WO2019171661A1

WO2019171661A1 - エアゾール型毛髪化粧料

Info

Publication number: WO2019171661A1
Application number: PCT/JP2018/042242
Authority: WO
Inventors: 孝太鴛渕; 江原　雅宜
Original assignee: 株式会社資生堂
Priority date: 2018-03-09
Filing date: 2018-11-15
Publication date: 2019-09-12
Also published as: JP2019156740A; TW201938131A

Abstract

【課題】エアゾールでありながら粉末を安定して噴射することができ、自然な仕上がりで、毛髪の見た目や感触を手軽に改善することができる毛髪化粧料を提供する。　【解決手段】（Ａ）平均粒径が１～２０μｍである球状粉末と、（Ｂ）粘土鉱物と、（Ｃ）液状油分と、（Ｄ）エタノールと、（Ｅ）噴射剤と、を含有し、成分（Ａ）と成分（Ｂ）の質量比（Ａ）／（Ｂ）が１～２０であり、成分（Ａ）と成分（Ｃ）の質量比（Ａ）／（Ｃ）が０．１～１０であることを特徴とするエアゾール型毛髪化粧料。　

Description

エアゾール型毛髪化粧料

　本発明は、毛髪の見た目や感触を手軽に改善するためのエアゾール型の毛髪化粧料に関する。

　一般的に消費者は、毛髪の見た目や感触を長時間保持し、美しく整えられた毛髪をなるべくサラサラとした状態のままで一日を快適に過ごしたいと望むものである。

　しかしながら、頭皮から分泌される皮脂や汗により、毛髪はしだいに油っぽい感触となり、時間の経過にともないハリ、コシを失い、しだいにボリューム感を損なう傾向にある。このような現象は、皮脂等が分泌されやすい暑い季節や運動した後に顕著となり、美しい毛髪を維持することは困難となるが、消費者は、このような毛髪の見た目や感触の変化を手軽に改善するための手段を求めている。

　毛髪にサラサラとした感触を付与するためには、粉末を配合した毛髪化粧料を塗布することが効果的ではあるが、適量の毛髪化粧料を毛髪全体に均一に塗布することは難しく、期待通りの効果を得ることは困難である。また、液中に分散しても、粉末によっては沈降し凝集し易く、容器を振って再分散したとしても、エアゾールで噴射する際にはノズルが目詰まりを起こす危険性がある。また毛髪に塗布した後、粉末が白く粉浮きしてしまい自然な仕上がりとはならない場合もある。

　このため、エアゾールでありながら粉末を安定して噴射することができ、自然な仕上がりで、毛髪の見た目や感触を手軽に改善することができる毛髪化粧料の開発が重要となる。

特開２０１７－１３２７２３号公報

　本発明は前記背景技術に鑑みなされたものであり、その目的は、エアゾールでありながら粉末を安定して噴射することができ、自然な仕上がりで、毛髪の見た目や感触を手軽に改善することができる毛髪化粧料を提供することにある。

　前記目的を達成するために本発明者らが鋭意検討を行った結果、所定の粒径を有する球状粉末を用いることとし、かかる球状粉末と、粘土鉱物と、液状油分と、を所定の配合比率でエタノール、充填剤とともにエアゾール容器に充填して得た毛髪化粧料においては、球状粉末を安定して噴射することができ、しかも毛髪に塗布した球状粉末は目立つことなく、自然な仕上がりで、毛髪にサラサラとした感触を手軽に付与することができることを見出し、本発明を完成するに至った。

　すなわち本発明は、（Ａ）平均粒径が１～２０μｍである球状粉末と、（Ｂ）粘土鉱物と、（Ｃ）液状油分と、（Ｄ）エタノールと、（Ｅ）噴射剤と、を含有し、成分（Ａ）と成分（Ｂ）の質量比（Ａ）／（Ｂ）が１～２０であり、成分（Ａ）と成分（Ｃ）の質量比（Ａ）／（Ｃ）が０．１～１０であることを特徴とするエアゾール型毛髪化粧料である。

　本発明によれば、エアゾールでありながら球状粉末を安定して噴射することができ、しかも毛髪に塗布した後に球状粉末が目立つことなく、自然な仕上がりで、毛髪にサラサラとした感触を効果的に付与することが可能となる。

　本発明のエアゾール型毛髪化粧料は、（Ａ）平均粒径が１～２０μｍである球状粉末と、（Ｂ）粘土鉱物と、（Ｃ）液状油分と、（Ｄ）エタノールと、（Ｅ）噴射剤と、を含有し、成分（Ａ）と成分（Ｂ）の質量比（Ａ）／（Ｂ）が１～２０であり、成分（Ａ）と成分（Ｃ）の質量比（Ａ）／（Ｃ）が０．１～１０であることを特徴とする。

　成分（Ａ）の球状粉末は、一般に化粧料に用いられるものであれば特に限定されるものでないが、例えば、オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉末またはこれを母粉末とする複合球状粉末、球状ポリウレタン粉末またはこれを母粉末とする複合球状粉末等が挙げられる。これらのうち、球状シリコーン粉末を好適に用いることができる。市販の球状シリコーン粉末としては、例えば、トレフィルＥ－５０５Ｃ、トレフィルＥ－５０６Ｃ、トレフィルＥ－５０６Ｓ、トレフィルＨＰ４０Ｔ（以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社）、トスパール１４５Ａ、トスパール２０００Ｂ（モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製）、シリコーンパウダーＫＭＰ－５９０、ＫＭＰ－５９１、ＫＳＰ－１００、ＫＳＰ－３００（信越化学工業株式会社）等が挙げられる。また、シリコーン粉末以外ではメタクリル酸メチルポリマー粉末、ポリエチレン粉末、アジピン酸／ネオペンチルグリコールクロスポリマー粉末、ナイロン粉末、炭酸カルシウム粉末、シリカ粉末、セルロース粉末等があり、これらの市販品として、マキクロスフェアーＭ－３３０(松本油脂製薬社製)、フロービーズ(住友精化社製)、ＰｅｎｓｔｉａＰｏｗｄｅｒＴＭ(Ｃｅｎｔｅｒ　Ｃｈｅｍ社製)、ナイロンＳＰ－５００(東レ社製)、からまるＳＣＳ－Ｍ５(堺化学工業社製)、球状シリカＰ－１５００(触媒化成工業社製)、セルロースビーズＤ－１０(大東化成工業社製)等が挙げられる。

　成分（Ａ）の球状粉末は、平均粒径を１～２０μｍとする。１μｍよりも小さいと添加による効果が得られない場合があり、２０μｍよりも大きいと、塗布後の毛髪の感触にざらつきが生じるとともに、エアゾールのノズルに目詰まりが生じる危険性がある。

　（Ｂ）粘土鉱物は、例えば、モンモリロナイト，ベントナイト，サポナイトおよびヘクトライト等の天然または合成のラポナイトおよびスメクタイト等が挙げられ、市販品としては、ビ―ガム(Vanderbilt Minerals社製)、ベンゲル(豊順洋行社製)、クニピア(クニミネ工業社製)、ラポナイト(日本シリカ工業社製)、スメクトン(クニミネ工業社製)等がある。

　成分（Ａ）と成分（Ｂ）の質量比（Ａ）／（Ｂ）は、１～２０とする。１よりも小さいと塗布後のサラサラとした感触が損なわれ、２０よりも大きいと液中で球状粉末を再分散することが困難となり、エアゾールの目詰まりに繋がる危険性がある。また、塗布後は粉っぽい仕上がりとなる。

　（Ｃ）液状油分は、２５℃で液状を呈する油分であり、一般に毛髪化粧料に用いられるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、重質イソパラフィン（＝水添ポリイソブテン）、スクワラン、流動パラフィン等の炭化水素油；セチル－２－エチルヘキサノエート、２－エチルヘキシルパルミテート、２－オクチルドデシルミリステート、ネオペンチルグリコール－２－エチルヘキサノエート、イソプロピルミリステート、ミリスチルミリステート、テトラ２－エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル等のエステル類；オリーブ油、アボカド油、ホホバ油、ヒマワリ油、サフラワー油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、液状ラノリン、酢酸ラノリン、ヒマシ油等の油脂；ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーン系油分；フッ素変性ジメチルポリシロキサン、フッ素変性メチルフェニルポリシロキサン、パーフロロポリエーテル、パーフロロカーボン等のフッ素系油分等が挙げられる。これらは単独あるいは混合して用いることができる。

　成分（Ａ）と成分（Ｃ）の質量比（Ａ）／（Ｃ）は、０．１～１０とする。０．１よりも小さいと塗布後に残存する液状油分の量が多く、油っぽい見た目となったり、サラサラとした感触を十分に得ることが困難となる。一方、１０よりも大きいと、粉末によるきしみ感が生じたり、塗布後に球状粉末が白く粉浮きし、自然な仕上がりを得ることができない。

　本発明のエアゾール型毛髪化粧料は、（Ａ）平均粒径が１～２０μｍである球状粉末、（Ｂ）粘土鉱物、及び（Ｃ）液状油分を（Ｄ）エタノールに配合して化粧料の原液とし、これを（Ｅ）噴射剤とともにエアゾール容器に充填することで、すべての成分をノズルより噴射することが可能となる。

　本発明のエアゾール型毛髪化粧料の原液には、上記成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、通常毛髪化粧料に配合されるその他の成分を混合し常法により製造することが出来る。例えば、水、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、樹脂、粉体等を配合することができる。

　（Ｅ）噴射剤は、エアゾールタイプの化粧料に用いられ得るものであれば特に限定されるものでなく、例えば、プロパン、ブタンおよびイソブタンを主成分とする液化石油ガス（ＬＰＧ）、ジメチルエーテル（ＤＭＥ）および炭酸ガス、窒素ガス等の圧縮ガス等を単独あるいは混合して使用することができる。中でも液化石油ガス（ＬＰＧ）、ジメチルエーテル（ＤＭＥ）等が好ましく用いられる。また、毛髪化粧料の原液と噴射剤との配合比(成分(Ａ)～(Ｄ))：成分(Ｅ)は、安定した噴射圧を維持するために、１：１～１：１０とすることが好ましい。

　以下、実施例に沿って本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。また表中の配合量を示す数値は、化粧料全量中の質量％を示している。

　評価は、機能評価として「再分散性」、外観評価として「粉浮き・粉落ち」と「見た目のサラサラ感」、官能評価として「感触によるサラサラ感」について行った。

　「再分散性」は、容器にすべての成分を充填し、静置後２４時間経過したところで、容器をゆっくり180℃回転させ元に戻す操作を行い、沈降した粉末が再度均一に分散するまでに繰り返し行った操作の回数から下記の基準にしたがい評価した。

　＜再分散性の評価基準＞
◎：1～5回（合格）
○：5～10回（合格）
△：10～20回（不合格）
×：21回以上（不合格）

　「粉浮き・粉落ち」、「見た目のサラサラ感」及び「感触によるサラサラ感」の評価は、ヘアスタイリング製品の評価に従事する十分に訓練されたパネラー５名（男性２名、女性３名）により行った。毛髪ストランドに各サンプルを1.0ｇ噴霧し、十分乾燥後、粉末が白く粉浮きしないこと(あるいは粉末が毛髪から脱落しないこと)や毛髪の状態(見た目のサラサラ感)を肉眼で観察するとともに、指で触れたときの感触(感触によるサラサラ感)を、それぞれ以下の評価点および評価基準に基づいて判定した。

＋３点：非常に良い。
＋２点：良い。
＋１点：やや良い。
　０点：普通。
－１点：やや悪い。
－２点：悪い。
－３点：非常に悪い。

　上記評価点の平均点に基づいて、以下の評価基準に従って判定した。
◎：パネラー５名の評価点の平均が＋１点以上（合格）
○：パネラー５名の評価点の平均が０点超かつ＋１点未満（合格）
△：パネラー５名の評価点の平均が－１点超かつ０点未満（不合格）
×：パネラー５名の評価点の平均が－１点以下（不合格）

　表１に示すように、実施例１～１８については、すべての評価項目について良好な結果であることが確認された。

Claims

　（Ａ）平均粒径が１～２０μｍである球状粉末と、
　（Ｂ）粘土鉱物と、
　（Ｃ）液状油分と、
　（Ｄ）エタノールと、
　（Ｅ）噴射剤と、
を含有し、成分（Ａ）と成分（Ｂ）の質量比（Ａ）／（Ｂ）が１～２０であり、成分（Ａ）と成分（Ｃ）の質量比（Ａ）／（Ｃ）が０．１～１０であることを特徴とするエアゾール型毛髪化粧料。