との間に反射部材２３６を挟み、カシメ用突起部２３２ａを挿通孔（図示せずに）に挿通させた状態で熱カシメが行われる。本変形例では、カシメ用突起部２３２ａは投影レンズ２３２の後面の外周縁部の４箇所に形成されており、挿通孔はレンズホルダ２３４の本体部分２３４Ａの４箇所に形成されている。

　投影レンズ２３２のカシメ用突起部２３２ａは、第一実施形態の投影レンズ３２のカシメ用突起部３２ａよりも長尺で形成されている。投影レンズ２３２は、それ以外の構成については第一実施形態の投影レンズ３２と同様である。

　レンズホルダ２３４は、その本体部分３４Ａの構成が第一実施形態のレンズホルダ３４と異なっている。レンズホルダ２３４は、左右１対の脚部２３４Ｌ、２３４Ｒおよび突起片２３４Ｂの構成については第一実施形態の構成と同様である。

　反射部材２３６も、その外周フランジ部２３６ｂ以外の部分の構成については第一実施形態の構成と同様である。

　本変形例の構成を採用した場合においても、第一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。

　また、本変形例の構成を採用することにより、反射部材３６とレンズホルダ３４とが別体で構成されているにもかかわらず、反射部材３６の支持を安価な固定構造によって実現することができる。

　さらに、本変形例のように反射部材３６をレンズホルダ３４と別体で構成することにより、反射部材３６の形状自由度を高めることができる。

　次に、本開示の第二実施形態について説明する。

　図１１は、本実施形態に係る車両用灯具５１０を示す平断面図であり、図１２は、図１１のＸＩＩ－ＸＩＩ線部分断面詳細図である。

　これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用灯具５１０の基本的な構成は第一実施形態の場合と同様である。車両用灯具５１０は車両の左前端部に設けられるフォグランプとして構成されている。

　車両用灯具５１０において、ハウジング５１２および透光カバー５１４の形状が第一実施形態の構成と一部異なっている。また、配光制御ユニット５３０および反射部材５３６の構成が第一実施形態の構成と異なっている。

　すなわち、本実施形態の透光カバー５１４も、灯具正面視において横長長円形の外形形状を有するカバー本体部５１４Ａと、その外周側に位置する外周フランジ部５１４Ｂとを備えている。透光カバー５１４は車両正面方向に正対した状態で配置されており、車両前後方向と直交する鉛直面においてハウジング５１２に支持されている。

　また、本実施形態の配光制御ユニット５３０も、発光素子２２からの直射光を偏向制御する投影レンズ５３２と、投影レンズ５３２を支持するレンズホルダ５３４とを備えた構成となっている。この支持は投影レンズ５３２がレンズホルダ５３４に嵌め込まれることによって行われている（これについては後述する）。

　投影レンズ５３２は、レンズ本体部５３２Ａと、外周フランジ部５３２Ｂとを備えている。レンズ本体部５３２Ａは、前面が凸面状に形成されるとともに後面が平面状に形成されている。外周フランジ部５３２Ｂは、レンズ本体部５３２Ａの外周側において該レンズ本体部５３２Ａの後面と面一で環状に形成されている。投影レンズ５３２は、灯具正面視において横長楕円形の外形形状を有している。外周フランジ部５３２Ｂの外周面にはレンズホルダ５３４への嵌め込みを行うための凹凸部が形成されている（これについても後述する）。

　レンズホルダ５３４は、環状に形成された本体部分５３４Ａの左右両側部に、灯具後方へ向けて延びる１対の脚部５３４Ｌ、５３４Ｒが形成された構成となっている。左右１対の脚部５３４Ｌ、５３４Ｒは同じ長さで形成されている。脚部５３４Ｌ、５３４Ｒの後端部の外側面には支点突起部５３４Ｌａ、５３４Ｒａがそれぞれ形成されている。

　右側の脚部５３４Ｒの支点突起部５３４Ｒａがハウジング５１２の右側壁部５１２ａに形成された支点係合凹部５１２ａ１に挿入される。また、左側の脚部５３４Ｌの支点突起部５３４Ｌａがハウジング５１２の左側壁部５１２ｂに形成された支点係合孔５１２ｂ１に挿入される。これにより、レンズホルダ５３４がハウジング５１２に対して回動軸線Ａｘ１回りに回動可能に支持されるようになっている。

　ハウジング５１２の左側壁部５１２ｂには、第一実施形態の通気孔１２ｂ３と同様の通気孔（図示せず）が形成されている。また、左側壁部５１２ｂには、該通気孔および支点係合孔５１２ｂ１を塞ぐためのフィルタ５０がその外側面側から装着されている。

　各脚部５３４Ｌ、５３４Ｒの前端部の外側面には、離脱防止用突起部５３４Ｌｂ、５３４Ｒｂがそれぞれ形成されている。

　各離脱防止用突起部５３４Ｌｂ、５３４Ｒｂは、平面視において灯具前後方向に長い台形状の外形形状を有している。各離脱防止用突起部５３４Ｌｂ、５３４Ｒｂの先端面は、ハウジング５１２の左側壁部５１２ｂおよび右側壁部５１２ａの内側面に近接する高さで形成されている。各離脱防止用突起部５３４Ｌｂ、５３４Ｒｂの先端面と左側壁部５１２ｂおよび右側壁部５１２ａの各々の内側面との間の隙間は、各支点突起部５３４Ｌａ、５３４Ｒａが支点係合孔５１２ｂ１および支点係合凹部５１２ａ１の各々と係合している状態でのその挿入深さよりも小さい値に設定されている。

　レンズホルダ５３４の左側部には、灯具後方へ向けて延びる突起片５３４Ｂが形成されている。突起片５３４Ｂは、左側の脚部５３４Ｌの下方において光軸Ａｘと平行な鉛直面に沿って板状に延びるように形成されている。突起片５３４Ｂは、その後部領域５３４Ｂａの後端部の内側面に形成された溝部５３４Ｂａ１において、ハウジング５１２の張出し部５１２ｄに配置された光軸調整ネジ４０と螺合するようになっている。

　本実施形態においても、回転装着式の光源ユニット２０がハウジング５１２の後壁部５１２ｃに装着されている。この装着のための開口部５１２ｃ１は後壁部５１２ｃの中心位置から右側（すなわち車幅方向内側）に変位した位置に形成されている。これにより、投影レンズ５３２からの出射光の車幅方向外側への最大拡散角度が車幅方向内側への最大拡散角度よりも大きくなるようにしている。

　ハウジング５１２の後壁部５１２ｃにおいて、開口部５１２ｃ１の周辺部分が他の部分に対して灯具前方側に変位した円筒状の段上がり部５１２ｇとして形成されている。

　段上がり部５１２ｇは、光源ユニット２０の外周形状よりもひと回り大きい内周面形状を有している。段上がり部５１２ｇの前方変位量は光源ユニット２０の発光素子２２の発光面が灯具前後方向に関して回動軸線Ａｘ１と同じ位置になるように設定されている。

　本実施形態においても、ハウジング５１２の後壁部５１２ｃの後面には、開口部５１２ｃ１を囲むようにして灯具後方へ向けて延びるリブ５１２ｃ３が形成されている。リブ５１２ｃ３は後壁部５１２ｃの他の部分においてその内周面が段上がり部５１２ｇの内周面と面一で延びるように形成されている。

　リブ５１２ｃ３は、後壁部５１２ｃの他の部分からの後方突出量が第一実施形態のリブ１２ｃ３と同じ値に設定されている。したがって、リブ５１２ｃ３の後端面の位置は、弾性シール部材２８とヒートシンク２６Ｂの前端部２６Ｂ１との当接位置からかなり灯具後方側に変位している。

　本実施形態においても、投影レンズ５３２よりも灯具後方側には、灯具前方側から透光カバー５１４および投影レンズ５３２を透してハウジング５１２の内部空間に入射する外部光を反射させるための反射部材５３６が配置されている。

　反射部材５３６は、不透明の樹脂製部材であって、レンズホルダ５３４とは別体で構成されており、ハウジング５１２に支持されている。

　反射部材５３６は、光源ユニット２０を囲むようにして平板状に形成されている。反射部材５３６の前面にはアルミ蒸着等の反射面処理が施されるとともに複数の反射素子５３６ｓが形成されている。各反射素子５３６ｓは、三角錐状の凹部として形成されており、該反射素子５３６ｓに到達した光を再帰反射させるようになっている。

　反射部材５３６は、その後面から灯具後方へ向けて延びる円筒部５３６ａにおいて段上がり部５１２ｇの外周面に嵌め込まれている。反射部材５３６は、複数の反射素子５３６ｓが光源ユニット２０における発光素子２２の発光面よりも灯具後方側に位置するように構成されている。これにより発光素子２２からの出射光を各反射素子５３６ｓに入射させてしまわないようになっている。

　図１３は、光源ユニット２０が装着されたハウジング５１２を示す正面図である。

　図１３にも示すように、本実施形態においても、ハウジング５１２の右側壁部５１２ａの内側面には、支点係合凹部５１２ａ１から灯具前方へ向けて延びる溝部５１２ａ２が形成されている。また、ハウジング５１２の左側壁部５１２ｂの内側面には、支点係合孔５１２ｂ１から灯具前方へ向けて延びる溝部５１２ｂ２が形成されている。

　各溝部５１２ａ２、５１２ｂ２は、灯具前方へ向けてその上下幅およびその深さが徐々に大きくなるように形成されている。

　また、ハウジング５１２の後壁部５１２ｃには、該後壁部５１２ｃを貫通する通気孔５１２ｈが形成されている。

　通気孔５１２ｈは、車幅方向に関して段上がり部５１２ｇと光軸調整ネジ４０が配置された張出し部５１２ｄとの中間に位置する。また、通気孔５１２ｈは、上下方向に関して回動軸線Ａｘ１よりも上方側に位置するようにして形成されている。

　通気孔５１２ｈは、図１２に示すように、後壁部５１２ｃから灯具後方へ向けて突出するボス部５１２ｉに形成されている。

　通気孔５１２ｈは、貫通部と、深穴部と切欠き部とで構成されている。貫通部は、ボス部５１２ｉの上半部に形成されて灯具前後方向に延びている。深穴部は、ボス部５１２ｉの下半部において灯具後方側に開口している。切欠き部は、ボス部５１２ｉの下端部において深穴部の一部を切り欠くようにして形成されている。

　ボス部５１２ｉの後端面には、ボス部５１２ｉの外径よりもやや小さい外径で短い円柱状に形成されたフィルタ５５２が装着されている。

　フィルタ５５２は、樹脂製のキャップ５５４の内部空間に嵌め込まれるようにして収容されている。キャップ５５４がボス部５１２ｉの後端部に装着されることによってボス部５１２ｉの後端面に当接するようになっている。そして、フィルタ５５２によって通気孔５１２ｈはその通気経路の途中が塞がれるようになっている。

　フィルタ５５２は、通気性を備えたスポンジ状のフィルタとして構成されている。すなわち、フィルタ５５２は、複数の孔（例えば直径０．３～２．５ｍｍ程度の孔）が立体網目状に形成された多孔質フィルタとして構成されている。

　フィルタ５５２と図１１に示すフィルタ５０（ハウジング５１２の左側壁部５１２ｂに装着されたフィルタ）とを比較すると、防水性および湿気拡散性に関してはフィルタ５０の方がフィルタ５５２よりも優れている。また通気性に関してはフィルタ５５２の方がフィルタ５０よりも優れている。

　図１４は、本実施形態の配光制御ユニット５３０において、投影レンズ５３２がレンズホルダ５３４に組み付けられる際の様子を示す背面図である。また、図１５は、この組付けの様子を斜め下後方から見て示す斜視図である。

　これらの図に示すように、レンズホルダ５３４には、その本体部分５３４Ａの後面の上下２箇所にレンズ締結部５３４Ａｂ、５３４Ａｃが形成されている。また、その右側の脚部５３４Ｒの内側面に位置決めリブ５３４Ｒｃが形成されている。その突起片５３４Ｂの内側面に位置決めリブ５３４Ｂｃが形成されている。

　下側に位置するレンズ締結部５３４Ａｃは、図１１にも示すように、レンズホルダ５３４の本体部分５３４Ａの後面から灯具後方へ向けて延びるＨ型の突起部として形成されている。すなわち、レンズ締結部５３４Ａｃの前端部には、横長矩形状のレンズ係止孔５３４Ａｃ１が形成される。また、レンズ締結部５３４Ａｃの後端部には、横長矩形状のガイド用凹部５３４Ａｃ２が形成されている。

　上側に位置するレンズ締結部５３４Ａｂも、レンズ締結部５３４Ａｃと同様の構成を有している。レンズ締結部５３４Ａｂには、レンズ係止孔５３４Ａｂ１およびガイド用凹部５３４Ａｂ２が形成されている。ただし、レンズ締結部５３４Ａｂは、その左右幅がレンズ締結部５３４Ａｃよりも大きい値に設定されている。

　右側の脚部５３４Ｒの位置決めリブ５３４Ｒｃおよび突起片５３４Ｂの位置決めリブ５３４Ｂｃは、本体部分５３４Ａの後面から灯具後方へ向けて延びるように形成されている。図１１にも示すように、位置決めリブ５３４Ｂｃは位置決めリブ５３４Ｒｃよりも長く延びるように形成されている。

　なお、位置決めリブ５３４Ｒｃを位置決めリブ５３４Ｂｃと同程度まで長くすると、配光制御ユニット５３０をハウジング５１２に組み付ける際に脚部５３４Ｌが弾性変形するのを阻害してしまう。このため、位置決めリブ５３４Ｒｃは短めに形成されている。

　図１４および１５に示すように、投影レンズ５３２の外周フランジ部５３２Ｂの外周面の上下２箇所には、締結用係合部５３２Ｂａ、５３２Ｂｂが形成されている。また、外周フランジ部５３２Ｂの外周面の左右２箇所には、リブ係合部５３２Ｂｃ、５３２Ｂｄが形成されている。

　各締結用係合部５３２Ｂａ、５３２Ｂｂは、切欠き部５３２Ｂａ１、５３２Ｂｂ１の中央部に係合用突起部５３２Ｂａ２、５３２Ｂｂ２が形成された構成となっている。

　各締結用係合部５３２Ｂａ、５３２Ｂｂの係合用突起部５３２Ｂａ２、５３２Ｂｂ２は、レンズホルダ５３４の各レンズ締結部５３４Ａｂ、５３４Ａｃのレンズ係止孔５３４Ａｂ１、５３４Ａｃ１よりも僅かに狭い左右幅で形成されている。また、係合用突起部５３２Ｂａ２、５３２Ｂｂ２は、図１１にも示すように、その灯具前方寄りに位置する部分の外面が斜面状に形成されている。

　また、各締結用係合部５３２Ｂａ、５３２Ｂｂの切欠き部５３２Ｂａ１、５３２Ｂｂ１は、レンズホルダ５３４の各レンズ締結部５３４Ａｂ、５３４Ａｃよりもやや広幅で形成されている。

　右側に位置するリブ係合部５３２Ｂｃは、レンズホルダ５３４の脚部５３４Ｒの内側面と近接するように形成された凸部５３２Ｂｃ１の中央部に、脚部５３４Ｒの位置決めリブ５３４Ｒｃと同一形状を有する凹部５３２Ｂｃ２が形成された構成となっている。

　左側に位置するリブ係合部５３２Ｂｄは、レンズホルダ５３４の脚部５３４Ｌおよび突起片５３４Ｂの内側面と近接するように形成された凸部５３２Ｂｄ１の下部に、突起片５３４Ｂの位置決めリブ５３４Ｂｃと同一形状を有する凹部５３２Ｂｄ２が形成された構成となっている。

　さらに、投影レンズ５３２の外周フランジ部５３２Ｂには、その前面の３箇所にＬ字配置で半球面状の位置決め用突起部５３２Ｂｅが形成されている。

　配光制御ユニット５３０の組付けは、レンズホルダ５３４に対して投影レンズ５３２を灯具後方側から嵌め込むことによって行われる。レンズホルダ５３４を下向きに配置した状態で投影レンズ５３２を上方側から嵌め込むようにすると組付けを容易に行うことが可能である。

　具体的には、投影レンズ５３２の上下１対の係合用突起部５３２Ｂａ２、５３２Ｂｂ２をレンズホルダ５３４の上下１対のガイド用凹部５３４Ａｂ２、５３４Ａｃ２に沿わせて置くと、投影レンズ５３２の左側の凹部５３２Ｂｄ２が自然にレンズホルダ５３４の位置決めリブ５３４Ｂｃと係合する。このとき、投影レンズ５３２の右側の凹部５３２Ｂｃ２はまだレンズホルダ５３４の位置決めリブ５３４Ｒｃと係合していないが、この状態で投影レンズ５３２をさらに下方へ押し込むと、右側の凹部５３２Ｂｃ２が位置決めリブ５３４Ｒｃと係合して、上下方向および左右方向の位置決めがなされる。また、投影レンズ５３２の外周フランジ部５３２Ｂの前面の３箇所に形成された位置決め用突起部５３２Ｂｅがレンズホルダ５３４の本体部分５３４Ａの後面に当接することにより奥行方向（すなわち灯具前後方向）の位置決めがなされる。

　次に本実施形態の作用効果について説明する。

　本実施形態に係る車両用灯具５１０は、投影レンズ５３２を支持するレンズホルダ５３４がハウジング５１２に対して上下方向に回動可能に支持されている。これにより、ハウジング５１２に発光素子２２が固定されたままの状態で上下方向の光軸調整を行うことができる。したがって車両用灯具５１０をコンパクトな構成とすることができ、フォグランプ等に特に適した車両用灯具５１０を提供することができる。

　本実施形態に係る車両用灯具５１０も回転装着式の光源ユニット２０を備えている。ハウジング５１２の後壁部５１２ｃには、光源ユニット２０を装着するための開口部５１２ｃ１の少なくとも上半部を囲むようにして灯具後方へ向けて延びるリブ５１２ｃ３が形成されている。これにより、光源ユニット２０のハウジング５１２への装着部分から雨水や洗車時の高圧洗浄水等が灯室内に侵入してしまうのを抑制することができる。

　ハウジング５１２の後壁部５１２ｃは、開口部５１２ｃ１の周辺部分が他の部分に対して灯具前方側に変位した段上がり部５１２ｇとして形成されている。これによりリブ５１２ｃ３の内周側に位置する領域は外周側に位置する領域に対して灯具前方側に変位している。後壁部５１２ｃの他の部分からのリブ５１２ｃ３の後方突出量は第一実施形態のリブ１２ｃ３の場合と同じ値に設定されている。これにより、リブ５１２ｃ３の後端面を弾性シール部材２８とヒートシンク２６Ｂの前端部２６Ｂ１との当接位置から第一実施形態の場合よりもさらに灯具後方側に変位させることができる。したがって、光源ユニット２０のハウジング５１２への装着部分から雨水や洗車時の高圧洗浄水等が灯室内に侵入してしまうのを効果的に抑制することができる。

　また、本実施形態の構成を採用することにより、リブ５１２ｃ３の後方突出量を第一実施形態のリブ１２ｃ３の場合よりも小さくしても、第一実施形態の場合と同程度以上の水侵入抑制効果を得ることが可能である。

　また、投影レンズ５３２よりも灯具後方側には、該投影レンズ５３２を透してハウジング５１２の内部空間に入射した外部光を反射させるための反射部材５３６が配置されている。反射部材５３６は、灯具正面視において投影レンズ５３２のレンズ本体部５３２Ａの周縁部と重複する部分に、外部光を投影レンズ５３２へ向けて反射させる複数の反射素子５３６ｓが形成された構成となっている。したがって、次のような作用効果を得ることができる。

　すなわち、非点灯状態にある車両用灯具５１０を灯具前方側から観察したとき、投影レンズ５３２を透してハウジング５１２の内部空間が見える。このとき反射部材５３６は外部光によって複数箇所において光って見える。したがって、灯具非点灯時においてもハウジング５１２の内部空間が暗く見えてしまうのを未然に防止することができる。これにより車両用灯具５１０としての見映え向上を図ることができる。

　複数の反射素子５３６ｓは、灯具正面視において投影レンズ５３２のレンズ本体部５３２Ａの周縁部と重複する部分に形成されている。これにより、反射部材５３６が配置されたことによって発光素子２２から投影レンズ５３２へ向かう光が遮光されてしまうのを防止することができる。

　このように本実施形態によれば、発光素子２２からの光を投影レンズ５３２によって配光制御するように構成されたレンズ可動式の車両用灯具５１０において、灯具非点灯時の見映えを向上させることができる。

　また、本実施形態においては、レンズホルダ５３４による投影レンズ５３２の支持が、投影レンズ５３２をレンズホルダ５３４に嵌め込むことによって行われる。これにより、配光制御ユニット５３０の組付工程を簡素化することができる。

　さらに本実施形態においては、発光素子２２の発光面が灯具前後方向に関して回動軸線Ａｘ１と同じ位置に配置されている。これにより、配光制御ユニット５３０が回動軸線Ａｘ１回りに回動しても発光素子２２の発光面と投影レンズ５３２との位置関係はほとんど変化しない。したがって上下方向の光軸調整が行われてもフォグランプ用配光パターンを略一定形状に維持することができる。

　また、ハウジング５１２の左側壁部５１２ｂ（周壁部）には、灯室内の圧力変動を吸収するための通気孔（図示せず）が形成されている。通気孔はフィルタ５０で塞がれているので、第一実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。

　また本実施形態においては、ハウジング５１２の後壁部５１２ｃにも通気孔５１２ｈが形成されているので、灯室内の圧力変動吸収効果を高めることができる。しかも、通気孔５１２ｈはフィルタ５５２で塞がれているので、防水性を確保し、且つ湿気拡散性を確保することができる。

　フィルタ５５２はフィルタ５０よりも通気性に優れており、一方、フィルタ５０はフィルタ５５２よりも防水性および湿気拡散性に優れている。したがって、次のような作用効果を得ることができる。

　すなわち、灯室内に発生した水分を対流作用によって通気孔５１２ｈおよびフィルタ５５２を介して効率良く排出することができる。また、灯室内に残留する水分を拡散作用によって左側壁部５１２ｂの通気孔およびフィルタ５０を介して効率良く排出することができる。

　本実施形態に係る車両用灯具５１０においても、光源ユニット２０がハウジング５１２の後壁部５１２ｃに装着されている。この装着のための開口部５１２ｃ１は後壁部５１２ｃの中心位置から右側（すなわち車幅方向内側）に変位した位置に形成されている。光軸調整ネジ４０が配置された張出し部５１２ｄは後壁部５１２ｃの左端部（すなわち車幅方向外側端部）に形成されている。これにより、ハウジング５１２の後壁部５１２ｃにおいても、その段上がり部５１２ｇと張出し部５１２ｄとの中間位置に、通気孔５１２ｈを形成するためのスペースを確保することが可能である。

　通気孔５１２ｈは、ハウジング５１２の後壁部５１２ｃにおいて回動軸線Ａｘ１よりも上方側の位置に形成されている。これにより、灯室内に発生した水分を対流作用によって効率良く排出することができる。

　本実施形態においても、光源としての発光素子２２が光源ユニット２０の一部として構成されているので、灯具構成の簡素化を図ることができる。

　光源ユニット２０は、ハウジング５１２の後壁部５１２ｃに形成された開口部５１２ｃ１にソケット２６を挿入して回転させることによりハウジング５１２に装着される。これにより、発光素子２２を灯具前後方向に関して精度良く位置決めすることができる。

　レンズホルダ５３４における車幅方向の両端部には灯具後方へ向けて延びる脚部５３４Ｒ、５３４Ｌがそれぞれ形成されている。各脚部５３４Ｒ、５３４Ｌの後端部の外側面には支点突起部５３４Ｒａ、５３４Ｌａが形成されている。ハウジング５１２の右側壁部５１２ａおよび左側壁部５１２ｂにおける回動軸線Ａｘ１上の位置には各脚部５３４Ｒ、５３４Ｌの支点突起部５３４Ｒａ、５３４Ｌａと係合する支点係合部として支点係合凹部５１２ａ１および支点係合孔５１２ｂ１がそれぞれ形成されている。これにより、回動軸線Ａｘ１と投影レンズ５３２との位置関係の自由度を高めることができる。

　本実施形態においては、左右１対の脚部５３４Ｒ、５３４Ｌの長さが同じである。突起片５３４Ｂ側に位置する脚部５３４Ｌは第一実施形態の脚部３４Ｌよりも短尺であり、他方の脚部５３４Ｒは第一実施形態の脚部３４Ｒよりも長尺である。したがって、各脚部５３４Ｒ、５３４Ｌの支点係合凹部５１２ａ１あるいは支点係合孔５１２ｂ１との係合状態からの離脱のしやすさは、第一実施形態の脚部３４Ｒよりは小さいが第一実施形態の脚部３４Ｌよりは大きいものとなっている。

　この点に関し、本実施形態においては、左右１対の脚部５３４Ｒ、５３４Ｌの外側面に離脱防止用突起部５３４Ｒｂ、５３４Ｌｂがそれぞれ形成されている。したがって、車両振動等によってレンズホルダ５３４が車幅方向に相対変位しても、左右１対の離脱防止用突起部５３４Ｒｂ、５３４Ｌｂのいずれかがハウジング５１２の右側壁部５１２ａあるいは左側壁部５１２ｂに当接する。これにより、各脚部５３４Ｒ、５３４Ｌが支点係合凹部５１２ａ１あるいは支点係合孔５１２ｂ１との係合状態から離脱してしまうのを抑制することができる。したがって、レンズホルダ５３４がハウジング５１２から離脱してしまうのを抑制することができる。

　本実施形態においても、各離脱防止用突起部５３４Ｒｂ、５３４Ｌｂの先端面と右側壁部５１２ａおよび左側壁部５１２ｂの各々の内側面との間の隙間は、各支点突起部５３４Ｒａ、５３４Ｌａが支点係合凹部５１２ａ１および支点係合孔５１２ｂ１の各々と係合している状態でのその挿入深さよりも小さい値に設定されている。これにより、各支点突起部５３４Ｒａ、５３４Ｌａが支点係合凹部５１２ａ１および支点係合孔５１２ｂ１の各々との係合状態から離脱してしまうのを未然に防止することができる。

　また、ハウジング５１２の右側壁部５１２ａの内側面には、支点係合凹部５１２ａ１から灯具前方へ向けて延びる溝部５１２ａ２が形成されている。これにより、右側の脚部５３４Ｒをハウジング５１２の内部に挿入する際、その支点突起部５３４Ｒａを溝部５１２ａ２に係合させることにより上下方向に関してガイドされた状態で灯具後方側へ移動させて支点係合凹部５１２ａ１に挿入することができる。したがって、支点突起部５３４Ｒａと支点係合凹部５１２ａ１との係合を容易に行うことができる。

　また、ハウジング５１２の左側壁部５１２ｂの内側面には、支点係合孔５１２ｂ１から灯具前方へ向けて延びる溝部５１２ｂ２が形成されている。これにより、左側の脚部５３４Ｌをハウジング５１２の内部に挿入する際、その支点突起部５３４Ｌａを溝部５１２ｂ２に係合させることにより上下方向に関してガイドされた状態で灯具後方側へ移動させて支点係合孔５１２ｂ１に挿入することができる。したがって、支点突起部５３４Ｌａと支点係合孔５１２ｂ１との係合を容易に行うことができる。

　このように本実施形態に係る車両用灯具５１０においても、灯具組付性の向上を図ることができる。

　各溝部５１２ａ２、５１２ｂ２は、その前部領域の上下幅がその後部領域の上下幅よりも大きい値に設定されている。これにより、上下幅が大きい前部領域において各支点突起部５３４Ｒａ、５３４Ｌａの係合を容易に行うことができる。また、上下幅の狭い後部領域へ向けて各支点突起部５３４Ｒａ、５３４Ｌａを移動させることができる。これにより支点係合凹部５１２ａ１および支点係合孔５１２ｂ１の各々への誘導を容易に行うことができる。したがって灯具組付性をより一層向上させることができる。

　各溝部５１２ａ２、５１２ｂ２は、灯具前方へ向けて上下幅が徐々に大きくなるように形成されている。このため、各溝部５１２ａ２、５１２ｂ２と係合した支点突起部５３４Ｒａ、５３４Ｌａを灯具後方へ向けて円滑に移動させることができる。これにより灯具組付性をより一層向上させることができる。

　また、各溝部５１２ａ２、５１２ｂ２は、その前部領域の深さがその後部領域の深さよりも大きい値に設定されている。これにより、相対的に深い前部領域において各支点突起部５３４Ｒａ、５３４Ｌａの係合を容易に行うことができる。また、相対的に浅い後部領域へ向けて各支点突起部５３４Ｒａ、５３４Ｌａを移動させることができる。これにより支点係合凹部５１２ａ１および支点係合孔５１２ｂ１の各々への誘導を容易に行うことができる。したがって灯具組付性をさらに向上させることができる。

　各溝部５１２ａ２、５１２ｂ２は、灯具前方へ向けて徐々に深くなるように形成されている。このため、各溝部５１２ａ２、５１２ｂ２と係合した支点突起部５３４Ｒａ、５３４Ｌａを各溝部５１２ａ２、５１２ｂ２に沿って灯具後方へ向けて円滑に移動させることができる。これにより灯具組付性をより一層向上させることができる。

　また本実施形態においては、レンズホルダ５３４による投影レンズ５３２の支持が、投影レンズ５３２をレンズホルダ５３４に嵌め込むことによって行われる。これにより、配光制御ユニット５３０の組付工程を簡素化することができる。

　なお、上記第二実施形態においては、各反射素子５３６ｓが三角錐状の凹部として形成されているものとして説明したが、これに限られない。各反射素子５３６ｓは、これ以外の形状の凹部（たとえば円錐状の凹部や溝状の凹部等）として形成されてもよい。また、各反射素子５３６ｓは必ずしも規則的な形状で形成されていなくてもよい。

　上記第二実施形態においては、反射部材５３６が不透明部材で構成されているものとして説明したが、これに限られない。反射部材５３６を透明部材で構成し、複数の反射素子による外部光の反射が全反射によって行われる構成とすることも可能である。

　上記第二実施形態においては、配光制御ユニット５３０として、投影レンズ５３２がレンズホルダ５３４に支持された構成となっているものとして説明したが、これに限られない。投影レンズ５３２およびレンズホルダ５３４を２色成形によって一体的に形成することも可能であり、また、レンズホルダ５３４を透明部材にして投影レンズ５３２と一体成形された構成とすることも可能である。

　なお、上記各実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。

　また、本開示は、上記各実施形態およびその変形例に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。

　本出願は、２０１８年６月１日出願の日本特許出願２０１８－１０５８１０号、２０１８年６月１日出願の日本特許出願２０１８－１０５８１１号、２０１８年６月１日出願の日本特許出願２０１８－１０５８１２号、２０１８年６月１日出願の日本特許出願２０１８－１０５８１３号、２０１８年６月１日出願の日本特許出願２０１８－１０５８１４号、および２０１８年６月１日出願の日本特許出願２０１８－１０５８１５号に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims

　発光素子と、前記発光素子が搭載された基板と、前記基板を支持するソケットと、前記ソケットの前端部に装着された弾性シール部材とを備えた光源ユニットと、
　前記発光素子からの光を配光制御するように構成された投影レンズと、
　前記投影レンズを支持するレンズホルダと、
　前記レンズホルダを車幅方向に延びる回動軸線回りに回動可能に支持するハウジングと、を備えており、
　前記光源ユニットは、前記ハウジングの後壁部に形成された開口部に前記ソケットが挿入されるとともに前記後壁部に前記弾性シール部材が押し当てられた状態で前記ハウジングに装着されており、
　前記ハウジングの後壁部に、前記開口部の少なくとも上半部を囲むようにして灯具後方へ向けて延びるリブが形成されている、車両用灯具。
　前記リブは、前記開口部を全周にわたって囲むように形成されており、当該リブの下端部には切欠き部が形成されている、請求項１記載の車両用灯具。
　前記リブは、前記弾性シール部材が前記ハウジングの後壁部に押し当てられている位置よりも灯具後方側まで延びるように形成されている、請求項１または２記載の車両用灯具。
　前記光源ユニットは、前記開口部に挿入された前記ソケットを回転させることにより前記ハウジングに装着されるように構成されており、
　前記リブの外周面に、前記光源ユニットの所定の装着位置を示すマークが形成されている、請求項１～３いずれか一項に記載の車両用灯具。
　前記ハウジングの後壁部は、前記リブの内周側に位置する領域が外周側に位置する領域に対して灯具前方側に変位している、請求項１～４いずれか一項に記載の車両用灯具。
　光源からの光を配光制御するように構成された投影レンズと、
　前記投影レンズを支持するレンズホルダと、
　前記レンズホルダを車幅方向に延びる回動軸線回りに回動可能に支持するハウジングと、
　前記投影レンズよりも灯具後方側に配置された反射部材と、を備えており、
　前記反射部材は、前記投影レンズを透して前記ハウジングの内部空間に入射した外部光を前記投影レンズへ向けて反射させる複数の反射素子を有し、
　前記複数の反射素子は、灯具正面視において前記投影レンズの周縁部と重複する部分に形成されている、車両用灯具。
　前記反射部材は、前記レンズホルダに支持されている、請求項６記載の車両用灯具。
　前記反射部材は、透明部材で構成されている、請求項６または７記載の車両用灯具。
　前記レンズホルダは、透明部材で構成されている、請求項６～８いずれか一項に記載の車両用灯具。
　前記反射部材は、前記レンズホルダと一体成形されている、請求項７～９いずれか一項に記載の車両用灯具。
　前記投影レンズは、前記レンズホルダに対して熱カシメによって固定されている、請求項７～９いずれか一項に記載の車両用灯具。
　光源からの光を配光制御するように構成された投影レンズと、
　前記投影レンズを支持するレンズホルダと、
　前記レンズホルダを車幅方向に延びる回動軸線回りに回動可能に支持するハウジングと、
　前記ハウジングに支持された透光カバーと、を備えており、
　前記ハウジングの周壁部に、該ハウジングと前記透光カバーとで形成される灯室内の圧力変動を吸収するための通気孔が形成されている、車両用灯具。
　前記光源としての発光素子と、前記発光素子が搭載された基板と、前記基板を支持するソケットとを備えた光源ユニットをさらに備え、
　前記光源ユニットは、前記ハウジングの後壁部に装着されている、請求項１２記載の車両用灯具。
　前記通気孔は、前記ハウジングにおける車幅方向内側の側壁部に形成されている、請求項１２または１３記載の車両用灯具。
　前記レンズホルダは、前記回動軸線上の位置に形成された左右１対の支点突起部を有し、
　前記ハウジングは、左右側壁部における前記回動軸線上の位置に形成され、前記左右１対の支点突起部と係合する左右１対の支点係合部を有し、
　前記左右側壁部のうち前記車幅方向内側の側壁部に形成された支点係合部は、前記側壁部を車幅方向に貫通する支点係合孔として構成されている、請求項１４記載の車両用灯具。
　前記ハウジングにおける前記車幅方向内側の側壁部に、前記通気孔および前記支点係合孔を塞ぐようにして装着されているフィルタをさらに備え、
　前記フィルタは、防水性および湿気拡散性を有する、請求項１５記載の車両用灯具。
　前記ハウジングにおける前記車幅方向内側の側壁部には環状ビード部が形成されており、該側壁部における前記環状ビード部の内周側に位置する領域が平面部として形成されており、
　前記平面部には前記通気孔および前記支点係合孔が形成されるとともに前記フィルタが装着されている、請求項１６記載の車両用灯具。
　前記フィルタはシート状に形成されており、
　前記環状ビード部の高さは、前記フィルタの厚さよりも大きい値に設定されている、請求項１７記載の車両用灯具。
　前記フィルタは延伸ポリテトラフルオロエチレンで構成されている、請求項１６～１８いずれか一項に記載の車両用灯具。
　前記環状ビード部は円環状に延びるように形成されており、
　前記フィルタは円形の外形形状を有している、請求項１７～１９いずれか一項に記載の車両用灯具。
　前記通気孔は、前記支点係合孔よりも大きい開口形状を有している、
請求項１５～２０いずれか一項に記載の車両用灯具。
　発光素子と、前記発光素子が搭載された基板と、前記基板を支持するソケットと、前記ソケットの前端部に装着された弾性シール部材とを備えた光源ユニットと、
　前記発光素子からの光を配光制御するように構成された投影レンズと、
　前記投影レンズを支持するレンズホルダと、
　前記レンズホルダを車幅方向に延びる回動軸線回りに回動可能に支持するハウジングと、を備えており、
　前記光源ユニットは、前記ハウジングの後壁部に形成された開口部に前記ソケットを挿入して回転させることにより、前記ハウジングに装着されており、
　前記ハウジングには、前記光源ユニットが所定の装着位置から緩む方向へ回転するのを前記ソケットとの当接によって防止する逆回転防止構造が設けられている、車両用灯具。
　前記発光素子は、複数の白色発光ダイオードが互いに隣接して配置された構成となっており、
　前記発光素子は、前記光源ユニットが前記所定の装着位置まで回転したとき該発光素子の発光面が横長に延びるように構成されている、請求項２２記載の車両用灯具。
　前記逆回転防止構造は、前記ソケットに当接するための当接部材と、前記当接部材を前記ハウジングの後壁部に締結するための締結部材とを備えている、請求項２２または２３記載の車両用灯具。
　前記ソケットは、ソケット本体と前記ソケット本体に固定されたヒートシンクとを備えており、
　前記当接部材による前記ソケットへの当接が前記ヒートシンクに対して行われている、
請求項２４記載の車両用灯具。
　前記締結部材がネジで構成されている、請求項２４または２５記載の車両用灯具。
　前記ネジは、該ネジを締め付ける方向への回転力のみを伝達可能とするネジ穴形状を有している、請求項２６記載の車両用灯具。
　前記当接部材は、前記ハウジングの後壁部に固定される締結部と、前記締結部から延びる１対のアーム部とを備えており、
　前記当接部材は、前記締結部が前記ハウジングの後壁部に締結された状態において、前記１対のアーム部の先端面が前記ヒートシンクに当接または近接するように構成されている、請求項２５～２７いずれか記載の車両用灯具。
　前記ヒートシンクは、円板状に形成された前端部と、前記前端部の外周面において灯具後方側へ向けて帯状に延びる複数の放熱フィンとを備え、前記ヒートシンクは、前記前端部において前記ソケット本体に固定されており、
　前記１対のアーム部の先端面の前記ヒートシンクに対する当接または近接が、前記複数の放熱フィンのうち周方向の端部に位置する１対の放熱フィンに対して行われている、請求項２８記載の車両用灯具。
　前記当接部材は、前記締結部が前記ハウジングの後壁部に締結された状態において、前記１対のアーム部が前記ヒートシンクの前端部の外周面に沿って延びるように構成されている、請求項２９記載の車両用灯具。
　前記当接部材は、樹脂製の板状部材で構成されている、請求項２４～３０いずれか記載の車両用灯具。
　光源からの光を配光制御するように構成された投影レンズと、
　前記投影レンズを支持するレンズホルダと、
　前記レンズホルダを車幅方向に延びる回動軸線回りに回動可能に支持するハウジングと、
　前記ハウジングに対して前記レンズホルダを前記回動軸線回りに回動させるための光軸調整ネジと、を備えており、
　前記レンズホルダは、前記車幅方向の一端部に灯具後方へ向けて延びる突起片を有し、前記突起片の前記回動軸線よりも灯具後方側に位置する後部領域の内側面には、前記光軸調整ネジと螺合する溝部が形成されており、
　前記レンズホルダは、前記車幅方向の一端部に前記灯具後方へ向けて延びる第一脚部と前記車幅方向の他端部に前記灯具後方へ向けて延びる第二脚部とを有し、前記第一脚部および前記第二脚部はそれぞれ後端部の外側面に形成された支点突起部を有し、
　前記ハウジングは、両側壁部における前記回動軸線上の位置に前記第一脚部および前記第二脚部の支点突起部とそれぞれ係合する支点係合部を有し、
　前記突起片の前記回動軸線よりも灯具前方側に位置する前部領域の外側面および前記第一脚部の外側面の少なくとも一方に、離脱防止用突起部が形成されている、車両用灯具。
　前記第一脚部は、前記第二脚部よりも灯具前後方向の長さが大きい値に設定されている、請求項３２記載の車両用灯具。
　前記第一脚部は、前記灯具後方へ向けて舌片状に形成されており、
　前記突起片は、前記車幅方向に関して前記第一脚部と重複する位置において前記第一脚部を囲むように形成されている、請求項３２または３３記載の車両用灯具。
　前記離脱防止用突起部は、前記突起片における前記第一脚部の上下両側に位置する２箇所に形成されている、請求項３４記載の車両用灯具。
　前記突起片における前記前部領域の内側面および前記第一脚部の内側面の少なくとも一方に、補強リブが形成されている、請求項３２～３５いずれか一項に記載の車両用灯具。
　前記離脱防止用突起部と前記ハウジングの前記両側壁部のうち突起片に近い側壁部との間の隙間が、前記第二脚部の支点突起部が前記ハウジングの対応する支点係合部と係合している状態での該支点係合部への挿入深さよりも小さい値に設定されている、請求項３２～２６いずれか一項に記載の車両用灯具。
　光源からの光を配光制御するように構成された投影レンズと、
　前記投影レンズを支持するレンズホルダと、
　前記レンズホルダを車幅方向に延びる回動軸線回りに回動可能に支持するハウジングと、を備えており、
　前記レンズホルダは、車幅方向の両端部にそれぞれ灯具後方へ向けて延びる脚部を有し、前記各脚部は後端部の外側面に支点突起部を有し、
　前記ハウジングは、両側壁部における前記回動軸線上の位置に前記各脚部の支点突起部と係合する支点係合部を有し、
　前記ハウジングの両側壁部のうち少なくとも一方の内側面に、前記支点係合部から灯具前方へ向けて延びる溝部が形成されている、車両用灯具。
　前記溝部は、該溝部の前部領域の上下幅が該溝部の後部領域の上下幅よりも大きい値に設定されている、請求項３８記載の車両用灯具。
　前記溝部は、灯具前方へ向けて上下幅が徐々に大きくなるように形成されている、請求項３９記載の車両用灯具。
　前記溝部は、該溝部の前部領域の深さが該溝部の後部領域の深さよりも大きい値に設定されている、請求項３８～４０いずれか一項に記載の車両用灯具。
　前記溝部は、灯具前方へ向けて徐々に深くなるように形成されている、請求項４１記載の車両用灯具。