WO2013150806A1

WO2013150806A1 - 車体前部構造

Info

Publication number: WO2013150806A1
Application number: PCT/JP2013/050098
Authority: WO
Inventors: 誠久積; 治正豊沢; 浩由堀部; 昌亮浮田; 良幸鳥羽
Original assignee: 本田技研工業株式会社
Priority date: 2012-04-05
Filing date: 2013-01-08
Publication date: 2013-10-10
Also published as: CN104245487A; US9283995B2; CN104245487B; US20150175216A1

Abstract

　ダッシュボードアッパパネル(31)は、車体上下方向に略垂直に延びた前垂直壁(41)と、該前垂直壁(41)の下端(41b)から車体前後方向に略水平に延びた水平底壁(42)と、該水平底壁(42)の後端(42a)から車体上方に向けて斜め車体後方に延びた後傾斜壁(43)と、前垂直壁(41)から車体前方に延びた前水平フランジ(45)と、後傾斜壁(43)から車体後方に延びた後水平フランジ(46)とを備えている。ダッシュボードロアパネル(18)は、ダッシュボードロアパネル(18)の上端(18a)に形成された斜めフランジ(93)を備えている。後傾斜壁(43)の下部(43a)に斜めフランジ(93)を接合することで、ダッシュボードロアパネル(18)でダッシュボードアッパパネル(31)の車体前後方向の略中央を下方から支持する。

Description

車体前部構造

　本発明は、車幅方向端部で左右のフロントピラーにダッシュボードロアパネルが接合され、このダッシュボードロアパネルの上部にダッシュボードアッパパネルが設けられ、ダッシュボードロアパネルの前方に左右のダンパハウジングが設けられた車体前部構造に関する。

　車体前部構造は、車室と車室前方に位置する空間とを仕切るダッシュパネルと、ダッシュパネルの上方で車幅方向の両側に位置するフロントピラー間を架け渡したカウル部材と、車両上下方向の上端側が下端側よりも車両前後方向の前側に位置する前傾姿勢で、ダッシュパネルの車両上下方向の上端部とカウル部材の車両上下方向の下端部とを車幅方向の両端部においてそれぞれ連結する連結部材を備える。

　この車体前部構造によれば、カウル部材（ダッシュボードアッパパネル）とダッシュパネル（ダッシュボードロアパネル）とが車幅方向端部においては連結部材を介して連結されるため、カウル部材を架け渡すフロントピラーの形状や配置に対する制約が少なくなる（例えば、特許文献１参照。）。

　しかし、特許文献１の車体前部構造では、カウル部材（ダッシュボードアッパパネル）の後端にダッシュパネル（ダッシュボードロアパネル）が接合するため、走行時のダンパハウジングの内倒れにより発生する振動はカウル部材から減衰されずに、ダッシュパネルに伝達される。このため、ダッシュパネルに振動防止の補強が必要となる。

　また、このような車体前部構造を構成するときに、ダッシュボードアッパパネルから室内に浸入する水を防止、ダッシュボードアッパパネルのセット性を向上又は車体前部の溶接の作業性を向上することも合わせて望まれる。

特許第４４３２８８４号公報

　本発明の課題は、ダッシュボードロアパネルに伝達される振動が減り、室内振動の低減を図ることができる車体前部構造を提供することにある。さらに、本発明の課題は、ダッシュボードアッパパネルから室内に浸入する水を確実に防止することができる車体前部構造を提供することにある。さらにまた、本発明の課題は、ダッシュボードアッパパネルのセット性を向上することができるとともに、車体前部の溶接の作業性も向上することができる車体前部構造を提供することにある。

　請求項１に係る発明によれば、左右のフロントピラーに車幅方向端部が接合するダッシュボードロアパネルと、前記ダッシュボードロアパネルの上部に設けられたダッシュボードアッパパネルと、前記ダッシュボードロアパネルの前方に設けられた左右のダンパハウジングとを備えている車体前部構造であって、前記ダッシュボードアッパパネルは、車体上下方向に略垂直に延ばした前垂直壁と、この前垂直壁の下端から車体前後方向に略水平に延びた水平底壁と、前記水平底壁の後端から車体上方に向けて斜め車体後方に延びた後傾斜壁と、を備え、前記ダッシュボードロアパネルは、垂直壁と、前記垂直壁の上端に形成された斜めフランジと、を備え、前記後傾斜壁の下部に前記斜めフランジを接合し、前記垂直壁でもって前記ダッシュボードアッパパネルの車体前後方向の略中央を下方から支持する車体前部構造が提供される。

　請求項２に係る発明では、好ましくは、前記ダッシュボードロアパネルは、前記フロントピラーのフロントピラーインナパネルと接合する側縁フランジを備え、前記斜めフランジは、前記側縁フランジと連続して前記ダッシュボードロアパネルの角部にＬ字状の防水壁を形成している。

　請求項３に係る発明では、好ましくは、前記ダッシュボードアッパパネルは、車体上方から前記ダッシュボードロアパネル及び前記左右のダンパハウジングに載置するときに、前記斜めフランジに前記後傾斜壁を当接するとともに、前記前垂直壁の上端から前方に延ばした前水平フランジを、前記ダンパハウジングの後壁及び上壁にそれぞれ当接するようにした。

　請求項４に係る発明では、好ましくは、前記ダッシュボードアッパパネルは、ウインドシールドを支持するウインドシールドロアサポートを備え、前記ダッシュボードアッパパネルと前記ウインドシールドロアサポートとで前方上部に向く開口が形成され、前記ウインドシールドロアサポート及び前記ダッシュボードアッパパネルは、前記開口から挟み溶接ガンの一方を挿入し、前記後傾斜壁の背面から挟み前記溶接ガン(98,99)の他方を近接させ、前記後傾斜壁と前記斜めフランジとを挟み込み溶接可能な形状に形成されている。

　請求項５に係る発明では、前記ダンパハウジングの下方に、車輪を覆うホイールハウスが設けられ、前記ダッシュボードアッパパネルの両端は、前記ダッシュボードロアパネル、前記ダンパハウジング及び前記ホイールハウスにより閉断面を形成している。

　請求項６に係る発明では、好ましくは、前記ダッシュボードアッパパネルの上部前方に設けられたカウルトップで車幅方向に延びるよう形成された空間部内に、前記前垂直壁と前記水平底壁の前部とで車幅方向に延びる閉断面が形成されるカウル補強部材が設けられ、車体上方に向けて斜め車体後方に延びた前記後傾斜壁に沿って前記ダッシュボードロアパネルの上縁が接合されている。

　請求項７に係る発明では、好ましくは、前記ダッシュボードロアパネルは、ブレーキマスタシリンダを取付けるブレーキマスタシリンダ取付部を有し、前記ダッシュボードアッパパネルは、前記ブレーキマスタシリンダ取付部の上方で、前記水平底壁が上方に向けて凹むよう形成された凹部を有し、前記カウル補強部材は、前記ブレーキマスタシリンダ取付部の上方に形成され且つ上方に向けて湾曲するよう形成された湾曲部と、車幅方向において前記ブレーキマスタシリンダ取付部から離れた部位に形成され且つ直線的に形成された直線部とに分割され、前記直線部は、前記湾曲部よりも薄板にて形成されている。

　請求項８に係る発明では、好ましくは、前記カウル補強部材は、鋼板をＬ字状に折り曲げて補強部上壁及び補強部後壁が形成され、前記補強部上壁から前端フランジが延び、前記補強部後壁から後端フランジが延び、前記前端フランジは前記前垂直壁に結合され、前記後端フランジは前記水平底壁に結合され、前記閉断面が形成される。

　請求項９に係る発明では、好ましくは、前記ダッシュボードロアパネルの前方には、ダンパユニットを支持する左右のダンパハウジングが設けられ、前記カウル補強部材の車幅方向における両端部は、前記ダッシュボードアッパパネルの前記前垂直壁に結合するスチフナに結合し、前記スチフナを介して前記ダンパハウジングの上壁に結合する。

　請求項１０に係る発明では、好ましくは、前記カウル補強部材の前記直線部と前記ダッシュボードアッパパネルの前記後傾斜壁との間に、断面Ｕ字状の前記ダッシュボードアッパパネルを補強するカウル開口補強部材が結合されている。

　請求項１１に係る発明では、好ましくは、前記カウル補強部材の前記湾曲部と前記ダッシュボードアッパパネルの前記後傾斜壁との間に、ワイパモータが取付けられるワイパ取付ブラケットが結合されている。

　請求項１２に係る発明では、好ましくは、前記ダッシュボードロアパネルは、室内側で車幅方向に延びるよう設けられたダッシュボードクロスメンバを備え、前記ダッシュボードクロスメンバと前記ダッシュボードロアパネルとで閉断面が形成され、前記ダッシュボードロアパネルを挟んで前記ダッシュボードクロスメンバは前記ダッシュボードロアパネルのエンジンルーム側に設けられた左右のホイールハウスに結合されている。

　請求項１３に係る発明では、好ましくは、前記ダッシュボードロアパネルは、前記室内側に膨出させて湾曲形状にすることにより剛性を高められ、且つ前記左右のホイールハウスの後部を形成するホイールハウス部を有しており、前記ダッシュボードクロスメンバは、前記ホイールハウス部に結合する。

　請求項１４に係る発明では、好ましくは、前記ダッシュボードロアパネルは、前記車体の一方側に、アクセルペダルを支持するアクセルペダルブラケットと、ブレーキマスタシリンダが取付けられるブレーキマスタシリンダ取付部とを備えており、前記ダッシュボードクロスメンバは、一方の端部を前記アクセルペダルブラケット及び前記ブレーキマスタシリンダ取付部の少なくとも一方を介して前記左右のホイールハウスの一方に結合する。

　請求項１５に係る発明では、好ましくは、前記ダッシュボードロアパネルは、前記車体の他方側にブレーキマスタシリンダが取付けられるブレーキマスタシリンダ取付部を備えており、前記ダッシュボードクロスメンバは、前記ダッシュボードクロスメンバの一方の端部が前記左右のホイールハウスの一方に結合するときに、他方の端部を前記ブレーキマスタシリンダ取付部を介して前記左右のホイールハウスの他方に結合する。

　請求項１６に係る発明では、好ましくは、前記ダッシュボードロアパネルは、ステアリングハンガやフットパーキングペダルを含む車載取付部品を支持する支持ブラケットを備え、前記ダッシュボードクロスメンバは、前記ダッシュボードアッパパネルに前記支持ブラケットを介して連結されている。

　請求項１に係る発明では、例えば、走行時のダンパハウジングの内倒れにより、ダンパハウジングに振動が発生し、ダンパハウジングに結合されるダッシュボードアッパパネル（カウル部）に振動伝達され、ダッシュボードアッパパネル（カウル部）からダッシュボードロアパネルに振動伝達され、室内騒音の原因の一つとなる。そこで、後傾斜壁の下部に斜めフランジを接合し、垂直壁でダッシュボードアッパパネルの車体前後方向の略中央を下方から支持し、ダッシュボードアッパパネルの支持性を高め、ダッシュボードアッパパネルの振動を低減するようにした。これにより、ダッシュボードアッパパネルからダッシュボードロアパネルに伝達される振動が減り、室内振動の低減を図ることができる。この結果、室内の静粛性の向上を図ることができる。

　請求項２に係る発明では、ダッシュボードロアパネルに、フロントピラーのフロントピラーインナパネルと接合する側縁フランジを備え、斜めフランジが、側縁フランジと連続してダッシュボードロアパネルの角部にＬ字状の防水壁を形成するようにしたので、ダッシュボードアッパパネルから室内に浸入する水を確実に防止することができる。

　請求項３に係る発明では、ダッシュボードアッパパネルを、車体上方からダッシュボードロアパネル及び左右のダンパハウジングに載置するときに、斜めフランジに後傾斜壁を当接するとともに、前垂直壁及び前垂直壁の上端から前方に延びた前水平フランジを、ダンパハウジングの後壁及び上壁にそれぞれ当接するようにした。すなわち、ダッシュボードアッパパネルを、ダッシュボードロアパネル及びダンパハウジングに上方からセットするときに、斜めフランジを後傾斜壁に当接することにより後方への移動が抑えられるとともに前方への重力による付勢が働き、前垂直壁及び前水平フランジをダンパハウジングの後壁及び上壁に当接することにより前方への移動が抑えられ位置決めをおこなうことができる。この結果、ダッシュボードアッパパネルのセット性を向上することができる。

　請求項４に係る発明では、ダッシュボードアッパパネルに、ウインドシールドを支持するウインドシールドロアサポートを備える。ダッシュボードアッパパネルとウインドシールドロアサポートとで前方上部に指向するカウル開口が形成される。カウル開口から挟み溶接ガンの一方を挿入し、後傾斜壁の背面から挟み溶接ガンの他方を近接させ、後傾斜壁と斜めフランジとを挟み込み溶接可能な形状に形成したので、ウインドシールドロアサポート及びダッシュボードアッパパネルを、大量生産可能な挟み込み溶接をすることができる。すなわち、車体前部の溶接の作業性も向上することができる。

　請求項５に係る発明では、ダンパハウジングの下方に、車輪を覆うホイールハウスが設けられ、ダッシュボードアッパパネルの両端に、ダッシュボードロアパネル、ダンパハウジング及びホイールハウスにより閉断面を形成したので、車体前部の剛性の向上を図ることができる。

　請求項６に係る発明では、ダッシュボードアッパパネルの上部前方に設けられたカウルトップで車幅方向に延びる空間部が形成される。ダッシュボードアッパパネルは、車体上下方向に延ばした前垂直壁と、この前垂直壁の下端から車体前後方向に延ばした水平底壁と、この水平底壁の後端から車体上方に向けて斜め車体後方に延ばした後傾斜壁とから断面略Ｕ字状に形成される。空間部内で且つ前垂直壁と水平底壁の前部との間に、前垂直壁と水平底壁の前部とともに車幅方向に延びる閉断面を形成するカウル補強部材が設けられているので、車幅方向の車体剛性の向上を図ることができる。また、カウル補強部材は、前垂直壁と水平底壁の前部とで車幅方向に延びる閉断面が形成される形状であるため、カウル補強部材を簡素な形状とすることができ生産性が向上する。車体上方に向けて斜め車体後方に延ばした後傾斜壁に沿ってダッシュボードロアパネルの上縁を接合するので、ダッシュボードロアパネルのエンジンルーム側への突出量を減少させることができ、エンジンルームのメンテナンス性を向上することができる。さらに、車室内スペースも拡大することができる。さらにまた、上下に深い空間部を形成することができる。この結果、エアコンディショナーへの空気の十分な吸入量を確保することができる。

　請求項７に係る発明では、ダッシュボードロアパネルに、ブレーキマスタシリンダを取付けるブレーキマスタシリンダ取付部が形成され、ダッシュボードアッパパネルが、ブレーキマスタシリンダ取付部の上方で、底壁が上方に向け凹み形状に形成される。カウル補強部材は、ブレーキマスタシリンダ取付部の上方に形成され且つ上方に向け湾曲して形成される湾曲部と、車幅方向にてブレーキマスタシリンダ取付部の近傍から外れた部位に形成され且つ直線的に形成される直線部に分割される。直線部は、湾曲部より剛性及び強度が高いので薄板にて形成可能となり、車体の軽量化を図ることができる。

　請求項８に係る発明では、カウル補強部材は、鋼板をＬ字に折り曲げて補強部上壁及び補強部後壁が形成され、補強部上壁から前端フランジが延ばされ、補強部後壁から後端フランジが延ばされ、前端フランジが前壁に結合され、後端フランジが底壁に結合され、閉断面が形成される。すなわち、補強部上壁及び補強部後壁の角部を有効に利用して、単純な形状と少ない材料でダッシュボードアッパパネルの強度及び剛性を増す閉断面を形成できる。この結果、軽量化が一層向上し、安価に強度及び剛性も向上する。

　請求項９に係る発明では、ダッシュボードロアパネルの前方にダンパユニットを支持する左右のダンパハウジングが設けられる。カウル補強部材の車幅方向における両端部が、ダッシュボードアッパパネルの前垂直壁に結合するスチフナに結合し、スチフナを介してダンパハウジングの上壁に結合するので、車体剛性が向上する。さらに、ダンパハウジングに結合するために、ダッシュボードアッパパネルは両端をダンパハウジングの上壁へ向け前方に折り曲げる必要がないので、ダッシュボードアッパパネル自体の強度及び剛性の低下を抑制でき、製造も容易となる。

　請求項１０に係る発明では、カウル補強部材の直線部とダッシュボードアッパパネルの後壁との間に、断面Ｕ字状のダッシュボードアッパパネルを補強するカウル開口補強部材が結合されているので、ダッシュボードアッパパネルの車体前後方向の強度を向上することができる。

　請求項１１に係る発明では、カウル補強部材の湾曲部とダッシュボードアッパパネルの後傾斜壁との間に、ワイパモータが取付けられるワイパ取付ブラケットが結合されているので、ダッシュボードアッパパネルの車体前後方向の強度を向上させるととともに、カウル補強部材の湾曲部の補強も兼ねることができる。これにより、カウル補強部材の板厚を減少することも期待できる。

　請求項１２に係る発明では、車体前部構造は、ダッシュボードロアパネルに、室内側で車幅方向に延びるダッシュボードクロスメンバが設けられ、ダッシュボードクロスメンバは、ダッシュボードロアパネルとで閉断面を形成するので、ダンパハウジングからホイールハウスを介してダッシュボードロアパネルに伝達される振動を、ダッシュボードクロスメンバとダッシュボードロアパネルとで形成される閉断面で減衰することができる。さらに、ダッシュボードクロスメンバは、ダッシュボードロアパネルを挟んでホイールハウスに結合されているので、ホイールハウスの振動自体を抑制することができる。すなわち、ホイールハウスからダッシュボードロアパネルへ振動伝達を抑制して室内騒音の低減を図ることができる。この結果、室内を静粛化することができる。

　請求項１３に係る発明では、ダッシュボードロアパネルは、室内側に膨出させて湾曲形状にすることにより剛性を高められ、且つ左右のホイールハウスの後部がそれぞれ構成されるホイールハウス部が設けられる。ダッシュボードクロスメンバは、剛性の高いホイールハウス部に結合されているので、例えば、ダッシュボードクロスメンバをフロントピラーまで延長してフロントピラーに結合しなくても、車体前部に所定の強度及び剛性を確保することができる。この結果、ダッシュボードクロスメンバを短縮して車体前部の軽量化を図ることができるとともに、ホイールハウス部自体の剛性を高め強化できる。

　請求項１４に係る発明では、ダッシュボードロアパネルは、車体の一方側に、アクセルペダルを支持するアクセルペダルブラケットと、ブレーキマスタシリンダが取付けられるブレーキマスタシリンダ補強板が設けられる。ダッシュボードクロスメンバは、一方の端部をアクセルペダルブラケット及びブレーキマスタシリンダ補強板の少なくとも一方を介して左右のホイールハウスの一方と結合しているので、ダッシュボードクロスメンバを更に短縮して、軽量化を図ることができる。

　請求項１５に係る発明では、ダッシュボードロアパネルは、車体の他方側にブレーキマスタシリンダが取付けられるブレーキマスタシリンダ補強板が設けられる。ダッシュボードクロスメンバの一方の端部を、左右のホイールハウスの一方に結合するときに、他方の端部を、ブレーキマスタシリンダ補強板を介して左右のホイールハウスの他方と結合しているので、ダッシュボードクロスメンバにおける他方の端部も、フロントピラーまで延長することが必要なくなり、軽量化を一層推進することができる。

　請求項１６に係る発明では、ダッシュボードロアパネルに、ダッシュボードロアパネルの上部に設けられるダッシュボードアッパパネルと、ステアリングハンガやフットパーキングペダルを含む車載取付部品を支持する支持ブラケットを備える。ダッシュボードクロスメンバは、ダッシュボードアッパパネルに支持ブラケットを介して連結されているので、支持ブラケットでダッシュボードクロスメンバが補強される。これにより、ダッシュボードクロスメンバの板厚を薄くすることができ、前部車体の軽量化を図ることができる。

本発明に係る車体前部構造を示した斜視図である。図１に示された車体前部構造の正面図である。図１に示された車体前部構造の平面図である。図１に示された車体前部構造の車室側から見た斜視図である。図２の５－５線に沿った拡大断面図である。図２の６－６線に沿った拡大断面図である。図４の領域７を拡大した図である。図１に示された車体前部構造の一部を拡大した平面図である。図８の９－９線に沿った拡大断面図である。図６に示されたダッシュボードロアパネル、ダッシュボードアッパパネルおよびダンパハウジングを組立てを示した図である。図６に示されたダッシュボードロアパネル、ダッシュボードアッパパネルおよびダンパハウジングを接合する状態を示した図である。図５に示されたダッシュボードロアパネルおよびダッシュボードアッパパネルの溶接状態を示した図である。図１に示された車体前部構造の一部を示した斜視図である。図１３の１４－１４線に沿った拡大断面図である。図１３の１５－１５線に沿った拡大断面図である。図１に示された車体前部構造の右側端部の斜視図である。図１に示された車体前部構造の中央部分の斜視図である。図１に示された車体前部構造の左側端部の斜視図である。図１８に示された状態からカウル補強部材を外した状態を示した図である。図１９示された左スチフナを車体前部下方から見た斜視図である。図１９に示された左スチフナを車体前部上方から見た斜視図である。図１に示された右側のダンパハウジングの斜視図である。図２２に示された右スチフナを車体前部下方から見た斜視図である。図５に示されたカウルボックスを示した図である。図１に示された車体前部構造のダッシュボードロアパネルを透過して車室側から見た透視図である。図２５の２６－２６線に沿った拡大断面図である。図２５の２７－２７線に沿った拡大断面図である。図２７に示されたダッシュボードクロスメンバとホイールハウスとの結合関係を示した断面図である。図１に示された車体前部構造の背面図である。図２９の領域３０の拡大図である。図３０を矢印３１方向から見たダッシュボードクロスメンバとダッシュボードロアパネルのホイールハウス部との結合関係を示した図である。図２９の領域３２部のダッシュボードロアパネルを透過して拡大した透視図である。本発明の他の実施例による車体前部構造の背面図である。図３３に示された車体前部構造の右側のダッシュボードロアパネルを透過して拡大した透視図である。図３３に示された車体前部構造にフットパーキングペダルを設けた背面図である。

　以下、本発明の好ましい実施例について、添付した図面に基づいて詳細に説明する。

　図１、図５、図６に示すように、本実施例による車体前部構造では、ダッシュボードアッパパネル３１の後傾斜壁４３の下部４３ａに斜めフランジ９３を接合することで、ダッシュボードロアパネル１８でダッシュボードアッパパネル３１の車体前後方向の略中央を下方から支持し、ダッシュボードアッパパネル３１の支持性を高めている。

　車体前部構造は、図７に示すように、ダッシュボードロアパネル１８の斜めフランジ９３と側縁フランジ９４とを連続させ、ダッシュボードロアパネル１８の角部１８ｃにＬ字状の防水壁９５を形成し、ダッシュボードアッパパネル（カウル部）３１からの防水性を高めている。さらに、ダッシュボードロアパネル１８の斜めフランジ９３を利用してダッシュボードアッパパネル３１のセット性を向上している。

　図１に示すように、車両１０は、車体１１の前部に、車体前後方向に延びた左右のフロントサイドフレーム１５と、車体１１を前後方向に仕切るダッシュボードロアパネル１８と、このダッシュボードロアパネル１８の側方に設けられた左右のフロントピラー１９と、左右のフロントピラー１９から車体前後方向に延びた左右のアッパメンバ（エプロンリインフォースメント）２１と、左右のアッパメンバ２１から車体前方に向けて斜め下方に延びた左右のロアメンバ２２と、ダッシュボードロアパネル１８の上部に設けられたカウルボックス（空間部）２３（図５）と、このカウルボックス２３で下端２４ａが支持されるウインドシールド２４と、ダンパユニット３８を支持する左右のダンパハウジング２７と、ダンパハウジング２７の下方に車輪２９を覆う左右のホイールハウス２８とを備える。車両１０は、左ハンドルを備える。

　図４に示すように、ダッシュボードロアパネル１８は、左右のフロントピラー１９に車幅方向端部１８ｂ，１８ｂが接合されている。ダッシュボードロアパネル１８は、車室１２とエンジンルーム１３とを区画する。ダッシュボードロアパネル１８は、車体１１に垂直に延ばした垂直壁９１と、この垂直壁９１から車体後方に向かって下傾斜した傾斜面９２からなる。

　図２に示すように、ダッシュボードロアパネル１８は、ブレーキマスタシリンダ３６を取付けるためのブレーキマスタシリンダ取付部３７を有する。図４及び図５に示すように、ダッシュボードロアパネル１８には、ダッシュボードロアパネル１８の上端１８ａに形成される斜めフランジ９３と、フロントピラー１９のフロントピラーインナパネル１９ａと接合する側縁フランジ９４とが形成されている。図３に示すように、左右のダンパハウジング２７は、ダッシュボードロアパネル１８の前方に設けられる。

　図５に示すように、カウルボックス２３は、ダッシュボードアッパパネル３１と、ウインドシールドロアサポート３２と、カウルトップ３３とからなり、車幅方向に延びる空間部を有する。カウルボックス２３は、ダッシュボードアッパパネル３１の前垂直壁（前壁）４１の上端４１ａと、ウインドシールドロアサポート３２のウインドシールド支持面８１の先端８１ａとの間にカウル開口４４が形成され、カウル開口４４はカウルトップ３３で覆われる。カウルトップ３３は、樹脂で形成されている。

　図５はカウルボックス２３の中央断面であり、図６はカウルボックス２３の端部断面である。図５及び図６に示すように、ダッシュボードアッパパネル３１は、ダッシュボードロアパネル１８の上部に設けられている。

　ダッシュボードアッパパネル３１は、車体上下方向に略垂直に延びた垂直前壁（前壁）４１と、この垂直前壁４１の下端４１ｂから車体前後方向に略水平に延びた水平底壁（底壁）４２と、この水平底壁４２の後端４２ａから車体上方に向けて斜め車体後方に延びた傾斜後壁（後壁）４３と、垂直前壁４１から車体前方に延びた水平前フランジ（アッパ側前フランジ）４５と、傾斜後壁４３から車体後方に延びた水平後フランジ（アッパ側後フランジ）４６と、からなる。

　傾斜後壁４３の下部４３ａには、ダッシュボードロアパネル１８の斜めフランジ９３が接合される。従って、ダッシュボードロアパネル１８の垂直壁９１でダッシュボードアッパパネル３１の車体前後方向の略中央が下方から支持される。ダッシュボードアッパパネル３１の両端３１ｂ，３１ｂ（図３）は、図６に示すように、ダッシュボードロアパネル１８、ダンパハウジング２７及びホイールハウス２８により閉断面３４を形成する。

　図５に示すように、ダッシュボードアッパパネル３１は、ウインドシールド２４の下端２４ａを支持するウインドシールドロアサポート（ウインドシールドロアサポート部材）３２を備える。ダッシュボードアッパパネル３１とウインドシールドロアサポート３２とで前方上部に向くカウル開口４４が形成される。

　ダッシュボードアッパパネル３１は、上向き開口の断面略Ｕ字状で簡素な形状として生産性を高めるとともに、ウインドシールドロアサポート３２とで構成され、エアコンディショナ（エアコン装置、不図示）へ外気を導入する外気導入路３９の断面を大きくし、エアコン吸気量を増大するように形成される。

　ダッシュボードアッパパネル３１は、カウルボックス２３内で且つ垂直前壁４１と水平底壁４２の前部４２ｂとの間に架け渡されたＬ字状のカウル補強部材４９を備えている。前垂直壁４１と水平底壁４２の前部４２ｂとカウル補強部材４９とで、車幅方向に延びる閉断面４７が形成されている。

　ダッシュボードアッパパネル３１は、雨水を排水する排水路４８が形成される。詳細には、排水路４８は、前垂直壁４１、水平底壁４２及び後傾斜壁４３で形成される断面Ｕ字状の溝である。

　図２に示すように、ダッシュボードアッパパネル３１は、ブレーキマスタシリンダ取付部３７の上方で、水平底壁４２が上方に向け凹んだ凹み部５１に形成される。図３に示すように、ダッシュボードアッパパネル３１は、エアコンディショナ（エアコン装置、不図示）へ外気を吸入するために形成されたエアコン吸気口５２を有する。エアコン吸気口５２は、外気導入路３９（図５）を経由してエアコンディショナに外気を吸入する部分であり、雨水をよける水切り板５３（図１）が車体前方に設けられる。

　走行時に、車輪２９（図１）からの入力により、ダンパハウジング２７に車体内方に倒れる内倒れが発生し、このダンパハウジング２７の内倒れにより振動が発生し、接合されたダッシュボードアッパパネル（カウル部）３１に振動伝達され、ダッシュボードアッパパネル３１からダッシュボードロアパネル１８に振動伝達され、これが室内騒音の原因となる。

　そこで、本発明に係る車体前部構造では、ダッシュボードアッパパネル（カウル部）３１の車体前後方向の略中央に相当する後傾斜壁４３の下部４３ａを、ダッシュボードロアパネル１８が支持することで、ダッシュボードアッパパネル３１の振動を減衰するようにした。これにより、ダッシュボードロアパネル１８の振動を抑制することで、補強部材の追加を不要として、車体１１（図１）の軽量化につなげるようにした。

　図３及び図５に示すように、カウル補強部材４９は、ブレーキマスタシリンダ取付部３７（図２）の上方に形成され且つ正面視で上方に向け湾曲して形成される湾曲部５４（図１４）と、車幅方向にてブレーキマスタシリンダ取付部３７の近傍から外れた部位に形成され且つ正面視で直線的に形成される直線部５５に分割構成される。そして、湾曲部５４及び直線部５５が結合して一体のカウル補強部材４９となる。

　湾曲部５４は、鋼板のプレス折り曲げ品でダッシュボードアッパパネル３１の前垂直壁４１と水平底壁４２に渡り閉断面４７の左側を形成する。図１８に示すように、湾曲部５４には、ダッシュボードアッパパネル３１の凹部５１の形状に沿った補強部材側凹部５６が形成されている。

　図５、図６に示すように、直線部５５は、鋼板をＬ字に折り曲げて補強部上壁６１ｂ及び補強部後壁６２ｂが形成され、補強部上壁６１ｂから上方に前端フランジ６３ｂが延びて、補強部後壁６２ｂから車体後方に後端フランジ６４ｂが延びている。なお、補強部上壁６１ｂ及び補強部後壁６２ｂの間に稜線６５ｂが形成される。また、湾曲部５４には、直線部５５同様に、補強部上壁６１ａ、補強部後壁６２ａ、前端フランジ６３ａ、後端フランジ６４ａ及び稜線６５ａが形成される。直線部５５は、湾曲部５４より薄板にて形成される。

　直線部５５は、湾曲部５４に連続的に、鋼板のプレス折り曲げ品でダッシュボードアッパパネル３１の前垂直壁４１と水平底壁４２に渡り閉断面４７の右側を形成する。

　図３に示すように、カウル補強部材４９の直線部５５とダッシュボードアッパパネル３１の後傾斜壁４３との間には、断面Ｕ字状のダッシュボードアッパパネル３１を補強するカウル開口補強部材（縦補強部材）６６が結合される。カウル補強部材４９の湾曲部５４とダッシュボードアッパパネル３１の後傾斜壁４３との間に、第１及び第２のワイパモータ取付ブラケット６７，６８が結合されている。

　第１及び第２のワイパモータ取付ブラケット６７，６８には、ウインドシールド２４を払拭するワイパモータ６９が取付けられる。すなわち、ダッシュボードアッパパネル３１の中央部では、カウル開口補強部材（縦補強部材）６６で、カウル補強部材４９の直線部５５とダッシュボードアッパパネル３１の後傾斜壁４３とを結合して、車体前後方向の強度を向上を図る。

　第１及び第２のワイパモータ取付ブラケット６７，６８で、カウル補強部材４９の湾曲部５４とダッシュボードアッパパネル３１の後傾斜壁４３とを結合して、前後方向の強度を向上させるとともに、カウル補強部材４９の湾曲部５４の補強もおこなう。

　図５に示すように、ウインドシールドロアサポート３２は、ウインドシールド２４の下端２４ａを支持する部材（フロントガラス下端支持部材）である。ウインドシールドロアサポート３２は、車体前方に向けて下方に傾斜させたウインドシールド支持面８１と、このウインドシールド支持面８１から車体後方に延ばしたウインドシールド上面８２と、このウインドシールド上面８２から車体後方に向けて斜め下方に延ばしたウインドシールド後面８３と、このウインドシールド後面８３から水平に延ばしたウインドシールド側フランジ８４からなる。

　ウインドシールドロアサポート３２には、車体中央部分においてダッシュボードアッパパネル３１側に補強のためのウインドシールドロアサポート補強ステー８６が設けられる。ウインドシールドロアサポート補強ステー８６は、ウインドシールド支持面８１に沿ったサポート側前フランジ８７と、このサポート側前フランジ８７から車体後方に向かい下方に延ばされたステー部８８と、このステー部８８から車体後方に延びたサポート側後フランジ８９を有する。

　ウインドシールドロアサポート補強ステー８６のサポート側後フランジ８９には、ウインドシールドロアサポート３２のウインドシールド側フランジ８４及びダッシュボードアッパパネル３１の後水平フランジ４６が結合される。

　図７に示すように、ダッシュボードロアパネル１８は、ダッシュボードロアパネル１８の上端１８ａに形成される斜めフランジ９３と、フロントピラー１９（図４）のフロントピラーインナパネル１９ａと接合する側縁フランジ９４を備える。斜めフランジ９３は、側縁フランジ９４と連続してダッシュボードロアパネル１８の角部１８ｃにＬ字状の防水壁９５を形成する。ダッシュボードアッパパネル３１からの水浸入を抑制し、ダッシュボードアッパパネル３１からの水浸入防止の信頼性を向上する。

　図４、図８及び図９に示すように、ダッシュボードロアパネル１８は、ダッシュボードアッパパネル３１まで連続的に第１及び第２のビード９６，９７が形成される。第１のビード９６は、ダッシュボードロアパネル１８側に形成されるロア側ビード９６ａと、ダッシュボードアッパパネル３１側に形成されるアッパ側ビード９６ｂからなる。同様に、第２のビード９７も、ロア側ビード９７ａと、アッパ側ビード９７ｂからなる。

　例えば、ダッシュボードロアパネル１８の前方は正面衝突時のエンジンルーム内車載部品の後退量を確保する必要があり、エンジンルームの後部はエアコンディショナ（エアコン装置）の設置スペースを確保する必要がある。従って、パネル振動を抑制する補強部材を設置するスペース確保が困難である。そこで、ダッシュボードアッパパネル（カウル部）３１からダッシュボードロアパネル１８に亘り連続的に第１及び第２のビード９６，９７を形成し、エアコンディショナの設置スペースを確保するとともに、ダッシュボードロアパネル１８のパネル振動を抑制する。

　次に、図１０（ａ），（ｂ）及び図１１（ａ），（ｂ）において、本発明に係る車体前部構造のカウルボックス２３のセット性の改善について説明する。

　図１０（ａ），（ｂ）及び図１１（ａ），（ｂ）に示すように、ダッシュボードアッパパネル３１を、車体上方からダッシュボードロアパネル１８及び左右のダンパハウジング２７に載置するときに、斜めフランジ９３に後傾斜壁４３を当接するとともに、前垂直壁４１及び前水平フランジ４５を、ダンパハウジング２７の後壁２７ｂ及び上壁２７ａにそれぞれ当接する。

　詳細には、図１０（ａ），（ｂ）に示すように、ダッシュボードアッパパネル３１と、ウインドシールドロアサポート３２と、カウルトップ３３（図５）と、カウル補強部材４９、ウインドシールドロアサポート補強ステー８６からなるカウルボックス２３（ダッシュボードアッパパネル３１）を、ダッシュボードロアパネル１８とダンパハウジング２７との上方から矢印ａ１，ａ２の如くセットする。

　図１１（ａ），（ｂ）において、カウルボックス２３を矢印ａ３，ａ４の如く下降させると、車幅方向の中央部では、図１１（ａ）に示すように、斜めフランジ９３が後傾斜壁４３に当接により、車体後方への移動が抑えられるとともに、矢印ａ５の如く車体前方への押し出す力が作用する。言い換えれば、重力による車体前方への付勢力が働く。

　車幅方向の端部では、図１１（ｂ）に示すように、前垂直壁４１及び前水平フランジ４５がダンパハウジング２７の後壁２７ｂ及び上壁２７ａに、それぞれ当接する。これにより、カウルボックス２３の車体前方への移動が矢印ａ６の如く抑えられ、カウルボックス２３は位置決めされる。

　ダッシュボードアッパパネル３１の下部に、中央から後上方に傾斜する後傾斜壁４３を備え、前方は水平底壁４２と前垂直壁４１および前水平フランジ４５を連続的に有し、ダッシュボードロアパネル１８の上端１８ａの斜めフランジ９３を後傾斜壁４３に当接し、前垂直壁４１と前水平フランジ４５をダンパハウジング２７の後壁２７ｂと上壁２７ａに当接することにより、ダッシュボードアッパパネル３１をダッシュボードロアパネル１８とダンパハウジング２７に上方からセットし、斜めフランジ９３を後傾斜壁４３に当接することにより後方への移動が抑えられるとともに前方への重力による付勢力が働き、前垂直壁４１と前水平フランジ４５をダンパハウジング２７の後壁２７ｂと上壁２７ａに当接することにより前方への移動が抑えられ位置決めされ、セット性が向上する。

　図１２において、本発明に係る車体前部構造のカウルボックス２３の溶接性の改善について説明する。ウインドシールドロアサポート３２及びダッシュボードアッパパネル３１は、カウル開口４４から挟み溶接ガンの一方９８を挿入し、後傾斜壁４３の背面４３ｂから挟み溶接ガンの他方９９を近接させ、後傾斜壁４３と斜めフランジ９３とを挟み込み溶接可能な形状に形成されている。

　すなわち、ダッシュボードアッパパネル３１の下部中央の後傾斜壁４３とダッシュボードロアパネル１８の上端１８ａの斜めフランジ９３とを当接し、ウインドシールドロアサポート３２とダッシュボードアッパパネル３１の開口４４から挟み溶接ガンの一方９８を挿入し、後傾斜壁４３の背面４３ｂから他方の挟み溶接ガン９９を近接させて、挟み込む溶接が可能となり、大量生産可能な挟み込み溶接の作業性も向上した。

　図１～図６に示すように、車体前部構造では、左右のフロントピラー１９に車幅方向端部１８ｂ，１８ｂが接合するダッシュボードロアパネル１８と、このダッシュボードロアパネル１８の上部に設けられるダッシュボードアッパパネル３１と、ダッシュボードロアパネル１８の前方に設けられる左右のダンパハウジング２７を備える。

　ダッシュボードアッパパネル３１は、車体上下方向に略垂直に延びた前垂直壁４１と、この前垂直壁４１の下端４１ｂから車体前後方向に略水平に延ばした水平底壁４２と、この水平底壁４２の後端４２ａから車体上方に向けて斜め車体後方に延ばした後傾斜壁４３を備える。ダッシュボードロアパネル１８は、垂直壁９１と、垂直壁９１（ダッシュボードロアパネル１８）の上端１８ａに形成された斜めフランジ９３を備える。

　例えば、走行時のダンパハウジング２７の内倒れにより、ダンパハウジング２７に振動が発生し、ダンパハウジング２７に結合されるダッシュボードアッパパネル（カウル部）３１に振動が伝達され、ダッシュボードアッパパネル（カウル部）３１からダッシュボードロアパネル１８に振動が達され、室内騒音の原因の一つとなる。

　そこで、ダッシュボードアッパパネル３１の後傾斜壁４３の下部４３ａに斜めフランジ９３を接合（結合）し、垂直壁９１でダッシュボードアッパパネル３１の車体前後方向の略中央を下方から支持し、ダッシュボードアッパパネル３１の支持性を高め、ダッシュボードアッパパネル３１の振動を低減するようにした。これにより、ダッシュボードアッパパネル３１からダッシュボードロアパネル１８に伝達される振動が減り、室内振動の低減を図ることができる。この結果、室内１２の静粛性の向上を図ることができる。

　車体前部構造では、ダッシュボードロアパネル３１は、フロントピラー１９のフロントピラーインナパネル１９ａと接合（結合）する側縁フランジ９４を備え、斜めフランジ９３が、側縁フランジ９４と連続してダッシュボードロアパネル１８の角部１８ｃ（図７）にＬ字状の防水壁９５を形成したので、ダッシュボードアッパパネル３１から室内１２への水の浸入を確実に防止することができる。

　車体前部構造では、ダッシュボードアッパパネル３１を、車体上方からダッシュボードロアパネル１８及び左右のダンパハウジング２７に載置するときに、斜めフランジ９３に後傾斜壁４３を当接するとともに、前垂直壁４１及び前垂直壁４１の上端４１ａから前方に延ばした前水平フランジ４５を、ダンパハウジング２７の後壁２７ｂ及び上壁２７ａにそれぞれ当接するようにした。

　すなわち、ダッシュボードアッパパネル３１を、ダッシュボードロアパネル１８及びダンパハウジング２７に上方からセットするときに、斜めフランジ９３を後傾斜壁４３に当接することにより後方への移動が抑えられるとともに前方への重力による付勢がおこなえ、前垂直壁４１及び前水平フランジ４５をダンパハウジング２７の後壁２７ｂ及び上壁２７ａに当接することにより前方への移動が抑えられ位置決めをおこなうことができる。この結果、ダッシュボードアッパパネル３１のセット性を向上することができる。

　車体前部構造では、ダッシュボードアッパパネル３１は、ウインドシールド２４を支持するウインドシールドロアサポート３２を備える。ダッシュボードアッパパネル３１とウインドシールドロアサポート３２とで前方上部に指向するカウル開口４４が形成される。

　ウインドシールドロアサポート３２及びダッシュボードアッパパネル３１が、開口４４から挟み溶接ガンの一方９８を挿入し、後傾斜壁４３の背面から挟み溶接ガンの他方９９を近接させ、後傾斜壁４３と斜めフランジ９３とを挟み込み溶接可能な形状に形成したので、ウインドシールドロアサポート３２及びダッシュボードアッパパネル３１を、大量生産可能な挟み込み溶接をすることができる。すなわち、車体前部の溶接の作業性も向上することができる。

　車体前部構造では、ダンパハウジング２７の下方に、車輪２９を覆うホイールハウス２８が設けられ、ダッシュボードアッパパネル３１の両端３１ｂ，３１ｂに、ダッシュボードロアパネル１８、ダンパハウジング２７及びホイールハウス２８により閉断面３４を形成したので、車体前部の剛性の向上を図ることができる。

　車体前部構造では、ダッシュボードロアパネル１８に、ダッシュボードアッパパネル３１まで連続するビード９６，９７が形成される。例えば、ダッシュボードロアパネル１８の前方には前突時のエンジンルーム内車載部品の後退量を確保する必要があり、その後方はエアコンディショナ（エアコン装置）の室内側部品の設置スペースを確保する必要があるので、パネル振動を抑制する補強部材を設置するスペース確保が困難である。そこで、ダッシュボードロアパネル１８に、ダッシュボードアッパパネル３１まで連続するビード９６，９７が形成されたので、前突時のエンジンルーム１３内車載部品の後退量や、エアコン装置の室内側部品の設置スペースを確保しつつ、ダッシュボードロアパネル１８の振動の抑制をすることができる。

　図１４、図１５に示すように、湾曲部５４は、鋼板をＬ字状に折り曲げて補強部上壁６１ａ及び補強部後壁６２ａが形成されている。湾曲部５４の前端フランジ６３ａは、補強部上壁６１ａから上方に向けて延びて前垂直壁４１に接合されている。後端フランジ６４ａは、補強部後壁６２ａから車体後部方向に向けて延びて水平底壁４２の上方***部４２に接合されている。補強部上壁６１ａおよび補強部後壁６２ａの間には、稜線６５ａが形成されている。

　図１６～図１８に示すように、直線部５５は、鋼板をＬ字に折り曲げて形成された補強部上壁６１ｂ及び補強部後壁６２ｂを有する。直線部５５の前端フランジ６３ｂは、補強部上壁６１ｂから上方に向けて延びて前垂直壁４１に接合されている。後端フランジ６４ｂは、補強部後壁６２ｂから車体後部方向に向けて延びて水平底壁４２の上方***部４２ｃ（図１５）に接合されている。このように、直線部５５は、上方***部４２ｃに結合することにより強度及び剛性が向上する。補強部上壁６１ｂ及び補強部後壁６２ｂの間に稜線６５ｂが形成される。

　カウル補強部材４９の直線部５５は、補強部材側凹部５６がないので、薄板の鋼板が用いられ軽量化が図られる。すなわち、直線部５５は、湾曲部５４よりも薄板にて形成される。直線部５５は、湾曲部５４に連続的に、鋼板のプレス折り曲げ品でダッシュボードアッパパネル３１の前垂直壁４１と水平底壁４２に亘って閉断面４７（図１５）の右側部分を形成する。

　すなわち、カウル補強部材４９の湾曲部５４は、ダッシュボードアッパパネル３１の上方向き凹部５１の形成部分に、補強部材側凹部５６があるので、鋼板の板厚を厚くした厚板鋼板にして強度及び剛性を直線部５５と同等とした。

　すなわち、カウル補強部材４９は、鋼板をＬ字状に折り曲げて補強部上壁６１ａ，６１ｂ及び補強部後壁６２ａ，６２ｂが形成されている。補強部上壁６１ａ，６１ｂから前端フランジ６３ａ，６３ｂが延び、補強部後壁６２ａ，６２ｂから後端フランジ６４ａ，４６ｂが延ばされ、前端フランジ６３ａ，６３ｂが前垂直壁４１に接合され、後端フランジ６４ａ，６４ｂが水平底壁４２に接合され、閉断面４７が形成されている。

　図３、図１４、図１５に示すように、カウル補強部材４９の車幅方向における両端部５４ａ，５５ａは、左右のスチフナ５７，５８を介してダンパハウジング２７の上壁２７ａに結合する。すなわち、車体の剛性向上のために（ボディ剛性のために）、左右のスチフナ５７，５８が追加される。

　図３、図１７及び図１８に示すように、カウル補強部材４９の直線部５５と、ダッシュボードアッパパネル３１の後傾斜壁４３との間には、ダッシュボードアッパパネル３１の略Ｕ字断面を補強するカウル開口補強部材（縦補強部材）６６が結合されている。カウル補強部材４９の湾曲部５４とダッシュボードアッパパネル３１の後傾斜壁４３との間に、第１及び第２のワイパ取付ブラケット（第１及び第２のワイパモータ取付ブラケット）６７，６８が結合されている。

　第１及び第２のワイパ取付ブラケット６７，６８には、ウインドシールド２４（図１）を払拭するワイパ装置（不図示）の構成部品であるワイパモータ６９（図３）が取付けられている。すなわち、ダッシュボードアッパパネル３１の中央部では、カウル開口補強部材（縦補強部材）６６で、カウル補強部材４９の直線部５５とダッシュボードアッパパネル３１の後傾斜壁４３とを結合して、車体前後方向の強度を向上を図る。

　第１及び第２のワイパ取付ブラケット６７，６８で、カウル補強部材４９の湾曲部５４とダッシュボードアッパパネル３１の後傾斜壁４３とを結合して、前後方向の強度を向上させるるとともに、カウル補強部材４９の湾曲部５４の補強もおこなう。これにより、湾曲部５４の板厚を減少することもできる。

　図１４、図１５及び図１９～図２３に示すように、左のスチフナ５７は、略水平に延びたスチフナ本体部７１と、このスチフナ本体部７１の車体前方に形成されるスチフナ前フランジ７２と、スチフナ本体部７１の車体後方に形成されるスチフナ後フランジ７３と、スチフナ本体部７１の車体外方に形成されるハウジング結合部７４からなる。

　ここでは、車体左側（車体一方側）の結合状態を説明する。左のスチフナ５７のダッシュボードアッパパネル３１の上方向き凹部５１の近傍では、左スチフナのスチフナ前フランジ７２と、カウル補強部材４９の湾曲部５４における前端フランジ６３ａが、ダッシュボードアッパパネル３１の前垂直壁４１を挟んで溶接される。

　また、図１５に示すように、左のスチフナ５７のハウジング結合部７４は、ダンパハウジング２７の上壁２７ａに結合される。左のスチフナ５７は、カウル補強部材４９の湾曲部５４とダッシュボードアッパパネル３１が形成する閉断面４７を、強度剛性の高いダンパハウジング２７の上壁２７ａに結合する部材である。すなわち、ダッシュボードアッパパネル３１を剛性の高い構造とすることができる。

　図２２に示すように、右のスチフナ５８は、スチフナ本体部７６と、スチフナ前フランジ７７と、スチフナ後フランジ７８（図２１）と、ハウジング結合部７９からなり、車体右側（車体他方側）のカウル補強部材４９の直線部５５も、左のスチフナ５７と同様の構造（結合状態）である。図１６に示すように、カウル補強部材４９の直線部５５も、右のスチフナ５８が設けられ、車体の剛性が向上されている（ボディ剛性が向上されている）。

　ウインドシールドロアサポート３２は、図５に示すように、ウインドシールド２４の下端２４ａを支持する部材（フロントガラス下端支持部材）である。ウインドシールドロアサポート３２は、車体前方に向けて下方に傾斜したウインドシールド支持面８１と、このウインドシールド支持面８１から車体後方に延びたウインドシールド上面８２と、このウインドシールド上面８２から車体後方に向けて斜め下方に延びたウインドシールド後面８３と、このウインドシールド後面８３から水平に延びたウインドシールド側フランジ８４からなる。

　ウインドシールドロアサポート３２は、車体中央部分においてダッシュボードアッパパネル３１側に補強のためのウインドシールドロアサポート補強ステー８６が設けられる。ウインドシールドロアサポート補強ステー８６は、ウインドシールド支持面８１に沿ったサポート側前フランジ８７と、このサポート側前フランジ８７から車体後方に向かい下方に延びたステー部８８と、このステー部８８から車体後方に延びたサポート側後フランジ８９からなる。

　ウインドシールドロアサポート３２、ウインドシールドロアサポート補強ステー８６及びダッシュボードアッパパネル３１は、サポート側後フランジ８９、ウインドシールド側フランジ８４及びアッパ側後フランジ４６が結合される。

　図２４に示すように、本発明に係る車両のカウル構造は、カウルボックス（空間部）２３の車幅方向中央では、ウインドシールドロアサポート３２の前後長さＬ１と、ウインドシールドロアサポート３２の上端３２ａからダッシュボードアッパパネル３１の下端３１ａまでの高さＨ１とが略同一に設定される。すなわち、カウルボックス２３には、ウインドシールドロアサポート３２の前後長さＬ１と略同じ高さＨ１の凹部が形成される。これにより、エンジンルーム１３側への突出量を減少させメンテナンス性を向上させる。さらに、室内スペースの拡大を図るようにした。図中Ｓ１は、室内スペース拡大部分を示す。

　さらに、上下に凹部２３を形成することで、大きな外気導入路３９を形成し、十分なエアコン吸入量を得るようにした。また、カウル補強部材４９を、鋼板をＬ字状に折り曲げて簡素な構造に形成して生産性を向上できる構造としている。カウル補強部材４９とダッシュボードアッパパネル３１の前垂直壁４１及び水平底壁４２とで車幅方向に延びる閉断面４７を形成して車体剛性を向上させるようにした。

　車両のカウル構造では、ダッシュボードロアパネル１８の上部に設けられたダッシュボードアッパパネル３１と、このダッシュボードアッパパネル３１の上部後方に設けられ、ウインドシールド２４を支持するウインドシールドロアサポート３２と、ダッシュボードアッパパネル３１の上部前方に設けられるカウルトップ３３で車幅方向に延びる空間部を有するカウルボックス２３が形成される。

　ダッシュボードアッパパネル３１は、車体上下方向に延ばした前垂直壁４１と、この前垂直壁４１の下端４１ｂから車体後方向に延ばした水平底壁４２と、この水平底壁４２の後端４２ａから車体上方に向けて斜め車体後方に延ばした後傾斜壁４３とで略Ｕ字断面に形成される。カウルボックス２３の空間部内に且つ前垂直壁４１と水平底壁４２の前部４２ｂとの間に、車幅方向に延びる閉断面４７を形成するカウル補強部材４９が設けられているので、車幅方向の車体剛性の向上を図ることができる。さらに、カウル補強部材４９を簡素な形状とすることができ生産性が向上する。

　車体上方に向けて斜め車体後方に延ばした後傾斜壁４３に沿ってダッシュボードロアパネル１８の上縁１８ａを接合するので、ダッシュボードロアパネル１８のエンジンルーム１３側への突出量を減少させることができ、エンジンルーム１３のメンテナンス性を向上することができる。さらに、車室１２内スペースも拡大することができる。

　さらに、カウルボックス２３の車幅方向中央では、ウインドシールドロアサポート３２の前後長さＬ１と、ウインドシールドロアサポート３２の上端３２ａからダッシュボードアッパパネル３１の下端３１ａまでの高さＨ１とを略同一に設定したので、上下に凹部を形成することができる。この結果、エアコンディショナー（不図示）への空気の十分な吸入量を確保することができる。

　図２に示すように、ダッシュボードロアパネル１８には、ブレーキマスタシリンダ３６（図２）を取付けるブレーキマスタシリンダ取付部３７が形成される。ダッシュボードアッパパネル３１は、ブレーキマスタシリンダ取付部３７の上方で、水平底壁４２が上方に向けて凹むよう形成された凹部５１を有する。

　図３に示すように、カウル補強部材４９は、ブレーキマスタシリンダ取付部３７の上方に形成され且つ正面視で上方に向け湾曲して形成される湾曲部５４と、車幅方向にてブレーキマスタシリンダ取付部３７の近傍から外れた部位に形成され且つ正面視で直線的に形成される直線部５５とに分割される。直線部５５は、湾曲部５４より剛性及び強度が高いので薄板にて形成可能となり、車体の軽量化を図ることができる。

　図１７及び図２４に示すように、カウル補強部材４９は、鋼板をＬ字状に折り曲げて補強部上壁６１ａ，６１ｂ及び補強部後壁６２ａ，６２ｂが形成され、補強部上壁６１ａ，６１ｂから前端フランジ６３ａ，６３ｂが延び、補強部後壁６２ａ，６２ｂから後端フランジ６４ａ，６４ｂが延ばされ、前端フランジ６３ａ，６３ｂが前垂直壁４１に接合され、後端フランジ６４ａ，６４ｂが水平底壁４２に結合され、閉断面４７が形成される。

　すなわち、補強部上壁６１ａ，６１ｂ及び補強部後壁６２ａ，６２ｂの角部（稜線６５ａ，６５ｂ）を有効に利用して、単純な形状と少ない材料でダッシュボードアッパパネル３１の強度及び剛性を増す閉断面４７を形成することができる。この結果、軽量化が一層向上し、安価に強度及び剛性も向上する。

　図３に示すように、車両のカウル構造では、ダッシュボードロアパネル１８の前方にダンパユニット３８を支持する左右のダンパハウジング２７が設けられる。カウル補強部材４９の車幅方向における両端部５４ａ，５５ａは、ダッシュボードアッパパネル３１の前垂直壁４１に結合するスチフナ５７，５８に結合し、スチフナ５７，５８を介してダンパハウジング２７の上壁２７ａに結合するので、車体剛性が向上する。さらに、ダンパハウジング２７に結合するために、ダッシュボードアッパパネル３１は両端をダンパハウジング２７の上壁２７ａへ向け前方に折り曲げる必要がないので、ダッシュボードアッパパネル３１自体の強度及び剛性の低下を抑制でき、製造も容易となる。

　図３及び図１７に示すように、カウル補強部材４９の直線部５５とダッシュボードアッパパネル３１の後壁４３との間に、断面略Ｕ字形状をしたカウル開口補強部材６６が結合されているので、ダッシュボードアッパパネル３１の車体前後方向の強度を向上することができる。

　車両のカウル構造では、カウル補強部材４９の湾曲部５４とダッシュボードアッパパネル３１の後壁４３との間に、ウインドシールド２４を払拭するワイパモータ６９が取付けられるワイパ取付ブラケット６７，６８が結合されているので、ダッシュボードアッパパネル３１の車体前後方向の強度を向上させるととともに、カウル補強部材４９の湾曲部５４の補強も兼ねることができる。これにより、カウル補強部材４９の板厚を減少することも期待できる。

　図４に示すように、ダッシュボードロアパネル１８は、室内１２側で車幅方向に延びるダッシュボードクロスメンバ３５と、ブレーキマスタシリンダ３６（図２）を取付けるブレーキマスタシリンダ取付部（ブレーキマスタシリンダ補強板）３７とを備えている。車体１１の一方側（左側）には、アクセルペダル１０２を支持するアクセルペダルブラケット１０３と、ステアリングシャフト１０４をカバーするステアリングシャフトジョイントカバー１０５が設けられている。

　さらに、ダッシュボードロアパネル１８には、ダッシュボードロアパネル１８の上端１８ａ（図５）に形成される斜めフランジ９３と、フロントピラー１９のフロントピラーインナパネル１９ａと接合する側縁フランジ９４と、左右のホイールハウス２８（図１）の後部とで形成されるホイールハウス部１０１が形成されている。

　ホイールハウス部１０１は、ダッシュボードロアパネル１８を、室内１２側に膨出させて湾曲形状にすることにより剛性が向上するよう形成されている。ホイールハウス部１０１は、ホイールハウス２８の後部でもって構成される。

　図２５及び図２６に示すように、ダッシュボードクロスメンバ３５は、上壁１０６、底壁１０７及び下壁１０８でもって断面Ｕ字状に形成されている。ダッシュボードクロスメンバ３５は、上壁１０６から上方に延びる上フランジ１０６ａと、下壁１０８から下方に延びる下フランジ１０８ａを有する。上フランジ１０６ａの第１結合部１０６ｂ及び下フランジ１０８ａの第２結合部１０８ｂは、ホイールハウス２８に結合される。

　詳しくは、図２９、図３２に示されているように、ダッシュボードクロスメンバ３５の一方の端部（左の端部）３５ａにアクセルペダルブラケット１０３の右端部１０３ａが結合され、アクセルペダルブラケット１０３の上左端部１０３ｂが第３結合部１０９ａでブレーキマスタシリンダ取付部３７に結合され、アクセルペダルブラケット１０３の下左端部１０３ｃが第４結合部１０９ｂでステアリングシャフトジョイントカバー１０５に結合されている。ブレーキマスタシリンダ取付部３７は第５結合部１０９ｃでもって左のホイールハウス２８に結合される。

　このように、ダッシュボードクロスメンバ３５は、一方の端部（左の端部）３５ａをアクセルペダルブラケット１０３及びブレーキマスタシリンダ取付部３７を介して左右のホイールハウス２８の一方（左のホイールハウス２８）と結合する。

　図３０、図３１に示すように、ダッシュボードクロスメンバ３５は、他方の端部（右の端部）３５ｂを右のホイールハウス部１０１（左右のホイールハウス部１０１の他方）にも結合している。さらに、図２６に示すように、ダッシュボードクロスメンバ３５は、ダッシュボードロアパネル１８とで閉断面５９を構成するとともに、ダッシュボードロアパネル１８を挟んで右のホイールハウス２８（左右のホイールハウス２８の他方）に結合する。

　すなわち、ダッシュボードクロスメンバ３５とホイールハウス２８とでダッシュボードロアパネル１８を挟んで結合することにより、ダンパハウジング２７からホイールハウス２８を介してダッシュボードロアパネル１８に伝達される振動を、ダッシュボードロアパネル１８とダッシュボードクロスメンバ３５とで形成される閉断面５９で減衰して、ダッシュボードロアパネル１８の振動を抑制し、車室内騒音を低減を図るようにした。

　さらに、ダッシュボードクロスメンバ３５を、ダッシュボードロアパネル１８の湾曲形状により剛性を高めたホイールハウス部１０１に結合することにより、フロントピラー１９まで延長する必要がなくなり、車体１１を軽量化するとともに、ホイールハウス部１０１を強化した。

　図３２に示すように、ダッシュボードクロスメンバ３５は、一方の端部３５ａをアクセルペダルブラケット１０３、ブレーキマスタシリンダ取付部（補強板）３７を介して左のホイールハウス２８（ホイールハウス２８の一方）と結合することにより、フロントピラー１９まで延長することが必要なくなり、車体１１を軽量化できる。

　図１及び図２５～図３２に示されたように、車体前部構造は、車体１１を前後方向に仕切るダッシュボードロアパネル１８と、このダッシュボードロアパネル１８のエンジンルーム１３側に設けられる左右のホイールハウス２８と、ダッシュボードロアパネル１８の前方に設けられるダンパハウジング２７を備える。

　ダッシュボードロアパネル１８には、室内１２側で車幅方向に延びるダッシュボードクロスメンバ３５が設けられ、ダッシュボードクロスメンバ３５が、ダッシュボードロアパネル１８とで閉断面５９を形成したので、ダンパハウジング２７からホイールハウス２８を介してダッシュボードロアパネル１８に伝達される振動を、ダッシュボードクロスメンバ３５とダッシュボードロアパネル１８とで形成される閉断面５９でもって減衰することができる。さらに、ダッシュボードクロスメンバ３５とホイールハウス２８とでダッシュボードロアパネル１８を挟むようにしてダッシュボードクロスメンバ３５をホイールハウス２８に結合したので、ホイールハウス２８の振動自体を抑制することができる。すなわち、ホイールハウス２８からダッシュボードロアパネル１８へ振動伝達を抑制して室内騒音の低減を図ることができる。この結果、室内１２を静粛化することができる。

　ダッシュボードロアパネル１８は、室内１２側に膨出させて湾曲形状にすることにより剛性を高められている。左右のホイールハウス２８の後部には、それぞれ形成されるホイールハウス部１０１が設けられる。このように、ダッシュボードクロスメンバ３５は、剛性の高いホイールハウス部１０１に結合されているので、例えば、ダッシュボードクロスメンバ３５をフロントピラー１９まで延長してフロントピラー１９に結合しなくても、車体前部に所定の強度及び剛性を確保することができる。この結果、ダッシュボードクロスメンバ３５を短縮して車体前部の軽量化を図ることができるとともに、ホイールハウス部１０１自体の剛性を高め強化できる。

　ダッシュボードロアパネル１８には、車体１１の一方側（左側）に、アクセルペダル１０２を支持するアクセルペダルブラケット１０３と、ブレーキマスタシリンダ３６が取付けられるブレーキマスタシリンダ取付部３７が設けられる。ダッシュボードクロスメンバ３５は、一方の端部（左の端部）３５ａをアクセルペダルブラケット１０３及びブレーキマスタシリンダ取付部３７の少なくとも一方を介して左右のホイールハウス２８の一方（左のホイールハウス２８）と結合するようにしたので、ダッシュボードクロスメンバ３５を更に短縮して、軽量化を図ることができる。

　図３３～図３５は、他の実施例を示している。この実施例による車両１１０は、車体１１１の前部に、車体前後方向に延ばされた左右のフロントサイドフレーム１１５（一方不図示）と、車体１１１を前後方向に仕切るダッシュボードロアパネル１１８と、ダッシュボードロアパネル１１８の上部に設けられるダッシュボードアッパパネル１３１（図３５）と、ダッシュボードロアパネル１１８のエンジンルーム１１３側に設けられる左右のホイールハウス１２８と、ダッシュボードロアパネル１１８の側方に設けられるフロントピラー１１９を備える。車両１１０は、右ハンドルの車両である。

　ダッシュボードロアパネル１１８は、室内１１２側で車幅方向に延びるダッシュボードクロスメンバ１３５と、ブレーキマスタシリンダ１３６が取付けられるブレーキマスタシリンダ補強板（ブレーキマスタシリンダ取付部）１３７と、車載取付部品１２９を支持する支持ブラケット１２７（図１７）と、アクセルペダル（不図示）を支持するアクセルペダルブラケット１２６と、ステアリングシャフト１２４をカバーするステアリングシャフトジョイントカバー１２５と、を備えている。ダッシュボードロアパネル１１８には、左右のホイールハウス１２８の後部がそれぞれ形成されるホイールハウス部１２１を備えている。

　アクセルペダルブラケット１２６、ブレーキマスタシリンダ取付部１３７、ステアリングシャフトジョイントカバー１２５、支持ブラケット１２７は、車体１１１の他方側（右側）に設けられる。車載取付部品１２９は、具体的にはフットパーキングペダルである。

　ダッシュボードクロスメンバ１３５は、ダッシュボードアッパパネル１３１に支持ブラケット１２７を介して連結されている。支持ブラケット１２７は、図３５に示すように、ダッシュボードクロスメンバ１３５に結合する第１及び第２ブラケット結合部１２７ａ，１２７ｂと、ダッシュボードロアパネル１１８に結合する第３ブラケット結合部１２７ｃと、ダッシュボードアッパパネル１３１に結合する第４ブラケット結合部１２７ｄとを有する。

　つまり、ダッシュボードクロスメンバ１３５は、フットパーキングペダル（車載取付部品）１２９を支持する支持ブラケット１２７によってダッシュボードアッパパネル１３１に連結されることで強度が増す。

　図３３に示すように、ダッシュボードクロスメンバ１３５は、一方側（左側）に設けられるストレート部１３８と、他方側（右側）に設けられる曲線部１３９とを有する。ダッシュボードクロスメンバ１３５は、一方の端部（左の端部）１３５ａがダッシュボードロアパネル１１８を介して左右のホイールハウス１２８の一方（左のホイールハウス１２８）に結合する。また、一方の端部（左の端部）１３５ａは、（左右のホイールハウス部１２１の一方）にも結合している。

　図３４に示すように、ダッシュボードクロスメンバ１３５の他方の端部（右の端部）１３５ｂは、ブレーキマスタシリンダ取付部１３７を介して左右のホイールハウス１２８の他方（右のホイールハウス１２８）に結合している。

　詳しくは、ダッシュボードクロスメンバ１３５の曲線部１３９は、クロスメンバ側結合部１２２ａでステアリングシャフトジョイントカバー１２５に結合され、ダッシュボードクロスメンバ１３５の他方の端部（右の端部）１３５ｂは、ブレーキマスタシリンダ取付部１３７に結合されている。ブレーキマスタシリンダ取付部１３７は、アクセルペダルブラケット１２６及びホイールハウス１２８にアクセル側結合部１２２ｂで結合されている。

　すなわち、ダッシュボードクロスメンバ１３５は、他方の端部（右の端部）１３５ｂをブレーキマスタシリンダ取付部１３７を介して右のホイールハウス１２８に結合され、フロントピラー１１９まで延長することなく、車体剛性の向上を図るようにした。

　図３３～図３５に示すように、上記他の実施例による車体前部構造では、ダッシュボードロアパネル１１８は、車体１１１の他方側にブレーキマスタシリンダ１３６が取付けられるブレーキマスタシリンダ取付部１３７が設けられる。ダッシュボードクロスメンバ１３５の一方の端部（左の端部）１３５ａが左右のホイールハウス１２８の一方（左のホイールハウス１２８）に結合するときに、他方の端部（右の端部）１３５ｂは、ブレーキマスタシリンダ取付部１３７を介して左右のホイールハウス１２８の他方（右のホイールハウス１２８）に結合されているので、ダッシュボードクロスメンバ１３５における他方の端部（右の端部）１３５ｂは、フロントピラー１１９まで延長することが必要なくなり、軽量化を一層推進することができる。

　ダッシュボードロアパネル１１８は、ダッシュボードロアパネル１１８の上部に設けられたダッシュボードアッパパネル１３１と、フットパーキングペダル（車載取付部品）１２９を支持する支持ブラケット１２７とを備える。ダッシュボードクロスメンバ１３５は、支持ブラケット１２７を介してダッシュボードアッパパネル１３１に連結されているので、ダッシュボードクロスメンバ１３５は、支持ブラケット１２７で補強される。これにより、ダッシュボードクロスメンバ１３５の板厚を薄くすることができ、前部車体の軽量化を図ることができる。

　他の実施例による車体前部構造においては、図１５に示すように、車載取付部品１２９は、フットパーキングペダルであったが、これに限るものではなく、ステアリングを支持するステアリングハンガ等であってもよい。

　図３２に示すように、ダッシュボードクロスメンバ３５は、一方の端部（左の端部）３５ａをアクセルペダルブラケット１０３及びブレーキマスタシリンダ取付部３７を介して左右のホイールハウス２８の一方（左のホイールハウス２８）と結合したが、これに限るものではなく、ダッシュボードクロスメンバ３５が、一方の端部（左の端部）３５ａをアクセルペダルブラケット１０３及びブレーキマスタシリンダ取付部３７の少なくとも一方を介して左右のホイールハウス２８の一方（左のホイールハウス２８）と結合したものであってもよい。これにより、ダッシュボードクロスメンバ３５を更に短縮して、軽量化を図ることができる。

　本発明に係る車体前部構造は、図１に示すように、車両１０は左ハンドルの車両であったが、右ハンドルの車両の場合は車体１１の左右の構成を入れ換えることを妨げるものではない。

　本発明に係る車体前部構造は、セダンやワゴンなどの乗用車に採用するのに好適である。

　１１…車体、１２…室内、１３…エンジンルーム、１８…ダッシュボードロアパネル、１８ａ…ダッシュボードロアパネルの上端、１８ｂ…ダッシュボードロアパネルの車幅方向端部、１８ｃ…ダッシュボードロアパネルの角部、１９…フロントピラー、１９ａ…フロントピラーインナパネル、２３…カウルボックス（空間部）、２４…ウインドシールド、２７…ダンパハウジング、２７ａ…ダンパハウジングの上壁、２７ｂ…ダンパハウジングの後壁、２８…左右のホイールハウス、２９…車輪、３１…ダッシュボードアッパパネル、３１ａ…ダッシュボードアッパパネルの下端、３１ｂ…ダッシュボードアッパパネルの両端、３２…ウインドシールドロアサポート、３２ａ…ウインドシールドロアサポートの上端、３３…カウルトップ、３４…閉断面、３５…ダッシュボードクロスメンバ、３５ａ…一方の端部、３５ｂ…他方の端部、３６…ブレーキマスタシリンダ、３７…ブレーキマスタシリンダ補強板（ブレーキマスタシリンダ取付部）、３８…ダンパユニット、４１…前垂直壁（前壁）、４１ｂ…前垂直壁の下端、４２…水平底壁（底壁）、４２ａ…水平底壁の後端、４３…後傾斜壁（後壁）、４３ａ…後傾斜壁の下部、４３ｂ…後傾斜壁の背面、４４…開口（カウル開口）、４５…前水平フランジ（アッパ側前フランジ）、４６…後水平フランジ（アッパ側後フランジ）、４７…閉断面、４９…カウル補強部材、５１…凹部、５４…湾曲部、５４ａ…カウル補強部材の両端部、５５直線部、５５ａ…カウル補強部材の両端部、５７，５８…左右のスチフナ、５９…閉断面、６１ａ，６１ｂ…補強部上壁、６２ａ，６２ｂ…補強部後壁、６３ａ，６３ｂ…前端フランジ、６４ａ，６４ｂ…後端フランジ、６７，６８…第１及び第２のワイパ取付ブラケット、６９…ワイパモータ、９３…斜めフランジ、９４…側縁フランジ、９５…Ｌ字状の防水壁、９６，９７…第１及び第２のビード、９８…挟み溶接ガンの一方、９９…挟み溶接ガンの他方、Ｌ１…ウインドシールドロアサポートの前後長さ、Ｈ１…ダッシュボードアッパパネルの上端から下端までの高さ、１０１…ホイールハウス部、１０２…アクセルペダル、１０３…アクセルペダルブラケット、１１１…車体、１１８…ダッシュボードロアパネル、１２７…支持ブラケット、１２８…左右のホイールハウス、１２９…車載取付部品（フットパーキングペダル）、１３１…ダッシュボードアッパパネル、１３５…ダッシュボードクロスメンバ、１３５ａ…一方の端部（左の端部）、１３５ｂ…他方の端部（右の端部）、１３６…ブレーキマスタシリンダ、１３７…ブレーキマスタシリンダ補強板。

Claims

　左右のフロントピラーに車幅方向端部が接合するダッシュボードロアパネルと、前記ダッシュボードロアパネルの上部に設けられたダッシュボードアッパパネルと、前記ダッシュボードロアパネルの前方に設けられた左右のダンパハウジングとを備えている車体前部構造であって、
　前記ダッシュボードアッパパネルは、
　車体上下方向に略垂直に延ばした前垂直壁と、
　この前垂直壁の下端から車体前後方向に略水平に延びた水平底壁と、
　前記水平底壁の後端から車体上方に向けて斜め車体後方に延びた後傾斜壁と、を備え、
　前記ダッシュボードロアパネルは、
　垂直壁と、
　前記垂直壁の上端に形成された斜めフランジと、を備え、
　前記後傾斜壁の下部に前記斜めフランジを接合し、前記垂直壁でもって前記ダッシュボードアッパパネルの車体前後方向の略中央を下方から支持することを特徴とする車体前部構造。
　前記ダッシュボードロアパネルは、前記フロントピラーのフロントピラーインナパネルと接合する側縁フランジを備え、
　前記斜めフランジは、前記側縁フランジと連続して前記ダッシュボードロアパネルの角部にＬ字状の防水壁を形成している、請求項１に記載の車体前部構造。
　前記ダッシュボードアッパパネルは、車体上方から前記ダッシュボードロアパネル及び前記左右のダンパハウジングに載置するときに、前記斜めフランジに前記後傾斜壁を当接するとともに、前記前垂直壁の上端から前方に延ばした前水平フランジを、前記ダンパハウジングの後壁及び上壁にそれぞれ当接するようにした、請求項１に記載の車体前部構造。
　前記ダッシュボードアッパパネルは、ウインドシールドを支持するウインドシールドロアサポートを備え、前記ダッシュボードアッパパネルと前記ウインドシールドロアサポートとで前方上部に向く開口が形成され、前記ウインドシールドロアサポート及び前記ダッシュボードアッパパネルは、前記開口から挟み溶接ガンの一方を挿入し、前記後傾斜壁の背面から挟み溶接ガンの他方を近接させ、前記後傾斜壁と前記斜めフランジとを挟み込み溶接可能な形状に形成されている、請求項１に記載の車体前部構造。
　前記ダンパハウジングの下方に、車輪を覆うホイールハウスが設けられ、前記ダッシュボードアッパパネルの両端は、前記ダッシュボードロアパネル、前記ダンパハウジング及び前記ホイールハウスにより閉断面を形成している、請求項１に記載の車体前部構造。
　前記ダッシュボードアッパパネルの上部前方に設けられたカウルトップで車幅方向に延びるよう形成された空間部内に、前記前垂直壁と前記水平底壁の前部とで車幅方向に延びる閉断面が形成されるカウル補強部材が設けられ、車体上方に向けて斜め車体後方に延びた前記後傾斜壁に沿って前記ダッシュボードロアパネルの上縁が接合されている、請求項１に記載の車体前部構造。
　前記ダッシュボードロアパネルは、ブレーキマスタシリンダを取付けるブレーキマスタシリンダ取付部を有し、前記ダッシュボードアッパパネルは、前記ブレーキマスタシリンダ取付部の上方で、前記水平底壁が上方に向けて凹むよう形成された凹部を有し、前記カウル補強部材は、前記ブレーキマスタシリンダ取付部の上方に形成され且つ上方に向けて湾曲するよう形成された湾曲部と、車幅方向において前記ブレーキマスタシリンダ取付部から離れた部位に形成され且つ直線的に形成された直線部とに分割され、前記直線部は、前記湾曲部よりも薄板にて形成されている、請求項６に記載の車体前部構造。
　前記カウル補強部材は、鋼板をＬ字状に折り曲げて補強部上壁及び補強部後壁が形成され、前記補強部上壁から前端フランジが延び、前記補強部後壁から後端フランジが延び、前記前端フランジは前記前垂直壁に結合され、前記後端フランジは前記水平底壁に結合され、前記閉断面が形成される、請求項６に記載の車体前部構造。
　前記ダッシュボードロアパネルの前方には、ダンパユニットを支持する左右のダンパハウジングが設けられ、前記カウル補強部材の車幅方向における両端部は、前記ダッシュボードアッパパネルの前記前垂直壁に結合するスチフナに結合し、前記スチフナを介して前記ダンパハウジングの上壁に結合する、請求項６に記載の車体前部構造。
　前記カウル補強部材の前記直線部と前記ダッシュボードアッパパネルの前記後傾斜壁との間に、断面Ｕ字状の前記ダッシュボードアッパパネルを補強するカウル開口補強部材が結合されている、請求項７に記載の車体前部構造。
　前記カウル補強部材の前記湾曲部と前記ダッシュボードアッパパネルの前記後傾斜壁との間に、ワイパモータが取付けられるワイパ取付ブラケットが結合されている、請求項７に記載の車体前部構造。
　前記ダッシュボードロアパネルは、室内側で車幅方向に延びるよう設けられたダッシュボードクロスメンバを備え、前記ダッシュボードクロスメンバと前記ダッシュボードロアパネルとで閉断面が形成され、前記ダッシュボードロアパネルを挟んで前記ダッシュボードクロスメンバは前記ダッシュボードロアパネルのエンジンルーム側に設けられた左右のホイールハウスに結合されている、請求項１に記載の車体前部構造。
　前記ダッシュボードロアパネルは、前記室内側に膨出させて湾曲形状にすることにより剛性を高められ、且つ前記左右のホイールハウスの後部を形成するホイールハウス部を有しており、前記ダッシュボードクロスメンバは、前記ホイールハウス部に結合する、請求項１２に記載の車体前部構造。
　前記ダッシュボードロアパネルは、前記車体の一方側に、アクセルペダルを支持するアクセルペダルブラケットと、ブレーキマスタシリンダが取付けられるブレーキマスタシリンダ取付部とを備えており、前記ダッシュボードクロスメンバは、一方の端部を前記アクセルペダルブラケット及び前記ブレーキマスタシリンダ取付部の少なくとも一方を介して前記左右のホイールハウスの一方に結合する、請求項１２に記載の車体前部構造。
　前記ダッシュボードロアパネルは、前記車体の他方側にブレーキマスタシリンダが取付けられるブレーキマスタシリンダ取付部を備えており、前記ダッシュボードクロスメンバは、前記ダッシュボードクロスメンバの一方の端部が前記左右のホイールハウスの一方に結合するときに、他方の端部を前記ブレーキマスタシリンダ取付部を介して前記左右のホイールハウスの他方と結合する、請求項１２に車体前部構造。
　前記ダッシュボードロアパネルは、ステアリングハンガやフットパーキングペダルを含む車載取付部品を支持する支持ブラケットを備え、前記ダッシュボードクロスメンバは、前記ダッシュボードアッパパネルに前記支持ブラケットを介して連結されている、請求項１２に記載の車体前部構造。