WO2016136664A1

WO2016136664A1 - タッチセンサ付き液晶表示装置

Info

Publication number: WO2016136664A1
Application number: PCT/JP2016/055047
Authority: WO
Inventors: 伸一宮崎; 野間　幹弘; 正裕奥野; 昌史真弓
Original assignee: シャープ株式会社
Priority date: 2015-02-24
Filing date: 2016-02-22
Publication date: 2016-09-01
Also published as: US20180017821A1

Abstract

　帯電体が近づいても、液晶層の液晶分子に異常配向が生じにくいタッチセンサ付き液晶表示装置を提供する。タッチセンサ付き液晶表示装置は、ＣＦ基板１１（第１基板）とアレイ基板１２（第２基板）との間に介在する液晶層１３を有し、ＣＦ基板１１の表側の面に、タッチ駆動電極１４及びタッチ検出電極１５のうちの少なくとも一方が配置されており、さらにその上に偏光板１７が配置されている。ＣＦ基板１１の表側の面において、タッチ駆動電極１４及びタッチ検出電極１５が配置されていない領域には、ダミー電極１６が配置されている。偏光板１７は、面抵抗が１０⁹（Ω／□）以上、かつ１０¹⁰（Ω／□）以下の導電層を含む。

Description

タッチセンサ付き液晶表示装置

　本発明は、タッチセンサ付き液晶表示装置に関する。

　特許文献１には、対向するＴＦＴ基板及びガラス基板の間に液晶層を有し、ガラス基板の表側の面にタッチ検出電極を、ガラス基板とＴＦＴ基板との間にタッチ駆動電極を備えたタッチセンサ付き液晶表示装置が開示されている。このタッチセンサ付き液晶表示装置では、液晶層及びＴＦＴ基板の間に、画像表示を制御するための画素電極と共通電極が設けられている。

特開２０１４－２１９９８６号公報

　ここで、電気を帯びた帯電体がタッチセンサ付き液晶表示装置の表面に近づくと、帯電体と共通電極との間に垂直電界が生じて、液晶層の液晶分子が異常配向し、画像が正常に表示されなくなる可能性がある。

　本発明は、帯電体が近づいた場合でも、液晶層の液晶分子の異常配向を抑制することができるタッチセンサ付き液晶表示装置を提供することを目的とする。

　本発明の一実施形態におけるタッチセンサ付き液晶表示装置は、第１基板と、前記第１基板と対向する第２基板と、前記第１基板及び前記第２基板の間に介在する液晶層と、タッチ駆動電極及びタッチ検出電極をそれぞれ複数有し、前記タッチ駆動電極及び前記タッチ検出電極のうちの少なくとも一方の電極が前記第１基板の両面のうち、前記液晶層とは反対側の第１の面に配置されているタッチセンサと、前記第１基板の前記第１の面において、前記タッチ駆動電極及び前記タッチ検出電極が配置されていない領域に配置されているダミー電極と、前記タッチ駆動電極及び前記タッチ検出電極のうち、前記第１基板の前記第１の面に配置されている電極の上に配置され、面抵抗が１０⁹（Ω／□：オームパースクエア）以上、かつ１０¹⁰（Ω／□）以下の導電層を含む偏光板と、を備える。

　本発明によれば、偏光板に含まれる導電層の面抵抗を１０⁹（Ω／□）以上、かつ１０¹⁰（Ω／□）以下としている。これにより、帯電体がタッチセンサ付き液晶表示装置の表面に近づいた場合でも、偏光板を介してダミー電極から電荷が移動するので垂直電界が生じにくくなり、液晶層の液晶分子の異常配向を抑制することができる。

図１は、第１の実施形態におけるタッチセンサ付き液晶表示装置の平面図である。図２は、図１の点線で囲まれた部分を拡大した図である。図３は、図２のＩＩ－ＩＩ線の断面図である。図４は、偏光板の構造を示す断面図である。図５は、偏光板の別の構造を示す断面図である。図６は、第２の実施形態におけるタッチセンサ付き液晶表示装置の平面図である。図７は、図６の点線で囲まれた部分を拡大した図である。図８は、図７のＶＩＩＩ－ＶＩＩＩ線の断面図である。図９は、導電層の面抵抗を測定する方法を示す模式図である。

　本発明の一実施形態におけるタッチセンサ付き液晶表示装置は、第１基板と、前記第１基板と対向する第２基板と、前記第１基板及び前記第２基板の間に介在する液晶層と、タッチ駆動電極及びタッチ検出電極をそれぞれ複数有し、前記タッチ駆動電極及び前記タッチ検出電極のうちの少なくとも一方の電極が前記第１基板の両面のうち、前記液晶層とは反対側の第１の面に配置されているタッチセンサと、前記第１基板の前記第１の面において、前記タッチ駆動電極及び前記タッチ検出電極が配置されていない領域に配置されているダミー電極と、前記タッチ駆動電極及び前記タッチ検出電極のうち、前記第１基板の前記第１の面に配置されている電極の上に配置され、面抵抗が１０⁹（Ω／□）以上、かつ１０¹⁰（Ω／□）以下の導電層を含む偏光板と、を備える（第１の構成）。

　第１の構成によれば、帯電体がタッチセンサ付き液晶表示装置の表面に近づいた場合でも、偏光板を介してダミー電極から電荷が移動するので垂直電界が生じにくくなり、液晶層の液晶分子の異常配向を抑制することができる。

　第１の構成において、前記偏光板は、偏光子と、面抵抗が１０⁹（Ω／□）以上、かつ１０¹⁰（Ω／□）以下の前記導電層と、前記タッチ駆動電極及び前記タッチ検出電極のうち前記第１基板の前記第１の面に配置されている電極と前記偏光板との間を接着するための接着層と、を有するようにしてもよい（第２の構成）。

　第２の構成によれば、偏光板に面抵抗が１０⁹（Ω／□）以上、かつ１０¹⁰（Ω／□）以下の導電層を設けることによって、帯電体がタッチセンサ付き液晶表示装置の表面に近づいた場合の液晶層の液晶分子の異常配向を抑制することができる。

　第１の構成において、前記偏光板は、偏光子と、面抵抗が１０⁹（Ω／□）以上、かつ１０¹⁰（Ω／□）以下の前記導電層とを有し、前記導電層は、前記タッチ駆動電極及び前記タッチ検出電極のうち前記第１基板の前記第１の面に配置されている電極と前記偏光板との間を接着するための接着材を含むようにしてもよい（第３の構成）。

　第３の構成によれば、接着層としても機能する導電層の面抵抗を１０⁹（Ω／□）以上、かつ１０¹⁰（Ω／□）以下とすることによって、帯電体がタッチセンサ付き液晶表示装置の表面に近づいた場合の液晶層の液晶分子の異常配向を抑制することができる。

　第１から第３のいずれかの構成において、前記タッチ駆動電極及び前記タッチ検出電極は、前記第１基板の前記第１の面に配置される構成とすることができる（第４の構成）。

　第４の構成によれば、いわゆるオンセル構造のタッチセンサ付き液晶表示装置に帯電体が近づいた場合の液晶層の液晶分子の異常配向を抑制することができる。

　第１から第３のいずれかの構成において、前記タッチ検出電極は、前記第１基板の前記第１の面に配置されており、前記タッチ駆動電極は、前記第１基板及び前記第２基板の間に配置される構成とすることもできる（第５の構成）。

　第５の構成によれば、いわゆるセミインセル構造のタッチセンサ付き液晶表示装置に帯電体が近づいた場合の液晶層の液晶分子の異常配向を抑制することができる。

　［実施の形態］
　以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。

　［第１の実施形態］
　図１は、第１の実施形態におけるタッチセンサ付き液晶表示装置の平面図である。図２は、図１の点線で囲まれた部分を拡大した図である。図３は、図２のＩＩ－ＩＩ線の断面図である。

　第１の実施形態におけるタッチセンサ付き液晶表示装置は、一対の透明な（透光性に優れた）基板１１、１２と、両基板１１、１２間に介在する液晶層１３と、タッチ駆動電極１４と、タッチ検出電極１５と、ダミー電極１６と、偏光板１７とを備える。

　対向する両基板１１、１２は、それぞれほぼ透明なガラス基板を備えており、それぞれのガラス基板上に既知のフォトリソグラフィ法などによって複数の膜が積層された構成となっている。両基板１１、１２のうち表側（液晶表示装置の正面側）がＣＦ基板（第１基板）１１であり、裏側（液晶表示装置の背面側）がアレイ基板（第２基板）１２である。

　液晶層１３は、電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶分子を含む。液晶分子は、例えばポジ型であり、ＩＰＳ方式等の横電界駆動方式により駆動される。なお、両基板１１、１２の内面側には、液晶層１３に含まれる液晶分子を配向させるための配向膜（不図示）がそれぞれ形成されている。図示は省略するが、アレイ基板１２の内面側（液晶層１３側）には、スイッチング素子であるＴＦＴ（Thin Film Transistor）及び画素電極が複数、マトリクス状に設けられている。また、画素電極と液晶層１３との間には、絶縁膜を介して共通電極が設けられている。

　一方、ＣＦ基板１１には、Ｒ（赤）、Ｇ（緑）、Ｂ（青）等の各着色部がアレイ基板１２側の各画素電極と平面視で重畳するように、マトリクス状に配置されたカラーフィルタ（不図示）が設けられている。カラーフィルタをなす各着色部間には、混色を防ぐための略格子状の遮光層（ブラックマトリクス）が形成されている。

　当該タッチセンサ付き液晶表示装置では、Ｒ（赤）、Ｇ（緑）、Ｂ（青）の３色の着色部及びそれらと対向する３つの画素電極の組によって表示単位である１つの表示画素が構成されている。表示画素は、Ｒの着色部を有する赤色サブ画素と、Ｇの着色部を有する緑色サブ画素と、Ｂの着色部を有する青色サブ画素とからなる。これら各色のサブ画素は、行方向（Ｘ軸方向）に沿って繰り返し並べて配されることで、画素群を構成しており、この画素群が列方向（Ｙ軸方向）に沿って多数並んで配されている。すなわち、複数の表示画素がマトリクス上に配置されている。本実施形態では、サブ画素がいわゆるストライプ配列となっている。

　タッチ駆動電極１４、タッチ検出電極１５、及びダミー電極１６は、ＣＦ基板１１の表側の面（第１の面）に設けられている。すなわち、本実施形態におけるタッチセンサ付き液晶表示装置は、タッチ駆動電極１４及びタッチ検出電極１５がＣＦ基板１１の外側（表側）の面に設けられている、いわゆるオンセル構造である。

　タッチ駆動電極１４及びタッチ検出電極１５によって、タッチ位置を検出するタッチセンサが構成されている。このタッチセンサは、いわゆる投影型静電容量方式であり、その検出方式は相互容量方式である。タッチ駆動電極１４及びタッチ検出電極１５は、ＩＴＯ（Indium Tin Oxide）やＺｎＯ（Zinc Oxide）などの透光性及び導電性に優れた材料からなる導電膜により構成されている。

　図１に示すように、タッチ駆動電極１４は、１つの列において、Ｙ軸方向に複数配置されており、Ｙ軸方向に複数配置されたタッチ駆動電極１４の列が所定の間隔でＸ軸方向に複数設けられている。

　タッチ検出電極１５は、図１に示すように、Ｙ軸方向に伸びており、Ｙ軸方向に伸びたタッチ検出電極１５が所定の間隔でＸ軸方向に複数設けられている。

　複数のタッチ駆動電極１４のそれぞれには、配線２０を介して、タッチ位置を検出するための信号が供給される。タッチ位置を検出する際には、複数のタッチ駆動電極１４に対して信号を順次に走査する形で入力し、タッチ検出電極１５から出力される出力信号を検出する。タッチセンサ付き液晶表示装置の表面のいずれかの領域がタッチされると、その位置におけるタッチ駆動電極１４とタッチ検出電極１５との間の静電容量が変化する。タッチ検出電極１５から出力される出力信号に基づいて、静電容量の変化した位置を検出し、検出した位置をタッチ位置として特定する。

　ＣＦ基板１１の表側の面のうち、タッチ駆動電極１４、タッチ検出電極１５、及び配線２０が設けられている領域以外の領域には、ダミー電極１６が設けられている。ダミー電極１６は、ＣＦ基板１１の表側において、タッチ駆動電極１４及びタッチ検出電極１５が設けられている位置と、設けられていない位置とで透光率等が変わってしまうのを防ぐために設けられている。従って、ダミー電極１６も、タッチ駆動電極１４及びタッチ検出電極１５と同様の材料、すなわちＩＴＯやＺｎＯなどの透光性に優れた材料からなる導電膜により構成されている。なお、ダミー電極１６は、他の配線や電極と接続されておらず、電気的に浮いた状態となっている。

　タッチ駆動電極１４、タッチ検出電極１５、及びダミー電極１６の上には、偏光板１７が設けられている。

　図４は、偏光板１７の構造を示す断面図である。偏光板１７は、保護層であるハードコート層１７１と、偏光子１７２と、導電層１７３と、接着層１７４とを備える。接着層１７４は、偏光板１７とタッチ駆動電極１４、タッチ検出電極１５、及びダミー電極１６を接着するための層である。

　導電層１７３は、例えば導電性材料を含む導電性樹脂からなる。本実施形態では、導電層１７３の面抵抗が１０⁹（Ω／□：オームパースクエア）以上、かつ１０¹⁰（Ω／□）以下である。

　上述したように、帯電体がタッチセンサ付き液晶表示装置の表面に近づくと、ダミー電極を介して帯電体と共通電極との間に垂直電界が生じて、液晶層の液晶分子が異常配向し、画像が正常に表示されなくなる可能性がある。しかしながら、発明者が偏光板に含まれる導電層の面抵抗を変えて実験を行ったところ、導電層の面抵抗を１０⁹（Ω／□）以上、かつ１０¹⁰（Ω／□）以下とすると、帯電体がタッチセンサ付き液晶表示装置の表面に近づいた場合でも、偏光板１７を介してダミー電極１６からタッチ駆動電極１４及びタッチ検出電極１５に電荷が移動することにより、垂直電界が生じにくくなり、液晶層１３の液晶分子の異常配向が抑制されることが分かった。

　一方、導電層の面抵抗を１０¹⁰（Ω／□）より大きくすると、導電性が不十分であり、帯電体が近付いたときに液晶層１３の液晶分子の異常配向が生じた。また、導電層の面抵抗を１０⁹（Ω／□）より小さくすると、偏光板１７とタッチ検出電極１５との間で容量結合が生じて、タッチセンサのタッチ検出精度が低下した。

　上述した理由により、本実施形態では、偏光板１７の導電層１７３の面抵抗を１０⁹（Ω／□）以上、かつ１０¹⁰（Ω／□）以下としている。なお、導電性材料の抵抗率がどのような値であっても、導電層１７３の膜厚を調整することにより、導電層１７３の面抵抗を１０⁹（Ω／□）以上、かつ１０¹⁰（Ω／□）以下とすることができる。

　図５は、偏光板１７の別の構造を示す断面図である。図５に示す偏光板１７は、保護層であるハードコート層１７１と、偏光子１７２と、導電層１７５とを備える。

　上述した理由から、導電層１７５の面抵抗は、１０⁹（Ω／□）以上、かつ１０¹⁰（Ω／□）以下である。この導電層１７５は、偏光板１７とタッチ駆動電極１４、タッチ検出電極１５、及びダミー電極１６を接着するための接着剤を含む接着層としても機能する。

　［第２の実施形態］
　図６は、第２の実施形態におけるタッチセンサ付き液晶表示装置の平面図である。図７は、図６の点線で囲まれた部分を拡大した図である。図８は、図７のＶＩＩＩ－ＶＩＩＩ線の断面図である。なお、図６～図８に示すタッチセンサ付き液晶表示装置の各構成要素のうち、図１～図３に示すタッチセンサ付き液晶表示装置と同じ構成要素については、同一の符号を付して詳しい説明は省略する。

　第２の実施形態におけるタッチセンサ付き液晶表示装置が第１の実施形態におけるタッチセンサ付き液晶表示装置と異なるのは、タッチ駆動電極１４、タッチ検出電極１５、及びダミー電極１６の配置位置である。

　図６に示すように、各タッチ駆動電極１４はＸ軸方向に伸びており、複数のタッチ駆動電極１４がＹ軸方向に所定の間隔で配置されている。タッチ駆動電極１４は、図８に示すように、アレイ基板１２と液晶層１４との間に配置されている。

　なお、アレイ基板１２と液晶層１４との間に配置されている共通電極を、タッチ駆動電極１４として共通で用いるようにしてもよい。

　図６に示すように、各タッチ検出電極１５はＹ軸方向に伸びており、複数のタッチ検出電極１５がＸ軸方向に所定の間隔で配置されている。タッチ検出電極１５は、図８に示すように、ＣＦ基板１１の表側に配置されている。

　すなわち、本実施形態におけるタッチセンサ付き液晶表示装置は、タッチ検出電極１５がＣＦ基板１１の外側（表側）に設けられ、タッチ駆動電極１４がＣＦ基板１１の内側（裏側）に設けられている、いわゆるセミインセル構造である。

　ダミー電極１６は、ＣＦ基板１１の表側であって、タッチ検出電極１５が設けられていない領域に設けられている。なお、１つのダミー電極１６が複数のタッチ駆動電極１４をまたぐように設けられている場合、タッチ駆動電極１４に供給される信号がダミー電極１６を介して混信する可能性があるため、複数の（少なくとも２つの）タッチ駆動電極１４にまたがらないようにダミー電極１６は分割されている。

　タッチ検出電極１５及びダミー電極１６の上には、偏光板１７が設けられている。上述した理由から、偏光板１７は、面抵抗が１０⁹（Ω／□）以上、かつ１０¹⁰（Ω／□）以下の導電層を含む。偏光板１７は、図４に示す構成であってもよいし、図５に示す構成でもよい。第２の実施形態におけるタッチセンサ付き液晶表示装置においても、帯電体が近づいた場合でも、偏光板１７を介してダミー電極１６からタッチ検出電極１５に電荷が移動することにより、垂直電界が生じにくくなり、液晶層１３の液晶分子の異常配向が抑制される。

　[変形例]
　本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、偏光板１７の構成が図４に示す構成や図５に示す構成に限定されることはなく、面抵抗が１０⁹（Ω／□）以上、かつ１０¹⁰（Ω／□）以下の導電層を含む構成であればよい。従って、図４に示す構成において、導電層１７３がハードコート層１７１の上に設けられていてもよいし、ハードコート層１７１と偏光子１７２との間に設けられていてもよい。また、図４の構成において、導電層１７３を設けずに、ハードコート層１７１や偏光子１７２に導電性材料を含ませて導電層とし、この導電層の面抵抗が１０⁹（Ω／□）以上、かつ１０¹⁰（Ω／□）以下となるようにしてもよい。また、図５の構成において、導電層１７５をただの接着層として、ハードコート層１７１や偏光子１７２に導電性材料を含ませて導電層とし、この導電層の面抵抗が１０⁹（Ω／□）以上、かつ１０¹⁰（Ω／□）以下となるようにしてもよい。

　なお、偏光板１７の導電層の面抵抗の値は、上述した第１の実施形態、第２の実施形態、および変形例のいずれの構成においても、以下のようにして求めることができる。

　図９に示すように、ガラス基板６１の表面に、所定の間隔Ｗを設けて、同じ大きさの２つのＩＴＯパターン６２ａ，６２ｂを形成する。ここでは、所定の間隔Ｗを１３μｍとした。そして、ＩＴＯパターン６２ａ，６２ｂをまたがるように、導電層を含む偏光板１７を貼り付けて、ＩＴＯパターン６２ａ，６２ｂの間の抵抗Ｒ_ab（ＭΩ）を測定する。このとき、偏光板１７は、図４に示す構成であれば接着層１７４によって、ＩＴＯパターン６２ａ，６２ｂに貼り付けられる。また、偏光板１７は、図５に示す構成であれば、接着性を有する導電層１７５によって、ＩＴＯパターン６２ａ，６２ｂに貼り付けられる。

　なお、導電層に導電性を付与するために、一般的にはイオン性の材料が用いられているので、抵抗Ｒ_abの測定値は徐々に上昇する。したがって、抵抗Ｒ_abの測定は速やかに行うことが望ましい。ここでは、測定時間を約１秒とした。

　偏光板１７の導電層の面抵抗Ｒ_sq（Ω／□）は、偏光板１７の幅をＬμｍとすると、
　　　Ｒ_sq＝Ｒ_ab×Ｌ／Ｗ
で求めることできる。

　例えば、Ｘ＝６００００μｍの偏光板１７を測定対象としたときに、Ｒ_abの測定値が２１．５ＭΩであれば、偏光板１７の導電層の面抵抗Ｒ_sq（Ω／□）は、
　　　Ｒ_sq＝２１．５×１０⁶×６００００/１３
　　　　　≒９９２３０７６９２３０．７７
　　　　　≒９．９２×１０¹⁰ [Ω/□]
となる。

　なお、偏光板１７には、導電層以外の部材（例えば第１の実施形態では、ハードコート層１７１、偏光子１７２、および接着層１７４）が含まれるが、これらの部材は導電性を持たないので、導電層の面抵抗の値に影響を及ぼさない。したがって、偏光板１７から導電層を取り出さなくても、偏光板１７全体を測定対象として、偏光板１７の導電層の面抵抗を測定することが可能である。言い換えると、本発明にかかるタッチセンサ付き液晶表示装置は、面抵抗が１０⁹（Ω／□）以上、かつ１０¹⁰（Ω／□）以下の偏光板を備えている、という表現もできる。

　液晶の駆動方式は横電界駆動方式であればよく、ＩＰＳ方式に限定されることはない。また、液晶分子はネガ型でもよい。液晶分子がポジ型の場合、垂直電界によって液晶分子が垂直に立つ方向に揺らぐが、ネガ型の場合には、液晶分子が回転するように揺らぐので、ポジ型と比べて、垂直電界が加わった場合の表示異常が小さくなる。このため、ポジ型に比べるとネガ型の方が好ましい。

　なお、本実施形態におけるタッチセンサ付き表示装置は、携帯電話（スマートフォンなどを含む）、ノートパソコン（タブレット型ノートパソコンなどを含む）、携帯型情報端末（電子ブックやＰＤＡなどを含む）、デジタルフォトフレーム、携帯型ゲーム機などの各種電子機器に用いられる。

　１１…ＣＦ基板、１２…アレイ基板、１３…液晶層、１４…タッチ駆動電極、１５…タッチ検出電極、１６…ダミー電極、１７…偏光板、１７１…ハードコート層、１７２…偏光子、１７３…導電層、１７４…接着層、１７５…導電層（接着層）

Claims

　第１基板と、
　前記第１基板と対向する第２基板と、
　前記第１基板及び前記第２基板の間に介在する液晶層と、
　タッチ駆動電極及びタッチ検出電極をそれぞれ複数有し、前記タッチ駆動電極及び前記タッチ検出電極のうちの少なくとも一方の電極が前記第１基板の両面のうち、前記液晶層とは反対側の第１の面に配置されているタッチセンサと、
　前記第１基板の前記第１の面において、前記タッチ駆動電極及び前記タッチ検出電極が配置されていない領域に配置されているダミー電極と、
　前記タッチ駆動電極及び前記タッチ検出電極のうち前記第１基板の前記第１の面に配置されている電極の上に配置され、面抵抗が１０⁹（Ω／□）以上、かつ１０¹⁰（Ω／□）以下の導電層を含む偏光板と、
を備える、タッチセンサ付き液晶表示装置。
　前記偏光板は、偏光子と、面抵抗が１０⁹（Ω／□）以上、かつ１０¹⁰（Ω／□）以下の前記導電層と、前記タッチ駆動電極及び前記タッチ検出電極のうち前記第１基板の前記第１の面に配置されている電極と前記偏光板との間を接着するための接着層と、を有する、請求項１に記載のタッチセンサ付き液晶表示装置。
　前記偏光板は、偏光子と、面抵抗が１０⁹（Ω／□）以上、かつ１０¹⁰（Ω／□）以下の前記導電層とを有し、前記導電層は、前記タッチ駆動電極及び前記タッチ検出電極のうち前記第１基板の前記第１の面に配置されている電極と前記偏光板との間を接着するための接着材を含む、請求項１に記載のタッチセンサ付き液晶表示装置。
　前記タッチ駆動電極及び前記タッチ検出電極は、前記第１基板の前記第１の面に配置されている、請求項１から請求項３のいずれか一項に記載のタッチセンサ付き液晶表示装置。
　前記タッチ検出電極は、前記第１基板の前記第１の面に配置されており、
　前記タッチ駆動電極は、前記第１基板及び前記第２基板の間に配置されている、請求項１から請求項３のいずれか一項に記載のタッチセンサ付き液晶表示装置。