WO2019093022A1 - 車両用電波透過部品及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

車両用電波透過部品は、意匠面を構成する表層部と、前記表層部の裏側に設けられると共に、車体に対する取付部を有する裏層部と、前記表層部と前記裏層部との間に密着して設けられ、前記表層部及び前記裏層部より薄く、前記表層部と同材質のシート材により形成される中層部と、を備えている。

Description

車両用電波透過部品及びその製造方法

　本開示は、自動車の車体に装着される車両用電波透過部品と、その製造方法に関する。

　特開２０１６－１８２８６６号公報には、車両の周囲の障害物を検知するレーダを保護するレドームとしての車両用電波透過部品が開示されている。この車両用電波透過部品は車両の表面に露出する透明部材と、透明部材の後面の一部に配置される装飾部と、透明部材の後面を覆って透明部材と装飾部を保持するベース部材と、を備えている。ここで、当該車両用電波透過部品は、装飾部の意匠性を向上させることが求められ、かつレーダの前面を覆うことから電波に対する透過性が求められている。

　ここで、特開２０１６－１８２８６６号公報の車両用電波透過部品では、電波が透過する層の厚さを薄くすれば電波が透過する際の減衰量が減少するが、一方で意匠に制約があるため薄くするには限度がある。

　本開示は、上記事実を考慮して、意匠性を確保しつつ、電波が透過する際の減衰量を低減できる車両用電波透過部品を得ることを目的とする。

　本開示の第１の態様の車両用電波透過部品は、意匠面を構成する表層部と、前記表層部の裏側に設けられると共に、車体に対する取付部を有する裏層部と、前記表層部と前記裏層部との間に密着して設けられ、前記表層部及び前記裏層部より薄く、前記表層部と同材質のシート材により形成される中層部と、を備えている。

　第１の態様は、表層部と中層部と裏層部の三層から構成される車両用電波透過部品である。この車両用電波透過部品では、中層部が表層部と同材質のシート材により形成され、かつ表層部及び裏層部よりも薄く形成されている。ここで、取付部を有する裏層部では、耐衝撃性等を得るために電波透過性の低い樹脂の使用が想定されるが、第１の態様によれば、車両用電波透過部品の厚さを確保しつつ、電波透過性の低い樹脂の割合を減らすことができる。すなわち、車両用電波透過部品の厚さが確保されることで意匠性の低下を抑制することができ、電波透過性の低い樹脂の割合を減らすことで、電波が透過する際の減衰量を低減させることができる。また、第１の態様によれば、一体化した中層部と裏層部とにより車両用電波透過部品の強度を確保することができる。

　本開示の第２の態様の車両用電波透過部品は、意匠面を構成する表層部と、前記表層部の裏側に設けられると共に、車体に対する取付部と前記取付部に接続される枠状の固定部とを有する裏層部と、前記表層部と前記固定部との間に密着して設けられ、前記表層部と同材質の中層部と、を備えている。

　第２の態様は、表層部と中層部と裏層部の三層から構成される車両用電波透過部品である。この車両用電波透過部品は、中層部が表層部と同材質により形成され、裏層部において中層部と密着する部分は枠状の固定部として形成されている。ここで、取付部を有する裏層部では、耐衝撃性等を得るために電波透過性の低い樹脂の使用が想定されるが、電波の経路上に材質及び誘電率の異なる樹脂が重畳していると両者の境界において電波の反射や屈折が生じ、電波が透過する際の減衰量が増加する。これに対して、第２の態様によれば、中層部を表層部と同じ材質で形成した上で、車両用電波透過部品の厚さを確保することで、意匠性の低下を抑制することができる。また、第２の態様では固定部を枠状とすることで、電波の経路上に材質及び誘電率の異なる樹脂が重畳して存在しないようにした。これにより、電波の経路上における反射や屈折を抑制して電波に対する透過性を高めることができ、電波が透過する際の減衰量を低減させることができる。

　本開示の第３の態様の車両用電波透過部品では、前記表層部は前記裏層部よりも電波透過性の高い樹脂により形成され、前記裏層部は前記表層部よりも耐衝撃性の高い樹脂により形成されている。

　第３の態様によれば、車体への取付部においては耐衝撃性を確保すると共に、意匠を構成する部分において電波透過性を高くすることで、電波が透過する際の減衰量を低減させることができる。

　本開示の第４の態様の車両用電波透過部品では、前記表層部は光を透過する樹脂により形成されると共に、裏側の面に加飾が施されている。

　第４の態様の車両用電波透過部品は、意匠面が透明な樹脂とされている。第４の態様によれば、光沢の意匠面を有するエンブレムを提供することができる。

　本開示の第５の態様の車両用電波透過部品は、前記意匠面には、前記表層部よりも吸水性の低い材質によるコーティングが施されている。

　第５の態様によれば、降雨等で車両用電波透過部品が吸水することによる電波透過性の悪化が抑制される。つまり、電波が透過する際の減衰量の増加を抑制することができる。

　以上、本開示の車両用電波透過部品によれば、意匠性を確保しつつ、電波が透過する際の減衰量を低減することができる。

第１の実施形態のオーナメントの正面図である。 第１の実施形態のオーナメントの側面断面図（図１のＡ－Ａ断面図）である。 第１の実施形態のオーナメントの製造工程を説明する図である。 第１の実施形態のオーナメントの製造工程を説明する図である。 第２の実施形態のオーナメントの側面断面図である。 第３の実施形態のオーナメントの側面断面図である。

　次に、図１から図５の各図に基づいて本開示の各実施形態について説明する。なお、車両用電波透過部品であるオーナメント１０は、車両に取付けられた状態における車両前方側を表側とし、車両後方側を裏側とする。また、オーナメント１０の上下方向については、車両上下方向と一致する。さらに、各図において、矢印Ｆは表側を示し、矢印Ｕは上側を示すこととする。

＜第１の実施形態＞
　図１及び図２に第１の実施形態のオーナメント１０を示す。オーナメント１０は、車両のフロントグリルにおける中央部に設けられた開口部に対して固定されている。オーナメント１０の車両後方側には、車両の周囲の障害物を検知するミリ波レーダ装置が設けられている。このミリ波レーダ装置は、車両前方に向けて電波（ミリ波）を出射し、障害物によって反射された電波を受信するものである。すなわち、オーナメント１０は電波の経路上に配置されている。

　（構成）
　図１に示されるように、本実施形態のオーナメント１０は正面視において横長楕円形状である。このオーナメント１０は、意匠面２０を有する表層部１２が光の透過性を有しており、中心部には製造元や車種等のエンブレム（図１では、丸枠内に「Ｒ」の文字）が表示されている。

　図２は、オーナメント１０の側面断面図である。図２に示されるように、オーナメント１０は、側面視において上下中央が表側に突出する円弧状であって、表側から表層部１２、中層部１４、及び裏層部１６の順に配置されている。

　表層部１２は電波透過性が高く、かつ透明な樹脂から形成されており、その厚さは約３ｍｍ～４ｍｍである。また、表層部１２は表側の面が意匠面２０を構成している。この意匠面２０は、円滑な面であって光沢を有している。ここで、本実施形態の表層部１２を構成する樹脂は、ポリカーボネート（ＰＣ）樹脂である。なお、表層部１２はポリメタクリル酸メチル（ＰＭＭＡ）に代表されるアクリル樹脂で形成してもよい。表層部１２の裏側の面には表側に向けて凹む凹部２２が形成されている。この凹部２２の底部までの深さは約０．５ｍｍである。また、凹部２２の底部には着色による加飾が施された加飾層２４が形成されている。

　中層部１４は、表層部１２と後述する裏層部１６との間に密着して設けられている。この中層部１４は、表層部１２と同材質であるポリカーボネート樹脂製のシート材Ｓにより形成されている。この中層部１４を構成するシート材Ｓの厚さは約０．５ｍｍである。中層部１４は裏層部１６を成形する際に、裏側から圧力を受けることで表層部１２の裏側の面に密着する。つまり、図２に示されるように、中層部１４を構成するシート材Ｓは、凹部２２に入り込んでいる。

　裏層部１６は、中層部１４の裏側に設けられ、正面視において表層部１２と同形状の板状部４０と、板状部４０の外縁部から裏側に突出形成された複数の取付部４４とを有している。取付部４４は、板状部４０の下端側に設けられたボスである柱状部４４Ａと、板状部４０の上端側に設けられた爪部４４Ｂとを有している。これらの取付部４４は、車両のフロントグリルに対してオーナメント１０を固定する機能を有している。

　裏層部１６は、非透明であって、耐衝撃性、車体への取付けに耐得る強度、耐薬品性等を有する樹脂から形成されている。具体的に本実施形態の裏層部１６を構成する樹脂は、ＡＥＳ樹脂（アクリロニトリル・エチレン・スチレン共重合体）である。なお、裏層部１６はＡＢＳ樹脂で形成してもよい。この裏層部１６の板状部４０における厚さは約１．２ｍｍ～１．７ｍｍである。

　（製造工程）
　続いて、本実施形態のオーナメント１０の製造工程について説明する。図３Ａ及び図３Ｂに示されるように、本実施形態のオーナメント１０は、射出成形により形成される。まず、射出成形装置１００において対向する射出成形型によってポリカーボネート樹脂製の表層部１２を形成する。そして、表層部１２の裏側の面に形成された凹部２２の底部に着色が施される。

　次に、図３Ａに示されるように、射出成形装置１００において第一射出成形型１１０と、第二射出成形型１１２とを用意する。ここで、作業者は予め形成された表層部１２を第一射出成形型１１０に固定する。そして、表層部１２が固定された第一射出成形型１１０と第二射出成形型１１２の間にポリカーボネート樹脂製のシート材Ｓを挟込み、第一射出成形型１１０と第二射出成形型１１２とを組合せる。なお、このシート材Ｓは予めヒータにより加熱させると成形しやすい。そして、図３Ｂに示されるように、第一射出成形型１１０及び第二射出成形型１１２により形成された空間１２０にＡＥＳ樹脂が射出される。シート材Ｓが射出時の圧力により表層部１２と密着することで中層部１４が形成されると共に、中層部１４と一体化した（つまり密着した）裏層部１６が成形される。

　以上の工程を経て形成されたオーナメント１０は、射出成形装置１００から取出され、射出成形時に生じたバリや、中層部１４からはみ出ているシート材Ｓを切除し、さらにアニーリング（応力除去焼きなまし）が行われる。そして、オーナメント１０は完成する。

　（第１の実施形態のまとめ）
　第１の実施形態のオーナメント１０は、車両前方に設けられたミリ波レーダ装置の前面を覆うレドームとして機能している。上述のようにオーナメント１０は、電波の経路上に配置されている。そして、ミリ波レーダ装置の出力の抑制や装置の小型化の観点から、オーナメント１０は電波が透過する際の減衰量を低減させることが求められる。一方、オーナメント１０は、エンブレムを備えた装飾部材としても機能している。ここで、オーナメント１０は、全体の厚さを薄くすることで電波が透過する際の減衰量を減らすことができるが、薄くすることで立体感が失われて高級感を得ることができない。

　ここで、表層部１２は、電波が透過する際の減衰量を減らすため、かつ透明な意匠面２０を得るために樹脂の中でも電波透過性の高いポリカーボネート樹脂の使用が適している。しかし、ポリカーボネート樹脂は、ＡＥＳ樹脂やＡＢＳ樹脂と比べて耐衝撃性、強度、耐薬品性等が劣る。そのため、車体への取付部４４を有する裏層部１６においては、ＡＥＳ樹脂やＡＢＳ樹脂の使用が適している。他方、ＡＥＳ樹脂やＡＢＳ樹脂は、ポリカーボネート樹脂と比べて電波透過率が低い。

　以上、樹脂材料毎の特性を踏まえ、本実施形態のオーナメント１０では、ＡＥＳ樹脂製の裏層部１６において、電波の経路となる板状部４０の厚さを薄くすると共に、板状部４０を薄くした分、ポリカーボネート樹脂製のシート材Ｓにより中層部１４を形成した。本実施形態によれば、オーナメント１０の厚さを確保しつつ、電波透過性の低いＡＥＳ樹脂の割合を減らすことができる。すなわち、オーナメント１０の厚さが確保されることで意匠性の低下を抑制することができ、電波透過性の低いＡＥＳ樹脂の割合を減らすことで、電波が透過する際の減衰量を低減させることができる。また、本実施形態によれば、一体化した中層部１４と裏層部１６とによりオーナメント１０の強度を確保することができる。

　なお、降雨等でオーナメント１０が吸水した場合の電波の減衰量を抑えるために、本実施形態では、吸水時に電波透過性の低下が少ない材質からなるシート材Ｓを選択してもよい。

　また、本実施形態では、材質の異なる中層部１４と裏層部１６との境界部において電波の反射や屈折を避けるべく、中層部１４と裏層部１６との誘電率が近いことが望ましい。

＜第２の実施形態＞
　図４に第２の実施形態のオーナメント１０Ａを示す。以下、第１の実施形態との相違点について説明する。第１の実施形態と同じ構成には同じ符号を付している。

　本実施形態の中層部１４Ａは、表層部１２と後述する裏層部１６Ａとの間に密着して設けられている。この中層部１４Ａは、表層部１２と同材質であるポリカーボネート樹脂製である。この中層部１４は、表層部１２に対して着色等の加飾が施された後、射出成形により形成される。したがって、中層部１４Ａは表層部１２の凹部２２に入込んで密着している。この中層部１４厚さは約１．７ｍｍ～２．２ｍｍである。

　裏層部１６Ａは、中層部１４Ａの裏側に設けられ、正面視において表層部１２及び中層部１４Ａの外縁部を囲む枠状の固定部４２と、固定部４２の外縁部から裏側に突出形成された複数の取付部４４とを有している。固定部４２は、リング状の環状部４２Ａと、環状部４２Ａの外周部から表側に延びる管状の管部４２Ｂとを有している。ここで、本実施形態の固定部４２は電波の経路外に形成されている。すなわち、枠状の固定部４２は、その枠内を電波が通過するように形成されている。また、取付部４４は、固定部４２の下端側に設けられたボスである柱状部４４Ａと、固定部４２の上端側に設けられた爪部４４Ｂとを有している。

　裏層部１６Ａは、非透明であって、耐衝撃性、車体への取付けに耐得る強度、耐薬品性等を有する樹脂から形成されている。具体的には第１の実施形態と同様にＡＥＳ樹脂から形成されている。なお、固定部４２は、電波の経路外に形成されるため強度を確保できる厚さで形成することができる。

　以上のように構成される本実施形態のオーナメント１０Ａは、表層部１２と中層部１４Ａとが射出成形装置により形成される。裏層部１６Ａは、予め表層部１２及び中層部１４Ａとは別に成形した上で、後から中層部１４Ａの裏側に固定してもよい。固定方法としては、両面テープにより固定部４２の環状部４２Ａを中層部１４Ａに貼付けてもよいし、固定部４２において管部４２Ｂの内周面に爪を設け、これを中層部１４Ａの外周面に係止させてもよい。また、裏層部１６Ａは、一体化された表層部１２及び中層部１４Ａを射出成形装置にインサートした上で射出成形してもよい。

　（第２の実施形態のまとめ）
　上述のように、樹脂材料毎の特性を踏まえると、意匠面２０を有する表層部１２は、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂を使用することが望ましく、車体への取付部４４を有する裏層部１６Ａは、ＡＥＳ樹脂やＡＢＳ樹脂を使用することが望ましい。他方、電波の経路上に材質及び誘電率の異なる樹脂が重畳していると両者の境界において電波の反射や屈折が生じ、電波が透過する際の減衰量が増加する。また、材質の異なる樹脂が重畳する場合、吸水による誘電率の変化度合いも異なるため、降雨時等において電波透過性がさらに低下するおそれがある。

　以上の問題点を踏まえ、本実施形態のオーナメント１０Ａでは、中層部１４Ａを表層部１２と同じポリカーボネート樹脂で形成した上で、オーナメント１０Ａの厚さを確保することで、意匠性の低下を抑制することができる。また、取付部４４を有する裏層部１６ＡをＡＥＳ樹脂により形成すると共に、表層部１２及び中層部１４Ａとは別体に形成することで耐衝撃性、強度、耐薬品性を確保した。そして、本実施形態では、裏層部１６Ａにおいて枠状の固定部４２を設けることで、電波の経路上に材質及び誘電率の異なる樹脂が重畳して存在しないようにした。これにより、電波の経路上における反射や屈折を抑制して電波に対する透過性を高めることができ、電波が透過する際の減衰量を低減させることができる。さらに、材質の異なる樹脂が重畳する場合と比べて、降雨時等における電波透過性の悪化を抑制することができる。

＜第３の実施形態＞
　図５に第３の実施形態のオーナメント１０Ｂを示す。以下、第１の実施形態との相違点について説明する。第１の実施形態と同じ構成には同じ符号を付している。

　第３の実施形態のオーナメント１０Ｂは、第１の実施形態と異なり、シート材Ｓからなる中層部は設けられておらず、表層部１２の裏側に隣接して取付部４４を有する裏層部１６Ｂが形成されている。この裏層部１６Ｂは、ポリカーボネートとＡＥＳとの混合樹脂からなる。この裏層部１６Ｂは、表層部１２に対して着色等の加飾が施された後、射出成形により形成される。したがって、裏層部１６Ｂは、表層部１２の凹部２２に入り込んで密着している。

　本実施形態では、裏層部１６ＢをポリカーボネートとＡＥＳとの混合樹脂とすることで次の効果を得ることができる。すなわち、ポリカーボネート製の表層部１２に対して誘電率を近づけることができる。また、取付部４４において、耐衝撃性、強度、耐薬品性を確保することができる。さらに、吸水時における電波透過性の悪化を抑制することができる。以上のことから、本実施形態のオーナメント１０Ｂによれば、表層部１２及び裏層部１６Ｂの境界部における電波の反射や屈折を抑制することができる。また、材質の異なる樹脂が重畳する場合と比べて、降雨時等における電波透過性の悪化を抑制することができる。

　また、図５に示されるように、第３の実施形態においては、意匠面２０に対して、表層部１２よりも吸水性の低い材質によるコーティング（ハードコート）層２０Ａが設けられている。ここで、コーティング層２０Ａは、シリコン系やフッ素系の材料が好適である。表層部１２をポリカーボネート樹脂で形成する場合、傷の防止や紫外線による変質を抑制すべく、コーティングを施す必要があるが、アクリル系のコーティングを施した場合、吸水しやすく、また一度吸水すると乾燥するまでに時間を要するため、電波透過性能が悪化するおそれがある。

　これに対して、本実施形態のようにアクリル系よりも吸水性の低いシリコン系やフッ素系の材料からなるコーティング層２０Ａを設けることにより、表層部１２の吸水を抑制することができる。また、長期間の浸水により表層部１２が吸水しても、乾燥状態に置けば短期間で水分を抜くことができる。以上のことから、本実施形態のコーティング層２０Ａによれば、降雨時等における電波透過性能の悪化を抑制することができる。

　なお、第１及び第２の実施形態においても、シリコン系やフッ素系の材料からなるコーティング層を設けてもよい。

　各実施形態のオーナメント１０、１０Ａ、１０Ｂは、車両前方のフロントグリルに装着するものであるが、これに限らず、車両後方のトランクやバックドアに備えられたミリ波レーダ装置の前方（車両後方）側に装着してもよい。
　２０１７年１１月１０日に出願された日本国特許出願２０１７－２１７３７７号の開示は、その全体が参照により本明細書に取込まれる。

　１０　　オーナメント（車両用電波透過部品）
　１０Ａ　オーナメント（車両用電波透過部品）
　１０Ｂ　オーナメント（車両用電波透過部品）
　１２　　表層部
　１４　　中層部
　１４Ａ　中層部
　１６　　裏層部
　１６Ａ　裏層部
　１６Ｂ　裏層部
　２０　　意匠面
　４４　　取付部
　４２　　固定部

Claims (6)

1. 　意匠面を構成する表層部と、
   　前記表層部の裏側に設けられると共に、車体に対する取付部を有する裏層部と、
   　前記表層部と前記裏層部との間に密着して設けられ、前記表層部及び前記裏層部より薄く、前記表層部と同材質のシート材により形成される中層部と、
   　を備えた車両用電波透過部品。
2. 　意匠面を構成する表層部と、
   　前記表層部の裏側に設けられると共に、車体に対する取付部と前記取付部に接続される枠状の固定部とを有する裏層部と、
   　前記表層部と前記固定部との間に密着して設けられ、前記表層部と同材質の中層部と、
   　を備えた車両用電波透過部品。
3. 　前記表層部は前記裏層部よりも電波透過性の高い樹脂により形成され、前記裏層部は前記表層部よりも耐衝撃性の高い樹脂により形成されている請求項１又は２に記載の車両用電波透過部品。
4. 　前記表層部は光を透過する樹脂により形成されると共に、裏側の面に加飾が施されている請求項１～３の何れか１項に記載の車両用電波透過部品。
5. 　前記意匠面には、前記表層部よりも吸水性の低い材質によるコーティングが施されている請求項１～４の何れか１項に記載の車両用電波透過部品。
6. 　意匠面を有する表層部を第一射出成形型に固定する工程と、
   　前記表層部が固定された前記第一射出成形型と、前記第一射出成形型に対向する第二射出成形型との間に前記表層部と同材質のシート材を挟込んだ状態で、前記第一射出成形型と前記第二射出成形型とを組合せる工程と、
   　前記第一射出成形型及び前記第二射出成形型により形成された空間に樹脂を射出し、前記表層部との間で前記シート材が密着するように裏層部を形成する工程と、
   　を備える車両用電波透過部品の製造方法。

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