WO2015182289A1

WO2015182289A1 - 包装袋

Info

Publication number: WO2015182289A1
Application number: PCT/JP2015/062009
Authority: WO
Inventors: 育子尾崎; 竹夫高城
Original assignee: 株式会社ミューパック・オザキ
Priority date: 2014-05-26
Filing date: 2015-04-20
Publication date: 2015-12-03
Also published as: US20160311580A1

Abstract

【課題】無駄な捨て材を発生させず、開封後も体裁良く使用できる包装袋を提供するために、１枚の合成樹脂製矩形状シート片１をもって構成され、シート片１が２箇所の山折線部１８，１８及び１箇所の谷折線部１９で折り曲げられて、縦断面Ｍ字状を成す第１シート層１１・第２シート層１２・第３シート層１３・第４シート層１４を順次有する折曲部１０が一端縁部１Ａに形成され、第１シート層１１と第２シート層１２を溶着すると共に第３シート層１３と第４シート層１４を溶着し、さらに、第２シート層１２と第３シート層１３の間の谷折線部１９に沿って第２シート層１２と第３シート層１３を切離可能な破断予定線部５が形成され、かつ、第２シート層１２と第３シート層１３を相互に密封可能なファスナー４が設けられ、ファスナー４より袋内方寄りに破断予定線部５が配設されている。

Description

包装袋

　本発明は、包装袋に関する。

　従来、開封後も密封して使用できるように、開口予定箇所にファスナーを設けた包装袋が提案されている（特許文献１参照）。
　特許文献１記載の包装袋は、表裏のシート片の内側にファスナーが取り付けられ、開封前は、周縁部が全周にわたって溶着されて密封されており、開封する際に、ファスナーよりも上部に形成した切り取り線に沿って周縁部の一部を切断して開口部を形成し、開封後は、ファスナーを用いて開口部を開閉できるようにしたものである。

特開２００６－２９０４２４号公報

　しかし、特許文献１記載の包装袋は、開封する際、手で周縁部の一部を裂いて切断する為、切断面が非直線状になることが多く、開封後にファスナーで密閉して使用するとしても、体裁が悪いという欠点があった。また、周縁部の切れ端が捨て材となり、無駄なゴミが発生していた。

　そこで、本発明は、無駄な捨て材を発生させず、開封後も体裁良く使用できる包装袋を提供することを目的とする。

　本発明に係る包装袋は、１枚の合成樹脂製矩形状シート片をもって構成され、上記シート片が２箇所の山折線部及び１箇所の谷折線部で折り曲げられて、縦断面Ｍ字状を成す第１シート層・第２シート層・第３シート層・第４シート層を順次有する折曲部が一端縁部に形成され、第１シート層と第２シート層を溶着すると共に第３シート層と第４シート層を溶着し、さらに、上記第２シート層と上記第３シート層の間の上記谷折線部に沿って上記第２シート層と上記第３シート層を切離可能な破断予定線部が形成され、かつ、該第２シート層と該第３シート層を相互に密封可能なファスナーが設けられ、該ファスナーより袋内方寄りに上記破断予定線部が配設されたものである。

　また、上記折曲部が一端縁部に形成された状態で、上記シート片の左右両端縁部が溶着され、かつ、他端縁部に、被包装物を入れるための開口部が形成されているものである。
　また、上記折曲部に、上記ファスナーを開閉するためのスライダーが付設されているものである。
　また、上記折曲部に、吊下用の貫通孔が設けられているものである。

　本発明の包装袋によれば、周縁部を切り取ることなく破断予定線部でシート片を破って開封でき、開封後も体裁良く使用できる。また、周縁部を切り取らずに開封できる為、捨て材を発生させることがない。折曲部で構成された一端縁部の強度が確保され、ファスナーを容易に開閉することができ、かつ、吊下ディスプレイに好適である。ファスナーが付設された構造であるにも関わらず、安価に製造できる。シート片に原反の状態で既に連続して印刷できる。

本発明の実施の一形態を示した正面図である。図１の包装袋を示す縦断面図である。開封直前の状態を示す要部断面図である。開封直後の状態を示す要部断面図である。本発明の他の実施形態を示した正面図である。図５の包装袋を示す縦断面図である。本発明の別の実施形態を示した正面図である。包装袋の製造方法を説明する斜視図であり、（Ａ）は第１次工程及び第２次工程を示す斜視図であり、（Ｂ）はチャックテープ雄部とチャックテープ雌部の拡大斜視図であり、（Ｃ）はシート材の拡大断面図である。。包装袋の製造方法を説明する第２次工程の拡大断面図である。包装袋の製造方法を説明する第３次工程の斜視図である。包装袋の製造方法の第３次工程前のシート材の状態を示す拡大断面図である。包装袋の製造方法の第３次工程後のシート材の状態を示す拡大断面図である。包装袋の製造方法を説明する第４次工程の斜視図である。包装袋の製造方法を説明する第４次工程の拡大断面図である。包装袋の製造方法の第４次工程後のシート材の状態を示す拡大断面図である。包装袋の製造方法を説明する第５次工程の斜視図である。包装袋の製造方法を説明する第５次工程の要部断面図である。包装袋の製造方法を説明する第６次工程の斜視図である。包装袋の製造方法を説明する第７次工程の斜視図である。表示部を説明する使用状態の平面図である。要部拡大断面図である。他の製造方法を示す斜視図である。他の製造方法により製造される包装袋の正面図である。別の製造方法を示す斜視図である。別の製造方法を示す斜視図である。

　以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図１と図２に示すように、本発明の包装袋は、１枚の合成樹脂製矩形状シート片１をもって構成され、シート片１が２箇所の山折線部１８，１８及び１箇所の谷折線部１９で折り曲げられて、縦断面Ｍ字状を成す第１シート層１１・第２シート層１２・第３シート層１３・第４シート層１４を順次有する折曲部１０が一端縁部１Ａに形成されている。
　折曲部１０が一端縁部１Ａに形成された状態で、シート片１の左右両端縁部１Ｂ，１Ｂが溶着され、かつ、他端縁部１Ｃに、被包装物Ｚを入れるための開口部３が形成されている。
　シート片１は、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂を使用することができる。ＰＥＴ樹脂あるいはナイロン等を用いても良い。開口部３は、被包装物Ｚを入れた後、溶着によって閉塞される。被包装物Ｚとしては、食料品や薬品、サプリメント、ペットフード、あるいは、化粧品や雑貨等の小物類が挙げられる。なお、本発明に於て、「溶着」とは、熱と押圧力を加えることにより、接着剤を用いずに、樹脂を相互に接合する加工であり、「熱圧着」あるいは「熱溶着」と言い換えることもできる。

　折曲部１０では、第１シート層１１と第２シート層１２を溶着すると共に第３シート層１３と第４シート層１４を溶着している。また、第２シート層１２と第３シート層１３の間の谷折線部１９に沿って第２シート層１２と第３シート層１３を切離可能な破断予定線部５が形成されている。
　第１シート層１１と第２シート層１２が谷折線部１９の近傍で溶着されて、左右方向に細長い帯状の溶着部１５が形成されている。また、第３シート層１３と第４シート層１４が谷折線部１９の近傍で溶着されて、左右方向に細長い帯状の溶着部１５が形成されている。
　破断予定線部５では、シート片１の厚さ寸法の１／３の深さ寸法のＶ字状溝が、谷折線部１９に沿って直線状に形成されることによって、シート片１の他の箇所よりも破れ易くなっている。なお、破断予定線部５としては、ハーフカット溝又はミシン目を形成するも好ましい。破断予定線部５は、直線状でなくて良く、波状あるいはジグザグ状であって良い。

　第２シート層１２と第３シート層１３を相互に密封可能なファスナー４が設けられ、ファスナー４より袋内方寄りに破断予定線部５が配設されている。
　ファスナー４は、凸部を有するチャックテープ雄部４Ａと、凸部が嵌合する凹部を有するチャックテープ雌部４Ｂと、から成り、チャックテープ雄部４Ａとチャックテープ雌部４Ｂが共に第２シート層１２及び第３シート層１３の山折線部１８，１８近傍の内側面に、凸部と凹部を対向させるように溶着されている。ファスナー４は、折曲部１０の外面（第１シート層１１と第４シート層１４）を外側から指で押さえ、チャックテープ雄部４Ａとチャックテープ雌部４Ｂを互いに押し付ければ、凸部と凹部を嵌合させることができ、第２シート層１２と第３シート層１３を連結して閉じるものである。逆に、第１シート層１１と第２シート層１２の山折線部１８付近、及び、第３シート層１３と第４シート層１４の山折線部１８付近を指で掴んで開くように引っ張れば、凸部と凹部の嵌合を解除して、ファスナー４を開くことができる。

　上述した本発明の包装袋の使用方法（作用）について説明する。
　図１のように、一端縁部１Ａに折曲部１０が形成され、かつ、左右両端縁部１Ｂ，１Ｂが溶着された包装袋に、開口部３から被包装物Ｚを差し入れて収容し、他端縁部１Ｃを溶着して、開封前密封状態とする。開封前密封状態では、内部に収容した被包装物Ｚを湿気から守り、若しくは、乾燥を防止し、衛生的に保護する。

　図２から図３に示すように、ファスナー４を開いて、第２シート層１２と第３シート層１３を大きく拡開する。第１シート層１１と第２シート層１２が２枚重ねて溶着され、かつ、第３シート層１３と第４シート層１４が２枚重ねて溶着されている為、山折線部１８，１８を成す周端縁部が十分な強度を確保し、ファスナー４を容易に開くことができる。

　図４に示すように、さらに第２シート層１２と第３シート層１３を拡開する方向に引張力Ｆ，Ｆを付与すると、破断予定線部５（谷折線部１９）に沿って第２シート層１２と第３シート層１３が切り離されて開封状態となり、被包装物Ｚの取り出しが可能となる。第１シート層１１と第２シート層１２が（破断予定線部５近傍の溶着部１５にて）溶着され、かつ、第３シート層１３と第４シート層１４が（破断予定線部５近傍の溶着部１５にて）溶着されている為、被包装物Ｚの取り出しの際、第１シート層１１と第２シート層１２の間や、第３シート層１３と第４シート層１４の間に、被包装物Ｚが浸入するのを防止でき、被包装物Ｚが第２シート層１２と第３シート層１３に引っ掛かって取り出し辛くなることもない。一旦、開封状態とした後は、気密性は開封前ほど高くはないが、ファスナー４を閉じて準密封状態とすることができる。

　次に、本発明の他の実施形態について説明する。
　図５と図６に示すように、折曲部１０に、ファスナー４を開閉するためのスライダー８が付設されている。
　スライダー８は、２つのプラスチック製部品から成り、一方の部品がファスナー４を開くための役割であり、他方の部品がファスナー４を閉じるための役割である。スライダー８は、２つの部品を組み合わせた構造として、ファスナー４に取り付け易いように構成されている。図５と図６に於て、ファスナー４より袋内方寄りに破断予定線部５が設けられているため、開封前と開封後にスライダー８が影響を受けることはない。例えば、従来の包装袋では、周縁部の一部を切り取るので、スライダーを設けることができない、又は、開封してからスライダーを後付けするかのどちらかであったが、スライダーを後付けした場合には、周縁部の切断面がガタガタ（非直線状）で、スムーズにスライダーを走行させることが困難であった。これに対し、本発明によれば、開封前から折曲部１０にスライダー８を付けておくことが可能で、かつ、開封前も開封後もスライダー８によってファスナー４を容易に開閉することができる。
　図５と図６に於て、ファスナー４は、第２シート層１２及び第３シート層１３の山折線部１８，１８により近い位置に取着されている。その他の構成は、上述した図１の実施形態と同様である。

　図７に於て、本発明の別の実施形態を示している。
　図７では、折曲部１０に、吊下用の貫通孔９が設けられている。
　貫通孔９は、第１シート層１１・第２シート層１２・第３シート層１３・第４シート層１４を貫通する丸い孔であって、ファスナー４より上部の位置（山折線部１８寄りの位置）に配設されている。折曲部１０が、４つのシート層１１，１２，１３，１４の重ね合わせにより十分な強度を確保しており、貫通孔９にフックを挿入して吊下げても、折曲部１０が型崩れすることなく荷重を支持できる利点があり、吊下ディスプレイに好適である。また、開封した後でも、貫通孔９にフックを挿入して吊下げることが可能で、食料品や薬品を収容している場合でも衛生的に保管し易い。

　次に、本発明の包装袋の製造方法について説明する。
　図８（Ａ）に示すように、第１次工程に於て、原反状のシート材３１を連続的に繰出し、シート材３１の一面３１ａにチャックテープ雄部４Ａとチャックテープ雌部４Ｂを長手方向に沿って平行状に並べて融着する。
　長尺のチャックテープ雄部４Ａとチャックテープ雌部４Ｂ（図８（Ｂ）参照）を、連続して送りながら、シート材３１（の一面３１ａ）とドラム４０の間に挿入する。ドラム４０には、チャックテープ雄部４Ａとチャックテープ雌部４Ｂに少なくとも対応して複数の凹周溝４１が設けられ、この凹周溝４１にチャックテープ雄部４Ａ・チャックテープ雌部４Ｂを嵌め込んで、チャックテープ雄部４Ａとチャックテープ雌部４Ｂに熱を加えて、シート材３１の一面３１ａに融着する。

　第１次工程の前工程（第０次工程）に於て、シート材３１の一面３１ａには、文字、図形、記号、模様、色彩の少なくとも１つが予め印刷されている。
　図８（Ｃ）に示すように、シート材１は、三層構造であって、ポリアミド系合成樹脂又はＰＥＴ樹脂から成る中間層２４と、中間層２４の表裏に被覆形成されるＰＰ（ＣＰＰ）又はＰＥから成る保護層２５，２５とを、有している。中間層２４と、一面３１ａ側の保護層２５との間に、文字、図形、記号、模様、色彩等を示すインク２６が介在する。保護層２５に着色して、模様や色彩を表現しても良い。また、図示省略するが、シート材３１は、中間層２４の一面３１ａ側にのみ保護層２５を有する二層構造であって良く、他面３１ｂ側の保護層２５を省略しても良い。

　図８と図９に示すように、第２次工程で、チャックテープ雄部４Ａとチャックテープ雌部４Ｂ間に於ける幅方向中心線上に、シート材３１の一面３１ａ側から、加熱した刃２９によって、凹溝状の破断予定線部５を形成する。
　破断予定線部５は、シート材３１の他の箇所よりも破れ易くなるように、シート材３１の厚さ寸法の３０％～６０％の深さ寸法に形成するのが好ましい。なお、破断予定線部５をシート材３１に形成する工程を第１次工程とし、チャックテープ雄部４Ａとチャックテープ雌部４Ｂをシート材３１の一面３１ａに融着する工程を第２次工程として、順番を入れ替えても良い。また、図示省略するが、シート材３１の他面３１ｂ側から破断予定線部５を形成しても良い。

　次に、図１０に示すように、第３次工程に於て、シート材３１を、一面３１ａが外側を向くように、破断予定線部５に沿って折り曲げて、折り返し部２７を形成する。
　図１０では、シート材３１を連続して送りつつ三角ガイド板３３に摺接させ、図１１から図１２に示すように、シート材３１を１箇所の折り返し部２７で折り返して２つ折りにする。この際、折り返し部２７の外側に破断予定線部５が配設され、かつ、チャックテープ雄部４Ａの凸部とチャックテープ雌部４Ｂの凹部が相互に反対方向を向いて配設される。

　次に、図１３と図１４に示すように、第４次工程で、シート材３１の折り返し部２７の一面３１ａ側から、反折用ガイドローラ３６を当てると共に、ガイドローラ３６が差込まれるように配設した一対の反折ガイド部材３７，３７をシート材３１の他面３１ｂ側から当て、シート材３１を２箇所の山折線部１８，１８と１箇所の谷折線部１９に沿って折畳み、断面Ｍ字状の折曲部（折畳部）１０を形成する。
　第４次工程後のシート材３１は、図１５に示すように、第１シート層１１・第２シート層１２・第３シート層１３・第４シート層１４を順次積層した状態となる。折曲部１０の山折線部１８，１８から谷折線部１９までの深さ寸法Ｌは、ガイドローラ３６と反折ガイド部材３７，３７の差込み深さを調節する調節手段３２，３２（図１３参照）によって自由に設定変更することができる。
　図１５に於て、チャックテープ雄部４Ａとチャックテープ雌部４Ｂが嵌合可能に対向して、第２シート層１２と第３シート層１３を相互に密封可能なファスナー４を形成する。なおかつ、ファスナー４より袋内方寄りに、（谷折線部１９に沿って）破断予定線部５を配設する。なお、折曲部１０を形成した後、送り速度調整装置（図示省略）によって、シート材３１を連続送りから間欠送りに変換する。

　次に、図１６と図１７に示すように、第５次工程に於て、シート材３１を間欠的に送りつつ、第１シート層１１と第２シート層１２とを相互に溶着し、かつ、第３シート層１３と第４シート層１４とを相互に溶着する。
　図１７では、折曲部１０の第２シート層１２・第３シート層１３間に間隔保持部材２３を挿入すると共に、折曲部１０の上下から第１シート層１１・第４シート層１４に熱溶着部材３４，３４を圧接して、熱と押圧力を付与することにより、第１シート層１１と第２シート層１２とを相互に、かつ、第３シート層１３と第４シート層１４とを相互に溶着する。第１シート層１１と第２シート層１２の溶着部１５と、第３シート層１３と第４シート層１４の溶着部１５は、シート材３１の長手方向に沿って連続して帯状に形成され、溶着部１５の下端縁と谷折線部１９との距離が、溶着部１５の帯幅より短くなるように、溶着部１５を谷折線部１９の近傍に形成する。

　次に、図１８に示すように、第６次工程で、シート材３１の幅方向全長にわたって幅方向溶着部２８を、所定等ピッチで次々と形成し、切断手段３５によって、幅方向溶着部２８の中央位置でシート材３１を切断する。
　そして、折曲部１０に、ファスナー４を開閉するためのスライダー８を取付ける場合には、図１９に示す第７次工程で、２つのプラスチック製部品を組み立ててスライダー８を形成する。スライダー８は、２つの部品を組み合わせた構造としたことにより、折曲部１０に容易に取り付けられる。なお、切断と同時に溶着を行っても良い。（いわゆる「溶断」としても良い。）

　図８～図１９に示す製造方法により製造される包装袋は、図１又は図５に示すように、厚さ寸法が均一に形成された１枚のシート材３１（シート片１）が、２箇所の山折線部１８，１８及び１箇所の谷折線部１９で折り曲げられて、縦断面Ｍ字状を成す第１シート層１１・第２シート層１２・第３シート層１３・第４シート層１４を順次有する折曲部１０が一端縁部１Ａに形成されている。折曲部１０の第１シート層１１と第２シート層１２に熱と押圧力を加えることにより第１シート層１１と第２シート層１２を相互に接合して熱溶着し袋幅方向全体にわたって帯状溶着部１５を形成すると共に、第３シート層１３と第４シート層１４に熱と押圧力を加えることにより第３シート層１３と第４シート層１４を相互に接合して熱溶着し袋幅方向全体にわたって帯状溶着部１５を形成し、さらに、第２シート層１２と第３シート層１３の間の谷折線部１９に沿って第２シート層１２と第３シート層１３を切離可能な破断予定線部５が形成され、かつ、第２シート層１２と第３シート層１３を相互に密封可能なファスナー４が設けられ、ファスナー４より袋内方寄りに破断予定線部５が配設されている。
　チャックテープ雄部４Ａとチャックテープ雌部４Ｂ（ファスナー４）が山折線部１８，１８の近傍にて第２シート層１２と第３シート層１３の内面に溶着され、第１シート層１１と第２シート層１２が、チャックテープ雄部４Ａとは異なる位置にて、谷折線部１９の近傍で溶着されて溶着部１５が形成され、かつ、第３シート層１３と第４シート層１４が、チャックテープ雌部４Ｂとは異なる位置にて、谷折線部１９の近傍で溶着されて溶着部１５が形成されている。溶着部１５，１５は、包装袋の左右方向（幅方向）全長にわたって細長い帯状に形成されている。包装袋の左右両端縁部１Ｂ，１Ｂは、全長にわたって溶着され、その一端部がスライダー８の離脱を防止するストッパーを形成している。

　図２０に示すように、チャックテープ雄部４Ａとチャックテープ雌部４Ｂの嵌合を解除して、ファスナー４を開き、さらに、開封する際には、２箇所の山折線部１８，１８付近を指で掴んで引っ張って、破断予定線部５を破り、第２シート層１２と第３シート層１３を切り離して開封する。
　製造工程に於て、シート材３１の一面３１ａに印刷をする工程で、折曲部１０の谷折線部１９を形成すると見込まれる帯状領域に、破断予定線部５を破ることを指示するための表示部１６を設ける。表示部１６は、具体的には、破断予定線部５を示す矢印と、「ここを破って下さい」という文字と、から成る。なお、表示部１６は、図例に限定されることはなく、文字や記号を変更し、その他の文字、図形、記号、模様、色彩を追加するも自由である。なお、谷折線部１９を形成すると見込まれる帯状領域とは、シート材３１の一面３１ａのチャックテープ雄部４Ａとチャックテープ雌部４Ｂの間の帯状領域の全部又は一部であり、さらに言い換えると、折曲部１０の第２シート層１２と第３シート層１３の内面の全部又は一部である。

　図２１に示すように、シート材３１は、（原反の状態で）その一面３１ａにのみ、文字や記号等の印刷が予め施されており、シート材３１を折り畳むことで、折曲部１０の内側（第２シート層１２と第３シート層１３の内面）に印刷面を形成できる。即ち、シート材３１への両面印刷は必要なく、一面３１ａにだけ容易に、かつ、低コストで印刷をすることができ、さらに、折曲部１０の内側に表示部１６を設けることも簡単である。

　次に、他の製造方法について説明する。
　図２２に示すように、シート材３１に折曲部１０を形成した後、シート材３１を間欠的に送りつつ、折曲部１０の上下から横断面門形の熱溶着部材４２，４２によって熱と押圧力を付与することで、第１シート層１１と第２シート層１２とを相互に溶着し、かつ、第３シート層１３と第４シート層１４とを相互に溶着する。図２２では、第１シート層１１と第２シート層１２が、谷折線部１９の近傍の溶着部３８と山折線部１８の近傍の溶着部３９の２箇所で相互に溶着され、かつ、第３シート層１３と第４シート層１４が、谷折線部１９の近傍の溶着部３８と山折線部１８の近傍の溶着部３９の２箇所で相互に溶着されている。チャックテープ雄部４Ａとチャックテープ雌部４Ｂは、山折線部１８近傍の溶着部３９の下端縁より僅かに袋内方よりに配設されている。
　次に、シート材３１の幅方向全長にわたって幅方向溶着部４３を、所定等ピッチで次々と形成すると共に、穿孔手段４４によって、山折線部１８近傍の溶着部３９に貫通孔４５を形成する。そして、切断手段４６によって、幅方向溶着部４３の中央位置でシート材３１を切断する。図２２の製造方法により製造される包装袋は、図２３に示すように、折曲部１０に、吊下用の貫通孔４５が設けられている。

　図２４と図２５に示すように、１枚のシート材３１から包装袋を２丁取りすることも可能である。
　図２４に於て、一面３１ａに文字や記号等が予め印刷されたシート材３１を連続的に繰出し、シート材３１の一面３１ａに、２本１組のチャックテープ雄部４Ａとチャックテープ雌部４Ｂを、幅方向に所定の間隔を開けて２組融着する。ドラム４０には、２組のチャックテープ雄部４Ａとチャックテープ雌部４Ｂの取着位置に対応して複数の凹周溝４１が設けられ、凹周溝４１にチャックテープ雄部４Ａ・チャックテープ雌部４Ｂを挿入し、シート材３１の一面３１ａに融着する。
　次に、２組のチャックテープ雄部４Ａとチャックテープ雌部４Ｂの幅方向中心線上の各々に、シート材３１の一面３１ａ側又は他面３１ｂ側から、加熱した刃２９によって、凹溝状の破断予定線部５を形成する。即ち、シート材３１には、２本の破断予定線部５，５が形成される。

　図２５では、シート材３１を、一面３１ａが外側を向くように、２本の破断予定線部５，５に沿って折り曲げて、幅方向両端部に折り返し部２７，２７を形成し、次に、折り返し部２７の各々に、一面３１ａ側から反折用ガイドローラ３６を当て、かつ、ガイドローラ３６が差込まれるように配設した一対の反折ガイド部材３７，３７をシート材３１の他面３１ｂ側から当て、シート材３１の幅方向両端部を各々に２箇所の山折線部１８，１８と１箇所の谷折線部１９に沿って折畳み、断面Ｍ字状の折曲部１０，１０を、シート材３１の２箇所に形成する。そして、シート材３１を幅方向中心線に沿って、切断刃５０によって切り離す。このようにして、製造能率を２倍に向上することができる。

　なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、スライダー８は、上述の構成に限定されるものではなく、変更が可能である。
　以上の構成により、折曲部１０の谷折線部１９近傍にて厚み寸法を増大させることなく溶着部１５，１５を形成でき、被包装物Ｚの取り出しの際、第１シート層１１と第２シート層１２の間や、第３シート層１３と第４シート層１４の間に、被包装物Ｚが浸入するのを防止できる。被包装物Ｚが、切り離された第２シート層１２と第３シート層１３に引っ掛からず、容易に取り出すことができる。製造工程に於て、原反状態のシート材３１を連続して送りながら、ファスナー４を、シート材３１の表て面（一面３１ａ）へのチャックテープ雄部４Ａとチャックテープ雌部４Ｂの溶着によって、能率良く、美しく高品質に取着することができる。チャックテープ雄部４Ａとチャックテープ雌部４Ｂをシート片１に溶着する工程と、折曲部１０に溶着部１５，１５を形成する工程とを、別々に行うことができ、折曲部１０の第２シート層１２と第３シート層１３にのみ、ファスナー４を美しく高品質に取着することができる。しかも、溶着部１５，１５では、第１シート層１１と第２シート層１２を熱溶着によって確実に接合でき、かつ、第３シート層１３と第４シート層１４を熱溶着によって確実に接合できる。

　以上のように、本発明に係る包装袋は、１枚の合成樹脂製矩形状シート片１をもって構成され、シート片１が２箇所の山折線部１８，１８及び１箇所の谷折線部１９で折り曲げられて、縦断面Ｍ字状を成す第１シート層１１・第２シート層１２・第３シート層１３・第４シート層１４を順次有する折曲部１０が一端縁部１Ａに形成され、第１シート層１１と第２シート層１２を溶着すると共に第３シート層１３と第４シート層１４を溶着し、さらに、第２シート層１２と第３シート層１３の間の谷折線部１９に沿って第２シート層１２と第３シート層１３を切離可能な破断予定線部５が形成され、かつ、第２シート層１２と第３シート層１３を相互に密封可能なファスナー４が設けられ、ファスナー４より袋内方寄りに破断予定線部５が配設されたので、周縁部を切り取ることなく破断予定線部５でシート片１を破って開封でき、開封後も体裁良く使用できる。また、周縁部を切り取らずに開封できる為、捨て材を発生させることがない。製造工程に於て、原反状態のシート片１（シート材３１）を連続して送りながら、ファスナー４を、シート片１（シート材３１）の表て面（一面３１ａ）への溶着によって、能率良く、美しく高品質に取着することができる。また、破断予定線部５を美しく高精度に形成でき、製造上の作業能率を向上できる。同一厚さ寸法の第１シート層１１・第２シート層１２・第３シート層１３・第４シート層１４によって、縦断面Ｍ字状を成す折曲部１０が、その強度と適度の剛性を確保しつつ薄く形成できる。シート片１の厚さ寸法、及び、サイズの寸法変更が容易となり、多種多様な種類とサイズに柔軟に対応できる。ファスナー４が付設された構造であるにも関わらず、安価に製造できる。シート片１に原反の状態で既に連続して印刷できる。

　また、折曲部１０が一端縁部１Ａに形成された状態で、シート片１の左右両端縁部１Ｂ，１Ｂが溶着され、かつ、他端縁部１Ｃに、被包装物Ｚを入れるための開口部３が形成されているので、開口部３から被包装物Ｚを差し入れて収容した後、開口部３を溶着する作業を自動化でき、作業能率を向上できる。折曲部１０の左右両端縁部１Ｂ，１Ｂを、美しく高品質に溶着できる。

　また、折曲部１０に、ファスナー４を開閉するためのスライダー８が付設されているので、開封前から折曲部１０にスライダー８を付けておくことができ、かつ、開封前も開封後もスライダー８によってファスナー４を容易に開閉することができる。

　また、折曲部１０に、吊下用の貫通孔９が設けられているので、折曲部１０が十分な強度を確保しており、貫通孔９にフックを挿入して吊下げても、型崩れすることなく荷重を支持できる利点があり、吊下ディスプレイに好適である。開封した後でも、貫通孔９にフックを挿入して吊下げることができ、省スペースで、かつ、衛生的に保管できる。

　１　シート片
　１Ａ　一端縁部
　１Ｂ　左右両端縁部
　１Ｃ　他端縁部
　３　開口部
　４　ファスナー
　５　破断予定線部
　８　スライダー
　９　貫通孔
　１０　折曲部
　１１　第１シート層
　１２　第２シート層
　１３　第３シート層
　１４　第４シート層
　１８　山折線部
　１９　谷折線部
　Ｚ　被包装物

Claims

　１枚の合成樹脂製矩形状シート片（１）をもって構成され、
　上記シート片（１）が２箇所の山折線部（１８）（１８）及び１箇所の谷折線部（１９）で折り曲げられて、縦断面Ｍ字状を成す第１シート層（１１）・第２シート層（１２）・第３シート層（１３）・第４シート層（１４）を順次有する折曲部（１０）が一端縁部（１Ａ）に形成され、第１シート層（１１）と第２シート層（１２）を溶着すると共に第３シート層（１３）と第４シート層（１４）を溶着し、さらに、上記第２シート層（１２）と上記第３シート層（１３）の間の上記谷折線部（１９）に沿って上記第２シート層（１２）と上記第３シート層（１３）を切離可能な破断予定線部（５）が形成され、かつ、該第２シート層（１２）と該第３シート層（１３）を相互に密封可能なファスナー（４）が設けられ、該ファスナー（４）より袋内方寄りに上記破断予定線部（５）が配設されたことを特徴とする包装袋。
　上記折曲部（１０）が一端縁部（１Ａ）に形成された状態で、上記シート片（１）の左右両端縁部（１Ｂ）（１Ｂ）が溶着され、かつ、他端縁部（１Ｃ）に、被包装物（Ｚ）を入れるための開口部（３）が形成されている請求項１記載の包装袋。
　上記折曲部（１０）に、上記ファスナー（４）を開閉するためのスライダー（８）が付設されている請求項１又は２記載の包装袋。
　上記折曲部（１０）に、吊下用の貫通孔（９）が設けられている請求項１，２又は３記載の包装袋。