WO2011078184A1 - 微生物触媒を用いたアクリルアミドの製造方法 - Google Patents
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- the cross-sectional area of the acrylonitrile supply pipe is preferably larger from the above viewpoint.
- Example 1 The reaction was carried out in the same manner as in Example 1 except that the position of the supply port in Example 1 was 15.5 cm (4 cm above the final liquid level position) from the bottom of the tank.
- the linear velocity of acrylonitrile at the supply port was 0.015 m / s.
- the linear velocity of acrylonitrile at the supply port was 0.012 m / s.
- the linear velocity of acrylonitrile at the supply port was 0.0068 m / s.
- the production method of the present invention can easily increase the reaction yield from acrylonitrile to acrylamide during acrylamide production using a biocatalyst. Furthermore, since acrylonitrile can be prevented from evaporating out of the reaction system, it can be suitably used as a method for producing acrylamide with low cost, energy saving and low environmental load.
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Abstract
生体触媒法によるアクリロニトリルからのアクリルアミドの製造において、アクリロニトリルの気相への蒸発と攪拌による触媒の損傷との両方を防止する方法を提供する。本発明は、生体触媒法によるアクリロニトリルからのアクリルアミドの製造において、微生物触媒を含有する水系媒体中にアクリロニトリルを供給する。
Description
本発明は、微生物由来の酵素ニトリルヒドラターゼの作用によりアクリロニトリルからアクリルアミドを製造する方法に関する。
アクリルアミドは産業上重要な物質として広範な分野で使用されている。例えば、アクリルアミドの重合体は廃水処理用凝集剤、紙力増強剤、石油回収剤等に広く用いられている。アクリルアミドは、従来、還元状態の銅を触媒として対応するアクリロニトリルを水和することにより工業的に製造されているが、近年、銅触媒に代えて微生物触媒を用いる方法(生体触媒法)が開発され、その一部は実用化されている。
生体触媒法は、その反応条件が温和で副生成物も殆ど無く、極めてシンプルなプロセスが組めることから工業的製法として有力視されており、これまでにアクリロニトリルを水和してアクリルアミドに変換する触媒能を有する酵素(酵素名:ニトリルヒドラターゼ)を有する多くの微生物が見出されている。微生物触媒として使用したアクリルアミドの製造方法として、種々の方法が知られている(例えば、特許文献1~8参照。)。
一方、アクリロニトリルは水又はアクリルアミド水溶液に対して溶解性が低い(7.3g/100g水、25℃)ため、アクリロニトリルの水への溶解が不十分である場合、アクリロニトリルと微生物触媒との接触が悪くなることによる触媒生産性の低下や微生物触媒の劣化、及び、アクリロニトリルの気相への蒸発によるロスの増加等の悪影響が起こる。水又はアクリルアミド水溶液へのアクリロニトリルの溶解度は、水系媒体や反応液を強く攪拌することによって高めることができる。しかしながらこのような強い攪拌は、微生物触媒の損傷及びそれによる活性の低下をもたらすことがある。
これらの問題点について、例えば特許文献1には、基質が反応系内において常に溶解状態となるようにアクリロニトリル又はメタアクリロニトリルを攪拌下の反応系内へ滴下によって加えることが適当である旨が記載されている。また特許文献2には、攪拌所要動力を0.08~1.3kW/m3とすることで、ニトリル化合物と生体触媒の接触や分散性を良好にして、製造コストや環境負荷の抑制された生体触媒を用いてニトリル化合物からアミド化合物を製造する方法が開示されている。また特許文献3には、反応器が、反応混合物の一部がポンプによって循環され、かつ、少なくとも一つの熱交換器が設けられているポンプ循環路を備えるアクリルアミド水溶液の製造装置が開示されており、最良の形態として、ポンプ循環路にアクリロニトリルを添加することが開示されている。また特許文献4には、回転翼やラインミキサー等の適当な混合装置を使用して、静置下において二相に分離する水性媒体相とニトリル相を十分に混和させることが重要である旨が記載されている。
しかしながら、前記の特許文献に見られるように、従来技術には、アクリロニトリルの気相への蒸発と触媒の損傷との両方を防止することはまだまだ不十分であった。特許文献3の方法においては、加えて、大きな動力エネルギーが必要とされ、また、ポンプの循環熱が発生し得ることで余分な除熱コストが必要とされ、さらに、ポンプ渦流により微生物触媒が損傷し活性が低下しやすい、という問題点も挙げられる。このように、生体触媒法において、少なくともアクリロニトリルの気相への蒸発と触媒の損傷との両方を防止するより有効な手段については、未だ検討の余地が残されている。
本発明は、生体触媒法によるアクリロニトリルからのアクリルアミドの製造において、アクリロニトリルの気相への蒸発と攪拌による触媒の損傷との両方を防止する方法を提供する。
本発明者らは、アクリロニトリルは液状では特に重合しやすいものの、生体触媒法の反応条件では水系媒体中にアクリロニトリルを供給しても重合の発生が生じにくく、穏やかな攪拌によってもアクリロニトリルを速やかに水系媒体に分散し、溶解させることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、微生物触媒が添加されている水系媒体に、水系媒体を攪拌しながらアクリロニトリルを供給して、水系媒体においてアクリルアミドを製造する方法において、アクリロニトリルを水系媒体に供給するアクリロニトリル供給管の供給口を水系媒体中に配置してアクリロニトリルを水系媒体中に供給するアクリルアミドの製造方法を提供する。
また本発明は、前記供給口が、前記アクリロニトリル供給管の断面積よりも小さな開口面積を有する前記のアクリルアミドの製造方法を提供する。
本発明によれば、アクリロニトリルは反応系内において常に溶解状態となるように加えることができ、アクリロニトリルの反応系外への蒸発がほとんどなく、攪拌による微生物触媒の損傷を防止することができる。よって本発明によれば、微生物触媒との高い接触効率を得ることができ、低コスト、省エネルギーで、かつ環境負荷の低い、高生産性のアクリルアミドの製造ができる。
また本発明では、前記供給口が前記アクリロニトリル供給管の断面積よりも小さな開口面積の供給口を有することが、アクリルアミドの収率をより高める観点からより一層効果的である。
本発明のアクリルアミドの製造方法は、微生物触媒が添加されている水系媒体に、水系媒体を攪拌しながらアクリロニトリルを供給して、水系媒体においてアクリルアミドを製造する方法において、アクリロニトリルを水系媒体に供給するアクリロニトリル供給管の供給口を水系媒体中に配置してアクリロニトリルを水系媒体中に供給する。
本発明のアクリルアミドの製造方法では、アクリロニトリルを水系媒体中で微生物触媒と接触させることにより、アクリルアミドを製造する。本発明のアクリルアミドの製造方法は、アクリロニトリル供給管の供給口を水系媒体中に配置してアクリロニトリルを水系媒体中に供給する以外は、本発明の効果が得られる範囲において、生体触媒法によるアクリルアミドの製造における公知の技術を採用して実施することができる。
前記水系媒体は、水を主成分とする液である。水系媒体は、微生物触媒の他に、pH緩衝剤等の他の成分を含有していてもよい。
前記微生物触媒は、ニトリル化合物をアミド化合物に変換する酵素であるニトリルヒドラターゼを発現し保有した微生物、及び前記酵素又は前記微生物の処理物のことである。前記微生物としては、例えばノカルディア(Nocardia)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、バチルス(Bacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ミクロコッカス(Micrococcus)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、キサントバクター(Xanthobacter)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、リゾビウム(Rhizobium)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、エルウィニア(Erwinia)属、エアロモナス(Aeromonas)属、シトロバクター(Citrobacter)属、アクロモバクター(Achromobacter)属、アグロバクテリウム( Agrobacterium)属、又はシュードノカルディア(Pseudonocardia)属に属する微生物が挙げられる。
また前記処理物としては、例えば化学的に処理された前記微生物の菌体又は前記酵素や、担体に固定化された前記微生物の菌体又は前記酵素が含まれる。このような処理物としては、例えば、高分子ゲルの微細な格子の中に包み込まれた菌体又は酵素、半透膜性の高分子の被膜によって被覆された菌体又は酵素、二個又はそれ以上の官能基を持った試薬で架橋された酵素、及び水不溶性の担体に結合された酵素、が挙げられる。
前記担体としては、例えばガラスビーズ、シリカゲル、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カラギーナン、アルギン酸、寒天、及びゼラチンが挙げられる。
水系媒体中の微生物触媒の濃度は、アクリロニトリルからアクリルアミドへの所望の転化率やアクリルアミドの所望の収率が得られる濃度であればよく、例えば水系媒体中の微生物触媒の濃度は水系媒体1Lあたり乾燥菌体5~500mgとなる濃度から適宜に選ぶことができる。
前記攪拌は、少なくとも、水系媒体中に供給されたアクリロニトリルを、水系媒体の表面に層を形成させずに分散させる攪拌である。前記攪拌は、微生物触媒の破損を防止する観点から、先端速度が4.0m/s以下となるように行うことが好ましい。前記攪拌における攪拌翼には種々の攪拌翼を用いることができる。前記攪拌翼としては、例えばパドル、ディスクタービン、プロペラ、ヘリカルリボン、アンカー、ファウドラー、及びファンタービンが挙げられる。
前記攪拌は、アクリロニトリルの水系媒体への良好な分散の観点、及びアクリロニトリルの気相への蒸発を抑制する観点から、フルード数が0.05~0.20となるように行われることが好ましく、0.08~0.16となるように行われることがより好ましい。ここでフルード数(Fr)とは、攪拌される水系媒体の慣性力と重力との比を意味し、液面と気相部の界面の乱れ具合に影響する無次元数であり、下記式で表される。
Fr=n2d/g
前記式中、nは回転速度[1/s]を表し、dは攪拌翼径[m]を表し、gは重力加速度[m/s2]を表す。
Fr=n2d/g
前記式中、nは回転速度[1/s]を表し、dは攪拌翼径[m]を表し、gは重力加速度[m/s2]を表す。
さらに前記攪拌は、エネルギー消費量の低減の観点から、水系媒体の単位体積当たりの攪拌所要動力が0.02~1.0kW/m3となるように行われることが好ましい。
本発明のアクリルアミドの製造における反応温度は、微生物触媒の十分な反応活性を得る観点及び微生物触媒の失活を抑制する観点から、5~40℃であることが好ましく、20~35℃であることがより好ましい。
本発明において、アクリロニトリルは、水系媒体に供給されたアクリロニトリルが反応で消費されずに層を形成することがないように水系媒体に供給されればよい。アクリロニトリルは、水系媒体へ、連続して供給してもよいし間歇的に供給してもよい。アクリロニトリルは、水系媒体中のアクリロニトリルの濃度で制御することができ、水系媒体中のアクリロニトリルの濃度が0.1~5.0%となるよう供給されることが好ましく、1.0~2.5%となるよう供給されることがさらに好ましい。
前記アクリロニトリル供給管の供給口の位置は、前記水系媒体中であればよい。前記供給口の位置は、アクリルアミドの収率をより高める観点から、水系媒体の液面の位置を0%とし水系媒体の最深部の深さを100%とした場合、80%以下の位置であることが好ましく、60%以下の位置であることがより好ましく、50%以下の位置であることがさらに好ましい。前記供給口は一つでもよいし二以上であってもよい。
また前記供給口は、水系媒体の攪拌用の攪拌翼の近傍に配置されることによって、アクリロニトリルの溶解速度をさらに向上させることが可能である。このような観点から、本発明によってアクリルアミドを工業的に生産する場合では、前記供給口の位置は、前記攪拌翼の先端から50cm以内の位置であることが好ましく、30cm以内の位置であることがより好ましく、20cm以内の位置であることがさらに好ましい。また前記供給口は、攪拌翼が複数ある場合は、攪拌翼と攪拌翼の間に配置することも好ましい。
本発明におけるアクリルアミドの工業的な生産において、水系媒体へのアクリロニトリルの分散や溶解を促進させる観点から、アクリロニトリルは、供給口におけるアクリロニトリルの線速度が0.05m/s以上となるようにアクリロニトリル供給管から水系媒体へ供給されることが好ましく、0.1m/s以上となるようにアクリロニトリル供給管から水系媒体へ供給されることがより好ましい。前記供給口の断面積は、前記観点から、所望のアクリロニトリルの供給量を達成し得る範囲でより小さい断面積であることが望ましい。
本発明におけるアクリルアミドの工業的な生産において、アクリロニトリルの供給における圧力損失を低減させる観点から、アクリロニトリルは、アクリロニトリル供給管内のアクリロニトリルの線速度が3m/s以下となるようにアクリロニトリル供給管から水系媒体へ供給されることが好ましく、1.5m/s以下となるようにアクリロニトリル供給管から水系媒体へ供給されることがより好ましい。アクリロニトリル供給管の断面積は、前記観点から大きい方が好ましい。
前記アクリロニトリル供給管内のアクリロニトリルの前記の線速度は、アクリロニトリルの供給量に応じた適当な管径を有する管をアクリロニトリル供給管に用いることによって実現することができる。前記供給口におけるアクリロニトリルの線速度は、アクリロニトリル供給管の断面積に比べて供給口の断面積を小さくすることによって実現することができる。前記供給口の断面積は、例えば図1に示すようにアクリロニトリル供給管より断面積の小さな管をアクリロニトリル供給管の先端に接続したり、図2に示すようにアクリロニトリル供給管の先端部をつぶしたり、また、アクリロニトリル供給管の先端を塞ぎ、該先端部に前記供給管の内径よりも小さな穴を開けることによって、小さくすることができる。
前記アクリロニトリル供給管及び前記供給口は、アクリロニトリルに対して、またアクリルアミドの製造において実質的に影響を及ぼさない材料で形勢することができる。このような材料としては、例えばステンレス、銅、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びフッ素系樹脂が挙げられる。
本発明の製造方法は、連続反応により行う方法(連続的にアクリルアミドを生成させる方法)で行うことができ、またバッチ反応により行う方法(非連続的にアクリルアミドを生成させる方法)で行うことができる。
ここで、連続反応により行う方法とは、原料であるアクリロニトリルと微生物触媒との連続的又は間歇的な反応槽への供給と、反応生成物を含む水系媒体の連続的又は間歇的な反応槽からの取り出しを行いながら、反応槽内の反応混合物を全量抜き出すことなく連続的にアクリルアミドを製造する方法を意味する。
前記連続反応により行う方法は、例えば図3に示すように、複数の反応槽が直列に接続された装置を用いて行うことができる。反応槽の数は、水系媒体中のアクリロニトリルやアクリルアミドの濃度に応じて反応を精密に制御する観点によれば多いことが望ましく、設備費を抑制する観点や反応の制御の煩雑化を防止する観点によれば少ないことが望ましい。これらの観点から、反応槽の数は2~20であることが好ましく、3~15であることがより好ましく、3~10であることがさらに好ましい。
図3の装置は、第一の反応槽1、第二の反応槽2、第(n-1)の反応槽3、及び第nの反応槽4とを有している。図3において、nは4以上の整数を表している。図3の装置において、m番目(m≧2)の反応槽は、m-1番目の反応槽の収容物がポンプ等の強い攪拌を伴う送液手段を用いることなく供給されるように、液面下の位置で互いの反応槽内を連通する管によってm-1番目の反応槽と接続されている。各反応槽1~4には攪拌機5と、温度調節用の不図示のジャケットとが設けられている。攪拌機5は、攪拌軸の軸方向における異なる二箇所にそれぞれ設けられている二つのパドル翼を有している。
第一及び第二の反応槽1、2は、アクリロニトリル供給管6、7をそれぞれ有している。アクリロニトリル供給管6、7は、それぞれ、二つのパドル翼に対して非接触であって、例えば二つのパドル翼の間に供給口が位置するように配置されている。さらに第一の反応槽1には、水系媒体供給管8と微生物触媒供給管9とが設けられている。水系媒体供給管8及び微生物触媒供給管9は、例えばいずれの供給口も反応槽に前記の液が収容されたときの液面よりも上方に位置するように配置されている。
第一の反応槽1には、水系媒体と微生物触媒とが一定の速度で連続して供給され、反応槽1内の温度が所定の温度に調整され、また反応槽1内の水系媒体中におけるアクリロニトリルの濃度が所定値となるようにアクリロニトリルが一定の速度で連続して供給される。第一の反応槽1ではアクリロニトリルが速やかに水系媒体中に分散し、微生物触媒によってアクリロニトリルからアクリルアミドが生成する。また、攪拌機2はいずれの反応槽においても、パドル翼の先端の移動速度(先端速度)は反応槽のサイズによって異なるが1~5m/s程度の速度となるように運転している。第一の反応槽1において、生成したアクリルアミドを含む水系媒体(反応液)は、第一の反応槽1において一定量が収容されつつ第二の反応槽2へ連続して供給される。
第二の反応槽2には、第一の反応槽1の反応液が一定の速度で連続して供給され、反応槽2内の温度が所定の温度に調整され、また反応槽2内の反応液中のアクリロニトリルの濃度が所定値となるようにアクリロニトリルが一定の速度で連続して供給され、アクリロニトリルが速やかに反応液中に分散し、反応液中の未反応のアクリロニトリルが反応液中の微生物触媒によって反応し、第二の反応槽2においてさらにアクリルアミドが生成する。第二の反応槽2内の反応液は第二の反応槽2において一定量が収容されつつ後段の反応槽へ連続して供給される。
第(n-1)の反応槽3には、第(n-2)の反応槽からの反応液が一定の速度で連続して供給され、反応槽3内の温度が所定の温度に調整され、反応液中の未反応のアクリロニトリルが反応液中の微生物触媒によって反応し、第(n-1)の反応槽3においてさらにアクリルアミドが生成する。第(n-1)の反応槽3内の反応液は第(n-1)の反応槽3において一定量が収容されつつ第nの反応槽4へ連続して供給される。
第nの反応槽4では温度が所定の温度に調整され、反応液中の未反応のアクリロニトリルがさらに反応し、一定量が収容されつつ反応液が連続して排出される。排出された反応液にはアクリロニトリルはほとんど含まれておらず、アクリルアミドが約50%含有されている。得られた反応液から微生物触媒を分離し、アクリルアミドを必要に応じて常法に基づいて分離、精製する。分離された微生物触媒は、第一の反応槽1に供給される微生物触媒に再利用してもよい。
前記バッチ反応により行う方法は、例えば図4に示す装置を用いて行うことができる。図4の装置は、反応槽10と、攪拌機11と、アクリロニトリル供給管12と、不図示のジャケットとを有する。反応槽10には、水とpH緩衝剤と微生物触媒とを含有する水系媒体が収容されている。攪拌機11は攪拌軸に沿って三つのパドル翼を有している。攪拌機11は、パドル翼の先端速度は、反応槽のサイズによって異なるが1~5m/s程度の速度となるように運転している。水系媒体の温度はジャケットによって所定の温度に調整されている。アクリロニトリル供給管12は、例えばパドル翼に非接触であって、上から一番目のパドル翼と二番目のパドル翼との間に供給口が位置するように配置されている。
反応槽10には、反応槽10内の水系媒体中におけるアクリロニトリルの濃度が所定値となるようにアクリロニトリルが連続して又は間歇的に供給される。供給されたアクリロニトリルは速やかに水系媒体中に分散し、微生物触媒によってアクリロニトリルからアクリルアミドが生成する。反応槽10内の水系媒体の量に応じた所定量までアクリロニトリルを供給し、所定の温度で攪拌を続けることによりアクリロニトリルは消費され、反応槽10内における反応液中の濃度で約50%のアクリルアミドが生成する。反応終了後、反応液から微生物触媒が分離され、必要に応じてアクリルアミドが分離、精製される。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
(生体触媒の調製)
ニトリルヒドラターゼ活性を有するロドコッカス・ロドクロウス Rodococcus rhodochrousJ1株(受託番号 FERM BP-1478として独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に1987年9月18日に寄託されている)を、グルコース2%、尿素1%、ペプトン0.5%、酵母エキス0.3%、塩化コバルト0.05%(何れも質量%)を含む培地(pH7.0)により30℃で好気的に培養した。これを遠心分離機及び50mMリン酸緩衝液(pH7.0)を用いて、集菌洗浄し、菌体懸濁液(乾燥菌体:12質量%)を得た。
ニトリルヒドラターゼ活性を有するロドコッカス・ロドクロウス Rodococcus rhodochrousJ1株(受託番号 FERM BP-1478として独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に1987年9月18日に寄託されている)を、グルコース2%、尿素1%、ペプトン0.5%、酵母エキス0.3%、塩化コバルト0.05%(何れも質量%)を含む培地(pH7.0)により30℃で好気的に培養した。これを遠心分離機及び50mMリン酸緩衝液(pH7.0)を用いて、集菌洗浄し、菌体懸濁液(乾燥菌体:12質量%)を得た。
[実施例1]
液容積1Lのジャケット冷却器付攪拌槽(槽内径:10.5cm)に、アクリロニトリルを供給するアクリロニトリル供給管としてSUS製の配管(内径:6mm)を、その開口端(供給口)が槽底面から3cmの高さになるように設置した。この攪拌槽に、水系媒体として50mMリン酸緩衝液(pH7.0)を621g、微生物触媒として菌体懸濁液を1.5gそれぞれ入れて、液温が21℃となるようにジャケットに5℃の冷却水を流して制御した。この時、前記供給口は液面より4cm下に位置した。また前記供給口と直近のパドル翼との最短距離は1cmであった。
液容積1Lのジャケット冷却器付攪拌槽(槽内径:10.5cm)に、アクリロニトリルを供給するアクリロニトリル供給管としてSUS製の配管(内径:6mm)を、その開口端(供給口)が槽底面から3cmの高さになるように設置した。この攪拌槽に、水系媒体として50mMリン酸緩衝液(pH7.0)を621g、微生物触媒として菌体懸濁液を1.5gそれぞれ入れて、液温が21℃となるようにジャケットに5℃の冷却水を流して制御した。この時、前記供給口は液面より4cm下に位置した。また前記供給口と直近のパドル翼との最短距離は1cmであった。
槽内の液温を21℃に保ったまま、純度99.7%のアクリロニトリルをアクリロニトリル供給管から槽内へ供給し反応を開始した。反応中は、翼径5cmのパドル型攪拌翼を回転数250r.p.m(先端速度0.65m/s)で攪拌して反応液を混合した。また、反応液中のアクリロニトリル濃度が常に2%となるように、アクリロニトリルを間歇的に供給した。アクリロニトリルの積算供給量が470mLとなった時点でアクリロニトリルの供給を停止した。その後、反応開始から8時間経るまで反応を継続した。
反応開始から8時間後、反応液をガスクロマトグラフィー(カラム:Waters社製、PoraPak-PS、1m、180℃;キャリアガス:ヘリウム;検出器:FID)により外部標準法(絶対検量線法)で定量的に測定した。その結果、未反応のアクリロニトリルが60ppm検出され、50.2%のアクリルアミドが検出された。アクリロニトリルからアクリルアミドへの収率は、99.3%であった。アクリロニトリルの供給条件と反応結果とを表1に示す。
[実施例2]
前記アクリロニトリル供給管に、内径2mm、長さ2cmのSUS製のさらなる配管を接続し、このさらなる配管の開口端(供給口)が槽底面から3cmの高さになるように設置した以外は、実施例1と同様に反応させた。供給口におけるアクリロニトリルの線速度は0.04m/sであった。
前記アクリロニトリル供給管に、内径2mm、長さ2cmのSUS製のさらなる配管を接続し、このさらなる配管の開口端(供給口)が槽底面から3cmの高さになるように設置した以外は、実施例1と同様に反応させた。供給口におけるアクリロニトリルの線速度は0.04m/sであった。
反応開始から8時間後、実施例1と同様に反応液をガスクロマトグラフィーにより測定した結果、未反応のアクリロニトリルが10ppm検出され、50.4%のアクリルアミドが検出された。アクリロニトリルからアクリルアミドへの収率は99.7%であった。アクリロニトリルの供給条件と反応結果とを表1に示す。
[比較例1]
実施例1における供給口の位置を槽底面から15.5cm(最終液面位置よりも4cm上)とした以外は、実施例1と同様に反応させた。
実施例1における供給口の位置を槽底面から15.5cm(最終液面位置よりも4cm上)とした以外は、実施例1と同様に反応させた。
反応開始から8時間後、実施例1と同様に反応液をガスクロマトグラフィーにより測定した結果、未反応のアクリロニトリルが270ppm検出され、49.2%のアクリルアミドが検出された。アクリロニトリルからアクリルアミドへの収率は97.4%であった。アクリロニトリルの供給条件と反応結果とを表1に示す。
比較例1では、実施例1と比較してより多くの未反応のアクリロニトリルが残存したことから、触媒の劣化が進んだものと判断された。これは、反応液へのアクリロニトリルの溶解が不十分なため、局所的に高濃度のアクリロニトリルが存在したことによって、触媒の劣化が促進されたためと考えられる。また、未反応のアクリロニトリルの濃度とアクリルアミドの収率とから明らかなように、アクリロニトリルの反応系外への揮発量も多かった。
[比較例2]
実施例2における供給口の位置を槽底面から15.5cm(最終液面位置よりも4cm上)とした以外は、実施例2と同様に反応させた。
実施例2における供給口の位置を槽底面から15.5cm(最終液面位置よりも4cm上)とした以外は、実施例2と同様に反応させた。
反応開始から8時間後、実施例1と同様に反応液をガスクロマトグラフィーにより測定した結果、未反応のアクリロニトリルが200ppm検出され、48.1%のアクリルアミドが検出された。アクリロニトリルからアクリルアミドへの収率は95.2%であった。アクリロニトリルの供給条件と反応結果とを表1に示す。比較例1よりもさらにアクリロニトリルの反応系外への揮発量は多かった。
[実施例3]
液容積1Lのジャケット冷却器付攪拌槽(槽内径:10.5cm、液深:11.5cm)を、6槽直列に連結した。第1槽は、反応時に液面下となる槽内を互いに連通する配管によって第2槽と接続されている。同様に第2槽と第3槽、第3槽と第4槽、第4槽と第5槽、及び第5槽と第6槽が接続されている。第6槽には、槽内の液を排出するための配管が槽底部に設けられている。
液容積1Lのジャケット冷却器付攪拌槽(槽内径:10.5cm、液深:11.5cm)を、6槽直列に連結した。第1槽は、反応時に液面下となる槽内を互いに連通する配管によって第2槽と接続されている。同様に第2槽と第3槽、第3槽と第4槽、第4槽と第5槽、及び第5槽と第6槽が接続されている。第6槽には、槽内の液を排出するための配管が槽底部に設けられている。
第1槽から第3槽には、アクリロニトリル供給管として、アクリロニトリルを供給するSUS製の配管(内径:6mm)が、その開口端(供給口)が槽底面から3cmの位置(液面より8.5cm下)になるように設置されている。
また、第1槽には、水系媒体としての50mMリン酸緩衝液(pH7.0)を供給する水系媒体供給管、及び微生物触媒としての菌体懸濁液を供給する微生物触媒供給管(いずれもポリエチレン製)を取り付けた。水系媒体供給管は、その開口端が槽底面から5cmの位置になるように設置し、微生物触媒供給管は、その開口端が反応液の液面よりも3cm上側の位置になるように設置した。
第1槽から第6槽まで翼径5cmのパドル翼を用いて250r.p.mの回転数で攪拌を行いながら、第1槽に50mMリン酸緩衝液(pH7.0)を511mL/hr、アクリロニトリルを174mL/hr、及び菌体懸濁液を1.5g/hrで連続的に供給し、第2槽にアクリロニトリルのみを136mL/hrで連続的に供給し、第3槽にアクリロニトリルのみを77mL/hrで連続的に供給した。
第1槽において、反応液中のアクリロニトリルの濃度は2.0%であり、アクリロニトリル供給管におけるアクリロニトリルの線速度は0.0017m/sであり、供給口におけるアクリロニトリルの線速度も0.0017m/sであり、微生物触媒の濃度は0.027%であった。
また第2槽において、反応液中のアクリロニトリルの濃度は1.8%であり、アクリロニトリル供給管におけるアクリロニトリルの線速度は0.0013m/sであり、供給口におけるアクリロニトリルの線速度は0.0013m/sであり、微生物触媒の濃度は0.024%であった。
さらに第3槽において、反応液中のアクリロニトリルの濃度は1.9%であり、アクリロニトリル供給管におけるアクリロニトリルの線速度は0.00076m/sであり、供給口におけるアクリロニトリルの線速度は0.00076m/sであり、微生物触媒の濃度は0.022%であった。
なお、原料アクリロニトリルの純度は99.7%である。また、第1槽から第6槽までの反応液温度がそれぞれ24℃、25℃、25℃、26℃、26℃及び26℃となるようにジャケットの冷却水(5℃)を用いて温度制御した。さらに第1槽から第6槽の反応液量を1Lに調整し、第6槽から連続して排出される反応液を最終生成物とした。
反応開始から2日後、第6槽から流出してくる反応液を、ガスクロマトグラフィー(カラム:Waters社製、PoraPak-PS、1m、180℃;キャリアガス:ヘリウム;検出器:FID)により実施例1と同様に測定した。
その結果、未反応のアクリロニトリルが30ppm検出され、50.4%のアクリルアミドが検出された。アクリロニトリルからアクリルアミドへの収率は、99.7%であった。アクリロニトリルの供給条件と反応結果とを表1に示す。
[実施例4]
第1槽から第3槽のアクリロニトリル供給管の開口端(供給口)の位置を、槽底面から10cmの位置(液面より1.5cm下)に変更した以外は、実施例3と同様にして反応を行った。
第1槽から第3槽のアクリロニトリル供給管の開口端(供給口)の位置を、槽底面から10cmの位置(液面より1.5cm下)に変更した以外は、実施例3と同様にして反応を行った。
反応開始から2日後、第6槽から流出してくる反応液を実施例1と同様に測定したところ、未反応のアクリロニトリルが90ppm検出され、50.3%のアクリルアミドが検出された。アクリロニトリルからアクリルアミドへの収率は、99.5%であった。アクリロニトリルの供給条件と反応結果とを表1に示す。
[実施例5]
実施例2と同様に、第1槽から第3槽におけるアクリロニトリル供給管に、内径2mm、長さ2cmのSUS製のさらなる配管をそれぞれ接続し、このさらなる配管の開口端(供給口)の位置を槽底面から3cmとした以外は、実施例3と同様にして反応を行った。
実施例2と同様に、第1槽から第3槽におけるアクリロニトリル供給管に、内径2mm、長さ2cmのSUS製のさらなる配管をそれぞれ接続し、このさらなる配管の開口端(供給口)の位置を槽底面から3cmとした以外は、実施例3と同様にして反応を行った。
第1槽において、供給口におけるアクリロニトリルの線速度は0.015m/sであった。また第2槽において、供給口におけるアクリロニトリルの線速度は0.012m/sであった。さらに第3槽において、供給口におけるアクリロニトリルの線速度は0.0068m/sであった。
反応開始から2日後、第6槽から流出してくる反応液を実施例1と同様に測定したところ、未反応のアクリロニトリルは検出されず、50.5%のアクリルアミドが検出された。アクリロニトリルからアクリルアミドへの収率は、99.9%であった。アクリロニトリルの供給条件と反応結果とを表1に示す。
[比較例3]
第1槽から第3槽におけるアクリロニトリル供給管を、その開口端(供給口)の位置が反応液の液面よりも5cm上に位置するように設置した以外は、実施例3と同様にして反応を行った。
第1槽から第3槽におけるアクリロニトリル供給管を、その開口端(供給口)の位置が反応液の液面よりも5cm上に位置するように設置した以外は、実施例3と同様にして反応を行った。
反応開始から2日後、第6槽から流出してくる反応液を実施例1と同様に測定したところ、未反応のアクリロニトリルが280ppm検出され、49.1%のアクリルアミドが検出された。アクリロニトリルからアクリルアミドへの収率は、97.2%であった。アクリロニトリルの供給条件と反応結果とを表1に示す。
比較例1と同様に、実施例3と比較してより多くの未反応のアクリロニトリルが残存したことから、触媒の劣化が進んだものと判断された。よって、反応液へのアクリロニトリルの溶解が不十分なため、局所的に高濃度のアクリロニトリルが存在し、触媒の劣化が促進されたことが明らかになった。また、アクリロニトリルの反応系外への揮発量も多かった。
[比較例4]
第1槽から第3槽におけるさらなる配管を、その開口端(供給口)の位置が反応液の液面よりも5cm上に位置するように設置した以外は、実施例5と同様にして反応を行った。
第1槽から第3槽におけるさらなる配管を、その開口端(供給口)の位置が反応液の液面よりも5cm上に位置するように設置した以外は、実施例5と同様にして反応を行った。
反応開始から2日後、第6槽から流出してくる反応液を実施例1と同様に測定したところ、未反応のアクリロニトリルが190ppm検出され、48.4%のアクリルアミドが検出された。アクリロニトリルからアクリルアミドへの収率は、95.8%であった。アクリロニトリルの供給条件と反応結果とを表1に示す。アクリロニトリルの反応系外への揮発量が多かった。
本発明の製造方法は、生体触媒によるアクリルアミド製造時に、アクリロニトリルからアクリルアミドへの反応収率を容易に高めることができる。さらにアクリロニトリルの反応系外への蒸発を防止することができるため、低コスト、省エネルギーで、かつ環境負荷の低いアクリルアミドの製造方法として好適に使用することができる。
1~4、10 反応槽
5、11 攪拌機
6、7、12 アクリロニトリル供給管
8 水系媒体供給管
9 微生物触媒供給管
5、11 攪拌機
6、7、12 アクリロニトリル供給管
8 水系媒体供給管
9 微生物触媒供給管
Claims (2)
- 微生物触媒が添加されている水系媒体に、水系媒体を攪拌しながらアクリロニトリルを供給して、水系媒体においてアクリルアミドを製造する方法において、
アクリロニトリルを水系媒体に供給するアクリロニトリル供給管の供給口を水系媒体中に配置してアクリロニトリルを水系媒体中に供給することを特徴とするアクリルアミドの製造方法。 - 前記供給口が、前記アクリロニトリル供給管の断面積よりも小さな開口面積を有することを特徴とする請求項1に記載のアクリルアミドの製造方法。
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